JP6303802B2 - 塗布膜製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布ユニットと乾燥ユニットとを備える塗布膜製造装置に関する。
塗布膜製造装置として、塗布工程を行う塗布ユニットと、乾燥工程を行う乾燥ユニットとが連続配置されたものがある(特許文献1参照)。この種の塗布膜製造装置は、塗布工程において、ダイによって被塗布基材上に塗布膜を成膜する。塗布工程の後に、塗布膜を乾燥工程に搬送し、塗布膜を乾燥させる。特許文献1の技術では乾燥工程の前にプレ乾燥工程をさらに設けることによって、塗布膜表面の乾燥を促進させている。
特開2012−166549号公報
しかしながら、塗布膜表面の乾燥を過剰に促進させると、急激な乾燥によって膜表面が収縮してしまい、塗布膜にクラックや剥離、ピンホールなどの欠陥が発生してしまう。したがって、適切な環境で乾燥を行う必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、塗布成膜後の膜表面の過剰な乾燥を抑止して、塗布膜の欠陥の発生を防止するとともに、塗布成膜後の膜表面を外気流から保護することができる塗布膜製造装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る塗布膜製造装置は、被塗布基材上に塗布成膜する塗布ユニットと、前記塗布ユニットの後流側に連続配置され成膜された塗布膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を有する。塗布膜製造装置は、前記塗布ユニットの塗布部から前記乾燥ユニットの入口までの領域に配設され、前記被塗布基材上の前記塗布膜の表面側を覆う保護カバーと、前記保護カバーの外側にエアーを流すためのエアーブロー部と、を有する。前記エアーブロー部は、吹付けるエアーの温度を調整する機能を有する温度調整部と、吹付けるエアーの流量を調整する機能を有する流量調整部と、を備える。前記乾燥ユニットからの漏洩熱風の風速を検出する風速計、および漏洩熱風の温度を検出する温度計を備え、前記風速計および前記温度計の検出値に基づいて、前記エアーブロー部の吐出エアーの流量および温度をフィードバック制御することによって、前記塗布ユニット内の雰囲気温度を一定にし、前記乾燥ユニットへの冷却エアーの侵入を防止する。
上記目的を達成するための本発明に係る塗布膜製造装置は、被塗布基材上に塗布成膜する塗布ユニットと、前記塗布ユニットの後流側に連続配置され成膜された塗布膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を有する塗布膜製造装置である。前記塗布ユニットの塗布部から前記乾燥ユニットの入口までの領域に配設され、前記被塗布基材上の前記塗布膜の表面側を覆う保護カバーと、前記保護カバーの外側にエアーを流すためのエアーブロー部と、前記塗布ユニットの前記乾燥ユニットの前記入口側の天井部に設けられたエアーの排気口と、前記排気口へ向けてエアーを巻き上げるためのエアー巻き上げノズルと、を有する。
本発明に係る塗布膜製造装置は、塗布ユニットの塗布部から乾燥ユニットの入口までの領域を保護カバーで覆っている。塗布部から乾燥ユニットの入口までの領域を保護カバーで覆うことによって、塗布成膜後の膜表面の過剰な乾燥を抑制し、塗布膜の欠陥の発生を防止することができる。また、エアーブロー部により、保護カバーの外側にエアーを吹き付けている。保護カバーの外側にエアーを吹き付けることによって、保護カバー内への外気流の侵入を防止するので、塗布成膜後の膜表面を外気流から保護することができる。
第1実施形態に係る塗布膜製造装置の模式図である。 第1実施形態に係る塗布膜製造装置の模式的な斜視図である。 第1実施形態において、保護カバーの幅方向長さの関係の説明に供する図である。 図4(a)〜(c)は第1実施形態において、多ノズル設置型の模式図、図4(d)は単一ノズル設置型の模式図、図4(e)はエアーノズルの吐出口の正面図である。 第1実施形態におけるエアーノズルの設置角度の説明に供する図である。 第1実施形態における排気口の形状の模式図である。 第1実施形態におけるエアー制御系の説明に供する図である。 図8(a)は第1実施形態における両側開閉式のメッシュサイズ自動切り替え機構の平面図、図8(b)は正面図である。 第1実施形態における片側開閉式のメッシュ自動切り替え機構の正面図である。 第1実施形態において、冷却エアーによる塗布表面の乾燥抑止効果の説明に供する図である。 第1実施形態おいて、エアーノズルの冷却エアー、および保護カバーによるジェット効果の説明に供する図である。 第1実施形態に係る塗布膜製造装置におけるエアーフローの説明に供する図である。 第1実施形態において、メッシュ部材のメッシュサイズを基材進行方向に変更した場合の効果の説明に供する図である。 第1実施形態において、メッシュ部材のメッシュサイズを塗布膜幅方向に変更した場合の効果の説明に供する図である。 第2実施形態において、エアーノズルを水平に設置する場合の模式図である。 図16(a)はCCM塗布液の状態、図16(b)はCCM塗布液の揮発中の状態、図16(c)はCCM塗布膜の状態の説明に供する図である。 図17(a)は外気流の接触状態、図17(b)はクラックが生じた状態、図17(c)は剥がれが生じた状態の説明に供する図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
(第1実施形態)
まず、図1から図9を参照して、第1実施形態に係る塗布膜製造装置の構成について説明する。図1は第1実施形態に係る塗布膜製造装置の模式図である。図2は第1実施形態に係る塗布膜製造装置の模式的な斜視図である。
図1に示すように、第1実施形態の塗布膜製造装置100は、概説すると、被塗布基材上1に塗布成膜する塗布ユニット20と、塗布ユニット20の後流側に連続配置され成膜された塗布膜2を乾燥させる乾燥ユニット30と、を有する。塗布膜製造装置100は、塗布ユニット20のダイヘッド21(塗布部に相当する)塗布部から乾燥ユニット30の入口32までの領域に配設され、被塗布基材1上の塗布膜2の表面側を覆う保護カバー40と、保護カバー40の外側にエアーを吹き付けるためのエアーブロー部50と、を有する。図示する塗布膜製造装置100は、塗布ユニット20および乾燥ユニット30は、ロール・トゥ・ロール部10によって搬送される被塗布基材1に沿って連続配置されている。以下、詳述する。
ロール・トゥ・ロール部10は、巻出し側11から巻取り側12まで、一定の張力で被塗布基材1を保持する。ロール・トゥ・ロール部10は、各ユニット20、30において、複数のロール13、14の回転やサポートによって被塗布基材1を搬送する。
被塗布基材1としては、たとえば、樹脂フィルム、金属箔、布、紙等が挙げられるが、帯状であればよく、例示の材料に限定されない。
ロール・トゥ・ロール部10において、巻出し側11から搬送されてきた被塗布基材1は、複数のサポートロール13によって支承される。被塗布基材1は、サポートロール13によって支承され、一定の張力を保持したままで、バックアップロール14を通過する。バックアップロール14に対向するように、ダイヘッド21が設けられている。バックアップロール14において、ダイヘッド21により被塗布基材1上に塗布溶剤が塗布され、塗布膜2が成膜される(図3参照)。
被塗布基材1は、バックアップロール14によって支持された状態で、ダイヘッド21により塗布される。したがって、バックアップロール14の偏心量は、3μm以下に設定され、塗布工程Cに対する精度の外乱を抑制している。
塗布工程Cは、ダイヘッド21によるスリットダイ塗布に限定されず、たとえば、スプレー塗布、インクジェット塗布、ナイフ(ブレード)塗布、グラビア塗布、カーテン塗布などの種々の塗布方法が選定可能である。
塗布工程Cにおいて塗布膜の成膜後、サポートロール13にて支承されながら、乾燥ユニット30に搬送される。ロール・トゥ・ロール部10では、被塗布基材1は巻出しから巻取りまで一連の繋がりをもって塗布・乾燥されるため、塗布ユニット20と乾燥ユニット30は連続配置されている。
乾燥ユニット30は、たとえば、乾燥工程Dを行うための乾燥部31が備えられている。乾燥部31としては、たとえば、ヒータからの熱によって加温された熱風を循環させる方式が採用される。ヒータとしては、たとえば、一般的な電気ヒータやIHヒータ、遠赤外線ヒータ、蒸気ヒータなどが挙げられるが、ヒータに限定されない。
一般的には、被塗布基材1の上下に乾燥部31を備え、被塗布基材1の表裏面を乾燥させるようになっている。温度のみで乾燥させる場合は、揮発蒸気が循環せず、揮発促進の弊害となる。揮発が促進されないと、塗布膜の乾燥遅延や膜内の乾燥むらなどの問題が生じるため、温度と風の双方の熱風乾燥が望ましい。乾燥ユニット30での乾燥工程Dの後、被塗布基材1は巻取り側に搬送される。
塗布ユニット20のダイヘッド21による塗布成膜直後から乾燥ユニット30の入口32までの領域には、被塗布基材1上の塗布膜の表面側を覆う保護カバー40が配設されている。
保護カバー40の材質としては、たとえば、SUS304等のステンレス鋼やアルミニウムなどの金属、PTFE、MCナイロンなどの樹脂が好ましいが、例示の材質に限定されない。
また、保護カバー40は、網部材やパンチングメタルなどの通気性を有するメッシュ部材で形成されていることが好ましい。保護カバー40のメッシュ部材のメッシュサイズは、塗布液溶媒の種類や塗布膜厚によって、任意に変更可能である。また、同一の保護カバー40内において、メッシュ部材は全て同一のメッシュサイズで構成してもよく、部分的にメッシュサイズが異なっていてもよい。
次に、本実施形態における保護カバーの幅方向長さについて説明する。図3は第1実施形態において、保護カバーの幅方向長さの関係の説明に供する図である。
図3に示すように、保護カバー40の幅寸法をWcと、被塗布基材1の幅寸法をWfと、塗布膜2の幅方向寸法をWtとする。これらWc、Wf、Wtの関係は、Wc>Wf≧Wtに設定することが望ましい。
再び図1を参照して、塗布ユニット20には、保護カバー40の外側にエアーを吹き付けるためのエアーブロー部50が設けられている。エアーブロー部50のエアーは、ダイヘッド21近傍から、保護カバー40の外側の表面に沿って、乾燥ユニット30の入口32側へと吹付けられる。エアーブロー部50としては、たとえば、エアー制御系55に接続されたエアーノズル51が好適である(図7参照)。エアーブロー部50は、エアーノズル51に限定されず、送風ファン等の他の形式のエアーブロー部であっても構わない。エアー制御系には、送風装置56(流量調整部に相当する)、冷却装置57(温度調整部に相当する)およびフィルタ58などが設けられており、詳しくは後述する。
エアーノズル51の材質としては、たとえば、SUS304等のステンレス鋼やアルミニウム、樹脂等を採用することができ、特に材質は限定されない。エアーノズルとしては、たとえば、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製や、株式会社いけうち製等のエアーノズルを採用する。
塗布ユニット20における乾燥ユニット30の入口32側の天井部には、エアーブロー部50からのエアーを排気する排気口22が設けられている。
次に、図4を参照して、本実施形態におけるエアーノズル51について説明する。図4(a)〜(c)は第1実施形態において、多ノズル設置型の模式図、図4(d)は単一ノズル設置型の模式図、図4(e)はエアーノズルの吐出口の正面図である。
図4(a)〜(c)に示すように、エアーノズル51は、複数のノズルを並設した多ノズル設置型であってもよく、図4(d)に示すように、単一ノズル設置型であってもよい。
多ノズル設置型の場合は、複数のエアーノズル51は保護カバー40の全面にエアーが吐出されているように設置され、エアーノズル間にエアーが吐出されない領域ができないように設定されることが望ましい。図4(b)(c)に示すように、複数のエアーノズル51は、保護カバー40の表面に沿ってエアーを吐出するように配置される。
また、図4(e)に示すように、エアーノズル51の吐出口52の形状は、スリット状であることが好ましい。スリット状の吐出口52からエアーを吐出することにより、エアーが拡散することない。また、吐出口52から吐出したエアーが保護カバー40内に侵入することがなく、かつ、吐出風量の増大が望めるからである。スリット状の吐出口52の形成方法には、上型と下型の合わせ面にシムを挟みこむことで、スリットを形成する方法や、コの字型の上下型を向い合せることでスリットを形成する方法などが用いられる。
次に、図5を参照して、本実施形態におけるエアーノズル51の設置角度について説明する。図5は第1実施形態におけるエアーノズルの設置角度の説明に供する図である。
図5(a)に示すように、バックアップロール14の中心軸の延長線上から乾燥ユニット30の直前のサポートロール13に向かう被塗布基材1の傾斜角度をθfとする。また、図5(b)に示すように、バックアップロール14の中心軸の延長線上から保護カバー40の傾斜角度をθcとし、エアーノズル51の傾斜角度をθnとする。エアーノズル51の角度θnは、エアーの吐出角度と同等である。すると、これらθf、θc、θnの関係多は、θf=θc=θnであることが望ましい。
次に、図1および図6を参照して、本実施形態における排気口22の形状について説明する。図6は第1実施形態における排気口の形状の模式図である。
排気口22としては、丸ダクトや角ダクトなどのダクト23が用いられる。図6に示すように、ダクト23の先端には、エアーの集積効果を向上させるために、断面が台形状の捕集口24を設けてもよい。捕集口24のサイズは、保護カバー40の幅寸法Wcよりも大きく設定することで、捕集効率をより向上させることができる(図3参照)。
次に、図7を参照して、本実施形態におけるエアー制御系55について説明する。図7は第1実施形態におけるエアー制御系の説明に供する図である。
図7に示すように、乾燥ユニット30の入口32の手前に風速計60が設けられる。風速計60は、乾燥工程Dより漏洩する熱風の風速を測定する。風速計60の検出信号系61は、送風装置56に接続されている。
風速計60の風速データは、送風装置56にフィードバックされる。そして、送風装置56は送風量を調整し、エアーノズル51の風量(風速)を制御する。乾燥工程Dからの漏洩熱風の風速=エアーノズル51の風速×1.5〜2倍に設定することが望ましい。
たとえば、被塗布基材1の上下からのスリットノズル式乾燥工程で、設定温度100℃、熱風送風周波数60Hz、被塗布基材1とエアーノズル間の距離を20mmとしたとき、エアーノズル51の直下風速は約30m/sであった。このとき、塗布工程Cへの漏洩熱風の風速は1.0〜1.5m/sであったため、エアーノズル51の風速を2.0〜3.0m/sとなるように制御した。
送風装置56としては、たとえば、流量調整機能を有するコンプレッサやブロワなどが用いられるが、例示の送風装置に限定されない。送風装置56には、付属機器として冷却装置57が備えられている。冷却装置57としては、たとえば、冷媒供給装置やエアークーラーなどが用いられるが、例示の冷却装置に限定されない。
送風装置56とエアーノズル51との間には、フィルタ58が介設される。一般的に、塗布工程Cはクリーン環境下であることが多く、異物の混入は品質に影響するため、送風装置52とエアーノズル51とを結ぶ供給系53にフィルタ54を介設することが望ましい。また、ドライ環境下で行う塗布工程Cであれば、エアードライヤーなどの装置を設置することも必要となる。
さらに、乾燥ユニット30の入口32の手前に温度計70が設けられる。温度計70としては、たとえば、測温抵抗体や熱電対などが用いられるが、例示の温度計に限定されない。温度計60は、乾燥工程Dより漏洩する熱風の温度を測定する。温度計70の検出信号系71は、冷却装置57に接続されている。
温度計70の温度データは、送風装置56に付属する冷却装置57にフィードバックされる。そして、冷却装置57が作動し、送風装置56より送風されるエアーの温度を冷却もしくは暖気(冷却停止)するように制御する。冷却エアーの温度は、熱風の漏洩温度が常に塗布工程Cの温度の+5℃程度に抑制されるように、制御されることが望ましい。
次に、図8および図9を参照して、本実施形態における保護カバー40のメッシュ部材のメッシュサイズの自動切り替え機構について説明する。図8(a)は第1実施形態における両側開閉式のメッシュサイズ自動切り替え機構の平面図、図8(b)は正面図である。
図8に示すように、本実施形態におけるメッシュサイズ自動切り替え機構41Aのメッシュ部材42は、たとえば、メッシュサイズX、メッシュサイズY、メッシュサイズZの3種のメッシュサイズを有している。メッシュサイズXは「細かい」、メッシュサイズYは「中間」、メッシュサイズZは「粗い」に設定されている。
たとえば、細かいメッシュサイズXには、200mesh(目サイズ87μm)を用いる。中間のメッシュサイズYには、45mesh(目サイズ390μm)を用いる。粗いメッシュサイズZには、18.8mesh(目サイズ850μm)を用いる。
メッシュ部材42は、塗布液溶媒の沸点(揮発性の程度)の差や、塗布膜の厚みに応じてメッシュサイズを変更可能とし、保護カバー40に揮発蒸気が滞留しないように制御する。たとえば、保護カバー40の外側への排出抵抗値は、X+Y+Z>X+Y>X+Z>Y+Z>X>Y>Zとなる。
メッシュ部材42のメッシュサイズ、およびメッシュ部材42の種類数は、ライン製造品種ごとに任意に設定できる。また、常時、同じメッシュサイズを使用するのではなく、製造タイミングに応じて、メッシュ部材42のメッシュサイズを変更可能な制御動作を取り入れることも可能である。
メッシュ部材42は、矩形の枠体に張設されている。メッシュ部材42には、ジョイント43を介して進退可能なシリンダ装置44が接続されている。シリンダ装置44の進退動作が、保護カバー40の開閉動作機構となる。シリンダ装置44の数は任意であるが、ジョイント43を介してシリンダ装置44の先端をメッシュ部材42に接続することにより、応力集中を分散することができ、当該接続部の短期劣化を抑制することができる。
メッシュ部材42は、一対のガイドレール45に沿ってスライド移動する。メッシュ部材42をガイドレール45に沿ってスライド移動させることにより、当該メッシュ部材42の滑らかな開閉を実現することができる。
図8に示す両側開閉式のメッシュサイズ自動切り替え機構41Aでは、メッシュ部材42、42同士の当接部に、パッキン46が設けられている。メッシュ部材42、42同士の当接部にパッキン46を設けることにより、互いの衝突によるメッシュ部材42の短期劣化を防止することができる。さらに、パッキン46によってメッシュ部材42、42間が密閉されるので、蒸気の漏洩を防止することができる。
図9は第1実施形態における片側開閉式のメッシュ自動切り替え機構の正面図である。
図9に示すように、片側開閉式のメッシュサイズの自動切り替え機構41Bを構成してもよい。開閉方式に制約はなく、たとえば、観音開き方式や、ダイヘッド21側へスライドする方式であってもよい。
なお、本実施形態のメッシュサイズの自動切り替え機構41A、41Bでは、保護カバー40の上部に配置されたメッシュ部材42を自動で切り替える機構として構成している。これに限定されず、メッシュサイズの自動切り替え機構は、保護カバー40の両側面に配置されたメッシュ部材を自動で切り替える機構として構成しても。
次に、図1から図17を参照して、第1実施形態に係る塗布膜製造装置の作用について説明する。
第1実施形態に係る塗布膜製造装置100を用いて塗布・乾燥プロセスを行う塗布膜2としては、たとえば、燃料電池(FCV)において触媒層と電解質膜とによって構成されるCCM(Catalyst Coated Membrane)用のCCM塗布膜が挙げられる。
まず、図16を参照して、CCM塗布膜の乾燥による収縮メカニズムについて説明する。図16(a)はCCM塗布液の状態、図16(b)はCCM塗布液の揮発中の状態、図16(c)はCCM塗布膜の状態の説明に供する図である。
CCM塗布膜(乾燥膜)はPt(白金)触媒がカーボン粒子に担持され、そのカーボン粒子がアイオノマー(電解質)に覆われた状態で存在している。
図16(a)に示すように、CCM塗布液(液体)の状態では、溶媒中301にアイオノマー302が溶解され、分散して存在している。図16において、303はカーボン粒子、304の黒点はPt触媒である。
図16(b)に示すように、乾燥過程において、溶媒301が順次揮発していくことで、アイオノマー302、302同士が再集結(結合)されていく。ここで、カーボンの特性は、活性物質であり、エネルギーを安定化するために、不活性物質になろうとする。カーボンの表面積が大きいと、活性エネルギーも大きい。したがって、カーバンは表面積を小さくしようと動き、様々な物質と結合する。消臭剤等に用いられる炭化材は、このカーバンの性質を用いて、匂い物質を吸着させている。
さて、CCM触媒の場合、カーボンは粒子となっており、カーボン粒子303が自由に動ける状態である。カーボン粒子303は軽いため、非常に動きやすい。また、Pt触媒304を効率的に担持させるために、カーボン粒子303の表面に凹凸を設けている。よって、カーボン粒子303の表面積はより大きくなっている。このように、CCM触媒内のカーボン粒子303、303同士は結合し易い状態となっている。
このようなカーボンの特性上、溶媒の揮発段階で、アイオノマー同士が接近、結合する。図16(c)に示すように、アイオノマー302、302同士の接近、結合により、アイオノマー302に覆われているカーボン粒子303、303同士がより密接に結合しようと動くため、乾燥膜が収縮する。
次に、図17を参照して、CCM塗布膜の表面乾燥によるクラック、剥離のメカニズムについて説明する。図17(a)は外気流の接触状態、図17(b)はクラックが生じた状態、図17(c)は剥離が生じた状態の説明に供する図である。
図17(a)に示すように、塗布膜2が外気流Aoに触れると、上述のようなCCM塗布膜の乾燥挙動によって、塗布膜2は収縮する。図17(b)に示すように、塗布膜2の表面の乾燥が促進される場合に、横方向収縮すると、塗布膜2、2同士が引っ張り合うことで、クラックが発生する。また、図17(c)に示すように、縦方向に収縮する場合は、被塗布基材1の接触面から表面側に引っ張られるため、被塗布基材1と塗布膜2との間に剥がれ3が発生する。剥がれが表面に達すると、ピンホールとなる。
そこで、第1実施形態に係る塗布膜製造装置100は、塗布ユニット20のダイヘッド21による塗布成膜の直後から乾燥ユニット30の入口32までの領域を保護カバー40で覆い、当該保護カバー40の上面外側に、エアーブロー部50からエアーを吹き付けている。保護カバー40が塗布成膜直後から乾燥ユニット30の入口32までの領域を覆うことによって、外気流が塗布膜表面に触れて乾燥が過剰に促進されてしまうことを防いでいる。塗布成膜後の膜表面の過剰な乾燥を抑制することにより、塗布膜の欠陥の発生を防止することができる。
また、保護カバー40の上面外側にエアーを吹き付けることによって、エアーカーテンの機能を有する。エアーカーテンによって外気流の侵入を防止して、成膜後の塗布膜の表面を外気流から保護することができる。さらに、乾燥ユニット30からの漏洩熱風よって雰囲気温度が上昇するが、冷却エアーの冷却効果により、塗布膜の表面への乾燥促進の影響を抑制することができる。
図10を参照して、本実施形態のエアーノズル51の冷却エアーによる塗布表面の乾燥抑止効果について説明する。図10は第1実施形態において、冷却エアーによる塗布表面の乾燥抑止効果の説明に供する図である。
図10に示すように、保護カバー40の上面外側には、エアーノズル51から冷却エアーAcが吐出される。乾燥工程Dから漏洩する熱風Ahは、保護カバー40の上面外側を流れる冷却エアーAcによって、混合風Amとして冷却され、かつ、巻上げられる。巻上げられた混合風Amは、塗布ユニット20の乾燥ユニット30の入口32近傍の天井部に設けられた排気口22から排気される。
保護カバー40の上面外側を流れる冷却エアーAcによって、保護カバー40内はエアーカーテン状態となり、外気流の影響を受けなくなる。かつ、この冷却エアーAcによって、外気温、特に乾燥工程Dの高温環境雰囲気の影響をも抑止することができる。
次に、図11を参照して、本実施形態のエアーノズル51の冷却エアー、および保護カバー40によるジェット効果について説明する。図11は第1実施形態のエアーノズルの冷却エアー、および保護カバーによるジェット効果の説明に供する図である。
図11に示すように、エアーノズルから冷却エアーを保護カバー40の上面外側に吹き付けると、いわゆるジェット効果が生じる。すなわち、保護カバー40の上部に集まってきた塗布膜2の揮発溶剤蒸気Vsが、ジェット効果により、矢印Vに示すように、自然に保護カバー40の外側に排出されることになる。揮発溶剤蒸気Vsは自然に排出され、強制的に揮発溶剤蒸気Vsを排出することがないため、膜表面の乾燥促進や乾燥むらが生じない。また、自然に揮発溶剤蒸気Vsの排出を促すため、密閉カバーのような揮発溶剤蒸気Vsの滞留による膜表面への溶剤暴露や、結露による水滴落ちの発生がない。なお、図11中のAoは外気流である。
次に、図12を参照して、本実施形態に係る塗布膜製造装置におけるエアーフローについて説明する。図12は第1実施形態に係る塗布膜製造装置におけるエアーフローの説明に供する図である。
図12に示すように、エアーノズル51から吐出される冷却エアーAcと乾燥装置の入口32から漏洩する熱風は、排気口22の直下で衝突する。そして、巻上げられた混合風Amが排気口22から排気される。冷却エアーAcは、保護カバー40の上面外側に沿うように吐出される。すなわち、冷却エアーAcは、保護カバー40と同角度の上向き傾斜で吹き付けられるため、混合風Amは巻上げエアーとなる。
次に、図13を参照して、本実施形態におけるメッシュ部材42のメッシュサイズを進行方向に変更する場合について説明する。図13は第1実施形態において、メッシュ部材のメッシュサイズを進行方向に変更した場合の効果の説明に供する図である。
図13に示すように、塗布ユニット20による塗布膜成膜の直後は、ダイヘッド21から塗布溶剤が吐出され、初めて大気接触する段階であるため、塗布膜は最も湿った状態である。成膜直後の塗布膜の揮発溶剤蒸気は最も量が多く、濃度も高い。
しかし、乾燥工程へ向かい被塗布基材1上を搬送されていく段階で、塗布膜内が保有している溶媒量が次第に減少してくる。溶媒量が減少すると、揮発溶剤蒸気量は少なくなり、濃度も低下する。そのため、保護カバー40内の全体を常に同一濃度環境下に設定することで、揮発溶剤蒸気の安定化を図れることができる。
したがって、塗布膜の成膜直後は、メッシュ部材42のメッシュサイズを最も粗く設定する。そして、塗布膜が搬送されていく段階で、メッシュ部材42のメッシュサイズを徐々に細かくしていくことで、保護カバー40内を同一濃度環境下に制御することが可能である。
次に、図14を参照して、本実施形態におけるメッシュ部材42のメッシュサイズを塗布膜幅方向に変更する場合について説明する。図14は第1実施形態において、メッシュ部材のメッシュサイズを塗布膜幅方向に変更した場合の効果の説明に供する図である。
図14に示すように、塗布膜の膜厚が厚くなるほど、塗布膜の側面側からの揮発溶剤蒸気Vsの量が増加する。そのため、塗布膜幅方向では、塗布膜2の両端側が最も揮発溶剤蒸気Vsの量が多く、濃度も濃くなる。
そこで、塗布膜幅方向の両側に存するメッシュ部材42のメッシュサイズを粗く設定する。当該両側のメッシュ部材42のメッシュサイズを粗く設定すると、塗布膜幅方向内での揮発溶剤蒸気Vsの量および濃度が均一化される。揮発溶剤蒸気Vsの量および濃度を均一に制御することにより、塗布膜の安定化を図ることができる。
すなわち、第1実施形態に係る塗布膜製造装置100は、塗布ユニット20のダイヘッド21による塗布成膜の直後から乾燥ユニット30の入口32までの領域を保護カバー40で覆っている。塗布成膜の直後から乾燥ユニット30の入口32までの領域を保護カバー40で覆うことによって、外気流が塗布膜表面に触れ、乾燥が促進させることを防いでいる。塗布成膜後の膜表面の乾燥を抑制することにより、塗布膜のクラックや剥離、ピンホール等の欠陥の発生を防止することができる。
また、本実施形態に係る塗布膜製造装置100は、エアーブロー部50により、保護カバー40の上面外側にエアーを吹き付けている。保護カバー40の上面外側にエアーを吹き付けることによって、エアーカーテンのように外気流を弾くので、成膜後の塗布膜の表面を外気流から完全に保護することができる。さらに、乾燥ユニット30からの漏洩熱風よって雰囲気温度が上昇するが、冷却エアーの冷却効果により、塗布膜の表面への乾燥促進の影響を抑制することができる。
塗布ユニット20および乾燥ユニット30は、ロール・トゥ・ロール部10によって搬送される被塗布基材1に沿って連続配置されており、被塗布基材1に一定の張力を保持したまま、塗布工程と乾燥工程とを連続的に行うことができる。
また、保護カバー40は、通気性を有するメッシュ部材42で形成されている。メッシュ部材42と保護カバー40の上面外側に吹き付けられる冷却エアーとが相まって、いわゆるジェット効果が生じる。すなわち、ジェット効果により、塗布膜から揮発した溶媒が保護カバー40内に滞留することがなく、自然に保護カバー40の外側に流れ出る。
さらに、保護カバー40は、メッシュ部材42のメッシュサイズが任意に変更可能である。メッシュ部材42のメッシュサイズを任意に変更できるので、揮発性の異なる塗布液溶媒や、塗布膜の厚みの違い、塗布環境の違いなどにフレキシブルに対応することができる。
そして、本実施形態に係る塗布膜製造装置100は、メッシュサイズの自動切り替え機構41A、41Bを備える。メッシュサイズ自動切り替え機構41A、41Bを備えることにより、作業容易性を向上させることができる。また、塗布膜の成膜中にメッシュ部材42のメッシュサイズを変更し、塗布膜の揮発量を制御することもできる。
加えて、本実施形態に係る塗布膜製造装置100では、同一の保護カバー内において、メッシュ部材42のメッシュサイズが部分的に異なるように設定できる。メッシュ部材42のメッシュサイズを部分的に変更できるので、塗布成膜後から乾燥工程に搬送されるまでの間において、揮発溶剤蒸気量を制御することができる。
また、本実施形態に係る塗布膜製造装置100において、エアーブロー部50は冷却装置57を備え、冷却エアーもしくは温度調整したエアーを保護カバー40に吹付けることができる。冷却エアーもしくは温度調整したエアーを保護カバー40に吹付けるので、乾燥ユニット30から漏洩する熱風の保護カバー40内への侵入を防止することができる。さらに、塗布ユニット20内の雰囲気温度の上昇を防止することができ、温度による塗布膜表面の乾燥も抑止することができる。そして、冷却エアーの温度が調整可能であるので、塗布ユニット20内の環境、乾燥温度、および乾燥風量などの違いによる雰囲気温度の変化にフレキシブルに対応することができる。
当該エアーブロー部50は、流量調整手段を備え、保護カバー40に吹付けるエアーの流量調整が可能である。吹付けエアーの流量調整が可能であるので、乾燥ユニット30からの漏洩熱風の風速に応じて、エアー流量を変更できる。エアー流量が可変であるので、装置を変更することなく、乾燥条件の異なる塗布膜種にフレキシブルに対応することができる。
また、本実施形態に係る塗布膜製造装置100は、乾燥ユニット30からの漏洩熱風の風速を検出する風速計60、および漏洩熱風の温度を検出する温度計70を備え、当該風速計60および温度計70の検出値に基づいて、エアーブロー部50の吐出エアーの流量および温度をフィードバック制御することによって、塗布ユニット20内の雰囲気温度を一定にし、乾燥ユニット30への冷却エアーの侵入を防止する。すなわち、風速計60および温度計70の検出値に基づくフィードバック制御により、冷却不足および風速不足による塗布ユニット20内の雰囲気温度の上昇や、保護カバー40内への外気流の侵入の防止することができる。さらに、過冷却による塗布ユニット20内の温度低下による塗布成膜品質の低下を防止することができる。そして、過度なエアー吹付けによる乾燥工程への冷却エアーの侵入を防止して、塗布・乾燥プロセスの安定化を図ることができる。
エアーブロー部50は、エアーノズル51から構成されており、保護カバー40の表面に沿ってエアーを均等に吹き付けることができる。
塗布ユニット20の乾燥ユニット30の入口32側の天井部にエアーの排気口22を設けているので、乾燥ユニット30から漏洩する熱風Ahを保護カバー40の上面外側を流れる冷却エアーAcによって混合風Amとして冷却して排気口22から排気することができ、塗布ユニット20の雰囲気温度の上昇を抑えることができる。
塗布膜として、燃料電池の膜電極接合体における触媒層を形成する触媒スラリー塗布膜を、クラックや剥離、ピンホール等の欠陥を発生させることなく製造できる。
(第2実施形態)
次に、図15を参照して、第2実施形態に係る塗布膜製造装置について説明する。図15は第2実施形態に係る塗布膜製造装置の模式図である。なお、第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
図15に示すように、第2実施形態に係る塗布膜製造装置200は、エアーノズル51を水平に設置する点、およびエアー巻き上げノズル80を有する点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、図15(a)に示すように、ロール・トゥ・ロール部10では、ダイヘッド21による塗布成膜後に、被塗布基材1が水平な状態で乾燥装置へと搬送される場合がある。当該被塗布基材1が水平配置の場合は、エアーノズル51に上向きの傾斜角度を設定することはできない。保護カバー40へのジェット効果を保持するためには、エアーノズル51は保護カバー40に沿って水平に設ける必要がある。
したがって、図15(b)に示すように、当該被塗布基材1が水平配置の場合は、別途、エアー巻上げノズル80を設けることが好ましい。エアー巻上げノズル80は、保護カバー40と乾燥ユニット30の入口32との間であって、排気口22の直下付近に設けることが好ましい。かつ、エアー巻上げノズル80は、被塗布基材1の幅方向の両側に設けられ、冷却エアーAcと乾燥ユニット30から漏洩する熱風Ahとの合流点Pに向かうような傾斜角度で設ける。
エアーノズル51から水平に吐出される冷却エアーAcと乾燥ユニット30から漏洩する熱風Ahは、合流点Pで衝突する。そして、衝突した冷却エアーAcと熱風Ahは、巻上げノズル80の巻上げエアーAuとともに排気口22へ排出される。その際、巻上げノズル80の巻上げエアーAuは、被塗布基材1側や、左右方向に拡がってしまう混合風Amを集約して排気口22へと排出することができる。
第2実施形態に係る塗布膜製造装置200は、基本的に第1実施形態に係る塗布膜製造装置100と同様の作用効果を奏する。特に、第2実施形態に係る塗布膜製造装置200によれば、別途、エアー巻き上げノズル80を設けているので、保護カバー40の姿勢にかかわらず、冷却エアーAcと熱風Ahが衝突し、拡がろうとする混合風Amを集約して排気口22へと排出することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
1 被塗布基材、
2 塗布膜、
10 ロール・トゥ・ロール部、
20 塗布ユニット、
21 ダイヘッド(塗布部)、
22 排気口、
30 乾燥ユニット、
31 乾燥部、
32 入口、
40 保護カバー、
41A、41B メッシュサイズ自動切り替え機構
42 メッシュ部材、
50 エアーブロー部、
51 エアーノズル
55 エアー制御系、
56 冷却装置(温度調整部)、
57 送風装置(流量調整部)、
60 風速計、
70 温度計、
80 エアー巻き上げノズル、
100、200 塗布膜製造装置。

Claims (11)

  1. 被塗布基材上に塗布成膜する塗布ユニットと、前記塗布ユニットの後流側に連続配置され成膜された塗布膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を有する塗布膜製造装置であって、
    前記塗布ユニットの塗布部から前記乾燥ユニットの入口までの領域に配設され、前記被塗布基材上の前記塗布膜の表面側を覆う保護カバーと、
    前記保護カバーの外側にエアーを流すためのエアーブロー部と、を有し、
    前記エアーブロー部は、吹付けるエアーの温度を調整する機能を有する温度調整部と、吹付けるエアーの流量を調整する機能を有する流量調整部と、を備え
    前記乾燥ユニットからの漏洩熱風の風速を検出する風速計、および漏洩熱風の温度を検出する温度計を備え、前記風速計および前記温度計の検出値に基づいて、前記エアーブロー部の吐出エアーの流量および温度をフィードバック制御することによって、前記塗布ユニット内の雰囲気温度を一定にし、前記乾燥ユニットへの冷却エアーの侵入を防止することを特徴とする塗布膜製造装置。
  2. 前記塗布ユニットおよび前記乾燥ユニットは、ロール・トゥ・ロール部によって搬送される前記被塗布基材に沿って連続配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布膜製造装置。
  3. 前記保護カバーは、通気性を有するメッシュ部材で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布膜製造装置。
  4. 前記保護カバーは、前記メッシュ部材のメッシュサイズが任意に変更可能であることを特徴とする請求項3に記載の塗布膜製造装置。
  5. 前記保護カバー内において、前記メッシュ部材のメッシュサイズが部分的に異なることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の塗布膜製造装置。
  6. 前記保護カバーは、前記メッシュ部材のメッシュサイズを切り替えるための自動切り替え機構を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布膜製造装置。
  7. 前記エアーブロー部は、エアーノズルから構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の塗布膜製造装置。
  8. 前記塗布ユニットの前記乾燥ユニットの前記入口側の天井部にエアーの排気口を設けていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の塗布膜製造装置。
  9. 前記排気口へ向けてエアーを巻き上げるためのエアー巻き上げノズルを有することを特徴とする請求項8に記載の塗布膜製造装置。
  10. 前記塗布膜が燃料電池の膜電極接合体における触媒層を形成する触媒スラリー塗布膜であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の塗布膜製造装置。
  11. 被塗布基材上に塗布成膜する塗布ユニットと、前記塗布ユニットの後流側に連続配置され成膜された塗布膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を有する塗布膜製造装置であって、
    前記塗布ユニットの塗布部から前記乾燥ユニットの入口までの領域に配設され、前記被塗布基材上の前記塗布膜の表面側を覆う保護カバーと、
    前記保護カバーの外側にエアーを流すためのエアーブロー部と、
    前記塗布ユニットの前記乾燥ユニットの前記入口側の天井部に設けられたエアーの排気口と、
    前記排気口へ向けてエアーを巻き上げるためのエアー巻き上げノズルと、
    を有することを特徴とする塗布膜製造装置。
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