JP6308009B2 - 電池パック - Google Patents

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Description

本発明は、内蔵した電池モジュールを温調する機構を備える電池パックに関する。
電気自動車やハイブリッド自動車などは、走行用のモータを駆動させるための電力を供給するために電池パックを搭載している。電池パックは、充電または放電の際に発熱するが、複数の電池モジュールを組み合わせて搭載する電池パックの場合、電池モジュールの内部に熱がこもりやすい。温度が上がりすぎると発電効率/充電効率が低下するため、冷却装置で冷やされる。
特許文献1に記載された組電池(電池パック)は、収納箱に入れられた複数の単電池(電池モジュール)の間に、各単電池の側面に接触した間隔板を介在させている。この間隔板は、上下方向に通じる通気路を有しており、放熱板として機能する。収納箱は、通気路に連通した複数の吸気口を下部外周に有しているとともに、この吸気口に送風機が設置されている。通気路内の空気が暖まって上昇して上部から排出され、送風機によって内部に取り込まれた外気に入れ替わることで、単電池が冷却される。
特許文献2に記載された組電池(電池パック)は、複数の電池セルを積層して構成された電池スタック(電池モジュール)を複数個ずつ上下二段に配置した構造である。この組電池は、ブロワ装置、上流チャンバ、下流チャンバ、排出用ダクトを有している。ブロワ装置は、上方から吸い込んだ空気を、上段及び下段のそれぞれ電池スタックの間に配置された上流チャンバから各電池スタックの中の電池セルの側面に沿って流す。電池セルの間を流れた空気は、電池スタックを間に挟んで上流チャンバの反対側に配置された下流チャンバに回収され、排出用ダクトで上方へ排出される。
実開平2−138856号公報 特開2012−124071号公報
ところで、これらの組電池を電動車両の動力源となる電池パックとして搭載する場合、電池パックは、いかなる走行条件及び天候においても内部に水が入らないように、密封されていることが望ましい。特許文献1や特許文献2に記載された組電池の場合、外気を取り入れて電池モジュールの冷却に使用したあと外部へ排出する構造であるため、外から水が入らないようにする必要がある。
また、特許文献2に記載された組電池の場合、上下二段に電池スタックを配置するので、上段の電池スタックの重量が下段の電池スタックにかからないようにする上段側フレームを有している。そして、各電池スタックに対して斑なく冷却用の空気を供給するために、外部から取り入れた空気を各電池スタックの電池セルに供給する通気路あるいは暖まった空気を排出するための通気路を複雑にしている。その結果、組電池を組み立てるための作業に手間がかかり、製造コストも高くなる。
そこで、本発明は、簡単な構造で内部の気体を循環させて内蔵する複数の電池モジュールを均質に効率よく温調することのできる電池パックを提供する。
本発明に係る一実施形態の電池パックは、複数の電池モジュールとトレイとカバーと下段支持部材と上段支持部材と仕切部材とダクトとファンとを備える。複数の電池モジュールは、上段及び下段の少なくとも二段に重ねて配置される。トレイは、電池モジュールの下方を覆う。カバーは、電池モジュールの上方を覆いトレイに結合される。下段支持部材は、トレイの内壁に固定されて下段の電池モジュールを支持する。上段支持部材は、上段の電池モジュールと下段の電池モジュールとの間に配置されて上段の電池モジュールを支持する。仕切部材は、上段の電池モジュールの上面から下段の電池モジュールの下面までの間に設けられ、トレイ及びカバーで囲われた内部を上室と下室に分ける。ダクトは、仕切部材に形成された貫通孔を介して上室側及び下室側を連通させる。ファンは、下室へ延びたダクトに接続され、上段の電池モジュール及び下段の電池モジュールとダクトとを介して上室と下室の気体を循環させる。
このとき電池パックは、ダクトの途中に配置されて流通する気体を温調する温調器をさらに備えてもよい。上段支持部材は、上段の電池モジュールの下面の外周部とトレイの内壁との間を封止することで、仕切部材を兼ねてもよい。また、電池パックは、仕切部材と下段の電池モジュールの上部の外周縁との間を塞ぐシール部材を備える。
また、貫通孔からファンまでの距離は、貫通孔からトレイの底壁の中心までの距離よりも長くする。また、仕切部材と上段の電池モジュールとの間に上室と下室とを連通するバイパス流路を設け、貫通孔からこのバイパス流路までの距離は、貫通孔からトレイの底壁の中心までの距離よりも長いことも好ましい。または、下段支持部材は、下段の電池モジュールの下面の外周部とトレイの内壁との間を封止することで、仕切部材を兼ねる。
上段の電池モジュールの温度を計測する温度計測センサ及び下段の電池モジュールの温度を計測する温度計測センサをそれぞれ備え、ファンは、トレイの底壁と下段支持部材との間に配置された軸流ファンである。そして、温度計測センサによって計測された上段の電池モジュールの温度が温度計測センサによって計測された下段の電池モジュールの温度よりも高い場合は下室の気体を吸い込みダクトを介して上室へ送り、温度計測センサによって計測された上段の電池モジュールの温度が温度計測センサによって計測された下段の電池モジュールの温度よりも低い場合はダクトを介して上室の気体を吸い込み下室へ排出するように、ファンが制御される。
また、上段支持部材は、上段の電池モジュールの下端の外周を支持する上段フレームを含み、下段支持部材は、下段の電池モジュールの下端の外周を支持する下段フレームを含むことも好ましい。
さらに、この電池パックが車両に搭載される場合、ファンは車両の前側に偏って配置され、トレイは車両の後方に向かうにしたがって上がった傾斜部を底壁に有しているとよい。また、ファンがトレイの底壁と下段支持部材との間で回転軸をトレイの底壁に垂直に配置した遠心ファンである場合、回転軸に沿って気体を吸い込む吸入口を下方に向けて配置していてもよい。
本発明に係る一実施形態の電池パックによれば、上段及び下段の少なくとも二段に重ねて電池モジュールが配置され、上段の電池モジュールの上面から下段の電池モジュールの下面までの間に、トレイ及びカバーで囲われた電池パックの内部を上室と下室に分ける仕切部材を備えている。そして、仕切部材に形成された貫通孔を介して上室側と下室側を連通させるダクトを備え、下室側に延びたこのダクトにファンを接続している。ファンは、上段の電池モジュール及び下段の電池モジュールとダクトを介して上室と下室の気体を循環させる。電池パック内の気体が循環することによって、上段及び下段の電池モジュールの熱は循環する気体によってトレイ及びカバーに熱伝達され、さらにトレイ及びカバーの外表面から外気へ放熱されることで、電池パックは温調される。電池パックの内部に閉じ込められた気体を循環させるので、外から湿気などの水分が入ることがないとともに、安定した温調効率を得ることができるので、電池モジュールの運転温度を一定に保ちやすい。循環される気体として、空気を使用してもよいし、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの気体を使用してもよい。
ダクトの途中に配置されて流通する気体を温調する温調器を備える発明の電池パックによれば、ダクトを流通する気体が電池パックの使用に最適な温度に調整される。温調器としてエバポレータを有する場合には、電池パック内の温まった気体を効率よく冷却できるし、温調器として電熱器を有する場合には、適正温度範囲よりも低い温度の電池モジュールを効率よく温められる。
また、上段の電池モジュールを支持する上段支持部材が上段の電池モジュールの下面の外周部とトレイの内壁との間を封止して仕切部材を兼ねる発明の電池パックによれば、電池パックの内部構造が簡素化される。仕切部材と下段の電池モジュールの上部の外周部との間を塞ぐシール部材を備える発明の電池パックによれば、内部の気体の循環効率が向上するので、気体による温調効率が安定する。
貫通孔からファンまでの距離が貫通孔からトレイの底壁の中心までの距離よりも長い発明の電池パックによれば、上段の電池モジュール及び下段の電池モジュールを通過する気体がファンから排出されたのち再びファンへ戻るまでの循環経路の長さの差が、ダクトに近い位置と遠い位置との間で少なくなる。したがって、電池パックの内部を循環する気体の温度差が小さくなり、個々の電池モジュールの温度差も小さくなる。
また、仕切部材と上段の電池モジュールとの間に上室と下室とを連通させるバイパス流路設け、貫通孔からこのバイパス流路までの距離が、貫通孔からトレイの底壁の中心までの距離よりも長い発明の電池パックによれば、ダクト及び温調器を介して下室から上室へファンによって送られた冷やされた気体を上段の電池モジュールを通さずに下段の電池モジュールへ供給することができる。上段の電池モジュールを通過して温まった気体が供給される場合に比べて温度の低い気体を下段の電池モジュールに供給できるとともに下段の電池モジュールを通過する気体の流速が上がるので、下段の電池モジュールの冷却効率が向上し、上段の電池モジュールと下段の電池モジュールの温度差が小さくなるので、電池パックの性能が向上する。このとき、貫通孔からバイパス流路までの距離は、貫通孔からトレイの底壁の中心までの距離よりも長いので、ダクトから上室に放出された温調された気体がダクトから離れたバイパス流路まで導かれることによって、電池パック内における気体の流れの斑が少なくなり、電池モジュールの温度差も少なくなる。
また、下段の電池モジュールを支持する下段支持部材が下段の電池モジュールの下面の外周部とトレイの内壁との間を封止することで、仕切部材を兼ねる発明の電池パックによれば、電池パックの内部構造が簡素化される。
上段の電池モジュールの温度を計測する温度計測センサ及び下段の電池モジュールの温度を計測する温度計測センサをそれぞれ備え、ファンがトレイの底壁と下段支持部材との間に配置する軸流ファンであり、温度計測センサによって計測された上段の電池モジュールの温度が温度計測センサによって計測された下段の電池モジュールの温度よりも高い場合には下室の気体を吸い込みダクトを介して上室へ送り、温度計測センサによって計測された上段の電池モジュールの温度が温度計測センサによって計測された下段の電池モジュールの温度よりも低い場合にはダクトを介して上室の気体を吸い込み下室へ排出するようにファンが制御される発明の電池パックによれば、上段の電池モジュールと下段の電池モジュールの温度差が生じないようにすることができる。
上段支持部材が上段の電池モジュールの下端の外周を支持する上段フレームを含む発明、または、下段支持部材が下段の電池モジュールの下端の外周を支持する下段フレームを含む発明の電池パックによれば、上段の電池モジュール、または、下段の電池モジュールの重量を支えるための構造が簡素化されるとともに構造上の剛性も高くなる。
さらにこの電池パックが車両に搭載される場合に、ファンが車両の前側に偏って配置され、トレイが車両の後方に向かうにしたがって上がった傾斜部を底壁に有している発明の電池パックによれば、後方から他の車両が追突しても電池パックが衝撃荷重を傾斜面に沿って受け流すことで衝撃を軽減することができる。
そして、トレイの底壁と下段支持部材との間においてファンが回転軸をトレイの底壁に垂直に配置した遠心ファンである場合に回転軸に沿って気体を吸い込む吸入口を下方に向けて配置する発明の電池パックによれば、上段及び下段の電池モジュールを通過して温まった気体のうち、ファンの直上に位置する電池モジュールを通過した気体を優先的に吸い込まず、気体を斑なく循環させることができる。
本発明に係る第1の実施形態の電池パックの分解斜視図。 図1中のF2−F2線に沿う電池パックの断面図。 図2の電池パックの内部の気体の流れを示す断面図。 本発明に係る第2の実施形態の電池パックの分解斜視図。 図4中のF5−F5線に沿う電池パックの断面図。 本発明に係る第3の実施形態の電池パックの分解斜視図。 図6の電池パックの内部の気体の流れを示す断面図。 本発明に係る第4の実施形態の電池パックの断面図。 本発明に係る第5の実施形態の電池パックの断面図。 本発明に係る第6の実施形態の電池パックの断面図。 図10の電池パックの内部の気体の流れを示す断面図。 本発明に係る第7の実施形態の電池パックの分解斜視図。 図12中のF13−F13線に沿う電池パックの断面図。 図12の電池パックに後方から車両が衝突するときに加わる荷重を模式的に示す断面図。 本発明に係る第8の実施形態の電池パックが車両の後部に搭載された状態を示し、(A)は車両の前後方向の鉛直面に沿う電池パックの断面図、(B)は車両の後方から見た電池パックの側面図。 図15の電池パックに後方から他の車両が衝突した状態を模式的に示し、(A)は車両の前後方向の鉛直面に沿う電池パックの断面図、(B)は車両の後方から見た電池パックの側面図。
本発明に係る第1の実施形態の電池パック1について、図1から図3を参照して説明する。この電池パック1は、電気自動車やハイブリッド車両等の駆動用電力源として車両に搭載される。図1の分解斜視図に示すように、電池パック1は、複数の電池モジュール2と、トレイ11と、カバー12と、下段支持部材13と、上段支持部材14と、仕切部材15と、ダクト161と、ファン162と、を備える。第1の実施形態の電池パック1において、上段支持部材14は、仕切部材15を兼ねている。また、ダクト161の途中に、流通する気体を温度調整する温調器として、エバポレータ163を備える。ダクト161とファン162とエバポレータ163とは、冷却装置16を構成する。図2は図1中のF2−F2線に沿う電池パック1の断面図を示し、図3は、図2において冷却装置16が作動している場合の気体Gの流れを矢印で示している。
複数の電池モジュール2は、複数の電池セルを各々ケースに内蔵したものである。各電池モジュール2は、電池セルと電池セルの間にできる隙間に気体Gを流通させるための通気穴211,221をケースの上面21及び下面22に有している。複数の電池モジュール2は、上段及び下段の少なくとも二段に重ねて配置される。図1に示すように本実施形態の電池パック1では、上段及び下段にそれぞれ4個ずつ、合計8個の電池モジュール2を内蔵している。また、電池モジュール2は、それぞれケースの角部に固定用のボルトを鉛直方向に通す貫通孔23を有している。
トレイ11は、図1及び図2に示すように下段の電池モジュール2の下方を覆うように配置され、上部外周に下フランジ111を有している。また、図2に示すようにトレイ11は、下フランジ111とほぼ同じ高さで外周壁の外側に取り付けられた外部ブラケット112、外周壁の内側に取り付けられた下部ブラケット113及び中間ブラケット114、底壁の内側に取り付けられた底部ブラケット116を有している。それぞれのブラケットは、トレイ11にスポット溶接されるが、確実な他の方法、例えばTIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、あるいは、ろう付けや接着剤で接合されていてもよい。
カバー12は、図1及び図2に示すように上段の電池モジュール2の上方を覆うように配置され、下フランジ111に結合される上フランジ121を下部外周に有している。上フランジ121は、図2に示すように下フランジ111にボルトで結合される。
下段支持部材13は、トレイ11の外周壁の内側に取り付けられた下部ブラケット113と、この下部ブラケット113に固定される下段フレーム131とで構成される。下段支持部材13は、トレイ11の内壁に固定され、下段の電池モジュール2を支持する。具体的には、下段フレーム131は、下段に配置される電池モジュール2の下端の外周を全体的に囲う四角い枠に形成されており、各電池モジュール2の下端を支持する。
下段フレーム131は、鉛直方向に横切る断面においてL字形に形成されており、載置された電池モジュール2の貫通孔23に対応する位置の底辺にボルト穴を有し、その底辺の下面にナットが取り付けられている。ボルト穴にナットを取り付ける代わりに、ネジ孔を直接形成してもよい。下段の電池モジュール2は、貫通孔23に通されたボルトがナットに締結されることによって、下段フレーム131に固定される。
上段支持部材14は、図1及び図2に示すようにトレイ11の外周壁の内側に取り付けられた中間ブラケット114と、この中間ブラケット114に固定される隔壁145とで構成されている。この上段支持部材14は、上段の電池モジュール2と下段の電池モジュール2との間に配置されて上段の電池モジュール2を支持する。
隔壁145は、上段の電池モジュール2の下面22に開口した通気穴221に対応する範囲が少なくとも開口するように、本実施形態では、上段の電池モジュール2の下端の外周を全体的に囲う範囲よりも内側が一続きの開口部146となっている。上段の電池モジュール2の通気穴211,221を通る気体Gの流量が確保される開口面積を有していれば、開口部146は、一続きでなくてもよく、例えば、対辺どうしを繋ぐように梁を有していてもよい。
この隔壁145は、上段の電池モジュール2の上面21から下段の電池モジュール2の下面22までの間、本実施形態では、開口部146の縁が上段の電池モジュール2の下面22の高さに位置しており、上段の電池モジュール2の下面22の外周部とトレイ11の外周壁の内側との間を封止することで、トレイ11及びカバー12で覆われた内部を上室Aと下室Bに分けている。つまり、隔壁145は、上段支持部材14が仕切部材15を兼ねるための機能を有している。
このとき、電池パック1は、図1及び図2に示すように上段支持部材14における仕切部材15としての密閉性を高めるために、第1のシール部材151及び第2のシール部材152をさらに備える。第1のシール部材151は、隔壁145の開口部146の縁と下段の電池モジュール2の上面21の外周縁の間に挟まれている。第2のシール部材152は、トレイ11の外周壁の内面と隔壁145の外周縁との間に設置される。
また、隔壁145は、上段の電池モジュール2の貫通孔23に対応する位置、すなわち開口部146の縁にボルト穴を有し、その縁の下面にナットが取り付けられている。ボルト穴にナットを取り付ける代わりに、ネジ孔を直接形成してもよい。上段の電池モジュール2は、貫通孔23に通されたボルトがナットに締結されることによって、隔壁145に固定される。
ダクト161は、仕切部材15として機能する上段支持部材14の隔壁145を貫通して上室A側及び下室B側を連通させる。本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2が配置された部分とトレイ11及びカバー12の外周壁までの間の隔壁145に挿入孔(貫通孔)147が設けられ、ダクト161はこの挿入孔147に差し込まれる。ダクト161と挿入孔147との間の隙間は、塞ぎ板やガスケット等で塞がれる。また、下段フレーム131は、ダクト161に干渉する範囲を切り欠かれ、ダクト161を固定するための固定金具などが取り付けられる。
ファン162は、図2に示すように、下室Bの中央へ延びたダクト161の端部に設置され、上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2とダクト161とを通して上室Aと下室Bの気体Gを循環させる。この実施形態において、ファン162は、トレイ11の底壁と下段支持部材13との間で回転軸Sをトレイ11の底壁に垂直に配置した遠心ファンであり、吸入口162aを上方へ向けて配置されている。ファン162は、トレイ11の底部ブラケット116に固定される。なお、ファン162は、電池パック1の内部の気体を循環させることができればよいので、ダクト161の端部に配置されることに限定されない。
エバポレータ163は、図2に示すように、ダクト161の途中に配置され、ダクト161を流通する気体Gを冷却する。このエバポレータ163は、電池パック1が搭載される車両の空調機器と冷媒を共有しており、電池パック1の外へ冷媒を循環させる配管が延びている。空調機器の冷媒を流用せずに独立した冷媒サイクルを構成していてもよい。
ダクト161とファン162とエバポレータ163を含む冷却装置16は、電池パック1のトレイ11とカバー12によって囲われた内部の気体Gを循環させることによって、電池モジュール2の温度を予め設定された温度以上にならないように制御される。
以上のように構成された電池パック1は、外部ブラケット112、下部ブラケット113、中間ブラケット114、および底部ブラケット116が取り付けられたトレイ11に対して、最下部に設置される冷却装置16(エバポレータ163、ダクト161、ファン162)から順番に組み込まれる。冷却装置16を底壁に固定した後、下段支持部材13の下段フレーム131を下部ブラケット113に固定し、その上に下段の電池モジュール2を乗せてボルトで固定する。下段の電池モジュール2の上面21に第1のシール部材151を装着し、仕切部材15を兼ねる上段支持部材14の隔壁145をその上から乗せて中間ブラケット114に固定する。第2のシール部材152を隔壁145の外周に装着し、下段の電池モジュール2に重なるように上段の電池モジュール2を並べて隔壁145にボルトで固定する。最後に、カバー12を被せて上フランジ121を下フランジ111に結合することで、電池パック1が構成される。
カバー12を被せる際、電池パック1の内部に封入される気体Gとして、空気を封入してもよいし、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどを封入してもよい。また、電池パック1の内部に湿気が侵入しないように、一年中を通して大気圧よりも高い内圧を維持できるように加圧気味に気体Gを封入してもよい。あるいは、エバポレータ163に発生する凝結水を排出するため、電池パック1に排出口とワンウェイバルブを設けて電池パック1内の水分量を下げてもよい。
電池モジュール2には、少なくとも1つの、本実施形態の場合は内蔵する電池セルの一つ一つに対応する数の、温度計測センサが取り付けられている。各温度計測センサは、電池パック1を制御するECU又は車両のECUに接続されている。ECUは、電池パック1が充電されるまたは放電させる間に、電池モジュール2(または電池セル)の温度が所定の温度以上に上昇したことをいずれかの温度計測センサで検知すると、冷却装置16を起動させて気体Gを循環させる、または、冷却装置16の出力を上げることによって循環される気体Gの流量を増加させ、電池モジュール2の温度を設定された値よりも低くなるように管理する。
冷却装置16のファン162が駆動されると、図3に示すように吸入口162aから下室Bの気体Gを吸い込み、ダクト161へ吐出する。ダクト161の途中に設けられたエバポレータ163を通過するときに、気体Gは冷却される。冷却された気体Gは、さらにダクト161を通って、上室Aへ送られる。上室Aに配置されている上段の電池モジュール2の上面21の通気穴211から中に流れ込み、下面22の通気穴221から排出されるように気体Gが通り抜けることによって、上段の電池モジュール2が冷却される。上段の電池モジュール2を通り抜けた気体Gは、さらに仕切部材15である隔壁145の開口部146を通り、下段の電池モジュール2へ供給される。気体Gは、下段の電池モジュール2の上面21の通気穴211から下面22の通気穴221へ通り抜けることで下段の電池モジュール2の電池セルを冷却し、下室Bへ流れ出る。温まった気体Gは、再びファン162によって循環される。
この電池パック1によれば、仕切部材15となる隔壁145が上室Aと下室Bとを分けており、下室Bに配置されたファン162の吐出側に接続されたダクト161がこの隔壁145を貫通して上室Aへ気体Gを供給する。したがって、気体Gは、上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2を通って上室Aと下室Bとを確実に循環するので、電池パック1を効率よく冷却することができる。
以下に第2から第8の実施形態の電池パック1について、各々図面を参照して説明する。各実施形態において、第1の実施形態の電池パックと同じ機能を有する構成は、各実施形態において同じ符号を付し、詳細な説明は第1の実施形態の対応する記載を参酌する。
本発明に係る第2の実施形態の電池パック1について、図4及び図5を参照して説明する。図4は電池パック1の分解斜視図であり、図5は組み立てられた電池パック1の断面図である。本実施形態の電池パック1は、上段支持部材14として上段フレーム141をさらに備えている。上段フレーム141は、図4に示すように下段フレーム131と同じく、上段に配置される電池モジュール2の下端の外周を全体的に囲う四角い枠に形成されており、各辺が鉛直方向に横切る断面においてL字形である。
上段フレーム141は、図5に示すように隔壁145の開口部146に接合されることによって、上段支持部材14の強度を高めている。上段フレーム141は、上段の電池モジュール2の貫通孔23に対応する位置の底辺に隔壁145の開口部146の縁も貫通するボルト穴を有しており、隔壁145の開口部146の下面にナットが取り付けられる。第2の実施形態の電池パック1は、上段フレーム141を備えることによって、上段支持部材14の強度と剛性が増し、上段の電池モジュール2をしっかりと固定することができる。上記以外の構成は、第1の実施形態と同じである。
本発明に係る第3の実施形態の電池パック1について、図6及び図7を参照して説明する。図6は電池パック1の分解斜視図であり、図7は組み立てられた電池パック1の断面図に気体Gの流れを矢印で示している。本実施形態の電池パック1は、仕切部材15を兼ねる上段支持部材14の隔壁145の開口部146の縁の形状が第1及び第2の実施形態の電池パック1と異なっている。
電池パック1の隔壁145は、隔壁145の開口部146の縁にバイパス流路148を少なくとも1つ、第3の実施形態では図6に示すように10か所に有している。各バイパス流路148は、図7に示すように、上段の電池モジュール2と下段の電池モジュール2の間の空隙に上室Aを連通させる。また、このバイパス流路148は、図6に示すように仕切部材15となる隔壁145をダクト161が貫通する位置に対してトレイ11の底壁の中心よりも遠い位置に多く配置される。すなわち、挿入孔(貫通孔)147からバイパス流路148までの距離は、挿入孔147からトレイの底壁の中心までの距離よりも大きい。そして、複数のバイパス流路148は、開口部146の縁に等配に設けられるのではなく、ダクト161から遠い位置に偏って配置される。上記以外の構成は、第1及び第2の実施形態の電池パック1と同じである。
以上のように構成された第3の実施形態の電池パック1によれば、図7に示すようにバイパス流路148を通って上室Aの気体Gの一部が、上段の電池モジュール2を通らずに、上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2の間の空隙に流入する。下段の電池モジュール2に供給される気体Gの一部にバイパス流路148を介して上室Aから直接流入する気体Gが混ざることによって、低い温度の気体Gを下段の電池モジュール2に提供できる。上段の電池モジュール2を通過して温まった気体Gのみが供給される場合に比べて、温度の低い気体Gを下段の電池モジュール2に供給できるとともに、下段の電池モジュール2を通過する気体Gの流速が上がるので、下段の電池モジュール2の冷却効率が向上する。そして、上段の電池モジュール2と下段の電池モジュール2との温度差が小さくなるので、電池パック1の性能が向上する。また、ダクト161に対して遠い位置にバイパス流路148が偏って配置されているので、電池パック1の内部における温度分布の偏りが小さくなり、電池パック1の性能が安定する。
本発明に係る第4の実施形態の電池パック1について、図8を参照して説明する。図8に示す電池パック1は、仕切部材15を兼ねる上段支持部材14の隔壁145をダクト161が貫通する位置から離れた位置にファン162を設置している。上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2を通過する気体Gがファン162から排出されたのち再びファン162へ戻ってくるまでの循環経路の長さにおいて、ダクト161に近い位置と遠い位置とで差が少なくなるので、循環する気体Gの温度差が小さくなり、個々の電池モジュール2の温度差も小さくなる。
本発明に係る第5の実施形態の電池パック1について、図9を参照して説明する。この実施形態の電池パック1は、第4の実施形態の電池パック1と比べた場合、吸入口162aを下に向けてファン162を配置している。吸入口162aをトレイ11の底壁に向けているので、ファン162の直上の下段の電池モジュール2から排出される気体Gを優先的に吸い込むことなく、下室Bに排出された気体Gを均質に吸い込むことで、気体Gの循環の斑を少なくすることができる。気体Gが斑なく循環されることで、電池モジュール2の温度差が減り、電池パック1の性能が向上する。
本発明に係る第6の実施形態の電池パック1について、図10及び図11を参照して説明する。図10及び図11に示すように第6の実施形態の電池パック1において、冷却装置16のファン162は、トレイ11の底壁と下段支持部材13の下段フレーム131との間において、回転軸をトレイ11の底壁に沿って配置した軸流ファンである。このファン162は、直流電力であれば電流の向きを反転させることにより、交流電力であればインバータによって位相反転させることにより、回転方向を逆転させることができる。なお、本実施形態においてファン162の回転軸は、トレイ11の底壁に沿って配置されるように図10及び図11に示したが、ファン162は、電池パック1の内部の気体を循環できればよいので、底壁に沿って配置されていなくてもよいし、斜めあるいは垂直に配置されていてもよい。
この実施形態の電池パック1は、上段及び下段の電池モジュール2に少なくとも1つの温度計測センサKをそれぞれ備えており、電池モジュール2の温度を所定の時間間隔で検出している。なお、本実施形態の場合、電池モジュール2は、内包する電池セルごとに温度計測センサを備えており、より精細に温度管理できる。ここでは、説明の便宜上、1つの電池モジュール2に対して1つの温度計測センサKを有しているものとして説明する。各温度計測センサKは、電池パック1の充電及び放電を制御するECU、又はこの電池パック1を搭載する車両のECUに接続されている。
本実施形態の場合、温度計測センサKによって計測された上段の電池モジュール2の温度が温度計測センサKによって計測された下段の電池モジュール2の温度よりも高い場合、図10に示すようにファン162は、下室Bの気体Gを吸い込み、ダクト161を介して上室Aへ送るように回転される。ダクト161を通過する際に途中に設けられたエバポレータ163によって気体Gが冷却され、冷えた気体Gが上室Aに供給される。また、温度計測センサKによって計測された上段の電池モジュール2の温度が温度計測センサKによって計測された下段の電池モジュール2の温度よりも低い場合、図11に示すようにファン162は、回転方向を反転され、ダクト161を介して上室Aの気体Gを吸込み、下室Bへ排出する。ダクト161を通過する際にエバポレータ163によって気体Gが冷却され、冷えた気体Gが下室Bに供給される。
ファンの回転方向は、上段の電池モジュール2に設けられた温度計測センサKと下段の電池モジュール2に設けられた温度計測センサKとの温度差が予め設定された温度以上になった場合に、逆転される。このように、温度計測センサKによって計測された温度を基にファン162の回転方向を制御することによって、上段の電池モジュール2と下段の電池モジュール2との温度差は、設定された温度差以内に維持される。上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2の温度がともに上昇する場合は、第1の実施形態と同様に、エバポレータ163による冷却能力を高める、あるいはファン162の回転速度を上げて気体Gの循環流量を増加させることで冷却能力を高めることで、電池モジュール2の温度を所定の温度範囲内に維持する。
気体Gの循環方向が一方向である場合、下流側に位置する電池モジュール2の温度が高くなってしまうのに対して、上述のように温度計測センサKによって計測される個々の電池モジュール2の温度を基にファン162の送風方向を変える(すなわち反転させる)ことで、電池モジュール2の温度差を小さくすることができる。また、ファン162の回転方向を逆転させることで、送風方向を変えるので、複雑な構成を要しない。温度計測センサKによって検出される上段の電池モジュール2と下段の電池モジュール2の温度差は、それぞれ複数ある電池モジュール2の温度の平均値に基づくものであってもよいし、複数ある電池モジュール2の最高温度に基づくものであってもよい。
本発明に係る第7の実施形態の電池パック1について、図12から図14を参照して説明する。図12は電池パック1の分解斜視図であり、図13は組み立てられた電池パック1の断面図である。図14はこの電池パック1が車両100の後部に搭載された状態で、後方から他の車両200に追突された場合の衝撃荷重の伝達を模式的に示す。
電池パック1は、図12及び図13に示すように、トレイ11、冷却装置16(ダクト161、ファン162、エバポレータ163)、下段支持部材13、下段の電池モジュール2、上段支持部材14、上段の電池モジュール2、及びカバー12を備える。第7の実施形態において、上段支持部材14は、中間ブラケット114と隔壁145と上段フレーム141とで構成される。また、下段支持部材13は、荷重伝達隔壁135と下段フレーム131とを含む。
この荷重伝達隔壁135は、下段の電池モジュール2の下面22に沿って平坦に配置されており、電池モジュール2の下面22に開口した通気穴221に対応する範囲が少なくとも開口するように、本実施形態では、下段の電池モジュール2の下端の外周を全体的に囲う範囲よりも内側の部分が、一続きの開口部136となっている。荷重伝達隔壁135は、外周部に上方へ折り曲げられたリム部135aを有しており、このリム部135aは、トレイ11の外周壁の内面に溶接される。下段支持部材13は、荷重伝達隔壁135がトレイ11に直接溶接されるので、下部ブラケット113を設けなくてもよい。下段フレーム131は、荷重伝達隔壁135の開口部136の縁に溶接される。これによって、開口部136が補強される。荷重伝達隔壁135は、ダクト161が貫通する挿入孔(貫通孔)137を有している。
第7の実施形態において、上段支持部材14の隔壁145は、他の実施形態と同様に仕切部材15となる第1の仕切部材15Aを兼ねる。また、荷重伝達隔壁135は、開口部136及び挿入孔137の部分を除いて、下段の電池モジュール2の下面22の外周縁とトレイ11の外周壁の内面との間を塞いでいる。したがって、下段の電池モジュール2と上段支持部材14の隔壁145の間に第1のシール部材151を設けなくてもよい。また、隔壁145の外周とトレイ11の外周壁の内面との間に第2のシール部材152を設けなくてもよい。そのような場合には、下段支持部材13の荷重伝達隔壁は、上段の電池モジュール2の上面21から下段の電池モジュール2の下面22までの間に設置されてトレイ11及びカバー12で覆われた内部を上室A及び下室Bに分ける仕切部材15となる第2の仕切部材15Bの機能を有する。
第7の実施形態では、隔壁145が第1の仕切部材15Aとして、荷重伝達隔壁135が第2の仕切部材15Bとして、それぞれ同時に機能しており、したがって、電池パック1の内部は、第1の仕切部材15A(隔壁145)よりも上方の上室Aと、第2の仕切部材15B(荷重伝達隔壁135)よりも下方の下室Bと、第1の仕切部材15Aから第2の仕切部材15Bまでの間の中間室Cとの3部屋に区画されている。
以上のように構成された第7の実施形態の電池パック1は、トレイ11に荷重伝達隔壁135、中間ブラケット114、底部ブラケット116、下段フレーム131をスポット溶接などで接合した後、冷却装置16(エバポレータ163、ダクト161、ファン162)を組み込む。下段支持部材13の下段フレーム131に下段の電池モジュール2を載置し、貫通孔23にボルトを通して固定する。隔壁145に上段フレーム141が接合された上段支持部材14を中間ブラケット114に固定する。上段支持部材14の上段フレーム141に上段の電池モジュール2を乗せて、貫通孔23にボルトを通して固定する。最後にカバー12を被せて上フランジ121を下フランジ111にボルトで結合する。
気体Gは、ファン162によってダクト161を介して上室Aに供給されると、上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2を通過し、下室Bへ流出する。そして再びファン162で回収され、循環される。なお、第3の実施形態の電池パック1のように、下段の電池モジュール2に冷たい気体Gを直接供給する場合、荷重伝達隔壁135と隔壁145の間のダクト161にバイパス穴を設けそこから上室Aと下室Bの間に作られる中間室Cに気体Gを供給すればよい。
第7の実施形態の電池パック1は、第1から第6の実施形態の電池パック1と同様に仕切部材15(第1の仕切部材15A及び第2の仕切部材15B)を備えているので、電池パック1の内部の気体Gが効率よく循環され、上段の電池モジュール2及び下段の電池モジュール2を効率よく冷却することができる。
さらに、本実施形態の電池パック1は、荷重伝達隔壁135を備えている。図14に示すように、この電池パック1が車両100の後部に搭載されている状態で、後方から他の車両200に追突されて電池パック1に衝撃荷重が加わった場合、荷重伝達隔壁135に沿って衝撃荷重が反対側、すなわちトレイ11の前側の外周壁へ伝達される。後方から入力された衝撃荷重が荷重伝達隔壁135に沿って前側へ伝わるので、衝突荷重を受けた部分のトレイ11が局部的に変形することを防止できる。トレイ11の変形が抑制されるので、電池パック1の内部の電池モジュール2が損傷を免れる。
本発明に係る第8の実施形態の電池パック1について、図15及び図16を参照して説明する。図15に示す電池パック1は、車両100の後部に搭載された状態を示す。図15(A)は、電池パック1が搭載された車両100の後方から他の車両200が追突によって侵入し、電池パック1に接触する直前の状態を示している。図15(B)は、図15(A)の電池パック1を後方から見た状態を示す。
第8の実施形態の電池パック1は、図15(A)に示すように、車両100に搭載された状態で冷却装置16のファン162を前方に偏って配置している。また、トレイ11は、ファン162よりも後方の部分が後方に向かうにしたがって上がった傾斜部117を底壁に有している。この電池パック1は、図15(B)のように、左右の側部に設けられた外部ブラケット112によって車両100のサイドメンバ101に固定されている。また、電池パック1の上方を車両100のフロアパン102が隙間を有して覆っている。
以上のように構成された電池パック1に対して後方から他の車両200が追突した状態を図16に示す。図16(A)は、図15(A)の状態から更に後方の車両200が侵入した状態を示す。図16(B)は、図16(A)の電池パック1を後方から見た状態を示す。図16(A)に示すように、第8の実施形態の電池パック1は、傾斜部117を有しているので、後方から侵入してきた他の車両200を下方へ逸らし、車両200が直撃することを免れる。このとき、図16(A)に示すようにトレイ11も少し変形するものの外部ブラケット112が主に変形し、電池パック1は、相対的に上方へ変位する。電池パック1の上方には車両100のフロアパン102があるので、図16(B)に示すように電池パック1のカバー12がフロアパン102に接すると、外部ブラケット112の変形が減少し、その後止まる。このように、電池パック1は、傾斜部117を有していることによって、電池パック1に加わる衝撃をいなし、内部の電池モジュール2に損傷を受けることを防止することができる。
以上、本発明の電池パック1について第1から第8の実施形態で示したが、例として提示したものであり、これらの実施形態に限定されることを意図していない。これらの実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更が可能である。例えば、第1から第8の実施形態の電池パック1の各構成要素を互いに組み替えたり他の実施形態に追加したりして実施することも可能である。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、第1から第8の実施形態において、温調器としてエバポレータ163を採用しているが、温調器は、エバポレータ163の代わりに電熱器であってもよいし、エバポレータ163及び電熱器の両方を備えていてもよい。電熱器を備えることで、寒冷地などにおいて電池パック1の温度が適正温度範囲よりも低い場合に加温することができる。また、エバポレータ163を備えていない場合でも、電池モジュール2の熱は、電池パック1内部の気体を循環させることによって、トレイ11及びカバー12の外表面から外を流れる空気へ熱伝達され、放熱される。
さらに、電池パック1の内部を循環する気体を効率よく温調できればよいので、ファン162とエバポレータ163の配置は、各実施形態において図示した配置に限定されない。例えば、各実施形態ではファン162の下流にエバポレータ163を配置しているが、ファン162の上流にエバポレータ163が配置されていてもよい。このとき、エバポレータ163は、温調器として電熱器であってもよい。さらに、ファン162に対して上流側にエバポレータ163又は電熱器、下流側に電熱器またはエバポレータ163をそれぞれ配置してもよい。
1…電池パック、2…電池モジュール、11…トレイ、111…下フランジ、113…下部ブラケット(下段支持部材)、114…中間ブラケット(上段支持部材)、117…傾斜部、12…カバー、121…上フランジ、13…下段支持部材、131…下段フレーム、135…荷重伝達隔壁、14…上段支持部材、141…上段フレーム、145…隔壁、148…バイパス流路、15…仕切部材、15A…第1の仕切部材、15B…第2の仕切部材、151…第1のシール部材、152…第2のシール部材、161…ダクト、162…ファン、163…エバポレータ(温調器)、A…上室、B…下室、G…気体、S…回転軸、K…温度計測センサ。

Claims (12)

  1. 上段及び下段の少なくとも二段に重ねて配置される複数の電池モジュールと、
    前記電池モジュールの下方を覆うトレイと、
    前記電池モジュールの上方を覆い前記トレイに結合されるカバーと、
    前記トレイの内壁に固定されて下段の前記電池モジュールを支持する下段支持部材と、
    上段の前記電池モジュールと下段の前記電池モジュールの間に配置されて前記上段の前記電池モジュールを支持する上段支持部材と、
    上段の前記電池モジュールの上面から下段の前記電池モジュールの下面までの間に設けられて前記トレイ及び前記カバーで囲われた内部を上室と下室に分ける仕切部材と、
    前記仕切部材に形成された貫通孔を介して前記上室側及び前記下室側を連通させるダクトと、
    前記下室へ延びた前記ダクトに接続され、上段の前記電池モジュール及び下段の前記電池モジュールと前記ダクトとを介して前記上室と前記下室の気体を循環させるファンと、
    を備えることを特徴とする電池パック。
  2. 前記ダクトの途中に配置されて流通する気体を温調する温調器をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載された電池パック。
  3. 前記上段支持部材は、上段の前記電池モジュールの下面の外周部と前記トレイの内壁との間を封止することで、前記仕切部材を兼ねる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された電池パック。
  4. 前記仕切部材と下段の前記電池モジュールの上部の外周縁との間を塞ぐシール部材を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載された電池パック。
  5. 前記貫通孔から前記ファンまでの距離は、前記貫通孔から前記トレイの底壁の中心までの距離よりも長い
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された電池パック。
  6. 前記仕切部材と上段の前記電池モジュールの間に前記上室と前記下室とを連通するバイパス流路を設け、前記貫通孔から当該バイパス流路までの距離は、前記貫通孔から前記トレイの底壁の中心までの距離よりも長い
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載された電池パック。
  7. 前記下段支持部材は、下段の前記電池モジュールの下面の外周部と前記トレイの内壁との間を封止することで、前記仕切部材を兼ねる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された電池パック。
  8. 上段の前記電池モジュールの温度を計測する温度計測センサ及び下段の前記電池モジュールの温度を計測する温度計測センサをそれぞれ備え、
    前記ファンは、前記トレイの底壁と前記下段支持部材との間に配置された軸流ファンであって、前記温度計測センサによって計測された上段の前記電池モジュールの温度が前記温度計測センサによって計測された下段の前記電池モジュールの温度よりも高い場合は前記下室の気体を吸い込み前記ダクトを介して前記上室へ送り、前記温度計測センサによって計測された上段の前記電池モジュールの温度が前記温度計測センサによって計測された下段の前記電池モジュールの温度よりも低い場合は前記ダクトを介して前記上室の気体を吸い込み前記下室へ排出するように制御される
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載された電池パック。
  9. 前記上段支持部材は、上段の前記電池モジュールの下端の外周を支持する上段フレームを含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載された電池パック。
  10. 前記下段支持部材は、下段の前記電池モジュールの下端の外周を支持する下段フレームを含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載された電池パック。
  11. 車両に搭載される場合に、
    前記ファンは、前記車両の前側に偏って配置され、
    前記トレイは、前記車両の後方に向かうにしたがって上がった傾斜部を底壁に有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載された電池パック。
  12. 前記ファンは、前記トレイの底壁と前記下段支持部材との間で回転軸を前記トレイの底壁に垂直に配置した遠心ファンであって、前記回転軸に沿って気体を吸い込む吸入口を下方に向けて配置する
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載された電池パック。
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