JP5549527B2 - 溝加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークの被加工部に溝を形成するための溝加工方法に関する。
ガスタービン部品等の機械部品を製作する際には、機械部品の素材となるワークの被加工部に溝を形成することがよくあり、図9(a)(b)及び図7(a)(b)を参照しながら、ワークWの被加工部Pに対して、ワークWの一端側(右端側)から他端側(左端側)にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝Fを形成するための一般的な溝加工方法について簡単に説明すると、次のようになる。
即ち、図9(a)(b)に示すように、前記所定の幅寸法(溝Fの幅寸法)と同じ外径寸法を有した切削工具としてのエンドミルTを用い、エンドミルTを軸心(エンドミルTの軸心)Tc周りに回転させる。そして、エンドミルTに均一な軸方向の切込みを与えつつ、エンドミルTをワークWの一端側から他端側に向かってワークWに対して相対的に送り移動させる。これにより、図7(a)(b)に示すように、ワークWの被加工部Pに切削加工を施して、均一な深さの溝Fを形成することができる。
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献4に示すものがある。
特開2000ー141120号公報 特開2004−202688号公報 特開2008−213127号公報 特開2008−279547号公報
ところで、チタン合金、ニッケル合金、ステンレス合金等の難削材からなるワークWの被加工部Pに溝Fを形成する場合において、図10に示すように、ワークWの被処理部Pの切削加工が進行して、ワークWの被加工部Pの残り部分(未切削部分)の長さ寸法が短くなると(具体的には、ワークWの被加工部Pの長さ寸法が溝Fの深さ寸法に近づいたり、又は溝Fの深さ寸法以下になったりすると)、ワークWの被加工部Pの残り部分がエンドミルTの押す力(エンドミルTの送り移動に伴う力)によってワークWの一端側に倒れ込むように塑性変形し、ワークWの被加工部Pの残り部分におけるエンドミルT側の加工硬化が増大してしまう。そのため、エンドミルTに歯欠け等の損傷が生じて、エンドミルTの長寿命化を図ることが困難になるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の溝加工方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、ワークの被加工部に溝を形成するための溝加工方法において、前記溝の幅寸法と同じ外径寸法を有した切削工具を用い、前記切削工具を軸心周りに回転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動(送り往動)させることにより、前記ワークの前記被加工部に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって漸次浅くなるような凹部を形成する第1切削工程と、前記第1切削工程の終了後、前記切削工具を軸心周りに回転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの他端側から一端側又は中間側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動(送り復動)させることにより、前記ワークの前記凹部(前記ワークの前記被加工部)に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に前記溝を形成する第2切削工程と、を備えたことを要旨とする。
第1の特徴によると、溝加工方法は、前記切削工具を前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させる前記第1切削工程と、前記切削工具を前記ワークの他端側から一端側又は中間側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させる前記第2切削工程とを備え、前記第1切削工程中及び前記第2切削工程中に前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、前記ワークの前記被加工部の切削加工が進行して、前記ワークの前記被加工部の残り部分(未切削部分)の長さ寸法が短くなっても、前記ワークの前記被加工部の前記残り部分が前記エンドミルTの押す力(前記切削工具の送り移動に伴う力)によって倒れ込むように塑性変形することがなく、前記ワークの前記被加工部の前記残り部分における前記切削工具側の加工硬化を十分に抑えることができる。
また、前記第1切削工程中及び前記第2切削工程中に、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、前記切削工具における境界摩耗の発生箇所を変化させることができる。
本発明の第2の特徴は、ワークの被加工部に溝を形成するための溝加工方法において、前記溝の幅寸法よりも小さい外径寸法を有した切削工具を用い、前記切削工具を軸心周りに回転させかつ公転(トロコイド動作)させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動(送り往動)させることにより、前記ワークの前記被加工部に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって漸次浅くなるような凹部を形成する第1切削工程と、前記第1切削工程の終了後、前記切削工具を軸心周りに回転させかつ公転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの他端側から一端側又は中間側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動(送り復動)させることにより、前記ワークの前記凹部(前記ワークの前記被加工部)に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に対して前記溝を形成する第2切削工程と、を備えたことを要旨とする。
第2の特徴によると、溝加工方法は、前記切削工具を前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させる前記第1切削工程と、前記切削工具を前記ワークの他端側から一端側又は中間側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させる前記第2切削工程とを備え、前記第1切削工程中及び前記第2切削工程中に前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、前記ワークの前記被加工部の残り部分の長さ寸法が短くなっても、前記ワークの前記被加工部の前記残り部分が前記エンドミルTの押す力によって倒れ込むように塑性変形することがなく、前記ワークの前記被加工部の前記残り部分における前記切削工具側の加工硬化を十分に抑えることができる。
また、前記第1切削工程中及び前記第2切削工程中に、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、前記切削工具における境界摩耗の発生箇所を変化させることができる。
本発明の第1及び第2の特徴によれば、前記ワークの前記被加工部の切削加工が進行して、前記ワークの前記被加工部の前記残り部分の長さ寸法が短くなっても、前記ワークの前記被加工部の前記残り部分における前記切削工具側の加工硬化を十分に抑えることができるため、前記切削工具に歯欠け等の損傷が生じ難くなり、前記切削工具の長寿命化を図ることができる。特に、前記切削工具における境界摩耗の発生箇所を変化させることができるため、前記切削工具の長寿命化をより十分に図ることができる。
図1(a)(b)は、第1実施形態に係る溝加工方法における第1切削工程を説明する平面図と断面図である。 図2(a)(b)は、第1実施形態に係る溝加工方法における第2切削工程を説明する平面図と断面図である。 図3(a)(b)は、第2実施形態に係る溝加工方法における第1切削工程を説明する平面図と断面図である。 図4(a)(b)は、第2実施形態に係る溝加工方法における第2切削工程を説明する平面図と断面図である。 図5(a)(b)は、第2実施形態に係る溝加工方法における第3切削工程を説明する平面図と断面図である。 図6は、実施形態に係るマシニングセンタの斜視図である。 図7(a)(b)は、ワークの一端側から他端側にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝が形成された様子を示す平面図と断面図である。 図8(a)(b)は、ワークの中間側から他端側にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝が形成された様子を示す平面図と断面図である。 図9(a)(b)は、一般的な溝加工方法を説明する平面図と断面図である。 図10は、発明が解決しようとする課題を説明する断面図である。
以下、実施形態に係るマシニングセンタの構成、第1実施形態に係る溝加工方法の構成等、及び本発明の実施形態に係る溝加工方法の構成等について図1から図8を参照して順次説明する。
(実施形態に係るマシニングセンタ)
図6に示すように、実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)に係るマシニングセンタ1は、後述の実施形態に係る溝加工方法に使用されるものであって、Y軸方向(換言すれば、前後方向)へ延びたベッド3を備えており、このベッド3の後部には、コラム5が立設されている。また、ベッド3には、ワークWをセット可能なテーブル7がY軸方向へ移動可能に設けられており、ベッド3の後部の適宜位置には、テーブル7をY軸方向へ移動させるY軸モータ9が設けられている。
コラム5には、サドル11がX軸方向(換言すれば、左右方向)へ移動可能に設けられており、コラム5の左部には、サドル11をX軸方向へ移動させるX軸モータ13が設けられている。また、サドル11には、スピンドルヘッド15がZ軸方向(換言すれば、上下方向)へ移動可能に設けられており、サドル11の上部には、スピンドルヘッド15をZ軸方向へ移動させるZ軸モータ17が設けられている。
スピンドルヘッド15には、スピンドル19が軸心(スピンドル19の軸心)周りに回転可能に設けられており、スピンドルヘッド15の上部には、スピンドル19を軸心周りに回転させる回転モータ21が設けられている。また、スピンドル19の先端部(下端部)には、切削工具としてエンドミルT(TS)が同心状に着脱可能に設けられている。
ここで、テーブル7にワークWをセットしかつスピンドル19の先端部にエンドミルT(TS)を装着した状態で、Y軸モータ9の駆動によりテーブル7をY軸方向へ移動させると、エンドミルT(TS)をワークWに対して相対的にY軸方向へ移動させることになる。同様に、X軸モータ13の駆動によりサドル11をX軸方向へ移動させると、エンドミルT(TS)をワークWに対して相対的にX軸方向へ移動させることになり、Z軸モータ17の駆動によりスピンドルヘッド15をZ軸方向へ移動させると、エンドミルT(TS)をワークWに対して相対的にZ軸方向へ移動させることになる。更に、スピンドル19の先端部にエンドミルT(TS)を装着した状態で、回転モータ21の駆動によりスピンドル19を軸心周りに回転させると、エンドミルT(TS)を軸心Tc(TSc)周りに回転させることになる(図1(a)及び図3(a)参照)。
(第1実施形態に係る溝加工方法)
第1実施形態に係る溝加工方法は、図7(a)(b)に示すように、ワークWの被加工部Pに対して、ワークWの一端側(右端側)から他端側(左端側)にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝Fを形成するための方法であって、(1-1)第1切削工程及び(1-2)第2切削工程を備えている。そして、各工程の具体的な構成は、次のようになる。
(1-1)第1切削工程
スピンドル19の先端部に所定の幅寸法(溝Fの幅寸法)と同じ外径寸法を有したエンドミルTを装着すると共に、ワークWをテーブル7にセットする。次に、Y軸モータ9、X軸モータ13、及びZ軸モータ17の駆動によりエンドミルTをY軸方向、X軸方向、及びZ軸方向へワークWに対して相対的に移動させて、ワークWの被加工部Pの一方側(右方側)でかつ溝Fの深さ寸法に応じた高さに位置させる。更に、回転モータ21の駆動によりエンドミルTを軸心Tc周りに回転させる。そして、図1(a)(b)に示すように、エンドミルTを軸心Tc周りに回転させた状態で、エンドミルTの軸方向の切込み量(換言すれば、Z軸方向の切込み量)を溝Fの深さ寸法に応じた切込み量から0になるか又は0に近づくまで漸次小さくしつつ、X軸モータ13の駆動によりエンドミルTをワークWの一端側から他端側に向かってX軸方向(左方向)へワークWに対して相対的に送り移動(送り往動)させる。これにより、ワークWの被加工部Pに切削加工を施して、ワークWの被加工部Pに対して、ワークWの一端側から他端側に向かって漸次浅くなるような凹部Gを形成することができる。
ここで、エンドミルTの送り往動中に、エンドミルTの軸方向の切込み量を漸次小さくするために、Z軸モータ17の駆動によりエンドミルTをZ軸方向(上方向)へワークWに対して相対的に移動させている。なお、「エンドミルTの軸方向の切込み量を漸次小さくする」とは、エンドミルTの軸方向の切込み量を直線的に漸次小さくしたり、曲線的に漸次小さくしたり、又はステップ的に漸次小さくしたりすることを含む意である。
(1-2)第2切削工程
前記(1-1)第1切削工程の終了後に、X軸モータ13及びZ軸モータ17の駆動によりエンドミルTをX軸方向及びZ軸方向へワークWに対して相対的に移動させて、ワークWの被加工部Pの他方側(左方側)でかつ溝Fの深さ寸法に応じた高さに位置させる。そして、図2(a)(b)に示すように、回転モータ21の駆動によりエンドミルTを軸心Tc周りに回転させた状態で、エンドミルTの軸方向の切込み量を溝Fの深さ寸法に応じた切込み量から0になるか又は0に近づくまで漸次小さくしつつ、X軸モータ13の駆動によりエンドミルTをワークWの他端側から一端側に向かってX軸方向(右方向)へワークWに対して相対的に送り移動(送り復動)させる。これにより、ワークWの凹部G(凹部Gの底面)に切削加工を施して、ワークWの被加工部Pに均一な深さ寸法の溝Fを形成することができる。
ここで、エンドミルTの送り復動中に、エンドミルTの軸方向の切込み量を漸次小さくするために、ワークWに対するエンドミルTのZ軸方向の位置を一定に保っている。
なお、図8(a)(b)に示すように、ワークWの中間側から他端側にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝Fを形成するために、第1実施形態に係る溝加工法を適用しても構わない。この場合には、前記(1-1)第1切削工程において、エンドミルTをワークWの中間側から他端側に向かってX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させると共に、前記(1-2)第2切削工程において、エンドミルTをワークWの他端側から中間側に向かってX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させることになる。
また、前記(1-1)第1切削工程及び前記(1-2)第2切削工程を交互に繰り返して、溝Fの幅を拡大することも可能である。
続いて、第1実施形態に係る溝加工方法の作用及び効果について説明する。
第1実施形態に係る溝加工方法は、エンドミルTをワークWの一端側から他端側に向かってX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させる前記(1-1)第1切削工程と、エンドミルTをワークWの他端側から一端側に向かってX軸方向ワークに対して相対的に送り移動させる前記(1-2)第2切削工程とを備え、前記(1-1)第1切削工程中及び前記(1-2)第2切削工程中にエンドミルTの軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、ワークWの被加工部Pの切削加工が進行して、ワークWの被加工部Pの残り部分(未切削部分)の長さ寸法が短くなっても(具体的には、ワークWの被加工部Pの残り部分の長さ寸法が溝Fの深さ寸法に近づいたり、又は溝Fの深さ寸法以下になったりしても)、ワークWの被加工部Pの残り部分がエンドミルTの押す力(エンドミルTの送り移動に伴う力)によって倒れ込むように塑性変形することがなく、ワークWの被加工部Pの残り部分におけるエンドミルT側の加工硬化を十分に抑えることができる。
また、前記(1-1)第1切削工程中及び前記(1-2)第2切削工程中に、エンドミルTの軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、エンドミルTにおける境界摩耗の発生箇所を変化させることができる。
従って、第1実施形態に係る溝加工方法によれば、ワークWの被加工部Pの切削加工が進行して、ワークWの被加工部Pの残り部分の長さ寸法が短くなっても、ワークWの被加工部Pの残り部分におけるエンドミルT側の加工硬化を十分に抑えることができるため、エンドミルTに歯欠け等の損傷が生じ難くなり、エンドミルTの長寿命化を図ることができる。特に、エンドミルTにおける境界摩耗の発生箇所を変化させることができるため、エンドミルTの長寿命化をより十分に図ることができる。
(第2実施形態に係る溝加工方法)
第2実施形態に係る溝加工方法は、第1実施形態に係る溝加工方法と同様に、ワークWの被加工部Pに対して、ワークWの一端側(右端側)から他端側(左端側)にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝Fを形成するための方法であって、(2-1)第1切削工程、(2-2)第2切削工程、及び(2-3)第3切削工程を備えている。そして、各工程の具体的な構成は、次のようになる。
(2-1)第1切削工程
スピンドル19の先端部に所定の幅寸法(溝Fの幅寸法)よりも小さい外径寸法を有したエンドミルTSを装着すると共に、ワークWをテーブル7にセットする。次に、Y軸モータ9、X軸モータ13、及びZ軸モータ17の駆動によりエンドミルTSをY軸方向、X軸方向、及びZ軸方向へワークWに対して相対的に移動させて、ワークWの被加工部Pの一方側(右方側)でかつ溝Fの深さ寸法に応じた高さに位置させる。更に、回転モータ21の駆動によりエンドミルTSを軸心TSc周りに回転させると共に、Y軸モータ9及びX軸モータ13の駆動を制御してエンドミルTSを公転(トロコイド運動)させる。そして、図3(a)(b)に示すように、エンドミルTSを軸心TSc周りに回転させかつ公転させた状態で、エンドミルTSの軸方向の切込み量(換言すれば、Z軸方向の切込み量)を溝Fの深さ寸法に応じた切込み量から0になるか又は0に近づくまで漸次小さくしつつ、X軸モータ13の駆動によりエンドミルTSをワークWの一端側から他端側に向かってX軸方向(左方向)へワークWに対して相対的に送り移動(送り往動)させる。これにより、ワークWの被加工部Pに切削加工を施して、ワークWの被加工部Pに対して、ワークWの一端側から他端側に向かって漸次浅くなるような凹部Gを形成することができる。
ここで、エンドミルTSの送り往動中に、エンドミルTSの軸方向の切込み量を漸次小さくするために、Z軸モータ17の駆動によりエンドミルTSをZ軸方向(上方向)へワークWに対して相対的に移動させている。また、エンドミルTSの1公転毎にエンドミルTSにワークWに対する送り(X軸方向の切込み量)を与えている。なお、「エンドミルTSの軸方向の切込み量を漸次小さくする」とは、エンドミルTSの軸方向の切込み量を直線的に漸次小さくしたり、曲線的に漸次小さくしたり、或いはステップ的に漸次小さくしたりすることを含む意である。
(2-2)第2切削工程
前記(2-1)第1切削工程の終了後に、Y軸モータ9、X軸モータ13、及びZ軸モータ17の駆動によりエンドミルTSをY軸方向、X軸方向、及びZ軸方向へワークWに対して相対的に移動させて、ワークWの被加工部Pの他方側(左方側)でかつ溝Fの深さ寸法に応じた高さに位置させる。そして、図4(a)(b)に示すように、回転モータ21等の駆動によりエンドミルTSを軸心TSc周りに回転させかつ公転させた状態で、エンドミルTSの軸方向の切込み量を溝Fの深さ寸法に応じた切込み量から0になるか又は0に近づくまで漸次小さくしつつ、X軸モータ13の駆動によりエンドミルTSをワークWの他端側から一端側に向かってX軸方向(右方向)へワークWに対して相対的に送り移動(送り復動)させる。これにより、ワークWの凹部G(凹部Gの底面)に切削加工を施して、ワークWの被加工部Pに均一な深さの溝Fを形成することができる。
ここで、エンドミルTSの送り復動中に、エンドミルTSの軸方向の切込み量を漸次小さくするために、ワークWに対するエンドミルTSのZ軸方向の位置を一定に保っている。また、エンドミルTSの1公転毎にエンドミルTSにワークWに対する送り(X軸方向の切込み量)を与えている。
(2-3)第3切削工程(仕上げ工程)
前記(2-2)第2切削工程の終了後に、Y軸モータ9、X軸モータ13、及びZ軸モータ17の駆動によりエンドミルTSをY軸方向、X軸方向、及びZ軸方向へワークWに対して相対的に移動させて、溝Fの一側壁面の一方側(右方側)でかつ溝Fの深さ寸法に応じた高さに位置させる。そして、図5(a)(b)に示すように、回転モータ21の駆動によりエンドミルTSを軸心TSc周りに回転させた状態で、X軸モータ13の駆動によりエンドミルTSを溝Fの一側壁面に沿ってX軸方向(左方向)へワークWに対して相対的に送り移動させる。これにより、溝Fの一側壁面に切削加工を施すことができる。
溝Fの一側壁に対して切削加工を施した後に、Y軸モータ9及びX軸モータ13の駆動によりエンドミルTSをY軸方向及びX軸方向へワークWに対して相対的に移動させて、溝Fの他側壁面の他方側(左方側)でかつ溝Fの深さ寸法に応じた高さに位置させる。そして、図5(a)(b)に示すように、回転モータ21の駆動によりエンドミルTSを軸心TSc周りに回転させた状態で、X軸モータ13の駆動によりエンドミルTSを溝Fの他側壁面に沿ってX軸方向(右方向)へワークWに対して相対的に送り移動させる。これにより、溝Fの他側壁面に切削加工を施して、溝Fの幅寸法を所定の幅寸法(目標寸法)に仕上げるすことができる。
なお、図8(a)(b)に示すように、ワークWの中間側から他端側にかけて延びかつ所定の幅寸法を有した溝Fを形成するために、第2実施形態に係る溝加工法を適用しても構わない。この場合には、前記(2-1)第1切削工程において、エンドミルTSをワークWの中間側から他端側に向かってX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させると共に、前記(2-2)第2切削工程において、エンドミルTSをワークWの他端側から中間側に向かってX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させることになる。
続いて、第2実施形態に係る溝加工方法の作用及び効果について説明する。
第2実施形態に係る溝加工方法は、エンドミルTSをワークWの一端側から他端側に向かってX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させる前記(2-1)第1切削工程と、エンドミルTSをワークWの他端側から一端側に向かってX軸方向ワークに対して相対的に送り移動させる前記(2-2)第2切削工程とを備え、前記(2-1)第1切削工程中及び前記(2-2)第2切削工程中にエンドミルTSの軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、ワークWの被加工部Pの切削加工が進行して、ワークWの被加工部Pの残り部分の長さ寸法が短くなっても、ワークWの被加工部Pの残り部分がエンドミルTSの押す力によって倒れ込むように塑性変形することがなく、ワークWの被加工部Pの残り部分の加工硬化を十分に抑えることができる。
また、前記(2-1)第1切削工程中及び前記(2-2)第2切削工程中に、エンドミルTSの軸方向の切込み量を漸次小さくしているため、エンドミルTSにおける境界摩耗の発生箇所を変化させることができる。
更に、前記(2-1)第1切削工程中及び前記(2-2)第2切削工程中に、エンドミルTSを軸心TSc周りに回転させかつ公転させた状態で、エンドミルTSをX軸方向へワークWに対して相対的に送り移動させているため、エンドミルTSとワークWとの接触面積(接触距離)を小さくして、切削加工中におけるエンドミルTSの温度上昇を抑えることができる。
従って、第2実施形態に係る溝加工方法によれば、ワークWの被加工部Pの切削加工が進行して、ワークWの被加工部Pの残り部分の長さ寸法が短くなっても、ワークWの被加工部Pの残り部分の加工硬化を十分に抑えることができるため、エンドミルTSに歯欠け等の損傷が生じ難くなり、エンドミルTSの長寿命化を図ることができる。特に、エンドミルTSにおける境界摩耗の発生箇所を変化させることができると共に、切削加工中におけるエンドミルTSの温度上昇を抑えることができるため、エンドミルTSの長寿命化をより十分に図ることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものでなく、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
W ワーク
P 被加工部
F 溝
G 凹部
T エンドミル
Tc エンドミルの軸心
TS エンドミル
TSc エンドミルの軸心
1 マシニングセンタ
3 ベッド
5 コラム
7 テーブル
9 Y軸モータ
11 サドル
13 X軸モータ
15 スピンドルヘッド
17 Z軸モータ
19 スピンドル
21 回転モータ

Claims (4)

  1. ワークの被加工部に溝を形成するための溝加工方法において、
    前記溝の幅寸法と同じ外径寸法を有した切削工具を用い、前記切削工具を軸心周りに回転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させることにより、前記ワークの前記被加工部に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって漸次浅くなるような凹部を形成する第1切削工程と、
    前記第1切削工程の終了後、前記切削工具を軸心周りに回転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの他端側から一端側又は中間側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させることにより、前記ワークの前記凹部に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に対して前記溝を形成する第2切削工程と、を備えたことを特徴とする溝加工方法。
  2. ワークの被加工部に溝を形成するための溝加工方法において、
    前記溝の幅寸法よりも小さい外径寸法を有した切削工具を用い、前記切削工具を軸心周りに回転させかつ公転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させることにより、前記ワークの前記被加工部に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に前記ワークの一端側又は中間側から他端側に向かって漸次浅くなるような凹部を形成する第1切削工程と、
    前記第1切削工程の終了後、前記切削工具を軸心周りに回転させかつ公転させた状態で、前記切削工具の軸方向の切込み量を漸次小さくしつつ、前記切削工具を前記ワークの他端側から一端側又は中間側に向かって前記ワークに対して相対的に送り移動させることにより、前記ワークの前記凹部に切削加工を施して、前記ワークの前記被加工部に対して前記溝を形成する第2切削工程と、を備えたことを特徴とする溝加工方法。
  3. 前記第2切削工程の終了後に、前記切削工具を軸心周りに回転させた状態で、前記切削工具を前記溝の各側壁面に沿って前記ワークに対して相対的に送り移動させることにより、前記溝の各側壁面に切削加工を施して、前記溝の幅寸法を目標寸法に仕上げる第3切削工程と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の溝加工方法。
  4. 前記第1切削工程中及び前記第2切削工程中に、前記切削工具の1公転毎に前記切削工具を前記ワークに対する送りを与えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の溝加工方法。
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