JP6350481B2 - 工作機械の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械の制御装置に関する。
従来より、工具に加えられる加工負荷を検出するための応力検出手段と、該応力検出手段による検出結果に基づいて、工具による加工の制御量を制御する制御手段とを備えた工作機械が知られている。
例えば、特許文献1に記載の工作機械は、上記応力検出手段に代えて、加工時にドリルに加えられるトルクを検出するためのトルク検出手段を備え、さらに、該トルク検出手段によって検出される検出トルクに基づいてドリルの送り速度を算出する送り速度算出手段及び送り速度算出手段により算出された送り速度となるようにドリルを前進させる送り機構を制御する送り機構制御手段を含む制御装置を備えたものである。
特開平07−195256号公報
ところで、上記工作機械による加工の際には、工具は加工対象としてのワークからの反力を受けるため、該工具には負荷(加工負荷)が加えられる。工具の破損を防止するには、工作機械によるワークの加工の制御量を、工具に一定値以上の加工負荷が加えられないような制御量に制御する必要がある。しかし、該制御量を、上記一定値からのマージンを大きく設定し過ぎると、加工効率が低下してしまうため、加工効率を低下させずにかつ上記一定値以上の加工負荷が工具に加えられない制御量、すなわち、工具の加工品質を維持しつつ加工効率を高める制御量に制御することが望まれている。
特許文献1に記載の工作機械は、加工負荷を検出するためのトルク検出手段として、磁歪式のトルクセンサをドリルの周囲に配置している。磁歪式のトルクセンサは、工具の回転軸の透磁率の変化から工具に加えられるトルクを検出するところ、磁歪式のトルクセンサをドリルの周囲に配置してしまうと、工具からのクーラント液の飛沫の影響や切削屑の飛散の影響によって、回転軸の透磁率の変化を正確に検出することができなくなり、加工時に工具に加えられるトルクを精度良く検出することができなくなる。この結果、上記トルクセンサによって検出されたトルクのみからでは、加工の制御量を適切に制御できないおそれがある。これは、応力検出手段によって加工負荷を検出する場合でも同様に起こり得る。
そこで、応力検出手段を工具の周囲ではなく、工作機械の主軸を回転可能に支持する支持部材に配置して、応力検出手段を加工位置から離すことで、工具からのクーラント液の飛沫の影響や切削屑の飛散の影響を回避することが考えられる。しかし、このように、応力検出手段を支持部材に配置すると、加工時の工具の摩擦熱や該摩擦熱等により熱せられたクーラント液の熱によって、支持部材における応力検出手段の近傍や支持部材に取り付けられた部品が熱変形することで、応力検出手段に作用する押圧が変化して、応力検出手段が、工具に加えられる加工負荷に基づく応力に加えて、支持部材等から応力検出手段に加えられる応力も検出してしまう。つまり、応力検出手段を支持部材に配置したとしても、加工時に工具に加えられる加工負荷を正確に検出できない。すなわち、応力検出手段の配置を換えただけでは、工具によるワークの加工の制御量を、工具の加工品質を維持しつつ加工効率を高める制御量に制御することができない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、応力検出手段を、工作機械の主軸を回転可能に支持する支持部材に関連付けて配置したときに、工具による加工品質を維持しつつ加工効率を高めることができるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明では、ワークを加工する工具が取り付けられる主軸と、上記主軸を回転可能に支持する支持部材と、上記主軸を取り囲むように上記支持部材に関連付けて配置され、該支持部材を介して作用する応力を検出して、上記ワークの加工時に上記工具に加えられる加工負荷を検出するための複数の応力検出手段と、上記複数の応力検出手段の検出結果からそれぞれ算出される上記加工負荷である検出負荷に基づいて、上記工具による上記ワークの加工の制御量を制御する制御手段と、を備えた工作機械の制御装置を対象として、上記支持部材における上記複数の応力検出手段の各近傍部及び該各近傍部にそれぞれ取り付けられる部品のうちの少なくとも一方にそれぞれ設けられ、上記近傍部及び上記各部品のうちの少なくとも一方の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段をさらに備え、上記制御手段は、上記複数の応力検出手段の検出結果からそれぞれ算出される検出負荷と上記各応力検出手段に対応する上記温度検出手段によってそれぞれ検出された検出温度とに基づいて、上記加工の制御量を補正するように構成されている、ものとした。
この構成によると、応力検出手段の検出結果から算出される検出負荷と支持部材における応力検出手段の近傍部及び該近傍部に取り付けられる部品の少なくとも一方の温度に基づいて、加工の制御量が補正されることで、該加工の制御量を、工具による加工品質を維持しつつ加工効率を高める制御量に制御することができる。
すなわち、加工対象としてのワークを工具によって加工した際に、加工時の摩擦熱や該摩擦熱により熱せられたクーラント液の熱によって、支持部材における応力検出手段の近傍部や該近傍部に取り付けられた部品の熱変形することで、応力検出手段が、工具に加えられる加工負荷に基づく応力に加えて、支持部材等から応力検出手段に加えられる応力を検出してしまったとしても、応力検出手段が検出した検出応力に加えて、温度検出手段によって検出された、支持部材における応力検出手段の近傍部又は該近傍部に取り付けられる部品の少なくとも一方の温度に基づいて、加工の制御量(例えば、加工時の送り速度、工具の回転数など)が補正される。これにより、支持部材等の熱変形による影響を考慮した上で、工具による加工の制御量を制御することができ、この結果、工具による加工品質を維持しつつ加工効率を高めることができる。
上記工作機械の制御装置の一実施形態において、上記制御手段は、上記温度検出手段によって検出された検出温度に基づいて、上記複数の応力検出手段の検出結果からそれぞれ算出される検出負荷をそれぞれ補正して、補正後の検出負荷に基づき加工の制御量を補正するように構成されている。
この構成によると、応力検出手段が、支持部材等の熱変形等によって応力検出手段に加えられる応力を検出してしまったとしても、温度検出手段によって検出された、支持部材における応力検出手段の近傍部又は該近傍部に取り付けられる部品の少なくとも一方の温度に基づいて、上記応力検出手段の検出応力の検出結果から算出される検出負荷を補正する。これにより、支持部材等の熱変形によって検出される応力の影響を極小化することができ、工具に加えられる加工負荷に基づく負荷を精度良く検出することができる。そして、補正後の検出負荷に基づいて、加工の制御量を精度良く補正することができるため、工具による加工品質を維持しつつ加工効率をより高めることができる。
上記工作機械の制御装置において、上記支持部材は円筒形状であり、上記支持部材には、上記支持部材の軸方向に延びる複数のクーラント油路が、上記支持部材の円周方向に略等間隔で配置されている。
この構成によると、支持部材が円筒形状であり、複数のクーラント油路が上記支持部材の円周方向に略等間隔で配置されることで、各クーラント油路に流れるクーラント液の熱による支持部材の円周方向における温度変化が略均一になる。これにより、支持部材等の熱変形による応力検出手段への影響も支持部材の円周方向で略均一になって、各応力検出手段に作用する、支持部材等の熱変形によって検出される応力も略均一化されるため、検出負荷の補正値の算出が簡略化される。この結果、応力検出手段による工具の加工負荷の検出精度をより向上させることができる。
上記工作機械の制御装置において、上記工具はドリルであり、上記制御手段は、上記検出負荷が予め設定された目標負荷の範囲内となるように、上記ドリルの送り速度を制御するように構成されている、ことが望ましい。
この構成によると、ドリルに加えられる加工負荷に基づく検出負荷が、予め設定された目標負荷の範囲内となるようにドリルの送り速度が制御されるため、ドリルに過大な負荷が加えられない範囲で加工ドリルの送り速度を比較的速い条件に設定することができる。これにより、ドリルの破損を防止しつつ、加工時間の短縮を図ることができる。
上記工作機械の制御装置において、上記複数の応力検出手段を、上記工具による上記ワークの加工により生じる加工屑から保護する保護手段をさらに備えている、ことが望ましい。
すなわち、ワークを加工した際に、加工屑が応力検出手段に付着してしまうと、加工屑が付着した部分だけ検出負荷が高く又は低くなり、工具に加えられる加工負荷を正確に検出できなくなるおそれがある。そこで、応力検出手段を加工屑から保護する保護手段を設けることにより、応力検出手段に加工屑が付着するのを防止することができる。これにより、加工屑等の付着によって、応力検出手段の検出精度が低下するのを防止することができる。
上記一実施形態において、上記制御手段は、上記支持部材における上記複数の応力検出手段の各近傍部及び該各近傍部にそれぞれ取り付けられる部品のうちの少なくとも一方の熱変形による上記各検出負荷への影響を取り除くべく、上記各検出負荷をそれぞれ補正するように構成されている、ことが好ましい。
以上説明したように、本発明の工作機械の制御装置によれば、支持部材における応力検出手段の近傍部又は該近傍部に取り付けられる部品の少なくとも一方の温度を検出する複数の温度検出手段を備え、制御手段は、上記応力検出手段の検出結果から算出される検出負荷と上記温度検出手段によって検出された検出温度とに基づいて、上記加工の制御量を補正するように構成されているため、応力検出手段検出結果から算出される検出負荷に加えて、温度検出手段によって検出された支持部材における応力検出手段の近傍部又は該近傍部に取り付けられる部品の少なくとも一方の温度に基づいて、加工の制御量を補正することができる。これにより、支持部材等の熱変形による影響を考慮した上で加工の制御量を制御することができ、工具による加工品質を維持しつつ加工効率を高めることができる。
工作室に配置された本発明の実施形態に係る制御装置により制御される工作機械を示す概略図である。 工作機械の概略を示す断面図である。 工作機械を正面から見た図である。 ケーシングの本体部への取付部分を拡大した分解斜視図である。 工作機械の駆動系及び制御系の構成を示すブロック図である。 第1制御を実行したときの応力センサの検出結果から算出される検出負荷とドリルの送り速度との関係を示すグラフである。 第2制御を実行したときの応力センサの検出結果から算出される検出負荷とドリルの送り速度との関係を示すグラフである。 第3制御を実行したときの応力センサの検出結果から算出される検出負荷とドリルの送り速度との関係を示すグラフである。 工作機械によりワークを加工したときの、フランジ部の凹陥部の温度変化と該温度変化の影響により応力センサで検出される検出応力から算出された検出負荷との関係を示すグラフである。 図9における時間が0からt1の範囲において、応力センサに加えられる応力を示す概略図である。 図9における時間がt1からt2の範囲において、応力センサに加えられる応力を示す概略図である。 コントロールユニットによる工作機械の運転時の処理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、工作室に配置された本発明の実施形態に係る制御装置により制御される工作機械1を示す。尚、以下の説明では、説明の便宜上、主軸2の軸方向を前後方向といい、ドリル3側を前側、反ドリル3側を後側という。
この工作機械1は、横型マシニングセンタであって、主軸2の前側端部に取り付けられた工具としてのドリル3を、主軸2とともに回転させて、加工対象としてのワークWの加工を行うものである。工作機械1の前側にはハウジング11が配設されており、ハウジング11内には、ハウジング11によって閉塞された加工室12が形成されている。工作機械1の前側の一部は、ハウジング11の後側の縦壁11aを介して加工室12内に収容されている。尚、ハウジング11にはユーザーが出入可能な扉(図示せず)が設けられている。また、加工室12内には主軸2に取り付ける工具を自動で交換するための自動工具交換装置(図示せず)が配置されている。
加工室12内には、水平移動可能なパレット13が配設されている。パレット13は、送り軸モータ(図示せず)に接続されており、ワークWの加工時には、送り軸モータが駆動されてパレット13(正確には、パレット13上のワークW)がドリル3に対して送られる。パレット13上には、治具14が据え付けられており、ワークWは治具14によってチャックされている。工作機械1は、上記ワークWに対し、主軸2の前側端部に取り付けたドリル3によって中ぐり加工等を行う。このとき、縦壁11aは切削屑(加工屑)等が加工室12から後述する応力センサ70に飛散するのを防止する役割をしており、本実施形態では、縦壁11aが保護手段に相当する。
図1及び図2に示すように、工作機械1は、詳しくは、主軸2と、主軸2の前側端部に取り付けられるドリル3と、主軸2を回転可能に支持する支持部材としてのケーシング4と、主軸2を含めてケーシング4を支持する本体部5とを備えている。
主軸2は、前後方向に延びる略円筒状の部材であり、主軸2の円筒内には前後方向に延びる軸心ロッド23が挿入されている。主軸2の前側端部は、円筒形状のケーシング4の円筒内に配置された状態で、ケーシング4の前側端面よりも前側に突出するように構成されている。主軸2の前側端部には、軸心ロッド23を含むチャッキング機構(図示せず)が形成されていて、該チャッキング機構によってドリル3が主軸2に取り付けられる。また、主軸2の後側端部には主軸2を回転させるための主軸モータ21(図5参照)が配置されている。
ケーシング4は、前後方向に延びる円筒形状の部材であって、円筒内に主軸2を回転可能に支持するものである。ケーシング4の内壁側における前側寄りの位置には、複数(図2では4個)のベアリング41が配置されており、主軸2は、ベアリング41を介して、ケーシング4の円筒内で回転する。ケーシング4の後側端部はケーシング4における他の部分よりも拡径したフランジ部6になっている。
また、ケーシング4のフランジ部6内及びケーシング4の壁部内には冷却用のクーラント液が流れるクーラント油路42が配設されている。詳しくは、クーラント油路42は、図2に示すように、フランジ部6よりも後側でケーシング4の径方向内側に向かって延びて、該径方向におけるケーシング4の壁部に対応する位置で前側に折れ曲がった後、前側に向かって延びている。クーラント液は、ワークWの加工時には、クーラント油路42を通って、ケーシング4の前端部に設けられた噴射口からドリル3に向かって噴射されて、ワークWの加工部周辺を冷却する。また、クーラント油路42は、ケーシング4の中心に対して対称かつケーシング4の周方向において略等間隔となるように配置されており、ケーシング4の周方向における温度分布が略均一になるようになっている。
ケーシング4は、図2及び図3に示すように、フランジ部6の部分が複数箇所(本実施形態では6箇所)でプリロードボルト44によって本体部5に取付固定されることで、本体部5に支持されている。具体的には、図4に示すように、本体部5には本体部側ボルト孔5aが形成され、フランジ部6には本体部側ボルト孔5aに対応する位置にフランジ側ボルト孔6aが形成され、これらのボルト孔5a,6aにプリロードボルト44の軸部44aの端部がそれぞれ挿入される。軸部44aの前側端部にはフランジ部6の前側からナット44cが締結され、これによりケーシング4が本体部5に締結されている。このとき、図3に示すように、プリロードボルト44による締結箇所は周方向に等間隔に複数(本実施形態では6箇所)設けられており、各締結箇所においてフランジ部6がプリロードボルト44によって本体部5に締結されることで、ケーシング4が本体部5に支持される。
フランジ部6におけるプリロードボルト44が取り付けられる位置の後側寄りの一部は、図2及び図4に示すように、フランジ部6の外周面から径方向内側に向かって略矩形状に凹陥した凹陥部6bとなっている。凹陥部6bは、フランジ部6の周方向に略等間隔になるように複数箇所(本実施形態では6箇所)に形成されている。フランジ部6の凹陥部6bが形成された位置における前側の残部は壁になっており、図2及び図4に示すように、上記フランジ側ボルト孔6aは、上記壁の部分に形成され、上記プリロードボルト44が本体部側及びフランジ側ボルト孔5a,6aに挿入されたときには、軸部44aが凹陥部6bの中に位置するようになる。
各プリロードボルト44の軸部44aには、図2及び図4に示すように、応力検出手段としての応力センサ70が1個ずつ(すなわち、全体で6個)嵌め込まれている。各応力センサ70は、各プリロードボルト44の軸部44aに支持された状態でフランジ部6の各凹陥部6bの中に配置されており、図3に示すように、ケーシング4の周方向において略等間隔となるように配置される。詳しくは後述するが、応力センサ70が、ベアリング41を介してケーシング4に伝えられる力によって作用される応力を検出することで、ワークWの加工時に、ドリル3に加えられている加工負荷が算出される。
さらに、図2及び図3に示すように、ケーシング4における各応力センサ70の近傍部、つまり、ケーシング4のフランジ部6における各凹陥部6bには、各凹陥部6bの温度を検出する温度検出手段としての温度センサ71がそれぞれ取り付けられている。尚、本実施形態では、温度センサ71は、各凹陥部6bにそれぞれ取り付けられて、各凹陥部6bの温度をそれぞれ検出するようにしているが、温度センサ71を、上記近傍部である各凹陥部6aに配置された、各プリロードボルト44にそれぞれ取り付けて、各プリロードボルト44の温度をそれぞれ検出するようにしてもよい。また、各応力センサ70、各凹陥部6b及び各プリロードボルト44の全てに温度センサ71を取り付けるようにしてもよい。
具体的に、ケーシング4を本体部5に取り付ける際には、図4に示すように、フランジ部6と本体部5との間に、カラー側ボルト孔51aが形成されたカラー51を、カラー側ボルト孔51aが本体部側ボルト孔5aに対応する位置なるよう位置合わせをして配置する。次に、予め応力センサ70が嵌め込まれたプリロードボルト44の軸44aの後側端部をカラー側ボルト孔51aを介して本体部側ボルト孔5aに挿入させる。次に、フランジ側ボルト孔6aが、本体部側ボルト孔5aに挿入されたプリロードボルト44の軸部44aの前側端部と対応する位置になるようにケーシング4の位置合わせをし、軸部44aの前側端部をフランジ側ボルト孔6aに挿入させるようにケーシング4を移動させ、軸部44aの前側端部をフランジ側ボルト孔6aから前側に向かって突出させる。そして、軸部44aの前側端部におけるフランジ側ボルト孔6aから突出した部分にワッシャー44bを介して、ナット44cを締結させる。これにより、ケーシング4が本体部5に取り付けられる。尚、温度センサ71は、ケーシング4を本体部5に取り付ける途中で、凹陥部6bに取り付けられる。
応力センサ70は、本実施形態では、既知の水晶圧電素子をリング状に加工したものであって、水晶圧電素子に作用する応力を、該水晶圧電素子の電荷の変化から検出する。ドリル3によってワークWを加工する際には、応力センサ70が、ドリル3から、主軸2及びベアリング41を介してケーシング4に伝えられる力(主軸方向のスラスト力及びケーシング4に作用する曲げ応力など)によって水晶圧電素子に作用する応力を検出して、該検出応力を後述するコントロールユニット100に入力することで、該コントロールユニット100によって、ドリル3に加えられている加工負荷が算出される。尚、加工負荷とは、例えば、トルクや曲げ応力等のことをいう。
温度センサ71は、本実施形態では熱電対である。各温度センサ71は、各凹陥部6bの温度をそれぞれ検出し、検出した検出温度を後述するコントロールユニット100に出力する。
図5に、工作機械1の駆動系及び制御系の構成を示すブロック図を示す。
本実施形態では、応力センサ70で検出された検出応力及び温度センサ71によって検出された検出温度に基づいて、コントロールユニット100が、ワークWの加工時にドリル3に加えられている加工負荷を算出して、ドリル3によるワークWの加工の制御量(例えば、ドリル3の送り速度)を上記加工負荷に応じた条件に制御する。本実施形態では、コントロールユニット100が制御手段に相当する。
コントロールユニット100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号を入出力する入出力(I/O)バスとを備えている。
応力センサ70は、検出応力を表す電気信号をコントロールユニット100に入力する。具体的には、検出応力を表す電気信号は、応力センサ70から増幅器81に入力されて、増幅機81で増幅された後、AD変換器82によってデジタル信号に変換されて、コントロールユニット100に入力される。
温度センサ71で検出された検出温度を表す電気信号は、AD変換機83によってデジタル信号に変換された後、コントロールユニット100に入力される。
コントロールユニット100は、検出応力及び検出温度に関する電気信号に基づいて、ワークWの加工時にドリル3に加えられている加工負荷を算出して、該算出結果に基づいてドリル3によるワークWの加工の制御量を決定して、該加工の制御量に基づく駆動信号を、増幅器84を介して主軸モータ21に送信するとともに、パレット13の送り軸モータに送信して、ドリル3に対してワークWを移動させて、ドリル3の加工の制御量としての送り速度を制御する。
次に、図6〜8を参照しながら、コントロールユニット100によって実行される制御について説明する。尚、以下の説明において、応力センサ70の検出応力から算出された加工負荷のことを検出負荷という。
図6は、コントロールユニット100で実行される制御の一例である第1制御を表すものである。第1制御は、比較的長い孔を開けるときなど、長時間の加工を行うときに主に実行される制御である。
第1制御は、ドリル3による加工の際に、各応力センサ70で検出された検出応力から算出される検出負荷(正確には、後述する補正後の検出負荷)が予め設定された目標負荷の範囲内になるように、ドリル3の送り速度を随時制御する制御である。目標負荷は、図6に破線で示すように、特定の値ではなく、ある程度の範囲を有するように設定されるものであって、ドリル3による加工品質を維持できる最も高効率な範囲に設定される。尚、目標負荷は、一定の範囲で設定されていたり工具毎に異なる範囲で設定されていたりしてもよく、また、ユーザーが工作機械1を用いる度に任意の範囲に設定されていてもよい。
図6を参照すると、コントロールユニット100は、まず、主軸モータ21を駆動するとともに、パレット13の送り軸モータを駆動して、図6に細線で示すように、ドリル3の送り速度を上昇させながら、ワークWを加工するように制御する。このとき、ドリル3の送り速度が上昇するとともに、ワークWからドリル3に加えられる加工負荷が増加するため、図6に太線で示すように、コントロールユニット100によって算出される検出負荷も増加する。検出負荷が目標負荷の範囲内になると、コントロールユニット100は、ドリル3の送り速度を検出負荷が目標負荷の範囲内になったときの送り速度に固定させて、加工を続ける。
その後、例えば、ドリル3で加工している孔に加工屑が溜まるなどすると、ドリル3に加えられる加工負荷が増加するため、検出負荷が増加する。そして、検出負荷が目標負荷を上回るときには、コントロールユニット100は、検出負荷が目標負荷の範囲内になるまで、ドリル3の送り速度を漸減(予め設定された速度ずつ減少させる)するように変化させる。検出負荷が目標負荷の範囲内になると、コントロールユニット100は、ドリル3の送り速度を検出負荷が目標負荷の範囲内になったときの送り速度に固定させて加工を続ける。
その後、例えば、上述の漸減制御によって検出負荷が目標負荷を下回るときには、コントロールユニット100は、検出負荷が目標負荷の範囲内になるまで、ドリル3の送り速度を漸増(予め設定された速度ずつ増加させる)するように変化させる。検出負荷が目標負荷の範囲内になると、コントロールユニット100は、ドリル3の送り速度を検出負荷が目標負荷の範囲内になったときの送り速度に固定させて加工を続ける。以下、この繰り返しによりドリル3の加工負荷が目標負荷の範囲内に制御される。尚、漸減時の減少の割合や漸増時の増加の割合はユーザーが任意に設定することができるようにしてもよい。
この第1制御によると、ワークWの加工時に、ドリル3に加えられる加工負荷を目標負荷の範囲内に制御しつつ、ドリル3に加えられる加工負荷が目標負荷の範囲内になる最速の送り速度でワークWを加工することができるため、ドリル3の加工品質を維持しつつ、ワークWの加工時間の短縮を図ることができる。
図7は、コントロールユニット100で実行される制御の一例である第2制御を表すものである。第2制御は、比較的短い孔を複数個開けるなど、短時間の加工を複数回行うときに主に実行される制御である。
第2制御は、前回の加工時にコントロールユニット100によって算出された検出負荷(正確には、後述する補正後の検出負荷)の平均値(以下、平均検出負荷という)から、該平均検出負荷が目標負荷の範囲内になるようにするためのドリルの送り速度補正値を算出し、次回の加工時には、上記送り速度補正値でもって補正した送り速度によって加工を行うように制御するものである。
図7には、例として、ドリル3によって2個の孔を開ける場合を示している。図7を参照すると、コントロールユニット100は、まず、1つめの孔を開けるために主軸モータ21を駆動するとともに、パレット13の送り軸モータを駆動して、図7に細線で示すように、ドリル3の送り速度を所定速度まで上昇させた後、加工終了まで一定の送り速度で加工を行うよう制御する。このとき、コントロールユニット100は、図7に太線で示すように、ドリル3に加えられる加工負荷を応力センサ70によって検出された検出応力から算出して、図7に一点鎖線で示すように、平均検出負荷を算出する。
そして、例えば、図7に示すように、算出された平均検出負荷が目標負荷を下回っているときには、コントロールユニット100は、上記平均検出負荷を目標負荷の範囲内にするための送り速度補正値を算出して、2つめの孔を開ける際には、図7に示すように、ドリル3の送り速度を上記送り速度補正値でもって補正して、該送り速度を上昇させて加工を行うように制御する。これにより、図7に示すように、2つめの孔を開けた時の平均検出負荷は、目標負荷の範囲内となる。
上記2つめの孔を開けた後も、上記補正された送り速度で加工を行ったとき(例えば、3つめの孔を開けたとき)に、平均検出負荷が目標負荷を上回ったり、逆に平均検出負荷が再び目標負荷を下回ったりしたときには、再度、平均検出負荷を目標負荷の範囲内にするための送り速度補正値を算出して、その次の加工時(例えば、4つめの孔を開けるとき)には、該送り速度補正値でもって補正した送り速度によって加工を行うように制御する。以下、この繰り返しにより、ドリル3の加工負荷が目標負荷の範囲内に制御される。
この第2制御でも、ワークWの加工時に、ドリル3に加えられる加工負荷を目標負荷の範囲内に制御しつつ、ドリル3に加えられる加工負荷が目標負荷の範囲内になる最速の送り速度でワークWを加工することができるため、ドリル3の加工品質を維持しつつ、ワークWの加工時間の短縮を図ることができる。尚、上述の第2制御の説明では、1回の加工毎に平均検出負荷を算出して、次回の加工時の送り速度を補正しているが、2回以上の所定回数の加工毎に所定回数分の加工の平均検出負荷を算出して、該平均検出負荷に応じた送り速度補正値を算出して、次回の所定回数分の加工を上記送り速度補正値で補正した送り速度で行うようにしてもよい。
図8は、コントロールユニット100で実行される制御の一例である第3制御を表すものである。第3制御は、工具の破損を防止するために実行される制御である。
第3制御は、ドリル3によってワークWを加工する際に、コントロールユニット100によって算出された検出負荷(正確には、後述する補正後の検出負荷)が所定の上限負荷に到達したときに、ドリル3による加工を停止させる制御である。上限負荷は、目標負荷よりも高くかつドリル3等の工具が破損しない程度の負荷である。尚、上限負荷は、一定の値で設定されていたり工具毎に異なる値で設定されていたりしてもよく、また、ユーザーが工作機械1を用いる度に任意の値に設定されていてもよい。
図8を参照すると、コントロールユニット100は、まず、上記第1制御や上記第2制御等を実行して、主軸モータ21を駆動するとともに、パレット13の送り軸モータを駆動して、図8に示すように、検出負荷が目標負荷の範囲内に到達するまで、ドリル3の送り速度を上昇させて、目標負荷に到達後は、ドリル3の送り速度を到達時の送り速度に固定するように制御を行う。
そして、上記送り速度でワークWを加工している際に、例えば、ドリル3で加工している孔に切削屑が溜まるなどして、ドリル3に過大な負荷が加えられてしまい、検出負荷が、図8に2点鎖線で示す上限負荷に到達したときには、コントロールユニット100は、ドリル3が破損するおそれがあると判断して、主軸モータ21及びパレッド13の送り軸モータの駆動を停止させて、ドリル3による加工を停止させる。
この第3制御によると、上記第1制御や上記第2制御によって、ワークWの加工時間の短縮を図りつつ、ドリル3に過大な負荷が加えられたときには、ドリル3による加工を停止させることでドリル3の破損を防止することができる。
ここで、特に、ケーシング4や本体部5において、クーラント液が流れるクーラント油路42が配設されている部分は、ドリル3の摩擦熱等によって熱せられたクーラント液の熱が伝わりやすく、該クーラント液の熱の影響によって変形しやすい。ケーシング4や本体部5が熱変形すると、フランジ部6の凹陥部6bに配置された応力センサ70が、本体部5やケーシング4のフランジ部6、さらには応力センサ70を支持するプリロードボルト44から応力を受けてしまい、応力センサ70がドリル3の加工負荷に基づく応力以外の応力まで検出するため、応力センサ70による検出精度が低下してしまう。
この熱の影響について、図9〜図11を参照して詳しく説明する。
図9に示すグラフのうち図9で上段のグラフは時間に対するフランジ部6における凹陥部6bの温度変化を示すグラフであり、図9で下段のグラフは時間に対する検出負荷の変化を示すグラフである。上段及び下段のグラフにおいて横軸は時間を示す軸であって、ワークWを加工する直前を0としている。温度変化のグラフは、温度センサ71によって検出された温度に基づいて算出された凹陥部6bの温度変化であって、ワークWを加工する直前の凹陥部6bの温度を0としたときの温度変化である。検出負荷のグラフは、ドリル3に加工負荷が加えられていない状態での検出負荷を示すものである。検出負荷のグラフのうち、実線は各応力センサ70によって実際に検出された検出応力に基づいて算出された検出負荷であり、破線はシミュレーションによって実測の検出負荷の変化を再現したものであり、一点鎖線は実測の検出負荷に対して後述する補正を行ったものである。
図9を参照すると、凹陥部6aの温度は、時間が0からt1までの範囲及びt1からt2(>t1)までの範囲では上昇し、時間がt2以上の範囲では略一定になる。このとき実際の検出応力から算出された検出負荷は、時間が0からt1までの範囲では0から上昇し、時間がt1からt2(>t1)までの範囲では上昇した値から下降して0よりも小さくなり、時間がt2以上の範囲では0よりも小さい値のまま一定の値を示す。
この検出負荷の変化の過程で、応力センサ70に作用している応力について具体的に説明する。時間が0からt1までの範囲では、図10に示すように、本体部5やフランジ部6がクーラント液の熱によって熱変形することで、それらに挟まれた応力センサ70が、本体部5やフランジ部6によって押圧される。これにより、応力センサ70は圧縮応力を受けるため、図9の0からt1までの範囲に示すように、このときの検出応力から算出される検出負荷は0から上昇する。そして、時間がt1からt2(>t1)までの範囲では、クーラント液の熱がプリロードボルト44にも伝わり、プリロードボルト44が熱の影響により変形する。このとき、応力センサ70は、図11に示すように、プリロードボルト44によって前後方向の軸力(プリロード力)が低下する。これにより、応力センサ70は、図9のt1からt2までの範囲に示すように、このときの検出応力から算出される検出負荷は減少する。時間がt2以上の範囲では、温度が略一定になることで、応力センサ70がプリロードボルト44から受ける応力も一定になるため、このときの検出応力から算出される検出負荷は0より小さい値のまま略一定になる。
このように、応力センサ70が、フランジ部6における応力センサ70の近傍やケーシング4に取り付けられるプリロードボルト44等の部品の熱変形によって、ドリル3の加工負荷に基づく応力以外の応力を検出してしまうと、ワークWの加工時にドリル3に加えられている実際の加工負荷を正確に算出することができなくなる。この結果、各応力センサ70で検出された検出応力に基づく各検出負荷のみに基づく補正では、加工の制御量を正確に補正することができず、ドリル3によるワークWの加工の制御量を、ドリル3の加工品質を維持しつつ加工効率を高めるような、適切な制御量に制御できなくなる。
そこで、本実施形態では、ケーシング4のフランジ部6における各凹陥部6bの温度を各温度センサ71で検出して、各応力センサ70で検出された検出応力に基づく各検出負荷と温度センサ71で検出された検出温度とに基づいて、加工の制御量を補正するようにしている。
詳しくは、コントロールユニット100は、各応力センサ70で検出された検出応力に基づく各検出負荷を、温度センサ71で検出された検出温度に応じてそれぞれ補正することで、フランジ部6における各応力センサ70の近傍やプリロードボルト44の熱変形の影響をそれぞれ取り除き、補正後の検出負荷に基づいて加工の制御量を補正する。
具体的な補正の内容について説明すると、図9の下段のグラフに破線で示すような実測の検出負荷を再現したものをシミュレーション等で予め計算しておき、これを温度変化に対する検出負荷の変化に直したものを予めコンロトールユニット100に検出負荷補正算出式又は検出負荷補正マップとして記憶させておく。そして、ドリル3によってワークWの加工を行う際には、上記検出負荷補正算出式又は検出負荷補正マップから、各検出温度に応じた検出負荷の補正値をそれぞれ算出または読み取って、各補正値を用いて各検出負荷をそれぞれ補正する。この補正を行うことで、図9の検出負荷のグラフに一点鎖線で示すように、検出負荷の零点が補正され、各検出負荷からフランジ部6における各応力センサ70の近傍等の熱変形の影響を減少させることができる。尚、図9の下段のグラフの、シミュレーションによって再現された負荷の線における、時間が0からt1までの範囲は、実測の検出負荷の線と重なっているため見えていないが、シミュレーションによって再現された負荷の線は、時間が0からt1までの範囲において、実測の検出負荷と同様に0から上昇する変化を示す。
尚、検出負荷補正マップに設定されていない温度変化における補正値は、検出負荷補正マップに設定された補正値から内挿又は外挿することによって算出されるようにしてもよい。
このとき、各応力センサ70が配置されている位置毎に温度変化が異なるため、コントロールユニット100は、各応力センサ70で検出された検出応力に基づく検出負荷毎に補正値を算出して、各補正値によって各検出負荷をそれぞれ補正する。
次に、図12のフローチャートに従って、コントロールユニット100による工作機械1の加工の制御量の制御動作について説明する。尚、図12のフローチャートは、検出負荷補正マップを用いて、検出負荷を補正する場合のフローチャートであり、以下の説明は、検出負荷補正マップを用いた場合のコントロールユニット100の制御動作である。また、加工の制御量は、例として、ドリル3の送り速度としている。
まず、ステップS1で、ドリル3に実際に加えられる加工負荷のみに基づく検出負荷を算出するために必要なデータとして、各応力センサ70による検出応力から補正前の検出負荷をそれぞれ算出するとともに、フランジ部6における各凹陥部6bの温度をそれぞれ検出する。
続いて、ステップS2で、コントローラ100に予め記憶されている検出負荷補正マップを読み出し、各検出温度に応じた補正前の各検出負荷に対する補正値をそれぞれ読み取る。
次のステップS3で、補正前の各検出負荷をステップS2で読み取った各補正値によってそれぞれ補正する。これにより、検出負荷の零点が補正され、補正後の各検出負荷は、実際にドリル3に加えられている加工負荷のみに基づく検出負荷を表すものとなる。
次のステップS4では、ステップS3で補正された後の検出負荷が上限負荷以上であるか否かについて判定する。このステップS4の判定がYESであるときには、ステップS5に進み、コントロールユニット100は、ドリル3が破損するおそれがあると判断して、上述の第3制御を実行して、ドリル3による加工を停止させ、しかる後にリターンする。一方、ステップS4の判定がNOであるときには、ステップS6に進む。
ステップS6では、補正後の検出負荷が目標負荷の範囲内であるか否かについて判定する。このステップS6の判定がYESであるときには、現在の送り速度で加工を継続させ、しかる後にリターンする。一方、このステップS6の判定がNOであるときには、ステップS7に進む。
次のステップS7ではドリル3の送り速度を変更させる。例えば、コントロールユニット100が上述の第1制御を実行中の場合は、補正後の検出負荷が目標負荷を上回っているときにはドリル3の送り速度を漸減させる一方、補正後の検出負荷が目標負荷を下回っているときにはドリル3の送り速度を漸増させる。また、例えば、コントロールユニット100が上述の第2制御を実行中の場合は、前回の加工時の平均検出負荷から、該平均検出負荷を目標負荷の範囲内にするための送り速度補正値を算出し、該送り速度補正値によってドリル3の送り速度を補正する。ステップS7の後は、しかる後にリターンする。
コントロールユニット100は、所定時間(例えば8ミリ秒)毎に上記フローに従ってドリル3の送り速度を制御する。これにより、ドリル3の加工品質を維持しつつ、加工時間の短縮を図ることができる。尚、検出負荷補正算出式を用いて検出負荷の補正を行う場合は、上記ステップS2において、検出負荷補正算出式を読み出して、該算出式に基づいて検出負荷に対する補正値を算出し、次のステップS3で、算出した補正値に基づいて補正前の検出負荷を補正する。
したがって、本実施形態に係る工作機械1の制御装置は、ケーシング4のフランジ部6における凹陥部6bの温度を検出する複数の温度センサ71を備え、コントロールユニット100は、応力センサ70によって検出された検出応力から算出された検出負荷と温度センサ71よって検出された検出温度とに基づいて、加工の制御量を補正するように構成されているため、凹陥部6bの検出温度に基づいて、上記検出負荷のうちフランジ部6等の熱変形による応力の影響を極小化するように、各応力センサ70によって検出された検出応力から算出される各検出負荷をそれぞれ補正して、フランジ部6等の熱変形による影響を極小化して、ドリル3の加工負荷に基づく負荷を精度良く検出することができる。そして、補正後の検出負荷に基づいて、加工の制御量を精度良く補正することができる。この結果、応力センサ70をケーシング4に配置したとき、工具による加工品質を維持しつつ加工効率を高めることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、温度センサ71よって検出された検出温度に基づいて、応力センサ70によって検出された検出応力から算出された検出負荷の零点を補正して、補正後の各検出負荷に基づいて、ドリル3による加工の制御量を制御するようにしているが、これに限らず、温度センサ71よって検出された検出温度と補正前の検出負荷とに基づいて、ドリル3による加工の制御量を補正するように構成してもよい。この場合、例えば、検出温度と補正前の検出負荷から、加工の制御量に対する補正量を算出するための算出式や該補正量を読み取るためのマップを、コントロールユニット100に格納しておき、上記算出式やマップから補正量を算出又は読み出し、加工の制御量を補正するようにすればよい。
また、上記実施形態では、工具はドリル3であるが、これに限らず、フライスやリーマなどであってもよい。この場合、コントロールユニット100で制御される加工の制御量は、工具の回転速度や移動速度等である。
また、上記実施形態では、パレット13の送り軸モータを駆動制御して工具の送り速度を制御しているが、これに限らず、主軸2を備える本体部5を移動させての工具の送り速度を制御するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ケーシング4は円筒形状としているが、これに限らず、角筒形状であってもよい。
また、上記実施形態では、応力センサ70は、ケーシング4における本体部5への取り付け部分であるフランジ部6の凹陥部6bに配置されているが、これに限らず、ハウジング11の縦壁11aよりも後側の位置であれば、ケーシング4における本体部5への取り付け位置よりも前側の位置に配置されていてもよく、例えばケーシングを主軸2の軸方向に2分割し、この2分割ケーシングの取付フランジ部に応力センサを配置するようにしてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、ワークの加工時に工具に加えられる加工負荷を検出するための応力検出手段を有する工作機械に有用である。
1 工作機械
2 主軸
3 ドリル(工具)
4 ケーシング(支持部材)
6a 凹陥部(支持部材における応力検出手段の近傍部)
11a 縦壁(保護手段)
42 クーラント油路
44 プリロードボルト(近傍部に取り付けられる部品)
70 応力センサ(応力検出手段)
71 温度センサ(温度検出手段)
100 コントロールユニット(制御手段)

Claims (6)

  1. ワークを加工する工具が取り付けられる主軸と、
    上記主軸を回転可能に支持する支持部材と、
    上記主軸を取り囲むように上記支持部材に関連付けて配置され、該支持部材を介して作用する応力を検出して、上記ワークの加工時に上記工具に加えられる加工負荷を検出するための複数の応力検出手段と、
    上記複数の応力検出手段の検出結果からそれぞれ算出される上記加工負荷である検出負荷に基づいて、上記工具による上記ワークの加工の制御量を制御する制御手段と、を備えた工作機械の制御装置であって、
    上記支持部材における上記複数の応力検出手段の各近傍部及び該各近傍部にそれぞれ取り付けられる部品のうちの少なくとも一方にそれぞれ設けられ、上記近傍部及び上記各部品のうちの少なくとも一方の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段をさらに備え、
    上記制御手段は、上記複数の応力検出手段の検出結果からそれぞれ算出される検出負荷と上記各応力検出手段に対応する上記温度検出手段によってそれぞれ検出された検出温度とに基づいて、上記加工の制御量を補正するように構成されている
    ことを特徴とする工作機械の制御装置。
  2. 請求項1に記載の工作機械の制御装置において、
    上記制御手段は、上記温度検出手段によって検出された検出温度に基づいて、上記複数の応力検出手段の検出結果からそれぞれ算出される検出負荷をそれぞれ補正して、補正後の検出負荷に基づき加工の制御量を補正するように構成されている
    ことを特徴とする工作機械の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の工作機械の制御装置において、
    上記支持部材は円筒形状であり、
    上記支持部材には、上記支持部材の軸方向に延びる複数のクーラント油路が、上記支持部材の円周方向に略等間隔で配置されている
    ことを特徴とする工作機械の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の工作機械の制御装置において、
    上記工具はドリルであり、
    上記制御手段は、上記検出負荷が予め設定された目標負荷の範囲内となるように、上記加工の制御量である上記ドリルの送り速度を制御するように構成されている
    ことを特徴とする工作機械の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の工作機械の制御装置において、
    上記複数の応力検出手段を、上記工具による上記ワークの加工により生じる加工屑から保護する保護手段をさらに備えている
    ことを特徴とする工作機械の制御装置。
  6. 請求項2に記載の工作機械の制御装置において、
    上記制御手段は、上記支持部材における上記複数の応力検出手段の各近傍部及び該各近傍部にそれぞれ取り付けられる部品のうちの少なくとも一方の熱変形による上記各検出負荷への影響を取り除くべく、上記各検出負荷をそれぞれ補正するように構成されている
    ことを特徴とする工作機械の制御装置。
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