JP6344313B2 - 塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置 - Google Patents

塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6344313B2
JP6344313B2 JP2015113324A JP2015113324A JP6344313B2 JP 6344313 B2 JP6344313 B2 JP 6344313B2 JP 2015113324 A JP2015113324 A JP 2015113324A JP 2015113324 A JP2015113324 A JP 2015113324A JP 6344313 B2 JP6344313 B2 JP 6344313B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
height
coating
coating film
edge
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015113324A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016224005A (ja
Inventor
宗 高井
宗 高井
利斉 鈴木
利斉 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2015113324A priority Critical patent/JP6344313B2/ja
Publication of JP2016224005A publication Critical patent/JP2016224005A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6344313B2 publication Critical patent/JP6344313B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

本発明は、塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置に関する。
金属箔等の帯状基材に塗膜が塗布された塗工部材について、塗布された塗膜の幅を測定する技術がある。塗膜幅の測定方法として、例えば、レーザ変位計等のセンサにより、塗工部材の幅方向にかかる塗膜の両エッジの位置を検出し、検出された両エッジの幅方向距離を塗膜の幅方向寸法として算出する技術が開発されている。例えば、搬送される塗工部材について、まず、レーザ変位計等により、塗工部材の幅方向について異なる複数の位置で塗工部材の厚さ方向変位(高さ)を測定し、塗工部材の各幅方向位置に対応する塗工部材の高さのプロファイル(相関図、相関曲線)を取得する。そして、高さの値が、予め設定した閾値と一致する幅方向位置を、それぞれ、塗膜のエッジの幅方向位置として検出する。そして、検出された2つのエッジ間の距離を、塗膜の幅方向寸法として算出する。
一方、搬送される帯状基材の表面が平坦でないことがあり、例えば帯状基材の浮き上がり又はバタつきが発生することがある。また、レーザ変位計等を用いて帯状基材の高さを検出する際に、帯状基材の搬送等に起因する振動又はハレーション等によりノイズが発生することがある。このような場合、レーザ変位計等によって測定された塗工部材の高さは、実際の塗工部材の高さと異なってしまうおそれがある。これにより、帯状基材の高さを、実際の高さよりも高く誤検知してしまった場合に、その誤検知した高さの値が上記閾値と一致すると、その位置を塗膜のエッジと誤検知するおそれがある。上記の問題を解決する技術として、特許文献1には、プロファイルにおける帯状基材の浮き上がり又はノイズ成分をキャンセルすることで、塗膜のエッジの幅方向位置を、誤検知することなく正確に検知することができる塗膜幅測定方法が開示されている。
特開2013−142612号公報
ところで、塗工部材においては、帯状基材だけでなく、塗膜においても、塗工部材の高さを誤検知する要因が発生するおそれがある。例えば、塗膜には、何らかの影響により、本来の塗膜の高さよりも凹んだ窪みが塗膜に発生することがあり、これによって、塗膜の高さを誤検知するおそれがある。そして、その窪みが上記閾値よりも深く形成されると、その窪みの位置を、塗膜のエッジの位置と誤検出するおそれがある。これによって、塗膜幅を正確に測定することができないおそれがあった。
本発明の目的は、帯状基材に塗膜が積層されて形成された塗工部材において、帯状基材及び塗膜の両方に塗工部材の高さを誤検知し得る要因が発生した場合であっても、塗膜幅を精度よく測定することが可能な塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置を提供することにある。
本発明にかかる塗膜幅測定方法は、帯状基材に塗膜が積層されて形成された塗工部材について、前記塗工部材の幅方向における前記塗膜の両側のエッジの位置をそれぞれ検出し、前記検出された両側のエッジの幅方向の距離を前記塗膜の幅として測定する塗膜幅測定方法であって、前記塗工部材の幅方向の複数の位置についてそれぞれ測定された、測定基準面を基準とした前記塗工部材の高さを示す測定データを用いて、前記塗工部材の幅方向の位置に対する前記塗工部材の高さを示す第1のプロファイルを取得する工程と、前記第1のプロファイルを用いて、測定対象の前記塗膜が塗布された基材の高さに対応する基材高さを取得する工程と、前記第1のプロファイルを用いて、前記測定対象の前記塗膜の高さに対応する塗工高さを取得する工程と、前記基材高さ及び前記塗工高さに基づいて、前記塗工高さよりも低く、前記基材に対応する位置において前記塗膜のエッジとして誤検出され得る想定ノイズの高さよりも高い第1の閾値を設定し、前記第1の閾値よりも低く、前記基材高さよりも高く、前記塗膜の幅として測定すべき塗膜の高さに相当する第2の閾値を設定する工程と、前記第1のプロファイルにおいて、前記塗工部材の幅方向の外側から内側に向かって、前記第1の閾値を上回る高さとなる第1の点を探索する工程と、前記第1のプロファイルにおいて、前記第1の点から前記塗工部材の幅方向の外側に向かって、前記第2の閾値を下回る高さとなる第2の点を探索して、前記第2の点を前記測定対象の前記塗膜のエッジと判断する第1のエッジ判断工程と、前記測定対象の前記塗膜の両側について前記判断されたエッジの幅方向の距離を、前記測定対象の前記塗膜の幅として算出する工程とを有する。
また、本発明にかかる塗膜幅測定装置は、帯状基材に塗膜が積層されて形成された塗工部材について、前記塗工部材の幅方向における前記塗膜の両側のエッジの位置をそれぞれ検出し、前記検出された両側のエッジの幅方向の距離を前記塗膜の幅として測定する塗膜幅測定装置であって、測定基準面を基準とした前記塗工部材の高さを前記塗工部材の幅方向の複数の位置についてそれぞれ測定する少なくとも1つのセンサと、前記塗膜の幅を測定するための処理を行う演算装置とを有し、前記演算装置は、前記センサから測定結果を示す測定データを取得し、前記測定データを用いて、前記塗工部材の幅方向の位置に対する前記塗工部材の高さを示す第1のプロファイルを取得するデータ取得部と、前記第1のプロファイルを用いて、測定対象の前記塗膜が塗布された基材の高さに対応する基材高さと、前記測定対象の前記塗膜の高さに対応する塗工高さとを取得する高さ取得部と、前記基材高さ及び前記塗工高さに基づいて、前記塗工高さよりも低く、前記基材に対応する位置において前記塗膜のエッジとして誤検出され得る想定ノイズの高さよりも高い第1の閾値を設定し、前記第1の閾値よりも低く、前記基材高さよりも高く、前記塗膜の幅として測定すべき塗膜の高さに相当する第2の閾値を設定する閾値設定部と、前記第1のプロファイルにおいて、前記塗工部材の幅方向の外側から内側に向かって、前記第1の閾値を上回る高さとなる第1の点を探索し、前記第1のプロファイルにおいて、前記第1の点から前記塗工部材の幅方向の外側に向かって、前記第2の閾値を下回る高さとなる第2の点を探索して、前記第2の点を前記測定対象の前記塗膜のエッジと判断するエッジ判断部と、前記測定対象の前記塗膜の両側について前記判断されたエッジの幅方向の距離を、前記測定対象の前記塗膜の幅として算出する塗膜幅算出部とを有する。
塗工部材の高さを誤検知し得る要因が発生すると、塗工部材において塗膜が塗布された基材の高さが本来の高さよりも上昇し、塗膜の高さが本来の高さよりも下降するように、塗工部材の高さを誤検知することが起こり得る。本発明は、上記のように構成されていることによって、基材の上昇部分(想定ノイズ)又は塗膜の下降部分に対応する位置を、塗膜のエッジの位置と誤検出することを抑制することが可能である。したがって、本発明は、帯状基材及び塗膜の両方に塗工部材の高さを誤検知し得る要因が発生した場合であっても、塗膜幅を精度よく測定することが可能となる。
また、好ましくは、前記塗膜幅測定方法は、搬送される前記塗工部材の搬送方向における複数の測定位置について、前記塗工部材の搬送に伴って連続して前記塗膜の幅を測定し、前記判断された前記塗膜のエッジの前記塗工部材の幅方向の位置に基づいて、前記搬送方向における、前記エッジが判断された測定位置の次の測定位置について、前記基材高さ及び前記塗工高さを算出するための前記塗工部材の幅方向の第1の範囲及び第2の範囲をそれぞれ設定する工程をさらに有し、前記第1の範囲において前記基材高さを取得し、前記第2の範囲において前記塗工高さを取得する。
本発明は、上記のように構成されていることによって、基材高さを取得するための第1の範囲と、塗工高さを取得するための第2の範囲とを、より適切に設定することができる。これにより、第1の閾値及び第2の閾値をより適切に設定することが可能となる。したがって、本発明は、塗膜のエッジをより精度よく検出することが可能となる。
また、好ましくは、前記塗工部材は、前記帯状基材に少なくとも第1の塗膜及び第2の塗膜が積層されて形成されており、前記第1のプロファイルにおいて、前記塗工部材の高さを前記塗工部材の幅方向について微分して、前記塗工部材の幅方向の位置に対応する前記塗工部材の高さの微分値を示す第2のプロファイルを取得する工程と、前記第2のプロファイルにおいて、前記塗工部材の幅方向に予め定められた第1の間隙を隔てて分割された第1の領域及び第2の領域それぞれにおける前記微分値の最大値を取得する工程と、前記第1の領域における前記微分値の最大値と前記第2の領域における前記微分値の最大値との和が最大となるときの、前記第1の領域における前記微分値の最大値をとる前記塗工部材の幅方向の位置を前記第1の塗膜のエッジの位置と判断し、前記第2の領域における前記微分値の最大値をとる前記塗工部材の幅方向の位置を前記第2の塗膜のエッジの位置と判断する第2のエッジ判断工程とを有し、前記塗工部材の搬送方向における複数の測定位置のうちの1回目の測定位置については、前記第2のエッジ判断工程によって前記塗膜のエッジを判断し、前記塗工部材の搬送方向における複数の測定位置のうちのN回目(Nは2以上の整数)の測定位置については、N−1回目の測定位置において判断されたエッジの前記塗工部材の幅方向の位置に基づいて前記第1の範囲及び前記第2の範囲を設定し、前記設定された第1の範囲において前記基材高さを取得し、前記設定された第2の範囲において前記塗工高さを取得して、前記第1のエッジ判断工程によって前記塗膜のエッジを判断する。
本発明は、上記のように構成されていることによって、塗工部材の搬送方向における1回目の測定位置については、基材高さ及び塗工高さを取得することなく塗膜のエッジを検出可能な第2のエッジ判断工程によって、精度よくエッジを検出することができる。また、塗工部材の搬送方向におけるN回目(Nは2以上の整数)の測定位置については、N−1回目の測定位置において判断されたエッジの塗工部材の幅方向の位置に基づいて第1の範囲及び第2の範囲を設定して、第1のエッジ判断工程によって塗膜のエッジを連続して検出する。これによって、塗工部材の搬送方向における複数の測定位置それぞれにおいて、さらに精度よく塗膜のエッジを検出することが可能となる。
また、好ましくは、前記測定プロファイルから、高さ方向の分布を取得する工程をさらに有し、前記高さ方向の分布に基づいて、前記基材高さ及び前記塗工高さを取得する。
本発明は、上記のように構成されていることによって、第1の範囲及び第2の範囲を設定することなく、基材高さ及び塗工高さを取得することが可能である。したがって、塗膜のエッジの位置を、より精度よく検出することが可能となる。
本発明によれば、帯状基材に塗膜が積層されて形成された塗工部材において、帯状基材及び塗膜の両方に塗工部材の高さを誤検知し得る要因が発生した場合であっても、塗膜幅を精度よく測定することが可能な塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置を提供できる。
実施の形態1にかかる塗膜幅測定装置の外観図である。 実施の形態1にかかる塗膜幅測定装置の断面図及び平面図である。 実施の形態1にかかる塗膜幅測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかるエッジ検出部の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1にかかるエッジ検出方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる左側の測定プロファイルの詳細を例示する図である。 図6に示した測定プロファイルの部分拡大図である。 実施の形態1にかかる基材高さの算出方法を説明するための図である。 実施の形態1にかかる塗工高さの算出方法を説明するための図である。 実施の形態1にかかる上限閾値及び下限閾値の設定方法について説明するための図である。 実施の形態1にかかる塗膜のエッジを判断する方法について説明するための図である。 実施の形態1にかかる塗膜幅を算出する方法を説明するための図である。 実施の形態1にかかる塗工部材の搬送方向の各測定位置について塗膜幅を測定することを説明するための図である。 比較例にかかる塗膜幅測定方法を示すフローチャートである。 比較例にかかる塗膜幅測定方法を説明するための図である。 比較例にかかる問題点を説明するための図である。 実施の形態2にかかるエッジ検出部の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態2にかかるエッジ検出方法を示すフローチャートである。 実施の形態2にかかる基材高さ算出範囲及び塗工高さ算出範囲を設定する方法を説明するための図である。 実施の形態3にかかるエッジ検出部の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態3にかかる基材高さ及び塗工高さを決定する方法を示すフローチャートである。 実施の形態3にかかる基材高さ及び塗工高さを決定する方法を説明するための図である。 実施の形態4にかかるエッジ検出部の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態4にかかるエッジ検出方法を示すフローチャートである。 実施の形態4にかかるエッジ検出処理を説明するための図である。 実施の形態4にかかるエッジ検出処理を説明するための図である。 実施の形態4にかかるエッジ検出処理を説明するための図である。 実施の形態4にかかるエッジ検出処理を説明するための図である。 実施の形態5にかかるエッジ検出部の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態5にかかるエッジ検出方法を示すフローチャートである。 変形例にかかる塗工部材を例示する図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
図1は、実施の形態1にかかる塗膜幅測定装置1の外観図である。また、図2は、実施の形態1にかかる塗膜幅測定装置1の断面図及び平面図である。図2において、(a)は塗膜幅測定装置1の断面図を示し、(b)は塗膜幅測定装置1の平面図を示す。また、図2において、(c)は測定プロファイル(第1のプロファイル)を例示する。測定プロファイルについては後述する。塗膜幅測定装置1は、センサ10、ローラ30及び演算装置100を有する。ローラ30は、矢印B方向に回転することによって、塗工部材50を矢印A方向に搬送する。
塗工部材50は、搬送方向(矢印A方向)に長く形成された帯状基材52に塗膜が積層されて形成されている。本実施の形態1においては、塗工部材50は、帯状基材52の一方の面(おもて面)に塗膜54(塗膜A)が塗布され、帯状基材52の他方の面(ローラ30に対向する面;裏面)に塗膜56(塗膜B)が塗布されて形成されている。ここで、塗工部材50は、ローラ30によって搬送されるときに、搬送方向に加えられた張力によって、ローラ30に密着している。これによって、図2に示すように、帯状基材52の幅方向(矢印W方向)の両端近傍及び塗膜56が、ローラ30に接触した状態となる。そして、帯状基材52の裏面に塗膜56が塗布された箇所(図2の矢印W1で示した範囲)については、ローラ30の面に対して高さ方向(図2の矢印H方向)に盛り上がった状態となる。なお、塗工部材50の搬送方向(矢印A方向)は、塗工部材50の幅方向(矢印W方向)と略直交する。
なお、帯状基材52は、例えば、金属箔であってもよい。また、塗膜54及び塗膜56は、例えば、電池の電極材料(活物質粉末など)と結着剤とを有する塗膜(電極合材層)であってもよい。また、塗工部材50は、例えば、帯状基材52である金属箔の表面に、塗膜54及び塗膜56である電極合材層が塗工された、電池用電極であってもよい。
センサ10は、例えばレーザ変位計であって、塗工部材50の高さ(厚さ)を測定する。具体的には、センサ10は、ローラ30の例えば上側に設けられている。センサ10は、センサ10と対向するローラ30の面を測定基準面30aとして、ローラ30によって搬送される塗工部材50の高さ方向の変位を、塗工部材50の幅方向(矢印W方向)の異なる複数の位置それぞれについて測定する。これにより、センサ10は、塗工部材50の幅方向の異なる複数の位置それぞれについて、測定基準面30aを基準とした塗工部材50の高さを測定する。そして、センサ10は、測定結果を示す測定データ(塗工部材50の幅方向位置X[mm]に対する高さY[μm]の値)を、演算装置100に出力する。
ここで、センサ10は、塗工部材50の幅方向に並んで設けられた2つのセンサ10L,10Rで構成されている。センサ10Lは塗工部材50の幅方向の左側に設けられ、センサ10Rは塗工部材50の幅方向の右側に設けられている。センサ10Lは、塗工部材50の左側の測定幅WLにおける塗工部材50の高さを測定する。センサ10Rは、塗工部材50の右側の測定幅WRにおける塗工部材50の高さを測定する。つまり、センサ10は、塗工部材50の中央近傍の高さについては測定する必要はない。
演算装置100は、例えばコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置、及びRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の記憶装置等を有する。演算装置100は、センサ10から測定データを取得して、塗膜54(塗膜A)及び塗膜56(塗膜B)の幅(塗膜幅)を測定するための処理を行う。また、演算装置100は、データ取得部102と、エッジ検出部110と、塗膜幅算出部104とを有する。これらの演算装置100の構成要素は、記憶装置に格納されたプログラムを処理装置が実行することで実現され得る(他の実施の形態も同様)。一方、演算装置100の各構成要素は、上述したようなソフトウェアとしてではなく、何らかの回路構成等によりハードウェアとして実現されてもよい。なお、演算装置100の各構成要素の動作については、図3に示したフローチャートと共に説明する。
図3は、実施の形態1にかかる塗膜幅測定方法を示すフローチャートである。図3に示したフローチャートの各工程は、演算装置100によって行われる。まず、演算装置100のデータ取得部102は、センサ10から測定データを取得する(S10)。次に、データ取得部102は、取得した測定データを用いて、図2の(c)に例示した測定プロファイル80を取得する(S12)。ここで、測定プロファイルとは、塗工部材50の幅方向位置Xに対する高さYを示す曲線(相関曲線、相関図)である。具体的には、データ取得部102は、センサ10Lから取得した測定データを用いて、塗工部材50の幅方向の左側における測定プロファイル80Lを作成する。また、データ取得部102は、センサ10Rから取得した測定データを用いて、塗工部材50の幅方向の右側における測定プロファイル80Rを作成する。
演算装置100のエッジ検出部110は、測定プロファイル80Lを用いて、塗膜54(塗膜A)の左側のエッジELaを検出する(S20)。S20の具体的な処理については後述する。また、S20の処理と同様にして、エッジ検出部110は、測定プロファイル80Rを用いて、塗膜54(塗膜A)の右側のエッジERaを検出する(S30)。S30の処理については、S20の処理において左右を逆にしたものと実質的に同様であるので、説明を省略する。以降の説明についても、塗膜の左側のエッジの検出処理について説明し、塗膜の右側のエッジの検出処理についての具体的な説明を省略する。
演算装置100の塗膜幅算出部104は、検出された塗膜Aの左側のエッジELa及び右側のエッジERa(両側のエッジ)から、塗膜Aの塗膜幅WC(WCa)を算出する(S40)。これにより、塗膜幅測定装置1は、塗膜の塗膜幅WCを測定する。具体的には、塗膜幅算出部104は、予め、センサ10Lとセンサ10Rとの間隔であるセンサ間隔Wsを記憶しており、このセンサ間隔Wsと、エッジELaの幅方向位置XLaと、エッジERaの幅方向位置XRaとから、塗膜幅WCaを算出する。ここで、センサ間隔Wsとは、センサ10Lの測定幅WLの右端に対応する位置とセンサ10Rの測定幅WRの左端に対応する位置との間の距離である。なお、さらなる具体的な方法については後述する。
また、演算装置100は、S20〜S40の処理と同様にして、塗膜56(塗膜B)の塗膜幅WC(WCb)を算出する(S50)。具体的には、エッジ検出部110は、S20の処理と同様にして、測定プロファイル80Lを用いて、塗膜56(塗膜B)の左側のエッジELbを検出する。また、エッジ検出部110は、S30の処理と同様にして、測定プロファイル80Rを用いて、塗膜56(塗膜B)の右側のエッジERbを検出する。そして、塗膜幅算出部104は、S40の処理と同様にして、検出された塗膜Bの左側のエッジELbの幅方向位置XLb及び右側のエッジERbの幅方向位置XRbから、塗膜Bの塗膜幅WC(WCb)を算出する。
また、演算装置100は、塗工部材50が搬送方向(矢印A方向)に搬送されるにつれて、搬送方向の各測定位置についてS10〜S50の処理を繰り返す(S60)。これによって、塗膜幅測定装置1は、塗工部材50の搬送方向の各測定位置について、塗膜幅を測定する。
次に、実施の形態1にかかるエッジ検出方法について詳述する。
図4は、実施の形態1にかかるエッジ検出部110の構成を示す機能ブロック図である。エッジ検出部110は、高さ算出部112(高さ取得部)と、閾値設定部114と、エッジ判断部116とを有する。エッジ検出部110の各構成要素の動作については、図5に示したフローチャートと共に説明する。
図5は、実施の形態1にかかるエッジ検出方法を示すフローチャートである。図5には、図3に示したS20の処理つまり塗膜Aの左側のエッジを検出する方法の詳細が示されている。また、図6は、実施の形態1にかかる左側の測定プロファイル80Lの詳細を例示する図である。図6に示すように、測定プロファイル80Lは、横軸を幅方向位置X、縦軸を高さYとし、塗工部材50の幅方向位置Xに対する高さYを示している。
測定プロファイル80Lは、塗膜Aの高さに対応する塗膜A塗工高さ部80aと、塗膜Bの高さに対応する塗膜B塗工高さ部80bと、帯状基材52の高さに対応する帯状基材高さ部80cとを有する。ここで、塗膜A塗工高さ部80aにおける高さYは、塗膜Aの厚さと、帯状基材52の厚さと、塗膜Bの厚さとの合計に対応する。塗膜B塗工高さ部80bにおける高さYは、帯状基材52の厚さと、塗膜Bの厚さとの合計に対応する。帯状基材高さ部80cにおける高さYは、帯状基材52の厚さに対応する。
また、測定プロファイル80Lは、塗膜A塗工高さ部80aと塗膜B塗工高さ部80bとの間に、塗膜Aの立ち上がりの箇所に対応する塗膜A立ち上がり部80eを有する。また、測定プロファイル80Lは、塗膜B塗工高さ部80bと帯状基材高さ部80cとの間に、塗膜Bの立ち上がりの箇所に対応する塗膜B立ち上がり部80fを有する。塗膜A立ち上がり部80eの内部又はこの近傍に、塗膜Aの左側のエッジELaが含まれると推定される。また、塗膜B立ち上がり部80fの内部又はこの近傍に、塗膜Bの左側のエッジELbが含まれると推定される。
なお、測定データは、塗工部材の高さを誤検知し得る要因(例えばノイズ等)により、塗工部材50の高さを正確に示していない。したがって、測定プロファイル80Lにおいて、塗膜A塗工高さ部80a、塗膜B塗工高さ部80b、帯状基材高さ部80c、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fそれぞれの境界は、明瞭でなくなっている。本実施形態にかかる塗膜幅測定装置1は、このような場合であっても、塗膜幅をより正確に検出することができる。
図7は、図6に示した測定プロファイル80Lの部分拡大図である。図7には、図6の破線で囲んだ部分について拡大された測定プロファイル80Lが示されている。図7に示すように、塗膜A塗工高さ部80a及び塗膜B塗工高さ部80bは、実際には滑らかではなく、ノイズ等によりギザギザな形状となっている。また、塗膜A立ち上がり部80eについても、ノイズ等により、ギザギザな形状となり得る。以下、測定プロファイル80Lのうち、この図7で示した部分に関する処理、つまり、塗膜A立ち上がり部80eの近傍に関する処理について説明する。この処理によって、塗膜Aの左側のエッジELaが検出される。また、図7に示した位置以外の、塗膜B立ち上がり部80fの近傍についても同様の処理がなされ、塗膜Bの左側のエッジELbが検出される。
演算装置100の高さ算出部112は、測定プロファイル80Lを用いて、基材高さHBを算出する(S202)。つまり、高さ算出部112は、基材高さHBを取得する。ここで、「基材」とは、測定対象の塗膜(この例では塗膜54(塗膜A))が塗布されている物体である。この例では、塗膜54の基材は帯状基材52のうち裏面に塗膜Bが塗布されている部分である。そして、「基材高さ」とは、測定対象の塗膜(この例では塗膜54(塗膜A))が塗布されている基材の高さYのことである。したがって、塗膜54に関する基材高さHBは、塗膜B塗工高さ部80bの高さYに対応する。ここで、上述したように、塗膜B塗工高さ部80bの高さYは、ノイズ等の影響により一定ではない。したがって、以下に説明するようにして、高さ算出部112は、エッジを検出するために使用される基材高さHBを算出する。
図8は、実施の形態1にかかる基材高さHBの算出方法を説明するための図である。高さ算出部112は、図8に示す測定プロファイル80Lにおいて破線で囲んだ基材高さ算出範囲82(第1の範囲)において、基材高さHBを算出する。具体的な基材高さHBの算出方法は、例えば、以下の2つの方法がある。第1の方法は、基材高さ算出範囲82における塗膜B塗工高さ部80bのうち最も低い点を基材高さHBとする方法(最小値法)である。この場合、図8の一点鎖線Aで示す高さYが基材高さHBとなる。第2の方法は、基材高さ算出範囲82において塗膜B塗工高さ部80bの高さYの平均を算出し、その平均値を基材高さHBとする方法(平均値法)である。この場合、図8の一点鎖線Bで示す高さYが基材高さHBとなる。なお、実施の形態1においては、基材高さ算出範囲82は、任意に指定された固定の範囲であってもよいが、後述する他の実施の形態のように、何らかの方法によって都度設定されてもよい。
高さ算出部112は、測定プロファイル80Lを用いて、塗工高さHCを算出する(S204)。つまり、高さ算出部112は、塗工高さHCを取得する。ここで、「塗工高さ」とは、測定対象の塗膜(この例では塗膜54(塗膜A))の高さYのことである。塗膜54に関する塗工高さHCは、塗膜A塗工高さ部80aの高さYに対応する。ここで、上述したように、塗膜A塗工高さ部80aの高さYは、ノイズ等の影響により一定ではない。したがって、以下に説明するようにして、高さ算出部112は、エッジを検出するために使用される塗工高さHCを算出する。
図9は、実施の形態1にかかる塗工高さHCの算出方法を説明するための図である。高さ算出部112は、図9に示す測定プロファイル80Lにおいて破線で囲んだ塗工高さ算出範囲84(第2の範囲)において、塗工高さHCを算出する。具体的な基材高さHCの算出方法は、例えば、以下の2つの方法がある。第1の方法は、塗工高さ算出範囲84における塗膜A塗工高さ部80aの最も高い点を塗工高さHCとする方法(最大値法)である。この場合、図9の一点鎖線Aで示す高さYが塗工高さHCとなる。第2の方法は、塗工高さ算出範囲84において塗膜A塗工高さ部80aの高さYの平均を算出し、その平均値を塗工高さHCとする方法(平均値法)である。この場合、図9の一点鎖線Bで示す高さYが塗工高さHCとなる。なお、実施の形態1においては、塗工高さ算出範囲84は、任意に指定された固定の範囲であってもよいが、後述する他の実施の形態のように、何らかの方法によって都度設定されてもよい。
演算装置100の閾値設定部114は、算出された基材高さHB及び塗工高さHCを用いて、上限閾値Th1(第1の閾値)及び下限閾値Th2(第2の閾値)を設定する(S206)。ここで、「上限閾値」及び「下限閾値」の定義について説明する。「上限閾値」は、ハレーション(ノイズ)等の影響によって塗膜B塗工高さ部80bの高さY(基材高さHB)が高くなってしまう場合の、塗膜B塗工高さ部80bの高さYの上限値に対応する。言い換えると、「上限閾値」は、ハレーション等の影響によって発生すると想定され得る、塗膜B塗工高さ部80b(基材に対応する位置)において塗膜Aのエッジと誤検出され得るノイズ(想定ノイズ)の高さよりも高い。つまり、ハレーション等の影響によって塗膜B塗工高さ部80bの高さYが高くなってしまった場合であっても、塗膜B塗工高さ部80bの高さYは、上限閾値Th1以下となり得る。また、「下限閾値」は、塗膜Aのエッジを規定する高さに対応する。言い換えると、「下限閾値」は、塗膜Aの幅として測定すべき塗膜Aの高さに相当する。つまり、塗膜Aの塗膜幅に相当する塗膜Aの塗工高さは、この下限閾値よりも高くなり得る。ここで、下限閾値Th2は、上限閾値Th1よりも低くなる。したがって、ハレーション等の影響によって塗膜B塗工高さ部80bの高さYが高くなる場合、塗膜B塗工高さ部80bの高さYは、下限閾値Th2よりも高くなることがある。
図10は、実施の形態1にかかる上限閾値Th1及び下限閾値Th2の設定方法について説明するための図である。閾値設定部114は、塗工高さHCと基材高さHBとの差から、上限閾値Th1及び下限閾値Th2を設定する。図10に示すように、閾値設定部114は、(HC−HB)から、塗工高さHCよりも少し低い位置に上限閾値Th1を設定し、基材高さHBよりも少し高い位置に下限閾値Th2を設定する。
例えば、閾値設定部114は、以下の式1を用いて上限閾値Th1を設定し、以下の式2を用いて下限閾値Th2を設定する。
(式1):Th1=(HC−HB)*C1+HB
(式2):Th2=(HC−HB)*C2+HB
なお、C1及びC2は定数であって、1>C1>C2>0である。例えばC1=0.7、C2=0.3であるが、これに限られない。この場合、塗工高さHCと上限閾値Th1との差、及び、下限閾値Th2と基材高さHBとの差は、(HC−HB)*0.3である。また、C1及びC2は、上述した「上限閾値」及び「下限閾値」の定義を満たすように、予め設定され得る。つまり、C1は、「上限閾値」が想定ノイズの高さよりも高くなるように設定され得る。また、C2は、「下限閾値」が塗膜Aの幅として測定すべき塗膜Aの高さに相当するように設定され得る。
次に、演算装置100のエッジ判断部116は、測定プロファイル80Lにおいて、塗工部材50の幅方向の外側から内側に向かって、上限閾値Th1を上回る点P1(第1の点)を探索する(S208)。そして、エッジ判断部116は、点P1を発見したか否かを判断し(S210)、点P1を発見しない場合(S210のNO)は、点P1を発見するまでS208の処理を繰り返す。
点P1が発見されると(S210のYES)、エッジ判断部116は、測定プロファイル80Lにおいて、発見された点P1から塗工部材50の幅方向の外側に向かって、下限閾値Th2を下回る点P2(第2の点)を探索する(S212)。そして、エッジ判断部116は、点P2を発見したか否かを判断し(S214)、点P2を発見しない場合(S214のNO)は、点P2を発見するまでS212の処理を繰り返す。点P2が発見されると(S214のYES)、エッジ判断部116は、発見された点P2をエッジELaと判断する(S216)。以下、図11を用いて、S208〜S216の処理について説明する。
図11は、実施の形態1にかかる塗膜のエッジを判断する方法について説明するための図である。ここで、「外側」とは、塗工部材50の幅方向の端部側のことであり、図11に示した測定プロファイル80Lにおいて左側である。また、「内側」とは、塗工部材50の幅方向の中央側のことであり、図11に示した測定プロファイル80Lにおいて右側である。
まず、S208の処理において、図11の矢印Aに示すように、エッジ判断部116は、外側から内側に向かって、上限閾値Th1を上回る点P1を探索する。このとき、上述したように、ハレーション等の影響によって塗膜B塗工高さ部80b(塗膜Aの基材に対応する箇所)の高さYが高くなってしまった場合(図11の破線で示す)でも、塗膜B塗工高さ部80bの高さYは上限閾値以下である。したがって、エッジ判断部116は、塗膜B塗工高さ部80bにおいては、上限閾値Th1を上回る点P1を発見しない。このようにして、エッジ判断部116は、S208の処理において、ハレーション等の影響により塗膜B塗工高さ部80b(塗膜Aの基材に対応する箇所)の高さYが実際の高さよりも高くなった位置(図11の矢印Cで示す)をエッジと誤検知することを抑制することができる。
一方、塗膜Aのエッジ近傍に対応する位置(塗膜A立ち上がり部80e又は塗膜A塗工高さ部80a)においては、塗膜Aの存在により高さYが上昇し上限閾値Th1を超える。したがって、エッジ判断部116は、塗膜A立ち上がり部80e又は塗膜A塗工高さ部80aにおいて、上限閾値Th1を上回る点P1を発見する。
次に、S212の処理において、図11の矢印Bに示すように、エッジ判断部116は、点P1から外側に向かって、下限閾値Th2を下回る点P2を探索する。上述したように、点P1は、塗膜Aの存在により高さYが上昇して上限閾値Th1を超えた位置に対応する。したがって、この点P1よりも外側(帯状基材側)に塗膜Aのエッジが存在する。したがって、エッジ判断部116は、点P1から外側に向かって下限閾値Th2を下回る点P2を探索することで、点P2に対応するエッジELaを検出することが可能となる。
さらに、点P1を始点として外側に向かって下限閾値Th2を下回る点P2を探索することによって、塗膜Aに形成された窪み(図11の破線で示す)の位置をエッジELaと誤検出することが抑制される。仮に、内側から外側に向かって下限閾値Th2を下回る点P2を探索すると、塗膜Aに形成された窪みの位置(図11の矢印Dで示す)の高さYが下限閾値Th2を下回る場合に、その窪みの位置をエッジと誤検出してしまう。一方、本実施の形態においては、下限閾値Th2を下回る点P2を探索する始点は点P1であり、点P1は、窪みが形成された位置よりも外側である。これにより、下限閾値Th2を下回る点P2(塗膜のエッジ位置)を探索する過程において、窪みが形成された位置について探索することが除外され得る。したがって、本実施の形態においては、塗膜Aに形成された窪みの位置をエッジELaと誤検出することが抑制される。
なお、上述した説明においては、塗膜Aの左側のエッジELaを検出する方法が示されているが、塗膜Bの左側のエッジELbについても同様に検出され得る。この場合、塗膜56(塗膜B)の基材は、測定対象の塗膜56(塗膜B)が塗布されている物体である、帯状基材52である。そして、塗膜56(塗膜B)の基材高さHBは、帯状基材高さ部80cの高さYに対応する。また、塗膜56(塗膜B)の塗工高さHCは、塗膜B塗工高さ部80bの高さYに対応する。
図12は、実施の形態1にかかる塗膜幅を算出する方法(S40)を説明するための図である。上述したように、エッジ検出部110は、測定幅WLの測定プロファイル80Lを用いて、幅方向位置X=XLaにおけるエッジELaを検出する。同様にして、エッジ検出部110は、測定幅WRの測定プロファイル80Rを用いて、幅方向位置X=XRaにおけるエッジERaを検出する。
ここで、測定プロファイル80L,80Rともに、幅方向位置Xの基準値(0値)は左側である。また、上述したように、センサ間隔Wsは、センサ10Lの測定幅WLの右端に対応する位置とセンサ10Rの測定幅WRの左端に対応する位置との距離である。したがって、演算装置100の塗膜幅算出部104は、以下の式3を用いて、塗膜Aの塗膜幅WC(WCa)を算出する。
(式3):WCa=(WL−XLa)+Ws+XRa
なお、センサ間隔Wsは、作業者がセンサ10に接触する等の理由によって、ずれることがある。このような場合、以下のようにして、センサ間隔Wsを調整することが可能である。即ち、予め、塗膜幅WCが分かっているマスタワークについて、上述した測定を行い、エッジ位置を検出して塗膜幅を測定する。そして、測定結果とマスタワークにおける既知の値とが一致するように、センサ間隔Wsを調整する。つまり、マスタワークの塗膜幅をWCmとし、検出された塗膜の左側のエッジ位置をX=Lとし、検出された塗膜の右側のエッジ位置をX=Rとすると、式3から、式4に示すようにして、センサ間隔Wsを設定する。
(式4):Ws=WCm−(WL−L)−R
図13は、実施の形態1にかかる塗工部材50の搬送方向の各測定位置について塗膜幅を測定することを説明するための図である。図3に示したように、S60の処理において、演算装置100は、塗工部材50の搬送方向の各測定位置について塗膜幅を測定する。図13に示すように、まず、塗膜幅測定装置1は、塗工部材50の長手方向(搬送方向)の端部近傍における1回目位置Z_1をセンサ10と対向させる。そして、塗膜幅測定装置1は、この1回目位置Z_1において、上述したようにして塗膜幅を測定(算出)する。そして、塗膜幅測定装置1は、ローラ30を回転させて矢印A方向に塗工部材50を搬送し、1回目位置Z_1よりも塗工部材50の搬送方向後流側の2回目位置Z_2をセンサ10と対向させる。そして、塗膜幅測定装置1は、この2回目位置Z_2において、上述したようにして塗膜幅を測定(算出)する。
以下同様にして、塗膜幅測定装置1は、ローラ30を回転させて矢印A方向に塗工部材50を搬送し、N−1回目位置Z_1よりも塗工部材50の搬送方向後流側のN回目位置Z_Nをセンサ10と対向させる。そして、塗膜幅測定装置1は、このN回目位置Z_Nにおいて、上述したようにして塗膜幅を測定(算出)する。ここで、Nは2以上の整数である。このようにして、塗膜幅測定装置1は、塗工部材50の搬送方向における複数の測定位置について、塗工部材50の搬送に伴って連続して塗膜幅を測定する。なお、搬送方向における各測定位置の間隔は、一定であってもよい。また、各測定位置の間隔は、ローラ30の回転速度と、センサ10の速度とに応じて定められ得る。
(比較例)
次に、比較例について説明する。図14は、比較例にかかる塗膜幅測定方法を示すフローチャートである。また、図15は、比較例にかかる塗膜幅測定方法を説明するための図である。比較例にかかる塗膜幅測定方法は、実施の形態1と実質的に同様の構成を有する塗膜幅測定装置によってなされる。比較例においても実施の形態1と同様に、センサから測定データが取得される(S2)。そして、実施の形態1と同様に、測定データから測定プロファイル80L,80Rが取得される(S4)。ここで、比較例においては、測定プロファイル80L,80Rと予め定められた閾値Thとの交点が、それぞれ、左側のエッジEL及び右側のエッジERと検出される(S6)。そして、エッジELとエッジERとの距離が、塗膜幅WCと測定される(S8)。
図16は、比較例にかかる問題点を説明するための図である。上述したように、実際の測定プロファイル80においては、矢印Aで示すように、帯状基材52において浮き上がり又はバタつきが発生し得る。また、矢印Bで示すように、エッジの欠けが発生し得る。また、矢印Cで示すように、ハレーション等のノイズにより測定プロファイル80が局所的に極大となり得る。また、矢印Dで示すように、塗膜の窪みが形成され得る。このような場合、エッジ以外の位置で、測定プロファイル80が閾値Thと交点を有してしまう。したがって、比較例においては、エッジを誤検知するおそれがある。したがって、比較例においては、精度よく塗膜幅を測定することが困難である。
一方、実施の形態1においては、上述した構成によって、エッジを誤検知することが抑制される。したがって、実施の形態1においては、帯状基材52に積層された塗膜の幅を精度よく測定することが可能である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態1においては、基材高さHBを算出する際(図5のS202)に用いられる基材高さ算出範囲82(図8)を任意に指定された固定値とした。同様に、塗工高さHCを算出する際(図5のS204)に用いられる塗工高さ算出範囲84(図9)を任意に指定された固定値とした。
一方、実施の形態2においては、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を固定値としない点で、実施の形態1と異なる。つまり、実施の形態2においては、塗工部材50の搬送に伴って連続して塗膜幅を測定する際に、演算装置100は、塗工部材50の搬送方向の複数の測定位置(図13に示す「N回目位置Z_N」等)それぞれについて、都度、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。以下、詳述する。
図17は、実施の形態2にかかるエッジ検出部200の構成を示す機能ブロック図である。実施の形態2においては、図1に示したエッジ検出部110が、エッジ検出部200に置き換えられる。エッジ検出部200は、範囲設定部202と、高さ算出部112と、閾値設定部114と、エッジ判断部116とを有する。なお、高さ算出部112、閾値設定部114及びエッジ判断部116の動作については、実施の形態1の各構成要素の動作と実質的に同様であるので、説明を省略する(他の実施の形態においても同様)。範囲設定部202の動作については、図18に示したフローチャートと共に説明する。
図18は、実施の形態2にかかるエッジ検出方法(S220)を示すフローチャートである。まず、搬送方向における1回目位置Z_1(図13)に関するエッジ検出処理については、演算装置100の範囲設定部202は、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を、実施の形態1と同様に、任意の固定値に設定する(S222−1)。そして、S20の処理と同様にして、エッジ検出部200は、搬送方向における1回目位置Z_1でエッジ位置を検出する(S224−1)。つまり、1回目位置Z_1に関するエッジ検出処理においては、エッジ検出部200は、実施の形態1と同様にして、基材高さHB及び塗工高さHCを算出し(S202,S204)、これによってS206〜S216の処理によりエッジを検出する。
次に、搬送方向における2回目位置Z_2に関するエッジ検出処理については、範囲設定部202は、1回目位置Z_1について検出されたエッジ位置から、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する(S222−2)。そして、エッジ検出部200は、この1回目位置Z_1におけるエッジ位置を用いて設定された基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84によって、S20の処理と同様にして、搬送方向における2回目位置Z_2でエッジ位置を検出する(S224−2)。つまり、2回目位置Z_2に関するエッジ検出処理においては、エッジ検出部200は、S222−2の処理で設定された基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を用いて基材高さHB及び塗工高さHCを算出し(S202,S204)、これによってS206〜S216の処理によりエッジを検出する。
以下同様にして、搬送方向におけるN回目位置Z_Nに関するエッジ検出処理については、範囲設定部202は、N−1回目位置Z_(N−1)について検出されたエッジ位置から、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する(S222−N)。そして、エッジ検出部200は、このN−1回目位置Z_(N−1)におけるエッジ位置を用いて設定された基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84によって、S20の処理と同様にして、搬送方向におけるN回目位置Z_Nでエッジ位置を検出する(S224−N)。
図19は、実施の形態2にかかる基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する方法を説明するための図である。図19には、N−1回目位置Z_(N−1)における測定プロファイル80−(N−1)が破線で示されており、N回目位置Z_Nにおける測定プロファイル80−Nが実線で示されている。また、N−1回目位置Z_(N−1)におけるエッジ検出処理において、塗膜のエッジELa(N−1)が検出されている。
このとき、範囲設定部202は、N回目位置Z_Nにおける基材高さ算出範囲82を、エッジELa(N−1)の位置から左にA[mm]〜B[mm]の範囲と設定する。ここで、A及びBは、経験則から予め定められた固定値であって、A>Bである。また、範囲設定部202は、N回目位置Z_Nにおける塗工高さ算出範囲84を、エッジELa(N−1)の位置から右にC[mm]〜D[mm]の範囲と設定する。ここで、C及びDは、経験則から予め定められた固定値であって、D>Cである。
実施の形態1において塗膜のエッジをより精度よく検出するためには、上限閾値Th1及び下限閾値Th2をより適切に設定する必要がある。また、上限閾値Th1及び下限閾値Th2をより適切に設定するためには、基材高さHB及び塗工高さHCをより精度よく算出する必要がある。そして、基材高さHB及び塗工高さHCをより精度よく算出するためには、それぞれ、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84をより適切に設定する必要がある。
ここで、基材高さHBは、塗膜のエッジ近傍で安定する性質があり、エッジから遠ざかるにつれてバタつく傾向がある。また、塗工高さHCについては、塗膜のエッジ近傍の塗膜と基材との境界でばらつきが大きい性質があるため、適度に離れた箇所塗工高さHCを算出することが好ましい。つまり、基材高さHB及び塗工高さHCをより精度よく算出するためには、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を、エッジの幅方向位置から設定することが好ましい。
ここで、塗工部材50の搬送方向におけるN回目位置Z_Nにおける塗膜のエッジの幅方向位置は、塗工部材50の搬送方向におけるN−1回目位置Z_(N−1)について検出された塗膜のエッジの幅方向位置と大きく異なることはないと考えられる。つまり、塗工部材50の搬送方向におけるN−1回目位置Z_(N−1)とN回目位置Z_Nとで、検出される塗膜のエッジの幅方向位置が大きくずれることは、ほとんどないと考えられる。
したがって、実施の形態2にかかるエッジ検出部200は、塗工部材50の搬送方向におけるN回目位置Z_Nにおいてエッジを検出する際に、塗工部材50の搬送方向におけるN−1回目位置Z_(N−1)について検出された塗膜のエッジの幅方向位置を用いて、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。言い換えると、エッジ検出部200は、塗工部材50の搬送方向におけるある測定位置についてエッジを検出(判断)する際に、塗工部材50の搬送方向における前回の測定位置について検出された塗膜のエッジの幅方向位置を用いて、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。さらに言い換えると、エッジ検出部200は、塗工部材50の搬送方向におけるある測定位置について検出(判断)された塗膜のエッジの幅方向位置を用いて、塗工部材50の搬送方向における次の測定位置について、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。
このような構成によって、実施の形態2においては、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84をより適切に設定することができ、したがって、基材高さHB及び塗工高さHCをより精度よく算出することが可能となる。これによって、実施の形態2においては、塗膜のエッジの幅方向位置を、より精度よく検出することが可能となる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
上述したように、実施の形態1において塗膜のエッジをより精度よく検出するためには、基材高さHB及び塗工高さHCをより精度よく検出する必要がある。実施の形態3においては、測定プロファイル80における高さ方向の分布から基材高さHB及び塗工高さHCを決定する点で、他の実施の形態と異なる。
図20は、実施の形態3にかかるエッジ検出部300の構成を示す機能ブロック図である。実施の形態3においては、図1に示したエッジ検出部110が、エッジ検出部300に置き換えられる。エッジ検出部300は、高さ分布取得部302と、高さ決定部304(高さ取得部)と、閾値設定部114と、エッジ判断部116とを有する。高さ分布取得部302及び高さ決定部304の動作については、図21に示したフローチャートと共に説明する。
図21は、実施の形態3にかかる基材高さHB及び塗工高さHCを決定する方法(S240)を示すフローチャートである。また、図22は、実施の形態3にかかる基材高さHB及び塗工高さHCを決定する方法を説明するための図である。なお、図21に示したフローチャートの処理は、図5に示した実施の形態1にかかるフローチャートのS202及びS204の処理と置き換えることが可能である。
まず、演算装置100の高さ分布取得部302は、測定プロファイル80において、各高さYにおける点の数をカウントする(S242)。次に、高さ分布取得部302は、カウントされた各高さYの分布図(図22の下図に示す)である高さ分布88(高さ方向の分布)を取得する(S244)。そして、演算装置100の高さ決定部304は、高さ分布88におけるピーク(極大点)から、各層(塗膜A塗工高さ部80a、塗膜B塗工高さ部80b及び帯状基材高さ部80c)の高さを決定する(S246)。つまり、高さ決定部304は、基材高さHB及び塗工高さHCを取得する。
図22の上図は、図6に例示した測定プロファイル80のX軸とY軸とを入れ替えたものである。また、図22の下図は、高さ分布88を示し、横軸は塗工部材50の高さYであり、縦軸は各高さYにおける分布(点の数)である。
図22の上図に示すように、塗膜A塗工高さ部80aにおいては、ノイズ又はバタつき等の影響により高さYが変動するものの、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fよりも高さYの変動は小さい。つまり、塗膜A塗工高さ部80aにおいては、塗膜A塗工高さ部80aに対応する箇所の実際の高さYの近傍で幅方向に対して比較的小さく変動する。これに対し、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fにおいては、塗膜の立ち上がりによって、高さYが幅方向に対して大きく変動する。したがって、塗膜A塗工高さ部80aにおける各高さYの点の数は、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fにおける各高さYの点の数よりも大きくなる。そして、図22に示した高さ分布88は、塗膜A塗工高さ部80aにおける実際の高さ又は実際の高さの近傍のY=Yaにおいて、ピーク(図22の矢印Aで示す)を取り得る。
また、塗膜B塗工高さ部80b及び帯状基材高さ部80cにおいても、同様である。つまり、塗膜B塗工高さ部80bにおける各高さYの点の数は、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fにおける各高さYの点の数よりも大きくなる。そして、図22に示した高さ分布88は、塗膜B塗工高さ部80bにおける実際の高さ又は実際の高さの近傍のY=Ybにおいて、ピーク(矢印Bで示す)を取り得る。また、帯状基材高さ部80cにおける各高さYの点の数は、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fにおける各高さYの点の数よりも大きくなる。そして、図22に示した高さ分布88は、帯状基材高さ部80cにおける実際の高さ又は実際の高さの近傍のY=Ycにおいて、ピーク(矢印Cで示す)を取り得る。つまり、高さ分布88は、塗膜A塗工高さ部80a、塗膜B塗工高さ部80b及び帯状基材高さ部80cのそれぞれに対応する3個のピークを有し得る。
したがって、S246の処理で、高さ決定部304は、高さ分布88において、高さYが最も大きな位置でピーク(矢印Aで示す)を取るときの高さY=Yaを、塗膜A塗工高さ部80aの高さと決定する。また、高さ決定部304は、高さ分布88において、高さYが2番目に大きな位置でピーク(矢印Bで示す)を取るときの高さY=Ybを、塗膜B塗工高さ部80bの高さと決定する。また、高さ決定部304は、高さ分布88において、高さYが最も小さな位置でピーク(矢印Cで示す)を取るときの高さY=Ycを、帯状基材高さ部80cの高さと決定する。したがって、測定対象の塗膜が塗膜Aである場合、高さ決定部304は、高さY=Yaを塗工高さHCと決定し、高さY=Ybを基材高さHBと決定する。また、測定対象の塗膜が塗膜Bである場合、高さ決定部304は、高さY=Ybを塗工高さHCと決定し、高さY=Ycを基材高さHBと決定する。
実施の形態1においては、基材高さHB及び塗工高さHCを取得する際に、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する必要がある。ここで、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84は、実施の形態1においては任意の固定された範囲であり、実施の形態2においては任意の固定値から設定される。しかしながら、任意の固定された範囲又は任意の固定値は、経験則から作業者によって定められるので、測定対象の塗工部材50に対応していないおそれがある。一方、実施の形態3においては、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定することなく、測定対象の塗工部材50に関する測定プロファイル80から基材高さHB及び塗工高さHCを決定することが可能である。したがって、実施の形態3においては、上限閾値Th1及び下限閾値Th2をより適切に設定することができるので、塗膜のエッジの幅方向位置を、より精度よく検出することが可能となる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
実施の形態4においては、測定プロファイル80を微分した微分値から塗膜AのエッジELa,ERa及び塗膜BのエッジELb,ERbを検出する点で、上述した他の実施の形態と異なる。なお、以下の説明では、各塗膜の左側のエッジ(ELa,ELb)を検出する方法を示すが、右側のエッジ(ERa,ERb)についても左右を逆にしただけの実質的に同様の処理が行われる。
図23は、実施の形態4にかかるエッジ検出部400の構成を示す機能ブロック図である。実施の形態4においては、図1に示したエッジ検出部110が、エッジ検出部400に置き換えられる。エッジ検出部400は、微分プロファイル取得部402と、領域分割部404と、最大値取得部406と、最大値合計部408と、領域移動部410と、エッジ判断部412とを有する。なお、エッジ検出部400の各構成要素についての説明は、図24に示したフローチャートと共に説明する。
図24は、実施の形態4にかかるエッジ検出方法(S260)を示すフローチャートである。また、図25〜図28は、実施の形態4にかかるエッジ検出処理を説明するための図である。まず、演算装置100の微分プロファイル取得部402は、測定プロファイル80を塗工部材50の幅方向について微分して、微分プロファイル90(第2のプロファイル)を取得する(S262)。具体的には、微分プロファイル取得部402は、図6に例示した測定プロファイル80の高さYを幅方向位置Xで微分する。そして、微分プロファイル取得部402は、図25に例示するような、微分プロファイル90を取得する。ここで、微分プロファイルとは、測定プロファイルにおける、各幅方向位置Xに対応する、高さYの微分値である高さ微分値dY/dXを示す曲線(相関曲線、相関図)である。
図25に例示するように、微分プロファイル90は、塗膜A塗工高さ微分部90aと、塗膜B塗工高さ微分部90bと、帯状基材高さ微分部90cと、塗膜A立ち上がり微分部90eと、塗膜B立ち上がり微分部90fとを有する。塗膜A塗工高さ微分部90aは、測定プロファイル80の塗膜A塗工高さ部80aにおける微分値に対応する。塗膜B塗工高さ微分部90bは、測定プロファイル80の塗膜B塗工高さ部80bにおける微分値に対応する。帯状基材高さ微分部90cは、測定プロファイル80の帯状基材高さ部80cにおける微分値に対応する。塗膜A立ち上がり微分部90eは、測定プロファイル80の塗膜A立ち上がり部80eにおける微分値に対応する。塗膜B立ち上がり微分部90fは、測定プロファイル80の塗膜B立ち上がり部80fにおける微分値に対応する。
一般的に、基材の浮き上がりは緩やかであり、塗膜のエッジの立ち上がりは急峻である。つまり、測定プロファイル80において、塗膜A立ち上がり部80e及び塗膜B立ち上がり部80fにおける高さYの幅方向位置Xに対する変化量は、塗膜A塗工高さ部80a、塗膜B塗工高さ部80b及び帯状基材高さ部80cにおける高さYの幅方向位置Xに対する変化量よりも大きくなり得る。したがって、塗膜A立ち上がり微分部90e及び塗膜B立ち上がり微分部90fにおける高さ微分値dY/dXは、塗膜A塗工高さ微分部90a、塗膜B塗工高さ微分部90b及び帯状基材高さ微分部90cにおける高さ微分値dY/dXよりも大きくなり得る。つまり、高さ微分値dY/dXは、塗膜A立ち上がり微分部90e及び塗膜B立ち上がり微分部90fにおいて極大となり得る。以下に説明するように、実施の形態4においては、エッジ検出部400は、塗膜A立ち上がり微分部90e及び塗膜B立ち上がり微分部90fにおいて高さ微分値dY/dXが極大となる幅方向位置Xを、それぞれ、エッジELa及びエッジELbと判断する。
演算装置100の領域分割部404は、図26に示すように、微分プロファイル90を、間隙部92を隔てて右の領域である右領域94R(第1の領域)と左の領域である左領域94L(第2の領域)とに分割する(S264)。ここで、間隙部92は、塗工部材50の幅方向に間隔D1[mm]の寸法を有する間隙(第1の間隙)である。また、間隔D1は、塗膜B塗工高さ微分部90b(塗膜B塗工高さ部80b)における幅方向の長さに対応する。なお、間隔D1は、エッジELaの幅方向位置とエッジELbの幅方向位置との間に確実に入る距離となるように定められる。間隔D1は、塗工部材50に対応するマスタワークにおける塗膜B塗工高さ部80bの幅方向の長さよりも予め定められた長さだけ短い寸法としてもよい。また、最初のS266の処理においては、間隙部92は、微分プロファイル90において左端近傍に位置するように設定される。
次に、演算装置100の最大値取得部406は、右領域94R及び左領域94Lそれぞれにおける高さ微分値dY/dXの最大値を取得する(S266)。そして、演算装置100の最大値合計部408は、右領域94R及び左領域94Lそれぞれにおける高さ微分値dY/dXの最大値の和Sumを算出する(S268)。そして、演算装置100の領域移動部410は、間隙部92が微分プロファイル90の右端まで到達したか否かを判断する(S270)。そして、間隙部92が微分プロファイル90の右端まで到達していない場合(S270のNO)、領域移動部410は、間隙部92を微分プロファイル90の幅方向位置Xについて右(図26及び図27における矢印A方向)に移動する(S272)。そして、エッジ検出部400は、S264〜S268の処理を繰り返す。
間隙部92が微分プロファイル90の右端まで到達した場合(S270のYES)、演算装置100のエッジ判断部412は、和Sumが最大となるときに右領域94Rで最大値を取る位置を、塗膜A(第1の塗膜)のエッジELaの位置と判断する(S274)。また、演算装置100のエッジ判断部412は、和Sumが最大となるときに左領域94Lで最大値を取る位置を、塗膜B(第2の塗膜)のエッジELbの位置と判断する(S276)。
図26に示すように、間隙部92が帯状基材高さ微分部90cにある場合、右領域94Rにおける高さ微分値dY/dXの最大値dY/dX_maxRは、塗膜A立ち上がり微分部90e及び塗膜B立ち上がり微分部90fそれぞれにおける極大値のうち大きい方である。一方、このとき、左領域94Lには塗膜A立ち上がり微分部90e及び塗膜B立ち上がり微分部90fがないので、極大点がない。したがって、左領域94Lにおける高さ微分値dY/dXの最大値dY/dX_maxLは、略0となる。つまり、dY/dX_maxR≫dY/dX_maxL≒0となる。したがって、このとき、Sum≒dY/dX_maxRとなる。なお、このことは、間隙部92が塗膜A塗工高さ微分部90aにある場合においても、左右が逆になることを除いて同様である。
一方、図27に示すように、間隙部92が塗膜B塗工高さ微分部90bにある場合、右領域94Rにおける高さ微分値dY/dXの最大値dY/dX_maxRは、塗膜A立ち上がり微分部90eにおける最大値(極大値)に対応する。また、左領域94Lにおける高さ微分値dY/dXの最大値dY/dX_maxLは、塗膜B立ち上がり微分部90fにおける最大値(極大値)に対応する。したがって、このとき、Sum=dY/dX_maxR+dY/dX_maxLとなる。ここで、和Sumが最大となるときは、Sum=dY/dX_maxR+dY/dX_maxLとなるときである。したがって、エッジ判断部412は、このときに右領域94R及び左領域94Lそれぞれにおいて高さ微分値の最大値を取る幅方向位置Xを、それぞれ、塗膜AのエッジELa及び塗膜BのエッジELbと判断する。このように、実施の形態4においては、実施の形態1と異なり、基材高さHB及び塗工高さHCを算出することなく、塗膜のエッジを検出することが可能である。さらに、領域分割部404は、微分プロファイル90を塗膜A及び塗膜Bの両方のエッジ位置をそれぞれ含むように領域を分割し得る。したがって、実施の形態4においては、塗工部材50が複数の塗膜を有する場合に、複数の塗膜のそれぞれのエッジを一度に検出することが可能である。
また、実施の形態4は、間隙部92を隔てて分割された右領域94R及び左領域94Lそれぞれの最大値の和が最大となる場合を判断することによって、図28に示す場合においても、塗膜AのエッジELa及び塗膜BのエッジELbを確実に判断することが可能となる。ここで、上述したように、高さ微分値dY/dXが極大となるのは、塗膜AのエッジELaの位置及び塗膜BのエッジELbの位置である。したがって、微分プロファイル90において2つの極大値を取る幅方向位置Xをそれぞれ塗膜AのエッジELa及び塗膜BのエッジELbと判断する第2の方法も考えられる。
しかしながら、図28に例示した微分プロファイル90においては、ノイズ等により、塗膜A立ち上がり微分部90e及び塗膜B立ち上がり微分部90fのそれぞれに複数の極大点が発生する。ここで、微分プロファイル90において最も大きな高さ微分値dY/dXを取る位置は、塗膜B立ち上がり微分部90fにおける図28の矢印F1で示す点の位置である。さらに、微分プロファイル90において2番目に大きな高さ微分値dY/dXを取る位置も、塗膜B立ち上がり微分部90fにおける図28の矢印F2で示す点の位置である。したがって、上記第2の方法では、エッジの位置として、塗膜A立ち上がり微分部90eにおけるエッジELaを検出することができない。一方、実施の形態4は、間隙部92を隔てて分割された右領域94R及び左領域94Lそれぞれの最大値の和が最大となる場合を判断するので、塗膜AのエッジELa及び塗膜BのエッジELbを確実に判断することが可能となる。
なお、上述した実施の形態4においては、微分プロファイル90において間隙部92が左から右に移動するとしたが、これに限られない。間隙部92は、幅方向位置Xにおける全ての位置について移動できれば、右から左に移動するとしてもよいし、ランダムに移動してもよい。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。
実施の形態4にかかるエッジの検出方法では、動的な状態つまり塗工部材50が搬送されている状態では、帯状基材52のバタつき等によって、実施の形態1と比較して精度よくエッジを検出できないおそれがある。一方、静的な状態つまり塗工部材50が搬送されていない状態では、帯状基材52のバタつき等が比較的少ないので、精度よくエッジを検出できる。したがって、実施の形態5においては、塗工部材50の搬送方向における1回目位置Z_1においては、実施の形態4にかかる方法(第2のエッジ判断工程)によって塗膜のエッジを検出し、塗工部材50の搬送方向におけるN回目位置Z_N(Nは2以上の整数)においては、実施の形態1及び実施の形態2にかかる方法(第1のエッジ判断工程)によって塗膜のエッジを検出する。
図29は、実施の形態5にかかるエッジ検出部500の構成を示す機能ブロック図である。実施の形態5においては、図1に示したエッジ検出部110が、エッジ検出部500に置き換えられる。エッジ検出部500は、一回目エッジ検出部502と、範囲設定部202と、高さ算出部112と、閾値設定部114と、エッジ判断部116とを有する。一回目エッジ検出部502は、実施の形態4にかかるエッジ検出部400と実質的に同様の構成を有し、エッジ検出部400と実質的に同様の動作(図24に示したS260の処理)を行う。
一回目エッジ検出部502は、塗工部材50の搬送方向における1回目位置Z_1について、塗膜のエッジを検出する。範囲設定部202は、一回目エッジ検出部502によって1回目位置Z_1について検出されたエッジ位置から、2回目位置Z_2にかかる基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。また、範囲設定部202は、エッジ判断部116によって2回目位置Z_2について検出されたエッジ位置から、3回目位置Z_3にかかる基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。以降、範囲設定部202は、エッジ判断部116によってN−1回目位置Z_(N−1)について検出されたエッジ位置から、N回目位置Z_Nにかかる基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する。つまり、範囲設定部202、高さ算出部112、閾値設定部114及びエッジ判断部116は、塗工部材50の搬送方向における2回目位置Z_2以降の位置(つまりN回目位置Z_N)について、塗膜のエッジを検出する。
図30は、実施の形態5にかかるエッジ検出方法(S280)を示すフローチャートである。まず、一回目エッジ検出部502は、搬送方向における1回目位置Z_1において、図24に示したS260の処理によって、塗膜のエッジを検出する(S282)。搬送方向における2回目位置Z_2以降の位置(つまりN回目位置Z_N)については、実施の形態2にかかるエッジ検出処理(S220)と実質的に同様であるので、説明を省略する。
実施の形態2においては、塗工部材50の搬送方向における1回目位置Z_1について塗膜のエッジを検出するときは、この位置以前にエッジが検出されていないので、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を任意の固定値に設定する必要がある。一方、この任意の固定値は、経験則から作業者によって定められるので、測定対象の塗工部材50に対応していないおそれがある。したがって、実施の形態2においては、1回目位置Z_1について、精度よく塗膜のエッジを検出することが困難となるおそれがある。そして、1回目位置Z_1について精度よく塗膜のエッジを検出できなければ、これ以降の位置(N回目位置Z_N)についても、精度よく塗膜のエッジを検出することが困難となるおそれがある。
一方、実施の形態5においては、1回目位置Z_1については、基材高さ算出範囲82及び塗工高さ算出範囲84を設定する必要のない方法(実施の形態4にかかる方法)で塗膜のエッジを検出する。さらに、実施の形態4にかかる方法は、上述したように、塗工部材50が搬送されていない状態つまり1回目位置Z_1において、精度よくエッジを検出できる。したがって、実施の形態5にかかる方法は、1回目位置Z_1において、精度よくエッジを検出することが可能である。さらに、実施の形態5にかかる方法は、1回目位置Z_1において精度よく塗膜のエッジを検出できるので、これ以降の位置(N回目位置Z_N)についても、精度よく塗膜のエッジを検出することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおける各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。
例えば、図3に示したフローチャートにおいて、S20の処理及びS30の処理は、逆であってもよいし、同時に行われてもよい。つまり、塗膜の左側のエッジの検出処理及び塗膜の右側のエッジの検出処理の順序は任意である。さらに、図3に示したフローチャートにおいて、塗膜Aの塗膜幅を算出した後で塗膜Bの塗膜幅を算出するとしたが、塗膜Bの塗膜幅を算出した後で塗膜Aの塗膜幅を算出してもよいし、塗膜Aの塗膜幅及び塗膜Bの塗膜幅を同時に算出してもよい。同様に、図5に示したフローチャートにおいて、S202の処理及びS204の処理は、順序が逆であってもよいし、同時に行われてもよい。
また、上述した実施の形態において、塗工部材50は、帯状基材52の一方の面に塗膜54(塗膜A)が塗布され、帯状基材52の他方の面に塗膜56(塗膜B)が塗布されて形成されているが、このような構成に限られない。例えば、塗工部材50は、帯状基材52の片面に単層の塗膜が塗布されて形成されていてもよい。また、図31に例示するように、塗工部材50は、帯状基材52の片面に複数の層の塗膜が塗布されて形成されていてもよい。
図31は、変形例にかかる塗工部材50を例示する図である。図31には、帯状基材52の片面に複数の層の塗膜が塗布された塗工部材50が例示されている。図31に例示した塗工部材50は、帯状基材52の上に塗膜56が塗布され、塗膜56の上に塗膜54が塗布されて構成されている。この例において、測定対象の塗膜が塗膜54の場合、塗膜54の塗工高さHCは、塗膜54の厚さと、塗膜56の厚さと、帯状基材52の厚さとの合計に対応する。また、この場合、測定対象である塗膜54の基材は、測定対象の塗膜54が塗布されている物体である、塗膜56である。そして、塗膜54の基材高さHBは、塗膜56の厚さと帯状基材52の厚さとの合計に対応する。
また、図31の例において、測定対象の塗膜が塗膜56の場合、塗膜56の塗工高さHCは、塗膜56の厚さと帯状基材52の厚さとの合計に対応する。また、この場合、測定対象である塗膜56の基材は、測定対象の塗膜56が塗布されている物体である、帯状基材52である。そして、塗膜56の基材高さHBは、帯状基材52の厚さに対応する。
また、実施の形態4においては、微分プロファイル90を2つの領域(右領域94R及び左領域94L)に分割するとしたが、これに限られない。塗膜幅を測定すべき塗膜が3つ以上である場合には、その測定対象の塗膜の数に応じて、適宜、分割する領域の数を3つ以上としてもよい。例えば、塗膜幅を測定すべき塗膜が3つである場合には、分割する領域の数を3つとしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、塗膜幅測定装置1は2つのセンサを有しているとしたが、このような構成に限られない。センサが塗膜幅全体について塗工部材の高さを精度よく測定することが可能であれば、塗膜幅測定装置1はセンサを1つのみ有してもよい。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 塗膜幅測定装置
10 センサ
30 ローラ
30a 測定基準面
50 塗工部材
52 帯状基材
54 塗膜(塗膜A)
56 塗膜(塗膜B)
80 測定プロファイル
82 基材高さ算出範囲
84 塗工高さ算出範囲
88 高さ分布
90 微分プロファイル
92 間隙部
94L 左領域
94R 右領域
100 演算装置
102 データ取得部
104 塗膜幅算出部
110 エッジ検出部
112 高さ算出部
114 閾値設定部
116 エッジ判断部
200 エッジ検出部
202 範囲設定部
300 エッジ検出部
302 高さ分布取得部
304 高さ決定部
400 エッジ検出部
402 微分プロファイル取得部
404 領域分割部
406 最大値取得部
408 最大値合計部
410 領域移動部
412 エッジ判断部
500 エッジ検出部
502 一回目エッジ検出部

Claims (5)

  1. 帯状基材に塗膜が積層されて形成された塗工部材について、前記塗工部材の幅方向における前記塗膜の両側のエッジの位置をそれぞれ検出し、前記検出された両側のエッジの幅方向の距離を前記塗膜の幅として測定する塗膜幅測定方法であって、
    前記塗工部材の幅方向の複数の位置についてそれぞれ測定された、測定基準面を基準とした前記塗工部材の高さを示す測定データを用いて、前記塗工部材の幅方向の位置に対する前記塗工部材の高さを示す第1のプロファイルを取得する工程と、
    前記第1のプロファイルを用いて、測定対象の前記塗膜が塗布された基材の高さに対応する基材高さを取得する工程と、
    前記第1のプロファイルを用いて、前記測定対象の前記塗膜の高さに対応する塗工高さを取得する工程と、
    前記基材高さ及び前記塗工高さに基づいて、前記塗工高さよりも低く、前記基材に対応する位置において前記塗膜のエッジとして誤検出され得る想定ノイズの高さよりも高い第1の閾値を設定し、前記第1の閾値よりも低く、前記基材高さよりも高く、前記塗膜の幅として測定すべき塗膜の高さに相当する第2の閾値を設定する工程と、
    前記第1のプロファイルにおいて、前記塗工部材の幅方向の外側から内側に向かって、前記第1の閾値を上回る高さとなる第1の点を探索する工程と、
    前記第1のプロファイルにおいて、前記第1の点から前記塗工部材の幅方向の外側に向かって、前記第2の閾値を下回る高さとなる第2の点を探索して、前記第2の点を前記測定対象の前記塗膜のエッジと判断する第1のエッジ判断工程と、
    前記測定対象の前記塗膜の両側について前記判断されたエッジの幅方向の距離を、前記測定対象の前記塗膜の幅として算出する工程と
    を有する塗膜幅測定方法。
  2. 前記塗膜幅測定方法は、搬送される前記塗工部材の搬送方向における複数の測定位置について、前記塗工部材の搬送に伴って連続して前記塗膜の幅を測定し、
    前記判断された前記塗膜のエッジの前記塗工部材の幅方向の位置に基づいて、前記搬送方向における、前記エッジが判断された測定位置の次の測定位置について、前記基材高さ及び前記塗工高さを算出するための前記塗工部材の幅方向の第1の範囲及び第2の範囲をそれぞれ設定する工程
    をさらに有し、
    前記第1の範囲において前記基材高さを取得し、前記第2の範囲において前記塗工高さを取得する
    請求項1に記載の塗膜幅測定方法。
  3. 前記塗工部材は、前記帯状基材に少なくとも第1の塗膜及び第2の塗膜が積層されて形成されており、
    前記第1のプロファイルにおいて、前記塗工部材の高さを前記塗工部材の幅方向について微分して、前記塗工部材の幅方向の位置に対応する前記塗工部材の高さの微分値を示す第2のプロファイルを取得する工程と、
    前記第2のプロファイルにおいて、前記塗工部材の幅方向に予め定められた第1の間隙を隔てて分割された第1の領域及び第2の領域それぞれにおける前記微分値の最大値を取得する工程と、
    前記第1の領域における前記微分値の最大値と前記第2の領域における前記微分値の最大値との和が最大となるときの、前記第1の領域における前記微分値の最大値をとる前記塗工部材の幅方向の位置を前記第1の塗膜のエッジの位置と判断し、前記第2の領域における前記微分値の最大値をとる前記塗工部材の幅方向の位置を前記第2の塗膜のエッジの位置と判断する第2のエッジ判断工程と
    を有し、
    前記塗工部材の搬送方向における複数の測定位置のうちの1回目の測定位置については、前記第2のエッジ判断工程によって前記塗膜のエッジを判断し、
    前記塗工部材の搬送方向における複数の測定位置のうちのN回目(Nは2以上の整数)の測定位置については、N−1回目の測定位置において判断されたエッジの前記塗工部材の幅方向の位置に基づいて前記第1の範囲及び前記第2の範囲を設定し、前記設定された第1の範囲において前記基材高さを取得し、前記設定された第2の範囲において前記塗工高さを取得して、前記第1のエッジ判断工程によって前記塗膜のエッジを判断する
    請求項2に記載の塗膜幅測定方法。
  4. 前記測定プロファイルから、高さ方向の分布を取得する工程
    をさらに有し、
    前記高さ方向の分布に基づいて、前記基材高さ及び前記塗工高さを取得する
    請求項1に記載の塗膜幅測定方法。
  5. 帯状基材に塗膜が積層されて形成された塗工部材について、前記塗工部材の幅方向における前記塗膜の両側のエッジの位置をそれぞれ検出し、前記検出された両側のエッジの幅方向の距離を前記塗膜の幅として測定する塗膜幅測定装置であって、
    測定基準面を基準とした前記塗工部材の高さを前記塗工部材の幅方向の複数の位置についてそれぞれ測定する少なくとも1つのセンサと、
    前記塗膜の幅を測定するための処理を行う演算装置と
    を有し、
    前記演算装置は、
    前記センサから測定結果を示す測定データを取得し、前記測定データを用いて、前記塗工部材の幅方向の位置に対する前記塗工部材の高さを示す第1のプロファイルを取得するデータ取得部と、
    前記第1のプロファイルを用いて、測定対象の前記塗膜が塗布された基材の高さに対応する基材高さと、前記測定対象の前記塗膜の高さに対応する塗工高さとを取得する高さ取得部と、
    前記基材高さ及び前記塗工高さに基づいて、前記塗工高さよりも低く、前記基材に対応する位置において前記塗膜のエッジとして誤検出され得る想定ノイズの高さよりも高い第1の閾値を設定し、前記第1の閾値よりも低く、前記基材高さよりも高く、前記塗膜の幅として測定すべき塗膜の高さに相当する第2の閾値を設定する閾値設定部と、
    前記第1のプロファイルにおいて、前記塗工部材の幅方向の外側から内側に向かって、前記第1の閾値を上回る高さとなる第1の点を探索し、前記第1のプロファイルにおいて、前記第1の点から前記塗工部材の幅方向の外側に向かって、前記第2の閾値を下回る高さとなる第2の点を探索して、前記第2の点を前記測定対象の前記塗膜のエッジと判断するエッジ判断部と、
    前記測定対象の前記塗膜の両側について前記判断されたエッジの幅方向の距離を、前記測定対象の前記塗膜の幅として算出する塗膜幅算出部と
    を有する
    塗膜幅測定装置。
JP2015113324A 2015-06-03 2015-06-03 塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置 Active JP6344313B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015113324A JP6344313B2 (ja) 2015-06-03 2015-06-03 塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015113324A JP6344313B2 (ja) 2015-06-03 2015-06-03 塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016224005A JP2016224005A (ja) 2016-12-28
JP6344313B2 true JP6344313B2 (ja) 2018-06-20

Family

ID=57747959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015113324A Active JP6344313B2 (ja) 2015-06-03 2015-06-03 塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6344313B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022103072A1 (ko) * 2020-11-10 2022-05-19 주식회사 엘지에너지솔루션 전극 코팅 장치 및 전극 코팅 방법

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6904265B2 (ja) * 2018-01-17 2021-07-14 トヨタ自動車株式会社 塗布装置
CN109580652A (zh) * 2018-10-30 2019-04-05 广州超音速自动化科技股份有限公司 一种电池极片质量检测方法、电子设备及存储介质
CN114839224B (zh) * 2022-07-04 2022-11-01 江苏时代新能源科技有限公司 涂布质量的检测方法、检测装置、检测***及储存介质
WO2024008720A1 (en) * 2022-07-06 2024-01-11 Northvolt Ab Measurement system and method for measuring a coated electrode
CN116817805B (zh) * 2023-06-19 2024-04-19 常州锐奇精密测量技术有限公司 一种极片涂布边缘削薄及测量方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3490490B2 (ja) * 1994-01-28 2004-01-26 株式会社東芝 パターン画像処理装置及び画像処理方法
JP3686182B2 (ja) * 1996-09-13 2005-08-24 Jfeスチール株式会社 表面形状測定方法及び装置
JP4922130B2 (ja) * 2007-11-01 2012-04-25 大日本スクリーン製造株式会社 塗布装置および塗布方法
DE102008038316A1 (de) * 2008-08-19 2010-03-25 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung und Verfahren zum Bestimmen eines Abstandsmaßes an aufgewickelten Materialien
JP5874403B2 (ja) * 2012-01-11 2016-03-02 トヨタ自動車株式会社 塗膜幅測定方法
JP5929518B2 (ja) * 2012-05-29 2016-06-08 Jfeスチール株式会社 表面形状測定方法および表面形状測定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022103072A1 (ko) * 2020-11-10 2022-05-19 주식회사 엘지에너지솔루션 전극 코팅 장치 및 전극 코팅 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016224005A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6344313B2 (ja) 塗膜幅測定方法及び塗膜幅測定装置
JP6791866B2 (ja) 金属素板を切断する方法
US20110192703A1 (en) System, apparatus, and method for object edge detection
JP2011161436A5 (ja)
JP2009085786A (ja) 溶接ビード検査装置および溶接ビード検査方法
JP2006292503A (ja) 欠陥検査方法および欠陥検査装置
JP6681759B2 (ja) 溶接ビードの検査システム
JP4992848B2 (ja) 溶接ビード検査方法、及び、溶接ビード検査装置
JP6589916B2 (ja) H形鋼の曲がり測定方法
JP2975053B2 (ja) 連続圧延における溶接点の検出方法
JP5874403B2 (ja) 塗膜幅測定方法
JP2019004314A5 (ja)
JP2007263696A (ja) 外形欠点の検出方法及びプログラム
JP6245144B2 (ja) 形状検出装置
JP3690580B2 (ja) 磁気探傷方法
JP7044401B2 (ja) 木材加工装置、木材加工の良否判定方法、及び、木材加工の良否判定プログラム
KR102237698B1 (ko) 오버레이 마크의 비대칭부 검출 방법 및 이를 포함하는 오버레이 계측 방법
JP6730683B2 (ja) 山形鋼の辺幅測定方法および辺幅測定装置
JP2009202180A (ja) 溶接ビード検査方法、及び、溶接ビード検査装置
JPH04155208A (ja) 板状ワークの良否判別方法
JP2016036832A (ja) 圧延ロールの計測装置および圧延ロールの研削方法
JPH11271278A (ja) 鋼材の欠陥検出方法
KR20240030619A (ko) 이송 강판의 평탄도 측정 방법 및 시스템
JP6432151B2 (ja) ゴムシート加工装置及びゴムシート加工方法
KR101717994B1 (ko) 기판검사장치와 기판검사방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180507

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6344313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151