以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<<実施形態の全体構成>>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概略図である。図2は、通信システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図3は、画像データの画質を説明する概念図である。
また、通信システム1には、通信管理システム50を介して複数の通信端末10間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「通信管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「通信端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、通信システム、通信管理システム、及び通信端末について説明する。即ち、本発明の通信端末及び通信管理システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、その他のコミュニケーションシステムにも適用される。なお、本実施形態では、「テレビ会議」と説明しているが、「ビデオ会議」と言われることもあり、両者は同じ内容である。
また、本実施形態では、通信システム1の各利用者が、東京事業所(利用者a)、大阪事業所(利用者b)、ニューヨーク事業所(利用者c)、及びワシントンD.C.事業所(利用者d)の4事業所である場合について説明する。
まず、図1に示されている通信システム1は、複数の通信端末(10aa,10ab,…)、各通信端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、各利用者PC(Personal Computer)端末(20a,20b,20c,20d)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)、通信管理システム50、通信端末管理システム80、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。
複数の通信端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの送受信による通信を行う。
なお、以下では、「通信端末」を単に「端末」として表す。また、複数の端末(10aa,10ab,…)のうち任意の端末は「端末10」と表し、複数のディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表し、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置は「中継装置30」と表している。また、利用者PC端末(20a,20b,20c,20d)を、それぞれ、PC(20a,20b,20c,20d)と表しており、更に、これらの任意のPCは、「PC20」と表わしている。更に、テレビ会議の開始を要求する要求元としての端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての端末は「宛先端末」と表されている。
また、図2に示されているように、通信システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、通信管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、画像・音声データ用セッションsedとして示している。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図3(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図3(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図3(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。
PC(20a,20b,20c,20d)は、各LAN(2a,2b,2c,2d)に対して接続されている。この実施形態では、利用者が端末10の操作ボタン108で操作や入力する作業が不慣れである場合や、PC20を使用中の利用者が宛先候補の追加承認要求のあったことをすぐに把握できないという問題を解消すべく、端末10に代わって、利用者が使い慣れているPCによって操作や入力の作業を行うことができるようにしている。また、通信端末管理システム80は、インターネット2iに接続されており、PC20とのやり取りを行うことで、PC20からの各種要求等を通信管理システム50に伝える処理を行う。
図1に示されている中継装置30は、複数の端末10の間で、コンテンツデータの中継を行う。通信管理システム50は、端末10からのログイン認証、端末10の通話状況の管理、宛先リストの管理等、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、端末10に各種機能を実現させる(又は、端末10を各種手段として機能させる)ための端末用プログラムが記憶され、端末10に端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHD204には、通信管理システム50に各種機能を実現させる(又は、通信管理システム50を各種手段として機能させる)ための通信管理用プログラムも記憶されており、通信管理システム50に、通信管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、端末10、中継装置30、通信管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、端末10、中継装置30、通信管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、端末10、中継装置30、通信管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、端末10、中継装置30、通信管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
ところで、端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。端末10d(a,10db,10dc,・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各端末10、各中継装置30、通信管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、本実施形態の通信システム1では、例えば、同一の社内の通信など、所属が一致する端末10間の通信は、各端末10の利用者によって予め承認されている。また、各端末10は、複数の事業所間での通話や、同じ事業所内の異なる部屋間での通話だけでなく、同じ部屋内での通話や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通話で使われてもよい。各端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
<<実施形態のハードウェア構成>>
まず、本実施形態のハードウェア構成を説明する。図4は、本実施形態に係る端末10の外観図である。以下、端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図4に示されているように、端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図4は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、後述の内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図4で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
なお、中継装置30、通信管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
図5は、本発明の本実施形態に係る端末10のハードウェア構成図である。図5に示されているように、本実施形態の端末10は、端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを通信するディスプレイI/F117、図4に示されている接続口1021gに取り付けられ各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119及び上記各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
更に、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
図6は、本発明の本実施形態に係る管理システムのハードウェア構成図である。通信管理システム50は、通信管理システム50全体の動作を制御するCPU201、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、通信管理用プログラム等の各種データを記憶するHD204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図6に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記通信管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記通信管理用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記通信管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記中継装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、本実施形態のPC20及び通信端末管理システム80は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。更に、PC20及び通信端末管理システム80は、上記通信管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。
また、プログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、上記通信管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図7は、本実施形態の通信システム1を構成する通信端末及び通信管理システムの機能ブロック図である。図7では、端末10及び通信管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図7では、通信管理システム50及び通信端末管理システム80が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1に示されているプログラム提供システム90は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図7では省略されている。また、図1に示されているPC20は、汎用的なPCであるため、図7では省略されている。
<端末の機能構成>
端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、抽出部17、宛先リスト作成部18、及び記憶・読出処理部19、及びを有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能される手段である。
また、端末10は、図5に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部1002、及び図5に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1001を有している。
(端末の各機能構成)
次に、図5及び図7を用いて、端末10の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、端末10の各機能構成部を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、端末10の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図7に示されている端末10の送受信部11は、図5に示されているCPU101からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、通信管理システム50より、宛先候補としての各端末の稼動状態を示す各稼動状態情報の受信を開始する。なお、この稼動状態情報は、各端末10の稼動状態(オンラインかオフラインかの状態)だけでなく、オンラインであっても更に通話中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示す。また、この稼動状態情報は、各端末10の稼動状態だけでなく、端末10でケーブル120cが端末10から外れていたり、音声を出力するが画像は出力させなかったり、音声を出力さないようにする(MUTE)等、様々な状態を示す。
操作入力受付部12は、図5に示されているCPU101からの命令、並びに図5に示されている操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図5に示されている電源スイッチ109をONにすると、図7に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。
ログイン要求部13は、図5に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して通信管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、送受信部11が通信管理システム50へ電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、通信管理システム50側では、端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部14は、図5に示されているCPU101からの命令、並びに図5に示されているカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。
音声入力部15aは、図5に示されているCPU101からの命令、及び図5に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、図5に示されているCPU101からの命令、及び図5に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
表示制御部16は、図5に示されているCPU101からの命令、及び図5に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。
抽出部17は、図5に示されているCPU101からの命令によって実現され、揮発性記憶部1002から各種データ(または情報)を抽出する。
宛先リスト作成部18は、通信管理システム50から受信した、後述の宛先リスト情報及び各宛先候補としての端末10の状態情報に基づいて、図14に示されているような宛先候補の状態がアイコンで示された宛先リストの作成及び更新を行う。
また、記憶・読出処理部19は、図5に示されているCPU101からの命令、及び図5に示すSSD105によって実行され、不揮発性記憶部1001に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部1001に記憶された各種データを読み出す処理を行う。この不揮発性記憶部1001には、端末10を識別するための識別情報の一例としての端末ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。更に、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部1002に各種データを記憶したり、揮発性記憶部1002に記憶された各種データを読み出す処理も行う。この揮発性記憶部1002には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データ及び音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ115から音声が出力される。
なお、本実施形態の端末ID及び後述の中継装置IDは、それぞれ端末10及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
<管理システムの機能構成>
通信管理システム50は、送受信部51、端末認証部52、端末管理部53、抽出部54、追加要求管理部55、端末状態確認部56、宛先リスト管理部57、共有要求処理部58、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図6に示されている各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、通信管理システム50は、通信管理システム50の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部5000を有しており、この不揮発性記憶部5000は図6に示されているHD204により構築されている。また、この不揮発性記憶部5000には、図14に示されている宛先リスト枠のデータ(図14で示されている宛先リスト枠部分のデータであり、具体的な稼動状態を示すアイコン、端末ID、及び端末名は含まれない)が記憶されている。
(端末認証管理テーブル)
不揮発性記憶部5000には、図8に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5001が構築されている。この端末認証管理テーブルでは、通信管理システム50によって管理される全ての端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図8に示されている端末認証管理テーブルにおいて、端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(端末管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図9に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5002が構築されている。この端末管理テーブルでは、各端末10の端末ID毎に、各端末10を宛先とした場合の宛先名、通信の開始要求元あるいは宛先候補としての各端末10の所属、各端末10の稼動状態、及び端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図9に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の端末10aaは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、所属が「(株)KK」で、稼動状態が「オンライン(通信可能)」で、この端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図10に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議における通話の開始を要求する要求元端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末(端末10aa)からテレビ会議における通話の開始を要求することができる宛先端末の候補は、端末IDが「01ab」の端末10ab、端末IDが「01ac」の端末10ac、及び端末IDが「01ad」の端末10ad等であることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の要求元端末から通信管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。なお、宛先リスト管理DB5003(図10参照)には、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDだけでなく、各端末IDに対して端末管理テーブル(図9参照)で管理されている宛先名も関連付けて管理してもよい。
(追加要求管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図11に示されているような追加要求管理テーブルによって構成されている追加要求管理DB5004が構築されている。この追加要求管理テーブルでは、宛先候補に追加要求した端末(以下、「追加要求した端末」を上述の通話の開始要求元の端末と同じ「要求元端末」と表す)の端末ID、及び宛先候補に追加要求された要求先の端末(以下、「要求先の端末」を「要求先端末)と表す)の端末IDを関連付けて管理する。これにより、どの端末からどの端末を宛先候補として要求しているかを管理することができる。なお、宛先リスト管理テーブルと追加要求管理テーブルは、要求元端末の端末IDが共通しているため、これらのテーブルを一つにまとめてもよい。
(管理システムの各機能構成)
次に、通信管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理システム50の各機能構成部を説明するにあたって、図6に示されている各構成要素のうち、通信管理システム50の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
端末認証部52は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、不揮発性記憶部5000の端末認証管理DB5001を検索し、端末認証管理DB5001に同一の組の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
端末管理部53は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく、端末管理DB5002(図9参照)に、この要求元端末の端末ID、要求元端末の稼動状態、及び要求元端末のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。また、端末管理部53は、利用者が端末10の電源スイッチ109をONの状態からOFFにすることで、端末10から送られてきた、電源をOFFする旨の稼動状態情報に基づいて、端末管理DB5002(図9参照)のオンラインを示す稼動状態をオフラインに変更する。
抽出部54は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、ログイン要求した要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5003(図10参照)を検索し、要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また、抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5003(図10参照)を検索し、上記要求元端末の端末IDを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDも抽出する。また、抽出部54は、この抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DB5002(図9参照)を検索し、上記抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、抽出部54は、この抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理DB5002(図9参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態も抽出する。
追加要求管理部55は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、追加要求管理DB5004(図11参照)へ新たにレコード毎、要求元端末の端末ID及び要求先端末の端末IDを記憶して管理する。また、レコード毎、要求元端末の端末ID及び要求先端末の端末IDを削除する。
端末状態確認部56は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、端末ID又は宛先名を検索キーとして端末管理DB5002(図9参照)を検索することにより、対応する稼動状態を確認する。
宛先リスト管理部57は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先リスト管理DB5003(図10参照)の各要求元端末の端末ID毎に、宛先端末の端末IDを追加又は削除する。また、宛先リスト管理部57は、追加要求管理DB5004(図11参照)で管理されている要求元端末の端末IDと同じ宛先リスト管理DB5003(図10参照)における要求元端末の端末IDに対して、追加要求管理DB5004(図11参照)で要求元端末の端末IDと関連付けて管理されている要求先端末の端末IDを宛先端末の端末IDとして追加的に関連付けて管理する。
共有要求処理部58は、CPU201からの命令によって実現され、宛先情報の共有要求が受け付けられたときに、共有対象である宛先情報を、共有先の端末10の宛先リストに登録可能であるか否かを判定して、判定結果に応じて宛先情報を登録する。なお、本実施形態において、「共有」とは、宛先リスト管理テーブル(図10参照)において、ある開始要求元端末の宛先候補として登録されている宛先端末を、他の開始要求元端末の宛先候補として追加して登録することにより、どちらの開始要求元からもその宛先候補へ通信可能な状態とすることを意味する。
記憶・読出処理部59は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているHDD205によって実行され、不揮発性記憶部5000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<通信端末管理システムの機能構成>
通信端末管理システム80は、送受信部81、端末認証部82、抽出部83、宛先リスト作成部84、追加承認要求画面作成部85、及び所属登録画面作成部86を有している。これら各部は、図6に示されている各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203上に展開された通信端末管理システム用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能される手段である。
また、通信端末管理システム80は、図6に示されているRAM203又はHD204によって構築される記憶部8000を有している。
(通信端末管理システムの各機能構成)
次に、通信端末管理システム80の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信端末管理システム80の各機能構成部を説明するにあたって、図6に示されている各構成要素のうち、通信端末管理システム80の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部81は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部81は、後述のWebサーバ機能及びデータ処理機能も有している。
端末認証部82は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、通信管理システム50にアクセスして不揮発性記憶部5000に構築されている端末認証管理DB5001(図8参照)を検索することで、要求元端末の端末ID及びパスワードと同じ組の端末ID及びパスワードが管理されているか否かの判断により、PC20の利用者の端末10が、このテレビ会議システムにおける正当な端末であるか否かの認証を行う。
抽出部83は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、要求元端末の端末IDを検索キーとして通信端末管理システム80の不揮発性記憶部5000に構築されている宛先リスト管理DB5003(図10参照)を検索することで、対応する宛先端末の端末IDを抽出する。また、抽出部83は、要求先端末の端末IDを検索キーとして追加要求管理DB5004(図11参照)を検索し、対応する要求元端末の端末IDを抽出する。
宛先リスト作成部84は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、図16に示されている宛先リスト画面のHTML(HyperText Markup Language)を作成する。
追加承認要求画面作成部85は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、抽出部83によって抽出された要求元端末の端末IDに基づき、追加承認要求画面のHTMLを作成する。所属登録画面作成部86は、図6に示されているCPU201からの命令によって実現され、所属登録受付画面の公開要求に基づいて、所属登録受付画面のHTMLを作成する。
<<実施形態の処理または動作>>
次に図12を用いて、通信管理システム50、通信端末10等の処理および動作の概要について説明する。図12は、通信システム1における各種情報の送受信の状態を示した概念図である。
管理システム50(宛先管理装置の一例)の宛先リスト管理DB5003(宛先リスト管理手段の一例)は、端末10間の通信における開始要求元の端末10を識別する端末ID毎(開始要求元あるいは宛先候補毎の一例)に、この開始要求元の端末10と通信可能な宛先候補の端末10の端末ID(宛先候補を示した宛先情報の一例)を関連付けることで、開始要求元の宛先候補を示す宛先リストを管理する。また、管理システム50の端末管理DB5002(属性管理手段の一例)は、端末10間の通信における開始要求元あるいは宛先候補となる端末10の端末ID毎に、この開始要求元あるいは宛先候補の所属(属性を示す属性情報の一例)を関連付けて管理する。
管理システム50の送受信部51(追加要求受付手段)は、端末10aaの宛先リストを端末10adと共有することにより、端末10adと通信可能な宛先候補として、端末10aaの宛先リストに登録されている各宛先候補(端末(10ab,10bd))を追加する要求を受け付ける。宛先リスト管理部57(宛先リスト更新手段の一例)は、端末管理DB5002において端末10adの端末IDに関連付けられて管理されている所属「Z(株)」が、端末管理DB5002において端末10abに関連付けられて管理されている所属「Z(株)」と一致する場合には、開始要求元としての端末10adの端末IDに関連付けて、宛先候補としての端末10abの端末IDを管理させることで、宛先リスト管理DB5003を更新する。これにより、社内での通話など、所属が一致する宛先候補間での通信が許可されている通信システム1において、端末10adの宛先候補として端末10abを追加する要求があった場合に、端末10abに追加の許可を要求することなく、宛先リストの更新ができるようになる。
管理システム50の送受信部51(登録要求受付手段の一例)は、端末10間の通信の開始要求元あるいは宛先候補となる利用者のPC20aから、この開始要求元あるいは宛先候補となる利用者の所属の登録の要求を受け付ける。管理システム50の端末管理部53(属性更新手段の一例)は、送受信部51によって受け付けられた属性を示す属性情報を、開始要求元あるいは宛先候補の端末IDに関連付けて管理させることにより端末管理DB5002を更新する。これにより開始要求元あるいは宛先候補が登録した所属に基づいて、宛先候補の追加の可否を判断できるようになるので、信頼性が向上する。
端末管理DBでは、所属に変えてIPアドレス(アドレス情報の一例)を管理しても良い。この場合、宛先リスト管理部57は、端末管理DB5002において端末10adの端末IDに関連付けられて管理されているIPアドレスの上位数桁(アドレス情報の一r部の一例)が、端末管理DB5002において端末10abに関連付けられて管理されているIPアドレスの上位数桁と一致する場合には、開始要求元としての端末10adの端末IDに関連付けて、宛先候補としての端末10abの端末IDを関連付けて管理させることで、宛先リスト管理DB5003を更新する。これにより、利用者が所属を登録する手間を省けるようになる。
管理システム50の送受信部51(承認受付手段の一例)は、端末管理DB5002において、開始要求元の端末10adの端末IDに関連付けられて管理されている所属「Z(株)」が、宛先候補の端末10bdの端末IDに関連付けられて管理されている所属「(株)KK」と一致しない場合には、開始要求元の端末10adと通信可能な宛先候補として、端末10bdを追加することに対する承認を示す追加承認応答情報を受け付ける。宛先リスト管理部57は、送受信部51において承認を示す追加承認応答情報が受け付けられた場合に、開始要求元としての端末10adの端末IDに関連付けて、宛先候補としての端末10bdの端末IDを関連付けて管理させることで、宛先リスト管理DB5003を更新する。これにより、開始要求元と宛先候補との所属が異なる場合であっても、上記の承認プロセスを経ることで、セキュリティを確保しつつ、宛先候補の追加が可能となる。
なお、上記の所属は、開始要求元あるいは宛先候補にかかる端末10の所属であっても、開始要求元あるいは宛先候補にかかる端末10の利用者の所属であっても良く特に限定されない。
次に、図13乃至図21を用いて、本実施形態の処理を詳細に説明する。なお、まずは、図13及び図14を用いて、端末10aaと端末10dbとの間で、通話を開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理について説明する。図13は、通信端末間で通話を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図14は、宛先リストを示す概念図である。なお、図13では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、利用者が、図5に示されている電源スイッチ109をONにすると、図7に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、上記電源ONの受け付けを契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して通信管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自端末である端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して不揮発性記憶部1001から読み出されて、送受信部11に送られたデータである。なお、端末10aaから通信管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である通信管理システム50は、送信側である端末10abのIPアドレスを把握することができる。
次に、通信管理システム50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、不揮発性記憶部5000の端末認証管理DB5001(図8参照)を検索し、端末認証管理DB5001に同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。この端末認証部52によって、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する端末10からのログイン要求であると判断された場合には、端末管理部53は、端末管理DB5002(図9参照)に、端末10aaの端末ID及び宛先名で示されるレコード毎に、稼動状態、及び端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、図14に示されている端末管理テーブルには、端末ID「01aa」に、稼動状態「オンライン」、及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
そして、通信管理システム50の送受信部51は、上記端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS25)。本実施形態では、端末認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
要求元端末(端末10aa)では、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部11が通信ネットワーク2を介して通信管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS26)。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、抽出部54は、ログイン要求した要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5003(図10参照)を検索し、要求元端末(端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補の端末IDを抽出すると共に、この端末IDに対応する宛先名を端末管理DB(図9参照)から読み出すことによって抽出する(ステップS27)。ここでは、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に対応する宛先端末(10ab,10ba,10bb,…)のそれぞれの端末ID(「01ab」、「01ba」、「01bb」、…)と、これらに対応する端末名(「日本 東京事業所 AB端末」、「日本 大阪事業所 BA端末」、「アメリカ 大阪事業所所 BB端末」、…)が抽出される。なお、宛先リスト管理DB5003(図10参照)において、端末IDだけでなく各端末IDに対応付けられた宛先名を管理している場合には、ステップS27において、端末管理テーブル(図9参照)からではなく、宛先リスト管理テーブルから端末IDに対応する宛先名を読み出してもよい。
次に、通信管理システム50の送受信部51は、記憶・読出処理部59を介して記憶部6000から宛先リスト枠のデータを読み出す(ステップS28)と共に、この宛先リスト枠並びに上記抽出部54によって抽出された端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、端末ID、宛先名)」を、要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS29)。これにより、要求元端末(端末10aa)では、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が揮発性記憶部1002へ宛先リスト情報を記憶する(ステップS30)。
このように、本実施形態では、各端末10で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理システム50が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システム1に新たな端末10が含まれるようになったり、既に含まれている端末10に替えて新機種の端末10を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理システム50側で一括して対応するため、各端末10側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、通信管理システム50の抽出部54は、上記抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」、…)を検索キーとして、端末管理DB5002(図9参照)を検索し、上記抽出部54によって抽出された端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての端末(10ab,10ba,10bb,…)の各稼動状態を取得する(ステップS31)。
次に、送受信部51は、上記ステップS27で使用された検索キーとしての端末ID「01ab」と、対応する宛先端末(端末10ab)の稼動状態「オンライン(通話可能)」とが含まれた「端末の稼動状態情報」を、通信ネットワーク2を介して要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS32)。また、同じくステップS32の一環として、送受信部51は、端末ID「01ba」と、対応する宛先端末(端末10ba)の稼動状態「オンライン(一時中断)」とが含まれた「端末の稼動状態情報」等、残りの「端末の稼動状態情報」も個別に要求元端末(端末10aa)へ送信する。
次に、要求元端末(端末10aa)の記憶・読出処理部19は、順次、通信管理システム50から受信した端末の状態情報を揮発性記憶部1002に記憶する(ステップS33)。よって、要求元端末(端末10aa)は、上記各端末の状態情報を受信することで、要求元端末(端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補である端末10ab等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
次に、要求元端末(端末10aa)の宛先リスト作成部18は、揮発性記憶部1002に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末10の状態を反映させた宛先リストを作成すると共に、表示制御部16が、図5に示されているディスプレイ120に対して、宛先リストを表示するタイミングを制御する(ステップS34)。なお、図14に示されている宛先リストでは、各端末の稼動状態を示したアイコンが、上から「オンライン(通信可能)」、「オフライン」、「オンライン(通信可能)」、及び「オンライン(通話中)」であることを示している。また、本実施形態のようにテレビ会議システムにおいては、「通信可能」は「通話可能」を意味することになる。
一方、通信管理システム50の抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に基づいて宛先リスト管理DB5003(図10参照)を検索することにより、上記要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDを抽出する(ステップS35)。図10に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末の端末IDは、「01ab」、「01ba」、及び「01db」である。
次に、通信管理システム50の抽出部54は、上記ログイン要求して来た要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に基づいて端末管理DB5002(図9参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)の稼動状態を取得する(ステップS36)。
そして、送受信部51は、上記ステップS35で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、及び「01db」)に係る端末(10ab,10ba,10db)のうち、端末管理DB5002(図9参照)で稼動状態が「オンライン」となっている端末(10ba,10db)に、上記ステップS36で取得された要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と稼動状態「オンライン」が含まれる「端末の状態情報」を送信する(ステップS37−1,S37−2)。なお、送受信部51が端末(10ba,10db)に端末の状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図14に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末(端末10aa)を宛先として通話することができる他の宛先端末(10db,10ba)のそれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。
一方、他の端末10でも、上記ステップ21と同様に、利用者が図6に示されている電源スイッチ109をONにすると、図7に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付け、上記ステップS22〜S38−1,2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図15及び図16を用いて、要求元端末(端末10aa)の利用者aが、端末10aaに代えて、PC20aから通信端末管理システム80を介して要求先端末(端末10dc)へ宛先リストの共有要求を行う場合について説明する。なお、図15は、PCから共有要求を行うシーケンス図である。図16は、宛先リストを示す概念図である。図17は、共有要求受付画面を示す概念図である。
図15に示されているように、まず、PC20aの利用者aは、PC20aのWebブラウザよりURLを入力することで、PC20aが通信端末管理システム80の提供するWebアプリケーションにアクセスする(ステップS61)。これにより、通信端末管理システム80の送受信部81のWebサーバ機能が、PC20aに対してログイン画面を公開することで、利用者aに要求元端末(端末10aa)の端末IDとパスワードの入力を促す(ステップS62)。これに対して、利用者aが要求元端末(端末10aa)の端末IDとパスワードを入力すると、PC20aから通信端末管理システム80へ要求元端末の端末IDとパスワードであるログイン情報が送信される。(ステップS63)。
次に、通信端末管理システム80の端末認証部82は、通信管理システム50にアクセスして不揮発性記憶部5000に構築されている端末認証管理DB5001(図8参照)を検索することで、要求元端末の端末ID及びパスワードと同じ組の端末ID及びパスワードが管理されているか否かの判断により、PC20aの利用者aの端末10aaが、この通信システム1における正当な端末であるか否かの認証を行う(ステップS64)。この認証により、正当な端末であると判断された場合には、抽出部83は、引き続き、要求元端末の端末ID「01aa」に基づいて通信管理システム50の不揮発性記憶部5000に構築されている宛先リスト管理DB5003(図10参照)を検索することで、対応する宛先端末の端末IDを抽出する(ステップS65)。
次に、宛先リスト作成部84は、上記ステップS65によって抽出された端末IDに基づいて、端末管理DB5002(図9参照)を検索することにより、対応する端末名を抽出することで、図16に示されている宛先リスト画面のHTMLを作成する(ステップS66)。そして、送受信部81のWebサーバ機能が、PC20aに対して図16に示されているように宛先リスト画面を公開する(ステップS67)。図16は、宛先リストを示す概念図である。この宛先リスト画面には、宛先端末の宛先名、宛先端末の端末ID、並びに、宛先リスト上の各宛先端末の宛先名を編集したり、又は宛先リスト上から宛先名及び宛先端末の端末IDを削除したり、宛先リストを共有するための操作領域が表示されている。また、宛先リスト画面の右上には、利用者が宛先端末を追加したい場合に押下するための「宛先の追加」ボタンが表示されている。なお、図16の宛先リスト画面は、共有要求の選択を受け付ける画面の一例であって、これに限定されるものではない。宛先リスト画面のその他の例としてとしては、端末10の宛先リストの外に共有要求を受け付けるボタンを設け、それを押下することで、共有対象や共有先の選択を受け付けるものであっても良い。また、それぞれの端末名の横等にチェックボックスを設け、複数の端末10の宛先リストを共有対象として選択可能としたものでも良い。
次に、利用者aがPC20aで宛先リスト画面の操作部における、端末ID「01ab」に対応付けられた「共有」のリンクを押下すると、PC20aにおいて、端末10aaの宛先候補を示す宛先情報のうち、端末10abを示す宛先情報を共有する要求が受け付けられる(ステップS68)。続いて、PC20aのWebブラウザ機能によって、図17に示されているような共有先受付ダイアログがディスプレイに表示される。図17は、共有先受付画面を示す概念図である。
共有先受付ダイアログには、宛先リスト管理テーブル(図10参照)において、端末10aaの宛先候補として登録されている端末10のうち、共有要求の対象となる宛先情報によって示される端末10ab(以後、共有対象端末と言う)以外の端末(10ac,10ad,10ae)が、共有先の候補として表示されている。これらの共有先の候補の中から、利用者aが、チェックボックスで、例えば、宛先端末10adを選択して、「共有」ボタンを押下すると、PC20aが通信端末管理システム80へ、端末10abを示す宛先情報を、端末10adと共有する旨の要求を示した共有要求情報を送信する(ステップS69)。この共有要求情報には、共有対象端末(端末10ab)の端末ID「01ab」と共有先端末(端末10ad)の端末ID「01ad」とが含まれる。
これにより、通信端末管理システム80の送受信部81のデータ処理機能が、利用者aからの操作を解釈し、端末10aaの代理で通信管理システム50に対して宛先リストの共有要求情報を送信する(ステップS70)。本実施形態では、共有対象端末を先に選択し、次に共有先端末を選択するフローとしているが、順番が逆で、共有先端末を先に選択し、次に共有対象端末を選択するフローであっても良い。
共有要求情報は、通信管理システム50の送受信部51によって受信されることにより、受け付けられる。共有要求情報が受け付けられると、通信管理システム50の共有要求処理部58では、共有対象端末(端末10ab)を、共有先の端末10adの宛先候補として追加することが可能であるか否かを判定して、判定結果に応じて宛先リストの更新を行う(ステップS71)。ステップS71の処理について、図18を用いて、詳細に説明する。図18は、通信管理システム50が共有要求情報を受信した後の処理を示したフロー図である。
まず、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は共有先端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応する宛先端末の端末IDを抽出する(ステップS71−1)。共有対象端末が、共有先端末と通信可能な宛先候補としてすでに宛先リスト管理テーブルにおいて登録されている場合、すなわち共有対象端末の端末IDが、ステップS71−1で抽出された端末IDに含まれている場合には(ステップS71−2のYES)、宛先リスト管理テーブルを更新する必要はないため、処理を終了する。なお、本発明の一実施形態において、端末10acが共有先端末として選択され、端末10abを示す宛先情報が共有対象として選択されていた場合には、宛先リスト管理テーブルにおいて、共有先端末(端末10ac)と通信可能な宛先候補として、共有対象端末(端末10ab)が既に登録されているので、処理は終了することとなる。
共有対象端末が、共有先端末において通信可能な宛先候補として宛先リスト管理テーブルにおいて登録されていない場合(ステップS71−2のNO)、通信管理システム50の記憶・読出処理部59は、共有先端末の端末IDおよび共有対象端末の端末IDのそれぞれを検索キーとして、端末管理テーブル(図9参照)を検索し、共有先端末および共有対象端末の所属を抽出する(ステップS71−3)。
共有要求処理部58は、共有先端末および共有対象端末の所属を比較する。その結果、各端末10の所属が一致すると判定された場合(ステップS71−4のYES)、共有要求処理部58は、宛先リスト管理テーブル(図10参照)において、通信の開始要求元として共有先端末の端末IDが登録されているレコードにおける、宛先候補の端末のフィールド部分に、共有対象端末の端末IDを関連付けて記憶させることにより、宛先リスト管理テーブルを更新する(ステップS71−5)。なお、本実施形態では、共有先端末および共有対象端末の属性の一例として所属を比較して、宛先リストを更新可能であるか否かを判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、共有要求処理部58は、共有先端末および共有対象端末のIPアドレスを比較して、上位の数桁が一致しているか否かにより、所属が一致するか否かを判定し、宛先リストを更新可能であるか否かを判定しても良い。
本発明の一実施形態として、端末10aeが共有先端末として選択され、端末10abを示す宛先情報が共有対象として選択されていた場合には、端末管理テーブル(図9参照)における、端末10aeの所属、および端末10abの所属がともに「(株)KK」で一致しているため、同一所属とみなされる。この場合、共有要求処理部58は、宛先リスト管理テーブル(図10参照)において、通信の開始要求元端末として共有先端末の端末ID「01ae」が登録されているレコードにおける、宛先候補の端末のフィールド部分に、共有対象端末の端末ID「01ab」を関連付けて管理させることにより、宛先リスト管理テーブルを更新する。さらに、共有対象端末である端末10aeから、共有先端末である端末10abへの通話も可能とするために、共有要求処理部58は、宛先リスト管理テーブルにおいて、通信の開始要求元端末として共有先端末の端末ID「01ab」が登録されたレコードにおける、宛先候補の端末のフィールド部分に、共有対象端末の端末ID「01ae」を関連付けて管理させることにより、宛先リスト管理テーブルを更新する。
共有先端末および共有対象端末の所属を比較した結果、各所属が異なると判定された場合(ステップS71−4のNO)、セキュリティ上、宛先リスト管理DB5003を自動的に更新するのは良くないと判断される。しかしながら、共有先端末と所属が異なる共有対象端末を無条件に宛先登録しないこととすると、共有先端末と所属が異なる端末10の宛先情報を共有する手段がなくなってしまう。そこで、本実施形態では、共有要求処理部58が、宛先リスト管理テーブルを更新する代わりに、追加要求管理部55が、共有先端末から共有対象端末宛の宛先追加承認要求を追加要求管理DB5004に登録する(ステップS71−6)。
本発明の一実施形態において、端末10adが共有先端末として選択され、共有対象として端末10baを示す宛先情報が選択されていた場合、端末管理テーブル(図9参照)において、共有先端末である端末10adの所属は「Z株式会社」であり、共有対象端末である端末10abの所属は「(株)KK」であって異なる。このため、各所属は異なるとみなされて、共有要求処理部58は、宛先リスト管理テーブル(図10参照)を更新しない。代わりに、追加要求管理部55は、追加要求管理テーブル5004(図11参照)に、追加要求元端末の端末ID「01ad」と、追加要求先端末の端末ID「01ba」と、を対応付けて登録することにより、追加要求管理テーブルを更新する。
続いて、図19及び図20を用いて、要求先端末10baの利用者がPC20bを用いて、追加要求応答を行う場合について説明する。ここでは、利用者bがPC20bを起動した直後に、他の端末10又は他のPC20から追加承認要求を受けているか否かを確認する場合について説明する。なお、この場合は一例であり、追加承認要求を受けているか否かの確認は、利用者bがPC20bを起動した後、利用者bが定期的に又は任意に行ってもよい。
なお、図19は、要求先端末の利用者がPCを用いて、追加要求応答を行う場合のシーケンス図である。図20は、追加承認要求画面を示す概念図である。また、図19において、ステップS81〜84は、上記ステップS61〜64と同様の処理であるため、その説明を省略する。
まず、要求先端末10baの利用者bがPC20bから通信端末管理システム80へ、追加承認要求画面の要求を行う(ステップS85)。これにより、通信端末管理システム80では、抽出部83が、要求先端末(端末10ba)の端末ID「01ba」に基づいて追加要求管理DB5004(図11参照)を検索し、対応する要求元端末の端末ID「01ad」を抽出する(ステップS86)。なお、抽出部83は、更に、ステップS86で抽出された要求元端末の端末ID「01ad」に基づいて端末管理DB5002(図9参照)を検索することにより、対応する宛先名を抽出してもよい。
次に、追加承認要求画面作成部85は、上記ステップS86で抽出された要求元端末(端末10ad)の端末ID「01ad」に基づき、追加承認要求画面のHTMLを作成する(ステップS87)。そして、送受信部81のWebサーバ機能が、PC20bに対して図20に示されるような追加承認要求画面を公開する(ステップS88)。
次に、利用者bは、図20に示されている追加承認要求画面にて、承認、却下又は保留を選択すると、PC20bから通信端末管理システム80へ、承認、却下、又は保留を示す追加要求応答情報が送信される(ステップS89)。そして、通信端末管理システム80の送受信部81は、データ処理部機能によって利用者bからの操作を解釈し、要求先端末(端末10ba)の代理で送受信部81より通信管理システム50に対して追加要求応答情報を送信する(ステップS90)。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、追加要求応答情報を受信することになる。ここでは、追加要求応答が「承認」する旨を示す場合につき、続けて説明する。
次に、宛先リスト管理部57は、追加要求管理DB5004(図11参照)で要求元端末の端末ID「01ad」に関連付けられている要求先端末の端末ID「01ba」を、追加要求管理DB5004(図11参照)における要求元端末の端末ID「01ad」と同じ宛先リスト管理DB(図10参照)における要求元端末の端末ID「01ad」に関連付けて追加的に管理する(ステップS91)。
なお、追加要求応答が「却下」する旨を示す場合には、上記ステップS91では、追加要求管理部55が、追加要求管理DB5004(図11参照)における却下された要求先端末の端末ID「01ba」のレコードを削除する。また、追加要求応答が「保留」する旨を示す場合には、上記ステップS91では、追加要求管理部55は追加的な管理を行わず、また、宛先リスト管理部57レコードの削除を行わないで放置する。
次に、抽出部54は、要求元端末の端末ID「01ad」及び要求先端末の端末ID「01ba」に基づいて端末管理DB5002(図9参照)を検索することにより、対応するそれぞれの各情報(宛先名)を抽出する(ステップS92)。そして、送受信部51は、要求元端末(端末10ad)及び要求先端末(端末10ba)に対して、それぞれ追加完了情報を送信する(ステップS93−1,2)。このうち要求元端末(端末10ad)に送信される追加完了情報には、追加が完了した旨を示すメッセージ、及び要求先端末(端末10ba)の各情報(端末ID、及び宛先名)が含まれている。即ち、要求元端末(端末10ad)には、宛先リストにおける要求先端末(端末10ba)部分の各情報(端末ID、及び宛先名)のみが送信され、宛先リストの全体が改めて送信される訳ではない。一方、要求先端末(端末10ba)に送信される追加完了情報には、追加が完了した旨を示すメッセージ、及び要求元端末(端末10aa)の各情報(端末ID、及び宛先名)が含まれている。
そして、要求元端末(端末10ad)及び要求先端末(端末10ba)では、各表示制御部16が各ディスプレイ(120ad,120ba)に対して、図21のような完了を示す画面を表示する(ステップS94−1,2)。なお、図21は、追加完了画面を示す概念図である。図21には、要求元端末(端末10ad)側のディスプレイ120adに表示されている追加完了画面が示されている。利用者が「確認」ボタンを押下すれば終了する。このように、図21に示される追加完了画面が表示されることで、利用者は、追加要求が承認されたことに早く気付くことができるため、追加された宛先端末と直ぐに会議を開始できるという効果を奏する。
なお、通信管理システム50側では、上記ステップS93−1,2の処理が終了すると、追加要求管理部55が、追加要求管理DB(図11参照)における承認された要求先端末の端末ID「01ba」のレコードを削除することで、宛先候補の追加要求の全ての処理が終了する(ステップS95)。上記の処理では、追加要求の承認を契機として、共有先端末において通信可能な宛先候補として共有対象端末がはじめて宛先リスト管理テーブルに登録されることになる。これにより、所属が異なると判断された宛先情報であっても、承認プロセスを経ることによってセキュリティを保ちつつ共有することが可能となる。
続いて、図22を用いて、端末10aaの利用者がPC20aを用いて、端末10aaの所属の登録を行う場合について説明する。なお、図22は、端末の利用者がPCを用いて、所属の登録を行う場合のシーケンス図である。また、図22において、ステップS101〜104は、上記ステップS61〜64と同様の処理であるため、その説明を省略する。
まず、端末10aaの利用者aがPC20aから通信端末管理システム80へ、所属登録画面公開の要求を行う(ステップS105)。これにより、通信端末管理システム80の所属登録画面作成部86は、所属登録受付画面のHTMLを作成する(ステップS106)。そして、送受信部81のWebサーバ機能が、PC20aに対して所属登録受付画面を公開する(ステップS107)。
次に、利用者aは、所属登録受付画面にて、端末10aaの所属名を入力すると、PC20aから通信端末管理システム80へ、登録する所属名を示す所属情報が送信される(ステップS108)。そして、通信端末管理システム80の送受信部81は、データ処理部機能によって利用者aからの操作を解釈し、端末10aaの代理で送受信部81より通信管理システム50に対して所属登録要求情報を送信する(ステップS109)。この所属登録要求情報には、端末10aaの端末ID「01aa」、および、利用者PC端末20aで受け付けられた所属名が含まれる。これにより、通信管理システム50の送受信部51は、所属登録要求情報を受信することになる。
次に、端末管理部53は、所属登録要求情報に含まれる所属名を、端末管理DB5002(図9参照)の要求元端末の端末ID「01aa」のレコードにおける、所属のフィールド部分に追加して登録する(ステップS110)。そして、送受信部51は、通信管理システムへ、所属の登録の完了を示す登録完了情報を送信する(ステップS111)。この登録完了情報には要求元端末(端末10aa)の端末IDが含まれている。
これにより、通信端末管理システム80の所属登録画面作成部86は、所属の登録完了を通知するための登録完了通知画面のHTMLを作成して、送受信部81のWebサーバ機能が、PC20aに対して所属登録完了通知画面を公開する(ステップS112)。
〔実施形態の補足〕
なお、上記各実施形態における中継装置30、通信管理システム50、通信端末管理システム80、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
また、上記本実施形態の端末用プログラム、中継装置用プログラム、通信管理用プログラム、又は通信端末管理システム用プログラムが記憶された記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHD204、及びこのHD204を備えたプログラム提供システム90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、上記端末用プログラム、中継装置用プログラム、通信管理用プログラム、及び通信端末管理システム用プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
また、上記実施形態では、通信システム1の一例として、テレビ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等の電話システムであってもよい。また、通信システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、端末10の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、端末10の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。
更に、通信システム1は、携帯電話機の通信システムであってもよい。この場合、例えば、端末10は携帯電話機に相当する。
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、視覚(sight)データとしての画像データ、及び聴覚(hearing)データとしての音声データについて説明したが、これに限るものではなく、その他の五感データであってもよい、例えば、コンテンツデータが触覚(touch)データの場合、一方の端末側でユーザが接触して得た感覚が、他方の端末側に伝達される。更に、コンテンツデータが嗅覚(smell)データの場合、一方の端末側の匂い(臭い)が、他の端末側に伝達される。また、コンテンツデータが味覚(taste)データの場合、一方の端末側の味覚が、他の端末側に伝達される。
更に、コンテンツデータは、画像(視覚)データ、音声(聴覚)データ、触覚データ、嗅覚データ、及び味覚データのうち、少なくとも1つのデータであればよい。
通信システム1は、携帯電話機の通信システムであってもよい。この場合、例えば、端末は携帯電話機に相当する。この場合の宛先リストの表示例は、図28に示されている。図23は、他の実施形態の宛先リストを示す概念図である。即ち、携帯電話機としての端末310は、携帯電話機の本体310−1、この本体310−1に設けられたメニュー画面表示ボタン310−2、本体310−1に設けられた表示部310−3、本体310−1の下部に設けられたマイク310−4、本体310−1に設けられたスピーカ310−5を備えている。このうち、「メニュー画面表示ボタン」310−2は、各種アプリケーションを示すアイコンが表示されているメニュー画面を表示させるためのボタンである。表示部310−3は、タッチパネルになっており、利用者が宛先名を選択することで、相手の携帯電話機と通信を行うことができる。
また、上記実施形態では、通信システム1によってテレビ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。