JP6277834B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車用変速装置として、又はポンプ等の各種産業用機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機の改良に関する。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、一部で実施され、周知である。図9〜10は、従来構造のトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。このトロイダル型無段変速機は、回転軸1の両端寄り部分の周囲に1対の外側ディスク2、2を、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、前記回転軸1と同期した回転を可能に支持している。又、この回転軸1の中間部周囲に筒状部材3を、この回転軸1に対する回転を可能に支持している。又、この筒状部材3の外周面には、軸方向中央部に歯車4を固設すると共に、軸方向両端部に1対の内側ディスク5、5を、スプライン係合により、前記筒状部材3と同期した回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記両内側ディスク5、5の内側面を、前記両外側ディスク2、2の内側面に対向させている。
又、これら両外側ディスク2、2と前記両内側ディスク5、5との間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7に回転自在に支持されており、これら各トラニオン7、7は、それぞれ前記各ディスク2、5の中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸8、8を中心とする揺動変位自在に支持されている。即ち、これら各トラニオン7、7は、それぞれの軸方向両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8、8と、これら各傾転軸8、8同士の間に存在する支持梁部9、9とを備えており、これら各傾転軸8、8が、前記トロイダル型無段変速機を収納したケーシングに対して支持された支持板10、10に対し、ラジアルニードル軸受11、11を介して、揺動及び軸方向の変位を可能に支持されている。この為に、前記両支持板10、10の四隅部分に、それぞれ円形の保持孔12、12を、これら両支持板10、10を貫通する状態で形成している。そして、これら各保持孔12、12の内周面と前記各傾転軸8、8の外周面との間に、それぞれ前記各ラジアルニードル軸受11、11を設けている。これら各ラジアルニードル軸受11、11は、外周面が部分球面状の凸曲面である外輪13、13を備え、これら各外輪13、13を前記各保持孔12、12にがたつきなく、且つ、これら各保持孔12、12の軸方向に関する変位及び若干の揺動変位を可能に内嵌している。前記各ラジアルニードル軸受11、11を構成するニードル14、14は、前記各傾転軸8、8の外周面に設けた内輪軌道と前記各外輪13、13の内周面に設けた外輪軌道との間に、転動自在に設けている。
又、前記各パワーローラ6、6は、前記各トラニオン7、7を構成する支持梁部9、9の内側面に、基半部と先半部とが互いに偏心した支持軸15、15と、複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸15、15の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸15、15の基半部を中心とする若干の揺動変位可能に支持されている。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸16により一方(図9の左方)の外側ディスク2を、ローディングカム式の押圧装置17を介して回転駆動する。この結果、前記回転軸1の両端部に支持された1対の外側ディスク2、2が、互いに近付く方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ6、6を介して前記両内側ディスク5、5に伝わり、前記歯車4から取り出される。前記回転軸1とこの歯車4との間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータ28、28により前記各トラニオン7、7を前記各傾転軸8、8の軸方向に変位させる。この結果、前記各パワーローラ6、6の周面と前記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化する(転がり接触部にサイドスリップが発生する)。そして、この力の向きの変化に伴って前記各トラニオン7、7が、自身の傾転軸8、8を中心に揺動し、前記各パワーローラ6、6の周面と前記各ディスク2、5の内側面との接触位置が変化する。これら各パワーローラ6、6の周面を、前記両外側ディスク2、2の内側面の径方向外寄り部分と、前記両内側ディスク5、5の内側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、前記回転軸1と前記歯車4との間の変速比が増速側になる。これに対して、前記各パワーローラ6、6の周面を、前記両外側ディスク2、2の内側面の径方向内寄り部分と、前記両内側ディスク5、5の内側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、前記回転軸1と前記歯車4との間の変速比が減速側になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、前記各ディスク2、5と前記各パワーローラ6、6とが、前記押圧装置17が発生する押圧力に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、前記各ディスク2、5が軸方向に変位する。又、前記押圧装置17が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って前記各部材2、5、6の弾性変形量も多くなる。従って、前記トルクの変動に拘らず、前記各ディスク2、5の内側面と前記各パワーローラ6、6の周面との接触状態を適正に維持する為に、前記各トラニオン7、7に対してこれら各パワーローラ6、6を、前記各ディスク2、5の軸方向に変位させる機構が必要になる。上述した従来構造の第1例の場合には、前記各パワーローラ6、6を支持した前記各支持軸15、15の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、前記各パワーローラ6、6を前記軸方向に変位させる様にしている。
上述の様な従来構造の第1例の場合、前記各パワーローラ6、6を前記軸方向に変位させる為の構造が複雑で、部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。この様な問題を解決する為の技術として特許文献1には、図11〜16に示す様な構造が記載されている。尚、この従来構造の第2例の特徴は、トラニオン7aに対してパワーローラ6aを、各ディスク2、5(図9参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にあり、トロイダル型無段変速機全体としての基本的構造及び作用は、前述の図7〜8に示した従来構造の第1例と同様である。
前記従来構造の第2例を構成するトラニオン7aは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸8a、8bと、これら両傾転軸8a、8b同士の間に存在し、少なくとも各ディスク2、5の径方向(図12、15、16の上下方向)に関する内側(図12、15、16の上側)の側面を円筒状凸面18とした、支持梁部9aとを備える。前記両傾転軸8a、8bは、それぞれラジアルニードル軸受11a、11aを介して、支持板10、10(図10参照)に、揺動及び軸方向の変位を可能に支持する。
又、前記円筒状凸面18の中心軸イは、図12、15に示す様に、前記両傾転軸8a、8bの中心軸ロと平行で、これら両傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側(図12、15、16の下側)に存在する。又、前記支持梁部9aとパワーローラ6aの外側面との間に設けるスラスト玉軸受19を構成する外輪20の外側面に、部分円筒面状の凹部21を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部21と、前記支持梁部9aの円筒状凸面18とを係合させ、前記トラニオン7aに対して前記外輪20を、前記各ディスク2、5の軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。
又、前記外輪20の内側面中央部に支持軸15aを、この外輪20と一体に固設して、前記パワーローラ6aをこの支持軸15aの周囲に、ラジアルニードル軸受22を介して、回転自在に支持している。更に、前記トラニオン7aの内側面のうち、前記支持梁部9aの両端部と1対の傾転軸8a、8bとの連続部に、互いに対向する1対の段差面23、23を設けている。そして、これら両段差面23、23と、前記スラスト玉軸受19を構成する外輪20の外周面とを、当接若しくは近接対向させて、前記パワーローラ6aからこの外輪20に加わるトラクション力を、何れかの段差面23、23で支承可能としている。
上述の様に構成する従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機によれば、前記パワーローラ6aを前記各ディスク2、5の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ6aの周面と前記各ディスク2、5との接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、各ディスク2、5、各パワーローラ6a等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ6aをこれら各ディスク2、5の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ6aを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受19の外輪20が、外側面に設けた部分円筒面状の凹部21と支持梁部9aの円筒状凸面18との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面18の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、前記各パワーローラ6aの周面のうちで、前記各ディスク2、5の軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク2、5の軸方向に変位し、前記接触状態を適正に維持する。
前述した通り、前記円筒状凸面18の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン7aの揺動中心となる傾転軸8a、8bの中心軸ロよりも、前記各ディスク2、5の径方向に関して外側に存在する。従って、前記円筒状凸面18の中心軸イを中心とする揺動変位の半径は、前記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、前記両外側ディスク2、2と前記両内側ディスク5、5との間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
各ディスク2、5の軸方向に関する各パワーローラ6、6aの変位を許容する構造の如何に拘わらず、トロイダル型無段変速機の変速比を変更する際には、上下1対の支持板10、10が水平方向(図9の左右方向)に対し傾斜する傾向になる。即ち、前記トロイダル型無段変速機の変速比を変更する際には、各アクチュエータ28、28により各トラニオン7、7aを、それぞれの両端部に設けられた傾転軸8、8a、8bの軸方向に変位させる。この時、前記両支持板10、10の保持孔12、12の内周面と、ラジアルニードル軸受11、11を構成する外輪13、13の外周面との摩擦により前記両支持板10、10に、前記各傾転軸8、8a、8bの軸方向の力が加わる。この力の作用方向は、図10の左右両側で上下逆方向になる為、前記両支持板10、10が傾斜する傾向になる。そして、前記トロイダル型無段変速機の変速比を、減速側又は増速側にのみ繰り返し変化させると、前記両支持板10、10の傾斜角度は大きくなる。これら両支持板10、10の傾斜角度が大きくなると、これら両支持板10、10の側面と、前記各トラニオン7、7aの端面のうち、前記各傾転軸8、8a、8bからそれぞれ支持梁部9、9aの側に外れた肩部24、24とが当接(接触)する。この状態では、前記各トラニオン7、7aに回転自在に支持された各パワーローラ6、6aによって伝達する動力(トルク)の大きさも、これら各パワーローラ6、6a毎に不一致になる可能性がある。この結果、一部のパワーローラ6、6aが、他のパワーローラ6、6aよりも大きなトルクを伝達する事になる(トラクション部に加わる接線力が大きくなる)。そして、大きなトルクを伝達するパワーローラ6、6aは、他のパワーローラ6、6aに比べて大きなトラクション係数(=接線力/法線力)で運転される事になる為、実際の運転状態を表す運転トラクション係数(各パワーローラ6、6aが伝達するトルクに応じた接線力/法線力)と、グロススリップを生じる事なく動力伝達を行える値の限界値を表す限界トラクション係数との差(余裕代、安全マージン)が減少し、グロススリップを発生させ易くなる。
運転トラクション係数が限界トラクション係数を上回る事態は、トラクション部でのグロススリップの発生防止の為に避けなければならない。この為に、例えば、ローディングカム式の押圧装置17が発生する押圧力を十分に大きくする{トロイダル型無段変速機の運転時に要求される押圧力の最大値に規制して、前記各トラクション部に付与される押し付け力(法線力)を大きくする}事が考えられる。但し、この場合には、運転状況によっては、前記各トラクション部の面圧が過大になり、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の低下が問題になる。そこで、押圧装置として、例えば特許文献2に記載されている様に、トラクション部の面圧(押圧力)を細かに調節できる、油圧式の押圧装置を使用する事が考えられる。但し、トラクション部のトラクション係数を低く抑えるべく、導入する油圧をむやみに高くしただけでは、やはり伝達効率及び耐久性の低下を招く。
特許文献3には、トラニオン(摩擦車支持部材)の傾転軸を支持板(リンク)に対し揺動可能に支持する為のラジアルニードル軸受(軸受)を構成する外輪(継手)の外周面を、母線形状が部分円弧状(部分球面状)の凸曲面(又は凹曲面)とすると共に、この外輪を内嵌する前記支持板の保持孔(継手嵌合孔)の内周面を、母線形状が部分円弧状の凹曲面(又は凸曲面)とした構造が記載されている。この様な特許文献3に記載された構造の場合、前記支持板が傾斜する傾向となると、この支持板に元の位置に戻る(傾斜角度を小さくする)方向のモーメントが作用する。又、特許文献4には、トラニオンの肩部と、支持板の側面との間の隙間の大きさを適切に規制する事で、各パワーローラの伝達トルクにばらつきが生じるのを防止する技術が記載されている。但し、前記特許文献3、4に記載された何れの発明の場合も、トロイダル型無段変速機の変速比を、減速側又は増速側にのみ繰り返し変化させると、支持板の傾斜角度が大きくなって、この支持板の側面とトラニオンの肩部とが当接する可能性がある。
又、特許文献5には、上下1対の支持板(アッパリンク及びロアリンク)同士を補強部材(上下連結リンク)により互いに連結する事で、トラニオン(パワーローラ支持部材)の肩部と前記支持板の側面とが当接する際に、総てのトラニオンの肩部とこの支持板の側面とを同時に当接させる事ができる構造が記載されている。但し、前記特許文献5に記載された発明の場合、トロイダル型無段変速機を構成する各部材の製造誤差や組立誤差等の蓄積により、総てのトラニオンの肩部と前記支持板の側面とを同時に当接させ難くなる可能性がある。又、前記補強部材を設ける事で、前記トロイダル型無段変速機の製造コストが増大したり、このトロイダル型無段変速機全体が大型・重量化する可能性がある。
一方、特許文献6には、上下1対の支持板同士の間に弾性部材を設け、これら両支持板に互いに離れる方向の弾力を付与する事で、トロイダル型無段変速機の変速時に、これら両支持板の側面とトラニオンの肩部とが当接するのを防止する技術が記載されている。但し、この様な特許文献6に記載された発明の場合も、前記弾性部材を設ける事で、前記トロイダル型無段変速機の製造コストが増大したり、このトロイダル型無段変速機全体が大型・重量化する可能性がある。
特開2008−25821号公報 特開2003−130159号公報 特開2000−274504号公報 特開2002−213552号公報 特開2003−35349号公報 特開2006−308036号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、各ディスク同士の間の変速比の変更に伴って、支持板が傾斜した場合にも、各トラクション部でグロススリップが発生する事を有効に防止できる、トロイダル型無段変速機の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、少なくとも1対のディスクと、複数の支持部材と、支持板と、これら各支持部材と同数のパワーローラとを備える。
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転を自在に支持されている。
又、前記各支持部材は、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向片側面同士の間位置にそれぞれ複数個ずつ、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、前記支持板は、前記各支持部材の両端部に設けられた前記各傾転軸を揺動及び軸方向の変位を許容する状態で支持する為のものである。
又、前記各パワーローラは、前記各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ転がり接触させている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前記支持板の側面と、前記各支持部材の端面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔が所定値以下である(この間隔が0、即ち、支持板の側面と支持部材の端面とが当接している状態を含む)場合に作動して、前記各ディスクの軸方向片側面と前記各パワーローラの周面との転がり接触部であるトラクション部での過大な滑りの発生を防止する、グロススリップ防止手段を備えている。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、油圧室への油圧の導入に伴って前記各ディスクを互いに近付く方向に押圧する油圧式の押圧装置を備えるものとする。又、前記グロススリップ防止手段を、走行状態を切り換える為のシフトレバーを走行状態(Dレンジ又はRレンジ)に切り換えた状態で、前記押圧装置の発生する押圧力の大きさを決定する為の計算に用いられる、前記トラクション部のトラクション係数の値を、前記支持板の側面と、前記各支持部材の端面との対向部のうちの総ての対向部の間隔が前記所定値よりも大きい場合と比較して、小さい値に設定するものとする。
又、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記グロススリップ防止手段を、走行状態を切り換える為のシフトレバーを非走行状態(Pレンジ又はNレンジ)に切り換えた状態で、前記少なくとも1箇所の対向部の間隔を拡げる方向に前記各ディスク同士の間の変速比を変更するものとする。
或いは、前記グロススリップ防止手段を、前記トロイダル型無段変速機への入力トルクの上限値若しくは変化速度を、支持板の側面と支持部材の端面とが当接した状態であっても、前記各トラクション部でグロススリップが発生しない大きさに制限するものとする。
又、前記グロススリップ防止手段を、前記トロイダル型無段変速機の変速速度の上限値を、通常状態(前記支持板の側面と、前記各支持部材の端面との対向部のうちの総ての対向部の間隔が前記所定値よりも大きい状態)と比較して小さくしたり、前記各トラクション部を潤滑する潤滑油量を増大させるものとする事もできる。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、支持板の側面と、各支持部材の端面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔が所定値以下である場合に、各トラクション部での過大な滑り(グロススリップ)の発生を防止する、グロススリップ防止手段を備えている為、各ディスク同士の間の変速比の変更に伴って、前記支持板が傾斜した場合にも、前記各トラクション部でグロススリップが発生する事を有効に防止できる。又、前記支持板の側面と、前記各支持部材の端面との対向部のうちの総ての対向部の間隔が前記所定値より大きい場合には、前記グロススリップ防止手段は作動しないので、前記トロイダル型無段変速機の伝達効率や耐久性が徒に低下する事もない。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 同じく特徴となる動作を示すフローチャート。 支持板の側面とトラニオンの肩部との間隔を測定する方法の2例を示す、図1のA部拡大図に相当する図。 同じく別の2例を説明する為のグラフ。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す、図2と同様の図。 同第4例を示す、図2と同様の図。 同第5例を示す、図2と同様の図。 従来構造のトロイダル型無段変速機の第1例を示す断面図。 図9のB−B断面図。 トロイダル型無段変速機の従来構造の第2例を示す、スラスト玉軸受を介してパワーローラを支持したトラニオンを、ディスクの径方向外側から見た斜視図。 同じく、ディスクの周方向から見た状態で示す正面図。 図12の上方から見た平面図。 図12の右方から見た側面図。 図13のC−C断面図。 図12のD−D断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、総ての請求項に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて、本発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、各ディスク2、5(図9参照)同士の間の変速比の変更動作に伴って支持板10a、10bが傾斜した場合にも、各トラクション部でグロススリップが発生する事を有効に防止する為のグロススリップ防止手段を設けた点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9〜16に示した構造を含め、従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合も、前述した従来構造の場合と同様に、トラニオン7b、7bの軸方向両端に設けられた1対の傾転軸8c、8cを、前記両支持板10a、10bに対し、ラジアルニードル軸受11、11を介して、揺動及び軸方向の変位を可能に支持している。尚、図示の例の場合には、前記両支持板10a、10bの側面のうちで、前記各ラジアルニードル軸受11、11を構成する外輪13、13を内嵌保持する保持孔12、12の周囲に、凸部25、25を形成している。そして、これら各凸部25、25を、前記各トラニオン7b、7bの軸方向両端面のうち、前記各傾転軸8c、8cからそれぞれ支持梁部9b、9bの側に外れた部分である肩部24、24に対向させている。これにより、前記両支持板10a、10bと前記各トラニオン7b、7bとの位置関係が不適切になる事を防止している。
特に本例のトロイダル型無段変速機に於いては、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更動作に伴って、前記両支持板10a、10bが傾斜した場合にも、各ディスク2、5(図9参照)の内側面と各パワーローラ6b、6bの周面との転がり接触部であるトラクション部でグロススリップが発生する事を防止する為のグロススリップ防止手段を備える。本例の場合、このグロススリップ防止手段は、前記各トラニオン7b、7bの肩部24、24と、前記両支持板10a、10bの側面のうちでこれら各肩部24、24と対向する側面との間隔を測定する為の間隔測定手段と、前記各ディスク2、5同士の間の(前記トロイダル型無段変速機の)変速比を算出する制御器、及び、油圧室への油圧の送り込みに伴って1対の外側ディスク2、2のうちの一方の外側ディスク2を他方の外側ディスク2に向けて押圧する押圧装置とから構成される。このうちの制御器は、センサにより測定した前記各ディスク2、5の回転速度やポジションスイッチの位置信号{運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置(選択位置)を表す信号}、エンジンコントローラの信号、アクセルペダルの開度等の各種信号に基づいて、前記トロイダル型無段変速機の目標とする変速比を算出する。
本例の場合には、前記間隔測定手段により測定された、前記各トラニオン7b、7bの肩部24、24と前記両支持板10a、10bの側面との対向部のうちで、少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが所定値α以下である(D≦α)場合に、前記トロイダル型無段変速機の変速状態を調節して、前記各トラクション部でグロススリップが発生する事を防止する様にしている。この点に就いて図2のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、このフローチャートに示した処理は、イグニッションスイッチがONされてからOFFされるまでの間、繰り返し(自動的に)行われる。
先ず、ステップ1で、前記間隔Dが、予め定められた所定値α以下であるか否かを判定する。この間隔Dは、例えば図3の(A)に示す様に、前記両支持板10a、10bの側面のうち、前記各トラニオン7bの肩部24、24と対向する側面と反対側の側面{図3の(A)の上側の支持板10aの上面、及び、下側の支持板10bの下面}に、その先端部を対向させた変位センサ26a、26bの出力信号の値に基づいて算出する事ができる。又、前記所定値αを0とした場合、即ち、前記少なくとも1箇所の対向部で、前記トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接(接触)したか否かを判定する場合には、図3の(B)に示す様に、前記各肩部24、24に設置した荷重センサ(圧力センサ)27、27により、トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接したか否かを判定する様にしても良い。図示の例の場合、前記各荷重センサ27、27を潤滑油流路31の開口部に設け、これら各荷重センサ27、27に盲栓としての機能を持たせている。尚、前記図3の(B)に示したトラニオン7bの場合には、支持梁部9bの軸方向両端部に、前記各ディスク2、5の径方向内側に向け突出する状態で設けられた1対の壁部29、29同士の間に補強梁30を、これら両壁部29、29同士の間で突っ張れる状態で設けている。但し、この部分の構造及び作用に就いては、本発明の要旨とは関係しない為、詳しい説明は省略する。
或いは、前記トロイダル型無段変速機の実変速比と指令値との相違に基づいて、前記肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接したか否かを判定する事もできる。即ち、図4の(A)に示す様に、前記制御器が前記トロイダル型無段変速機の変速比を変化させるべき旨の指示を出してから、アクチュエータ28、28の油圧室に油圧を導入し前記各トラニオン7b、7bを前記各傾転軸8c、8cの軸方向に変位させ、前記各パワーローラ6b、6bが揺動を開始するまでには遅れが生じる。前記トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接した状態では、このトラニオン7bを前記各傾転軸8c、8cの軸方向に十分変位させる事ができず、前記遅れが大きくなる。又、前記トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接した状態では、前記各トラクション部同士の間で伝達トルクにばらつきが発生し、一部のトラクション部で限界トラクション係数が低下する可能性がある。そこで、指令値に対する、前記パワーローラ6bの揺動開始遅れ{或いは、前記トラニオン7bの、前記各傾転軸8c、8cの軸方向に関する中立位置に向けての移動(戻り)開始遅れ}の大きさを測定する事で、前記トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接したか否かを検出しても良い。或いは、前記トロイダル型無段変速機の運転状況から前記支持板10a(10b)の水平方向に対する傾斜角度を推定する事で、前記肩部24とこの支持板10a(10b)の側面との間隔Dが所定値α以下であるか否かを判定する事もできる。即ち、例えば図4の(B)に示す様に、前記トロイダル型無段変速機の変速比を等速状態から片側(図示の例では減速側)にだけ繰り返し変化させると、前記支持板10a(10b)が水平方向に対し傾斜して、前記トラニオン7bの肩部24とこの支持板10a(10b)の側面との間隔Dが小さくなる。そこで、前記トロイダル型無段変速機の運転状況(変速パターン)に基づき前記支持板10a(10b)の水平方向に対する傾斜角度を推定する事で、前記トラニオン7bの肩部24とこの支持板10a(10b)の側面との間隔Dを推定できる。
何れにしても、前記ステップ1で、前記少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが前記所定値α以下である(D≦α)と判定された場合、次のステップ2で、シフトレバーが非走行状態(Pレンジ又はNレンジ)に選択されているか否かを判定する。このシフトレバーが非走行状態に選択されていると判定された場合、次のステップ3に進む。このステップ3では、前記両支持板10a、10bの傾きを元の位置に戻す方向に、前記トロイダル型無段変速機の変速比を変化させる。即ち、前記両支持板10a、10bが、このトロイダル型無段変速機の変速比を等速状態から減速側に繰り返し変化させた事により傾斜している場合には、このトロイダル型無段変速機の変速比を増速側に変化させる。一方、前記両支持板10a、10bが、このトロイダル型無段変速機の変速比を等速状態から増速側に繰り返し変化させた事により傾斜している場合には、このトロイダル型無段変速機の変速比を減速側に変化させる。何れにしろ、前記両支持板10a、10bの傾きを元の位置(水平な状態)に戻した後、終了する(開始に戻る)。
これに対し、前記ステップ2で、前記シフトレバーが走行状態(Dレンジ又はRレンジ)に選択されていると判定された場合には、ステップ4に進み、押圧装置の発生する押圧力の大きさを決定する為の計算に用いられるトラクション係数μとして、通常状態(前記間隔Dが所定値αよりも大きい、即ち、前記両支持板10a、10bが水平な状態乃至その近傍の状態)での計算に用いられる値μよりも小さな値μ(<μ)を設定して変速比制御を実行し、その後、終了する(開始に戻る)。
一方、前記ステップ1で、前記各トラニオン7b、7bの肩部24、24と前記両支持板10a、10bの側面との対向部のうち、総ての対向部の間隔Dが前記所定値αよりも大きい(D>α)と判定された場合には、ステップ5に進み、前記トラクション係数μとして前記通常状態で用いられる値(従来の変速比制御で用いられるトラクション係数と同じ値)μを設定し変速比制御を実行した後、終了する(開始に戻る)。
上述の様な本例のトロイダル型無段変速機によれば、各ディスク2、5同士の間の変速比の変更動作に伴って、1対の支持板10a、10bが傾斜した場合であっても、前記各ディスク2、5の内側面と各パワーローラ6b、6bの周面との転がり接触部(トラクション部)で過大な滑り(グロススリップ)が発生する事を防止できる。即ち、本例のトロイダル型無段変速機の場合、前記支持板10a(10b)が傾斜し、トラニオン7b、7bの肩部24、24とこれら両支持板10a、10bの側面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが所定値α以下となった場合で、シフトレバーが非走行状態に選択されている場合には、前記両支持板10a、10bの傾きを元の位置(水平な状態)に戻す方向に前記トロイダル型無段変速機の変速比を制御する。又、前記間隔Dが前記所定値α以下で、前記シフトレバーが走行状態に選択されている場合には、前記押圧装置の発生する押圧力の大きさを決定する為の計算に用いられるトラクション係数μとして、通常状態で用いられる値μよりも小さな値μを設定する。これにより、油圧式の押圧装置が発生する押圧力を十分に大きくできて、前記各トラクション部でのグロススリップの発生を防止できる。これに対し、前記各トラニオン7b、7bの肩部24、24と前記両支持板10a、10bの側面との対向部のうち、総ての対向部の間隔Dが前記所定値αよりも大きい場合には、前記トラクション係数μとして、前記通常状態で用いられる値μを設定し変速比制御を実行する為、前記各トラクション部の面圧が過大になるのを抑えられ、前記トロイダル型無段変速機の伝達効率が徒に低下する事を防止できる。
尚、本例の場合、上述の様な構造を、前述した特許文献5に記載された補強部材(上下連結リンク)や、特許文献6に記載された弾性部材を設ける事なく実現できる。従って、前記トロイダル型無段変速機の製造コストが徒に増大したり、このトロイダル型無段変速機が徒に大型・重量化する事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、ステップ1aで、トラニオン7b、7bの肩部24、24と、支持板10a、10b(図1参照)の側面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが所定値α以下である(D≦α)と判定された場合、次のステップ2aで、入力側ディスクである外側ディスク2、2(図9参照)への入力トルクの上限値を、前記トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接(接触)した状態であっても、各トラクション部でグロススリップが発生しない大きさ(例えば前記両支持板10a、10bが水平状態にある場合の50%程度)に制限する。この為に具体的には、アクセル開度を表す信号を補正した上で、トロイダル型無段変速機の変速比を算出する制御器に入力する。或いは、前記外側ディスク2、2を回転駆動する駆動軸16(図9参照)と、エンジンの出力軸との間に設けたクラッチの締結圧を小さくして、このクラッチの締結部に滑りを生じさせる事もできる。即ち、このクラッチの締結圧を制御する制御弁(ソレノイドバルブ)への通電量を一定値以下に制限して、この締結圧を抑える。
上述の様な本例の場合、前記トラニオン7bの肩部24と前記支持板10a(10b)の側面とが当接した状態であっても、押圧装置の発生する押圧力が大きくなる事を抑えつつ、各トラクション部でグロススリップが発生する事を防止できる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図6も、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の場合には、ステップ1bで、トラニオン7b、7bの肩部24、24と、支持板10a、10b(図1参照)の側面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが所定値α以下である(D≦α)と判定された場合、次のステップ2bで、前記トロイダル型無段変速機の変速速度の上限値を、通常状態(1対の支持板10a、10bが水平な状態乃至その近傍の状態)に於ける変速速度の上限値よりも小さくする。即ち、前記トロイダル型無段変速機の変速速度が大きくなると、各トラクション部に於けるサイドスリップに基づく発熱量が増大し、これら各トラクション部に於ける潤滑油の油温が上昇する。この結果、これら各トラクション部に於けるトラクション係数が小さくなり、これら各トラクション部でグロススリップが発生し易くなる。そこで、本例の場合、前記変速速度の上限値を小さく抑える事により、このトラクション係数が小さくなるのを抑える。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図7も、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の場合には、ステップ1cで、トラニオン7b、7bの肩部24、24と、支持板10a、10b(図1参照)の側面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが所定値α以下である(D≦α)と判定された場合、次のステップ2cで、各トラクション部を潤滑する潤滑油量を増大させる。潤滑油量を増大させる事で、これら各トラクション部に於ける潤滑油の油温の上昇を抑え、これら各トラクション部に於けるトラクション係数の低下を抑えられる。前記潤滑油の油量を増大させる方法は特に問わない。この潤滑油の油圧を制御できる場合には、この油圧を上昇したり、流量制御弁を設け、この流量制御弁を制御する事により前記油量を調整しても良い。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第3例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図8も、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の場合には、ステップ1dで、トラニオン7b、7bの肩部24、24と、支持板10a、10b(図1参照)の側面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔Dが所定値α以下である(D≦α)と判定された場合には、次のステップ2dで、入力側ディスクである外側ディスク2、2(図9参照)への入力トルクの変化速度を、トラニオン7b(図1参照)の肩部24と支持板10a(10b)の側面とが当接(接触)した状態であっても、各トラクション部でグロススリップが発生しない大きさに制限する。即ち、前記入力トルクが急激に変化した場合、油圧式の押圧装置が目標とする押圧力を発生させるまでの油圧応答遅れが大きくなって、この押圧装置が発生する押圧力が不足し、前記各トラクション部でグロススリップが発生する可能性がある。本例の場合には、前記入力トルクの変化速度を制限する事で、前記油圧応答遅れが大きくなる事を防止して、前記各トラクション部でのグロススリップの発生を防止する。前記入力トルクの変化速度を制限する方法に就いては特に問わないが、例えば、アクセル開度を表す信号を補正した上で、前記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する制御器に入力する事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様である。
本発明を実施する場合に、上述した実施の形態の各例を組み合わせて実施する事もできる。
1 回転軸
2 外側ディスク
3 筒状部材
4 歯車
5 内側ディスク
6、6a パワーローラ
7、7a、7b トラニオン
8、8a〜8c 傾転軸
9、9a、9b 支持梁部
10、10a、10b 支持板
11 ラジアルニードル軸受
12 保持孔
13 外輪
14 ニードル
15、15a 支持軸
16 駆動軸
17 押圧装置
18 円筒状凸面
19 スラスト玉軸受
20 外輪
21 凹部
22 ラジアルニードル軸受
23 段差面
24 肩部
25 凸部
26a、26b 変位センサ
27 荷重センサ
28 アクチュエータ
29 壁部
30 補強梁
31 潤滑油流路

Claims (3)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
    軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置にそれぞれ複数個ずつ、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた支持部材と、
    これら各支持部材の両端部に設けられた前記各傾転軸を揺動及び軸方向の変位を許容する状態で支持する為の支持板と、
    前記各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ転がり接触させたパワーローラと
    を備えるトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記支持板の側面と、前記各支持部材の端面との対向部のうち、少なくとも1箇所の対向部の間隔が所定値以下である場合に作動して、前記各ディスクの軸方向片側面と前記各パワーローラの周面との転がり接触部であるトラクション部での過大な滑りの発生を防止する、グロススリップ防止手段を備える事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 油圧室への油圧の導入に伴って前記各ディスク同士を互いに近付く方向に押圧する、油圧式の押圧装置を備え、
    前記グロススリップ防止手段は、走行状態を切り換える為のシフトレバーを走行状態に切り換えた状態で、前記押圧装置の発生する押圧力の大きさを決定する為の計算に用いられる、前記トラクション部のトラクション係数の値を、前記支持板の側面と、前記各支持部材の端面との対向部のうちの総ての対向部の間隔が前記所定値よりも大きい場合と比較して、小さい値に設定する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 前記グロススリップ防止手段は、走行状態を切り換える為のシフトレバーを非走行状態に切り換えた状態で、前記少なくとも1箇所の対向部の間隔を拡げる方向に前記各ディスク同士の間の変速比を変更する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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