JP6343654B1 - 樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を提供する。【解決手段】本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、塩素含有量が58質量%以上の塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部と、0.01質量部以上のZn−Al型ハイドロタルサイトとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品に関する。
塩化ビニル系樹脂(PVC)組成物からなる成形品は、優れた耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、難燃性及び電気絶縁性を有し、なおかつ安価である。そのため、塩化ビニル系樹脂組成物は、建築部材、管工機材、住宅資材などの様々な用途に用いられている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品は、熱、紫外線又は酸素などにより、分子中の塩素及び水素が脱離し、塩化水素を生成する分解が起こり易い。そのような分解を生じると、その物理的性質が劣化し、黄色乃至褐色に変色する。
このような劣化及び変色を防ぐために、塩化ビニル系樹脂組成物には、安定化剤が加えられている。安定化剤としては、例えば、カドミウムを含む金属石鹸、有機スズ化合物、鉛化合物又はこれらの混合物が用いられている。しかしながら、カドミウム、スズ又は鉛など、亜鉛以外の重金属は、毒性の高さ及び環境に対する影響が懸念されている。そこで、近年、上記の重金属を含有しない安定化剤を用いた樹脂成型品が提案されている。例えば、特許文献1には、含ハロゲン樹脂に、酸性白土及び/又は活性白土と水酸化カルシウム系化合物との複合物を含有させた含ハロゲン樹脂組成物が記載されている。
特開2008−214466号公報
ところで、塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の常用耐熱温度は、およそ60℃乃至80℃の範囲内にある。この温度は、塩化ビニル系樹脂組成物以外の汎用熱可塑性樹脂、例えば、ポリスチレンやポリエチレンなどからなる成形品の常用耐熱温度よりも低い。そこで、塩化ビニル系樹脂組成物は、塩素化することにより、その成形品の耐熱性を高めることがある。このような塩素化した塩化ビニル系樹脂組成物、すなわち、塩素化塩化ビニル系樹脂(CPVC)組成物は、塩化ビニル系樹脂組成物と比較して、軟化温度が高い。したがって、塩素化塩化ビニル系樹脂の成形品は、例えば、温水や蒸気の配管として使用することができる。
本発明は、熱安定性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、塩素含有量が58質量%以上の塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部と、0.01質量部以上のZn−Al型ハイドロタルサイト、カルボン酸亜鉛塩、カルボン酸アルカリ金属塩若しくはカルボン酸アルカリ土類金属塩、多価アルコール、及び無機化合物からなる熱安定剤とを含み、前記無機化合物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、及びMg−Al型ハイドロタルサイトからなる群より選ばれる1種類以上である塩素化塩化ビニル系樹脂組成物が提供される。
本発明の第2側面によると、第1側面に係る塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品が提供される。
本発明によると、熱安定性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品が提供される。
試験時間と色差との関係の一例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。 試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフ。
塩化ビニル系樹脂組成物の安定化剤について上述したのと同様に、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の安定化剤として、カドミウム、スズ又は鉛など、亜鉛以外の重金属を含む安定化剤を使用することは、毒性の高さ及び環境に対する影響から好ましくない。
そこで、本発明者らは、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の安定化剤として、毒性が低い亜鉛系安定化剤を用いることを試みた。そして、本発明者らが鋭意研究した結果、塩化ビニル系樹脂組成物と、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物とでは、有効な安定化剤が異なることを見出した。
すなわち、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性を向上させる安定化剤を、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物に加えた場合、その熱安定性に対する効果が低いか、又はその熱安定性が低下することを見出した。更に、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性に対する効果が低い安定化剤を、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物に加えた場合、その熱安定性が大きく向上することを見出した。
以下、本発明の態様について説明する。
本発明の一態様に係る塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、塩素化塩化ビニル系樹脂と、Zn−Al型ハイドロタルサイトとを含んでいる。
この塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を後塩素化することにより得ることができる。塩化ビニル系樹脂を塩素化する方法としては、光塩素化方法であってもよく、熱塩素化方法であってもよい。
この塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は、58質量%以上であり、好ましくは、60質量%乃至72質量%の範囲内にある。この塩素含有量が多いと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の耐熱性及び機械強度が高い傾向にある。この塩素含有量が少ないと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の成形がしやすい傾向にある。なお、この塩素含有量は、日本工業規格JIS K 7229:1995に記載の方法により測定することができる。
この塩素化塩化ビニル系樹脂に用いられる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマーの重合体、塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体又はこれらの混合物である。
この塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、α−オレフィン類、ビニルエステル類、アクリル酸エステル類、芳香族ビニル類、ハロゲン化ビニル類、N−置換マレイミド類又はこれらの混合物を挙げることができる。
α−オレフィン類は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン又はこれらの混合物である。ビニルエステル類は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル又はこれらの混合物である。ビニルエーテル類は、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル又はこれらの混合物である。アクリル酸エステル類は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、フェニルメタクリレート又はこれらの混合物である。芳香族ビニル類は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物である。ハロゲン化ビニル類は、例えば、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、又はこれらの混合物である。N−置換マレイミド類は、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、又はこれらの混合物である。
この塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、好ましくは600乃至1800の範囲内にある。なお、この平均重合度は、日本工業規格JIS K 6720−2:1999に記載の方法より測定することができる。この塩化ビニル系樹脂の重合方法は、公知の重合方法を用いることができる。公知の重合方法としては、例えば、水懸濁重合、塊状重合、溶液重合又は乳化重合を挙げることができる。
Zn−Al型ハイドロタルサイトは、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性を高める。Zn−Al型ハイドロタルサイトは、粒子の形態にある。Zn−Al型ハイドロタルサイトの平均粒径は、好ましくは、0.1μm乃至2μmの範囲内にある。なお、この平均粒径は、レーザー回折・散乱法より求めることができる。
Zn−Al型ハイドロタルサイトは、マグネシウムイオンと亜鉛イオンとアルミニウムイオンとを含む層状複水酸化物であり、典型的には、その組成は、下記一般式(1)で表される。
(1):[MgyZnz1-xAlx(OH)2(An-x/n・mH2
一般式(1)において、xは、0.1乃至0.5の範囲内にある数値である。
一般式(1)において、yは、0.5乃至1の範囲内にある数値であり、且つ次の式(2)を満たす値である。
(2):y+x=1
一般式(1)において、zは、0<z≦0.5の範囲内にある数値である。
一般式(1)において、nは1又は2である。
一般式(1)において、An-はn価のアニオン、即ち、(CO32-又は(ClO4-である。
一般式(1)において、mは、0乃至1の範囲内にある数値である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対するZn−Al型ハイドロタルサイトの含有量は、0.01質量部以上であり、0.01質量部乃至5質量部の範囲内にあることが好ましく、0.1質量部乃至5質量部の範囲内にあることがより好ましく、0.5質量部乃至5質量部の範囲内にあることが更に好ましい。Zn−Al型ハイドロタルサイトの含有量が少ないと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性が低い傾向にある。Zn−Al型ハイドロタルサイトの含有量が多いと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品において、発泡が生じる傾向にある。
この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、Zn−Al型ハイドロタルサイト以外の亜鉛系安定化剤を含んでいてもよい。Zn−Al型ハイドロタルサイト以外の亜鉛系安定化剤としては、例えば、カルボン酸亜鉛塩、亜鉛金属錯体、酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛又はこれらの混合物を挙げることができる。
ここで、カルボン酸亜鉛塩に含まれるカルボン酸としては、例えば、モンタン酸、コメ糠脂肪酸、ベヘニン酸、エルシン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、コメ脂肪酸、リシノレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、低級脂肪酸、オクチル酸、イソステアリン酸、ダイマー酸、ナフテン酸、酢酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、クロトン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、チオジプロピオン酸等、又はこれらの混合物を挙げることができる。
カルボン酸亜鉛塩としては、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
また亜鉛と錯体を形成する化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン等、又はこれらの混合物が挙げられる。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対するカルボン酸亜鉛塩、又は亜鉛金属錯体の含有量は、1.5質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以下であることがより好ましく、0.01質量部乃至1.0質量部の範囲内にあることが更に好ましい。カルボン酸亜鉛塩、又は亜鉛金属錯体の含有量が多いと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性が低く、分解を生じやすい傾向にある。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する酸化亜鉛の含有量は、1.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましい。酸化亜鉛の含有量が多いと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性が低く、分解を生じやすい傾向にある。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する塩基性炭酸亜鉛の含有量は、1.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましい。塩基性炭酸亜鉛の含有量が多いと、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性が低く、分解を生じやすい傾向にある。
この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、上記の安定化剤以外の安定化剤を含んでいてもよい。上記の安定化剤以外の安定化剤としては、例えば、無機化合物、カルボン酸金属塩、金属錯体、有機亜リン酸エステル類、エポキシ化合物、多価アルコール又はこれらの混合物を挙げることができる。
無機化合物は、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナけい酸ナトリウム、ハイドロカルマイト、けい酸アルミニウム、けい酸マグネシウム、けい酸カルシウム、ゼオライト等のけい酸金属塩、活性白土、タルク、クレイ、ベンガラ、アスベスト、三酸化アンチモン、セリサイト、ガラスフレーク、アスベスト、ワラストナイト、チタン酸カリウム、PMF、石膏繊維、ゾノライト、MOS,ホスフェートファイバー、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、Mg−Al型ハイドロタルサイト等、又はそれらの混合物である。
ここで、Mg−Al型ハイドロタルサイトは、マグネシウムイオンとアルミニウムイオンとを含む層状複水酸化物であり、典型的には、その組成は、下記一般式(3)で表される。
一般式(3):[Mg1-aAla(OH)2](CO3)a/・nH2
一般式(3)において、aは、0<a≦0.5の範囲内にある数値である。
一般式(3)において、nは、0乃至15の範囲内にある数値である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する無機化合物の含有量は、5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至2質量部の範囲内にあることがより好ましい。
カルボン酸金属塩は、例えば、アルカリ土類金属又はアルカリ金属と、カルボン酸との塩である。
アルカリ土類金属は、例えば、マグネシウム、カルシウム又はこれらの混合物である。アルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム又はこれらの混合物である。
カルボン酸金属塩に含まれるカルボン酸としては、例えば、モンタン酸、コメ糠脂肪酸、ベヘニン酸、エルシン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、コメ脂肪酸、リシノレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、低級脂肪酸、オクチル酸、イソステアリン酸、ダイマー酸、ナフテン酸、酢酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、クロトン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、チオジプロピオン酸等、又はこれらの混合物を挙げることができる。
アルカリ土類金属とカルボン酸との塩としては、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対するカルボン酸金属塩の含有量は、5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至2質量部の範囲内にあることがより好ましい。
金属と錯体を形成する化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン等、又はこれら混合物を挙げることができる。
金属錯体に含まれる金属としては、アルカリ金属、アルカリ金属土類又はこれらの混合物を挙げることができる。
アルカリ土類金属は、例えば、マグネシウム、カルシウム又はこれらの混合物である。 アルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム又はこれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する金属錯体の含有量は、5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至2質量部の範囲内にあることがより好ましい。
有機亜リン酸エステル類(ホスファイト)は、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ−又はジ-混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等、又はこれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する有機亜リン酸エステル類の含有量は、5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至3質量部の範囲内にあることがより好ましい。
エポキシ化合物は、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油等のエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸2−エチルヘキシル、エポキシ化ステアリン酸ステアリルエステル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等のエポキシ化合物等、又はそれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対するエポキシ化合物の含有量は、5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至3質量部の範囲内にあることがより好ましい。
多価アルコールは、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、ジグリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等、又はそれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する多価アルコールの含有量は、5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至3質量部の範囲内にあることがより好ましい。
この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、上述した安定化剤の他に、必要に応じて、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤等又はこれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する酸化防止剤の含有量は、3質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至1質量部の範囲内にあることがより好ましい。
可塑剤は、例えば、フタレート系可塑剤、アジペート系可塑剤、トリメリテート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、エポキシ系可塑剤等、又はこれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する可塑剤の含有量は、100質量部以下であることが好ましく、0.1質量部乃至100質量部の範囲内にあることがより好ましい。
滑剤は、例えば、脂肪酸、エステルワックス、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等、又はこれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する滑剤の含有量は、15質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至10質量部の範囲内にあることがより好ましい。
充填剤は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスビーズ、マイカ等又はこれらの混合物である。
100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対する充填剤の含有量は、20質量部以下であることが好ましく、0.01質量部乃至15質量部の範囲内にあることがより好ましい。
この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、Zn−Al型ハイドロタルサイトの他に、カルボン酸亜鉛塩と、カルボン酸アルカリ金属塩又はカルボン酸アルカリ土類金属塩と、多価アルコール類とからなる群のうち、1つ以上を含んでいることが好ましく、2つ以上を含んでいることがより好ましく、すべてを含んでいることが更に好ましい。
上述したように、この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、熱安定化剤として、Zn−Al型ハイドロタルサイトを用いている。それゆえ、この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、鉛、カドミウム、スズなどの重金属を含む安定化剤を含有することなく、優れた熱安定性を実現することができる。
本発明の他の態様によると、上述した塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品が提供される。上述したように、この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、鉛、カドミウム、スズなどの重金属を含有せず、熱安定性に優れている。それゆえ、この塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品は、毒性が低く、環境に与える影響が小さく、且つ優れた熱安定性を有し、外観が良好である。したがって、この成形品は、建築部材、管工機材、住宅資材などの様々な用途で好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<例1>
先ず、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂と、0.5質量部のステアリン酸亜鉛と、0.5質量部のステアリン酸カルシウムと、0.5質量部の酸化防止剤と、0.5質量部の水酸化マグネシウムと、0.5質量部のジペンタエリスリトールと、0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトとを混合して、樹脂組成物を得た。この塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は、67質量%であった。
次いで、ロールミルにこの樹脂組成物を投入し、200℃の温度で加熱しながら、この樹脂組成物を十分に混練し、シート状に成形して、成形品を得た。なお、この成形品の厚さは1mmであった。以下、この成形品を成形品A1という。
<例2>
ステアリン酸亜鉛の添加量を0.5質量部から1.0質量部に変更したこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトを加えなかったこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A2という。
<例3>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに酸化亜鉛を添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A3という。
<例4>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに塩基性炭酸亜鉛を添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A4という。
<例5>
Zn−Al型ハイドロタルサイトを添加しなかったこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A5という。
<例6>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A6という。
<例7>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びステアリン酸亜鉛の添加量を0.5質量部から1.0質量部に変更したこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトを加えなかったこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A7という。
<例8>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに酸化亜鉛を添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A8という。
<例9>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに塩基性炭酸亜鉛を添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A9という。
<例10>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトを添加しなかったこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A10という。
<例11>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から1.0質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A11という。
<例12>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から2.0質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A12という。
<例13>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から3.0質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A13という。
<例14>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から5.0質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A14という。
<例15>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの代わりにMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A15という。
<例16>
0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、1.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A16という。
<例17>
0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、2.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A17という。
<例18>
0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、3.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A18という。
<例19>
0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、5.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A19という。
<例20>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から1.0質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A20という。
<例21>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から2.0質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A21という。
<例22>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から3.0質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A22という。
<例23>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から5.0質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A23という。
<例24>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりにMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A24という。
<例25>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及び0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、1.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A25という。
<例26>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及び0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、2.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A26という。
<例27>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及び0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、3.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A27という。
<例28>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及び0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、5.0質量部のMg−Al型ハイドロタルサイトを添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A28という。
<例29>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から0.01質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A29という。
<例30>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から0.05質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A30という。
<例31>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から0.1質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A31という。
<例32>
Zn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から10.0質量部へと変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A32という。
<例33>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から0.01質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A33という。
<例34>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から0.05質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A34という。
<例35>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から0.1質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A35という。
<例36>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトの添加量を0.5質量部から10.0質量部へと変更したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A36という。
<例37>
ステアリン酸亜鉛の添加量を0.5質量部から1.5質量部に変更したこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトを加えなかったこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A37という。
<例38>
0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、1.0質量部の酸化亜鉛を添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A38という。
<例39>
0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、1.0質量部の塩基性炭酸亜鉛を添加したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A39という。
<例40>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、ステアリン酸亜鉛の添加量を0.5質量部から1.5質量部に変更したこと、及びZn−Al型ハイドロタルサイトを加えなかったこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A40という。
<例41>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及び0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、1.0質量部の酸化亜鉛を添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A41という。
<例42>
塩素化塩化ビニル系樹脂の代わりに塩化ビニル系樹脂を用いたこと、及び0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトの代わりに、1.0質量部の塩基性炭酸亜鉛を添加したこと、ロールミルでの混練温度を200℃から170℃に変更したこと以外は、例1に記載したのと同様の方法で成形品を得た。以下、この成形品を成形品A42という。
<静的熱安定性評価>
成形品A1乃至A42について、静的熱安定性を評価した。具体的には、先ず、各成形品から、一定形状の試験片を切り出した。次いで、200℃のプレスでこの試験片を10MPaで加圧、加熱し続けた。次いで、色差計を用いて、この試験片と白板との色差を測定した。この測定は、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品においては、試験開始から10分後、30分後及び50分後にそれぞれ行い、塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品においては、10分後、30分後及び60分後にそれぞれ行った。
なお、試験片の一部が黒化した状態であった場合、又は試験片全体が黒化した状態であった場合、色差の測定は行わなかった。
この結果を、表1乃至表7に示す。
表1乃至表7において、「静的熱安定性色差ΔE」と表記した行のうち、「10分」と表記した行には、試験開始から10分後の試験片と白板との色差を記載している。「30分」と表記した行には、試験開始から30分後の試験片と白板との色差を記載している。「50分」と表記した行には、試験開始から50分後の試験片と白板との色差を記載している。「60分」と表記した行には、試験開始から60分後の試験片と白板との色差を記載している。
また、表1乃至表7において、「静的熱安定性色差ΔE」の試験結果のうち、「一部分解」という記載は、上述した試験片の一部が黒化した状態であったことを意味している。また、「分解」という記載は、上述した試験片全体が黒化した状態であったことを意味している。
図1は、試験時間と色差との関係の一例を示すグラフである。図1は、例1乃至例5で得られたデータを用いて作成している。図1に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A1乃至A5について得られた色差を表している。
図1及び表1から明らかなように、成形品A1の色差は、すべての試験時間において、成形品A5の色差よりも小さかった。また、成形品A2の色差は、試験時間10分及び30分においては成形品A5の色差よりも小さかったが、試験時間50分においては、成形品A5の色差とほぼ同じであった。また、成形品A3の色差は、試験時間10分においては成形品A5の色差よりも小さかったが、成形品A3は、試験時間30分においては一部黒化し、試験時間50分においては黒化した。また、成形品A4の色差は、試験時間10分においては成形品A5の色差よりも小さかったが、成形品A4は、試験時間30分において黒化した。
すなわち、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対して、1.0質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、0.5質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性と比較すると、初期の劣化進行速度は遅かったが、後期の劣化進行速度はほぼ同一であった。また、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対して、0.5質量部の酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を含有させた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を含有しない塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも低かった。
一方、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対して、0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトを含有させた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、Zn−Al型ハイドロタルサイトを含有しない塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高かった。
図2は、試験時間と色差との関係の他の例を示すグラフである。図2は、例6乃至例10で得られたデータを用いて作成している。図2に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A6乃至A10について得られた色差を表している。
図2及び表1から明らかなように、成形品A6乃至A10は、試験時間60分において黒化した。また、成形品A6の色差は、試験時間10分及び30分において成形品A10の色差とほぼ同じであった。また、成形品A7の色差は、試験時間10分及び30分において成形品A10の色差よりも小さかった。また、成形品A8の色差は、試験時間10分及び30分において成形品A10の色差よりも小さかった。また、成形品A9の色差は、試験時間10分及び30分において成形品A10の色差よりも小さかった。
すなわち、100質量部の塩化ビニル系樹脂に対して、1.0質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、0.5質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高かった。100質量部の塩化ビニル系樹脂に対して、0.5質量部の酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を含有しない塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高かった。
一方、100質量部の塩化ビニル系樹脂に対して、0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトを含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、Zn−Al型ハイドロタルサイトを含有しない塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性とほぼ同じであった。
図3は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図3は、例1、例5及び例11乃至例14で得られたデータを用いて作成している。図3に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A1、A5及びA11乃至A14について得られた色差を表している。
図3及び表2から明らかなように、成形品A1及びA11乃至A14の色差は、すべての試験時間において、成形品A5の色差よりも小さかった。また、成形品A12乃至A14の色差は、すべての試験時間において、成形品A1、A5及びA11の色差よりも小さかった。
すなわち、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物におけるZn−Al型ハイドロタルサイトの含有量が多いと、その成形品の熱安定性が高い傾向にある。
図4は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図4は、例5及び例15乃至例19で得られたデータを用いて作成している。図4に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A5及びA15乃至A19について得られた色差を表している。
図4及び表2から明らかなように、成形品A15乃至A19の色差は、試験時間10分においては、成形品A5の色差よりも小さかったが、試験時間30分及び50分においては、成形品A5の色差とほぼ同一であった。
表2並びに図3と図4との対比から明らかなように、Zn−Al型ハイドロタルサイトを含有する塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、Mg−Al型ハイドロタルサイトを含有する塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高い傾向にある。
図5は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図5は、例6、例10及び例20乃至例23で得られたデータを用いて作成している。図5に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A6、A10及びA20乃至A23について得られた色差を表している。
図5及び表3から明らかなように、成形品A6、A10及びA20乃至A23は、試験時間60分において黒化した。また、成形品A6及びA20乃至A23の色差は、試験時間10分において、成形品A10の色差よりも大きかった。また、成形品A6及びA20乃至A23の色差は、試験時間30分において、成形品A10の色差よりも小さかった。
すなわち、塩化ビニル系樹脂組成物におけるZn−Al型ハイドロタルサイトの含有量が多いと、成形品の劣化進行速度は遅くなるが、初期の劣化進行速度は速まる傾向にある。
図6は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図6は、例10及び例24乃至例28で得られたデータを用いて作成している。図6に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A10及びA24乃至A28について得られた色差を表している。
図6及び表3から明らかなように、成形品A24乃至A28の色差は、試験時間10分において、成形品A10の色差よりも大きかった。また、成形品A24乃至A28の色差は、試験時間30分において、成形品A10の色差よりも小さかった。また、成形品A24乃至A28は、試験時間60分においても黒化しなかった。
すなわち、塩化ビニル系樹脂組成物におけるMg−Al型ハイドロタルサイトの含有量が多いと、成形品の劣化進行速度は遅くなるが、初期の劣化進行速度は速まる傾向にある。
表3並びに図5及び図6の対比から明らかなように、Zn−Al型ハイドロタルサイトを含有する塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、Mg−Al型ハイドロタルサイトを含有する塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性と比較して、低い傾向にある。
図7は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図7は、例1、例5、例11乃至例14及び例29乃至例32で得られたデータを用いて作成している。図7に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A1、A5、A11乃至A14及びA29乃至A32について得られた色差を表している。
図7及び表4から明らかなように、すべての試験時間において、成形品A1、A11乃至A14及びA29乃至A32の色差は、成形品A5の色差よりも小さかった。また、成形品A1、A11乃至A14、A31及びA32の色差は、成形品A5、A29及びA30の色差よりも小さかった。
ここで、成形品A32は、試験時間50分において、発泡していることを確認した。すなわち、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対するZn−Al型ハイドロタルサイトの含有量が0.01質量部以上であると、その成形品の熱安定性が高く、その含有量が0.1質量部以上であると、その成形品の熱安定性がより高い傾向にある。また、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対するZn−Al型ハイドロタルサイトの含有量が10質量部以上であると、その成形品に発泡を引き起こすことがある。
図8は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図8は、例6、例10、例20乃至例23、及び例33乃至例36で得られたデータを用いて作成している。図8に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A6、A10、A20乃至A23、及びA33乃至A36について得られた色差を表している。
図8及び表5から明らかなように、成形品A6、A10、A20乃至A23、及びA33乃至A36は、試験時間60分において黒化した。また、成形品A6、A20乃至A23、及びA33乃至A36の色差は、試験時間10分において、成形品A10の色差よりも大きかった。また、成形品A6、A20乃至A23、及びA33乃至A36の色差は、試験時間30分において、成形品A10の色差よりも小さかった。
図9は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図9は、例5、例11及び例37乃至例39で得られたデータを用いて作成している。図9に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A5、A11及びA37乃至A39について得られた色差を表している。
図9及び表6から明らかなように、成形品A11の色差は、すべての試験時間において、成形品A1及びA5の色差よりも小さかった。また、成形品A37の色差は、試験時間10分においては成形品A2及びA5の色差よりも小さかったが、成形品A37は、試験時間30分において一部黒化し、試験時間50分においては黒化した。また、成形品A38の色差は、試験時間10分においては成形品A3の色差より大きく、A5の色差よりも小さかったが、成形品A38は、試験時間30分においては黒化した。また、成形品A39の色差は、試験時間10分においては成形品A4の色差よりも大きく、成形品A5の色差よりも小さく、試験時間30分において黒化した。
すなわち、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対して、1.5質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、1.0質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性と比較すると、初期の劣化速度は遅かったが、後期の劣化速度は早かった。また、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対して、1.0質量部の酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を添加した塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性は、0.5質量部の酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を添加した塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも低かった。
一方、100質量部の塩素化塩化ビニル系樹脂に対して、1.0質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトを添加した塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトを添加した塩素化塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高かった。
図10は、試験時間と色差との関係の更に他の例を示すグラフである。図10は、例10、例20及び例40乃至例42で得られたデータを用いて作成している。図10に示すグラフにおいて、横軸は試験時間を表し、縦軸は成形品A10、A20及びA40乃至A42について得られた色差を表している。
図10及び表7から明らかなように、成形品A10、A20及びA40乃至A42は、試験時間60分において黒化した。また、成形品A20の色差は、試験時間10分及び30分において成形品A6及びA10の色差とほぼ同じであった。また、成形品A40の色差は、試験時間10分及び30分において成形品A7及びA10の色差よりも小さかった。また、成形品A41の色差は、試験時間10分において成形品A8及びA10の色差よりも小さく、試験時間30分において成形品A8の色差とほぼ同一であり、成形品A10の色差よりも小さかった。また、成形品A42の色差は、試験時間10分において成形品A9及びA10の色差よりも小さく、試験時間30分において成形品A9とほぼ同一であり、A10の色差よりも小さかった。
すなわち、100質量部の塩化ビニル系樹脂に対して、1.5質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、1.0質量部のステアリン酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高かった。また、100質量部の塩化ビニル系樹脂に対して、1.0質量部の酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、0.5質量部の酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛を含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性よりも高かった。
一方、100質量部の塩化ビニル系樹脂に対して、1.0質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトを含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性は、0.5質量部のZn−Al型ハイドロタルサイトを含有させた塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形品の熱安定性とほぼ同一であった。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
塩素含有量が58質量%以上の塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部と、0.01質量部以上のZn−Al型ハイドロタルサイトとを含む塩素化塩化ビニル系樹脂組成物。
[2]
前記Zn−Al型ハイドロタルサイトの含有量は、0.01質量部乃至5質量部の範囲内にある[1]に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物。
[3]
カルボン酸亜鉛塩と、カルボン酸アルカリ金属塩又はカルボン酸アルカリ土類金属塩と、多価アルコール類とを更に含む[1]又は[2]に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物。
[4]
[1]乃至[3]の何れか1に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品。

Claims (3)

  1. 塩素含有量が58質量%以上の塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部と、0.01質量部以上のZn−Al型ハイドロタルサイト、カルボン酸亜鉛塩、カルボン酸アルカリ金属塩若しくはカルボン酸アルカリ土類金属塩、多価アルコール、及び無機化合物からなる熱安定化剤とを含み、
    前記無機化合物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、及びMg−Al型ハイドロタルサイトからなる群より選ばれる1種類以上である塩素化塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 前記無機化合物は、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも一方である請求項1に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる成形品。
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