JP6311986B2

JP6311986B2 - 吸収性物品

Info

Publication number: JP6311986B2
Application number: JP2014168186A
Authority: JP
Inventors: めぐみ平野
Original assignee: Nippon Paper Crecia Co Ltd
Current assignee: Nippon Paper Crecia Co Ltd
Priority date: 2014-08-21
Filing date: 2014-08-21
Publication date: 2018-04-18
Anticipated expiration: 2034-08-21
Also published as: JP2016042946A

Description

本発明は、吸収性物品に関する。

高齢社会の進行に伴い、大人用の使い捨て吸収性物品の需要がますます高くなっている。特に、軽度の尿漏れは主として女性に多く見られ、生理用ナプキンと同形状の軽失禁用パッドが開発されてきている。製品としては、ごく軽い症状を対象とした薄型のライナータイプと、十分な吸収量を持つ厚型のパッドタイプに分類される。ライナータイプでは、フラッフパルプを使用しない、いわゆるＳＡＰ（ＳｕｐｅｒＡｂｓｏｒｂｅｎｔＰｏｌｙｍｅｒ）シートを吸収体として採用して薄型化を図ったものがある。一方、パッドタイプは、吸収体をフラッフパルプ及びＳＡＰで構成したものが一般的である。

しかし、ＳＡＰシート単独の吸収体では、初期の吸収性能が十分ではなく、しかも薄型であるためにフィット感に不安を感じさせる場合がある。また、フラッフパルプ及びＳＡＰからなる吸収体の場合、十分な吸収量を確保するために厚くなってしまい、装着時に違和感を生じさせるという問題がある。加えて、男性の場合においては、女性の場合に比べて排尿位置が常に定まっていないため、女性用軽失禁パッドを用いるとフィット感に乏しく、しばしばパッドから尿が漏れて下着を汚すことがあった。

このため、従来、袋状に成型した男性用パッドや通常の平らなパッドを漏斗状に成型する技術が開示されている。

例えば、特許文献１には、中央吸収体部と、中央吸収体部の左右両側に位置する一対のサイドフラップと、中央吸収体部の長手方向両端縁に位置する一対の端縁部とからなる吸収性本体を有し、袋状に形成される男性用使い捨ておむつが開示される。また、特許文献２，３には、平らな吸収性物品本体を重ね合わせ、吸収性物品本体を漏斗状に保持可能な吸収性物品が開示される。

ところで、近年、より使用性の高い男性用軽失禁ライナー及びパッドが要望されている。

特開平９−１９４５２公報特開２００１−１２９０１２号公報特開平９−１７３３７０公報

そこで、本発明の目的は、上記課題を解決するために、薄型化と吸収性能の両方を実現でき、かつ、フィット感や漏れ防止性に優れる男性用の吸収性物品を提供することにある。

このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
（１）本発明は、吸収性物品であって、液透過性のトップシートと、不液透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けられる吸収体と、を備え、使用者側から見た平面視において吸収性物品の外形が、左右方向に沿って形成される第１辺部と、前記第１辺部の左右両端部から斜め後方に延びて交わる左右の第２辺部からなる略逆三角形状に形成され、前記吸収体が、前記トップシート側の上層吸収体と、前記バックシート側の下層吸収体とを有し、前記上層吸収体が、フラッフパルプ及び高吸収性樹脂で構成されるとともに、前記左右の第２辺部に沿って前記平面視で略Ｖ字状に形成され、前記下層吸収体が、フラッフパルプを含まないシートであって高吸収性樹脂を２枚の親水性不織布間に担持したシートで形成されていることを特徴とする。
（２）本発明は、上記（１）の構成において、前記下層吸収体の前記バックシート側には、木材パルプで主に構成され、吸収性物品の外形よりやや小さくかつ吸収性物品の外形と相似形に形成されるパルプベース親水性シートが配置されることを特徴とする。

（３）本発明は、上記（１）又は（２）の構成において、前記トップシートと前記吸収体の間には、親水性不織布からなる液拡散性シートが配置されることを特徴とする。

（４）本発明は、上記（１）ないし（３）のいずれか１つの構成において、前記上層吸収体に沿って略Ｖ字状に形成され、前記トップシートから前記下層吸収体に至るチャネルエンボスを有することを特徴とする。

（５）本発明は、上記（１）ないし（４）のいずれか１つの構成において、前記パルプベース親水性シートが、エアレイド不織布、又は、パルプをポリプロピレン不織布に高水圧で絡めてシート化した不織布であることを特徴とする。

（６）本発明は、上記（１）ないし（５）のいずれか１つの構成において、前記バックシートの下着側に面する表面に設けられるともに吸収性物品の外形に沿って略逆三角形状に形成されるズレ止め粘着剤と、前記ズレ止め粘着剤を覆う剥離紙と、を備えることを特徴とする。

本発明によれば、薄型化と吸収性能の両方を実現でき、かつ、フィット感や漏れ防止性に優れる男性用の吸収性物品を提供することができる。

本発明に係る吸収性物品を男性用下着に装着した場合の正面図である。図１に示される吸収性物品の平面図である。図２のＡ−Ａ線で切断した断面を模式的に示す図である。本発明に係る吸収性物品の背面図である。

以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態（以下、「実施形態」と称する）について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、実施形態において、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、吸収性物品を装着する使用者側から見た方向を示す。

実施形態に係る吸収性物品１０の構成を図１〜図４に基づいて説明する。
図１に示すように、吸収性物品１０は、使用者Ｈの下着Ｐに装着される男性用の使い捨て吸収性物品である。

図２に示すように、吸収性物品１０は、平面視において吸収性物品１０の外形が、左右方向に沿って形成される第１辺部１１と、この第１辺部１１の左右両端部から斜め後方に延びて交わる左右の第２辺部１２とからなる略逆三角形状を呈する。

図３に示すように、吸収性物品１０は、液透過性のトップシート２１及び不液透過性のバックシート２２を備え、これらトップシート２１とバックシート２２の間には、トップシート２１側から順に、液拡散性シート２３、吸収体２５、消臭シート２６及びパルプベース親水性シート２７が設けられる。さらに、吸収性物品１０は、トップシート２１から、吸収体２５の下層吸収体２５Ｄ（後述）に至るチャネルエンボス２８と、バックシート２２の下着Ｐ側に面する表面に設けられるズレ止め粘着剤３１と、このズレ止め粘着剤３１を覆う剥離紙３２と、を備える。

トップシート２１は、尿が吸収体２５へと移動するような液透過性を備えていればよい。例えば、トップシート２１には、坪量が１８ｇ／ｍ^２以上の親水性不織布を用いることができるが、尿の逆戻り防止を考慮すると、エアースルー不織布を用いることが好適である。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート２１に、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、ｐＨ調整剤、抗菌剤、保湿剤などを含有させることもできる。

バックシート２２には、例えば、坪量が１８ｇ／ｍ^２以上の通気性あるいは非通気性のポリエチレンフィルムを用いることができる。このバックシート２２とトップシート２１は、全周に亘ってホットメルト接着剤を用いて固定される。ホットメルト接着剤の塗布方法は特に限定されないが、ノズルから溶融状態の接着剤を非接触で塗布するカーテンコート法やスパイラル法があり、また接触式では、スロット法など公知の方法が適用できる。

液拡散性シート２３は、トップシート２１と吸収体２５の間に配置される。液拡散性シート２３には、坪量が１８ｇ／ｍ^２以上の親水性不織布を用いることができ、エアースルー不織布を好適に用いることができる。

吸収体２５は、トップシート２１側の上層吸収体２５Ｕと、バックシート２２側の下層吸収体２５Ｄとを有する。

上層吸収体２５Ｕは、フラッフパルプ及びＳＡＰ（ＳｕｐｅｒＡｂｓｏｒｂｅｎｔＰｏｌｙｍｅｒ）で構成されるとともに、左右の第２辺部１２に沿って平面視で略Ｖ字状（図２参照）に形成される。ここで、ＳＡＰは、本発明にいう「高吸収性樹脂」に相当し、ＳＡＰには、例えば、坪量が３６０ｇ／ｍ^２のポリアクリル酸ナトリウム重合体素材を好適に用いることができる。

上層吸収体２５Ｕの平面積は、吸収性物品１０の平面積の１０％以上５０％以下の範囲に設定することが望ましく、この範囲に上層吸収体２５Ｕの面積を設定することにより、良好なフィット感が得られ、違和感も低減できる。

また、吸収性物品１０の厚さは、上層吸収体２５Ｕが設けられない領域では３ｍｍ以下が望ましく、上層吸収体２５Ｕが設けられている領域では７ｍｍ以下が望ましい。ここで、厚さは、ハイトゲージ（株式会社ミツトヨ製）を用い、無荷重下及び３５ｇｆ／ｃｍ^２の荷重条件下で測定した数値である。３５ｇｆ／ｃｍ^２の荷重条件下では、直径が５０ｍｍの円形の錘を吸収体の中央部に載せ、ハイトゲージで錘の上面までの厚さを測定した後、錘の厚さを差し引いて求めた。

下層吸収体２５Ｄは、平面視で矩形（図２参照）に形成され、フラッフパルプを含まないシートであって、２枚の親水性不織布間にＳＡＰを担持したＳＡＰシートで形成される。親水性不織布の坪量は、１８ｇ／ｍ^２以上が好適である。また、親水性不織布の素材には、エアースルー不織布を好適に用いることができる。下層吸収体２５Ｄにおいて、ＳＡＰには、例えば、坪量が３６０ｇ／ｍ^２のポリアクリル酸ナトリウム重合体素材を好適に用いることができる。また、２枚の親水性不織布間におけるＳＡＰの担持手段及び２枚の親水性不織布同士の接着手段には、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。

なお、ここでは、外形が矩形の下層吸収体２５Ｄ（図２参照）を例示したが、下層吸収体２５Ｄの外形は、任意の形状から選択可能である。例えば、下層吸収体２５Ｄの外形を吸収性物品１０の外形と相似形の略逆三角形状に形成し、この略逆三角形状の下層吸収体２５Ｄの上側に略Ｖ字状の上層吸収体２５Ｕを重ね合わせてもよい。

チャネルエンボス２８は、上層吸収体２５Ｕの内側の縁に沿って略Ｖ字状（図２参照）に形成される。チャネルエンボス２８の加工方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。また、吸収性物品１０において、略Ｖ字状の上層吸収体２５Ｕで挟まれた領域の中間部分には、トップシート２１側からバックシート２２側に窪む窪み部３３が形成される。

パルプベース親水性シート２７は、下層吸収体２５Ｄのバックシート２２側に配置され、主に木材パルプで構成される。また、パルプベース親水性シート２７は、吸収性物品１０の外形よりやや小さくかつ吸収性物品１０の外形と相似形に形成される。パルプベース親水性シート２７の坪量は、２０ｇ／ｍ^２以上９０ｇ／ｍ^２以下、より好適には、４０ｇ／ｍ^２以上９０ｇ／ｍ^２以下の範囲から設定される。パルプベース親水性シート２７には、エアレイド不織布、ハイドロニット不織布（キンバリークラーク社製、商品名）又はクレープ紙などを用いることが好適である。ここで、ハイドロニットは、米国特許第５２８４７０３号明細書に開示されているように、ポリプロピレン不織布に木材パルプを、バインダー（接着剤）を使わずに、高水圧（ウォータージェット）で強固に絡めてシート化したもので、強度、吸収性に優れた素材である。

消臭シート２６は、消臭機能を備えた消臭物質を含むシートであり、必要に応じてパルプベース親水性シート２７の上側に配置される。消臭物質としては、活性炭、多孔性ポリマー、シリカゲル、ゼオライト、銀化合物などを使用することができる。

図４に示すように、ズレ止め粘着剤３１は、吸収性物品１０の外形に沿って（吸収性物品１０の外形をやや縮小した）略逆三角形状でかつ環状に形成される。このズレ止め粘着剤３１には、例えば、ホットメルトを用いることができ、その下に配置される剥離紙３２には、例えば、シリコーン紙を用いることができる。なお、ズレ止め粘着剤３１の形状は、略逆三角形状に格別に限定されるものではない。例えば、吸収性物品１０の長手方向（前後方向）に沿って延びる帯状のズレ止め粘着剤３１を１つ又は幅方向（左右方向）に複数配置してもよい。

（実施形態の作用・効果）
以上、説明した吸収性物品１０の効果について述べる。
吸収性物品１０によれば、フラッフパルプ及びＳＡＰで構成された上層吸収体２５Ｕを略Ｖ字状に形成することにより、下着Ｐにおいて定まりにくい男性の排尿位置に対応可能となり、左右方向への横漏れや後方側への伝い漏れを防止することができる。また、窪み部３３に陰茎が合わさることより、フィット感を高めることができる。また、下層吸収体２５Ｄにフラッフパルプを含まないＳＡＰシートを用い、上層吸収体２５Ｕにフラッフパルプ及びＳＡＰを用いることにより、薄型でありながら十分な吸収量を確保することができる。したがって、薄型化と吸収性能の両方を実現でき、かつ、フィット感や漏れ防止性に優れる男性用の吸収性物品１０を提供することができる。

以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

１０吸収性物品
２１トップシート
２２バックシート
２３液拡散性シート
２５吸収体
２５Ｕ上層吸収体
２５Ｄ下層吸収体
２７パルプベース親水性シート
２８チャネルエンボス
３１ズレ止め粘着剤
３２剥離紙

Claims

吸収性物品であって、
液透過性のトップシートと、
不液透過性のバックシートと、
前記トップシートと前記バックシートの間に設けられる吸収体と、を備え、
使用者側から見た平面視において吸収性物品の外形が、左右方向に沿って形成される第１辺部と、前記第１辺部の左右両端部から斜め後方に延びて交わる左右の第２辺部からなる略逆三角形状に形成され、
前記吸収体が、前記トップシート側の上層吸収体と、前記バックシート側の下層吸収体とを有し、
前記上層吸収体が、フラッフパルプ及び高吸収性樹脂で構成されるとともに、前記左右の第２辺部に沿って前記平面視で略Ｖ字状に形成され、
前記下層吸収体が、フラッフパルプを含まないシートであって高吸収性樹脂を２枚の親水性不織布間に担持したシートで形成されることを特徴とする吸収性物品。
前記下層吸収体の前記バックシート側には、木材パルプで主に構成され、吸収性物品の外形よりやや小さくかつ吸収性物品の外形と相似形に形成されるパルプベース親水性シートが配置されることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
前記トップシートと前記吸収体の間には、親水性不織布からなる液拡散性シートが配置されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の吸収性物品。
前記上層吸収体に沿って略Ｖ字状に形成され、前記トップシートから前記下層吸収体に至るチャネルエンボスを有することを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載の吸収性物品。
前記パルプベース親水性シートが、エアレイド不織布、又は、パルプをポリプロピレン不織布に高水圧で絡めてシート化した不織布であることを特徴とする請求項２に記載の吸収性物品。
前記バックシートの下着側に面する表面に設けられるともに吸収性物品の外形に沿って略逆三角形状に形成されるズレ止め粘着剤と、前記ズレ止め粘着剤を覆う剥離紙と、を備えることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか１項に記載の吸収性物品。