JP6319436B2 - 2−アシルアミノチアゾール誘導体またはその塩 - Google Patents

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Description

本発明は医薬組成物、殊にムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の治療用医薬組成物の有効成分として有用な2-アシルアミノチアゾール誘導体またはその塩に関する。
下部尿路の重要な役割は蓄尿と排尿であるが、これらは膀胱と尿道の協調作用によって調節されている。すなわち、蓄尿時には膀胱平滑筋は弛緩し、尿道括約筋が収縮することで尿道抵抗の高い状態が維持され尿禁制が保たれる。一方、排尿時には膀胱平滑筋が収縮すると共に、尿道平滑筋は弛緩し、外尿道括約筋の収縮も抑制される。下部尿路の障害には、蓄尿時に尿を保持できない過活動膀胱などの蓄尿障害と、尿道抵抗の増加や膀胱収縮力の低下によって排尿時に十分に尿を排出できない排尿障害とがある。この2つの障害は重なって発現する場合もある。
排尿障害は、排尿時の膀胱収縮力の低下や尿道抵抗の増加により誘発され、排尿困難、排尿時のいきみ、尿線の減弱、排尿時間の延長、残尿の増加、排尿効率の低下などを引き起こす。排尿時の膀胱収縮力の低下は、低活動膀胱や無収縮膀胱などと称される。この排尿時膀胱収縮力を低下させる要因としては、加齢、糖尿病、前立腺肥大症、パーキンソン病や多発性硬化症などの神経疾患、脊髄損傷、骨盤内手術による神経障害などが知られている(Reviews in Urology, 15:pp. 11-22 (2013))。
排尿時膀胱収縮を惹起するメカニズムとして、ムスカリン受容体刺激の関与が知られている。すなわち、排尿時には膀胱を支配する副交感神経である骨盤神経が興奮し、神経終末からアセチルコリンが放出される。放出されたアセチルコリンは膀胱平滑筋に存在するムスカリン受容体に結合し、膀胱平滑筋の収縮が惹起される(Journal of Pharmacological Sciences, 112:pp. 121-127 (2010))。ムスカリン受容体は現在M1, M2, M3, M4, M5の5種類のサブタイプに分類されているが、膀胱平滑筋において収縮に関与するサブタイプは主にM3であることが知られている(Pharmacological Reviews, 50:pp. 279-290 (1998)、The Journal of Neuroscience, 22:pp. 10627-10632 (2002))。
排尿時膀胱収縮力低下に対する治療薬としては、非選択的ムスカリン受容体刺激薬であるベタネコール塩化物やコリンエステラーゼ阻害薬であるジスチグミン臭化物が知られている。しかしながら、これらの薬剤では、下痢、腹痛、発汗などのコリン作動性の副作用が知られている。また、重大な副作用としてコリン作動性クリーゼが発現する場合があり、使用には注意が必要とされる(ウブレチド(登録商標)錠5 mg添付文書、鳥居薬品株式会社、ベサコリン(登録商標)散5% 添付文書、エーザイ株式会社)。
一方、尿道抵抗の増加を引き起こす原因としては、前立腺肥大症に伴う排尿障害がよく知られており、これは前立腺組織の結節性肥大によって尿道が部分閉塞されることを特徴とする。現在、アドレナリンα1受容体拮抗薬が前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬として使用されている(Pharmacology, 65:pp. 119-128 (2002))。一方、前立腺肥大症によらない排尿障害に対するアドレナリンα1受容体拮抗薬の有効性は、前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する有効性に比べ不明瞭である(Journal of Pharmacological Sciences, 112:pp. 121-127 (2010))。
更に膀胱収縮力の低下や尿道抵抗の増加により引き起こされる排尿障害においては、排尿後の残尿が認められることがある。増加した残尿は有効膀胱容量の低下を引き起こし、頻尿などの過活動膀胱症状や、水腎症といった重篤な症状を引き起こすことがある。
排尿時の膀胱収縮力低下や尿道抵抗の増加に起因するこれらの膀胱・尿路系疾患やその症状に対する更に有効な治療薬が望まれている(Reviews in Urology, 15:pp. 11-22 (2013))。
特許文献1には、実施例315に開示された下式(A1)の化合物を含む下記一般式(A)で示される化合物が、ヒトc-myeloproliferative leukemia virus type P (c-Mpl)を介したBa/F3細胞増殖作用を有し、血小板増多活性を有することが記載されている。
Figure 0006319436
(式中R3は置換されていてもよい芳香族ヘテロ環等を示す。その他の記号は当該公報を参照のこと)
特許文献2には、下記一般式(B)で示される化合物がAMPK経路の活性化作用を有することが記載されている。
Figure 0006319436
(式中環Bはヘテロアリーレン等を、Jは-NR13C(O)-等を、D1、D2及びD3はN、CH等を、Eは-NR1R2等を示し、また、R1及びR2は隣接する窒素原子と一体となって置換されていてもよいヘテロシクロアルキルを形成してもよい。その他の記号は当該公報を参照のこと)
非特許文献1には、下記式(C1)で示される化合物が、ムスカリンM3受容体のアロステリックエンハンサーであることが記載されている。
Figure 0006319436
非特許文献2には、下記式で示されるWIN 62,577が、ラットNK1受容体アンタゴニストであると共に、ムスカリン受容体のアロステリックエンハンサーであることが記載されている。
Figure 0006319436
国際公開第2005/007651号 国際公開第2012/016217号
Molecular Pharmacology, 55: pp 778-786 (1999) Molecular Pharmacology, 62: pp 1492-1505 (2002)
本発明は医薬組成物、殊にムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターとして作用し、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療用医薬組成物の有効成分として期待される新規化合物を提供する。
本発明者らは、ピラジニルカルボニルアミノが2位に置換したチアゾール誘導体が優れたムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターであり、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療剤として期待されることを知見して本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、並びに、式(I)の化合物又はその塩、及び賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
Figure 0006319436
(式中、
R1は、-N(-R11)(-R12)、又は置換されていてもよい環状アミノであり、
R11は、C1-6アルキルであり、
R12は、置換されていてもよいC1-6アルキル、又は置換されていてもよいC3-8シクロアルキルであり、
R2は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環、又は置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環であり、及び、
R3は、同一又は異なって、C1-6アルキルであり、
Wは、C1-6アルキレンであり、
nは、0から4の整数である。)
なお、特に記載がない限り、本明細書中のある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
また、前記特許文献1は、式(A)の化合物において、R3がピラジニルである具体的化合物の開示はなく、ムスカリン受容体に対する作用や膀胱・尿路系疾患に対する作用についても開示も示唆もない。
さらに、前記特許文献2は、式(B)の化合物において環Bがチアゾールである具体的化合物の開示はなく、ムスカリン受容体に対する作用や膀胱・尿路系疾患に対する作用についても開示も示唆もない。
また、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物に関する。また、本発明は式(I)の化合物又はその塩を含有するムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療用医薬組成物に関する。また、本発明は、式(I)の化合物又はその塩を含有するムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療剤に関する。
また、本発明は、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患予防又は治療用医薬組成物の製造のための式(I)の化合物又はその塩の使用、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患予防又は治療のための式(I)の化合物又はその塩の使用、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患予防又は治療のための式(I)の化合物又はその塩、及び、式(I)の化合物又はその塩の有効量を対象に投与することからなるムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患予防又は治療方法に関する。なお、「対象」とは、その予防又は治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その予防又は治療を必要とするヒトである。
式(I)の化合物又はその塩は、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターであり、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療剤として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般に、ポジティブアロステリックモジュレーターとは、リガンド結合部位とは別のアロステリック部位へ結合し、主に受容体の構造変化を起こすことにより、アゴニストと受容体の結合力を増加させ、アゴニストのシグナルレベルを変化させる作用を有する化合物である。生体内でポジティブアロステリックモジュレーターはそれ自身ではアゴニスト作用を示さず、内因性アゴニストの作用を増強する。アゴニストと比較したポジティブアロステリックモジュレーターの利点として、(1)内因性アゴニスト刺激依存的な作用増強を示すことから、副作用が回避できること、(2)リガンド結合部位以外へ結合することから、高いサブタイプ選択性が得られる可能性があること、(3)アゴニストで見られる脱感作を生じにくいこと、等が挙げられる(Pharmacological Reviews, 63:pp. 59-126 (2011))。
本明細書において、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターとは、アゴニスト刺激依存的または神経刺激依存的にムスカリンM3受容体を介した作用を増強する化合物を意味する。よって、排尿時のみに膀胱収縮増強作用が期待され、排尿障害に伴う各種症状の改善剤として有用である可能性がある。また、このような排尿時特異的な作用により、ベタネコール塩化物やジスチグミン臭化物に知られるコリン作動性由来の副作用を回避できることが期待される。また、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターは排尿時の膀胱収縮力を高めるため,尿道抵抗の増加が原因の排尿障害にも効果が期待できる。これら排尿障害の改善による残尿の減少は、有効膀胱容量を増大させることにつながり、蓄尿機能の改善ならびに腎障害の回避が期待できる。このように、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターはムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療剤として有用であることが期待される。本発明者らは当該モジュレーターとして作用する化合物を新たに見出して本発明を完成したものである。
本明細書において、
「ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患」としては、例えば、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動、神経因性膀胱、尿道弛緩不全、排尿筋-外尿道括約筋協調不全、過活動膀胱、頻尿、夜間頻尿、尿失禁、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎及び尿路結石等における排尿障害や蓄尿障害であり、好ましくは、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動及び神経因性膀胱における排尿障害や蓄尿障害である。
「アルキル」とは、直鎖状のアルキル及び分枝状のアルキルである。従って、「C1-6アルキル」とは、直鎖状又は分枝状の炭素数が1〜6のアルキルであり、具体的には、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルである。ある態様としては、C1-4アルキルである、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルである。ある態様としては、メチル、エチル、イソプロピル及びイソブチルからなる群から選択される基が挙げられる。ある態様としては、メチル及びエチルからなる群から選択される基が挙げられる。
「アルキレン」とは、直鎖状のアルキレン及び分枝状のアルキレンである。従って、「C1-6アルキレン」とは、直鎖又は分枝状の炭素数が1〜6のアルキレンであり、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン、メチルメチレン、エチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、1,1,2,2-テトラメチルエチレン等である。ある態様としては、C1-3アルキレンであり、ある態様としては、メチレン又はエチレンであり、また、ある態様としては、メチレンであり、別の態様としてはエチレンである。
「ハロゲノC1-6アルキル」とは、1個以上のハロゲンで置換された、C1-6アルキルである。ある態様としては、1〜5個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルであり、ある態様としては、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである。ある態様としては、トリフルオロメチルである。
「シクロアルキル」とは、飽和炭化水素環基である。従って、「C3-8シクロアルキル」とは、環員数が3〜8の飽和炭化水素環基であり、具体的には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルである。ある態様としては、C3-6シクロアルキルである、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、ある態様としては、シクロプロピルである。
「アリール」とは、C6-14の単環乃至三環式芳香族炭化水素環基であり、その部分的に水素化された環基を包含する。具体的には、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル又はインデニルである。ある態様としてはフェニルである。
「単環式芳香族ヘテロ環」とは、環構成原子として、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、環員数が5〜7の単環式芳香族ヘテロ環基である。具体的には、例えばピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はアゼピニルである。ある態様としては、チエニル又はピリジルであり、ある態様としては、チエニルである。
「二環式芳香族ヘテロ環」とは、上記単環式芳香族ヘテロ環が、ベンゼン環若しくは単環式芳香族ヘテロ環と縮合した二環式芳香族ヘテロ環基であり、その部分的に水素化された環基を包含する。具体的には、例えばインドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フロピリジル、チエノピリジル、インドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロフロピリジル又はジヒドロチエノピリジルである。ある態様としては、ベンゾチエニルである。
「飽和ヘテロ環」とは、環構成原子として窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有し、C1-6アルキレンで架橋されていてもよく、また、環構成原子としての硫黄原子は酸化されていてもよい、3〜8員の飽和環基である。具体的には、例えば、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、アゾカニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサチオラニル、オキシラニル、オキセタニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、1,4-ジオキサニル等が挙げられる。
「環状アミノ」とは、前記飽和ヘテロ環のうち、当該環を構成する窒素原子に結合手を有する4〜7員の基であり、具体的には、例えばアジリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼパン-1-イル、アゾカン-1-イル、モルホリン-4-イル、チオモルホリン-4-イル、ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル又は1,4-チアゼパン-4-イルが挙げられる。ある態様としては、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル、モルホリン-4-イル又はピペラジン-1-イルであり、ある態様としては、ピロリジン-1-イル又はピペリジン-1-イルである。
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。ある態様としては、フルオロ、クロロ又はブロモであり、ある態様としては、フルオロ又はクロロである。ある態様としては、フルオロであり、別の態様としては、クロロである。
本明細書において、「置換されていてもよい」とは、無置換、若しくは置換基を1〜5個有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
「置換されていてもよい環状アミノ」、「置換されていてもよいC3-8シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環」及び「置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環」において許容される置換基としては、下記G群の置換基が挙げられる。
G群
(a)-OH、-O-(C1-6アルキル)、-CN、-SO2-(C1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキル、
(b)-OH、
(c)-O-(-OH、-O-(C1-6アルキル)、-CN、-SO2-(C1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキル)、
(d)C3-8シクロアルキル、
(e)-O-(C3-8シクロアルキル)、
(f)ハロゲン、
(g)-CN、
(h)-SO2-(C1-6アルキル)、
(i)-CO2-(C1-6アルキル)及び-COOH、
(j)-CO-N(C1-6アルキル)2、-CO-NH(C1-6アルキル)及び-CONH2
(k)-CO-(C1-6アルキル)、
(l)-SO2-N(C1-6アルキル)2、-SO2-NH(C1-6アルキル)及び-SO2NH2
(m)-N(C1-6アルキル)2、-NH(C1-6アルキル)及び-NH2
(n)飽和ヘテロ環、及び
(o)-O-飽和ヘテロ環。
「置換されていてもよい環状アミノ」における置換基としては、更にオキソ(=O)が挙げられる。
また、「置換されていてもよいC1-6アルキル」において好ましい置換基としては、前記G群の(b)〜(o)に記載される置換基である。
R1における「置換されていてもよい環状アミノ」において好ましい置換基のある態様としては、前記G群の(a)〜(c)、(f)及び(g)に記載の置換基が挙げられる。ある態様としては、-OH、-O-(C1-6アルキル)、-CN、-SO2-C1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキルである。ある態様としては、C1-6アルキル及びハロゲノC1-6アルキルからなる群から選択される基である。ある態様としては、メチル及びエチルからなる群から選択される基である。
R12における「置換されていてもよいC1-6アルキル」において好ましい置換基のある態様としては、前記G群の(b)〜(g)及び(n)に記載の置換基が挙げられる。ある態様としては、C3-8シクロアルキル、-O-(C1-6アルキル)、-O-(C3-8シクロアルキル)、ハロゲン、-CN及び環状アミノからなる群から選択される基である。ある態様としては、C3-8シクロアルキル及び-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択される基である。ある態様としては、シクロプロピル及びメトキシからなる群から選択される基である。
R12における「置換されていてもよいC3-8シクロアルキル」において好ましい置換基のある態様としては、前記G群の(a)〜(c)、(f)及び(g)に記載の置換基が挙げられる。ある態様としては、-O-(C1-6アルキル)で置換されていてもよいC1-6アルキルである。
R2における「置換されていてもよいアリール」において好ましい置換基のある態様としては、前記G群の(a)〜(d)、(f)、(g)及び(n)に記載の置換基が挙げられる。ある態様としては、C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、-O-(ハロゲノC1-6アルキル)、ハロゲン、C3-8シクロアルキル及び-CNからなる群から選択される基が挙げられる。ある態様としては、ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される基が挙げられる。ある態様としては、トリフルオロメチル及びフルオロからなる群から選択される基が挙げられる。
R2における「置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環」及び「置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環」において好ましい置換基のある態様としては、前記G群の(a)〜(d)、(f)、(g)及び(n)に記載の置換基が挙げられる。ある態様としては、C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、-O-(ハロゲノC1-6アルキル)、ハロゲン、C3-8シクロアルキル及び-CNからなる群から選択される基が挙げられる。ある態様としては、C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される基が挙げられる。ある態様としては、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される基が挙げられる。ある態様としては、トリフルオロメチル、メトキシ及びクロロからなる群から選択される基が挙げられる。
式(I)の化合物又はその塩のある態様を以下に示す。
(1−1)
R1が、
i. G群及びオキソからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい環状アミノ、又は、
ii. -N(-R11)(-R12)、
であり、
R11が、C1-6アルキルであり、
R12が、G群の(b)〜(o)に記載の置換基から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル、又は、G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3-8シクロアルキルである、式(I)の化合物又はその塩。
(1−2)
R1が、
i. G群及びオキソからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい環状アミノ、又は、
ii. -N(-R11)(-R12)であり、
R11が、C1-6アルキルであり、
R12が、G群の(b)〜(g)及び(n)に記載の置換基から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキルである、式(I)の化合物又はその塩。
(1−3)
R1が、
i. ピロリジン-1-イル若しくはピペリジン-1-イルであり、当該ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルはそれぞれC1-6アルキル及びハロゲノC1-6アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されており、又は、
ii. -N(-R11)(-R12)であり、
R11が、C1-6アルキルであり、及び、
R12が、C3-8シクロアルキル及び-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいC1-6アルキルである、式(I)の化合物又はその塩。
(1−4)
R1が、C1-6アルキル及びハロゲノC1-6アルキルからなる群から選択される1〜2個の基で置換された環状アミノである、式(I)の化合物又はその塩。
(1−5)
R1が、ピロリジン-1-イル又はピペリジン-1-イルであり、当該ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルは、G群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物又はその塩。
(1−6)
R1が、ピロリジン-1-イル又はピペリジン-1-イルであり、当該ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルは、それぞれC1-6アルキル及びハロゲノC1-6アルキルからなる群から選択される1〜2個の基で置換された、式(I)の化合物又はその塩。
(1−7)
R1が、メチル及びエチルからなる群から選択される1〜2個の基で置換されたピロリジン-1-イルである、式(I)の化合物又はその塩。
(1−8)
R1が、-N(-R11)(-R12)であり、
R11が、C1-6アルキルであり、
R12が、C3-8シクロアルキル及び-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-6アルキルである、式(I)の化合物又はその塩。
(1−9)
R1が、-N(-R11)(-R12)であり、
R11が、メチル、エチル又はイソプロピルであり、
R12が、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、シクロプロピルメチル又はメトキシエチルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−1)
R2が、
i. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール、
ii. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環、又は、
iii. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環である、式(I)の化合物又はその塩。
(2−2)
R2が、
i. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル、
ii. G群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいチエニル
iii. G群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル、又は
iv. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいベンゾチエニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−3)
R2が、
i. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、-O-(ハロゲノC1-6アルキル)、ハロゲン、C3-8シクロアルキル及び-CNからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいフェニル、
ii. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基でそれぞれ置換されていてもよいチエニル、
iii. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基でそれぞれ置換されていてもよいピリジル、又は、
iv. ベンゾチエニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−4)
R2が、
i. トリフルオロメチル及びフルオロで二置換されたフェニル、
ii. トリフルオロメチル又はクロロで一置換されたチエニル、又は、
iii. トリフルオロメチル及びメトキシで二置換されたピリジルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−5)
R2が、C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、単環式芳香族ヘテロ環である、式(I)の化合物又はその塩。
(2−6)
R2が、
i. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいチエニル、又は、
ii. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいピリジルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−7)
R2が、C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいチエニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−8)
R2が、ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいチエニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−9)
R2が、トリフルオロメチル及びクロロからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいチエニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−10)
R2が、トリフルオロメチル又はクロロで一置換されたチエニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−11)
R2が、ハロゲノC1-6アルキル及び-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいピリジルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−12)
R2が、C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、-O-(ハロゲノC1-6アルキル)、ハロゲン、C3-8シクロアルキル及び-CNからなる群から選択される1〜5個の基で置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−13)
R2が、ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(2−14)
R2が、
i. ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいチエニル、又は、
ii. ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物又はその塩。
(3−1)
R3が、同一又は異なってC1-6アルキルである、式(I)の化合物又はその塩。
(3−2)
R3が、メチルである、式(I)の化合物又はその塩。
(4−1)
Wが、C1-6アルキレンである、式(I)の化合物又はその塩。
(4−2)
Wが、C1-3アルキレンである、式(I)の化合物又はその塩。
(4−3)
Wが、メチレン又はエチレンである、式(I)の化合物又はその塩。
(4−4)
Wが、メチレンである、式(I)の化合物又はその塩。
(4−5)
Wが、エチレンである、式(I)の化合物又はその塩。
(5−1)
nが、0〜4の整数である、式(I)の化合物又はその塩。
(5−2)
nが、0〜2の整数である、式(I)の化合物又はその塩。
(5−3)
nが、0又は1である、式(I)の化合物又はその塩。
(6)前記(1−1)〜(5−3)に記載の各基のいずれかの態様のうち矛盾しない任意の二以上の組み合わせである化合物又はその塩。例えば、以下に示す化合物又はその塩。
(6−1)
R1が、上記(1−2)であり、
R2が、上記(2−2)であり、
R3が、上記(3−1)であり、
Wが、上記(4−1)であり、及び
nが、上記(5−1)である、式(I)の化合物又はその塩。
(6−2)
R1が、上記(1−3)であり、
R2が、上記(2−3)であり、
Wが、上記(4−2)であり、
nが、上記(5−3)である、上記(6−1)記載の化合物又はその塩。
(6−3)
R2が、上記(2−4)であり、
Wが、上記(4−3)である、上記(6−2)記載の化合物又はその塩。
(6−4)
R1が、上記(1−6)であり、
R2が、上記(2−14)であり、
Wが、上記(4−3)である、上記(6−2)記載の化合物又はその塩。
本発明に包含される具体的化合物の例として、以下の化合物又はその塩が挙げられる。
3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
3-[(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
[(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]酢酸、
3-(4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、
3-[(2R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
3-[(3R)-3-メチル-4-{5-[(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル]プロパン酸、
3-(4-{5-[(5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、及び
3-{(2R)-4-[5-({5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]-2-メチルピペラジン-1-イル}プロパン酸。
本発明に包含される具体的化合物の例のうち、別の態様としては以下の化合物又はその塩が挙げられる。
3-[(3S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
3-(4-{5-[(4-[6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、
3-[4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸、
[(3R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-3-メチルピペラジン-1-イル]酢酸、
3-[4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸、
3-(4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[イソブチル(メチル)アミノ]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、
3-[(2R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
3-(4-{5-[(5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)-チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、
{(3R)-4-[5-({5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]-3-メチルピペラジン-1-イル}酢酸、及び
(4-{5-[(5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)酢酸。
式(I)の化合物には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうる。本明細書中、式(I)の化合物が異性体の一形態のみで記載されることがあるが、本発明は、それ以外の異性体も包含し、異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子や軸不斉を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明は、式(I)の化合物の光学異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換されうる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161(1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に示される基が挙げられる。
また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩であり、置換基の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合がある。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロパン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属陽イオンとの塩、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン、リシン、オルニチン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明は、式(I)の化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形の物質も包含する。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物も包含する。
(製造法)
式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料から中間体へ至る段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような保護基としては、例えば、ウッツ(P. G. M. Wuts)及びグリーン(T. W. Greene)著、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に示される保護基等を挙げることができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行ったあと、必要に応じて保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、式(I)の化合物のプロドラッグは、上記保護基と同様、原料から中間体へ至る段階で特定の基を導入、あるいは得られた式(I)の化合物を用いてさらに反応を行なうことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者に公知の方法を適用することにより行うことができる。
以下、式(I)の化合物及びその原料である式(a)の化合物の代表的な製造法を説明する。各製法は、当該説明に付した参考文献を参照して行うこともできる。なお、本発明の製造法は以下に示した例には限定されない。
(第一製法)
Figure 0006319436
(式中、RはC1-6アルキルを示す。以下同様。)
本反応は式(a)の化合物を脱保護して、本発明化合物である式(I)の化合物を製造する方法である。
本反応は、式(a)の化合物と脱保護試薬とを当量若しくは一方を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、通常0.1時間から5日間撹拌することによって行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン等が挙げられる。また、上記溶媒と水との混合溶媒にすることで反応に好適な場合がある。脱保護試薬の例としては、特に限定はされないが、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の塩基、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸が挙げられる。
(第二製法)
Figure 0006319436
(式中、L1は脱離基を示す。以下同様)
本製法は式(I)の化合物の原料である式(a)の化合物の製造方法である。ここで、L1の例としてはクロロ等が挙げられる。
(第一工程)
本工程は式(b)の化合物と式(c)の化合物とをアミド化反応に付すことにより、式(d)の化合物を得る工程である。
この反応では、式(b)の化合物と式(c)の化合物とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは-20℃〜60℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン若しくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤の例としては、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド又はその塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸アジド、オキシ塩化リン、N-[({[(1Z)-1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン]アミノ}オキシ)(モルホリン-4-イル)メチレン]-N-メチルメタナミニウム ヘキサフルオロホスフェート(COMU)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤(例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いることが反応に好ましい場合がある。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、カルボン酸(c)を反応性誘導体へ変換した後にアミン(b)と反応させる方法も用いることができる。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と化合物(b)との反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは、-20℃〜60℃で行うことができる。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
(第二工程)
本工程は式(d)の化合物と式(e)の化合物との反応により、式(f)の化合物を製造する工程である。
この反応では、化合物(d)と化合物(e)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
(第三工程)
本工程は、式(f)の化合物のチアゾール5位にアセトキシメチル基を導入して、式(g)の化合物を製造する工程である。式(f)の化合物に対し、酢酸溶媒下、ホルムアルデヒド水溶液若しくはパラホルムアルデヒドを作用させ、室温乃至加熱下、若しくは室温乃至還流下に行うことができる。なお、酢酸溶媒に代えて、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、酢酸を加えて反応させることもできる。また、さらに無水酢酸を加えて反応を行うこともできる。
(第四工程)
本工程は、塩基性条件下、式(g)の化合物に対して、式(h)の化合物を反応させることにより、式(a)の化合物を製造する工程である。本反応は、式(g)の化合物に対し、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン等の反応に不活性な有機溶媒中、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基存在下、式(h)の化合物を作用させることにより行うことができる。また、有機塩基に代えて、式(h)の化合物を過剰に用いてもよい。反応は、冷却乃至室温下、室温下乃至加熱下、室温下乃至還流下に行うことができる。
また、第三工程の反応混合物に、更に式(h)の化合物を加えることで、式(g)の化合物を単離することなく、直接式(a)の化合物を得ることもできる。
(第三製法)
Figure 0006319436
(式中、P1及びP2はそれぞれ保護基を表し、L2は脱離基を表す。)
本製法は式(I)の化合物の原料である式(a)の化合物の別の製造方法である。ここで、P1及びP2として示される保護基としては、ウッツ(Wuts)及びグリーン(Greene)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、John Wiley & Sons Inc、2006年に記載されるアミノ基の保護基等を用いることができ、P1の例としてはアセチル、トリフルオロアセチル等が、P2の例としてはt-ブトキシカルボニル等が、L2の例としてはブロモ等がそれぞれ挙げられる。
(第一工程)
本工程は化合物(b)のアミノ基を保護する工程である。ここで、本反応は、ウッツ(Wuts)及びグリーン(Greene)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、John Wiley & Sons Inc、2006年を参照して実施することができる。
(第二工程)
本工程は化合物(j)のチアゾール5位にアセトキシメチル基を導入して、式(k)の化合物を製造する工程である。反応条件は第二製法の第三工程と同様である。
(第三工程)
本工程は、塩基性条件下、式(k)の化合物と、式(h)の化合物とを反応させることにより、式(m)の化合物を製造する工程である。反応条件は第二製法の第四工程と同様である。
(第四工程)
本工程は化合物(m)のアミノ基を保護基P1を脱保護する工程である。ここで、本反応は、 ウッツ(Wuts)及びグリーン(Greene)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、John Wiley & Sons Inc、2006年を参照して実施することができる。
(第五工程)
本工程は式(o)の化合物と式(p)の化合物とをアミド化反応に付すことにより、式(q)の化合物を得る工程である。反応条件は第二製法の第一工程と同様である。
(第六工程)
本工程は式(q)の化合物と式(r)の化合物との反応により、式(s)の化合物を製造する工程である。反応条件は第二製法の第二工程と同様である。
(第七工程)
本工程は式(s)の化合物の保護基P2を脱保護する工程である。
本工程はウッツ(Wuts)及びグリーン(Greene)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、John Wiley & Sons Inc、2006年を参照して実施することができる。
(第八工程)
本工程は式(t)の化合物と式(u)の化合物とを反応させ、式(a)の化合物を得る工程である。本反応は、化合物(t)と化合物(u)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から100℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質として単離され、精製される。式(I)の化合物の塩は、常法により製造することもできる。
単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより製造でき、あるいは異性体間の物理化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマトグラフィー等)により得られ、また、適当な光学活性な原料化合物から製造することもできる。
式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験により確認した。
試験例1:ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性の評価
a)ヒトムスカリンM3受容体発現ベクターの構築
ヒトムスカリンM3受容体遺伝子(GenBank登録番号:NM_000740.2)を、発現ベクターpcDNA3.1TM(Life Technologies)に導入した。
b)ヒトムスカリンM3受容体安定発現細胞の構築
ヒトムスカリンM3受容体発現ベクターを、CHO-K1細胞(ATCC番号:CCL-61)に導入した。導入には、遺伝子導入試薬Lipofectoamine(登録商標)2000試薬(Life Technologies)を用いて、添付説明書に準じて行った。2 mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、2.0 mg/mL Geneticin(登録商標)(Life Technologies)を含むalpha Modified Eagle Minimum Essential Medium(α-MEM)にて4週間細胞を培養し、薬剤耐性クローンを取得した。
c)細胞内Ca2+濃度の測定
上記b)で得られた細胞を、実験前日に2 mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、0.2 mg/mL Geneticin(登録商標)を含むα-MEMに縣濁し、1.2〜1.5×104細胞/ウェルとなるように384ウェルプレート(型番355962、BD Biosciences)に分注し、37℃、5% CO2にて一晩培養した。培地をローディングバッファー(3.1 μM Fluo 4-AM(同仁化学研究所)を含むアッセイバッファー(ハンクスバランス塩溶液(HBSS)、1 g/L BSA、20 mM HEPES(pH7.5)、2.5 mMプロベネシド))に置き換え、室温にて約2時間静置した。その後、アッセイバッファーをセットしたプレートウォッシャーELx405TM(BIO-TEK Instrument)にて細胞を洗浄し、細胞内Ca2+濃度測定システム(FLIPRtetra(登録商標)、Molecular Device)にセットした。あらかじめアッセイバッファーでそれぞれ溶解させた被験物質(最終濃度1又は10 μM)及びカルバコール(Sigma、最終濃度0.0024 nM〜10 μM)をFLIPRtetra(登録商標)にセットした。装置内で被験物質を細胞に添加し、その約5分後にカルバコールを細胞に添加し、カルバコールによる細胞内Ca2+濃度上昇を測定した(励起波長470〜495 nm、蛍光波長515〜575 nm)。
ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性は、被験物質によるカルバコール濃度反応曲線の低濃度側へのシフトを指標とした。すなわち、カルバコールの濃度反応曲線よりカルバコール反応の最小値を0%、カルバコール反応の最大値を100%とし、Sigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析法で50%反応を示すカルバコールの濃度をEC50値として算出し、被験物質非存在下のカルバコールのEC50値を被験物質存在下のEC50値で除することで求めた。例えば、被験物質非存在下のカルバコールのEC50値が0.1 μMで、被験物質存在下のカルバコールのEC50値が0.01 μMである時に値は10となり、この被験物質はEC50値を低濃度側へ10倍シフトしたことを示す。後記表中、10 μM(倍シフト)の欄には被験物質を最終濃度10 μM添加した場合の値を、1 μM(倍シフト)の欄には被験物質を最終濃度1 μM添加した場合の値を示す。
試験例2:ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用の評価
ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用は以下の方法で測定した。
ポジティブコントロールとして、前記式(A1)に示す特許文献1に実施例315として開示される1-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-フルオロピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩を用いた。なお、当該化合物は特許文献1の表1に開示されるように良好なヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用を有することが知られている。
a)ヒトc-Mpl受容体発現ベクターの構築
ヒトc-Mpl受容体遺伝子(GenBank登録番号:M90102.1)を、発現ベクターpEF-BOS(Nucleic Acids Research, 18: pp 5322 (1990))に導入した。
b)ヒトc-Mpl受容体安定発現細胞の構築
ヒトc-Mpl受容体の発現ベクターを、Ba/F3細胞(理研BRC:RCB0805)に導入した。導入には、エレクトロポレーション法を用いた。pEF-BOS-c-mpl(10 μg)、pSV2bsr(1 μg、科研製薬)及びBa/F3細胞1×107個をギャップ幅0.4 cmのキュベットに入れ、Gene Pulser(登録商標)(BioRad)にて1.5 kV(25 μF)の条件でエレクトロポレートした。細胞を0.5% WEHI condition media(BD Biosciences)、10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地で3日間培養し、その後10 μg/mL ブラストサイジンを更に添加したRPMI-1640培地にて30日間細胞を培養し、薬剤耐性クローンを取得した。
c)細胞増殖作用の測定
上記b)で得られた細胞を、0.5% WEHI condition media、10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地で培養して使用した。実験前日に、アッセイ用培地(10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地)にて溶解させた被験物質(最終濃度100 nM-10 μM)を、384ウェルプレート(型番781185、Greiner bio-one)に添加した。培地をアッセイ用培地に置換した細胞を、あらかじめ被験物質を添加した384ウェルプレートに、1×104細胞/ウェルで分注し、37℃、5% CO2にて一晩培養した。実験日に384ウェルプレートの各ウェルにCell counting kit(同仁化学研究所)の溶液を添加し、37℃、5% CO2にて約5時間培養した。その後、各ウェルの吸光度(吸光波長450 nm)をSafire2(登録商標)(TECAN)を用いて測定し、細胞数の指標とした。また、ネガティブコントロールとして、被験物質非添加のウェルを準備した。
被験物質を添加しないウェルの吸光度を0%、ポジティブコントロールを最終濃度1 μM 添加した場合の吸光度を100%として、被験物質を添加した場合の吸光度から細胞増殖率(%)を算出した。得られた結果よりSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析法で30%増殖を示す被験物質濃度をEC30値として算出した。
いくつかの本発明の実施例化合物のムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性(倍シフト)、及び、ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用(EC30値、nM)を合わせて表1及び表2に示す。ただし、Exは後記実施例番号を示す(以下同様)。

Figure 0006319436
Figure 0006319436
試験例1において、本試験を行った多くの実施例化合物は、10 μM添加時でEC50値をほぼ100倍又はそれ以上低濃度側にシフトさせ、1 μM添加時でEC50値をほぼ10倍又はそれ以上低濃度側にシフトさせた。また、いくつかの実施例化合物について化合物単独では細胞内Ca2+濃度を変化させないことを確認していることから、これらの化合物はムスカリンM3受容体アゴニスト活性を有さないことを確認した。
また、試験例2において、本試験を行った実施例化合物の多くは、ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用を有さない又は弱いことを確認した。
本発明化合物は、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターとして、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療剤として使用するため、ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用に基づく血小板増多作用を有さない又は弱いことが好ましい。
一方、前記特許文献1の表1に、上記式(A1)に示す実施例315の化合物のヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用のEC30値が3.2 nMであることが記載されている。
試験例3:摘出ラット膀胱経壁電気刺激誘発収縮における作用
In vitroにおける神経刺激依存的な膀胱収縮の作用として、摘出ラット膀胱の経壁電気刺激誘発収縮における本発明の実施例化合物の作用を以下の方法で測定した。すなわち、Sprague-Dawley(SD)系雌性ラット(日本エスエルシー)から摘出した膀胱より、幅約2 mm、長さ約10 mmの縦走方向の膀胱標本を作製した。作製した膀胱標本をKrebs-Henseleite液10 mLを満たしたオルガンバスに懸垂した。Krebs-Henseleite液は95% O2、5% CO2で通気し、37℃に保温した。初期張力1 gで安定化後60 mM KClで2回収縮を惹起させた。Krebs-Henseleite液で標本を洗浄し安定化後、電気刺激装置(日本光電)で20 V(刺激頻度:8 Hz、パルス幅:0.3 m秒、刺激時間:10秒間)で経壁電気刺激し収縮を惹起させた。2分間隔で経壁電気刺激を繰り返し、収縮高が20 Vによる収縮反応の約50%になるように電圧を調整した。経壁電気刺激による収縮が安定した後にあらかじめ100%ジメチルスルホキシドに溶解した被験物質10 μL(最終濃度3, 10, 30 μM)を添加した。被験物質は低濃度の収縮反応が安定した後に、次の濃度を累積投与した。反応はPowerLab(登録商標)(AD Instruments)を介してパーソナルコンピューターに取り込み、LabChart(登録商標)(AD Instruments)にて解析した。それぞれの収縮反応の反応下面積(area under curve、AUC)を算出し、被験物質処置前の値を100%として被験物質処置後の摘出膀胱収縮増強率(% of pre)を算出した。
いくつかの実施例化合物10 μMによる摘出膀胱収縮増強率を表3に示す。
また、本試験を行った実施例化合物はいずれも電気刺激がない状態では収縮を惹起せず、化合物単独では膀胱収縮作用を示さないことを確認した。
Figure 0006319436
以上より、本試験を行った実施例化合物は、摘出ラット膀胱において、化合物単独では収縮作用を示さないが、経壁電気刺激誘発収縮を増強する作用を有することを確認した。
試験例4:麻酔ラット骨盤神経電気刺激誘発膀胱内圧上昇における作用
In vivoにおける神経刺激依存的な膀胱収縮の作用として、ラットを用いた骨盤神経電気刺激誘発膀胱内圧上昇における本発明の実施例化合物の作用を以下の方法で測定した。すなわち、SD系雌性ラット(日本エスエルシー)を用いて、ペントバルビタール麻酔(50 mg/kg ip)下で、下腹部を正中線にて切開した。両側の尿管を結紮切断した後、膀胱内圧測定用カニューレ(PE-50)を外尿道口より膀胱内に挿入しクリップにより固定した。膀胱内に挿入したカニューレを介して約200 μLの生理食塩水を注入した後、他方を圧トランスデューサーに接続し膀胱内圧を測定した。実体顕微鏡観察下に膀胱近傍の骨盤神経を剥離し神経刺激用電極(ユニークメディカル)を留置した。腹腔内にはミネラルオイル(MP BIOMEDICALS)を満たした。術後安定期間をおいた後、電気刺激装置(日本光電)を用いて骨盤神経を電気刺激(刺激電圧:10 V、刺激頻度:8 Hz、パルス幅:0.3 m秒、刺激時間:10秒間)し膀胱内圧上昇を惹起させた。電圧を調整しながら2分間隔で電気刺激を繰り返し、膀胱内圧の上昇幅が10 V刺激時の約50〜70%になるように電圧を調整した。その後、10分間隔の電気刺激を繰り返し、電気刺激による膀胱内圧上昇が3回以上安定した後、被験物質(投与量3 mg/kg)を静脈に留置したカテーテルより1 mL/kgの容量で投与し、被験物質の膀胱内圧上昇に対する作用を1時間測定した。被験物質は、10% ジメチルスルホキシド、10% クレモフォールを含む水に溶解した。
反応はPowerLab(登録商標)を介してパーソナルコンピューターに取り込み、LabChart(登録商標)にて解析した。それぞれの膀胱内圧上昇のAUCを算出し、被験物質処置前3回の平均値を100%として被験物質処置後の膀胱内圧上昇率(% of pre)を算出し、化合物投与後1時間の間での最大作用を被験物質の作用とした。
いくつかの実施例化合物を3 mg/kg投与した際の膀胱内圧上昇率(% of pre)を表4に示す。
Figure 0006319436
また、本試験にて評価した前記実施例化合物はいずれも電気刺激を与えない状態では膀胱内圧上昇を惹起せず、化合物単独では膀胱内圧上昇作用を示さないことを確認した。
以上より、表4に記載の実施例化合物は、麻酔ラットにおいて、化合物単独では膀胱内圧上昇作用を示さないが、骨盤神経電気刺激誘発膀胱内圧上昇を増強する作用を有することが確認された。
上記各試験の結果に示すように、式(I)の化合物は、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性を有することが確認され、また、in vitroにおいて神経刺激依存的に膀胱収縮を増強し、in vivoにおいても神経刺激依存的に膀胱内圧上昇を増強することが確認された。従って、式(I)の化合物はムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患、殊に、膀胱・尿路系疾患における排尿障害や蓄尿障害の予防又は治療に使用できる。例えば、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動、神経因性膀胱、尿道弛緩不全、排尿筋-外尿道括約筋協調不全、過活動膀胱、頻尿、夜間頻尿、尿失禁、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎及び尿路結石等における排尿障害や蓄尿障害の予防又は治療に使用できる。特に、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動及び神経因性膀胱における排尿障害や蓄尿障害の予防又は治療に使用できる。
さらに、式(I)の化合物は、化合物単独ではムスカリンM3受容体に対するアゴニスト作用を示さず神経刺激依存的な膀胱収縮増強作用を有することから、既存の薬剤に報告されるコリン作動性由来の副作用を回避できる点で、より安全性に優れた治療薬となり得る。
式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合させる。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤等を包含する。一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有する。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体又は半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.1〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜100重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の有効成分である1種またはそれ以上の式(I)の化合物又はその塩を含有する。
式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が有効性を示すと考えられる疾患の種々の治療剤又は予防剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の製造法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また、原料化合物の製法を製造例に示す。また、式(I)の化合物の製造法は、以下に示される具体的実施例の製造法のみに限定されるものではなく、式(I)の化合物はこれらの製造法の組み合わせ、あるいは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
なお、本明細書において、化合物の命名にACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development, Inc.)等の命名ソフトを使用している場合がある。
粉末X線回折の測定は、RINT-TTRIIを用い、管球:Cu、管電流:300 mA、管電圧:50 kV、サンプリング幅:0.020°、走査速度:4°/min、波長:1.54056Å、測定回折角範囲(2θ):2.5〜40°の条件で測定した。なお、データ処理を含む装置の取り扱いは、各装置で指示された方法及び手順に従った。
各種スペクトルから得られる数値は、その結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件等によって多少の誤差が生じる場合がある。従ってこれらの誤差を考慮して、本明細書中、粉末X線回折パターンにおける回折角(2θ(°))の記載は実測値であるが、測定条件によってはこれらの回折角は、通常許容される誤差範囲を生じ得ることを意味し、おおよその値であることを意味する。粉末X線回折における回折角(2θ(°))の誤差範囲は、通常±0.2°であるが、粉末X線回折パターンはデータの性質上、結晶の同一性認定においては、結晶格子間隔や全体的なパターンが重要であり、回折角及び回折強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少変わりうるものであるから、厳密に解されるべきではない。
また、実施例、製造例及び後記表中において、以下の略号を用いることがある。
PEx:製造例番号、Ex:実施例番号、PSyn:同様の方法で製造した製造例番号、Syn:同様の方法で製造した実施例番号、Structure:化学構造式(Me:メチル、Et:エチル、Ac:アセチル、nPr:n-プロピル、iPr:イソプロピル、cPr:シクロプロピル、iBu:イソブチル、Boc:tert-ブトキシカルボニル、Ts:4-メチルフェニルスルホニル、COMU:N-[({[(1Z)-1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン]アミノ}オキシ)(モルホリン-4-イル)メチレン]-N-メチルメタナミニウム ヘキサフルオロホスフェート、WSCD.HCl:N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N'-エチルカルボジイミド 一塩酸塩、ODS:オクタデシルシリルをそれぞれ示す。)、Data:物理化学データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M+H]+)、ESI-:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M-H]-)、APCI/ESI+:APCI/ESI-MS(大気圧化学イオン化法APCI、APCI/ESIはAPCIとESIの同時測定を意味する。断りのない場合[M+H]+)、EI:質量分析におけるm/z値(イオン化法EI、断りのない場合[M]+)、CI:質量分析におけるm/z値(イオン化法CI、断りのない場合[M+H]+)、NMR-DMSO-d6:DMSO-d6中の1H-NMRにおけるピークのδ(ppm)、s:一重線(スペクトル)、d:二重線(スペクトル)、t:三重線(スペクトル)、br:幅広線(スペクトル)(例:brs)、m:多重線(スペクトル)。さらに、構造式中のHClは、その化合物が一塩酸塩であることを、2HClはその化合物が二塩酸塩であること、3HClはその化合物が三塩酸塩であること、並びに、2 maleic acidは二マレイン酸塩であることをそれぞれ示す。
また、便宜上、濃度mol/LをMとして表す。例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液は1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液であることを意味する。
製造例1
4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-アミン(1.0 g)、5-クロロピラジン-2-カルボン酸(685 mg)、COMU(1.9 g)、ジオキサン(10 mL)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.5 mL)の混合物を、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、5-クロロ-N-(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(800 mg)を固体として得た。
製造例2
5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-アミン(2.9 g)およびジクロロメタン(60 mL)の混合物に、5-クロロピラジン-2-カルボン酸(1.7 g)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(340 mg)およびWSCD.HCl(2.1 g)を加え、40℃にて15分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、クロロホルムにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄した。水層をクロロホルム/メタノールにて抽出し、有機層を合わせて減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐酢酸エチル)にて精製し、5-クロロ-N-(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(2.4 g)を固体として得た。
製造例3
5-クロロピラジン-2-カルボン酸(30.5 g)および酢酸エチル(500 mL)の混合物に、塩化チオニル(55 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.57 mL)を加え75℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、トルエンを加えて濃縮する操作を行った。
4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-アミン(32.0 g)およびシクロペンチルメチルエーテル(500 mL)の混合物を氷冷し、トリエチルアミン(62 mL)および先に得られた化合物とシクロペンチルメチルエーテル(100 mL)の混合物をゆっくり加えた。反応混合物を室温にて2日間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフランにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルと混合し、固体を濾取して5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]ピラジン-2-カルボキサミド(46.6 g)を固体として得た。
製造例4
6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(7.8 g)およびジクロロメタン(80 mL)の混合物に、氷冷下N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.3 g)、WSCD.HCl(9.5 g)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(30 mL)を加えた。反応混合物を室温にて17時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルおよび水を加え30分間撹拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、N,6-ジメトキシ-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(5.0 g)を油状物として得た。
製造例5
N-(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセタミド(1.4 g)、エタノール(10 mL)および6 M水酸化ナトリウム水溶液(5 mL)の混合物を、マイクロ波照射下120℃にて15分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-アミン(1.0 g)を油状物として得た。
製造例6
N-(5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)アセタミド(916 mg)および80%硫酸(10 mL)の混合物を、100℃にて1時間撹拌した。反応混合物を5℃まで冷却し、5 M水酸化ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした。混合物をクロロホルムにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(685 mg)を固体として得た。
製造例7
N-{5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(392 mg)およびエタノール(4 mL)の混合物に、6 M水酸化ナトリウム水溶液(2 mL)を加え、5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(264 mg)を固体として得た。
製造例8
tert-ブチル (3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(19.9 g)およびメタノール(60 mL)の混合物に、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、180 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル(250 mL)を加え、室温にて30分間撹拌した。固体を濾取し、N-(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)-5-[(2R)-2-メチルピペラジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキサミド 三塩酸塩(20.1 g)を固体として得た。
製造例9
tert-ブチル (3S)-4-(3-エトキシ-3-オキソプロピル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート (1.2 g)およびエタノール(6 mL)の混合物に、塩化水素(4 M 酢酸エチル溶液、6 mL)を加え、80℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、終夜撹拌した。固体を濾取し、エチル 3-[(2S)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート 二塩酸塩(995 mg)を固体として得た。
製造例10
tert-ブチル (2R)-2-エチルピロリジン-1-カルボキシレート(3.4 g)およびジオキサン(25 mL)の混合物に、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、25 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加え撹拌した。固体を濾取し、(2R)-2-エチルピロリジン 塩酸塩(2.1 g)を固体として得た。
製造例11
{2-アセタミド-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-5-イル}メチル アセテート(500 mg)、ジエチルアミン(0.3 mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.7 mL)およびN-メチルピロリドン(5 mL)の混合物を、100℃にて2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、N-{5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(397 mg)を固体として得た。
製造例12
{2-アセタミド-4-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-5-イル}メチル アセテート(900 mg)およびN,N-ジメチルホルムアミド(4 mL)の混合物に、(2R)-2-メチルピロリジン(293 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.78 mL)を加え、マイクロ波照射下110℃にて30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、N-(4-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセタミド(896 mg)を固体として得た。
製造例13
N-{4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(6.0 g)、酢酸(30 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(7.5 mL)および無水酢酸(9 mL)の混合物を、マイクロ波照射下170℃にて15分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐メタノール)にて精製し、得られた固体をジイソプロピルエーテルと混合した。固体を濾取し、{2-アセタミド-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-5-イル}メチル アセテート(2.6 g)を固体として得た。
製造例14
エチル 3-[(2R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(1.0 g)、酢酸(10 mL)、37%ホルムアルデヒド水溶液(1.5 mL)および無水酢酸(1.8 mL)の混合物を、80℃にて7時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルム/イソプロパノールにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐メタノール)にて精製した。
得られた化合物とピリジン(10 mL)を混合し、無水酢酸(0.9 mL)を加え室温にて30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、エチル 3-[(2R)-4-(5-{[5-(アセトキシメチル)-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(566 mg)を固体として得た。
製造例15
N-{4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(3.0 g)、37%ホルムアルデヒド水溶液(7.2 mL)、無水酢酸(9 mL)および酢酸(30 mL)の混合物を100℃にて5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にジイソプロピルエーテルを加えた。固体を濾取し、{2-アセタミド-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-5-イル}メチル アセテート(2.0 g)を固体として得た。
製造例16
N-{4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(2.8 g)、酢酸(20 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(3.6 mL)および無水酢酸(4.4 mL)の混合物を、マイクロ波照射下170℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮したのち、得られた固体をメタノールで洗浄し、濾取した。
得られた固体(1.8 g)とN-メチルピロリドン(20 mL)、(2R)-2-メチルピロリジン(608 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.5 mL)を混合し、100℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、N-(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセタミド(1.4 g)を固体として得た。
製造例17
N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2,2,2-トリフルオロアセタミド(5.0 g)、(2R)-2-エチルピロリジン塩酸塩(4.8 g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.5 mL)、酢酸(50 mL)および36%ホルムアルデヒド水溶液(2.5 mL)を混合し、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、酢酸エチルにて希釈した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。得られた化合物、エタノール(50 mL)および6 M水酸化ナトリウム水溶液(14 mL)の混合物を、90℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-アミン(2.7 g)を固体として得た。
製造例18
エチル 3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(20 g)および酢酸(200 mL)の混合物に、パラホルムアルデヒド(3.5 g)および (2R)-2-メチルピロリジン(6.6 g)を加え、75℃にて3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル(250 mL)、トルエン(125 mL)および水(200 mL)を加えた後、炭酸ナトリウムを加えて中和した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル/トルエンにて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、アミノシリカゲル(40 g)を加えた。混合物を室温にて30分間撹拌し、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、エチル 3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(19.5 g)を固体として得た。
製造例19
4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(2.8 g)、ピリジン(10 mL)および無水酢酸(4 mL)を混合し、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、生じた固体を濾取した。得られた固体をメタノールで洗浄し、固体を濾取してN-{4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(2.9 g)を固体として得た。
製造例20
4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-アミン(5.0 g)、ジクロロメタン(100 mL)およびトリエチルアミン(5.0 mL)の混合物を氷冷し、無水トリフルオロ酢酸(5 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物をクロロホルムにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、固体を濾取してN-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2,2,2-トリフルオロアセタミド(6.0 g)を固体として得た。
製造例21
tert-ブチル (3S)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(410 mg)、塩化水素(4 Mジオキサン溶液、4 mL)およびメタノール(2 mL)の混合物を、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、減圧下濃縮した。得られた化合物とN-メチルピロリドン(6 mL)、3-ブロモプロパン酸エチル(0.4 mL)および炭酸カリウム(683 mg)の混合物を、100℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにて希釈した。混合物を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、エチル 3-[(3S)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(205 mg)を得た。
製造例22
tert-ブチル (3R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(271 mg)、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、4 mL)およびメタノール(2 mL)の混合物を、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、減圧下濃縮した。残渣とN,N-ジメチルホルムアミド(4 mL)、ブロモ酢酸エチル(0.05 mL)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.3 mL)の混合物を、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)および塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、エチル [(3R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-3-メチルピペラジン-1-イル]アセテート(154 mg)を固体として得た。
製造例23
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1 g)、ヨードエタン(1.2 mL)、炭酸セシウム(1.9 g)およびN,N-ジメチルホルムアミド(15 mL)の混合物を60℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.1 g)を固体として得た。
製造例24
4-(4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-アミン(500 mg)およびジクロロメタン(10 mL)の混合物に、5-クロロピラジン-2-カルボン酸(530 mg)、WSCD.HCl(730 mg)およびN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(100 mg)を加え、40℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。不溶物をセライトにて濾別し、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。得られた化合物とN-メチルピロリドン(16 mL)の混合物に、エチル 3-(ピペラジン-1-イル)プロパノエート 二塩酸塩(1.0 g)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3 mL)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加えた。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物とジイソプロピルエーテル(4 mL)およびヘキサン(20 mL)で洗浄し、固体を濾取してエチル 3-[4-(5-{[4-(4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート(954 mg)を固体として得た。
製造例25
N-(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)-5-[(2R)-2-メチルピペラジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキサミド 三塩酸塩(16.1 g)およびN,N-ジメチルホルムアミド(400 mL)の混合物に、炭酸カリウム(11.5 g)を加え室温にて5分間撹拌した。反応混合物にブロモ酢酸エチル(2.65 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物にブロモ酢酸エチル(0.8 mL)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムおよび活性炭を加えた。不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、エチル [(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]アセテート(11.0 g)を固体として得た。
製造例26
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1 g)およびアセトニトリル(10 mL)の混合物に、1-ブロモプロパン(0.9 mL)、炭酸カリウム(1.7 g)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(180 mg)を加え室温にて終夜撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.2 g)を油状物として得た。
製造例27
ヨウ化銅(I)(9.4 g)およびジエチルエーテル(180 mL)の混合物に、メチルリチウム(約1 Mジエチルエーテル溶液、100 mL)を内温0〜5℃にて30分間にわたり滴下し、滴下後、15分間撹拌した。反応混合物にtert-ブチル (2S)-2-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(7.0 g)のジクロロメタン(30 mL)溶液を内温5℃以下に保って20分間にわたり滴下した後、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル (2R)-2-エチルピロリジン-1-カルボキシレート(3.5 g)を油状物として得た。
製造例28
tert-ブチル (2R)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(3.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(30 mL)、ブロモ酢酸エチル(2 mL)および炭酸カリウム(5.0 g)の混合物を、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐メタノール)にて精製し、tert-ブチル (2R)-4-(2-エトキシ-2-オキソエチル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(4.0 g)を油状物として得た。
製造例29
5-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]ピラジン-2-カルボキサミド(25.0 g)およびN-メチルピロリドン(150 mL)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(50 mL)およびエチル 3-[(2S)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート 二塩酸塩(21.2 g)を加え、60℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルおよび水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムおよび活性炭を加えた。不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物をジイソプロピルエーテル(40 mL)およびヘキサン(120 mL)と混合し、室温にて15分間撹拌した。固体を濾取し、エチル 3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(29.7 g)を固体として得た。
製造例30
1-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(78 g)およびテトラヒドロフラン(625 mL)の混合物に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(143 g)を加え、室温にて1時間撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。
得られた化合物とエタノール(625 mL)を混合し、チオ尿素(35 g)を加え65〜75℃にて2時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、水(625 mL)を加えた。混合物に1 M水酸化ナトリウム(600 mL)を加え、30分間撹拌した。固体を濾取し、エタノール(30%含水, 600 mL)を加え76℃にて溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却し、終夜撹拌した。混合物を氷冷して2時間撹拌後、析出した固体を濾取し、4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(56.9 g)を固体として得た。
製造例31
1-(4-ブロモチオフェン-2-イル)エタノン(20 g)およびN-メチルピロリドン(400 mL)の混合物に、トリフルオロ酢酸ナトリウム(140 g)およびヨウ化銅(I)(100 g)を加え、200℃にて2.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え、不溶物をセライトにて濾別した。濾液の有機層を分離し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)および塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、1-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]エタノン(4.1 g)を油状物として得た。
製造例32
N,6-ジメトキシ-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(3.7 g)およびテトラヒドロフラン(40 mL)の混合物に、氷冷下臭化メチルマグネシウム(3 M テトラヒドロフラン溶液、7 mL)を加え、1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、1-[6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]エタノン(3.0 g)を油状物として得た。
製造例33
1-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)エタノン(10.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(100 mL)、炭酸カリウム(8.1 g)およびヨウ化メチル(6.1 mL)の混合物を室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を1 M塩酸および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。塩基性シリカゲルを用いて濾過し、濾液を減圧下濃縮して1-(3,5-ジクロロ-4-メトキシフェニル)エタノン(7.6 g)を固体として得た。
製造例34
エチル 6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ニコチネート(5.5 g)およびエタノール(40 mL)の混合物に、3 M水酸化ナトリウム水溶液(40 mL)を加え、60℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣に1 M塩酸(120 mL)を加え、混合物を1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(4.4 g)を固体として得た。
製造例35
5-ブロモ-2-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)ピリジン(7.8 g)、酢酸パラジウム(II)(170 mg)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(840 mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10 mL)、エタノール(80 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(80 mL)の混合物を、一酸化炭素雰囲気下90℃にて19時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(500 mL)および酢酸エチル(500 mL)中に注ぎ、30分間撹拌した。有機層を分離し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、エチル 6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ニコチネート(5.5 g)を固体として得た。
製造例36
2-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)ピリジン(8 g)、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(17 g)およびトリフルオロ酢酸(32 mL)を混合し、室温にて22時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にジイソプロピルエーテルを加えた。析出した固体を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、5-ブロモ-2-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)ピリジン(9.4 g)を油状物として得た。
製造例37
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1 g)およびテトラヒドロフラン(10 mL)の混合物に、2-プロパノール(0.46 mL)、ジエチルアゾジカルボキシレート40%トルエン溶液(2.3 mL)およびトリフェニルホスフィン(1.6 g)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-イソプロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.0 g)を油状物として得た。
製造例38
1-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.0 g)、シクロプロピルボロン酸(780 mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(185 mg)、リン酸三カリウム(3.0 g)、酢酸パラジウム(II)(51 mg)、トルエン(10 mL)および水(1 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下100℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルおよび水を加え、不溶物を濾別した。濾液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、1-[4-シクロプロピル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.0 g)を油状物として得た。
製造例39
1-(4-ブロモチオフェン-2-イル)エタノン(9.4 g)、トルエン(200 mL)および水(100 mL)の混合物に、シクロプロピルボロン酸(12.0 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.34 g)、炭酸セシウム(73.6 g)およびトリ-tert-ブチルホスフィン(2.3 mL)を加え、80℃にて3時間撹拌した。反応混合物をセライトにて濾過し、濾液に水およびジエチルエーテルを加えた。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、1-(4-シクロプロピルチオフェン-2-イル)エタノン(6.7 g)を油状物として得た。
製造例40
3-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(10.0 g)、塩化チオニル(40 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(1滴)の混合物を、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、トルエンを加えて濃縮する操作を2回行った後、減圧下乾燥した。
トルエン(150 mL)および塩化マグネシウム(3.6 g)の混合物に、マロン酸ジメチル(5.1 mL)およびトリエチルアミン(12 mL)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に先に得られた化合物とトルエン(50 mL)の混合物を滴下し、室温にて18時間撹拌した。反応混合物に6 M塩酸(50 mL)を加えた後、水(300 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド(50 mL)および水(5 mL)と混合し、160℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(300 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮して1-[3-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(10.0 g)を油状物として得た。
製造例41
亜鉛末(2.0 g)、臭化コバルト(II)(600 mg)およびアセトニトリル(30 mL)の混合物に、アルゴン雰囲気下トリフルオロ酢酸(0.15 mL)を加え、室温にて15分間撹拌した。反応混合物に5-ブロモ-1-フルオロ-2-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.0 g)および無水酢酸(2.1 mL)を加え、室温にて17時間撹拌した。反応混合物に1 M塩酸(30 mL)を加え、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を、水および飽和食塩水にて洗浄し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐ジエチルエーテル)にて精製し、1-[3-フルオロ-4-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.6 g)を油状物として得た。
製造例42
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(3.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(36 mL)および水(3.6 mL)の混合物に、クロロ(ジフルオロ)酢酸ナトリウム(5.8 g)および炭酸セシウム(7.2 g)を加え、100℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物(3.8 g)とテトラヒドロフラン(50 mL)の混合物に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(5.7 g)を加え、室温にて45分間撹拌した。析出した不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣とエタノール(50 mL)の混合物に、チオ尿素(1.5 g)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(30 mL)、1 M水酸化ナトリウム水溶液(30 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルおよびヘキサンを加え、生じた固体を濾取し、4-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(3.5 g)を固体として得た。
製造例43
5-クロロ-N-(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(407 mg)およびN-メチルピロリドン(6 mL)の混合物に、tert-ブチル (3R)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(400 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.7 mL)を加え、80℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、6 mL)およびメタノール(2 mL)の混合物を、室温にて4時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(20 mL)を加え、固体を濾取し、N-(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)-5-[(2R)-2-メチルピペラジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキサミド 三塩酸塩(623 mg)を固体として得た。
製造例44
tert-ブチル (2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(17 g)、トリエチルアミン(17.7 mL)、1-メチル-1H-イミダゾール(10.1 mL)およびジクロロメタン(255 mL)の混合物に、氷冷下塩化p-トルエンスルホニル(17.7 g)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル (2S)-2-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(29.5 g)を油状物として得た。
製造例45
tert-ブチル (3S)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(5 g)、アクリル酸エチル(7.2 mL)およびエタノール(15 mL)の混合物を、24時間加熱還流した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加え、1 M塩酸にて抽出した。水層に1 M水酸化ナトリウム水溶液および炭酸水素ナトリウムを加えてpH 8のアルカリ性とし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム‐メタノール)にて精製し、tert-ブチル (3S)-4-(3-エトキシ-3-オキソプロピル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(7.5 g)を油状物として得た。
実施例1
エチル 3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(10.2 g)、テトラヒドロフラン(50 mL)およびエタノール(50 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(50 mL)および水(100 mL)を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール)にて精製し、3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸の固体(6.0 g)を得た。
得られた固体とテトラヒドロフラン(100 mL)の混合物に、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、12 mL)を加え、混合物を減圧下濃縮した。残渣にアセトニトリル(200 mL)および水(12 mL)を加え、70℃にて15分間撹拌した後室温に冷却した。混合物にアセトニトリル(100 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。固体を濾取し、乾燥して3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸 二塩酸塩(6.7 g)を固体として得た。
実施例2
アルゴン気流下、エチル 3-(4-{5-[(4-[3-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2S)-2-イソプロピルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパノエート(660 mg)、亜鉛末(30 mg)、ビフェニル-2-イル(ジ-tert-ブチル)ホスフィン(60 mg)およびN,N-ジメチルアセトアミド(13 mL)の混合物に、シアン化亜鉛(160 mg)およびトリフルオロ酢酸パラジウム(II)(30 mg)を加え、100℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物(401 mg)、エタノール(5 mL)およびテトラヒドロフラン(5 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(3 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をODSカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル‐水)にて精製した。得られた固体をヘキサン(20 mL)およびジエチルエーテル(4 mL)と混合し、固体を濾取して3-(4-{5-[(4-[3-シアノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2S)-2-イソプロピルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸ナトリウム(149 mg)を固体として得た。
実施例3
5-クロロ-N-(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(300 mg)およびN-メチルピロリドン(6 mL)の混合物に、エチル 3-[(3R)-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート 二塩酸塩(500 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.64 mL)を加え、90℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物とエタノール(6 mL)およびテトラヒドロフラン(6 mL)の混合物に1 M水酸化ナトリウム水溶液(3.5 mL)を加え、60℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣をODSカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル-0.1%ギ酸水溶液)にて精製し、固体(204 mg)を得た。得られた固体及び酢酸エチルの混合物に、塩化水素(4 M 酢酸エチル溶液、0.25 mL)を加えた。反応混合物を減圧下濃縮し、3-[(3R)-3-メチル-4-{5-[(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル]プロパン酸 二塩酸塩(155 mg)を固体として得た。
実施例4
5-クロロ-N-(5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(300 mg)およびN-メチルピロリドン(6 mL)の混合物に、エチル 3-(ピペラジン-1-イル)プロパノエート 二塩酸塩(250 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.7 mL)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた残渣とエタノール(5 mL)およびテトラヒドロフラン(5 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(3 mL)を加え、50℃にて30分撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣をODSカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル‐水)にて精製し、固体(298 mg)を得た。得られた固体とヘキサン(10 mL)およびジエチルエーテル(2 mL)を混合し、固体を濾取して3-(4-{5-[(5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸ナトリウム(284 mg)を固体として得た。
実施例5
エチル 3-[(2R)-4-(5-{[5-(アセトキシメチル)-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート(200 mg)、ジメチルアミン(2 M テトラヒドロフラン溶液、2 mL)およびN-メチルピロリドン(4 mL)の混合物を80℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物をエタノール(2 mL)およびテトラヒドロフラン(2 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加え室温にて1時間撹拌した。反応混合物に1 M塩酸(1 mL)および水を加え、混合物をクロロホルム/イソプロパノールにて抽出し、有機層を水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた化合物の酢酸エチルとの混合物に、塩化水素(4 M 酢酸エチル溶液、1 mL)を加えた。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えた。固体を濾取し、3-{(2R)-4-[5-({4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-[(ジメチルアミノ)メチル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]-2-メチルピペラジン-1-イル}プロパン酸 二塩酸塩(33 mg)を固体として得た。
実施例6
エチル 3-[4-(5-{[4-(4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]プロパノエート(400 mg)、(2R)-2-メチルピロリジン(273 mg)、36%ホルムアルデヒド水溶液(0.5 mL)および酢酸(8 mL)の混合物を60℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物を(452 mg)とエタノール(4 mL)およびテトラヒドロフラン(4 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(4 mL)を加え50℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(4 mL)及び水を加えた。混合物をクロロホルム/イソプロパノール/テトラヒドロフランにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。得られた化合物のテトラヒドロフラン(20 mL)との混合物に、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、2 mL)を加えた。混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテル(20 mL)を加えた。固体を濾取し、3-[4-(5-{[4-(4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸 三塩酸塩(440 mg)を固体として得た。
実施例7
N-(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)-5-[(2R)-2-メチルピペラジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキサミド 三塩酸塩(300 mg)およびN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)の混合物に、炭酸カリウム(300 mg)および3-ブロモプロパン酸エチル(0.25 mL)を加え、60℃にて1.5時間撹拌した。その後、反応混合物に炭酸カリウム(300 mg)および3-ブロモプロパン酸エチル(0.25 mL)を加え、60℃にて1.5時間撹拌した。再度、反応混合物に炭酸カリウム(300 mg)および3-ブロモプロパン酸エチル(0.25 mL)を加え、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物(151 mg)とテトラヒドロフラン(2 mL)およびエタノール(2 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(1 mL)および水(15 mL)を加え、クロロホルム/イソプロパノールにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。得られた化合物とテトラヒドロフラン(10 mL)の混合物に、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、2 mL)を加えた。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えた。固体を濾取し、3-[(3R)-4-{5-[(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸 三塩酸塩(142 mg)を固体として得た。
実施例8
N-(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)-5-[(2R)-2-メチルピペラジン-1-イル]ピラジン-2-カルボキサミド 三塩酸塩(381 mg)とN,N-ジメチルホルムアミド(8 mL)の混合物に、炭酸カリウム(390 mg)を加え、室温にて10分間撹拌した。反応混合物にブロモ酢酸エチル(0.09 mL)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物にブロモ酢酸エチル(0.09 mL)を加え、室温にてさらに30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物(211 mg)とテトラヒドロフラン(3 mL)およびエタノール(3 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(1.5 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(1.5 mL)および水(15 mL)を加え、クロロホルム/イソプロパノールにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(10 mL)と混合し、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、2 mL)を加えた。混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えた。固体を濾取し、 [(3R)-4-{5-[(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]酢酸 三塩酸塩(185 mg)を得た。
実施例9
5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(820 mg)、トリエチルアミン(2 mL)およびシクロペンチルメチルエーテル(16 mL)の混合物に、5-クロロピラジン-2-カルボニルクロリド(590 mg)を加え、室温にて20時間撹拌した。反応混合物に水(50 mL)を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、固体(1.0 g)を得た。得られた化合物(200 mg)およびN-メチルピロリドン(4 mL)の混合物に、エチル 3-[(2R)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパノエート 二塩酸塩(168 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.5 mL)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。
得られた化合物(249 mg)、エタノール(4 mL)およびテトラヒドロフラン(4 mL)の混合物に1 M水酸化ナトリウム水溶液(2 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(2 mL)および水(20 mL)を加えた。混合物をクロロホルム/イソプロパノールにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(10 mL)と混合し、塩化水素(4 M ジオキサン溶液、2 mL)を加えた。混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えた。固体を濾取し、3-{(2R)-4-[5-({5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]-2-メチルピペラジン-1-イル}プロパン酸 二塩酸塩(251 mg)を固体として得た。
実施例144
3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸 (500 mg) 及びマレイン酸 (148 mg) を2-ブタノン (0.5 mL) 及びジメチルスルホキシド (0.5 mL) を用いて、60℃にて撹拌下溶解させた。その溶液に2-ブタノン (4.0 mL) を加え、60℃にて30分間撹拌した。その後、室温までゆっくりと放冷し、室温で16時間撹拌した。析出した固体をろ取し、減圧下乾燥することにより3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル] メチル}-1,3-チアゾール-2-イル] カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸 二マレイン酸塩 (378 mg) を白色結晶として得た。
本実施例で得られた結晶は、粉末X線回折で2θ(°) 5.7、6.6、10.5、12.0、13.3、15.8、16.6、17.3、19.0及び26.2にピークを有するものである。
上記製造例若しくは実施例の方法と同様にして、後記表に示す製造例及び実施例の化合物を製造した。
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式(I)の化合物又はその塩は、ムスカリンM3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターとして、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療剤として使用できる。

Claims (17)

  1. 式(I)の化合物又はその塩。
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    (式中、
    R1は、-N(-R11)(-R12)、又は置換されていてもよい環状アミノであり、
    R11は、C1-6アルキルであり、
    R12は、置換されていてもよいC1-6アルキル、又は置換されていてもよいC3-8シクロアルキルであり、
    R2は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環、又は置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環であり、及び、
    R3は、同一又は異なって、C1-6アルキルであり、
    Wは、C1-6アルキレンであり、
    nは、0から4の整数である)
  2. R1が、
    i. G群及びオキソからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい環状アミノ、又は、
    ii. -N(-R11)(-R12)であり、
    R11が、C1-6アルキルであり、
    R12が、G群の(b)〜(g)及び(n)に記載の置換基から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキルであり、
    R2が、
    i. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル、
    ii. G群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいチエニル、
    iii. G群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいピリジル、又は
    iv. G群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいベンゾチエニルであり、
    G群が
    (a)-OH、-O-(C1-6アルキル)、-CN、-SO2-(C1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキル、
    (b)-OH、
    (c)-O-(-OH、-O-(C1-6アルキル)、-CN、-SO2-(C1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキル)、
    (d)C3-8シクロアルキル、
    (e)-O-(C3-8シクロアルキル)、
    (f)ハロゲン、
    (g)-CN、
    (h)-SO2-(C1-6アルキル)、
    (i)-CO2-(C1-6アルキル)及び-COOH、
    (j)-CO-N(C1-6アルキル)2、-CO-NH(C1-6アルキル)及び-CONH2
    (k)-CO-(C1-6アルキル)、
    (l)-SO2-N(C1-6アルキル)2、-SO2-NH(C1-6アルキル)及び-SO2NH2
    (m)-N(C1-6アルキル)2、-NH(C1-6アルキル)及び-NH2
    (n)飽和ヘテロ環、及び
    (o)-O-飽和ヘテロ環、
    からなる群である、請求項1記載の化合物又はその塩。
  3. R1が、
    i. ピロリジン-1-イル若しくはピペリジン-1-イルであり、当該ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルはそれぞれC1-6アルキル及びハロゲノC1-6アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されており、又は、
    ii. -N(-R11)(-R12)であり、
    R11が、C1-6アルキルであり、及び、
    R12が、C3-8シクロアルキル及び-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいC1-6アルキルであり、
    R2が、
    i. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、-O-(ハロゲノC1-6アルキル)、ハロゲン、C3-8シクロアルキル及び-CNからなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよいフェニル、
    ii. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基でそれぞれ置換されていてもよいチエニル、
    iii. C1-6アルキル、ハロゲノC1-6アルキル、-O-(C1-6アルキル)、C3-8シクロアルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の基でそれぞれ置換されていてもよいピリジル、又は、
    iv. ベンゾチエニルであり、
    Wが、C1-3アルキレンであり、
    nが、0又は1である、請求項2記載の化合物又はその塩。
  4. R2が、
    (a) トリフルオロメチル及びフルオロで二置換されたフェニル、
    (b) トリフルオロメチル又はクロロで一置換されたチエニル、又は、
    (c) トリフルオロメチル及びメトキシで二置換されたピリジルであり、
    Wが、メチレン又はエチレンである、請求項3記載の化合物又はその塩。
  5. R1が、ピロリジン-1-イル又はピペリジン-1-イルであり、当該ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルは、それぞれC1-6アルキル及びハロゲノC1-6アルキルからなる群から選択される1〜2個の基で置換されており、
    R2が、
    i. ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいチエニル、又は、
    ii. ハロゲノC1-6アルキル及びハロゲンからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいフェニルであり、
    Wが、メチレン又はエチレンである、請求項3記載の化合物又はその塩。
  6. 化合物が下記群から選択される化合物である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
    3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
    3-[(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
    [(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]酢酸、
    3-(4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、
    3-[(2R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、
    3-[(3R)-3-メチル-4-{5-[(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル]プロパン酸、
    3-(4-{5-[(5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、及び
    3-{(2R)-4-[5-({5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]-2-メチルピペラジン-1-イル}プロパン酸。
  7. 3-[(2S)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、又はその塩。
  8. 3-[(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、又はその塩。
  9. [(3R)-4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}-3-メチルピペラジン-1-イル]酢酸、又はその塩。
  10. 3-(4-{5-[(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、又はその塩。
  11. 3-[(2R)-4-(5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル]プロパン酸、又はその塩。
  12. 3-[(3R)-3-メチル-4-{5-[(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル]プロパン酸、又はその塩。
  13. 3-(4-{5-[(5-{[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペラジン-1-イル)プロパン酸、又はその塩。
  14. 3-{(2R)-4-[5-({5-[(ジエチルアミノ)メチル]-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]-2-メチルピペラジン-1-イル}プロパン酸、又はその塩。
  15. 請求項1乃至14に記載の化合物又はその塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
  16. 請求項1乃至14に記載の化合物又はその塩を含有する、ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防又は治療用医薬組成物。
  17. ムスカリンM3受容体を介した膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患が、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動又は神経因性膀胱における排尿障害や蓄尿障害である請求項16に記載の医薬組成物。
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