JP6281900B2 - 機能性焼結緻密膜の形成方法およびナノ粒子合成方法 - Google Patents

機能性焼結緻密膜の形成方法およびナノ粒子合成方法 Download PDF

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本発明は、機能性焼結緻密膜の形成方法およびナノ粒子合成方法に関するものである。より詳しくは、プレス加圧を用いてナノ粒子を焼結させることにより形成する機能性焼結緻密膜の形成方法、および機能性焼結緻密膜形成に適したナノ粒子合成方法に関する。
ナノ粒子は、そのサイズ効果により、バルクと比べて融点が降下する。この融点降下現象を利用して、金属材料においてはプリンテッドエレクトロニクス等で、金属配線の低温焼結が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−140669号公報 特開2013−247181号公報 特開2013−230416号公報
しかしながら、金属ナノ粒子は、サイズ効果による高活性を有するため、特に卑金属ナノ粒子の場合、酸化し易い。また、ナノ粒子表面には、粒径制御、分散性制御及び酸化防止などのための保護分散剤が被覆されており、ナノ粒子の焼結が阻害される。このため、従来のナノ粒子焼結方法では、前述の酸化の問題に加えて、緻密膜の合成が難しいという課題があった。また、従来のナノ粒子焼結方法では、酸化防止のために、不活性雰囲気で焼成するか、又は、酸化した膜に対し還元雰囲気で再度熱処理を行っていたため、コストが高くなるという課題があった。
本発明は、上記の従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ナノ粒子酸化を防止しながら、より低温、短時間で簡便にナノ粒子を利用した機能性焼結緻密膜を形成できる機能性焼結緻密膜の形成方法およびナノ粒子合成方法を提供することを目的とする。
そこで、本願発明者は、上記の目的を達成すべく種々の検討を行った結果、ナノ粒子の焼結に関して、ナノ粒子をプレス加圧することによって室温でナノ粒子が焼結すること、及び、さらに加温することによって焼結が進行して機能性焼結緻密膜が得られることを見出した。また、本願発明者は、金属ナノ粒子の焼結に関しては、焼結の際にフラックスを添加することによって、著しく焼結が促進され、それにより低温・短時間で機能性焼結緻密膜が得られることを見出した。また、本願発明者は、金属ナノ粒子の焼結に関して、プレス加圧することによって、大気中でもほぼ酸化することなく金属機能性焼結緻密膜が得られることも見出した。さらに、本願発明者は、機能性焼結緻密膜製造における金属ナノ粒子焼結の際に有効な焼結を阻害してしまう保護分散剤を使用しない、新たな金属ナノ粒子合成方法を見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであって、本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法は、プレス加圧を用いて、プレス型で直接、クロムから成るナノ粒子全体を密封して、前記ナノ粒子を焼結させることにより、機能性焼結緻密膜を形成する。これにより、ナノ粒子の融点降下現象と、プレス加圧によるエネルギー印加とによって、ナノ粒子を低温焼結させて機能性焼結緻密膜を形成することができる。
本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法において、大気雰囲気下で機能性焼結緻密膜を形成してもよい。プレス印加することによって緻密化が促進されるため、ナノ粒子表面が大気から遮断されるので、ナノ粒子表面の酸化が抑制されて焼結が促進される。
本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法において、フラックスを用いてナノ粒子の焼結を促進させてもよい。焼結を阻害するナノ粒子表面の酸化物層をフラックスにより除去することができるので、機能性焼結緻密膜を低温・短時間で得ることが可能である。
本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法において、シール材を用いて機能性焼結緻密膜を形成してもよい。シール材を用いてプレス加圧時に圧力が効率的に伝わるようにできるので、機能性焼結緻密膜の焼結性・緻密性をより向上させることができる。
本発明に関する機能性焼結緻密膜は、以上に述べた本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法により得られたものであって、例えば、エレクトロニクス分野における配線や電極、又は、硬度が求められるハードコーティング膜等に好適である。
本発明に係るナノ粒子合成方法は、以上に述べた本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法に用いられるナノ粒子の合成方法であって、保護分散剤を用いることなく、ナノ粒子原料を溶媒に投入して還元することによってナノ粒子を合成する。これにより、保護分散剤を用いることなくナノ粒子を合成することができる。また、保護分散剤が、ナノ粒子の焼結を妨げて焼結膜の緻密化を阻害する事態を回避することができる。
本発明に関するナノ粒子は、以上に述べた本発明に係るナノ粒子合成方法により得られたナノ粒子であって、ナノ粒子はシングルナノメーターサイズである。このようなシングルナノメーターサイズのナノ粒子を用いて、以上に述べた本発明に係る機能性焼結緻密膜の形成方法を行うことにより、機能性焼結緻密膜を確実に形成することができる。
本発明によれば、ナノ粒子の焼結において、例えば、フラックスを用いて表面の酸化膜を除去したナノ粒子、又は保護分散剤を含まないナノ粒子等を、プレス加圧を用いて低温焼結させることにより、従来よりも低温・短時間で酸化することなく機能性焼結緻密膜を形成することができる。このように形成された機能性焼結緻密膜は、例えば、エレクトロニクス分野における配線や電極、又は、硬度が求められるハードコーティング膜等に好適である。
本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例1で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例2で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例3で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例3と比較例1で得られた膜の表面のXRDパターンである。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例4で得られた膜の表面の光学顕微鏡写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例5で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例6で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係るナノ粒子合成方法の、溶媒として(a)1-デカノール、(b)ジメチルイミダゾール(イミダゾリジノン)を用いたときの、実施例7で得られたナノ粒子のSEM写真および粒径分布を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例8で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例9で得られた膜の表面のSEM写真である。 本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法の、実施例10で得られた膜の表面のSEM写真と硬度(HV)である。
以下、本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法およびナノ粒子合成方法について説明する。
本実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法においては、プレス加圧を用いてナノ粒子を焼結させることにより、機能性焼結緻密膜を形成する。これにより、ナノ粒子の融点降下現象と、プレス加圧によるエネルギー印加とによって、ナノ粒子を低温焼結させて機能性焼結緻密膜を形成することができる。
このとき、大気雰囲気下でも酸化することなく機能性焼結緻密膜を形成することができる。すなわち、プレス印加することよって緻密化が促進されるため、ナノ粒子表面が大気から遮断されるので、ナノ粒子表面の酸化が抑制されて焼結が促進される。
尚、本実施形態において、プレス加圧とは別に、ナノ粒子の焼結を促進させる工程が更に含まれていてもよい。ナノ粒子の焼結を促進させる他の工程としては、例えば、加温工程、拡散を促進させる溶媒を加える工程、或いは、ナノ粒子表面を活性化させるフラックスを添加する工程等がある。
また、本実施形態において、機能性焼結緻密膜の原料となるナノ粒子は、例えば、酸化物、窒化物、硫化物若しくはホウ化物等からなるセラミックスナノ粒子、金、銀若しくはプラチナ等の貴金属ナノ粒子、クロム、ニッケル若しくは銅等の卑金属ナノ粒子、又は、これらの混合ナノ粒子であってもよい。
また、ナノ粒子の平均粒子径は、例えば、1〜100nm程度であってもよい。
ここで、原料の粒子径は、多峰性粒子の粒子径の1つであってもよい。多峰性粒子や混合ナノ粒子においてサブミクロン以上の粒径が含まれている場合、1〜100nm程度の粒径を持つ1種類以上の金属ナノ粒子が含まれていてもよい。
以上のような原料ナノ粒子をプレス型に充填又は塗布し、加圧によりエネルギーを印加する際の印加圧力は、例えば30MPa〜600MPaであってもよい。
また、本実施形態において、室温でプレス加圧した際に、加温することによって、機能性焼結緻密膜の焼結性・緻密性を向上させ、成膜時間を短縮することが可能である。ここで、加温温度としては、例えば、40〜400℃程度であってもよい。
尚、金属ナノ粒子を加温した場合、金属ナノ粒子の酸化が問題になるが、本実施形態では、プレス型でナノ粒子全体を密封するために、短時間・低温で焼結することが可能であると共に酸化を防止・抑制して焼結をさらに促進させることが可能である。
ところで、現在、市場で販売されている金属ナノ粒子は、その活性力のために表面を酸化膜が覆っている状態、もしくは酸化を防止するために分散保護剤が表面を覆っている状態である。酸化膜で覆われている金属ナノ粒子は、酸化膜層が金属ナノ粒子の焼結を阻害するために、焼結が困難である。また、分散保護剤で覆われているナノ粒子は、分散保護剤が焼結を阻害する。ナノ粒子合成で用いられる分散保護剤としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンに代表される高分子系保護分散剤、アミン系の有機分子保護分散剤、ドデシル硫酸ナトリウムに代表される界面活性剤系保護分散剤等が挙げられる。
焼結を阻害する酸化物層については、フラックスにより除去することによって、機能性焼結緻密膜を低温・短時間で得ることが可能である。
このようなフラックスとしては、硝酸・塩酸・硫酸等の酸、水酸化物に代表されるアルカリ性物質、又は、これらの混合物を使用してもよい。ハンダ材料で一般的に使われるフラックスを使用してもよい。
また、本実施形態において、機能性焼結緻密膜の焼結性・緻密性をより向上させるために、シール材を用いてプレス加圧時に圧力が効率的に伝わるようにしてもよい。シール材としては、ニッケル、銅、クロム、鉛、ハンダ材料などの金属製シール材、又は、テフロン(登録商標)やポリイミド等の有機性シール材等が挙げられる。シール材となるシート状又は線状の素材を、形成したい機能性焼結緻密膜の形状に加工することによって、本発明に適したシール材を得ることができる。
また、本実施形態において、機能性焼結緻密膜の焼結性・緻密性をより向上させるために、塩ディスクを用いてプレス加圧時に圧力が均一に伝わるようにしてもよい。
従来、化学的手法でナノ粒子を合成する場合、ナノ粒子径を制御するために保護分散剤を添加することが必要であったが、前述の通り、保護分散剤はナノ粒子の焼結を妨げ、焼結膜の緻密化を阻害する。そこで、本願発明者は、この問題を解決するために、保護分散剤を使用しない新たなナノ粒子合成方法として、ナノ粒子原料を溶媒に投入して還元することによってナノ粒子を合成する方法を見出した。また、この合成方法によって、アモルファスライクでシングルナノメーターサイズのナノ粒子を合成可能であること、さらに、このアモルファスナノ粒子と、それよりもサイズが大きい市販ナノ粒子(金属結晶ナノ粒子)とを混合して加圧焼結を行うことにより、良好な硬質の機能性焼結緻密膜を形成可能であることを見出した。
ナノ粒子原料(金属源)としては、例えば、金属カルボニル化合物、金属カルボニル水素化物、ニトロシル錯体、ホスフィン錯体、イソシアニド錯体、チオカルボニル錯体等を使用してもよい。このような金属源は、単独で使用してもよいし、2種以上使用してもよい。
溶媒としては、例えば、各種アルコール、又はイオン性液体等を使用してもよい。例えば、1-デカノール、イミダゾリジノン(ジメチルイミダゾール)などを使用してもよい。
還元手法としては、電気加熱、ガス加熱、マイクロ波加熱、超音波照射等を使用してもよい。超音波照射を使用した場合には、低温でナノ粒子原料を還元することができる。
本発明に係るナノ粒子合成方法における還元処理の温度は、例えば、0〜200℃であってもよく、10〜40℃がより好ましい。還元処理温度が下限の0℃よりも低くなると、金属源が充分に還元されず、他方、上限の200℃を超えると、金属源が揮発し収率が減少すると共に、金属ナノ粒子が粒成長し所望の大きさの金属ナノ粒子が得られない。また、合成時間は、例えば、5〜300分間であってもよく、10〜250分間がより好ましく、30〜180分間が特に好ましい。合成時間が下限の5分未満になると、未反応の金属化合物が残存しやすくなり、他方、上限の300分間を超えると、粗大な核が生成し所望の大きさの金属ナノ粒子が得られない。
以上に説明した本実施形態によれば、ナノ粒子の焼結において、例えば、フラックスを用いて表面の酸化膜を除去したナノ粒子、又は保護分散剤を含まないナノ粒子等を、プレス加圧を用いて低温焼結させることにより、従来よりも低温・短時間で酸化することなく機能性焼結緻密膜を形成することができる。このように形成された機能性焼結緻密膜は、例えば、エレクトロニクス分野における配線や電極、又は、硬度が求められるハードコーティング膜等に好適である。特に、六価クロムの使用が問題になっているCrメッキ代替技術として、本実施形態の機能性焼結緻密膜の形成方法は有用である。
以下に、本発明の実施形態に係る機能性焼結緻密膜の形成方法およびナノ粒子合成方法の実施例を示す。
ナノ粒子として、酸化錫ナノ粒子(平均粒径20nm)を用いた。この酸化錫ナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に1g充填し、プレス機を用いて50MPa以上の圧力を印加した。酸化錫ナノ粒子は、100MPaの圧力を印加することによって、拡散・溶解し、室温で焼結し、焼結体(機能性焼結緻密膜)が得られた。図1は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図1に示すように、粒子が大きく成長しナノ粒子が焼結している様子が観察された。
ナノ粒子として、銅粒子(平均粒径50nm)を用いた。この銅ナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に1g充填し、プレス機を用いて、室温で100MPa、10分の圧力を印加した。図2は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図2に示すように、部分的に粒子が成長しナノ粒子が焼結している様子が観察された。
ナノ粒子として、銅粒子(平均粒径50nm)を用いた。この銅ナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に1g充填し、プレス機を用いて、150℃で10MPa、30分の圧力を印加した。図3は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図3に示すように、全体で粒子が成長しナノ粒子が焼結している様子が観察された。図4の上段は、この焼結膜をX線回折(XRD)で調べた結果を示す。図4の上段に示すように、高温度成膜にも関わらず、銅ナノ粒子は酸化されず、焼結が進行していることが確認された。すなわち、プレス型・プレス圧力によって、酸化が抑制され、金属ナノ粒子の焼結が進行することが確認された。
(比較例1)
ナノ粒子として、銅粒子(平均粒径50nm)を用いた。この銅ナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に1g充填し、プレス機を用いないで、大気中150℃で30分焼結を行った。図4の下段に、プレス加圧無しで得られた焼結膜のXRDパターン示す。図4の下段に示すように、全体で粒子が酸化していた。
ナノ粒子として、クロム粒子(平均粒径40nm)を用いた。このクロムナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に0.2g充填し、プレス機を用いて、室温で500MPa、1時間の圧力を印加した。図5は、上記圧力を印加後に得られた膜の光学顕微鏡写真を示す。図5に示すように、部分的に粒子が成長しナノ粒子が焼結している様子が観察された。
ナノ粒子として、クロム粒子(平均粒径40nm)を用いた。このクロムナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に0.2g充填し、プレス機を用いて、400℃で500MPa、3時間の圧力を印加した。図6は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図6に示すように、高温度成膜にも関わらず、クロムナノ粒子は酸化されず、焼結が進行していることが確認された。すなわち、プレス型・プレス圧力によって、酸化が抑制され、金属ナノ粒子の焼結が進行することが確認された。
ナノ粒子として、クロム粒子(平均粒径40nm)を用いた。このクロムナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に0.2g充填し、フラックスを添加した後に、プレス機を用いて、400℃で500MPa、3時間の圧力を印加した。図7は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図7に示すように、高温度成膜にも関わらず、クロムナノ粒子は酸化されず、フラックスを加えることによって焼結が進行していることが確認された。すなわち、プレス型・プレス圧力によって、酸化が抑制され、フラックスを加えることによって金属ナノ粒子の焼結が進行することが確認された。
クロムナノ粒子原料としてクロムカルボニル(Cr(CO)6)粉末、溶媒として1-デカノールを用いた。溶媒50mlに原料5mmol投入し、窒素ガスバブリングを行い、溶存酸素を除去しながら、40℃で周波数50kHz、150Wの超音波を照射して、クロムナノ粒子原料を熱分解することにより、クロムナノ粒子を合成した。合成したクロムナノ粒子の写真並びに、平均粒径及び粒度分布を図8(a)に示す。図8(a)に示すように、1-デカノールを用いて合成したクロムナノ粒子は、分散保護剤なしでも溶液中に長時間(1年以上)分散していた。また、合成したクロムナノ粒子の粒子径を評価したところ、1-デカノールを使用した場合、平均粒子径が5.6nm、標準偏差が0.68であった。すなわち、本実施例により、シングルナノメーターサイズで非常に標準偏差が小さい粒子の合成が可能であった。
尚、図8(b)に示すように、1-デカノールに代えて、ジメチルイミダゾール(イミダゾリジノン)溶媒を用いて合成したクロムナノ粒子の場合、平均粒子径が8.0nmで標準偏差が1.45であった。
また、以上のように超音波照射により得られたクロムナノ粒子は、電子回折の結果、アモルファスライクであることが推測される。
ナノ粒子として、実施例7で合成したクロムナノ粒子を用いて焼結を行った。このクロムナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に0.2g充填し、フラックスを添加した後に、プレス機を用いて、400℃で500MPa、3時間の圧力を印加した。図9は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図9に示すように、分散保護剤が無いことによって、焼結が非常に進んだ様子が確認された。また、焼結が進むことによって、硬度も上昇した。
ナノ粒子として、クロム粒子(平均粒径40nm)を用いた。このクロムナノ粒子を円柱形のプレス型(内径10mm)に0.2g充填し、フラックスを添加した後に、プレス機を用いて、400℃で500MPa、3時間の圧力を印加した。圧力を印加する際にテフロンシート及び金属ワッシャー(2種類)をシール材として用いた。図10は、上記圧力を印加後に得られた膜の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。尚、図10には、比較のため、フラックス添加無しでテフロンシートをシール材として用いた結果も示している。図10に示すように、高温度成膜にも関わらず、クロムナノ粒子は酸化されず、フラックスを加えることによって焼結が進行していることが確認された。すなわち、プレス型・プレス圧力によって、酸化が抑制されると共に、フラックスを加え。シール材で効率的に圧力を加えることによって、金属ナノ粒子の焼結が進行することが確認された。
ナノ粒子として、クロム粒子(平均粒径40nm)を用いた。このクロムナノ粒子を円柱形のプレス型(内径5mm)に0.2g充填し、フラックスを添加した後に、プレス機を用いて、200℃、300℃、400℃で350MPa、2〜3時間の圧力を印加した。圧力を印加する際に、テフロンシート及びニッケルワイヤーをシール材として用いた。図11は、上記圧力を印加後に得られた焼結体のうちの、一部の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。尚、図11には、比較のため、フラックス添加無しでの結果も示している。図11に示すように、高温度成膜にも関わらず、クロムナノ粒子は酸化されず、フラックスを加えることによって焼結が進行していることが確認された。また、膜硬度(HV)もフラックスとシール材を用いることによって大きくなった。すなわち、プレス型・プレス圧力によって、酸化が抑制されると共に、フラックスを加え、ニッケルシール材で効率的に圧力を加えることによって金属ナノ粒子の焼結が進行することが確認された。
以上、発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

Claims (5)

  1. プレス加圧を用いて、プレス型で直接、クロムから成るナノ粒子全体を密封して、前記ナノ粒子を焼結させることにより、機能性焼結緻密膜を形成することを特徴とする機能性焼結緻密膜の形成方法。
  2. 請求項1に記載の機能性焼結緻密膜の形成方法において、
    大気雰囲気下で前記機能性焼結緻密膜を形成することを特徴とする機能性焼結緻密膜の形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の機能性焼結緻密膜の形成方法において、
    フラックスを用いて前記ナノ粒子の焼結を促進させることを特徴とする機能性焼結緻密膜の形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性焼結緻密膜の形成方法において、
    シール材を用いて前記機能性焼結緻密膜を形成することを特徴とする機能性焼結緻密膜の形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性焼結緻密膜の形成方法に用いられるナノ粒子の合成方法であって、
    保護分散剤を用いることなく、ナノ粒子原料を溶媒に投入して還元することによって前記ナノ粒子を合成することを特徴とするナノ粒子合成方法。
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