JP6346523B2 - 半導体集積回路およびイメージセンサ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、半導体集積回路およびイメージセンサに関する。
イメージセンサにおいて、アナログ画素電圧をデジタル信号に変換してデジタル信号処理することがよく行われている。画素電圧が小さいと精度よくデジタル信号に変換するのが困難であるため、画素電圧を前もって増幅するのが望ましい。画素電圧が小さい場合には増幅率を高くする必要があるし、画素電圧が大きい場合には増幅率を低くする必要がある。よって、増幅率が可変である増幅器が用いられることが多い。
その場合、増幅率を適切に設定する必要がある。1つの設定手法として、種々の増幅率を適用して増幅器からの出力電圧が飽和したか否かを検査し、飽和しない最大の増幅率を選択することが知られている。
しかしながら、この手法では出力電圧が1度は飽和してしまう。そうすると、画素電圧を再度読み出す必要があり、増幅処理に長い時間を要してしまう。
特開2010−273385号公報 特開2004−363666号公報 特開2005−175517号公報 特開2010−259109号公報
迅速に適切な増幅率を設定できる半導体集積回路およびそのような半導体集積回路を用いたイメージセンサを提供する。
実施形態によれば、増幅部と、比較部と、制御部と、を備える半導体集積回路が提供される。増幅部は、画素に照射される光の強度に応じた画素値を、可変設定され得る増幅率で増幅する。比較部は、増幅部からの出力値と、基準値と、を比較する。制御部は、比較部の比較結果に基づき、増幅率を現在の増幅率より高くしても増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、増幅率を現在の増幅率より高くする。制御部による制御に応じて、増幅率は予め定めた複数段階の増幅率のうちの1つに設定される。制御部は、最初に増幅率を最小の増幅率より1段階以上高い増幅率に設定し、その後、増幅部からの出力値が飽和している可能性がある場合に、増幅率を現在の増幅率より1段階低くし、増幅率を現在の増幅率より1段階高くしても増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、増幅率を現在の増幅率より1段階高くする。
イメージセンサの概略構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るカラム処理部3mの内部構成の一例を示すブロック図。 制御部3m3の処理動作の一例を示すフローチャート。 増幅部3m1の内部構成の一例を示す回路図。 図4の増幅部3m1の動作を説明する図。 図5に引き続く増幅部3m1の動作を説明する図。 図6に引き続く増幅部3m1の動作を説明する図。 図7に引き続く増幅部3m1の動作を説明する図。 制御部3m3の内部構成の一例を示す回路図。 制御部3m3における各信号のタイミング図。 AD変換部3m4の内部構成の一例を示すブロック図。 デジタル信号処理部4の内部構成の一例を示す図。 SRAM43に記憶される補正係数kの一例を示す図。 設定された増幅率gが「2」である場合の補正係数kの算出法を説明する図。 増幅率gごとの補正係数kの算出法を説明する図。 CDS処理を行うデジタル信号処理部4’の概略構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係るカラム処理部3m’の内部構成の一例を示すブロック図。 制御部3m3の処理動作の一例を示すフローチャート。 (a)は、増幅率が「4」である理想的な増幅回路の回路図であり、(b)は、第1の実施形態に基づく増幅率が「4」である増幅部の等価回路図であり、(c)は、(a),(b)の回路の出力電圧のノイズを示す図である。 第3の実施形態に係る増幅部の内部構成の一例を示す回路図である。 (a)は、初期化フェーズでの増幅部の動作を示す図であり、(b)は、(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 (a)は、図21(b)に引き続く増幅部の動作を説明する図であり、(b)は、(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 (a)は、図21(b)に引き続く増幅部の動作を説明する図であり、(b)は、(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 (a)は、図22(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図であり、(b)は、図23(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。 画素電圧に応じた出力電圧の時間変化を示す図である。 (a)は、増幅率が「0.5」の場合の増幅部の等価回路図であり、(b)は、この場合の出力電圧の時間変化を概略的に示す図である。 (a)は、増幅率が「4」の場合の増幅部の等価回路図であり、(b)は、この場合の出力電圧のノイズを示す図である。 (a)は、第4の実施形態に係るAD変換部の構成の一例を示すブロック図である。 第5の実施形態に係るカラム処理部の構成の一例を示すブロック図である。 (a)は、ダイナミックレンジに応じた画素電圧の範囲を示す図であり、(b)は、ダイナミックレンジに応じたランプ電圧を示す図である。 第5の実施形態に係る増幅部の内部構成の一例を示す回路図である。 (a)は、初期化フェーズでの増幅部の動作を示す図であり、(b)は、(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 (a)は、図33(b)に引き続く増幅部の動作を説明する図であり、(b)は、(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 (a)は、図34(b)に引き続く増幅部の動作を説明する図であり、(b)は、図34(b)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 (a)は、図33(b)に引き続く増幅部の動作を説明する図であり、(b)は、図34(a)に引き続く増幅部の動作を説明する図である。 制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。 (a)は、ダイナミックレンジが1/2倍であり、増幅率が「4」の場合の増幅部の等価回路図であり、(b)は、ダイナミックレンジが1/2倍であり、増幅率が「0.5」の場合の出力電圧の時間変化を概略的に示す図である。 第6の実施形態に係る増幅部の内部構成の一例を示す回路図である。 第1の実施形態の増幅部の出力電圧および第6の実施形態の増幅部の出力電圧の増幅率依存性を示す図である。 第7の実施形態に係る制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。 出力電圧と画素電圧との関係を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、イメージセンサの概略構成を示すブロック図である。イメージセンサは、画素アレイ1と、カラム処理部31〜3nと、デジタル信号処理部(DSP)4とを備えている。イメージセンサの全体または一部が半導体集積回路として形成されてもよい。
画素アレイ1はロウ方向およびカラム方向に並ぶ複数の画素2から構成される。各画素2は照射される光の強度に応じた電圧を出力する。光が照射されない、もしくは光の強度が非常に弱いとき画素2が出力する電圧をリセット電圧と定義すると、光の強度が強いほど、画素の出力電圧とリセット電圧の差の絶対値が大きくなる。以下の説明ではこの電圧差の絶対値を画素電圧(画素値)Vpと表記する。絶対値をVpとする理由は、画素2の構成によって、光が照射されたときに、画素の出力電圧がリセット電圧より上がる場合と下がる場合があるためである。本発明はどちらの場合にも適用可能である。また以下の説明では、ロウ方向にn個の画素2が並んでおり、カラム数はnであるとする。また、m(m=1〜n)番目のカラムに属する画素2からの画素電圧をVpmと表記する(本明細書において、他のパラメータの末尾に付した「m」も同様に、当該パラメータがm番目のカラムに関連することを示す)。
カラム処理部31〜3nは画素アレイ1の各カラムに対応して設けられる。カラム処理部3mには、対応するm番目のカラムに属する画素2の1つから出力された画素電圧Vpmが入力される。そして、カラム処理部3mは画素電圧Vpmに増幅率gmを適用して増幅する。この増幅率gmは可変であり、その設定手法については後述する。さらに、カラム処理部3mは増幅された画素電圧をデジタル値Vdmに変換する。
デジタル信号処理部4は適用された増幅率g1〜gnを考慮してデジタル値Vd1〜Vdnを処理し、画素電圧Vp1〜Vpnに比例するデジタル値Vdoutをシリアルで出力する。
イメージセンサにおいて、弱い光が照射される(すなわち暗い)画素2から出力される画素電圧Vpmは小さい。よって、カラム処理部3mでの増幅率gmを高くして雑音を抑制する必要がある。一方、強い光が照射される(すなわち明るい)画素2から出力される画素電圧Vpmは大きい。よって、カラム処理部3mでの増幅率gmを低くして白とびを防ぐ必要がある。
以上を考慮すると、増幅率gmは、白とびが発生しない範囲で、できるだけ高く設定されるのが望ましい。以下、カラム処理部3mによる増幅率gmの設定手法について詳しく説明する。
図2は、第1の実施形態に係るカラム処理部3mの内部構成の一例を示すブロック図である。カラム処理部3mは、プログラマブルゲイン増幅部3m1(Programmable Gain Amplifier、PGA、以下単に増幅部という)と、比較部3m2(CMP)と、制御部3m3(CNT)と、AD変換部3m4(ADC)とを有する。
増幅部3m1は、制御部3m3からの制御信号Sにより設定される増幅率gmで、画素2からの画素電圧Vpmを増幅する。すなわち、増幅部3m1は画素電圧Vpmと増幅率gmとの積Vpm*gmを出力電圧Voとして出力する。増幅率gmは可変であり、制御信号Sに応じて複数段階の値をとり得る。本実施形態では、増幅率gmは2のべき乗の値、より具体的には「0.5」(最小増幅率)、「1」および「2」(最大増幅率)のうちのいずれかに設定される例を示す。
比較部3m2は、増幅部3m1からの出力電圧Voと、所定の基準電圧Vrefとを比較する。出力電圧Voと基準電圧Vrefとの大小関係を示す比較結果が制御部3m3に供給される。増幅率が2のべき乗の値に設定される場合、基準電圧Vrefは増幅部3m1が出力可能な最大電圧値Vomaxの1/2に設定される。
制御部3m3は、比較部3m2での比較結果に応じた制御信号Sを生成し、増幅部3m1の増幅率gmを設定する。より具体的には、現在の増幅率gmより1段階高い増幅率が適用されても増幅部3m1からの出力電圧Voが飽和しない場合、増幅率が現在の増幅率gmより1段階高くなるよう、制御部3m3は制御信号Sを設定する。必要に応じて、制御部3m3は複数段階にわたって増幅率gmを高くする。一方、現在の増幅率gmより1段階高い増幅率が適用されると増幅部3m1からの出力電圧Voが飽和する場合、制御部3m3は増幅率を変更しない。
ここで、「飽和する」とは、画素電圧Vpmと増幅率gmとの積が最大電圧値Vomaxを超えるために、増幅部3m1が画素電圧Vpmに比例した出力電圧Voを生成できない状態をいう。増幅部3m1の出力が飽和すると、画素2に照射される光の強度を正確に出力することはできない。よって、出力電圧Voutが飽和しないような制御を行う必要がある。
AD変換部3m4は、増幅率gmの確定後に、増幅部3m1からの出力電圧Voをデジタル値Vdmに変換する。なお、増幅率gmが確定するまでに要する最大時間が経過した後にAD変換部3m4がAD変換処理を開始するようにしてもよいし、制御部3m3から増幅率gmが確定したことを示す信号を受けて、AD変換部3m4がAD変換処理を開始してもよい。
図3は、制御部3m3の処理動作の一例を示すフローチャートである。初期設定として、制御部3m3は増幅率gmを最小値「0.5」に設定しておく(ステップS1)。
増幅部3m1からの出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)以下であり、且つ、現在の増幅率gmの2倍が、設定可能な最大の増幅率gm_max未満である場合(ステップS2のYES)、現在の増幅率gmの2倍の増幅率が適用されたとしても、出力電圧Voは最大電圧Vomaxを超えない。よって、制御部3m3は増幅率を現在の増幅率gmの2倍に変更する(ステップS3)。例えば、現在の増幅率gmが初期設定の「0.5」である場合、制御部3m3は増幅率gmをその2倍の「1」に変更する。
そして、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きくなるか、又は、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上になるまで、制御部3m3はこの処理を繰り返す(ステップS2のYES,S3)。
出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS2のNO)、現在の増幅率gmの2倍の増幅率が適用されると、出力電圧Voが最大電圧Vomaxを超え、出力電圧Voが飽和する。また、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上である場合(ステップS2のNO)、これ以上増幅率gmを高くできない。よって、制御部3m3はこれ以上増幅率gmを高くすることなく、処理を終了する。これにより増幅率gmが確定する。
より一般的には、基準電圧Vrefは最大電圧値Vomaxの1/q(qは1より大きい数)に設定される。そして、ステップS3では、制御部3m3は、増幅率が現在の増幅率gmのq倍に変更されるよう、制御すればよい。
このような処理により、増幅部3m1の出力電圧Voが飽和しない限界まで、増幅率gmを高くすることができる。増幅部3m1の出力電圧Voが飽和しないため、強い光が照射される画素2の白とびを防ぐことができる。また、増幅率gmを高くすることができるため、弱い光が照射される画素2における雑音を抑制できる。カラム処理部3mは画素2ごとに増幅率gmを制御するため、画素2ごとに最適な増幅率gmを設定できる。
ここで、増幅率の別の設定手法として、種々の増幅率を適用して出力電圧が飽和したか否かを検査し、飽和しない最大の増幅率を選択することも考えられる。しかしながら、この手法では出力電圧が1度は飽和してしまう。そうすると、画素電圧を再度読み出す必要があり、増幅処理に長い時間を要してしまう。
これに対して本実施形態では、あくまで、飽和する前に制御部3m3は増幅率gmを高くするのを止める。よって、高速に最適な増幅率gmを設定できるという、上記手法に比べて極めて優れた効果が得られる。
以下、増幅部3m1、制御部3m3およびAD変換部3m4の具体例を説明する。
図4は、増幅部3m1の内部構成の一例を示す回路図である。この増幅部3m1は増幅率gmを「0.5」、「1」および「2」のいずれかに設定可能である。増幅部3m1は、コンデンサCin,C1,C2,C3と、オペアンプOAと、スイッチSW1〜SW5とを有する。
コンデンサ(入力コンデンサ)Cinの容量は2Cである。コンデンサCinの一端には画素電圧Vpmが入力され、他端はオペアンプOAの反転入力端子に接続される。オペアンプOAの非反転入力端子にはコモン電圧Vcmが供給される。コモン電圧Vcmは、例えばオペアンプOAの電源電圧の1/2程度である。
コンデンサ(切り替え用コンデンサ)C1の容量は2Cである。コンデンサC1の一端はオペアンプOAの反転入力端子に接続され、他端はスイッチSW1,SW2の一端に接続される。スイッチSW1の他端にはコモン電圧Vcmが供給される。スイッチSW1は、制御信号S0がハイのときにオンし、ロウのときにオフする。スイッチSW2の他端はオペアンプOAの出力端子に接続される。スイッチSW2は、制御信号/S0がハイのときにオンし、ロウのときにオフする。なお本明細書において、制御信号/S0は制御信号S0の論理反転信号を意味しており、他の信号における「/」も同様である。
コンデンサ(切り替え用コンデンサ)C2の容量はCである。コンデンサC2の一端はオペアンプOAの反転入力端子に接続され、他端はスイッチSW3,SW4の一端に接続される。スイッチSW3の他端にはコモン電圧Vcmが供給される。スイッチSW3は、制御信号S1がハイのときにオンし、ロウのときにオフする。スイッチSW4の他端はオペアンプOAの出力端子に接続される。スイッチSW4は、制御信号/S1がハイのときにオンし、ロウのときにオフする。
コンデンサC3の容量はCである。コンデンサC3の一端はオペアンプOAの反転入力端子に接続され、他端はオペアンプOAの出力端子に接続される。スイッチ(第1リセットスイッチ)SW5の一端はオペアンプOAの反転入力端子に接続され、他端はオペアンプOAの出力端子に接続される。スイッチSW5は、初期化信号Sinitがハイのときにオンし、ロウのときにオフする。
ここで、制御信号S0,S1は制御部3m3により生成される。また、初期化信号Sinitは不図示の初期化回路により生成される。
図5は、図4の増幅部3m1の動作を説明する図である。図5(a)に示すように、画素2からまずリセット電圧Vrstが出力され(t=t0)、続いて、画素電圧Vpmが出力されるものとする。リセット電圧Vrstとは、例えば画素2に光が当たらない場合に出力される画素電圧である。
図5(b)は、リセット電圧Vrstをサンプルする初期フェーズ(t=t0)での増幅部3m1の動作を示している。同図に示すように、初期フェーズでは、制御信号S0,S1がロウに設定され、初期化信号Sinitがハイに設定される。これにより、スイッチSW2,SW4,SW5がオンし、スイッチSW1,SW3がオフする。
スイッチSW5により、オペアンプOAの反転入力端子と出力端子とが短絡される。よって、Vo=Vcmとなる。このとき、コンデンサC1〜C3の全端子の電位はいずれもVcmとなり、端子間の電位差は0である。よって、コンデンサC1〜C3に蓄積される電荷が0に初期化される。また、コンデンサCinには下記(3)式に示す電荷Q0が蓄積される。
Q0=2C(Vrst−Vcm) ・・・(3)
なお、初期化フェーズでは、コンデンサC1〜C3の端子間の電位差が0であればよい。よって、図5(b)とは異なり、スイッチSW1,SW3がオン、スイッチSW2,SW4がオフでもよい。
図6は、図5に引き続く増幅部3m1の動作を説明する図である。図6(b)は、画素電圧Vpmに最小の増幅率gm=「0.5」を適用して増幅する場合の増幅部3m1の動作を示している。
初期フェーズでリセット電圧Vrstをサンプルした後に、画素電圧Vpmが入力される(図6(a)の時刻t10)。そして、初期化信号Sinitはロウに設定され、スイッチSW5はオフする。一方、制御信号S0,S1はロウのままであり、図6(b)と同様にスイッチSW1,SW3がオフ、スイッチSW2,SW4がオンである。
このとき、オペアンプOAの反転入力端子における電荷は保存される。よって、下記(4)式が成立する。
Vo−Vcm=2C/(C+C+2C)*(Vrst−Vpm)
=0.5*(Vrst−Vpm) ・・・(4)
この(4)式は増幅率gmが「0.5」であることを意味する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)より大きい場合(図3のステップS2のYES)、制御部3m3は制御信号S0,S1を変更しない。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)以下である場合(図3のステップS2のNO)、増幅率gmを「1」に設定すべく、制御部3m3は、制御信号S0をハイに設定し、制御信号S1をロウに設定する。
図7は、図6に引き続く増幅部3m1の動作を説明する図である。図7(b)は、画素電圧Vpmに増幅率gm=「1」を適用して増幅する場合の増幅部3m1の動作を示している。
図7(a)の時刻t20において、制御信号S0により、スイッチSW1はオンし、スイッチSW2はオフする。他のスイッチSW3〜SW5は図6(b)と同様である。このとき、やはりオペアンプOAの反転入力端子における電荷は保存される。よって、下記(5)式が成立する。
Vo−Vcm=2C/(C+C)*(Vrst−Vpm)
=(Vrst−Vpm) ・・・(5)
この(4)式は増幅率gmが「1」であることを意味する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)より大きい場合(図3のステップS2のYES)、制御部3m3は制御信号S0,S1を変更しない。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)以下である場合(図3のステップS2のNO)、増幅率gmを「2」に設定すべく、制御部3m3は、制御信号S0,S1をハイに設定する。
図8は、図7に引き続く増幅部3m1の動作を説明する図である。図8(b)は、画素電圧Vpmに増幅率gm=「2」を適用して増幅する場合の増幅部3m1の動作を示している。
図8(a)の時刻t30において、制御信号S0,S1により、スイッチSW1,SW3はオンし、スイッチSW2,SW4はオフする。スイッチSW5はオフのままである。このとき、やはりオペアンプOAの反転入力端子における電荷は保存される。よって、下記(6)式が成立する。
Vo−Vcm=2C/C*(Vrst−Vpm)
=2(Vrst−Vpm) ・・・(6)
これは増幅率gmが「2」であることを意味する。
以上のようにして、図4に示す回路において、制御信号S0,S1に応じて増幅率gmが可変設定される。
なお、本実施形態では説明を簡略化するために増幅率gmが「0.5」、「1」および「2」の3値をとり得る例を示している。実際にはより広い範囲にわたって増幅率gmが可変設定され得るのが望ましい。例えば、増幅率gmは、「0.25」、「0.5」、「1」、「2」、「4」および「8」の6値をとり得るようにしてもよい。この場合、図4に示す回路において、適切な容量を有するコンデンサおよびスイッチを適宜追加で設ければよい。
図9は、制御部3m3の内部構成の一例を示す回路図である。この制御部3m3は図4に示す増幅部3m1用の制御信号S0,S1を生成するものである。制御部3m3は、インバータ51と、クリア付きDフリップフロップ(D−FF)52,53とを有する。
インバータ51は、図2の比較部3m2から出力される信号CMPoutを反転して、信号/CMPoutを生成する。ここで、信号CMPoutは比較結果を示す信号であり、Vo>Vrefである場合にはハイに設定され、Vo≦Vrefである場合にはロウに設定されるものとする。
D−FF52は、D端子に信号/CMPoutが入力され、クロック端子CKに信号T0が入力され、クリア端子CLにクリア信号CLRが入力される。そして、Q端子から制御信号S0を出力する。
D−FF53は、D端子に信号/CMPoutが入力され、クロック端子CKに信号T1が入力され、クリア端子CLにクリア信号CLRが入力される。そして、Q端子から制御信号S1を出力する。
図10は、制御部3m3における各信号のタイミング図である。図10(a)は、画素電圧Vpmが十分に大きいために増幅率gmが「0.5」に設定される場合のタイミング図であり、図6と対応している。図10(b)は、画素電圧Vpmが中程度であるために増幅率gmが「1」に設定される場合のタイミング図であり、図7と対応している。図10(c)は、画素電圧Vpmが十分に小さいために増幅率gmが「2」に設定される場合のタイミング図であり、図8と対応している。
なお、同図においてコンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2が比較を行い、信号CMPoutが更新されるものとする。
時刻t0において、クリア信号CLRの立ち上がりに同期して、D−FF51,52は制御信号S0、S1をともにロウに設定する。また、初期化信号Sinitがハイに設定される。これにより、図5(b)に示す初期化が行われる。
続いて、時刻t10において、初期化信号Sinitがロウに設定される。これにより、増幅部3m1は、図6(b)に示す増幅率gm=「0.5」の状態となる。以下、図10(a)、(b)、(c)の各ケースに分けて説明する。
まず、図10(a)の画素電圧Vpmが十分に大きい場合について説明する。
増幅率gm=「0.5」の状態で、時刻t11におけるコンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2は信号CMPoutを更新する。図10(a)では画素電圧Vpmが十分に大きいことを想定しており、Vo>Vrefが満たされるものとする。よって、時刻t11で信号CMPoutはハイに設定される。したがって、信号/CMPoutはロウに設定される。
その後、時刻t20で信号T0が立ち上がる。このとき、信号/CMPoutがロウであるため、D−FF51がQ端子から出力する制御信号S0はロウのままである。よって、増幅部3m1は、図6(b)に示す増幅率gm=「0.5」の状態のままである。
さらに時刻t21におけるコンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2は信号CMPoutを更新する。図10(a)では、やはりVo>Vrefが満たされるものとする。よって、時刻t21で信号CMPoutはハイに設定される。したがって、信号/CMPoutはロウに設定される。
その後、時刻t30で信号T1が立ち上がる。このとき、信号/CMPoutがロウであるためD−FF52がQ端子から出力する制御信号S1はロウのままである。よって、増幅部3m1は、図6(b)に示す増幅率gm=「0.5」の状態のままである。
このように、最終的に制御信号S0,S1がともにロウとなり、増幅部3m1の増幅率gmは「0.5」に確定する。
続いて、図10(b)の画素電圧Vpmが中程度である場合について説明する。
増幅率gm=「0.5」の状態で、時刻t11におけるコンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2は信号CMPoutを更新する。図10(b)では画素電圧Vpmが中程度であることを想定しており、増幅率gmが0.5の場合にはVo≦Vrefが満たされるものとする。よって、時刻t11で信号CMPoutはロウに設定される。したがって、信号/CMPoutはハイに設定される。
その後、時刻t20で信号T0が立ち上がる。このとき、信号/CMPoutがハイであるため、D−FF51がQ端子から出力する制御信号S0はハイに設定される。よって、増幅部3m1は、図7(b)に示す増幅率gm=「1」の状態となる。
さらに時刻t21におけるコンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2は信号CMPoutを更新する。増幅率gmが「1」の場合にはVo>Vrefが満たされるものとする。よって、時刻t21で信号CMPoutはハイに設定される。したがって、信号/CMPoutはロウに設定される。
その後、時刻t30で信号T1が立ち上がる。このとき、信号/CMPoutがロウであるためD−FF52がQ端子から出力する制御信号S1はロウのままである。よって、増幅部3m1は、図7(b)に示す増幅率gm=「1」の状態のままである。
このように、最終的に制御信号S0がハイ、制御信号S1がロウとなり、増幅部3m1の増幅率gmは「1」に確定する。
続いて、図10(c)の画素電圧Vpmが十分に小さい場合について説明する。
増幅率gm=「0.5」の状態で、時刻t11におけるコンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2は信号CMPoutを更新する。図10(c)では画素電圧Vpmが十分に小さいことを想定しており、Vo≦Vrefが満たされるものとする。よって、時刻t11で信号CMPoutはロウに設定される。したがって、信号/CMPoutはハイに設定される。
その後、時刻t20で信号T0が立ち上がる。このとき、信号/CMPoutがハイであるため、D−FF51がQ端子から出力する制御信号S0はハイに設定される。よって、増幅部3m1は、図7(b)に示す増幅率gm=「1」の状態となる。
さらに時刻t21において、コンパレータクロックCLK_Cの立ち上がりに同期して、比較部3m2は信号CMPoutを更新する。やはりVo≦Vrefが満たされるため、時刻t21で信号CMPoutはロウに設定される。したがって、信号/CMPoutはハイに設定される。
その後、時刻t30で信号T1が立ち上がる。このとき、信号/CMPoutがハイであるためD−FF52がQ端子から出力する制御信号S1がハイに設定される。よって、増幅部3m1は、図8(b)に示す増幅率gm=「2」の状態となる。
このように、最終的に制御信号S0,S1がともにハイとなり、増幅部3m1は増幅率の増幅率gmは「2」に確定する。
以上説明したように、図4に示す増幅部3m1および図9に示す制御部3m3により、画素電圧Vpmに適用される増幅率gmを適切に設定できる。なお、図4は可変容量型の増幅回路を例示しているが、可変抵抗型など種々の増幅回路を適用できる。また、図9ではハードウェアにより制御信号S0,S1が生成される例を示したが、ソフトウェア処理により制御信号S0,S1が生成されてもよい。
図11は、AD変換部3m4の内部構成の一例を示すブロック図である。図11(a)は逐次比較(Successive Approximation Resistor、SAR)型のAD変換を行うものである。同図に示すように、AD変換部3m4は、比較部61と、SAR論理回路62と、容量DA変換部63とを有する。
比較部61は、増幅部3m1からの出力電圧Voと、容量DA変換部63が出力する閾値電圧Vthとを比較する。SAR論理回路62は、比較部61による比較結果に応じた信号を容量DA変換部63に出力する。容量DA変換部63は、SAR論理回路62からの信号に基づいて、比較部61の閾値電圧Vthを生成する。比較部61が出力電圧Voと閾値電圧Vthとの比較を逐次的に繰り返すことにより、SAR論理回路62から複数ビットのデジタル値Vdmが出力される。
ここで、図11(a)のAD変換部3m4内に比較部61が設けられる。また、図2に示すように、カラム処理部3m内に比較部3m2が設けられる。比較部3m2は増幅部3m1の増幅率gmを制御するために用いられる。比較部61は増幅率gmが確定した後のAD変換に用いられる。よって、比較部3m2と比較部61とが同時に動作することはない。
そこで、比較部61を省略し、比較部3m2を用いてAD変換することもできる。その場合のAD変換部3m4’の構成例を図11(b)に示している。AD変換部3m4’はSAR論理回路62および容量DA変換部63を有し、比較部3m2を用いてAD変換を行う。なお図示していないが、比較部3m2は、増幅部3m1の増幅率gmを制御する際には基準電圧Vrefが入力され、AD変換を行う際には容量DA変換部63からの閾値電圧Vthが入力される。
このように比較部3m2を増幅率gmの制御とAD変換とに共用することで、カラム処理部3m全体の回路規模を削減できる。
なお、AD変換部3m4は、逐次比較型の他、パイプライン型、フラッシュ型、シングルスロープ型など、各種のADコンバータを適用可能である。
ところで、上述のように増幅率gが画素2ごとに設定されるため、ある画素2と、別の画素2(例えば隣のカラムに属する隣接画素2)とでは増幅率gが異なることもある。例えば、ある画素2からの画素電圧Vpに適用される増幅率gは「0.5」であるが、別の画素2からの画素電圧Vpに適用される増幅率gは「2」である、ということもある。すなわち、画素2ごとに画素電圧Vpに比例するデジタル値Vdが得られるが、その比例係数が画素2間で異なることもある。そこで、デジタル信号処理部4を設けて増幅率gに応じた調整を行って画素2間の増幅率gの違いをキャンセルし、比例係数を統一する。
図12は、デジタル信号処理部4の内部構成の一例を示す図である。デジタル信号処理部4は、パラレル−シリアル変換部41(Para−Seri)と、演算部42と、SRAM43と、補正係数算出部44とを有する。
パラレル−シリアル変換部41は、カラム処理部31〜3n内のAD変換部314〜3n4から入力されるデジタル値Vd1〜Vdnを、1つずつ順繰りに演算部42および補正係数算出部44に供給する。
演算部42は、デジタル値Vdmを増幅部3m1で適用された増幅率gmで除算した値を、デジタル値Vdoutとして出力する。より具体的には、増幅部3m1で適用された増幅率gmの逆数を補正係数kmとし、演算部42は補正係数kmをデジタル値Vdmに乗じる。なお、特に図示していないが、増幅部311〜3n1で適用された各増幅率g1〜gnも、カラム処理部31〜3nのそれぞれから演算部42に供給される。
例えば、増幅部3m1で画素電圧Vpmに適用された増幅率gmが「2」であった場合、演算部42はデジタル値Vdmに補正係数km=a/2(aは一定値)を乗じる。一方、増幅部3m’1(m’=1〜nかつm’≠m)で画素電圧Vpm’に適用された増幅率gm’が「0.5」であった場合、演算部42はデジタル値Vdm’に補正係数km’=2aを乗じる。これにより、画素2の比例係数を一定値aに統一できる。
ところで、増幅部3m1がアナログ回路である場合など、必ずしも厳密に増幅率gmを制御できるとは限らない。例えば、増幅率gmを「2」に設定しても、実際に適用される増幅率gmは「1.9」となることもあり得る。また、増幅部間で増幅率gがばらつくこともある。例えば、増幅率gを「2」倍に設定した場合、増幅部3m1で適用される増幅率gmが厳密に「2」となっても、増幅部3m’1で適用される増幅率gm’が「1.9」となることもあり得る。
よって、SRAM43および補正係数算出部44を設け、増幅部3ごとおよび設定される増幅率gごとに、補正係数kを設定するのが望ましい。
図13は、SRAM43に記憶される補正係数kの一例を示す図である。SRAM43には、カラム処理部31〜3n内の各増幅部311〜3n1に設定された増幅率g1〜gnごとの補正係数k1〜knが予め記憶されている。同図では、増幅部3m1に設定された増幅率gmが「p」である場合の補正係数をkm(xp)と表記している。例えば、増幅部311に設定された増幅率g1が「2」であるときの補正係数はk1(x2)である。演算部42は補正係数kmを読み出してデジタル値Vdmに乗じる。
各補正係数kは、画素電圧Vpの読み出し前に、前もって以下のようにして補正係数算出部44により算出される。
まずは、増幅部311〜3n1間のばらつきを補償すべく、補正係数算出部44は増幅率g1〜gnが最大の「2」に設定された場合の各補正係数k1(x2)〜kn(x2)を算出する。
図14は、設定された増幅率gが「2」である場合の補正係数kの算出法を説明する図である。同図の実線は、画素電圧Vpが所定の基準電圧Vp0であり、「2」に設定された増幅率gが適用された場合のデジタル値Vdの期待値が、Dexp(x2)であることを示している。
同図の破線で示すように、カラム処理部31内の増幅部311において、「2」に設定された増幅率g1が基準電圧Vp0に適用された場合のデジタル値Vd1が、実際にはD1(x2)であったとする。この場合、補正係数算出部44は補正係数k1(x2)をDexp(x2)/D1(x2)に設定し、SRAM43に書き込む。
また、同図の点線で示すように、カラム処理部32内の増幅部321において、「2」に設定された増幅率g2が基準電圧Vp0に適用された場合のデジタル値Vd2が、実際にはD2(x2)であったとする。この場合、補正係数算出部44は補正係数k2(x2)をDexp(x2)/D2(x2)に設定し、SRAM43に書き込む。
他の補正係数k3(x2)〜kn(x2)についても同様である。以上により、全増幅部311〜3n1について、増幅率g1〜gnが「2」に設定されたときの補正係数k1(x2)〜kn(x2)が算出される。
このように、ある期待値Dexp(x2)を基準として補正係数k1(x2)〜kn(x2)を定める。そして、演算部42が増幅部311〜31nごとに設定された補正係数kを用いる。画素電圧Vpとデジタル値Vdは比例するため、画素電圧Vpが基準電圧Vp0と異なる場合であっても、このような補正係数kを用いることで、「2」に設定された増幅率gが適用された場合の増幅部間311〜31n間のばらつきを補償できる。
続いて、補正係数算出部44は、設定された増幅率gが「2」である場合の補正係数を基準として、増幅部311〜31nのそれぞれについて、増幅率gごとの補正係数kを算出する。
図15は、増幅率gごとの補正係数kの算出法を説明する図である。同図の破線で示すように、増幅部311において、「1」に設定された増幅率g1が基準電圧Vp0に適用された場合のデジタル値Vd1が、D1(x1)であったとする。この場合、補正係数算出部44は補正係数k1(x1)を下記(7)のように設定し、SRAM43に書き込む。
k1(x1)=D1(x2)/D1(x1)*k1(x2)
(=Dexp(x2)/D1(x1)) ・・・(7)
また、同図の点線で示すように、増幅部311において、「0.5」に設定された増幅率g1が基準電圧Vp0に適用された場合のデジタル値Vd1が、D1(x0.5)であったとする。この場合、補正係数算出部44は補正係数k1(x0.5)を下記(8)のように設定し、SRAM43に書き込む。
k1(x0.5)=D1(x2)/D1(x0.5)*k1(x2)
(=Dexp(x2)/D1(x0.5)) ・・・(8)
他の増幅部321〜3n1についても、同様に補正係数kが設定される。
以上のようにして、増幅部311〜31nごとおよび設定される増幅率g1〜gnごとに補正係数kを設定することで、精度よく画素電圧Vpに比例したデジタル値Vdoutが得られる。
なお、デジタル信号処理部4において、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行ってもよい。CDS処理とは、画素2に光が当たらない場合に画素2から出力されるリセット電圧Vrstに基づいて、画素電圧Vpmを補正する処理である。
図16は、CDS処理を行うデジタル信号処理部4’の概略構成を示すブロック図である。デジタル信号処理部4’は、図12のデジタル信号処理部4の各部に加え、補正係数算出部45と、SRAM46と、CDS補正部47とを有する。
CDS処理を行うためには、予め画素2に光が当たらない場合に画素2から出力されるリセット電圧Vrstを把握しておく必要がある。そこで、カラム処理部3mによりリセット電圧Vrstをデジタル値Vdmに変換し、パラレル−シリアル変換部41を介してデジタル値Vdmを補正係数算出部45に供給する。補正係数算出部45は変換されたデジタル値Vdに基づいてCDS処理用の補正係数を算出し、SRAM46に書き込む。CDS補正部47はSRAM46から補正係数を読み出し、この補正係数を用いて画素電圧Vpmに基づくデジタル値Vdを補正する。
ここで、リセット電圧Vrstは十分に小さい。よって、カラム処理部3mの増幅部3m1の増幅率gmは最大値に設定しておけばよく、図3に示すようにして増幅率gmを制御する必要はない。
以上説明したように、第1の実施形態では、出力電圧Voが飽和しない限界まで増幅率gmを高くする。そのため、迅速に適切な増幅率を設定できる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態は、増幅部3m1が増幅率gmを乗じることで、画素電圧Vpmを増幅するものであった。これに対し、以下に説明する第2の実施形態では、積分部が画素電圧Vpを積分することで、画素電圧Vpを増幅するものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図17は、第2の実施形態に係るカラム処理部3m’の内部構成の一例を示すブロック図である。図2との相違点として、カラム処理部3m’はサンプルホールド部3m5(S/H)および積分部3m6(INTG)を有する。これらは図2の増幅部3m1に代わるものである。
サンプルホールド部3m5は画素電圧Vpmをサンプルし、一時的に保持する。そして、制御部3m3からの制御に応じて、保持している画素電圧Vpmを積分部3m6に出力する。
積分部3m6は、サンプルホールド部3m5から画素電圧Vpmが出力されると、画素電圧Vpmを積分して出力電圧Voを生成する。本実施形態では、積分部3m6が画素電圧Vpmを1または複数回積分する。すなわち、積分回数と画素電圧Vpmとの積が出力電圧Voとなる。言い換えると、本実施形態における積分回数は、第1の実施形態における増幅率と等価である。
制御部3m3は、比較部3m2による比較結果に基づき、積分部3m6の積分回数を制御する。より具体的には、さらに画素電圧Vpmを積分しても出力電圧Voが飽和しない場合には、積分部3m6がさらに積分を行うよう、制御部3m3はサンプルホールド部3m5および積分部3m6を制御する。一方、さらに画素電圧Vpmを積分すると出力電圧Voが飽和する場合、積分部3m6がさらなる積分を行わないよう、制御部3m3はサンプルホールド部3m5および積分部3m6を制御する。
図18は、制御部3m3の処理動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理により画素電圧Vpmを適切に増幅でき、第1の実施形態と同様の出力電圧Voが得られることを示す。なお、本例でも、参照電圧Vrefは最大電圧値Vomaxの1/2に設定されている。
初めに、制御部3m3は、積分器3m6が1回だけ画素電圧Vpmを積分するよう、サンプルホールド部3m5および積分部3m6を制御する。これによりVo=Vpmとなる。また、制御部3m3は積分回数を制御するためのパラメータpを0に初期化する(ステップS11)。
そして、出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)以下である場合(ステップS12のNO)、制御部3m3は、積分器3m6がさらに2回だけ画素電圧Vpmを積分するよう、サンプルホールド部3m5および積分部3m6を制御する。そして、制御部3m3はパラメータpを1だけインクリメントする(ステップS13)。
例えば、p=0(このときVo=Vpm)の場合、積分部3m6は2=1回だけ画素電圧Vpmを積分する。その結果、Vo=2Vpmとなり、出力電圧Voは積分前の2倍になる。また、p=1となる。
また、p=1(このときVo=2Vpm)の場合、積分部3m6は2=2回だけ画素電圧Vpmを積分する。その結果、Vo=4Vpmとなり、出力電圧Voは積分前の2倍になる。また、p=2となる。
さらに、p=2(このときVo=4Vpm)の場合、積分部3m6は2=4回だけ画素電圧Vpmを積分する。その結果、Vo=8Vpmとなり、出力電圧Voは積分前の2倍になる。
このように、ステップS13の積分処理を1度行う度に、出力電圧Voは積分前の2倍になる。これは、第1の実施形態において増幅率gmを2倍にすること(図3のステップS3)と等価である。
出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きくなると(ステップS12のYES)、制御部3m3はサンプルホールド部3m5および積分部3m6による積分処理を停止させる。
より一般的には、基準電圧Vrefを最大電圧値Vomaxの1/q(qは任意の正の数)に設定する。そして、ステップS13では、出力電圧Voが現在の出力電圧Voのq倍になるよう、制御部3m3の制御によって、積分部3m6は1または複数回の積分処理を行う。
以上説明したように、第2の実施形態では積分部3m6を設け、積分回数を調整することで、適切に画素電圧Vpmを増幅できる。出力電圧Voが飽和しない限界まで積分を繰り返すため、迅速に適切な積分回数(言い換えると、増幅率)を設定できる。
なお、上述した各実施形態における各部の構成は種々の変形例が考えられる。例えば、図2ではカラム処理部3m内にAD変換部3m4が設けられる例を示した。しかしながら、AD変換部はデジタル信号処理部4内に設けられてもよい。この場合、図12のパラレル−シリアル変換部41の後段にAD変換部を設ければよい。
また、図1では、1カラムにつき1つのカラム処理部が設けられる例を示した。しかしながら、複数のカラムにつき1つのカラム処理部が設けられてもよい。この場合、図2のカラム処理部3mにおいて、増幅部3m1の前段にマルチプレキサを設け、カラム処理部3mは複数の画素電圧Vpを時分割で処理すればよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、増幅部3m1の回路構成および増幅率gmの設定方法において、第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
まず、第1の実施形態の図4の増幅部3m1では、理想的な増幅回路と比較してノイズが大きくなることについて説明する。ここでは、説明の便宜上、図4の例よりもコンデンサの数を増やして増幅率gmを「4」に設定した場合について説明する。
図19(a)は、増幅率gmが「4」である理想的な増幅回路の回路図であり、図19(b)は、第1の実施形態に基づく増幅率gmが「4」である増幅部3m1の等価回路図である。図19(c)は、図19(a),(b)の回路の出力電圧Voのノイズを示す図である。
図19(a)に示す理想的な増幅回路の帰還係数βは1/5である。一方、図19(b)に示す第1の実施形態に基づく増幅部3m1の帰還係数βは1/12である。この理由は、一端にコモン電圧Vcmが供給され、他端がオペアンプOAの反転入力端子に接続された、容量7Cのコンデンサが存在するためである。この容量7Cのコンデンサは、最初に増幅率gmが「0.5」の時に帰還に用いられたコンデンサである。
このように、第1の実施形態の増幅部3m1の帰還係数βは、理想的な増幅回路の帰還係数βより小さい。従って、図19(c)に示すように、図19(b)の回路のノイズは、図19(a)の回路のノイズより大きくなる。なお、図19(c)では、ある周波数におけるノイズの値は、その周波数以下のノイズを積分した値を示している。
そこで第3の実施形態では、以下の構成を採用して増幅部のノイズを低減する。
図20は、第3の実施形態に係る増幅部3m1Aの内部構成の一例を示す回路図である。図20では、図4と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。なお、図20では、図4の例よりもコンデンサの数を増やして増幅率gmが「0.5」、「1」、「2」及び「4」の4値をとり得る一例を示している。
増幅部3m1Aは、図4の構成に加え、コンデンサ(フローティング用コンデンサ)C0と、スイッチSW01と、スイッチSW02と、スイッチ(第2リセットスイッチ)SW03と、を更に備える。また、コンデンサCinの容量は4Cである。
コンデンサC0の容量は4Cである。コンデンサC0の一端は、オペアンプOAの反転入力端子に接続され、他端はスイッチSW01,SW02の一端に接続される。スイッチSW01の他端にはコモン電圧Vcmが供給される。スイッチSW02の他端はオペアンプOAの出力端子に接続される。制御部3m3からの信号C0DENが1の時に、スイッチSW01,SW02はオフになる。信号C0DENが0の時に、スイッチSW01,SW02の何れかがオンになる。
スイッチSW03は、コンデンサC0の両端間に接続される。スイッチSW03は、初期化フェーズの時にオンになり、初期化フェーズ以外ではオフになる。
コンデンサC1,C2とコンデンサC0の容量は、互いに異なる。
第1の実施形態と異なり、制御部3m3は、最初に増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より1段階高い増幅率「1」に設定し、その後、増幅部3m1Aからの出力電圧(出力値)Voが飽和している可能性がある場合に、増幅率gmを現在の増幅率より1段階低くし、増幅率gmを現在の増幅率より1段階高くしても増幅部3m1Aからの出力値が飽和しない場合に限って、増幅率gmを現在の増幅率より1段階高くする。このような制御により、画素電圧Vpが最大に近い場合には最初の増幅率「1」の時に飽和する可能性はあるが、増幅率gmを高くする場合には、第1の実施形態と同様に出力電圧Voが飽和しない限界まで増幅率gmを高くする。そのため、迅速に適切な増幅率を設定できる。
また、最初に増幅率gmを「1」に設定することにより、後述するように、第1の実施形態よりもノイズを低減できる。
制御部3m3は、最初に増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より2段階以上高い増幅率に設定してもよい。
次に、増幅部3m1Aの動作をより詳しく説明する。
(1)初期化フェーズ
図21(a)は、初期化フェーズでの増幅部3m1Aの動作を示している。同図に示すように、制御部3m3は、初期化フェーズでは、スイッチSW03,SW1,SW3,SW5をオンさせ、スイッチSW01,SW02,SW2,SW4をオフさせる。初期化フェーズでは、画素2に光が照射されず画素2からリセット電圧Vrstが出力される。
つまり、制御部3m3は、コンデンサC0の両端を短絡して、コンデンサC1,C2の他端をコモン電圧Vcmに接続する。コンデンサC0の両端が短絡される点が第1の実施形態と異なる。
これにより、コンデンサC0〜C3に蓄積される電荷が0に初期化される。
(2)gm=「1」
図21(b)は、図21(a)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「1」である。
図21(b)に示すように、制御部3m3は、初期化フェーズの後、スイッチSW03,SW1,SW3,SW5をオフさせ、スイッチSW2,SW4をオンさせる。スイッチSW01,SW02は、オフのままである。
つまり、制御部3m3は、最初に、コンデンサC0の他端をフローティングにして、コンデンサC1,C2の他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。これにより、制御部3m3は、図7と同様に、増幅率gmを最小の増幅率より1段階高い増幅率「1」に設定する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vref(Vomax/2)より大きい場合、制御部3m3は増幅率gmを「0.5」に設定する((3)、図22(a))。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合、増幅率を「2」に設定する((5)、図23(a))。
(3)gm=「0.5」
図22(a)は、図21(b)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「0.5」である。
図22(a)に示すように、制御部3m3は、スイッチSW02をオンさせる。他のスイッチは、図21(b)と同じ状態のままである。これにより、図6と同様に、増幅率gmは「0.5」に設定される。
つまり、制御部3m3は、増幅率gmを低くする場合、コンデンサC0の他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合、制御部3m3は増幅率gmを「0.5」のまま確定する((4)、図22(b))。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合、増幅率を「1」に設定する((7)、図24(a))。
(4)gm=「0.5」に確定
図22(b)は、図22(a)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「0.5」である。従って、各スイッチの状態は、図22(a)と同じである。
(5)gm=「2」
図23(a)は、図21(b)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「2」である。
図23(a)に示すように、制御部3m3は、スイッチSW1をオンさせ、スイッチSW2をオフさせる。他のスイッチは、図21(b)と同じ状態のままである。これにより、図8と同様に、増幅率gmは「2」に設定される。
つまり、制御部3m3は、増幅率gmを高くする場合、何れかのコンデンサC1,C2、ここではコンデンサC1の他端をオペアンプOAの出力端子から切り離してコモン電圧Vcmに接続する。
このように、コンデンサC0の他端をフロ−ティングにして、増幅率gmを「2」に設定できる。これに対して、第1の実施形態では、コンデンサC0の他端もコモン電圧Vcmに接続して、増幅率「2」に設定する。従って、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、帰還係数βを大きくできるため、ノイズを低減できる。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合、制御部3m3は増幅率gmを「2」のまま確定する((6)、図23(b))。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合、増幅率を「4」に設定する((8)、図24(b))。
(6)gm=「2」に確定
図23(b)は、図23(a)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「2」である。従って、各スイッチの状態は、図23(a)と同じである。
(7)gm=「1」に確定
図24(a)は、図22(a)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「1」である。
図24(a)に示すように、制御部3m3は、スイッチSW01をオンさせ、スイッチSW02をオフさせる。他のスイッチは、図22(a)と同じ状態のままである。これにより、図21(b)と同様に、増幅率gmは「1」に設定される。ただし、図21(b)ではコンデンサC0の他端はフローティングであったが、図24(a)ではコンデンサC0の他端はコモン電圧Vcmに接続されている。その理由は、図22(a)の状態でコンデンサC0の他端がオペアンプOAの出力端子に接続されたためである。
(8)gm=「4」に確定
図24(b)は、図23(a)に引き続く増幅部3m1Aの動作を説明する図である。増幅率gmは、「4」である。
図24(b)に示すように、制御部3m3は、スイッチSW3をオンさせ、スイッチSW4をオフさせる。他のスイッチは、図23(a)と同じ状態のままである。これにより、増幅率gmは「4」に設定される。このように、コンデンサC0の他端をフロ−ティングにして、増幅率gmを「4」に設定できる。
以上の動作を、フローチャートを参照して説明する。
図25は、制御部3m3の処理動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、増幅率gmを4段階に切り替える場合のみでなく、任意の段階に切り替える場合に適用できる。
上述のように、初期設定として、制御部3m3は、信号C0DENを1に設定して増幅率gmを「1」に設定する(ステップS11、図21(b))。
増幅部3m1Aからの出力電圧Voが基準電圧Vref(=Vomax/2)以下である場合(ステップS12のYES)、現在の増幅率gmの2倍の増幅率が適用されたとしても、出力電圧Voは最大電圧Vomaxを超えない。よって、制御部3m3は増幅率gmを「2」に変更する(ステップS13、図23(a))。
次に、出力電圧Voが基準電圧Vref以下であり、且つ、現在の増幅率gmの2倍が、設定可能な最大の増幅率gm_max未満である場合(ステップS14のYES)、制御部3m3は増幅率を現在の増幅率gmの2倍に変更する(ステップS15、図24(b))。
そして、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きくなるか、又は、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上になるまで、制御部3m3はこの処理を繰り返す(ステップS14のYES,S15)。
出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS14のNO)、現在の増幅率gmの2倍の増幅率が適用されると、出力電圧Voが最大電圧Vomaxを超え、出力電圧Voが飽和する。また、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上である場合(ステップS14のNO)、これ以上増幅率gmを高くできない。よって、制御部3m3はこれ以上増幅率gmを高くすることなく、処理を終了する。これにより増幅率gmが確定する。
一方、ステップS12において、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS12のNO)、増幅率gmが「1」では出力電圧Voが飽和している可能性がある。よって、制御部3m3は、信号C0DENを0に変更して増幅率gmを一旦「0.5」に変更する(ステップS16、図22(a))。
次に、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合(ステップS17のYES)、増幅率gmが「1」であっても出力電圧Voが飽和しないため、制御部3m3は増幅率gmを再び「1」に変更して(ステップS18、図24(a))、処理を終了する。これにより増幅率gmが「1」に確定する。
出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS17のNO、図22(b))、処理を終了する。これにより増幅率gmが「0.5」に確定する。
図26は、画素電圧Vpに応じた出力電圧Voの時間変化を示す図である。図26は、最大の画素電圧Vpから最小の画素電圧Vpまでの4つの画素電圧Vpについての特性を示している。基準電圧Vrefは、最大の画素電圧Vp及び2番目に大きい画素電圧Vpより低く、最小の画素電圧Vp及び2番目に小さい画素電圧Vpより高いとする。
時刻t1までの増幅率gmは、画素電圧Vpによらず「1」である。
最大の画素電圧Vpの場合、特性101に示すように、増幅率gmが「1」では出力電圧Voが基準電圧Vrefより高いため、時刻t1を過ぎると増幅率gmが「0.5」に変更される。この結果、出力電圧Voが適切な値になる。
2番目に大きい画素電圧Vpの場合、特性102に示すように、増幅率gmが「1」では出力電圧Voが基準電圧Vrefより高いため、時刻t1を過ぎると増幅率gmが「0.5」に変更される。これにより、出力電圧Voが基準電圧Vref以下になるため、時刻t2において増幅率gmが「1」に変更される。この結果、出力電圧Voが適切な値になる。
2番目に小さい画素電圧Vpの場合、特性103に示すように、増幅率gmが「1」では出力電圧Voが基準電圧Vref以下であるため、時刻t1を過ぎると増幅率gmが「2」に変更される。これにより、出力電圧Voが基準電圧Vrefより高くなるため、増幅率gmは「2」に確定する。この結果、出力電圧Voが適切な値になる。
最小の画素電圧Vpの場合、特性104に示すように、増幅率gmが「1」では出力電圧Voが基準電圧Vref以下であるため、時刻t1を過ぎると増幅率gmが「2」に変更される。しかし、出力電圧Voが基準電圧Vref以下であるため、時刻t2を過ぎると増幅率gmが「4」に変更される。これにより、出力電圧Voが基準電圧Vrefより高くなるため、増幅率gmは「4」に確定する。この結果、出力電圧Voが適切な値になる。
図27(a)は、増幅率gmが「0.5」の場合の増幅部3m1Aの等価回路図であり、図27(b)は、この場合の出力電圧Voの時間変化を概略的に示す図である。
図27(b)に示すように、増幅率gmが確定した時刻t1後の出力電圧Voは、歪みが小さく線形な動作レンジ内にあるため、増幅率gmのエラーを小さくできる。
図28(a)は、増幅率gmが「4」の場合の増幅部3m1Aの等価回路図であり、図28(b)は、この場合の出力電圧Voのノイズを示す図である。
図19(b)では、容量7Cのコンデンサの他端はコモン電圧Vcmに接続されていたが、図28(a)では、容量3Cのコンデンサの他端はコモン電圧Vcmに接続され、容量4Cのコンデンサの他端はフローティングになっている。そのため、容量4Cのコンデンサは、帰還係数βには影響しない。よって、帰還係数βは1/8となり、図19(b)の1/12より大きくなる。
これにより、図28(b)に示すように、ノイズを図19(b)の回路のノイズより低減できる。
以上で説明したように、本実施形態によれば、最初に、コンデンサC0の他端をフローティングにして、増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より1段階高い増幅率「1」に設定している。そして、その後、増幅率gmを低くする場合、コンデンサC0の他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。増幅率gmを高くする場合、何れかの切り替え用コンデンサC1,C2の他端をオペアンプOAの出力端子から切り離してコモン電圧Vcmに接続する。これにより、増幅率gmが大きい時には、コモン電圧Vcmに接続されるコンデンサを減らせるので、帰還係数βを大きくできる。従って、増幅率gmが大きい時に、第1の実施形態よりもノイズを低減できる。
なお、第1の実施形態でも説明したように、増幅率gmは、4値以外の値をとり得るようにしてもよい。この場合、図20に示す回路において、適切な容量を有するコンデンサおよびスイッチを適宜追加で設ければよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、AD変換部3m4の回路構成において、第3の実施形態と異なる。以下、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
図29(a)は、第4の実施形態に係るAD変換部3m4Aの構成の一例を示すブロック図である。第1〜第3の実施形態では、AD変換部3m4は逐次比較型のAD変換部であったが、このAD変換部3m4Aは、シングルスロープ型のAD変換部である。
シングルスロープ型のAD変換部3m4Aは、AD変換用コンデンサCadと、比較器61Aと、デジタル値決定部64と、を有する。
AD変換用コンデンサCadの一端には、増幅部3m1Aからの出力電圧Voが供給される。
比較器61Aは、AD変換用コンデンサCadの他端が反転入力端子に接続され、ランプ電圧Vrampが非反転入力端子に供給される。
デジタル値決定部64は、ランプ電圧Vrampの立ち上がりタイミングと、比較器61Aの比較結果と、に応じてデジタル値Vdmを決定する。
図29(b)は、図29(a)の回路の出力電圧Vo及び比較器61Aの出力Vcmpoのノイズを示す図である。図29(c)は、図29(a)の回路の増幅部3m1Aを、第1の実施形態の増幅部3m1(図19(b))または理想的な増幅回路(図19(a))に変更した場合における比較器61Aの出力Vcmpoのノイズを示す図である。ここでは、増幅率gmは「4」に設定されているとする。
図29(b)に示すように、比較器61Aのローパスフィルタ効果により、出力電圧Voのノイズと比較して、比較器61Aの出力Vcmpoのノイズは低減している。
図29(c)に示すように、図29(a)の回路の増幅部3m1Aに替えて第1の実施形態の増幅部3m1(図19(b))を用いた場合のノイズと比較して、図29(a)の回路のノイズは低減している。即ち、図29(a)の回路のノイズは、図29(a)の回路の増幅部3m1Aに替えて図19(a)の理想的な増幅部を用いた場合のノイズに近づいている。
前述のように、第3の実施形態では第1の実施形態と比較してノイズを低減できるが、シングルスロープ型のAD変換部3m4Aを用いることにより、ノイズの低減量をさらに向上することができる。
このように、本実施形態によれば、シングルスロープ型のAD変換部3m4Aを備えるので、このAD変換部3m4Aの比較器61Aの出力において、高周波領域のノイズを第1の実施形態よりも低減できる。増幅部3m1Aは、第1の実施形態と比較して、帰還係数βが大きいため、帯域が広い。従って、増幅部3m1Aから出力されるノイズは、第1の実施形態と比較して、積分値はほぼ等しいが、より高周波領域にも存在している。そのため、この高周波領域のノイズを低減することにより、第1の実施形態でシングルスロープ型のAD変換部3m4Aを用いるよりも低ノイズ化できる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、画素電圧Vpmのダイナミックレンジに応じて増幅部3m1Bの最初の増幅率を切り替える点おいて、第3の実施形態と異なる。以下、第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
図30は、第5の実施形態に係るカラム処理部3mAの構成の一例を示すブロック図である。
カラム処理部3mAには、画素電圧Vpmのダイナミックレンジが1/(2^M)倍(Mは0以上の整数)であることを示す外部からのダイナミックレンジ制御信号Sdrが供給される。ダイナミックレンジ制御信号Sdrは、例えばユーザの操作により設定され、ダイナミックレンジが大きいか小さいかを表す。例えば、画素2に強い光が照射されない環境においては、画素電圧Vpmのダイナミックレンジが小さくなるため、ダイナミックレンジ小を表すようにダイナミックレンジ制御信号Sdrが設定され得る。つまり、Mは、ダイナミックレンジが小さくなる度合いを示す。M=0の場合、ダイナミックレンジ1倍であり、M=1の場合、ダイナミックレンジ1/2倍である。以下では、ダイナミックレンジ1倍と1/2倍とを切り替える一例について説明する。
図31(a)は、ダイナミックレンジに応じた画素電圧Vpmの範囲を示す図である。図示する例では、ダイナミックレンジが大きい場合(DR=1倍)と比べて、ダイナミックレンジが小さい場合(DR=1/2倍)、画素電圧Vpmの変化する範囲はほぼ半分になる。
制御部3m3Aは、ダイナミックレンジ制御信号Sdrに応じて、最初に増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より(M+1)段階高い増幅率に設定する。つまり、制御部3m3Aは、ダイナミックレンジが大きい時(DR=1倍)、最初に増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より1段階高い増幅率「1」に設定し、ダイナミックレンジが小さい時(DR=1/2倍)、最初に増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より2段階高い増幅率「2」に設定する。これにより、最初に増幅率gmを「2」に設定しても、ダイナミックレンジが1/2倍であるため、出力電圧Voが飽和する可能性を高める恐れがない。また、最初に増幅率gmを「2」に設定することにより、後述するように、第3の実施形態より優れたノイズ低減効果が得られる。
AD変換部3m4Bは、ダイナミックレンジ制御信号Sdrに応じて、入力のダイナミックレンジを切り替え可能である。具体的には、AD変換部3m4Bは、図31(b)に示すように、画素電圧Vpmのダイナミックレンジが大きい時、ランプ電圧Vrampの傾きを大きくし、これにより入力のダイナミックレンジを大きくする。また、AD変換部3m4Bは、図31(b)に示すように、画素電圧Vpmのダイナミックレンジが小さい時、ランプ電圧Vrampの傾きを小さくし、これにより入力のダイナミックレンジを小さくする。
なお、AD変換部3m4Bは、入力のダイナミックレンジを切り替え可能に構成された、第1の実施形態の逐次比較型のAD変換部であってもよい。
図32は、第5の実施形態に係る増幅部3m1Bの内部構成の一例を示す回路図である。図32に示すように、増幅部3m1Bは、第3の実施形態の増幅部3m1Aの構成に加え、スイッチ(第2リセットスイッチ)SW04を有する。スイッチSW04は、コンデンサC1の両端間に接続される。スイッチSW04は、初期化フェーズであり、ダイナミックレンジが大きい場合、オフになり、初期化フェーズであり、ダイナミックレンジが小さい場合、オンになり、初期化フェーズ以外ではオフになる。
また、制御部3m3Aからの信号C1DENが1の時に、スイッチSW1,SW2はオフになる。信号C1DENが0の時に、スイッチSW1,SW2の何れかがオンになる。
本実施形態では、コンデンサC0〜C2は切り替え用コンデンサとして機能する。
次に、増幅部3m1Bの動作をより詳しく説明する。
(A)ダイナミックレンジが大きい場合
この場合、制御部3m3Aは、常にスイッチSW04をオフさせる。従って、増幅部3m1Bは、第3の実施形態で説明したように動作する。
(B)ダイナミックレンジが小さい場合
(B1)初期化フェーズ
図33(a)は、初期化フェーズでの増幅部3m1Bの動作を示している。同図に示すように、制御部3m3Aは、初期化フェーズでは、スイッチSW03,SW04,SW3,SW5をオンさせ、スイッチSW01,SW02,SW1,SW2,SW4をオフさせる。
つまり、制御部3m3Aは、コンデンサC0,C1のそれぞれの両端を短絡して、コンデンサC2の他端をコモン電圧Vcmに接続する。
これにより、コンデンサC0〜C3に蓄積される電荷が0に初期化される。
(B2)gm=「2」
図33(b)は、図33(a)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「2」である。
図33(b)に示すように、制御部3m3Aは、初期化フェーズの後、スイッチSW03,SW04,SW3,SW5をオフさせ、スイッチSW4をオンさせる。スイッチSW01,SW02,SW1,SW2は、オフのままである。
つまり、制御部3m3は、最初に、コンデンサC0,C1の他端をフローティングにして、コンデンサC2の他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。これにより、制御部3m3は、増幅率gmを最小の増幅率より2段階高い増幅率「2」に設定する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。ダイナミックレンジ1/2倍の場合、基準電圧Vrefは、例えばVomax/4に設定される。出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合、制御部3m3Aは増幅率gmを「1」に設定する((B3)、図34(a))。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合、増幅率を「4」に設定する((B7)、図36(a))。
(B3)gm=「1」
図34(a)は、図33(b)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「1」である。
図34(a)に示すように、制御部3m3Aは、スイッチSW2をオンさせる。他のスイッチは、図33(b)と同じ状態のままである。これにより、増幅率gmは「1」に設定される。
つまり、制御部3m3Aは、増幅率gmを低くする場合、コンデンサC1の他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合、制御部3m3Aは増幅率gmを「0.5」に設定する((B4)、図34(b))。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合、増幅率を「2」に設定する((B8)、図36(b))。
(B4)gm=「0.5」
図34(b)は、図34(a)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「0.5」である。
図34(b)に示すように、制御部3m3Aは、スイッチSW02をオンさせる。他のスイッチは、図34(a)と同じ状態のままである。これにより、増幅率gmは「0.5」に設定される。
つまり、制御部3m3Aは、コンデンサC0の他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。
このときの出力電圧Voが基準電圧Vrefと比較される。出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合、制御部3m3Aは増幅率gmを「0.5」に確定する((B5)、図35(a))。一方、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合、増幅率を「1」に設定する((B6)、図35(b))。
(B5)gm=「0.5」に確定
図35(a)は、図34(b)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「0.5」である。従って、各スイッチの状態は、図34(b)と同じである。
(B6)gm=「1」に確定
図35(b)は、図34(b)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「1」である。
図35(b)に示すように、制御部3m3Aは、スイッチSW01をオンさせ、スイッチSW02をオフさせる。他のスイッチは、図34(b)と同じ状態のままである。これにより、図34(a)と同様に、増幅率gmは「1」に設定される。ただし、図34(a)ではコンデンサC0の他端はフローティングであったが、図35(b)ではコンデンサC0の他端はコモン電圧Vcmに接続されている。その理由は、図34(b)の状態でコンデンサC0の他端がオペアンプOAの出力端子に接続されたためである。
(B7)gm=「4」に確定
図36(a)は、図33(b)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「4」である。
図36(a)に示すように、制御部3m3Aは、スイッチSW3をオンさせ、スイッチSW4をオフさせる。他のスイッチは、図33(b)と同じ状態のままである。これにより、増幅率gmは「4」に設定される。
つまり、制御部3m3Aは、増幅率gmを高くする場合、コンデンサC2の他端をオペアンプOAの出力端子から切り離してコモン電圧Vcmに接続する。
(B8)gm=「2」に確定
図36(b)は、図34(a)に引き続く増幅部3m1Bの動作を説明する図である。増幅率gmは、「2」である。
図36(b)に示すように、制御部3m3Aは、スイッチSW1をオンさせ、スイッチSW2をオフさせる。他のスイッチは、図34(a)と同じ状態のままである。これにより、増幅率gmは「2」に設定される。
以上の動作を、フローチャートを参照して説明する。
図37は、制御部3m3Aの処理動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、増幅率gmを4段階に切り替える場合のみでなく、任意の段階に切り替える場合に適用できる。また、ダイナミックレンジ1倍と1/2倍のみでなく、前述した1/(2^M)倍に適用できる。
上述のように、初期設定として、制御部3m3Aは、信号C<0>DEN〜C<M>DENを1に設定して、信号C<M+1>DEN〜C<J>DENを0に設定して(JはMの最大値)、増幅率gmを「2^M」に設定する(ステップS21)。この時、変数LをMに設定する。
つまり、制御部3m3Aは、最初に、(M+1)個の切り替え用コンデンサの他端をフローティングにして、残りの切り替え用コンデンサの他端をオペアンプOAの出力端子に接続して、これにより増幅率gmを最小の増幅率より(M+1)段階高い増幅率に設定する。
増幅部3m1Bからの出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合(ステップS22のYES)、制御部3m3Aは増幅率gmを「2^(M+1)」に変更する(ステップS23)。
次に、出力電圧Voが基準電圧Vref以下であり、且つ、現在の増幅率gmの2倍が、設定可能な最大の増幅率gm_max未満である場合(ステップS24のYES)、制御部3m3Aは増幅率を現在の増幅率gmの2倍に変更する(ステップS25)。
そして、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きくなるか、又は、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上になるまで、制御部3m3Aはこの処理を繰り返す(ステップS24のYES,S25)。
つまり、制御部3m3Aは、増幅率gmを高くする場合、オペアンプOAの出力端子に接続された何れかの切り替え用コンデンサの他端をオペアンプOAの出力端子から切り離してコモン電圧Vcmに接続する。
出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合、又は、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上である場合(ステップS24のNO)、処理を終了する。これにより増幅率gmが確定する。
一方、ステップS22において、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS22のNO)、増幅率gmが「2^M」では出力電圧Voが飽和している可能性がある。よって、制御部3m3Aは、信号C<L>DENを0に変更して増幅率gmを「2^(L−1)」に変更する(ステップS26)。
つまり、制御部3m3Aは、増幅率gmを低くする場合、フローティングになっている何れかの切り替え用コンデンサの他端をオペアンプOAの出力端子に接続する。
次に、出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合(ステップS27のYES)、制御部3m3Aは増幅率を再び現在の増幅率gmの2倍に変更して(ステップS28)、処理を終了する。
一方、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS27のNO)、変数Lが0か否か判定する(ステップS29)。
変数Lが0である場合(ステップS29のNO)、処理を終了する。
変数Lが0でない場合(ステップS29のYES)、変数Lから1を減算し(ステップS30)、ステップS26に戻る。
なお、この場合、(J+1)個の第2リセットスイッチを設ける。これらの第2リセットスイッチのそれぞれは、対応する切り替え用コンデンサの両端間に接続される。
そして、初期化フェーズにおいて、制御部3m3Aは、画素2に光が照射されない時に、第1リセットスイッチ及び(M+1)個の第2リセットスイッチをオンさせ、残りの第2リセットスイッチをオフさせ、且つ、両端間が短絡した(M+1)個の切り替え用コンデンサ以外の切り替え用コンデンサの他端をコモン電圧Vcmに接続する。
制御部3m3Aは、その後、第1リセットスイッチ及び(M+1)個の第2リセットスイッチをオフさせて、前述のように増幅率gmを最小の増幅率より(M+1)段階高い増幅率に設定する。
図38(a)は、ダイナミックレンジが1/2倍であり、増幅率gmが「4」の場合の増幅部3m1Bの等価回路図である。
第3の実施形態の図28(a)では、容量3Cのコンデンサの他端はコモン電圧Vcmに接続され、容量4Cのコンデンサの他端はフローティングになっている。これに対し、図38(a)に示すように、容量Cのコンデンサの他端はコモン電圧Vcmに接続され、容量6Cのコンデンサの他端はフローティングになっている。よって、帰還係数βは1/6となり、図28(a)の1/8より大きくなる。これにより、第3の実施形態よりもノイズを低減できる。
図38(b)は、ダイナミックレンジが1/2倍であり、増幅率gmが「0.5」の場合の出力電圧Voの時間変化を概略的に示す図である。図38(b)に示すように、基準電圧VrefはVomax/4であるため、増幅率gmが確定した時刻t1a後の出力電圧Voは、ダイナミックレンジが1倍の場合よりも低い動作レンジ内にある。従って、ダイナミックレンジが1倍の場合よりも歪みが小さく線形な領域で動作するため、増幅率gmのエラーをより小さくできる。
以上で説明したように、本実施形態によれば、画素電圧Vpのダイナミックレンジが小さい時、最初に、コンデンサC0,C1の他端をフローティングにして、増幅率gmを最小の増幅率「0.5」より2段階高い増幅率「2」に設定する。即ち、最初にオペアンプOAの出力端子に接続されるコンデンサを第3の実施形態よりも減らす。これにより、ダイナミックレンジが小さく、増幅率gmが大きい時に、第3の実施形態と比較して、コモン電圧Vcmに接続されるコンデンサを減らすことができるので、更に低ノイズ化できる。
なお、第5の実施形態を第1の実施形態と組み合わせてもよい。つまり、ダイナミックレンジが1倍の場合、第1の実施形態と同様に、コンデンサC0,C1の他端をフローティングにせず、最初に増幅率gmを「0.5」に設定する。ダイナミックレンジが1/2倍の場合、コンデンサC0の他端をフローティングにして、最初に増幅率gmを「1」に設定する。つまり、制御部3m3Aは、ダイナミックレンジ制御信号Sdrに応じて、Mが1以上の場合に、最初に増幅率gmを最小の増幅率よりM段階高い増幅率に設定する。
また、第5の実施形態を、第4の実施形態と組み合わせてもよい。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、増幅部にCLS(Correlated Level Shift)技術を適用した点において、第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図39は、第6の実施形態に係る増幅部3m1Cの内部構成の一例を示す回路図である。図39に示すように増幅部3m1Cは、第1の実施形態の増幅部3m1の構成に加え、コンデンサ(レベルシフト用コンデンサ)Cclsと、スイッチ(第1レベルシフト用スイッチ)SW1Aと、スイッチ(第2レベルシフト用スイッチ)SW2Aと、スイッチ(第3レベルシフト用スイッチ)SW3Aと、を有する。
コンデンサC3は、一端はオペアンプOAの反転入力端子に接続され、他端は出力電圧Voを出力する出力ノードN1に接続される。
スイッチSW1Aは、出力ノードN1とオペアンプOAの出力端子との間に接続される。コンデンサCclsは、一端が出力ノードN1に接続される。スイッチSW2Aは、コンデンサCclsの他端とオペアンプOAの出力端子との間に接続される。スイッチSW3Aは、コンデンサCclsの他端とコモン電圧Vcmとの間に接続される。
制御部3m3は、スイッチSW1AおよびスイッチSW3Aをオンにして、スイッチSW2Aをオフにした状態において、第1の実施形態と同様に、コンデンサC1,C2の他端をオペアンプOAの出力端子またはコモン電圧Vcmに接続することにより増幅率gmを制御する。この間にコンデンサCclsに電荷が蓄積される。
制御部3m3は、増幅率gmが確定した後に、スイッチSW1AおよびスイッチSW3Aをオフにして、スイッチSW2Aをオンにする。これにより、出力電圧Voは、オペアンプOAの出力端子の電圧と、コンデンサCclsの両端間の電圧と、の和となる。つまり、オペアンプOAの出力端子の電圧は、出力電圧VoからコンデンサCclsの両端間の電圧を減算した値となる。
従って、第1の実施形態と比較して、オペアンプOAの出力端子の電圧を低くできる。これにより、オペアンプOAの出力端子の動作点の動きを小さくできるので、最終的なオペアンプOAの増幅率を高くできる。よって、増幅部3m1Cの増幅率gmのエラーを小さくすることができる。
図40は、第1の実施形態の増幅部3m1の出力電圧Voおよび第6の実施形態の増幅部3m1Cの出力電圧Voの増幅率gm依存性を示す図である。一例として、設定通りの増幅率gmの場合に、各増幅率gmにおいて出力電圧Voが目標値V1になるように画素電圧Vpが入力されているとする。
図40に示すように、第6の実施形態では、第1の実施形態と比較して、各増幅率gmにおいて出力電圧Voの目標値V1からの低下量が小さくなり、増幅率gmのエラーが小さくなっている。
このように、本実施形態によれば、増幅部3m1Cの増幅率gmのエラーを小さくすることができる。
なお、第6の実施形態を、第2から第5の実施形態の何れかと組み合わせてもよい。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、基準電圧Vrefが最大電圧値Vomaxと等しい点および増幅率gmの設定方法において、第5の実施形態と異なる。以下、第5の実施形態との相違点を中心に説明する。
制御部3m3Aは、比較部3m2の比較結果に基づき、増幅率を現在の増幅率gmより高くした後、増幅部3m1Bからの出力電圧Voが基準電圧Vref(=最大電圧値Vomax)より大きい場合に、増幅率を現在の増幅率gmより低くする。より詳しい動作を以下に説明する。
図41は、第7の実施形態に係る制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。最初のステップS21〜S23の処理は、第5の実施形態の図37と同じである。
ステップS23の次に、出力電圧Voが基準電圧Vref以下であり(ステップS24aのYES)、且つ、現在の増幅率gmの2倍が、設定可能な最大の増幅率gm_max未満である場合(ステップS24bのYES)、制御部3m3Aは増幅率を現在の増幅率gmの2倍に変更する(ステップS25)。
そして、出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きくなるか、又は、現在の増幅率gmの2倍が設定可能な最大の増幅率gm_max以上になるまで、制御部3m3Aはこの処理を繰り返す(ステップS24a,S24bのYES,S25)。
出力電圧Voが基準電圧Vrefより大きい場合(ステップS24aのNO)、制御部3m3Aは増幅率を現在の増幅率gmの1/2倍に変更し(ステップS24c)、処理を終了する。これにより増幅率gmが確定する。
また、現在の増幅率gmの2倍が、設定可能な最大の増幅率gm_max以上である場合(ステップS24bのNO)、処理を終了する。これにより増幅率gmが確定する。
ステップS26,S27,S29,S30の処理は、第5の実施形態の図37と同じである。ただし、ステップS27において出力電圧Voが基準電圧Vref以下である場合(ステップS27のYES)、処理を終了する。
図42は、出力電圧Voと画素電圧Vpとの関係を示す図である。図42は、オペアンプOA及び比較部3m2がオフセットVoffsetを有する場合の第7の実施形態の特性421と、オフセットVoffsetを有する場合の第5の実施形態の特性422と、オフセットVoffsetを有さない理想的な場合の第5の実施形態の特性423と、を示す。また、図42は、増幅率gmが「2」と「4」の場合を示す。
オフセットVoffsetを有さない理想的な場合(特性423)には、出力電圧Voの最大値は最大電圧値Vomaxになる。一方、第5の実施形態では、オフセットVoffsetを有する場合(特性422)、出力電圧Voの最大値は、最大電圧値VomaxよりオフセットVoffsetの2倍だけ高くなる。従って、出力電圧Voは、オフセットVoffsetの影響で飽和してしまう。図示は省略するが、オフセットの極性が逆である場合には、出力電圧Voの最大値は、最大電圧値VomaxよりオフセットVoffsetの2倍だけ低くなる。
これに対して、本実施形態では、オフセットVoffsetを有する場合(特性421)、出力電圧Voの最大値は、最大電圧値VomaxよりオフセットVoffsetだけ高くなる。従って、第5の実施形態よりも出力電圧Voの飽和の度合いを低減できる。また、オフセットの極性が逆である場合には、出力電圧Voの最大値は、最大電圧値VomaxよりオフセットVoffsetだけ低くなる。
このように、本実施形態によれば、第5の実施形態よりも各素子のばらつきによる影響を受け難くできる。
なお、第7の実施形態を、第1から第4、第6の実施形態の何れかと組み合わせてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 画素アレイ
2 画素
31〜3n カラム処理部
4 デジタル信号処理部
3m1 増幅部
3m2 比較部
3m3 制御部
3m4 AD変換部
41 パラレル−シリアル変換部
42 演算部
43,46 SRAM
44,45 補正係数算出部
47 CDS補正部

Claims (16)

  1. 画素に照射される光の強度に応じた画素値を、可変設定され得る増幅率で増幅する増幅部と、
    前記増幅部からの出力値と、基準値と、を比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づき、前記増幅率を現在の増幅率より高くしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率より高くする制御部と、を備え、
    前記制御部による制御に応じて、前記増幅率は予め定めた複数段階の増幅率のうちの1つに設定され、
    前記制御部は、
    最初に前記増幅率を最小の増幅率より1段階以上高い増幅率に設定し、
    その後、前記増幅部からの出力値が飽和している可能性がある場合に、前記増幅率を現在の増幅率より1段階低くし、前記増幅率を現在の増幅率より1段階高くしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率より1段階高くする半導体集積回路。
  2. 前記基準値は、前記増幅部が出力可能な最大値の1/q(qは1より大きい数)であり、
    前記制御部は、前記増幅率を現在の増幅率のq倍にしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率のq倍にする、請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記増幅率が確定した後に、前記増幅部からの出力値をデジタル値に変換するAD変換部と、
    前記AD変換部からのデジタル値を、前記確定した増幅率に応じた係数で除算した値を出力する演算部と、を備える、請求項1または請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 前記制御部による制御に応じて、前記増幅率は予め定めた複数段階の増幅率のうちの1つに設定され、
    当該半導体集積回路は、前記複数段階の増幅率のうちの第1の増幅率に設定され、かつ、前記画素値が第1の値である場合に、前記AD変換部から実際に出力される第1のデジタル値と、前記第1のデジタル値の期待値と、の比に基づいて、前記第1の増幅率に応じた係数を算出し、さらに、前記複数段階の増幅率のうちの第2の増幅率に設定され、かつ、前記画素値が前記第1の値である場合に、前記AD変換部から実際に出力される第2のデジタル値と、前記第1のデジタル値と、の比に基づいて、前記第2の増幅率に応じた係数を算出する補正係数算出部を備え、
    前記演算部は、前記デジタル値を、前記確定した増幅率に応じた係数であって、前記補正係数算出部により算出された係数で除算した値を出力する、請求項3に記載の半導体集積回路。
  5. 前記AD変換部は、前記比較部を用いて、前記増幅部からの出力値を前記デジタル値に変換する、請求項3または4に記載の半導体集積回路。
  6. 前記画素に光が照射されず、かつ、前記増幅率がその最大値である場合に前記AD変換部からのデジタル値に基づいて、前記デジタル値を補正する補正部を備える、請求項3乃至5のいずれかに記載の半導体集積回路。
  7. 前記増幅部は、
    コモン電圧が供給される非反転入力端子と、前記出力値を出力する出力端子と、を有するオペアンプと、
    一端に前記画素値が入力され、他端は前記オペアンプの反転入力端子に接続される入力コンデンサと、
    一端が前記オペアンプの前記反転入力端子に接続されたフローティング用コンデンサと、
    それぞれ、一端が前記オペアンプの前記反転入力端子に接続された複数の切り替え用コンデンサと、
    一端は前記オペアンプの前記反転入力端子に接続され、他端は前記オペアンプの前記出力端子に接続されるコンデンサと、を有し、
    前記制御部は、
    最初に、前記フローティング用コンデンサの他端をフローティングにして、前記複数の切り替え用コンデンサの他端を前記オペアンプの出力端子に接続して、これにより前記増幅率を最小の増幅率より1段階高い増幅率に設定し、
    その後、前記増幅率を低くする場合、前記フローティング用コンデンサの他端を前記オペアンプの出力端子に接続し、前記増幅率を高くする場合、何れかの前記切り替え用コンデンサの他端を前記オペアンプの前記出力端子から切り離して前記コモン電圧に接続する、請求項1に記載の半導体集積回路。
  8. 前記増幅部は、
    前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された第1リセットスイッチと、
    前記フローティング用コンデンサの両端間に接続された第2リセットスイッチと、を有し、
    前記制御部は、
    前記画素に光が照射されない時に、前記第1リセットスイッチ及び前記第2リセットスイッチをオンさせると共に前記切り替え用コンデンサの他端を前記コモン電圧に接続し、
    その後、前記第1リセットスイッチ及び前記第2リセットスイッチをオフさせて、前記増幅率を最小の増幅率より1段階高い増幅率に設定する、請求項7に記載の半導体集積回路。
  9. 前記増幅率が確定した後に、前記増幅部からの出力値をデジタル値に変換するシングルスロープ型のAD変換部を備え、
    前記AD変換部は、
    前記増幅部からの前記出力値が一端に供給されるAD変換用コンデンサと、
    前記AD変換用コンデンサの他端が反転入力端子に接続され、ランプ電圧が非反転入力端子に供給される比較器と、
    前記ランプ電圧の立ち上がりタイミングと、前記比較器の比較結果と、に応じて前記デジタル値を決定するデジタル値決定部と、
    を有する請求項7または請求項8に記載の半導体集積回路。
  10. 画素に照射される光の強度に応じた画素値を、可変設定され得る増幅率で増幅する増幅部と、
    前記増幅部からの出力値と、基準値と、を比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づき、前記増幅率を現在の増幅率より高くしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率より高くする制御部と、を備え、
    前記制御部による制御に応じて、前記増幅率は予め定めた複数段階の増幅率のうちの1つに設定され、
    前記制御部は、
    前記画素値のダイナミックレンジが1/(2^M)倍(Mは0以上の整数)であることを示す外部からのダイナミックレンジ制御信号に応じて、最初に前記増幅率を最小の増幅率より(M+1)段階高い増幅率に設定し、
    その後、前記増幅部からの出力値が飽和している可能性がある場合に、前記増幅率を現在の増幅率より1段階低くし、前記増幅率を現在の増幅率より1段階高くしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率より1段階高くする半導体集積回路。
  11. 前記ダイナミックレンジ制御信号に応じて、入力のダイナミックレンジを切り替え可能であるAD変換部をさらに備える、請求項10に記載の半導体集積回路。
  12. 前記増幅部は、
    コモン電圧が供給される非反転入力端子と、前記出力値を出力する出力端子と、を有するオペアンプと、
    一端に前記画素値が入力され、他端は前記オペアンプの反転入力端子に接続される入力コンデンサと、
    それぞれ、一端が前記オペアンプの前記反転入力端子に接続された複数の切り替え用コンデンサと、
    一端は前記オペアンプの前記反転入力端子に接続され、他端は前記オペアンプの前記出力端子に接続されるコンデンサと、を有し、
    前記制御部は、
    最初に、(M+1)個の前記切り替え用コンデンサの他端をフローティングにして、残りの前記切り替え用コンデンサの他端を前記オペアンプの出力端子に接続して、これにより前記増幅率を最小の増幅率より(M+1)段階高い増幅率に設定し、
    その後、前記増幅率を低くする場合、フローティングになっている何れかの前記切り替え用コンデンサの他端を前記オペアンプの出力端子に接続し、前記増幅率を高くする場合、前記オペアンプの前記出力端子に接続された何れかの前記切り替え用コンデンサの他端を前記オペアンプの前記出力端子から切り離して前記コモン電圧に接続する、請求項10または請求項11に記載の半導体集積回路。
  13. 前記増幅部は、
    前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された第1リセットスイッチと、
    それぞれが、対応する前記切り替え用コンデンサの両端間に接続された(J+1)個(JはMの最大値)の第2リセットスイッチと、を有し、
    前記制御部は、
    前記画素に光が照射されない時に、前記第1リセットスイッチ及び(M+1)個の前記第2リセットスイッチをオンさせ、残りの前記第2リセットスイッチをオフさせ、且つ、両端間が短絡した(M+1)個の前記切り替え用コンデンサ以外の前記切り替え用コンデンサの他端を前記コモン電圧に接続し、
    その後、前記第1リセットスイッチ及び(M+1)個の前記第2リセットスイッチをオフさせて、前記増幅率を最小の増幅率より(M+1)段階高い増幅率に設定する、請求項12に記載の半導体集積回路。
  14. 画素に照射される光の強度に応じた画素値を、可変設定され得る増幅率で増幅する増幅部と、
    前記増幅部からの出力値と、基準値と、を比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づき、前記増幅率を現在の増幅率より高くしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率より高くする制御部と、を備え、
    前記制御部による制御に応じて、前記増幅率は予め定めた複数段階の増幅率のうちの1つに設定され、
    前記制御部は、前記増幅率を現在の増幅率より1段階高くしても前記増幅部からの出力値が飽和しない場合に限って、前記増幅率を現在の増幅率より1段階高くし、
    前記増幅部は、
    コモン電圧が供給される非反転入力端子を有するオペアンプと、
    一端に前記画素値が入力され、他端は前記オペアンプの反転入力端子に接続される入力コンデンサと、
    それぞれ、一端が前記オペアンプの前記反転入力端子に接続された複数の切り替え用コンデンサと、
    一端は前記オペアンプの前記反転入力端子に接続され、他端は前記出力値を出力する出力ノードに接続されるコンデンサと、
    前記出力ノードと前記オペアンプの出力端子との間に接続された第1レベルシフト用スイッチと、
    一端が前記出力ノードに接続されたレベルシフト用コンデンサと、
    前記レベルシフト用コンデンサの他端と前記オペアンプの前記出力端子との間に接続された第2レベルシフト用スイッチと、
    前記レベルシフト用コンデンサの他端と前記コモン電圧との間に接続された第3レベルシフト用スイッチと、を有し、
    前記制御部は、
    前記第1レベルシフト用スイッチおよび前記第3レベルシフト用スイッチをオンにして、前記第2レベルシフト用スイッチをオフにした状態において、前記切り替え用コンデンサの他端を前記オペアンプの前記出力端子または前記コモン電圧に接続することにより前記増幅率を制御し、
    前記増幅率が確定した後に、前記第1レベルシフト用スイッチおよび前記第3レベルシフト用スイッチをオフにして、前記第2レベルシフト用スイッチをオンにする半導体集積回路。
  15. 画素に照射される光の強度に応じた画素値を、可変設定され得る増幅率で増幅する増幅部と、
    前記増幅部からの出力値と、前記増幅部が出力可能な最大値である基準値と、を比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づき、前記増幅率を現在の増幅率より高くした後、前記増幅部からの出力値が前記基準値より大きい場合に、前記増幅率を現在の増幅率より低くする制御部と、を備える半導体集積回路。
  16. 複数の画素から構成される画素アレイと、
    前記画素に照射される光の強度に応じた画素値を処理する請求項1乃至15のいずれかに記載の半導体集積回路と、を備える、イメージセンサ。
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