JP6346746B2 - 三次元造形物の製造方法、三次元造形物を製造するためのキット及び三次元造形物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法、三次元造形物を製造するためのキット及び三次元造形物 Download PDF

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Description

本発明は、三次元造形物の製造方法、三次元造形物を製造するためのキット及び三次元造形物に関するものである。
従来、積層法でインクを積み上げて3D印刷物を得る際、オーバーハングの部分を構成するにはサポート材が必要である。
特許文献1には、サポート材としてシリコーン系又はフッ素系材料が成分として含まれているインクジェット方式の三次元造形装置が記載されている。
特許文献2には、サポート材がプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール及び光開始剤の混合物でありアルカリ水溶液で除去する三次元造型方法が記載されている。
特許文献3には、流動可能な樹脂の余剰分をローラで回収する方法が記載されている。この方法では、サポート材は最終的に容易に除去することを目的として、モデル材と類似した材料に更に除去可能な材料を添加することが望ましいとされており、具体的には水膨潤ゲル、ワックス、熱可塑性樹脂、水溶性材料、溶解性材料等を使用している。
特許文献4には、SP値の加重平均9.0〜10.3の硬化性樹脂成分を含有してなるインクジェット造型法における光造形品形成用モデル材;並びに、水溶性単官能エチレン性不飽和単量体、数平均分子量が100〜5,000であるポリプロピレングリコールおよび/または水、並びに光重合開始剤を含有してなるインクジェット光造形法における光造形時の形状支持用サポート材が記載されている。
特開2004‐255839号公報(2004年9月16日公開) 特開2011‐5658号公報(2011年1月13日公開) 特開2013‐67121号公報(2013年4月18日公開) 特開2012‐111226号公報(2012年6月14日公開)
しかしながら、特許文献1に記載のサポート材は容易に除去することが困難である。
特許文献2のサポート材は硬化速度が遅いことから三次元造形物の製造に長時間を要してしまい、より短時間で製造するための示唆もない。
特許文献3に記載の方法では印刷物を短時間で得て、且つ、サポート材を除去することが困難である。
特許文献4はモデル材とサポート材との収縮率及び吸湿の差が大きく、変形しやすい。そのため所望の形状にするために更なる処理等が必要になる可能性が大きく、結果として、造形物を得るために長時間を要する。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、簡易且つ短時間に三次元造形物を製造することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る三次元造形物の製造方法は、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材を用いて印刷するモデル材印刷工程と、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材を印刷するサポート材印刷工程と、上記サポート材印刷工程によって印刷されたサポート材を除去するサポート材除去工程とを含むことを特徴としている。
モデル材とサポート材との酸価の大きな違いを利用して、簡易且つ短時間にサポート材を除去することができ、結果として容易且つ短時間に三次元造形物を製造することができる。例えば、塩基性の除去液を用いれば容易にサポート材を除去することができる。また、一般に、酸価が低いものは水に溶け難いものが多く、酸価が高いものは水に溶けやすいものが多いので、除去液として水を用いても簡易且つ容易にサポート材を除去することができる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記モデル材が、着色剤含む着色用インク又は着色剤を含まないインクであってもよい。
モデル材が着色剤を含む場合には、所望の色に着色した三次元造形物を得ることができる。モデル材が着色剤を含まないインクであれば、色の付いていない三次元造形物を得ることができる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記サポート材が、着色剤を含まないか、又は、体質顔料を含むインクであることがより好ましい。サポート材が残留してもモデル材の色調を損ねることを防ぐことができる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記モデル材が実質的に(メタ)アクリル酸基を含まず、且つ、上記サポート材が(メタ)アクリル酸基及びスルホン酸基のうち少なくとも一方を含むことがより好ましい。モデル材とサポート材との酸価の差をより大きくし、サポート材の除去をより簡易且つ迅速に行なうことができる。また、寸法安定性に優れた三次元造形物を提供できる。なぜなら、酸価の差が小さいと溶解剤によってはモデル材に対する膨潤等の影響が生じる可能性があり、酸価の差が大きいことによって、この影響の発生を抑えることができるからである。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記サポート材が、ホモポリマー水溶性となる水溶性ビニルモノマーを含むことがより好ましい。サポート材を水で除去しやすくなるため、より簡易且つ迅速にサポート材を除去できる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記モデル材印刷工程及び上記サポート材印刷工程をインクジェット法で行なうことがより好ましい。自在な形状を高精度に造形することができる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記サポート材除去工程を、アルカリ性水溶液及びアルコールのうち少なくとも一つを用いて行なうことがより好ましい。本発明において用いるサポート材はアルカリ性水溶液及びアルコールに迅速に溶解するので、より簡易且つ迅速にサポート材を除去できる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法では、上記サポート材が水溶性であり、上記サポート材除去工程を水を用いて行なうことがより好ましい。扱いの容易な水によってサポート材を迅速に除去できる。また、水溶性であり、且つ、酸価80以上のものは、水に極めて迅速に溶ける。そのため、より短時間で三次元造形物を得ることができる。
また、本発明に係る三次元造形物を製造するためのキットは、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材と、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材と、を備えることを特徴としている。
上述した本発明に係る三次元造形物の製造方法に利用できるので、簡易且つ短時間に三次元造形物を製造できる。
なお、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材と、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材と、によって形成された三次元造形物も本発明の範疇である。
本発明によれば、簡易且つ短時間に三次元造形物を製造できるという効果を奏する。
<本発明に係る三次元造形物の製造方法>
本発明に係る三次元造形物の製造方法は、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材を用いて印刷するモデル材印刷工程と、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材を印刷するサポート材印刷工程と、上記サポート材印刷工程によって印刷されたサポート材を除去するサポート材除去工程とを含む。モデル材とサポート材との酸価の大きな違いを利用して、簡易且つ短時間にサポート材を除去することができ、結果として容易且つ短時間に三次元造形物を製造することができる。例えば、塩基性の除去液を用いれば容易にサポート材を除去することができる。また、一般に、酸価が低いものは水に溶け難いものが多く、酸価が高いものは水に溶けやすいものが多いので、除去液として水を用いても簡易且つ容易にサポート材を除去することができる。
〔モデル材〕
本発明に係る三次元造形物の製造方法で用いるモデル材は、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクである。
本明細書において「酸価」とは、インク(モデル材又はサポート材)1g中に存在する遊離酸基を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。また、インクに含まれる重合成分がアクリルであり、且つ、インクに他の遊離酸基を含有しない場合は、アクリル成分1g中に存在する遊離酸基を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数を酸価として近似することが可能である。
活性エネルギー線硬化型インクとは、活性エネルギー線が照射されることにより硬化するインクである。迅速に硬化させることができるので、モデル材とサポート材とが混ざることを抑制できる。そのため、モデル材及びサポート材を共に吐出するインクジェット法を好適に用いることができる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法で用いるモデル材が硬化のために必要とする活性エネルギー線の種類は特に限定されないが、例えば、X線、電子線、紫外線等が挙げられる。中でも紫外線が好ましい。つまり、モデル材として紫外線硬化型インクが好ましい。
紫外線等の光源としては、従来公知のUV硬化性インクジェットインキに使用する光源が採用され得る。例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等が挙げられる。市販品としては、例えばFusionSystem社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等が挙げられる。
モデル材が紫外線硬化型インクである場合には、紫外線光源から発せられる紫外線にて積算光量で50〜1000mJ/cmの照射で硬化するものであることが好ましく、50〜200mJ/cmで硬化するものであることがより好ましい。
本発明に係る三次元造形物の製造方法で用いるモデル材は多官能のものとすることができる。これにより光に対する感度が良くなる。多官能のものであれば、UV−LED、紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により硬化が可能である。当該モデル材の感度が良い理由は次の通りである。つまり、多官能であることによりもたらされる架橋効果により、低照度でモデル化(硬化)するからである。加えて光源に合わせた光重合開始剤や増感剤を選択することができるため、光に対する感度を高めることができる。
(重合成分)
モデル材は、実質的に(メタ)アクリル酸基を含まないことがより好ましい。つまり、モデル材に含まれる重合成分は実質的にフリーの酸基を有しない(メタ)アクリルモノマーが好ましい。モデル材とサポート材との酸価の差をより大きくし、サポート材の除去をより簡易且つ迅速に行なうことができる。また、寸法安定性に優れた三次元造形物を提供できる。
(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はなく公知の(メタ)アクリルモノマーを使用することができる。
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する単官能メタアクリレート、また、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジメタアクリレート、また、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジメタアクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジメタアクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジメタアクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリメタアクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ジペンタエリスリトールのポリメタアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸メタアクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸メタアクリレート等の多官能メタアクリレート等が挙げられる。
また、多官能モノマーを併用することでモデル材硬化物の強度及び耐溶剤性を上げることが可能である。モデル材が含み得るその他多官能モノマーとしては、特に限定はなく公知の多官能モノマーを使用できる。例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジアクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリアクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールのポリアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸アクリレート等の多官能アクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物等のビニルエーテル基を有する重合性化合物等が挙げられる。これらは単独でもよく、2種類以上併用して用いることもできる。
モデル材は、硬化塗膜性能を上げる観点から、分子量の高いアクリレートオリゴマー等の反応性オリゴマーを含んでもよい。反応性オリゴマーの量は、インクジェット噴射の際にサテライトが発生する可能性を低くするため、少量が好ましい。例えば、活性エネルギー線重合性化合物全量に対し20質量%を超えない量がより好ましい。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられ、2種類以上併用して用いることができる。
アクリレート化合物は実質的に酸基を含まないが、僅かに加水分解により遊離酸基が発生して酸価を示す場合でもインクとして酸価が20以下であればよい。つまり、本発明において「実質的に(メタ)アクリル酸基を含まない」は、遊離して発生した(メタ)アクリル酸基を含む場合は包含する。
(光重合開始剤)
モデル材が紫外線硬化型インクである場合には、モデル材は光重合開始剤を含むことがより好ましい。光重合開始剤としてはラジカル重合型の光重合開始剤が使用され得る。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられる。さらに、これら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が採用され得る。また、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型光重合開始剤も採用され得る。これらは一種のみでもよく複数種が混合されてもよい。
また、活性エネルギー線源としてLEDランプを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
また、光重合開始剤に対する増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
モデル材には、インクの保存安定性を高めるため、ハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤をモデル材中に0.01〜2質量%の範囲で添加してもよい。
(着色剤)
モデル材は、着色剤含む着色用インク又は着色剤を含まないインクであってもよい。モデル材が着色剤を含む場合には、所望の色に着色した三次元造形物を得ることができる。モデル材が着色剤を含まないインクであれば、色の付いていない三次元造形物を得ることができる。着色剤は顔料であってもよく、染料であってもよい。
厚みのある立体物を製造する場合には着色剤として染料を用いると透明かつ着色効果のある立体物が得られる。染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、油性染料など、従来インクジェット記録に使用されてきた各種染料が挙げられる。中でも、油性染料がインク重合成分への溶解性及び硬化物の発色性の点で特に好ましい。
不透明な立体物を得るには着色材として顔料を採用することが好ましく、例えば、無機顔料及び有機顔料を採用することができる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、及び、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200Bなどが、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャポット社製のRegal400R、同330R、同660R、MogulL、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、Color Black S150、同S160、同S170、Printex35、同U、同V、同140U、Special Black6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
前記顔料の平均粒径は、10〜300nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜200nm程度のものである。また前記着色剤の添加量、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インク全量の1〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
前記顔料は、前記活性エネルギー線量合性化合物等に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。具体的には、味の素ファインテクノ社製のアジスパー(登録商標)PB821、PB822、PB817、アビシア社製のソルスパース(登録商標)24000GR、32000、33000、39000、楠本化成社製のディスパロン(登録商標)DA−703−50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、高分子分散剤の使用量は、顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、特に20〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が10質量%以上で十分な分散安定性が得られ、80質量%以下でインクの粘度が高くなることを抑え、吐出安定性が向上する。
モデル材は、使用するインクジェット装置にもよるが、各々のモノマーを配合後の粘度が概ね1〜100mPa・secとなるように設計することが好ましい。インクジェットで吐出する際のモデル材とサポート材との粘度は異なっていてもよいが、インクジェットの吐出特性及び硬化特性を考慮すると近い値であることが好ましく、同一であることがより好ましい。
(その他の成分)
モデル材は、被印刷基材に対する接着性の付与等を目的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等が配合され得る。添加量は少量とすることが好ましい。なぜなら、サテライトが発生する可能性を低減させることができ、また、耐溶剤性の低下を防ぐことができるからである。
その他に、モデル材は、本発明の効果を損なわず、且つ吐出安定性を損なわない範囲において、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類が添加され得る。
モデル材を製造する方法としては、例えば、顔料を含む場合は顔料、及び活性エネルギー線量合性化合物、必要に応じ高分子分散剤、樹脂を加えた混合物をビーズミル等の従来公知の分散機を用いて顔料を分散した後、光重合開始剤を加え、さらに必要に応じ表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製する方法が挙げられる。予め、ビーズミル等の従来公知の分散機を用いて高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等を攪拌、混合してモデル材を製造してもよい。
顔料を分散させるための攪拌装置及び分散装置としては、例えば、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザー等の従来公知の分散機が挙げられる。
〔モデル材印刷工程〕
本発明に係る三次元造形物の製造方法が含むモデル材印刷工程は、モデル材を用いて印刷する工程である。
モデル材を用いて印刷する方法は、特に限定されないが、インクジェット法で行なうことがより好ましい。自在な形状を高精度に造形することができる。
また、インクジェット法は、デジタル制御可能であり、被記録媒体及び前回吐出して硬化することで形成されたモデル材及びサポート材に対して非接触で印刷することができることらかも好ましい。インクジェット法としては、従来公知の方式がいずれも使用され得る。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
本発明に係る三次元造形物の製造方法で用いるモデル材はプラスチック材に対する接着性に優れる。モノマーとしてプラスチック材に着弾した後に硬化するというプロセスによって、一旦プラスチック材の表面がモノマーによって濡れるためである。従って、プラスチック成形体等の表面にも容易に印字することができる。プラスチック材としては、例えば、汎用の射出成形用プラスチックとして使用される、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)/ABS樹脂、PA(ポリアミド)/ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)/ABS等のABS系のポリマーアロイ、AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレンゴム・スチレン)樹脂、MS((メタ)アクリル酸エステル・スチレン)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、PP(ポリプロピレン)系樹脂等が挙げられる。
また、被記録媒体として、包装材料用の熱可塑性樹脂フィルム等のプラスチック材からなるフィルムが採用され得る。食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理を施してあってもよい。またフィルム表面には必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
吐出されたモデル材はエネルギー線によって硬化する必要があるため、例えば、モデル材を被記録媒体に吐出することにより画像を印字する工程と、発光ダイオード(LED)を用いて波長ピークが365〜420nmの範囲にある活性エネルギー線を照射することにより前記画像を硬化させることで、画像を形成させることが可能である。
〔サポート材〕
本発明に係る三次元造形物の製造方法で用いるサポート材は、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクである。
活性エネルギー線硬化型インクの説明は、ここに記載する事項以外は、上述の〔モデル材〕の項で行なった説明に準ずる。
サポート材は、モデル材と同様に紫外線硬化型インクであることがより好ましい。サポート材が紫外線硬化型インクである場合には、紫外線光源から発せられる紫外線にて積算光量で50〜1000mJ/cmの照射で硬化するものであることが好ましく、50〜200mJ/cmで硬化するものであることがより好ましい。
本発明に係る三次元造形物の製造方法で用いるサポート材は、光源に合わせた光重合材及び増感剤を適宜選択できるため、光に対する感度が良い。そのため、UV−LED、紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により硬化が可能である。
サポート材は、(メタ)アクリル酸基及びスルホン酸基のうち少なくとも一方を含むことがより好ましい。このとき、モデル材が実質的に(メタ)アクリル酸基を含まないことがより好ましい。モデル材とサポート材との酸価の差をより大きくし、サポート材の除去をより簡易且つ迅速に行なうことができる。また、寸法安定性に優れた三次元造形物を提供できる。なぜなら、酸価の差が小さいと溶解剤によってはモデル材に対する膨潤等の影響が生じる可能性があり、酸価の差が大きいことによって、この影響の発生を抑えることができるからである。
サポート材に含まれる重合成分は、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、メレイン酸等のフリーのカルボン酸基を有するモノマー、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等のスルホン酸基を有する重合性モノマーを単独又は2種類以上で採用され得る。また、必要に応じて、〔モデル材〕の項で説明したアクリレート類と組み合わせて、酸価が80以上になるように調整したものであってもよい。同系統のアクリレートを組み合わせることによって、モデル材とサポート材との収縮率を近づけることができる。このとき、組み合わせるアクリレート化合物は硬化後の水又は有機溶剤による溶解を容易にすることが容易な単官能モノマーが好ましい。
サポート材は水溶性であることが好ましい。酸価が高いものを水溶性にすると、水により溶解しやすくなる。つまり、サポート材は水溶性であり、サポート材除去工程は水を用いて行なうことがより好ましい。酸価が80以上であり、且つ、水溶性のサポート材は、極めて水に溶けやすいので、より短時間で三次元造形物を得ることができる。また、扱いの容易な水によってサポート材を迅速に除去できる。
また、サポート材は、ホモポリマー水溶性となる水溶性ビニルモノマーを含むことがより好ましい。サポート材を水で除去しやすくなるため、より簡易且つ迅速にサポート材を除去できる。また、ホモポリマーが水溶性となりうるN−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−イソプロピルアクリルアミド、ビニルメチルエーテル等の水溶性ビニル化合物を併用することがより好ましい。水、アルカリ性水溶液及びアルコールによる洗浄性がさらに向上するからである。ただし、これらの水溶性ビニルポリマーのインク中での比率は、インクジェットヘッド端面での吸湿によるインクの変質に伴う飛行曲がりの発生、及び、得られる立体印刷物の寸法安定性を考慮すると50質量%以下が好ましい。
サポート材は、着色剤を含まないことが好ましい。また、硬化収縮の抑制、増量目的、硬さ調整、除去液による除去効果等を考慮して、サポート材は、タルク、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の公知の体質顔料を含んでもよい。このように、サポート材が着色剤を含まないか、又は、体質顔料を含むことによって、サポート材が残留してもモデル材の色調を損ねることを防ぐことができる。
なお、〔モデル材〕の項で説明した(光重合開始剤)及び(その他の成分)の項の説明は、サポート材にも適用され得るものである。
サポート材は、使用するインクジェット装置にもよるが、モデル材と同様に各々のモノマーを配合後の粘度が概ね1〜100mPa・secとなるように設計することが好ましい。
〔サポート材印刷工程〕
本発明に係る三次元造形物の製造方法が含むサポート材印刷工程は、サポート材を用いて印刷する工程である。
サポート材を用いて印刷する方法は、特に限定されないが、インクジェット法で行なうことがより好ましい。自在な形状を高精度に造形することができる。
なお、〔モデル材印刷工程〕の項で説明したインクジェット法、被記録媒体としてのプラスチック材についての説明は、サポート材印刷工程にも適用され得る。
また、モデル材印刷工程及びサポート材印刷工程の順番は特に限定されるものではなく、使用する製造装置の仕様等に応じて適宜設定すればよい。例えば、インクジェット記録装置を用いて、モデル材及びインク材を同時に吐出することで、モデル材印刷工程を行ないながらサポート材印刷工程を行なってもよい。また、例えば、サポート材を吐出してサポート材のみを構成した後に、モデル材を構成すべき領域にモデル材を吐出するように、サポート材印刷工程を行なった後にモデル材印刷工程を行なってもよい。また、例えば、モデル材を吐出してモデル材を形成した後に、当該モデル材の構造が支持されるようにサポート材を吐出するように、モデル材印刷工程を行なった後に、サポート材印刷工程を行なってもよい。
〔サポート材除去工程〕
本発明に係る三次元造形物の製造方法が含むサポート材除去工程は、上記サポート材印刷工程によって印刷されたサポート材を除去する工程である。
サポート材除去工程は、水、アルカリ性水溶液及びアルコールのうち少なくとも一つを用いて行なわれることがより好ましい。本発明において用いるサポート材はアルカリ性水溶液及びアルコールに迅速に溶解するので、より簡易且つ迅速にサポート材を除去できる。また、酸価が高いものは一般的に水に溶けやすいので、扱いの容易な水を用いてサポート材を除去することで、簡易且つ迅速にサポート材を除去できる。つまり、サポート材が水溶性であり、サポート材除去工程を水を用いて行なうことがより好ましい。
サポート材を除去するための除去液の具体例は、上述の通りサポート材が水に溶解する場合は水が好ましく、また、アルカリ性水溶液、アルコール、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ラクトン系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族溶剤、脂肪族溶剤等、モデル材を溶解しないでサポート材のみを溶解させるものであれば適宜使用可能である。特に水、アルカリ性水溶液、アルコールからなる除去液は安全性および取り扱いの容易さから好ましい。
アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、アルコールアミン、重曹等の塩基性の塩等の水溶性塩基性物質の水溶液がより好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等の低沸点アルコール及びその水溶液がより好ましい。
<本発明に係る三次元造形物を製造するためのキット>
本発明に係る三次元造形物を製造するためのキットは、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材と、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材と、を備える。上述した本発明に係る三次元造形物の製造方法に利用できるので、簡易且つ短時間に三次元造形物を製造できる。
モデル材及びサポート材については前述の説明に準ずる。
また、本発明に係る三次元造形物を製造するためのキットは、他の物を備えていてもよい。例えば、本発明に係る三次元造形物を製造するためのキットは、サポート材を除去するための除去液を備えていてもよい。
どのような構成であっても、本発明に係る三次元造形物を製造するためのキットは、上述したモデル材及びサポート材を備えるので、簡易且つ短時間に三次元造形物を製造できる。
また、本発明に係る三次元造形物を製造するためのキットには、モデル材及びサポート材を印刷した後にサポート材を除去するための手順等を記載した説明書を含んでもよい。
<本発明に係る三次元造形物>
本発明に係る三次元造形物は、酸価が20以下であり、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材と、酸価が80以上であり、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材と、によって形成されている。換言すれば、本発明に係る三次元造形物は、硬化した当該モデル材及び硬化した当該サポート材を備える。
本発明に係る三次元造形物は、吸湿に強く、形状寸法安定性が良好であることから、サポート材を除去しないで、モデル材と一体のまま、所望の用途に使用することが可能である。
本発明に係る三次元造形物からサポート材を除去することで、モデル材が所望の構造を有する三次元造形物を得ることができる。モデル材、サポート材及び当該サポート材の除去については前述の説明に準ずる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある「部」とは、質量部を表す。
〔モデル材インク例〕
(株)ミマキエンジニアリング製UVインクLH−100インク(酸価2)
〔サポート材インク例1〕
アクリル酸 30部
テトラヒドロフルフリルアルコール 25部
2−フェノキシエチルアクリレート 39部
イルガキュア369 4部
DTEX−S 2部
上記組成を溶解し、1ミクロンのフィルターでろ過を行いクリアサポート材インクを得た。このインクの酸価は234であった。
〔サポート材インク例2〕
メタアクリル酸 13部
テトラヒドロフルフリルアルコール 25部
2−フェノキシエチルアクリレート56部
イルガキュア369 4部
DTEX−S 2部
上記組成を溶解し、1ミクロンのフィルターでろ過を行いクリアサポート材インクを得た。このインクの酸価は85であった。
〔サポート材インク例3〕
アクリル酸 13部
N−ビニルカプロラクタム 20部
テトラヒドロフルフリルアルコール 25部
2−フェノキシエチルアクリレート 56部
イルガキュア369 4部
DTEX−S 2部
上記組成を溶解し、1ミクロンのフィルターでろ過を行いクリアサポート材インクを得た。このインクの酸価は85であった。
〔サポート材インク例4〕
アクリル酸 5部
テトラヒドロフルフリルアルコール 25部
2−フェノキシエチルアクリレート 64部
イルガキュア369 4部
DTEX−S 2部
上記組成を溶解し、1ミクロンのフィルターでろ過を行いクリアサポート材インクを得た。このインクの酸価は39であった。
〔サポート材インク例5〕
テトラヒドロフルフリルアルコール 25部
2−フェノキシエチルアクリレート 68部
イルガキュア369 4部
DTEX−S 2部
上記組成を溶解し、1ミクロンのフィルターでろ過を行いクリアサポート材インクを得た。このインクの酸価は0であった。
〔実施例1〕
モデル材インク例のYMCKカラーインク及びサポート材インク例1のインクを用いて、(株)ミマキエンジニアリング製UVプリンターUJF−6042でモデル材インクとサポート材インクとを異なる位置に印刷し、3D印刷物を得た。
2%の水酸化ナトリウム溶液中で立体物のサポート材硬化物部分を洗い流し、最後に水ですすいで乾燥させて歪みの少ないモデル材カラー立体物を得た。
〔実施例2〕
実施例1と同様にモデル材インク例のYMCカラーインク及びサポート材インク例2のインクを用いて、(株)ミマキエンジニアリング製UVプリンターUJF−6042でモデル材インクとサポート材インクとを異なる位置に印刷し、3D印刷物を得た。
エタノール溶液中で立体物のサポート材硬化物部分を洗い流し、乾燥させて歪みの少ないモデル材カラー立体物を得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様にモデル材インク例のYMCKカラーインク及びサポート材インク例3のインクを用いて、(株)ミマキエンジニアリング製UVプリンターUJF−6042でモデル材インクとサポート材インクとを異なる位置に印刷し、歪みの少ない3D印刷物を得た。
水中で立体物のサポート材硬化物部分を洗い流し、乾燥させてモデル材カラー立体物を得た。
〔比較例1〕
モデル材インク例のYMCKカラーインク及びサポート材インク例4のインクを用いて、(株)ミマキエンジニアリング製UVプリンターUJF−6042でモデル材インクとサポート材インクとを異なる位置に印刷し、3D印刷物を得た。
2%の水酸化ナトリウム溶液中で立体物を洗い流したが、サポート材硬化部分が僅かに膨潤するのみでモデル材カラー立体物を得ることが出来なかった。
〔比較例2〕
モデル材インク例のYMCKカラーインク及びサポート材インク例5のインクを用いて、(株)ミマキエンジニアリング製UVプリンターUJF−6042でモデル材インクとサポート材インクとを異なる位置に印刷し、3D印刷物を得た。
エタノール溶液中で立体物を洗い流したが、サポート材硬化部分が僅かに膨潤するのみでモデル材カラー立体物を得ることが出来なかった。
本発明によれば、活性エネルギー線硬化インクを用いて、自在な形状で、特に寸法安定性に優れた3次元の形状を有する3D印刷物をフルカラーで高精度に且つ短時間に提供することができるので、三次元造形物の製造に利用することができる。

Claims (5)

  1. 酸価が20以下であるモデル材を、活性エネルギー線硬化型インクであるモデル材用インクを用いて印刷して、活性エネルギー線を照射して硬化させることで積層法により造形するモデル材印刷工程と、
    酸価が80以上であり、上記モデル材を支持するサポート材を、活性エネルギー線硬化型インクであるサポート材用インクを印刷して、活性エネルギー線を照射して硬化させることで積層法により造形するサポート材印刷工程と、
    上記サポート材印刷工程によって造形されたサポート材を除去するサポート材除去工程とを含み、
    上記モデル材印刷工程と、上記サポート材印刷工程とは、インクジェット法により上記モデル材用インク及び上記サポート材用インクを異なる位置に同時に吐出することで同時に行われるものであり、
    上記サポート材除去工程は、中性又は塩基性の除去液を用いて行われることを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 上記モデル材用インクが、着色剤含む着色用インク又は着色剤を含まないインクであることを特徴とする請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 上記サポート材用インクが、着色剤を含まないか、又は、体質顔料を含むインクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 上記モデル材用インクが実質的に(メタ)アクリル酸基を含まず、且つ、上記サポート材用インクが(メタ)アクリル酸基及びスルホン酸基のうち少なくとも一方を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 上記サポート材用インクが、ホモポリマー水溶性となる水溶性ビニルモノマーを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
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