JP6314480B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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一方、近年、積層セラミック電子部品の薄膜多層化に伴って、焼成後、クラックやデラミネーションが問題となっている。これらの問題は、内部電極およびセラミック層が薄くなり、積層数が増えることにより、セラミックと内部電極材料の焼成による収縮率の違いに起因するものである。
また、金属粉末の焼結抑制材として、金属酸化物被覆層を設けた金属粉末でも同様であり、緩やかな昇温過程で大半の金属酸化物構成成分が内部電極層の外へ排出されてしまい、焼結抑制効果を十分に得られない問題があった。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を構成する導電性粉末がNi,Cuからなる物質群より選ばれる少なくとも1種、または物質群より選ばれる少なくとも1種を含有する合金を含むものであることが好ましい。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を構成する酸化物が、導電性粉末の主成分元素より卑な元素からなる少なくとも1種以上の金属酸化物または複合金属酸化物であることが好ましい。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を構成する導電性粉末の比表面積径と酸化物粉末の比表面積径との粒径比率である、(酸化物粉末比表面積径)/(導電性粉末比表面積径)が、0.01以上0.20以下であることが好ましい。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を構成する酸化物粉末が、セラミック層の主成分と同じ成分であることが好ましい。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を構成する酸化物粉末が、ペロブスカイト構造の酸化物であることが好ましい。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を構成する酸化物粉末の主成分が、チタン酸バリウムであることが好ましい。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法によれば、内部電極を構成する酸化物が、導電性粉末の主成分元素より卑な元素からなる少なくとも1種以上の金属酸化物または複合金属酸化物である場合、金属グレインの3重点に効果的にセラミック成分を取り込むことができる。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法によれば、内部電極を構成する導電性粉末の比表面積径と酸化物粉末の比表面積径との粒径比率である、(酸化物粉末比表面積径)/(導電性粉末比表面積径)が、0.01以上0.20以下である場合、金属グレインの3重点にさらに効果的にセラミック成分を取り込むことができる。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法によれば、内部電極を構成する酸化物粉末が、セラミック層の主成分と同じ成分である場合、内部電極とセラミック層との間の焼結時における収縮挙動差を抑制することができる。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法によれば、内部電極を構成する酸化物粉末が、ペロブスカイト構造の酸化物、特に、チタン酸バリウムである場合、誘電率の高い積層セラミック電子部品を得ることができる。
図1はこの発明が適用される積層セラミックコンデンサの一実施の形態を示す垂直断面図である。図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、直方体状のセラミック素子12を含む。セラミック素子12は、誘電体からなる多数のセラミック層14を含む。これらのセラミック層14は積層される。
なお、セラミック層14の緻密化状態やグレインサイズに制約はない。
次に、図1に示す積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。
そこで、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法のように、600℃〜700℃の間の所定温度(第1保持温度)で保持することで、第1保持温度から第2保持温度の間である600℃〜900℃域で構造欠陥が起きにくい状態になるまで脱脂する必要がある。なお、900℃より高温域で構造欠陥が起きにくい状態にするには、チップのサイズや構造によって異なる点に留意すべきである。
そこで、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法のように、800℃〜900℃の間の所定温度(第2保持温度)で保持することで、900℃より高温域で構造欠陥が起きにくい状態になるまで脱脂する必要がある。なお、900℃より高温域で構造欠陥が起きにくい状態にするには、チップのサイズや構造によって異なる点に留意すべきである。
次に、この発明に基づいて実施した実験例について説明する。
実験例1では、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法の焼成処理において、第1保持温度と第2保持温度の各保持温度および各保持温度間の昇温速度を変化させた場合における内部電極のカバレッジの割合と積層セラミックコンデンサのクラック発生率に対する評価実験を行った。そこで、以下のようにして、サンプルとなる積層セラミックコンデンサを作製した。
また、クラック率の評価のために用意した積層セラミックコンデンサのクラック率は、光学顕微鏡による外観観察および、超音波顕微鏡による非破壊の内部観察で構造欠陥が見られた場合に、クラックが発生しているとして、算出した。クラック判定は、クラックが発生しなかった場合を「○(良)」とし、クラックが発生した場合を「×(不良)」とした。
以上の評価実験により得られた評価結果を表1〜表3に示す。
実験例2では、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、導電性ペーストの材料としてCu粉末を用いた場合において、第1保持温度と第2保持温度との間の昇温速度を変化させた場合における内部電極のカバレッジの割合と積層セラミックコンデンサのクラック発生率に対する評価実験を行った。そこで、以下のようにして、サンプルとなる積層セラミックコンデンサを作製した。
また、クラック率の評価のために用意した積層セラミックコンデンサのクラック率は、光学顕微鏡による外観観察および、超音波顕微鏡による非破壊の内部観察で構造欠陥が見られた場合に、クラックが発生しているとして、算出した。クラック判定は、クラックが発生しなかった場合を「○(良)」とし、クラックが発生した場合を「×(不良)」とした。
以上の評価実験により得られた評価結果を表4に示す。
実験例3では、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法の導電性ペーストを得るために用いられる導電性粉末の比表面積径とセラミック粉末の比表面積径との粒径比率を変化させた場合における内部電極のカバレッジの割合に対する評価実験を行った。そこで、以下のようにして、サンプルとなる積層セラミックコンデンサを作製した。
以上の評価実験により得られた評価結果を表5に示す。
12 セラミック素子
14 セラミック層
16a、16b 内部電極
18a、18b 外部電極
Claims (7)
- 未焼成のセラミック素体を焼成する工程を含み、少なくとも導電性粉末と酸化物粉末からなる材料で構成された内部電極を有する積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記焼成する工程の600℃〜700℃の間で少なくとも1つの温度で保持したのち、600℃〜900℃の間の少なくとも100℃以上の温度範囲において、20℃/分以上の速度で昇温させ、さらに800℃〜900℃の間で少なくとも1つの温度で保持することを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記内部電極を構成する導電性粉末がNi,Cuからなる物質群より選ばれる少なくとも1種、または前記物質群より選ばれる少なくとも1種を含有する合金を含むものであることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記内部電極を構成する酸化物が、導電性粉末の主成分元素より卑な元素からなる少なくとも1種以上の金属酸化物または複合金属酸化物であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記内部電極を構成する導電性粉末の比表面積径と酸化物粉末の比表面積径との粒径比率である、(酸化物粉末比表面積径)/(導電性粉末比表面積径)が、0.01以上0.20以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記内部電極を構成する酸化物粉末が、セラミック層の主成分と同じ成分であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記内部電極を構成する酸化物粉末が、ペロブスカイト構造の酸化物であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記内部電極を構成する酸化物粉末の主成分が、チタン酸バリウムであることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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