JP6280764B2 - リバース圧延機における被圧延材の形状制御方法 - Google Patents

リバース圧延機における被圧延材の形状制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、リバース圧延機(以下、単に圧延機と示す場合がある。)を用いて金属帯(被圧延材)を圧延する際、圧延開始時から良好な形状が得られるように圧延条件を設定し、被圧延材の形状を制御する方法に関する。
一般的に、冷間圧延では、(1)圧延材コイル(被圧延材をコイル状に巻いてなるもの)から取り出した被圧延材の圧延開始時に、ロールベンダー、ロールシフト、バックアップロールのクラウン調整機構等の形状制御手段を初期設定する工程、(2)被圧延材の圧延中において、圧延機出側に配置された形状検出器で圧延中の被圧延材形状を測定し、該測定結果に基づいて上記形状制御手段の制御量を補正する工程、を有した、被圧延材の形状制御方法が採用されている。
上記圧延開始時から圧延材コイル全長にわたって良好な形状を得るためには形状制御手段の初期設定が重要であり、上記圧延開始時の形状制御手段の初期設定が適正値から大きくずれていると、形状検出器による測定結果に基づいて形状制御手段の制御量を補正する際に適正値に達するまでに時間を要し、圧延材コイルのトップ部の形状が悪化する。
このような問題を解消するため、本発明者等は、板幅方向に沿った複数個所の伸び率差で被圧延材形状を評価し、伸び率差を圧延荷重及び形状制御手段の関数で表した形状予測式を使用することにより圧延開始時より板幅全体にわたって良好な形状をもつ鋼帯を製造する方法を開発し、下記特許文献1で紹介した。しかし、下記特許文献1における方法は、素材クラウンの影響を考慮することなく、圧延荷重及び形状制御手段の関数で形状予測式を表している。
従って、大径ワークロールを使用する4段圧延機等による圧延では、該ワークロールのたわみ変形が小さく、素材クラウンの影響が大きくなる。このような圧延で形状検出器による被圧延材形状の測定結果に基づいた圧延中の形状制御に先立って、上記形状予測式により形状制御手段を初期設定すると、圧延の初期に形状不良が発生しやすい。
また、下記特許文献1における方法は、被圧延材の圧延前形状の影響が小さいことを前提としたものであり、該圧延前形状が良好であったり、圧下率が大きく該圧延前形状が残存しにくいものであったりする場合には、良好な形状を得ることができる。しかし、スキンパス圧延のように圧下率が小さい圧延条件において下記特許文献1における方法を適用すると、被圧延材の圧延前形状が良好でない場合に該圧延前形状が残存し、良好な形状を得ることができない場合がある。
そこで、本発明者等は、素材クラウン、及び、被圧延材の圧延前形状の両方の影響を取り込んだ数式モデルである新たな形状予測式を用いてプリセット制御を行うことにより、圧延開始時より良好な形状をもつ鋼帯を製造する方法を開発し、下記特許文献2で紹介した。
特開平11−267727号公報 特開2005−177818号公報
4段圧延機又は6段圧延機による圧延のように、複雑なたわみ変形を生じにくい大径のワークロールを使用する場合において、上記特許文献2に記載の方法を用いて被圧延材の形状制御を行えば、被圧延材形状を精度よく予測することが可能となり、圧延開始時より板幅全体にわたって良好な形状が得られる。
しかし、20段センジミア圧延機等の小径のワークロールによる圧延においては、該ワークロールのたわみ変形が複雑となるため、被圧延材形状を精度よく予測することが困難となる。そうすると、圧延開始時の形状制御手段の初期設定が適正値からずれるため、形状検出器による測定結果に基づいて形状制御手段の制御量を補正する際に適正値に達するまでに時間を要し、圧延材コイルのトップ部の形状が悪化することがあった。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、被圧延材の圧延開始時より板幅全体にわたって良好な形状が得られるとともに、圧延材コイルのトップ部の形状を良好なものとすることが可能なリバース圧延機における形状制御方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るリバース圧延機における被圧延材の形状制御方法は、被圧延材を正転、逆転圧延する圧延パスを行う圧延パス工程を有した、リバース圧延機における被圧延材の形状制御方法であって、
前記リバース圧延機は、板状の被圧延材と直接接触し当該被圧延材を圧延する一対のワークロールと、当該ワークロールを回転可能とする中間ロールと、当該中間ロールを回転可能とするバックアップロールと、前記被圧延材の形状を制御する形状制御手段とを備え、前記形状制御手段は、前記被圧延材の板幅方向における前記中間ロールのシフト位置および前記バックアップロールの各サドルの圧下量を制御量として制御を行うものであり、前記圧延パス工程において、最終の圧延パスと、最終の一つ前の圧延パスとの前記被圧延材に対する圧延荷重が同等となるように圧延条件を設定するとともに、前記最終の一つ前の圧延パスにおける圧延後に測定した前記被圧延材の形状を目標形状に近づけるように形状制御手段の制御量を必要に応じて補正し得られた前記被圧延材の最尾端部の形状制御手段の値を前記最終の圧延パスの形状制御手段の初期値として設定することを特徴とする。
ここで、「被圧延材の最尾端部」とは、被圧延材の終端部(圧延された際の被圧延材の終端部)を指す。
(2)上記(1)のリバース圧延機における被圧延材の形状制御方法においては、前記圧延条件が、前記最終の圧延パス及び前記最終の一つ前の圧延パスにおける被圧延材の板厚、並びに、前記最終の圧延パス及び前記最終の一つ前の圧延パスにおける圧延機入側のユニット張力及び圧延機出側のユニット張力、であることが好ましい。
上記(1)〜(2)の構成によれば、被圧延材の圧延開始時より板幅全体にわたって良
好な形状が得られるとともに、圧延材コイルのトップ部の形状を良好なものとすることが
可能である。
20段センジミア圧延機におけるロールを説明するための概略図である。 20段センジミア圧延機における中間ロールシフトを説明するための概略図である。 20段センジミア圧延機におけるバックアップロールを説明するための概略図である。 圧延荷重、第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを同等にして圧延したときの最終の一つ前のパスと最終パスの板端部の板幅中央Cに対する伸び率差とを比較したグラフである。 圧延荷重、第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを同等にして圧延したときの最終の一つ前のパスと最終パスのクォ−タ部の板幅中央Cに対する伸び率差とを比較したグラフである。 本発明に係る実施例において圧延された鋼帯の急峻度、及び、比較例において圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係るリバース圧延機における被圧延材の形状制御方法(以下、単に形状制御方法と示す場合あり。)の一例について説明する。
本実施形態に係る形状制御方法は、リバース圧延機における被圧延材の形状を制御するものであり、該被圧延材を正転、逆転圧延する圧延パスを行う圧延パス工程を有している。この圧延工程においては、最終の圧延パスと、最終の一つ前の圧延パスとの被圧延材に対する圧延荷重が同等となるように圧延条件を設定するとともに、最終の一つ前のパスの自動形状制御において得られた被圧延材の最尾端部の形状制御手段の値を最終パスの形状制御手段の初期値として設定する。
ここで、上記圧延条件としては、例えば、最終の圧延パス及び最終の一つ前の圧延パスにおける被圧延材の板厚、並びに、最終の圧延パス及び最終の一つ前の圧延パスにおける圧延機入側のユニット張力及び圧延機出側のユニット張力である。なお、この圧延条件は、上記の板厚、ユニット張力に限られず、他のものを用いる場合もある。
また、最終の一つ前のパスの自動形状制御における被圧延材の最尾端部の形状制御手段の値(制御量)は、以下の2つの方法のうちいずれか一つによって得られる。すなわち、第一の方法としては、形状検出器で測定された最終の一つ前のパスの被圧延材の圧延形状をパターン化するとともに、パターン化された該圧延形状に対して各形状制御手段をどう動かすかのルールを予め決めておき、目標形状に近づくように、一つ前のパスの形状制御手段の制御量を適宜補正し変化させる。第二の方法としては、被圧延材の圧延形状を板幅方向の複数の代表位置の板幅中央位置に対する伸び率差で評価するとともに、各伸び率差の増分を各形状制御手段の制御量の増分の関数で表し、形状検出器で測定された被圧延材の圧延形状から得られる各伸び率差が目標形状に近づくように、最終の一つ前の形状制御手段の制御量を適宜補正し変化させる。
ここで、形状制御手段とは、ロールベンダー(圧延用ロールをロール胴長と垂直方向に曲げるもの)、ロールシフト(圧延用ロールを板幅方向にシフトするもの)、バックアップロールのクラウン調整機構(バックアップロールの各サドルの圧下量を可変とする機構)等のことである。以下では、形状制御手段としてバックアップロールのクラウン調整機構と第1中間ロールシフトとを有する20段センジミア圧延機を例に挙げて説明する。なお、4段圧延機、6段圧延機、12段圧延機等他の圧延機に対しても同様に本発明が適用されることは勿論である。
図1は、20段センジミア圧延機におけるロールを説明するための概略図である。図2は、20段センジミア圧延機における中間ロールシフトを説明するための概略図である。図3は、20段センジミア圧延機におけるバックアップロールを説明するための概略図である。
本実施形態に係る被圧延材の形状制御方法を使用することが可能なリバース圧延機は、図1〜図3に示したように、板状の被圧延材1と直接接触し、被圧延材1を圧延する一対のワークロール2と、ワークロール2を回転可能とする4本の第1中間ロール3と、第1中間ロール3を回転可能とする6本の第2中間ロール4と、第2中間ロール4を回転可能とする8本のバックアップロール10と、を有した20段センジミア圧延機である。
ここで、第一中間ロールシフトについて説明する。図2に示すように、該20段センジミア圧延機の主要部である第1中間ロール3それぞれの一端部には、3段テーパ3aがそれぞれ付与されている。3段テーパ3aの最も外側のテーパ開始点から板幅中央線Cまでの距離Lsでシフト位置を定義する。3段テーパは、図2に示した4本の第1中間ロール3のそれぞれに設けることができる。被圧延材の形状制御のため、このLsを変化させること第1中間ロールシフトと呼ぶ。
次に、クラウン調整機構について説明する。図3に示すように、バックアップロール10は7個のサドル11(No.1〜No.7)と6個のベアリング12とから構成されており、中央のNo.4のサドル11に対する各サドルの相対的な圧下位置でバックアップロール10のクラウン調整量を定義する。
具体的には、No.4のサドル11に対するNo.1及びNo.7のサドル11の相対的な圧下位置の平均をS、No.4のサドル11に対するNo.2及びNo.6のサドル11の相対的な圧下位置の平均をS、No.4のサドル11に対するNo.3及びNo.5のサドル11の相対的な圧下位置の平均をSとする。被圧延材の形状制御のため、このS、S、Sを変化可能とする機構をクラウン調整機構と呼ぶ。
上記リバース圧延機において、普通鋼鋼帯(被圧延材)をリバース圧延する際に最終の一つ前のパスと最終パスの圧延荷重、第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを種々変更しながら、それぞれの値が最終の一つ前のパスと最終パスで同等になるように圧延する。具体的には、以下のとおりである。すなわち、板端部の板幅中央に対する伸び率差をεe、クォータ部の板幅中央に対する伸び率差をεq、圧延荷重をPとすると、εe、εqはそれぞれ下記(1)式、(2)式のように、圧延荷重P、第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sの関数で表される。
εe=f(P,Ls,S,S,S) (1)
εq=g(P,Ls,S,S,S) (2)
なお、上記(1)、(2)式は通常は近似的に線形和の式で表す。圧延荷重P、第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを種々変更することにより、上記εe、εqを変更するが、このとき最終の一つ前のパスと最終パスのP、Ls、S、S、Sの値が同等であれば、最終の一つ前のパスと最終パスのεe、εqはほぼ同等になる。これにより、最終の一つ前のパスと最終パスの被圧延材の形状は同等のものとなる。
なお、被圧延材の形状に及ぼす影響要因には、被圧延材の寸法,被圧延材の材質,潤滑状態,圧延機入側のユニット張力、圧延機出側のユニット張力、圧延荷重、各形状制御手段の制御量、圧延前クラウン量、圧延前形状、ワークロールクラウン量等があるが、このうち一つの圧延条件以外の条件を固定して、その一つの圧延条件を変更した場合の形状変化で影響要因は定義される。具体的には、例えば、圧延材の寸法、圧延材の材質、潤滑状態、圧延機入側のユニット張力、圧延機出側のユニット張力、圧延荷重、各形状制御手段の制御量のうちバックアップロールのクラウン調整量S、S、S3、圧延前クラウン量、圧延前形状、ワークロールクラウン量を固定して、第1中間ロールシフト位置Lsを変更したときの形状変化で第1中間ロールシフト位置Lsの影響度を求めることができる。また、上記影響要因のうち、被圧延材の寸法については、最終パスと最終の一つ前のパスとの寸法の差は小さく、被圧延材の形状に及ぼす影響のほとんどは圧延荷重を介したロール撓みの変化によって生じるとしても誤差は小さい。被圧延材の材質,潤滑状態,圧延機入側のユニット張力、圧延機出側のユニット張力、も被圧延材の形状に影響するが、その影響のほとんどは圧延荷重を介したロール撓みの変化によって生じる。
また、圧延前クラウン量の板厚に対する比率は圧延方向の同一部では最終パスと最終の一つ前のパスではほとんど同じであり、被圧延材の形状に及ぼす影響もほとんど同じである。最終の一つ前のパスの最尾端部は自動形状制御により良好な形状になっており、被圧延材の圧延前形状が圧延後形状に及ぼす影響は小さい。また、ワークロールクラウン量は、サーマルクラウンの影響を含めて、最終パスと最終の一つ前のパスとを比較してほとんど同じである。
したがって、圧延方向の同一部における最終パスと最終の一つ前のパスとの被圧延材の形状の差は、主に圧延荷重と形状制御手段の制御量の差によって生じ、最終パスと最終の一つ前のパスとの圧延荷重及び形状制御手段の制御量が同等であれば、被圧延材形状もほぼ同等になるといえる。
ここで、Shohet(ショーエット)の分割モデルを用いて、本実施形態に係る方法のシミュレーションを行った。シミュレーションの前提条件としては、板幅900mm、板厚1.5mmの普通鋼鋼帯を被圧延材として用いることとし、20段センジミア圧延機において8パスで0.5mmにリバース圧延するものとした。具体的なシミュレーション条件は表1のとおりである。シミュレーションは、13とおりの圧延条件において行い、この表には各シミュレーションの最終パスと最終の一つ前のパスにおける圧延荷重、第1中間ロールシフト位置Ls、バックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを記載した。
本シミュレーションを行った結果、図4、図5に示す結果が得られた。ここで、条件1〜13の結果は、図4、図5の各グラフの下から上に向かう13個に順に対応している。なお、図4、図5に示すように板端から20mm位置で評価した板端部の板幅中央Cに対する伸び率差、板幅中央Cから65%の位置で評価したクォータ部の板幅中央Cに対する伸び率差のいずれもが、最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)とでほぼ一致した。なお、このシミュレーションによる理論的見解は、後述する実施例における実機圧延において確認した。確認した事項を以下に示す。
次に、本発明について実施例を用いて説明する。本実施例に係るリバース圧延機は、上記実施形態において説明した20段センジミア圧延機と同構造であり、ワークロールには径が75mmのものを用いた。また、被圧延材の形状を検出するための機器として、ABB株式会社製の接触式の形状検出器を用いた。この形状検出器は、圧力センサーを内蔵した分割式のロール(板幅方向中央部52mmピッチ、板幅方向端部26mmピッチ)であり、これを圧延中の被圧延材に接触させて測定した板幅方向の圧力分布から、圧延形状を算出することができる。これは、板幅方向で相対的に伸びた部分は張力が小さくなるため、測定される圧力が小さくなることを利用している。また、被圧延材として、板幅900mm、板厚1.5mmの普通鋼鋼帯を用い、上記20段センジミア圧延機において8パスで0.5mmにリバース圧延する実験を行った。具体的な実験方法は以下のとおりである。
圧延荷重式により圧延荷重を予測計算し、最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)の圧延荷重が一致するように、各パスの圧延後の被圧延材の板厚と、各パスの入出側それぞれのユニット張力とを設定し、最終の一つ前のパス(第7パス)の入出側それぞれの被圧延材の板厚を0.620mm、0.554mm、最終の一つ前のパス(第7パス)の入出側ユニット張力をそれぞれ200N/mm、250N/mmとし、最終パスの入出側それぞれの被圧延材の板厚を0.554mm、0.500mm、入出側ユニット張力をそれぞれ200N/mm、250N/mmとした。
なお、ここでは、圧延荷重式として、下記(3)〜(8)のHillの圧延荷重式を用いて圧延荷重を計算した。
P=b・L・(k−(σb+σf)/2)・fp (3)
L=√(R’・(H−h)) (4)
fp=1.08+1.79・μ・r・√(1−r)・√(R’/h)−1.02・r (5)
r=(H−h)/H (6)
R’=R・(1+C・P/(H−h)) (7)
C=16・(1−ν)/(π・E) (8)
ここで、Pは圧延荷重、bは板幅、Hは圧延機入側板厚、hは圧延機出側板厚、rは圧下率、Rはロール半径、R’は扁平ロール半径、kは材料の変形抵抗、σbは圧延機入側のユニット張力、σfは圧延機出側のユニット張力、μは摩擦係数、Eはヤング率、νはポアソン比、Lは接触弧長、fpは圧下力関数である。また、Cは(7)式を簡潔に表記するための定数である。
また、最終の一つ前のパス(第7パス)の自動形状制御において得られた被圧延材の最尾端部の中間ロールシフト位置Lsは390mm、バックアップロールのクラウン調整量S、S、Sはそれぞれ−0.015mm、−0.015mm、−0.010mmであり、これらの値を最終パス(第8パス)の中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sの初期値として、本実施例に係るリバース圧延機にて圧延を開始するとともに、圧延開始後は形状検出器の出力値に基づいて自動形状制御により圧延した。
また、このときの最終の一つ前のパス(第7パス)の最尾端部における圧延荷重は3350kN、最終パス(第8パス)の最先端部における圧延荷重は3300kNと最終の一つ前のパスと最終パスの圧延荷重は同等であった。
本実施例に係るリバース圧延機にて上述の圧延を行った結果、板端から20mm位置で評価した板端部の板幅中央Cに対する伸び率差、板幅中央Cから65%の位置で評価したクォータ部の板幅中央Cに対する伸び率差のいずれも最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)とでほぼ一致した。
すなわち、最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)との圧延荷重が同等になるように圧延条件(例えば、最終の圧延パス及び最終の一つ前の圧延パスにおける被圧延材の板厚、並びに、最終の圧延パス及び最終の一つ前の圧延パスにおける圧延機入側のユニット張力及び圧延機出側のユニット張力)を設定するとともに、最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)の第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを同等にして圧延すれば、最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)の圧延材形状が圧延方向の同一部ではほぼ同等になることが判明した。つまり、本実施例において、上記シミュレーションの結果とほぼ同様の結果が得られた。
したがって、最終の一つ前のパス(第7パス)と最終パス(第8パス)の圧延荷重が同等になるように圧延条件を設定し、最終の一つ前のパス(第7パス)の自動形状制御において得られた被圧延材の最尾端部の中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを最終パス(第8パス)のそれぞれの初期値として自動形状制御を行えば、圧延開始時より板幅全体にわたって良好な形状が得られることになる。
また、比較のため、従来法として、特開2005−177818号に記載の方法により、圧延荷重、第1中間ロールシフト位置Ls、バックアップロールのクラウン調整量S、S、S、素材クラウン量、圧延前形状を変数とした形状予測式に素材クラウン量、圧延前形状の測定値及び圧延荷重の予測値を代入し、目標とするフラットな形状が得られる第1中間ロールシフト位置Ls及びバックアップロールのクラウン調整量S、S、S、を算出し、中間ロールシフト位置Lsを385mmに、バックアップロールのクラウン調整量S、S、Sを−0.025mm、−0.020mm、−0.015mmにそれぞれ初期設定してから圧延を開始するとともに、圧延開始後は形状検出器の出力値に基づいて自動形状制御により圧延した。この比較例において圧延された鋼帯の急峻度の結果と、本発明に係る実施例において圧延された最終パス後の鋼帯の急峻度の結果を図6に示す。図6に示した急峻度は、圧延された鋼帯の全長に渡り、長手方向の各位置において、鋼帯の幅方向に渡ってあらかじめ定めておいた複数の測定位置にて急峻度を測定して、そのうち最大の値を示した急峻度である。
図6のグラフから、本実施例により圧延した鋼帯は、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.8%以内に収められており、良好な形状に圧延されていたことが分かる。これに対し、特開2005−177818号の方法により圧延した鋼帯は、圧延初期において急峻度が1.0%を超えていた。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、上述した実施形態及び実施例においては、被圧延材の形状制御手段として、バックアップロールのクラウン調整機構と第1中間ロールシフトを用いだが、該形状制御手段は、これらに限ったものではなく、4段圧延機ではワークロールベンダーを使用し、最終の一つ前のパスの自動形状制御において得られた被圧延材の最尾端部のワークロールベンダー力を最終パスのワークロールベンダー力の初期値として自動形状制御を行えばよい。
また、6段圧延機では形状制御手段としてワークロールベンダー、中間ロールベンダー及び中間ロールシフトを使用し、最終の一つ前のパスの自動形状制御において得られた圧延材コイルの最尾端部のワークロールベンダー力、中間ロールベンダー力及び中間ロールシフト位置を最終パスのワークロールベンダー力、中間ロールベンダー力及び中間ロールシフト位置の初期値として自動形状制御を行えばよい。
また、上記実施例においては、圧延荷重式としてHillの式を用いたが、Hillの式に限定するものではなく、Bland & Fordの式など他の圧延荷重式を使用してもよい。
1 被圧延材
2 ワークロール
3 第1中間ロール
3a 3段テーパ
4 第2中間ロール
10 バックアップロール
11 サドル
12 ベアリング

Claims (2)

  1. 被圧延材を正転、逆転圧延する圧延パスを行う圧延パス工程を有した、リバース圧延機における被圧延材の形状制御方法であって、
    前記リバース圧延機は、板状の被圧延材と直接接触し当該被圧延材を圧延する一対のワークロールと、当該ワークロールを回転可能とする中間ロールと、当該中間ロールを回転可能とするバックアップロールと、前記被圧延材の形状を制御する形状制御手段とを備え、
    前記形状制御手段は、前記被圧延材の板幅方向における前記中間ロールのシフト位置および前記バックアップロールの各サドルの圧下量を制御量として制御を行うものであり、
    前記圧延パス工程において、最終の圧延パスと、最終の一つ前の圧延パスとの前記被圧延材に対する圧延荷重が同等となるように圧延条件を設定するとともに、前記最終の一つ前の圧延パスにおける圧延後に測定した前記被圧延材の形状を目標形状に近づけるように形状制御手段の制御量を必要に応じて補正し得られた前記被圧延材の最尾端部の形状制御手段の値を前記最終の圧延パスの形状制御手段の初期値として設定する
    ことを特徴とするリバース圧延機における被圧延材の形状制御方法。
  2. 前記圧延条件が、前記最終の圧延パス及び前記最終の一つ前の圧延パスにおける被圧延材の板厚、並びに、前記最終の圧延パス及び前記最終の一つ前の圧延パスにおける圧延機入側のユニット張力及び圧延機出側のユニット張力、である
    ことを特徴とする請求項1に記載のリバース圧延機における被圧延材の形状制御方法。
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