JP6350306B2 - ドアロック装置の取付構造 - Google Patents

Description

本発明は、ドアロック装置の取付構造に関する。

車両用ドア内に設けるドアロック装置は、ドアインナパネルに形成した開口部（サービスホール）から取り付けられることが知られている。

例えば、特許文献１には、ロックケーブルの他端部をドアインナパネルの開口部を介して車室内側に引き出してロック装置に連結した後に、ロック装置をインナパネルの内側に取り付けるドアロック装置の取り付け方法が開示されている（特許文献１参照）。

しかし、ドアインナパネルに開口部（サービスホール）を設けると、その分ドアインナパネルの強度が低下する。よって、ドアインナパネルの強度の観点からは、ドアインナパネルにロック装置を取り付ける取付作業用の開口部を設けないことが望まれる。

一方、作業効率の観点からは、車両用ドア内にドアロック装置を容易に取り付けることが求められている。

なお、その他関連する技術が特許文献２に開示されている。

特開２００７−２２３４１０号公報 特開２０１３−２３８００３号公報

本発明は、上記事実を考慮し、ドアインナパネルにドアロック装置を取り付ける取付作業用の開口部を設けることなく、車両用ドア内にドアロック装置を容易に取り付けることが可能なドアロック装置の取付構造を提供することが目的である。

請求項１のドアロック装置の取付構造は、車両用ドアの外板を構成するドアアウタパネルの車両幅方向内側面に取り付けられたアウタ側装置部と、前記ドアアウタパネルの車両幅方向内側に接合されるドアインナパネルの車両幅方向外側面に取り付けられたインナ側装置部と、を有するドアロック装置と、前記アウタ側装置部に設けられたベルクランクに取り付けられ、車両上下方向を長手方向として配置され、ドアアウトハンドルの操作に連動して上下動するロッドと、前記インナ側装置部に設けられ、前記ロッドが車両幅方向外側から結合される結合部を有すると共に、前記ロッドの上下動によってロックを解除する解除部と、前記アウタ側装置部に設けられ、前記ロッドの車両幅方向外側及び車両前後方向への動きを規制する規制部と、前記解除部に設けられ、前記結合部に前記ロッドを案内する案内部と、を備え、前記ロッドの下端部には、車両幅方向内側に向けて突出する突出部が設けられ、前記結合部は、前記突出部が車両幅方向外側から挿入される挿入部とされ、前記規制部は、平面視で前記ロッドの車両前後方向及び車両幅方向外側を覆うと共に、前記ロッドにおける前記ベルクランクに取り付けられた取付部位よりも車両上下方向下側且つ前記挿入部よりも車両上下方向上側に設けられている。

請求項１のドアロック装置の取付構造では、ドアアウタパネルとドアインナパネルとを接合すると、ドアアウタパネルの車両幅方向内側面に取り付けられたアウタ側装置部のロッドがドアインナパネルの車両幅方向外側面に取り付けられたインナ側装置部の解除部の結合部に車両幅方向外側から結合されて一体化し、ドアロック装置となる。

ここで、アウタ側装置部のロッドは規制部によって車両幅方向外側及び車両前後方向への動きが規制されている。よって、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの接合作業の際のロッドの動きが規制されるので、解除部の結合部に対するロッドの位置ずれが抑制される。また、解除部の結合部に案内部がロッドを案内する。よって、ドアアウタパネルとドアインナパネルと接合すると、ロッドと解除部とが容易に結合される。

このように、ドアアウタパネルとドアインナパネルとを接合することで、車両用ドア内にドアロック装置が取り付けられる。したがって、ドアインナパネルにドアロック装置を取り付ける取付作業用の開口部を設けることなく、ドアロック装置が車両用ドア内に容易に取り付けられる。

請求項２のドアロック装置の取付構造は、請求項１に記載の構造において、前記ドアインナパネルは繊維強化樹脂で構成されている。

請求項２のドアロック装置の取付構造では、繊維強化樹脂で構成されているドアインナパネルにはドアロック装置を取り付ける取付作業用の開口部が設けられていない。よって、取付作業用の開口部が設けられている場合と比較し、繊維強化樹脂で構成されているドアインナパネルの強度が向上する。

請求項３のドアロック装置の取付構造は、請求項１又は請求項２に記載の構造において、前記規制部は、平面視において、車両幅方向内側を開口側とし前記ロッドの中間部が挿入されるＵ字形状部で構成されている。

請求項３のドアロック装置の取付構造では、車両幅方向内側を開口側とするＵ字形状部内にロッドの中間部が挿入されることで、ロッドの上下動が規制されることなく、ロッドの車両幅方向外側及び車両前後方向への動きが規制される。

請求項４のドアロック装置の取付構造は、請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の構造において、前記案内部は、前記挿入部の車両幅方向外側に設けられ、車両幅方向外側に向けて拡径された拡径部で構成されている。

請求項４のドアロック装置の取付構造では、ロッドの突出部が解除部の挿入部に対して位置ずれした状態であっても、ロッドの突出部は拡径部で案内されて解除部の挿入部に挿入される。

請求項１に記載の発明によれば、ドアインナパネルにドアロック装置を取り付ける取付作業用の開口部を設けることなく、車両用ドア内にドアロック装置を容易に取り付けることができる。

請求項２に記載の発明によれば、取付作業用の開口部が設けられている場合と比較し、繊維強化樹脂で構成されているドアインナパネルの強度を向上させることができる。

請求項３に記載の発明によれば、ロッドの上下動が規制されることなく、ロッドの車両幅方向外側及び車両前後方向への動きを規制することができる。

請求項４に記載の発明によれば、ロッドと結合部とを容易に結合することができる。

本発明の一実施形態に係るドアロック装置の取付構造が適用されたサイドドアを示す側面図である。 （Ａ）は、サイドドアのドアアウタパネルに取り付けられた状態のアウタ側装置部を示す斜視図であり、（Ｂ）はアウタ側装置部を構成するオープンロッドサポート及びロッドを模式的に示す平面図である。 ドアロック装置が組み付けられたサイドドアの図１の３−３線に沿って切断された状態を示す断面図である。 サイドドアのドアアウタパネルとドアインナパネルとが接合される前の状態を示す図３に対応する断面図である。

図１〜図４を用いて、本発明の一実施形態に係るドアロック装置の取付構造が適用されたサイドドア１０について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印ＦＲは車両前後方向前側を示しており、矢印ＵＰは車両上下方向上側を示しており、矢印ＯＵＴは車両幅方向外側を示している。

＜構造＞
まずサイドドア１０の構造について説明する。

図１〜図３に示す車両用ドアの一例としてのサイドドア１０は、図示していない車両側部に形成されたドア開口部を開閉するものである。そして、サイドドア１０に設けられたドアロック装置２０（図３参照）によって、サイドドア１０が閉止された状態、すなわちドアロック状態が維持されるように構成されている。

図１に示すサイドドア１０は、図３に示すように、車両幅方向外側に配置されドア外板を構成するドアアウタパネル１２と、車両幅方向内側に配置されドア内板を構成するドアインナパネル１４と、を備えている。なお、本実施形態では、ドアアウタパネル１２は板金で構成され、ドアインナパネル１４は繊維強化樹脂で構成されている。そして、ドアアウタパネル１２とドアインナパネル１４とは、車両幅方向に対向すると共に、周縁部同士がボルト締結によって結合されている。

図３に示すように、サイドドア１０の内部（ドアアウタパネル１２とドアインナパネル１４との間）には、ドアガラス１６（図１を参照）や当該ドアガラス１６を昇降させるドアガラス昇降装置（ウインドレギュレータ）等と共に、ドアロック装置２０が配設されている。

図１に示すように、サイドドア１０のドアアウタパネル１２の車両幅方向外側におけるベルトラインの下方側には、ドアアウトサイドハンドル２２が設けられている（図３も参照）。ドアアウトサイドハンドル２２は、車両幅方向に揺動可能に支持されている。そして、ドアアウトサイドハンドル２２を車両幅方向外側に揺動させることで、サイドドア１０のドアロックが解除され、サイドドア１０が開放される。

図３に示すように、ドアロック装置２０は、アウタ側装置部３０とインナ側装置部６０とを有している。アウタ側装置部３０はドアアウタパネル１２の車両幅方向内側面１２Ａに取り付けられ、インナ側装置部６０はドアインナパネル１４の車両幅方向外側面１４Ａに取り付けられている。

図２（Ａ）に示すように、ドアロック装置２０を構成するアウタ側装置部３０は、ドアアウトサイドハンドル２２（図１及び図３を参照）、ドアハンドルベース３２、ベルクランク３４、固定スナップ３６、オープンロッド４０、及びオープンロッドサポート５０等を有している。なお、ドアハンドルベース３２、ベルクランク３４、及び固定スナップ３６等は、模式化して図示されている。

ドアハンドルベース３２は、ドアアウタパネル１２の車両幅方向内側面１２Ａに固定されており、このドアハンドルベース３２にベルクランク３４が支持されている。また、ベルクランク３４には固定スナップ３６が設けられており、固定スナップ３６によってオープンロッド４０がベルクランク３４に取り付けられている。

図２（Ａ）及び図３に示すように、オープンロッド４０は、車両上下方向を長手方向として配置され、下端部には車両幅方向内側に向けて屈曲されることで、車両幅方向内側に向けて突出された突出部４２が形成されている。よって、オープンロッド４０は、車両前後方向に見るとＬ字形状を成している。

オープンロッド４０は、ドアアウトサイドハンドル２２（図１及び図２（Ａ）を参照）の操作に連動して、上下動するように構成されている。具体的には、ドアアウトサイドハンドル２２（図１及び図２（Ａ）を参照）を車両幅方向外側に引くと、ベルクランク３４及び固定スナップ３６によって、オープンロッド４０が上下動する。

図２（Ａ）及び図２（Ｂ）に示すように、オープンロッドサポート５０は、車両幅方向内側に突出する軸部５２とＵ字形状部５４とで構成されている。Ｕ字形状部５４は、平面視において、車両幅方向内側を開口側とするＵ字形状を成している。そして、オープンロッドサポート５０のＵ字形状部５４内にオープンロッド４０の中間部が挿入されている。よって、オープンロッド４０は、Ｕ字形状部５４によって、上下動可能に車両幅方向外側及び車両前後方向への動きが規制されている。

図３に示すように、ドアロック装置２０を構成するインナ側装置部６０は、解除部６４が組み込まれた装置本体６２を有し、装置本体６２がドアインナパネル１４の車両幅方向外側面１４Ａに固定されている。

装置本体６２に組み込まれた解除部６４は、オープンレバー６６を備えている。オープンレバー６６は、車両幅方向外側に延出し、車両幅方向内側端部に設けられた回転軸６６Ａを軸芯として、車両上下方向に回転するように構成されている。解除部６４は、オープンレバー６６が下方に回転移動することで、ドアロックが解除されるように構成されている。

オープンレバー６６の車両幅方向外側の端部６６Ｂには、アタッチメント７０が取り付けられている。アタッチメント７０は、車両上下方向を長手方向として配置された取付部７２を有し、この取付部７２がオープンレバー６６の端部６６Ｂに挿入されている。

アタッチメント７０の取付部７２の上端部には、車両幅方向に貫通し、前述したオープンロッド４０の突出部４２が挿入される挿入部７４が設けられている。また、挿入部７４の車両幅方向外側には、車両幅方向外側に向けて拡径された挿入ガイド部７６が形成されている。

このような構成により、図２（Ａ）及び図３に示すドアロック装置２０は、ドアアウトサイドハンドル２２（図１及び図２（Ａ）参照）を車両幅方向外側に引くとオープンロッド４０が下方に移動する。そして、オープンロッド４０が下方に移動することで、オープンロッド４０の突出部４２が挿入部７４に挿入されたアタッチメント７０を介してオープンレバー６６が下方に回転移動し、ドアロックが解除される。

＜作用及び効果＞
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。

まず、サイドドア１０の組立工程について説明する。
図４に示すように、ドアロック装置２０を構成するアウタ側装置部３０をドアアウタパネル１２の車両幅方向内側面１２Ａに取り付け、ドアロック装置２０を構成するインナ側装置部６０をドアインナパネル１４の車両幅方向外側面１４Ａに取り付ける。

ドアアウタパネル１２とドアインナパネル１４とを、車両幅方向に対向させて周縁部同士をボルト締結によって結合する。

図４の矢印Ｋで示すように、アウタ側装置部３０のオープンロッド４０の突出部４２が、インナ側装置部６０のオープンレバー６６に取り付けられたアタッチメント７０の挿入部７４に挿入されることで、図３に示すようにアウタ側装置部３０とインナ側装置部６０とが車両幅方向に連結されて一体化し、ドアロック装置２０が組み付けられる。

このとき、図２に示すように、オープンロッド４０は、オープンロッドサポート５０のＵ字形状部５４内に挿入され、車両幅方向外側及び車両前後方向への動きが規制されている。よって、ドアアウタパネル１２とドアインナパネル１４とを接合する組立工程中に、オープンロッド４０の動き（揺れ）が規制（抑制）され、オープンロッド４０の突出部４２がアタッチメント７０の挿入部７４から大きく位置ずれすることが防止される。

また、挿入部７４の車両幅方向外側には、車両幅方向外側に向けて拡径された挿入ガイド部７６が形成されている。よって、オープンロッド４０の突出部４２が挿入部７４に対して多少の位置ずれが生じていても、突出部４２は挿入ガイド部７６によって挿入部７４に誘導されて挿入される。

このように、ドアアウタパネル１２とドアインナパネル１４との周縁部同士をボルト締結によって結合することで、アウタ側装置部３０とインナ側装置部６０とが車両幅方向に連結されて一体化し、ドアロック装置２０が組み付けられる。

つまり、ドアインナパネル１４にドアロック装置２０を取り付ける取付作業用の開口部を設けることなく、ドアロック装置２０をサイドドア１０内に容易に取り付けることができる。或いは、ドアインナパネル１４にドアロック装置２０を取り付ける取付作業用の開口部を設けることが困難な場合であっても、ドアロック装置２０をサイドドア１０内に容易に取り付けることができる。

また、ドアロック装置２０を取り付ける取付作業用の開口部を設けていないので、繊維強化樹脂で構成されたドアインナパネル１４の強度が向上する。また、繊維強化樹脂であってもドアインナパネル１４の強度を容易に確保することができる。

また、オープンロッド４０は、オープンロッドサポート５０のＵ字形状部５４内に挿入され、車両幅方向外側及び車両前後方向への動きが規制されている。よって、車両衝突時の衝撃等によるオープンロッド４０の外れが防止される。つまり、オープンロッドサポート５０は、ドアロック装置２０の組み付けを容易にする機能と、オープンロッド４０の外れ防止機能と、の二つの機能を有している。

＜その他＞
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。

例えば、上記実施形態では、オープンロッドサポート５０の先端部はＵ字形状部５４であったが、これに限定されない。オープンロッド４０が挿通される環状部材であってもよい。

また、上記実施形態では、ドアアウタパネル１２は板金で構成され、ドアインナパネル１４は繊維強化樹脂で構成されているが、これに限定されない。例えば、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの両方が板金製であってもよい。また、ボルト締結以外の方法でドアアウタパネルとドアインナパネルとが結合されていてもよい。

更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。

１０ サイドドア（車両用ドア）
１２ ドアアウタパネル
１２Ａ 車両幅方向内側面
１４ ドアインナパネル
１４Ａ 車両幅方向外側面
２０ ドアロック装置
２２ ドアアウトサイドハンドル
３０ アウタ側装置部
４０ オープンロッド（ロッド）
４２ 突出部
５４ Ｕ字形状部（規制部）
６０ インナ側装置部
６４ 解除部
７４ 挿入部（結合部）
７６ 挿入ガイド部（拡径部、案内部）

Claims (4)

1. 車両用ドアの外板を構成するドアアウタパネルの車両幅方向内側面に取り付けられたアウタ側装置部と、前記ドアアウタパネルの車両幅方向内側に接合されるドアインナパネルの車両幅方向外側面に取り付けられたインナ側装置部と、を有するドアロック装置と、
   前記アウタ側装置部に設けられたベルクランクに取り付けられ、車両上下方向を長手方向として配置され、ドアアウトハンドルの操作に連動して上下動するロッドと、
   前記インナ側装置部に設けられ、前記ロッドが車両幅方向外側から結合される結合部を有すると共に、前記ロッドの上下動によってロックを解除する解除部と、
   前記アウタ側装置部に設けられ、前記ロッドの車両幅方向外側及び車両前後方向への動きを規制する規制部と、
   前記解除部に設けられ、前記結合部に前記ロッドを案内する案内部と、
   を備え、
   前記ロッドの下端部には、車両幅方向内側に向けて突出する突出部が設けられ、
   前記結合部は、前記突出部が車両幅方向外側から挿入される挿入部とされ、
   前記規制部は、平面視で前記ロッドの車両前後方向及び車両幅方向外側を覆うと共に、前記ロッドにおける前記ベルクランクに取り付けられた取付部位よりも車両上下方向下側且つ前記挿入部よりも車両上下方向上側に設けられている、
   ドアロック装置の取付構造。
2. 前記ドアインナパネルは繊維強化樹脂で構成されている、
   請求項１に記載のドアロック装置の取付構造。
3. 前記規制部は、平面視において、車両幅方向内側を開口側とし前記ロッドの中間部が挿入されるＵ字形状部で構成されている、
   請求項１又は請求項２に記載のドアロック装置の取付構造。
4. 前記案内部は、前記挿入部の車両幅方向外側に設けられ、車両幅方向外側に向けて拡径された拡径部で構成されている、
   請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載のドアロック装置の取付構造。