JP6287901B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、湾曲型連続鋳造機を用いた鋼の連続鋳造方法において、鋳造された鋳片を圧延して得られる鋼板でのふくれ欠陥の発生を抑える技術に関する。
冷延鋼板、冷延メッキ鋼板や電磁鋼板における加工性向上の要求がますます強まっており、この要求に応えるべく、極低炭素鋼に対する需要がますます増大している。冷延鋼板は一般に鋳片を熱間圧延した後、冷間圧延し、その後、焼鈍工程を経て製造されるが、焼鈍した鋼板には、鋳片内部に含まれるブローホールに起因して、表面が***したふくれ欠陥が発生することが多く、該欠陥は冷延鋼板製造工程の最終段階で発見されるので、原価上または工程上の被害が大きなものとなる。
ふくれ欠陥が発生する原因として、連鋳パウダーの巻込みや浸漬ノズルの詰まり防止として溶鋼に吹きこまれるアルゴンの気泡が鋳片の凝固シェルに取り込まれることが考えられる。連続鋳造機のうち、湾曲型連続鋳造機には、マシン高さが低く建設費が安く、更には、溶鋼静圧が少なくなる結果、ロール間でのバルジング量が少なく、高品質な鋳片を製造しやすい利点があるが、この湾曲型連続鋳造機を用いる場合、湾曲内側にあたる鋳片上面側に前記アルゴン気泡が偏在しやすくなり、気泡によるふくれ欠陥が、鋳片を圧延後の鋼板に発生しやすくなるという欠点がある。
特許文献1には、湾曲型連続鋳造機を用い、極低炭素鋼を連続鋳造する場合には、鋳片内で表面から厚み方向に30mm以内に存在するアルゴン気泡のみが圧延後の鋼板でふくれ欠陥になることが記載されており、表面から30mm以内の部位の鋳片中の凝固シェルと溶鋼との界面にアルゴン気泡が捕捉されないように、鋳型直下から、鋳片内で表面から30mmの部位が前記界面となる鋳片位置までの範囲で、湾曲内側に電磁撹拌装置を設置し、該電磁撹拌装置により鋳片内の界面で溶鋼を流動させることが記載されている。これにより、圧延後の鋼板にふくれ欠陥の発生が防がれるとされている。
特開平11−90595号公報
湾曲型連続鋳造機で鋳造された、炭素Cが0.01mass%未満の極低炭素鋼の鋳片を冷延工程で焼鈍する場合、焼鈍の条件によっては、特許文献1に記載の技術内容を適用して鋳片を鋳造しても、該鋳片を圧延した後の鋼板にふくれ欠陥が発生していた。前述の特定の鋼種の連続鋳造を行う場合においては、圧延後の鋼板におけるふくれ欠陥の発生が抑えられる鋳片を鋳造する方法が確立できていないというのが実情である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特定の鋼種の連続鋳造を行う場合において、圧延後の鋼板におけるふくれ欠陥の発生が抑えられる鋳片を製造可能な鋼の連続鋳造方法を提供することである。
本発明者らは、その発生の原因を調査した結果、鋳片内で表面から40〜60mmに存在するアルゴン気泡がふくれ欠陥の原因になることを把握した。表面から浅い位置の凝固界面は、鋳造中において鋳型に近い位置にあり、鉛直面に近く、表面からある程度浅い40mm未満のアルゴン気泡は凝固界面に付着しにくい。特に、湾曲型連続鋳造機の場合で湾曲半径が大きくなると凝固界面が鉛直面に更に近づき、表面からある程度浅い40mm未満のアルゴン気泡は更に付着しにくくなる。表面から60mm程度を超えた深さに存在するアルゴン気泡は、鋼板厚みが大きく強度が高いのでふくれ欠陥とならないと推察される。
そこで、特許文献1に記載の技術内容を応用し、凝固シェルと溶鋼との界面が、鋳片において表面から厚み方向に40〜60mmの部位に形成されている間に、その部位の鋳片内の溶鋼を流動させて、鋼の連続鋳造を行った。しかしながら、前記界面が、鋳片内で表面から40〜60mmの部位に形成されている場合には、鋳型中の溶鋼湯面から離れ過ぎ、やはり、鋳片の圧延後の鋼板にはふくれ欠陥が発生していた。
本発明者らは、ふくれ欠陥の発生を抑える方法を鋭意検討した結果、凝固シェルと溶鋼との界面が、鋳片の表面から厚み方向において40〜60mm離れた部位に形成されている鋳片の位置で、鋳片内の溶鋼に攪拌流れを発生させるとともに、鋳型中に溶鋼を浸漬ノズルの吐出口から略水平方向に流出させ且つ吐出孔から流出している溶鋼に攪拌流れを発生させることによって、アルゴン気泡の浮上を促進させることに想到した。
すなわち、前述の課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
湾曲型連続鋳造機の鋳型に浸漬ノズルから溶鋼を注入し、前記鋳型を冷却して凝固シェルを形成し、該凝固シェルを引き抜いて鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法であって、水平面に対して0°〜10°の角度下方に向けて前記溶鋼を流出させる吐出孔が前記浸漬ノズルに設けられ、前記吐出孔から流出している溶鋼に、電磁攪拌装置で水平方向に沿った流れを発生させ、前記鋳型中の溶鋼湯面から、前記湾曲型連続鋳造機の中央線に沿って下記(1)式を満足する距離L分離れたいずれかの位置の鋳片内の溶鋼に、前記電磁攪拌装置とは別の電磁攪拌装置で流れを発生させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
Vc×(40/k)≦L≦Vc×(60/k) (1)
ここで、Vcは、鋳片引き抜き速度[m/分]であり、kは、鋳造する鋼種の凝固定数[mm/分1/2]であり、Lは、前記湾曲型連続鋳造機の中央線に沿う前記鋳型中の溶鋼湯面からの距離[m]であり、定数40または60は、凝固シェルの厚み[mm]である。
本発明によれば、特定の鋼種の連続鋳造を行う場合であっても、圧延後の鋼板におけるふくれ欠陥の発生を抑えることが可能となる。
本発明の実施形態の一例となる、電磁攪拌装置が設置された湾曲型連続鋳造機を示す図である。 鋳型内の溶鋼流れを示す図である。 実施例での鋼の連続鋳造で製造された鋳片中の気泡密度を示すグラフである。 実施例での鋼の連続鋳造で製造された鋳片中のふくれ欠陥発生密度を示すグラフである。 従来技術における、電磁攪拌装置が設置された湾曲型連続鋳造機を示す図である。
まずは、従来技術における湾曲型連続鋳造機を用いた鋼の連続鋳造について説明する。電磁攪拌装置が設置された湾曲型連続鋳造機を図5に示す。一般に、転炉や二次精錬プロセスにて溶製された溶鋼が収容されている取鍋を湾曲型連続鋳造機100に搬送する。次いで、取鍋からタンディッシュ101を経由して連続鋳造用の鋳型103内へ浸漬ノズル102を用いて溶鋼を注入する。溶鋼が鋳型103で冷却され、鋳型103の内壁近傍で凝固シェル105が形成される。未凝固の溶鋼とともに凝固シェル105を引き抜いて鋳片を製造する。鋳片(凝固シェル105)をロール104で保持しながら、更に冷却し、連続鋳造機内にて完全に凝固させた後、切断機にて所定の長さに切断し、下工程の熱延プロセスに送る。
浸漬ノズル102は、気体が通過可能な多孔質材料などからなっており、浸漬ノズル102自体が詰まることの対策として、アルゴンガスが浸漬ノズル102を通過する溶鋼に吹込まれる。このアルゴンガスからなるアルゴン気泡109が浸漬ノズル102からの溶鋼流107によって下方に流されることになるが、アルゴン気泡109自体が浮上するので、上側の凝固シェル105に捕捉され、下工程のプロセスにて、アルゴン気泡109で膨れ、鋳片が圧延されて得られる鋼板の表面にふくれ欠陥が生じる。例えば、チタン添加またはニオブ・チタン添加の極低炭素鋼の鋼板の検査で観察されるふくれ欠陥とは、幅1〜4mm、長さ数〜数百mmにも亘って鋼板の表面に***したものであり、湾曲型連続鋳造機にて鋳造された場合に顕著に発生する。
鋳型103の出口よりも下方で、湾曲型連続鋳造機100の中央線に沿って鋳型103中の溶鋼湯面から、鋳片表面から30mm中心側の部位が凝固シェル105と溶鋼との界面である鋳片の位置までの間で、湾曲内側に電磁撹拌装置106が設置されている。電磁撹拌装置106の磁場印加によって、界面近傍の溶鋼に、溶鋼流107とは異なる攪拌流れ108が生じる。これにより、アルゴン気泡109が凝固シェル105の界面に捕捉されず、浮力によって、アルゴン気泡109が上方に向かうこととなる。これにより、鋳片を圧延して得られる鋼板において、ふくれ欠陥の発生が防がれる。
但し、上記の通りに、電磁撹拌によって凝固シェル105内の界面で溶鋼に攪拌流れ108を発生させて、自動車用鋼板や電磁鋼板となるCが0.01mass%未満の特定の鋼種を連続鋳造しても、圧延後の鋼板にふくれ欠陥が発生していた。本発明者らは、その発生の原因を調査した結果、鋳片内で表面から40〜60mmに存在するアルゴン気泡がふくれ欠陥の原因になることを把握した。表面からある程度浅く40mm未満のアルゴン気泡は、凝固界面が鉛直面に近く、凝固界面に付着しにくく、表面から60mm程度を超えた深さに存在するアルゴン気泡は、鋼板厚みが大きく強度が高いのでふくれ欠陥となりにくいものと推察される。
そこで、本発明者らは、凝固シェルと溶鋼との界面が、鋳片の表面から厚み方向に40〜60mmの部位に形成されている間に、その部位の鋳片内の溶鋼に攪拌流れを発生させ、鋳片を製造し、該鋳片を圧延して得られる鋼板に発生するふくれ欠陥の数を確認した。確かに、鋳片を圧延して得られる鋼板において、ふくれ欠陥の発生をある程度防止することができたことを確認したが、ふくれ欠陥の数を劇的に減らすことはできなかった。本発明者らは、更に、鋼板でのふくれ欠陥の発生を効果的に抑える方法を鋭意検討した結果、界面が、鋳片内で表面から40〜60mmの部位に形成されている間に、その部位の鋳片内の溶鋼に攪拌流れを発生させつつ、鋳型中に溶鋼を浸漬ノズルの吐出口から、鋳造方向ではなく鋳型の幅方向に流出させるとともに、吐出孔から流出している溶鋼に鋳型の幅方向に沿った流れを発生させ、アルゴン気泡を浮上させ、鋳型を出た鋳片に補足されるアルゴン気泡の量を劇的に抑えることに想到した。
本発明の実施形態の一例となる、電磁攪拌装置が設置された湾曲型連続鋳造機を図1に示す。図1に示す構成のうち、図5と共通する構成については、図5の符号と同じ符号で示し、かつ、説明を省略する。図1に示す湾曲型連続鋳造機1では、鋳型103の外側に、吐出孔が、磁場印加領域3a(図2参照)に入るように、電磁攪拌装置3が配置されている。この電磁攪拌装置3によって、吐出孔から流出する溶鋼に攪拌流れ8が生じ、該攪拌流れ8によってアルゴン気泡109が、溶鋼流107とともに下方(鋳片引き抜き方向)に向かうことが防がれ、浮力によって上方に向かう。
また、鋳型103中の溶鋼湯面から、湾曲型連続鋳造機1の中央線に沿って下記(1)式を満足する距離L分離れたいずれかの位置の鋳片上面側に、電磁攪拌装置3とは別の電磁攪拌装置6が配置されている。該電磁攪拌装置6を作動させることにより、距離L分離れた位置の鋳片上面側の凝固シェルの界面に、攪拌流れ8が生じる。該攪拌流れ8によって、アルゴン気泡109が、溶鋼流107とともに鋳片引き抜き方向に向かうことが防がれ、浮力によって、鋳片引き抜き方向とは反対方向に向かうことになる。
Vc×(40/k)≦L≦Vc×(60/k) (1)
(1)式において、Vcは、鋳片引き抜き速度[m/分]であり、Lは、湾曲型連続鋳造機1の中央線に沿う鋳型3中の溶鋼湯面からの距離[m]である。kは、鋳造する鋼種の凝固定数[mm/分1/2]であり、凝固定数kは、厳密には鋼種成分や二次冷却の条件でおよそ25〜29の範囲で変化するものの、通常の冷却条件では、k=27と想定してよい。定数40または60は、鋳片中の凝固シェルの厚み[mm]であり、Lが上記(1)式を満たせば、溶鋼湯面から、湾曲型連続鋳造機1の中央線に沿って距離L分離れた位置の鋳片において、凝固シェル105は厚みが40〜60mmとなる。この位置において、表面から40〜60mm中心側の鋳片の部位が凝固シェルと未凝固の溶鋼との界面となる。
鋳型103内での浸漬ノズル102の吐出口からの溶鋼流れを図2に示す。図2において、(a)には、電磁攪拌装置が鋳型103の外側に配置されていない状態を示し、(b)には、電磁攪拌装置3(図1参照)が配置されている状態を示してある。図2(a)に示す溶鋼の吐出口は、水平面に対して20°程度の角度下方に向けて溶鋼を流出させるように浸漬ノズル102に形成されている。図2(b)に示す溶鋼の吐出口は、水平面に対して0°〜10°の角度下方に向けて溶鋼を流出させるように浸漬ノズル102に形成されている。
通常、図2(a)に示すように、水平方向ではなく、ある程度、鋳型の下方(鋳造方向)に向けて溶鋼を流出させるように吐出口浸漬ノズル102に形成されている。水平方向に向けると、鋳型103の内壁の特定の部位に溶鋼が向かい、溶鋼湯面のモールドパウダーを巻き込むおそれがある。図2(a)の場合には、浸漬ノズル102の吐出口から流出している溶鋼には磁場が印加されず、単に吐出口から溶鋼が流出されているに過ぎない。よって、溶鋼に含まれるアルゴン気泡109(図1参照)は、溶鋼流れに伴って下方に向かう傾向がある。
一方、図2(b)に示すように電磁攪拌装置で印加される磁場印加領域3aに吐出口が入るように、電磁攪拌装置は鋳型103の外側に配置される。電磁攪拌装置3によって、浸漬ノズル102の吐出口の溶鋼には、磁場が印加され、溶鋼に鋳型の幅方向に沿う攪拌流れ(旋回流)8が生じている(図1参照)。これにより、アルゴン気泡109が、溶鋼流れとともに下方に搬送されずに、浮力によって上方に向かう傾向がある。また、溶鋼が、水平面に対して0°〜10°の角度下方に向けて流出するようになっていても、電磁攪拌装置3による攪拌流れによって、鋳型103の内壁に溶鋼が分散され、溶鋼流れの流速が遅くなり、気泡が溶鋼流れから離れて、浮上し易くなる。なお、磁場印加領域3aに吐出口が入るようにするには、吐出口の高さ位置に、電磁攪拌装置3のコイルの中心を配置するように、電磁攪拌装置3を設置すればよい。
図1及び図2(b)に示すように、鋳片において、表面から中心方向へ40〜60mm離れた部位における湾曲内側の凝固界面で溶鋼を流動させるとともに、鋳型中に溶鋼を浸漬ノズルの吐出口から略水平方向に流出させ、吐出孔から流出している溶鋼に略水平方向に沿う流れを発生させることによって、アルゴン気泡をより確実に浮上させることが可能となる。これにより、圧延後の鋼板にふくれ欠陥を発生させ易い特定の鋼種の連続鋳造を行う場合であっても、その鋳片の圧延後の鋼板におけるふくれ欠陥の発生を劇的に抑えることが可能となる。
まず、図5に示す湾曲型連続鋳造機100で、Cが0.005mass%以下、Siが3.0〜3.5mass%、Mnが0.06〜0.08mass%、Pが0.02mass%以下、Sが0.01mass%以下、Alが0.02〜0.03mass%、Nが70〜100massppm、残部がFe及び不可避不純物である極低炭素鋼の連続鋳造を行った(基準例)。但し、基準例においては、電磁攪拌装置106を使用しなかった。基準例において、浸漬ノズル102は、水平面より20°下向きに溶鋼を流出させる吐出孔が2つ設けられており、該吐出孔は、70mm×70mmの矩形状である。浸漬ノズル102へ吹き込まれるアルゴンガスを5Nl/分とした。また、鋳片引き抜き速度は1.0m/分とし、鋳片の幅は1450mmである。
次に、図5に示す湾曲型連続鋳造機100で、電磁攪拌装置106を使用した以外は、基準例と同じ条件で、鋼の連続鋳造を行った(比較例)。比較例では、電磁攪拌装置106を、鋳片内で凝固シェル105の厚みが30mmとなる位置の鋳片における湾曲内側に配置した。
また、湾曲型連続鋳造機100で鋼の連続鋳造を行った(参考例)。参考例では、電磁攪拌装置106の位置を変更した以外は比較例と同じ条件で鋼の連続鋳造を行った。電磁攪拌装置106によって、鋳型103中の溶鋼湯面から、湾曲型連続鋳造機1の中央線に沿って、Vc×(58/k)で求まるL分離れた位置(凝固シェル105の厚みが58mmとなる位置)の鋳片内部の溶鋼に流れが生じるように、鋳片上面側に配置した。ここで、この鋼種の凝固定数kは、約27.1mm/分1/2であり、鋳片引き抜き速度Vcは1.0m/分であり、距離Lは約4.6mと算出された。電磁攪拌装置106に供給する電流は、磁束密度が0.06T、電流値が800Aで、周波数が1.3Hzの交流とした。
最後に、図1に示す湾曲型連続鋳造機1で鋼の連続鋳造を行った(本発明例)。本発明例では、浸漬ノズル102には、水平面より5°下向きに溶鋼を流出させる吐出孔が2つ設けられ、電磁攪拌装置3と電磁攪拌装置6との両方を使用した以外は参考例と同じ条件で鋼の連続鋳造を行った。湾曲型連続鋳造機1における電磁攪拌装置6の位置は、参考例の湾曲型連続鋳造機100における電磁攪拌装置106の配置位置に対応している。
電磁攪拌装置3は、コイルの中心が吐出口の高さとなるように配置した。電磁攪拌装置3に供給する電流は、磁束密度が0.06T、電流値が600Aで、周波数が3.0Hzの交流とした。
基準例、比較例、参考例及び本発明例の各々で得られた鋳片の上表面から40〜60mm中心側の部位における気泡の数を超音波探傷装置で測定した。基準例における気泡密度を1とした場合における、比較例、参考例及び本発明例の気泡密度を、気泡密度指数として求めた。比較例、参考例及び本発明例の気泡密度指数を図3に示す。また、鋳片の上表面に対応する鋼板表面のうち、ふくれている箇所を観察し、基準例における単位面積当たりのふくれ欠陥の個数となるふくれ欠陥発生密度[個/m]を1とした場合における、比較例、参考例及び本発明例のふくれ欠陥発生密度を、ふくれ欠陥発生密度指数として求めた。比較例、参考例及び本発明例のふくれ欠陥発生密度指数を図4に示す。
図3のグラフからわかるように、比較例では、電磁攪拌装置で鋳片の溶鋼流れを攪拌することのない基準例に比べて、鋳片の上表面から40〜60mm中心側の気泡の数は減少している。参考例では、比較例に比べて、鋳片の上表面から40〜60mm中心側の気泡の数は更に減少しているが、劇的という程に減少はしていない。
電磁攪拌装置3と電磁攪拌装置6との両方を使用した本発明例では、比較例及び参考例に比べて、鋳片の上表面から厚み方向に40〜60mmの部位におけるの気泡の数は劇的に減少していることがわかる。鋳片表面から厚み方向に40〜60mmの部位における鋳片の湾曲内側の凝固界面で溶鋼を流動させるとともに、鋳型中に溶鋼を浸漬ノズルの吐出口から鋳型の幅方向に流出させ、吐出孔から流出している溶鋼に鋳型の幅方向に沿う流れを発生させることによって、アルゴン気泡をより確実に浮上させることが可能となることがわかる。図4のグラフからわかるように、特定の鋼種の連続鋳造を行う場合であっても、鋳片の圧延後の鋼板におけるふくれ欠陥の発生を劇的に抑えることが可能となっている。
1 湾曲型連続鋳造機(本発明)
3 電磁攪拌装置(本発明)
3a 磁場印加領域
6 電磁攪拌装置(本発明)
8 攪拌流れ(旋回流)
100 湾曲型連続鋳造機(従来技術)
101 タンディッシュ
102 浸漬ノズル
103 鋳型
104 ロール
105 凝固シェル
106 電磁攪拌装置(従来技術)
107 溶鋼流
108 攪拌流れ
109 アルゴン気泡

Claims (1)

  1. 湾曲型連続鋳造機の鋳型に浸漬ノズルから溶鋼を注入し、前記鋳型を冷却して凝固シェルを形成し、該凝固シェルを引き抜いて鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法であって、
    水平面に対して0°〜10°の角度下方に向けて前記溶鋼を流出させる吐出孔が前記浸漬ノズルに設けられ、
    前記吐出孔から流出している溶鋼に、電磁攪拌装置で水平方向に沿った流れを発生させ、
    前記鋳型中の溶鋼湯面から、前記湾曲型連続鋳造機の中央線に沿って下記(1)式を満足する距離L分離れたいずれかの位置の鋳片内の溶鋼に、前記電磁攪拌装置とは別の電磁攪拌装置で流れを発生させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    Vc×(40/k)≦L≦Vc×(60/k) (1)
    ここで、Vcは、鋳片引き抜き速度[m/分]であり、
    kは、鋳造する鋼種の凝固定数[mm/分1/2]であり、
    Lは、前記湾曲型連続鋳造機の中央線に沿う前記鋳型中の溶鋼湯面からの距離[m]であり、
    定数40または60は、凝固シェルの厚み[mm]である。
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