JP6340883B2

JP6340883B2 - 陳列棚

Info

Publication number: JP6340883B2
Application number: JP2014078310A
Authority: JP
Inventors: 一成畠
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 2014-04-07
Filing date: 2014-04-07
Publication date: 2018-06-13
Anticipated expiration: 2034-04-07
Also published as: JP2015198713A

Description

本発明は、コンパクトに折り畳み可能であり、設置場所で容易に組み立てられる陳列棚に関するものである。

従来、スーパーマーケットやドラッグストア等の店舗やショールームにおいて新商品の販促キャンペーンを行う場合、顧客に対し、その商品をいかに目立たせて強く印象付けるかが商品の購買チャンスを高めることにつながる。このように、顧客に商品を印象付ける手段として、商品に関する情報を表示した陳列棚に商品を配置するのが効果的である。

このような陳列棚としては、組み立て前はコンパクトに折り畳んで設置場所への搬入を容易にするとともに、設置場所へ搬入された後は容易に且つ迅速に組み立て可能とすることが好ましい。また、設置スペースをとらないように吊り下げ式とすることが好ましい。例えば、特許文献１には、折出線を入れた折出板に、折出線を挟んで上下にわたるように部分的に切り抜いて形成した抜き板を、左右に分離して複数形成し、各抜き板には折出線と平行の折込線を入れ、折出線と折込線との折曲げ方向を逆にして収納域を形成するとともに、折出板の側縁に折線を介して延設した連結板どうしを連結することで、収納域に商品を収納していない状態でも収納域の膨れ状態が保持されるようにした側固定陳列枠が開示されている。

特許第３９５７４８７号公報

ところで、例えば販促キャンペーンを行う商品にバリエーションがある場合等、陳列棚を複数の商品に流用したいという要望がある。特許文献１の陳列棚では、収納域に収納可能な大きさであれば、別の商品も陳列することはできる。しかしながら、通常は陳列棚の表面には特定の商品に関する情報が表示されているため、陳列棚を他の商品に流用することは困難であった。

本発明は、上記問題点に鑑み、コンパクトに折り畳み可能であり、設置場所で容易に組み立てられるとともに、二種類の商品の陳列棚として兼用可能な陳列棚を提供することを目的としている。

上記目的を達成するために本発明は、所定の商品情報が表示された第１面と、該第１面とは異なる商品情報が表示された第２面と、を有し、前記第１面及び前記第２面に樹脂フィルム層が積層された紙製のブランク板から構成され、天側折出板と、該天側折出板の下端縁に折り線を介して連設される前側折出板と、で構成される一以上の折出板と、該折出板の内側に形成され、上端縁が前記天側折出板に連結された後側折込板と、該後側折込板の下端縁に折り線を介して連設され、下端縁が前側前側折出板に連結される地側折込板と、で構成される一以上の折込板と、前記天側折出板の側端縁に折り線を介して連設される外側面形成板と、前記前側折出板の側端縁に折り線を介して連設される内側面形成板と、
を備え、前記折出板を前記第１面側に折り出し、前記折込板を前記第２面側に折り込んだ状態で、前記外側面形成板と前記内側面形成板のいずれか一方に形成された差し込み片を、他方に形成された差し込み孔に差し込むことにより、前記折出板と前記折込板とで囲まれた収納部が前記第１面側に形成された第１の状態に組み立てられ、前記折出板を前記第２面側に折り出し、前記折込板を前記第１面側に折り込んだ状態で、前記差し込み片を前記差し込み孔に差し込むことにより、前記収納部が前記第２面側に形成された第２の状態に組み立てられる陳列棚である。

また本発明は、上記構成の陳列棚において、前記差し込み片は、前記外側面形成板の前記前側折出板に近接する端縁に形成され、前記差し込み孔は、前記前側折出板と前記前側折出板との境界に沿って形成されており、前記差し込み片を前記外側面形成板に対し垂直に折り曲げて前記差し込み孔に差し込むことにより、前記収納部が形成されることを特徴としている。

また本発明は、上記構成の陳列棚において、前記折出板の上端に折り線を介して連続する表示板を備え、前記表示板の上下方向の略中央部には、前記表示板を水平方向に横断する屈曲線が形成されることを特徴としている。

また本発明は、上記構成の陳列棚において、前記ブランク板は、２枚の紙層と、該紙層の表面にそれぞれ形成される、前記第１面と前記第２面に対応する印刷層と、該印刷層の表面に積層される前記樹脂フィルム層と、前記各紙層の裏面側同士を接着する接着層と、を含む積層紙で形成されることを特徴としている。

また本発明は、上記構成の陳列棚において、前記収納部は、前記折込板の折り込みによって前記天側折出板に形成される天側開口部と、該天側開口部に連続するように前記前側折出板に形成される前側開口部と、から成る開口部を有し、前記天側開口部は、前記収納部に収納される商品の外径よりも開口幅が大きく、前記前側開口部には、前記収納部に収納される商品の外径よりも小さい幅狭部が形成されることを特徴としている。

また本発明は、所定の商品情報が表示された第１面と、該第１面とは異なる商品情報が表示された第２面と、を有し、前記第１面及び前記第２面に樹脂フィルム層が積層された紙製のブランク板から構成され、天側折出板と、該天側折出板の下端縁に折り線を介して連設される前側折出板と、で構成される一以上の折出板と、該折出板の内側に形成され、上端縁が前記天側折出板に連結された後側折込板と、該後側折込板の下端縁に折り線を介して連設され、下端縁が前側前側折出板に連結される地側折込板と、で構成される一以上の折込板と、前記天側折出板の側端縁に折り線を介して連設され、前記前側折出板に近接する端縁に差し込み片が形成された外側面形成板と、前記前側折出板の側端縁に折り線を介して連設され、前記前側折出板との境界に沿って前記差し込み片が挿入される差し込み孔が形成された内側面形成板と、前記折出板の上端に折り線を介して連続するとともに、上下方向の略中央部を水平方向に横断する屈曲線が形成された表示板と、を備え、前記折出板を前記第１面側または前記第２面側に折り出し、前記折込板を前記折出板と反対側に折り込んだ状態で、前記差し込み片を前記差し込み孔に差し込むことにより、前記天側折出板に形成される天側開口部と、該天側開口部に連続するように前記前側折出板に形成される前側開口部と、から成る開口部を有し、前記折出板と前記折込板とで囲まれた収納部が形成され、前記折出板を前記第１面側に折り出し、前記折込板を前記第２面側に折り込むことにより、前記収納部が前記第１面側に形成された第１の状態に組み立てられ、前記折出板を前記第２面側に折り出し、前記折込板を前記第１面側に折り込むことにより、前記収納部が前記第２面側に形成された第２の状態に組み立てられる陳列棚である。

本発明の第１の構成によれば、平坦状に折り畳んだブランク板の状態で設置場所への搬入が可能であり、保管スペースも小さい陳列棚となる。また、折出板、折込板、外側面形成板、及び内側面形成板を折り線に沿って折り曲げるだけで簡単に組み立てられるため、陳列棚の設置作業も容易となる。また、折出板の折り出し方向、及び折込板の折り込み方向を変更するだけで、所定の商品情報が表示された第１面側に収納部が形成された第１の状態と、第１面とは異なる商品情報が表示された第２面側に収納部が形成された第２の状態とを選択して組み立てることができる。従って、二種類の商品の陳列棚として兼用できる陳列棚となる。また、ブランク板の第１面及び第２面に樹脂フィルム層を積層することによりブランク板の強度を高めることができ、組み立て作業を繰り返し行った場合の折り線部分の破損を防止することができる。

また、本発明の第２の構成によれば、上記第１の構成の陳列棚において、外側面形成板の前側折出板に近接する端縁に形成された差し込み片を外側面形成板に対し垂直に折り曲げ、前側折出板と前側折出板との境界に沿って形成された差し込み孔に差し込んで収納部を形成することにより、収納部に収納された商品の荷重が差し込み片と差し込み孔の係合方向である水平方向に対し垂直に作用するため、係合が外れにくくなる。また、商品の荷重が収納部の稜部に集中して加わるため、収納部の耐荷重を大きくすることができる。

また、本発明の第３の構成によれば、上記第１又は第２の構成の陳列棚において、折出板の上端に折り線を介して連続する表示板を備えることにより、商品の宣伝を行う広告宣伝機能を一層高めた陳列棚となる。また、表示板の上下方向の略中央部を水平方向に横断する屈曲線を形成することにより、表示板に作用する荷重を逃がすことができ、表示板の縦方向の撓みを抑制することができる。また、屈曲部がリブの役割を果たすため横方向の曲げ強度が大きくなり、表示板の横方向の撓みも抑制することができる。さらに、表示板が屈曲することで、陳列棚を上方から下方に亘って壁面に沿った形状で吊り下げることができ、吊り下げ状態が安定する。

また、本発明の第４の構成によれば、上記第１乃至第３のいずれかの構成の陳列棚において、２枚の紙層と、各紙層の表面にそれぞれ形成される、第１面と第２面に対応する印刷層と、印刷層の表面に積層される樹脂フィルム層と、各紙層の裏面側同士を接着する接着層と、を含む積層紙を用いてブランク板を形成することにより、ブランク板を折り線に沿って繰り返し折り曲げた場合でもブランク板の破れを抑制することができ、印刷層も保護することができる。また、異なる印刷層が積層された２枚の紙層を貼り合わせることで、積層紙の製造工程を簡素化することができる。

また、本発明の第５の構成によれば、上記第１乃至第４のいずれかの構成の陳列棚において、収納部は、折込板の折り込みによって天側折出板に形成される天側開口部と、天側開口部に連続するように前側折出板に形成される前側開口部と、から成る開口部を有し、天側開口部の開口幅を、収納部に収納される商品の外径よりも大きくすることにより、収納部への商品の収納、及び収納部からの商品の取り出しを、天側開口部を介して容易に行うことができる。また、前側開口部には、収納部に収納される商品の外径よりも小さい幅狭部を形成することにより、前側開口部からの商品の抜け落ちを防止することができる。

また、本発明の第６の構成によれば、折出板を第１面側または第２面側に折り出し、折込板を折出板と反対側に折り込んだ状態で、差し込み片を差し込み孔に差し込むことにより、天側折出板に形成される天側開口部と、該天側開口部に連続するように前側折出板に形成される前側開口部と、から成る開口部を有し、折出板と折込板とで囲まれた収納部が形成されるため、平坦状に折り畳んだブランク板の状態で設置場所への搬入が可能であり、折出板、折込板、外側面形成板、及び内側面形成板を折り線に沿って折り曲げるだけで簡単に組み立てられるため、設置作業も容易な陳列棚となる。また、折出板に連続する表示板を備えることにより、商品の宣伝を行う広告宣伝機能を一層高めた陳列棚となる。さらに、折出板を第１面側に折り出し、折込板を第２面側に折り込むことにより、収納部が第１面側に形成された第１の状態に組み立てられ、折出板を第２面側に折り出し、折込板を第１面側に折り込むことにより、収納部が第２面側に形成された第２の状態に組み立てられるため、二種類の商品の陳列棚として兼用できる陳列棚となる。

本発明の一実施形態に係る陳列棚１００のブランク板１を第１面側から見た平面図本発明の一実施形態に係る陳列棚１００のブランク板１を第２面側から見た平面図陳列棚１００のブランク板１を構成する積層紙３０の断面図本実施形態の陳列棚１００の組み立て途中の状態を示す斜視図であり、図１の状態から折出板３を第１面側に折り出し、折込板５を第２面側に折り込んで収納部１１が形成された状態を示す図第１面側に収納部１１が形成された第１の状態に組み立てられた陳列棚１００の斜視図第１の状態に組み立てられた陳列棚１００の収納部１１の正面図収納部１１を図６の左方向から見た側面図陳列棚１００を壁面２１に吊り下げた状態を示す部分側面図本実施形態の陳列棚１００の組み立て途中の状態を示す斜視図であり、図２の状態から折出板３を第２面側に折り出し、折込板５を第１面側に折り込んで収納部１１が形成された状態を示す図第２面側に収納部１１が形成された第２の状態に組み立てられた陳列棚１００の斜視図

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図面においては、折り線を点線、切り込み線を実線で示すものとする。図１及び図２は、それぞれ本発明の一実施形態に係る陳列棚１００のブランク板１を第１面側及び第２面側から見た平面図である。

図１に示すように、陳列棚１００のブランク板１は、積層紙３０（図３参照）を所定の形状に打ち抜いて形成されており、表示板２と、表示板２の下端縁に折り線Ｌ１〜Ｌ３を介して順次連設される複数（ここでは３枚）の折出板３と、各折出板３の内側に形成された複数（ここでは２枚）の折込板５と、各折出板３の側端縁に折り線Ｌ９を介して連設される外側面形成板７、及び、折り線Ｌ１０を介して連設される内側面形成板９とで構成される。

表示板２は、絵や写真、文字等が印刷されることで商品の宣伝を行う部分である。表示板２の第１面側には、陳列棚１００に陳列される商品（新商品Ａ）に関する情報が印刷されている。一方、図２に示すように、表示板２の第２面側には、陳列棚１００に陳列される他の商品（新商品Ｂ）に関する情報が印刷されている。表示板２の上部には、吊り下げ用の紐１５（図５参照）を通す抜き穴２ａが形成されている。また、表示板２の上下方向（天地方向）の略中央部には、表示板２を水平方向に横断する折り罫から成る屈曲線１７が形成されている。

折出板３は、天側折出板３ａと、天側折出板３ａの下端縁に折り線Ｌ４〜Ｌ６を介して連設される前側折出板３ｂとで構成されている。折込板５は、天側折出板３ａの上端縁（折り線Ｌ１〜Ｌ３）から折り線Ｌ４〜Ｌ６を跨いで前側折出板３ｂの下部まで延びる一対の切り込み線１０によって形成され、後側折込板５ａと、後側折込板５ａの下端縁に折り線Ｌ７を介して連設される地側折込板５ｂとで構成されている。天側折出板３ａと後側折込板５ａの連結部分には折り線Ｌ１〜Ｌ３が形成されておらず、前側折出板３ｂと地側折込板５ｂの連結部分には折り線Ｌ８が形成されている。

外側面形成板７は直角三角形状であり、天側折出板３ａの側端縁に折り線Ｌ９を介して連設される。前側折出板３ｂに近接する外側面形成板７の端縁（下辺）は前側折出板３ｂの側端縁と略同一の長さであり、２つの差し込み片７ａが形成されている。

内側面形成板９は、前側折出板３ｂの側端縁に折り線Ｌ１０を介して連設される。内側面形成板９と前側折出板３ｂの側端縁との境界（折り線Ｌ１０）に沿って、平面視コ字状の差し込み孔９ａが形成されている。差し込み孔９ａは、陳列棚１００を組み立てたとき外側面形成板７の差し込み片７ａに重なる位置に形成されており、差し込み孔９ａの開口幅は、差し込み片７ａの幅方向寸法よりも僅かに大きくなっている。

なお、表示板２のみでなく、折出板３、外側面形成板７等のブランク板１の他の部分についても、表示板２に合わせて、第１面側に商品（新商品Ａ）に関する情報を印刷し、第２面側に他の商品（新商品Ｂ）に関する情報を印刷しておくことが好ましい。

図３は、陳列棚１００のブランク板１を構成する積層紙３０の断面図である。積層紙３０は、紙層３１と、印刷層３２と、樹脂フィルム層３３と、接着層３４とが積層された多層構造である。紙層３１は、積層紙３０の基材となる層である。紙層３１としては、例えば目付量２５０〜３５０ｇ／ｍ^２のカード紙が用いられる。本実施形態では、２枚の紙層３１を接着層３４によって貼り合わせた構成としている。

印刷層３２は、紙層３１の表面に文字、図形、記号、模様等の所望の印刷模様を形成するための層である。印刷層３２の形成方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式により紙層３１の表面に所望の印刷模様を形成する。

樹脂フィルム層３３は、印刷層３２の汚れや傷付きを防止するとともに、ブランク板１の強度を高めるための層である。樹脂フィルム層３３の形成方法としては、印刷層３２の表面にポリプロピレン（ＰＰ）フィルム、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルム等のフィルム層をドライラミネート法、熱ラミネート法等によりラミネートする。

接着層３４は、２枚の紙層３１の裏面同士を貼り合わせで１枚にするための層である。接着層３４としては、酢酸ビニル系接着剤、セルロース系接着剤等、紙層３１同士を接着可能な種々の接着剤を用いることができる。

積層紙３０の製造方法としては、先ず紙層３１の表面に所定の印刷方法により印刷層３２を積層する。このとき、ブランク板１の第１面側と第２面側の印刷に対応する、相異なる印刷層３２が積層された２枚の紙層３１を製造する。次に、各印刷層３２の表面にフィルムをラミネートして樹脂フィルム層３３を形成する。そして、第１面側と第２面側の印刷層３２が積層された２枚の紙層３１のうち、一方の紙層３１の裏面側に接着層３４を積層し、他方の紙層３１の裏面側と貼り合わせて積層紙３０とする。

このようにして製造された積層紙３０を、所定の形状に打ち抜くと同時に、折り罫線から成る折り線Ｌ１〜Ｌ１０、屈曲線１７を所定の位置に形成して図１、図２に示したブランク板１が製造される。

次に、本実施形態の陳列棚１００の組み立て手順について説明する。表示板２の第１面に記載された商品を陳列する場合、先ず、陳列棚１００のブランク板１を図１に示すように第１面側を表向きにし、折り線Ｌ１〜Ｌ３に沿って谷折りに折り曲げ、折り線Ｌ４〜Ｌ６に沿って山折りに折り曲げることにより、天側折出板３ａと前側折出板３ｂとを第１面側に折り出す。

次に、折り線Ｌ７に沿って後側折込板５ａと地側折込板５ｂとを谷折りに折り曲げ、折り線Ｌ８に沿って地側折込板５ｂを前側折出板３ｂに対して山折りに折り曲げることにより、後側折込板５ａと地側折込板５ｂとを第２面側に折り込む。これにより、図４に示すように、各折出板３に２箇所ずつ、計６箇所の収納部１１が形成される。

次に、図４の状態から、外側面形成板７、内側面形成板９を、それぞれ折り線Ｌ９、Ｌ１０に沿って山折りに折り曲げる。そして、外側面形成板７に形成された差し込み片７ａを、折り線Ｌ１０に沿って形成された差し込み孔９ａに差し込む。これにより、収納部１１の形状が保持され、図５に示すように、第１面側に収納部１１が形成された状態（第１の状態）の陳列棚１００が組み立てられる。組み立てられた陳列棚１００は、収納部１１に商品２０（図７参照）を収納した状態で、抜き穴２ａに取り付けられた吊り下げ用の紐１５により設置場所に吊り下げて使用する。

図６は、第１の状態に組み立てられた収納部１１の正面図であり、図７は、収納部１１を図５の左方向から見た側面図である。収納部１１は、天側折出板３ａ、前側折出板３ｂ、後側折込板５ａ、及び地側折込板５ｂにより側面視矩形状をなしている。収納部１１には、後側折込板５ａ及び地側折込板５ｂの折り込みによって天側折出板３ａに形成される天側開口部１２ａと、天側開口部１２ａに連続するように前側折出板３ｂに形成される前側開口部１２ｂとから成る開口部１２が形成されている。また、地側折込板５ｂと前側折出板３ｂとの折り曲げ角θは略９０°となっており、収納部１１は、地側折込板５ｂで商品２０の底部を支持するとともに、前側折出板３ｂで商品２０の前面側全域を支持している。

天側折出板３ａに形成される天側開口部１２ａの開口幅Ｗ１は、商品２０の外径Ｌよりも大きくなっている。これにより、収納部１１への商品２０の収納、及び収納部１１からの商品２０の取り出しを、天側開口部１２ａを介して容易に行うことができる。また、前側折出板３ｂに形成される前側開口部１２ｂには、開口部１２からの商品２０の抜け落ちを防止するために、商品２０の外径Ｒよりも小さい開口幅Ｗ２を有する幅狭部１３が形成されている。

図８は、組み立てられた陳列棚１００を壁面２１に吊り下げた状態を示す部分側面図である。図８に示すように、陳列棚１００を壁面２１に沿って吊り下げ、収納部１１に商品２０を収納した状態では、商品２０の荷重によって収納部１１の裏面側の角部１１ｃが壁面２１に当接する。このとき、表示板２が屈曲線１７に沿って屈曲することにより、表示板２の縦方向（図８の上下方向）に作用する商品２０の荷重を逃がすことができ、表示板２の縦方向の撓みを抑制することができる。

また、例えば陳列棚１００が壁面２１のコーナー部に吊り下げられた場合には、表示板２を壁面２１に沿って横方向（図８の紙面と垂直な方向）に湾曲させようとする力が作用するが、表示板２の屈曲部がリブの役割を果たすため曲げ強度が大きくなる。そのため、表示板２の横方向の撓みも抑制することができる。

さらに、表示板２が屈曲することで、紐１５を壁面２１のフック２３に引っ掛けたとき表示板２の上端と壁面２１とが接近する。これにより、陳列棚１００を上方から下方に亘って壁面２１に沿った形状で吊り下げることができ、吊り下げ状態が安定する。

一方、表示板２の第２面に記載された商品を陳列する場合、先ず、陳列棚１００のブランク板１を図２に示すように第２面側を表向きにし、折り線Ｌ１〜Ｌ３に沿って谷折りに折り曲げ、折り線Ｌ４〜Ｌ６に沿って山折りに折り曲げることにより、天側折出板３ａと前側折出板３ｂとを第２面側に折り出す。

次に、折り線Ｌ７に沿って後側折込板５ａと地側折込板５ｂとを谷折りに折り曲げ、折り線Ｌ８に沿って地側折込板５ｂを前側折出板３ｂに対して山折りに折り曲げることにより、後側折込板５ａと地側折込板５ｂとを第１面側に折り込む。これにより、図９に示すように、各折出板３に２箇所ずつ、計６箇所の収納部１１が形成される。

次に、図９の状態から、外側面形成板７、内側面形成板９を、それぞれ折り線Ｌ９、Ｌ１０に沿って山折りに折り曲げる。そして、外側面形成板７に形成された差し込み片７ａを、折り線Ｌ１０に沿って形成された差し込み孔９ａに差し込む。これにより、収納部１１の形状が保持され、図１０に示すように、第２面側に収納部１１が形成された状態（第２の状態）の陳列棚１００が組み立てられる。収納部１１の構成については、図６、図７に示した第１の状態と全く同様であるため説明を省略する。

図５または図１０のように組み立てられた陳列棚１００は、差し込み片７ａを差し込み孔９ａから引き抜いた後、折出板３及び折込板５を正面側及び背面側（第１面側及び第２面側）から押圧することで、再び図１、図２に示した平坦なブランク板１の状態に折り畳まれる。

本実施形態の陳列棚１００は、コンパクトに折り畳んだ状態で設置場所への搬入が可能であり、保管スペースも小さくなる。また、折出板３、折込板５、外側面形成板７、及び内側面形成板９を折り線Ｌ１〜Ｌ１０に沿って折り曲げるだけで簡単に組み立てられるため、陳列棚１００の設置作業も容易となる。

また、折出板３の折り出し方向、及び折込板５の折り込み方向を変更するだけで、図５に示したような第１面側に収納部１１が形成された第１の状態と、図１０に示したような第２面側に収納部１１が形成された第２の状態とを選択して組み立てることができる。従って、二種類の商品の陳列棚として兼用できる陳列棚１００となる。また、差し込み片７ａと差し込み孔９ａとの係合を外して折出板３の折り出し方向、及び折込板５の折り込み方向を変更するだけで、第１の状態と第２の状態とを簡単に切り替え可能となる。

また、図３に示したような、第１面側及び第２面側に樹脂フィルム層３３が積層された積層紙３０を用いてブランク板１を形成することにより、ブランク板１を折り線Ｌ１〜Ｌ１０に沿って繰り返し折り曲げた場合でもブランク板１の破れを抑制することができ、印刷層３２も保護することができる。従って、設置場所で第１の状態と第２の状態とを何度も切り替えて使用可能な陳列棚１００となる。また、異なる印刷層３２が積層された２枚の紙層３１を貼り合わせることで、１枚の紙層３１の両面に印刷層３２を積層する構成に比べて製造工程が簡素化される。

また、本実施形態の陳列棚１００は、外側面形成板７に形成された差し込み片７ａを直角に折り曲げ、内側面形成板９と前側折出板３ｂの境界（収納部１１の稜部）に形成された差し込み孔９ａに差し込むことにより収納部１１の形状が保持される。これにより、収納部１１に収納された商品２０の荷重が差し込み片７ａと差し込み孔９ａの係合方向（水平方向）に対し垂直に作用するため、係合が外れにくくなる。また、商品２０の荷重が収納部１１の稜部に集中して加わるため、例えば外側面形成板７と内側面形成板９とに切り込みを入れて形成した差し込み片同士を連結させる構成に比べて収納部１１の耐荷重を大きくすることができる。

その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、収納部１１が横方向に２列、縦方向に３列の計６箇所に形成された多段式の陳列棚１００としたが、収納部１１の個数や大きさは陳列する商品２０の形状や大きさ、重量等に応じて適宜変更可能であり、例えば収納部１１が１箇所であっても良い。

また、上記実施形態では、図７に示したように、収納部１１は地側折込板５ｂと前側折出板３ｂとのなす角度θを略９０°とすることにより、地側折込板５ｂで商品２０の底部を支持するとともに、前側折出板３ｂで商品２０の前面側全域を支持しているが、例えば、地側折込板５ｂと前側折出板３ｂとのなす角度θを９０°より小さくして、地側折込板５ｂで商品２０の底部を支持するとともに、前側折出板３ｂで商品２０の前面側上部を支持するようにしても良い。

また、上記実施形態では、外側面形成板７の差し込み片７ａを内側面形成板９の差し込み孔９ａに差し込むことで収納部１１の形状を保持したが、内側面形成板９に差し込み片を形成して外側面形成板７のスリットに差し込む構成としても良い。

また、表示板２に対する収納部１１の傾きも、天側折出板３ａと前側折出板３ｂ、及び後側折込板５ａと地側折込板５ｂの寸法のバランスによって任意に変更可能である。さらに、陳列棚１００の全体形状や大きさについても特に制限はなく、設置場所やデザイン性に応じて適宜変更することができる。

本発明は、折り畳んだ状態で搬入され、設置場所で立体形状に組み立てられる陳列棚に利用可能である。本発明の利用により、コンパクトに折り畳んだ状態での搬入や容易且つ迅速な組み立てが可能で、組み立て後の形態も安定したものとなる。また、第１面側に収納部が形成された組み立て状態と、第２面側に収納部が形成された組み立て状態とを切り替えることで、二種類の商品の陳列棚として兼用できる陳列棚を提供することができる。

１ブランク板
２表示板
２ａ抜き穴
３折出板
３ａ天側折出板
３ｂ前側折出板
５折込板
５ａ後側折込板
５ｂ地側折込板
７外側面形成板
７ａ差し込み片
９内側面形成板
９ａ差し込み孔
１１収納部
１２開口部
１２ａ天側開口部
１２ｂ前側開口部
１３幅狭部
１５紐
１７屈曲線
２０商品
３０積層紙
３１紙層
３２印刷層
３３樹脂フィルム層
３４接着層
１００陳列棚
Ｌ１〜Ｌ１０折り線

Claims

所定の商品情報が表示された第１面と、該第１面とは異なる商品情報が表示された第２面と、を有し、前記第１面及び前記第２面に樹脂フィルム層が積層された紙製のブランク板から構成され、
天側折出板と、該天側折出板の下端縁に折り線を介して連設される前側折出板と、で構成される一以上の折出板と、
該折出板の内側に形成され、上端縁が前記天側折出板に連結された後側折込板と、該後側折込板の下端縁に折り線を介して連設され、下端縁が前側前側折出板に連結される地側折込板と、で構成される一以上の折込板と、
前記天側折出板の側端縁に折り線を介して連設される外側面形成板と、
前記前側折出板の側端縁に折り線を介して連設される内側面形成板と、
を備え、
前記折出板を前記第１面側に折り出し、前記折込板を前記第２面側に折り込んだ状態で、前記外側面形成板と前記内側面形成板のいずれか一方に形成された差し込み片を、他方に形成された差し込み孔に差し込むことにより、前記折出板と前記折込板とで囲まれた収納部が前記第１面側に形成された第１の状態に組み立てられ、
前記折出板を前記第２面側に折り出し、前記折込板を前記第１面側に折り込んだ状態で、前記差し込み片を前記差し込み孔に差し込むことにより、前記収納部が前記第２面側に形成された第２の状態に組み立てられ、
前記折出板の上端に折り線を介して連続する表示板を備え、前記表示板を水平方向に横断する屈曲線が一本だけ形成されることを特徴とする陳列棚。
前記差し込み片は、前記外側面形成板の前記前側折出板に近接する端縁に形成され、前記差し込み孔は、前記前側折出板と前記内側面形成板との境界に沿って形成されており、
前記差し込み片を前記外側面形成板に対し垂直に折り曲げて前記差し込み孔に差し込むことにより、前記地側折込板で商品の底部を支持するとともに、前記前側折出板で前記商品の前面側全域を支持する前記収納部が形成されることを特徴とする請求項１に記載の陳列棚。
前記ブランク板は、２枚の紙層と、該紙層の表面にそれぞれ形成される、前記第１面と前記第２面に対応する印刷層と、該印刷層の表面に積層される前記樹脂フィルム層と、前記各紙層の裏面側同士を接着する接着層と、を含む積層紙で形成されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の陳列棚。
前記収納部は、前記折込板の折り込みによって前記天側折出板に形成される天側開口部と、該天側開口部に連続するように前記前側折出板に形成される前側開口部と、から成る開口部を有し、
前記天側開口部は、前記収納部に収納される商品の外径よりも開口幅が大きく、前記前側開口部には、前記収納部に収納される商品の外径よりも小さい幅狭部が形成されることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の陳列棚。
所定の商品情報が表示された第１面と、該第１面とは異なる商品情報が表示された第２面と、を有し、前記第１面及び前記第２面に樹脂フィルム層が積層された紙製のブランク板から構成され、
天側折出板と、該天側折出板の下端縁に折り線を介して連設される前側折出板と、で構成される一以上の折出板と、
該折出板の内側に形成され、上端縁が前記天側折出板に連結された後側折込板と、該後側折込板の下端縁に折り線を介して連設され、下端縁が前側前側折出板に連結される地側折込板と、で構成される一以上の折込板と、
前記天側折出板の側端縁に折り線を介して連設され、前記前側折出板に近接する端縁に差し込み片が形成された外側面形成板と、
前記前側折出板の側端縁に折り線を介して連設され、前記前側折出板との境界に沿って前記差し込み片が挿入される差し込み孔が形成された内側面形成板と、
前記折出板の上端に折り線を介して連続するとともに、水平方向に横断する屈曲線が１本だけ形成された表示板と、
を備え、
前記折出板を前記第１面側または前記第２面側に折り出し、前記折込板を前記折出板と反対側に折り込んだ状態で、前記差し込み片を前記差し込み孔に差し込むことにより、前記天側折出板に形成される天側開口部と、該天側開口部に連続するように前記前側折出板に形成される前側開口部と、から成る開口部を有し、前記折出板と前記折込板とで囲まれた収納部が形成され、
前記折出板を前記第１面側に折り出し、前記折込板を前記第２面側に折り込むことにより、前記収納部が前記第１面側に形成された第１の状態に組み立てられ、
前記折出板を前記第２面側に折り出し、前記折込板を前記第１面側に折り込むことにより、前記収納部が前記第２面側に形成された第２の状態に組み立てられる陳列棚であって、
組み立てられた前記陳列棚を壁面に沿って吊り下げた状態において、前記収納部の裏面側の角部が前記壁面に当接し、前記表示板が前記屈曲線に沿って屈曲することを特徴とする陳列棚。