JP6298233B2 - モータ制御方法及びモータ制御システム - Google Patents

モータ制御方法及びモータ制御システム Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御方法及びモータ制御システムに関する。
例えば特許文献1に開示されているように、自動車のハイブリッドシステムが知られている。ハイブリッドシステムは、駆動源としてエンジンの他にモータを備えている。そして、ハイブリッドシステムは、エンジンに燃料が供給されることによってクランクシャフトが低回転域で回転している際に、モータでクランクシャフトの回転をアシストする。エンジンは、低回転域でのトルクが小さい傾向にある一方、モータは低回転域から大きなトルクを発生することができる。このため、モータは、クランクシャフトが低回転域で回転する際にクランクシャフトの回転を効率良くアシストすることができる。また、ハイブリッドシステムは、クランクシャフトの減速時にモータを発電機として機能させ、モータから回生電力を回収する。また、ハイブリッドシステムは、自動車の停車時にアイドルストップを行い、その後、モータを用いてエンジンの再始動を行う。
特開2001−339804号公報
しかし、従来のハイブリッドシステムで使用されるモータは、ロータの回転数の上昇に伴って逆起電圧(逆起電力)が非常に大きくなるという問題があった。バッテリとモータとを連結するインバータが何らかの原因で故障した場合、モータから発生した逆起電圧はバッテリに作用する。このため、バッテリの耐電圧が低い場合、モータから発生した逆起電圧によってバッテリが故障する場合がある。
このため、一部のハイブリッドシステム(具体的には、モータだけで自動車の発進加速が可能なストロングハイブリッドシステム、モータをエンジン駆動のアシストのみに使うマイルドハイブリッドシステム)では、バッテリの耐電圧を大きくしている。これらのハイブリッドシステムでは、バッテリの耐電圧が大きいので、モータを高回転域まで回転させることができる。言い換えれば、これらのハイブリッドシステムは、クランクシャフトの高回転域でも、モータをクランクシャフトの回転に同期させて駆動することができる。しかし、これらのハイブリッドシステムでは、バッテリが大型化、高コスト化し、バッテリの取り扱いが難しくなるという別の問題があった。
一方、近年、ストロングハイブリッド及びマイルドハイブリッド以外のハイブリッドシステムとして、マイクロハイブリッドシステムが提案されている。マイクロハイブリッドシステムでは、低電圧バッテリ(例えば電圧が30〜60V程度のバッテリ)を使用してモータを駆動する。
しかし、マイクロハイブリッドシステムでは、耐電圧の低い低電圧バッテリを使用するため、ストロングハイブリッドシステム等で使用されるモータよりも出力が小さいモータを使用せざるを得なかった。例えば、ストロングハイブリッドシステムでは、モータの最高出力は例えば60kWとなるのに対し、マイクロハイブリッドシステムでは、モータの最高出力は例えば1.8kW程度となる。その上で、マイクロハイブリッドシステムでは、モータの用途がエンジン始動(アイドルストップ後のエンジン再始動含む)、クランクシャフトが中回転域または高回転域で減速する際の回生電力回収に限定されていた。すなわち、マイクロハイブリッドシステムでは、逆起電圧によるバッテリの故障を防止するために、クランクシャフトが高回転域で回転する際にモータによるアシストを行わなかった。言い換えれば、従来のマイクロハイブリッドシステムは、クランクシャフトが高回転域で回転する際に、モータをクランクシャフトの回転に同期させて駆動することができなかった。
さらに、マイクロハイブリッドシステムでは、モータの出力が小さい(すなわちトルクが小さい)ので、クランクシャフトが低回転域で回転する際にもモータによるアシストを行うことができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、低電圧バッテリを使用した場合であっても、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することが可能な、新規かつ改良されたモータ制御方法及びモータ制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータを制御することを特徴とする、モータ制御方法が提供される。
この観点によるモータ制御方法は、低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータを制御する。これにより、本観点に係るモータ制御方法は、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することが可能となる。
ここで、低電圧バッテリの電圧は60V以下であってもよい。
この観点によれば、低電圧バッテリの電圧は60V以下であるので、低電圧バッテリの取り扱いが容易となり、かつ、システム構成が簡略化される。なお、この場合であっても、モータは上記の構成を有するので、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動とが両立可能となる。
また、エンジンに燃料が供給されることによって出力軸が低回転域で回転している際、及び、エンジンに燃料が供給されることによって出力軸が高回転域で回転している際に、低電圧バッテリからモータに電力を供給することで、出力軸に出力軸の回転方向と同一方向のトルクを付与するようにしてもよい。
この観点によるモータ制御方法は、出力軸が低回転域で回転している際、及び高回転域で回転している際のいずれにおいても、出力軸の回転をアシストすることができる。
また、出力軸が低回転域で回転している際に出力軸に供給するトルクを、出力軸が高回転域で回転している際に出力軸に供給するトルクよりも大きくするようにしてもよい。
この観点によるモータ制御方法は、出力軸が低回転域で回転している際には、出力軸が高回転域で回転している際に出力軸に供給するトルクよりも大きなトルクを出力軸に供給する。したがって、本観点では、低回転域でより力強いアシストを行うことができる。
また、出力軸が低回転域で減速している際、及び出力軸が高回転域で減速している際に、モータから回生電力を回収し、低電圧バッテリに供給するようにしてもよい。
この観点によるモータ制御方法は、出力軸が低回転域で減速している際、高回転域で減速している際のいずれにおいても、モータから回生電力を回収することができる。
また、出力軸が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、モータから回生電力を回収し、低電圧バッテリに供給するようにしてもよい。
この観点によるモータ制御方法は、出力軸が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、モータから回生電力を回収する。したがって、モータ制御方法は、低回転域でより効率良く回生電力を回収することができる。
また、ロータは出力軸に直結されていてもよい。
この観点によれば、ロータは出力軸に直結されているので、この観点によるモータ制御方法は、ロータから出力軸に効率良くトルクを供給することができ、かつ、回生電力を効率良く回収することができる。
また、ロータは、出力軸の両端部のうち、ギアボックスが連結される端部と反対側の端部に直結されていてもよい。
この観点では、ロータは、出力軸の両端部のうち、ギアボックスが連結される端部と反対側の端部に直結されるので、エンジンとギアボックスとの既存の連結機構に大きな変更を加えることなく、本観点に係るシステムを自動車に導入することができる。
また、エンジンが停止している際に、低電圧バッテリからモータに電力を供給することで、出力軸を回転させるようにしてもよい。
したがって、この観点によるモータ制御方法は、エンジン始動を行う。ここで、上述したように、ロータと出力軸とは直結されているので、モータ制御方法は、エンジン始動時にモータのトルクを効率良く出力軸に伝達することができる。すなわち、モータ制御方法は、より小さい電流で大きなトルクを出力軸に伝達することができる。これにより、モータ制御方法は、例えばコールドクランキング時のエンジン始動を安定して行うことができる。
本発明の他の観点によれば、低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータと、モータを制御する制御部と、を備えることを特徴とする、モータ制御システムが提供される。
この観点によるモータ制御システムは、低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータを制御する。これにより、本観点に係るモータ制御システムは、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することが可能となる。
ここで、低電圧バッテリの電圧は60V以下であってもよい。
この観点によれば、低電圧バッテリの電圧は60V以下であるので、低電圧バッテリの取り扱いが容易となり、かつ、システム構成が簡略化される。なお、この場合であっても、モータは上記の構成を有するので、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動とが両立可能となる。
また、制御部は、エンジンに燃料が供給されることによって出力軸が低回転域で回転している際、及び、エンジンに燃料が供給されることによって出力軸が高回転域で回転している際に、低電圧バッテリからモータに電力を供給することで、出力軸に出力軸の回転方向と同一方向のトルクを付与するようにしてもよい。
この観点によるモータ制御システムは、出力軸が低回転域で回転している際、及び高回転域で回転している際のいずれにおいても、出力軸の回転をアシストすることができる。
また、制御部は、出力軸が低回転域で回転している際に出力軸に供給するトルクを、出力軸が高回転域で回転している際に出力軸に供給するトルクよりも大きくするようにしてもよい。
この観点によるモータ制御システムは、出力軸が低回転域で回転している際には、出力軸が高回転域で回転している際に出力軸に供給するトルクよりも大きなトルクを出力軸に供給する。したがって、本観点では、低回転域でより力強いアシストを行うことができる。
また、制御部は、出力軸が低回転域で減速している際、及び出力軸が高回転域で減速している際に、モータから回生電力を回収し、低電圧バッテリに供給するようにしてもよい。
この観点によるモータ制御システムは、出力軸が低回転域で減速している際、高回転域で減速している際のいずれにおいても、モータから回生電力を回収することができる。
また、制御部は、出力軸が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、モータから回生電力を回収し、低電圧バッテリに供給するようにしてもよい。
この観点によるモータ制御システムは、出力軸が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、モータから回生電力を回収する。したがって、モータ制御システムは、低回転域での大トルクによる減速時、及び高回転域での減速時のいずれであっても回生電流を回収できる。
また、ロータは出力軸に直結されていていてもよい。
この観点によれば、ロータは出力軸に直結されているので、この観点によるモータ制御システムは、ロータから出力軸に効率良くトルクを供給することができ、かつ、回生電力を効率良く回収することができる。
また、ロータは、出力軸の両端部のうち、ギアボックスが連結される端部と反対側の端部に直結されていてもよい。
この観点では、ロータは、出力軸の両端部のうち、ギアボックスが連結される端部と反対側の端部に直結されるので、エンジンとギアボックスとの既存の連結機構に大きな変更を加えることなく、本観点に係るシステムを自動車に導入することができる。
また、制御部は、エンジンが停止している際に、低電圧バッテリからモータに電力を供給することで、出力軸を回転させるようにしてもよい。
したがって、この観点によるモータ制御システムは、エンジン始動を行う。ここで、上述したように、ロータと出力軸とは直結されているので、モータ制御システムは、エンジン始動時にモータのトルクを効率良く出力軸に伝達することができる。すなわち、モータ制御システムは、より小さい電流で大きなトルクを出力軸に伝達することができる。これにより、モータ制御システムは、例えばコールドクランキング時のエンジン始動を安定して行うことができる。
本発明の他の観点によれば、上記に記載のモータ制御システムを備えることを特徴とする、自動車が提供される。
この観点によれば、自動車を効率良く駆動することができる。
以上説明したように本発明によれば、低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータを制御する。これにより、本発明は、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することが可能となる。
本発明の実施形態に係るモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 モータとエンジンとの連結構造を概略的に示す説明図である。 モータのロータとクランクシャフトとの連結構造を詳細に示す説明図である。 本実施形態に係るモータの特性(回転数とトルクとの対応関係)を示すグラフである。 永久磁石リラクタンスモータと他のモータとの特性(回転数と逆起電圧との対応関係)を対比して示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本実施形態では、本発明の一態様として、自動車用のハイブリッドシステム(モータ制御システム)10を説明するが、他のシステムに本発明を適用しても良いことはもちろんである。なお、本実施形態では、低回転域は例えば0以上3000rpm未満の回転領域を示し、中回転域は3000rpm以上4500rpm未満の回転領域を示し、高回転域は4500rpm以上の回転領域を示す。もちろん、各回転域はこれらの数値範囲に限定されない。
<1.背景技術の検討>
本発明者は、背景技術、特にマイクロハイブリッドシステムに使用されるモータについて鋭意検討した結果、本実施形態に係るモータ制御システムに想到した。以下、本発明者が行った検討について説明する。
マイクロハイブリッドシステムでは、上述したように、低電圧バッテリ(例えば30〜60V)を使用する。これにより、バッテリを小型化、低コスト化することができる。さらに、例えば自動車に60Vよりも大きい電圧のバッテリを搭載する場合、ユーザがバッテリに簡単に触れることができないように、バッテリを十分に覆うことが義務付けられている。したがって、自動車に60Vよりも大きい電圧のバッテリを搭載する場合、バッテリの取り扱いが難しくなり、かつ、ハイブリッドシステムの構成が複雑になるという問題があった。
しかし、バッテリの電圧が60V以下であれば、このような構造は必要ない。したがって、ハイブリッドシステムのバッテリの電圧を60V以下とすることで、バッテリの取り扱いが容易となり、ハイブリッドシステムの構成を簡略化することができる。したがって、マイクロハイブリッドシステムは、システム構成を簡略化することができるという点でも有利である。
しかし、上述したように、従来のマイクロハイブリッドシステムは、モータからの逆起電圧によりバッテリが故障することを防止するために、低出力のモータを使用し、かつ、モータによる駆動アシストを行わなかった。このため、従来のマイクロハイブリッドシステムでは、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することができなかった。
そこで、本発明者は、ロータの低回転域で大トルクを実現でき、かつ、ロータの高回転域での逆起電圧が低くなるモータについて鋭意検討した結果、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上となるモータは、このような条件をみたすことを見出した。ここで、リラクタンストルクは、ステータの回転磁界による極とロータの突極との吸引力だけによって生ずるトルクである。一方、磁気トルクは、ステータの回転磁界の極とロータの永久磁石の磁極との吸引及び反発によって発生するトルクである。最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上となるモータは、例えば永久磁石リラクタンスモータ(Permanent−magnet Reluctance Motor)が挙げられる。以下、永久磁石リラクタンスモータを単に「PRM」とも称する。PRMでは、最大トルク発生時のリラクタンストルクと磁気トルクとの比は例えば6:4〜5:5となる。
図5は、PRMと他のモータとの特性を対比して示すグラフである。具体的には、図5に示すグラフL10は、PRMの回転数と逆起電圧との対応関係を定性的に示すグラフである。グラフL11は、IPM(Interior Permanent Magnet)モータの回転数と逆起電圧との対応関係を示すグラフである。グラフL12は、SPM(Surface Permanent Magnet)モータの回転数と逆起電圧との対応関係を対比して示す。
ここで、SPMモータ及びIPMモータは、従来のハイブリッドシステムに汎用されるモータである。SPMモータは、磁気トルクのみによってロータを回転させるモータであり、IPMモータは、最大トルク発生時のリラクタンストルクと磁気トルクとの比が3:7程度となるモータである。すなわち、いずれのモータも、最大トルク発生時にリラクタンストルクが発生しないか、またはリラクタンストルクよりも磁気トルクの方が大きくなる。
SPMモータ及びIPMモータは、低回転域で大トルクを実現できる。しかし、図5に示すように、これらのモータは、高回転域での逆起電圧が非常に高くなる。この逆起電圧は、これらのモータに含まれる永久磁石によるものである。
一方、PRMは、低回転域で大トルクを実現することができる。さらに、PRMは、低回転域での大トルクを、SPMモータ及びIPMモータよりも小さい電流で実現することができる。さらに、PRMは、高回転域での逆起電圧がSPMモータ及びIPMモータに比べて非常に低い。この理由として、PRMでは、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上となることが挙げられる。すなわち、PRMでは、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上となるので、高回転域であっても永久磁石による磁気トルクの影響が少ない。このため、PRMは、高回転域での逆起電圧がSPMモータ及びIPMモータに比べて非常に低くなると考えられる。
したがって、例えば耐電圧がVとなるバッテリ及びSPMモータを有するハイブリッドシステムは、SPMモータのロータを回転数rまでしか回転させることができない。SPMモータをそれ以上回転させると逆起電圧がバッテリの耐電圧を超えるからである。同様に、耐電圧がVとなるバッテリ及びIPMモータを有するハイブリッドシステムは、IPMモータのロータを回転数rまでしか回転させることができない。これに対し、耐電圧がVとなるバッテリ及びPRMを有するハイブリッドシステムは、PRMのロータを回転数rまで回転させることができる。したがって、PRMは、バッテリの耐電圧が低い場合であっても、低回転域での大トルクを実現でき、かつ、SPMモータ及びIPMモータよりも高回転域までロータを回転させることができる。
さらに、PRMは、SPMモータ及びIPMモータに比べて小型、軽量であるという特性も有する。すなわち、PRMは、単位体積及び単位質量当りのトルク及び出力(すなわちトルク密度及び出力密度)が大きい。また、PRMは、エンジンの出力軸(本実施形態ではクランクシャフト)の減速時に発電機としても機能する。すなわち、PRMを有するハイブリッドシステムは、PRMから回生電力を回収することもできる。PRMは、クランクシャフトが低回転域で減速する際、高回転域で減速する際のいずれにおいても、発電機として機能する。
このように、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上となるモータ(以下、「高リラクタンストルクモータ」とも称する)は、低回転域での大トルクを実現でき、かつ、SPMモータ及びIPMモータよりも高回転域までロータを回転させることができる。さらに、高リラクタンストルクモータは、SPMモータ及びIPMモータに比べて非常に小さい。さらに、高リラクタンストルクモータを有するハイブリッドシステムは、クランクシャフトの減速時に回生電力を回収することができる。
なお、自動車に適用されるモータとして、SRM(Switched Reluctance Motor)、及びIM(Induction Motor)が知られているが、これらのモータは回生を行うことができない。
本発明者は、上記の知見に基づき、高リラクタンストルクモータに着目し、本実施形態に係るハイブリッドシステム10に想到した。以下、本実施形態に係るハイブリッドシステム10について説明する。
<2.ハイブリッドシステムの構成>
次に、図1〜図3に基づいて、本実施形態に係るハイブリッドシステム10の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、ハイブリッドシステム10は、自動車に搭載されるいわゆるマイクロハイブリッドシステムであり、バッテリ20と、モータ30と、ECU(Engine Control Unit)(制御部)40〜43と、インバータ50と、エンジン60と、ギアボックス70と、燃料タンク100と、ブレーキ120とを備える。
エンジン60、ギアボックス70、燃料タンク100、及びブレーキ120は特に制限されず、従来のものを任意に適用できる。概略的には、エンジン60は、クランクシャフト(出力軸)61と、クランクシャフトを保持するベアリング62と、クランクシャフトを回転させる駆動機構(例えばシリンダ、ピストン、コンロッド、点火プラグ、カムシャフト等)とを備える。ギアボックス70は、クランクシャフト61の一方の端部に連結され、カムシャフトから伝達されるトルク及び回転数を内部のギア71によって変換し、車輪130に伝達する。燃料タンク100は、ECU41による制御により、エンジン60に燃料を供給する。ブレーキ120は、ECU43による制御により、車輪130を制動する。
バッテリ20は、いわゆる低電圧バッテリである。バッテリ20の電圧は例えば30〜60Vである。バッテリ20の電圧を60V以下とすることで、上述したように、バッテリ20を小型化、低コスト化することができ、かつ、ハイブリッドシステム10全体の構成も簡略化される。バッテリ20の耐電圧は、バッテリ20の電圧と略同一である。したがって、バッテリ20の耐電圧は低い。
モータ30は、高リラクタンストルクモータである。高リラクタンストルクモータとしては、例えばPRMが挙げられる。上述したように、モータ30は、低回転域で大トルクを実現でき、かつ、高回転域での逆起電圧が小さい。したがって、モータ30は、バッテリ20のような低電圧バッテリと接続された場合であっても、低回転域で大トルクを実現でき、かつ、ロータを高回転域まで回転させることができる。すなわち、モータ30は、低回転域での大トルク及び高回転域でのエンジンとの同期運転とを両立することができる。また、モータ30は、低回転域での減速時には、クランクシャフト61から大きな減速トルクが作用した場合であっても、回生電力をバッテリ20に供給することができる。
モータ30は、このような特性を有するので、ECU40による制御により以下に列挙する仕事を行う。すなわち、モータ30は、エンジン60が停止している際に、クランクシャフト61を回転させることで、エンジンを始動させる。このようなエンジン始動には、アイドルストップ後のエンジン再始動も含まれる。また、モータ30は、クランクシャフト61が低回転域で回転する際に大トルクによりクランクシャフト61の回転をアシストする(すなわち、クランクシャフト61の回転方向と同一方向のトルクをクランクシャフト61に供給する)。
また、モータ30は、クランクシャフト61が中回転域及び高回転域で回転する際にクランクシャフト61の回転をアシストする。ただし、クランクシャフト61に与えるトルクは低回転域でのトルクよりも小さい。したがって、モータ30は、クランクシャフト61の中回転域及び高回転域での回転時にクランクシャフト61と同期して駆動する。また、モータ30は、クランクシャフト61が低回転域、中回転域、及び高回転域のいずれの領域で減速する場合であっても、発電機として機能し、回生電力をバッテリ20に供給する。ここで、モータ30は、低回転域での減速時には、クランクシャフト61から大きな減速トルクが作用した場合であっても、回生電力をバッテリ20に供給する。
モータ30は、図2及び図3に示すように、ロータ31と、ステータ32とを備える。ロータ31は、突極及び永久磁石を有する円筒状の部材である。ステータ32は、ロータ31の周面を覆う円筒状の部材であり、コイルを備える。モータ30では、ステータ32のコイルに電流が流れることによってリラクタンストルク及び磁気トルクが発生し、これらのトルクによってロータ31が回転する。最大トルク発生時のリラクタンストルクは磁気トルク以上となる。例えば、最大トルク発生時のリラクタンストルクと磁気トルクとの比は6:4〜5:5となる。また、モータ30の出力は、例えば7kW程度となる。なお、モータ30は、低回転域での大トルクと高回転域での同期運転とが両立可能であれば、その出力は特に制限されない。
また、ロータ31は、クランクシャフト61に直結されている。具体的には、クランクシャフト61の他方の端部(ギアボックス70が連結されていない端部)にはクランクシャフトプーリ63が設けられており、このクランクシャフトプーリ63にロータ31が連結されている。より具体的には、図3に示すように、クランクシャフトプーリ63にはボルト貫通用のネジ穴63aが複数形成され、ロータ31のうち、ネジ穴63aに対向する位置にボルト貫通用のネジ穴31aが形成されている。そして、クランクシャフトプーリ63及びロータ31は、ボルト80によって連結されている。これにより、ロータ31はクランクシャフト61に直結されている。また、ロータ31の回転軸はクランクシャフト61の回転軸に一致する。もちろん、ロータ31とクランクシャフト61とを直結剃る方法はこれに限られない。例えば、ロータ31は、クランクシャフトプーリ63を介さずにクランクシャフト61に連結されてもよい。同様に、ステータ32も、ボルト80によりエンジン60に連結されている。
したがって、モータ30によりクランクシャフト61の回転をアシストするためには、モータ30に大トルクを発生させる必要がある。特に、エンジン始動時には非常に大きなトルクが必要になる。これに対し、モータ30は、いわゆる高リラクタンストルクモータなので、低回転域でのトルクが大きい。したがって、モータ30は、クランクシャフト61に直結された場合であっても、クランクシャフト61の回転を十分にアシストすることができる。
また、モータ30はクランクシャフト61に直結されているので、トルクを効率良くクランクシャフト61に供給することができる。これにより、モータ30は、例えばコールドクランキング時であってもより安定してエンジンを始動させることができる。すなわち、コールドクランキング時は、バッテリ20の温度が極めて低くなっている(例えば氷点下30℃程度)となっているので、バッテリ20は非常に弱くなっている)。したがって、バッテリ20から取り出す電流はなるべく小さいことが好ましい。これに対し、モータ30は、低回転域での大トルクを小さい電流で実現でき、かつ、モータ30のトルクは効率良くクランクシャフト61に伝達される。したがって、モータ30は、少量の電流しか供給されない場合であっても大トルクをクランクシャフト61に伝達することができるので、コールドクランキング時であっても、安定してエンジンを始動させることができる。
なお、モータ30のロータ31は、ベルト及びギアを介してクランクシャフト61に連結されてもよい。従来のマイクロハイブリッドシステムは、モータのロータとクランクシャフトとをベルト及びギアを介して接続していた。モータの出力が小さいので、モータのロータとクランクシャフトとを直結しても、例えばエンジン始動に必要なトルクをクランクシャフトに供給することができないからである。したがって、モータ30のロータ31をベルト及びギアを介してクランクシャフト61に連結することによって、従来のマイクロハイブリッドシステムを容易に本実施形態に係るハイブリッドシステム10に置き換えることができる。
ただし、この場合、ベルトによる伝達ロスが発生しうるので、特にコールドクランキング時の安定性が落ちる可能性がある。また、トルクの伝達速度も落ちる。したがって、モータ30のロータ31はクランクシャフト61に直結されていることが好ましい。直結によって、モータ30により生じる振動を抑える制振制御も可能になる。
さらに、図2に示すように、モータ30は、ギアボックス70とは反対側に設けられている。したがって、本実施形態では、エンジン60及びギアボックス70の連結機構を大きく改変することなく、モータ30をエンジン60に取り付けることができる。すなわち、本実施形態に係るハイブリッドシステム10は、既存の自動車に容易に適用することができる。
なお、ロータ31はクランクシャフト61に直結されているため、ロータ31の永久磁石はクランクシャフト61からの熱が伝わりやすい。しかし、モータ30のロータ31は、高回転域での回転時に永久磁石が熱を持ちにくいという特性を有する。この理由として、モータ30への電流の流し方が他のモータ(例えばSPMモータ及びIPMモータ)と異なるということが挙げられる。したがって、ロータ31の永久磁石は、仮にクランクシャフト61からの熱が伝達されても、それによってクリティカルな温度(永久磁石としての特性が変動してしまう温度)になりにくい。
一方、SPMモータ及びIPMモータは、高回転域での回転時に永久磁石が熱を持ちやすいので、仮にこれらのモータをクランクシャフト61に直結した場合、永久磁石がクランクシャフト61から伝わる熱によってクリティカルな温度になりやすい。したがって、これらのモータをクランクシャフト61に直結することは容易でない。
さらに、モータ30は軽量なので、ロータ31が回転する際にクランクシャフト61に伝わる振動が低減される。このため、ベアリング62の強度も抑えることができる。したがって、本実施形態では、ベアリング62のコストも低減することができる。なお、SPMモータ及びIPMモータはモータ30よりも重いので、仮にこれらのモータをクランクシャフト61に直結する場合、ベアリング62の強度を大きくする必要がある。すなわち、ベアリング62のコストが高くなる。したがって、この点においても、これらのモータをクランクシャフト61に直結することは容易でない。
さらに、モータ30は小型なので、クランクシャフト61への直結が可能になる。すなわち、エンジン60周辺の空間は非常に狭い。しかし、モータ30は小型なので、このような狭い空間内であっても、容易に配置することができる。これに対し、SPMモータ及びIPMモータは大型なので、エンジン60周辺の狭い空間に配置することは容易でない。したがって、この点においても、これらのモータをクランクシャフト61に直結することは容易でない。
ECU41は、ハイブリッドシステム10全体の制御を行う。例えば、ECU41は、ユーザからエンジン始動要求があった場合(例えば、イグニッションスイッチが操作された場合、アイドルストップ後にアクセルペダルが踏まれた場合)には、ECU40にエンジン始動要求を行う。また、ECU41は、エンジン始動後は、燃料タンク100からエンジン60に燃料を供給することでエンジン60を駆動する。さらに、ECU41は、エンジン駆動中は、エンジン回転数(クランクシャフト61の回転数)をモニタし、その結果に関するエンジン駆動情報をECU40に出力する。また、ECU41は、車速をモニタし、車速がゼロ、すなわち自動車が停止した場合には、エンジン60を停止する(すなわち、アイドルストップを行う)。さらに、ECU41は、ECU43からブレーキ駆動情報が与えられた場合には、燃料タンク100からの燃料供給をストップするとともに、ECU40に回生要求を行う。
ECU40は、ECU41による制御により、インバータ50を介してモータ30の制御を行う。具体的には、ECU40は、ECU41からエンジン始動要求を受けた際に、モータ30を用いてエンジンを始動させる。さらに、ECU40は、エンジン駆動情報に基づいてモータ30を制御する。具体的には、ECU40は、クランクシャフト61が低回転域で回転する際にバッテリ20からモータ30に電力を供給することで、モータ30に大トルク(クランクシャフト61の回転方向と同一方向のトルク)を発生させる。そして、ECU40は、この大トルクによりクランクシャフト61の回転をアシストする。
さらに、ECU40は、クランクシャフト61が中回転域、及び高回転域で回転する際に、バッテリ20からモータ30に電力を供給することで、モータ30にトルク(クランクシャフト61の回転方向と同一方向のトルク)を発生させる。そして、ECU40は、このトルクによりクランクシャフト61の回転をアシストする。すなわち、ECU40は、クランクシャフト61が高回転域で回転している際にも、モータ30をクランクシャフト61に同期して駆動させることができる。
さらに、ECU40は、クランクシャフト61が低回転域、中回転域、及び高回転域のいずれの領域で回転する場合であっても、モータ30を発電機として機能させる。すなわち、ECU40は、ECU41から回生要求が与えられた際に、クランクシャフト61の回転数にかかわらず、モータ30を発電機として機能させ、モータ30から発生した回生電力をバッテリ20に供給する。
ECU42は、ギア71の動作を制御する。ECU43は、ユーザがブレーキペダルを踏んだ際に、ブレーキ120を駆動させるとともに、ブレーキ駆動情報をECU41に出力する。
<3.モータの特性>
次に、図4に基づいて、本実施形態で使用されるモータ30の特性について詳細に説明する。グラフL1は、ロータ31の回転数とその回転数で出力可能な最大トルクを示す。Tmaxはロータ31が10秒間連続して出力可能な最大トルクを示す。グラフL2は、ロータ31の回転数とその回転数でロータ31に入力可能な減速トルクの最大値を示す。−Tmaxはロータ31に10秒間連続して入力可能な最大減速トルクを示す。なお、図4では、減速トルクを負の値で示した。rmaxは、ロータ31の最大回転数を示す。最大回転数は、クランクシャフト61の最大回転数以上であることが好ましい。これにより、クランクシャフト61の全回転域に対してモータ30が仕事をすることができる。
領域B1は、エンジン始動時のモータ特性を示す。すなわち、モータ30は、エンジン始動時には、クランクシャフト61に対してTmaxよりも大きなトルクを0.5〜2秒程度供給することができる。領域B2は中回転域及び高回転域で回生を行う領域である。
モータ30は、グラフL1〜L2で囲まれる領域A内のあらゆる領域、及び領域B1で仕事をすることができる。すなわち、領域Aのうち、トルクが0以上となる領域では、モータ30のロータ31は、クランクシャフト61と同期して回転することができ、かつ、クランクシャフト61の回転をアシストすることができる。すなわち、ロータ31は、クランクシャフト61の回転方向と同一方向のトルクをクランクシャフト61に供給することができる。
また、領域Aのうち、トルクが0未満となる領域では、モータ30のロータ31は、クランクシャフト61と同期して回転することができ、かつ、発電機として機能することができる。すなわち、モータ30は、回生電力を回収し、バッテリ20に供給することができる。
なお、領域B1、B2は、従来のマイクロハイブリッドシステムにおいてモータが仕事を行う領域でもある。すなわち、従来のマイクロハイブリッドシステムでは、上述したように、モータは、エンジン始動、及び中回転域及び高回転域での回生電力回収しか行うことができなかった。
これに対し、モータ30は、グラフL1〜L2で囲まれる領域A内のあらゆる領域、及び領域B1で仕事をすることができる。したがって、モータ30は、エンジンを始動することができ、クランクシャフト61が低回転域で回転する際に大トルクでクランクシャフト61の回転をアシストすることができる(領域A1及び領域A1よりも大トルクの領域を参照)。さらに、モータ30は、クランクシャフト61が中回転域及び高回転域で回転する際に、クランクシャフト61の回転をアシストすることができる。すなわち、モータ30は、クランクシャフト61が中回転域及び高回転域で回転する際であってもクランクシャフト61と同期して駆動することができる。さらに、モータ30は、低回転域、中回転域、及び高回転域のあらゆる領域において発電機として機能する。さらに、モータ30は、クランクシャフト61が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際にも、発電機として機能する(領域A2参照)。
以上により、本実施形態に係るハイブリッドシステム10は、低電圧のバッテリ20に接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータ31がエンジン60のクランクシャフト61に連結されたモータ30を制御する。これにより、ハイブリッドシステム10は、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することが可能となる。
さらに、ハイブリッドシステム10では、バッテリ20の電圧は60V以下であるので、バッテリ20の取り扱いが容易となり、かつ、ハイブリッドシステム10の構成が簡略化される。なお、この場合であっても、モータ30は上記の構成を有するので、低回転域での高トルクによる駆動アシストと高回転域での同期駆動を両立することが可能となる。
さらに、ハイブリッドシステム10は、クランクシャフト61が低回転域で回転している際、及び高回転域で回転している際のいずれにおいても、クランクシャフト61の回転をアシストすることができる。
さらに、ハイブリッドシステム10は、クランクシャフト61が低回転域で回転している際には、クランクシャフト61が高回転域で回転している際にクランクシャフト61に供給するトルクよりも大きなトルクをクランクシャフト61に供給する。したがって、ハイブリッドシステム10は、低回転域でより力強いアシストを行うことができる。
さらに、ハイブリッドシステム10は、クランクシャフト61が低回転域で減速している際、高回転域で減速している際のいずれにおいても、モータ30から回生電力を回収することができる。
さらに、ハイブリッドシステム10は、クランクシャフト61が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、モータ30から回生電力を回収する。したがって、ハイブリッドシステム10は、低回転域でより効率良く回生電力を回収することができる。
さらに、ロータ31はクランクシャフト61に直結されているので、ハイブリッドシステム10は、ロータ31からクランクシャフト61に効率良くトルクを供給することができ、かつ、回生電力を効率良く回収することができる。
さらに、ロータ31は、クランクシャフト61の両端部のうち、ギアボックス70が連結される端部と反対側の端部に直結されるので、既存のシステムに大きな変更を加えることなく、ハイブリッドシステム10を自動車に導入することができる。
さらに、ハイブリッドシステム10は、エンジン始動を行う。ここで、上述したように、ロータ31とクランクシャフト61とは直結されているので、エンジン始動時にモータ30のトルクを効率良くクランクシャフト61に伝達することができる。すなわち、ハイブリッドシステム10は、より小さい電流で大きなトルクをクランクシャフト61に伝達することができる。これにより、ハイブリッドシステム10は、例えばコールドクランキング時のエンジン始動を安定して行うことができる。
さらに、ハイブリッドシステム10は自動車に搭載されるので、ハイブリッドシステム10は、自動車を効率良く駆動することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、本発明に係るモータ制御システムを自動車のハイブリッドシステムに適用したが、エンジンとモータとを併用するシステムであれば、どのようなシステムにも本発明を適用することができる。
10 ハイブリッドシステム
20 バッテリ
30 モータ
31 ロータ
32 ステータ
40〜43 ECU
50 インバータ
60 エンジン
61 クランクシャフト
70 ギアボックス
100 燃料タンク
120 ブレーキ
130 車輪

Claims (11)

  1. 低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータを制御し、
    前記ロータは前記出力軸に直結されており、
    前記低電圧バッテリの電圧は60V以下であり、
    前記出力軸が低回転域で減速している際、及び前記出力軸が高回転域で減速している際に、前記モータから回生電力を回収し、前記低電圧バッテリに供給し、
    前記出力軸が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、前記モータから回生電力を回収し、前記低電圧バッテリに供給することを特徴とする、モータ制御方法。
  2. 前記エンジンに燃料が供給されることによって前記出力軸が低回転域で回転している際、及び、前記エンジンに燃料が供給されることによって前記出力軸が高回転域で回転している際に、前記低電圧バッテリから前記モータに電力を供給することで、前記出力軸に前記出力軸の回転方向と同一方向のトルクを付与することを特徴とする、請求項記載のモータ制御方法。
  3. 前記出力軸が低回転域で回転している際に前記出力軸に供給するトルクを、前記出力軸が高回転域で回転している際に前記出力軸に供給するトルクよりも大きくすることを特徴とする、請求項記載のモータ制御方法。
  4. 前記ロータは、前記出力軸の両端部のうち、ギアボックスが連結される端部と反対側の端部に直結されることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のモータ制御方法。
  5. 前記エンジンが停止している際に、前記低電圧バッテリから前記モータに電力を供給することで、前記出力軸を回転させることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のモータ制御方法。
  6. 低電圧バッテリに接続され、最大トルク発生時のリラクタンストルクが磁気トルク以上であり、かつ、ロータがエンジンの出力軸に連結されたモータと、
    前記モータを制御する制御部と、を備え、
    前記ロータは前記出力軸に直結されており、
    前記低電圧バッテリの電圧は60V以下であり、
    前記制御部は、前記出力軸が低回転域で減速している際、及び前記出力軸が高回転域で減速している際に、前記モータから回生電力を回収し、前記低電圧バッテリに供給し、
    前記出力軸が高回転域での減速トルクよりも大きな減速トルクにより低回転域で減速している際に、前記モータから回生電力を回収し、前記低電圧バッテリに供給することを特徴とする、モータ制御システム。
  7. 前記制御部は、前記エンジンに燃料が供給されることによって前記出力軸が低回転域で回転している際、及び、前記エンジンに燃料が供給されることによって前記出力軸が高回転域で回転している際に、前記低電圧バッテリから前記モータに電力を供給することで、前記出力軸に前記出力軸の回転方向と同一方向のトルクを付与することを特徴とする、請求項記載のモータ制御システム。
  8. 前記制御部は、前記出力軸が低回転域で回転している際に前記出力軸に供給するトルクを、前記出力軸が高回転域で回転している際に前記出力軸に供給するトルクよりも大きくすることを特徴とする、請求項記載のモータ制御システム。
  9. 前記ロータは、前記出力軸の両端部のうち、ギアボックスが連結される端部と反対側の端部に直結されることを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載のモータ制御システム。
  10. 前記制御部は、前記エンジンが停止している際に、前記低電圧バッテリから前記モータに電力を供給することで、前記出力軸を回転させることを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載のモータ制御システム。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載のモータ制御システムを備えることを特徴とする、自動車。
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