JP6285701B2 - 燃料電池スタック、燃料電池スタックの製造方法、電池サブアッセンブリ、電池サブアッセンブリの製造方法、及びガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータ - Google Patents

燃料電池スタック、燃料電池スタックの製造方法、電池サブアッセンブリ、電池サブアッセンブリの製造方法、及びガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータ Download PDF

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本発明は、燃料電池スタック、燃料電池スタックの製造方法、電池サブアッセンブリ、電池サブアッセンブリの製造方法、及びガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータに関するものである。
電解質膜と触媒層を含む膜電極接合体が、ガスケットを介してバイポーラプレート(セパレータ)に挟まれてなる燃料電池セルにおいて、バイポーラプレートに形成された突起をガスケットに形成された凹溝に嵌め込むことにより、燃料電池の内部と外部との間のシール性を高めたものが知られている(特許文献1の[0040])。
特表2009−510668号公報
しかしながら、上記従来技術では、複数の燃料電池セルを積層して電池スタックを組み立てる場合に、バイポーラプレートの突起とガスケットの凹溝とを嵌め込む作業が容易でない。特に、電池スタックの構成部品である膜電極接合体、ガスケット、バイポーラプレートをこの順序で積み重ねてゆくと、バイポーラプレートよりガスケットの方が柔らかい材料で構成されているため、バイポーラプレートの突起をガスケットの凹溝に嵌め込みつつガスケットに対してバイポーラプレートを重ねる作業が困難であり、バイポーラプレートの突起とガスケットの凹溝との嵌め込みが不確実となって電池のシール性が確保できないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、ガスケットによるシール信頼性に優れた燃料電池スタック、燃料電池スタックの製造方法、電池サブアッセンブリ、電池サブアッセンブリの製造方法、及びガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータを提供することである。
本発明は、外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリを複数積層する燃料電池スタックの製造方法において、
前記一方の面と前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成された複数の前記セパレータと、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有する複数の前記第1のガスケットと、前記第2嵌合部を有する複数の前記第2のガスケットと、複数の前記膜電極接合体とを準備し、
前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面を前記第1のガスケットが前記補強層に圧接されるように接着により仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定することを、複数回行うことにより、複数の前記電池サブアッセンブリを作製し、
少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリを、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の前記他方の面と前記セパレータの前記他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接されるように、積層することを特徴とし、この燃料電池スタックの製造方法によって上記課題を解決する。
また本発明は、外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記セパレータの前記膜電極接合体と対向する一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリを複数備え、
少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層され、
前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成され、
前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとは、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有し、
前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定され、
前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面が、前記第1のガスケットが前記補強層に圧接されるように接着により仮固定又は本固定され、
前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定されていることを特徴とし、この燃料電池スタックによって上記課題を解決する。
また本発明は、外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリの製造方法であって
少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層された燃料電池スタックに備えられる電池サブアッセンブリの製造方法であり、
前記一方の面と前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成された前記セパレータと、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有する前記第1のガスケットと、前記第2嵌合部を有する前記第2のガスケットと、前記膜電極接合体とを準備し、
前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面を前記第1のガスケットが前記補強層に圧接されるように接着により仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定することを特徴とし、この電池サブアッセンブリの製造方法によって上記課題を解決する。
また本発明は、外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリであって
少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層された燃料電池スタックに備えられる電池サブアッセンブリであり、
前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成され、
前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとは、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有し、
前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定され、
前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面が、前記第1のガスケットが前記補強層に圧接された状態で接着により仮固定又は本固定され、
前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定されていることを特徴とし、この電池サブアッセンブリによって上記課題を解決する。
また、本発明は、外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体の一方の面と重ね合わされるセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接される第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備えるセパレータであって
少なくとも、前記膜電極接合体及び前記セパレータからなる複数の電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層された燃料電池スタックに備えられる、ガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータであり、
前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成され、
前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとは、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有し、
前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定され、
前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定されており、
前記セパレータの前記一方の面が、前記膜電極接合体の前記一方の面に、接着により仮固定又は本固定される状態では、前記第1のガスケットが前記補強層に圧接される、ガスケットが仮固定又は本固定されたことを特徴とし、このガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータによって上記課題を解決する。
なお、上記発明において、前記第1嵌合部は、前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに前記セパレータの厚さ方向に凹むように形成された凹部であってもよい。また、少なくとも一つの前記第1のガスケット又は前記第2のガスケットの少なくとも一部は、前記第2嵌合部としての基部と、前記基部から突出して前記補強層に圧接される2つの突起とからなる断面形状を備えてもよい。
本発明によれば、一つのセパレータ、一つの膜電極接合体及び二つのガスケットからなる電池サブアッセンブリを予め組み立てるので、一つのセパレータの両面それぞれの第1嵌合部に、二つのガスケットの第2嵌合部をそれぞれ嵌合して仮固定又は本固定する場合に、セパレータを適宜引っ繰り返して第1嵌合部を視認できる姿勢にしながら、相対的に柔軟性のあるガスケットを把持し、相対的に剛性のあるセパレータに対して嵌合作業を行うことができる。これにより、セパレータの第1嵌合部とガスケットの第2嵌合部との嵌合状態が確実となり、ガスケットによるシール信頼性が向上する。そして、こうして予め作製した複数の電池サブアッセンブリを積層することで、簡便に燃料電池スタックを製造することができる。
本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池の基本構造(単電池)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池スタックを構成する電池サブアッセンブリの製造工程(その1)の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池スタックを構成する電池サブアッセンブリの製造工程(その2)の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池スタックを構成する電池サブアッセンブリの製造工程(その3)の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池スタックを構成する電池サブアッセンブリの製造工程(その4)の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池スタックの全体を示す分解断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池の膜電極接合体を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池のセパレータの一方面(表)を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池のセパレータの他方面(裏)を示す正面図である。 図5A,図5BのVC−VC線に沿う断面図である。 図5A,図5BのVD−VD線に沿う断面図である。 本発明の一実施の形態に係るダイレクトメタノール型燃料電池のガスケットを示す正面図である。 図6Aのa−a線,b−b線及びc−c線に沿う断面図である。 本発明の一実施の形態に係る燃料電池スタックのメタノール及び空気の第1供給系を示す模式図である。 本発明の一実施の形態に係る燃料電池スタックのメタノール及び空気の第2供給系を示す模式図である。 本発明の一実施の形態に係る燃料電池スタックのマニホールド部分を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る燃料電池スタックのメタノール及び空気の第1供給系を示す模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る燃料電池スタックのメタノール及び空気の第2供給系を示す模式図である。
《単電池の基本構成》
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の一実施の形態に係る燃料電池1は、メタノールを燃料として発電するダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)であり、図1にその基本構造を示す。図1は、DMFCを構成する単電池の基本構造であって、膜電極接合体(MEA:Membrane-electrode assembly)11と、膜電極接合体11を挟む板状のアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15と、アノードセパレータ14の外側の表面に設けられたアノード集電体12及びカソードセパレータ15の外側の表面に設けられたカソード集電体13と、アノードセパレータ14の内側に設けられたガスケット18及びカソードセパレータ15の内側に設けられたガスケット19と、を備える。
本例の膜電極接合体11は、水素イオン(陽イオン)伝導性を有する高分子電解質膜111と、アノード触媒層112と、カソード触媒層113と、アノードガス拡散層114と、カソードガス拡散層115とを含んで構成されている。アノード触媒層112とアノードガス拡散層114がアノード(燃料極,メタノールが供給される極)を構成し、カソード触媒層113とカソードガス拡散層115がカソード(空気極,酸素が供給される極,以下、空気が供給されるものとする)を構成する。なお以下において、アノード触媒層112及びカソード触媒層113を総称する場合は単に触媒層112,113ともいい、アノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115を総称する場合は単にガス拡散層114,115ともいう。
高分子電解質膜111と、その表面及び裏面にそれぞれ積層されるアノード触媒層112及びカソード触媒層113と、さらにその表面及び裏面にそれぞれ積層されるアノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115は、四角形、円形、楕円形、多角形など燃料電池1の外形形状に応じた適宜の形状とされる。特に限定されないが、一般的にはアノード触媒層112及びカソード触媒層113の外縁は、高分子電解質膜111の外縁より小さい外縁を有し、アノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115の外縁は、それぞれアノード触媒層112及びカソード触媒層113の各外縁形状とほぼ同じ外縁形状とされる。
高分子電解質膜111としては、特に限定されるものではなく、通常の高分子電解質型燃料電池に適用される、固体高分子電解質膜などの高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜である、米国DuPont社製のNafion(商品名,登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(商品名,登録商標)、旭硝子(株)社製のFlemion(商品名,登録商標)などを使用することができる。高分子電解質膜111の厚さは特に限定されないが、通常25〜250μmである。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113は、例えば白金系の金属触媒などの電極触媒と、当該電極触媒を担持する導電性炭素粒子(カーボン粉末)と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とで構成されている。これらアノード触媒層112およびカソード触媒層113の厚さは特に限定されないが、通常5〜50μmである。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113における担体である導電性炭素粒子としては、導電性を有する細孔の発達したカーボン材料を用いるのが好ましく、例えばカーボンブラック、活性炭、カーボンファイバーおよびカーボンチューブなどを使用することができる。カーボンブラックとしては、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックおよびアセチレンブラックなどが挙げられる。また、活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化処理および賦活処理することによって得ることができる。
アノード触媒層112及びカソード触媒層113における電極触媒としては、特に限定されないが、白金または白金合金を用いるのが好ましい。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズからなる群より選択される1種以上の金属と、白金との合金であるのが好ましい。特にアノード触媒層112にあっては、中間生成物である一酸化炭素が白金触媒を被毒する問題があるため、耐一酸化炭素被毒性を有するルテニウムなどを含むことが望ましい。また、上記白金合金には、白金と上記金属との金属間化合物が含有されていてもよい。さらに、白金からなる電極触媒と白金合金からなる電極触媒を混合して得られる電極触媒混合物を用いてもよい。なお、下記に示すカソード触媒と同じ電極触媒を用いても、異なる電極触媒を用いてもよい。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113に含有されて、上記触媒担持粒子に付着させる上記高分子電解質としては、高分子電解質膜111を構成する高分子電解質を用いることができる。アノード触媒層112およびカソード触媒層113ならびに高分子電解質膜111を構成する高分子電解質は、同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。例えば、上述した米国DuPont社製のNafion(商品名,登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(商品名,登録商標)、旭硝子(株)社製のFlemion(商品名,登録商標)などを使用することができる。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113における高分子電解質は、触媒担持粒子を被覆し、三次元に水素イオン伝導経路を確保するために、アノード触媒層112およびカソード触媒層113を構成する触媒担持粒子の質量に比例した量で、アノード触媒層112およびカソード触媒層113に含まれていることが好ましい。特に、カソード触媒層113に含まれる高分子電解質の質量は、カソード触媒層の質量に対して15%〜50%であることが望ましい。パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質の質量が15%以上であると、十分な水素イオン伝導性が確保でき、50%以下であると、フラッディングの回避が可能であり、より高い電池出力を実現することができる。
アノードガス拡散層114およびカソードガス拡散層115は、それぞれアノード触媒層112およびカソード触媒層113の上側に配置され、アノードセパレータ14およびカソードセパレータ15のアノード流路16及びカソード流路17から流入したメタノールや空気をアノード触媒層112およびカソード触媒層113効率よく導く機能と導電性があれば特に限定されず、当該分野において公知の種々のガス拡散層を用いることができる。これらのガス拡散層114,115を構成する基材としては、ガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有するカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパーまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、導電性多孔質基材を用いることができる。また、排水性を向上させるために、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂を代表とする撥水性材料(高分子)を上記基材の内部に分散させて、上記基材は撥水処理を施してもよい。さらに、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維またはカーボン微粉末などの電子伝導性材料で上記基材を構成してもよい。なお、カソード側およびアノード側において同じガス拡散層を用いても異なるガス拡散層を用いてもよい。アノードガス拡散層114およびカソードガス拡散層115の厚さは特に限定されないが、通常100〜500μmである。
膜電極接合体11は、図1に示すように高分子電解質膜111の機械的強度を高めて膨張・収縮を抑制するために、高分子電解質膜111の上面及び下面の外縁部のそれぞれに額縁状の補強層116A,116Bを設けてもよい。この補強層116A,116Bは、所望の剛性を有する材料であれば特に限定されないが、たとえばポリエチレンテレフタレートPET、ポリエチレンナフタレートPEN、ポリテトラフルオロエチレンPTFEなどからなるフィルムを用いることができる。
一対のアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15は、膜電極接合体11の外形形状に応じた適宜の外形形状とされ、膜電極接合体11の両主面に接して配置され、膜電極接合体11を機械的に固定するための導電性を有する部材である。アノードセパレータ14のうちの膜電極接合体11と接触する面には、アノードに燃料であるメタノールを供給し、電極反応生成物、未反応のメタノールを含む物質を反応場から外部に運び去るためのアノード流路16が形成され、同様に、カソードセパレータ15のうちの膜電極接合体11と接触する面には、カソードに空気を供給し、電極反応生成物、未反応のメタノールを含む物質を反応場から外部に運び去るためのカソード流路17が形成されている。
こうしたアノード流路16およびカソード流路17は、それぞれアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15の表面に溝を設けることによって形成されている。特に制限されるものではないが、アノード流路16およびカソード流路17は、例えば複数の直線状溝部と、隣接する直線状溝部を上流から下流へと連結する複数のターン状溝部とで構成されたサーペンタイン(蛇行)形状を有する。これらアノード流路16およびカソード流路17を含むアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15の具体的構成例の詳細は後述する。なお以下において、アノードセパレータ14およびカソードセパレータ15を総称する場合は単にセパレータ14,15といい、アノード流路16およびカソード流路17を総称する場合は単に流路16,17ともいう。また、図1〜図3に示す燃料電池の基本構造においては、アノード流路16及びカソード流路17を紙面に垂直な溝部で示したが、具体的な構造としては図5A〜図5Dに示すように紙面に垂直な溝部や紙面に平行な溝部で構成することができる。
ガスケット18,19は、アノードセパレータ14及びカソードセパレータ15の外形形状に応じた形状とされ、枠状(額縁状)又は環状であり、単電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの外部へのリーク防止や混合を防止するため、それぞれアノードおよびカソード(特にアノードガス拡散層114およびカソードガス拡散層115)の周囲に配置される。このようなガスケット18,19としては、ゴムなどの当該分野で公知のものを用いることができる。なお、図1に示すガスケット18,19は、燃料電池1の基本構造を説明するためのものであり、これらガスケット18,19の具体的構成例の詳細は後述する。
アノード集電体12及びカソード集電体13としては、導電性を有する、たとえば厚さ1〜3mmの金属板(銅板など)に3〜4μmの金コーティングが施されたものを用いることができる。アノード集電体12は導電性を有するアノードセパレータ14の外側の表面に設けられ、カソード集電体13は導電性を有するカソードセパレータ15の外側の表面に設けられる。なお、図1に示す単電池1である燃料電池を直列に複数接続することで、図2及び図3に示す電池スタックを構成する場合に、導電性を有するセパレータ14,15を電気的に接続すれば単電池1の間の集電体12,13は省略することができ、両端にのみアノード集電体12及びカソード集電体13を設ければよい。そして、燃料電池スタック2の組立完成状態において、アノード集電体12は電力負荷の陰極(マイナス)に接続され、カソード集電体13は電力負荷の陽極(プラス)に接続されて燃料電池1からの電力が電力負荷に供給される。
以上のように構成された燃料電池1において、図1に示すように上述したアノードセパレータ14のアノード流路16入口にメタノールを供給し、カソードセパレータ15のカソード流路17の入口に空気を供給すると、アノードにおいては、
[数1] CHOH+HO→CO+6H+6e
という酸化反応が生じ、カソードにおいては、
[数2] 1/2O+6H+6e→3H
という還元反応が生じる。これによりアノードとカソードとの間に電流が流れることになる。
《膜電極接合体,セパレータ,ガスケットの具体的構成》
上述した燃料電池の単電池1は、要求される起電力に応じて複数直列に接続される。これを燃料電池スタック2と称するが、次に、燃料電池スタック2の一実施の形態について説明する。図4は上述した膜電極接合体11であって、燃料電池スタック2を構成する膜電極接合体11を示す正面図(背面図も同じ形状)、図5A及び図5Bは上述したセパレータ14,15であって、燃料電池スタック2を構成するセパレータを示す正面図(図5A)及び背面図(図5B)、図6Aは上述したガスケット18,19であって燃料電池スタック2を構成するガスケットを示す正面図である。なお、本例の燃料電池スタック2を構成するセパレータはアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15ともに同一形状のものを使用するため、以下の説明では代表的にセパレータ14と称する。また本例の燃料電池スタック2を構成するガスケットについても図1に示すガスケット18,19ともに同一形状のものを使用するため、以下の説明では代表的にガスケット18と称する。
図4に示す本例の膜電極接合体11は、全体として四角形(本例では四隅以外は正方形)をなす平板状の部材であって、中央部に高分子電解質膜111、アノード触媒層112、カソード触媒層113、アノードガス拡散層114、カソードガス拡散層115が図1に示す積層構造で積層された発電部110を有し、外周部に額縁状の補強層116A,116Bを有する。既述したとおり、高分子電解質膜111は、額縁状補強層116A,116Bの中央部に形成された方形状の開口部116Cより大きい外形とされ、特に本例では額縁状補強層116A,116Bの外形より小さい外形とされている。また、アノード触媒層112、カソード触媒層113、アノードガス拡散層114、カソードガス拡散層115は、額縁状補強層116A,116Bの中央部に形成された方形状の開口部116Cと同じか若干小さい外形とされ、図4に示す膜電極接合体11の表面側にはアノードガス拡散層114又はカソードガス拡散層115の一方が露出し、図4に示す膜電極接合体11の裏面側にはアノードガス拡散層114又はカソードガス拡散層115の他方が露出している。本例の膜電極接合体11においては、発電部110の外形は長方形とされているが、正方形としてもよい。
また膜電極接合体11の外周部であって触媒層112,113及びガス拡散層114,115より外方領域の補強層116A,116Bには、各辺に二つずつの開口部117A〜117Hが形成されている。これら開口部117A〜117Hは、後述するセパレータ14のマニホールド144A〜144Hに対応した位置に形成され、膜電極接合体11とセパレータ14とを重ねた場合にマニホールド144A〜144Hを含むような大きさとされている。なお、長方形に形成された発電部110に対して、短辺側に沿って形成された相対的に小さい開口部117A,117B,117E,117F(以下、小径開口部ともいう)は、図5Aに示す正面側に重ねられる場合は同図のマニホールド144G,144B,144H,144Aに重ね合わされ、図5Bに示す背面側に重ねられる場合は同図のマニホールド144E,144C,144F,144Dに重ね合わされる。また、長辺側に沿って形成された相対的に大きい開口部117C,117D,117G,117H(以下、大径開口部ともいう)は、図5Aに示す正面側に重ねられる場合は同図のマニホールド144C,144E,144D,144Fに重ね合わされ、図5Bに示す背面側に重ねられる場合は同図のマニホールド144A,144H,144B,144Gに重ね合わされる。すなわち、本例の膜電極接合体11は発電部110が長方形に形成され、後述するセパレータ14の中央の反応領域142も同じ長方形とされ、かつ正面と背面で90°位相した形状とされているので、膜電極接合体11とセパレータ14を重ねる場合には、正面側と背面側とで90°回転させた姿勢で重ねることになる。
図5A及び図5Bに示すセパレータ14は、全体として四角形をなす平板状の部材であって、カーボンや、カーボンと合成樹脂との合成材、あるいは金属などによって構成され、したがって導電性を有する。このセパレータ14は、膜電極接合体11を挟み込んだ状態で互いに電気的に接触した状態で多数積層されるため、セパレータ14自体が集電体としても機能する。
図5Aに示すセパレータ14の一方の面(以下、正面とする)には、メタノールなどの燃料もしくは空気などの酸化剤を流通させるために細溝141が形成されている。すなわち、正面の中央部における大半の領域は、矩形状(本例では長方形)の反応領域142とされており、その反応領域142の全体を埋め尽くすように、互いに密着しかつ平行な多数条の細溝141が4箇所で直角に屈曲して全体としてジグザグ状乃至蛇行状に形成されている。この細溝141は、セパレータ14が膜電極接合体11を挟み込んで密着した状態で燃料や酸化剤を流通させるためのアノード流路16又はカソード流路17となる部分であり、したがってその本数や幅、屈曲パターンなどは、膜電極接合体11の燃料極側もしくは酸化剤極側の全体に燃料もしくは酸化剤を均等かつ十分に分散させて流す目的を達成する範囲で適宜に設定することができる。
図5Aに示す例では、多数本の一群の細溝141の幅は、反応領域142の幅の1/3程度であり、一群の細溝141の一方の端部は所定のコーナー部(図5Aでは左上のコーナー部)を構成している二辺のうちの一方の辺(図5Aでは左辺)側に向けて開口している。また一群の細溝141の他方の端部は、セパレータ14の中心に対して点対称となる位置に位置し、具体的には、前記コーナー部に対して対角線上である他のコーナー部を構成している二辺のうち一方の辺(図5Aでは右下の右辺)側に向けて開口している。そして、細溝141におけるこれらの端部のそれぞれに対応してスリット143A,143Bが形成されている。図5Cは、図5AのVC−VC線に沿う断面図であり、図5BのVC−VC線に沿う断面図の上下逆の断面図でもある。また、図5Dは、図5AのVD−VD線に沿う断面図であり、図5BのVD−VD線に沿う断面図の上下逆の断面図でもある。これらのスリット143A,143Bは、上記の多数条の一群の細溝141の幅とほぼ等しい長さを有し、セパレータ14の表裏両面に開口するように貫通して形成されている。
各スリット143A,143Bに対応してマニホールド144A,144Bが形成されている。その構成を具体的に説明すると、図5Aの左上のコーナー部であって反応領域142の外側の左辺にはマニホールド144Aが形成されている。このマニホールド144Aは、多数のセパレータ14を積層した場合に各セパレータ14のマニホールドが互いに連通してメタノール又は空気の供給路を形成するためのものであって、セパレータ14の表裏両面側に開口するようにセパレータ14を貫通して形成されている。なお、その長さは、セパレータ14の各辺の中央部にまでは到らない長さに設定されている。
このマニホールド144Aとこれに対応しているスリット143Aとは、図5Cに示すように互いに連通している。すなわち、セパレータ14の背面(図5B)におけるスリット143Aと、マニホールド144Aにおけるスリット143Aと平行になっている部分との間の連通部145Aは、スリット143Aの長さと同じ幅で窪んでいる。この窪んでいる部分145Aは、セパレータ14の背面に膜電極接合体11が密着した場合に該膜電極接合体11との間に隙間ができる部分であり、したがってこの窪んだ部分がマニホールド144Aとスリット143Aとを連通する連通部145Aとなっている。
他方のスリット143Bとこれに対応するマニホールド144Bとは、上述したスリット143Aおよびこれに対応するマニホールド144Aと同様の関係で構成され、またこれらスリット143Aおよびマニホールド144Aに対して、セパレータ14の中心について点対称となる位置に設けられている。具体的に説明すると、スリット143Aは、図5Aにおける右下のコーナー部であって反応領域142の外側の右辺に形成され、多数条の一群の細溝141の他方の端部が連通している。また、図5Aの右下のコーナー部であって反応領域142の外側には、マニホールド144Bが形成されている。このマニホールド144Bは、多数のセパレータ14を積層した場合に各セパレータ14のマニホールドが互いに連通してメタノール又は空気の排出路を形成するためのものであって、セパレータ14の表裏両面側に開口するようにセパレータ14を貫通して形成されている。なお、その長さは、セパレータ14の各辺の中央部にまでは到らない長さに設定されている。
マニホールド144Bとこれに対応しているスリット143Bとは、図5Dに示すように互いに連通している。すなわち、セパレータ14の背面(図5B)におけるスリット143Bと、マニホールド144Bにおけるスリット143Bと平行になっている部分との間の連通部145Bは、スリット143Bの長さと同じ幅で窪んでいる。この窪んでいる部分145Bは、セパレータ14の背面に膜電極接合体11が密着した場合に膜電極接合体11との間に隙間ができる部分であり、したがってこの窪んだ部分がマニホールド144Bとスリット143Bとを連通する連通部145Bとなっている。
そして、上述した細溝141およびこれが連通している各スリット143A,143Bを一つの領域としてその外側を取り囲むようにガスケット用溝146Zが形成されている。また、マニホールド143Aを取り囲む他のガスケット用溝146Aと、マニホールド143Bを取り囲む更に他のガスケット用溝146Bと、マニホールド144Gを取り囲む更に他のガスケット用溝146Gと、マニホールド144Hを取り囲む更に他のガスケット用溝146Hと、がそれぞれ形成されている。これらガスケット用溝146A,146B,145G,146H,146Zが本発明の第1嵌合部に相当する。
次に、図5Bに示すセパレータ14の他方の面(以下、背面とする)の構造について説明すると、背面は上述した図5Aに示す正面の構造を左右いずれかに90度回転させた構造とされている。念のため具体的に説明すると、図5Bに示すように、メタノール水溶液などの燃料もしくは空気などの酸化剤を流通させるために細溝141が形成されている。すなわち、背面の中央部における大半の領域は、矩形状(本例では長方形)の反応領域142とされており、その反応領域142の全体を埋め尽くすように、互いに密着しかつ平行な多数条の細溝141が4箇所で直角に屈曲して全体としてジグザグ状乃至蛇行状に形成されている。この細溝141は、セパレータ14が膜電極接合体11を挟み込んで膜電極接合体11に密着した状態で空気もしくは燃料を流通させるためのアノード流路16又はカソード流路17となる部分であり、したがってその本数や幅、屈曲パターンなどは、膜電極接合体11の空気極側もしくは燃料極側の全体に空気もしくは燃料を均等かつ十分に分散させて流す目的を達成する範囲で適宜に設定することができる。
図5Bに示す例では、多数本の一群の細溝141の幅は、反応領域142の幅の1/3程度であり、一群の細溝141の端部は所定のコーナー部(図5Bでは右上のコーナー部)を構成している二辺のうちの一方の辺(図5Bでは上辺)側に向けて開口している。また一群の細溝141の他方の端部は、セパレータ14の中心に対して点対称となる位置に位置し、具体的には、前記コーナー部に対して対角線上のある他のコーナー部を構成している二辺のうち一方の辺(図5Bでは左下の下辺)側に向けて開口している。そして、細溝141におけるこれらの端部のそれぞれに対応してスリット143C,143Dが形成されている。これらのスリット143C,143Dは前述したスリット143A,143Bと同様の構成であって、上記の多数条の一群の細溝141の幅とほぼ等しい長さを有し、セパレータ14の表裏両面に開口するように貫通して形成されている。
各スリット143C,143Dに対応してマニホールド144C,144Dが形成されている。具体的に説明すると、図5Bの右上のコーナー部であって反応領域142の外側の上辺にはマニホールド144Cが形成されている。このマニホールド144Cは、多数のセパレータ14を積層した場合に各セパレータ14のマニホールドが互いに連通して供給路を形成するためのものであって、セパレータ14の表裏両面側に開口するようにセパレータ14を貫通して形成されている。なお、その長さは、セパレータ14の各辺の中央部にまでは到らない長さに設定されている。
このマニホールド144Cとこれに対応しているスリット143Cとは互いに連通しており、その連通構造は前述した図5Cに示すスリット143Aとマニホールド144Aとの連通構造と同様である。すなわち、セパレータ14の正面(図5A)におけるスリット143Cと、マニホールド144Cにおけるスリット143Cと平行になっている部分との間の連通部145Cは、スリット144Cの長さと同じ幅で窪んでいる。この窪んでいる部分145Cは、セパレータ14の背面に膜電極接合体11が密着した場合に膜電極接合体11との間に隙間ができる部分であり、したがってこの窪んだ部分がマニホールド144Cとスリット143Cとを連通する連通部145Cとなっている。
他方のスリット143Dとこれに対応するマニホールド144Dとは、上述したスリット143Cおよびこれに対応するマニホールド144Cと同様の関係で構成され、またこれらスリット143Cおよびマニホールド144Cに対して、セパレータ14の中心について点対称となる位置に設けられている。具体的に説明すると、スリット143Dは図5Bの左下のコーナー部であって反応領域142の外側の下辺に形成され、多数条の一群の細溝141の他方の端部が連通している。また、図5Bの左下のコーナー部で反応領域142の外側にはマニホールド144Dが形成されている。このマニホールド144Dは、多数のセパレータ14を積層した場合に各セパレータ14のマニホールドが互いに連通して排出路を形成するためのものであって、セパレータ14の表裏両面側に開口するようにセパレータ14を貫通して形成されている。なお、その長さは、セパレータ14の各辺の中央部にまでは到らない長さに設定されている。
マニホールド144Dとこれに対応しているスリット143Dとは互いに連通しており、その連通構造は前述した図5Dに示すスリット143Bとマニホールド144Bとの連通構造と同様である。すなわち、セパレータ14の背面におけるスリット143Dと、マニホールド144Dにおけるスリット143Dと平行になっている部分との間の連通部145Dは、スリット143Dの長さと同じ幅で窪んでいる。この窪んでいる部分145Dは、セパレータ14の背面に膜電極接合体11が密着した場合に膜電極接合体11との間に隙間ができる部分であり、したがってこの窪んだ部分がマニホールド144Dとスリット143Dとを連通する連通部145Dとなっている。
そして、上述した細溝141およびこれが連通している各スリット143C,143Dを一つの領域としてその外側を取り囲むようにガスケット用溝146Zが形成されている。また、マニホールド143Aを取り囲む他のガスケット用溝146Aと、マニホールド143Bを取り囲む更に他のガスケット用溝146Bと、マニホールド144Eを取り囲む更に他のガスケット用溝146Eと、マニホールド144Fを取り囲む更に他のガスケット用溝146Fと、がそれぞれ形成されている。これらガスケット用溝146A,146B,146E,146F,146Zが本発明の第1嵌合部に相当する。
なお、膜電極接合体11の外周四隅とセパレータ14の外周四隅は、中心側に窪む形状に削落され、ここに後述するエンドプレート23,23を固定するための固定ボルト22が収まるようになっている。また、この削落された四隅を含む外形を、膜電極接合体11及びセパレータ14を積層する場合の相対位置を決めるための位置決め部としてもよい。
また、セパレータ14には、その外周部の各辺に2つずつ、合計8つのマニホールド144A〜144Hが形成されて、このうち図5A,図5Bに示す例でいえば4つのマニホールド144A,144B,144C,144Dが、細溝141で構成されたアノード流路16又はカソード流路17にメタノール又は空気を分岐させるものである。これに対して、その他の4つのマニホールド144E,144F,144G,144Hは、供給されたメタノール又は空気を単に通過させるだけのものである。ただし、本例の燃料電池スタック2においては、その構造の詳細は後述するが、スタック全体に対するメタノールの供給経路が互いに独立した2系統とされ、同じく空気の供給経路も互いに独立した2系統とされている。
そのため、図5A,図5Bに示すセパレータ14においては、4つのマニホールド144E,144F,144G,144Hは、細溝141で構成されたアノード流路16又はカソード流路17にメタノール又は空気を分岐させずに単に通過させるものであるが、隣接する膜電極接合体11に対面するセパレータ14では、図5A,図5Bに示すマニホールド114A,114B,114C,114Dに相当するマニホールドから供給されることになり、細溝141で構成されたアノード流路16又はカソード流路17に分岐することになる。この詳細は後述する。
図6A及び図6Bに示す本例のガスケット18は、ゴムなどの弾性体により構成され、セパレータ14の正面(図5A)及び背面(図5B)に形成された同じ形状のガスケット用溝146Zに嵌合する形状とされた中央環状部181Zと、セパレータ14の正面に形成されたガスケット用溝146C,146D,146G,146H及びセパレータ14の背面に形成されたガスケット用溝146A,146B,146E,146Fにそれぞれ嵌合する大径環状部181C,181D及び小径環状部181G,181Hとを有し、本例ではこれら中央環状部181Zと大径環状部181C,181Dと小径環状部181G,181Hが一体成形により繋がって形成されている。
ちなみに、図6Aに示すガスケット18のX−Y平面における姿勢は、図5Aに示すセパレータ14の正面のX−Y平面における姿勢と同じ姿勢であり、回転させることなくそのまま嵌合させれば、ガスケット18の中央環状部181Z,大径環状部181C,181D,小径環状部181G,181Hが、セパレータ14の正面のガスケット用溝146Z,146C,146D,146G,146Hにそれぞれ対応して嵌合することになる。これに対して、図5Bに示すセパレータ14の背面については、図6Aに示す姿勢からX−Y平面内で右(又は左)に90°回転させた姿勢として嵌合させれば、ガスケット18の中央環状部181Z,大径環状部181C,181D,小径環状部181G,181Hが、セパレータ14の背面のガスケット用溝146Z,146A,146B,146F,146Eにそれぞれ対応して嵌合することになる。
本例のガスケット18の中央環状部181Zは、図6B(a)に示すとおり、フタコブラクダの背中のように、全周にわたって共通する基部から突出する2つの突起を有する断面形状とされ、基部がセパレータ14のガスケット用溝146Zに嵌合し、2つの突起が対面する膜電極接合体11(の補強層116A,116B)に圧接する。また、大径環状部181C,181D及び小径環状部181G,181Hは、図6B(b)に示すとおり、全周にわたって基部から先端に向かって縮径する断面形状とされ、基部がセパレータ14のガスケット用溝146A,146B146C,146D,146e,146F,146G,146Hに嵌合し、先端が対面するセパレータ14に圧接する。また、中央環状部181Zと大径環状部181C,181Dが繋がった部分及び中央環状部181Zと小径環状部181G,181Hが繋がった部分は、図6B(c)に示すとおり、図6B(a)及び(b)に示す断面形状が共通する基部で一体化された断面形状とされ、その基部がセパレータ14のガスケット用溝146Z,146A,146B,146C,146D,146E,146F,146G,146Hに嵌合し、先端が対面する膜電極接合体11及びセパレータ14に圧接する。こうしたガスケット18の基部が、本発明に係る第2嵌合部に相当する。
《燃料電池スタックの構成と製法》
次に、以上のように構成された膜電極接合体11、セパレータ14及びガスケット18を積層して燃料電池スタック2とする方法を説明する。最初にその概要を説明し、そのあとにメタノール及び空気の供給経路を含めた詳細を説明する。
図2A〜図2Dは、本例の燃料電池スタック2を構成する電池サブアッセンブリ21の製造工程を示す断面図、図3は、本例の燃料電池スタック2の全体を示す分解断面図である。本例では、図2Aに示すようにセパレータ14の正面又は背面の一方のガスケット用溝146A〜146H,146Zに、ガスケット18の中央環状部181Z、大径環状部181C,l81D及び小径環状部181G,181Hの各基部をそれぞれ嵌合させ、接着剤などを用いて、脱落しない程度に仮固定するか又は本来の接着性にて本固定する。この工程においては、セパレータ14のガスケット用溝146A〜146H,146Zが視認でき、また柔軟性を有するガスケット18が重力で撓まないように、装着面である正面又は背面を鉛直方向上に向けた姿勢でガスケット18の装着作業を行うことが望ましい。なお図2Aは、2つのガスケット18,18を1つのセパレータ14の正面及び背面に装着するにあたり、どちらの面に装着したかが理解し易いように、セパレータ14の下面から装着した図を示すが、上述したとおり実際にはセパレータ14の装着面を上面にした姿勢でガスケット18が装着される。
次いで、図2Bに示すようにセパレータ14を裏返し、正面又は背面の他方のガスケット用溝146A〜146H,146Zに、他のガスケット18の中央環状部181Z、大径環状部181C,l81D及び小径環状部181G,181Hの各基部をそれぞれ嵌合させ、接着剤などを用いて、脱落しない程度に仮固定するか又は本来の接着性にて本固定する。
そして図2Cに示すように、両面にガスケット18,18が仮固定又は本固定されたセパレータ14の正面又は背面の一方に、接着剤などを用いて、膜電極接合体11を脱落しない程度に仮固定するか又は本来の接着性にて本固定する。この場合も、同図に示すように膜電極接合体11を上面にした姿勢でセパレータ14を上から重ねてもよいし、逆にセパレータ14を上面にした姿勢で膜電極接合体11を上から重ねてもよい。ちなみに、本例では図2Aに示す工程の後に図2Bに示す工程を実施したが、図2Aに示す工程の後に図2Cに示す工程を実施し、その後に図2Bに示す工程を実施してもよい。つまり、セパレータ14の一方面にガスケット18を仮固定又は本固定したのち、このガスケット18の装着面に膜電極接合体11を仮固定又は本固定し、最後にセパレータ14の他方面にガスケット18を装着してもよい。
本例の膜電極接合体11とセパレータ14を固定する場合に、セパレータ14の正面及び背面のいずれの面に固定してもよい。ただし、図4に示す姿勢(小径の開口部117A,117B,117E,117Fが上下辺に位置し、大径の開口部117C,117D,117G,117Hが左右辺に位置した状態の姿勢)の膜電極接合体11を、図5Aに示す姿勢のセパレータ14の正面に重ねるときは、膜電極接合体11とセパレータ14とを相対的に右または左に90°回転させて重ねる。これに対して図4に示す姿勢の膜電極接合体11を、図5Bに示す姿勢のセパレータ14の背面に重ねるときは、そのまま重ねる。これにより、膜電極接合体11の発電部110の形状とセパレータ14の細溝141が形成された流路の形状が合致し、また膜電極接合体11の外周の開口部117A〜117Hの形状とセパレータ14のマニホールド144A〜144H廻りの形状も合致することになる。
そして、セパレータ14の正面に膜電極接合体11が固定された電池サブアッセンブリ21と、セパレータ14の背面に膜電極接合体11が固定された電池サブアッセンブリ21は、X−Y平面において90°回転させると等価な構造となるので、次の電池サブアッセンブリ21の積層工程で回転方向の姿勢に留意すれば足りる。
こうした電池サブアッセンブリ21を必要数だけ作製したら、図2Dに示すように、一方の電池サブアッセンブリ21のセパレータ14が設けられていない面と、他方の電池サブアッセンブリ21のセパレータ14が設けられた面とを重ねる。この電池サブアッセンブリ21の積層工程では、電池サブアッセンブリ21の外形や別途設けた位置決め部などによって各電池サブアッセンブリ21の位置を揃え、図3に示すように上面及び下面にエンドプレート23,23を配置し、膜電極接合体11の四隅及びセパレータ14の四隅に形成された削落部分に固定ボルト22が収まるようにして締結する。これにより、複数積層された電池サブアッセンブリ21は、2つのエンドプレート23,23で強固に挟まれて固定されることになる。すなわち、本例の燃料電池スタック2においては、一つの電池サブアッセンブリ21を構成する膜電極接合体11とセパレータ14とガスケット18,18は接着剤などにより接着されているが、隣接する電池サブアッセンブリ21同士は接着剤などで接着されず、エンドプレート23,23及び固定ボルト22の締付力により積層されている。以上の工程により、燃料電池スタック2が組み立てられる。
なお、複数の電池サブアッセンブリ21を重ねる際に、導電性を有するセパレータ14同士を電気的に導通するように重ね合わせれば、セパレータ14自体が集電部材として機能するので、図3に示すように両端に位置する2つのセパレータ14にアノード集電体12及びカソード集電体13を設けることで、ここから電力を取り出すことができる。また、この両端に位置するセパレータ14は、片面にのみ細溝141が形成された別形状のセパレータ14としてもよい。
次に上述した構成の燃料電池スタック2のメタノール及び空気の供給経路を含めた詳細を説明する。図7A及び図7Bの上図は、9つのセパレータ14と8つの膜電極接合体11とを積層してなる燃料電池スタック2の一例を示す概略図である。9つのセパレータ14a〜14iのうち、両端を除く7つのセパレータ14b〜14hは、図5A及び図5Bに示すものと同じ形状である。両端に配置されたセパレータ14a,14iは、一部のマニホールド(図7A,図7Bに「閉塞」で示したマニホールド)が閉塞されている点で他のセパレータ14b〜14hと相違するがその他の構造は同じである。これら両端に配置されるセパレータ14a,14iは図3に示すエンドプレート23,23に相当する。8つの膜電極接合体11a〜11hは全て図4に示すものと同じ形状である。
9つのセパレータ14a〜14iと8つの膜電極接合体11a〜11hの配列については、セパレータは図5Aに示す正面同士を対向させてその間に膜電極接合体11を挟み込み、また図5Bに示す背面同士を対向させてその間に膜電極接合体11を挟み込む。図7A及び図7Bには、セパレータ14の正面同士を対向させた部分を「正面」で示し、背面同士を対向させた部分を「背面」で示す。なお、膜電極接合体11のXY平面における向き(姿勢)は、正面で示した部分に挟まれた膜電極接合体11は図4のものを90°回転させた向きになり、背面で示した部分に挟まれた膜電極接合体11は図4に示す向きとなる。また、図7A及び図7Bの下図は、上図のX1矢視図及びX2矢視図であり、両端に配置されたセパレータ14a,14iを対面視した模式図である。
本例の燃料電池スタック2は、燃料であるメタノールを供給する系統と、酸化剤である空気を供給する系統があり、両者はそれぞれ互いに独立した2系統を備える。これらをメタノールの第1供給系、メタノールの第2供給系、空気の第1供給系、空気の第2供給系と称し、図7Aにメタノールの第1供給系及び空気の第1供給系を示し、図7Bにメタノールの第2供給系及び空気の第2供給系を示す。図7A及び図7Bに示すように、本例の燃料電池スタック2は、正面同士を対向させたものと背面同士を対向させたものを交互に積層し、正面同士を対向させた部分にはメタノールの第1供給系及び空気の第1供給系が流れ、背面同士を対向させた部分にはメタノールの第2供給系及び空気の第2供給系が流れるようになっている。
図7Aに示す例では、メタノールの第1供給系は、左下図(X1矢視図)の右辺上のマニホールドから始まり、空気の第1供給系は、同図の左辺上のマニホールドから始まる。1番目のセパレータ14aにおいて、X1矢視図の右辺上のマニホールドは図5Aに示すマニホールド144Aに対応するので、X1矢視図の右辺上のマニホールドに供給されたメタノールの一部は、スリット143Aを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Bを介してマニホールド144Bに流れる。このメタノールの残余は、セパレータ14aのマニホールド144A→セパレータ14bのマニホールド144G→セパレータ14cのマニホールド144Aと流れ、ここで再びメタノールの一部はセパレータ14cのスリット143Aを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Bを介してセパレータ14cのマニホールド144Bに流れる。セパレータ14e、14gについても同じである。このメタノールの第1供給系のセパレータ14aのマニホールド144Aと、セパレータ14bのマニホールド144Gと、セパレータ14cのマニホールド144Aが積層された部分を代表して、マニホールド部分の断面図を図8に示す。この図8に示す断面構造は、全てのマニホールド144A〜144Hについて同様である。
また、セパレータ14aにおいて、細溝141の流路を流れスリット143Bを介してマニホールド144Bに流下したメタノールは、セパレータ14bのマニホールド144H→セパレータ14cのマニホールド144Hに至り、このマニホールド144Hにて、セパレータ14cの細溝141の流路を流れてきたメタノールと合流したのちさらに下流に向かって同様に流れる。セパレータ14e,14gについても同じである。そして、このメタノールの第1供給系は、図7AのX2矢視図に示す右辺下のマニホールドから排出される。
これに対して、空気の第1供給系は、図7Aの左辺上のマニホールドから始まる。1番目のセパレータ14aにおいて、X1矢視図の左辺上のマニホールドは図5Aに示すマニホールド144Gに対応するので、X1矢視図の左辺上のマニホールドに供給された空気は、マニホールド114Gを通過したのち、セパレータ14bのマニホールド144Aに至り、ここで空気の一部は、スリット143Aを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Bを介してマニホールド144Bに流れる。この空気の残余は、セパレータ14bのマニホールド144A→セパレータ14cのマニホールド144G→セパレータ14dのマニホールド144Aと流れ、ここで再び空気の一部はセパレータ14dのスリット143Aを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Bを介してセパレータ14dのマニホールド144Bに流れる。セパレータ14f、14hについても同じである。
また、セパレータ14bにおいて、細溝141の流路を流れスリット143Bを介してマニホールド144Bに流下した空気は、セパレータ14cのマニホールド144H→セパレータ14dのマニホールド144Bに至り、このマニホールド144Bにて、セパレータ14dの細溝141の流路を流れてきたメタノールと合流したのちさらに下流に向かって同様に流れる。セパレータ14f,14hについても同じである。そして、この空気の第1供給系は、図7AのX2矢視図に示す左辺下のマニホールドから排出される。なお、これらメタノールの第1供給系及び空気の第1供給系は、図5A,図5Bに示すX方向に沿って細溝141の流路を蛇行状に流れることになる。
一方、図7Bに示すメタノールの第2供給系は、左下図(X1矢視図)の上辺左のマニホールドから始まり、空気の第2供給系は、同図の下辺左のマニホールドから始まる。1番目のセパレータ14aにおいて、X1矢視図の上辺左のマニホールドは図5Aに示すマニホールド144Eに対応するので、X1矢視図の上辺左のマニホールド144Eに供給されたメタノールは、当該マニホールド114Eを通過したのち、セパレータ14bのマニホールド144Cに至り、ここでメタノールの一部はスリット143Cを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Dを介してマニホールド144Dに流れる。このメタノールの残余は、セパレータ14bのマニホールド144C→セパレータ14cのマニホールド144E→セパレータ14dのマニホールド144Cと流れ、ここで再びメタノールの一部はセパレータ14dのスリット143Cを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Dを介してセパレータ14dのマニホールド144Dに流れる。セパレータ14f、14hについても同じである。
また、セパレータ14bにおいて、細溝141の流路を流れスリット143Dを介してマニホールド144Dに流下したメタノールは、セパレータ14cのマニホールド144F→セパレータ14dのマニホールド144Dに至り、このマニホールド144Dにて、セパレータ14dの細溝141の流路を流れてきたメタノールと合流したのちさらに下流に向かって同様に流れる。セパレータ14f,14hについても同じである。そして、このメタノールの第2供給系は、図7BのX2矢視図に示す下辺左のマニホールドから排出される。
これに対して、空気の第2供給系は、図7Bの左下図(X1矢視図)の下辺左のマニホールドから始まる。1番目のセパレータ14aにおいて、X1矢視図の下辺左のマニホールドは図5Aに示すマニホールド144Dに対応するので、X1矢視図の下辺左のマニホールド144Dに供給された空気は、マニホールド144Dを通過したのち、セパレータ14bのマニホールド144Fも通過し、セパレータ14cのマニホールド144Dに至り、ここで空気の一部は、スリット143Dを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Cを介してマニホールド144Cに流れる。この空気の残余は、セパレータ14cのマニホールド144D→セパレータ14dのマニホールド144F→セパレータ14eのマニホールド144Dと流れ、ここで再び空気の一部はセパレータ14eのスリット143Dを介して細溝141の流路に分岐して蛇行したのち、他端のスリット143Cを介してセパレータ14eのマニホールド144Cに流れる。セパレータ14g、14iについても同じである。
また、セパレータ14cにおいて、細溝141の流路を流れスリット143Cを介してマニホールド144Cに流下した空気は、セパレータ14cのマニホールド144C→セパレータdのマニホールド144E→セパレータeのマニホールド114Cに至り、このマニホールド144Cにて、セパレータ14eの細溝141の流路を流れてきたメタノールと合流したのちさらに下流に向かって同様に流れる。セパレータ14g,14iについても同じである。そして、この空気の第2供給系は、図7BのX2矢視図に示す上辺左のマニホールドから排出される。なお、これらメタノールの第2供給系及び空気の第2供給系は、図5A,図5Bに示すY方向に沿って細溝141の流路を蛇行状に流れることになる。
上述したとおり、図7A及び図7Bに示す燃料電池スタック2の実施形態では、メタノールの第1供給系は、図7Aの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの右辺上のマニホールドから供給され、正面同士を対向させた一方のセパレータの細溝を流れたのち、図7Aの右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの右辺下のマニホールドから排出される。また空気の第1供給系は、図7Aの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの左辺上のマニホールドから供給され、正面同士を対向させた他方のセパレータの細溝を流れたのち、図7Aの右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの左辺下のマニホールドから排出される。この場合、図7Aの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの左辺下のマニホールドと右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの左辺上のマニホールドは、メタノールの第1供給系に連通しているが、メタノールをセパレータ14iから排出させるために閉塞されている。同様に、図7Aの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの右辺下のマニホールドと右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの右辺上のマニホールドは空気の第1供給系に連通しているが、空気をセパレータ14iから排出させるために閉塞されている。
またメタノールの第2供給系は、図7Bの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの上辺左のマニホールドから供給され、背面同士を対向させた一方のセパレータの細溝を流れたのち、図7Bの右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの下辺左のマニホールドから排出される。また空気の第2供給系は、図7Bの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの下辺左のマニホールドから供給され、背面同士を対向させた他方のセパレータの細溝を流れたのち、図7Bの右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの上辺左のマニホールドから排出される。この場合、図7Bの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの下辺右のマニホールドと右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの上辺右のマニホールドは、メタノールの第2供給系に連通しているが、メタノールをセパレータ14iから排出させるために閉塞されている、同様に、図7Bの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aの上辺右のマニホールドと右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iの下辺右のマニホールドは、空気の第2供給系に連通しているが、空気をセパレータ14iから排出させるために閉塞されている。
このようにエンドプレート23,23を構成する両端のセパレータ14a,14iのマニホールドを部分的に閉塞することで、メタノールの第1供給系、メタノールの第2供給系、空気の第1供給系、空気の第2供給系といった4つの互いに独立した経路の供給側と排出側の位置を設定することができる。図9A及び図9Bは、こうした観点からの変形例であり、図7A及び図7Bに示す実施形態に比べて、両端のセパレータ14a,14iのマニホールドの閉塞位置のみが相違し、その他の構成は同じである。
図9Aにメタノールの第1供給系及び空気の第1供給系を示し、図9Bにメタノールの第2供給系及び空気の第2供給系を示す。本例は、同図に示すように、左側のセパレータ14a側からメタノールを供給及び排出し、右側のセパレータ14i側から空気を供給及び排出する構造とされている。そのために、図9Aの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aにおいては、右辺上のマニホールドがメタノールの第1供給系の供給側、左辺下のマニホールドがメタノールの第1供給系の排出側とされ、空気の第1供給系に連通する右辺下及び左辺上のマニホールドはいずれも閉塞されている。一方、図9Aの右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iにおいては、右辺上のマニホールドが空気の第1供給系の供給側、左辺下のマニホールドが空気の第1供給系の排出側とされ、メタノールの第1供給系に連通する右辺上及び左辺下のマニホールドはいずれも閉塞されている。
同様の趣旨で、図9Bの左下図(X1矢視図)に示すセパレータ14aにおいては、上辺左のマニホールドがメタノールの第2供給系の供給側、下辺右のマニホールドがメタノールの第2供給系の排出側とされ、空気の第2供給系に連通する上辺右及び下辺左のマニホールドはいずれも閉塞されている。一方、図9Bの右下図(X2矢視図)に示すセパレータ14iにおいては、下辺右のマニホールドが空気の第2供給系の供給側、上辺左のマニホールドが空気の第2供給系の排出側とされ、メタノールの第2供給系に連通する上辺右及び下辺左のマニホールドはいずれも閉塞されている。
このように両端のセパレータ14a,14iのマニホールドの閉塞位置を変更することで、メタノールの第1供給系は、図9Aの上図に示すように、セパレータ14a側から供給され、正面同士を対向させた一方のセパレータの細溝を流れたのち、同じセパレータ14aから排出される。またメタノールの第2供給系も、図9Bの上図に示すように、セパレータ14a側から供給され、背面同士を対向させた一方のセパレータの細溝を流れたのち、同じセパレータ14aから排出される。これに対して、空気の第1供給系は、図9Aの上図に示すように、セパレータ14i側から供給され、正面同士を対向させた他方のセパレータの細溝を流れたのち、同じセパレータ14iから排出される。また空気の第2供給系も、図9Bの上図に示すように、セパレータ14i側から供給され、背面同士を対向させた他方のセパレータの細溝を流れたのち、同じセパレータ14iから排出される。
以上のとおり、本例の燃料電池スタック2は、図2A〜図2Cに示すように、一つのセパレータ14、一つの膜電極接合体11及び二つのガスケット18からなる電池サブアッセンブリ21を予め組み立てるので、一つのセパレータ14の両面それぞれのガスケット用溝146(第1嵌合部)に、二つのガスケット18,18の基部(第2嵌合部)をそれぞれ嵌合して仮固定又は本固定する場合に、セパレータ14を適宜引っ繰り返してガスケット用溝146が視認できる姿勢にしながら、相対的に柔軟性のあるガスケット18を把持し、相対的に剛性のあるセパレータ14に対して嵌合作業を行うことができる。これにより、セパレータ14のガスケット用溝146とガスケット18の基部との嵌合状態が確実となり、ガスケット18によるシール信頼性が向上する。そして、こうして予め作製した複数の電池サブアッセンブリ21を図2Dに示すように積層することで、簡便に燃料電池スタック2を製造することができる。
なお、上述した図4〜図9Bに示す実施形態は、本発明に係る燃料電池スタックの製造方法の単なる一例であるため、当該実施形態の具体的構成に何ら限定されることはない。
1…燃料電池(単電池)
11…膜電極接合体
110…発電部
111…高分子電解質膜
112…アノード触媒層(燃料極)
113…カソード触媒層(空気極)
114…アノードガス拡散層
115…カソードガス拡散層
116A,116B…補強層
116C…開口部
117A〜117H…開口部
12…アノード集電体
13…カソード集電体
14…アノードセパレータ
141…細溝
142…反応領域
143A,143B…スリット
144A〜144H…マニホールド
145A,145B…連通部
146A〜146H,146Z…ガスケット用溝(第1嵌合部)
15…カソードセパレータ
16…アノード流路
17…カソード流路
18,19…ガスケット
181C,181D…大径環状部
181G,181H…小径環状部
181Z…中央環状部
2…燃料電池スタック
21…電池サブアッセンブリ
22…固定ボルト
23…エンドプレート

Claims (12)

  1. 外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリを複数積層する燃料電池スタックの製造方法において、
    前記一方の面と前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成された複数の前記セパレータと、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有する複数の前記第1のガスケットと、前記第2嵌合部を有する複数の前記第2のガスケットと、複数の前記膜電極接合体とを準備し、
    前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面を前記第1のガスケットが前記補強層に圧接されるように接着により仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定することを、複数回行うことにより、複数の前記電池サブアッセンブリを作製し、
    少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリを、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の前記他方の面と前記セパレータの前記他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接されるように、積層する燃料電池スタックの製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池スタックの製造方法において、
    前記第1嵌合部は、前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに前記セパレータの厚さ方向に凹むように形成された凹部である燃料電池スタックの製造方法。
  3. 外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリを複数備え、
    少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層され、
    前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成され、
    前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとは、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有し、
    前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定され、
    前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面が、前記第1のガスケットが前記補強層に圧接された状態で接着により仮固定又は本固定され、
    前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定されている燃料電池スタック。
  4. 請求項3に記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記第1嵌合部は、前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに前記セパレータの厚さ方向に凹むように形成された凹部である燃料電池スタック。
  5. 請求項4に記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記第1のガスケット又は前記第2のガスケットの少なくとも一部は、前記第2嵌合部としての基部と、前記基部から突出して前記補強層に圧接される2つの突起とからなる断面形状を備える燃料電池スタック。
  6. 外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリの製造方法であって
    少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層された燃料電池スタックに備えられる電池サブアッセンブリの製造方法であり、
    前記一方の面と前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成された前記セパレータと、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有する前記第1のガスケットと、前記第2嵌合部を有する前記第2のガスケットと、前記膜電極接合体とを準備し、
    前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面を前記第1のガスケットが前記補強層に圧接されるように接着により仮固定又は本固定し、前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部を嵌合して仮固定又は本固定する電池サブアッセンブリの製造方法。
  7. 請求項6に記載の電池サブアッセンブリの製造方法において、
    前記第1嵌合部は、前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに前記セパレータの厚さ方向に凹むように形成された凹部である電池サブアッセンブリの製造方法。
  8. 外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体と、前記膜電極接合体の一方の面と重ね合わされたセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接された第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備える電池サブアッセンブリであって
    少なくとも、複数の前記電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層された燃料電池スタックに備えられる電池サブアッセンブリであり、
    前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成され、
    前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとは、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有し、
    前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定され、
    前記セパレータの前記一方の面に前記膜電極接合体の前記一方の面が、前記第1のガスケットが前記補強層に圧接された状態で接着により仮固定又は本固定され、
    前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定されている電池サブアッセンブリ。
  9. 請求項8に記載の電池サブアッセンブリにおいて、
    前記第1嵌合部は、前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに前記セパレータの厚さ方向に凹むように形成された凹部である電池サブアッセンブリ。
  10. 請求項9に記載の電池サブアッセンブリにおいて、
    前記第1のガスケット又は前記第2のガスケットの少なくとも一部は、前記第2嵌合部としての基部と、前記基部から突出して前記補強層に圧接される2つの突起とからなる断面形状を備える電池サブアッセンブリ。
  11. 外縁部に補強層が設けられた膜電極接合体の一方の面と重ね合わされるセパレータと、前記膜電極接合体と対向する前記セパレータの一方の面に設けられ前記補強層に圧接される第1のガスケットと、前記セパレータの他方の面に設けられた第2のガスケットとを少なくとも備えるセパレータであって
    少なくとも、前記膜電極接合体及び前記セパレータからなる複数の電池サブアッセンブリが、前記電池サブアッセンブリの相互間で、前記膜電極接合体の他方の面と前記セパレータの他方の面とが非接着で重ね合わされ、前記第2のガスケットが前記補強層に圧接された状態で積層された燃料電池スタックに備えられる、ガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータであり、
    前記セパレータの前記一方の面と前記セパレータの前記他方の面とのそれぞれに第1嵌合部が形成され、
    前記第1のガスケットと前記第2のガスケットとは、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部を有し、
    前記セパレータの前記一方の面の前記第1嵌合部に前記第1のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定され、
    前記セパレータの前記他方の面の前記第1嵌合部に前記第2のガスケットの前記第2嵌合部が嵌合して仮固定又は本固定されており、
    前記セパレータの前記一方の面が、前記膜電極接合体の前記一方の面に、接着により仮固定又は本固定される状態では、前記第1のガスケットが前記補強層に圧接される、ガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータ。
  12. 請求項11に記載のガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータにおいて、
    前記第1のガスケット又は前記第2のガスケットの少なくとも一部は、前記第2嵌合部としての基部と、前記セパレータの前記一方の面が、前記膜電極接合体の前記一方の面に、接着により仮固定又は本固定される状態では、前記基部から突出して前記補強層に圧接される2つの突起とからなる断面形状を備える、ガスケットが仮固定又は本固定されたセパレータ。
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