JP6329703B1 - 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法 - Google Patents

導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6329703B1
JP6329703B1 JP2017527939A JP2017527939A JP6329703B1 JP 6329703 B1 JP6329703 B1 JP 6329703B1 JP 2017527939 A JP2017527939 A JP 2017527939A JP 2017527939 A JP2017527939 A JP 2017527939A JP 6329703 B1 JP6329703 B1 JP 6329703B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive paste
silver
organic solvent
blanket
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017527939A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018008270A1 (ja
Inventor
祐樹 新谷
祐樹 新谷
外村 卓也
卓也 外村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6329703B1 publication Critical patent/JP6329703B1/ja
Publication of JPWO2018008270A1 publication Critical patent/JPWO2018008270A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/52Electrically conductive inks
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/20Conductive material dispersed in non-conductive organic material
    • H01B1/22Conductive material dispersed in non-conductive organic material the conductive material comprising metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/12Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns

Abstract

十分な導電性及び基板との良好な密着性を有する微細導電性パターンを形成することができる導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法を提供し、より具体的には、グラビアオフセット印刷を用いて線幅が5μm以下の導電性パターンを形成することができる導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法を提供する。銀微粒子と、有機溶媒と、を含み、当該有機溶媒はブランケット膨潤率が2.0%以下となる低膨潤性有機溶媒を含み、当該低膨潤性有機溶媒の含有率が3.0〜30wt%であること、を特徴とする導電性ペースト。

Description

本発明は、半導体集積回路等の配線や電極パターンを形成するために用いる導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法であって、導電性パターンの細線化に資する導電性ペースト及び当該導電性ペーストを用いた導電性パターンに形成方法に関する。
銀ナノ粒子を含むインク配合物が良好な印刷結果を示すことから、昨今、プリンテッドエレクトロニクス用途に銀ナノ粒子技術を用いることについて研究開発が盛んに行われている。
そして、近年、かかるプリンテッドエレクトロニクスにおいては、より簡便かつ安価な導電膜パターンの形成方法として、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法又はインクジェット印刷法等の印刷法を用いた方法が提案され、これらの印刷法に適した導電性インクや導電性ペースト等が盛んに研究開発されている。
ここで、グラビアオフセット印刷では、導電性ペーストを用いた場合の印刷適性を向上させるために、ブランケット表面における導電性ペーストの凝集力や粘度を高め、当該ブランケットを膨潤させる溶剤を溶媒として使用することが必須とされていた。
しかしながら、膨潤性の高い溶媒は印刷適性を付与しやすい反面、特に5μm以下の細線印刷に用いることは困難である。具体的には、極細線パターンとして印刷される導電性ペーストに含まれる溶媒量は極めて少ないことから、ブランケットに対する膨潤率が高い溶媒を用いた場合は乾燥が急速に進んでしまい、基材への転写不良が生じてしまう。
これに対し、溶媒のブランケット膨潤率に着目した導電性ペーストも検討されており、例えば、特許文献1(特許5610112号)においては、導電性金属粒子(A)と、50℃において固体であり常圧における沸点が300℃を超える有機化合物(B)と、50℃において液体であり常圧における沸点が300℃を超える有機化合物(C)と、(B)及び(C)以外の、(B)及び(C)と反応性を有さない常圧における沸点170〜300℃の有機溶剤(D)とを含有する、グラビアオフセット印刷法によるベゼルパターン印刷用導電性ペーストであって、(B)不揮発分を、(A)〜(D)の合計に対し、質量換算で1.0〜3.0%とし、かつ、不揮発分の質量換算で、有機化合物(B)と有機化合物(C)の合計使用量をR、導電性金属粒子(A)の使用量をPとした際の両者の質量比R/Pを、0.07〜0.15とすること、特徴とする導電性ペーストが開示されている。また、当該導電性ペーストにおいては、有機溶剤の好適なブランケット膨潤率として、5〜20%が開示されている。
上記特許文献1に記載のベゼルパターン印刷用導電性ペーストにおいては、有機化合物(B)の不揮発分含有率が導電性金属粒子(A)〜有機溶剤(D)の4成分の合計に対して従来よりも小さくなっていることに加え、有機化合物(B)と有機化合物(C)の不揮発分と導電性金属粒子(A)との質量比R/Pも、従来よりも小さくなるように調整されていることから、ベゼルパターンの様な複雑な凹部を有するグラビア版を用いて印刷を行っても、直線性に優れ断線や短絡等の無い、意図した導電性パターンが得られるという格別顕著な効果を奏する、とされている。
特許第5610112号明細書
しかしながら、上記特許文献1に記載のベゼルパターン印刷用導電性ペーストを用いた場合であっても、近年の導電性パターンの細線化には十分対応することができない。なお、上記特許文献1においても溶媒のブランケット膨潤率について考慮されているが、好適な数値範囲の理由が明確ではなく、グラビアオフセット印刷によって形成される導電性パターンの細線化について最適化されているとは言い難い。
そこで、本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、十分な導電性及び基板との良好な密着性を有する微細導電性パターンを形成することができる導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法を提供することである。より具体的には、本発明の目的は、グラビアオフセット印刷を用いて線幅が5μm以下の導電性パターンを形成することができる導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、グラビアオフセット印刷によって形成される導電性パターンの細線化を図るためには、導電性ペーストに用いる溶媒のブランケット膨潤率を極めて小さな値に設定することが、上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
銀微粒子と、有機溶媒と、を含み、
前記有機溶媒はブランケット膨潤率が2.0%以下となる低膨潤性有機溶媒を含み、
前記低膨潤性有機溶媒の含有率が3.0〜30wt%であること、
を特徴とする導電性ペースト、を提供する。
一般的にグラビアオフセット印刷に用いる印刷版の最表面はシリコーンゴム製であり、本発明における「ブランケット膨潤率」とは、シリコーンゴムを有機溶媒に浸漬させた際の膨潤率を意味する。ここで、「ブランケット膨潤率」は、有機溶媒中にブランケット(シリコーンゴム)を浸漬させた際の、当該浸漬前後におけるブランケット(シリコーンゴム)の重量変化率と同意である。
なお、より具体的には、ブランケット(シリコーンゴム)を1cm角に切り出して試験片とし、当該試験片を有機溶媒に室温条件下(25℃±5℃)で浸漬させ、10時間後に取り出して浸漬前後における重量増加率を求めることで、「ブランケット膨潤率」を評価することができる。導電性ペースト印刷用に標準的に用いられているシリコーンブランケットであれば、特定の有機溶媒に対して測定される膨潤率は大きな差は無いことが実験的に証明されている。
本発明の導電性ペーストにおいては、ブランケット膨潤率が2.0%以下と極めて低い低膨潤性有機溶媒を用いることで、ブランケットへの有機溶媒の吸収を低減でき、ブランケット表面での導電性ペーストの乾燥を大幅に抑制することができる。導電性ペーストを用いて極細線を印刷する場合、極細線状に印刷された導電性ペーストが非常に乾燥しやすく、良好な導電性パターンを形成することが困難である。これに対し、有機溶媒のブランケット膨潤率を2.0%以下にすることで、例えば、線幅が5μm以下の極細線導電性パターンの形成にも対応することができる。なお、より好ましいブランケット膨潤率は0.4%以下である。
また、本発明の導電性ペーストにおいては、低膨潤性有機溶媒の含有率を3.0〜30wt%としている。低膨潤性有機溶媒の含有率を3.0wt%以上とすることで導電性ペーストに適当な塗布性(流動性)を付与することができ、30wt%以下とすることで焼成後の導電性ペーストに良好な導電性を付与することができる。なお、低膨潤性有機溶媒のより好ましい含有率は3.0〜25.0wt%であり、最も好ましい含有率は3.0〜20.0wt%である。
また、本発明の導電性ペーストにおいては、前記銀微粒子は銀ナノ粒子であること、が好ましい。粗大な銀粒子を用いた場合は銀粒子同士の焼結が難しくなり、導電性パターンに良好な導電性を付与することができない。これに対し、銀ナノ粒子を用いることで、銀粒子同士の焼結や接触によって導電性を確保することができる。
ここで、極めて細い導電性パターンを形成させたい場合において、例えば、グラビアオフセット印刷に用いる印刷版の表面に形成された2μm幅の凹部に0.5±0.3μmの粒径を有する銀サブミクロン粒子を充填させる場合、凹部の幅方向には銀サブミクロン粒子を1つ又は2つ程度しか充填することができない。つまり、銀サブミクロン粒子1つ1つの影響が大きく、銀サブミクロン粒子が1つ脱離しただけで細線の直線性を大きく損ねる結果となることに加え、銀サブミクロン粒子同士の焼結が困難になる。
一方で、銀ナノ粒子を用いることで上記凹部に多数の銀ナノ粒子を緻密に充填することができ、銀ナノ粒子同士が細かく重なり合って並んでいるため、銀ナノ粒子同士を焼結(ネッキング)させることが容易である。加えて、粒径が極めて小さいことから、一つの銀ナノ粒子が印刷品質に与える影響を大幅に低減することができる。
銀ナノ粒子の粒径及び形状については、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々の銀ナノ粒子を用いることができる。具体的には、平均粒径が1μm未満の銀ナノ粒子を用いることができ、より好ましい平均粒径は1〜200nmであり、最も好ましい平均粒径は2〜100nmである。銀ナノ粒子の平均粒径が1nm以上であれば、銀微粒子が良好な低温焼結性を具備すると共に銀微粒子製造がコスト高とならず実用的である。また、200nm以下であれば、銀微粒子の分散性が経時的に変化し難く、好ましい。
ここで、銀ナノ粒子の粒径は一定でなくてもよい。また、銀ナノ粒子の平均粒径は、上述のとおり、200nm以下であることが好ましいが、導電性ペーストが、任意成分として、後述する分散剤等を含む場合、凝集を生じたりせず、本発明の効果を著しく損なわない成分であれば、かかる200nm超の平均粒径を有する銀微粒子を含んでもよい。加えて、必要に応じて銀マイクロ粒子を添加してもよい。
更に、本発明の導電性ペーストにおいては、前記低膨潤性有機溶媒の常圧における沸点が200℃以上であり、前記低膨潤性有機溶媒がヒドロキシル基を有すること、が好ましい。常圧での沸点が200℃以上であることで、グラビア凹版上での過度な乾燥が抑制され、ヒドロキシル基を有することでナノ粒子への分散が良好になり、かつ極性が上がる事でブランケットへの膨潤が抑制される傾向となる為である。
また、本発明は、
グラビア版を用いたグラビアオフセット印刷法を用い、
前記グラビア版は印刷面に印刷用導電性ペーストが充填される凹部を有し、
前記凹部は線幅が10μm以下である細線パターンの印刷に対応し、
前記印刷用導電性ペーストに請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペーストを用いること、
を特徴とする導電性パターンの形成方法、も提供する。
本発明の導電性パターンの形成方法においては、上述の本発明の導電性ペーストを用いてグラビアオフセット印刷を行うため、線幅が10μm以下となる細線パターンの印刷を極めて良好に達成することができる。
より具体的には、本発明の導電性ペーストはブランケット膨潤率が2.0%以下と極めて低い有機溶媒を含んでいることから、ブランケットへの有機溶媒の吸収が低減されており、ブランケット表面での導電性ペーストの乾燥を大幅に抑制することができる。導電性ペーストを用いて極細線を印刷する場合、極細線状に印刷された導電性ペーストが非常に乾燥しやすく良好な導電性パターンを形成することが困難であるが、本発明の導電性ペーストにおいては、有機溶媒のブランケット膨潤率が2.0%以下となっていることから、例えば、線幅が5μm以下の極細線導電性パターンの形成にも対応することができる。
本発明の導電性ペーストによれば、十分な導電性及び基板との良好な密着性を有する微細導電性パターンを形成することができる。また、本発明の導電性パターンの形成方法によれば、線幅が5μm以下の導電性パターンを形成することができる。
以下、(1)本発明の導電性ペーストの好適な一実施形態、(2)本発明の導電性ペーストの製造方法の好適な一実施形態、(3)本発明の導電性パターンの形成方法の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では重複する説明は省略することがある。
(1)導電性ペースト
本実施形態の導電性ペーストは、銀微粒子と、有機溶媒と、を含み、当該有機溶媒はブランケット膨潤率が2.0%以下となる低膨潤性有機溶媒を含み、当該低膨潤性有機溶媒の含有率が3.0〜30wt%であること、を特徴とする導電性ペーストである。以下において、これら各成分等について説明する。
(1−1)銀微粒子
本実施形態の導電性ペーストにおける銀微粒子の平均粒径は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではないが、平均粒径が1μm未満の銀ナノ粒子を用いることが好ましい。ここで、融点降下が生じるような平均粒径を有するのが好ましく、例えば、平均粒径が1〜200nmであることがより好ましく、更には、2〜100nmであるのが最も好ましい。銀微粒子の平均粒径が1nm以上であれば、銀微粒子が良好な低温焼結性を具備すると共に銀微粒子製造がコスト高とならず実用的である。また、200nm以下であれば、銀微粒子の分散性が経時的に変化しにくく、好ましい。
ま た、本発明の導電性ペーストを用いて形成される導電性パターンのマイグレーションの問題を考慮して、イオン化列が水素より貴である金属、即ち金、銅、白金、パラジウム等の粒子を添加してもよい。
なお、本実施形態の導電性ペーストにおける銀微粒子の粒径は、一定でなくてもよい。また、導電性ペーストが、任意成分として、後述する分散剤等を含む場合、凝集を生じたりせず、本発明の効果を著しく損なわない成分であれば、様々な粒径を有する金属粒子成分を含んでもよい。
また、必要に応じてミクロンサイズの銀粒子を併用して添加することも可能である。そのような場合は、ナノメートルサイズの銀粒子がミクロンサイズの銀粒子の周囲で融点降下することにより、良好な導電パスを得ることができる。
ここで、本実施形態の導電性ペーストにおける銀微粒子の粒径は、動的光散乱法、小角X線散乱法、広角X線回折法で測定することができる。ナノサイズの銀微粒子の融点降下を示すためには、広角X線回折法で求めた結晶子径が適当である。例えば広角X線回折法では、より具体的には、理学電機(株)製のRINT−UltimaIIIを用いて、回折法で2θが30〜80°の範囲で測定することができる。この場合、試料は、中央部に深さ0.1〜1mm程度の窪みのあるガラス板に表面が平坦になるように薄くのばして測定すればよい。また、理学電機(株)製のJADEを用い、得られた回折スペクトルの半値幅を下記のシェラー式に代入することにより算出された結晶子径(D)を粒径とすればよい。
D=Kλ/Bcosθ
ここで、K:シェラー定数(0.9)、λ:X線の波長、B:回折線の半値幅、θ:ブラッグ角である。
(1−2)有機成分
本実施形態の導電性ペーストにおいて、銀微粒子の表面の少なくとも一部には有機成分が付着していることが好ましい。当該有機成分は、いわゆる分散剤として上記銀微粒子とともに実質的に無機コロイド粒子を構成する。当該有機成分には、銀微粒子に最初から不純物として含まれる微量有機物、後述する製造過程で混入して銀微粒子に付着した微量有機物、洗浄過程で除去しきれなかった残留還元剤、残留分散剤等のように、銀微粒子に微量付着した有機物等は含まれない概念である。なお、上記「微量」とは、具体的には、無機コロイド粒子中1質量%未満が意図される。
上記有機成分は、銀微粒子を被覆して当該銀微粒子の凝集を防止するとともに無機コロイド粒子を形成することが可能な有機物であり、被覆の形態については特に規定しないが、本実施形態においては、分散性および導電性等の観点から、アミン及びカルボン酸を含むことが好ましい。なお、これらの有機成分は、無機粒子と化学的あるいは物理的に結合している場合、アニオンやカチオンに変化していることも考えられ、本実施形態においては、これらの有機成分に由来するイオンや錯体等も上記有機成分に含まれる。
アミンとしては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、側鎖を有していてもよい。例えば、N−(3-メトキシプロピル)プロパン-1,3-ジアミン、1,2-エタンジアミン、 2-メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ペンタノールアミン、アミノイソブタノール等のジアミンやアルコキシアミン、アミノアルコールに加えプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘキシルアミン等のアルキルアミン(直鎖状アルキルアミン、側鎖を有していてもよい。)、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン、アニリン、アリルアミン等の第1級アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等の第2級アミン、トリプロピルアミン、ジメチルプロパンジアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、キノリン等の第3級アミン等が挙げられる。
上記アミンは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、アミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。また、上記アミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常圧での沸点が300℃以下、更には250℃以下であることが好ましい。
本実施形態の導電性ペーストにおいては、本発明の効果を損なわない範囲であれは、上記のアミンに加えて、カルボン酸を含んでいてもよい。カルボン酸の一分子内におけるカルボキシル基が、比較的高い極性を有し、水素結合による相互作用を生じ易いが、これら官能基以外の部分は比較的低い極性を有する。更に、カルボキシル基は、酸性的性質を示し易い。
カルボン酸としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物を広く用いることができ、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、ヘキサン酸、アクリル酸、オクチル酸、オレイン酸等が挙げられる。カルボン酸の一部のカルボキシル基が金属イオンと塩を形成していてもよい。なお、当該金属イオンについては、2種以上の金属イオンが含まれていてもよい。
上記カルボン酸は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、カルボキシル基以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、カルボキシル基の数が、カルボキシル基以外の官能基の数以上であることが好ましい。また、上記カルボン酸は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常圧での沸点が300℃以下、更には250℃以下であることが好ましい。また、アミンとカルボン酸はアミドを形成する。当該アミド基も銀微粒子表面に適度に吸着するため、有機成分にはアミド基が含まれていてもよい。
本実施形態の導電性ペーストにおける無機コロイド中の有機成分の含有量は、0.5〜50質量%であることが好ましい。有機成分含有量が0.5質量%以上であれば、得られる接合用組成物の貯蔵安定性が良くなる傾向があり、50質量%以下であれば、導電性パターンの導電性が良い傾向がある。有機成分のより好ましい含有量は1〜30質量%であり、更に好ましい含有量は2〜15質量%である。
アミンとカルボン酸とを併用する場合の組成比(質量)としては、1/99〜99/1の範囲で任意に選択することができるが、好ましくは20/80〜98/2であり、更に好ましくは30/70〜97/3である。なお、アミン又はカルボン酸は、それぞれ複数種類のアミン又はカルボン酸を用いてもよい。
本実施形態の導電性ペーストには、上記の成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、使用目的に応じた適度な粘性、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、高分子分散剤、例えばバインダーとしての役割を果たすオリゴマー成分、樹脂成分、有機溶剤(固形分の一部を溶解又は分散していてよい。)、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
上記高分子分散剤としては、市販されている高分子分散剤を使用することができる。市販の高分子分散剤としては、例えば、上記市販品としては、例えば、ソルスパース(SOLSPERSE)11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(日本ルーブリゾール(株)製);DISPERBYK−102、110、111、170、190.194N、2015、2090、2096(ビックケミー・ジャパン(株)製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−730W、フローレンG−700、フローレンTG−720W(共栄社化学工業(株)製)、ビックケミー社DISPERBYKシリーズでは等が挙げられ、エボニック社のTEGO Dispersシリーズでは610、610S、630、651、655、750W、755W等が挙げられ、楠本化成のディスパロンシリーズではDA−375、DA−1200等が挙げられ、低温焼結性及び分散安定性の観点からは、DISPERBYK−102、ソルスパース11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース28000を用いることが好ましい。
高分子分散剤の含有量は0.1〜15質量%であることが好ましい。高分子分散剤の含有量が0.1%以上であれば得られる接合用組成物の分散安定性が良くなるが、含有量が多過ぎる場合は分散安定性が低下することとなる。このような観点から、高分子分散剤のより好ましい含有量は0.03〜3質量%であり、更に好ましい含有量は0.05〜2質量%である。
樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ブロックドイソシアネート等のポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メラミン系樹脂又はテルペン系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、被印刷物が、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)である場合、樹脂成分としては、それ自体のPETへの密着性が良好であるポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールからなる群から選ばれるものを用いることが好ましい。この様なケトン−ホルムアルデヒド縮合体やその水素添加物としては、エボニックデグサジャパン(株)TEGO(登録商標)VariPlusシリーズ(SK,APなど)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、日信化学工御油株式会社製のソルバイン(登録商標)シリーズ(ソルバインALなど)が、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールとしては、積水化学工業株式会社製のエスレック(登録商標)シリーズ(エスレックKS−1、BL−1など)が挙げられる。その中でもポリビニルピロリドンは高極性な多価アルコール(特にジオール溶媒)への溶解性も高く、エステル、ケトン等の溶媒にも良好に溶解可能である為、好適に用いることができる。
増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックドイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機成分とは異なる界面活性剤を添加してもよい。多成分溶媒系の無機コロイド分散液においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本実施形態の接合用組成物に界面活性剤を添加することによってこれらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成することができる接合用組成物が得られる。
本実施形態において用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の何れを用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
(1−3)有機溶媒(分散媒)
本実施形態の導電性ペーストにおいては、分散媒にブランケット膨潤率が2%以下となる低膨潤性有機溶媒が含まれている。ブランケット膨潤率が2%以下となる低膨潤性有機溶媒としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、種々の溶媒を使用することができる。ここで、分散媒にはブランケット膨潤率が2%以下となる低膨潤性有機溶媒のみを用いてもよく、乾燥性等を調整する目的で、ブランケット膨張率が2%超となる溶媒と混合し、混合溶媒として使用してもよい。なお、混合の組合せは特に限定されず、複数種類以上の溶媒を混合してもよい。
ブランケット膨潤率が2%以下となる低膨潤性有機溶媒としては、官能基としてヒドロキシル基を有する溶媒が好ましく、例えば、ヒドロキシル基を複数有する多価アルコールや、その他1価のアルコール溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の導電性ペーストにおいては、低膨潤性有機溶媒の含有率が3.0〜30wt%となっている。低膨潤性有機溶媒の含有率を3.0wt%以上とすることで、例えば5μm以下の様な極細線印刷時の乾燥を抑制することができ、30wt%以下とすることで印刷時の拡がりを防ぐことができる。含有率は3.0〜25.0wt%であり、最も好ましい含有率は3.0〜20.0wt%である。
また、本実施形態の導電性ペーストにおいては、前記低膨潤性有機溶媒の常圧における沸点が200℃以上であり、前記低膨潤性有機溶媒がヒドロキシル基を有すること、が好ましい。常圧での沸点が200℃以上であることで、常圧での沸点が200℃以上であることで、グラビア凹版上での過度な乾燥が抑制され、ヒドロキシル基を有することでナノ粒子への分散が良好になり、かつ極性が上がることでブランケットへの膨潤が抑制される傾向となる為である。
(A)ブランケット膨潤率が2%以下の有機溶媒(低膨潤性有機溶媒)
ヒドロキシル基を2〜3有している多価アルコールとしては、グリセリン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、プロピレングリコール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール等が挙げることができる。
また、1価のアルコールで膨潤率が2%以下の溶媒としては、ブチルトリグリコール、イソブチルジグリコール、2-ブトキシエタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、2-(2−メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-ヘキシルオキシエトキシ)エタノール等を挙げることができるが、常圧の沸点が200℃を超える2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1.3ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール等の、ジオール溶媒を用いることが好ましい。
(B)ブランケット膨潤率が2%超の有機溶媒
ブランケット膨潤率2%超の膨潤率が高い有機溶媒としては、グリコールエーテル、グリコールエステル、テルペン溶媒、炭化水素溶媒、アルコール溶媒等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ブランケット膨潤率が2%超の有機溶媒としては、例えば、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、を挙げることができる。
また、脂肪族炭化水素としては、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素を挙げることができる。
また、環状炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等を挙げることができる。更に、脂環式炭化水素としては、例えば、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等を挙げることができる。
アルコールは、ヒドロキシル基を分子構造中に1つ以上含む化合物であり、脂肪族アルコール、環状アルコール及び脂環式アルコールが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ヒドロキシル基の一部は、本発明の効果を損なわない範囲でアセトキシ基等に誘導されていてもよい。
脂肪族アルコールとしては、例えば、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和C6−30脂肪族アルコール等が挙げられる。
環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール等が挙げられる。更に、テルペン溶媒のような脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等が挙げられる。
本実施形態の導電性ペーストの粘度は、グラビアオフセット印刷用に調製されていることが好ましい。グラビアオフセット印刷は幅広い粘度範囲に適応できる印刷方式であり、粘度が500cP〜100000cPの範囲で用いられることが多いが、せん断粘度で表されることも多い。なお、粘度はコーンプレート型粘度計(例えば、アントンパール社製のレオメーターMCR301)により測定することができる。例えば、測定温度を25℃とし、コーン回転数50rpmにおける粘度を採用することができる。本実施形態の導電性ペーストの粘度としては、シェアレート1s−1でのペースト粘度が100Pa・s以下、かつ、シェアレート100s−1でのペースト粘度が0.5Pa・s以上であることが好ましい。
(2)導電性ペーストの製造方法
本実施形態の導電性ペーストを製造するためには、まず、銀微粒子分散体を調製する。次いで、当該銀微粒子分散体と有機溶媒及び上記各種成分とを混合することにより、本実施形態の導電性ペーストを得ることができる。
ここで、銀微粒子分散体の調製は、還元により分解して金属銀を生成しうる銀化合物と、アミンと、の混合液を調製する第1前工程と、当該混合液中の前記銀化合物を還元することで表面の少なくとも一部にアミンが付着した銀微粒子を生成する第2前工程と、を含むことが好ましい。
上記第1前工程においては、アミンを金属銀1molに対して2mol以上添加すること、が好ましい。アミンの添加量を金属銀1molに対して2mol以上とすることで、還元によって生成される銀微粒子の表面にアミンを適量付着させることができ、当該銀微粒子(銀ナノ粒子)に種々の分散媒に対する優れた分散性と低温焼結性とを付与することができる。
なお、上記第1前工程における混合液の組成及び上記第2前工程における還元条件(例えば、加熱温度及び加熱時間等)によって、得られる銀微粒子の粒径を融点降下が生じるようなナノメートルサイズとすることが好ましく、1〜200nmとすることがより好ましい。ここで、必要に応じてミクロンサイズの粒子が含まれていてもよい。上記第2前工程で得られる銀微粒子分散体から銀微粒子を取り出す方法は特に限定されないが、例えば、その銀微粒子分散体の洗浄を行う方法等が挙げられる。
有機物(アミン)で被覆された銀微粒子を得るための出発材料としては、種々の公知の銀化合物(金属塩又はその水和物)を用いることができ、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、シュウ酸銀、ギ酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩が挙げられる。これらは還元可能なものであれば特に限定されず、適当な溶媒中に溶解させても、溶媒中に分散させたまま使用してもよい。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。
また、上記原料液においてこれらの銀化合物を還元する方法は特に限定されず、例えば、還元剤を用いる方法、紫外線等の光、電子線、超音波又は熱エネルギーを照射する方法、加熱する方法等が挙げられる。なかでも、操作の容易の観点から、還元剤を用いる方法が好ましい。
上記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ素化水素、水素ガス等の水素化合物;例えば、一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;例えば、硫酸第一鉄、酸化鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸スズ、塩化スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ等の低原子価金属塩;例えば、エチレングリコール、グリセリン、ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖等が挙げられるが、分散媒に溶解し上記金属塩を還元し得るものであれば特に限定されない。上記還元剤を使用する場合は、光及び/又は熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
上記金属塩、有機成分、溶媒及び還元剤を用いて、有機物で被覆された銀微粒子を調製する具体的な方法としては、例えば、上記金属塩を有機溶媒(例えばトルエン等)に溶かして金属塩溶液を調製し、当該金属塩溶液に保護分散剤としてのアミンや酸価をもつ保護分散剤を添加し、ついで、ここに還元剤が溶解した溶液を徐々に滴下する方法等が挙げられる。
上記のようにして得られたアミンや酸価をもつ保護分散剤で被覆された銀微粒子を含む分散液には、銀微粒子の他に、金属塩の対イオン、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体の電解質濃度や有機物濃度が高い傾向にある。このような状態の液は、電導度が高い等の理由で金属粒子の凝析が起こり、沈殿し易い。あるいは、沈殿しなくても、金属塩の対イオン、還元剤の残留物、又は分散に必要な量以上の過剰な分散剤が残留していると、導電性を悪化させるおそれがある。そこで、上記銀微粒子を含む溶液を洗浄して余分な残留物を取り除くことにより、有機物で被覆された銀微粒子を確実に得ることができる。
上記洗浄方法としては、例えば、有機成分で被覆された銀微粒子を含む分散液を一定時間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、銀微粒子を沈殿させる溶媒(例えば、水、メタノール、メタノール/水混合溶媒等)を加えて再度撹枠し、更に一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。このような洗浄によって余分な残留物を取り除くと共に有機溶媒を除去することにより、表面の少なくとも一部を有機成分で被覆された銀微粒子を得ることができる。
導電性ペーストは、上述のブランケット膨潤率が2%以下となる低膨潤性有機溶媒を含む分散媒に、上記有機成分で被覆された銀微粒子等を分散させることで得ることができる(低膨潤性有機溶媒の含有率は3.0〜30wt%とする。)。かかる銀微粒子と分散媒との混合方法は特に限定されるものではなく、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。スパチュラのようなもので撹拌したりして、適当な出力の超音波ホモジナイザーを当ててもよい。
還元により分解して金属銀を生成しうる銀化合物と、アミンと、の混合液を調製する第1工程と、当該混合液中の銀化合物を還元することで表面の少なくとも一部にアミンが付着した銀微粒子を生成する第2工程により、銀微粒子を製造してもよい。例えば、銀を含むシュウ酸銀等の銀化合物とアミンから生成される錯化合物を加熱して、当該錯化合物に含まれるシュウ酸イオン等の金属化合物を分解して生成する原子状の銀を凝集させることにより、アミンの保護膜に保護された銀微粒子を製造することができる。
このように、銀化合物の錯化合物をアミンの存在下で熱分解することで、アミンにより被覆された銀微粒子を製造する金属アミン錯体分解法においては、単一種の分子である銀アミン錯体の分解反応により原子状銀が生成するため、反応系内に均一に原子状銀を生成することが可能であり、複数の成分間の反応により銀原子を生成する場合に比較して、反応を構成する成分の組成揺らぎに起因する反応の不均一が抑制され、特に工業的規模で多量の銀粉末を製造する際に有利である。
また、金属アミン錯体分解法においては、生成する銀原子にアミン分子が配位結合しており、当該銀原子に配位したアミン分子の働きにより凝集を生じる際の銀原子の運動がコントロールされるものと推察される。この結果として、金属アミン錯体分解法によれば非常に微細で、粒度分布が狭い金属粒子を製造することが可能となる。
更に、製造される銀微粒子の表面にも多数のアミン分子が比較的弱い力の配位結合を生じており、これらが銀微粒子の表面に緻密な保護被膜を形成するため、保存安定性に優れる表面の清浄な有機被覆銀微粒子を製造することが可能となる。また、当該被膜を形成するアミン分子は加熱等により容易に脱離可能であるため、非常に低温で焼結可能な銀微粒子を製造することが可能となる。
また、固体状の銀化合物とアミンを混合して錯化合物等の複合化合物が生成する際に、被覆銀微粒子の被膜を構成する酸価をもつ分散剤に対して、アミンを混合して用いることにより、錯化合物等の複合化合物の生成が容易になり、短時間の混合で複合化合物を製造可能となる。また、当該アミンを混合して用いることにより、各種の用途に応じた特性を有する被覆銀ナノ粒子の製造が可能である。
(3)導電性パターン(導電膜)及びその形成方法
本実施形態の導電性ペーストを用いれば、グラビア版を用いたグラビアオフセット印刷によって精細な導電性パターンを形成させることができる。より具体的には、印刷面に印刷用導電性ペーストが充填される凹部(線幅が10μm以下に対応する凹部)を有するグラビア版を用い、本実施形態の導電性ペーストを印刷することで、十分な導電性及び基板との良好な密着性を有する微細導電性パターンを形成することができる。また、当該凹部を線幅が5μm以下に対応するサイズ及び形状とすることで、線幅が5μm以下の超微細導電性パターンを形成することができる。
本実施形態の導電性パターンの形成方法は、上記導電性ペーストを基材に塗布する塗布工程と、基材に塗布した導電性ペーストを140℃未満(好ましくは120℃以下)の温度で焼成して導電性パターンを形成する焼成工程と、により、基材の表面に良好な導電性パターンを形成することができる。
上記塗布工程での導電性ペーストとして、上述した本実施形態の導電性ペーストを用いれば、上記焼成工程において、前記基材に塗布した前記導電性インクを140℃未満の温度で焼成しても、優れた導電性を有する導電性パターンを形成させることができる。
塗布工程においては、まず、ブランケット上に導電性ペーストを塗布して導電性ペースト塗布面を形成する。ブランケットとしては、シリコーンからなるシリコーンブランケットが好ましい。なお、当該シリコーンブランケットとしては、例えば、金陽社のシルブランシリーズや藤倉ゴム工業の#700−STD等を挙げることができる。
従来の導電性インクや導電性ペースト等を用いた場合、ブランケットの表面に導電性ペースト塗布面を形成した後、短時間の放置により、低沸点溶剤が揮発およびブランケット中に吸収されることにより導電性インクの粘度が上昇する。これに対し、本実施形態の導電性ペーストはブランケット膨潤率が2.0%以下と極めて低い有機溶媒を用いていることから、ブランケットへの有機溶媒の吸収が低減されており、ブランケット表面での導電性ペーストの乾燥を大幅に抑制することができる。導電性ペーストを用いて極細線を印刷する場合、極細線状に印刷された導電性ペーストが非常に乾燥しやすく良好な導電性パターンを形成することが困難であるが、本発明の導電性ペーストにおいては、有機溶媒のブランケット膨潤率が2.0%以下となっていることから、例えば、線幅が5μm以下の極細線導電性パターンの形成にも対応することができる。
ブランケット上に残ったウェット状態もしくは半乾燥状態の導電性ペーストを、被印刷体に転写する。この際、導電性ペーストが適度な凝集性を有することにより、ブランケットからの剥離と、被印刷体への付着とが確実に行われ、ブランケットへの望ましくない残留が抑制される。この結果、被印刷体には、凸版に形成されたパターンに対して反転したパターンにより導電性パターンが形成される。
本実施形態において用いることのできる基材としては、導電性ペーストを塗布して加熱により焼成して導電性パターンを搭載することのできる、少なくとも1つの主面を有するものであれば、特に制限はないが、耐熱性に優れた基材であるのが好ましい。また、先に述べたように、本実施形態の導電性ペーストは、従来の導電性インク及び導電性ペーストに比較して低い温度で加熱して焼成しても十分な導電性を有する導電性パターンを得ることができるため、この低い焼成温度よりも高い温度範囲で、従来よりも耐熱温度の低い基材を用いることが可能である。
このような基材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミックス、ガラス又は金属等を挙げることができる。また、基材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された基材や親水化処理等の表面処理を施した基材を用いてもよい。
上記のように塗布した後の塗膜を、140℃未満(好ましくは120℃以下)の温度に加熱することにより焼成し、導電性パターン(導電性パターン付基材)を得ることができる。焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のギアオーブン等を用いて、基材上に塗布または描画した上記導電性ペーストの温度が140℃未満(好ましくは120℃以下)となるように焼成することによって導電性パターンを形成することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、基材上に導電性パターンを形成できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で上記有機成分等を蒸発又は分解により除去できる温度であることが好ましい(本発明の効果を損なわない範囲で一部が残存していてもよいが、望ましくは全て除去されるのが好ましい。)。
本実施形態の導電性ペーストによれば、120℃程度の低温加熱処理でも高い導電性を発現する導電性パターンを形成することができるため、比較的熱に弱い基材上にも導電性パターンを形成することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、基材上に導電性パターンを形成できる。
本実施形態においては、基本的には不要であるが、上記基材と導電性パターンとの密着性を更に高めるため、上記基材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や導電性ペースト受容層を設ける方法等が挙げられる。
このようにして得られる本実施形態の導電性パターンの膜厚は、例えば、0.1〜5μm程度、より好ましくは0.1〜1μmである。本実施形態の導電性ペーストを用いれば、厚さが0.1〜5μm程度であっても、十分な導電性を有する導電性パターンが得られる。なお、本実施形態の導電性パターンの体積抵抗値は、50μΩ・cm以下である。
なお、本実施形態の導電性パターンの厚みtは、例えば、下記式を用いて求めることはできる(導電性パターンの厚さtは、レーザー顕微鏡(例えば、キーエンス製レーザー顕微鏡VK−9510)で測定することも可能である。)。
式:t=m/(d×M×w)
m:導電性パターン重量(スライドガラス上に形成した導電性パターンの重さを電子天秤で測定)
d:導電性パターン密度(g/cm)(銀の場合は10.5g/cm
M:導電性パターン長(cm)(スライドガラス上に形成した導電性パターンの長さをJIS1級相当のスケールで測定)
w:導電性パターン幅(cm)(スライドガラス上に形成した導電性パターンの幅をJIS1級相当のスケールで測定)
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法について更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
≪実施例1≫
3−メトキシプロピルアミン(和光純薬工業(株)製試薬一級)を9.0gと、高分子分散剤であるDISPERMYK−102(ビックケミー社製)を0.2gと、を混合し、マグネティックスターラーにてよく撹拌してアミン混合液を生成した。次いで、撹拌を行いながら、シュウ酸銀3.0gを添加した。シュウ酸銀の添加後、室温で攪拌を続けることでシュウ酸銀を粘性のある白色の物質へと変化させ、当該変化が外見的に終了したと認められる時点で撹拌を終了した。
得られた混合液をオイルバスに移し、120℃で加熱撹拌を行った。撹拌の開始直後に二酸化炭素の発生を伴う反応が開始し、その後、二酸化炭素の発生が完了するまで撹拌を行うことで、銀微粒子がアミン混合物中に懸濁した懸濁液を得た。
次に、当該懸濁液の分散媒を置換するため、メタノールと水の混合溶媒10mLを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離し、分離した銀微粒子に対してメタノールと水の混合溶媒10mLを加え、撹拌、遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させて精製分離し、分離したものを室温で20分の乾燥を行い、銀ナノ粒子スラリーを得た。銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、有機溶媒として1.3-ブチレングリコール((和光純薬工業(株)製試薬一級)を17重量部に樹脂材のポリビニルピロリドンK30(和光純薬工業(株)製試薬)を3重量部を溶解した混合溶液計20重量部を加えて撹拌棒で混合し、自転・公転ミキサーでミキシング、デフォーミングし、実施導電性ペースト1を得た。
[評価試験]
得られた実施導電性ペースト1について、グラビアオフセットでの印刷適性、分散性、希釈性(直後、経時安定性)、体積抵抗値、密着性試験(プルオフ法)の評価を行った。加えて、使用する有機溶媒についてはブランケット膨潤率を測定した。なお、導電性パターンの焼成条件はいずれも120℃×30分間とした。
(1)ブランケット膨潤率の測定
グラビアオフセット印刷法では、ブランケットが用いられる。ブランケットとしては、例えば、シリコーンゴム層、スポンジ層の様な層構造を有するシートが挙げられ、通常、ブランケット胴と称される剛性のある円筒に巻きつけた状態で使用される。ブランケット膨潤率の測定に用いるブランケットは導電性ペースト印刷時に一般的に用いられているブランケットであれば問題がないが、本膨潤率測定では、金陽社製の「シルブランSP11−1、ゴム層t=0.6mm PET層0.25mm」を「ブランケットA」として用いた。
表1に示す有機溶剤をブランケット膨潤率の評価対象とし、1cm角に切り出して測量後のブランケットAを各種有機溶剤(20g)に完全に浸漬させ、10時間後にブランケットを有機溶剤中から取り出し、付着した溶剤を拭き取り、1分以内に再び測量し、浸漬前後における重量増加率を求めた。得られた値を表1に示す。なお、浸漬は室温条件下(25℃±5℃)にて行った。また、表1には有機溶剤の沸点も示した。
(2)印刷適性
手刷りによる簡易グラビアオフセット印刷により評価した。線幅3μm又は5μm、深さ5μmの溝が設けられた平板バラードめっき凹版に実施導電性ペースト1をドクターブレードによりインキングした後に、シリコーンブランケット(金陽社製SP11−1)を巻きつけたゴムローラーに押圧、接触させ、所望のパターンをブランケット上に転移させた。その後、該ブランケット上の塗膜を、枚葉のPETフィルム( 厚さ100μm)に押圧、転写して印刷し、線幅約3μmと5μmの印刷パターンを作成した。得られた印刷パターンに関し、線の直線性に特に優れ、断線箇所なしのものを「◎」、 線の直線性に優れ、断線箇所なしのものを「○」、線の直線性に劣り、断線箇所なしのものを「△」、 線の直線性に劣り、断線箇所があるものを「×」として評価した。また、線の拡がりが無いものを「○」、線の拡がりが僅かにあるものを「△」、線の拡がりが有り明らかな線太りがあるものを「×」とした。得られた結果を表2に示した。
(3)分散性
実施導電性ペースト1を分散溶媒で2倍希釈し容器中に静置し、室温1日後、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察することにより、実施導電性ペースト1の分散性を評価した。容器下に沈降物がほとんど認められない場合を「○」、沈降物が少量認められた場合を「△」、容器上下で明らかに濃度差があり、沈降物がはっきり認められる場合を「×」と評価した。得られた結果を表2に示した。
(5)体積抵抗値
銀微粒子分散体をPET基材上にグラビアオフセット印刷で配線形成(幅1mm、長さ1.5cm)をし、ギヤオーブン中で120℃・30分の条件で加熱・焼成することにより焼結させ、導電性パターンを形成した。当該導電性パターンの抵抗値を三和電気計器(株)製の「デジタルマルチメーターPM−3」で印刷配線の両端で測り、厚みをキーエンス(株)製の形状測定レーザマイクロスコープ「VK-X100」を用いて測定した。
具体的には、以下の式に基づき、測定端子間距離と導電性被膜の厚みから体積抵抗値を換算した。体積抵抗値が50μΩ・cm以下の場合を「○」、100μΩ・cm以下の場合を「△」、それ以上の値の場合は「×」と評価した。得られた結果を表2に示した。
式:(体積抵抗値ρv)=(抵抗値R)×(被膜幅w)×(被膜厚さt)/(端子間距離L)
(6)密着性試験
印刷適性評価に用いたPET基板上の印刷配線にセロテープ(登録商標)を貼り付け、引き剥がした際の破断状況で評価した。具体的には、印刷配線の5か所に対してセロテープを強く擦り付け、垂直方向に強く引きはがして評価した。剥離枚数が0〜1枚の場合を「○」、2〜3枚の場合を「△」、4〜5枚の場合を「×」とし、全剥離でなく部分的な剥離であっても剥離したものとし1枚として数えた。得られた結果を表2に示した。
≪実施例2≫
実施例1と同様にして得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒を1.3-ブチレングリコール(和光純薬工業(株)製試薬一級)から2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施導電性ペースト2を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト2の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例3≫
サブミクロン銀(希少金属材料研究所社製 粒径分布0.2μm〜1.0μm)80重量部に対して、2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)16重量部に樹脂材のエスレックKS−10(積水化学工業(株)製)を3重量部、チキソ剤のCrystasenseMP(CLODA社製)を0.5重量部、高分子分散剤としてSOLSPERSE41000(日本ルーブリゾール社製)を0.5重量部溶解した混合溶液計20重量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施導電性ペースト3を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト3の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例4≫
実施例1と同様にして得られた銀ナノ粒子スラリー60重量部とサブミクロン銀(希少金属材料研究所社製 粒径分布0.2μm〜1.0μm)20重量部の合計80重量部を用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施導電性ペースト4を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト4の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例5≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー82重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部からキョーワジオールPD−9(KHネオケム社製)3重量部とターピネオール(ヤスハラケミカル社製)12重量部の混合溶媒に変更したこと以外は実施例2と同様にして、実施導電性ペースト5を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト5の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例6≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー66重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)30重量部に樹脂材のポリビニルピロリドンK30(和光純薬工業(株)製試薬)を3重量部、チキソ剤のCrystasenseMP(CLODA社製)を1重量部溶解した混合溶液計34重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、実施導電性ペースト6を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト6の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例7≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部からブチルトリグリコール(和光純薬工業(株)製試薬)17重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、実施導電性ペースト7を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト7の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例8≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える樹脂密着材をポリビニルピロリドンK30(和光純薬工業(株)製試薬)を3.0重量部からエスレックKS−10(和光純薬工業(株)製試薬)3.0重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、実施導電性ペースト8を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト8の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪実施例9≫
実施例5と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒をターピネオール(ヤスハラケミカル社製)12重量部からテルソルブTOE−100(日本テルペン化学社製)12.0重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、実施導電性ペースト9を得た。また、実施例1と同様にして実施導電性ペースト9の評価を行い、得られた結果を表2に示した。
≪比較例1≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部からオクタノール(和光純薬工業(株)製試薬)17重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較導電性ペースト1を得た。また、実施例1と同様にして比較導電性ペースト1の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
≪比較例2≫
実 施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部からターピネオール(ヤスハラケミカル社製)17重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較導電性ペースト2を得た。また、実施例1と同様にして比較導電性ペースト2の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
≪比較例3≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部からテルソルブTOE−100(日本テルペン化学社製)17重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較導電性ペースト3を得た。また、実施例1と同様にして比較導電性ペースト3の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
≪比較例4≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリーを66重量部から65重量部に、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)30重量部から31重量部に変更したこと以外は実施例6と同様にして、比較導電性ペースト4を得た。また、実施例1と同様にして比較導電性ペースト4の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
≪比較例5≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー80重量部に対して、加える有機溶媒を2エチル-1,3-ヘキサンジオール異性体混合物(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部から2-メチル-2,4-ペンタンジオール(和光純薬工業(株)製試薬一級)17重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較導電性ペースト5を得た。また、実施例1と同様にして比較導電性ペースト5の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
≪比較例6≫
実施例1と同様の方法で得られた銀ナノ粒子スラリー82重量部に対して、キョーワジオールPD−9(KHネオケム社製)3重量部を2重量部に変更し、ターピネオール(ヤスハラケミカル社製)12重量部を13重量部に変更した混合溶媒を用いたこと以外は実施例6と同様にして、比較導電性ペースト6を得た。また、実施例1と同様にして比較導電性ペースト6の評価を行い、得られた結果を表3に示した。
表1〜3に示す結果より、ブランケット膨潤率はブランケットの種類によって大きく変化しないことが分かる。なお、実施例1〜9及び比較例1〜6で使用したブランケットは「ブランケットA」と同一であることから、表2のブランケット膨潤率には当該ブランケットに対応する値を示している。
表2及び3に示す結果より、本発明の導電性ペーストである実施導電性ペースト1〜9は、良好な分散性を有していることに加え、これらの導電性ペーストを用いることで、線幅5μm以下(5μm及び3μm)の導電性パターンが得られている。また、当該導電性パターンは、基材との優れた密着性及び高い導電性を有している。
また、実施例3及び4より、銀ナノ粒子のみを用いた場合だけでなく、比較的大きな銀サブミクロン粒子を単独、又は銀ナノ粒子と混合して使用した場合でも、良好な導電性パターンが得られることが分かる。
また、実施例5と比較例6との比較により、溶媒のブランケット膨潤率が2.0%を超える溶媒を用いた場合であっても、ブランケット膨潤率が2.0%以下の溶媒を3.0wt%以上含有させることで、細線印刷が可能であることが分かる。
また、実施例6と比較例4との比較により、ブランケット膨潤率が2.0%以下の溶媒を30wt%添加すると、導電性に影響の少ない範囲でチキソ剤を入れた場合であっても粘度がやや低下し、線の拡がりが僅かに確認されるものの、細線印刷は可能である。これに対し、当該添加量が31.0wt%を超えると線の拡がりがより大きくなり、線太りが生じてしまうことが分かる。
また、比較例1〜3より、溶媒のブランケット膨潤率が2.0%以上であると細線印刷に対応することができず、比較例2及び3より、高沸点溶剤を用いた場合であっても、ブランケット膨潤率が2.0%を超えると、細線印刷は困難であることが分かる。
更に、比較例5より、ブランケット膨潤率が2.0%以下の溶媒を用いた場合であっても、沸点が200℃を下回れば線幅3μmの細線印刷には対応できないことが分かる。

Claims (3)

  1. 銀微粒子と、有機溶媒と、を含み、
    前記有機溶媒はブランケット膨潤率が2.0%以下となる低膨潤性有機溶媒を含み、
    前記低膨潤性有機溶媒の含有率が3.0〜30wt%であり、
    前記銀微粒子の平均粒径が1〜200nmであること、
    を特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記低膨潤性有機溶媒の常圧における沸点が200℃以上であり、
    前記低膨潤性有機溶媒がヒドロキシル基を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. グラビア版を用いたグラビアオフセット印刷法を用い、
    前記グラビア版は印刷面に印刷用導電性ペーストが充填される凹部を有し、
    前記凹部は線幅が10μm以下である細線パターンの印刷に対応し、
    前記印刷用導電性ペーストに請求項1又は2に記載の導電性ペーストを用いること、
    を特徴とする導電性パターンの製造方法。
JP2017527939A 2016-07-04 2017-05-23 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法 Active JP6329703B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016132669 2016-07-04
JP2016132669 2016-07-04
PCT/JP2017/019150 WO2018008270A1 (ja) 2016-07-04 2017-05-23 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018080561A Division JP2018129310A (ja) 2016-07-04 2018-04-19 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6329703B1 true JP6329703B1 (ja) 2018-05-23
JPWO2018008270A1 JPWO2018008270A1 (ja) 2018-07-05

Family

ID=60912462

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017527939A Active JP6329703B1 (ja) 2016-07-04 2017-05-23 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法
JP2018080561A Pending JP2018129310A (ja) 2016-07-04 2018-04-19 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018080561A Pending JP2018129310A (ja) 2016-07-04 2018-04-19 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法

Country Status (4)

Country Link
JP (2) JP6329703B1 (ja)
CN (1) CN109416955B (ja)
TW (1) TWI734797B (ja)
WO (1) WO2018008270A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6546309B1 (ja) * 2018-03-19 2019-07-17 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 経時粘度が安定な導電性ペースト
JP7157597B2 (ja) * 2018-08-31 2022-10-20 花王株式会社 水系金属微粒子分散体
JPWO2022195734A1 (ja) * 2021-03-16 2022-09-22
WO2023224555A2 (en) * 2022-05-17 2023-11-23 National University Of Singapore A composition and a composite material

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002133944A (ja) * 2000-10-27 2002-05-10 Sumitomo Rubber Ind Ltd 導電性インキ組成物とそれを用いた微細パターンの印刷方法および透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP2009197325A (ja) * 2008-01-22 2009-09-03 Mitsubishi Materials Corp 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法
JP2009197324A (ja) * 2008-01-22 2009-09-03 Mitsubishi Materials Corp 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法
JP2010161063A (ja) * 2008-12-09 2010-07-22 Mitsubishi Materials Corp 導電性ペースト組成物及び該組成物を用いた電極の製造方法
JP2011037999A (ja) * 2009-08-12 2011-02-24 Dic Corp 導電性インキ及び導電性パターン形成方法
JP2013077515A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Sekisui Chem Co Ltd 導電ペースト及び太陽電池素子
JP2016031804A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 Dic株式会社 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法
WO2016052036A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 株式会社ダイセル 銀粒子塗料組成物
WO2016084312A1 (ja) * 2014-11-25 2016-06-02 バンドー化学株式会社 導電性インク

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY173832A (en) * 2012-10-29 2020-02-24 Alpha Assembly Solutions Inc Sintering powder

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002133944A (ja) * 2000-10-27 2002-05-10 Sumitomo Rubber Ind Ltd 導電性インキ組成物とそれを用いた微細パターンの印刷方法および透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP2009197325A (ja) * 2008-01-22 2009-09-03 Mitsubishi Materials Corp 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法
JP2009197324A (ja) * 2008-01-22 2009-09-03 Mitsubishi Materials Corp 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法
JP2010161063A (ja) * 2008-12-09 2010-07-22 Mitsubishi Materials Corp 導電性ペースト組成物及び該組成物を用いた電極の製造方法
JP2011037999A (ja) * 2009-08-12 2011-02-24 Dic Corp 導電性インキ及び導電性パターン形成方法
JP2013077515A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Sekisui Chem Co Ltd 導電ペースト及び太陽電池素子
JP2016031804A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 Dic株式会社 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法
WO2016052036A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 株式会社ダイセル 銀粒子塗料組成物
WO2016084312A1 (ja) * 2014-11-25 2016-06-02 バンドー化学株式会社 導電性インク

Also Published As

Publication number Publication date
CN109416955B (zh) 2020-12-29
JPWO2018008270A1 (ja) 2018-07-05
WO2018008270A1 (ja) 2018-01-11
TWI734797B (zh) 2021-08-01
JP2018129310A (ja) 2018-08-16
CN109416955A (zh) 2019-03-01
TW201809158A (zh) 2018-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6220920B2 (ja) 銀微粒子分散体、銀微粒子及びその製造方法
JP6329703B1 (ja) 導電性ペースト及び導電性パターンの形成方法
TWI783947B (zh) 導電性塗層複合體及其製造方法
JP6659665B2 (ja) 導電性被膜複合体及びその製造方法
WO2015162881A1 (ja) 接合用組成物及びそれを用いた金属接合体
JP6220966B2 (ja) 銀微粒子組成物
JP6348241B1 (ja) グラビアオフセット印刷用導電性ペースト、導電性パターンの形成方法、及び、導電性基板の製造方法
WO2018030173A1 (ja) 接合用組成物及びその製造方法
TWI686447B (zh) 轉印印刷用導電性墨水
WO2018150697A1 (ja) グラビアオフセット印刷用導電性ペースト、導電性パターンの形成方法、及び、導電性基板の製造方法
WO2016067599A1 (ja) 接合用組成物
JP6262404B1 (ja) 導電性インク
JP6267835B1 (ja) 接合用組成物及びその製造方法
TWI757412B (zh) 銀奈米粒子的製造方法
JP2020070489A (ja) 導電性微粒子分散体、導電性パターンの形成方法及び導電性基板の製造方法
JP6290402B2 (ja) 無機粒子分散体
JP2020186421A (ja) 導電性微粒子分散体、導電性パターンの形成方法及び導電性基板の製造方法
JP2016225126A (ja) 導電性被膜及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6329703

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150