JP6270818B2 - 無溶剤型のポリウレタン系粘着剤 - Google Patents

無溶剤型のポリウレタン系粘着剤 Download PDF

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Description

本発明は、主に皮膚に適用される貼付材に使用される、無溶剤型のポリウレタン系粘着剤に関するものである。
医療用貼付材、特にドレッシング材は、外部から水、細菌、又はウイルス等が体内に侵入するのを阻止し、かつ、皮膚の曲面や動きに追随できる柔軟性及び追従性等を有することが必要である。そのため、このような貼付材の支持体としては、皮膚に類似した低い弾性率を有する薄層のエラストマーフィルムが一般的に用いられている。
また、皮膚からの発汗による水分が貼付材外部に蒸散されるように、透湿性に優れていることも貼付材には要求される。透湿性が悪いと、皮膚から発生した水分が皮膚と粘着剤層との間に貯留し、粘着力の低下を引き起こして貼付材の固定機能が弱まり剥がれやすくなり、また水の貯留による常在菌の増殖などによって皮膚障害が発生しやすくなる。医療用貼付材については、高透湿性を付与することも重要な要件となっている。
貼付材には、薄層のエラストマーフィルム以外に、ポリウレタン系粘着剤も使用されている。例えば、特許文献1には、優れた粘着特性と透湿性とを両立させた貼付材を提供することを目的とした、ポリウレタン系粘着剤を使用した貼付材が開示されている。また、特許文献2には、適用部位からの上皮を通る水及び/又は粘着剤と接触するようになる他の体液の損失を除くそれらの吸収性及び/又は透過性、並びにポリウレタンの凝集及び粘着のみごとなバランスを有する、ポリウレタン重合体を含む感圧粘着剤が開示されている。さらに、特許文献3には、初期粘着力が高く、粘着力の安定的な長期間保持が可能で、粘着力の耐熱性、耐寒性に優れ、低分子成分が滲出しないポリウレタン系樹脂粘着剤が開示されている。
国際公開第2010/137699号公報 特開平7−310066号公報 特開平9−324170号公報
ポリウレタン系粘着剤は、例えば、溶融状態で反応させるバルク重合(固形反応)法や溶液重合法等の方法で製造され得る。しかし、溶液重合法では有機溶剤が用いられるため、粘着剤を乾燥させて有機溶剤を回収するための工程が必要となり、その上、原料を有機溶剤中で重合させて粘着剤溶液を調製する工程も必要となるので、製造工程が増え、コストもかかるという課題があった。また、環境対策として有機溶剤を使用しない貼付材の製造方法が望まれてきている。
これに対して、特許文献2の他、いくつかの文献には、無溶剤でも製造できるポリウレタン系粘着剤を用いた貼付材が開示されている。しかし、これらの粘着剤については、粘着剤厚が100μm〜数mmと比較的厚い場合の粘着特性しか示されておらず、ポリウレタン系粘着剤を皮膚に用いる場合の重要な特徴のひとつである高い透湿性を得るのが困難であり、また、厚い貼付材となるために、皮膚に貼付した場合、皮膚への追従性が劣り剥がれやすくなったり、物理刺激の原因となったりすることが考えられる。また、プレポリマーを調製する工程が必要となる場合も有り、この場合は無溶剤系でも溶剤系粘着剤と同様製造工程が増えるという課題もあった。
そこで、本発明は、粘着剤溶液、またはプレポリマーを調製する工程がなく、溶剤を用いずに製造可能であり、かつ粘着剤層の厚さが透湿性を十分に発揮できる厚さ、例えば100μm以下であっても、皮膚に対して優れた粘着特性を有するポリウレタン系粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
粘着剤溶液またはプレポリマーを調製する工程なしで製造可能な無溶剤型のポリウレタン系粘着剤であって、
(A)平均分子量1.2×10以上かつ平均官能基数3の活性水素化合物と、
(B)平均分子量0.1×10以上かつ平均官能基数2の活性水素化合物と、
(C)平均官能基数2の有機ポリイソシアネートと
を反応させて得られる粘着剤(ここで、該粘着剤中において、全活性水素化合物を100重量部としたときに、(A)の活性水素化合物は40〜90重量部である)に関する。
また、本発明は、上記粘着剤を含む粘着剤層を備えた貼付材に関する。
特許文献3では、ポリエーテルポリオールは、平均分子量が0.5×10を超えると、反応性が低くなり、凝集力が不足するとされている。しかし、本発明の粘着剤については、溶剤を用いずに製造されるため、溶剤を用いた場合と比べて、反応がより早く進み、反応性の低下は問題にならない。また、高温ですぐに反応が進むと同じ組成でもゲル分が多くなるので、溶剤を用いずに製造される本発明の粘着剤は、高分子量の活性水素化合物を用いても、凝集力不足とならず、適度なタックを持ち、皮膚に対して適した特性となりうる。
また、3次元の架橋構造を作るためには、活性水素化合物と有機ポリイソシアネートの少なくとも一方の平均官能基数を2より大きくする必要があるが、これらの平均官能基数が大きすぎると、網目が詰まった構造のポリマーとなって柔軟性が不足し、タックが低すぎる粘着剤になる。また、活性水素化合物と有機ポリイソシアネートの分子量が小さすぎても架橋部分同士が詰まった構造になり、ポリマーの柔軟性が不足する。本発明では、平均分子量1.2×10以上かつ平均官能基数3の活性水素化合物と平均官能基数2の有機ポリイソシアネートを用いて、さらに、平均分子量0.1×10以上かつ平均官能基数2の活性水素化合物を併用することにより、さらに高分子量の活性水素化合物を用いた場合と類似した構造を有するより柔軟な粘着剤を提供し得る。
以上から、本発明の粘着剤は、100μm以下の薄い粘着剤層を形成した場合でも、皮膚に対して十分な粘着特性を有し、そのためにウレタン系粘着剤が持つ高い透湿性を十分に発揮することができる。かかる本発明の粘着剤を用いれば、十分な透湿性と優れた粘着特性を有する貼付材を提供することができる。
また、本発明の粘着剤は、溶剤を用いずに製造されるため、粘着剤を乾燥する際に溶剤回収装置等を必要とせず、また、粘着剤の原料溶液やプレポリマーの調製工程も不要であるので、製造工程が簡便になり、製造コストを下げることができる。また、有機溶剤を使用しないため環境対策にも優れる。
本発明の貼付材の一例の断面図の模式図である。
本発明において、無溶剤型のポリウレタン系粘着剤とは、溶剤を用いずに製造されたポリウレタン系粘着剤を意味し、例えば、溶融状態で反応させるバルク重合(固形反応)法を用いて製造されたものである。
本発明の(A)の活性水素化合物の平均分子量は、架橋部分同士が適度な距離を持った柔軟な構造のポリマーとなるため、また、塗工時の混合物が低粘度となり塗工性が低下することを防止するために、1.2×10以上であり、好ましくは1.3×10以上であり、より好ましくは1.4×10以上である。上記(A)の活性水素化合物の平均分子量の上限は、特に制限されないが、凝集力の低下を防止し、また、塗工時の混合物が高粘度となって塗工性が低下することを防止するために、3.0×10以下、特に2.0×10以下、とりわけ1.8×10以下が好ましい。
例えば、(A)の活性水素化合物の平均分子量は、1.2×10〜3.0×10、好ましくは1.3×10〜2.0×10、より好ましくは1.4×10〜1.8×10である。
なお、本発明において、活性水素化合物の平均分子量は、当該活性水素化合物の水酸基価(OHv、単位はmgKOH/g)に基づいて、以下の式:
平均分子量=(56100/OHv)×1分子当たりの平均水酸基数
を用いて算出される。ここで、水酸基価とは、JIS K1557-1(2007年版)B法(フタル化法)に準拠して測定した値である。また、上記1分子当たりの平均水酸基数は、活性水素化合物を製造するときに原料として用いた開始剤1分子あたりの活性水素原子の数をいい、例えば、エチレングリコール及びプロピレングリコールは2であり、グリセリンおよびトリメチロールプロパンは3である。
本発明の(B)の活性水素化合物の平均分子量は、架橋部分同士が適度な距離を持ち、また、塗工時の混合物が低粘度となり塗工性が低下することを防止するために、0.1×10以上であり、好ましくは0.2×10以上、より好ましくは0.4×10以上である。上記(B)の活性水素化合物の平均分子量の上限は、特に制限されないが、3.0×10以下、特に2.0×10以下、とりわけ1.5×10以下が好ましい。
例えば、(B)の活性水素化合物の平均分子量は、0.1×10〜3.0×10、好ましくは0.2×10〜2.0×10、より好ましくは0.4×10〜1.5×10である。
また、(A)の活性水素化合物と(B)の活性水素化合物との分子量の差が大きすぎると、反応性の差が大きくなりすぎて、低分子量の活性水素化合物の反応が過剰に進む結果となる。これを防止する点でも、(A)(B)の活性水素化合物の平均分子量は上記記載の範囲が好ましい。
特に、平均分子量1.2×10以上、特に1.2×10〜1.5×10の前記(A)の活性水素化合物と、前記(B)の活性水素化合物、好ましくは0.4×10〜1.0×10の前記(B)の活性水素化合物とを組み合わせて得られる本発明のポリウレタン系粘着剤は、適度な凝集力を持ち、柔軟な構造のポリマーとなる点で好ましい。このようにして得られたポリウレタン系粘着剤は、塗工時に混合物が適度な粘度となり、塗工性の点でも有利である。
前記(A)及び(B)の活性水素化合物として、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリオールを一部エステル変性したエーテルエステルポリオール、及びアミノ基を持つポリアルキレン(例えばエチレン及びプロピレンなど)オキシドジアミンなどが例示され、ポリエーテルポリオールが好ましい。
上記のポリエーテルポリオールとしては、例えば、平均官能基数が3の前記(A)の活性水素化合物として、グリセリン、トリメチロールプロパンなど活性水素基を3個持つものを開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエーテルポリオール、また或いはこれら3の平均官能基数を持つポリオールの2種以上の混合物が好ましい。
また、上記のポリエーテルポリオールとしては、例えば、平均官能基数が2の前記(B)の活性水素化合物として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びこれらを共重合させたポリエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール、また或いはこれら2の平均官能基数を持つポリオールの2種以上の混合物が好ましい。
具体的には、三洋化成社のサンニックスシリーズ、三井化学ポリウレタン社のアクトコールシリーズ、旭電化社のアデカーポリエーテルシリーズ、Lyondell社のAcclaimシリーズ、旭硝子社のエクセノールシリーズ、プレミノールシリーズなどが使用できる。
本発明では、前記(A)及び(B)の活性水素化合物はそれぞれ単体で用いられ得るが、例えば、平均分子量、平均官能基数、モノマー単位の種類などで異なる2種以上の混合物を使用してもよい。
本発明のポリウレタン系粘着剤の製造に使用される活性水素化合物は、前記(A)及び(B)の活性水素化合物のみからなるものが好ましいが、他のモノオールやポリオールなどの活性水素化合物を、本発明の効果を損なわない限り、含有することも可能である。このようなモノオールやポリオールなどの活性水素化合物として、アクリルモノオールやエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなど一般的なものが使用可能である。
本発明のポリウレタン系粘着剤の製造において、適度な柔軟性を持ったポリマーが得られる点から、全活性水素化合物を100重量部としたときに、(A)の活性水素化合物は、下限が、40重量部以上、好ましくは42重量部以上、より好ましくは45重量部以上であり、一方、上限が、90重量部以下、好ましくは80重量部以下、より好ましくは70重量部以下、さらに好ましくは60重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。
例えば、全活性水素化合物を100重量部としたときに、(A)の活性水素化合物は、40〜90重量部、好ましくは42〜80重量部、より好ましくは45〜70重量部、さらに好ましくは45〜60重量部以上、特に好ましくは45〜50重量部以下である。
また、全活性水素化合物を100重量部としたときに、(A)の活性水素化合物は、50〜90重量部、好ましくは55〜80重量部、より好ましくは60〜70重量部であってもよい。
なお、本発明において、全活性水素化合物とは、前記(A)及び(B)の活性水素化合物を含めた、前記(C)の有機ポリイソシアネートと反応させたすべての活性水素化合物のことをいう。
本発明のポリウレタン系粘着剤の構成分子であるアルキレンオキシド、つまりポリオキシアルキレン構造を含有する前記(A)及び(B)の活性水素化合物は一般的に人体への安全性が高いことが確認されている。同様にこれをセグメントに有するポリウレタンもまた安全性が高く、医療用高分子材料として実用されている。また前記(A)及び(B)の活性水素化合物の種類を選択することにより、セグメントの親水性、疎水性のバランスを調節でき、ウレタン結合による分子のフレキシビリティが加わり、透明度が高く皮膚に対して密着性がよく、柔軟で馴染みが良く、低刺激性の粘着剤となる。従って、人体に貼付する用途に適しており、医療用貼付材用の粘着剤として好適である。この場合、粘着性、安全性、材料としての安定性、経済性など全てを充足した新規粘着剤となり得るものである。
本発明の前記(C)の平均官能基数2の有機ポリイソシアネートとしては、一般にポリウレタン樹脂の製造に使用できるものは全て使用可能である。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、或いはテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、また或いはイソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、さらにこれらの混合物等の有機ジイソシアネートが好ましいが、これらの一部をウレタン化、ウレトジオン化、又はカルボジイミド化などにより変性したポリイソシアネートも使用できる。また、ポリオールにてプレポリマー化したイソシアネートプレポリマーを使用することも可能である。
特に、粘着剤の黄変が防止できる点で、上記脂肪族ジイソシアネート、或いは脂環族ジイソシアネート、これらを変性したポリイソシアネート、これらをプレポリマー化したイソシアネートプレポリマーが望ましい。
活性水素化合物と有機ポリイソシアネートのNCO/OHモル比は、粘着力を上昇させるため、0.7/1〜1/1が好ましい。残存NCO量が低ければ、経時安定性などが良好になるため、1.05/1以下、特に1/1以下の比率が好ましい。また、0.7/1以上の場合、残存活性水素化合物の量が減少するため、ブリードアウトの可能性が低下し、好ましい。
本発明におけるポリウレタン系粘着剤は、溶剤を使用しない限り、特に制限されず、慣用の方法で、例えば、溶融状態で反応させるバルク重合(固形反応)法を用いて製造され得る。この方法では溶剤を用いないため、当該溶剤を除去したり、原料溶液を調製したりする工程が不要となるので、本発明のポリウレタン系粘着剤を簡便に製造することができ、また環境対策にも優れている。
本発明におけるポリウレタン系粘着剤を製造する際には、必要に応じて触媒及び添加剤等を用いることができる。触媒としては、含窒素化合物、有機金属触媒等一般的なウレタン化触媒が挙げられる。含窒素化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等、有機金属触媒としては、ジアルキル錫化合物{例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)}、カルボン酸金属触媒(例えば、オクチル酸錫、ステアリン酸錫)等が挙げられる。添加剤としては、例えば、置換ベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤、フェノール誘導体等の酸化防止剤、及び加水分解防止剤等が挙げられる。
本発明のポリウレタン系粘着剤は、貼付材、特にドレッシング材などの医療用貼付材の粘着剤層に使用してもよい。本発明は、本発明のポリウレタン系粘着剤を含有する粘着剤層を備えた貼付材にも関する。本発明の貼付材は、例えば、支持体に慣用の手法を用いて、本発明の粘着剤層を設けることで得ることができる。
また、本発明の貼付材は担持体及び/又は剥離体を備えてもよい。担持体は、支持体の粘着剤層が設けられた面とは反対側の面に剥離可能な状態で設けられる。剥離体は、粘着剤層の支持体が設けられた面とは反対側の面に剥離可能な状態で設けられる。すなわち、本発明の貼付材は、担持体、支持体、粘着剤層、及び剥離体を、この順序で、備えていてもよい(図1)。また、本発明では、担持体と支持体との間、支持体と粘着剤層との間、及び/又は粘着剤層と剥離体との間に、他の層を一層以上介在させてもよい。例えば、接着性や剥離性を高めるため、下塗剤層や接着剤層、又は剥離剤層を設けてもよいし、あるいはフィルム、不織布、織布、又はそれらの積層体を介在させてもよい。
本発明の粘着剤層は、支持体にパターンコーティング、例えば格子状やダイヤモンド等の形状でコーティングされて設けられてもよいが、皮膚への固定性を向上させるために、該粘着剤層が支持体の1面全体を本質的に覆った状態にあるのが好ましい。また、貼付材を皮膚から剥がした際の角質剥離量が減少する点、皮膚と粘着剤層の間に貯留した水分による固定性の低下を抑制する点から、本発明の貼付材の透湿度は1,000g/m・24hr以上、好ましくは2,000g/m・24hr以上であることが好ましい。貼付材の透湿度の上限値は8,000g/m・24hr以下であってもよいが、透湿度は高ければ高いほど好ましく、上限値は特に制限されない。
本発明において、透湿度の測定はJIS Z−0208に準じるものとする。透湿度が高いほど、蒸れが少ない支持体等であるといえる。特に本発明において「高透湿性」という言葉を用いる場合があるが、JIS Z−0208に準じた試験において1,000g/m・24hr以上を指すものとする。
本発明の粘着剤層は、優れた粘着特性と高透湿性とを両立させた貼付材を提供するために、透湿度が好ましくは3,000g/m・24hr以上、より好ましくは4,000g/m・24hr以上である。粘着剤層の透湿度の上限値は8,000g/m・24hr以下であってもよいが、透湿度は高ければ高いほど好ましく、上限値は特に制限されない。
本発明において粘着剤の透湿度の調整は公知の方法で行い得る(例えば、特開平7−231910号公報、特開2005−58288号公報参照)。一般的に、ポリウレタン系粘着剤中のエチレンオキシド(EOと略すこともある)単位を多くすることにより、高透湿性を得ることができるが、EO単位が余りに多いと、水分吸収時に膨潤が発生しベタツキや、物性値の低下が発生する。また、可塑剤添加により透湿性や粘着性の操作も可能であるが、可塑剤添加により、ポリウレタン系粘着剤の内部凝集力不足が発生し、粘着力の低下が発生したり、剥離時に、皮膚表面への粘着剤の糊残りを生じたりする。更に、これら可塑剤の化学成分による刺激にて、かぶれや皮膚炎症の原因になると報告もされている。
本発明の粘着剤は、ポリウレタン系粘着剤中の活性水素化合物にEO単位を含有させることなどで、さらに高い透湿性を付与させることができる。EO単位の量が過剰であると、粘着剤の柔軟性が低下し、粘着特性が低下するため、本発明によるポリウレタン系粘着剤中の全活性水素化合物のEO単位含有量はポリウレタン系粘着剤全体に対して0〜8重量%が好ましく、特に0〜4重量%が好ましい。
また、本発明の粘着剤層は、透湿度が3,000g/m・day以上であっても、粘着層の厚さが27μmであり、支持体の厚さが18μmであるときのウレタン支持体の場合において、後述の試験法による対ベークライト粘着力が、0.3〜2N/12mm、好ましくは0.5〜1.6N/12mm、より好ましくは0.7〜1N/12mmであることもでき、後述の試験法によるプローブタックが、0.5〜1.2N/5mmφ、好ましくは0.5〜1N/5mmφ、より好ましくは0.6〜0.9N/5mmφであることもでき、後述の試験法によるボールタックが、好ましくはNo.15以上、より好ましくはNo.20以上であることもでき、後述の試験法による対ガラス保持力(ズレ長さ)が、好ましくは0.1〜1mm、より好ましくは0.1〜0.5mm、さらに好ましくは0.2〜0.3mmであることもできる。なお、粘着力の調整は本明書に記載されたような方法や慣用の方法で行い得るが、粘着剤層や支持体の厚さによっても調整され得る。すなわち、粘着剤厚を厚くした場合は粘着力が高くなり、薄くした場合は粘着力が低くなる傾向にある。支持体を厚くした場合は貼付材としての剛性が高くなって粘着力が高くなる傾向にあり、支持体を薄くした場合は粘着力が低くなる傾向にある。また、支持体自体の剛軟度に影響を受けるため、一概には言えないが、例えば不織布や織布とした場合については、粘着力はウレタンの場合とほぼ傾向が同じになる。
本発明の貼付材の粘着剤層の厚さは、特に制限されないが、皮膚への固定性を担保し、支持体厚みとのバランスの点から5μm以上、特に10μm以上が好ましく、粘着剤層が厚くなりすぎると透湿度と皮膚への追従性が低下する点から100μm以下、特に40μm以下が好ましい。
例えば、上記粘着剤層の厚さは、5μm〜100μm、特に10μm〜40μmが好ましい。
また、皮膚を覆うという用途において、貼付材の粘着剤層の厚さを3〜7μm付近とする場合は、貼付材としての皮膚への追従性、目立ちにくさ等の効果を貼付材に与えることができる。
本発明の支持体は、皮膚に貼付するために適度な伸縮性、柔軟性、強度等を備えるものであれば特に限定されないが、粘着剤の透湿性を活かした貼付材とするために、透湿性のある支持体が適している。支持体の透湿度は、3,000g/m・24hr以上、特に4,000g/m・24hr以上が好ましい。また、支持体の透湿度の上限は、特に制限されないが、通常、約10,000g/m・24hr以下、好ましくは約8,000g/m・24hr以下である。例えば、3,000g/m・24hr〜約10,000g/m・24hr、特に4,000g/m・24hr〜約8,000g/m・24hrが好ましい。このような透湿度を有する支持体は、不織布、編布では容易に達成されるが、特にドレッシング材として有用なウレタン樹脂の支持体はそれ自体公知であり(例えば、特開平7−231910号公報)、市販されている。
本発明の貼付材を医療用テープに使用する場合、支持体は、透湿度が3,000g/m・24hr以上、特に4,000g/m・24hr以上であれば好ましく、伸縮性または非伸縮性のものを用いることもできる。例えば織布、不織布、編布、フィルムなどであり、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート等、またはそれらの複合素材から選択することができ、積層とすることもできる。そのままでは透湿性が低いフィルムについては、炭酸カルシウム等を含有した多孔質フィルムや、穿孔等をして加工して用いることもできる。透湿度が高い貼付材が得られる点で、支持体として、不織布、織布、及び編布などが好ましい。
本発明の支持体として、特にドレッシング材用の支持体として、ウレタン樹脂から製造する支持体、例えばフィルムなどが好適であり、柔軟で適度な強度を持ち、特に皮膚への貼付材の固定性を高めたり貼付中の違和感を減らしたりする観点から好ましくは水膨潤性が低いものが使用される。
本発明において、支持体をウレタン樹脂から製造する場合は、上述の透湿度を有している限り、特に制限されず、エーテル系ウレタン樹脂及びエステル系ウレタン樹脂など例示されるが、水膨潤性が低い点からエーテル系ウレタン樹脂が好ましく選択される。
これら所定の透湿度のエーテル系ウレタン樹脂は、BASF社等で入手可能である。エーテル系ウレタン樹脂を製造するには、例えば、従来から用いられてきたワンショット法又はプレポリマー法を用いて重合することができる。また、溶剤を使用しないバルク重合であっても、粘度低減のために溶液中で重合を行ってもよい。これらの重合法により作製されたフィルムは、DINTEX FT1080−PE、DINTEX FT1881−PE(ユニポリマー製)、サンプレンHMP−17A(三洋化成製)等があり、それぞれ入手可能である。
本発明の支持体には、必要に応じて通常使用される添加剤、例えば紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などが添加され得る。これらの添加剤は、その種類に応じて通常の量で用いられる。
本発明の支持体の厚みは、貼付材としての取り扱い性を高める点から、10μm以上、特に15μm以上が好ましく、また、高透湿の支持体が製造し易くなり、本発明の効果が奏し易くなる点から、50μm以下、特に40μm以下が好ましい。10μm以下、特に5〜10μmの場合は、支持体として非常に薄く取り扱い性が困難になるため、担持体の工夫、例えば担持体の剛性を支持体より高めたり、口取り片などを設けたりすることが必要となる。
本発明の担持体は、支持体を補強して、本発明の貼付材の製造性や操作性を向上させる役割を果たす。また、この担持体は貼付時に貼付部位が確認できるような視認性を考慮すると、透明もしくは半透明であることが望ましい。さらに、この担持体は、支持体に対して相対的に高い弾性率を有して、支持体に対し、3〜20倍程度の弾性率であるものが好ましい。また、担持体を支持体に積層させる面には、支持体と適度な接着性を保って積層される必要があるため、各種処理を行っておくことが適切である。このような処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、マット処理などが例示される。
担持体が支持体から剥離しにくい場合は、担持体の中央部付近に切れ目を設けてもよく、担持体同士の切れ目間隔を空けて担持体を2枚としてもよい。また、さらに担持体の切れ目上部にテープ又はフィルムを積層して、掴み片として口取り部を設けてもよい。口取り部はフィルム、不織布、織布、又はそれらの積層体としてもよいし、粘着テープとしてもよく、着色も可能である。担持フィルムの端部分は波形或いは複数の切り込みを入れた状態としても良く、支持体より大きく形成したものを使用してもよい。これらは、貼付材をロール状とした場合においても、担持フィルムを剥ぎ取りやすくし、取り扱い性を向上させるのに有効である。
上記の担持体として用いられるのは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。また、これらの単体の担持体だけでなく、紙、不織布、織布、編布、金属箔と積層した複合体の担持体であっても差し支えないが、このような担持体には、視認性やコストなどの観点からポリオレフィン及びポリエステルフィルムが用いられることが好ましい。
本発明の貼付材は、取扱いの簡便さのため、剥離体を設けることができるが、剥離体は、貼付材の製造においても有用である。すなわち、転写塗工、直塗工どちらの場合でも、粘着剤のイソシアネートの反応が終了する前に離型処理剤と接触する可能性があるため、シリコーン系等のイソシアネートと反応しない処理剤を用いた剥離体は都合がよい。
本発明の剥離体として貼付材の分野で慣用のものを用いることができる。例えば、シリコーン離型処理した上質紙、グラシン紙等の紙基材やポリエステルフィルム等を用いることができる。また、剥離体の目付けは、限定はされないが、通常、50〜150g/m程度が好ましく、60〜100g/m程度がより好ましい。剥離体の略中心部に、その外形を分断する線状の剥離ライナー分断部を1本もしくは2本以上設けることによって、一方の剥離体を剥がしても、他方の剥離体が残り、粘着面に触れることなく貼付作業ができるようになり、作業性が向上する。貼付材をロール状とした場合においては、特に剥離体を剥ぎ取りやすくし、取り扱い性を向上させるのに有効である。また、2枚以上の剥離体を粘着剤から剥離しやすいように、剥離体を一方に覆い被さるか又は折り返すように配置しても、取り扱い性を向上させるのに有効である。
本発明の貼付材は、パッドを使用することもできる。パッドは、ガーゼやレーヨン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンの不織布などで目付が2〜100g/m程度のものを使用することができ、好適には粘着剤塗布面の中央部に置くことができる。
本明細書中に示された上限値及び下限値で示される数値範囲は、それを任意に狭めることで一部除いてもよく(また、その範囲内の一点又は数点を除いてもよい)、除いた後の範囲においても、除く前と同様の作用効果を奏する。
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の合成例、実施例及び比較例中の部及び%は、原則として、それぞれ重量部及び重量%を示す。
1.貼付材の作製
ポリエーテルポリオールにウレタン用硬化触媒を1.0重量%添加し、攪拌して、混合物を得た。この混合物とイソシアネートを遊星式攪拌装置にて2,000rpmで1分間攪拌して混合した後、ただちに剥離紙上に粘着剤厚が27±3μmになるように塗布した。粘着剤の硬化を促進するために130℃のオーブンで1分間加熱した後、ウレタンフィルム(厚さ18μm)をラミネートし、23℃雰囲気下で1週間熟成して、貼付材を作製した。
上記の製造に使用されたポリエーテルポリオールなどの原料及びその使用量は表1〜3に示した。使用量は部で表わされている。なお、イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートプレポリマー(平均分子量約0.07×10、平均官能基数(F)=2、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートAE700-100)を、NCO/OHモル比が0.9になるように使用した。
また、表1〜3に示した原料は以下のとおりである。
A1:ポリエーテルポリオール、グリセリンを開始剤としたプロピレンオキシド(PO)単位の重合体、平均分子量1.5×10、平均官能基数(F)=3、旭硝子社製、商品名プレミノールS3015;
A2:ポリエーテルポリオール、グリセリンを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量1.2×10、F=3、旭硝子社製、商品名プレミノール3012;
A3:ポリエーテルポリオール、グリセリンを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量1.0×10、F=3、旭硝子社製、商品名プレミノールS3011;
A4:ポリエーテルポリオール、グリセリンを開始剤としたEO単位とPO単位の共重合体、平均分子量1.0×10、F=3、EO単位含量=10%、旭硝子社製、商品名プレミノール7012;
B1:ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量1.5×10、F=2、旭硝子社製、商品名プレミノールS4015;
B2:ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量1.0×10、F=2、旭硝子社製、商品名プレミノールS4011;
B3:ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量0.55×10、F=2、旭硝子社製、商品名プレミノールS4006;
B4:ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールを開始剤としたEO単位とPO単位の共重合体、平均分子量0.4×10、F=2、EO単位含量=25%、旭硝子社製、商品名プレミノール5005;
B5:ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量0.2×10、F=2、旭硝子社製、商品名プレミノールS4001;
C:ポリエーテルモノオール、メタノールを開始剤としたPO単位の重合体、平均分子量0.33×10、F=1、旭硝子社製、商品名プレミノールS1004F;
触媒:ウレタン用硬化用触媒、カルボン酸亜鉛、King Industries社製、商品名K-KAT XK‐627
2.粘着特性の測定
上記で製造された実施例1〜20及び比較例1〜10の貼付材について、その粘着特性等を下記に示す試験で測定した。結果を表1〜3に示した。
(1) 試験片の作製
対ベークライト粘着力、プローブタック、保持力、及び皮膚粘着力の測定のために、基材のMD方向がサンプルの長辺となるように、幅12mm×長さ75mmにカットした。
また、ボールタック測定のために、基材のMD方向がサンプルの長辺となるように、幅25mm×長さ225mmにカットした。
(2) 対ベークライト粘着力
JIS Z−0237に従い、23℃、50%RH雰囲気下でベークライトパネル(フェノール樹脂板、住友ベークライト社製)に12mm幅の試験片を貼付、圧着装置を用い、2kgのゴムロールで300mm/minの速度で1往復圧着し、20分間放置後、剥離速度300mm/minで180°剥離力を測定した(3検体の平均値)。
(3) プローブタック
ASTM D−2979に準じ、23℃、50%RH雰囲気下でNSプローブタックテスター(ニチバン(株)社製)を用いて、直径5mmのプローブ、押圧0.98N/cm、接触時間1秒、剥離速度10mm/secの条件で測定した(3検体の平均値)。
(4) ボールタック
JIS Z−0237に準じ、23℃、50%RH雰囲気下で傾斜式ボールタック試験装置を用いて測定を行った。傾斜角度30°、助走路100mm、測定部(試験片の粘着面)100mmになるように25mm幅の試験片を、粘着面を上にして両面テープ(ニチバン(株)社製)で固定した。直径1/32から1インチまでの32種類のベアリング玉を転がし、粘着面に30秒間以上留まったボールの最大No.を測定値とした。
(5) 対ガラス板保持力
JIS Z−0237に従い、23℃、50%RH雰囲気下で、試験片の伸び防止のために適当な粘着テープで背面を覆った幅12mmの試験片を、ガラス板に12mm×20mmの面積となるように貼付し、2kgのゴムロールで300mm/minの速度で1往復圧着した。20分放置後、粘着シートが垂直に垂れ下がるように吊るし、200gの荷重を加えて、1時間後のズレ長さを測定した(3検体の平均値)。
(6) 付着状態、剥離時の痛み、糊残り
23℃、50%RH雰囲気下で12mm幅の試験片を成人男女5名の前腕内側に貼付し、1時間後、付着状態、剥離時の痛み、剥離後の皮膚への粘着剤の残留(糊残り)があるか否かを観察し、「付着状態」「痛み」「糊残り」について以下の基準に従って評価した。
付着状態;貼付1時間後の付着状態を下記の基準に従って評価した。
AA:4〜5名が試験片全面に渡って良く付着していた。
A:3名が試験片全面に渡って良く付着していた。
B:2名が試験片全面に渡って良く付着していた。
C:1名が試験片全面に渡って良く付着していた。
痛み;剥離時の痛みを下記の基準に従って評価した。
AA:4〜5名が痛みを感じなかった。
A:3名が痛みを感じなかった。
B:2名が痛みを感じなかった。
C:1名が痛みを感じなかった。
糊残り;試験片剥離後の皮膚への粘着剤の残留の程度を下記の基準に従って評価した。
AA:4〜5名に糊残りが見られなかった。
A:3名に糊残りが見られなかった。
B:2名に糊残りが見られなかった。
C:1名に糊残りが見られなかった。
(7) 塗工性
塗工性の評価として、剥離紙上に混合物を塗布し、130℃のオーブンで1分間加熱した後、塗布面積に対して混合物がはじいた面積について下記の基準に従って評点とした。
AA:はじいた面積が塗工面の5%以下
A:はじいた面積が塗工面の5%〜20%程度
B:はじいた面積が塗工面の20〜40%
C:はじいた面積が塗工面の40%以上
3.透湿度
一定時間に単位面積の試験片を通過する水蒸気の量として透湿度を評価した。具体的には、40℃雰囲気下、試験片により隔てられる一方側の空間の相対湿度を90%とし、他方側の空間を吸湿剤によって乾燥状態に保ったときに、24時間に試験片を通過する水蒸気の質量(g)を測定し、試験材料1m2当たりに換算した。測定はJIS Z−0208に準じて行い、カップの内径より約10mm大きい直径の円形の試験片を約8gの塩化カルシウム吸湿剤を入れたカップに被せ、さらに試験片がずれないようにゴムパッキンとリングを被せてネジ止めした。粘着剤層の透湿度を測定する場合は、粘着剤層の透湿度に影響しない目の粗いナイロンネットにて測定すべき粘着剤層を支持させて試験片を作製し、上記と同様に測定した。この試験片の総質量を測定した後、40℃、90%RH雰囲気下の恒温恒湿槽中に入れ、一定時間毎の質量変化を測定し、以下の式に従って透湿度を求めた:
透湿度(g/m・24hr)=W×24000/S
[式中、Sは透湿面積(cm2)を、Wは1時間当たりの質量増加(g/hr)を表す。]
Figure 0006270818
Figure 0006270818
Figure 0006270818
全ポリエーテルポリオールを100部としたときに、平均分子量1.2×10以上かつ平均官能基数3のポリエーテルポリオールが40部以上である実施例1〜20の貼付材は、ボールタック15以上、対ガラス板保持力(保持力ずれ)1mm以内を示した。
一方、全ポリエーテルポリオールを100部としたときに、平均分子量1.5×10かつ平均官能基数3のポリエーテルポリオールが40部未満である比較例1の貼付材は、ボールタック15以上を示したが、保持力ずれは1mmを超えていた。
また、平均分子量1.2×10以上かつ平均官能基数3のポリエーテルポリオールを含有しない比較例2、3はボールタック24以上を示したが保持力ずれが1mm以上、もしくは凝集力不足により評価できないものとなった。
また、平均分子量0.1×10以上かつ平均官能基数2のポリエーテルポリオールを含有しない比較例4、5、10は保持力ずれが1mm以内であるがボールタックが13以下となった。
また、平均分子量1.0×10以下かつ平均官能基数3のポリエーテルポリオールが40部以上である比較例6〜9の貼付材は、剥離紙に塗工した際ハジキがみられ、塗工性に問題が認められた。塗工性が悪いと、粘着特性が良くても、実際の製造には適さず、また、得られた貼付材の粘着剤厚にムラが出るので、粘着特性にばらつきが生じ、良好な粘着特性を有する貼付材は得られない。
実施例1〜20は、貼付1時間後の皮膚への貼付状態も試験片全面に渡って良く付着して良好で、剥離後の皮膚への粘着剤の糊残りもほとんど見られなかった。
以上から、平均分子量が1.2×10以上かつ平均官能基数が3であるポリエーテルポリオール40〜90重量部と、平均分子量0.1×10以上かつ平均官能基数2のポリエーテルポリオールを使用すると、粘着特性と塗工性が良好な粘着剤が得られることが認められた。
本発明の粘着剤を使用した貼付材は、皮膚などに適用され、例えば、医療用などに、例えば医療衛生分野や外用用途などの分野で好適に使用される。具体的には、絆創膏、粘着包帯、ドレッシング材、外科手術用のサージカルテープ、経皮吸収製剤などに使用できる。本発明の貼付材は、使用態様に合せて、フィルム状、シート状、板状、帯状、テープ状などの任意の形態を取り得る。また、ロール状で保管され、使用時に適宜切断して使用してもよい。
1 担持体
2 支持体
3 粘着剤層
4 剥離体

Claims (7)

  1. 無溶剤型のポリウレタン系粘着剤であって、
    (A)平均分子量1.2×10以上かつ平均官能基数3の活性水素化合物と、
    (B)平均分子量0.1×10以上かつ平均官能基数2の活性水素化合物と、
    (C)平均官能基数2の有機ポリイソシアネートと
    を反応させて得られる粘着剤(ここで、該粘着剤中において、全活性水素化合物を100重量部としたときに、(A)の活性水素化合物は40〜90重量部である)。
  2. 該粘着剤中において、全活性水素化合物を100重量部としたときに、(A)の活性水素化合物が45〜70重量部である、請求項1に記載のポリウレタン系粘着剤。
  3. (A)の活性水素化合物活性の平均分子量が1.4×10以上である、請求項1又は2に記載のポリウレタン系粘着剤。
  4. 活性水素化合物がポリエーテルポリオールである、請求項1〜3に記載のポリウレタン系粘着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤を含む粘着剤層を備えた貼付材。
  6. 粘着剤層の厚さが5〜100μmである、請求項5に記載の貼付材。
  7. 貼付材の透湿度が1,000g/m・24hr以上である、請求項5又は6に記載の貼付材。
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