JP6307877B2 - 転造装置 - Google Patents

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Description

本発明は転造装置及び転造方法に係り、特に、インフィード方式により棒状素材の外周面にはすば状の加工歯を転造する転造装置及び転造方法に関する。
転造は、転造ダイスと呼ばれる工具に形成されたダイス歯を棒状素材の外周面に押し当てたまま転造ダイスを駆動させて棒状素材の外周面を塑性加工する工法である。転造ダイスとしてラックダイス或いは丸ダイスが良く用いられる。転造は、生産性が高く製造コストが安価で且つ環境に対して優しい工法として、はすば歯車、ねじ、小型ウォーム、或いはスプラインの成形に広く利用される。
転造は、インフィード方式とインクリメンタル方式の2種類の工法に大別される。インフィード方式による転造は、棒状素材の中心と転造ダイスとの距離を徐々に狭めて棒状素材の外周面に転造ダイスのダイス歯を押し込むことにより棒状素材の外周面に歯部を形成する工法である。従って、インフィード方式による転造に丸ダイスを用いる場合、通常は丸ダイスの周方向に亘って同一形状のダイス歯が設けられる。一方、インクリメンタル方式による転造は、棒状素材の中心と転造ダイスとの距離を一定に保ちつつ棒状素材の外周面に歯部を形成する工法である。インクリメンタル方式による転造に用いられる転造ダイスには、その動作方向に沿って異なる形状のダイス歯が形成される。従って、インクリメンタル方式による転造に丸ダイスを用いる場合、丸ダイスの周方向に沿って形状が異なるダイス歯が設けられる。そして、棒状素材の外周面がダイス歯の形状の変化に倣うように転造される。
特許文献1は、インフィード方式により棒状素材の外周面にはすば状の加工歯を成形転造する転造装置を開示する。特許文献1に記載の転造装置は、棒状素材を軸周り回転可能に支持する支持部と、外周にダイス歯が形成されるとともにダイス歯が支持部に支持された棒状素材の外周面に対面するように棒状素材に対して配置された丸ダイスを備える。非特許文献1は、インフィード方式による棒状素材の成形転造における丸ダイスと棒状素材との接触状態が摩擦転がり接触状態から噛み合い接触状態に移行する過程の解析及び、接触状態の移行に伴って生じる棒状素材の歩み(軸方向移動)の低減方法について言及する。非特許文献2は、インフィード方式による棒状素材の成形転造における成形誤差の発生メカニズムの数値解析について言及する。
特開昭59−97731号公報
日本機械学会論文集(C編) 79巻798号 371頁−381頁「小歯数・大ねじれ角を有するはすば歯車の転造成形(歩みの低減)」 日本機械学会論文集(C編) 79巻807号 367頁−379頁「小歯数・大ねじれ角を有するはすば歯車の転造成形(押し込みによる成形誤差の幾何学的考察)」
(発明が解決しようとする課題)
丸ダイスを用いたインフィード方式による転造において、丸ダイスの棒状素材への押し込み運動に起因して成形品の加工歯に歯すじのうねりや歯形誤差等が発生することが、非特許文献2により確かめられている。非特許文献2ではさらに、転造中に丸ダイスと棒状素材との軸方向の位相を故意に変化させて歯すじのうねりを相殺させる方法を試みている。このような方法では、歯すじのうねりに対する一定の効果が認められるものの、その効果は十分でない。そこで本発明は、歯すじのうねりを矯正することができる転造装置及び転造方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、インフィード方式により棒状素材(W)の外周面にはすば状の加工歯を成形転造する転造装置(1)であって、棒状素材を軸周り回転可能に支持する支持部(20)と、外周にダイス歯が形成されるとともに支持部に支持された棒状素材の軸方向に平行な回転軸周りを回転可能であり、ダイス歯が支持部に支持された棒状素材の外周面に対面するように配置された丸ダイス(35,45)と、丸ダイスを回転駆動させる回転駆動装置(34,44)と、丸ダイスと支持部に支持された棒状素材との軸間距離が変化するように、丸ダイスの回転軸方向に直交する方向に丸ダイスを移動させる移動装置(36,46)と、を備え、ダイス歯が、棒状素材の外周面に加工歯(T3)を創成する成形ダイス歯(T1)及び加工歯と噛み合い回転することにより加工歯の歯面精度を向上させる仕上ダイス歯(T2)とを有し、仕上ダイス歯が、成形ダイス歯と同一形状の歯からその歯先面を含む歯先領域(P)を切除することにより、加工歯の歯底に歯先が接触しないような形状に形成されている、転造装置を提供する。この場合、仕上ダイス歯の歯丈(H2)が成形ダイス歯の歯丈(H1)よりも短く形成されているのがよい。また、仕上ダイス歯の歯丈が成形ダイス歯により転造された加工歯の歯丈よりも短く形成されているのがよ
また、本発明の転造装置は、棒状素材の外周面に加工歯を創成する成形加工時に棒状素材の外周面に成形ダイス歯が接触し、加工歯の歯面精度を向上させる仕上加工時に加工歯と仕上ダイス歯とが噛み合うように、回転駆動装置を制御する回転制御装置(50)をさらに備えるのがよい。
また、本発明の転造装置は、棒状素材の外周面に加工歯を創成する成形加工時に丸ダイスと棒状素材の軸間距離が狭められるように移動装置を制御する位置制御装置(60)をさらに備えるのがよい。この場合、位置制御装置は、加工歯の歯面精度を向上させる仕上加工時に丸ダイスと棒状素材の軸間距離が変化しないように移動装置を制御するのがよい。
インフィード方式による転造においては、棒状素材への丸ダイスの押し込み量が増加するにつれて丸ダイスの回転トルクが周期的に変化する現象が観察される。加工歯の歯すじにうねりは、このような周期的なトルク変動に起因して発生するものと考えられる(非特許文献2の図22参照)。また、仕上げ段階で棒状素材への丸ダイスの押し込みを停止した場合においても、丸ダイスの歯先と棒状素材に形成された加工歯の歯底が接触していると、棒状素材は少なからず丸ダイスから押し込み力を受け、それが原因で周期的なトルク変動が生じる。その結果、加工歯に歯すじのうねりが十分に矯正されない。
本発明においては、丸ダイスの外周に成形ダイス歯と仕上ダイス歯との2種類の異なる形状のダイス歯を形成し、加工歯の創成時(成形加工時)には成形ダイス歯を使用し、加工歯の仕上時(仕上加工時)には仕上ダイス歯を使用する。ここで、仕上ダイス歯は、加工歯の歯底に歯先が接触しないように形成されている。したがって、仕上時には、ダイス歯の歯先が加工歯の歯底に接触することはなく、それ故に、仕上加工時に丸ダイスから棒状素材に働く押し込み力が小さくなる。よって、周期的なトルク変動の大きさを軽減することができ、ひいては歯すじのうねりを十分に矯正することができる。
また、仕上ダイス歯が、加工歯とノーバックラッシで噛み合うように形成されているとよい。また、成形ダイス歯も、加工歯とノーバックラッシで噛み合うように形成されているとよい。仕上げ段階で棒状素材にダイス歯から押し込み力を作用させないようにするためには、例えばダイス歯と加工歯との間に隙間を設けるように、ダイス歯と加工歯との相対的位置関係を調整させればよい。しかし、上記の隙間がバックラッシを形成するため、加工歯の歯面精度が悪化し或いはバリ等が発生する。これに対し本発明によれば、仕上げ段階であってもノーバックラッシで仕上ダイス歯と加工歯とが噛み合い、且つ、棒状素材に押し込み力が作用しない。よって、加工歯の歯面精度をより向上させることができる。
本実施形態に係る転造装置の平面図である。 X方向から見た支持部を示す図である。 丸ダイスの正面図である。 第1外周領域Aに形成される成形ダイス歯T1の形状を示す図である、 第2外周領域Bに形成される仕上ダイス歯T2の形状を示す図である。 成形ダイス歯T1と仕上ダイス歯T2とを重ね合わせて示した図である。 成形加工工程の終期における成形ダイス歯T1と棒状素材Wの外周に形成される加工歯T3との噛み合い状態を示す図である。 仕上加工工程時における仕上ダイス歯T2と棒状素材Wの外周に形成される加工歯T3との噛み合い状態を示す図である。 成形加工工程時及び仕上加工工程時における丸ダイス上での棒状素材Wの転動軌跡を示す図である。 棒状素材Wの累積回転数と、棒状素材Wの外周面へのダイス歯の押し込み量との関係を示すグラフである。 変形例に係る丸ダイスの正面図である。 図11に示す丸ダイスを用いて転造する場合における、丸ダイスと棒状素材との配置関係を示す図である。 変形例に係る丸ダイスを用いて成形加工工程と仕上加工工程を実施した場合における、棒状素材Wの累積回転数と、棒状素材Wへのダイス歯の押し込み量との関係を示すグラフである。 他の例に係る、棒状素材Wの累積回転数と棒状素材Wの外周面への成形ダイス歯T1の押し込み量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る転造装置の平面図である。図1に示すように、本実施形態に係る転造装置1は、ベースプレート10と、支持部20と、第1ダイスユニット30と、第2ダイスユニット40と、回転制御装置50と、位置制御装置60とを備える。
ベースプレート10は図1に示すように平面視にて略長方形状に形成される。以下の説明においては、ベースプレートの長手方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、図1においてX方向に直交する方向(図1において上下方向)をY方向と定義する。なお、X方向及びY方向に直交する方向が上下方向である。
ベースプレート10上に支持部20が設けられる。支持部20はヘッドストック21とテールストック22とを有する。ヘッドストック21及びテールストック22は、ベースプレート10の長手方向(X方向)の略中央位置に、Y方向に所定の間隔を開けてそれぞれ配置される。
図2は、X方向から見た支持部20を示す図である。図2に示すように、ヘッドストック21は、ベースプレート10から上方に向けて立設した第1支柱部211と、第1支柱部211の上部に支持されるとともにY方向に沿って延びた第1センタリングピン212を備える。同様に、テールストック22は、ベースプレート10から上方に向けて立設した第2支柱部221と、第2支柱部221の上部に支持されるとともにY方向に沿って延びた第2センタリングピン222を備える。第1センタリングピン212と第2センタリングピン222は同軸配置され、各々の先端が向かい合わされる。
第1センタリングピン212は軸方向(Y方向)に移動不能に第1支柱部211に支持される。一方、第2センタリングピン222は軸方向(Y方向)に移動可能に第2支柱部221に支持される。第2センタリングピン222の後端部にエアシリンダ23が接続される。エアシリンダ23の空気圧が第2センタリングピン222に作用することにより、第2センタリングピン222は第1センタリングピン212に近づく方向に付勢される。
第1センタリングピン212と第2センタリングピン222の間に棒状素材Wが配設される。棒状素材Wは、その一方端面が第1センタリングピン212の先端に接触し、その他方端面が第2センタリングピン222の先端に接触した状態でエアシリンダ23からの付勢力を受けることにより、軸周り回転可能に支持部20に支持される。
図1に示すように、第1ダイスユニット30と第2ダイスユニット40は、平面視にて、支持部20に支持された棒状素材Wを挟んでX方向に沿って向かい合うように対向配置される。第1ダイスユニット30は、第1ホルダ31と、第1回転軸32と、第1減速機33と、第1モータ34と、第1丸ダイス35と、第1油圧シリンダ36とを有する。第2ダイスユニット40は、第2ホルダ41と、第2回転軸42と、第2減速機43と、第2モータ44と、第2丸ダイス45と、第2油圧シリンダ46とを有する。
また、ベースプレート10の上面には、平行な2本の突条により構成される第1ガイドレール11及び、平行な2本の突条により構成される第2ガイドレール12が設けられる。第1ガイドレール11及び第2ガイドレール12はともにX方向に延設される。第1ガイドレール11と第2ガイドレール12は、転造装置1を平面方向から見たときに支持部20に支持された棒状素材Wを挟んで対向するようにそれぞれ形成される。第1ガイドレール11に第1ダイスユニット30の第1ホルダ31がX方向に移動可能且つその他の方向に移動不能に載置される。第2ガイドレール12に第2ダイスユニット40の第2ホルダ41がX方向に移動可能且つその他の方向に移動不能に載置される。つまり、第1ホルダ31及び第2ホルダ41はX方向に移動可能にベースプレート10上にそれぞれ載置される。
第1ホルダ31は、Y方向に延びたボディ311と、ボディ311のY方向における両端からX方向に延びた一対のアーム部312,312を有し、図1に示す平面視から見てコの字形状を呈する。同様に、第2ホルダ41は、Y方向に延びたボディ411と、ボディ411のY方向における両端から平行にX方向に延びた一対のアーム部412,412を有し、図1に示す平面視から見てコの字形状を呈する。そして、第1ホルダ31の一対のアーム部312,312の先端と第2ホルダ41の一対のアーム部412,412の先端が向かい合うように、第1ホルダ31及び第2ホルダ41がベースプレート10上に配設される。
第1ホルダ31の一対のアーム部312,312にはそれぞれ円孔312a,312aが同軸的に設けられており、この円孔312a,312aに第1回転軸32が挿通する。第1回転軸32は円孔312a,312aの内周壁に取付けられているベアリング等の軸受部材を介して回転可能に第1ホルダ31に支持される。同様に、第2ホルダ41の一対のアーム部412,412にはそれぞれ円孔412a,412aが同軸的に設けられており、この円孔412a,412aに第2回転軸42が挿通する。第2回転軸42は円孔412a,412aの内周壁に取付けられているベアリング等の軸受部材を介して回転可能に第2ホルダ41に支持される。第1ホルダ31に支持された第1回転軸32の軸方向及び第2ホルダ41に支持された第2回転軸42の軸方向は、ともに、支持部20に支持された棒状部材Wの軸方向(Y方向)に平行である。
第1回転軸32の一方端に第1減速機33を介して第1モータ34が連結される。同様に、第2回転軸42の一方端に第2減速機43を介して第2モータ44が連結される。第1モータ34が駆動することにより第1回転軸32が軸周り回転する。第2モータ44が駆動することにより第2回転軸42が軸周り回転する。
第1回転軸32に第1丸ダイス35が同軸且つ一体回転可能に取付けられ、第2回転軸42に第2丸ダイス45が同軸且つ一体回転可能に取付けられる。第1丸ダイス35は第1ホルダ31の一対のアーム部312,312間に配設されるように第1回転軸32に取付けられる。第2丸ダイス45は第2ホルダ41の一対のアーム部412,412間に配設されるように第2回転軸42に取付けられる。
図1からわかるように、第1丸ダイス35と第2丸ダイス45は、支持部20に支持された棒状素材Wを挟んでX方向に沿って対向するように配置される。また、上述のように第1回転軸32の軸方向、第2回転軸42の軸方向、及び棒状素材Wの軸方向が互いに平行である。つまり、第1丸ダイス35及び第2丸ダイス45は、支持部20に支持された棒状素材Wの軸方向(Y方向)に平行な回転軸周りを回転可能である。さらに、第1丸ダイス35のY方向位置と第2丸ダイス45のY方向位置が等しくなるように両ダイスが両回転軸に取付けられる。従って、第1丸ダイス35の外周面及び第2丸ダイス45の外周面は、それぞれY方向における同一位置にて支持部20に支持された棒状素材Wの外周面に向かい合う。
なお、転造装置1が初期状態(転造前の状態)であるときに、第1丸ダイス35の外周面と支持部20に支持された棒状素材Wの外周面は離間し、第2丸ダイス45の外周面と支持部20に支持された棒状素材Wの外周面も離間している。また、第1丸ダイス35の回転軸心の上下方向位置、第2丸ダイス45の回転軸心の上下方向位置、及び棒状素材Wの回転軸心の上下方向位置は、全て等しい、さらに、初期状態において、第1丸ダイス35と支持部20に支持された棒状素材Wの軸間距離と、第2丸ダイス45と支持部20に支持された棒状素材Wとの軸間距離は等しい。ここで、上記「軸間距離」とは、丸ダイス(第1丸ダイス35または第2丸ダイス45)の回転中心と支持部20に支持された棒状素材Wの回転中心との間のX方向に沿った距離である。
第1ホルダ31のボディ311に第1油圧シリンダ36のシリンダロッドが連結される。第1油圧シリンダ36のシリンダロッドは、X方向に伸縮可能に構成される。従って、第1油圧シリンダ36が作動することにより第1ホルダ31がX方向に移動する。第1ホルダ31がX方向に移動すると、第1ホルダ31に支持された第1回転軸32及び第1回転軸32に取付けられた第1丸ダイス35がX方向に移動する。第1丸ダイス35がX方向、すなわち第1丸ダイス35の回転軸方向(Y方向)に直交する方向に移動することにより、第1丸ダイス35と支持部20に支持された棒状素材Wの軸間距離が変化する。
第2ホルダ41のボディ411に第2油圧シリンダ46のシリンダロッドが連結される。第2油圧シリンダ46のシリンダロッドは、X方向に伸縮可能に構成される。従って、第2油圧シリンダ46が作動することにより第2ホルダ41がX方向に移動する。第2ホルダ41がX方向に移動すると、第2ホルダ41に支持された第2回転軸42及び第2回転軸42に取付けられた第2丸ダイス45がX方向に移動する。第2丸ダイス45がX方向、すなわち第2丸ダイス45の回転軸方向(Y方向)に直交する方向に移動することにより、第2丸ダイス45と支持部20に支持された棒状素材Wの軸間距離が変化する。
なお、本明細書において、第1油圧シリンダ36及び第2油圧シリンダ46の作動に基づくX方向への各部材の移動に関し、支持部20に支持された棒状素材Wに近づく方向への移動を前進移動と呼び、支持部20に支持された棒状素材Wから遠ざかる方向への移動を後退移動と呼ぶ。
第1モータ34及び第2モータ44の駆動は回転制御装置50により制御される。また、第1油圧シリンダ36及び第2油圧シリンダ46の作動は位置制御装置60により制御される。
第1丸ダイス35及び第2丸ダイス45は同一形状である。図3は、第1丸ダイス35及び第2丸ダイス45(以下、第1丸ダイス35及び第2丸ダイス45を総称するときは、丸ダイス35,45と言う場合もある)の正面図(端面図)である。丸ダイス35,45は円板形状或いは円柱形状をなし、その外周面にダイス歯が形成されている。従って、丸ダイス35,45は、外周面に形成されているダイス歯が支持部20に支持された棒状素材Wの外周面に対面するように、支持部20に支持された棒状素材Wに対して配置される。本実施形態においては、丸ダイス35,45の外周面に成形ダイス歯及び仕上ダイス歯が周方向に沿って形成される。ここで、丸ダイス35,45の外周は図3に示すように第1外周領域Aと第2外周領域Bとを有し、成形ダイス歯が第1外周領域Aに、仕上ダイス歯が第2外周領域Bに、それぞれ形成される。図3からわかるように、第1外周領域Aの周方向長さは第2外周領域Bの周方向長さよりも長い。
図4は、第1外周領域Aに形成される成形ダイス歯T1の形状を示す図であり、図5は、第2外周領域Bに形成される仕上ダイス歯T2の形状を示す図である。図4に示すように、成形ダイス歯T1は、一般的なはすば歯車を転造成形するための歯形形状を有しており、その歯丈がH1で表わされる。一方、図5に示すように、仕上ダイス歯T2の歯丈H2は、成形ダイス歯T1の歯丈よりも短い。
図6は、成形ダイス歯T1と仕上ダイス歯T2とを重ね合わせて示した図である。図6に示すように、成形ダイス歯T1と仕上ダイス歯T2は、歯先部分の形状を除き、同一形状である。すなわち、仕上ダイス歯T2は、成形ダイス歯T1と同一形状の歯から、その歯先面Sを含み歯先面Sから歯丈方向に沿った所定の長さPLまでの領域である歯先領域Pを切除したような形状に形成される。従って、成形ダイス歯T1と仕上ダイス歯T2の歯底形状、歯形等は同一であり、歯先部分のみが異なる。このような2種類の異なるダイス歯(成形ダイス歯T1及び仕上ダイス歯T2)が周方向の異なる領域にそれぞれ形成されるダイスを成形するためには、まず、円板状のダイス素材の全周に亘り成形ダイス歯T1と同一形状のダイス歯を形成する。その後、第2外周領域Bに形成されたダイス歯の歯先領域Pを切削加工する。このようにして容易に、第1外周領域Aに成形ダイス歯T1が形成され第2外周領域Bに仕上ダイス歯T2が形成された丸ダイス35,45を製造することができる。
この場合において、歯先領域Pを大きく切除し過ぎると、後述の仕上加工工程にて加工歯(棒状素材Wの外周面に創成された歯)の歯元に段差やバリが発生する。そのため切除する歯先領域Pの歯丈方向における長さPLは、歯の大きさにもよるが、概ね0.1〜0.5mmであるのがよい。また、歯先領域Pの切除後に、仕上ダイス歯T2の歯先面の角部をバフ研磨等で面取りしておくとよい。
上記構成の転造装置1を用いて棒状素材Wの外周にはすば状の加工歯を成形転造する方法について説明する。まず、初期状態の転造装置1の支持部20に棒状素材Wを支持する。次いで、丸ダイス35,45の第1外周領域Aが棒状素材Wの外周面に対面するように、丸ダイス35,45の回転位置が制御される。その後、第1ホルダ31及び第2ホルダ41が前進移動するように第1油圧シリンダ36及び第2油圧シリンダ46を同時に作動させる。このとき第1ホルダ31と第2ホルダ41が同一速度で前進移動するように、第1油圧シリンダ36の作動及び第2油圧シリンダ46の作動が位置制御装置60により制御される。第1ホルダ31及び第2ホルダ41の前進移動により第1丸ダイス35及び第2丸ダイス45が支持部20に支持された棒状素材Wに互いに反対の方向から同一速度で近づく。そして、第1丸ダイス35の第1外周領域A及び第2丸ダイス45の第1外周領域Aにそれぞれ形成された成形ダイス歯T1が棒状素材Wの外周面に同時に接触する。このため棒状素材Wが第1丸ダイス35と第2丸ダイス45とに挟まれる。
次いで、丸ダイス35,45の成形ダイス歯T1を棒状素材Wの外周面に接触させた状態で第1モータ34及び第2モータ44を同時に駆動させる。第1モータ34の駆動により第1減速機33を介して第1回転軸32及び第1丸ダイス35が回転する。第2モータ44の駆動により第2減速機43を介して第2回転軸42及び第2丸ダイス45が回転する。このとき、第1丸ダイス35と第2丸ダイス45が同一方向に同一回転速度で回転するように、第1モータ34と第2モータ44の回転方向及び回転速度が回転制御装置50で制御される。
第1丸ダイス35と第2丸ダイス45は同一方向に同一回転速度で回転するため、丸ダイス35,45に挟まれた棒状素材Wは丸ダイス35,45との間で生じる摩擦力によって、丸ダイス35,45の回転方向とは反対の方向に連れ回り回転する。これにより成形加工工程が開始される。
成形加工工程の実施中は、棒状素材Wの外周に丸ダイス35,45の第1外周領域Aに形成された成形ダイス歯T1が接触するように、回転制御装置50によって第1モータ34及び第2モータ44の駆動が制御される。また、成形加工工程の実施中は、第1丸ダイス35と棒状素材Wとの軸間距離及び第2丸ダイス45と棒状素材Wとの軸間距離がそれぞれ同一の速度で徐々に狭められるように、位置制御装置60により第1油圧シリンダ36及び第2油圧シリンダ46の作動が制御される。このため成形加工工程時には、第1外周領域Aに形成された成形ダイス歯T1が棒状素材Wの外周面から棒状素材Wの径内方に押し込まれる。このときに発生する押し込み力によって棒状素材Wの外周が塑性加工されることにより、棒状素材Wの外周にはすば状の歯(加工歯)が創成される。
成形加工工程は、棒状素材Wへの成形ダイス歯T1の押し込み量が予め決められた設定量に達するまで実行される。そして、押し込み量が設定量に達した時点で成形加工工程を終了する。その後、棒状素材Wの外周面が丸ダイス35,45の第2外周領域Bに接触するように第1モータ34及び第2モータ44が回転される。また、第1油圧シリンダ36の作動による第1ホルダ31の前進移動動作及び第2油圧シリンダ46の作動による第2ホルダ41の前進移動動作が停止され、丸ダイス35,45と棒状素材Wとの軸間距離が固定される。そして、丸ダイス35,45の第2外周領域Bに形成された仕上ダイス歯T2と棒状素材Wの加工歯が噛み合わされ、その状態で丸ダイス35,45が回転する。これにより仕上加工工程が開始される。
仕上加工工程では、棒状素材Wの外周に形成された加工歯に丸ダイス35,45の第2外周領域Bに形成された仕上ダイス歯T2が噛み合い回転するように、回転制御装置50によって第1モータ34及び第2モータ44の駆動が制御される。仕上加工工程では、仕上ダイス歯T2が加工歯の歯面を擦ることによって、加工歯の歯面精度が向上させられる。このような仕上加工工程の実施時間が予め決められた設定時間に達した時点で、第1モータ34及び第2モータ44の駆動を停止するとともに、第1油圧シリンダ36及び第2油圧シリンダ46を作動させて第1ホルダ31及び第2ホルダ41を後退移動させる。これにより丸ダイス35,45が棒状素材Wから離間する。そして、支持部20から転造された棒状素材Wが取り外される。以上の工程を以て、棒状素材Wの外周面に加工歯が成形転造される。
図7は、成形加工工程の終期における成形ダイス歯T1と棒状素材Wの外周に創成される加工歯T3との噛み合い状態を示す図である。図7の部分R1,R2に示すように、成形ダイス歯T1と加工歯T3はノーバックラッシで噛み合っている。また、成形加工工程時には、成形ダイス歯T1が加工歯T3に押し込まれるため、図7の部分R3に示すように、成形ダイス歯T1の歯先が加工歯T3の歯底に接触している。
インフィード方式による転造では、成形加工工程にて歯が創成された時点以降において、成形ダイス歯T1と棒状素材Wの外周に創成された加工歯T3が噛み合い回転する噛み合い接触状態と、成形ダイス歯T1の歯先が加工歯T3の歯底に接触した状態で棒状素材Wが転動する摩擦転がり接触状態との2種類の接触状態が同時に成立する。このような異なる接触状態が同時に実現された場合、丸ダイス35,45の駆動トルクの周期的な変動が起こり、斯かる駆動トルクの変動によって、成形された加工歯T3の歯すじにうねりが生じる。すなわち、成形加工工程においては、成形ダイス歯T1と加工歯T3が噛み合い回転しているにもかかわらず、成形ダイス歯T1の歯先から加工歯T3の歯底に押し込み力が作用する結果、加工歯T3の歯すじにうねりが生じる。この場合において、加工歯T3の創成後に成形ダイス歯T1の押し込みを停止し、成形ダイス歯T1を用いて加工歯T3の仕上加工工程を実施した場合、歯すじのうねりは若干矯正されるものの、その矯正は十分でない。そこで、本実施形態では、成形ダイス歯T1と歯先形状のみが異なる仕上ダイス歯T2を用いて加工歯の仕上加工工程を実施している。
図8は、仕上加工工程時における仕上ダイス歯T2と棒状素材Wの外周に形成される加工歯T3との噛み合い状態を示す図である。仕上ダイス歯T2は歯先形状を除いて成形ダイス歯T1と同一形状である。従って、仕上加工工程においても成形加工工程と同様に、加工歯T3に対して仕上ダイス歯T2がノーバックラッシで噛み合う。一方、仕上ダイス歯T2の歯丈H2は成形ダイス歯T1の歯丈H1よりも短いため、仕上ダイス歯T2の歯丈H2は、成形ダイス歯T1によって創成された加工歯T3の歯丈よりも短い。従って、図8の部分R6に示すように、仕上加工工程にて、仕上ダイス歯T2の歯先は加工歯T3の歯底に接触していない。
つまり、仕上加工工程時には、仕上ダイス歯T2と加工歯T3との接触状態が噛み合い接触状態であるが、摩擦転がり接触状態ではない。このため加工歯T3には大きな押し込み力が作用しない。よって、押し込み力に起因した丸ダイス35,45の駆動トルクの変動が軽減される。このため加工歯T3の歯すじのうねりが十分に矯正される。加えて、仕上加工工程時には、仕上ダイス歯T2と加工歯T3がノーバックラッシで噛み合っているため、バックラッシの発生に起因した成形精度の悪化も回避される。よって、歯すじのうねりをより一層小さくすることができる。
図9は、成形加工工程時及び仕上加工工程時における丸ダイス35,45上での棒状素材Wの転動軌跡を示す図である。成形加工工程の開始時に棒状素材Wの外周面が丸ダイス35,45の第1外周領域A内のA1で示す位置に接触する。その位置から棒状素材Wは図9に矢印で示すように丸ダイス35,45の第1外周領域A上を時計周り方向に転動する。棒状素材Wが第1外周領域A上を転動することにより成形加工工程が実施される。成形加工工程が進むと、棒状素材Wの外周に加工歯が創成される。加工歯が創成された棒状素材W’はやがて第1外周領域Aと第2外周領域Bとの境界位置ABに達する。棒状素材W’が境界位置ABに達することにより成形加工工程が完了する。その後、棒状素材W’は第2外周領域B上を時計周り方向に転動する。棒状素材W’が外周領域B上を転動することにより仕上加工工程が実施される。そして、棒状素材W’が丸ダイス35,45の外周領域B内のB1で示す位置に達した時点で仕上加工工程が完了する。このようにして、成形加工工程と仕上加工工程が連続的に実施される。
図10は、棒状素材Wの累積回転数と、棒状素材Wの外周面へのダイス歯の押し込み量との関係を示すグラフである。なお、棒状素材Wの累積回転数は、転造の開始(成形加工工程の開始)からの棒状素材Wの丸ダイス35,45上における移動距離(転動距離)を表す。
図10に示すように、転造の開始からの棒状素材Wの累積回転数がN1に達するまでは、成形加工工程が実施される。すなわち棒状素材Wが丸ダイス35,45の第1外周領域A上を転動する。このとき、押し込み量は、素材累積回転数が増加するにつれて増加する。したがって、成形加工工程時に棒状素材Wの外周面に成形ダイス歯T1の押し込み力が作用する。この押し込み力によって棒状素材Wの外周面に加工歯T3が創成される。
素材累積回転数がN1に達した後に、仕上加工工程が実施される。すなわち棒状素材Wが丸ダイス35,45の第2外周領域B上を転動する。このとき押し込み量は変化しない。つまり、棒状素材Wに押し込み力が作用しない。また、上述したように仕上ダイス歯T2の歯先が加工歯T3の歯底に接触していない。よって、成形加工工程にて棒状素材Wへの押し込み力の作用によって生じていた加工歯T3の歯すじのうねりが仕上加工工程にて矯正される。このため加工歯T3の成形精度が向上する。
(変形例)
図11は、上記した実施形態の変形例に係る丸ダイスの正面図(端面図)である。この丸ダイスの外周面には周方向に亘り複数の第1外周領域Aと複数の第2外周領域Bが交互に形成される。具体的には、第1外周領域Aが外周領域A1,外周領域A2及び外周領域A3からなり、第2外周領域Bが外周領域B1,外周領域B2及び外周領域B3からなる。そして、時計周り方向に沿って外周領域A1、外周領域B1、外周領域A2、外周領域B2、外周領域A3、外周領域B3の順で、これらの外周領域が丸ダイスの外周に形成される。外周領域A1,A2,A3の周方向長さはそれぞれ等しく、外周領域B1,B2,B3の周方向長さはそれぞれ等しい。外周領域A1、A2,A3には、それぞれ同一形状の成形ダイス歯T1が形成され、外周領域B1,B2,B3には、それぞれ同一形状の仕上ダイス歯T2が形成される。
図11に示す丸ダイスを用いて棒状素材の外周にはすば状の加工歯を成形転造する場合、例えば図12に示すように、3個の棒状素材W1,W2,W3の外周面をそれぞれ外周領域A1,A2,A3に接触させる。そして、それぞれの棒状素材W1,W2,W3を、それぞれ外周領域A1,A2,A3上で転動させるとともに、成形ダイス歯T1を棒状素材W1,W2,W3の外周から径内方に徐々に押し込む。このとき棒状素材W1,W2,W3の転動方向が反転するように、すなわち時計周り方向(CW方向)及び反時計周り方向(CCW方向)に棒状素材W1,W2,W3が往復するように、丸ダイスの回転方向が制御される。これにより、それぞれの棒状素材W1,W2,W3の外周に加工歯が創成される(成形加工工程)。
棒状素材W1,W2,W3への成形ダイス歯T1の押し込み量が所定量に達した後に、外周面に加工歯が創成されたそれぞれの棒状素材W1’、W2’,W3’を外周領域B1,B2,B3上に移動させるとともに、外周領域B1、B2,B3上で転動させる。このとき棒状素材W1’、W2’,W3’の転動方向が反転するように丸ダイスの回転方向が制御される。これにより、それぞれの棒状素材W1’、W2’,W3’の外周面に形成された加工歯の精度が向上する。そして、予め決められた回数だけ棒状素材W1’、W2’,W3’が外周領域B1,B2,B3上を往復した後に、仕上加工工程を完了させる。
図13は、変形例に係る丸ダイスを用いて成形加工工程と仕上加工工程を実施した場合における、棒状素材W1,W2,W3の累積回転数と、棒状素材W1,W2,W3へのダイス歯の押し込み量との関係を示すグラフである。図13に示すように、転造の開始から素材累積回転数がN1に達するまでは、成形加工工程が実施される。すなわち棒状素材W1,W2,W3が丸ダイス35,45の第1外周領域A上を転動する。このとき、押し込み量は、素材累積回転数が増加するにつれて増加する。したがって、成形加工工程時に棒状素材W1,W2,W3の外周面に成形ダイス歯T1の押し込み力が作用する。この押し込み力によって棒状素材W1,W2,W3の外周面に加工歯T3が創成される。
素材累積回転数がN1に達した後に、仕上加工工程が実施される。仕上加工工程の実施中は、押し込み量は変化しない。つまり、棒状素材W1’,W2’,W3’に押し込み力が作用しない。また、本例でも上記実施形態と同様に、仕上ダイス歯の歯先が加工歯の歯底に接触していない。よって、成形加工工程にて棒状素材W1’,W2’,W3’への押し込み力の作用によって生じていた加工歯の歯すじのうねりが仕上加工工程にて矯正される。このため加工歯の成形精度が向上する。
また、図13からわかるように、成形加工工程時も仕上加工工程時も、棒状素材の回転動作が反転している。このように棒状素材の回転動作を反転させることにより、加工歯の両歯面の形状を精度良く成形することができる。また、本例によれば、一つの丸ダイスを用いて複数個(本例では3個)の棒状素材を同時に成形転造できる。加えて、丸ダイスの周方向に亘り摩耗量を均一にすることができる。
以上のように、本実施形態に係る転造装置1は、インフィード方式により棒状素材の外周面にはすば状の加工歯を成形転造する。この転造装置1は、棒状素材Wを軸周り回転可能に支持する支持部20と、外周にダイス歯が形成されるとともに支持部20に支持された棒状素材Wの軸方向に平行な回転軸周りを回転可能であり、ダイス歯が支持部に支持された棒状素材Wの外周面に対面するように配置された丸ダイス35,45と、丸ダイス35,45を回転駆動させる第1モータ34及び第2モータ44と、丸ダイス35,45と支持部20に支持された棒状素材Wとの軸間距離が変化するように、丸ダイス35,45の回転軸の軸方向に直交する方向(X方向)に丸ダイス35,45を移動させる第1油圧シリンダ36及び第2油圧シリンダ46と、を備える。また、ダイス歯は、棒状素材Wの外周面に加工歯T3を創成する成形ダイス歯T1及び加工歯T3と噛み合い回転することにより加工歯T3の歯面精度を向上させる仕上ダイス歯T2とを有する。そして、仕上ダイス歯T2は、加工歯T3の歯底に歯先が接触しないような形状に形成されている。また、仕上ダイス歯T2の歯丈が成形ダイス歯T1の歯丈よりも短く形成されている。さらに、仕上ダイス歯T2が、成形ダイス歯T1と同一形状の歯からその歯先面を含む歯先領域Pを切除することにより形成される。
また、本実施形態に係る転造方法は、回転可能に支持された棒状素材Wの外周面に丸ダイス35,45の外周に形成された成形ダイス歯T1を接触させた状態で丸ダイス35,45を回転させるとともに、成形ダイス歯T1を棒状素材Wの外周面から棒状素材の径内方に押し込むことによって、棒状素材Wの外周面に加工歯を創成する成形加工工程と、丸ダイス35,45の外周に形成された仕上ダイス歯T2を棒状素材Wの外周面に創成された加工歯T3に噛み合わせ、その状態で丸ダイス35,45を回転させることによって、加工歯T3の歯面精度を向上させる仕上加工工程と、を含む。そして、仕上加工工程にて、仕上ダイス歯T2の歯先が加工歯T3の歯底に接触しないように仕上ダイス歯T2と加工歯T3とが噛み合わされる。
本実施形態によれば、インフィード方式による転造に用いる丸ダイス35,45の外周に成形ダイス歯T1と仕上ダイス歯T2との2種類の異なる形状のダイス歯を形成し、加工歯T3の創成時(成形加工時)には成形ダイス歯T1を使用し、加工歯T3の仕上時(仕上加工時)には仕上ダイス歯T2を使用する。また、仕上ダイス歯T2は、加工歯T3の歯底に歯先が接触しないように形成される。したがって、仕上加工時には、仕上ダイス歯T2の歯先が加工歯T3の歯底に接触することはなく、それ故に、仕上加工時に丸ダイス35,45から棒状素材Wに押し込み力が作用しない。よって、従来のインフィード方式による転造において生じていた周期的なトルク変動の大きさを軽減することができ、ひいてはトルク変動によって生じていた歯すじのうねりを十分に矯正することができる。
また、本実施形態に係る転造装置1によれば、仕上ダイス歯T2が加工歯T3とノーバックラッシで噛み合うように形成される。同様に、本実施形態に係る転造方法によれば、仕上加工工程にて、仕上ダイス歯T2が加工歯T3とノーバックラッシで噛み合わされる。このためバックラッシの存在による歯面精度の悪化を回避することができる。よって、加工歯の歯面精度をより向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、成形加工工程にて棒状素材Wに押し込み力を作用させ、一方、仕上加工工程にて棒状素材Wに押し込み力を作用させないような転造方法について説明したが、図14のグラフに示すように、仕上加工工程の初期段階では押し込み力が棒状素材Wに作用させても良い。つまり、仕上加工工程の最終段階で押し込み力が棒状素材Wに加えられていなければ良い。また、上記実施形態では、一対のダイスを用いて棒状素材を転造する例について説明したが、一つのダイスにより棒状素材を転造してもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて変形可能である。
1…転造装置、10…ベースプレート、20…支持部、21…ヘッドストック、22…テールストック、23…エアシリンダ、30…第1ダイスユニット、31…第1ホルダ、32…第1回転軸、33…第1減速機、34…第1モータ(回転駆動装置)、35…第1丸ダイス、36…第1油圧シリンダ(移動装置)、40…第2ダイスユニット、41…第2ホルダ、42…第2回転軸、43…第2減速機、44…第2モータ(回転駆動装置)、45…第2丸ダイス、46…第2油圧シリンダ(移動装置)、50…回転制御装置、60…位置制御装置、A…外周領域、B…外周領域、P…歯先領域、T1…成形ダイス歯、T2…仕上ダイス歯、T3…加工歯、W…棒状素材

Claims (3)

  1. インフィード方式により棒状素材の外周面にはすば状の加工歯を成形転造する転造装置であって、
    棒状素材を軸周り回転可能に支持する支持部と、
    外周にダイス歯が形成されるとともに前記支持部に支持された棒状素材の軸方向に平行な回転軸周りを回転可能であり、前記ダイス歯が前記支持部に支持された棒状素材の外周面に対面するように配置された丸ダイスと、
    前記丸ダイスを回転駆動させる回転駆動装置と、
    前記丸ダイスと前記支持部に支持された棒状素材との軸間距離が変化するように、前記丸ダイスの回転軸方向に直交する方向に前記丸ダイスを移動させる移動装置と、を備え、
    前記ダイス歯が、棒状素材の外周面に前記加工歯を創成する成形ダイス歯及び前記加工歯と噛み合い回転することにより前記加工歯の歯面精度を向上させる仕上ダイス歯とを有し、前記仕上ダイス歯が、前記成形ダイス歯と同一形状の歯からその歯先面を含む歯先領域を切除することにより、前記加工歯の歯底に歯先が接触しないような形状に形成されている、転造装置。
  2. 請求項1に記載の転造装置において、
    前記仕上ダイス歯の歯丈が前記成形ダイス歯の歯丈よりも短く形成されている、転造装置。
  3. 請求項1又は2に記載の転造装置において、
    前記仕上ダイス歯が、前記加工歯とノーバックラッシで噛み合うように形成される、転造装置。
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