JP6038074B2 - 燃料電池の膜電極接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の膜電極接合体に関するものである。
ダイレクトメタノール型燃料電池において、膜電極接合体のアノード触媒層のアノード拡散層と対向する表面に面積率が5〜30%の溝を形成し、燃料拡散性を高めることで燃料電池の出力維持性能を高めるものが知られている(特許文献1)。
特開2008−276985号公報
しかしながら、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)には更なる出力維持性能の向上が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、出力維持性能に優れた燃料電池の膜電極接合体を提供することである。
本発明は、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両主面にそれぞれ設けられた触媒層と、を含み、前記高分子電解質膜の少なくとも一方の主面に凹凸部が設けられ、前記凹凸部の表面に設けられた触媒層の前記高分子電解質膜とは反対側の主面に溝部が設けられ、前記凹凸部の凹部と前記溝部とが相互に平面視で重なり合い、平面視において、前記凹部の幅が前記溝部の幅よりも大きい燃料電池用膜電極接合体によって上記課題を解決する。
本発明によれば、高分子電解質膜に設けられた凹凸部によって高分子電解質膜と触媒層との接触面積が増加するのでプロトン伝導性が高くなり、また触媒層に設けられた溝部によって当該凹凸部に燃料物質を効率的に供給することができる。その結果、出力維持性能に優れた燃料電池の膜電極接合体を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る燃料電池の膜電極接合体を示す断面図である。 図1の膜電極接合体から触媒層及びガス拡散層を除去した高分子電解質膜の一面を示す斜視図である。 図1の膜電極接合体からガス拡散層を除去した触媒層の一面を示す斜視図である。 図2の高分子電解質膜の製造方法の一例を説明するための斜視図である。 図1の膜電極接合体を適用した燃料電池の一例を示す断面図である。 図1の膜電極接合体を示す拡大断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。最初に図5を参照して、本発明の膜電極接合体(MEA:Membrane-electrode assembly)11を適用した燃料電池1の一例の構成を説明したのち、図1〜図4を参照して、本発明に係る膜電極接合体11の特徴的な構成を説明する。なお、図5に示す膜電極接合体11は、凹凸部2及び溝部3の図示を省略したものであり、実際には図1〜図4に示すとおり凹凸部2及び溝部3を有するものである。
図5に示す本発明の膜電極接合体11を適用した燃料電池1は、メタノールを燃料として発電するダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)であり、膜電極接合体11と、膜電極接合体11を挟む板状のアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15と、アノードセパレータ14の外側の表面に設けられたアノード集電体12及びカソードセパレータ15の外側の表面に設けられたカソード集電体13と、アノードセパレータ14の内側に設けられたガスケット18及びカソードセパレータ15の内側に設けられたガスケット19と、を備える。なお、図5は単電池の構成を示すが、要求起電力に応じてこの単電池を複数積層した燃料電池を構成してもよい。
本例の膜電極接合体11は、水素イオン(陽イオン)伝導性を有する高分子電解質膜111と、アノード触媒層112と、カソード触媒層113と、アノードガス拡散層114と、カソードガス拡散層115とを含んで構成されている。アノード触媒層112とアノードガス拡散層114がアノード(燃料極)を構成し、カソード触媒層113とカソードガス拡散層115がカソード(空気極)を構成する。なお以下において、アノード触媒層112及びカソード触媒層113を総称する場合は単に触媒層112,113ともいい、アノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115を総称する場合は単にガス拡散層114,115ともいう。
高分子電解質膜111と、その表面及び裏面にそれぞれ積層されるアノード触媒層112及びカソード触媒層113と、さらにその表面及び裏面にそれぞれ積層されるアノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115は、矩形、円形、楕円形、多角形など燃料電池1の外形形状に応じた適宜の形状とされる。特に限定されないが、一般的にはアノード触媒層112及びカソード触媒層113の外縁は、高分子電解質膜111の外縁より小さい外縁を有し、アノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115の外縁は、それぞれアノード触媒層112及びカソード触媒層113の各外縁形状とほぼ同じ外縁形状とされる。
高分子電解質膜111としては、特に限定されるものではなく、通常の高分子電解質型燃料電池に搭載される、固体高分子電解質膜などの高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜、例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名,登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(商品名,登録商標)、旭硝子(株)社製のFlemion(商品名,登録商標)などを使用することができる。高分子電解質膜111の厚さは特に限定されないが、通常25〜250μmである。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113は、例えば白金系の金属触媒などの電極触媒と、当該電極触媒を担持する導電性炭素粒子(カーボン粉末)と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とで構成されている。これらアノード触媒層112およびカソード触媒層113の厚さは特に限定されないが、通常5〜50μmである。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113における担体である導電性炭素粒子としては、導電性を有する細孔の発達したカーボン材料を用いるのが好ましく、例えばカーボンブラック、活性炭、カーボンファイバーおよびカーボンチューブなどを使用することができる。カーボンブラックとしては、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックおよびアセチレンブラックなどが挙げられる。また、活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化処理および賦活処理することによって得ることができる。
アノード触媒層112における電極触媒としては、特に限定されないが白金または白金合金を用いるのが好ましい。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズからなる群より選択される1種以上の金属と、白金との合金であるのが好ましい。特にアノード触媒層112にあっては、中間生成物である一酸化炭素が白金触媒を被毒する問題があるため、耐一酸化炭素被毒性を有するルテニウムなどを含むことが望ましい。また、上記白金合金には、白金と上記金属との金属間化合物が含有されていてもよい。さらに、白金からなる電極触媒と白金合金からなる電極触媒を混合して得られる電極触媒混合物を用いてもよい。なお、下記に示すカソード触媒層113と同じ電極触媒を用いても、異なる電極触媒を用いてもよい。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113に含有されて、上記触媒担持粒子に付着させる上記高分子電解質としては、高分子電解質膜111を構成するものと同じ高分子電解質を用いることができる。アノード触媒層112およびカソード触媒層113ならびに高分子電解質膜111を構成する高分子電解質は、同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。例えば、上述した米国DuPont社製のNafion(商品名,登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(商品名,登録商標)、旭硝子(株)社製のFlemion(商品名,登録商標)などを使用することができる。
アノード触媒層112およびカソード触媒層113における高分子電解質は、触媒担持粒子を被覆し、3次元に水素イオン伝導経路を確保するために、アノード触媒層112およびカソード触媒層113を構成する触媒担持粒子の質量に比例した量で、アノード触媒層112およびカソード触媒層113に含まれていることが好ましい。特に、カソード触媒層113に含まれる高分子電解質の質量は、カソード触媒層113の質量に対して15%〜50%であることが望ましい。パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質の質量が15%以上であると、十分な水素イオン伝導性が確保でき、50%以下であると、フラッディングの回避が可能であり、より高い電池出力を実現することができる。
アノードガス拡散層114およびカソードガス拡散層115は、それぞれアノード触媒層112およびカソード触媒層113の上側に配置され、アノードセパレータ14およびカソードセパレータ15のアノード流路16及びカソード流路17から流入したメタノールや酸素(空気)をアノード触媒層112およびカソード触媒層113効率よく導く機能と導電性があれば特に限定されず、当該分野において公知の種々のガス拡散層を用いることができる。これらのガス拡散層114,115を構成する基材としては、ガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有するカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパーまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、導電性多孔質基材を用いることができる。また、排水性を向上させるために、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂を代表とする撥水性材料(高分子)を上記基材の内部に分散させて、上記基材は撥水処理を施してもよい。さらに、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維またはカーボン微粉末などの電子伝導性材料で上記基材を構成してもよい。なお、カソード側およびアノード側において同じガス拡散層を用いても異なるガス拡散層を用いてもよい。アノードガス拡散層114およびカソードガス拡散層115の厚さは特に限定されないが、通常100〜500μmである。
膜電極接合体11は、図5に示すように高分子電解質膜111の機械的強度を高めて膨張・収縮を抑制するために、高分子電解質膜111の上面及び下面の外縁部のそれぞれに額縁状の補強層116A,116Bを設けてもよい。この補強層116A,116Bは、所望の剛性を有する材料であれば特に限定されないが、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などからなるフィルムを用いることができる。
一対のアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15は、膜電極接合体11の外形形状に応じた適宜の外形形状とされ、膜電極接合体11の外側に配置されて、膜電極接合体11を機械的に固定するための導電性を有する部材である。アノードセパレータ14のうちの膜電極接合体11と接触する面には、アノードに燃料であるメタノールを供給し、電極反応生成物、未反応のメタノールを含む物質を反応場から外部に運び去るためのアノード流路16が形成され、同様に、カソードセパレータ15のうちの膜電極接合体11と接触する面には、カソードに酸素(空気)を供給し、電極反応生成物、未反応のメタノールを含む物質を反応場から外部に運び去るためのカソード流路17が形成されている。
こうしたアノード流路16およびカソード流路17は、平面視の図示は省略するが、それぞれアノードセパレータ14およびカソードセパレータ15の表面に常法により溝を設けることによって形成されている。特に制限されるものではないが、アノード流路16およびカソード流路17は、例えば複数の直線状溝部と、隣接する直線状溝部を上流から下流へと連結する複数のターン状溝部とで構成されたサーペンタイン形状を有する。
ガスケット18,19は、アノードセパレータ14及びカソードセパレータ15の外形形状に応じた形状とされ、枠状(額縁状)又は環状であり、単電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの外部へのリーク防止や混合を防止するため、それぞれアノードおよびカソード(特にアノードガス拡散層114およびカソードガス拡散層115)の周囲に配置される。このようなガスケット18,19としては、ゴムなどの当該分野で公知のものを用いることができる。
アノード集電体12及びカソード集電体13としては、導電性を有する、たとえば厚さ1〜3mmの金属板(銅板など)に3〜4μmの金コーティングが施されたものを用いることができる。アノード集電体12は導電性を有するアノードセパレータ14の外側の表面に設けられ、カソード集電体13は導電性を有するカソードセパレータ15の外側の表面に設けられる。なお、燃料電池1の組立完成状態において、アノード集電体12は電力負荷の陰極(マイナス)に接続され、カソード集電体13は電力負荷の陽極(プラス)に接続されて燃料電池1からの電力が電力負荷に供給される。
以上のように構成された燃料電池1において、図5に示すように上述したアノードセパレータ14のアノード流路16入口にメタノールを供給し、カソードセパレータ15のカソード流路17の入口に空気を供給すると、アノードにおいては、
[数1] CHOH+HO→CO+6H+6e
という酸化反応が生じ、カソードにおいては、
[数2] 3/2O+6H+6e→3H
という還元反応が生じる。これによりアノードとカソードとの間に電流が流れることになる。
次に、上述した膜電極接合体11の詳細な構成を説明する。図1は本例の膜電極接合体11の主要断面図、図2は図1の膜電極接合体11から触媒層112,113及びガス拡散層114,115を除去した高分子電解質膜111の一面を示す斜視図、図3は同じく図1の膜電極接合体11からアノードガス拡散層114を除去したアノード触媒層112の一面を示す斜視図、図4は本例の高分子電解質膜111の製造方法の一例を説明するための斜視図である。
上述したとおり、本例の膜電極接合体11は、高分子電解質膜111と、この高分子電解質膜111の両主面にそれぞれ設けられた触媒層112,113と、を含むが、高分子電解質膜111の両主面に凹凸部2が設けられ、さらにこの凹凸部2の表面に設けられた触媒層112,113のガス拡散層114,115側(すなわち高分子電解質膜111とは反対側)の主面に溝部3が設けられている。ただし、凹凸部2は高分子電解質膜111のアノード側又はカソード側のいずれか一方の主面のみ設けてもよく、また溝部3はアノード触媒層112又はカソード触媒層113のいずれか一方にのみ設けてもよい。
高分子電解質膜111の主面に設けられた凹凸部2は、図2に示すように、平面状の主面に格子状の凹部21を形成することでこれに囲まれた矩形面を相対的な凸部22とし、これにより主面に凹凸部2を形成するほか、これとは逆に矩形面を凹部とすることでその間の格子状の面を相対的な凸部としてもよい。要するに、高分子電解質膜111の主面の表面積が大きくなる凹凸部2であれば本発明に係る凹凸部に含まれる。したがって、図2に示すような規則的な凹凸部2のほか不規則な凹凸部であってもよい。
高分子電解質膜111の主面に凹凸部2を形成するには、たとえば図4に示すように、主面が平面状とされた高分子電解質膜111に対し、格子状に形成された金網などの成形部材4をホットプレスすればよい。この場合に、金網などの成形部材4の間隔や太さを適宜に選択することで凹凸部2の形状を所望の形状に設定することができる。本例の凹凸部2の寸法は何ら限定されるものではないが、幅W1,W2は10〜1000μm、深さD1,D2は触媒層112,113の厚さの30〜70%であることが望ましい。幅が10μmより小さいと触媒層112,113が凹部21へ入り難くなり、幅が1mmより大きいと凹凸部2を設ける意義が薄れるからである。
触媒層112,113のガス拡散層114,115側の主面に設けられた溝部3は、たとえば図3に示すように下層の高分子電解質膜111の凹部21と同様に、格子状に形成されている。ただし、溝部3は、凹凸部2を設けることで表面積が大きくなった高分子電解質膜111の主面に対してメタノールや空気を効率的に供給し得る形状であればよい。したがって、規則的な配置のほか不規則な配置であってもよい。溝部3の寸法は何ら限定されるものではないが、溝部3の開口幅W3は凹部21の開口幅W4より小さいことが望ましい。また、溝部3の深さD3,D4は、少なくとも高分子電解質膜111の表面に達しない深さ、すなわち貫通しない溝であればよい。
触媒層112,113の主面に溝部3を形成するには、高分子電解質膜111の主面に触媒層112,113を構成するペーストをスクリーン印刷等で印刷する際に、高分子電解質膜111を加熱することで熱収縮させると、高分子電解質膜111の主面が熱収縮した状態で触媒ペーストが塗布されるので、これを乾燥して元の形状に引き伸ばせば、高分子電解質膜111の凹部21の直上にクラックが生じ、これを溝部3とすることができる。なお、触媒層112,113の表面を針状工具で引っ掻くことでクラックを生じさせ、これを溝部3としてもよい。
以上のように構成された本例の膜電極接合体11によれば、図6に矢印で示すように、ガス拡散層114,115から触媒層112,113に供給されるメタノール又は空気は、一般面以外に溝部3にも供給され、溝部3の側面から高分子電解質膜111の凹部21に向かっても供給されることになる。その結果、高分子電解質膜111の凹凸部2によりプロトン伝導性が高くなった上、燃料物質を効率的に供給することができるので、出力維持性能に優れた燃料電池1の膜電極接合体11を提供することができる。
以下、本発明の膜電極接合体11の高分子電解質膜111の主面に凹凸部2を設けるとともに触媒層112,113に溝部3を設けることが、燃料電池1の出力維持性能に寄与することを、さらに具体化した実施例と、当該実施例に対する比較例を挙げて説明する。ただし、以下の実施例の数値や材質などの諸条件は本発明の単なる一例であって本発明を何ら限定するものではない。
《実施例1》
高分子電解質膜111として、厚さ125μmのパーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(米国DuPont社製のNafion(商品名,登録商標))を用い、この高分子電解質膜111の一方の主面に、図4に示すように金網などの成形部材4を配置し、125℃,5MPaの条件でホットプレスを行うことで、当該一方の主面に図2に示す凹凸部2を形成した。
そして、高分子電解質膜111を加熱しながら、凹凸部2を形成した主面に、白金−ルテニウム触媒(白金・ルテニウム担持量50重量%)のペーストを印刷し、厚さ40μmのアノード触媒層112を形成した。
また、凹凸部2が形成されていない主面には、カソード触媒113として、厚さ20μmの白金触媒(白金担持量が70重量%)を用い、アノードガス拡散層114及びカソードガス拡散層115として、厚さ235μmの黒鉛繊維不織布(MFCテクノロジー社製カーボンファイバペーパSIGRACET GDL25BC)を用いた。
アノード触媒層112のアノードガス拡散層114側の表面に生じたクラック(溝部)の面積率(当該主面の面積に対する溝部3の開口面積の総和の比率)を計測したところ、1%であった。
この膜電極接合体11を用いて燃料電池1を組み立て、組み立てられた燃料電池にメタノールと空気を供給し、電圧を0.4Vに固定して動作試験を行い、単電池の初回の出力電流密度を測定するとともに、100時間経過後の出力電流密度を測定し、その電流密度の出力維持率(初回の出力電流密度に対する100時間後の出力電流密度の比率)を算出した。この結果を表1に示す。
《実施例2〜4》
実施例1で用いた成形部材4の幅又は太さを変更し、アノード触媒層112のアノードガス拡散層114側の表面に生じたクラック(溝部)の面積率を3%,5%,7%にしたこと以外は実施例1と同じ条件で膜電極接合体11を作製し、同じ評価を行った。この結果を表1に示す。
《比較例1》
実施例1の比較例として、実施例1の高分子電解質膜111の主面に凹凸部2を形成せず、またアノード触媒層112に溝部3を形成しないこと以外は実施例1と同じ条件で膜電極接合体11を作製し、同じ評価を行った。この結果を表1に示す。
Figure 0006038074
《考 察》
高分子電解質膜111の主面に凹凸部2を形成するとともにアノード触媒層112に溝部3を形成した実施例1〜4の初期出力は、これらを形成しない比較例1に対して大きくなることが確認された。また、溝部3の面積率が1〜5%の実施例1〜3のものが、溝部3の面積率が7〜12%の実施例4のものに比べて出力維持性能に優れていることが確認された。
1…燃料電池
11…膜電極接合体
111…高分子電解質膜
112…アノード触媒層(燃料極)
113…カソード触媒層(空気極)
114…アノードガス拡散層
115…カソードガス拡散層
116A,116B…補強層
12…アノード集電体
13…カソード集電体
14…アノードセパレータ
15…カソードセパレータ
16…アノード流路
17…カソード流路
18,19…ガスケット
2…凹凸部
21…凹部
22…凸部
3…溝部

Claims (3)

  1. 高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の両主面にそれぞれ設けられた触媒層と、を含み、
    前記高分子電解質膜の少なくとも一方の主面に凹凸部が設けられ、
    前記凹凸部の表面に設けられた触媒層の前記高分子電解質膜とは反対側の主面に溝部が設けられ
    前記凹凸部の凹部と前記溝部とが相互に平面視で重なり合い、平面視において、前記凹部の幅が前記溝部の幅よりも大きい燃料電池用膜電極接合体。
  2. 前記溝部は、開口から底部にかけて漸次的に幅が狭くなる形状である請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体。
  3. 前記溝部の面積率は、5%以下である請求項1又は2に記載の燃料電池の膜電極接合体。
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