JP6336522B2 - 細胞取込みが低下した第viii因子変異体 - Google Patents

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Description

本発明は、改変された凝固因子に関する。本発明は、より具体的には、クリアランス/細胞取込みの速度の低下および/または免疫原性の低下をもたらす、細胞取込みが低下した改変された凝固因子に関する。本発明はさらに、そのような分子の使用ならびにそのような分子を製造する方法に関する。
血友病Aは、凝固第VIII因子(FVIII)活性の欠損または機能障害により引き起こされる遺伝性出血障害である。その臨床症状は、通常は初期の血液クロットの形成が起こる時に一次止血されないことである。むしろ、クロットは二次トロンビン形成および一次クロットのフィブリン安定化の欠如に起因して不安定である。この疾患は、血液から単離されたか、または組換え生産されたFVIIIの静脈内注射によって治療される。FVIIIに対する中和抗体(阻害因子)の発生が、FVIII投与後、約20〜40%の重症血友病A患者において起こり、FVIIIを用いるさらなる治療を無効化している。かくして、阻害因子の誘導は、血友病のケアにおいて主要な合併症をもたらす。
現在の治療推奨は、伝統的なオンデマンドの治療から予防に向かって動いている。von Willebrand因子(vWF)に結合した内因性FVIIIの循環半減期は12〜14時間であり、かくして、その患者にとって実質的に無症候の人生を得るために、予防的治療を週に数回実施する。静脈内投与は、多くの、特に子供および若年層にとって、大きな不都合および/または疼痛を伴う。
循環半減期が著しく延長されたFVIII変異体の開発において、様々な方法が用いられてきた。いくつかのこれらの方法は、FVIIIと、例えば、PEG(ポリエチレングリコール)などの親水性ポリマーとのコンジュゲーションに関する。WO03031464は、ポリペプチド上に存在するグリカンにPEG基を結合させることができる酵素的手法を開示している。
また、細胞取込み/クリアランスの速度が低下し、かくして、in vivoでの循環半減期が増加したFVIII変異体を得るために、FVIIIの低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(LRP)媒介性クリアランスを調節することが示唆されたが、この手法は、FVIIIの表面上に存在する潜在的なLRP結合部位の見かけ上大きな冗長性およびこれらのものの役割に対する不確実性によって妨害されてきた。さらに、これらの部位のいくつかは、FVIII:C活性にとって重要な領域に近接しており、LRP結合の低下は、FVIII変異体を治療剤としてあまり魅力的なものにしない活性の実質的な喪失を伴うことがある。LRPおよび関連受容体とそのリガンドとの相互作用は、受容体中の酸性「ネックレス」にドッキングするリガンドの表面上にリジン残基を含むと考えられる(Mol Cell 2006; 22: 277〜283)。さらに、疎水性残基は、リジン残基と共に、LRPファミリーのメンバーとの相互作用に関与し得ると示唆され(FEBS J 2006; 273: 5143〜5159、J Mol Biol 2006; 362: 700〜716)、従って、重要なリジン残基または他の正に荷電した残基に加えて、これらの疎水性残基の改変がLRPファミリーメンバーとの相互作用の減少ならびにクリアランスの潜在的な延長および/または低下をもたらし得るかどうかを推測することができる。
WO03031464 WO 2011/060372 WO 00/28021 WO 03/093313 米国特許第5985265号 WO 99/55377 EP0319315 WO09108806
Mol Cell 2006; 22: 277〜283 FEBS J 2006; 273: 5143〜5159 J Mol Biol 2006; 362: 700〜716 B. LeeおよびF.M. Richards、「The Interpretation of Protein Structures: Estimation of Static Accessibility」、J. Mol. Biol. 55、379〜400(1971) J Thromb Haemost 2004; 2: 1082〜1095 Blood 2007; 110: 4234〜4242 J Thromb Haemost 2009; 7: 1816〜1823 Proc Natl Acad Sci USA 2007; 104: 8965〜8970 Haematologica 2008; 93: 83〜89 J Thromb Haemost 2005; 3: 991〜1000 Blood 2004; 104: 704〜710 Thromb Haemost 1999; 81: 240〜244 Haemophilia 2010; 16 suppl 5: 47〜53 Thromb Haemost 2000; 84: 643〜652 J Biol Chem 1999; 274: 37685〜37692 Blood 2003; 101: 3933〜3939 Blood 2005; 106: 906〜912 Biochemistry 2006; 45: 1829〜1840 Blood Coagul Fibronolysis 2008; 19: 543〜555 J Thromb Haemost 2006; 4: 1487〜1493 abstract P-T-035、ISTH 2007 J Biol Chem 1999; 274: 23734〜23739 J Biol Chem 2003; 278: 9370〜9377 J Biol Chem 1997; 272: 18007〜18014 Thromb Haemost 2003; 89: 795〜802 J Mol Recognit 2009; 22: 301〜306 Blood 1990; 75: 1999〜2004 Blood 1995; 86: 1811〜1819 J Biol Chem 1998; 273: 27918〜27926 Biochemistry 2005; 44: 13858〜13865 Mol Cell 2006; 22: 277〜286 Haematologica 2008; 93: 83〜98 Blood 2009; 114: 3938〜3946 abstract P-M-040、ISTH、2007 abstract O-M-041、ISTH、2007 MacEwan SR、Chilkoti A. Biopolymers. 2010; 94:60 Schellenberger Vら、Nat Biotechnol. 2009; 27: 1186 Schlapschy Mら、Protein Eng Des Sel. 2007; 20: 273 Dennis MSら、J Biol Chem. 2002, 277: 35035 Blood 1998; 91: 2347〜2352 Haemophilia 2010; 16: 349〜48 Cho M-Sら、J Biomed Sci 2002; 9: 631〜63 Br J Haematol 2008; 142: 644〜652 Blood 2000; 96: 540〜545 Blood 2009; 114: 3938〜3945 Cancer Res 2000; 60: 2300〜2303 Anal Biochem 1976; 72: 248〜254 Blood 2002; 99: 457〜462 Blood 2007; 109: 610〜612 Vaccine 2007; 25: 7145〜52 Blood 2008; 112: 1704〜1712 Thromb Haemost 1986; 55: 40〜46 J Thromb Haemost 2007; 5 suppl 2 J Mol Recognit 2009; 22: 301〜306 Haemophilia 2010、16; 349〜359 Mass Spectrom. Rev. 25, 158 (2006) J. Am. Soc. Mass Spectrom. 2006; 17: 1700 Blood 2009; 133: 3102〜3109 Plos One 2011; 6(8): e24163. doi:10.137/journal.pone.0024163 Biochem J 1989; 263: 187〜94 Thromb Haemost 2010; 104, 243〜251 Thromb Diath Haemorrh 1975; 34: 612
治療上、興味深いものにするためには、FVIII変異体はFVIII凝固促進機能を保持すべきである。かくして、FVIII活性を維持し、in vivoでの循環半減期が著しく延長され、および/または免疫原性が低下した特異的FVIII変異体が技術分野において必要であるということになる。
かくして、本発明は、FVIII活性を有する組換えFVIII変異体であって、前記変異体が、「C1フット」および/または「C2フット」と呼ばれるFVIIIのC1および/またはC2ドメイン中に2、3、4、5、6、7、8、9または10個の、表面に接近可能な正に荷電した残基の置換を含み、該表面に接近可能な正に荷電したアミノ酸残基、例えば、リジン、アルギニン、またはヒスチジン残基が、限定されるものではないが、アラニンまたはグルタミンで置換され、該置換が細胞取込みの低下をもたらす、組換えFVIII変異体に関する。本発明はさらに、K2092A置換およびF2093A置換を含み、半減期延長部分、例えば、PEGなどにコンジュゲートしている、組換えFVIII変異体に関する。本発明はまた、FVIII活性を有する組換えFVIII変異体であって、前記変異体が、さらなるグリコシル化部位をもたらす突然変異を含み、前記グリコシル化部位中のグリカンがKM33抗体に結合する能力の低下をもたらす、組換えFVIII変異体にも関する。
本発明によるFVIII変異体は、循環半減期の増加と関連する細胞取込みの低下を有する。本発明によるFVIII変異体はさらに、LRP結合が低下しているという利点を有し得る。本発明によるFVIII変異体はさらに、この型の突然変異を含まないFVIII分子と比較して、免疫原性が低下しているという利点を有し得る。免疫原性の低下に関する説明は、正に荷電した残基が、FVIIIのC1および/またはC2フット中で置換され、FVIIIを免疫系に提示するのを担う細胞中での取込みの低下をもたらすということであってよい。
前および後向きに示されたFVIIIのX線結晶構造の表面モデル(pdbエントリーコード3cdz)である。A1、A2、A3、C1およびC2ドメインの位置を示す。リジンおよびアルギニン残基は黒色で示される。 FVIIIのC1およびC2ドメインを強調するFVIIIのX線結晶構造の表面モデル(pdbエントリーコード3cdz)である。C1およびC2ドメインの下側部分は白色で示され、その推定膜結合領域をそれぞれC1フットおよびC2フットと呼ぶ。リジンおよびアルギニン残基は黒色で示される。 質量分析によりモニターされる水素交換(HX)は4F30およびKM33結合に関与するFVIIIの領域を同定する。(A)FVIIIへの4F30およびKM33の両方の結合のエピトープの一部であると同定された、ペプチド断片2078〜2095に対応する質量/電荷スペクトル([M+H]+ = 672.3818、z = 3)。(B)FVIIIへの4F30およびKM33の両方の結合のエピトープの一部であると同定された、ペプチド断片2148〜2161に対応する質量/電荷スペクトル(m/z = 565.6554、z = 3)。全てのスペクトルについて、上側のパネルは非重水素化対照を示し、2番目のパネルはリガンドの非存在下でのD2Oとの10sec交換後のペプチドを示し、3番目および4番目のパネルはそれぞれ、4F30およびKM33の存在下でのD2Oとの10sec交換後のペプチドを示す。 4F30およびKM33の両方の存在下でのFVIIIの代表的なペプチドの水素交換時間プロットである。FVIIIペプチドの重水素含有(Da)を、4F30(白三角)またはKM33(白四角)の非存在下(黒四角)または存在下について、対数尺度で時間に対してプロットする。残基aa 2062〜2073および2163〜2168を包含するペプチドは、4F30およびKM33の両方との複合体形成によって影響されないFVIIIの領域を表す。残基aa 2078〜2095、および2148〜2161を包含するペプチドは、4F30およびKM33の両方の結合エピトープの一部であるFVIIIの領域を表す。 KM33および4F30の存在下でのFVIIIのHXにより分析されたペプチドの配列範囲である。一次配列(成熟番号を用いる。水平パネルA: aa 2062〜2100および水平パネルB: aa 2139〜2168)を、HXにより分析されたペプチドの上に示す(水平のバーとして示される。)。4F30およびKM33の両方の存在下および非存在下の両方で類似する交換パターンを示すペプチドを、充填なし(白いバー)で示すが、4F30およびKM33結合部位の両方の重水素含有の減少を示すペプチドを黒色で充填する(黒いバー)。
定義:
第VIII因子分子: FVIII/第VIII因子は、主に肝細胞により産生される大きく複雑な糖タンパク質である。ヒトFVIIIは、シグナルペプチドを含む2351アミノ酸からなり、相同性によって定義されるいくつかの異なるドメインを含む。3個のAドメイン、1個だけのBドメイン、および2個のCドメインがある。ドメインの順序はNH2-A1-A2-B-A3-C1-C2-COOHと列挙することができる。FVIIIは血漿中でB-A3境界で分離された2つの鎖として循環する。この鎖は二価金属イオン結合によって接続される。A1-A2-B鎖は重鎖(HC)と呼ばれるが、A3-C1-C2は軽鎖(LC)と呼ばれる。
「C1フット」および「C2フット」:本発明の文脈において、「C1フット」は、例えば、血小板上に認められるホスファチジル-L-セリンを含む陰イオン膜にFVIII分子/FVIII変異体を非共有結合によって固定する能力を有するC1ドメインの領域と定義される。図1に、FVIIIのX線結晶構造の表面モデル(pdbエントリーコード3cdz)を前および後向きに示す。A1、A2、A3、C1およびC2ドメインの位置を示す。リジンおよびアルギニン残基は黒色で示され、その広い分布を表す。C1フットは、図2に示されるFVIIIのモデルにおいて白色で示す。より具体的には、以下のC1アミノ酸は、例えば、血小板結合と共に、リン脂質膜中に固定される可能性が高く、かくして、C1フットの一部である: 2029〜2035 + 2043〜2069 + 2090〜2100 + 2130〜2136 + 2156〜2163。本発明の発明者らは驚くべきことに、2065、2090および2092残基のそれぞれの突然変異が、特に、これらの残基が、限定されるものではないが、残基の表面接近可能面積に応じて、グルタミンまたはアラニン残基で置換された場合、LRP結合が低下した生物学的に活性なFVIII変異体をもたらすことを示した。
本発明の文脈において、「C2フット」は、例えば、血小板上に認められるホスファチジル-L-セリンを含む陰イオン膜にFVIII分子/FVIII変異体を固定する能力を有する可能性が高いC2ドメインの領域と定義される。C2フットは、図2に示されるFVIIIのモデルにおいて白色で示す。より具体的には、以下のC2アミノ酸は、例えば、血小板結合と共に、リン脂質層に固定され、かくしてC2フットの一部である: 2195〜2227 + 2248〜2258 + 2287〜2291 + 2313〜2320。本発明の発明者らは、C2フット中の表面に露出したリジンまたはアルギニン残基の1つの突然変異(R2215またはK2249)は、特に、これらの残基が、限定されるものではないが、残基の表面接近可能性に応じて、グルタミン残基またはアラニン残基で置換された場合、LRP結合が低下した生物学的に活性なFVIII変異体をもたらすことを示した。本発明者らはさらに、C1フット中の置換とC2フット中の置換との両方を含むFVIII変異体は、LRP結合の低下ならびにFVIII:C活性の維持を示すことを示した。
FVIII C1および/またはC2フット中の表面接近可能な荷電残基/正荷電残基/リジンまたはアルギニン残基:接近可能表面積(ASA)は、溶媒に接近可能である生物分子の表面積または生物分子表面の一部(例えば、単一のアミノ酸側鎖)である。ASAは通常、Å2(分子生物学における測定の標準単位)で見積もられる。ASAは、1971年にLeeおよびRichardsによって初めて報告され、Lee-Richards分子表面と呼ばれることもある[B. LeeおよびF.M. Richards、「The Interpretation of Protein Structures: Estimation of Static Accessibility」、J. Mol. Biol. 55、379〜400(1971)]。表面接近可能性は、例えば、X線構造を起源とする原子座標を用いるAccelrys Inc.製のコンピュータプログラムQuanta 2005を用いて算出することができる。アミノ酸側鎖の相対表面接近可能性は、実際の表面接近可能面積を、単一のアミノ酸について決定された最大接近可能表面積で割ったものである。ASAはpdbエントリーコード3cdzを用いてFVIIIのX線結晶構造から算出される。相対表面接近可能性が20%未満である場合、タンパク質表面の局所崩壊を防止するために、残基をグルタミンに突然変異させる。かくして、C1および/またはC2フット中の荷電した表面接近可能アミノ酸残基、好ましくは、正荷電アミノ酸残基、好ましくは、リジンおよび/またはアルギニン残基を、アミノ酸置換のために選択して、細胞取込みが低下し、必要に応じて、LRP結合/LRP媒介性クリアランスも低下したFVIII変異体に到達することができる。
本明細書で用いられる「第VIII因子」または「FVIII」とは、内在性の凝固経路のメンバーであり、血液凝固にとって必須であるヒト血漿糖タンパク質を指す。「天然FVIII」は、配列番号1に示される完全長ヒトFVIII分子である(アミノ酸1〜2332)。Bドメインは配列番号1中のアミノ酸741〜1648に広がる。
配列番号1(wtヒトFVIII):
ATRRYYLGAVELSWDYMQSDLGELPVDARFPPRVPKSFPFNTSVVYKKTLFVEFTDHLFNIAKPRPPWMGLLGPTIQAEVYDTVVITLKNMASHPVSLHAVGVSYWKASEGAEYDDQTSQREKEDDKVFPGGSHTYVWQVLKENGPMASDPLCLTYSYLSHVDLVKDLNSGLIGALLVCREGSLAKEKTQTLHKFILLFAVFDEGKSWHSETKNSLMQDRDAASARAWPKMHTVNGYVNRSLPGLIGCHRKSVYWHVIGMGTTPEVHSIFLEGHTFLVRNHRQASLEISPITFLTAQTLLMDLGQFLLFCHISSHQHDGMEAYVKVDSCPEEPQLRMKNNEEAEDYDDDLTDSEMDVVRFDDDNSPSFIQIRSVAKKHPKTWVHYIAAEEEDWDYAPLVLAPDDRSYKSQYLNNGPQRIGRKYKKVRFMAYTDETFKTREAIQHESGILGPLLYGEVGDTLLIIFKNQASRPYNIYPHGITDVRPLYSRRLPKGVKHLKDFPILPGEIFKYKWTVTVEDGPTKSDPRCLTRYYSSFVNMERDLASGLIGPLLICYKESVDQRGNQIMSDKRNVILFSVFDENRSWYLTENIQRFLPNPAGVQLEDPEFQASNIMHSINGYVFDSLQLSVCLHEVAYWYILSIGAQTDFLSVFFSGYTFKHKMVYEDTLTLFPFSGETVFMSMENPGLWILGCHNSDFRNRGMTALLKVSSCDKNTGDYYEDSYEDISAYLLSKNNAIEPRSFSQNSRHPSTRQKQFNATTIPENDIEKTDPWFAHRTPMPKIQNVSSSDLLMLLRQSPTPHGLSLSDLQEAKYETFSDDPSPGAIDSNNSLSEMTHFRPQLHHSGDMVFTPESGLQLRLNEKLGTTAATELKKLDFKVSSTSNNLISTIPSDNLAAGTDNTSSLGPPSMPVHYDSQLDTTLFGKKSSPLTESGGPLSLSEENNDSKLLESGLMNSQESSWGKNVSSTESGRLFKGKRAHGPALLTKDNALFKVSISLLKTNKTSNNSATNRKTHIDGPSLLIENSPSVWQNILESDTEFKKVTPLIHDRMLMDKNATALRLNHMSNKTTSSKNMEMVQQKKEGPIPPDAQNPDMSFFKMLFLPESARWIQRTHGKNSLNSGQGPSPKQLVSLGPEKSVEGQNFLSEKNKVVVGKGEFTKDVGLKEMVFPSSRNLFLTNLDNLHENNTHNQEKKIQEEIEKKETLIQENVVLPQIHTVTGTKNFMKNLFLLSTRQNVEGSYDGAYAPVLQDFRSLNDSTNRTKKHTAHFSKKGEEENLEGLGNQTKQIVEKYACTTRISPNTSQQNFVTQRSKRALKQFRLPLEETELEKRIIVDDTSTQWSKNMKHLTPSTLTQIDYNEKEKGAITQSPLSDCLTRSHSIPQANRSPLPIAKVSSFPSIRPIYLTRVLFQDNSSHLPAASYRKKDSGVQESSHFLQGAKKNNLSLAILTLEMTGDQREVGSLGTSATNSVTYKKVENTVLPKPDLPKTSGKVELLPKVHIYQKDLFPTETSNGSPGHLDLVEGSLLQGTEGAIKWNEANRPGKVPFLRVATESSAKTPSKLLDPLAWDNHYGTQIPKEEWKSQEKSPEKTAFKKKDTILSLNACESNHAIAAINEGQNKPEIEVTWAKQGRTERLCSQNPPVLKRHQREITRTTLQSDQEEIDYDDTISVEMKKEDFDIYDEDENQSPRSFQKKTRHYFIAAVERLWDYGMSSSPHVLRNRAQSGSVPQFKKVVFQEFTDGSFTQPLYRGELNEHLGLLGPYIRAEVEDNIMVTFRNQASRPYSFYSSLISYEEDQRQGAEPRKNFVKPNETKTYFWKVQHHMAPTKDEFDCKAWAYFSDVDLEKDVHSGLIGPLLVCHTNTLNPAHGRQVTVQEFALFFTIFDETKSWYFTENMERNCRAPCNIQMEDPTFKENYRFHAINGYIMDTLPGLVMAQDQRIRWYLLSMGSNENIHSIHFSGHVFTVRKKEEYKMALYNLYPGVFETVEMLPSKAGIWRVECLIGEHLHAGMSTLFLVYSNKCQTPLGMASGHIRDFQITASGQYGQWAPKLARLHYSGSINAWSTKEPFSWIKVDLLAPMIIHGIKTQGARQKFSSLYISQFIIMYSLDGKKWQTYRGNSTGTLMVFFGNVDSSGIKHNIFNPPIIARYIRLHPTHYSIRSTLRMELMGCDLNSCSMPLGMESKAISDAQITASSYFTNMFATWSPSKARLHLQGRSNAWRPQVNNPKEWLQVDFQKTMKVTGVTTQGVKSLLTSMYVKEFLISSSQDGHQWTLFFQNGKVKVFQGNQDSFTPVVNSLDPPLLTRYLRIHPQSWVHQIALRMEVLGCEAQDLY
本発明によるFVIII分子/変異体は、残存するドメインが配列番号1中のアミノ酸番号1〜740および1649〜2332に記載の配列と密接に対応するBドメインが欠失した、またはBドメインがトランケートされたFVIII分子であってもよい。しかしながら、本発明によるBドメインがトランケートされた分子は、配列番号1に記載の配列とはわずかに異なってもよく、これは残存するドメイン(すなわち、3個のAドメインおよび2個のCドメイン)が、例えば、vWF結合能力を低下させるために突然変異を導入することができるという事実に起因して、配列番号1に記載のアミノ酸配列(アミノ酸1〜740および1649〜2332)と、わずかに、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のアミノ酸が異なってもよいことを意味する。さらに、1または2個のアミノ酸置換をC1および/またはC2フット中に導入して、LRPのためのFVIIIの結合能力を改変する。しかしながら、本発明によるFVIII変異体はさらに、LRP結合をさらに改変するために分子の表面上の他の場所にリジン置換を含むことも可能である。さらなるアミノ酸置換、欠失、または付加を導入して、本発明によるFVIII変異体の特性を調節することもできる。最後に、本発明によるFVIII変異体中にアミノ酸置換を導入して、分子の分子内安定性を増加させることができる。
本発明によるFVIII分子は、FVIII:CまたはFVIII:C活性とも呼ばれるFVIII活性を有し、これは、FVIIIと機能的に類似するか、または同等の様式で凝固カスケード中で機能する能力、活性化された血小板上のFIXaとの相互作用を介してFXaの形成を誘導する能力、および血液クロットの形成を支援する能力を意味する。この活性を、例えば、発色アッセイにおけるFX活性の測定、FVIII欠損血漿を用いるクロット分析、トロンビン生成アッセイ、トロンボエラストグラフィーなどの当業界で周知の技術によってin vitroで評価することができる。本発明によるFVIII分子は、天然ヒトFVIIIの活性の少なくとも約10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、および100%であるか、またはさらには100%を超えるFVIII活性を有する。
FVIIIの分子内安定性(固有の安定性):
本発明によるFVIII変異体の「固有の安定性」は、「安定性」、「物理的安定性」、「先天的安定性」、「構造安定性」、「化学的安定性」、「固有の安定性」、「in vitroでの安定性」、「熱力学的安定性」、「熱安定性」、「折畳み安定性」などと呼ばれることもあり、複雑な方法で環境条件に依存する。そのような用語の共通のテーマは、それらがポリペプチドのin vitroでの安定性を指すことであり、このin vitroでの安定性は折畳まれたコンフォメーションの比較的小さい集団を安定化するポリペプチド中の力の合計として見ることができる。FVIIIはin vivoでは多数のクリアランス機構にかけられるため、FVIIIのin vivoでの安定性とin vitroでの安定性との間には著しい差がある。かくして、in vitroでの安定性が改善されたFVIII変異体に関して延長されたin vivoでの循環半減期を得ることはとても不可能であった。本発明によるFVIII変異体のin vitroでの安定性は、例えば、安定化ジスルフィド架橋の挿入、分子内疎水性相互作用を形成することができるさらなる疎水性アミノ酸の挿入、静電相互作用を形成する正および負のアミノ酸の挿入などにより改善することができる。
FVIIIと様々な側鎖とのコンジュゲーションは、FVIIIの延長された循環半減期を得るための手段として当業界で公知である。例えば、FVIII分子のコンジュゲーションにより、循環半減期を約2倍、すなわち、約24時間に増加させることができることが以前に証明された。37℃でのTAP/ヒルジン抗凝固血漿中の半減期により決定されるwt FVIIIの固有の安定性は、FVIII変異体について報告された最長の循環半減期と一致する約30時間である。
しかしながら、C1および/またはC2フットのリジンまたはアルギニン置換と、例えば、FVIIIのin vitroでの安定性の増加および/または例えば、FVIII変異体と側鎖とのコンジュゲーションとの組合せには予想外の相乗効果があり得る。本発明による分子に関して得ることができるさらなる驚くべき相乗効果は、得られるFVIII変異体がより強力な分子をもたらす著しく増加した比活性をさらに有し得ることである。
Bドメインがトランケートされた/欠失したFVIII分子: FVIII中のBドメインは、配列番号1中のアミノ酸741〜1648に広がる。Bドメインはいくつかの異なる部位で切断され、循環血漿FVIII分子中で大きな不均質性を生成する。重度にグリコシル化されたBドメインの正確な機能は未知である。知られていることは、前記ドメインが凝固カスケードにおいてFVIII活性にとって重要ではないことである。かくして、組換えFVIIIは、Bドメインが欠失した/トランケートされた変異体の形態で作製されることが多い。
内因性完全長FVIIIは、一本鎖前駆体分子として合成される。分泌の前に、前駆体は重鎖と軽鎖とに切断される。組換えBドメイン欠失FVIIIを、2つの異なる戦略から作製することができる。Bドメインを含まない重鎖および軽鎖を2つの異なるポリペプチド鎖として個別に合成する(2鎖戦略)か、またはBドメイン欠失FVIIIを、完全長FVIII前駆体と同じ方法で重鎖および軽鎖に切断される単一前駆体ポリペプチド鎖として合成する(1鎖戦略)。
1鎖戦略により調製されるBドメイン欠失FVIII前駆体ポリペプチドにおいては、重鎖および軽鎖部分は通常、リンカーにより分離される。Bドメイン欠失FVIII中に免疫原性エピトープを導入する危険性を最小化するために、リンカーの配列はFVIII Bドメインから誘導するのが好ましい。最低限、リンカーはBドメイン欠失FVIII前駆体ポリペプチドを重鎖および軽鎖に切断するプロテアーゼの認識部位を含まなくてはならない。完全長FVIIIのBドメインにおいては、アミノ酸1644〜1648がこの認識部位である。Bドメイン欠失FVIIIの活性化の際にリンカーの除去を誘導するトロンビン部位は重鎖中に位置する。かくして、リンカーのサイズおよびアミノ酸配列が、トロンビン活性化による残存するFVIII分子からのその除去に影響する可能性は低い。Bドメインの欠失は、FVIIIの生産にとっての利点である。にもかかわらず、生産性を低下させることなく、Bドメインの一部をリンカー中に含有させることができる。生産性に対するBドメインの負の効果は、Bドメインの特異的サイズまたは配列に起因するものではなかった。
好ましい実施形態によれば、トランケートされたBドメインは、ただ1つの潜在的なO-グリコシル化部位を含み、1または複数の側基/部分は、好ましくはリンカーを介して、このO-グリコシル化部位に共有結合によってコンジュゲートしている。
本発明によるBドメインがトランケートされた分子中のO-結合オリゴ糖を、組換え手段および/またはBドメインのトランケーションによる新しいO-グリコシル化部位の生成により人工的に作製されたO-グリコシル化部位に結合させることができる。トランケートされたO-グリコシル化FVIII Bドメインの一例は、SFSQNSRHPSQNPPVLKRHQR(配列番号2)である。そのような分子を、BドメインがトランケートされたFVIIIアミノ酸配列を設計した後、そのアミノ酸配列を、トランケートされたBドメイン中のO-グリコシル化部位を有する確率を予測するin silicoでの分析にかけることにより作製することができる。そのようなグリコシル化部位を比較的高い確率で有する分子を、好適な宿主細胞中で合成した後、グリコシル化パターンを分析し、次いで、トランケートされたBドメイン中にO-結合グリコシル化を有する分子を選択することができる。
FVIII分子はまた、いくつかのN結合オリゴ糖を含み、これらの各々は半減期延長側基/部分の結合のためのアンカーとして潜在的に役立ち得る。
wt FVIII分子中のBドメインの最大の長さは、約907アミノ酸である。本発明による分子中のトランケートされたBドメインの長さは、約10〜約800アミノ酸、例えば、約10アミノ酸〜約700アミノ酸、例えば、約12〜500アミノ酸、12〜400アミノ酸、12〜300アミノ酸、12〜200アミノ酸、15〜100アミノ酸、15〜75アミノ酸、15〜50アミノ酸、15〜45アミノ酸、20〜45アミノ酸、20〜40アミノ酸、または20〜30アミノ酸まで変化してもよい。トランケートされたBドメインは、重鎖および/もしくは軽鎖の断片ならびに/またはwt FVIII分子中には見出されない人工的に導入された配列を含んでもよい。用語「Bドメインがトランケートされた」および「Bドメインが欠失した」は、本明細書では互換的に用いることができる。
改変された循環半減期:本発明による分子は、野生型FVIII分子と比較して、改変されたin vivo循環半減期、好ましくは、増加した循環半減期を有してもよい。循環半減期は、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも125%、より好ましくは少なくとも150%、より好ましくは少なくとも175%、より好ましくは少なくとも200%、および最も好ましくは少なくとも250%または300%増加する。さらにより好ましくは、そのような分子は、少なくとも400%、500%、600%またはさらには700%増加した循環半減期を有する。in vivo循環半減期を測定するための以下の方法を用いることができる: FVIIIを、FVIII欠損マウス、例えば、Taconic M&Bで飼育されたc57bl/6バックグラウンドを有するFVIIIエクソン16ノックアウト(KO)マウス、またはvWF欠損マウス、例えば、Charles River、Germanyで飼育されたSV129およびc57bl/6の混合バックグラウンドを有するvWFエクソン4 + 5 KOマウスに静脈内投与する。vWF-KOマウスは、13%の正常FVIII:Cを有したが、FVIII-KOマウスは検出可能なFVIII:Cを有さなかった。マウスは尾静脈中にrFVIIIの単回静脈内注射(280IU/kg)を受ける。非被覆ガラス毛管を用いて投与後、最大で64時間の時点で眼窩神経叢(orbital plexus)から血液を採取する。それぞれのマウスから3つの試料を採取し、それぞれの時点で2〜4つの試料を採集する。血液をクエン酸ナトリウムですぐに安定化し、4倍量のバッファー(50mM Tris、150mM NaCl、1%BSA、pH7.3、保存剤を含む)中に希釈した後、4000×gで5分間遠心分離する。希釈された血液から得られた血漿をドライアイス上で凍結し、-80℃で保持する。FVIII:Cを、本質的には実施例3に記載のように発色アッセイにおいて決定する。FVIII抗原を、ELISA、例えば、Diagnostica Stago社製のAsserachrom(登録商標)VIIIC:Agにより測定することができる。薬物動態分析を、例えば、winnonlin pro version 4.1ソフトウェアを用いる非コンパートメント方法(NCA)により実行することができる。
抗体:本明細書に記載の用語「抗体」は、抗原またはその一部に特異的に結合することができる、生殖細胞系列免疫グロブリン配列から誘導されるタンパク質を指す。この用語は、任意のアイソタイプ(すなわち、IgA、IgE、IgG、IgMおよび/またはIgY)の完全長抗体およびその任意の一本鎖を含む。抗体が結合する抗原上の部位はエピトープと呼ばれる。
完全長抗体は通常、少なくとも4つのポリペプチド鎖:すなわち、ジスルフィド結合により相互接続された2つの重鎖(H)および2つの軽鎖(L)を含む。抗体を、抗原に結合するFab断片と、様々なFc受容体に結合するFcドメインに切断することができる。「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVHおよびVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖中に存在する。
FVIIIの免疫原性:重症血友病Aを有する患者は、1%未満のFVIIIを有し、従って、彼らの免疫系は、特に、大きな出血後の高負荷治療と共に、外来抗原としての治療的FVIII投与に応答し得る。FVIIIに対する中和抗体(阻害因子)は典型的には、A2ドメインおよび軽鎖、特に、C2ドメイン内の特定の領域にマッピングされる(J Thromb Haemost 2004; 2: 1082〜1095; Blood 2007; 110: 4234〜4242)。樹状細胞およびマクロファージによる取込みは、FVIIIを免疫系に提示する際の初期段階であると考えられる(J Thromb Haemost 2009; 7: 1816〜1823)。マクロファージマンノース受容体は、これらの抗原提示細胞によるFVIIIの取込みに関与することが示唆されている(Proc Natl Acad Sci USA 2007; 104: 8965〜8970)が、LRPは関与しないと考えられる(Haematologica 2008; 93: 83〜89)。その後の阻害因子の発生はT細胞依存的免疫応答である。単一のCD4+ T細胞エピトープが、C1ドメイン中のアミノ酸2098〜2112に広がるペプチド内で同定および確認されたが、A1-A2-A3-C1-C2ドメイン全体に広がる他の15マーのペプチドは陽性であると確認されなかった(J Thromb Haemost 2005; 3: 991〜1000)。前記ペプチド中の2個のアミノ酸、すなわち、M2104およびL2107の突然変異は、T細胞増殖の低下をもたらした。別の研究では、T細胞エピトープをA2、C1およびC2ドメイン内で分析したところ、C2中のアミノ酸残基R2220、F2196、N2198、M2199、L2200およびR2215がT細胞応答を惹起するために特に重要であるとわかった(WO 2011/060372)。また、A2ドメイン中のB細胞エピトープは、FVIII-R484A/R489A/P492Aがwt FVIIIよりも血友病Aマウスモデルにおいて低レベルの阻害的抗FVIII抗体を誘導したため、免疫応答の生成において役割を果たし得る(Blood 2004; 104: 704〜710)。かくして、異なる調査者がFVIIIに対する免疫応答に関与するFVIII中の異なるエピトープを同定し、免疫原性の低いFVIII分子を生成するための置換を導入するためのFVIII中の位置に関する共通の同意はないということになる。FVIIIの免疫原性は、典型的には、天然マウス(Thromb Haemost 1999; 81: 240〜244)もしくはヒトMHCクラスIIレパートリー(の一部)(Haemophilia 2010; 16 suppl 5: 47〜53)を担持する血友病Aマウスモデルにおいて、ヒトFVIIIに対する許容性が誘導された動物モデル(Haemophilia 2010; 16 suppl 5: 47〜53)において、またはヒトT細胞応答アッセイ(Thromb Haemost 2000; 84: 643〜652; WO 2011/060372)において評価されているが、これらのモデルのいずれかがヒト臨床を予測するかどうかは知られていない。
FVIIIの細胞取込み/LRP媒介性クリアランス:本発明によるFVIII変異体は好ましくは、細胞取込みが低下している。細胞取込みの低下は、in vivo循環半減期の延長と関連し得る。細胞取込みを、実施例7に開示されるアッセイを用いて測定することができる。LRPおよびLRPファミリーメンバーは、例えば、肝細胞の表面上のLRP発現細胞によるFVIIIのエンドサイトーシスを介するFVIIIクリアランスに関与していた。マウスにおけるLRPアンタゴニストRAP(受容体関連タンパク質)の注入は、BALB/cマウスにおけるFVIIIクリアランスの初期段階を完全に阻害し、125I -FVIIIの半減期を3.3倍延長させた(J Biol Chem 1999; 274: 37685〜37692)。条件的LRP欠損マウスにおいては、FVIIIの増強された血漿レベルが観察され(Blood 2003; 101: 3933〜3939)、LRPとLDLR(低密度リポタンパク質受容体)との組合せを欠損するマウスにおいては、注入されたFVIIIの4.8倍の平均滞留時間の増強が示された(Blood 2005; 106: 906〜912)。これらの刊行物はin vivoでのFVIIIのクリアランスにおけるLRPおよびLRPファミリーメンバーの役割を証明するが、LRPとの相互作用を担うFVIII中の正確な位置は依然として不明確である。アミノ酸484〜509を含むLRP結合部位がA2中で以前に同定された(J Biol Chem 1999; 274: 37685〜37692; Biochemistry 2006; 45: 1829〜1840; Blood Coagul Fibronolysis 2008; 19: 543〜555)。しかしながら、この領域に結合するmAb413は、単離されたA2へのLRP結合にのみ影響し、A2中のLRP部位としての可能性が最も高い無傷ではないFVIIIのみが活性化されたFVIII(FVIIIa)中に曝露される(J Thromb Haemost 2006; 4: 1487〜1493)。さらにアミノ酸376〜556内に単一または複数のアラニン置換を含むFVIIIは、この領域中に置換を含まないFVIIIと同等のLRP結合を示し、突然変異FVIII分子のマウスにおける血漿滞留時間は、野生型FVIIIの半減期と比較して増加しなかった(P-T-035、ISTH 2007の要約)。LRP結合部位は、FVIIIの軽鎖中に存在することが示唆され(J Biol Chem 1999; 274: 23734〜23739、WO 00/28021)、A3ドメイン中のGlu1811〜Lys1818を含む部位が抗体ならびにこの領域とFVIII中のこの領域がFV中の対応する配列で置換されたFVIII-FVキメラのLRP結合の欠如とを包含する合成ペプチドの阻害効果に基づいて同定された(J Biol Chem 2003; 278: 9370〜9377)。この領域は、第IXa因子相互作用部位のすぐ近くにあるか、またはそれと重複しており、結果として、この部位内の突然変異は、FVIIIのコファクター活性に影響し得る。さらに、C2ドメイン中の部位が、FVIIIのLRP結合を阻害する抗C2 mAb ESH4の能力に基づいて提唱された(J Biol Chem 1999; 274: 23734〜23739)。FVIIIのC2ドメイン内のESH4のいくつかのエピトープが提唱されている。アミノ酸2248〜2285内のESH4のエピトープはJ Biol Chem 1997; 272: 18007〜18014に記載されているが、2173〜2222は後にFVIIIへのESH4の結合にとって必須であると同定された(Thromb Haemost 2003; 89: 795〜802)。抗体のデータシート(American Diagnostica)およびJ Mol Recognit 2009; 22: 301〜306には、FVIIIの2303〜2322内のエピトープが記載されている。従って、FVIII上のESH4のエピトープの局在化のために利用可能なデータは矛盾しており、LRP結合にとって必須の個々のアミノ酸の予測を可能にするには十分に詳述されていない。さらに、高濃度のC2(500nM)でも、LRPとの少しだけの結合が観察された(J Biol Chem 1999; 274: 23734〜23739)が、C2中のLRP部位の親和性が低いことを示唆しており、この部位が無傷のFVIIIにおいて主要な役割を果たすかどうかを不明確にしている。主なリン脂質結合部位はFVIIIaのC2ドメイン中に存在する。これは元々、C2ドメインに広がる合成ペプチドが固定されたホスファチジルセリンへのFVIIIの結合を阻害する能力に起因して同定されたものである(Blood 1990; 75: 1999〜2004)。この方法により、残基2303〜2332はリン脂質結合を媒介することが示唆された。さらに、モノクローナル抗体ESH-8は、ホスファチジル-L-セリンを含有するリン脂質ベシクルへのFVIIIaの親和性を低下させた(Blood 1995; 86: 1811〜1819; J Biol Chem 1998; 273: 27918〜27926)。ESH8のエピトープはアミノ酸2248〜2285を含む(Blood 1995; 86: 1811〜1819)。しかしながら、後の刊行物では、ESH8およびアミノ酸2248〜2285からなるペプチドは、活性化された血小板へのFVIIIaの結合を阻害することができなかったが、ESH4抗体およびアミノ酸2303〜2332を包含するペプチドは活性化された血小板へのFVIIIaの結合を阻害した(Biochemistry 2005; 44: 13858〜13865)。
かくして、LRP結合が低下したFVIII変異体は潜在的に、増加したin vivo循環半減期を有することができると長い間当業界で推測されてきたが、循環半減期の延長をもたらすFVIIIのC1およびC2ドメイン中の特異的LRP結合部位はこれまでのところ同定されていない。
LRP結合モチーフは、「酸性ネックレス」中にそれぞれドッキングする約20Åの距離で対形成したリジン残基を含むと考えられる(Mol Cell 2006; 22: 277〜286)。しかしながら、LRP結合部位間の距離は、アミノ酸側鎖における可撓性、FVIII構造における可撓性などに起因して、20Åからいくらか外れていてもよい(例えば、少なくとも15Å)。同様に、2つのLRP結合部位間の距離もまた、約40Å、60Åまたはさらには80Åであってもよい。アルギニンの側鎖はリジンの側鎖よりも嵩高く、酸性ネックレス中に適合せず、かくして、LRP結合を低下させるため、アルギニンはリジンに置換してもよい。FVIIIは多数の潜在的なLRP結合モチーフを含む、すなわち、本発明の発明者らは、140個の表面に露出したリジンまたはアルギニンを定義した(図1およびtable 1(表1))。かくして、当業者であっても、実質的にLRP結合が低下した1、2、3、または限られた数のみの置換を有するFVIII変異体を同定することはできないということになる。さらに、当業者であれば、FVIIIのLRP結合およびLRP媒介性クリアランスを著しく低下させるためには、多数のリジンおよび/またはアルギニン残基を突然変異させるべきであると予想することができた。LRP結合を低下させるための、多数のリジンおよび/またはアルギニンは、生物活性をほとんど有さないか、もしくは全く有さない分子および/または十分な量で発現させることができない分子をもたらす可能性が最も高い。これが、table 1(表1)に示されるFVIII突然変異体のいくつかによって例示される。しかしながら、本発明の発明者らは驚くべきことに、C1もしくはC2フット中の表面に接近可能なリジンもしくはアルギニンの置換が、またはFVIIIのC1およびC2フットの両方における置換と共に、完全な活性を保持しながら、LRP結合が著しく低下したFVIII変異体をもたらすことを示した。
樹状細胞およびマクロファージなどの抗原提示細胞によるFVIIIの取込みは、LRP受容体ファミリーを迂回する(Haematologica 2008; 93: 83〜98)。その代わり、高マンノースグリカンに結合するマクロファージのマンノース受容体がこれらの細胞によるFVIIIの取込みに関与していた(Proc Natl Acad Sci USA 2007; 104: 8965〜8970)。しかしながら、本発明の発明者らは、LRPへの結合の低下をもたらすFVIII突然変異もまた、樹状細胞およびマクロファージにおける取込みの低下を示すことを示した。ヒトFVIIIに対する抗体形成のマウスモデルにおいて、FVIIIにおけるこれらの置換が驚くべきことに、血友病患者における阻害因子の発生をモニターするのに一般的に用いられるBethesdaアッセイにおいて測定されるように、より低レベルの総抗FVIII抗体ならびに中和抗体(阻害因子)をもたらした。従って、細胞取込みが低下したFVIII変異体が、阻害因子を発生する危険性がより低いことに関して治療的利益を有するかどうかを推測することができる。
LRP結合/細胞取込みの調節にとって好適なFVIII突然変異:
KM33抗体がLRPへのFVIII結合を阻害する能力を有することは当業界で公知である(J Biol Chem 2003; 278: 9370〜9377およびWO 03/093313)。vWF欠損マウスへのKM33 scFvとFVIIIとの同時投与は、FVIIIのみを受ける対照マウスと比較して、投与の15および30分後により高レベルのFVIII活性をもたらした(WO 03/093313)。KM33はK2092〜S2094領域に結合するため(Blood 2009; 114: 3938〜3946およびISTH、2007で提示されたP-M-040の要約)、K2092はK2065をさらに含んでもよい1つの潜在的なLRP結合部位の一部を構成し得ることが示唆された(ISTH、2007で提示されたO-M-041の要約)。これらの単一の置換は両方とも、第IXa因子との相互作用ではなく、LRP結合に影響した(ISTH、2007のO-M-041の要約)。しかしながら、これらのアミノ酸残基の2個以上のみ(最大で約10個)のアラニンによる置換がLRP結合および/または細胞取込みを著しく低下させることは示唆されていない。
K2092A置換および/またはF2093A置換を含むFVIII変異体は、Blood 2009; 114: 3938〜3946に開示されている。これらの突然変異は、4%のホスファチジル-L-セリンを含む膜に対する親和性が3〜10倍低下し、低いホスファチジル-L-セリンレベル、例えば、4%で第X因子活性化複合体が95%超減少することがわかった。
潜在的なLRP結合部位の大きな冗長性および表面に露出したリジン(またはアルギニン)残基のわずか数個のアミノ酸置換を、生物活性を失う、および/またはFVIII収率を著しく低下させることなく実施することができるという事実を考慮すれば、LRP結合の著しい低下をもたらす1個または2個または数個のアミノ酸置換を有する生物活性FVIII変異体を提供することはとても不可能であった。しかしながら、本発明の発明者らは、生物活性を保持し、ならびにLRP結合の著しい低下を示すFVIIIのC1および/またはC2フット中のアミノ酸置換の選択に到達した(table 1および2(表1および2))。C1フット中のLRP部位内の置換と、C2フット中の部位内の置換との組合せはLRP結合に対してより大きい効果を有するFVIII分子をもたらし、これらのFVIII分子が同時にFVIII:Cを維持することは、これらの部位がリン脂質結合部位のすぐ近くにあるため、予想されなかった。
本発明によるLRP結合/細胞取込みが調節されたFVIII変異体の例としては、以下のものが挙げられる。
K2092A(配列番号3)
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F2093A(配列番号4)
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K2092A-F2093A(配列番号5)
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R2215A(配列番号6)
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K2065A-R2215A(配列番号7)
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R2090A-R2215A(配列番号8)
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K2092A-R2215A(配列番号9)
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側鎖/側基/部分:本発明によるFVIII変異体を、翻訳後修飾により、または融合タンパク質の形態で、(半減期延長)側基/部分と共有結合によってコンジュゲートさせることができる。かくして、1または複数の下記のFVIIIの側基改変を実行することができる:アルキル化、アシル化、エステル形成、ジスルフィドまたはアミド形成など。これは、PEG化されたFVIII、システイン-PEG化されたFVIIIおよびその変異体を含む。本発明によるFVIII変異体はまた、生体適合性脂肪酸およびその誘導体、親水性ポリマー(ヒドロキシエチルスターチ、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、ヘパロサンポリマー、ホスホリルコリンに基づくポリマー、フレキシマー、デキストラン、ポリシアル酸)、ポリペプチド(抗体、抗体の抗原結合断片、Fcドメイン、トランスフェリン、アルブミン、エラスチン様ペプチド(MacEwan SR、Chilkoti A. Biopolymers. 2010; 94:60)、XTENポリマー(Schellenberger Vら、Nat Biotechnol. 2009; 27: 1186)、PAS化またはHAP化(Schlapschy Mら、Protein Eng Des Sel. 2007; 20: 273)、アルブミン結合ペプチド(Dennis MSら、J Biol Chem. 2002, 277: 35035))などにコンジュゲートさせることもできる。
本発明によるFVIIIを、必要に応じてリンカーを介する、1または複数の半減期延長疎水性側基/部分によりアシル化することができる。-(CH2)12-部分を有する化合物は、本発明の文脈における可能なアルブミン結合剤である。疎水性側基は、そのような側基がアルブミンとの非共有複合体を形成し、それによって血流中のアシル化されたFVIII変異体の循環を促進することができるという事実に起因して、アシル化されたFVIII変異体とアルブミンとの複合体のみがゆっくりと分解されてFVIII変異体を遊離するという事実に起因して、「アルブミン結合剤」と呼ばれることもある。化学的方法ならびに本質的にはWO03031464に開示された方法に従う酵素的「グリコ-アシル化」方法を用いて、FVIIIをアシル化することができる。酵素的方法は、有機溶媒の使用を回避する利点ならびに一般に非常に部位特異的であるという利点を有する。
用語「PEG化FVIII」とは、PEG分子とコンジュゲートしているFVIIIを意味する。PEG分子を、任意のアミノ酸残基または炭水化物部分などのFVIIIの任意の部分に結合させることができることが理解されるべきである。用語「システイン-PEG化FVIII」とは、FVIIIに導入されたシステインのスルフヒドリル基にコンジュゲートしているPEG分子を有するFVIIIを意味する。
PEGは、デキストランなどの多糖と比較して、架橋することができる反応基がわずかに数個であるので、好適なポリマー分子である。特に、一官能性PEG、例えば、メトキシポリエチレングリコール(mPEG)は、そのカップリング化学が比較的単純である(ポリペプチド上の結合基とコンジュゲートさせるためにただ1個の反応基が利用可能である)ので、興味深い。結果として、架橋の危険性が排除され、得られるポリペプチドコンジュゲートはより均質になり、ポリマー分子とポリペプチドとの反応は制御がより容易である。
ポリマー分子のポリペプチドへの共有結合を行うために、ポリマー分子のヒドロキシル末端基を活性化形態で、すなわち、反応性官能基と共に提供する。PEG化を、ポリペプチド上の全ての利用可能な結合基(すなわち、ポリペプチドの表面に露出したそのような結合基)へのコンジュゲーションに向けるか、または1もしくは複数の特異的結合基、例えば、N末端アミノ基(米国特許第5985265号)、N-および/もしくはO-結合グリカンなどに向けることができる。さらに、コンジュゲーションを、一工程で、または段階的様式で(例えば、WO 99/55377に記載)達成することができる。側基/部分をO-および/またはN-結合グリカンにカップリングさせるための酵素的手段は、WO03031464に開示されている。
融合タンパク質:融合タンパク質/キメラタンパク質は、元々は別々のタンパク質をコードした2個以上の遺伝子の連結により作製されるタンパク質である。この融合遺伝子の翻訳は、元のタンパク質のそれぞれに由来する機能的特性を有する単一のポリペプチドをもたらす。かくして、本発明によるFVIII変異体の側鎖は、FVIIIに融合されたポリペプチドの形態にあってよい。かくして、本発明によるFVIIIを、例えば、抗体および「Fc融合誘導体」または「Fc融合タンパク質」などのFVIIIに半減期の延長をもたらすことができるペプチドに融合することができる。
Fc融合タンパク質は、本明細書では、任意の抗体アイソタイプから誘導することができるFcドメインに融合されたFVIIIを包含することを意味するが、IgG Fcドメインは、IgG抗体の比較的長い循環半減期のため好ましいことが多い。Fcドメインをさらに改変して、例えば、補体結合および/または特定のFc受容体への結合などの特定のエフェクター機能を調節することができる。FcRn受容体に結合する能力を有する、FVIIIとFcドメインとの融合物は一般に、wt FVIIIタンパク質の半減期と比較して、融合タンパク質の循環半減期の延長をもたらす。IgG Fcドメイン中の位置234、235および237における突然変異は一般に、FcγRI受容体ならびにおそらくまた、FcγRIIaおよびFcγRIII受容体への結合の低下をもたらす。これらの突然変異は、細胞内再利用経路によって長い循環半減期を促進するFcRn受容体への結合を変化させない。好ましくは、本発明による融合タンパク質の改変されたIgG Fcドメインは、それぞれ、特定のFc受容体への親和性の低下(L234A、L235E、およびG237A)ならびにC1q媒介性補体固定化(A330SおよびP331S)の減少をもたらす1または複数の突然変異を含む。
Von Willebrand因子(vWF): vWFは血漿中に存在し、内皮(Weibel-Palade小体)、巨核球(血小板のα顆粒)、および内皮下結合組織中で構成的に産生される大きいモノマー/マルチマー糖タンパク質である。その主な機能は、他のタンパク質、特にFVIIIへの結合であり、創傷部位への血小板付着において重要である。
FVIIIはvWFに結合するが、循環中では不活性である; FVIIIはvWFに結合していない場合、迅速に分解するか、または消失する。かくして、FVIIIにおけるvWF結合能力の低下または無効化は循環半減期が延長したFVIII変異体の取得においては非常に望ましくない手法と考えられるということになる。しかしながら、分子を保護的半減期延長側基/部分にコンジュゲートさせる場合、部位特異的突然変異誘発によってvWFを減少または無効化することができる。
vWFへの結合を担うFVIII中の領域は、EP0319315に開示されるように残基1670〜1684に広がる領域である。この領域を含むFVIII点突然変異および/または欠失突然変異はvWFに結合する能力を改変すると予想される。本発明による特に好ましい点突然変異の例としては、1または複数の下記点突然変異: Y1680F、Y1680R、Y1680N-E1682T、およびY1680Cを含む変異体が挙げられる。
糖タンパク質:用語「糖タンパク質」は、「骨格」アミノ酸配列の1または複数のアミノ酸残基に結合した1または複数のオリゴ糖(グリカン)を含有するペプチド、オリゴペプチドおよびポリペプチドを包含することが意図される。グリカンは、N-結合またはO-結合であってよい。
かくして、用語「末端シアル酸」または互換的な「末端ノイラミン酸」は、グリカンまたはオリゴ糖鎖中の末端糖残基として連結された、すなわち、それぞれのアンテナの末端糖がα2->3またはα2->6結合を介してガラクトースに連結されたN-アセチルノイラミン酸である、シアル酸残基を包含することが意図される。
用語「ガラクトースまたはその誘導体」とは、ガラクトース残基、例えば、天然のD-ガラクトースまたはその誘導体、例えば、N-アセチルガラクトサミン残基を意味する。
用語「末端ガラクトースまたはその誘導体」とは、グリカンまたはオリゴ糖鎖中の末端糖残基として連結された、例えば、それぞれのアンテナの末端糖がガラクトースまたはN-アセチルガラクトサミンである、ガラクトースまたはその誘導体を意味する。
用語「アシアロ糖タンパク質」は、1または複数の末端シアル酸残基が、例えば、シアリダーゼを用いる処理により、またはガラクトースもしくはN-アセチルガラクトサミンの下にある「層」から少なくとも1個のガラクトースもしくはN-アセチルガラクトサミン残基を露出させる化学的処理(「露出したガラクトース残基」)により除去された糖タンパク質を含むことが意図される。
一般に、野生型FVIIIの一部ではないN-結合グリカンを、N-X-S/Tモチーフを得るためのアミノ酸突然変異を導入することにより、本発明のFVIII分子中に導入することができる。本発明のFVIII分子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上のN-結合グリカンを含有する。N-結合グリカンの構造は、高マンノース型または複合型のものである。高マンノースグリカンは、グリカンの非還元末端に末端マンノース残基を含む。複合N-グリカンは、非還元末端に末端シアル酸、ガラクトースまたはN-アセチルグルコサミンを含む。かくして、N-結合グリコシル化部位を、組換え技術を用いて本発明によるFVIII変異体中に挿入することができる。
シアリルトランスフェラーゼ:シアリルトランスフェラーゼは、シアル酸を新生オリゴ糖に移動させる酵素である。それぞれのシアリルトランスフェラーゼは、特定の糖ヌクレオチドドナー基質に特異的である。シアリルトランスフェラーゼは、糖脂質(ガングリオシド)、または糖タンパク質のN-もしくはO-結合グリカン中の末端ガラクトースにシアル酸を付加する。シアリルトランスフェラーゼは、FVIII分子上に存在するグリカンへの側基/部分の酵素的コンジュゲーションにおける使用にとって好適である。
医薬組成物:医薬組成物は、本明細書では好ましくは、例えば、すぐに使える滅菌水性組成物または例えば、水もしくは水性バッファー中で再構成させることができる乾燥滅菌組成物などの、非経口投与にとって好適な本発明によるFVIII分子を含む組成物を包含することを意味する。本発明による組成物は、様々な製薬上許容し得る賦形剤、安定剤などを含んでもよい。
そのような組成物中のさらなる成分は、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、増量剤、等張性改変剤、キレート剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはタンパク質)ならびに両性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジンおよびヒスチジンなどのアミノ酸)を含んでもよい。そのようなさらなる成分は勿論、本発明の医薬製剤の全体的な安定性に有害に作用すべきではない。注射器、必要に応じて、ペン型注射器を用いる皮下、筋肉内、腹腔内または静脈内注射により、非経口投与を実施することができる。あるいは、輸液ポンプを用いて非経口投与を実施することができる。
本発明による組換えFVIIIタンパク質を産生させるための好適な宿主細胞は、分子が折畳みおよび例えば、グリコシル化、スルファテーション(sulfatation)などの翻訳後修飾の間に適切に加工されることを確保するために、哺乳動物起源のものであるのが好ましい。本発明の実施においては、細胞は哺乳動物細胞、より好ましくは、確立された哺乳動物細胞系、例えば、限定されるものではないが、CHO、COS-1、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞系、およびHEK293細胞系である。好ましいBHK細胞系は、以後BHK570細胞と呼ばれるtk- ts13 BHK細胞系である。好ましいCHO細胞系は、CHO K1細胞系ならびにCHO-DXB11系およびCHO-DG44系である。他の好適な細胞系としては、限定されるものではないが、Rat Hep I、Rat Hep II、TCMK、NCTC 1469; DUKX細胞(CHO細胞系)およびDG44(CHO細胞系)が挙げられる。また、3T3細胞、Namalwa細胞、ミエローマおよびミエローマと他の細胞との融合物も有用である。現在好ましい細胞は、HEK293、COS、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞およびミエローマ細胞、特に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
本明細書で用いられる用語「治療」とは、それを必要とする任意のヒトまたは他の動物被験体の医学的療法を指す。前記被験体は、前記特定の治療の使用が前記ヒトまたは他の動物被験体の健康にとって有益であることを示す暫定診断または確定診断を与えた医師による健康診断を受けたと予想される。前記治療のタイミングおよび目的は、被験体の健康の現状に応じて、個体ごとに変化してもよい。かくして、前記治療は、予防的、苦痛緩和的、症候的および/または治癒的であってよい。
かくして、第一の態様において、本発明は、FVIII活性を有する組換えFVIII変異体であって、前記変異体が、FVIIIのC1フットおよび/またはC2フット中に表面に接近可能な正荷電アミノ酸、例えば、リジンおよび/またはアルギニン残基の2〜10個、あるいは2〜8個、あるいは2〜7個、あるいは2〜6個、あるいは2〜5個、あるいは2〜4個、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の置換を含み、該表面に接近可能な正荷電残基/リジンまたはアルギニン残基が、限定されるものではないが、アラニンまたはグルタミンで置換され、該置換がLRP結合の低下および好ましくはさらに細胞取込みの低下をもたらす、組換えFVIII変異体に関する。一実施形態においては、表面に接近可能な荷電アミノ酸は、リジン、アルギニンおよびヒスチジンからなる群より選択される。好ましくは、前記変異体はさらに、低下したLRP結合を有する。好ましくは、前記変異体はさらに、低下した免疫原性および/または低下したクリアランスを有する。最も好ましくは、前記変異体は、低下した細胞取込み、低下したLRP結合および低下した免疫原性および低下したクリアランスを有する。1つの特定の実施形態によれば、1または複数のアルギニン残基を1または複数のリジン残基と置換してもよい。アルギニンの「嵩高い」側鎖は、LRPの酸性ネックレス中に適切にドッキングすることができず、かくして、LRP結合の低下をもたらす可能性がある。一実施形態においては、前記FVIII変異体はさらに、例えばR2159N突然変異および/またはさらなるグリコシル化部位の形成をもたらす他の突然変異を含み、前記グリコシル化部位中のグリカンはKM33抗体に結合する能力の低下をもたらす。
第二の態様において、本発明は、K2092A置換およびF2093A置換を含み、半減期延長部分とコンジュゲートしている組換えFVIII変異体に関する。半減期延長部分は、例えば、1もしくは複数のPEG部分、1もしくは複数のPSA部分、1もしくは複数のHES部分、1もしくは複数の脂肪酸/脂肪酸誘導体、Fcドメイン、またはこれらのいずれかの組合せ(例えば、1もしくは複数のPSA部分と組み合わせた1もしくは複数のPEG部分)であってよい。一実施形態においては、前記FVIII変異体はさらに、R2159N突然変異および/またはさらなるグリコシル化部位の形成をもたらす他の突然変異を含み、前記グリコシル化部位中のグリカンはKM33抗体に結合する能力の低下をもたらす。
第三の態様において、本発明は、さらなるグリコシル化部位をもたらす突然変異を含み、前記グリコシル化部位中のグリカンがKM33抗体に結合する能力の低下をもたらす、FVIII活性を有する組換えFVIII変異体に関する。好ましくは、KM33抗体に結合する能力の低下は、細胞取込みの低下および/またはLRP結合の低下をもたらす。KM33抗体に結合する変異体の能力の低下をもたらすさらなるグリコシル化部位を含むこの型のFVIII変異体の一例は、R2159N突然変異を含むFVIII変異体である。
一実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、FVIIIのC1フットおよび/またはC2フット中に、表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の2〜10個、あるいは2〜9個、あるいは2〜8個、あるいは2〜7個、あるいは2〜6個、あるいは2〜5個、あるいは2〜4個、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の置換を含み、前記表面に接近可能な荷電アミノ酸残基はアラニンまたはグルタミンで置換され、該置換は前記FVIII変異体の細胞取込みの低下をもたらす。
一実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、F2093A突然変異をさらに含む。
一実施形態によれば、本発明によるFVIII変異体は、C1フット中に表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の少なくとも2個の置換を含む。別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、C2フット中に表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の少なくとも2個の置換を含む。別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、C1フット中に表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の少なくとも1個の置換およびC2フット中に表面に接近可能な荷電アミノ酸残基の少なくとも1個の置換を含む。
別の実施形態によれば、本発明によるFVIII変異体は、表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の一対の置換を含み、置換の対の間の距離は少なくとも15Åである。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、K2092の置換を含む。好ましくは、2092リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2092リジン残基をグルタミン残基で置換する。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、前記K2092置換およびR2215の置換を含む。好ましくは、2092リジン残基をアラニン残基で置換する。あるいは、2092リジン残基を、グルタミン残基で置換する。好ましくは、2215アルギニン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2215アルギニン残基を、グルタミン残基で置換する。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体はK2249の置換と組み合わせた前記K2092置換を含む。好ましくは、2092リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2092リジン残基を、グルタミン残基で置換する。好ましくは、2249リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2249リジン残基を、グルタミン残基で置換する。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、R2090の置換を含む。好ましくは、2090アルギニン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2090アルギニン残基を、グルタミン残基で置換する。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、K2065の置換を含む。好ましくは、2065リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2065リジン残基を、グルタミン残基で置換する。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、前記K2065置換およびR2215の置換を含む。好ましくは、2065リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2065リジン残基を、グルタミン残基で置換する。好ましくは、2215アルギニン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2215アルギニン残基を、グルタミン残基で置換する。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、前記K2065置換およびK2249の置換を含む。好ましくは、2065リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2065リジン残基を、グルタミン残基で置換する。好ましくは、2249リジン残基を、アラニン残基で置換する。あるいは、2249リジン残基を、グルタミン残基で置換する。
第一の実施形態によれば、本発明によるFVIII変異体は、C2フット中にリジンまたはアルギニン置換を含み、該置換はR2215、R2220、K2249、およびK2320からなる群に由来する1または複数のアミノ酸から選択される。
第二の実施形態によれば、本発明によるFVIII変異体は、C1フット中にリジンまたはアルギニン置換を含み、該置換はK2065、R2090およびK2092からなる群に由来する1または複数のアミノ酸から選択される。第二の態様においては、本発明は、C1フット中にF2093A置換を含み、該置換が細胞結合および/もしくは細胞取込みの低下ならびに/またはLRP結合の低下をもたらす、FVIII活性を有する組換えFVIII変異体に関する。
一実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、半減期延長側基/部分にコンジュゲートしているFVIII変異体である。別の実施形態においては、側基を、グリカン、例えば、N-結合グリカンまたはO-結合グリカンによりFVIIIにコンジュゲートさせることができる。好ましい実施形態においては、側基を、例えば、WO03031464に開示されたような酵素的手法を用いてFVIIIグリカンにコンジュゲートさせる。別の好ましい実施形態においては、N-および/またはO-結合グリカンを、組換え方法を用いて本発明によるFVIII変異体に導入/付加することができる。別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、融合タンパク質、例えば、FVIII:Fc融合タンパク質などである。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体はさらに、該変異体のin vitroでの安定性を増加させるために前記FVIII変異体中に導入されたアミノ酸変化を含む。好ましい実施形態においては、本発明によるFVIII変異体のin vitroでの安定性を増加させるためにジスルフィド架橋が導入された。別の実施形態によれば、本発明による前記FVIII変異体は、1または複数の安定化ジスルフィド架橋を含む。前記安定化硫黄架橋は、好ましくは本発明によるFVIII変異体の2個のドメインを共有結合している。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、Bドメインがトランケートされた変異体である。別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、半減期延長側基/部分を含み、この側基は、好ましくはトランケートされたBドメイン中に位置するO-グリカンに連結され、前記半減期延長部分は前記FVIII変異体の活性化の際に除去される。好ましい実施形態によれば、前記変異体は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
別の実施形態においては、本発明によるFVIII変異体は、PEG基、Fcドメイン、ポリペプチド、疎水性側基/部分からなる群より選択される半減期延長側基/部分を含む。好ましい実施形態においては、側基は、前記FVIII変異体に融合される融合パートナーの形態にある。好ましい実施形態においては、Fcドメインは、好ましくは、以下のアミノ酸置換: L234A、L235E、G237A、A330S、およびP331Sを含む、エフェクター機能が低下したIgG Fcドメインである。一実施形態においては、側基を、例えば、WO03031464に開示された「グリコPEG化」酵素的方法を用いて本発明によるFVIII変異体にコンジュゲートさせることができる。別の実施形態においては、側基を、自由に導入されたシステインアミノ酸残基を介して本発明によるFVIII変異体に付加することができる。
別の実施形態においては、本発明による組換えFVIII変異体は、以下の置換: K2092AおよびF2093Aを含む。この変異体を、好ましくは、例えば、PEG、HES、ポリシアル酸(PSA)、および脂肪酸/脂肪酸誘導体、HASなどの1または複数の半減期延長部分にコンジュゲートさせる。
別の実施形態においては、本発明による組換えFVIII変異体は、以下の置換: R2090A、K2092A、およびF2093Aを含む。
別の実施形態においては、本発明による組換えFVIII変異体は、以下の置換: K2065A、K2092A、F2093A、およびR2215Aを含む。
別の実施形態においては、本発明による組換えFVIII変異体は、R2215A、K2065AおよびR2090Aからなる一覧より選択される少なくとも1個の置換と組み合わせたK2092AおよびF2093A置換を含む。
別の実施形態においては、本発明による変異体は、FVIIIへの結合時に細胞取込みを低下させる能力を有するFVIII抗体により結合した少なくとも1個の表面に露出したアミノ酸の置換を含む。
別の実施形態においては、本発明による変異体は、Bドメインがトランケートされた変異体であり、Bドメインの配列は配列番号2に記載される。
別の実施形態においては、本発明による組換えFVIII変異体は、FVIIIへの結合時に細胞取込みを低下させる能力を有する少なくとも1つのFVIII抗体により結合した少なくとも1個の表面に露出したアミノ酸の置換を含む。この種類の抗体の例としては、KM33(J Biol Chem 2003; 278: 9370〜9377およびWO 03/093313)、ESH4(J Biol Chem 1997)、CLB-CAg117(Blood 1998; 91: 2347〜2352)、4F30および4F161抗体が挙げられる。
第二の態様は、本発明によるFVIII変異体をコードするDNA分子ならびにそのようなDNA分子を含む発現ベクターおよび宿主細胞に関する。
第三の態様は、本発明によるFVIII変異体を作製する方法に関する。前記方法は、好適な条件下で好適な宿主細胞をインキュベートした後、前記FVIII変異体を単離することを含む。組換え生産された変異体を、例えば、好ましくは酵素的手法を用いて側鎖とさらにコンジュゲートさせることができる。
第四の態様は、本発明によるFVIII変異体を含む医薬組成物に関する。第五の態様は、本発明によるFVIII変異体を含む医薬組成物を含むキットに関する。このキットは、好ましくは、本発明によるFVIII変異体を含む乾燥画分を含む容器ならびにFVIII変異体を再構成させるのに用いられるバッファーを含む容器を含む。
第六の態様は、血友病、好ましくは血友病Aの治療のための本発明によるFVIII変異体または本発明による医薬組成物の使用に関する。本発明はさらに、血友病、好ましくは血友病Aを治療するための薬剤を製造するための本発明によるFVIII変異体の使用に関する。
最後の態様は、治療上有効量の本発明によるFVIII変異体または医薬製剤を、それを必要とする人々に投与することを含む、血友病の治療方法に関する。
(実施例)
(実施例1)
FVIII変異体の生成
cMycタグをコードする断片を、21アミノ酸のBドメインリンカーを含むFVIIIをコードする発現構築物中の重鎖のC末端中に挿入した(Haemophilia 2010; 16: 349〜48)。このFVIII-cMyc2の発現レベルおよび活性は、タグ付でないFVIIIと同様であった。FVIII-cMyc2を、変異体のための鋳型として、および実施例3〜5に記載のアッセイにおける対照として用いた。変異体間のドメインのスワッピングを容易にするために、さらなる制限部位をFVIII-cMyc2発現構築物に加えた。A1ドメインはSalIおよびPshAI/MfeIにフランキングし、A2はPshAI/MfeIおよびAvrII/NruIにフランキングし、A3はAgeI/MluIおよびBstZ17I/BstAPIにフランキングし、C1はBstZ17I/BstAPIおよびSwaI/SphIにフランキングし、C2はSwaI/SphIおよびSfiIにフランキングする。露出した塩基性アミノ酸(リジンまたはアルギニン)の部位特異的突然変異誘発を、Geneart AG(Regensburg、Germany)により行った。LRP1への親和性が低下した突然変異体は、特にC1およびC2ドメインのフットに局在化していた(図2ならびにtable 1および2(表1および表2)を参照されたい)。C1およびC2突然変異体の組合せを、C1突然変異体K2065A、R2090AおよびK2092Aに、R2215A、R2220Q、K2249AおよびR2320Qの520 bpのSphI/SfiI断片を導入することによりクローニングした(table 2(表2))。
(実施例2)
FVIII突然変異体の発現
製造業者の推奨に従ってHKB11細胞(Cho M-Sら、J Biomed Sci 2002; 9: 631〜63)および293fectin(Invitrogen)を用いて、無血清トランスフェクションを実施した。50U/mLのペニシリンおよび50μg/mLのストレプトマイシンを添加した市販のFreestyle 293 Expression Medium(Invitrogen #12338-018)中で、HKB11懸濁細胞を増殖させた。細胞を、振とう器中で懸濁細胞として増殖させ、5%CO2および95%相対湿度の下、37℃でインキュベートした。細胞を3×105細胞/mLの密度で播種し、3〜4日毎に継代した。生細胞および総細胞濃度を、自動細胞計数のための画像分析ソフトウェアを用いるCedex(Innovatis)分析により評価した。生細胞を、乾燥トリパンブルーを排除するその能力により強調した。細胞をトランスフェクションの96時間後に収穫し、細胞ペレットを穏やかな遠心分離により単離した。その後、細胞ペレットを、0.5M NaClを含有するFreestyle 293 Expression Medium中に再懸濁した。穏やかな遠心分離後、FVIIIを含有する上清を収穫し、さらなる分析まで-80℃で保存した。
(実施例3)
発色アッセイにおいて測定されたFVIII:C
以下のようにCoatest SP試薬(Chromogenix)を用いる発色FVIIIアッセイにおいて、rFVIII化合物のFVIII活性(FVIII:C)を評価した: FVIII試料およびFVIII標準物(ヒト較正血漿、Chromogenix)を、Coatestアッセイバッファー(50mM Tris、150mM NaCl、1%BSA、pH 7.3、保存剤を含む)中に希釈した。100、400、1600および6400倍に予め希釈された50μLの試料(培養上清または精製されたFVIII変異体)、標準物ならびにバッファー陰性対照を2回、96穴Spectramaxマイクロタイタープレートに添加した。Coatest SPキットに由来する第IXa因子/第X因子試薬、リン脂質試薬およびCaCl2を、5:1:3(vol:vol:vol)で混合し、これの75μLをウェルに添加した。室温で15分間インキュベートした後、50μLの第Xa因子基質S-2765/トロンビン阻害剤I-2581ミックスを添加し、反応物を室温で5分間インキュベートした後、25μLの1Mクエン酸、pH3を添加した。405nmでの吸光度をEnvisionプレートリーダー(PerkinElmer)上で測定し、620nmでの吸光度を参照波長として用いた。陰性対照の値を全試料から差引き、FVIII濃度に対してプロットされた標準物の吸光度値の線形回帰により較正曲線を調整した。試料の活性を、ELISAにより決定されたタンパク質濃度で除算することにより、比活性を算出した(実施例4)。FVIII変異体の比活性を、FVIII鋳型の比活性で除算することにより、FVIII-cMyc2鋳型と比較した活性を算出した。table 1(表1)のデータは、様々なFVIII変異体間のFVIII:C活性の大きな変動を示す。table 2(表2)のデータは、FVIII:C活性が選択されたFVIII変異体中で維持されたことを示す。
(実施例4)
ELISAにおいて測定された総FVIII抗原
以下のようにAffinity Biologicals社製のELISA(#F8C-EIA)において、FVIII変異体の量を評価した:マイクロタイタープレート(Nunc)を、PBS(0.10Mリン酸ナトリウム; 0.145M NaCl、pH 7.2)中の100μL/ウェルの被覆抗体で被覆した。プレートを密閉し、4℃で一晩インキュベートした。プレートを洗浄バッファー(0.01Mリン酸ナトリウム、0.145M NaCl、0.05% Tween 20、pH 7.2)中で5回洗浄し、周囲温度で30分間、洗浄バッファー中で遮断した。試料をアッセイバッファー(0.1M Hepes; 0.1M NaCl; 10g/L BSA;0.1% Tween 20、pH 7.2)中で希釈し、10μLの希釈された試料(または較正/希釈対照)をそれぞれのウェルに移した。検出抗体(100μL)をプレートに添加し、振とう器上、周囲温度で1.5時間インキュベートした。プレートを洗浄し、100μLの基質(TMB一成分基質、Kem-en-Tec)を添加し、十分に発色するまで振とう器上でインキュベートした。100μLの停止バッファー(4M H3PO4)を添加することにより、反応を停止させた。450nmでの吸光度を、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)上で測定し、620nmでの吸光度を参照波長として用いた。
(実施例5)
ELISAにおけるLRP結合
以下のようにLRPに結合する能力についてFVIII変異体をさらに評価した:全試料を、NaClを含まないバッファー(0.1M Hepes; 10g/L BSA; 0.1% Tween 20、pH 7.2)中で40倍および80倍に希釈した。標準物(FVIII-cMyc2)は3000; 1000; 333; 111; 37; 12.3; 4.12および0ng/mLに希釈した。マイクロタイタープレートをPBS(100μL/ウェル)中のLRP(1μg/mL、BioMac、Leipzig、Germany)で被覆し、密閉し、4℃で少なくとも72時間インキュベートした。NaClを含まないバッファー中でプレートを5回洗浄し、少なくとも15分間、該バッファー中で遮断した。標準物/希釈試料(50μL/ウェル)およびバッファー(150μL/ウェル)をプレートに添加し、ウェットチャンバー中、室温で一晩インキュベートした。プレートを洗浄し、100μL/ウェルの1μg/mLビオチン化抗FVIII A2抗体(標準的な技術を用いて社内で調製されたBDD-FVIII-1F5*ビオチン)を添加し、振とう器上、室温で1時間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、バッファー中で1:20000に希釈された100μL/ウェルのストレプトアビジン*HRP(KPL、Kirkegaard & Perry Laboratories, Inc.)を添加し、プレートを振とう器上、室温で1時間インキュベートした。プレートを5回洗浄し、100μL/ウェルのTMB一基質(Kem-en-Tec)を添加し、十分な色が得られるまで振とう器上でプレートをインキュベートした。反応を100μL/ウェルの4M H3PO4で停止させた後、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)上で450nmでの吸光度を測定し、620nmでの吸光度を参照波長として用いた。変異体のLRP結合を、ELISAにより決定されたタンパク質濃度で除算することにより、特異的LRP結合を算出した(実施例4)。変異体の特異的LRP結合を、FVIII-cMyc2鋳型の特異的LRP結合で除算することにより、FVIII-cMyc2鋳型と比較したLRP結合を算出した。Table 1(表1)は、表面に露出したリジンまたはアルギニン残基が突然変異したFVIII変異体の発現レベル、FVIII:C活性およびLRP結合を示す。いくつかのFVIII変異体については、発現レベルが低いため活性およびLRP結合を検出することができなかった。これらのものは表中では「低濃度」と示される。発現レベルがLRP結合の分析を可能にするのに十分に高いFVIII変異体の多くは、置換を含まないFVIII対照「FVIII鋳型」のものと近いLRP結合を示した。いくつかのFVIII変異体、例えば、K523AおよびK1972Qは、活性の低下と一致して、低いLRP結合を示した。しかしながら、C1およびC2ドメイン中に置換を含むFVIII変異体のいくつか、すなわち、K2065A、R2090A、K2092A、R2215A、R2220QおよびK2249AはLRP結合を低下させたが(FVIII対照に対して0.53未満)、活性は維持された(FVIII対照に対して0.78を超える)。これらの突然変異は全て、上記のC1フットおよびC2フット中に位置する。C1ドメインのこの領域内の突然変異をC2ドメインの突然変異と組み合わせた場合(table 2(表2))、R2215Aが含まれる二重突然変異についてLRP結合のさらなる低下が観察された。また、R2090A-K2249A二重突然変異体は、単一突然変異について見られるものよりも大きいLRP結合の低下を示した。発現レベルが約350ng/mlより低い突然変異のいくつかについては、記載のアッセイを用いてLRP結合を分析することができなかった。F2093Aと組み合わせたリジンおよびアルギニン置換を含む選択された精製FVIII変異体のLRP結合を、アッセイにおいて一定範囲の濃度(最大で18nM)を適用することによりさらに分析し、Prism version 5.01ソフトウェア中の1部位総結合のための式を用いる結合曲線の非線形回帰により、Kd値を算出した。Table 3(表3)は、突然変異が挿入されていないFVIIIと比較したKdの倍数増加を示す。Kdの倍数増加が高くなるほど、LRP結合はより低下する。このデータは、C1(K2065、R2090、K2092、F2093)およびC2フット(R2215、R2220およびK2249)中の2個以上、すなわち、最大4個のアミノ酸残基が置換された場合、LRP結合の実質的な低下が観察されたことを示す。
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(実施例6)
表面プラズモン共鳴(SPR)分析によるLRP結合試験
BIAcore(商標)3000バイオセンサシステム(Biacore AB、Uppsala、Sweden)を用いて、SPR分析を実施した。完全長LRP(BioMac、Leipzig、Germany)を、供給業者により処方されたアミンカップリングキットを用いて、一級アミノ基による活性化CM5-センサチップのデキストラン表面に共有結合によってカップリングさせた(10fmol/mm2)。FVIII誘導体FVIII-YFP、FVIII-YFP-K2092A、FVIII-YFP-F2093AおよびFVIII-YFP-K2092A-F2093Aを構築し、抗FVIII抗体CLB-CAg 117を、記載のような(Br J Haematol 2008; 142: 644〜652)完全長IgGモノクローナル抗体VK34中で構築された一本鎖抗体断片VK34(Blood 2000; 96: 540〜545)により置換した以外は記載のように(Blood 2009; 114: 3938〜3945)発現させた。FVIIIを、50mMイミダゾール(pH 6.7)、50mM CaCl2、0.8M NaCl中のVK34 Sepharoseカラム上に充填した。充填後、続いてカラムを50mMイミダゾール(pH 6.7)、50mM CaCl2、0.8M NaClおよび50mMイミダゾール(pH 6.4)、40mM CaCl2、5%(v/v)エチレングリコールバッファーで洗浄した。次に、FVIIIを、50mMイミダゾール(pH 6.4)、40mM CaCl2、55%(v/v)エチレングリコール中でVK34 Sepharoseカラムから溶出させた。FVIIIを含有する画分を50mM Tris(pH 8.0)、100mM NaCl、5mM CaCl2、10%(v/v)グリセロール中に希釈し、Q Sepharose FF(Amersham Biosciences、Belgium)上に吸収させた。続いて、Q Sepharoseカラムを50mM Tris(pH 8.0)、100mM NaCl、5mM CaCl2、10%(v/v)グリセロールで洗浄した。FVIIIを、50mM Tris(pH 7.4)、5mM CaCl2、0.8M NaCl、50%(v/v)グリセロール中でQ Sepharoseカラムから溶出させ、-20℃で保存した。精製されたFVIII変異体は、活性(FVIII Coatest法、Chromogenix、Milan、Italy)と抗原(FVIII ELISA、Blood 2009; 114: 3938〜3945を参照されたい)との間の0.92〜1.03の比により評価されたように、完全な活性を維持した。FVIII誘導体(60nM)を、固定されたLRP上に通過させ、非特異的結合について補正された、共鳴単位(RU)での結合応答を、360秒の結合にわたって記録した。Table 4(表4)は、FVIII-K2092AのLRP結合が、置換を含まないFVIII-YFPと比較して約100 RU低下したが、FVIII-F2093Aの結合はわずかだけ低下した(17 RU)ことを示す。しかしながら、C1フット中で2つの置換を組み合わせた場合、LRP結合の実質的な低下(約200 RU)が観察された。
Figure 0006336522
(実施例7)
FVIII軽鎖変異体のLRP結合
製造業者により指示されるように好適なプライマーを用いるQuick Change mutagenesis(商標)(Stratagene、La Jolla、CA、USA)により、FVIII軽鎖中にK2065R、K2065A、K2092RおよびK2092A点突然変異ならびにK2065R-K2092RおよびK2065A-K2092A二重突然変異を導入した。製造業者の推奨に従ってFreeStyle(商標)293-F細胞(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA、#R790-07)および293fectin(Invitrogen)を用いて、FVIII軽鎖変異体の無血清トランスフェクションを実施した。FreeStyle(商標)293-F細胞懸濁液細胞を、市販のFreestyle 293 Expression Medium(Invitrogen、#12338-018)中で増殖させた。細胞を振とう器中で懸濁細胞として増殖させ、8%CO2および95%相対湿度下、37℃でインキュベートした。細胞を3×105細胞/mLの密度で播種し、3〜4日毎に継代した。トランスフェクションの120時間後に細胞を収穫し、細胞ペレットを穏やかな遠心分離により単離した。その後、細胞ペレットを、0.55M NaClを含有するFreestyle 293 Expression medium中に再懸濁した。穏やかな遠心分離後、FVIII軽鎖を含有する上清を収穫し、さらなる分析まで-20℃で保存した。LRPクラスターIIをベビーハムスター腎臓(BHK)細胞中で発現させ、記載のように精製した(J Biol Chem. 2003; 278:9370〜9377)。FVIII軽鎖変異体K2065A、K2092A、K2065A-K2092A、K2065R、K2092RおよびK2065R-K2092RへのLRPクラスターIIの結合および解離を、BIAcore 3000バイオセンサ(Biacore AB、Uppsala、Sweden)を用いるSPR分析により評価した。抗C2抗体CLB-EL14 IgG4(Br J Haematol 2008; 142: 644〜652)を、製造業者の説明書に従うアミンカップリング法を用いて、27fmol/mm2の密度でCM5センサチップ上に固定した。結果として、FVIII軽鎖変異体K2065A、K2092A、K2065A-K2092A、K2065R、K2092RおよびK2065R-K2092Rは、17fmol/mm2の密度で抗C2抗体に結合した。変化する濃度(0.2〜200nM)のLRPクラスターIIを、150mM NaCl、5mM CaCl2、0.005%(v/v)Tween 20および20mM Hepes(pH 7.4)を含有するバッファー中、20μL/minの流量で25℃でFVIII軽鎖変異体K2065A、K2092A、K2065A-K2092A、K2065R、K2092RおよびK2065R-K2092R上に通過させた。センサチップ表面を、1M NaClを含有する同じバッファーを用いてLRPクラスターIIのそれぞれの濃度の後3回再生した。FVIII軽鎖変異体K2065A、K2092A、K2065A-K2092A、K2065R、K2092RおよびK2065R-K2092Rへの結合を、240秒の結合の間に記録し、非特異的結合について補正した。結合期の間の結合データを、単相指数関係モデル(one-phase exponential association model)において適合させた。平衡での応答を、LRPクラスターII濃度の関数としてプロットした。平衡での応答を、KD値を得るための標準的な双曲線を用いる非線形回帰により適合させた(GraphPad Prism 4ソフトウェア、San Diego、CA、USA)。Table 5(表5)は、位置K2065およびK2092でC1ドメイン中に2個のリジン置換を担持するFVIII軽鎖変異体へのLRPクラスターII結合は、位置K2065またはK2092でC1ドメイン中に1個のリジン置換を担持するFVIII軽鎖変異体よりも低いことを示す。
Figure 0006336522
(実施例8)
FVIIIの細胞取込み
様々な細胞がLRPおよび関連する細胞内受容体を発現している。これらのものとしては、高レベルのLRPを発現することが当業界で公知であるヒトグリア芽腫細胞系U87 MG細胞(Cancer Res 2000; 60: 2300〜2303)が挙げられる。これらの細胞は、FVIIIなどのLRP結合リガンドのLRP媒介性細胞取込みを研究するのに特に有用である。U87 MG細胞はATCCから得られたものである(HTB-14)。10%熱不活化FCSを添加したEMEM上、37℃、5%CO2中で48時間、24穴プレート中で細胞を増殖させた。細胞を10mM HEPES(pH 7.4)、135mM NaCl、10mM KCl、5mM CaCl2、2mM MgSO4を含有するバッファーで洗浄し、40nMのFVIII-YFP、FVIII-YFP-K2092A、FVIII-YFP-F2093AおよびFVIII-YFP-K2092A-F2093A(実施例6に記載のように調製された変異体)と共に、37℃で15分間インキュベートした。続いて、細胞をそれぞれ同じHEPESバッファーおよびTBS(20mM Tris-HCl、150mM NaCl)で洗浄した。トリプシンを用いて細胞を回収し、10%熱不活化FCSを添加したEMEMで中和し、TBSで洗浄し、TBS + 0.5%(w/v)BSA中に再懸濁した。FVIIIの取込みを、フローサイトメトリー分析により決定した。細胞結合試験のために、細胞を、10mM HEPES(pH 7.4)、135mM NaCl、10mM KCl、5mM CaCl2、2mM MgSO4と共に4℃で15分間インキュベートした。次に、細胞を、40nMのFVIII-YFP、FVIII-YFP-K2092A、FVIII-YFP-F2093AおよびFVIII-YFP-K2092A-F2093Aと共に4℃で45分間インキュベートした。続いて、細胞を氷冷TBSで洗浄した後、0.5%(w/v)BSAを含有する氷冷TBSで洗浄した。細胞を擦り取り、TBS + 0.5%(w/v)BSA中に再懸濁した。蛍光活性化細胞選別装置(Becton Dickinson LSR IIフローサイトメーター)を用いて、FVIII結合および取込みを測定した。U87MG細胞に特徴的なものとは異なる前方散乱値および側方散乱値を有する事象を排除することにより、分析の間のノイズを減少させた。フローサイトメトリーのデータを、FacsDiva version 5.0.3(Becton Dickinson)を用いて収集し、分析のためにFlowJoプログラムにダウンロードした。Table 6(表6)は、4℃(細胞結合)および37℃(細胞取込み)でのFVIII-YFP-K2092A、FVIII-YFP-F2093AおよびFVIII-YFP-K2092A-F2093Aの存在下でのU87 MG細胞の平均蛍光強度を示す。このデータは、LRP発現細胞によるFVIII-YFP-K2092A、FVIII-YFP-F2093AおよびFVIII-YFP-K2092A-F2093Aの細胞結合および取込みが、突然変異を含まないFVIII-YFPと比較して低下したことを示す。
Figure 0006336522
(実施例9)
FVIII C1二重および三重変異体の維持された比活性
FVIII変異体FVIII-R2090A、FVIII-K2092A-F2093AおよびFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aを、実施例6に記載のように調製した。FVIII活性を、実施例6に記載のような発色FVIIIアッセイにおいて測定した。タンパク質濃度を、Bradford法(Anal Biochem 1976; 72: 248〜254)を用いて測定した。精製されたタンパク質の特性を、Table 7(表7)に列挙する。活性を、タンパク質濃度または抗原で除算することにより、比活性を算出した。K2092A-F2093AおよびR2090A-K2092A-F2093A突然変異を有するFVIIIは活性を維持した。
Figure 0006336522
(実施例10)
FVIII C1二重および三重変異体の細胞取込み
YFP(黄色蛍光タンパク質)融合パートナーを含まないFVIII-K2092A-F2093AおよびFVIII-R2090A-K2092A-F2093A突然変異体のエンドサイトーシスを、U87MG細胞中で分析した(実施例8を参照されたい)。細胞を、10mM HEPES(pH 7.4)、135mM NaCl、10mM KCl、5mM CaCl2、2mM MgSO4と共に、37℃で15分間インキュベートした。次に、細胞を、様々な量の野生型FVIII、FVIII-K2092A-F2093AまたはFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aと共に45分間インキュベートした。続いて、細胞を氷冷TBS(50mM Tris-HCl pH 7.6、150mM NaCl)で洗浄し、擦り取り、氷冷TBS中に再懸濁し、氷冷TBSで1回洗浄した。続いて、細胞を1%の溶解したばかりの超高純度メタノール非含有パラホルムアルデヒド(Polysciences、Eppelheim、Germany)で固定し、0.5% HSAを含有するTBS中の0.05%サポニンの存在下でFITCコンジュゲートモノクローナル抗FVIII抗体CLB-CAg117と共にインキュベートした。LSRII(BD Biosciences、Uppsala、Sweden)を用いるフローサイトメトリーにより、平均蛍光強度を決定した。その結果をTable 8(表8)にまとめる。FVIIIはU87MG細胞によって用量依存的様式でエンドサイトーシスされた。FVIII-K2092A-F2093Aの取込みは大幅に低下した。FVIII-R2090A-K2092A-F2093Aの取込みの評価は、この変異体の取込みがFVIII-K2092A-F2093Aのものと比較した場合、さらにより低下することを示していた。これらの結果は、R2090、K2092およびF2093の置換が、LRP発現細胞中での取込みが低下したFVIII分子をもたらしたことを示している。
Figure 0006336522
(実施例11)
FVIII C1およびC2二重変異体の細胞取込み
コラーゲン被覆24穴プレート(Blood 2002; 99: 457〜462)に、10%熱不活化FCSを添加したDMEM-F12中、37℃で5%CO2中でU87MG細胞を播種した。細胞を集密まで増殖させ、10mM HEPES(pH 7.4)、135mM NaCl、10mM KCl、5mM CaCl2、2mM MgSO4を含有するバッファーで洗浄し、40nMのFVIII-K2065A、FVIII-K2249A、FVIII-K2065A-K2249A、FVIII-K2092A、FVIII-R2215A、またはFVIII-K2092A-R2215Aと共に37℃で30分間インキュベートした(実施例1および2を参照されたい)。0.5%BSAを添加したTBS(20mM Tris-HCl、150mM NaCl)中に擦り取ることにより、細胞を収集した。細胞を再懸濁し、0.4%超高純度メタノール非含有パラホルムアルデヒド(Polysciences、Eppelheim、Germany)中、室温で15分間固定した。固定された細胞を、TBS、1%BSA、0.3%サポニン中で500倍に希釈したマウス抗cMyc抗体9E10(Sigma、M4439)と共に室温で60分間インキュベートした。細胞をTBS、0.5%BSAで洗浄した後、TBS、1%BSA、0.3%サポニン中で200倍に希釈した二次抗体Alexa Flour 488ヤギ抗マウス抗体(Invitrogen、A-11001)と共に室温で45分間インキュベートした。細胞をTBS、0.5%BSA中で洗浄および再懸濁し、実施例8に記載のように蛍光活性化細胞選別装置(Becton Dickinson LSR IIフローサイトメーター)を用いて分析した。Table 9(表9)は、細胞の平均蛍光強度を示す。単一の置換は、WT FVIIIと比較して取込みの低下を示す。しかしながら、細胞取込みの最も強い欠陥が、C1およびC2ドメインの両方における置換を担持する変異体について観察される。
Figure 0006336522
(実施例12)
樹状細胞によるFVIIIの細胞取込み
樹状細胞は、免疫系への提示の前にFVIIIの取込みを媒介し、潜在的に免疫応答を惹起する(Blood 2007; 109: 610〜612、J Thromb Haemost 2009; 7: 1816〜1823)。樹状細胞はLRPならびに他の細胞内受容体を発現する。FVIII変異体の細胞取込みを、ヒト単球由来樹状細胞、ヒト単球由来マクロファージおよびマウス骨髄由来樹状細胞を用いてさらに調査した。以前に記載された(Vaccine 2007; 25: 7145〜52)、CD14マイクロビーズ、磁気細胞分離機およびElutra(商標)細胞分離システムを用いるアフェレーシス試料に由来する末梢血単核細胞から、単球を単離した。100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、1000U/mlヒト組換えGM-CSFおよび800U/mlヒト組換えIL-4を添加したCellGro DC培地中で、単球を樹状細胞に分化させた。細胞培養の4〜6日後、細胞表面マーカーCD14、CD80、CD83およびCD86を決定することにより、未熟な表現型の細胞を評価した。フローサイトメトリーによるFVIII変異体の取込みをモニターするために、約2×105個の未熟なDCをまず無血清培地で1回洗浄し、120μlの無血清CellGro DC培地中、37℃で30分間、FVIIIと共にインキュベートした。FVIIIの取込み後、細胞を氷冷TBSで洗浄し、1%の調製したばかりのパラホルムアルデヒドで固定し、0.5%ヒト血清アルブミンを含有するTBS中の0.05%のサポニンの存在下または非存在下でFITCコンジュゲートモノクローナル抗FVIII抗体CLB-CAg117と共にインキュベートした。平均蛍光強度および陽性細胞の割合を、LSRII(BD Biosciences、Uppsala、Sweden)を用いるフローサイトメトリーにより決定した。精製された野生型FVIII、FVIII-K2092A-F2093AおよびFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aを用いる取込み実験の結果を、Table 10(表10)に示す。その結果は、ヒト樹状細胞による野生型FVIIIの用量依存的取込みを示す。変異体FVIII-K2092A-F2093Aは、樹状細胞による強く低下した取込みを示すが、FVIII-R2090A-K2092A-F2093Aは、樹状細胞によるその取込みのさらにより明白な低下を示す。これらの結果は、R2090、K2092およびF2093の置換が、樹状細胞によるFVIIIの取込みを強く低下させることを示す。
Figure 0006336522
(実施例13)
マクロファージにおけるFVIIIの細胞取込み
マクロファージも、肝臓および脾臓においてFVIIIを取込み、免疫系に対してFVIIIを提示することができ(Blood 2008; 112: 1704〜1712、J Thromb Haemost 2009; 7: 1816〜1823)、従って、FVIII変異体の取込みを、ヒト単球由来マクロファージを用いてさらに評価した。単球を実施例10に記載のように単離し、10%FCS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよび50ng/ml組換えヒトM-CSFを添加したRPMI 1640培地中で5日間インキュベートすることにより、マクロファージに分化させた。フローサイトメトリーによりFVIII変異体の取込みをモニターするために、約2×105個のマクロファージをまず無血清培地で1回洗浄し、120μlの無血清CellGro DC培地中、37℃で30分間、15nMのFVIIIと共にインキュベートした。FVIII取込みの後、細胞を氷冷TBSで洗浄し、1%の調製したばかりのパラホルムアルデヒドで固定し、0.5%ヒト血清アルブミンを含有するTBS中の0.05%のサポニンの存在下または非存在下でFITCコンジュゲートモノクローナル抗FVIII抗体CLB-CAg117と共にインキュベートした。平均蛍光強度および陽性細胞の割合を、LSRII(BD Biosciences、Uppsala、Sweden)を用いるフローサイトメトリーにより決定した。野生型FVIII、FVIII-R2090A、FVIII-K2092A-F2093AおよびFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aを用いる取込み実験の結果を、Table 11(表11)に示す。その結果は、FVIII-R2090Aの取込みがわずかに低下するが、FVIII-K2092A-F2093Aについては取込みの強い低下が観察されることを示している。FVIII-R2090A-K2092A-F2093Aについては取込みのさらにより強い低下が観察される。これらの結果は、R2090、K2092およびF2093の置換がマクロファージによるFVIIIの取込みも低下させることを示す。
Figure 0006336522
(実施例14)
マウス骨髄由来樹状細胞によるFVIIIの細胞取込み
続いて、マウス骨髄由来樹状細胞を用いて、FVIII変異体の取込みに取り組んだ。2%FCSを添加したPBSを用いて血友病のE17 KOマウスから大腿骨を洗い流すことにより、骨髄細胞を単離した。骨髄懸濁液を、Tris-NH4Cl中、室温で2分間インキュベートして、赤血球を溶解させた。最後に、20ng/mlのマウス組換えGM-CSFを含有する細胞を1×106細胞/mlで再懸濁し、2.5mM HEPES、55mM 2-メルカプトエタノール、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、5mMグルタミンおよび10%FCSを添加したRPMI 1640培地中で7〜9日間培養した。CD11c、CD11b、CD80、CD86およびGr-1の発現を、7〜9日目に測定した。ヒト単球由来樹状細胞およびマクロファージについて上記のようにFVIIIの取込みを試験した。FVIII取込み実験の結果をTable 12(表12)に提示する。その結果は、FVIII-R2090Aが野生型FVIIIと比較してわずかに低下したレベルでエンドサイトーシスされるが、FVIII-K2092A-F2093Aのエンドサイトーシスはより大幅に低下することを示している。FVIII-R2090A-K2092A-F2093Aのエンドサイトーシスは、FVIII-K2092A-F2093Aと比較した場合、より大幅に低下する。これらの結果は、R2090、K2092およびF2093の置換は、マウス骨髄由来樹状細胞によるFVIIIの取込みも低下させることを示している。
Figure 0006336522
全体として、実施例8および10〜14で報告された知見は、ヒト樹状細胞およびマクロファージならびにマウス樹状細胞などの様々なLRP発現細胞によるそのエンドサイトーシスを媒介するFVIIIにおける相互作用表面に寄与する残基を定義する方法を教示する。
(実施例15)
FVIII細胞取込みを遮断する抗FVIII C1およびC2抗体
FVIII細胞取込みに寄与する残基を定義する別の手法として、FVIIIの全てのドメイン内のエピトープを有する一団の抗体を、U87MG細胞(実施例8を参照されたい)、一次ラット肝細胞およびヒト単球由来マクロファージを用いるFVIII細胞結合試験において適用した。抗体ESH-2、ESH-4、ESH-5およびESH-8(Thromb Haemost 1986; 55: 40〜46)は、American Diagnosticaから市販されている。KM33はJ Biol Chem 2003; 278: 9370〜9377およびWO 03/093313に記載されている。CLB-CAg117はBlood 1998; 91: 2347〜2352に記載されている。残りの抗体は、モノクローナル抗体の調製のための標準的な技術を用いてFVIIIでマウスを免疫した後に社内で調製した。社内で調製されたか、またはBiopredic International(Rennes、France)から購入した単離したばかりの一次ラット肝細胞を用いた。簡単に述べると、麻酔したSprague Dawleyラットを開腹し、大静脈を結びながら門脈にカニューレを挿入した後、Hepesバッファー(25mM hepes、0.38mM Na2HPO4、0.35mM KH2PO4、5.36mM KCl、0.11M NaCl、22mMグルコース、pH 7.4)を用いるかん流の開始後、クリップで留めた。hepesバッファー中の120mgのコラゲナーゼ(Sigma C-5138)で組織を消化した後、Hepesバッファー中の5mM CaCl2で洗い流した。肝臓の周囲の被膜組織を剥がして洗浄バッファー(1%BSAおよび0.1mMヒドロコルチゾンヘミスクシネート(Sigma)および1nMインスリン(Sigma)を添加したL-グルタミンおよび15mM hepes(Gibco)を含むD-MEM/F12)中に細胞を遊離させた。細胞を50×gで遠心分離し、上清を廃棄した。細胞ペレットを、2mM L-グルタミン、100UI/mLインスリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび5μMヒドロコルチゾンヘミスクシネートを添加したWilliam's E培地(Biopredic International、Rennes、France)中に再懸濁した。肝細胞を、合計48時間にわたって2.5×105細胞/ウェルの密度で24穴組織培養プレート中に播種した。製造業者の説明書に従って磁気抗CD14ビーズ(Miltenyi)およびMACSカラム(Miltenyi)を用いて、磁気分離により単球を単離した。単球(0.5×106細胞/ml)を、T-75組織培養フラスコ中に播種し、3.3ng/mlのM-CSF(R&D Systems)を添加した。3日間の細胞培養後、さらに3.3ng/mlのM-CSFを添加した。6日後、マクロファージをPBSで洗浄し、5%FCSを含むPBS中の2.5mM EDTAを用いて4℃で10〜20分間インキュベートした。細胞を3.5×105細胞/ウェルの密度で48穴組織培養プレート中に播種し、一晩インキュベートした。U87細胞およびマクロファージをバッファーA(100mM HEPES、150mM NaCl、4 KCl、11mMグルコース、pH 7.4)で注意深く洗浄し、バッファーB(5mM CaCl2および1mg/ml BSAを添加したバッファーA)と共に15分間インキュベートした。抗FVIII抗体(最終濃度10μg/ml)を125I-FVIII(最終濃度1nM)に添加し、10分間インキュベートした後、細胞に添加し、4℃で一晩インキュベートした。続いて、細胞を氷冷バッファーBで2回洗浄し、200mM NaOH、1%SDS、10mM EDTAを用いて溶解した。一次ラット肝細胞のために、バッファーの代わりに培地を用いた以外は同様のプロトコルを用いた。溶解物中の125Iをγ-カウンター(Cobra)中で計数した。抗FVIII抗体の非存在下での結合した125Iを100%に設定した。Table 13(表13)は、U87MG細胞、マクロファージおよび肝細胞への125I-FVIIIの結合に対する抗FVIII抗体の効果を示す。このデータは、細胞へのFVIII結合を阻害するのは、抗C1抗体KM33および4F30およびいくつかの抗C2抗体、すなわち、ESH-4、4F161 およびCLB-CAg117のみであることを示している。注目すべきことに、一団の抗体は、分析した3つの細胞型の全部に対して同様の効果を有し、それは細胞型とは無関係に細胞取込みに関与するFVIII上の同じエピトープであることを示唆している。
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(実施例16)
抗FVIII C1およびC2抗体はin vivoでのFVIIIの半減期を延長させる
記載のように(Haemophilia 2010、16; 349〜359)調製されたFVIIIを、表面プラズモン共鳴実験に由来するKd値を用いてin vivoでのFVIIIの98%以上の初期飽和を確保し、in vivoでの試験物質の20倍希釈液とする量の抗C1および/または抗C2抗体のscFvまたはfab断片と混合した。この20倍希釈液は、単独で投与された場合にFVIIIについて得られた70ml/kgの分布量、28.6gのマウスの見積もり体重および0.1mlの試験物質の容量に基づくものであった。FVIIIのみ(280IU/kg)または抗体と混合したFVIIIを、VWF欠損マウス(n=6/群)に静脈内投与した。t = 0.08; 1、2、3、4および5hで眼窩神経叢から血液を採取した。それぞれのマウスから3つの試料を採取し、3つの試料をそれぞれの時点で収集した。クエン酸ナトリウムを用いて血液をすぐに安定化させ、4倍量のバッファー(50mM Tris、150mM NaCl、1%BSA、pH 7.3、保存剤を含む)中に希釈した後、4000×gで5分間遠心分離した。血漿をドライアイス上で凍結させ、-80℃で保持した後、FVIII抗原を分析した。非コンパートメント手法(Phoenix WinNonlin Pro 6.1)を用いて、薬物動態パラメータの評価のために平均値を用いた。得られるPK値をTable 14(表14)に示す。FVIII単独ではVWF欠損マウスにおける比較的速いクリアランスを有するが、C1またはC2の遮断はクリアランスの低下ならびに半減期(T1/2)および平均滞留時間の延長をもたらした。C1中のエピトープとC2中のエピトープを同時に遮断したところ、1つの抗体のみの添加と比較してクリアランスのさらなる低下ならびにT1/2および平均滞留時間の延長が得られた。これは、抗体KM33および4F161が、細胞取込みに関与するFVIIIのエピトープを保護し、それによってFVIIIの半減期を延長することを示す。
Figure 0006336522
(実施例17)
細胞取込みを遮断し、in vivoでのクリアランスを延長するFVIII C1およびC2抗体のエピトープ
実施例13に記載の細胞取込みを遮断する抗体のエピトープを、水素交換質量分析(HX-MS)によりマッピングした。HX-MS技術は、タンパク質の水素交換(HX)を質量分析(MS)により容易に追跡することができることを活用するものである。水素を含有する水性溶媒を、重水素を含有する水性溶媒で置換することにより、タンパク質中の所与の部位での重水素原子の取込みは1Daの質量の増加を生じる。この質量増加を、交換反応のクエンチした試料における質量分析により時間の関数としてモニターすることができる。重水素標識情報を、クエンチ条件下でのペプシン消化によりタンパク質中の領域にサブ局在化させ、得られるペプチドの質量増加を追跡することができる。HX-MSの1つの用途は、タンパク質間複合体形成の際の水素交換が減少した領域を同定することにより分子相互作用に関与する部位を探査することである。通常は、溶媒の立体排除に起因する水素交換の顕著な減少により結合界面を示すことができる。時間の関数として対応する結合パートナーの存在下および非存在下でのいずれかのタンパク質メンバーに組込まれた重水素の総量を簡単に測定することによってHX-MSによりタンパク質間複合体形成を検出することができる。HX-MS技術は、天然の成分、すなわち、タンパク質および抗体またはFab断片を使用し、溶液中で実施される。かくして、HX-MSはin vivo条件を模倣するための可能性を提供する(Mass Spectrom. Rev. 25, 158 (2006))。FVIII(Haemophilia 2010, 16; 349〜359)ならびに抗体KM33および4F30(実施例14を参照されたい)を、20mMイミダゾール、10mM CaCl2、150mM NaCl、pH 7.3中にバッファー交換した後、分析した。重水素交換反応の開始、反応時間制御、クエンチ反応、UPLCシステム上への注入および消化時間制御を実施する、LeapShellソフトウェア(Leap Technologies Inc.)により操作されるLeapロボット(H/D-x PAL; Leap Technologies Inc.)により、HX実験を自動化した。Leapロボットは、それぞれ、バッファー保存およびHX反応のために20℃で維持され、タンパク質およびクエンチ溶液の保存のために2℃で維持された2つの温度制御されたスタックを備えていた。Leapロボットはさらに、ペプシンカラム、プレカラムおよび分析カラム、ならびにLCチューブおよびスイッチングバルブを1℃に保持する冷却されたTrio VSユニット(Leap Technologies Inc.)を含んでいた。スイッチングバルブは、HPLCからMicrobore UHPLCスイッチバルブ(Cheminert、VICI AG)にアップグレードした。インラインペプシン消化のために、0.15pmolのFVIIIを含有する100μLのクエンチした試料をロードし、200μL/minのイソクラチック流量(0.1%ギ酸: CH3OH 95:5)を用いてPoroszyme(登録商標)Immobilized Pepsin Cartridge(2.1×30mm、Applied Biosystems)上に通過させた。得られたペプチドを捕捉し、VanGuardプレカラムBEH C18 1.7μm(2.1×5mm、Waters Inc.)上で脱塩した。続いて、バルブのスイッチを入れてプレカラムを分析カラムであるUPLC-BEH C18 1.7μm(2.1×100mm、Waters Inc.)と直列に置き、AQUITY UPLCシステム(Waters Inc.)から150μL/minで送達される15〜40%のBの9分の勾配を用いてペプチドを分離した。移動相はA: 0.1%ギ酸およびB: CH3CN中の0.1%ギ酸からなっていた。ESI MSデータ、および高エネルギー(MSE)実験を、Q-Tof Premier MS(Waters Inc.)を用いて陽イオンモードで獲得した。ロックマスとしてロイシン-エンケフェリンを用い(m/z 556.2771での[M+H]+イオン)、データを連続モードで収集した。消化ペプチドを、MSE方法(Waters Inc.)を用いて別々の実験において同定した。MSEデータをBiopharmaLynx 1.2(version 017)を用いて処理した。HX-MS生データファイルを連続ロックマス補正にかけた。データ分析、すなわち、重水素化ペプチドの重心決定および交換曲線のプロッティングを、HX-Express(Version Beta; J. Am. Soc. Mass Spectrom. 2006; 17: 1700)を用いて実施した。
対応する重水素化バッファー、すなわち、D2O中で、98%D2O最終濃度、pH7.3(非補正値)で調製された20mMイミダゾール、10mM CaCl2、150mM NaCl中の4F30またはKM33の非存在下または存在下、30μMの濃度のFVIII溶液の調製により、アミド水素/重水素交換(HX)を開始した。全てのHX反応を20℃で実行し、抗体によるFVIIIの飽和を確保するために過剰のFVIII mAb(4.5μM)の非存在下または存在下で3μMのFVIIIを含有させた。10secから2h 46min 40s(10000s)の範囲の好適な時間間隔で、HX反応のアリコートを等量の氷冷クエンチングバッファー1.35M TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)-ホスフィンヒドロクロリド(Calbiochem(登録商標)、EMD Chemicals inc.))によりクエンチして、2.6の最終pHを得た(非補正値)。
FVIIIのペプシン消化のペプチドマップは653ペプチド(20を超えるイオンスコア)を含み、N8配列の82%を包含していた。
FVIIIの一次配列の82%を包含する、653ペプチドの重水素含有率(HX時間経過)を、4つの時点、すなわち、10s、100s、1000sおよび10000sでKM33の存在下および非存在下でモニターした(図3A、4、5)。
KM33の存在下または非存在下で観察される交換パターンを、2つの群に分けることができる: 1群のペプチドは、4F30およびKM33の両方の結合により影響されない交換パターンを示し(図4[aa 2062〜2073および2163〜2168])、99.2%のペプチドを含む。対照的に、別の群のFVIII消化ペプチドは、4F30およびKM33の両方との交換からの保護を示し(図4)、消化ペプチドの0.8%を含む。例えば、D2Oによる100sの交換で、約1個のアミドが、4F30およびKM33の両方の結合の際にaa 2148〜2161領域での交換から保護される(図4)。KM33結合の際に保護を示す領域は、残基aa 2075〜2095、2077〜2095、2078〜2095および2148〜2161を包含する4つの消化ペプチドを含む。かくして、4F30およびKM33の両方のエピトープは、線状配列aa 2075〜2095および2148〜2161(成熟番号を用いる)内にあることがわかる。FVIIIに対する4F30およびKM33のエピトープマッピングは、2つのリガンドが同一のエピトープを有することを示した。K2092-S2094はKM33のエピトープ中に含まれることが以前に記載されているが(table 13(表13)における参考文献を参照されたい)、エピトープの残りの部分は同一ではなかった。
(実施例18)
FVIII-R2159N中のグリカンの導入はFVIII細胞取込みおよびin vivoでの半減期を延長させる抗C1ドメイン抗体(KM33)への結合を遮断する
C1ドメイン領域2157-SIRST-2161中のアスパラギンによるR2159の置換は、KM33のエピトープ中に含まれる位置2159にN-結合グリコシル化のコンセンサス配列(すなわち、N-X-S/T、p.22を参照されたい)を導入する(実施例17を参照されたい)。鋳型としてwt FVIIIのDNAを用いるQuickChange突然変異誘発を用いて、FVIII-R2159Nを構築した(Blood 2009; 133: 3102〜3109)。FVIII-R2159Nおよびwt FVIIIを記載のように発現させた(Plos One 2011; 6(8): e24163. doi:10.137/journal.pone.0024163)。FVIII軽鎖中へのさらなるN-結合グリカンの導入をSDS-PAGEにより確認したところ、FVIII軽鎖の移動の低下が観察された。実施例3に記載のFVIII活性を発色FVIIIアッセイにおいて測定した。FVIII抗原を、捕捉抗体としてのCLB-EL14 IgG4(Br J Haematol 2008; 142: 644〜652)、検出抗体としてのペルオキシダーゼ標識CLB-CAg69(Biochem J 1989; 263: 187〜94)、および標準物としての40人のドナーからのヒトプール血漿を用いるELISAにおいて測定した。wt FVIIIおよびFVIII-R2159Nへの抗体KM33の結合(実施例15を参照されたい)を、BIAcore 3000バイオセンサ(Biacore AB、Uppsala、Sweden)を用いるSPR分析により評価した。抗C2抗体CLB-EL14 IgG4を、製造業者の説明書に従ってアミンカップリング法を用いて33fmol/mm2の密度でCM5センサチップ上に固定した。続いて、FVIII-R2159Nまたはwt FVIIIを、3fmol/mm2の密度でEL14 IgG4に結合させた。KM33(100nM)を、20μL/minの流量を用いて25℃で150mM NaCl、5mM CaCl2、0.005%(v/v)Tween 20および20mM Hepes(pH 7.4)を含有するバッファー中のFVIII-R2159Nまたはwt FVIII上に通過させた。結合応答を、結合の240秒の間に記録し、非特異的結合について補正した。Table 15(表15)は、結合の235秒後の結合応答ならびにwt FVIIIおよびFVIII-R2159Nの活性および抗原濃度を示す。その結果は、グリカンの導入はFVIIIのKM33への結合を完全に破壊するが、FVIIIの活性はグリカンの導入によっては低下しないことを示す。FVIIIへのKM33の結合は細胞取込みを低下させ、in vivoでの半減期を延長するため、KM33結合の破壊を示すFVIII-R2159Nも細胞取込みの低下およびin vivoでの半減期の延長を示す可能性がある。
Figure 0006336522
(実施例19)
FVIII K2062A-F2093Aの肝臓クリアランスの延長
FVIII-K2092A-F2093Fの肝臓クリアランスを、かん流肝臓モデル(Thromb Haemost 2010; 104, 243〜251)において評価した。簡単に述べると、麻酔したSprague Dawleyラットの肝臓に、門脈および大静脈を介してカニューレを挿入し、25ml/minでKrebs-Henseleit重炭酸バッファー(115mM NaCl、25mM NaHCO3、5.9mM KCl、1.2mM MgSO4、1.2mM KH2PO4、2.5mM CaCl2)を用いてかん流した。肝臓に入る前に、かん流液は、酸素:二酸化炭素混合物(95:5)で飽和させたファイバーダイアライザ(Gambro(登録商標)Scandidact Hemophan(登録商標)Fiber Dialyzer 100HG、Secon、Dransfeld、Germany)を流動する。FVIII(Haemophillia 2010、16; 349〜359)またはFVIII-K2092A-F2093Aをバッファーに添加し、混合した後、0〜80分の時点で再循環するかん流液から試料を採取した。かん流液中のFVIII:Cを、実施例3に記載の発色アッセイにより分析した。FVIII-K2092A-F2093AのT1/2は、野生型FVIIIのものと比較して延長され(Table 16(表16))、これは、C1置換を含まないFVIIIと比較してFVIII-K2092A-F2093Aの肝臓クリアランスが低下したことを示す。
Figure 0006336522
(実施例20)
FVIII-K2092A-F2093Aのin vivoでの半減期の延長
K2093A-F2093A突然変異体のin vivoでの薬物動態を、VWF欠損マウスにおいてさらに評価した。野生型FVIII(Haemophilia 2010, 16; 349〜359)およびFVIII-K2092A-F2093Aを、WO09108806に記載のようなBドメイン中のO-結合グリカンに特異的な40K-PEG化した。wt FVIII、K2092-F2093AおよびPEG化FVIII(40K-PEG-FVIII)および突然変異体(40K-PEG-K2092A-F2093A)を、実施例16に記載のように280IU/kg(n = 3〜6匹/群)の用量でVWF欠損マウスに投与した。それぞれのマウスから3つの時点で、すなわち、FVIIIおよびK2092-F2093Aについては投与後t=0.5、1.25および2hで、ならびにPEG化タンパク質については投与後4、7および24hで、血液試料を採取し、実施例3に記載のようにFVIII:Cについて分析した。C1突然変異K2092A-F2093Aは、PEG化ならびに非PEG化FVIIIタンパク質の両方についてT1/2のおよそ2倍の倍加をもたらし(Table 17(表17))、かくしてFVIIIにおけるK2092-F2093の置換がin vivoでの半減期の延長をもたらしたことを確認した。
Figure 0006336522
(実施例21)
FVIII-R2090A-K2092A-F2093AのT細胞応答の低下
FVIIIと抗原提示細胞との相互作用は、続いてFVIIIに対する抗体の産生を刺激するFVIII特異的CD4+ T細胞の形成における重要な段階を提供することがよく知られている。野生型FVIII(wt FVIII)およびFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aを注射したマウスからの脾臓細胞のCD4+ T細胞応答を以下のように分析した: FVIIIの毎週の注射後に回収された脾臓を群内にプールした。赤血球を除去し、抗マウスCD8抗体Lyt 1.2(eBioscience)で被覆されたビーズを用いる磁気ビーズ分離により、CD8+細胞を枯渇させた。残りのCD8-細胞を、抗原特異的T細胞増殖を生成させるための増加するFVIII濃度(0、0.1、0.5または1μg/ml)または非特異的増殖を生成させるためのコンカナバリンA(1μg/ml)の存在下、100U/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシン(全てBioWhittaker; Walkersville、Marylandから)および55μM β-メルカプトエタノール(Sigma-Aldrich、Irvine、UK)を添加したX-VIVO 15培地中で72または96時間、丸底96穴プレート中で培養した。最後の18〜20時間に1μCi/ウェルの[3H]チミジン(ICN Pharmaceuticals、Irvine、CA)の添加により増殖をアッセイした。Table 18(表18)に示される結果は、カウント毎分(CPM)値(平均±SD)で、または刺激指数(SI:抗原と共にインキュベートした細胞のCPMを培地のみでインキュベートした細胞のCPMで除算したもの)として表される。マウスへのFVIII-R2090-K2092A-F2093Aの注射は、wt FVIIIと比較した場合、FVIIIによるin vitroでの再刺激の際に脾臓CD4+ T細胞の著しく低下した増殖をもたらしたが、抗原提示細胞におけるFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aの取込みの低下がマウスにおけるCD4+ T細胞応答の低下になることを示している。
Figure 0006336522
(実施例22)
FVIII-R2090A-K2092A-F2093Aを受容するマウスにおける抗体レベルの低下
FVIII変異体の免疫原性に対する抗原提示細胞によるこれらのI変異体の取込みの低下の結果を、血友病Aにおける阻害因子形成のためのマウスモデルにおいてさらに評価した。野生型FVIIIおよびFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aを滅菌PBS中で10μg/mlに希釈し、100μlの用量(1μg)を週に5回、オスのFVIIIエクソン17 KOマウス(n = 8)に静脈内(i.v.)投与した。最後の注射の1週間後、動物を犠牲にし、血液試料を採取した。治療されたFVIII-KOマウスからの血漿試料中の抗FVIII抗体の存在を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびFVIII活性を阻害するマウス血漿の能力を測定するBethesdaアッセイにより決定した。ELISAについて、50mM NaHCO3 pH 9.8を含有するバッファー中の血漿由来FVIII(5μg/ml)をマイクロタイターウェル中に固定した。プレートをPBS中の2%ゼラチンで遮断した。50mM Tris、150mM NaCl、2%BSA、pH 7.4中でマウス血漿希釈液を調製した。マウスモノクローナル抗FVIII抗体CLB-CAg9を標準物として用いた。抗FVIII抗体を、ヤギ抗マウスIgG-HRPを用いて検出した。マウス血漿中の抗FVIII抗体の濃度を任意の単位(AU)で示し、1AUは1μgのCLB-CAg9により得られるシグナルに対応する。本質的には記載のように(Thromb Diath Haemorrh 1975; 34: 612)Bethesdaアッセイを実施した。データをノンパラメトリックMann-Whitney U検定を用いて分析した。FVIIIおよびFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aの5回の毎週の注射後にマウス血漿中で観察された抗体力価をTable 19(表19)に示す。その結果は、FVIIIの点滴がFVIIIに対する抗体の形成をもたらすことを示している。FVIII-R2090A-K2092A-F2093Aで治療されたマウスにおいては、抗体力価の有意な低下が観察される(p<0.05)。また、中和抗FVIII抗体の存在を反映するBethesda力価も有意に低下した(p<0.05)。これらの知見は、抗原提示細胞中のFVIII-R2090A-K2092A-F2093Aの取込みの低下およびT細胞応答の低下が、血友病Aにおける阻害因子の発生に関するマウスモデルにおける阻害因子力価の低下になることを示す。同時に、これらの結果は、抗原提示細胞によるそのエンドサイトーシスの低下をもたらすFVIIIの特異的改変がin vivoでのFVIIIの免疫原性を低下させるための有効な方法であることを示す。従って、本発明者らの結果は、細胞取込みの低下を示すFVIII変異体が血友病Aを有する患者における阻害因子発生の危険性の低下を担持することを示唆する。
Figure 0006336522

Claims (11)

  1. FVIII活性を有する組換えFVIII変異体であって、前記変異体が、FVIIIのC1フットおよびC2フット中に表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の2〜4個の置換を含み、前記表面に接近可能な荷電アミノ酸残基がアラニンまたはグルタミンで置換され、前記置換が前記FVIII変異体の細胞取込みの低下をもたらし、前記変異体が、K2065Aの置換およびK2249Aの置換を含む、組換えFVIII変異体。
  2. C1フット中の表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の少なくとも2個の置換を含む、請求項1に記載のFVIII変異体。
  3. C2フット中の表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の少なくとも2個の置換を含む、請求項1または2に記載のFVIII変異体。
  4. 表面に接近可能な正荷電アミノ酸残基の一対の置換を含み、該一対の置換の間の距離が少なくとも15Åである、請求項1から3のいずれか一項に記載のFVIII変異体。
  5. K2092、R2215およびR2090から選択される置換を1つまたは2つ含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のFVIII変異体。
  6. 低下したLRP結合を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組換えFVIII変異体。
  7. 低下した免疫原性を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組換えFVIII変異体。
  8. 半減期延長部分にコンジュゲートしている、請求項1から7のいずれか一項に記載の組換えFVIII変異体。
  9. F2093A突然変異をさらに含む、請求項1に記載の組換えFVIII変異体。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のFVIII変異体を含む医薬組成物。
  11. 血友病の治療のための、請求項10に記載の医薬組成物。
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