JP6348526B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、駆動用モータから入力されたトルクを左右の駆動輪に伝達するとともに、左右の駆動輪が相対回転することができるように構成された動力伝達装置に関するものである。
特許文献1には、駆動用モータの出力トルクを左右の駆動輪に伝達する差動機構と、差動機構から左右輪に伝達するトルクの分配率を制御する差動用モータとにより構成されたトルクベクタリング装置が記載されている。この差動機構は、二つのシングルピニオン型の遊星歯車機構を備え、各サンギヤが回転軸の両端に連結され、その回転軸の中央部に駆動用モータからトルクが入力される入力ギヤが設けられている。また、各リングギヤは各々を互いに反転させるように、二つの軸部材で構成された反転機構を介して連結され、かつ一方のリングギヤに差動用モータが連結されている。そして、各遊星歯車機構のキャリヤは、左右のドライブシャフトにトルクを伝達するように構成されており、それらのキャリヤにおける車幅方向の外側にドライブシャフトが配置されている。
国際公開第2015/008661号
特許文献1に記載されたトルクベクタリング装置は、一方のドライブシャフトと他方のドライブシャフトとの間に二つの遊星歯車機構が配置されている。そのため、車幅方向における制限された範囲内に二つの遊星歯車機構が車幅方向に並べて配置されることにより、ドライブシャフトの長さが短くなる。その結果、ドライブシャフトの先端に設けられる等速ジョイントなどの連結機構における傾斜角が大きくなり、それに伴って、動力損失が大きくなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ドライブシャフトの長さを長くすることができる動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、駆動力源と、前記駆動力源からトクが伝達される入力軸と、前記入力軸からトルクが伝達される第1入力要素と、第1ドライブシャフトにトルクを伝達する第1出力要素と、前記第1入力要素から入力されたトルクを前記第1出力要素から出力するように反力トルクを出力する第1反力要素とにより構成された第1遊星歯車機構と、前記入力軸からトルクが伝達される第2入力要素と、第2ドライブシャフトにトルクを伝達する第2出力要素と、前記第2入力要素から入力されたトルクを前記第2出力要素から出力するように反力トルクを出力する第2反力要素とにより構成された第2遊星歯車機構と、前記第1反力要素と前記第2反力要素とに連結されるとともに、前記第1反力要素に作用するトルクを反転させて前記第2反力要素に伝達する反転機構とを備えた動力伝達装置において、前記第1遊星歯車機構と、前記第2遊星歯車機構とが同一軸線方向で互いに隣接して配置され、前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間に配置され、かつ前記第1出力要素に連結された第1外歯歯車と、前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間に配置され、かつ前記第2出力要素に連結された第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車の半径方向における外側に配置されるとともに、前記第1外歯歯車に噛み合う第1出力部材と、前記第2外歯歯車の半径方向における外側でかつ前記第1外歯歯車の回転軸線上に配置され、前記第2外歯歯車に噛み合う第2出力部材とを備え、前記第1出力部材から前記第1ドライブシャフトにトルクを伝達し、前記第2出力部材から前記第2ドライブシャフトにトルクを伝達するように構成されていることを特徴とするものである。
この発明では、前記入力軸に嵌合するとともに、前記第1外歯歯車が前記入力軸に対して回転することができるように前記第1外歯歯車を保持する第1ベアリングと、前記入力軸に嵌合するとともに、前記第2外歯歯車が前記入力軸に対して回転することができるように前記第2外歯歯車を保持する第2ベアリングとを備えていてもよい。
この発明では、前記入力軸の一方の端部が、前記駆動力源に連結され、前記入力軸の回転軸線と同一の軸線を中心として回転する差動用モータと、前記差動用モータに連結された第3入力要素と、前記第1反力要素または前記第2反力要素にトルク伝達可能な第3出力要素と、固定部材に連結された第3反力要素とにより構成され、かつ前記第1遊星歯車機構および前記第2遊星歯車機構を挟んで前記駆動力源とは反対側に配置された第3遊星歯車機構と、前記第3反力要素に連結され、かつ前記第3遊星歯車機構と前記第1遊星歯車機構および前記第2遊星歯車機構との間に配置される環状の板部材と、前記板部材に挿入されるとともに、前記入力軸の他方の端部を回転可能に保持する第3ベアリングとを備えていてもよい。
この発明によれば、各遊星歯車機構の回転軸線と、ドライブシャフトにトルクを伝達する各出力部材の回転軸線とが平行に配置される。また、各遊星歯車機構の間に、それぞれの遊星歯車機構の出力要素に連結された外歯歯車が配置されている。したがって、各出力部材を車幅方向の中央部に接近させて配置することができる。すなわち、ドライブシャフトの端部同士を接近させて配置することができる。そのため、ドライブシャフトの長さを長くすることができる。その結果、ドライブシャフトの先端に取り付けられる等速ジョイントなどの連結機構における傾斜角を小さくすることができ、動力損失を低減することができる。
この発明によれば、上記のように各遊星歯車機構の間に配置されたそれぞれの外歯歯車を、入力軸に対して回転することができるようにベアリングにより保持している。そのため、各遊星歯車機構に挟まれて配置された外歯歯車の支持剛性を確保することができる。
この発明によれば、入力軸が駆動力源の出力軸として機能するように構成され、その入力軸の回転軸線と同一の軸線を中心として回転する差動用モータが配置されている。この差動用モータから第1反力要素または第2反力要素にトルクを伝達するように構成された第3遊星歯車機構が、第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構を挟んで駆動力源とは反対側に配置されている。そして、その第3遊星歯車機構のうちの第3反力要素は、固定部材に連結されており、その第3反力要素には、第3遊星歯車機構と第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構との間に配置される環状の板部材が連結され、第3ベアリングを介して板部材により入力軸の端部を保持している。そのため、駆動力源と差動用モータとの回転中心を合わせることにより動力伝達装置の外径が大きくなることを抑制することができるとともに、そのように構成することによる入力軸の支持剛性の低下を抑制することができる。
この発明の実施例における動力伝達装置の構成の一例を説明するための模式図である。 差動用モータを備えた動力伝達装置の構成の一例を説明するための模式図である。 駆動用モータと差動用モータとを同一軸線上に配置した構成の一例を説明するための模式図である。 車両が直進走行している際における各回転要素の回転数を示す共線図である。 車両が旋回走行している際における各回転要素の回転数を示す共線図である。
この発明の実施例における動力伝達装置の構成の一例を図1に模式的に示している。図1に示す動力伝達装置1は、駆動力源としての駆動用モータ2を備えている。この駆動用モータ2は、従来知られているハイブリッド車両や電気自動車などに駆動力源として設けられているモータと同様に構成することができ、例えば、永久磁石形同期モータで構成することができる。この駆動用モータ2の出力軸3は、ケース4の内部に向けて延出しており、駆動用モータ2側の端部が、ケース4の一方の側面に第1ボールベアリング5を介して保持され、他方の端部が、ケース4の他方の側面に第2ボールベアリング6を介して保持されている。なお、上記出力軸3が、この発明の実施例における「入力軸」に相当する。
この駆動用モータ2の出力軸3には、二つの遊星歯車機構7,8が連結され、それら各遊星歯車機構7,8は出力軸3の軸線方向で隣接して配置されている。これらの遊星歯車機構7,8は、従来知られているシングルピニオン型の遊星歯車機構と同様に構成されており、それぞれの遊星歯車機構7,8が隣接して配置されている。図1に示す遊星歯車機構7,8のうちの駆動用モータ2側の遊星歯車機構(以下、第1遊星歯車機構と記す)7は、出力軸3に一体化された第1サンギヤ9と、第1サンギヤ9と同心円上に配置された第1リングギヤ10と、第1サンギヤ9および第1リングギヤ10に噛み合うプラネタリギヤを自転可能に保持するとともに、そのプラネタリギヤが出力軸3の回転中心軸を中心として公転することができるように保持する第1キャリヤ11とにより構成されている。なお、第1サンギヤ9が、この発明の実施例における「第1入力要素」に相当し、第1リングギヤ10が、この発明の実施例における「第1反力要素」に相当する。
上記第1キャリヤ11は、プラネタリギヤが嵌合される第1保持シャフト12と、その第1保持シャフト12に連結された第1外歯歯車13とにより構成されている。その第1保持シャフト12における駆動用モータ2とは反対側の端部が、プラネタリギヤから突出している。そして、その突出した部分に、出力軸3を中心として回転するように第1外歯歯車13が連結されている。なお、第1保持シャフト12が、この発明の実施例における「第1出力要素」に相当する。
また、第1遊星歯車機構7を挟んで駆動用モータ2とは反対側に配置された遊星歯車機構(以下、第2遊星歯車機構と記す)8も、第1遊星歯車機構7と同様に構成されており、第1サンギヤ9と所定の間隔を空けて配置されるとともに、出力軸3に一体化された第2サンギヤ14と、第2サンギヤ14と同心円上に配置された第2リングギヤ15と、第2サンギヤ14および第2リングギヤ15に噛み合うプラネタリギヤを自転可能に保持するとともに、そのプラネタリギヤが出力軸3の回転中心軸を中心として公転することができるように保持する第2キャリヤ16とにより構成されている。なお、第2サンギヤ14が、この発明の実施例における「第2入力要素」に相当し、第2リングギヤ15が、この発明の実施例における「第2反力要素」に相当する。
この第2キャリヤ16は、プラネタリギヤが嵌合される第2保持シャフト17と、その第2保持シャフト17に連結された第2外歯歯車18とにより構成されている。その第2保持シャフト17における駆動用モータ2側の端部が、プラネタリギヤから突出している。そして、その突出した部分に、出力軸3を中心として回転するように第2外歯歯車18が連結されている。すなわち、第1外歯歯車13と第2外歯歯車18とが軸線方向で隣接して配置されている。なお、この第2保持シャフト17が、この発明の実施例における「第2出力要素」に相当する。
なお、第1外歯歯車13と第2外歯歯車18との外径は同一であり、かつ各リングギヤ10,15の外径よりも小さく形成されている。
上述した各リングギヤ10,15には、第1リングギヤ10に作用するトルクを反転させて第2リングギヤ15に伝達するように構成された反転機構19が連結されている。図1に示す例では、出力軸3と平行に配置され、かつケース4に回転自在に保持された第1連結軸20と、第2連結軸21とにより反転機構19が構成されている。この第1連結軸20は、第1リングギヤ10に噛み合う第1ピニオンギヤ22が一方の端部に形成され、他方の端部に、第2ピニオンギヤ23が形成されている。また、第2連結軸21は、第2リングギヤ15に噛み合う第3ピニオンギヤ24が一方に形成され、他方の端部に、第2ピニオンギヤ23に噛み合う第4ピニオンギヤ25が形成されている。上記の第2ピニオンギヤ23と第4ピニオンギヤ25との歯数は同一である。したがって、第1連結軸20と第2連結軸21とが同一の回転数で回転するように構成されている。このように構成された反転機構19が、各リングギヤ10,15の外周側を囲うように、円周方向に所定の間隔を空けて三つ設けられている。
また、上記第1外歯歯車13には、第1出力部材26が連結されている。この第1出力部材26は、出力軸3と平行な軸線を中心として回転するように構成されており、車幅方向における外側に開口した有底円筒状の第1軸部27と、その第1軸部27の底面に一体に形成され、かつ第1板部材13の歯と噛み合う歯が外周面に形成された第1従動部28とにより構成されている。この第1従動部28の外径は、第1外歯歯車13の外径よりも大きく形成されており、第1外歯歯車13から伝達されたトルクを増大させて出力するように構成されている。また、第1軸部27は、第3ボールベアリング29に挿入されており、その第3ボールベアリング29を介してケース4に保持されている。さらに、第1軸部27の中空部には、等速ジョイントなどの第1連結機構30の入力軸31がスプライン係合している。そして、その第1連結機構30に第1ドライブシャフト32の一方の端部が連結し、その第1ドライブシャフト32の他方の端部には、図示しない他の連結機構を介して駆動輪が連結されている。
さらに、上記第2外歯歯車18には、第2出力部材33が連結されている。この第2出力部材33は、第1出力部材26と同様に、出力軸3と平行な軸線を中心として回転するように構成されており、車幅方向における外側に開口した有底円筒状の第2軸部34と、その第2軸部34の底面に一体に形成され、かつ第2外歯歯車18の歯と噛み合う歯が外周面に形成された第2従動部35とにより構成されている。この第2従動部35の外径は、第2外歯歯車18の外径よりも大きく形成されており、第2外歯歯車18から伝達されたトルクを増大させて出力するように構成されている。また、第2軸部34は、第4ボールベアリング36に挿入されており、その第4ボールベアリング36を介してケース4に保持されている。さらに、第2軸部34の中空部には、等速ジョイントなどの第2連結機構37の入力軸38がスプライン係合している。そして、第2連結機構37に第2ドライブシャフト39の一方の端部が連結し、その第2ドライブシャフト39の他方の端部には、図示しない他の連結機構を介して駆動輪が連結されている。
上述したように構成された動力伝達装置1は、駆動用モータ2から出力されたトルクが、各サンギヤ9,14に伝達される。その際に、車両が直進走行している場合には、第1サンギヤ9に作用するトルクとは反対方向のトルクが第1リングギヤ10に作用するとともに、第2サンギヤ14に作用するトルクとは反対方向のトルクが第2リングギヤ15に作用する。すなわち、駆動用モータ2から各遊星歯車機構7,8に入力されるトルクは、各リングギヤ10,15に同一の方向のトルクとして作用する。そのように各リングギヤ10,15には、同一方向のトルクが作用するものの、各リングギヤ10,15は、反転機構19を介して連結されているため、各リングギヤ10,15に作用するトルクが相殺される。そのため、各リングギヤ10,15は停止した状態となり、かつ反力要素として機能する。
したがって、第1サンギヤ9に伝達されたトルクが、第1遊星歯車機構7のギヤ比に応じて増大されて第1キャリヤ11から出力され、第2サンギヤ14に伝達されたトルクが、第2遊星歯車機構8のギヤ比に応じて増大されて第2キャリヤ16から出力される。上述したように第1遊星歯車機構7と第2遊星歯車機構8とは、同一の構成となっているため、第1キャリヤ11から出力されるトルクと、第2キャリヤ16から出力されるトルクとは同一となり、また第1キャリヤ11の回転数と第2キャリヤ16の回転数とが同一となる。すなわち、各ドライブシャフト32,39に伝達されるトルクが同一となり、各ドライブシャフト32,39の回転数が同一となる。そのように車両が直進走行している状態での各遊星歯車機構7,8の回転要素の回転数の関係を図4に共線図で示している。
一方、車両が旋回走行している場合には、外輪の回転数が、内輪の回転数よりも高回転数になる。例えば、第1ドライブシャフト32からトルクが伝達される駆動輪が外輪となり、第2ドライブシャフト39からトルクが伝達される駆動輪が内輪となる場合には、第1ドライブシャフト32の回転数が第2ドライブシャフト39の回転数よりも高回転数となる。そのため、第1キャリヤ11の回転数が第2キャリヤ16の回転数よりも高回転数になる。そのように車両が旋回走行している状態での各遊星歯車機構7,8の回転要素の回転数の関係を図5に共線図で示しており、第1遊星歯車機構7の各回転要素の回転数を実線で示し、第2遊星歯車機構8の各回転要素の回転数を破線で示している。
図5に示すように車両が旋回走行している場合にも、各遊星歯車機構7,8に駆動用モータ2から入力されるトルクは同一であるため、各リングギヤ10,15には同一のトルクが作用する。上述したように各リングギヤ10,15は、反転機構19により連結されているため、そのトルクは相殺されることとなり、各リングギヤ10,15がその回転数を維持するように反力トルクを受け持つ。そのため、各キャリヤ11,16には、同一のトルクが伝達される。なお、各リングギヤ10,15は、旋回走行時などの各ドライブシャフト32,39が相対回転している場合に回転するように構成されており、その回転数は比較的低回転数となる。そのため、走行状態に拘わらず各サンギヤ9,14は、各キャリヤ11,16よりも高回転数となる。すなわち、各遊星歯車機構7,8は、減速機として機能する。
上述したように各遊星歯車機構7,8の回転中心軸線、すなわち、出力軸3の回転中心軸線と、各出力部材26,33の回転中心軸線とが平行になるように構成することにより、各出力部材26,33の回転中心軸線上に各遊星歯車機構7,8が配置されることがない。また、各外歯歯車13,18を軸線方向における各遊星歯車機構7,8の間に設けること、すなわち、動力伝達装置1の幅方向における中央部に設けることにより、それらの外歯歯車13,18からトルクが入力される出力部材26,33を動力伝達装置1の幅方向における中央部に配置することができる。そのため、各出力部材26,33が軸線方向で互いに隣接して配置することができるため、各ドライブシャフト32,39の長さを長くすることができる。その結果、各連結機構30,37における傾斜角、すなわち、入力軸31と第1ドライブシャフト32との傾斜角、および入力軸38と第2ドライブシャフト39との傾斜角を小さくすることができるため、各連結機構30,37の動力損失を低減することができる。
さらに、各キャリヤ11,16に外歯歯車13,18を形成し、その外歯歯車13,18の外径を各リングギヤ10,15の外径よりも小さくすることにより、軸線方向において各リングギヤ10,15と各出力部材26,33とを一部重ねて配置させることができる。そのため、各出力部材26,33の従動部28,35の外径を大きくすることができ、かつその従動部28,35にトルクを伝達する外歯歯車13,18の外径を小さくすることができる。その結果、各出力部材26,33に伝達するトルクを増大させることができる。
図2には、上述した動力伝達装置1に更に差動用モータ40を備えた構成を示している。図1と同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。図2に差動用モータ40は、各ドライブシャフト32,39に伝達されるトルクの分配率を制御するためのものであり、反転機構19にトルクを伝達するように構成されている。具体的には、出力軸3と平行な軸線を中心として回転するように差動用モータ40が設けられており、その差動用モータ40の出力軸41に出力ギヤ42が連結されている。また、第2連結軸21は、第3ピニオンギヤ24よりも差動用モータ40側に延出して形成されており、その先端部に、出力ギヤ42と噛み合い、かつ出力ギヤ42よりも外径が大きいドリブンギヤ43が形成されている。
このように構成された動力伝達装置1では、差動用モータ40に通電していない場合、すなわち、差動用モータ40からトルクを出力していない場合には、図1に示す構成と同様に駆動用モータ2から各ドライブシャフト32,39にトルクが伝達される。
一方、差動用モータ40からトルクを出力すると、そのトルクが反転機構19を介して各リングギヤ10,15に作用する。具体的には、第2リングギヤ15が第2サンギヤ14と同一方向に回転するように差動用モータ40からトルクを出力すると、第2遊星歯車機構8の反力トルクが増大することにより、第2キャリヤ16から出力されるトルクが増大する。すなわち、第2ドライブシャフト39に入力されるトルクが増大する。一方、上記のように差動用モータ40からトルクを出力すると、そのトルクは、反転機構19を介して第1リングギヤ10に伝達されるため、第1遊星歯車機構7の反力トルクが減少する。そのため、第1キャリヤ11から出力されるトルクが減少することとなり、第1ドライブシャフト32に入力されるトルクが減少する。
図2に示すように差動用モータ40を備えた動力伝達装置1であっても、図1に示す構成と同様の効果を奏することができる。
また、各外歯歯車13,18の支持剛性を向上させるための構成、および動力伝達装置1の外径が大きくなることを抑制するための構成の一例について図3を参照して説明する。なお、図1および図2と同様の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示す動力伝達装置は、各サンギヤ9,14の間に、二つのボールベアリング44,45が出力軸3に嵌合している。それらボールベアリング44,45のうちの駆動用モータ2側のボールベアリング44に、第1外歯歯車13が嵌合し、もう一方のボールベアリング45に、第2外歯歯車18が嵌合している。上述したように出力軸3は、ケース4に保持されているため、その出力軸3に各外歯歯車13,18を相対回転可能に嵌合することにより、各外歯歯車13,18の支持剛性を向上させることができる。なお、上記のボールベアリング44が、この発明の実施例における「第1ベアリング」に相当し、ボールベアリング45が、この発明の実施例における「第2ボールベアリング」に相当する。
また、図3に示す動力伝達装置1は、その外径が大きくなることを抑制するために、駆動用モータ2と差動用モータ40とを同一軸線上に配置している。具体的には、ケース4の一方側の側面に駆動用モータ2が固定され、他方側の側面に差動用モータ40が固定されている。そして、差動用モータ40は、シングルピニオン型の遊星歯車機構(以下、第3遊星歯車機構と記す)46を介して反転機構19に連結されている。
この第3遊星歯車機構46は、第2遊星歯車機構8の第2リングギヤ15を共有して構成されている。具体的には、第2リングギヤ15には、差動用モータ40側に延出した円筒部47が形成され、その円筒部47を第3遊星歯車機構46を構成する第3リングギヤとしている。すなわち、第3遊星歯車機構46は、差動用モータ40の出力軸41に連結された第3サンギヤ48と、上記円筒部47と、それらサンギヤ48および円筒部47に噛み合うプラネタリギヤを自転可能に保持する第3保持シャフト49とにより構成され、その第3保持シャフト49がケース4に固定されている。したがって、差動用モータ40から出力されたトルクが反転して円筒部47、すなわち第2リングギヤ15に伝達される。なお、第3サンギヤ48が、この発明の実施例における「第3入力要素」に相当し、円筒部47が、この発明の実施例における「第3出力要素」に相当し、第3保持シャフト49が、この発明の実施例における「第3反力要素」に相当する。
上述したように第3遊星歯車機構46を設けた場合には、出力軸3の端部が、第2遊星歯車機構8と第3遊星歯車機構46との間に延出することとなる。そのため、出力軸3を先端部を保持するために、図3に示す構成では、第3保持シャフト49を第2遊星歯車機構8と第3遊星歯車機構46との間まで延出し、その先端部に、環状の保持プレート50を連結している。そして、保持プレート50にボールベアリング51を挿入し、そのボールベアリング51に出力軸3の先端部が保持されるように構成されている。なお、この保持プレート50が、この発明の実施例における「板部材」に相当し、ボールベアリング51が、この発明の実施例における「第3ベアリング」に相当する。
このように構成することにより、出力軸3は、第1ボールベアリング5と、保持プレート50に挿入されたボールベアリング51とにより保持された両持ち状態となり、支持剛性が低下することを抑制することができる。
なお、この発明の実施例における第1遊星歯車機構や第2遊星歯車機構は、シングルピニオン型の遊星歯車機構に限らず、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であってもよい。また、駆動用モータの出力軸と、第1遊星歯車機構や第2遊星歯車機構が連結される回転軸とが異なっていてもよい。さらに、駆動力源として駆動用モータを使用したものに限らず、エンジンなどの他の駆動力源を使用してもよい。
1…動力伝達装置、 2…駆動用モータ、 3,41…出力軸、 4…ケース、 5,6,29,36,44,45,51…ボールベアリング、 7,8,44…遊星歯車機構、 9,14,46…サンギヤ、 10,15…リングギヤ、 11,16…キャリヤ、 12,17,49…保持シャフト、 13,18…外歯歯車、 19…反転機構、 26,33…出力部材、 32,39…ドライブシャフト、 30,37…連結機構、 40…差動用モータ、 47…円筒部、 50…保持プレート。

Claims (3)

  1. 駆動力源と、
    前記駆動力源からトクが伝達される入力軸と、
    前記入力軸からトルクが伝達される第1入力要素と、第1ドライブシャフトにトルクを伝達する第1出力要素と、前記第1入力要素から入力されたトルクを前記第1出力要素から出力するように反力トルクを出力する第1反力要素とにより構成された第1遊星歯車機構と、
    前記入力軸からトルクが伝達される第2入力要素と、第2ドライブシャフトにトルクを伝達する第2出力要素と、前記第2入力要素から入力されたトルクを前記第2出力要素から出力するように反力トルクを出力する第2反力要素とにより構成された第2遊星歯車機構と、
    前記第1反力要素と前記第2反力要素とに連結されるとともに、前記第1反力要素に作用するトルクを反転させて前記第2反力要素に伝達する反転機構と
    を備えた動力伝達装置において
    前記第1遊星歯車機構と、前記第2遊星歯車機構とが同一軸線方向で互いに隣接して配置され、
    前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間に配置され、かつ前記第1出力要素に連結された第1外歯歯車と、
    前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構との間に配置され、かつ前記第2出力要素に連結された第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車の半径方向における外側に配置されるとともに、前記第1外歯歯車に噛み合う第1出力部材と、
    前記第2外歯歯車の半径方向における外側でかつ前記第1外歯歯車の回転軸線上に配置され、前記第2外歯歯車に噛み合う第2出力部材とを備え、
    前記第1出力部材から前記第1ドライブシャフトにトルクを伝達し、前記第2出力部材から前記第2ドライブシャフトにトルクを伝達する
    ように構成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記入力軸に嵌合するとともに、前記第1外歯歯車が前記入力軸に対して回転することができるように前記第1外歯歯車を保持する第1ベアリングと、
    前記入力軸に嵌合するとともに、前記第2外歯歯車が前記入力軸に対して回転することができるように前記第2外歯歯車を保持する第2ベアリングと
    を備えている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、
    前記入力軸の一方の端部が、前記駆動力源に連結され、
    前記入力軸の回転軸線と同一の軸線を中心として回転する差動用モータと、
    前記差動用モータに連結された第3入力要素と、前記第1反力要素または前記第2反力要素にトルク伝達可能な第3出力要素と、固定部材に連結された第3反力要素とにより構成され、かつ前記第1遊星歯車機構および前記第2遊星歯車機構を挟んで前記駆動力源とは反対側に配置された第3遊星歯車機構と、
    前記第3反力要素に連結され、かつ前記第3遊星歯車機構と前記第1遊星歯車機構および前記第2遊星歯車機構との間に配置される環状の板部材と、
    前記板部材に挿入されるとともに、前記入力軸の他方の端部を回転可能に保持する第3ベアリングと
    を備えている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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