JP6331945B2 - 心理状態推定装置および心理状態推定方法 - Google Patents

心理状態推定装置および心理状態推定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6331945B2
JP6331945B2 JP2014206775A JP2014206775A JP6331945B2 JP 6331945 B2 JP6331945 B2 JP 6331945B2 JP 2014206775 A JP2014206775 A JP 2014206775A JP 2014206775 A JP2014206775 A JP 2014206775A JP 6331945 B2 JP6331945 B2 JP 6331945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
psychological state
driver
estimation
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014206775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016076131A (ja
Inventor
哲洋 林
哲洋 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014206775A priority Critical patent/JP6331945B2/ja
Publication of JP2016076131A publication Critical patent/JP2016076131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6331945B2 publication Critical patent/JP6331945B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

本発明は、運転者の心理状態を推定する心理状態推定装置および心理状態推定方法に関する。
近年、車両を運転中の運転者の心理状態を推定し、その推定結果を各種の処理に反映させる技術が開発されている。例えば、心理状態として運転者にかかる負荷(運転に対する緊張や集中の度合、運転の難易度など)を推定し、その負荷の大きさに応じて運転者に提示する情報を変更する技術が提案されている(特許文献1)。
この技術では、車両の速度や操舵角あるいは車両の位置に関する情報をセンサーで検出する。そして、それらの情報と負荷とを対応付ける方法が記述された対応関係に従って、センサーで検出された情報から負荷を推定する。運転者にかかる負荷が低いと推定した場合には、運転者の利便性を向上させるために、できるだけ多くの又は詳細な情報を運転者に提示する。一方、運転者にかかる負荷が高いと推定した場合には、余裕のない運転者に対して情報が過多にならないように、必要最低限の情報を運転者に提示する。
特開2010−237954号公報
しかし、上述した従来の技術では、推定した負荷と実際に運転者にかかる負荷とが一致していないことがあるという問題があった。
そして、推定した負荷が実際の負荷よりも低い場合は、情報を処理する余裕がない運転者に多くの情報を提示してしまい安全性が損なわれる。逆に、推定した負荷が実際の負荷よりも高い場合は、提示する情報が不足することで利便性が損なわれてしまう。
また、このように推定した心理状態と実際の心理状態とが一致していないことがあるという問題は、負荷を推定する場合に限られることではない。例えば、運転に対する運転者の注意力が散漫になっている度合(漫然度)を推定する場合でも同様に起こり得る。
この発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、運転者の心理状態を推定する精度を高めることが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために請求項1および8に係る発明の心理状態推定装置および心理状態推定方法は、車両を運転中の運転者の心理状態である車両を運転中の運転者の負荷を推定するための心理状態推定情報として、車両の走行状況または該車両の走行環境を検出し、心理状態推定情報を心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、検出された心理状態推定情報から心理状態を推定する。また、心理状態が運転者の反応時間または反応の有無に現れる検出契機の発生に伴って、運転者の反応時間または反応の有無を検出する。そして、運転者の反応時間または反応の有無の検出結果を心理状態の推定に反映させる。
また、請求項5および9に係る発明の心理状態推定装置および心理状態推定方法は、車両を運転中の運転者の心理状態である車両を運転中の運転者の漫然度を推定するための心理状態推定情報として、運転者の運転時間、該運転者の顔画像、該運転者の生体情報、または該運転者の動作を検出し、心理状態推定情報を心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、検出された心理状態推定情報から心理状態を推定する。また、心理状態が運転者の反応時間または反応の有無に現れる検出契機の発生に伴って、運転者の反応時間または反応の有無を検出する。そして、運転者の反応時間または反応の有無の検出結果を心理状態の推定に反映させる。
心理状態推定情報から心理状態を推定するのに用いる対応関係は、予め運転者の個人差を考慮して設定しておくことが困難であることから、多くの運転者が該当する平均的な運転者を想定し、その平均的な運転者に合わせて対応関係を設定しておくのが一般的である。そのため、運転の熟練度や疲労度などによって実際の運転者の傾向が平均的な運転者とかけ離れている場合は、対応関係に従って心理状態を正しく推定することができない。
そこで、本発明では、対応関係に従って心理状態推定情報から心理状態を推定するだけではなく、実際の運転者の反応(反応時間または反応の有無)を心理状態の推定に反映させるようになっている。これにより、個々の運転者に合わせた心理状態の推定が可能となるので、心理状態の推定精度を高めることができる。
尚、本発明の心理状態推定装置は、次のような他の態様で把握することも可能である。すなわち、
車両を運転中の運転者の心理状態を推定する心理状態推定装置(100)であって、
前記運転者の心理状態を推定するための第1情報を検出する第1情報検出部(101)と、
前記第1情報と前記心理状態とを対応付ける方法が記述された第1の対応関係にしたがって、前記第1情報検出部によって検出された前記第1情報から前記心理状態を推定する推定部(102)と、
前記運転者の心理状態を推定するための第2情報を検出する第2情報検出部(103)と、
前記第2情報と前記心理状態とを対応付ける方法が記載された第2の対応関係に従って、前記推定部によって推定された前記心理状態から前記第2情報を逆引きする逆引き部(111)と、
前記第2情報検出部によって検出された第2情報と、前記逆引き部によって逆引きされた前記第2情報とを比較する比較部(113)と、
前記比較部の比較結果を、前記推定部による前記心理状態の推定に反映させる反映部(110)と
を備える心理状態推定装置として把握することもできる。
こうすれば、推定した心理状態が妥当であれば、推定した心理状態から逆引きした第2情報(逆引き第2情報)と、実際に検出した第2情報(検出第2情報)とが一致するはずであり、逆引き第2情報と検出第2情報とが一致しない場合は、推定した心理状態が実際の心理状態と一致していないと判断できる。しかも、逆引き第2情報と検出第2情報との違いに基づいて、心理状態の推定を補正すべき方向(逆引き第2情報を検出第2情報と一致させる方向)を判断できるので、適切に補正して推定精度を高めることができる。
第1実施例の負荷推定装置100の構成を示す説明図である。 第1実施例の負荷推定装置100で実行される負荷推定処理(S100)を示すフローチャートである。 負荷を推定する際に参照する、速度と負荷との対応関係を示す説明図である。 車両の周辺状況から負荷を推定する際に参照する対応関係を示す説明図である。 負荷と提示情報との対応関係を示す説明図である。 第1実施例の負荷補正処理(S200)を示すフローチャートである。 図3に示した速度と負荷との対応関係の補正例を示す説明図である。 変形例の負荷補正処理(S200)を示すフローチャートである。 負荷と反応時間との対応関係を示す説明図である。 第2実施例の漫然度検出装置で実行される漫然度推定処理(S500)を示すフローチャートである。 漫然度を推定する際に参照する、運転時間と漫然度との対応関係を示す説明図である。 漫然度と瞬き回数変化量との対応関係を示す説明図である。 図11に示した運転時間と漫然度との対応関係の補正例を示す説明図である。
A.第1実施例 :
以下では、上述した本願発明の心理状態推定装置の内容を明確にするために、運転者の心理状態として「負荷」を推定する負荷推定装置100を例に説明する。ここで、負荷とは、車両を運転している運転者の運転に対する緊張の度合や集中の度合を表すものであり、運転の難易度が増すと負荷が増加する傾向にある。例えば、負荷は車両の速度に応じて変化し、速度が遅くなると、運転者は運転に対して余裕があるので、負荷は低い。一方、速度が速くなると、運転者は運転に対する余裕がなくなるので、負荷は高い。
A−1.負荷推定装置の装置構成 :
図1には、第1実施例の負荷推定装置100の構成が示されている。図示されるように負荷推定装置100は、第1情報検出部101と、負荷推定部102と、第2情報検出部103と、反映部110などを備えている。
これら4つの「部」は、負荷推定装置100を機能に着目して概念的に分類したものであり、それぞれが必ずしも物理的に独立して存在している必要はない。これらは、各種の機器や、電子部品、集積回路、コンピューター、コンピュータープログラム、あるいはそれらの組み合わせなどによって構成することができる。
第1情報検出部101は、負荷を推定するための第1情報として車両の速度を検出する。
負荷推定部102は、速度と負荷とが対応付けられた所定の対応関係に従って、第1情報検出部101で検出された車両の速度から運転者の負荷を推定する。
尚、第1実施例では、第1情報検出部101が本発明の「情報検出部」に該当し、負荷推定部102が本発明の「推定部」に該当する。
こうして推定した負荷は、実際に運転者にかかる負荷と一致していないことがある。そこで、第1実施例の負荷推定装置100は、第1情報検出部101とは別に第2情報検出部103を備えると共に、反映部110を備えている。
第2情報検出部103は、第1情報検出部101で検出される第1情報(速度)とは異なる第2情報を検出する。
反映部110は、第2情報検出部103が検出した第2情報を負荷推定部102による負荷の推定に反映させることで推定精度を高める。
尚、第1実施例の第2情報検出部103は、本発明の「反応検出部」に該当する。
第1実施例の反映部110は、情報選択部111と、ディスプレイ112と、比較部113とを備えている。
第1実施例では、運転者に提示可能な情報が複数用意されており、情報選択部111は、負荷推定部102が推定した負荷に応じて、複数の情報の中から運転者が視認することが可能な情報を選択する。例えば、負荷が高い場合には、情報を見る余裕がない運転者に対して提示する情報を少なくする。逆に負荷が低い場合には、情報を見る余裕がある運転者に対して提示する情報を多くする。
ディスプレイ112は、情報選択部111で選択された情報を提示する。
ディスプレイ112で情報を提示した後、第2情報検出部103は、第2情報として、運転者がディスプレイ112を見たか否か、及び、運転者が提示された情報以上の情報を求めたか否かといった運転者の反応を検出する。
尚、第1実施例の情報選択部111およびディスプレイ112は、本発明の「情報提示部」に該当する。また、情報選択部111は、負荷推定部102で推定された負荷に応じて、複数の情報の各々を運転者が視認可能か否か(第2情報)を逆引きしていることから、本発明の他の態様における「逆引き部」に該当する。
比較部113は、負荷推定部102が推定した負荷に応じて提示された情報に対して運転者がとるであろう反応(運転者は提示された情報を視認可能)と、第2情報検出部103で検出された実際の運転者の反応とを比較する。例えば、運転者がディスプレイ112を見ていなかった場合、提示された情報を運転者は見る余裕がないと判断されるので、提示する情報を少なくする方向に負荷の推定を補正する。一方、運転者が提示された情報以上の情報を求めた場合、運転者は、より多くの情報を見る余裕があると判断されるので、提示する情報を多くする方向に負荷の推定を補正する。
A−2.負荷推定処理 :
図2には、第1実施例の負荷推定装置100で実行される負荷推定処理(S100)のフローチャートが示されている。
負荷推定処理(S100)は、所定の時間が経過する毎に繰り返し実行されており、先ず始めに、前回に処理が実行されてから所定の時間が経過したか否かを判断する(S101)。所定の時間が経過していない場合は(S101:no)、所定の時間が経過するまで待機する。
尚、第1実施例では、負荷推定処理を所定の時間が経過する毎に実行しているが、これに限らず、所定の距離を走行する毎に実行してもよい。また、負荷推定処理を実行する契機は、所定の時間の経過や所定の距離の走行といった定期的なものに限られず、不定期な契機で負荷推定処理を実行してもよい。例えば、車両の周辺を監視するカメラで前方車両のブレーキ動作を検知した場合などに、割込み処理として負荷推定処理を実行してもよい。
そして、所定の時間が経過した場合は(S101:yes)、車両の速度を検出する(S102)。続いて、予め設定された速度と負荷との対応関係に従い、検出した速度から運転者にかかる負荷を推定する(S103)。
図3には、負荷を推定する際に参照する、速度と負荷との対応関係が示されている。前述したように負荷は、車両の速度に応じて変化し、第1実施例では負荷を5段階に分けて推定する。図示した例では、速度が20km/h増加する毎に1段階高い負荷が対応付けられており、0〜20km/hに負荷1が対応付けられており、21〜40km/hに負荷2が対応付けられており、41〜60km/hに負荷3が対応付けられており、61〜80km/hに負荷4が対応付けられており、81km/h以上に負荷5が対応付けられている。このような対応関係に従い、例えば、検出した車両の速度が50km/hであれば、41〜60km/hの範囲に含まれるので、負荷を「3」と推定する。
尚、第1実施例では、第1情報として速度を検出し、速度と負荷との対応関係に従い負荷を推定したが、第1情報は速度に限られず、運転の難易度に影響するものであればよい。運転の難易度に影響するものの一例としては、操舵角(運転者がハンドルを切る角度)があり、操舵角が大きくなると運転の難易度は増す傾向にある。また、その他の例として車両の周辺状況(走行環境)があり、周辺状況が変わることで運転の難易度が変化する。そこで、第1情報として操舵角や車両の周辺状況を検出し、その第1情報と負荷との対応関係に従い負荷を推定してもよい。
図4には、車両の周辺状況から負荷を推定する際に参照する対応関係が示されている。車両の周辺状況は、速度のように単純に数値で表されるものではない。運転の難易度に影響する車両の周辺状況の要素としては、例えば、「合流地点」や「交差点」では、車両同士の衝突事故が発生し易く、***に比べて他車両に対して注意を払う必要があるので、運転の難易度は高くなる傾向にある。また、「高速道路」では、一般道路に比べて車両の速度が速いため、運転の難易度は高くなる。「カーブした道路」では、ハンドル操作に注意を要するので、直線道路に比べて運転の難易度は高くなる。「市街地」では、郊外に比べて人や他車両の往来が多く確認の頻度が高まるので、運転の難易度は高くなる。さらに、「細い道」では、広い道に比べて左右に注意を要するので、運転の難易度は高くなる。
これら周辺状況の各要素は、単独で該当する場合もあるし、「高速道路の合流地点」といったように複合的に該当する場合もある。
そこで、図4に示した例では、各要素に運転の難易度に応じて予め点数(1〜4点)が付されており、ナビゲーションシステムなどから検出した車両の周辺状況に該当する要素の点数を合計し、その合計点数で運転の難易度を総合的に表すようになっている。
図4(a)には、周辺状況の各要素に付された点数が例示されている。図4(a)の例では、「合流地点」、「交差点」、及び「高速道路」における運転の難易度が最も高く見積もられており、これらには最高の「4点」が付されている。これに比べると、「カーブした道路」での難易度は低く見積もられており、「3点」が付されている。続いて、「市街地」の難易度が高く「2点」が付されており、その次の「細い道」には「1点」が付されている。
尚、周辺状況の要素は、ここに示した例に限られるわけではなく、他の要素に対して運転の難易度に応じた点数を付しておいてもよい。
このように周辺状況の各要素に付された点数に従って、例えば、検出した車両の周辺状況が「高速道路の合流地点」であれば、「合流地点」の4点と「高速道路」の4点とを合計した「8点」となる。
こうして得られた合計点数から運転者にかかる負荷を推定する際には、予め設定された合計点数と負荷との対応関係を参照する。
図4(b)には、周辺状況を示す合計点数と負荷との対応関係が例示されている。前述したように合計点数は運転の難易度を総合的に表しており、合計点数が大きいほど高い負荷が対応付けられている。図示した例では、合計点数が0〜1点に負荷1が対応付けられており、2〜3点に負荷2が対応付けられており、4〜5点に負荷3が対応付けられており、6〜7点に負荷4が対応付けられており、8点以上に負荷5が対応付けられている。
このような対応関係に従い、上述した車両の周辺状況が「高速道路の合流地点」の例では、合計点数が8点以上に該当するので、負荷を「5」と推定する。
図2のS103では、以上のようにして負荷を推定すると、推定した負荷に応じて複数の情報の中から運転者に提示する情報を選択する(S104)。
第1実施例では、運転者に提示可能な情報として、ナビゲーションシステムから取得される周辺の観光地や店などの情報(周辺情報)、インターネットを介して取得されるニュース情報、電話やメールの着信情報、車内で流す音楽に関するオーディオ情報、車内の空調に関するエアコン情報、ナビゲーションシステムから取得される渋滞情報、ナビゲーションシステムに従って目的地に誘導するルート案内情報、車両で危険が検出されたことを示す警告・注意情報の8種類が用意されている。
推定した負荷に応じて運転者に提示する情報(提示情報)を選択する際には、予め設定された負荷と提示情報との対応関係を参照する。
図5には、負荷と提示情報との対応関係が例示されている。第1実施例では、推定した負荷に応じて、複数の情報の中から運転者が視認することが可能な(視認する余裕のある)提示情報を選択するようになっており、負荷が低い場合は提示情報を多くし、負荷が高い場合は提示情報を少なくする。
図示した例では、5段階で示す負荷の中で最も低い負荷1の場合、運転者が情報を視認するのに最も余裕があるため、用意された8種類の提示情報をすべて選択することで運転者の利便性を高める。負荷2の場合は、負荷1に比べて余裕がないと判断されるため、内容の把握に時間を要する「周辺情報」と「ニュース情報」とを外した6種類の提示情報を選択する。また、負荷2では、「周辺情報」および「ニュース情報」よりも運転者にとって重要性が高く、運転者が視認する可能性の高い「電話・メール」の着信情報を選択していたのに対して、負荷3では、その余裕がないと判断されるので、「電話・メール」の着信情報を外した5種類の提示情報を選択する。負荷4では、負荷3に比べて、運転との関連性が低い情報は視認する余裕がないと判断されるので、運転と直接的に関係がない「オーディオ情報」と「エアコン情報」とを外して、「渋滞情報」と「ルート案内情報」と「警告・注意情報」とを提示情報として選択する。さらに、負荷5の場合は、運転者が提示された情報を視認する余裕が最もないため、利便性よりも安全性を重視して、最低限の情報として「警告・注意情報」を選択する。
図2のS104で負荷に応じて提示情報を選択すると、その情報を運転者に対してディスプレイ112を用いて提示する(S105)。その後、以下に示す負荷補正処理(S200)を実行する。
図6の負荷補正処理(S200)では、第2情報として、先ずディスプレイ112に提示された情報を運転者が視認したか否かを判断する(S201)。
尚、第1実施例では、車両に取り付けられた第2情報検出部103としてのカメラで運転者の視線を検出し、運転者の視線がディスプレイ112に所定時間向いていれば視認したと判断し、所定時間に満たなければ視認したとは判断しない。
ディスプレイ112には、推定された負荷から運転者が視認することが可能であろう情報が選択され提示されている。にもかかわらず、運転者がディスプレイ112を視認しなかった場合(S201:no)、実際には、運転者は提示された情報を視認する余裕がなく、S103で推定した負荷は、実際の負荷よりも低いと判断される。そこで、負荷の推定値を引き上げるため上方に補正する(S202)。例えば、S103で負荷を「3」と推定していた場合、負荷の推定値を一段階高い「4」に補正する。
続いて、補正後の負荷に基づいて、図5に示した負荷と提示情報との対応関係から提示情報を選択し直し、ディスプレイ112の提示情報を更新する(S203)。上述した例では、負荷3で選択される「オーディオ情報」および「エアコン情報」が、負荷4では選択されないので、削除される。
また、前述したように第1実施例の負荷推定処理(S100)は、所定の時間が経過する毎に繰り返し実行されており、次回も負荷を実際よりも低く推定する可能性がある。そこで、次回以降の負荷の推定精度を高めるために、負荷の推定に用いた対応関係を補正する(S204)。
図7には、図3に示した速度と負荷との対応関係の補正例が示されている。例えば、速度と負荷との対応関係における速度の範囲を、図7(a)に示すように、それぞれ5km/hずつ下方にずらしてもよい。こうすれば、検出した速度が60km/hの場合、図3に示した対応関係では負荷3と推定するが、図7(a)の対応関係を用いると、一段階高い負荷4と推定することができる。
また、図7(a)では、対応関係全体を補正したが、推定した負荷と実際の負荷とが一致していないと判断された速度の範囲だけを補正してもよい。例えば、車両の速度が60km/hの場合、図3の対応関係では負荷3と推定されていたが、その推定が実際よりも低いと判断すると、図7(b)に示すように、負荷3に対応する範囲を41〜59km/hに補正すると共に、負荷4に対応する範囲を60〜80km/hに補正してもよい。こうすることで、次回以降の負荷の推定では、速度が60km/hであれば、負荷4と推定することができる。
図6のS204で負荷の推定に用いた対応関係を補正すると、図6の負荷補正処理を終了し、図2の負荷推定処理(S100)に復帰する。また、負荷推定処理に復帰すると、処理の先頭に戻り、所定の時間が経過したか否かを判断する。
以上では、図6のS201で運転者がディスプレイ112を視認しなかった場合(S201:no)について説明した。これに対して、運転者がディスプレイ112を視認した場合は(S201:yes)、続いて、運転者が提示されている以上の情報を求めて操作したか否かを判断する(S205)。第1実施例では、ディスプレイ112に情報を表示させるために運転者が操作可能な操作部が設けられており、負荷に応じて未提示の情報であっても、運転者が操作部を操作することによってディスプレイ112に表示させることが可能となっている。
尚、こうした操作部は、ディスプレイ112とは別に設けられていてもよいし、ディスプレイ112と一体になったタッチパネルのようなものでもよい。また、この操作部は、第2情報検出部103を構成している。
運転者が情報を求めて操作した場合は(S205:yes)、運転者が提示された情報よりも多くの情報を視認する余裕があり、推定した負荷は実際の負荷よりも高いものと判断される。そこで、S103で推定した負荷を引き下げるため下方に補正する(S206)。例えば、S103で負荷を「3」と推定していた場合、一段階低い「2」に補正する。
続いて、補正後の負荷に基づいて、図5に示した負荷と提示情報との対応関係から提示情報を選択し直し、ディスプレイ112の提示情報を更新する(S207)。上述した例では、負荷3で選択されない「電話・メール」の着信情報が、負荷2では選択されるので、追加される。
次に、負荷の推定に用いた対応関係を補正する(S208)。対応関係を補正する方法としては、対応関係全体を補正してもよく、上述したS204では、図7(a)のように負荷を上方に補正するため負荷に対応する速度の範囲を5km/hずつ下方にずらしたが、これとは逆に、S208では負荷を下方に補正するので、速度の範囲を5km/hずつ上方にずらしてもよい。
また、対応関係全体を補正するのではなく、推定した負荷と実際の負荷とが一致しないと判断された速度の範囲だけを補正してもよい。この場合、図7(b)とは逆に、負荷3と推定していた速度を負荷2と推定するように負荷に対応する速度の範囲を補正してもよい。
図6のS208で負荷の推定に用いた対応関係を補正した後、図6の負荷補正処理を終了して、図2の負荷推定処理(S100)に復帰する。また、負荷推定処理に復帰すると、処理の先頭に戻り、所定の時間が経過したか否かを判断する。
以上では、図6のS205で運転者が情報を求めて操作したと判断した場合(S205:yes)について説明した。これに対して、S205で運転者が情報を求めて操作していない場合は(S205:no)、運転者に提示されている情報が適切であり、負荷が正しく推定されていると判断されるため、そのまま図6の負荷補正処理を終了し、図2の負荷推定処理(S100)に復帰する。また、負荷推定処理(S100)に復帰すると、処理の先頭に戻り、所定の時間が経過したか否かを判断する。
以上に説明したように、第1実施例の負荷推定装置100では、第1情報として車両の速度を検出し、速度と負荷との対応関係に従って負荷を推定する。また、推定した負荷に基づいて運転者が視認することが可能な情報を提示し、その提示した情報に対して運転者がとるであろう反応と、第2情報として実際に検出した運転者の反応(運転者が提示された情報を視認したか否か、運転者が提示されていない情報を求めたか否か)とを比較する。そして、その比較結果を負荷の推定に反映させるようになっている。こうすれば、比較結果が一致しない場合は、推定した負荷が実際の負荷と一致していないと判断できる。しかも、実際の運転者の反応に基づいて、負荷の推定を補正すべき方向(上方に補正か下方に補正か)を判断できるので、適切に補正して負荷の推定精度を高めることが可能となる。
また、複数用意された提示情報には、負荷に応じて運転者が視認できたり視認できなかったりする情報が含まれており、推定した負荷に基づいて運転者が視認可能であろう情報を選択して提示するようになっている。こうすると、運転者が視認可能なはずの提示情報を視認しなかった場合は、提示する情報を少なくする方向(負荷を高くする方向)に補正することで、推定精度を高めることができる。
一方、運転者が視認できないはずの未提示の情報を求めた場合は、提示する情報を多くする方向(負荷を低くする方向)に補正することで、推定精度を高めることができる。
また、第1実施例の負荷推定装置100は、提示した情報に対する運転者の反応を第2情報として検出するようになっている。こうすると、負荷を補正するための第2情報を検出する契機(運転者が反応する契機)を負荷推定装置100が自ら作ることができる。そのため、情報を提示するタイミングを制御することで、第2情報を検出する契機が発生するのを待つ必要がなく、推定した負荷を速やかに補正することが可能となる。
さらに、第1実施例の負荷推定装置100では、推定した負荷自体を補正するようになっており、第2情報として検出した運転者の反応を今回の負荷の推定に反映させることができるので、今回の負荷の推定精度を高めることができる。
また、負荷の推定に用いた対応関係についても補正するようになっており、第2情報として検出した運転者の反応を次回以降の負荷の推定に反映させることができるので、次回以降の負荷の推定精度を高めることができる。
ここで、第1情報(車両の速度)から負荷を推定するために用いた対応関係は、予め運転者の個人差を考慮して設定することが困難であることから、多くの運転者が該当する平均的な運転者を想定し、その平均的な運転者に合わせて対応関係を設定しておくのが一般的である。そのため、運転の熟練度などによって平均的な運転者に該当しない運転者の場合、予め設定された対応関係に従って正しく負荷を推定することができない。
第1実施例では、このような対応関係に従って第1情報から負荷を推定するだけではなく、実際の運転者の反応(運転者が提示された情報を視認したか否か、運転者が提示されていない情報を求めたか否か)を負荷の推定に反映させる。これにより、個々の運転者に合わせた心理状態の推定が可能となるので、負荷の推定精度を高めることができる。
B.変形例 :
上述した第1実施例では、推定した負荷に基づいて運転者が視認可能であろう情報を提示し、その提示した情報に対する運転者の反応の有無(提示された情報を視認したか否か、未提示の情報を求めて操作したか否か)を第2情報として検出していた。しかし、検出する第2情報はこれに限られず、例えば、提示した情報に対する運転者の反応時間であってもよい。以下では、運転者の反応時間を第2情報として検出する変形例について説明する。
尚、変形例の説明にあたっては、上述した第1実施例と共通する部分の説明を省略し、異なる部分(主に負荷補正処理)を中心に説明する。
提示した情報に対する運転者の反応時間には、運転者にかかる負荷が反映されており、負荷が低く運転者に余裕があれば反応時間が長く確保されるのに対し、負荷が高く運転者に余裕がなければ反応時間が短くなる傾向にある。このような関係上、運転者の反応時間から負荷を推定することも可能である。しかし、変形例では、第2情報としての運転者の反応時間を負荷の推定に用いるのではなく、車両の速度(第1情報)から推定した負荷を補正するのに用いている。
図8に示した変形例の負荷補正処理(S200)では、先に推定した負荷(図2のS103)から運転者の反応時間を推定する(S301)。前述したように運転者の反応時間は、負荷の推定に用いることが可能であるものの、ここでは逆に、負荷から反応時間を推定するので、「逆推定」と呼ぶことにする。
推定した負荷から運転者の反応時間を逆推定する際には、予め設定された負荷と反応時間との対応関係を参照する。
図9には、負荷と反応時間との対応関係が例示されている。この変形例では、運転者の反応時間として、提示された所定の情報を確認するのに運転者が費やす時間(確認時間)を用いている。また、変形例では、推定した負荷にかかわらず、「ルート案内情報」を運転者に提示するようになっており(図2のS105)、確認時間は、この「ルート案内情報」の確認に費やす時間であるものとする。
前述したように、運転者の反応時間(確認時間)は、運転者にかかる負荷に応じて変化し、図示した例では、5段階で示す負荷の中で最も低い負荷1の場合、運転者が情報を確認するのに余裕が最もあるため、確認時間として最も長い2.0秒以上が対応付けられている。また、負荷2の場合、負荷1と比べて運転者が情報を確認する余裕がないため、負荷1よりも短い1.5〜1.9秒の確認時間が対応付けられており、負荷2と比べて余裕がない負荷3には、より短い1.0〜1.4秒の確認時間が対応付けられており、負荷3に比べて余裕がない負荷4には、さらに短い0.5〜0.9秒の確認時間が対応付けられている。そして、負荷5の場合、運転者が情報を確認する余裕が最もないため、最も短い0〜0.4秒の確認時間が対応付けられている。
このような対応関係に従って、例えば、先に推定した負荷が「3」であれば、確認時間を1.0〜1.4秒の範囲と逆推定する。
図8のS301で確認時間を逆推定すると、続いて、提示した「ルート案内情報」に対する運転者の実際の確認時間を第2情報として検出する(S302)。
尚、変形例では、車両に取り付けられた第2情報検出部103としてのカメラを用いて、運転者がディスプレイ112に視線を向けていた時間を、ディスプレイ112に提示された情報の確認に費やした確認時間として検出する。
第2情報として運転者の実際の確認時間を検出すると、その検出した確認時間がS301で逆推定した確認時間の範囲内にあるか否かを判断する(S303)。第2情報として検出した確認時間が逆推定した確認時間の範囲内にある場合は(S303:yes)、負荷が正しく推定されていると判断されるので、そのまま図8の負荷補正処理を終了し、図2の負荷推定処理(S100)に復帰する。
一方、第2情報として検出した確認時間が逆推定した確認時間の範囲内にない場合は(S303:no)、続いて、検出した確認時間が逆推定した確認時間の範囲よりも短いか否かを判断する(S304)。
第2情報として検出した確認時間が逆推定した確認時間の範囲よりも短い場合(S304:yes)、運転者は、逆推定した確認時間を費やすほどの余裕がなく、S103で推定した負荷は、実際の負荷よりも低いと判断される。そこで、負荷を上方に補正して(S305)、補正後の負荷に基づいて提示情報を更新した後(S306)、負荷の推定に用いた対応関係を補正する(S307)。これらS305〜S307の処理は、前述した第1実施例のS202〜S204と同様であるため説明を省略する。その後、図8の負荷補正処理を終了し、図2の負荷推定処理(S100)に復帰する。
これに対して、図8のS304の判断において、第2情報として検出した確認時間が逆推定した確認時間の範囲よりも長い場合(S304:no)、運転者は、逆推定した確認時間よりも長く情報を確認する余裕があり、S103で推定した負荷は、実際の負荷よりも高いと判断される。そこで、負荷を下方に補正して(S308)、補正後の負荷に基づいて提示情報を更新した後(S309)、負荷の推定に用いた対応関係を補正する(S310)。これらS308〜S310の処理は、前述した第1実施例のS206〜S208と同様であるため説明を省略する。その後、図8の負荷補正処理を終了し、図2の負荷推定処理(S100)に復帰する。
以上に説明したように、変形例の負荷推定装置100では、第1情報(車両の速度)から推定した負荷に基づいて所定の情報に対する運転者の確認時間を逆推定し、その逆推定した確認時間と、所定の情報を提示した際に第2情報として実際に検出した確認時間とを比較する。そして、その比較結果を負荷の推定に反映させるようになっている。こうすれば、逆推定した確認時間よりも実際の確認時間が短い場合は、推定した負荷が実際の負荷よりも低いと判断できるため、負荷を引き上げる方向に補正することで、推定精度を高めることが可能となる。また、逆推定した確認時間よりも実際の確認時間が長い場合は、推定した負荷が実際の負荷よりも高いと判断できるため、負荷を引き下げる方向に補正することで推定精度を高めることができる。
尚、上述した変形例では、第1情報(車両の速度)と第2情報(確認時間)とを検出しており、前述したように第2情報から負荷を推定することもできることから、初めから2つの情報を用いて負荷を推定すれば、1つの情報から推定するよりも精度を高められるようにも思われる。しかし、対応関係に従って車両の速度から負荷を推定するにしても、確認時間から負荷を推定するにしても、負荷を一意的に推定することはできず、可能性の高い(ある確からしさで)負荷を推定するだけである。このような2つの情報を共に用いて負荷を推定しても、却って推定される負荷の確からしさ(推定される負荷と実際の負荷が一致する確率)が低くなってしまい、推定精度を高めることにはならない。
これに対して、変形例では、第2情報としての確認時間を、負荷の推定に用いるのではなく、対応関係に従って車両の速度から推定した負荷の妥当性を判断したり、負荷を補正する方向を判断したりするのに用いることで、負荷の推定精度を高めることができる。
C.第2実施例 :
以上で説明した第1実施例および変形例では、運転者の心理状態として負荷を推定したが、推定する心理状態は負荷に限られない。以下では、運転者の心理状態として「漫然度」を推定する第2実施例について説明する。ここで、漫然度とは、運転者の運転に対する注意力が散漫になっている度合を表すものである。例えば、運転者が継続して車両を運転している時間(運転時間)が長くなると、運転者は運転に飽きてしまい運転に対する注意力が散漫になり易いので、漫然度は高くなる傾向にある。そして、漫然度が高くなると、運転者は脇見や居眠りをし易くなる。
第2実施例の漫然度を推定する漫然度推定装置は、第1実施例の負荷を推定する負荷推定装置100(図1参照)と基本的な構成は共通であるため、図示を省略するが、第1情報検出部と、漫然度推定部(第1実施例の負荷推定部102に相当)と、第2情報検出部と、反映部などを備えている。
第2実施例の第1情報検出部は、漫然度を推定するための第1情報として運転時間を検出する。
漫然度推定部は、運転時間と漫然度とが対応付けられた所定の対応関係に従って、第1情報検出部で検出された運転時間から運転者の漫然度を推定する。
第2情報検出部は、第1情報とは異なる第2情報として、運転者が瞬きした回数の変化量(瞬き回数変化量)を検出する。例えば、先ず、1分間の瞬き回数を計数し、所定時間が経過した後に再び1分間の瞬き回数を計数する。そして、前の計数値と後の計数値との差を瞬き回数変化量として検出する。
反映部は、第2情報検出部で検出された瞬き回数変化量を、漫然度推定部による漫然度の推定に反映させることで推定精度を高める。
図10には、第2実施例の漫然度検出装置で実行される漫然度推定処理(S500)のフローチャートが示されている。
漫然度推定処理(S500)は、所定の時間が経過する毎に繰り返し実行されており、先ず始めに、前回の処理が実行されてから所定の時間が経過したか否かを判断する(S501)。所定の時間が経過していない場合は(S501:no)、所定の時間が経過するまで待機する。
尚、第2実施例では、漫然度推定処理を所定の時間が経過する毎に実行しているが、これに限らず、所定の距離を走行する毎に実行してもよい。また、漫然度推定処理を実行する契機は、所定の時間の経過や所定の距離の走行といった定期的なものに限られず、不定期な契機で漫然度推定処理を実行してもよい。
そして、所定の時間が経過した場合は(S501:yes)、漫然度の推定に用いる第1情報として車両の運転時間を検出する(S502)。続いて、予め設定された運転時間と漫然度との対応関係に従い、検出した運転時間から運転者の漫然度を推定する(S503)。
図11には、漫然度を推定する際に参照する、運転時間と漫然度との対応関係が示されている。上述したように運転時間が長くなるにつれて漫然度は高くなり、第2実施例では漫然度を5段階に分けて推定している。図示した例では、運転時間が0.5時間増加する毎に1段階高い漫然度が対応付けられており、0.5時間未満に漫然度1が対応付けられており、0.5時間以上で1.0時間未満に漫然度2が対応付けられており、1.0時間以上で1.5時間未満に漫然度3が対応付けられており、1.5時間以上で2.0時間未満に漫然度4が対応付けられており、2.0時間以上に漫然度5が対応付けられている。このような対応関係に従い、例えば、検出した運転時間が1.4時間であれば、1.0時間以上で1.5時間未満の範囲に含まれるので、漫然度を「3」と推定する。
そして、漫然度を「5」と推定した場合は、運転者の注意力が散漫になっており、脇見や居眠りをし易い状態と判断されるので、スピーカーから所定の警報音を出力することで運転者の注意力を喚起したり、運転者に休憩を促すアナウンスを出力したりしてもよい。
尚、第2実施例では、第1情報として運転時間を検出し、運転時間と漫然度との対応関係に従い漫然度を推定したが、第1情報は運転時間に限られず、運転に対する注意力が散漫になると、それに応じて変化するものであってもよい。運転に対する注意力が散漫になることで変化するものの一例としては、運転者がアクセルを踏む動作(アクセル挙動)がある。運転に対する注意力が散漫になると、運転に対する動作が遅くなるので、停止していた前の車両が進み始めてからアクセルを踏むまでの時間が長くなる傾向にある。また、別の例として瞼の開き度合があり、運転者の運転に対する注意力が散漫になって、運転者が眠気を感じると、瞼の開き度合は小さくなる傾向にある。さらに、別の例として、運転者の心拍数があり、運転者の運転に対する注意力が散漫になって、運転者が眠気を感じると、心拍数は減少する傾向にある。そこで、第1情報としてアクセル挙動、瞼の開き度合または心拍数を検出し、その第1情報と漫然度との対応関係に従い漫然度を推定してもよい。
図10のS503で漫然度を推定すると、その推定した漫然度から第2情報を逆推定する(S504)。第2実施例では、前述したように第2情報として瞬き回数変化量を検出するようになっている。漫然度が高くなると、運転者は眠気を感じることで瞬き回数が多くなっていくので、瞬き回数変化量が増加する傾向にある。このような瞬き回数変化量から漫然度を推定することも可能であるが、第2実施例では、漫然度から瞬き回数変化量を逆推定する。
図12には、漫然度と瞬き回数変化量との対応関係が例示されている。上述したように瞬き回数変化量は、漫然度が高くなると増加する傾向がある。図示した例では、5段階で示す漫然度の中でも最も低い漫然度1の場合、運転者は運転に集中しており、眠気を感じていないので、瞬き回数変化量として0回以下(変化なし、または減少)が対応付けられている。また、漫然度2の場合、漫然度1と比べて注意力が低下しており、眠気を感じ易くなっているので、漫然度1よりも多い1〜5回の瞬き回数変化量が対応付けられており、漫然度2と比べて眠気を感じ易い漫然度3には、より多い6〜10回の瞬き回数変化量が対応付けられており、漫然度3と比べて眠気を感じ易い漫然度4には、さらに多い11〜19回の瞬き回数変化量が対応付けられている。そして、漫然度5の場合、運転に対する注意力が最も散漫になっており、最も眠気を感じやすいので、最も多い20回以上の瞬き回数変化量が対応付けられている。
このような対応関係に従って、例えば、先に推定した漫然度が「3」であれば、瞬き回数変化量は、6〜10回の範囲になると逆推定する。
図10のS504で瞬き回数変化量を逆推定すると、続いて、実際の瞬き回数変化量を第2情報として検出する。
尚、第2実施例では車両に取り付けられた第2情報検出部としてのカメラで運転者の目元を撮影し、運転者が瞬きしたら、その回数を計数する。そして、前述したように1分間の瞬き回数を、所定時間を置いて2回計数し、それらの差を瞬き回数変化量として検出する。
次に、第2情報として検出した瞬き回数変化量がS504で逆推定した瞬き回数変化量の範囲内にあるか否かを判断する(S506)。第2情報として検出した瞬き回数変化量が逆推定した瞬き回数変化量の範囲内にある場合は(S506:yes)、漫然度が正しく推定されていると判断されるので、そのまま漫然度推定処理の先頭に戻り、所定の時間が経過したか否かを判断する。
一方、第2情報として検出した瞬き回数変化量が逆推定した瞬き回数変化量の範囲内にない場合は(S506:no)、続いて、検出した瞬き回数変化量が逆推定した瞬き回数変化量の範囲よりも少ないか否かを判断する(S507)。
第2情報として検出した瞬き回数変化量が逆推定した瞬き回数変化量の範囲よりも少ない場合(S507:yes)、運転者は、逆推定した瞬き回数変化量ほどには瞬き回数が増加しておらず眠気は高まっていないので、S503で推定した漫然度は、実際の漫然度よりも高いと判断される。
ここで、第2実施例では、推定した漫然度が実際の漫然度と一致していないと判断しても、次のような理由から、推定した漫然度自体を補正しない。すなわち、上述のように第2実施例では、推定した漫然度が妥当か否かを判断するのに時間(第2情報として瞬き回数変化量を検出する時間)を要するので、推定した漫然度が実際の漫然度と一致しないと判断した時点で、その漫然度は既に過去のものである。そして、過去の漫然度を補正しても、漫然度の推定に基づいて警報音を出力するなどの処理を遡って実行したり取り消したりすることができないからである。
以上のことから、第2実施例では、推定した漫然度自体を補正するよりも、次回以降の推定の精度を高めることの方が重要である。そこで、推定した漫然度が実際の漫然度よりも高いと判断した場合は、漫然度の推定に用いた対応関係を、漫然度を低く推定するように補正する(S508)。
図13には、図11に示した運転時間と漫然度との対応関係の補正例が示されている。図13に示すように、運転時間と漫然度との対応関係における運転時間の範囲をそれぞれ0.3時間上方にずらしてもよい。こうすれば、検出した運転時間が1.7時間の場合、図11に示した対応関係では漫然度4と推定するが、図13の対応関係を用いると、一段階低い漫然度3と推定することができる。
図10のS508で対応関係を補正すると、漫然度推定処理の先頭に戻り、所定の時間が経過したか否かを判断する。
これに対して、第2情報として検出した瞬き回数変化量が逆推定した瞬き回数変化量の範囲より多い場合(S507:no)、運転者は、逆推定した瞬き回数変化量よりも瞬き回数変化量が増加しており眠気が大きく高まっているので、S503で推定した漫然度は、実際の漫然度よりも低いと判断される。そこで、次回以降の漫然度の推定精度を高めるために、漫然度の推定に用いた対応関係を、漫然度を高く推定するように補正する(S509)。
上述したS508では、図13のように漫然度を低く推定するように補正するために、漫然度に対応する運転時間の範囲を0.3時間ずつ上方にずらしたが、これとは逆に、S509では漫然度を高く推定するように補正するので、運転時間の範囲を0.3時間ずつ下方にずらしてもよい。
図10のS509で対応関係を補正すると、漫然度推定処理の先頭に戻り、所定の時間が経過したか否かを判断する。
以上に説明したように、第2実施例では、第1情報として運転時間を検出し、運転時間と漫然度との対応関係に従って漫然度を推定する。また、推定した漫然度に基づいて運転者の瞬き回数変化量を逆推定し、その逆推定した瞬き回数変化量と、第2情報として実際に検出した瞬き回数変化量とを比較する。そして、その比較結果を、漫然度の推定に用いる対応関係に反映させるようになっている。こうすれば、逆推定した瞬き回数変化量よりも実際に検出した瞬き回数変化量が少ない場合、推定した漫然度が実際の漫然度よりも高いと判断できるので、漫然度を低く推定するように対応関係を補正することで、次回以降の推定精度を高めることが可能となる。一方、逆推定した瞬き回数変化量よりも実際に検出した瞬き回数変化量が多い場合、推定した漫然度が実際の漫然度よりも低いと判断できるので、漫然度を高く推定するように対応関係を補正することで、次回以降の推定精度を高めることが可能となる。
以上、実施例および変形例について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
100…負荷推定装置、 101…第1情報検出部、 102…負荷推定部、
103…第2情報検出部、 110…反映部、 111…情報選択部、
112…ディスプレイ、 113…比較部。

Claims (9)

  1. 車両を運転中の運転者の心理状態として、前記車両を運転中の前記運転者の負荷を推定する心理状態推定装置(100)であって、
    前記運転者の心理状態を推定するための心理状態推定情報として、前記車両の走行状況または該車両の走行環境を検出する情報検出部(101)と、
    前記心理状態推定情報を前記心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、前記情報検出部によって検出された前記心理状態推定情報から前記心理状態を推定する推定部(102)と、
    前記心理状態が前記運転者の反応時間または反応の有無に現れる所定の検出契機の発生に伴って、前記運転者の反応時間または反応の有無を検出する反応検出部(103)と、
    前記反応検出部の検出結果を、前記推定部による前記心理状態の推定に反映させる反映部(110)と、
    を備える心理状態推定装置。
  2. 請求項に記載の心理状態推定装置であって、
    前記運転者に情報を提示する情報提示部(111、112)を備え、
    前記反応検出部は、前記検出契機として前記情報提示部による前記情報の提示に伴って、該情報に対する前記運転者の反応時間または反応の有無を検出する
    心理状態推定装置。
  3. 請求項に記載の心理状態推定装置であって、
    前記運転者に提示する前記情報は複数種類設けられており、
    前記情報提示部は、前記推定部が推定した前記負荷に基づいて前記複数種類の情報の中から提示する前記情報の数や種類を選択する
    心理状態推定装置。
  4. 請求項に記載の心理状態推定装置であって、
    前記反映部は、
    前記情報提示部によって提示された前記情報に対する前記運転者の反応が前記反応検出部で検出されない場合は、前記推定部による前記負荷の推定結果を引き上げる方向に補正し、
    前記情報提示部によって提示されていない前記情報に対する前記運転者の反応が前記反応検出部で検出された場合は、前記推定部による前記負荷の推定結果を引き下げる方向に補正する
    心理状態推定装置。
  5. 車両を運転中の運転者の心理状態として、前記車両を運転中の前記運転者の漫然度を推定する心理状態推定装置(100)であって、
    前記運転者の心理状態を推定するための心理状態推定情報として、前記運転者の運転時間、該運転者の顔画像、該運転者の生体情報、または該運転者の動作を検出する情報検出部(101)と、
    前記心理状態推定情報を前記心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、前記情報検出部によって検出された前記心理状態推定情報から前記心理状態を推定する推定部(102)と、
    前記心理状態が前記運転者の反応時間または反応の有無に現れる所定の検出契機の発生に伴って、前記運転者の反応時間または反応の有無を検出する反応検出部(103)と、
    前記反応検出部の検出結果を、前記推定部による前記心理状態の推定に反映させる反映部(110)と、
    を備える心理状態推定装置。
  6. 請求項に記載の心理状態推定装置であって、
    前記反応検出部は、前記検出契機として前記推定部による前記漫然度の推定後からの所定時間の経過に伴って、前記運転者の反応時間または前記反応時間の有無を検出する
    心理状態推定装置。
  7. 請求項1ないし請求項の何れか一項に記載の心理状態推定装置であって、
    前記反映部は、前記推定部が推定した前記心理状態、あるいは該推定部が推定に用いた前記対応関係の少なくとも一方を補正する
    心理状態推定装置。
  8. 車両を運転中の運転者の心理状態として、前記車両を運転中の前記運転者の負荷を推定する心理状態推定方法(S100)であって、
    前記運転者の心理状態を推定するための心理状態推定情報として、前記車両の走行状況または該車両の走行環境を検出する情報検出工程(S102)と、
    前記心理状態推定情報を前記心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、前記情報検出工程で検出された前記心理状態推定情報から前記心理状態を推定する推定工程(S103)と、
    前記心理状態が前記運転者の反応時間または反応の有無に現れる所定の検出契機の発生に伴って、前記運転者の反応時間または反応の有無を検出する反応検出工程(S201、S205)と、
    前記反応検出工程の検出結果を、前記推定工程による前記心理状態の推定に反映させる反映工程(S202、S204、S206、S208)と
    を備える心理状態推定方法。
  9. 車両を運転中の運転者の心理状態として、前記車両を運転中の前記運転者の漫然度を推定する心理状態推定方法(S100)であって、
    前記運転者の心理状態を推定するための心理状態推定情報として、前記運転者の運転時間、該運転者の顔画像、該運転者の生体情報、または該運転者の動作を検出する情報検出工程(S102)と、
    前記心理状態推定情報を前記心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、前記情報検出工程で検出された前記心理状態推定情報から前記心理状態を推定する推定工程(S103)と、
    前記心理状態が前記運転者の反応時間または反応の有無に現れる所定の検出契機の発生に伴って、前記運転者の反応時間または反応の有無を検出する反応検出工程(S201、S205)と、
    前記反応検出工程の検出結果を、前記推定工程による前記心理状態の推定に反映させる反映工程(S202、S204、S206、S208)と
    を備える心理状態推定方法。
JP2014206775A 2014-10-07 2014-10-07 心理状態推定装置および心理状態推定方法 Expired - Fee Related JP6331945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014206775A JP6331945B2 (ja) 2014-10-07 2014-10-07 心理状態推定装置および心理状態推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014206775A JP6331945B2 (ja) 2014-10-07 2014-10-07 心理状態推定装置および心理状態推定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016076131A JP2016076131A (ja) 2016-05-12
JP6331945B2 true JP6331945B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=55951522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014206775A Expired - Fee Related JP6331945B2 (ja) 2014-10-07 2014-10-07 心理状態推定装置および心理状態推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6331945B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018012156A1 (ja) * 2016-07-15 2019-04-11 本田技研工業株式会社 コンテンツ選択システム、コンテンツ再生装置、コンテンツ選択サーバ及びコンテンツ選択方法
JP2019053436A (ja) * 2017-09-13 2019-04-04 株式会社オートネットワーク技術研究所 運転負荷演算装置及びコンピュータプログラム
JP7460362B2 (ja) 2019-12-19 2024-04-02 矢崎エナジーシステム株式会社 ドライバー状態推定装置
JP7421948B2 (ja) * 2020-02-21 2024-01-25 本田技研工業株式会社 情報処理システムおよび情報処理方法
JPWO2021229671A1 (ja) * 2020-05-12 2021-11-18
CN113421647A (zh) * 2021-07-20 2021-09-21 上海暖禾临床心理诊所有限公司 基于二维码的心理状态数据采集、处理和输出***及方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4696339B2 (ja) * 2000-07-11 2011-06-08 マツダ株式会社 車両の制御装置
JP4514372B2 (ja) * 2001-08-28 2010-07-28 パイオニア株式会社 情報提供システム、情報提供方法、情報提供プログラム、情報提供システムにおけるサーバ装置および、情報提供システムにおける端末装置
JP2009018047A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Toyota Motor Corp 心理状態推定装置
JP6222580B2 (ja) * 2013-03-28 2017-11-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 提示情報学習方法、サーバおよび端末装置
JP2015033457A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 日産自動車株式会社 運転状態推定装置及び運転状態推定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016076131A (ja) 2016-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6331945B2 (ja) 心理状態推定装置および心理状態推定方法
JP5332356B2 (ja) 車両用運転支援装置
US9702712B2 (en) On-board system, information processing apparatus, and program product
US7382240B2 (en) Warning device in a vehicle
JP6142718B2 (ja) 運転支援装置、および運転支援方法
JP2008241309A (ja) 車両用サービス提示装置
JP2007145310A (ja) 車両用表示システム
EP2487085A2 (en) Lane departure warning system and a method for a lane departure warning system
JP2006343904A (ja) 運転支援装置
JP4882587B2 (ja) 車両用情報提供装置
JP2018106240A (ja) 車両用運転者状態判定装置
JP2012185582A (ja) 運転支援装置及び運転支援方法
US20160185290A1 (en) Navigation device, navigation method, and computer program product
JP5854030B2 (ja) 車両用情報提供装置
JP4858094B2 (ja) ディスプレイ表示システム
JP2006308507A (ja) 気遣い運転ガイド装置および気遣い運転ガイド方法
JP5803679B2 (ja) 運転状態判定装置
JP2008201231A (ja) 車両のペダル反力変更装置およびペダル反力変更方法
JP2010197071A (ja) 経路探索装置
JP5648589B2 (ja) 運転支援装置及び運転支援方法
JP6620775B2 (ja) 表示装置および表示方法
JP5664202B2 (ja) 運転支援装置
JP2010118024A (ja) 表示制御システム、表示制御方法、及び表示制御プログラム
JP4968133B2 (ja) 車両用警報装置
JP7445696B2 (ja) 制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180416

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6331945

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees