JP6294858B2 - 光ファイバ心線検査装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ心線の接続状態を判定する光ファイバ心線検査装置および方法に関する。
通常、光伝送を行うために局とユーザの建物との間に敷設される光ファイバケーブル内には、複数の光ファイバ心線が収納される。該複数の光ファイバ心線の一方の端末は光スプリッタにより合流されてから局側に設けられたOLT(Optical Line Terminal)に接続され、他方の端末はそれぞれユーザ側に設けられたONU(Optical Network Unit)に接続される、又は未接続の状態に置かれる。
光ファイバケーブル内に収納されている複数の光ファイバ心線の接続状態、すなわち光ファイバ心線の端末に何らかの装置が接続されているか、あるいは接続のために何らかの処理が施されているかを知りたい場合に、光ファイバ心線の端末をそれぞれ調べることには多大な手間やコストが掛かる。そのため、光ファイバケーブルの途中、すなわち各光ファイバ心線の端末から離れた位置において、光ファイバ心線の接続状態を判定可能な装置が開発されている。
特許文献1には、湾曲した光ファイバ心線を試験光が通過する際に発生する漏洩光を検出することによって、光ファイバ心線の通行状態および通行方向を判定する技術が記載されている。特許文献1に記載の技術においては、光ファイバ心線の一部(判定点)を湾曲させ、該判定点の局側(上流側)およびユーザ側(下流側)にPD等の光検出器が設けられる。その状態で局側からユーザ側に向かって所定の波長の試験光が発射すると、判定点である湾曲部において主に試験光の進行方向側に漏洩光が発生するため、ユーザ側PDによって漏洩光が検出される。
ところで、光ファイバ心線のユーザ側の端末に接続されるONUは、試験光として用いられる波長の光を反射する反射部(ターミネーション)を備える。そのため、光ファイバ心線のユーザ側の端末にONUが接続されている場合には、試験光は反射部によって反射され、ユーザ側から局側に向かって反射光が進行する。そうすると、判定点である湾曲部において主に反射光の進行方向側に漏洩光が発生するため、局側PDによって漏洩光が検出される。一方、光ファイバ心線のユーザ側の端末が未接続の状態にある場合には、試験光は反射されないため、局側PDによって漏洩光はほとんど検出されない。
このような現象により、特許文献1に記載の技術は、ユーザ側PDが漏洩光を検出した場合には局側からユーザ側に通光していると判定することができ、局側PDが漏洩光を検出した場合にはユーザ側から局側に通光している、すなわちONU内の反射部によって試験光が反射されていると判定することができる。
特開2008−148272号公報
実際の光ファイバ心線の敷設環境においては、判定点とONUに設けられた反射部との間に、光コネクタや融着による接続損失等によって比較的大きな損失が存在する場合がある。特に反射光は局側からユーザ側に向かう時とユーザ側から局側に戻る時とで2重に損失の影響を受けるため、反射光は大きく減衰し得る。
このような状態において、反射光として局側PDが検出する信号強度が小さくなるため、特許文献1に記載の技術では端末に反射部が存在しているか否か、すなわち光ファイバ心線がONUに接続されているか否かを判定することが難しい場合がある。一方、PDが高精度で光を検出することができれば、損失が大きくても反射部の存在の有無を判定しやすい。したがって、大きな損失の存在下でも光ファイバ心線の接続状態を判定できるように、光ファイバ心線の漏洩光の測定精度をさらに向上させることが求められている。
本発明は、上述の問題に鑑みて行われたものであって、高精度に接続状態を判定可能な光ファイバ心線検査装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、光ファイバ心線からの漏洩光を検出することによって前記光ファイバ心線の端末の状態を判定する光ファイバ心線検査装置であって、前記光ファイバ心線の一部を湾曲させて湾曲部を形成する固定部と、前記光ファイバ心線の一方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられ、前記漏洩光の強度を測定する第1の検出部と、前記光ファイバ心線の他方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられ、前記漏洩光の強度を測定する第2の検出部と、前記第1の検出部と前記第2の検出部との間において前記湾曲部の外側に接するように設けられ、前記漏洩光を減衰させる遮光部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、光ファイバ心線の端末の状態を判定する光ファイバ心線検査方法であって、前記光ファイバ心線の一部を湾曲させて湾曲部を形成することと、前記光ファイバ心線の一方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられた第1の検出部により、前記湾曲部からの漏洩光の強度を測定することと、前記光ファイバ心線の他方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられた第2の検出部により、前記漏洩光の強度を測定することと、前記第1の検出部と前記第2の検出部との間において前記湾曲部の外側に接するように設けられた遮光部により、前記漏洩光を減衰させることと、前記第1の検出部により測定された前記漏洩光の強度と、前記第2の検出部により測定された前記漏洩光の強度とに基づいて、前記光ファイバ心線の端末の状態を判定することとを備えることを特徴とする。
本発明では、光ファイバ心線に沿って配置される第1の検出部と第2の検出部との間に、漏洩光を減衰させる遮光部が設けられる。遮光部は試験光とは逆方向に生じる漏洩光を低減させるため、漏洩光の測定精度を向上させることができ、試験光の経路に比較的大きな損失の存在している状態でも光ファイバ心線の接続状態を良好に判定することができる。
本発明の一実施形態に係る光伝送システムの模式図である。 本発明の一実施形態に係る光ファイバ心線検査装置の上面図である。 本発明の一実施形態に係る遮光部材の断面図である。 光ファイバ心線から発生する漏洩光を説明するための模式図である。 PD間距離とPD感度との関係のグラフを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る光伝送システム10の概略断面図である。光伝送システム10は、局に配置されたOLT11と、ユーザの建物に配置されたONU17との間で光通信を行うシステムである。本実施形態において、局側(上流側)はOLT11側のことを指し、ユーザ側(下流側)はONU17側のことを指す。また、下り方向はOLT11からONU17に向かう方向を指し、上り方向はONU17からOLT11に向かう方向を指す。
光伝送システム10は、光通信を行うための光信号を送受信するOLT11と、伝送経路の試験を行うための光信号である試験光を発生する試験光発生部12とを備える。OLT11は情報を含む光信号をONU17へ送信し、また情報を含む光信号をONU17から受信する。
試験光発生部12は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)等の任意の発光素子を備え、試験に用いられる所定の波長の試験光を射出する。試験光の波長は任意の波長でよく、本実施形態では1650nmである。試験光発生部12が射出する試験光の波長は、OLT11が送受信する光信号の波長とは異なることが望ましい。
OLT11および試験光発生部12は本実施形態において異なる装置として設けられているが、光通信に用いられる光信号と試験に用いられる試験光との両方を射出可能な1つの装置として設けられてもよい。
OLT11からの光信号および試験光発生部12からの試験光は光カプラ13により合波され、さらに光スプリッタ14により分波される。光スプリッタ14により分波された光は、光スプリッタ14のユーザ側に接続された複数の光ファイバ心線15に射出される。光カプラ13は局側から入力された光を合波してユーザ側に出力する任意の光デバイスであり、光スプリッタ14は局側から入力された光を所定の数に分波してユーザ側に出力する任意の光デバイスである。例えば、光カプラ13はY字分岐であり、光スプリッタ14は1×8光スプリッタである。
複数の光ファイバ心線15の長手方向に沿った少なくとも一部は束ねられて1本の光ファイバケーブル中に設けられてよく、また別の一部は1本ずつ分けられてユーザとしての家庭、企業、店舗等の建物に敷設されてよい。
光ファイバ心線15のユーザ側の端末16は、ONU17に接続される場合、あるいは何ら接続されない場合がある。また、端末16に光コネクタ19が設けられた上で接続されずに放置される場合がある。光ファイバ心線15の端末16に何ら接続されない場合には、該端末16には研磨等の処理が施されておらず、試験光をほとんど反射しない。
光ファイバ心線15の端末16がONU17に接続される場合には、該端末16はONU17に設けられた反射部18(ターミネーション)に接続される。反射部18は、試験に用いられる試験光を反射して局側に戻し、また光通信に用いられる光信号を通過させてONU17に入力させる。反射部18は、例えば試験光の波長の光(本実施形態では1650nm)を反射し、かつそれ以外の波長の光を通すように構成された光フィルタである。
このように光ファイバ心線15の端末16には複数の状態があり得るため、光伝送システム10において複数の光ファイバ心線15のそれぞれが接続済(活線)であるか、未接続であるかの接続状態を判定するできることが求められている。さらに、端末16に光コネクタ19が設けられている光ファイバ心線15はすぐに使用可能であるため、光コネクタ19の存在の有無を検出できることが望ましい。
本実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100は、光ファイバ心線15の途中、すなわち光ファイバ心線15の端末16から離れた位置において、接続状態を判定することが可能である。光ファイバ心線検査装置100は、光ファイバ心線15を切断することなく、光ファイバ心線15を挟み込むことによって接続状態の判定を行う。
図2は、本実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100の上面図である。図2には、光ファイバ心線検査装置100のうち光ファイバ心線15が保持される部分の周辺が示されており、その他の部分は省略されている。また、手前の部材によって隠れている部分は破線で示されている。
光ファイバ心線検査装置100は、凸型固定部101と凹型固定部102とからなる固定部を備える。凸型固定部101は、光ファイバ心線15の延在方向に沿って山状に湾曲した凸面101aを有する。凹型固定部102は、凸型固定部101の凸面101aにほぼ平行となるように谷状に湾曲した凹面102aを有する。
凸型固定部101は、凹型固定部102に対して近付く方向および離れる方向(図2のB方向)に移動可能に構成される。凸型固定部101と凹型固定部102とが相対的に近付くことおよび離れることが可能であれば、凸型固定部101と凹型固定部102とのどちらが移動可能でもよく、あるいは両方が移動可能でもよい。
凹型固定部102は、第1の検出部として凹面102aの局側(OLT11側)に設けられた局側PD103と、第2の検出部としてユーザ側(ONU17側)に設けられたユーザ側PD104とを備える。局側PD103およびユーザ側PD104は、それぞれ入射した光の強度を検出するフォトダイオード(PD)である。局側PD103およびユーザ側PD104は、不図示の制御部に接続され、検出した光信号の強度を含む情報を電気信号として該制御部に送信する。制御部は、PDからの電気信号に基づいて光信号の強度を取得し、接続状態を判定するための演算を実行可能な任意のコンピュータ又は電気回路でよい。漏洩光の強度を検出可能であれば、PDだけでなく、フォトマル等の任意の光センサを用いてよい。
局側PD103およびユーザ側PD104は、それぞれ凹型固定部102内において光ファイバ心線15に向くように設けられる。局側PD103およびユーザ側PD104と光ファイバ心線15との間の凹型固定部102の凹面102aには、少なくとも試験光の波長の光を透過させる窓が設けられている。そのため、光ファイバ心線15を試験光が通る際に発生する漏洩光は、該窓を通って局側PD103およびユーザ側PD104に入射する。
局側PD103およびユーザ側PD104は、光ファイバ心線15の延在方向に沿って距離X離れて配置される。距離Xは局側PD103およびユーザ側PD104の中心間の距離である。
凹型固定部102の凹面102aの中心部、すなわち局側PD103とユーザ側PD104との間の中心部には、遮光部材105が設けられる。遮光部材105は、光ファイバ心線15からの漏洩光を減衰させ又は遮断するための部材である。遮光部材105は、試験光の波長の光の少なくとも減衰させる。遮光部材105は、試験光の波長の光の強度を50%以下に減衰させる遮光性を有することが望ましく、1%以下に減衰させる遮光性を有することがさらに望ましい。遮光部材105は上述の遮光性を有する任意の材料で構成されてよいが、本実施形態ではゴムや樹脂等の弾性体を用いて構成される。
凸型固定部101と凹型固定部102との間に光ファイバ心線15を配置し、凸型固定部101と凹型固定部102とを近付けることによって、光ファイバ心線15は凸型固定部101に押される。その結果、光ファイバ心線15には凸型固定部101の凸面101aに沿って湾曲した湾曲部15aが形成される。この状態で光ファイバ心線15は凸型固定部101により遮光部材105に押し付けられて固定される。すなわち、光ファイバ心線15が固定された状態において、遮光部材105は光ファイバ心線15の湾曲部15aの外側に接する。ここで、湾曲部15aの外側は、湾曲部15aのカーブに内接する内接円を考えたときに、該内接円の径方向に沿った湾曲部15a(光ファイバ心線15)の外側を指す。局側PD103およびユーザ側PD104は、湾曲部15aの外側に対面するように、湾曲部15aからほぼ等距離に位置することになる。湾曲部15aは、本実施形態における光ファイバ心線15の接続状態の判定点である。
図3は、図2のA−A線で切断した遮光部材105の断面図である。図3は、光ファイバ心線15が遮光部材105に接するように固定されている状態を示す。本実施形態では、遮光部材105は弾性体を用いて構成されているため、光ファイバ心線15が凸型固定部101により押されると、光ファイバ心線15の少なくとも一部は遮光部材105に沈み込む。そうすると、光ファイバ心線15と遮光部材105とは線ではなく面で接触する。すなわち、遮光部材105は、光ファイバ心線15の横断面における円周方向に広がりをもって光ファイバ心線15に接触する。
光ファイバ心線15からの漏洩光は、光ファイバ心線15の側面から面積を持って発生する。そのため、遮光部材105が光ファイバ心線15に線で接触する場合には、一部の漏洩光は遮光部材105と光ファイバ心線15との隙間を通るため、十分に遮光されない場合がある。それに対して、本実施形態では弾性体である遮光部材105が光ファイバ心線15に面で接するため、漏洩光の経路を広範囲で遮り、漏洩光を効果的に減衰させることができる。また、弾性体である遮光部材105は光ファイバ心線15に印加された応力を緩和するため、光ファイバ心線15が破損したり、光ファイバ心線15中でマイクロベンドが発生したりすることを抑制することができる。
図4(a)〜4(c)は、光ファイバ心線から発生する漏洩光を説明するための模式図である。図4(a)は光ファイバ心線15の端末16に何も接続されていない状態を示し、図4(b)は光ファイバ心線15の端末16にONU17が接続されている状態を示す。漏洩光に対する感度を向上させ、また装置の大きさを小さくするために、局側PD103およびユーザ側PD104は、光ファイバ心線15の湾曲部15aに対して近接して設けられる。
湾曲部15aを光が通過する際に、ユーザ側PD104において検出される光をユーザ側漏洩光Dと呼び、局側PD103により検出される光を局側漏洩光Eと呼ぶ。本実施形態において光ファイバ心線15の接続状態を判定するために用いる減衰量βは、以下の式(1)で定義される。
Figure 0006294858
ここで、βは減衰量(dB)であり、αは局側PD103で検出される光の強度(dBm)であり、αはユーザ側PD104で検出される光の強度(dBm)である。
図4(a)、4(b)のどちらの状態においても、試験光Cは局側からユーザ側に向かって進行する。試験光Cが湾曲部15aを通過する際に、主に光の進行方向にあるユーザ側PD104において大きなユーザ側漏洩光Dが検出される。
図4(a)の状態では、何ら処理が行われていない端末16で反射はほとんど起こらないため、反射光は発生しないものとみなせる。しかしながら、光ファイバ心線15の被覆で起こる乱反射による光や、光ファイバ心線15とPDとの隙間を通る光によって、試験光Cの進行方向とは逆側の局側PD103においても小さな局側漏洩光Eが検出される。
図4(b)の状態では、試験光CはONU17の反射部18により反射され、反射光Fがユーザ側から局側に向かって進行する。反射光Fの強度は、湾曲部15a(判定点)とONU17との間に存在し得る損失の影響により多少減衰するものの、試験光Cの強度と近い値となる。そのため、反射光Fが湾曲部15aを通過する際に、主に光の進行方向にある局側PD103においてユーザ側漏洩光Dと近い強度の局側漏洩光Eが検出される。
したがって、反射部18が有る場合(図4(b)の状態)の減衰量βは、反射部18が無い場合(図4(a)の状態)の減衰量βよりも小さくなる。そのため、測定対象の減衰量βを反射部18が無い場合の減衰量βと比較することにより、反射部18の有無を判定することができる。
図4(a)の状態において、試験光Cの進行方向とは逆向きに検出される局側漏洩光Eは、反射光により生じたものと区別が付かないため、端末16における反射部18の有無を判定する精度を低下させる要因となる。
具体的には、反射部が無い場合において、PDの測定限界を−80dBmとし、試験光Cの進行方向に生じるユーザ側漏洩光Dの強度を−30dBmとする。理想的な条件として試験光Cの進行方向とは逆向きの局側漏洩光Eが発生しない状態を仮定すると、減衰量β=−30−(−80)=50dBとなる。一方、現実的な条件として試験光Cの進行方向とは逆向きに生じる局側漏洩光Eの強度を−40dBmとすると、減衰量β=−30−(−40)=10dBとなる。このように、減衰量βは理想的な条件における50dBから現実的な条件における10dBまで低下してしまうため、反射部18の有無を判定する精度が低下する。
すなわち、試験光Cの進行方向とは逆向きの局側漏洩光Eにより減衰量βが小さくなるため、反射部18の有無による減衰量βの変化が経路上の損失に埋もれてしまい、反射部18の有無を正しく判定できない場合がある。そのため、試験光Cの進行方向とは逆向きに生じる局側漏洩光Eを低減することが望ましい。
本実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100は、図2に示すように、局側PD103とユーザ側PD104との間に遮光部材105を備えている。遮光部材105は光ファイバ心線15の被覆で起こる乱反射による光を遮り、また光ファイバ心線15と凹型固定部102との隙間を塞ぐため、試験光Cの進行方向とは逆向きに生じる局側漏洩光Eを低減することができる。そのため、本実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100は、端末16における反射部18の有無を判定する精度を向上させることができる。
図4(c)は、光ファイバ心線15の端末16に光コネクタ19が設けられている状態を示す。光ファイバ心線15の端末16に光コネクタ19が設けられる場合には、通常その端末16は研磨されるため、試験光Cの一部(1/25程度)を反射する。そのため、光コネクタ19が設けられる場合には、反射部18が有る場合よりも小さな反射光Fがユーザ側から局側に向かって進行する。
したがって、光コネクタ19が設けられる場合には、反射部18が無い場合(図4(a)の状態)の減衰量βよりも小さく、かつ反射部18が有る場合(図4(b)の状態)の減衰量βよりも大きい減衰量βが測定される。本実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100によれば、端末16における反射の判定精度を向上させることができるため、光コネクタ19の有無をも判定できる可能性がある。
(実施例)
上述の実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100を用いて、減衰量の測定実験を行った。測定実験においては、局側PD103とユーザ側PD104との間の距離Xを変化させるとともに、遮光部材105の有無、反射部18(又は光コネクタ19)の有無、判定点と端末16との間の損失の値を変化させ、減衰量βの測定を行った。
局側PD103とユーザ側PD104との間の距離Xは、図2に示すように局側PD103の中心とユーザ側PD104の中心との間の距離である。距離Xの値として、9.9mm、10.5mm、11.1mmを用いた。
湾曲部15a(判定点)と端末16との間の損失は、光減衰器(光アッテネータ)を設けることにより設定した。なお、光ファイバ自身の伝送損失は、本発明に係る光伝送システム10の敷設環境(〜数百m)においては非常に小さい値となるため無視している。
まず、反射部18が無い場合(図4(a)の場合)における距離Xおよび遮光部材105の有無の各組み合わせについて、減衰量βを測定した結果を表1に示す。表1における減衰量βの値は、反射部18又は光コネクタ19の存在の判定可否の基準となる。すなわち、後述する表2〜5の各条件において、表1の減衰量βよりも小さい値が測定される場合には、反射部18(又は光コネクタ19)が有ることを判定することができる。一方、表1の減衰量βと同じ値が測定される場合には、反射部18(又は光コネクタ19)の有無を判定することはできない。
Figure 0006294858
次に、反射部18が有る場合(図4(b)の場合)であって、損失が無い(損失が0dBである)場合における距離Xおよび遮光部材105の有無の各組み合わせについて、減衰量βを測定した結果を表2に示す。
Figure 0006294858
表2に示すように、損失が無い場合には、いずれの条件においても減衰量βが表1よりも低下しているため、反射部18が有ることを判定することができる。
次に、反射部18が有る場合(図4(b)の場合)であって、損失が5dBである場合における距離Xおよび遮光部材105の有無の各組み合わせについて、減衰量βを測定した結果を表3に示す。
Figure 0006294858
表3に示すように、5dBの損失が有る場合に、距離Xが10.5mmおよび11.1mmの条件では、減衰量βが表1よりも低下しているため反射部18が有ることを判定することができる。距離Xが9.9mmの条件では、遮光部材105が有る場合に減衰量βが表1よりも低下しているため反射部18が有ることを判定することができるが、遮光部材105が無い場合には反射部18の有無を判定することができない。
次に、反射部18が有る場合(図4(b)の場合)であって、損失が9dBである場合における距離Xおよび遮光部材105の有無の各組み合わせについて、減衰量βを測定した結果を表4に示す。
Figure 0006294858
表4に示すように、9dBの損失が有る場合に、距離Xが9.9mmおよび10.5mmの条件では反射部18の有無を判定することができない。距離Xが11.1mmの条件では、遮光部材105が有る場合に減衰量βが表1よりも低下しているため反射部18が有ることを判定することができるが、遮光部材105が無い場合には反射部18の有無を判定することができない。
表1〜4からわかるように、遮光部材105が無い場合よりも、遮光部材105が有る場合の方が、反射部18の有無を判定しやすい。また、局側PD103とユーザ側PD104との間の距離Xが大きいほど、反射部18の有無を判定しやすい。
従来では判定点と端末16との間に5dB以上の損失があると反射部18の有無の判定が困難であった。それに対して、光ファイバ心線検査装置100は、遮光部材105を備えるため、減衰量βの検出精度が向上し、5dB以上の損失があっても反射部18の有無の判定が可能である。特に距離Xが11mm以上であり、かつ遮光部材105が有る場合には、判定点と端末16との間の損失が9dBと大きい場合であっても、反射部18の有無を判定することができる。
さらに、反射部18の代わりに光コネクタ19が有る場合(図4(c)の場合)における距離Xおよび遮光部材105の有無の各組み合わせについて、減衰量βを測定した結果を表5に示す。判定点と端末16との間の損失を0dBとした。
Figure 0006294858
表5に示すように、光コネクタ19を設けた場合には、距離Xが9.9mmの条件で反射部18の有無を判定することができないものの、距離Xが11.1mmの条件で減衰量βが表1よりも低下しているため反射部18が有ることを判定することができる。距離Xが10.5mmの条件では、遮光部材105が有る場合には減衰量βが表1よりも低下しているため反射部18が有ることを判定することができるが、遮光部材105が無い場合には反射部18の有無を判定することができない。
光コネクタ19の設けられた端末16における反射率は小さい(1/25程度)ため、従来では光コネクタ19の有無の判定は困難であった。それに対して、光ファイバ心線検査装置100は、遮光部材105を備えるため、減衰量の検出精度が向上し、光コネクタ19の有無(より正確には光コネクタ19の設けられた端末16に対する研磨処理の有無)の判定が可能である。
次に、局側PD103とユーザ側PD104との間の距離Xの好ましい範囲を検討するための実験を行った。図5は、PD間の距離XとPDの感度との関係のグラフを示す図である。図5の横軸はPD間の距離X(mm)であり、縦軸はPDの感度(相対値、無単位)である。PDの感度は、光ファイバ心線15中を通る試験光Cの強度に対する、ユーザ側PD104で検出された漏洩光の強度の比である。すなわちPDの感度が大きいほど検出の精度が向上する。図5においては、感度が最大であるPD間の距離X=4.45mmの時の値を基準とした感度の相対値が用いられている。
図5に示すように、PD間の距離Xが15mmを超えると、PDの感度は最大値の1/10程度になる。そのため、距離Xが大きすぎると局側PD103およびユーザ側PD104の漏洩光の受光特性が悪化し、減衰量の測定精度が低下する。したがって、上述の減衰量の測定実験の結果と合わせて、減衰量の測定精度を向上させるためにはPD間の距離Xは11mm以上かつ15mm以下であることが望ましい。
以上に示すように、本発明の一実施形態に係る光ファイバ心線検査装置100によれば、減衰量の検出精度が向上するため、光ファイバ心線15の端末16に何らかの処理が施されていること、すなわち反射部18が接続されていることや光コネクタ19設置時の研磨が行われていることを判定することができる。
本発明は上述の実施形態および実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更が可能である。
15 光ファイバ心線
15a 湾曲部
101 凸型固定部
102 凹型固定部
103 局側PD
104 ユーザ側PD
105 遮光部材

Claims (6)

  1. 光ファイバ心線からの漏洩光を検出することによって前記光ファイバ心線の端末の状態を判定する光ファイバ心線検査装置であって、
    前記光ファイバ心線の一部を湾曲させて湾曲部を形成する固定部と、
    前記光ファイバ心線の一方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられ、前記漏洩光の強度を測定する第1の検出部と、
    前記光ファイバ心線の他方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられ、前記漏洩光の強度を測定する第2の検出部と、
    前記第1の検出部と前記第2の検出部との間において前記湾曲部の外側に接するように設けられ、前記漏洩光を減衰させる遮光部と、
    を備えることを特徴とする装置。
  2. 前記第1の検出部と前記第2の検出部との間の距離は11mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の検出部と前記第2の検出部との間の距離は15mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記遮光部は弾性体を用いて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記第1の検出部および前記第2の検出部はそれぞれフォトダイオードであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 光ファイバ心線の端末の状態を判定する光ファイバ心線検査方法であって、
    前記光ファイバ心線の一部を湾曲させて湾曲部を形成することと、
    前記光ファイバ心線の一方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられた第1の検出部により、前記湾曲部からの漏洩光の強度を測定することと、
    前記光ファイバ心線の他方の端末側において前記湾曲部の外側に対面するように設けられた第2の検出部により、前記漏洩光の強度を測定することと、
    前記第1の検出部と前記第2の検出部との間において前記湾曲部の外側に接するように設けられた遮光部により、前記漏洩光を減衰させることと、
    前記第1の検出部により測定された前記漏洩光の強度と、前記第2の検出部により測定された前記漏洩光の強度とに基づいて、前記光ファイバ心線の端末の状態を判定することと、
    を備えることを特徴とする方法。
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