JP6296709B2 - 歪補償装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、歪補償装置に関する。
非線形の入出力特性を有する回路について、その入力信号に逆特性を付与することにより出力信号を線形化する技術として、プレディストーションが知られている。プレディストーション技術を用いた歪補償装置は、対象となる非線形回路に応じてプレディストータの伝達関数を更新する推定ブロックを有している。
ところで、非線形システムを線形化する逆システム特性としては、ポスト・インバースとプレ・インバースの二つが存在する。ポスト・インバースは、非線形システムの後ろに置いたときに全体の入出力特性が線形化されるシステム特性であり、プレ・インバースは非線形システムの前に置いたときに全体の入出力特性が線形化されるシステム特性である。本来、プレディストーション技術を用いたプレディストータが持つべき入出力特性は、プレ・インバースのシステム特性である。
しかし、厳密にプレ・インバースのシステム特性を求めることは難しいため、従来は比較的簡単に特性を求められるポスト・インバースのシステムを用いることが多かった。そのため、得られる線形化特性が限定的である問題があった。また、ポスト・インバースのシステムを用いたプレディストータは、補償対象の非線形回路の利得が変化した場合に、振幅が発散した補正信号を作り出すため、非線形回路を暴走させてしまうおそれがあった。
D. R. Morgan,"A generalized memory polynomial model for digital predistortion of RF power amplifiers,"IEEE Transactions on Signal Processing, vol. 56, pp. 3852-3860, Oct. 2006.
本発明は、簡易な構成で安定したプレ・インバースのシステム特性を得ることのできる歪補償装置を提供することを目的としている。
実施形態の歪補償装置は、非線形入出力特性を有する非線形回路において生ずる歪成分を補償する歪補償装置であって、所定の補償係数を用いて、入力信号を前記非線形入出力特性の逆特性の推定値を付与した逆特性信号に変換するプレディストータと、前記入力信号、前記逆特性信号、および前記非線形回路の出力信号に基づいて前記補償係数を生成する推定部と、を備える。
第1の実施形態に係る歪補償装置の構成を示すブロック図である。 この実施形態の歪補償装置の出力信号レベルのシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態に係る歪補償装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る歪補償装置の動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る歪補償装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る歪補償装置の変形例を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る歪補償装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の歪補償装置における見本信号取得部の例を示す図である。 第4の実施形態の歪補償装置における見本信号取得部の例を示す図である。 第4の実施形態の歪補償装置における見本信号取得部の例を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態に係る歪補償装置1は、プレディストータ10および推定ブロック30を有しており、非線形な入出力特性をもつ非線形回路20において発生する歪を補償する。
プレディストータ10は、入力信号aに対して非線形回路20の入出力特性の逆特性を付与して信号bを生成する信号演算部である。このとき、プレディストータ10は、推定ブロック30が生成する係数dを用いて信号bを生成する。推定ブロック30は、非線形回路20が出力する信号cと、入力信号aおよび信号bとを用いて係数dを生成する。
図1に示すように、推定ブロック30は、正規化部31、時間差補正部32、加算器33,34、および推定部35を有している。
正規化部31は、非線形回路20が出力する信号cを正規化処理する演算部である。非線形回路20が増幅特性または減衰特性を有している場合に、信号cの信号レベルを正規化する。時間差補正部32は、正規化部31の出力たる信号eの時間遅延を補正する演算部である。時間差補正部32は、プレディストータ10および非線形回路20において生ずる時間のずれを補正する。
加算器33は、時間差補正部32の出力たる信号fから入力信号aを減算する。すなわち、加算器33は、入力信号aに対して非線形回路20の出力に残存する歪成分を抽出する。加算器34は、プレディストータ10の出力たる信号bから加算器33の出力たる信号gを減算する。加算器34の減算結果たる信号hは、プレディストータ10の出力から非線形回路20の出力信号cに残存する歪信号を減じたものであるから、プレディストータ10が本来生成すべき信号ということになる。推定部35は、加算器34から出力される信号hと入力信号aとに基づき、プレディストータ10に与える信号dを生成する。
(動作原理)
以下、実施形態の歪補償装置の動作原理を説明する。入力信号aをx(n)(ただしn=1,…,N)で表される時系列信号とする。x(n)の取りうる値は実数でも複素数でも構わない。プレディストータ10は、x(n)を演算して、異なる時系列信号z(n)(ただしn=1,…,N)に変換する。すなわち、信号aは信号bに変換される。かかる場合において、プレディストータ10の入出力特性は、数式1のボルテラ多項式で与えられる。
Figure 0006296709
ここで、Lは考慮する最大非線形次数、Mは考慮する最大遅延サンプル数を表す。また、係数hl,mは非線形次数がlで遅延サンプル数がmの項の寄与を表す。
なお、数式1はプレディストータの実装形態の動作例の一つであって、z(n)がx(n)の式で与えられていれば、メモリ多項式、一般化メモリ多項式、Winner−Hammersteinモデル、ボルテラ多項式等どんな式を用いてもよい。
係数の初期値としてh0,0=1、それ以外はhl,m=0とすると、数式1はz(n)=x(n)となるから、初期段階においてプレディストータ10は入力された信号をそのまま出力する。ただし、初期値は上記例以外の任意の設定でも構わない。
プレディストータ10は、得られたz(n)で表される信号bを非線形回路20に与える。非線形回路20は、入力されたz(n)で表される信号bを、y(n)(ただしn=1,…,N)に変換する(信号c)。
推定ブロック30において、正規化部31はy(n)で表される信号cとx(n)で表される信号aの振幅レベルの差を補正する。続いて、時間差補正部32は、y(n)で表される信号cとx(n)で表される信号aの時間のズレを補正する。以下、振幅レベル差と時間のズレが補正された信号fを改めてy(n)として表す。推定ブロック30は、係数hl,mを適宜更新してy(n)で表される信号fをx(n)で表される入力信号aにできるだけ近づける作用をする。加算器33は、x(n)で表される信号aとy(n)で表される信号fの差の成分e(n)(信号g)を出力する。
Figure 0006296709
ここで、e(n)は非線形回路20において生じた歪み成分を表している。したがって、もし非線形回路20に与える信号bがz(n)でなく、z(n)−e(n)であったならば、非線形回路20は、x(n)の入力信号aにより近いy(n)を出力していたと考えられる。そこで加算器34は非線形回路20の入力信号bから歪成分たる信号gを差し引いた信号を生成する(数式3)。
Figure 0006296709
加算器34が生成する信号hは、プレディストータが作り出すべき信号であり、これを見本信号と呼ぶことにする。推定部35は、x(n)で表される入力信号aとzref(n)で表される信号hから、hl,mにて表されるプレディストータの係数dを算出する(数式4)。
Figure 0006296709
ここで、Hは、hl,m(ただしl=0,…,L;m=0,…,M)を並べた(L+1)(M+1)×1の列ベクトルで表される(数式5)。
Figure 0006296709
また、Zref(n)は、zref(n)(ただしn=1,…,N)を並べたN×1の列ベクトルで表される(数式6)。
Figure 0006296709
Xは、N×(L+1)(M+1)の行列で表される(数式7)。
Figure 0006296709
はXの擬似逆行列を表す。数式4は、擬似逆行列を用いた最小二乗法であるが、LMSやRLS等の最小二乗アルゴリズムを用いてもよい。
このように、推定ブロック30は、数式1〜7にて表される演算を繰り返すことで、係数dのhl,mを最適化していく。推定ブロック30は、予め定めた回数の演算を繰り返すか、あるいは、予め設定した条件を満足するまで演算を繰り返す。推定ブロック30(推定部35)が演算を終了する条件の一例としては、e(n)で表される信号gのRMS(root mean square)値を用いる方法がある。具体的には、予め定めた閾値eに対し、数式8を満足した場合に推定部35が係数dの更新を停止する。
Figure 0006296709
ここで、数式8の条件を満足して推定部35が係数dの更新を停止した場合を考える。仮に、このときのzref(n)が非線形回路20へ入力されたとすると、非線形回路20から出力されるy(n)で表される信号cは、許容誤差e以下でx(n)の入力信号aに等しくなると言える。すなわち、この実施形態の歪補償装置は、許容誤差をe以下としたときの非線形回路20のプレ・インバース特性を求めていることになる。
なお、比較例として、従来のポスト・インバース特性の動作について説明する。ポスト・インバース特性によるプレディストータは、数式9により与えられる係数を用いて補償を行う。
Figure 0006296709
ここで、Y,Zはそれぞれy(n),z(n)により表される。Yは、数式7においてx(n)をy(n)に置き換えたものに等しい。Zは、数式6においてZref(n)をZ(n)に置き換えたものに等しい。
数式4に示す実施形態の歪補償装置におけるプレディストータの係数Hと比較すると、数式9に示すポスト・インバース特性のプレディストータの係数Hは、全く異なっていることが分かる。すなわち、数式9に示すポスト・インバース特性のプレディストータの係数は、非線形回路の出力y(n)を非線形演算することで算出している。これは、信号検出や非線形回路での演算において生ずるノイズをさらに非線形演算することを意味しており、線形化性能が良好でない一因となっている。また、数式9に示すように係数Hの算出にy(n)を用いた場合、Yの逆行列演算を伴うため、もし非線形回路20の利得と正規化部31の減衰量が一致せず、y(n)の電力が相対的にz(n)の電力よりも小さくなると、係数hl,mの値が発散してしまう。その結果、プレディストータ出力も発散し、非線形回路の出力に巨大な値が現れることになる。
一方、数式4に示す実施形態の歪補償装置では、非線形回路の出力y(n)を直接用いていない。従って、係数hl,mの値が発散することがなく、非線形回路を暴走させることもない。従って、ポスト・インバース特性のプレディストータと比較して、係数Hの算出を安定的に行うことが可能となる。
図2を参照して、非線形回路の利得変動に伴う暴走について詳細に説明する。図2は、増幅器など非線形回路の利得に対する回路出力の信号レベルの関係を示している。図2中、従来のポスト・インバース特性のプレディストータを用いた増幅器について破線、実施形態に係る歪補償装置を用いた増幅器について実線にて示した。図2に示すように、ポスト・インバースを用いた従来の方法では、利得が1以下に低下すると出力レベルが著しく増加する領域(暴走モード)が存在することがわかる。一方、実施形態の方法では、いわゆる暴走モードが存在していない。すなわち、実施形態の方法ではプレディストータの係数が暴走する可能性が極めて低いことがわかる。
以下に、実施形態に係る歪補償装置を用いた増幅器および従来のポスト・インバース特性のプレディストータを用いた増幅器について、それぞれの残留非線形性の程度を帯域外歪みレベル(IM:Inter−Modulation)を用いて示す。
実施形態 比較例
IM[dB] −42.6 −41.5
すなわち、実施形態のシステムの方が1.1dB優れている結果が確認できた。
このように、第1の実施形態に係る歪補償装置では、補償対象である非線形回路20において生じた歪成分e(n)をz(n)で表される信号bから減じて見本信号zref(n)を求め、入力信号x(n)を見本信号zref(n) へ変換する係数を推定している。従って、簡易にプレ・インバース特性のプレディストータを実現することができ、安定した性能を得ることができる。特に、この実施形態に係る歪補償装置では、数式4に示すように見本信号zref(n)を求める際に入力信号x(n)を用いるので、数式9に従う従来の歪補償装置と比較して、プレディストータにおいて生ずるノイズの影響を抑えることができる。すなわち、実施形態に係る歪補償装置では、数式9に示すYを演算パラメータ(非線形演算のパラメータ)として用いないので、プレディストータに起因するノイズを受けにくくすることができる。
(第2の実施形態)
続いて、図3を参照して、第2の実施形態の歪補償装置について詳細に説明する。図3に示すように、この実施形態の歪補償装置2は、図1に示す歪補償装置1にブロックバッファ、加算器、回路切替スイッチを設けたものである。以下の説明において、図1に示す第1の実施形態と共通する要素は共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
この実施形態の歪補償装置2は、トレーニングモードと通常運転モードの二つの動作モードを有している。トレーニングモードは、推定部35が推定する係数dを最適化する動作であり、通常運転モードは、得られた係数dにより歪補償を行う動作である。
図3に示すように、この実施形態の歪補償装置2は、加算器40と、ブロックバッファ41と、スイッチSW42とを有している。ブロックバッファ41は、与えられた信号値を保持する長さNのバッファメモリである。加算器40は、ブロックバッファ41が保持した値を信号gの歪成分e(n)に加算し、ブロックバッファ41へ出力する。すなわち、ブロックバッファ41は、歪成分e(n)を累積した信号iを保持することになるから、信号iは累積した歪成分ecml(n)となる(図中、累積歪成分ecml(n)を「e(n)バー」として表す。以下同様。)。加算器40は、累積歪成分ecml(n)と、信号gの歪成分e(n)を加算して新たなecml(n)としてブロックバッファ41に格納する。
スイッチSW42は、非線形回路20の入力を、加算器34の加算出力およびプレディストータ10の出力のいずれか一方に接続する。具体的には、スイッチSW42は、トレーニングモードにおいて非線形回路20の入力を加算器34の加算出力に接続し(図3中A側に接続し)、見本信号hを非線形回路20に供給する。一方、スイッチSW42は、通常運転モードにおいて非線形回路20の入力をプレディストータ10の出力に接続し(同B側に接続し)、プレディストータ20の出力信号bを非線形回路20に供給する。
この実施形態においては、見本信号zref(n)を数式10により算出する。
Figure 0006296709
(動作)
図3および4を参照して第2の実施形態の歪補償装置の動作を説明する。この実施形態の歪補償装置2では、推定部35がプレディストータ10の係数dを決定するにあたって、回路構成をトレーニングモードとする。推定部35は、スイッチSW42を制御して図中Aに切り替えて加算器34の加算出力を非線形回路20の入力に接続させる(ステップ100。以下「S100」のように称する)。
続いて、入力信号aをプレディストータ10に与えてプレディストータ10を動作させる(S110)。推定部35は、トレーニングモードにおいては係数dは、初期値もしくは前回推定した値のまま固定とする。また、入力信号aのx(n)もトレーニング用の所定の信号に固定しておく。信号aおよび係数dが固定であることから、プレディストータ10の出力信号bのz(n)も固定値となっている。
続いて、推定部35は、ブロックバッファを初期化して累積歪成分ecml(n)を全てゼロとする(S120)。なお、ステップ100〜120は、同時に行われてもよい。
加算器34は、信号bから信号iを減じて、スイッチSW42を介して非線形回路20に供給する(S130)。ここで、初期状態ではブロックバッファ41の出力はゼロとなるから、加算器34の加算出力jのzref(n)はz(n)と等しくなる。非線形回路20は、スイッチSW42を経て与えられるzref(n)をy(n)に変換する。非正規回路20の出力信号cのy(n)は、正規化部31および時間差補正部32によりレベルおよび時間のずれが補正されて加算器33に送られる。
加算器33は、y(n)で表される信号fからx(n)の入力信号aを減じて、加算器40を介してブロックバッファ41に与える(S140)。加算器34は、数式10の演算を行って見本信号を生成し、ブロックバッファ41はecml(n)を累積加算する。
推定部35は、ブロックバッファ41に入力されるe(n)について、数式8が成立するか否か判定する(S150)。e(n)が閾値e以上の場合(S150のYes)、推定部35はブロックバッファ41による累積加算を継続し(S160)、加算器34は信号bから信号iを減じてスイッチSW42を介して非線形回路20に供給する(S130)。
e(n)が閾値e未満となった場合、推定部35は、その時点のZref(n)とx(n)を用いて係数hl,mを推定してプレディストータ10に与える(S170)。
係数hl,mを推定すると、推定部35は、スイッチSW42を制御して回路構成を通常運用モードとする。すなわち、推定部35は、スイッチSW42を制御して図中Bに切り替えてプレディストータ10の出力を非線形回路20に与える(S180)。
なお、図4に示す動作では、ステップ150において閾値eを用いて累積歪成分ecml(n)の更新停止を判定しているが、これには限定されない。例えば、予め累積歪成分ecml(n)の更新回数を設定しておき、所定回数に達した時点で更新を停止して係数hl,mを推定するように構成してもよい。
このように、第2の実施形態の歪補償装置2では、非線形回路20が出す歪み成分e(n)の大きさが閾値以下になった時点で推定部35が推定処理を行っている。すなわち、推定部35は、計算量の大きい推定処理を一回のみとし、単純な加算処理のみを繰り返すだけであるため、演算リソースや消費電力を抑えることができる。
(第3の実施形態)
続いて、図5を参照して、第3の実施形態の歪補償装置について詳細に説明する。図5に示すように、この実施形態の歪補償装置3は、図1に示す歪補償装置1に推定部35の入力を切り替えるスイッチを設けたものである。以下の説明において、図1に示す第1の実施形態と共通する要素は共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図5に示すように、この実施形態の歪補償装置3は、スイッチSW51およびSW52を有している。スイッチSW51は、入力信号aおよび正規化・時間差補正がなされた信号fのいずれか一方を推定部35の入力に接続する。スイッチSW52は、加算器34の加算結果たる信号hおよびプレディストータ10の出力信号bのいずれか一方を推定部35の入力に接続する。推定部35は、所定のタイミングでスイッチSW51およびSW52を図中A側またはB側に切り替える。
図5に示すように、推定部35がスイッチSW51およびSW52をいずれもA側に切り替えると、推定部35は、信号bおよびfに基づいて係数dを推定する。ここで、信号fは、正規化部31および時間差補正部32により補正されたy(n)であり、信号bは、非線形回路20の入力信号たるz(n)であるから、推定部35は数式9に従って係数を算出する。すなわち、推定部35はポスト・インバース特性の係数を算出する。
一方、推定部35がスイッチSW51およびSW52をいずれもB側に切り替えると、推定部35は、入力信号aおよび加算器34の加算出力たる見本信号hに基づいて係数dを推定する。すなわち、推定部35は第1の実施形態と同様に数式4に従って係数を算出する。
このように、この実施形態の歪補償装置は、ポスト・インバース特性およびプレ・インバース特性を切り替えて歪補償を行うことができる。例えば、推定部35が、推定ループの開始時のみポスト・インバース特性とし、一定時間経過後にプレ・インバース特性に切り替える。こうした動作により、推定部35が係数を推定する時間を短縮することができる。
なお、上記説明では第1の実施形態の構成に推定部の入力を切り替えるスイッチを設けるものとしているが、これには限定されない。例えば、図6に示すように、第2の実施形態における推定部の入力を切り替えるスイッチを付加してもよい。図6に示す構成によっても、推定部35が係数を推定する時間を短縮することができる。
(第4の実施形態)
続いて、図7ないし10を参照して、第4の実施形態の歪補償装置について詳細に説明する。図7に示すように、この実施形態の歪補償装置4は、図1に示す実施形態における入力信号のx(n)、プレディストータ出力信号のz(n)、および、非線形回路出力のy(n)に基づいて見本信号hを生成する構成(図1中、加算器33および34の構成)を見本信号取得部60としてまとめたものである。すなわち、この実施形態の見本信号取得部60は、図8ないし10に示す見本信号取得部60aないし60cのように変形することができる。以下の説明において、図1に示す第1の実施形態と共通する要素は共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図1に示す第1の実施形態の歪補償装置は、見本信号zref(n)を生成するため、数式2および数式3に従って演算を行っている。数式2および3は、数式11のように変形することができる。
Figure 0006296709
図8に示す見本信号取得部60aは、数式11を具体化したものである。すなわち、この例の見本信号取得部60aは、信号bから信号fを減ずる加算器61と、加算器61の加算結果と入力信号aとを加算する加算器62とを備え、加算器62の加算結果を見本信号hとして出力する構成を有している。図8に示す見本信号取得部60aは、第1の実施形態における加算器33および34の配置を変更したものであり、同様の効果を奏することができる。
図9に示す見本信号取得部60bは、図1に示す第1の実施形態に係る加算器33および34の構成にフィルタ65を追加したものである。図9に示すように、この見本信号取得部60bは、非線形回路20の出力たる信号fから入力信号aを減ずる加算器33の出力信号を所定の周波数特性でフィルタリングするフィルタ65を備えている。そして、加算器34は、プレディストータ10の出力信号bからフィルタ65によりフィルタリングされた信号を減じて見本信号hたるzref(n)を生成する。フィルタ65の通過帯域は、例えば歪補償の有無により決定することができる。すなわち、フィルタ65は、歪みを低減する必要のない帯域を除去することで、当該帯域をプレディストータが補償する対象から外すことができる。これにより、補償したい帯域に歪み低減能力を集中させることができる。
図10に示す見本信号取得部60cは、図1に示す実施形態の加算器34に代えて、z(n)とe(n)をパラメータとする関数fを演算する演算部34aを備えたものである。関数fは、例えば数式12に示す2入力1出力のメモリ多項式とすることができる。
Figure 0006296709
以上説明したように、実施形態に係る歪補償装置および当該歪補償装置を用いた非線形回路によれば、従来推定が困難であったプレ・インバース特性を簡易に推定することができる。また、補償対象の非線形回路の利得が変化した場合でも安定したレベルの補正信号を生成することが可能となるため、非線形回路の暴走を起こさないプレディストータを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…歪補償装置、20…非線形回路、30…推定ブロック、31…正規化部、32…時間差補正部、33,34…加算器。

Claims (9)

  1. 非線形入出力特性を有する非線形回路において生ずる歪成分を補償する歪補償装置であって、
    所定の補償係数を用いて、入力信号を前記非線形入出力特性の逆特性の推定値を付与した逆特性信号に変換するプレディストータと、
    前記入力信号、前記逆特性信号、および前記非線形回路の出力信号に基づいて前記補償係数を生成する推定部とを具備し
    前記推定部が、
    前記入力信号、前記逆特性信号、および前記非線形回路の出力信号に基づいて、前記逆特性信号と前記歪成分の信号の差分からなる見本信号を生成する見本信号取得部と、
    前記入力信号および前記見本信号に基づいて前記補償係数を演算する推定演算部と、
    を具備する歪補償装置。
  2. 前記見本信号取得部は、
    前記入力信号および前記非線形回路の出力信号に基づいて前記歪成分の信号を生成する第1の加算器と、
    前記逆特性信号および前記歪成分の信号に基づいて前記見本信号を生成する第2の加算器と、
    を具備することを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。
  3. 前記歪成分の信号を累積加算するブロックバッファと、
    前記逆特性信号および前記見本信号のいずれか一方を第1のタイミングで選択して前記非線形回路に入力する第1のスイッチと、をさらに備え、
    前記第2の加算器は、前記逆特性信号および前記ブロックバッファにより累積加算された前記歪成分の信号に基づいて前記見本信号を生成すること
    を特徴とする請求項2記載の歪補償装置。
  4. 前記入力信号および前記見本信号と前記非線形回路の出力信号および前記逆特性信号とのいずれか一方を第2のタイミングで選択して前記推定演算部に与える第2のスイッチをさらに備え、
    前記推定演算部は、前記選択に応じて前記入力信号および前記見本信号と前記非線形回路の出力信号および前記逆特性信号とのいずれかに基づいて補償係数を演算すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歪補償装置。
  5. 前記見本信号取得部は、前記非線形回路の出力信号と前記逆特性信号の差を前記入力信号に加算することで前記見本信号を求めることを特徴とする請求項1に記載の歪補償装置。
  6. 前記第1の加算器が生成した前記歪成分の信号を所定の周波数特性でフィルタリングするフィルタをさらに備え、
    前記第2の加算器は、前記逆特性信号および前記フィルタによりフィルタリングされた前記歪成分の信号に基づいて前記見本信号を生成すること
    を特徴とする請求項2記載の歪補償装置。
  7. 前記見本信号取得部は、前記逆特性信号と前記非線形回路の出力信号および前記入力信号の差分とをパラメータとする2入力1出力メモリ多項式により前記見本信号を算出することを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。
  8. 前記推定部は、
    前記非線形回路の出力信号レベルを所定のレベルに変換する正規化部と、
    前記非線形回路で生じる時間遅れを補正する時間差補正部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の歪補償装置。
  9. 前記非線形回路と、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の歪補償装置とを備えた装置。
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