JP6291386B2 - 車両制御装置、及び、センサ校正方法 - Google Patents

車両制御装置、及び、センサ校正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6291386B2
JP6291386B2 JP2014169837A JP2014169837A JP6291386B2 JP 6291386 B2 JP6291386 B2 JP 6291386B2 JP 2014169837 A JP2014169837 A JP 2014169837A JP 2014169837 A JP2014169837 A JP 2014169837A JP 6291386 B2 JP6291386 B2 JP 6291386B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acceleration
vehicle
control device
sensor
gradient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014169837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016043821A (ja
Inventor
小林 真也
真也 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014169837A priority Critical patent/JP6291386B2/ja
Publication of JP2016043821A publication Critical patent/JP2016043821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6291386B2 publication Critical patent/JP6291386B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

本発明は、車両制御装置と、車両制御装置が実行するセンサ校正方法に関する。
車両が走行している走行路の勾配を検出(推定)する方法として、車両の駆動力に基づいて走行路の勾配を推定する方法がある。この方法は精度よく勾配を推定できるが、車両に制動力が生じている場合には勾配を推定する精度(推定精度)が低下する。
また、車両の加速度を加速度センサで検出し、加速度センサ出力(検出値)に基づいて走行路の勾配を推定する方法がある。この方法は車両に制動力が生じていても精度よく勾配を推定できるが、推定精度を維持するために加速度センサ出力の補正(センサ校正)が必要になる。
例えば、特許文献1には、加速度センサ出力の補正方法(センサ校正方法)が記載されている。特許文献1に記載される補正方法は、車両が平坦路を一定速度で走行しているときの加速度データを校正データとして加速度センサ出力を補正する。
特開2005−315720号公報
特許文献1に記載される補正方法は、車両が平坦路を一定速度で走行しているときのみ加速度センサ出力の補正(センサ校正)が可能になる。つまり、勾配のある走行路を走行している車両においては加速度センサ出力を補正できない。したがって、勾配のある走行路を車両が走行しているときには加速度センサ出力に誤差が生じることがある。ひいては、加速度センサ出力に基づいて勾配を推定するときの推定精度が低下することがある。
また、勾配のある走行路を降坂している車両の加速を抑制するために当該車両に制動力が発生する場合や、電気自動車など回生制動力を発生可能な車両において回生制動力が発生できない場合に摩擦制動力が発生する場合がある。このような場合には、運転者によるペダル操作(ブレーキペダル,アクセルペダル)に関係なく駆動力や車速(車体速)が変化してしまい、勾配を推定する推定精度が低下する。
そこで本発明は、勾配のある走行路を走行している車両の加速度センサのセンサ校正が可能で走行路の勾配を精度よく推定できる車両制御装置、及び、センサ校正方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、加速度を検出する加速度センサと、動力源が出力する駆動力を計測する動力計測手段と、車体速を検出する車体速センサと、を有する車両に備わり、前記加速度センサの検出信号から算出する加速度検出値に基づいて走行路の勾配を推定する車両制御装置において、前記加速度センサの検出信号から前記加速度検出値を算出し、前記加速度検出値に基づいて前記走行路の勾配抵抗を算出する第1算出部と、前記動力計測手段の計測信号から駆動力計測値を算出し、前記駆動力計測値に基づいて前記走行路の勾配抵抗を算出する第2算出部と、前記第1算出部が算出する前記勾配抵抗と前記第2算出部が算出する前記勾配抵抗の偏差に基づいてオフセット補正量を算出する補正量算出部と、を有し、前記車体速を時間微分して算出する加速度が所定の加速度閾値以下で、前記駆動力の変化量が所定の定常変化量以下のときに前記車両が定常状態になったと判定して、前記加速度検出値に含まれるオフセット誤差を補正し、前記車両が定常状態になったと判定したときに、前記オフセット補正量で前記オフセット誤差を補正することを特徴とする。
本発明によると、車両が定常状態のときに、加速度検出値に含まれるオフセット誤差が補正されて加速度センサがセンサ校正される。また、車両制御装置は、駆動力の変化量と加速度に基づいて車両が定常状態か否かを判定する。したがって、車両が、勾配のある走行路を走行している場合であっても加速度センサのセンサ校正が可能になる。
制動力が発生している車両では加速度センサの加速度検出値に基づいて勾配を推定することで勾配の推定精度を向上できるので、本発明に係る車両制御装置は、勾配のある走行路で制動力が作用した状態の車両であってもセンサ校正した加速度センサの使用で精度の高い勾配の推定が可能になる。
加速度検出値に基づいた勾配抵抗と、駆動力検出値に基づいた勾配抵抗の偏差に基づいてオフセット補正量が算出される。このように算出されるオフセット補正量は加速度検出値に生じる誤差を示すため、加速度検出値に含まれるオフセット誤差をオフセット補正量で補正することで加速度センサがセンサ校正される。
また、本発明の車両制御装置は、前記加速度検出値から前記オフセット補正量を減算して前記オフセット誤差を補正することを特徴とする。
本発明によると、加速度検出値からオフセット補正量が減算される。オフセット補正量は加速度検出値に生じる誤差であるため、オフセット補正量を加速度検出値から減算することによって、オフセット誤差で加速度検出値に生じている誤差が取り除かれる。
また、本発明は、加速度を検出する加速度センサと、動力源が出力する駆動力を計測する動力計測手段と、車体速を検出する車体速センサと、を有する車両に備わる車両制御装置が前記加速度センサを校正するセンサ校正方法とする。そして、前記車体速を時間微分して算出する加速度が所定の加速度閾値以下で、前記駆動力の変化量が所定の定常変化量以下のときに前記車両が定常状態になったと判定するステップと、前記加速度センサの検出信号から加速度検出値を算出するステップと、前記加速度検出値に基づいて走行路の勾配抵抗を算出するステップと、前記動力計測手段の計測信号から駆動力計測値を算出するステップと、前記駆動力計測値に基づいて前記走行路の勾配抵抗を算出するステップと、前記加速度検出値に基づいて算出した前記勾配抵抗と前記駆動力計測値に基づいて算出した前記勾配抵抗の偏差に基づいてオフセット補正量を算出するステップと、前記車両が定常状態になったと判定したときに、前記加速度検出値に含まれるオフセット誤差を前記オフセット補正量で補正するステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係るセンサ校正方法は、駆動力の変化量と加速度に基づいて車両が定常状態か否かが判定される。よって、車両が勾配のある走行路を走行している状態でも車両制御装置は車両が定常状態であると判定する。また、車両が定常状態の場合には、加速度センサの検出信号に基づいた勾配抵抗と、動力計測手段の計測信号に基づいた勾配抵抗と、の偏差に基づいて算出されるオフセット補正量で加速度検出値に含まれるオフセット誤差が補正される。オフセット補正量は加速度検出値に生じる誤差を示すため、加速度検出値に含まれるオフセット誤差をオフセット補正量で補正することで加速度センサがセンサ校正される。
制動力が発生している車両では加速度検出値に基づいて勾配を推定することで勾配の推定精度を向上できる。本発明に係るセンサ校正方法によれば、勾配のある走行路で制動力が作用した状態の車両であっても加速度センサのセンサ校正が可能であるため、勾配のある走行路で制動力が作用した状態の車両においてセンサ校正した加速度センサの使用で精度の高い勾配の推定が可能になる。
また、本発明において前記オフセット誤差を前記オフセット補正量で補正するステップは、前記加速度検出値から前記オフセット補正量を減算するステップであることを特徴とする。
本発明によると、オフセット補正量が加速度検出値から減算されて加速度センサがセンサ校正される。オフセット補正量は加速度検出値に生じる誤差であるため、オフセット補正量を加速度検出値から減算することによって、オフセット誤差で加速度検出値に生じている誤差が取り除かれる。
本発明によると、勾配のある走行路を走行している車両の加速度センサのセンサ校正が可能で走行路の勾配を精度よく推定できる車両制御装置、及び、センサ校正方法を提供できる。
本実施形態に係る車両の構成図である。 本実施形態に係る車両用ブレーキシステムの概略構成図である。 車両制御装置の機能ブロック図である。 勾配加速度を説明する図である。 (a)はオフセット補正量算出部の機能ブロック図、(b)は車両の駆動力と勾配抵抗と加速度抵抗と走行抵抗の関係を示す図である。 車両制御装置がセンサ校正する手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る車両の構成図である。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、図1に示すように構成される車両1に備わる。本実施形態の車両1は、電動機200が動力源として備わる電気自動車である。車両1は、電動機200で発生する駆動力が駆動輪(例えば、右側前輪WFR,左側前輪WFL)に伝達されて走行する。
電動機200は、車両制御装置150によって制御される。車両制御装置150は、電動機200の制御部(図示しないECU:Engine Control Unit等)に指令を与え、電動機200から出力される駆動力を調節する。
なお、車両1は、電動機200とともにエンジンなどの内燃機関(図示せず)が備わるハイブリッド車両であってもよい。
また、車両1は、後輪(左側後輪WRL,右側後輪WRR)が駆動輪であってもよいし、全ての車輪(WFR,WFL,WRL,WRR)が駆動輪であってもよい。
車両制御装置150は、ブレーキペダル12の踏み込み操作量に応じた制動力を車両用ブレーキシステム10で発生させる。車両用ブレーキシステム10で発生した制動力が車輪(WFR,WFL,WRL,WRR)の回転を停止させて車両1を停車させる。
シフト装置6bは、セレクトレバー6aを介して運転者に操作されて複数の走行レンジの1つを選択可能に構成される。
シフト装置6bは、車両1を後進させるレンジ(以下、後進レンジと称する)と、車両1を前進させるレンジ(ドライブレンジ等を含むレンジであり、以下、前進レンジと称する)を選択可能になっている。
このように、本実施形態のシフト装置6bは、車両1が前進する前進レンジと、車両1が後進する後進レンジと、を含んだ走行レンジの1つを選択可能に構成されている。シフト装置6bによって前進レンジが選択されたとき、車両制御装置150は車両1を前進状態に設定する。また、シフト装置6bによって後進レンジが選択されたとき、車両制御装置150は車両1を後進状態に設定する。
車両制御装置150は、アクセルペダル7の踏み込み操作量に応じた駆動力(要求駆動力)を設定する。例えば、アクセルペダル7の踏み込み操作量と、要求駆動力と、の関係を示すマップがあらかじめ設定されている。そして、車両制御装置150は、アクセルペダル7の踏み込み操作量に基づいて当該マップを参照して要求駆動力を設定するように構成されている。
例えば、アクセルペダル7の踏み込み操作量を検出する図示しないセンサ(ストロークセンサ等)が備わり、車両制御装置150は当該センサから入力される検出信号によってアクセルペダル7の踏み込み操作量を算出するように構成される。
車両制御装置150は、設定した要求駆動力に相当する駆動力を電動機200で発生させる。つまり、車両制御装置150は、要求駆動力相当の駆動力が出力するように電動機200を制御する。電動機200が出力する駆動力は駆動輪(WFR,WFL)を駆動させる。これによって車両1が走行する。
さらに、本実施形態の車両1には、前後方向の加速度を検出する加速度センサ5が備わっている。加速度センサ5が加速度を検出して出力する検出信号は車両制御装置150に入力される。車両制御装置150は、加速度センサ5から入力される検出信号に基づいて車両1の加速度を算出する。加速度センサ5の検出信号に基づいて車両制御装置150が検出する加速度をセンサ検出加速度Gsとする。センサ検出加速度Gsは加速度センサ5の検出値(加速度検出値)になる。
図1に示す車両制御装置150は、例えば、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されるマイクロコンピュータ及び周辺機器からなる。そして、車両制御装置150は、あらかじめROMに記憶されているプログラムをCPUで実行し、電動機200や車両用ブレーキシステム10を制御する。
図2は本実施形態に係る車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
図2に示すように、車両用ブレーキシステム10は、入力装置14と、ペダルストロークセンサStと、電動ブレーキアクチュエータ(モータシリンダ装置16)と、車両挙動安定化装置18(以下、VSA(ビークルスタビリティアシスト)装置18という、VSA;登録商標)と、を備えて構成されている。
入力装置14は、運転者によってブレーキペダル12等の操作子が操作されたときにその操作の入力に応じた液圧(ブレーキ液圧)を、作動液であるブレーキ液に発生させる。ペダルストロークセンサStは、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときの操作量(ストローク)を計測する。モータシリンダ装置16は、各車輪(WFR,WRL,WRR,WFL)のホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給される作動圧(ブレーキ液圧)を作動液(ブレーキ液)に発生する。VSA装置18は、車両挙動の安定化を支援する。
本実施形態においては、車両用ブレーキシステム10に備わるモータシリンダ装置16がブレーキ液圧を発生する。したがって、車両用ブレーキシステム10が液圧発生装置になる。
これらの入力装置14、モータシリンダ装置16、及び、VSA装置18は、例えば、ホースやチューブ等の管材で形成された管路(液圧路)によって接続されている。また、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、入力装置14とモータシリンダ装置16とは、図示しないハーネスで電気的に接続されている。
このうち、液圧路について説明すると、図2中(中央やや下)の連結点A1を基準として、入力装置14の接続ポート20aと連結点A1とが第1配管チューブ22aによって接続されている。また、モータシリンダ装置16の出力ポート24aと連結点A1とが第2配管チューブ22bによって接続されている。さらに、VSA装置18の導入ポート26aと連結点A1とが第3配管チューブ22cによって接続されている。
図2中の他の連結点A2を基準として、入力装置14の他の接続ポート20bと連結点A2とが第4配管チューブ22dによって接続されている。また、モータシリンダ装置16の他の出力ポート24bと連結点A2とが第5配管チューブ22eによって接続されている。さらに、VSA装置18の他の導入ポート26bと連結点A2とが第6配管チューブ22fによって接続されている。
VSA装置18には、複数の導出ポート28a〜28dが設けられる。第1導出ポート28aは、第7配管チューブ22gによって右側前輪WFRに設けられたディスクブレーキ機構30aのホィールシリンダ32FRと接続される。第2導出ポート28bは、第8配管チューブ22hによって左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構30bのホィールシリンダ32RLと接続される。第3導出ポート28cは、第9配管チューブ22iによって右側後輪WRRに設けられたディスクブレーキ機構30cのホィールシリンダ32RRと接続される。第4導出ポート28dは、第10配管チューブ22jによって左側前輪WFLに設けられたディスクブレーキ機構30dのホィールシリンダ32FLと接続される。
この場合、各導出ポート28a〜28dに接続される配管チューブ22g〜22jによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに対して供給される。そして、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL内のブレーキ液圧が上昇する。これによって、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動し、対応する車輪(WFR,WRL,WRR,WFL)との摩擦力が高くなって制動力(摩擦制動力)が付与される。
また、右側前輪WFR、左側後輪WRL、右側後輪WRR、左側前輪WFLのそれぞれには、車輪速を検出する車輪速センサ35a,35b,35c,35dがそれぞれ備わる。各車輪速センサ35a,35b,35c,35dが各車輪の車輪速を計測して発生する計測信号は車両制御装置150に入力される。
車両制御装置150は、車輪速センサ35a,35b,35c,35dから入力される計測信号に基づいて車両1(図1参照)の車速(車体速Vc)を算出する。
本実施形態の車輪速センサ35a,35b,35c,35dは、車両1の車体速Vcを検出する車体速センサとなる。
電動機200には回生制御装置201が接続されている。回生制御装置201は、駆動輪から電動機200に入力されるトルクで発電された電力(回生電力)をバッテリ202などの蓄電装置に充電する機能を有する。回生制御装置201は、車両制御装置150で制御される。電動機200で回生電力を発電させて制動力(回生制動力)を発生させる指令が車両制御装置150から入力されると、回生制御装置201は電動機200を回生の状態(回生状態)に切り替える。そして、回生制御装置201は、電動機200が発電する回生電力をバッテリ202に充電する。
また、回生制御装置201は、回生制動力の強さを調節可能に構成される。回生制御装置201は、電動機200に供給する界磁電流を変更して電動機200による回生電力の発電量を調節し、回生制動力の強さを調節する。このように、回生制御装置201は、電動機200に回生電力を発電させて回生制動力を発生させることができる。
なお、回生制御装置201が、電動機200を制御して回生制動力を発生させる技術は公知の技術を利用すればよい。
また、電動機200に駆動力を発生させる指令が車両制御装置150から入力されると、回生制御装置201は電動機200を力行の状態(力行状態)に切り替える。
本実施形態の電動機200は、車両制御装置150の指令に応じて、駆動力を発生する力行状態と、回生制動力を発生する回生状態と、が切り替わる。電動機200は、回生状態に切り替わるとバッテリ202に蓄電する電力(回生電力)を発電することで回生制動力を発生する。
入力装置14は、運転者によるブレーキペダル12の操作によってブレーキ液に液圧(ブレーキ液圧)を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、マスタシリンダ34に付設されたリザーバ(第1リザーバ36)とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン(セカンダリピストン40a,プライマリピストン40b)が摺動自在に配設される。セカンダリピストン40aは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結される。また、プライマリピストン40bは、セカンダリピストン40aよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
また、シリンダチューブ38の内壁には、一対のカップシール44Pa,44Pb、及び、一対のカップシール44Sa,44Sbが装着されている。一対のカップシール44Pa,44Pbはリング状を呈し、プライマリピストン40bの外周に摺接する。一対のカップシール44Sa,44Sbはリング状を呈し、セカンダリピストン40aの外周に摺接する。さらに、セカンダリピストン40aとプライマリピストン40bの間には、ばね部材50aが配設される。プライマリピストン40bとシリンダチューブ38の閉塞端側の側端部38aと間には、他のばね部材50bが配設される。
また、シリンダチューブ38の側端部38aからプライマリピストン40bの摺動方向に沿ってガイドロッド48bが延設され、プライマリピストン40bは、ガイドロッド48bにガイドされて摺動する。
また、プライマリピストン40bのセカンダリピストン40a側の端部からセカンダリピストン40aの摺動方向に沿ってガイドロッド48aが延設され、セカンダリピストン40aは、ガイドロッド48aにガイドされて摺動する。
そして、セカンダリピストン40aとプライマリピストン40bはガイドロッド48aで連結されて直列に配置される。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート(第2サプライポート46a、第1サプライポート46b)と、2つのリリーフポート(第2リリーフポート52a、第1リリーフポート52b)と、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、第2サプライポート46a、第1サプライポート46b及び第2リリーフポート52a、第1リリーフポート52bは、それぞれ合流して第1リザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
さらに、セカンダリピストン40aの外周に摺接する一対のカップシール44Sa,44Sbは、セカンダリピストン40aの摺動方向に第2リリーフポート52aを挟んで配置される。また、プライマリピストン40bの外周に摺接する一対のカップシール44Pa,44Pbは、プライマリピストン40bの摺動方向に第1リリーフポート52bを挟んで配置される。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、運転者がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応したブレーキ液圧を発生する第2圧力室56a及び第1圧力室56bが設けられる。第2圧力室56aは、第2液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられる。第1圧力室56bは、第1液圧路58bを介して他の接続ポート20bと連通するように設けられる。つまり、第2液圧路58aは、第2圧力室56aの出力ポート54aと接続ポート20aを接続する。また、第1液圧路58bは、第1圧力室56bの出力ポート54bと接続ポート20bを接続する。
第1圧力室56bと第2圧力室56aの間は、一対のカップシール44Pa,44Pbによって液密に封じられる。また、第2圧力室56aのブレーキペダル12側は、一対のカップシール44Sa,44Sbによって液密に封じられる。
第1圧力室56bは、プライマリピストン40bの変位に応じたブレーキ液圧を発生するように構成され、第2圧力室56aは、セカンダリピストン40aの変位に応じたブレーキ液圧を発生するように構成される。
また、セカンダリピストン40aはブレーキペダル12とプッシュロッド42を介して連結され、ブレーキペダル12の動作にともなってシリンダチューブ38内を変位する。さらに、プライマリピストン40bは、セカンダリピストン40aの変位によって第2圧力室56aに発生するブレーキ液圧によって変位する。つまり、プライマリピストン40bはセカンダリピストン40aに応動して変位する。
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第2液圧路58aの上流側には圧力センサPmが配設される。また、第2液圧路58aの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第2遮断弁60aが設けられる。この圧力センサPmは、第2液圧路58a上において、第2遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側である上流側のブレーキ液圧を計測するものである。
マスタシリンダ34と他の接続ポート20bとの間であって、第1液圧路58bの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第1遮断弁60bが設けられる。また、第1液圧路58bの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第1液圧路58b上において、第1遮断弁60bよりもホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL側である下流側のブレーキ液圧を計測するものである。
この第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。なお、図2において、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bは、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した閉弁状態をそれぞれ示している。
マスタシリンダ34と第1遮断弁60bとの間の第1液圧路58bには、第1液圧路58bから分岐する分岐液圧路58cが設けられる。分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)のソレノイドバルブからなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。なお、図2において、第3遮断弁62は、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した開弁状態を示している。
このストロークシミュレータ64は、バイ・ワイヤ制御時に、ブレーキペダル12の踏み込み操作に対してストロークと反力を与えて、あたかも踏力によって制動力が発生しているかのように運転者に思わせる装置であり、第1液圧路58b上であって、第1遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側に配置されている。ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第1圧力室56bから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、第1及び第2リターンスプリング66a,66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12の踏み込み前期時にペダル反力の増加勾配を低く設定し、踏み込み後期時にペダル反力を高く設定してブレーキペダル12のペダルフィーリングが、既存のマスタシリンダ34を踏み込み操作したときのペダルフィーリングと同等になるように設けられている。
つまり、ストロークシミュレータ64は、第1圧力室56bから導出されるブレーキ液の液圧に応じた反力を発生し、この反力を、マスタシリンダ34を介してブレーキペダル12に与えるように構成される。
液圧路は、大別すると、第2液圧系統70aと第1液圧系統70bから構成される。第2液圧系統70aは、マスタシリンダ34の第2圧力室56aと複数のホィールシリンダ32FR,32RLとを接続する。第1液圧系統70bは、マスタシリンダ34の第1圧力室56bと複数のホィールシリンダ32RR、32FLとを接続する。
第2液圧系統70aは、入力装置14の第2液圧路58aと、配管チューブ22a,22b,22c,22g,22hとによって構成される。
第1液圧系統70bは、入力装置14の第1液圧路58bと、配管チューブ22d,22e,22f,22i,22jとによって構成される。
モータシリンダ装置16は、電動機(電動モータ72)と、アクチュエータ機構74と、アクチュエータ機構74によって付勢されるシリンダ機構76と、を有する。
アクチュエータ機構74は、電動モータ72の出力軸72b側に設けられ、ギヤ機構(減速機構)78とボールねじ構造体80とを有する。ギヤ機構78は、複数のギヤが噛合して電動モータ72の回転駆動力を伝達する。ボールねじ構造体80は、ギヤ機構78を介して回転駆動力が伝達されることで軸方向に沿って進退動作するボールねじ軸80a及びボール80bを含む。ボールねじ構造体80は、ギヤ機構78とともにアクチュエータハウジング172の機構収納部173aに収納される。
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82と、シリンダ本体82に付設された第2リザーバ84とを有する。第2リザーバ84は、入力装置14のマスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36と配管チューブ86で接続され、第1リザーバ36内に貯留されたブレーキ液が配管チューブ86を介して第2リザーバ84内に供給されるように設けられる。なお、配管チューブ86に、ブレーキ液を貯留するタンクが備わっていてもよい。
そして、略円筒状を呈するシリンダ本体82の開放された端部(開放端)がハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rからなるアクチュエータハウジング172に嵌合してシリンダ本体82とアクチュエータハウジング172が連結され、モータシリンダ装置16が構成される。
シリンダ本体82内には、シリンダ本体82の軸方向に沿って所定間隔離間する第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bが摺動自在に配設される。第2スレーブピストン88aは、ボールねじ構造体80側に近接して配置され、ボールねじ軸80aの一端部に当接してボールねじ軸80aと一体的に矢印X1又はX2方向に変位する。また、第1スレーブピストン88bは、第2スレーブピストン88aよりもボールねじ構造体80側から離間して配置される。
以下、X1の側を前方、X2の側を後方とする。
また、電動モータ72は、シリンダ本体82と別体に形成されるモータケーシング72aで覆われて構成される。電動モータ72は、出力軸72bが第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの摺動方向(軸方向)と略平行になるように配置される。そして、出力軸72bの回転駆動がギヤ機構78を介してボールねじ構造体80に伝達されるように構成される。
ギヤ機構78は、例えば、第1ギヤ78aと、第3ギヤ78cと、第2ギヤ78bと、の3つのギヤで構成される。第1ギヤ78aは、電動モータ72の出力軸72bに取り付けられる。第3ギヤ78cは、ボールねじ軸80aを軸方向に進退動作させるボール80bをボールねじ軸80aの軸線を中心に回転させる。第3ギヤ78cはボールねじ軸80aの軸線を中心に回転する。第2ギヤ78bは、第1ギヤ78aの回転を第3ギヤ78cに伝達する。
アクチュエータ機構74は、前記した構造によって、電動モータ72の出力軸72bの回転駆動力をボールねじ軸80aの進退駆動力(直線駆動力)に変換する。
第1スレーブピストン88bの外周面には、環状段部を介して、一対のスレーブカップシール90a,90bがそれぞれ装着される。一対のスレーブカップシール90a,90bの間には、後記するリザーバポート92bと連通する第1背室94bが形成される。
なお、第2及び第1スレーブピストン88a,88bの間には、第2リターンスプリング96aが配設され、第1スレーブピストン88bとシリンダ本体82の側端部と間には、第1リターンスプリング96bが配設される。
また、第2スレーブピストン88aの外周面と機構収納部173aとの間を液密にシールするとともに、第2スレーブピストン88aをその軸方向に対して移動可能にガイドする環状のガイドピストン90cが、第2スレーブピストン88aの後方に備わっている。ガイドピストン90cはシール部材として機能し、シリンダ本体82を閉塞する。第2スレーブピストン88aが貫通するガイドピストン90cの内周面には、図示しないスレーブカップシールが装着される。このスレーブカップシールによって、第2スレーブピストン88aとガイドピストン90cの間が液密に構成されることが好ましい。さらに、第2スレーブピストン88aの前方の外周面には、環状段部を介して、スレーブカップシール90bが装着される。
この構成によって、シリンダ本体82の内部に充填されるブレーキ液がガイドピストン90cによってシリンダ本体82に封入され、アクチュエータハウジング172の側に流れ込まないように構成されている。
なお、ガイドピストン90cとスレーブカップシール90bの間には、後記するリザーバポート92aと連通する第2背室94aが形成される。
シリンダ機構76のシリンダ本体82には、2つのリザーバポート92a,92bと、2つの出力ポート24a,24bとが設けられる。この場合、リザーバポート92a(92b)は、第2リザーバ84内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
また、シリンダ本体82内には、第2液圧室98aと、第1液圧室98bが設けられる。第2液圧室98aは、出力ポート24aからホィールシリンダ32FR,32RL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する。第1液圧室98bは、他の出力ポート24bからホィールシリンダ32RR,32FL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する。
この構成によると、ブレーキ液が封入される第2背室94a、第1背室94b、第2液圧室98a、及び第1液圧室98bは、シリンダ本体82におけるブレーキ液の封入部になる。
第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bとの間には、規制手段100が設けられる。規制手段100は、第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bの最大ストローク(最大変位距離)と最小ストローク(最小変位距離)とを規制する。さらに、第1スレーブピストン88bには、ストッパピン102が設けられる。ストッパピン102は、第1スレーブピストン88bの摺動範囲を規制して、第2スレーブピストン88a側へのオーバーリターンを阻止する。これによって、特にマスタシリンダ34で制動するバックアップ時において、1つの系統が失陥したときに、他の系統の失陥が防止される。
VSA装置18は、公知のものからなり、第2ブレーキ系110aと、第1ブレーキ系110bとを有する。第2ブレーキ系110aは、右側前輪WFR及び左側後輪WRLのディスクブレーキ機構30a,30b(ホィールシリンダ32FR,32RL)に接続された第2液圧系統70aを制御する。第1ブレーキ系110bは、右側後輪WRR及び左側前輪WFLのディスクブレーキ機構30c、30d(ホィールシリンダ32RR,32FL)に接続された第1液圧系統70bを制御する。なお、第2ブレーキ系110aは、左側前輪WFL及び右側前輪WFRに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、右側後輪WRR及び左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。さらに、第2ブレーキ系110aは、車体片側の右側前輪WFR及び右側後輪WRRに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、車体片側の左側前輪WFL及び左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。
この第2ブレーキ系110a及び第1ブレーキ系110bは、それぞれ同一構造からなる。そこで、第2ブレーキ系110aと第1ブレーキ系110bで対応するものには同一の参照符号を付している。また、第2ブレーキ系110aの説明を中心にして、第1ブレーキ系110bの説明を括弧書きで付記する。
第2ブレーキ系110a(第1ブレーキ系110b)は、ホィールシリンダ32FR,32RL(32RR,32FL)に対して、共通する管路(第1共通液圧路112及び第2共通液圧路114)を有する。このうち、第1共通液圧路112は、ホィールシリンダ32FR,32RL(32RR,32FL)にブレーキ液圧を供給する供給路となる。
VSA装置18は、レギュレータバルブ116と、第1チェックバルブ118と、第1インバルブ120と、第2チェックバルブ122と、第2インバルブ124と、第3チェックバルブ126とを備える。
レギュレータバルブ116は、導入ポート26a(26b)と第1共通液圧路112との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる。第1チェックバルブ118は、レギュレータバルブ116と並列に配置され導入ポート26a(26b)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から導入ポート26a(26b)側へのブレーキ液の流通を阻止する)。第1インバルブ120は、第1共通液圧路112と第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる。第2チェックバルブ122は、第1インバルブ120と並列に配置され第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)側へのブレーキ液の流通を阻止する)。第2インバルブ124は、第1共通液圧路112と第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる。第3チェックバルブ126は、第2インバルブ124と並列に配置され第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)側へのブレーキ液の流通を阻止する)。
第1インバルブ120及び第2インバルブ124は、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに、ブレーキ液圧を供給する管路(第1共通液圧路112)を開閉する開閉手段である。そして、第1インバルブ120が閉弁すると、ホィールシリンダ32FR,32FLへの第1共通液圧路112からのブレーキ液圧の供給が遮断される。また、第2インバルブ124が閉弁すると、ホィールシリンダ32RR,32RLへの第1共通液圧路112からのブレーキ液圧の供給が遮断される。
さらに、VSA装置18は、第1アウトバルブ128と、第2アウトバルブ130と、リザーバ装置132と、第4チェックバルブ134と、ポンプ136と、吸入弁138及び吐出弁140と、モータMと、サクションバルブ142とを備える。
第1アウトバルブ128は、第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)と第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる。第2アウトバルブ130は、第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)と第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる。リザーバ装置132は、第2共通液圧路114に接続される。第4チェックバルブ134は、第1共通液圧路112と第2共通液圧路114との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)。ポンプ136は、第4チェックバルブ134と第1共通液圧路112との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液を供給する。吸入弁138及び吐出弁140は、ポンプ136の前後に設けられる。モータMはポンプ136を駆動する。サクションバルブ142は、第2共通液圧路114と導入ポート26a(26b)との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる。
なお、第2ブレーキ系110aにおいて、導入ポート26aに近接する管路(液圧路)上には、圧力センサPhが設けられる。圧力センサPhは、モータシリンダ装置16の出力ポート24aから出力され、モータシリンダ装置16の第2液圧室98aで制御されたブレーキ液圧を計測する。各圧力センサPm,Pp,Phで計測された計測信号は、車両制御装置150に入力される。また、VSA装置18では、VSA制御のほか、ABS(アンチロックブレーキシステム)も制御可能である。
さらに、VSA装置18に代えて、ABS機能のみを搭載するABS装置が接続される構成であってもよい。
車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成される。次にその作用効果について説明する。
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bが励磁されて弁閉状態となる。また、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第3遮断弁62が励磁されて弁開状態となる。従って、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bによって第2液圧系統70a及び第1液圧系統70bが遮断されている。このため、入力装置14のマスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに伝達されることはない。
このとき、マスタシリンダ34の第1圧力室56bで発生したブレーキ液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に供給される。この液圧室65に供給されたブレーキ液圧によってシミュレータピストン68が第1及び第2リターンスプリング66a,66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容される。さらに、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、運転者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
このようなシステム状態において、車両制御装置150は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると制動時と判定する。そして車両制御装置150は、モータシリンダ装置16の電動モータ72を駆動させてアクチュエータ機構74を付勢し、第2リターンスプリング96a及び第1リターンスプリング96bのばね力に抗して第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを図2中の矢印X1方向に向かって変位させる。この第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの変位によって第2液圧室98a及び第1液圧室98b内のブレーキ液がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
具体的に、車両制御装置150は、ペダルストロークセンサStの計測値に応じてブレーキペダル12の踏み込み操作量(以下、適宜「ブレーキ操作量」と称する)を算出する。そして車両制御装置150は、算出したブレーキ操作量に基づいて、回生制動力を考慮した上で目標となるブレーキ液圧を設定し、設定したブレーキ液圧をモータシリンダ装置16に発生させる。
車両制御装置150は、ブレーキ操作量に基づいて、目標となる制動力(要求制動力)を設定する。例えば、ブレーキ操作量と要求制動力の関係を示すマップが予め設定されて車両制御装置150の記憶部に記憶されている構成とすれば、車両制御装置150は当該マップを参照することによってブレーキ操作量に対応する要求制動力を設定できる。
また、車両制御装置150は、バッテリ202の充電率に基づいて、回生制動力の発生が可能か否かを判定する。車両制御装置150は、バッテリ202の充電率が所定の閾値以下のときに回生制動力の発生が可能と判定する。回生制動力の発生が可能と判定した場合、車両制御装置150は、回生制御装置201に指令を与えて、電動機200が発生する電力をバッテリ202に充電するように回生制御装置201を切り替える。つまり、車両制御装置150は、電動機200を回生状態に切り替える。
また、車両制御装置150は、電動機200が回生電力を発電することで生じる回生制動力を、設定した要求制動力から減算した制動力を算出し、算出した制動力を摩擦制動力の目標値に設定とする。さらに、車両制御装置150は、設定した目標値の摩擦制動力を発生させるブレーキ液圧を設定する。
そして、車両制御装置150は回生制御装置201を介して電動機200を回生制御し、駆動輪(WFR,WFL)に回生制動力を付与する。さらに、車両制御装置150は、モータシリンダ装置16を制御して、設定したブレーキ液圧を発生させる。これによって、モータシリンダ装置16で発生したブレーキ液圧が導入ポート26a,26bからVSA装置18に供給され、さらに、VSA装置18から各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給されて、摩擦制動力が全ての車輪、すなわち、駆動輪(WFR,WFL)と非駆動輪(WRL,WRR)に付与される。
つまり、本実施形態の車両用ブレーキシステム10は、車両制御装置150が設定するブレーキ液圧をモータシリンダ装置16が発生し、さらに、モータシリンダ装置16が発生したブレーキ液圧を各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給して全ての車輪に摩擦制動力が付与される。
このように、制動時の車両用ブレーキシステム10は、駆動輪(WFR,WFL)に回生制動力と摩擦制動力が付与され、非駆動輪(WRR,WRL)に摩擦制動力が付与される。
なお、車両制御装置150は、バッテリ202の充電率が所定の閾値より高い場合に回生制動力の発生が不可能と判定する。この場合、車両制御装置150は、要求制動力を摩擦制動力の目標値とする。そして、車両制御装置150は、モータシリンダ装置16を制御して目標値に相当する摩擦制動力を発生させる。これによって、駆動輪(WFR,WFL)と非駆動輪(WRR,WRL)に摩擦制動力が付与される。
本実施形態の車両制御装置150は、バッテリ202の充電率が所定の閾値より高い状態のときに回生制動力に替わって摩擦制動力を発生させる。
また、車両制御装置150は、アクセルペダル7(図1参照)が解放されたとき、エンジンブレーキに相当する制動力を発生させる。車両制御装置150は、アクセルペダル7が解放されたとき、発生させる制動力の目標値(目標制動力)を設定する。車両制御装置150は、車両1(図1参照)の車体速Vc等に基づいて目標制動力を設定する。例えば、車体速Vcと目標制動力の関係を示すマップが予め設定されて車両制御装置150の記憶部に記憶されている構成とすれば、車両制御装置150は当該マップを参照することによって車体速Vcに対応する目標制動力を設定できる。
アクセルペダル7(図1参照)が解放されたとき、車両制御装置150は、回生制動力の発生が可能か否かを判定する。車両制御装置150は、回生制動力の発生が可能と判定した場合、回生制御装置201(図1参照)に指令を与えて電動機200を回生状態に切り替える。そして車両制御装置150は、電動機200が回生電力を発電することで生じる回生制動力で目標制動力に相当する制動力を発生する。これによって、車両1にエンジンブレーキ相当の回生制動力が発生する。
一方、回生制動力の発生が不可能と判定した場合、車両制御装置150は、目標制動力を摩擦制動力の目標値とする。そして、車両制御装置150は、モータシリンダ装置16を制御して目標制動力に相当する摩擦制動力を発生させる。これによって、車両1にエンジンブレーキ相当の摩擦制動力が発生する。
このように、車両制御装置150は、アクセルペダル7(図1参照)が解放されたときに、エンジンブレーキに相当する制動力を回生制動力又は摩擦制動力で発生させる。
なお、ブレーキペダル12の踏み込み操作量(ブレーキ操作量)を計測する操作量計測手段はペダルストロークセンサStに限定されるものではなく、ブレーキペダル12の踏み込み操作量を計測可能なセンサであればよい。例えば、操作量計測手段を圧力センサPmとして、圧力センサPmが計測するブレーキ液圧をブレーキペダル12の踏み込み操作量に変換する構成であってもよいし、図示しない踏力センサによってブレーキペダル12の踏み込み操作量(ブレーキ操作量)を計測する構成であってもよい。
モータシリンダ装置16における第2液圧室98a及び第1液圧室98bのブレーキ液圧は、VSA装置18の弁開状態にある第1、第2インバルブ120,124を介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに伝達される。このブレーキ液圧でホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動する。このようにホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動することによって各車輪(WFR,WRL,WRR,WFL)に所望の制動力が付与される。
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、モータシリンダ装置16やバイ・ワイヤ制御する車両制御装置150等が作動可能な正常時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことでブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)との連通が第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bで遮断される。この状態で、モータシリンダ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。
一方、モータシリンダ装置16等が作動不能となる異常時では、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bをそれぞれ弁開状態、第3遮断弁62を弁閉状態としマスタシリンダ34で発生するブレーキ液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)に伝達し、ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の液圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
車両制御装置150は、図2に示す車両用ブレーキシステム10を制御して、ブレーキペダル12の踏み込み操作量に応じた制動力(摩擦制動力,回生制動力)を発生させる。
また、車両制御装置150は、車両1(図1参照)が勾配のある走行路を降坂するとき、勾配に応じた制動力(摩擦制動力,回生制動力)を発生させて降坂による加速度の増大を抑制する。このため、車両制御装置150は、走行路の勾配を検出(推定)可能に構成される。
車両制御装置150は検出した勾配に対応する制動力を設定する。例えば、勾配と制動力の相関関係を示すマップが車両1の特性値としてあらかじめ設定されていれば、車両制御装置150は、当該マップに基づいて勾配に対応する制動力を設定可能となる。
また、車両制御装置150は、バッテリ202の充電率が低くバッテリ202への充電が可能の場合(充電可能状態である場合)、電動機200で回生発電して回生制動力を発生させる。
一方、バッテリ202の充電率が高くバッテリ202への充電が不可能な場合(充電不可能状態である場合)、車両制御装置150はモータシリンダ装置16を制御してブレーキ液圧を発生し摩擦制動力を発生させる。
図3は、車両制御装置の機能ブロック図である。図3に示すように、車両制御装置150には第1加速度算出部151aが備わる。第1加速度算出部151aは、加速度センサ5から入力される検出信号に基づいて車両1(図1参照)の加速度(センサ検出加速度Gs)を算出する。第1加速度算出部151aが算出するセンサ検出加速度Gsは、加速度センサ5の検出値(加速度検出値)である。センサ検出加速度Gsは第1加減算器152aに入力される。
また、車両制御装置150には第2加速度算出部151bとピッチ補正部153が備わる。第2加速度算出部151bは、車輪速センサ35a,35b,35c,35dから入力される計測信号に基づいて車体速Vcを算出する。さらに、第2加速度算出部151bは車体速Vcを時間微分した加速度(車体検出加速度Gv)を算出する。
第2加速度算出部151bが算出する車体検出加速度Gvはピッチ補正部153に入力される。
ピッチ補正部153はピッチ補正マップMP1を有する。ピッチ補正マップMP1は、車両1(図1参照)の加速度Gに対するピッチ補正加速度Gpを示すマップである。ピッチ補正加速度Gpは、車両1が加速するときのピッチング(フロント部の浮き沈み)で発生する加速度を加速度センサ5が検出することで生じるセンサ検出加速度Gsの誤差を補正する補正値である。ピッチ補正加速度Gpは、車両1の特性値として加速度Gに対応して設定される。ピッチ補正マップMP1は実験計測等によってあらかじめ設定される。
ピッチ補正部153は、ピッチ補正マップMP1に基づいて、車体検出加速度Gvに対応するピッチ補正加速度Gpを算出する。ピッチ補正部153が算出するピッチ補正加速度Gpは第1加減算器152aに入力される。
第1加減算器152aは、センサ検出加速度Gsからピッチ補正加速度Gpを減算して第1補正加速度G1を算出する。第1補正加速度G1は、ピッチングで生じる加速度が補正された(ピッチングで生じる加速度の影響が排斥された)センサ検出加速度Gsである。第1補正加速度G1は第2加減算器152bに入力される。
車両制御装置150には補正量算出部(オフセット補正量算出部154)が備わる。オフセット補正量算出部154は、加速度センサ5のオフセット補正量Osを算出する。オフセット補正量Osは、加速度センサ5の加速度検出値(センサ検出加速度Gs)に含まれるオフセット誤差を補正する補正値である。オフセット補正量算出部154がオフセット補正量Osを算出する手順は後記する。本実施形態におけるオフセット誤差は、実際の加速度が「0」のときにセンサ検出加速度Gsが示す誤差、つまり、加速度センサ5の加速度検出値に含まれる誤差を示す。
オフセット補正量算出部154が算出するオフセット補正量Osは第2加減算器152bに入力される。
第2加減算器152bは、第1補正加速度G1からオフセット補正量Osを減算して第2補正加速度G2を算出する。第2補正加速度G2は、センサ検出加速度Gsに含まれるオフセット誤差が補正されたセンサ検出加速度Gsである。第1補正加速度G1からオフセット補正量Osが減算されることで加速度センサ5の加速度検出値(センサ検出加速度Gs)に含まれるオフセット誤差が補正される。第2補正加速度G2は第3加減算器152cに入力される。
第3加減算器152cは、第2補正加速度G2から車体検出加速度Gvを減算した減算値Gg’を勾配加速度設定部155に入力する。勾配加速度設定部155は減算値Gg’に基づいて勾配加速度Ggを設定する。
図4は、勾配加速度を説明する図である。
図4に示すように、下り勾配(勾配角度α)になっている走行路300を走行している車両1には重力加速度の勾配成分(G0×sin(α))が前後方向に作用する。したがって、車両1には、車体検出加速度Gvと重力加速度が作用する。「G0」は重力加速度を示す。なお、勾配成分(G0×sin(α))は、重力加速度(G0)の走行路300に沿った方向の成分を示す。
加速度センサ5は、車両1に作用する加速度を検出するセンサである。したがって、加速度センサ5は、車体検出加速度Gvと重力加速度の勾配成分(G0×sin(α))を検出する。つまり、センサ検出加速度Gsは、車体検出加速度Gvと重力加速度の勾配成分(G0×sin(α))が合成された加速度になり、「センサ検出加速度Gs=(車体検出加速度Gv)+(G0×sin(α))」になる。
勾配加速度設定部155(図3参照)が算出する勾配加速度Ggは、センサ検出加速度Gsから車体検出加速度Gvを減算した加速度である。したがって、勾配加速度Ggは、重力加速度の勾配成分(G0×sin(α))になる。
図3に示すように、車両制御装置150の勾配加速度設定部155は、第4加減算器152dと、PI制御部155aと、フィードバック部155bと、を有する。フィードバック部155bは前のセンサ校正で設定した勾配加速度Ggを第4加減算器152dに入力(フィードバック)する。第4加減算器152dは、フィードバックされた勾配加速度Ggを減算値Gg’から減算した偏差ΔGgをPI制御部155aに入力する。
PI制御部155aは前のセンサ校正で設定した勾配加速度Ggに偏差ΔGgを加算して新たな勾配加速度Gg(今回の勾配加速度Gg)を設定して出力する。
勾配加速度設定部155から出力された勾配加速度Ggは勾配推定部156に入力される。勾配推定部156は下式(1)に基づいて勾配推定値S’を算出する。

S’=tan(arcsin(勾配加速度Gg/重力加速度G0)) ・・・(1)

車両制御装置150は、勾配推定部156で勾配推定値S’を算出して走行路300(図4参照)の勾配を検出(推定)する。このように、本実施形態の車両制御装置150は、加速度センサ5が検出する加速度に基づいて、走行路300(図4参照)の勾配を推定する。
また、車両制御装置150には勾配抵抗変換部157が備わる。勾配抵抗変換部157は、勾配加速度設定部155から出力される勾配加速度Ggを勾配抵抗R(第1勾配抵抗値R1)に変換する。勾配抵抗Rは走行路300(図4参照)を登坂する車両1(図4参照)の走行に対する抵抗を示す。走行路300を下る車両1には負の勾配抵抗Rが作用する。
勾配加速度Ggと勾配抵抗Rの相関関係は、車両1の特性としてあらかじめ設定される。勾配抵抗変換部157は、当該相関関係に基づいて勾配加速度Ggを勾配抵抗R(第1勾配抵抗値R1)に変換する。勾配抵抗変換部157から出力される第1勾配抵抗値R1はオフセット補正量算出部154に入力される。
本実施形態において勾配抵抗変換部157は加速度検出値(センサ検出加速度Gs)に基づいて勾配抵抗R(第1勾配抵抗値R1)を算出する第1算出部になる。
図5の(a)はオフセット補正量算出部の機能ブロック図、(b)は車両の駆動力と勾配抵抗と加速度抵抗と走行抵抗の関係を示す図である。
図5の(a)に示すように、オフセット補正量算出部154には駆動力算出部154aが備わる。駆動力算出部154aは電動機200が出力する駆動力の計測値(駆動力計測値PWm)を算出する。
駆動力算出部154aは、電動機200の動力計測手段(動力計200a)から入力される計測信号に基づいて駆動力の計測値(計測駆動力PWm)を算出する。計測駆動力PWmは動力計200a(動力計測手段)の計測値(駆動力計測値)になる。
また、オフセット補正量算出部154には勾配抵抗算出部154bが備わる。駆動力算出部154aが算出する計測駆動力PWmは勾配抵抗算出部154bに入力される。
勾配抵抗算出部154bは、車輪速センサ35a,35b,35c,35dから入力される計測信号に基づいて車体検出加速度Gvを算出する。さらに、勾配抵抗算出部154bは、車体検出加速度Gvに応じた加速度抵抗F1を算出する。加速度抵抗F1は、車両1の特性値として車体検出加速度Gvに対応した値が設定されている。
また、走行抵抗F2が車両1の特定値としてあらかじめ設定されている。
勾配抵抗算出部154bは、加速度抵抗F1と走行抵抗F2と計測駆動力PWmから勾配抵抗R(第2勾配抵抗値R2)を算出する。
図5の(b)に示すように、下り勾配(勾配角度α)の走行路300を降坂する車両1の駆動力に対して加速度抵抗F1と走行抵抗F2が登坂方向に作用する。また、車両1には、負の勾配抵抗Rが作用する。そして、車両1は、駆動力と勾配抵抗Rの合力が、加速度抵抗F1と走行抵抗F2に釣り合った状態で走行する。
そこで、勾配抵抗算出部154bは、加速度抵抗F1と走行抵抗F2の合計から駆動力(計測駆動力PWm)を減算して勾配抵抗R(第2勾配抵抗値R2)を算出する。勾配抵抗算出部154bは下式(2)に基づいて第2勾配抵抗値R2を算出する。

第2勾配抵抗値R2=(加速度抵抗F1+走行抵抗F2)
−計測駆動力PWm ・・・(2)

本実施形態において勾配抵抗算出部154bは、電動機200が出力する計測駆動力PWm(駆動力計測値)に基づいて勾配抵抗R(第2勾配抵抗値R2)を算出する第2算出部になる。
なお、ブレーキペダル12(図1参照)が踏み込み操作されて車両1に制動力が生じている場合など、駆動力(計測駆動力PWm)と、勾配抵抗Rと、加速度抵抗F1と、走行抵抗F2の関係が式(2)を満たさなくなることがある。したがって、勾配抵抗算出部154bは、車両1に制動力が生じていないときなど、車両1が所定の状態にあるときのみ勾配抵抗R(第2勾配抵抗値R2)を算出する。
また、図5の(a)に示すように、オフセット補正量算出部154には補正量算出部154cが備わる。補正量算出部154cは、車体速Vcの単位時間当たりの変化量(車体検出加速度Gv)が所定の加速度閾値以下で、計測駆動力PWmの単位時間当たりの変化量(駆動力変化量)が所定の定常変化量以下の場合に車両1が定常状態であると判定する。そして、補正量算出部154cは、車両1が定常時のときに加速度センサ5を校正(センサ校正)する補正量を算出する。加速度閾値及び定常変化量は、車両1の特性値としてあらかじめ設定されている。
補正量算出部154cは、車両1が定常状態のとき、第1勾配抵抗値R1を第2勾配抵抗値R2から減算して勾配抵抗偏差ΔRを算出する。第1勾配抵抗値R1は勾配抵抗変換部157から補正量算出部154cに入力される。
また、補正量算出部154cは、算出した勾配抵抗偏差ΔRを加速度(加速度偏差ΔGr)に変換する。補正量算出部154cは、勾配加速度Ggを勾配抵抗R1に変換する勾配抵抗変換部157と逆の手順で勾配抵抗偏差ΔRを加速度偏差ΔGrに変換する。
第1勾配抵抗値R1は、加速度検出値(センサ検出加速度Gs)に基づいて勾配抵抗変換部157が算出する。一方、第2勾配抵抗値R2は、駆動力計測値(計測駆動力PWm)に基づいて勾配抵抗算出部154bが算出する。第1勾配抵抗値R1と第2勾配抵抗値R2は車両1に作用する勾配抵抗Rである。したがって、加速度検出値に誤差がなければ第1勾配抵抗値R1と第2勾配抵抗値R2は等しくなる。つまり、第1勾配抵抗値R1を第2勾配抵抗値R2から減算して算出される勾配抵抗偏差ΔRを変換した加速度偏差ΔGrは、加速度センサ5(図1参照)の加速度検出値(センサ検出加速度Gs)に含まれる誤差(オフセット誤差)を示す。よって、補正量算出部154cは、加速度センサ5の加速度検出値に含まれるオフセット誤差として加速度偏差ΔGrを算出する。
補正量算出部154cは、前のセンサ校正で設定したオフセット補正量Osに加速度偏差ΔGrを加算して新たなオフセット補正量Osを設定する。
オフセット補正量Osに加速度偏差ΔGrが加算されることによって、加速度センサ5(図1参照)のオフセット誤差の変化がオフセット補正量Osに反映される。これによって、オフセット補正量Osは、センサ検出加速度Gs(加速度検出値)に含まれるオフセット誤差を精度よく補正する補正値になる。
なお、最初のセンサ校正時などオフセット補正量Osが設定されていない場合、すなわち、オフセット補正量Osが「0」の場合には加速度偏差ΔGrがオフセット補正量Osになる。
また、車両1が定常状態でない場合(車両1が非定常状態の場合)、補正量算出部154cはオフセット補正量Osを変更しない。つまり、オフセット補正量Osは前のセンサ校正で設定された値のままとなる。したがって、センサ検出加速度Gsに含まれるオフセット誤差が変化した場合にはオフセット誤差が補正されない。換言すると、本実施形態において車両1が非定常状態のとき、センサ検出加速度Gs(加速度検出値)に含まれるオフセット誤差は補正されない。
オフセット補正量算出部154は、補正量算出部154cが設定したオフセット補正量Osを出力する。オフセット補正量算出部154が出力するオフセット補正量Osは第2加減算器152b(図3参照)に入力される。
そして、第2加減算器152bでオフセット補正量Osがセンサ検出加速度Gs(第1補正加速度G1)から減算される。
図6は、車両制御装置がセンサ校正する手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートを参照して車両制御装置150がセンサ校正する手順を説明する(適宜、図1〜5参照)。
車両制御装置150は、あらかじめ設定される所定のインターバルでセンサ校正を実施する。
車両制御装置150はセンサ校正を開始すると、オフセット補正量算出部154において車体速Vcの単位時間当たりの変化量(車体検出加速度Gv)と加速度閾値を比較する(ステップS1)。オフセット補正量算出部154は、車体検出加速度Gvが加速度閾値以下の場合(ステップS1→Yes)、手順をステップS2に進める。車体検出加速度Gvが加速度閾値より大きい場合(ステップS1→No)、オフセット補正量算出部154は車両1が非定常状態であると判定し、車両制御装置150はタイマ値をリセットする(ステップS6)。そして、車両制御装置150はセンサ校正を禁止する(ステップS7)。車両制御装置150は、ステップS7で校正許可フラグENflgを「0」に設定する。そして車両制御装置150は手順をステップS8に進める。
なお、タイマ値は、車両1の定常状態が所定時間継続したか否かを判定するカウンタである。また、校正許可フラグENflgは、センサ校正が許可されたときに「1」が設定されるフラグとする。
車両制御装置150は、ステップS2でオフセット補正量算出部154において、計測駆動力PWmの単位時間当たりの変化量(駆動力変化量ΔPWm)と定常変化量を比較する。車両制御装置150は、駆動力変化量ΔPWmが定常変化量以下の場合(ステップS2→Yes)、車両1が定常状態であると判定してタイマ値をカウントする(ステップS3)。そして車両制御装置150は手順をステップS4に進める。ステップS2で駆動力変化量ΔPWmが定常変化量より大きい場合(ステップS2→No)、車両制御装置150は手順をステップS6に進める。
車両制御装置150はタイマ値がカウント上限に達したか否かを判定する(ステップS4)。車両制御装置150は、タイマ値がカウント上限に達した時点で車両1の定常状態が所定時間継続したと判定する。カウント上限は車両1の特性値としてあらかじめ設定されている。
車両制御装置150は、タイマ値がカウント上限に達したとき(ステップS4→Yes)にセンサ校正の実施を許可する(ステップS5)。車両制御装置150は、ステップS5で校正許可フラグENflgを「1」に設定する。そして、車両制御装置150は手順をステップS8に進める。
一方、タイマ値がカウント上限に達していないとき(ステップS4→No)、車両制御装置150は手順をステップS1に戻す。
車両制御装置150は、ステップS8において校正許可フラグENflgが「1」の場合(ステップS8→Yes)は手順をステップS9に進める。
ステップS9で、車両制御装置150はオフセット補正量算出部154において、勾配抵抗変換部157から出力される第1勾配抵抗値R1を、勾配抵抗算出部154bが算出する第2勾配抵抗値R2から減算して勾配抵抗偏差ΔRを算出する。さらに、車両制御装置150は、オフセット補正量算出部154において勾配抵抗偏差ΔRを加速度偏差ΔGrに変換する(ステップS10)。
そして、車両制御装置150は、オフセット補正量算出部154において前のセンサ校正の実行で設定したオフセット補正量Osに加速度偏差ΔGrを加算し、新たなオフセット補正量Osを設定する(ステップS12)。
また、車両制御装置150は、ステップS8で校正許可フラグENflgが「0」の場合(ステップS8→No)、手順をステップS11に進め、オフセット補正量算出部154において加速度偏差ΔGrを「0」に設定する。そして、車両制御装置150は手順をステップS12に進める。この場合、前の補正量算出手順の実行で設定されたオフセット補正量Osのままとなる。
そして、車両制御装置150は、加速度検出値であるセンサ検出加速度Gsをオフセット補正量Osで補正する(ステップS13)。具体的に、車両制御装置150は、第2加減算器152bにおいてオフセット補正量Osをセンサ検出加速度Gs(第1補正加速度G1)から減算する。
以上のように、本実施形態の車両制御装置150(図3参照)は、加速度センサ5(図3参照)の検出値(加速度検出値)であるセンサ検出加速度Gsから勾配推定値S’を算出する。
また、図3に示すように、車両制御装置150はオフセット補正量算出部154を備える。オフセット補正量算出部154は、加速度センサ5の加速度検出値(センサ検出加速度Gs)に含まれるオフセット誤差を補正するオフセット補正量Osを算出する。加速度検出値(センサ検出加速度Gs)がオフセット補正量Osで補正されて、加速度センサ5のオフセット誤差が補正(センサ校正)される。これによって、車両制御装置150はオフセット誤差が補正された加速度センサ5(センサ校正された加速度センサ5)の検出値に基づいて勾配推定値S’を算出可能となる。したがって、車両制御装置150が算出する勾配推定値S’の精度が向上する。
また、オフセット補正量算出部154は、動力計200aの計測値(駆動力計測値)である計測駆動力PWmから算出される勾配抵抗R(第2勾配抵抗値R2)と、加速度センサ5の検出値(加速度検出値)であるセンサ検出加速度Gsから算出される勾配抵抗R(第1勾配抵抗値R1)との偏差(勾配抵抗偏差ΔR)に基づいてオフセット補正量Osを算出する。したがって、車両1(図4参照)が勾配のある走行路300(図4参照)を走行している場合であっても加速度センサ5のセンサ校正が可能になる。そして、加速度センサ5が校正されることによって、走行路300を走行している車両1における勾配推定値S’の精度が向上する。
また、車両制御装置150は、ブレーキペダル12(図1参照)やアクセルペダル7(図1参照)の踏み込み操作に関係なく加速度センサ5をセンサ校正可能である。例えば、車両制御装置150は、下り勾配の走行路300(図4参照)を降坂している車両1(図4参照)が、ブレーキペダル12が踏み込み操作されて一定速度で走行している状態であっても加速度センサ5をセンサ校正可能である。
また、下り勾配の走行路300を降坂している車両1において、車両制御装置150が自動的に制動力(摩擦制動力,回生制動力)を発生している状態であっても加速度センサ5がセンサ校正される。
したがって、制動力が作用している状態の車両1において車両制御装置150が算出する勾配推定値S’の精度が向上する。
なお、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更が可能である。
例えば、図3に示すピッチ補正部153は、ピッチ補正マップMP1に基づいて、車体検出加速度Gvに対応するピッチ補正加速度Gpを設定する。この構成に限定されず、車両1(図1参照)の加速度Gとピッチ補正加速度Gpの関係を示す関数で、車体検出加速度Gvに対応するピッチ補正加速度Gpを算出する構成であってもよい。
また、図1に示すように、本実施形態の車両1には、車体速センサとして車輪速センサ35a〜35d(図2参照)が備わっている。この構成に限定されず、速度センサ(図示せず)が備わる車両1であってもよい。
1 車両
5 加速度センサ
35a,35b,35c,35d 車輪速センサ(車体速センサ)
154 オフセット補正量算出部(補正量算出部)
154b 勾配抵抗算出部(第2算出部)
157 勾配抵抗変換部(第1算出部)
200 電動機(動力源)
200a 動力計(動力計測手段)
Gs センサ検出加速度(加速度検出値)
Os オフセット補正量
PWm 計測駆動力(駆動力計測値)

Claims (4)

  1. 加速度を検出する加速度センサと、
    動力源が出力する駆動力を計測する動力計測手段と、
    車体速を検出する車体速センサと、を有する車両に備わり、
    前記加速度センサの検出信号から算出する加速度検出値に基づいて走行路の勾配を推定する車両制御装置において、
    前記加速度センサの検出信号から前記加速度検出値を算出し、前記加速度検出値に基づいて前記走行路の勾配抵抗を算出する第1算出部と、
    前記動力計測手段の計測信号から駆動力計測値を算出し、前記駆動力計測値に基づいて前記走行路の勾配抵抗を算出する第2算出部と、
    前記第1算出部が算出する前記勾配抵抗と前記第2算出部が算出する前記勾配抵抗の偏差に基づいてオフセット補正量を算出する補正量算出部と、を有し、
    前記車体速を時間微分して算出する加速度が所定の加速度閾値以下で、前記駆動力の変化量が所定の定常変化量以下のときに前記車両が定常状態になったと判定して、前記加速度検出値に含まれるオフセット誤差を補正し、
    前記車両が定常状態になったと判定したときに、前記オフセット補正量で前記オフセット誤差を補正することを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記加速度検出値から前記オフセット補正量を減算して前記オフセット誤差を補正することを特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
  3. 加速度を検出する加速度センサと、
    動力源が出力する駆動力を計測する動力計測手段と、
    車体速を検出する車体速センサと、を有する車両に備わる車両制御装置が前記加速度センサを校正するセンサ校正方法であって、
    前記車体速を時間微分して算出する加速度が所定の加速度閾値以下で、前記駆動力の変化量が所定の定常変化量以下のときに前記車両が定常状態になったと判定するステップと、
    前記加速度センサの検出信号から加速度検出値を算出するステップと、
    前記加速度検出値に基づいて走行路の勾配抵抗を算出するステップと、
    前記動力計測手段の計測信号から駆動力計測値を算出するステップと、
    前記駆動力計測値に基づいて前記走行路の勾配抵抗を算出するステップと、
    前記加速度検出値に基づいて算出した前記勾配抵抗と前記駆動力計測値に基づいて算出した前記勾配抵抗の偏差に基づいてオフセット補正量を算出するステップと、
    前記車両が定常状態になったと判定したときに、前記加速度検出値に含まれるオフセット誤差を前記オフセット補正量で補正するステップと、を有することを特徴とするセンサ校正方法。
  4. 前記オフセット誤差を前記オフセット補正量で補正するステップは、前記加速度検出値から前記オフセット補正量を減算するステップであることを特徴とする請求項に記載のセンサ校正方法。
JP2014169837A 2014-08-22 2014-08-22 車両制御装置、及び、センサ校正方法 Expired - Fee Related JP6291386B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014169837A JP6291386B2 (ja) 2014-08-22 2014-08-22 車両制御装置、及び、センサ校正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014169837A JP6291386B2 (ja) 2014-08-22 2014-08-22 車両制御装置、及び、センサ校正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016043821A JP2016043821A (ja) 2016-04-04
JP6291386B2 true JP6291386B2 (ja) 2018-03-14

Family

ID=55634792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014169837A Expired - Fee Related JP6291386B2 (ja) 2014-08-22 2014-08-22 車両制御装置、及び、センサ校正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6291386B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019189175A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 アイシン精機株式会社 加速度算出装置
CN109278755B (zh) * 2018-10-09 2021-04-06 浙江力邦合信智能制动***股份有限公司 车辆路面坡度计算方法及***
US11970183B2 (en) 2020-09-25 2024-04-30 Motional Ad Llc AV path planning with calibration information
CN116086498B (zh) * 2023-04-12 2023-08-08 盛瑞传动股份有限公司 坡度传感器校零方法、装置、计算机设备及存储介质

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3241549B2 (ja) * 1994-11-07 2001-12-25 トヨタ自動車株式会社 車両における加速度センサ装置
JPH09133699A (ja) * 1995-11-08 1997-05-20 Unisia Jecs Corp 車両の前後方向加速度検出装置
JPH11351864A (ja) * 1998-06-10 1999-12-24 Toyota Motor Corp 道路勾配推定装置
JP2006250948A (ja) * 2006-04-28 2006-09-21 Toyota Motor Corp 車両用加速度センサの出力補正装置
JP6245076B2 (ja) * 2014-05-28 2017-12-13 日産自動車株式会社 車両用加速度センサの出力補正装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016043821A (ja) 2016-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8959909B2 (en) Vehicle brake system
AU2014244937B2 (en) Vehicular brake system
JP5848726B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6291386B2 (ja) 車両制御装置、及び、センサ校正方法
JP6099598B2 (ja) 車両制御装置
JP6223257B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6080835B2 (ja) 車両制御装置
JP6061896B2 (ja) 車両用ブレーキシステムおよびブレーキフェード検知方法
JP5997528B2 (ja) 車両用ブレーキシステム及びその制御方法
JP5989043B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
US11993236B2 (en) Electronic brake system and control method therefor
JP6325944B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6040097B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6139472B2 (ja) 車両用ブレーキ装置、および、車両用ブレーキ装置に備わる電動機の電気角検出方法
JP5924619B2 (ja) 制動力発生装置
JP6117028B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6192055B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP5950738B2 (ja) 制動力発生装置
JP5988917B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP2015063247A (ja) 車両用制動システム
JP2016002887A (ja) 車両用ブレーキシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6291386

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees