JP7200918B2 - 鋼板の冷間圧延方法及び冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の冷間圧延方法及び冷延鋼板の製造方法に関する。
鋼板の冷間圧延方法としては、例えば特許文献1に記載の方法がある。
特許文献1には、電磁鋼板や高強度鋼板のような難圧延材でも板破断を起こすことなく冷間圧延する方法として、圧延機出側の鋼板板幅端部のユニット張力がゼロとなるように、アクチュエーターで鋼板形状を制御して圧延することが記載されている。
特開2019-141874号公報
しかしながら、ゼンジミア圧延機が対象とする材料は、高張力で圧延する材料であることから、ゼンジミア圧延機による圧延では、板幅端部におけるユニット張力をゼロにすることは困難である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、ゼンジミア圧延機での圧延において、より安定して圧延可能な技術を提供することを目的とする。
発明者らは、ゼンジミア圧延機による圧延において、板温が高温となる圧延パスでは、サーマルクラウンの成長により板幅端部が張り形状となり、より板幅端部におけるユニット張力をゼロにすることは困難であるとの知見を得た。更に、発明者らは、同一材料で且つ同一の最終目標板形状であっても、ゼンジミア圧延機により圧延する鋼板の板温に応じて、各パスでの鋼板の目標形状を変更することで、より安定して圧延が可能となるという知見を得た。
そして、課題解決のため、本発明の一態様である鋼板の冷間圧延方法は、ゼンジミア圧延機により鋼板を複数パス冷間圧延する冷間圧延方法であって、上記複数のパスの内、圧延する鋼板の板温が200℃以上と判定された第1のパスにおける鋼板の目標形状を、圧延する鋼板の板温が200℃未満と判定された第2のパスにおける鋼板の目標形状よりも耳伸び形状に設定することを要旨とする。
また、本発明の他の態様は、上記一態様の鋼板の冷間圧延方法による冷間圧延工程を含む冷延鋼板の製造方法である。
本発明の態様によれば、圧延される鋼板の板温に応じて圧延パスの目標形状を変更することで、ゼンジミア圧延機による圧延がより安定して実施できる。この結果、本発明の態様によれば、目的とする冷延鋼板を得ることが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係るゼンジミア圧延機を示す図である。 中間ロールをシフトする中間ロールシフト機構を説明する図である。 形状制御部の構成を説明する図である。 目標形状の例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、図1のように、ゼンジミア圧延機1で鋼板10を複数パス、リバース圧延して、冷延鋼板を製造する。このとき、本実施形態では、圧延パス毎に、鋼板10の表面の板温を判定(推定)し、鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、当該パスにおいて圧延による鋼板10の目標形状を、より耳伸び形状となる板形状に設定して、ゼンジミア圧延機1で鋼板10を圧延する。
本実施形態では、圧延される鋼板の板温に応じて圧延パスの目標形状を変更し、上記の複数パスを、圧延パスの目標形状の条件に応じて、第1のパスと第2のパスとに分類する。具体的には、上記の複数パスのうち、圧延される鋼板の板温が200℃以上と判定されたパスを第1のパスとし、圧延される鋼板の板温が200℃未満と判定されたパスを第2のパスとする。
なお、本実施形態で、「パス」とは、鋼板10がゼンジミア圧延機1を通過し圧下を受ける工程を示し、一方向に通過した単位を一工程(1パス)という。したがって、鋼板10がゼンジミア圧延機1を一方向に通過した後、逆方向に通過した場合、合計のパス数は2である。
ここで、「より耳伸び形状」とは、相対的に耳伸び形状をより増大させることであり、鋼板10の目標形状として、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、鋼板両端部のI-unit値を、より大きな値の板形状に設定することである。なお、本実施形態において、鋼板10の板温が200℃未満の場合に、鋼板10の目標形状を必ずしも耳伸び形状とする必要はない。本実施形態は、ゼンジミア圧延機1で圧延する鋼板10の板温が200℃以上と200℃未満とで、他の圧延条件が同一でも、圧延の目標形状を変更することに特徴の1つがある。
<I-unit値>
一般に、鋼板等の帯状形状の評価方法として、急峻度あるいは伸び差率が用いられる。急峻度λは、帯の長手方向(圧延方向)の波の高さHと波のピッチLとを用いて、次式で表される。
λ=H/L
また、伸び差率Δεは、伸び部分の長さΔLを用いて、次式で表される。
Δε=ΔL/L
そして、伸び差[I-unit]は、ε×10で表される。単位伸び差である1I-unitは、基準長さL=1m(=1000mm)に対して、伸び部分の長さΔLが10μm(0.01mm)である次式で与えられる。
1I-unit=0.01mm/1000mm
すなわち、1I-unit=1.0×10-5で表される。この伸び差[I-unit]が大きいほど、帯状形状が耳伸び形状であることを意味する。I-unit値の測定には、非接触三次元測定装置が用いられる。
以下、本実施形態について詳説する。
<ゼンジミア圧延機1>
ゼンジミア圧延機1は、図1に示すように、鋼板10(圧延材)を上下から圧延する一対のワークロール1a、第1中間ロール1b、第2中間ロール1c、及びバックアップベアリング1d(バッキングアッセンブリ)から構成される。
ゼンジミア圧延機1は、鋼板10の搬送方向(パスラインの向き)を一方向(例えば紙面左から右方向)及び逆方向(例えば紙面右から左方向)に切り替えて鋼板10を往復圧延(リバース圧延)することが可能な構成となっている。また、ゼンジミア圧延機1の上流側及び下流側にそれぞれリール2が配置されている。リール2は、圧延に応じて、鋼板10を巻取り及び巻戻しの双方の機能を果たす。
ゼンジミア圧延機1は、図2に示すような、鋼板形状を制御する機構として、中間ロールをシフトする中間ロールシフト機構を備える。すなわち、第1中間ロール1bは、図2に示すように、軸方向一端側がテーパ形状となっており、鋼板10の形状を制御する際には、第1中間ロール1bをアクチュエーター4によって板幅方向にシフトすることで、ワークロール1aに対する荷重が制御され、鋼板10の形状が目標形状となるように圧延される。第1中間ロール1bのシフト制御は、アクチュエーター4に供給されるシフト制御部3Cからの信号によって実行される。
図2(b)は、図2(a)に対し、第1中間ロール1bを所定量だけシフトした状態を示している。
<冷間圧延>
上記構成のゼンジミア圧延機1を用い、圧延材である鋼板10を、予め設定したパス数だけリバース圧延を実行して、目的とする冷延鋼板を製造する。ここで、目的とする冷延鋼板の板厚などに合わせてパススケジュールが設定され、各パスでの圧延条件が設定される。
本実施形態の冷間圧延方法の形状制御部3は、図3に示すように、パス温度判定部3Aと、形状設定部3Bと、シフト制御部3Cとを備える。
<パス温度判定部3A>
パス温度判定部3Aは、目的とする冷延鋼板を製造する際の、各圧延パスでの鋼板10の板温を判定する。
ここで、鋼板10は、ゼンジマ圧延機によって圧延されることで、加工発熱により板温が上昇する。加工発熱による板温の上昇量は、鋼板10の材質や、各圧延によってどの程度まで板を薄くするかなどによって異なる。ここでは鋼板10が、例えば5パス程度で200℃以上に至ることとする。
そして、本実施形態では、予め設定されたパススケジュールに基づき、圧延パスのうち、どのパスで板温が200℃以上の状態で圧延が実行されるか、事前に判定可能である。
すなわち、パス温度判定部3Aは、予め設定されたパススケジュールに基づき、各パスでの圧延による加工発熱量を推定し、その推定値から、各パスで圧延する鋼板10の板温が200℃以上か否かを判定(推定)する。
なお、各パスでの圧延後に、適宜、デスケーリングが実行される場合には、そのデスケーリングによる温度降下分も含めて、次パスの板温判定を実行する。
また、図1に示すように、圧延機の入側及び出側に温度センサ20を配置し、パス温度判定部3Aは、1つ前のパス出側で温度センサ20が検出した板温から、対象とするパスでの鋼板10の板温を判定しても良い。このとき、デスケーリング設備を有する場合、温度センサ20は、デスケーリング設備の出側に設けること好ましい。
<形状設定部3B>
形状設定部3Bは、パス温度判定部3Aの判定に基づき、各圧延パスでの鋼板10の目標形状を設定する。
本実施形態の形状設定部3Bでは、パス毎に、ゼンジミア圧延機1で圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、圧延による鋼板10の目標形状を、より耳伸び形状側の板形状に設定する。形状設定部3Bは、例えば、パスでの鋼板10の初期の目標形状として、サーマルクラウンの成長の考慮することなく設定し、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合には、目標形状を、上記の初期の目標形状から、より耳伸び形状側の板形状に設定変更する。
このとき、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合、第1のパスとして、鋼板10の目標形状を、鋼板両端部のI-unit値が鋼板中央部のI-unit値より10以上大きい値の板形状に設定することが好ましい。また、圧延する鋼板10の板温が200℃未満と判定した場合、第2のパスとして、鋼板10の目標形状をフラット形状に設定することが好ましい。
ここで、目標形状における鋼板中央部のI-unit値は、目標形状がフラット形状である場合も耳伸び形状である場合も、概ね同一の値が設定されるため、上記を言い換えれば、目標形状が耳伸び形状である場合の鋼板10の幅方向両端部のI-unit値が、目標形状がフラット形状である場合の鋼板10の幅方向両端部のI-unit値よりも10以上大きい値であるともいえる。
また、鋼板10の目標形状における鋼板10の両端部のI-unit値を、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、10以上大きい値に設定することが好ましい。なお、鋼板10の中央部のI-unit値を「0」とする。
ここで、本実施形態において、耳伸び形状とは、目標形状の鋼板10の幅方向両端部のI-unit値が、その中央部のI-unit値よりも大きい値であることをいう。また、フラット形状とは、目標形状の鋼板10の幅方向両端部のI-unit値が、その中央部のI-unit値以下の値もしくは中央部のI-unit値より10未満大きいことをいう。なお、I-unitは、1×10-5の伸び差率を基本とした鋼板形状を示す単位として一般に使用されるものである。
<シフト制御部3C>
シフト制御部3Cは、各パスでの圧延を実行する前に、形状設定部3Bが設定した鋼板10の目標形状となるように、アクチュエーター4を介して第1中間ロール1bをシフトする処理を実行する。
すなわち、シフト制御部3Cは、形状設定部3Bが設定した鋼板10の目標形状に対応する中間ロールの軸方向位置を、公知の方法によって演算し、その演算結果と現在の中間ロールの位置とから、中間ロールのシフト量(シフト方向も含む)を求め、その求めたシフト量を、予め設定した制御ゲインでゲイン調整した後の制御信号をアクチュエーター4に出力する。制御ゲインは、PID制御であれば、各制御項に乗算する制御量であるが、制御ゲインを大きくするとは、その各制御項の制御ゲインの少なくとも1の制御項の制御ゲインを大きくすることを指す。
アクチュエーター4は、入力した信号に応じて第1中間ロール1bをシフトさせる。
ここで、上記の中間ロールのシフトに関する制御ゲインを、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、大きい値に設定することが好ましい。
また、上記制御ゲインは、圧延する鋼板10に含まれるSi量が多くなるほど大きな値に設定されることが好ましい。
更に、上記制御ゲインは、上記圧延する鋼板10の板温が高温になるほど大きな値に設定されることが好ましい。
<動作その他>
上記構成のゼンジミア圧延機1を用いた冷間圧延方法では、圧延の各パスでの鋼板10の板温に応じて鋼板10の目標形状を設定して、各パスでの圧延を実行して、目的の冷延鋼板を製造する。
例えば、10パスでの圧延において、1パス~5パスでは、圧延される鋼板10の板温が200℃未満と判定され、6パス~10パスでは、圧延される鋼板10の板温が200℃以上と判定されたとする。この例では、1パス~5パスが第2のパスに対応し、6パス~10パスが第1のパスに対応する。
この場合、本実施形態では、板温が200℃未満である1パス~5パスにおいては、鋼板10の目標形状をフラット形状として圧延するのに対して、板温が200℃以上である6パス~10パスにおいては、鋼板10の目標形状を耳伸び形状として圧延を行う(図4参照)。
このように、本実施形態では、圧延される鋼板10の板温に応じて圧延パスの目標形状を変更することで、ゼンジミア圧延機1による圧延がより安定して実施できる。この結果、本実施形態では、目的とする冷延鋼板をより安定して製造するが可能となる。
<変形例>
上記説明では、鋼板10の形状制御として、ロールベンダ機構による制御を例示したが、鋼板10の形状制御は、ロールベンダ機構以外の公知の制御を採用しても良い。例えば、ワークロール1aの軸心たわみ量を変化させるロールベンダ機構や、液圧によりロールクラウンを操作するVCロール機構などによって、鋼板10の形状制御を実行しても構わない。
また、上記説明では、本願の鋼板の冷間圧延方法が適用できる冷間圧延機は、ゼンジミア圧延機であるとして説明した。冷間圧延機としては他に、例えばタンデム圧延機やシングルスタンドの圧延機などが知られている。本願出願時点では、タンデム圧延やシングルスタンドによる圧延の際に、通常、加工発熱では鋼板温度が200℃に至らないことからこれらを例に説明していない。しかしながら、例えば圧延前やパス間にて加熱装置を用いて鋼板温度を200℃以上に上昇させて圧延する場合には、本願と同様の課題が生じうる。安定圧延という課題の下、タンデム圧延機やシングルスタンドの圧延機での冷間圧延方法において、圧延する鋼板温度が200℃以上になると判断される場合、本願の鋼板の冷間圧延方法を適用してもよい。
<効果>
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、ゼンジミア圧延機1により鋼板10を複数パス冷間圧延する鋼板の冷間圧延方法であって、上記複数のパスの内、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定された第1のパスにおける鋼板10の目標形状を、圧延する鋼板10の板温が200℃未満と判定された第2のパスにおける鋼板10の目標形状よりも耳伸び形状に設定する。
この構成によれば、圧延する鋼板10の板温に応じた、より適切な目標形状を設定可能となって、ゼンジミア圧延機1による圧延がより安定して実施できる。
(2)また、本実施形態は、ゼンジミア圧延機1により鋼板10を複数パス冷間圧延する冷間圧延方法であって、上記複数のパスの内、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定された第1のパスにおける鋼板10の目標形状として設定される両端部のI-unit値を、圧延する鋼板10の板温が200℃未満と判定された第2のパスにおける鋼板10の目標形状として設定される両端部のI-unit値よりも10以上大きい値に設定する。
この構成によれば、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合における鋼板10の目標形状を、より確実に設定可能となる。
(3)上記第1のパスにおける上記鋼板10の目標形状として、鋼板両端部のI-unit値を鋼板中央部のI-unit値より10以上大きい値に設定することが好ましい。
この構成によれば、各パスでの鋼板10の目標形状を、より確実に設定可能となる。
(4)本実施形態では、ゼンジミア圧延機1は、鋼板形状を制御する機構として、中間ロールをシフトする中間ロールシフト機構を備え、中間ロールのシフトに関する制御ゲインを、圧延する鋼板10の板温が200℃以上と判定した場合、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、大きい値に設定する。
例えば、制御ゲインは、圧延する鋼板10に含まれるSi量が多くなるほど大きな値に設定される。また、例えば、制御ゲインは、圧延する鋼板10の板温が高温になるほど大きな値に設定される。
この構成によれば、より圧延での破断が抑えられて、ゼンジミア圧延機1による圧延がより確実に安定して実施できる(後述の実施例を参照)。
(5)本実施形態では、上記記載の鋼板の冷間圧延方法による冷間圧延工程を含む冷延鋼板の製造方法によって、冷延鋼板を製造する。
この構成によれば、目的とする冷延鋼板を更に安定して製造することが可能となる。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
本実施例において、板温に応じて設定した目標形状を、図4に示す。図4は、原点位置に板幅方向のセンターを設定し、横軸は板幅の位置、縦軸は幅方向偏差(I-unit値)を表示したものである。
この図4のように、本実施例では、板温が200℃以上の場合には、200℃未満の場合と比較して、耳伸び形状(I-unit値が大きくなる方向)を増大するように設定して圧延を実行した。また、比較例では、圧延する鋼板10の板温に関係なく、図4における、200℃未満の形状(フラット形状)に設定した圧延を実行した。
<実施例1>
そして、本例では、鋼板10の板温が200℃となるパス(第1のパス)において、Si量が2.40~4.00質量%の各鋼材からなる鋼板について、表1に記載した、鋼板10の目標形状(I-unit値)及び制御ゲインで、それぞれ圧延を実行した。
なお、鋼板10の板温が200℃に昇温する前のパスでの鋼板10の目標形状(I-unit値)は、フラット形状(I-unit値=0)に設定した。また、圧延する鋼板10の板温が200℃となるパスは、6パス目であった。表中のI-unit値は、幅方向両端部でのI-unit値である。幅方向中央部でのI-unit値は「0」とした。
ここで、表1中の破断率は、各圧延条件の破断発生率を示しており、各例を100回実行したときの破断率である。
また、表中、I-unit値=0の例は、比較例である。
Figure 0007200918000001
表1から分かるように、各鋼種の鋼板10において、いずれもI-unit値=0の比較例に比べて、鋼板10の板温が200℃のときの鋼板10の目標形状をより耳伸び形状の板形状とすることで、破断率を小さく抑えられることが分かった。
更に、表1から分かるように、本発明に基づき、鋼板10の板温が200℃のときの鋼板10の目標形状をより耳伸び形状の板形状としても、鋼種のSi含有量が多くなると、破断率が大きくなる傾向があったが、ゲイン調整を実行し、相対的に制御ゲインが大きくなるように調整することで、制御ゲインを大きくするほど、破断率を小さく抑えられることが分かった。
ここで、ゼンジミア圧延機1によって高張力で圧延されるような鋼板10としては、Siの含有量が2.40質量%以上の鋼種が好適である。しかし、表1から分かるように、Siの含有量が多くなるほど圧延で破断しやすい傾向にある。これに対し、表1から分かるように、本発明を適用することで、ゼンジミア圧延機1での圧延での破断率を小さく抑制できて、安定して圧延することが可能となることが分かった。更に、鋼板10に含有するSiの含有量が増加するほど、制御ゲインを大きくすることで、破断率を小さく抑えられることが分かった。
なお、表1において、制御ゲインが小さいほど破断率が高くなった要因としては、目標形状を耳伸び方向に変更するだけでは形状制御のアクチュエーター4が伸び方向に制御する前に板幅端部が張り形状となってことが考えられる。これに対し、ゲイン値を変更して耳伸び形状となるような制御量を大きくすることでエッジ張り形状を抑制して破断無く安定して圧延することができたと考えられる。
<実施例2>
板温が200℃を超えたパスでの鋼板10の板温が250℃となるように調整した以外は、実施例1と同様の圧延条件にて実施した。
その結果を、表2に示す。
Figure 0007200918000002
なお、鋼板10の板温が250℃となる対象となるパスの1つ前までのパス(第2のパス)での板温は、200℃未満であった。また、圧延する鋼板10の板温が200℃となるパス(第1のパス)は6パス目であった。
表1及び表2から分かるように、ゼンジミア圧延機1で圧延する鋼板10の温度が高いほど、破断しやすい傾向があることが分かる。このとき、表1及び表2から分かるように、同一の鋼種で且つ本発明に基づく同一の目標形状であっても、板温が高いほど、制御ゲインを高くすることで、破断率を小さく抑えられること分かった。
1 ゼンジミア圧延機
1a ワークロール
1b 第1中間ロール
3 形状制御部
3A パス温度判定部
3B 形状設定部
3C シフト制御部
4 アクチュエーター
10 鋼板
20 温度センサ

Claims (7)

  1. ゼンジミア圧延機により、Si量が2.40~4.00質量%の鋼板を複数パス冷間圧延する冷間圧延方法であって、
    上記複数のパスの内、圧延する鋼板の板温が200℃以上と判定された第1のパスにおける鋼板の目標形状を、圧延する鋼板の板温が200℃未満と判定された第2のパスにおける鋼板の目標形状よりも耳伸び形状に設定することを特徴とする鋼板の冷間圧延方法。
  2. ゼンジミア圧延機により、Si量が2.40~4.00質量%の鋼板を複数パス冷間圧延する冷間圧延方法であって、
    上記複数のパスの内、圧延する鋼板の板温が200℃以上と判定された第1のパスにおける鋼板の目標形状として設定される両端部のI-unit値を、圧延する鋼板の板温が200℃未満と判定された第2のパスにおける鋼板の目標形状として設定される両端部のI-unit値よりも10以上大きい値に設定することを特徴とする鋼板の冷間圧延方法。
  3. 上記第1のパスにおける上記鋼板の目標形状として、鋼板両端部のI-unit値を鋼板中央部のI-unit値より10以上大きい値に設定することを特徴とする請求項2に記載の鋼板の冷間圧延方法。
  4. 上記ゼンジミア圧延機は、鋼板形状を制御する機構として、中間ロールをシフトする中間ロールシフト機構を備え、
    上記中間ロールのシフトに関する制御ゲインを、圧延する鋼板の板温が200℃以上と判定した場合、板温が200℃未満と判定した場合に比べ、大きい値に設定することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載した鋼板の冷間圧延方法。
  5. 上記制御ゲインは、上記圧延する鋼板に含まれるSi量が多くなるほど大きな値に設定されることを特徴とする請求項4に記載の鋼板の冷間圧延方法。
  6. 上記制御ゲインは、上記圧延する鋼板の板温が高温になるほど大きな値に設定されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鋼板の冷間圧延方法。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の鋼板の冷間圧延方法による冷間圧延工程を含む冷延鋼板の製造方法。
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