JP6263038B2 - パワーユニットの防振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に変速機が一体に備えられたパワーユニットの防振構造に関する。
パワーユニットは、内燃機関のクランクシャフトの回転動力をクラッチ装置および変速機を介して出力軸に伝達される過程において、複数の動力伝達機構が介在する。
一般に、クラッチ装置には、クラッチの切換えに伴うトルク変動を緩衝するトルクダンパがプライマリドリブンギヤに設けられている。
そして、変速機の変速に伴うトルク変動を緩衝するトルクダンパを複数備えて、パワーユニットの振動を極力抑制しようとする例がある(特許文献1参照)。
特開2003−193854号公報
特許文献1には、常時噛合式の歯車変速機の入力側にクラッチ出力軸との間にカム式ダンパが設けられるとともに、変速機の出力であるカウンタ軸とパワーユニットの出力軸との間にトルクダンパが設けられている。
変速機を備えたパワーユニットにおいて、変速時に現変速段が切り換わるタイミングや路面との駆動反力によってトルク変動を発生するが、この大きなトルク変動を緩衝するために、特許文献1では、変速機の入力側と出力側の双方にトルクダンパを設けることで、パワーユニットの振動を極力抑制しようとしている。
しかし、変速機の入力側と出力側のそれぞれにトルクダンパを設けることで、パワーユニットが大型化するとともに、変速機に大きなトルク変動が発生してしまうと、駆動力を伝達していない変速段の一対の変速歯車がそのまま慣性マスとなるので、トルクダンパを複数設けてもトルク変動による振動を抑制することは必ずしも容易ではない。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、変速や駆動反力に伴うトルク変動自体を小さく抑えてパワーユニットを小型化するとともに、変速歯車の振動に伴うパワーユニットの振動を低減することができるパワーユニットの防振構造を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
内燃機関(E)に変速機(Tm,Ts)が備えられたパワーユニット(P)において、
前記変速機(Ts)の変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間にトルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられ
前記変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間に互いに相対回転可能な仲介回転部材(55,56)が前記動力伝達軸(51)に軸支されて介装され、
前記トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)は、前記動力伝達軸(51)と前記仲介回転部材(55,56)との間に設けられるカム式トルクダンパ(60)と、前記仲介回転部材(55,56)と前記変速歯車(53,54)との間に設けられるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)とからなることを特徴とするパワーユニットの防振構造
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパワーユニットの防振構造において、
前記変速歯車(53,54)は、噛み合う一対の変速駆動歯車(43,44)と変速従動歯車(53,54)のうち変速従動歯車(53,54)であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のパワーユニットの防振構造において、
前記変速歯車(53,54)と前記仲介回転部材(55,56)との間に設けられるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、周方向に複数配設されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のパワーユニットの防振構造において、
複数の前記ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、バネ特性の異なるダンパスプリングが混在することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のパワーユニットの防振構造において、
前記ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、前記動力伝達軸(51)の周囲の前記変速歯車(53,54)のスポーク部(53b,54b)に配設されて前記仲介回転部材(55,56)との間に介装されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のパワーユニットの防振構造において、
前記変速歯車(53,54)と変速段の異なる第2の変速歯車(53,54)が、前記仲介回転部材(55,56)との間に第2のダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)を介装して設けられることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、
内燃機関(E)に変速機(Tm,Ts)が備えられたパワーユニット(P)において、
前記変速機(Ts)の変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間にトルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられ、
前記パワーユニット(P)は、前記内燃機関(E)と前記変速機(Tm)との間にクラッチ装置(30)を備え、
前記クラッチ装置(30)の入力側にクラッチダンパ(29s)が設けられ、
前記変速機(Tm,Ts)は、動力伝達の上流側となる主変速機(Tm)と下流側となる副変速機(Ts)とからなり、
前記主変速機(Tm)の主変速機出力軸(32)と前記副変速機(Ts)の副変速機入力軸(41)とはスプライン嵌合し、
前記トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられる前記変速歯車(53,54)は前記副変速機(Ts)の変速歯車(53,54)であることを特徴とするパワーユニットの防振構造である
請求項1記載のパワーユニットの防振構造によれば、変速機(Ts)の変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間にトルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられるので、噛み合う一対の変速歯車の一方の歯車(53,54)がトルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)により分割された別体で構成されるため、変速機全体の慣性マスが小さくなり、駆動反力や変速に伴うトルク変動自体を小さく抑えることができ、パワーユニット(P)の振動を容易に低減することができる。
かつ、トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)は変速歯車(53,54)と動力伝達軸(51)との間に設けられ、変速機(Ts)の入力側や出力側などにそれぞれ設ける必要はなく、パワーユニット(P)を小型化することができる。
請求項1記載のパワーユニットの防振構造によれば、変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間に互いに相対回転可能な仲介回転部材(55,56)が動力伝達軸(51)に軸支されて介装され、トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)は、動力伝達軸(51)と仲介回転部材(55,56)との間に設けられるカム式トルクダンパ(60)と、仲介回転部材(55,56)と変速歯車(53,54)との間に設けられるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)とからなるので、カム式トルクダンパ(60)とダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)の2重のトルクダンパによって変速に伴うトルク変動はより一層小さく抑えられ、パワーユニット(P)の振動を益々低減できるとともに、変速歯車(53,54)と動力伝達軸(51)との間にカム式トルクダンパ(60)とダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)がコンパクトに組み込まれ、パワーユニット(P)を小型に維持することができる。
請求項2記載のパワーユニットの防振構造によれば、前記変速歯車(53,54)は、噛み合う一対の変速駆動歯車(43,44)と変速従動歯車(53,54)のうち変速従動歯車(53,54)であるので、変速従動歯車(53,54)と仲介回転部材(55,56)との間にダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)が設けられ、動力伝達の下流側となる動力伝達軸(51)と仲介回転部材(55,56)との間にカム式トルクダンパ(60)が設けられることで、駆動輪(3,3)からの過大な逆トルクに対して、カム式トルクダンパ(60)と上流側のダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)とが協働して防振効果を発揮するため、ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)を小型化することができる。
請求項3記載のパワーユニットの防振構造によれば、変速歯車(53,54)と仲介回転部材(55,56)との間に設けられるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、周方向に複数配設されるので、ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)が周方向に分散配置され、必要なバネ弾性力を維持しながら各ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)を小さくして周方向にコンパクトに配設して防振構造を小型化することができる。
請求項4記載のパワーユニットの防振構造によれば、複数の前記ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、バネ特性の異なるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)が混在するので、幅広い振動数域のねじり振動を吸収することができ、防振特性を向上させることができる。
請求項5記載のパワーユニットの防振構造によれば、ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、動力伝達軸(51)の周囲の変速歯車(53,54)のスポーク部(53b,54b)に配設されて仲介回転部材(55,56)との間に介装されるので、変速歯車(53,54)の歯部と動力伝達軸(51)との間のスポーク部(53b,54b)の空間を利用してダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)が配設され、防振構造をコンパクトに組み込んで変速機(Ts)を小型化し、部品点数を削減することができる。
請求項6記載のパワーユニットの防振構造によれば、前記変速歯車(53,54)と変速段の異なる第2の変速歯車(53,54)が、仲介回転部材(55,56)との間に第2のダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)を介装して設けられるので、変速段の異なる2個の変速歯車(53,54)を仲介回転部材(55,56)とカム式トルクダンパ(60)を共用してコンパクトに設けることができ、部品点数を削減した簡単な構造で、変速段ごとに適正な防振特性を容易に設定することができる。
請求項7記載のパワーユニットの防振構造によれば、前記パワーユニット(P)は、内燃機関(E)と変速機(Tm)との間にクラッチ装置(30)を備え、クラッチ装置(30)の入力側にクラッチダンパ(29s)が設けられるので、クラッチダンパ(29s)によって内燃機関(E)のクランク軸(21)のトルク変動の影響を変速機(Tm)側に与えることなく、かつクラッチの切換えに伴うトルク変動を吸収して、パワーユニット(P)の振動を低減することができる。
請求項7記載のパワーユニットの防振構造によれば、前記変速機(Tm,Ts)は、動力伝達の上流側となる主変速機(Tm)と下流側となる副変速機(Ts)とからなり、主変速機(Tm)の主変速機出力軸(32)と副変速機(Ts)の副変速機入力軸(41)とはスプライン嵌合して一体に回転し、前記トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられる変速歯車(53,54)は副変速機(Ts)の変速歯車(53,54)であるので、主変速機(Tm)の入力側のクラッチ装置(30)にクラッチダンパ(29s)が配置され、副変速機(Ts)の出力側にカム式トルクダンパ(60)とダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)が配設され、主変速機出力軸(32)と副変速機入力軸(41)とがスプライン嵌合して一体に回転する構成であり、スプライン嵌合部(39)より上流の主変速機(Tm)およびクラッチ装置(30)のトルク変動と、副変速機(Ts)のトルク変動とが、主変速機出力軸(32)と副変速機入力軸(41)のスプライン嵌合により相互に打ち消し合って優れた防振効果を発揮する。
本実施の形態に係るパワーユニットを搭載した不整地走行用車両の側面図である。 本パワーユニットの全体斜視図である。 同パワーユニットの前面図である。 前側副変速機ケースを外した副変速機の前面図である。 同パワーユニットの動力伝達系の全体を示す動力伝達装置の断面図である。 副変速機の断面図(図4のVI−VI線断面図)である。 副変速機の断面図(図4のVII−VII線断面図)である。 副変速機の斜視図である。 変速従動軸に軸支される部材の分解断面図である。 変速従動軸および同変速従動軸に軸支される部材の前面図である。 同後面図である。 パーキング操作レバーの作動機構を示す斜視図である。 後差動装置の断面図である。 3種のトルクダンパのバネ特性線図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図14に基づいて説明する。
本実施の形態に係るパワーユニットPは、4輪駆動可能なルーフ付きの5人乗り不整地走行用車両1に搭載されるものである。
図1を参照して、不整地走行用車両1は、不整地用の低圧のバルーンタイヤが装着される前輪2,2と後輪3,3がそれぞれ左右一対車体フレーム5の前後に懸架されている。
車体フレーム5の前後中央位置に、パワーユニットPが内燃機関Eのクランク軸21を前後方向に指向させて搭載されており、パワーユニットPの出力軸(変速従動軸)51が前後に突出しており、同出力軸51の回転動力は、出力軸51の前端から前ドライブシャフト6および前差動装置7を介して左右の前輪2,2に伝達され、後端から後ドライブシャフト8および後差動装置9を介して左右の後輪3,3に伝達される。
なお、前差動装置7および後差動装置9は、デフロック機構が付加されており、前差動装置7には前輪への動力伝達を断接して2輪駆動と4輪駆動の切換えを行うクラッチが組み込まれている。
パワーユニットPの上方を前シート11が左右に3席並んで配置され、車体フレーム5の後部に後シート12が左右に2席配置されている。
前シート11の中央の席が運転席であり、若干左右の席より前方に出ている。
この運転席の前方にステアリングコラム14から突出して操舵ハンドル15が設けられている。
ステアリングコラム14の近傍の操作パネル130には、パーキング操作レバー120が配設されている。
前シート11と後シート12の上方はルーフ16が覆っている。
この不整地走行用車両1に搭載されるパワーユニットPは、直列2気筒の水冷式4ストロークの内燃機関Eに主変速機Tmと副変速機Tsが組み合わされて動力伝達装置20が構成されている。
そして、パワーユニットPは、内燃機関Eのクランク軸21を車体前後方向に指向させた所謂縦置きの姿勢で、車体フレーム5に搭載されている。
図1に示すように、前記パーキング操作レバー120からはシフトケーブル121とパーキングケーブル122が延出しており、シフトケーブル121は、副変速機Tsの前方に突出したシフトスピンドル101に基端を嵌着されたシフト作動レバー100の先端に結合される(図3参照)。
一方、パーキングケーブル122は、車体後方に延び、後差動装置9に付加されたデフロック機構160の作動部に結合されている。
図2および図3を参照して、パワーユニットPは、内燃機関Eのクランク軸21を軸支するクランクケース22の斜め右上方にシリンダブロック23,シリンダヘッド24,シリンダヘッドカバー25が順次重ねられて突出している。
クランクケース22は右方に膨出して主変速機Tmを収容する主変速機ケース22tを構成している。
この主変速機Tmは、内燃機関Eのクランク軸21の右方に位置し、主変速機Tmの前方に略重なって副変速機Tsが突設されている。
本動力伝達装置20の全体を図5に断面図で示す。
内燃機関Eのシリンダブロック23には、2本のシリンダが前後直列に並んで形成され、各シリンダボア内を往復摺動するピストン26とクランク軸21とをコンロッド27が連結して、ピストン26の往復動をクランク軸21の回転に変換して出力する。
前後方向に指向するクランク軸21の前端部にプライマリ駆動歯車28が嵌着されている。
クランク軸21の右方に位置する主変速機Tmのメイン軸31は、長尺のメイン軸内筒31aの外周にメイン軸外筒31bとクラッチ部外筒31cが左右に並んで回転自在に嵌合して構成されている。
メイン軸31には6個の駆動変速ギヤ31gが設けられ、カウンタ軸32には駆動変速歯車31gに対応して、これらと常時噛み合う6個の被動変速ギヤ32gが設けられている。
奇数変速段の駆動変速歯車31gはメイン軸内筒31aに、偶数変速段の駆動変速歯車31gはメイン軸外筒31bに設けてある。
第1クラッチ30aと第2クラッチ30bとからなる一対のツインクラッチ30はクラッチ部外筒31c上に構成されており、クラッチ部外筒31cの中央にプライマリ従動歯車29、その両側に第1クラッチ30aと第2クラッチ30bのクラッチアウタ30ao、30boがスプライン嵌合して軸方向の移動を規制されて設けられている。
中央のプライマリ従動歯車29がクランク軸21に設けられたプライマリ駆動歯車28に噛合する。
そして、プライマリ従動歯車29とクラッチ部外筒31cの中央のフランジ部との間にクラッチダンパスプリング29sが介装されていて、プライマリ従動歯車29とクラッチ部外筒31cの間でトルク変動をクラッチダンパスプリング29sが緩衝する。
そして、第1クラッチ30aのクラッチインナ30aiはメイン軸内筒31aに軸方向の移動を規制されてスプライン嵌合され、第2クラッチ30bのクラッチインナ30biはメイン軸外筒31bに軸方向の移動を規制されてスプライン嵌合されている。
クラッチアウタ30ao(30bo)側の一緒に回転する駆動摩擦板とクラッチインナ30ai(30bi)側の一緒に回転する被動摩擦板とを交互に配列した摩擦板群30af(30bf)を加圧プレート30ap(30bp)が加圧可能である。
加圧プレート30ap,30bpを選択的に駆動する油圧回路が、メイン軸内筒31aとクラッチ部外筒31cおよび右クランクケースカバーに形成されている。
加圧プレート30apが駆動されて摩擦板群30afが加圧されると、第1クラッチ30aが接続し、プライマリ従動ギヤ29に入力された動力がメイン軸内筒31aに伝達され、奇数変速段の駆動変速歯車31gが回転する。
他方、加圧プレート30bpが駆動されて摩擦板群30bfが加圧されると、第2クラッチ30bが接続し、プライマリ従動ギヤ29に入力された動力がメイン軸外筒31bに伝達され、偶数変速段の駆動変速歯車31gが回転する。
メイン軸31に軸支される6個の駆動変速ギヤ31gのうち2個は、軸方向に摺動するシフタ歯車であり、カウンタ軸32に軸支される6個の被動変速ギヤ32gのうち2個は、軸方向に摺動するシフタ歯車である。
カウンタ軸32上の2個のシフタ歯車を移動させるシフトフォーク33,33がシフトフォーク軸33aに軸支されて設けられる。
メイン軸31上の2個のシフタ歯車を移動させるシフトフォーク33,33およびシフトフォーク軸も、図示されていないが設けられている。
4つのシフトフォーク33は、シフトドラム34の回動により外周面に形成された案内溝に案内されて移動して有効に動力伝達される歯車の噛み合いを切り換える。
シフトドラム34は変速用モータ35により回動する。
変速用モータ35の駆動力は、減速歯車機構36を介してシフトスピンドル37の回動に伝達され、シフトスピンドル37の回動が間欠送り機構38を介してシフトドラム34の回動に伝達される。
したがって、主変速機Tmは、ツインクラッチ30の油圧制御と、変速用モータ35の駆動制御により、1速から6速の変速段を円滑に切り換えて変速することができる。
主変速機Tmの出力軸は、カウンタ軸32であり、カウンタ軸32はクランクケース22の前側壁22fを前方に貫通して突出している。
本パワーユニットPは、この主変速機Tmの前方に副変速機Tsが設けられている。
副変速機Tsは、前後割りとされた前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rが合体されて、内部に構成される。
副変速機Tsの前側副変速機ケース40fを外した前面図である図4に示すように、副変速機Tsの互いに変速歯車を噛み合わせる変速駆動軸41と変速従動軸51が左右に並んで配置され、変速駆動軸41と変速従動軸51の斜め上方の三角形の頂点をなす位置に中間歯車軸71が配置される。
副変速機Tsの断面図である図6および図7を参照して、副変速機Tsの変速駆動軸41と変速従動軸51および中間歯車軸71がクランク軸21と平行で前後方向に指向して、前後端が前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rに軸支されて架設される。
変速駆動軸41は、前端が前側副変速機ケース40fの軸受凹部に嵌入されたベアリング42fにより軸支され、後端が後側副変速機ケース40rの軸受孔に嵌入されたベアリング42rにより軸支されて回転自在に架設される。
変速駆動軸41の後端部は大径の軸穴を形成する後端円筒部41rをなし、後端円筒部41rの内周面にスプラインが形成されて、後方に露出しており、この変速駆動軸41の後端円筒部41rの軸穴に、主変速機Tmのクランクケース22の前側壁22fを前方に貫通して突出したカウンタ軸32のスプラインが形成された前端部が嵌入して、変速駆動軸41と同軸にスプライン嵌合する。
したがって、主変速機Tm側のカウンタ軸32と副変速機Ts側の変速駆動軸41が、このスプライン嵌合部39で同軸に連結されて、一体となって回転する。
変速駆動軸41には、中央に高速駆動歯車43と低速駆動歯車44が前後に並んで回転自在に軸支され、後部にリバース用駆動歯車45が回転自在に軸支されている。
そして、変速駆動軸41には、前端のベアリング42fと高速駆動歯車43との間に高速切換シフタ部材46による高速切換クラッチ機構が設けられている。
高速切換シフタ部材46は、変速駆動軸41の軸方向所定位置にスプライン結合された円筒基部46aの外周に直動ベアリング46bを介して軸方向に移動自在に軸支され、中央に環状にシフトフォーク溝46vが形成され、シフトフォーク溝46vより後側に向けてクラッチ歯46tが形成されている。
このクラッチ歯46tに対向して高速変速用クラッチ受部材47が高速駆動歯車43に嵌着されて設けられている。
したがって、高速切換シフタ部材46が後方に移動すれば、後側クラッチ歯46tが高速駆動歯車43に嵌着された高速変速用クラッチ受部材47に噛み合い、変速駆動軸41とともに高速駆動歯車43を回転し、高速切換シフタ部材46が前方にあるときは、高速駆動歯車43に動力は伝達されない。
なお、高速変速用クラッチ受部材47は、外周面に等間隔に突条47sが複数形成されていて、同突条47sをスピードセンサ(図示せず)が検知することで車速を検出する。
一方、変速駆動軸41には、低速駆動歯車44とリバース用駆動歯車45との間に低速/後進切換シフタ部材48による低速/後進切換クラッチ機構が設けられている。
低速/後進切換シフタ部材48は、変速駆動軸41の軸方向所定位置にスプライン結合された円筒基部48aの外周に直動ベアリング48bを介して軸方向に移動自在に軸支され、前後両側に向けて形成されたクラッチ歯48t,48tの間にシフトフォーク溝48vが形成されている。
低速/後進切換シフタ部材48の前側のクラッチ歯48tに対向して低速変速用クラッチ受部材49が低速駆動歯車44に嵌着されて設けられ、後側のクラッチ歯48tに対向してリバースクラッチ受部材50がリバース用駆動歯車45に嵌着されて設けられている。
したがって、低速/後進切換シフタ部材48が前方に移動すれば、前側クラッチ歯48tが低速駆動歯車44に嵌着された低速変速用クラッチ受部材49に噛み合い、変速駆動軸41とともに低速駆動歯車44を回転し、低速/後進切換シフタ部材48が後方に移動すれば、後側クラッチ歯48tがリバース用駆動歯車45に嵌着されたリバースクラッチ受部材50に噛み合い、変速駆動軸41とともにリバース用駆動歯車45を回転する。
低速/後進切換シフタ部材48が低速変速用クラッチ受部材49とリバースクラッチ受部材50の間の中央にいずれとも噛み合わずに位置すると、変速駆動軸41の回転は低速駆動歯車44およびリバース用駆動歯車45のいずれにも伝達されない。
なお、低速変速用クラッチ受部材49は、外周面にパーキング用係止溝49pが周方向に複数形成されており、後述するように、パーキング停止に用いられる。
変速駆動軸41の右方に平行に配置される変速従動軸51は、前部が前側副変速機ケース40fの軸受孔に嵌入されたベアリング52fを貫通して軸支され、後部が後側副変速機ケース40rの軸受孔に嵌入されたベアリング52rを貫通して軸支され、前後端を前後に突出させて回転自在に架設される。
変速従動軸51は、副変速機Tsの出力軸51であり、かつパワーユニットPの出力軸51でもある。
この変速従動軸51には、変速駆動軸41に軸支された高速駆動歯車43および低速駆動歯車44にそれぞれ常時噛み合う高速従動歯車53および低速駆動歯車54が軸支されている(図6参照)。
高速従動歯車53と変速従動軸51との間に第1仲介回転部材55が互いに相対回転可能に変速従動軸51に軸支されて介装されている。
第1仲介回転部材55は、円筒ボス部55aが円筒軸受であるブッシュ68を介して変速従動軸51に回転自在に軸支され、円筒ボス部55aの前半部に形成されるスポーク部55bに前方に開口したカム凹部55c,55cが中心対称位置に一対形成されているとともに、スポーク部55bの周方向でカム凹部55c,55cの間に後方に開口した円弧状のスプリング凹部55dが4か所形成されている(図8,図9,図10参照)。
なお、スプリング凹部55dは一部後方に開口している。
この第1仲介回転部材55のフランジ部55bの外周に高速従動歯車53が相対回転可能に軸支され、高速従動歯車53のスポーク部53bに第1仲介回転部材55の各スプリング凹部55dと対向してそれぞれスプリング凹部53dが前方に開口して形成され、相対向するスプリング凹部53d,55dの双方に跨るようにダンパスプリング57a(57b)が介装される。
4つのダンパスプリング57a(57b)のうち3つのダンパスプリング57aと残りのダンパスプリング57bは、バネ特性が異なる(図10参照)。
したがって、高速従動歯車53の回転はダンパスプリング57a(57b)を介して第1仲介回転部材55に伝達され、高速従動歯車53と第1仲介回転部材55の間でトルク変動をダンパスプリング57a(57b)が緩衝する。
その際、バネ特性の異なるダンパスプリング57aとダンパスプリング57bが混在するので、幅広い振動数域のねじり振動を吸収することができ、防振特性を向上させることができる。
また、第1仲介回転部材55における円筒ボス部55aの後半の外周に、第2仲介回転部材56がセレーション嵌合して第1仲介回転部材55と一体に回転するように設けられる。
第2仲介回転部材56のスポーク部56bに円弧状の貫通口56cが4か所形成されるとともに、前方に開口した円弧状のスプリング凹部56dが4か所形成されている(図9,図11参照)。
なお、スプリング凹部56dは一部後方に開口している。
この第2仲介回転部材56のスポーク部56bの外周に低速従動歯車54が相対回転可能に軸支され、低速従動歯車54のスポーク部54bに第2仲介回転部材56の各スプリング凹部56dと対向してそれぞれスプリング凹部54dが後方に開口して形成され、相対向するスプリング凹部54d,56dの双方に跨るようにダンパスプリング58a(58b)が介装される。
4つのダンパスプリング58a(58b)のうち3つのダンパスプリング58aと残りのダンパスプリング58bは、バネ特性が異なる(図11参照)。
なお第2仲介回転部材56の貫通口56cには、低速従動歯車54のスポーク部54bの後方に突出する凸部54cが余裕を持って入り込み、相対回転範囲を規制する。
したがって、低速従動歯車54の回転はダンパスプリング58a(58b)を介して第2仲介回転部材56に伝達され、低速従動歯車54と第2仲介回転部材56の間でトルク変動をダンパスプリング58a(58b)が緩衝する。
その際、バネ特性の異なるダンパスプリング58aとダンパスプリング58bが混在するので、幅広い振動数域のねじり振動を吸収することができ、防振特性を向上させることができる。
なお、第2仲介回転部材56は第1仲介回転部材55と一体に回転するので、ダンパスプリング58a(58b)は、低速従動歯車54と第1仲介回転部材55の間でトルク変動を緩衝するものでもある。
また、隣合う高速従動歯車53と低速従動歯車54との間には皿バネ69が介在する。
高速従動歯車53に介装されるダンパスプリング57a(57b)と低速従動歯車54に介装されるダンパスプリング58a(58b)は、組付性を高めるために、取付け寸法が自由長となるように設定されており、組付状態からトルク変動に伴う初期防振効果を補完するために皿バネ69が設けられている。
すなわち、高速従動歯車53と低速従動歯車54との間に介在する皿バネ69により高速従動歯車53と低速従動歯車54は、互いに離れる方向に付勢力を受けて、それぞれ第1仲介回転部材55と第2仲介回転部材56に押圧される状態にあり、トルク変動に伴う初期回転時にある程度の抵抗を伴うことから、ダンパスプリング57a(57b)とダンパスプリング58a(58b)のそれぞれの初期防振効果を補完することができる。
なお、本副変速機Tsにおいては、皿バネ69を高速従動歯車53と低速従動歯車54との間に配置することで、単一の皿バネ69により高速従動歯車53と低速従動歯車54の双方のダンパスプリング57a(57b)とダンパスプリング58a(58b)の防振効果を補完する優れた構造となっている。
このように、常時噛み合う一対の高速駆動歯車43(低速駆動歯車44)と高速従動歯車53(低速従動歯車54)の一方の高速従動歯車53(低速従動歯車54)にダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)を変速従動軸51との間に介装したので、高速従動歯車53(低速従動歯車54)がダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)により分割された別体で構成されるため、副変速機Ts全体の慣性マスが小さくなり、駆動反力や変速に伴うトルク変動自体を小さく抑えることができ、副変速機TsひいてはパワーユニットPの振動を容易に低減することができる。
なお、ダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)は、高速従動歯車53(低速従動歯車54)と変速従動軸51との間に設け、副変速機Tsの入力側や出力側などにそれぞれ設ける必要はなく、副変速機TsひいてはパワーユニットPを小型化することができる。
またさらに、変速従動軸51には、変速従動軸51と第1仲介回転部材55との間にカム式トルクダンパ60が設けられている。
変速従動軸51における第1仲介回転部材55の右側部分には、雄カム部材61がスプライン嵌合されて相対回転が規制され軸方向に摺動可能に軸支されており、同雄カム部材61は後方で対面する第1仲介回転部材55のカム凹部55c,55cに臨んでカム凸部61c,61cが後方に突出している。
雄カム部材61,61cのカム凸部61cは、回転方向に面する側面が後方に向けて傾斜したカム面を有して突出形成されている。
雄カム部材61の前方には、スプリング受け部材62が変速従動軸51にスプライン嵌合されるとともに、止め輪63により前方への移動を規制されて設けられ、このスプリング受け部材62と雄カム部材61の間にコイルスプリング64が介装される(図6,図7参照)。
したがって、雄カム部材61は、コイルスプリング64により後方に付勢されて、カム凸部61c,61cを第1仲介回転部材55のカム凹部55c,55cに挿入し、カム凸部61c,61cのカム面をカム凹部55c,55cの回転方向の面に接するようにして、カム式トルクダンパ60が構成されている。
したがって、出力軸である変速従動軸51に駆動輪側から伝達されるトルクが急激に増減したような場合でも、カム式トルクダンパ60の雄カム部材61のカム凸部61c,61cと第1仲介回転部材55のカム凹部55c,55cとのカム接触により変速従動軸51と第1仲介回転部材55との間で緩衝作用が働き、第1仲介回転部材55より上流側の副変速機Tsへの影響が抑えられ、また変速に伴うトルク変動も抑えられて、変速を円滑に行えるようにすることができる。
また、第1仲介回転部材55と高速従動歯車53との間にはダンパスプリング57a, 57bが介装され、第1仲介回転部材55と一体に回転する第2仲介回転部材56と低速駆動歯車54との間にはダンパスプリング58a, 58bが介装されているので、変速従動軸51と高速従動歯車53との間および変速従動軸51と低速駆動歯車54との間の双方にカム式トルクダンパ60とダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが2重に介装されている。
さらに、前記したように、高速従動歯車53と低速従動歯車54との間に皿バネ69が介在し、両歯車53,54を互いに離れる方向に付勢して、高速従動歯車53は第1仲介回転部材55に押圧され、低速従動歯車54は第2仲介回転部材56に押圧される状態にあるので、高速駆動歯車43(低速駆動歯車44)から高速従動歯車53(低速従動歯車54)に動力伝達するときに、従動側の高速従動歯車53(低速従動歯車54)の回転に皿バネ69による押圧で抵抗があり、特にトルク変動に伴う初期回転時にある程度の抵抗を伴いトルクダンパとして機能する。
したがって、高速駆動歯車43(低速駆動歯車44)と変速従動軸51との間の動力伝達には、皿バネ69とダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)とカム式トルクダンパ60の3重のトルクダンパ機能が作用する。
この3重のトルクダンパのバネ特性(作動角−トルク特性)を、図14に示す。
図14(1)は、皿バネ69とダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)の各バネ特性を合成した2種合成バネ特性線図である。
皿バネ69の付勢力により増した最大静止摩擦力を超えるトルクが働くまでは、作動角は0度であり(図14(1)の特性線S部分)、最大静止摩擦力を生じる所定トルクTs以上のトルクに対してダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)が作動する。
作動角が0度からα度までは、ダンパスプリング57a(58a)のバネ特性が働き、緩やかな勾配の特性直線を示し(図14(1)の特性線A部分)、作動角がα度以上は、ダンパスプリング57b(58b)のバネ特性が働き、さらに勾配を急とした特性直線を示している(図14(1)の特性線B部分)。
一方、コイルスプリング64によるカム式トルクダンパ60のバネ特性線図は、図14(2)に示すように、作動角が0度から増すに従い、トルクは0から初めのうち緩やかに増加し、そのうち増加率が徐々に大きくなり、急勾配となる特性曲線を示す。
皿バネ69とダンパスプリング57a, 57b(58a, 58b)の各バネ特性を合成したバネ特性線(図14(1))に、カム式トルクダンパ60のバネ特性(図14(2))を加えて合成した3種合成バネ特性線図を、図14(3)に示す。
3種合成バネ特性は、最大静止摩擦力を生じる所定トルクTsまでは、作動角は0度であり(図14(3)の特性線S部分)、作動角0度の所定トルクTsから作動角が増すに従い、トルクが緩やかな増加率から徐々に急な増加率に変化している。
このように3種合成バネ特性においても、皿バネ69により所定トルクTsまで高速従動歯車53と低速従動歯車54のダンパスプリング57a(57b)とダンパスプリング58a(58b)の双方の作用を防止して、ダンパスプリング57a(57b)とダンパスプリング58a(58b)のそれぞれの初期防振効果を補完して高めることができる。
以上のように、3重のトルクダンパにより変速に伴うトルク変動および駆動輪側からのトルク変動はより一層小さく抑えられ、変速を円滑に行えるとともに、皿バネ69による初期防振効果も加わり、副変速機TsおよびパワーユニットPの振動を低減することができる。
また、カム式トルクダンパ60とダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bと皿バネ69が、変速従動軸51の軸周りで高速従動歯車53および低速駆動歯車54の内側にコンパクトに組み込まれるので、副変速機TsおよびパワーユニットPの小型化を図ることができる。
特に、扁平な小部品である皿バネ69を異なる高速従動歯車53と低速従動歯車54との間に介在させて両歯車53,54に作用させる極めてコンパクトな構造は、副変速機Tsの小型化に大いに寄与している。
図6を参照して、変速駆動軸41および変速従動軸51の斜め上方に位置する中間歯車軸71は、前端が前側副変速機ケース40fの軸受凹部に嵌入されたベアリング75fにより軸支され、後端が後側副変速機ケース40rの軸受凹部に嵌入されたベアリング75rにより軸支されて回転自在に架設される(図6,図7参照)。
中間歯車軸71は、後部に大径中間歯車72が形成され、前部に小径中間歯車73が形成されており、後側の大径中間歯車72が変速駆動軸41に回転自在に軸支されたリバース用駆動歯車45と噛合し(図6参照)、前側の小径中間歯車73が変速従動軸51に回転自在に軸支された低速駆動歯車54と噛合している(図7参照)。
前記変速駆動軸41上の高速切換シフタ部材46および低速/後進切換シフタ部材48を軸方向に移動する変速駆動機構80が、変速駆動軸41の左方(図4で右方)すなわちクランク軸21側の下方に設けられている。
高速切換シフタ部材46のシフトフォーク溝46vに嵌合するシフトフォーク82と低速/後進切換シフタ部材48のシフトフォーク溝48vに嵌合するシフトフォーク83を貫通して軸方向に摺動自在に軸支するシフトフォーク軸81が、前後端を前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rに支持されて変速駆動軸41の左方斜め下位置に架設される(図4,図7参照)。
シフトフォーク軸81のさらに左方斜め下にシフトドラム90が設けられている(図4参照)。
図7を参照して、シフトドラム90は、円筒状をしたドラム本体91の前端からドラム支軸92が前方に向けて突出して前側副変速機ケース40fを貫通して回転自在に軸支され、ドラム本体91の後端には花形カム93が固着され、花形カム93の後方に突出した中心軸93aが後側副変速機ケース40rの軸受凹部にベアリング95を介して軸支される。
シフトドラム90の前方に突出したドラム支軸92には前側副変速機ケース40fの内面に沿ってシフトドラム入力歯車94が嵌着されている。
また、ドラム支軸92の前側副変速機ケース40fを貫通して突出した前端はシフトポジションセンサ96の駆動軸に同軸に連結されて、同シフトポジションセンサ96によりシフトドラム90の回動角度が検出される。
ドラム本体91の外周面には、前後に周方向に所要の形状をもって案内溝91f,91rが形成されており、同案内溝91f,91rに前記シフトフォーク82,83の突出して形成された係合ピン部82p,83pが摺動可能に係合し、シフトドラム90の回転によりシフトフォーク82,83がそれぞれ案内溝91f,91rに案内されて軸方向に移動して高速切換シフタ部材46および低速/後進切換シフタ部材48を移動して変速を行う。
図4を参照して、シフトフォーク軸81の下方にシフトスピンドル101が、前後を前側副変速機ケース40fと後側副変速機ケース40rに回転自在に軸支されて架設され、シフトスピンドル101の前側副変速機ケース41を貫通して前方に突出した前端にシフト作動レバー100の基端が嵌着される(図3)。
シフトスピンドル101には、所定位置に扇形をしたギヤシフトアーム102が嵌着されており、同ギヤシフトアーム102はシフトドラム90の前方に突出したドラム支軸92に嵌着されたシフトドラム入力歯車94と噛合する(図8参照)。
また、シフトスピンドル101には、ギヤシフトアーム102の後方にパーキング作動アーム111が揺動可能に軸支されており、シフトスピンドル101とパーキング作動アーム111との間にはトーションスプリング113が介装されてシフトスピンドル101の回動はトーションスプリング113を介してパーキング作動アーム111の揺動に伝達される(図8参照)。
パーキング作動アーム111の先端にはローラ112が回転自在に軸支されている(図4参照)。
図4を参照して、シフトスピンドル101の右方で変速駆動軸41の下方にレバー支軸115が、前後方向に指向して前側副変速機ケース41と後側副変速機ケース42に前後端を支持されて架設されており、同レバー支軸115に基端を軸支されたパーキング係止レバー116が揺動自在に設けられている。
前面視である図4を参照して、パーキング係止レバー116は、変速駆動軸41に軸支された低速変速用クラッチ受部材49と前後軸方向で同じ位置にあって、レバー支軸115に軸支される基端部から、低速変速用クラッチ受部材49とパーキング作動アーム111との間を斜め上方に延出して設けられている。
なお、低速変速用クラッチ受部材49の外周面には、パーキング用係止溝49pが周方向に複数形成されている。
パーキング係止レバー116は、レバー支軸115に巻回されたトーションスプリング117により前面視で時計回りに付勢され、後側副変速機ケース40rから所定位置で突設されたストッパ118により先端が接して揺動が規制されている。
パーキング係止レバー116の低速変速用クラッチ受部材49の外周面に向いた辺に係止突起116aが突出形成され、反対側のパーキング作動アーム111に向いた辺には、パーキング作動アーム111の先端のローラ112が接する傾斜面にパーキング用凹面116pが形成されている(図4参照)。
パーキング作動アーム111,パーキング係止レバー116および低速変速用クラッチ受部材49のパーキング用係止溝49pによりパーキング駆動機構110が構成されている。
図4は、副変速機Tsがニュートラル状態にあるときを示しており、トーションスプリング117により付勢されたパーキング係止レバー116は、ストッパ118に接して低速変速用クラッチ受部材49の外周面から離れて位置している。
図4を参照して、シフトスピンドル101が反時計まわりに回動してパーキング作動アーム111が右方(図4では左方)に揺動し、パーキング作動アーム111の先端のローラ112がパーキング係止レバー116の傾斜面に当接して転動すると、パーキング係止レバー116を斜め上方に揺動し、パーキング係止レバー116の係止突起116aが低速変速用クラッチ受部材49の外周面に押圧され、パーキング用係止溝49pに係合することで、パーキング係止レバー116が低速変速用クラッチ受部材49の回転を規制する。
図4で2点鎖線で示した状態が、この低速変速用クラッチ受部材49の回転を禁止したパーキング状態を示している。
すなわち、低速変速用クラッチ受部材49の回転が規制されると、図6を参照して、低速変速用クラッチ受部材49と一体の低速駆動歯車44がともに回転が規制され、低速駆動歯車44と噛合する低速従動歯車54の回転が規制されることになり、よって低速従動歯車54とダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bおよびカム式トルクダンパ60を介して連動する変速従動軸(出力軸)51の回転が規制されてパーキング状態となる。
変速レシオの大きい低速駆動歯車44と低速従動歯車54の噛合を介して変速従動軸(出力軸)51の回転が規制されるので、パーキング時に変速従動軸(出力軸)51の回転を比較的大きな力で規制することができる。
一方、シフトスピンドル101の回動は、シフトスピンドル101に嵌着されたギヤシフトアーム102を回動し、ギヤシフトアーム102と噛合するシフトドラム入力歯車94をシフトドラム90とともに回動することで、シフトドラム90の案内溝91f,91rにシフトフォーク82,83がそれぞれ案内されて、高速切換シフタ部材46と低速/後進切換シフタ部材48が移動して変速段の切換えが行われる。
前述のパーキング状態は、このシフトスピンドル101の回動によって設定される。
シフトスピンドル101の前方に突出した前端に嵌着されたシフト作動レバー100が、前記したように、操作パネル130に配設されたパーキング操作レバー120から延出するシフトケーブル121と連結されていて、パーキング操作レバー120の操作によりシフトスピンドル101が回動する。
そのパーキング操作レバー120の作動機構を図12に示し説明する。
操作パネル130には、前後方向に長尺に前後長孔131が形成され、その前後長孔131の前端で左方に屈曲して水平に延びる長尺凹部132aが形成されるとともに、前後長孔131の左側縁に前から後に順に短尺凹部132b,132c,132d,132eが形成されている。
前端の長尺凹部132aがパーキング位置であり、後方に順に短尺凹部132bがリバース位置、短尺凹部132cがニュートラル位置、短尺凹部132dが高速前進位置、短尺凹部132eが低速前進位置である。
操作パネル130の下方に延びる支柱135の左側面に前端を軸支された揺動レバー136の上下に揺動する後端に前記シフトケーブル121の一端が結着されている。
この揺動レバー136の基端部に前後一対のブラケット136a,136bが左方に向け突設されており、前後一対のブラケット136a,136bに揺動基軸137が回動自在に架設され、パーキング操作レバー120は前後長孔131を略上下に貫通して上端を握り120aとし、下端を揺動基軸137に固着している。
ブラケット136aには揺動レバー138が支軸140に基端を揺動自在に軸支されて左方に延出しており、揺動基軸137に嵌着されたギヤ137gと揺動レバー138の基端に形成されたギヤ138gとが噛合していて、揺動レバー138の上下に揺動する左端に前記パーキングケーブル122の一端が結着されている。
パーキング操作レバー120は、揺動レバー136の揺動により前後に揺動可能であるとともに、揺動基軸137と一体の揺動レバー138の揺動により左右に揺動可能である。
揺動基軸137にはトーションコイルスプリング139が巻回されて、トーションコイルスプリング139の一端をブラケット136bに係止し、他端をパーキング操作レバー120に係止して、パーキング操作レバー120を左方に揺動するように付勢している。
したがって、トーションコイルスプリング139によってパーキング操作レバー120は、前後長孔131から左方に形成された長尺凹部132a,短尺凹部132b,132c,132d,132eのいずれかに嵌り、落ち着く。
パーキング操作レバー120を前後長孔131に沿って前後に操作することで、揺動レバー136が上下に揺動してシフトケーブル121をプッシュ・プル作動させ、副変速機Tsの前面に設けられたシフト作動レバー100を左右に揺動してシフトスピンドル101を回動し、前記したように変速段の切換えおよびパーキング停止を行うことができる。
パーキング操作レバー120を前後長孔131の前端まで前方に揺動すると、トーションコイルスプリング139によってパーキング操作レバー120は、長尺凹部132aを左方に揺動してパーキング位置に入るが、このパーキング操作レバー120の左方への揺動でギヤ137g,138gの噛合を介して揺動レバー138が上方に揺動してパーキングケーブル122をプル作動させ、車体後方の後差動装置9に付加されたデフロック機構160を作動する。
図13を参照して、後差動装置9は、後ドライブシャフト8の後端のピニオンギヤ8pに噛合して回転するリングギヤ151に一体にデフケース152が取り付けられ、同デフケース152内に差動機構部155が構成されている。
差動機構部155は、デフケース152と一体に回転する2種類の入力側ブロック156a,156bと、同入力側ブロック156a,156bとの摩擦力で独立して回転することができる左右出力側カム157L,157Rとを備え、左右出力側カム157L,157Rの軸孔にそれぞれ左右リヤアクスル158L,158Rが嵌入して一体に回転する。
左右出力側カム157L,157Rに回転数の差が生じない場合は、入力側ブロック156a,156bおよび左右出力側カム157L,157Rは相対回転せずに一体的に回転するが、左右出力側カム157L,157Rに回転数に差が生じた場合は、左右出力側カム157L,157Rとの間にそれぞれ摩擦力を発生させながら相対回転する。
この後差動装置9にデフロック機構160が組み込まれている。
リングギヤ151は、右出力側カム157Rの軸孔を構成する円筒部の外周に相対回転自在に嵌合する円筒ボス部151bを有し、この円筒ボス部151bの外周面に環状部材161が軸方向に摺動自在に嵌合されており、環状部材161は左方に突出するロックピン161pを周方向に3つ有し、この3つのロックピン161pが対向するリングギヤ151の部分にピン孔151pが穿孔されていて、それぞれロックピン161pが挿入されている。
右出力側カム157Rにも右方に開口した3つのピン孔157Rpが形成されていて、リングギヤ151との相対回転位置によって右出力側カム157Rの3つのピン孔157Rpがリングギヤ151の3つのピン孔151pと同軸に一致し、このときロックピン161pが右出力側カム157Rのピン孔157Rpに挿入されると、ロックピン161pが2つのピン孔161p,157Rpに跨ってリングギヤ151と右出力側カム157Rが連結して一体に回転するため、入力側ブロック156a,156bを介して左出力側カム157Lも一体に回転することになり、差動を停止するデフロック状態とすることができる。
このデフロック機構160のロックピン161pを有する環状部材161の係合溝に係合して環状部材161を軸方向に移動させるフォーク部材162が基端をレバーシャフト163に嵌着されていて、このレバーシャフト163に嵌着されたレバー部材164の先端に前記パーキングケーブル122の端部が結着されている。
したがって、パーキング操作レバー120によりパーキングケーブル122がプル作動されると、レバー部材164がレバーシャフト163を回動し、レバーシャフト163の回動がフォーク部材162を介して環状部材161を左方に摺動してリングギヤ151のピン孔151pに挿入されたロックピン161pが右出力側カム157Rのピン孔157Rpに挿入されて差動を停止してデフロック状態とする。
すなわち、図12を参照して、パーキング操作レバー120が前後長孔131の前端まで前方に揺動され、長尺凹部132aを左方に揺動してパーキング位置に入ると、パーキングケーブル122がプル作動され、車体後方の後差動装置9に付加されたデフロック機構160が作動してデフロック状態となる。
パーキング操作レバー120が前後長孔131の前端まで前方に揺動されたとき、シフトケーブル121はプル作動し、副変速機ケース41を貫通して前方に突出したシフトスピンドル101の前端に嵌着されたシフト作動レバー100を右方に揺動して、前記したように、シフトスピンドル101を回動してパーキング作動アーム111が右方(図4では左方)に揺動し、パーキング係止レバー116に作用してパーキング係止レバー116の係止突起116aを低速変速用クラッチ受部材49の外周面のパーキング用係止溝49pに係合して低速変速用クラッチ受部材49の回転を禁止したパーキング状態、すなわち、前記したように、変速従動軸(出力軸)51の回転が規制されたてパーキング状態となるので、後ドライブシャフト8の回転が規制されることになる。
本パーキングブレーキ装置は、以上のように構成されているので、パーキング操作レバー120がパーキング位置に入ると、副変速機Tsがパーキング状態となって後ドライブシャフト8の回転が規制されると同時に、後差動装置9に付加されたデフロック機構160が作動してデフロック状態となって差動が停止されることから、左右の後輪3,3は固定されることになり、確実なパーキングブレーキ状態となる。
以上、パーキング操作レバー120によるパーキング状態を述べたが、パーキング以外の変速動作について、以下説明する。
図4ないし図7は、変速段がニュートラル状態にあるときを示しており、パーキング操作レバー120は操作パネル130の短尺凹部132cに入っている。
この状態からパーキング操作レバー120を前方に1段揺動し、パーキング操作レバー120が短尺凹部132bに入ってリバース位置になると、シフトケーブル121がプル作動してシフトスピンドル101が回動し、ギヤシフトアーム102が右方に揺動してシフトドラム入力歯車94との噛合を介してシフトドラム90が回動し、図7を参照して、低速/後進切換シフタ部材48を後方に移動してリバースクラッチ受部材50に係合するので、変速駆動軸41の回転は、リバース用駆動歯車45と大径中間歯車72との噛合を介して中間歯車軸71に伝達され、中間歯車軸71の回転は小径中間歯車73と低速駆動歯車54の噛合を介して変速従動軸(出力軸)51に伝達される。
よって、変速駆動軸41の回転は、中間歯車軸71を介することで変速従動軸(出力軸)51を後進回転し、リバース状態とする。
このリバース状態からパーキング操作レバー120をさらに前方に揺動すると、前記したパーキング状態となる。
一方、ニュートラル状態からパーキング操作レバー120を後方に1段揺動し、パーキング操作レバー120が短尺凹部132cに入って高速前進位置になると、シフトケーブル121がプッシュ作動してシフトスピンドル101が回動し、ギヤシフトアーム102が左方に揺動してシフトスピンドル101が回動し、ギヤシフトアーム102が左方に揺動してシフトドラム入力歯車94との噛合を介してシフトドラム90が回動し、図6を参照して、高速切換シフタ部材46を後方に移動して高速変速用クラッチ受部材47に係合するので、変速駆動軸41の回転は、高速駆動歯車43と高速従動歯車53との噛合を介して変速従動軸(出力軸)51に伝達され、高速前進状態とする。
この高速前進状態からパーキング操作レバー120をさらに後方に揺動し、パーキング操作レバー120が短尺凹部132dに入って低速前進位置になると、シフトケーブル121がさらにプッシュ作動することで、シフトドラム90がさらに回動し、図6を参照して、高速切換シフタ部材46を前方に移動して高速変速用クラッチ受部材47との係合を解除し、低速/後進切換シフタ部材48を前方に移動して低速変速用クラッチ受部材49に係合するので、変速駆動軸41の回転は、低速駆動歯車44と低速駆動歯車54との噛合を介して変速従動軸(出力軸)51に伝達され、低速前進状態とする。
本副変速機Tsは、パーキング操作レバー120の手動操作により以上のような変速段の切換えが行われる。
なお、高速前進状態は2輪駆動で、低速前進状態および後進状態は4輪駆動で運転される。
本副変速機Tsは、図6および図7に示すように、噛み合う一対の変速駆動歯車43,44と変速従動歯車53,54のうち一方の高速従動歯車53および低速駆動歯車54と変速従動軸51との間にカム式トルクダンパ60およびダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが設けられるので、高速従動歯車53および低速駆動歯車54は、トルクダンパ60、57a, 57b、58a, 58bにより分割された別体で構成されるため、変速機全体の慣性マスが小さくなり、駆動反力や変速に伴うトルク変動自体を小さく抑えることができ、パワーユニットPの振動を容易に低減することができる。
かつ、トルクダンパ60、57a, 57b、58a, 58bは、高速従動歯車53および低速駆動歯車54と変速従動軸51との間に設けられ、副変速機Tsの入力側や出力側などにそれぞれ設ける必要はなく、パワーユニットPを小型化することができる。
変速従動軸51と第1,第2仲介回転部材55,56との間にカム式トルクダンパ60が介装され、第1,第2仲介回転部材55,56と高速従動歯車53および低速駆動歯車54との間にダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが介装されて、カム式トルクダンパ60とダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bの2重のトルクダンパが構成されて(図6,図7参照)、この2重のトルクダンパによって変速に伴うトルク変動はより一層小さく抑えられ、パワーユニットPの振動を益々低減できるとともに、高速従動歯車53および低速駆動歯車54と変速従動軸51の間にカム式トルクダンパ60とダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bがコンパクトに組み込まれ、パワーユニットPを小型に維持することができる。
噛み合う一対の変速駆動歯車43,44と変速従動歯車53,54のうち一方の高速従動歯車53および低速駆動歯車54と変速従動軸51との間において、高速従動歯車53および低速駆動歯車54と第1,第2仲介回転部材55,56との間にダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが設けられ(図6,図7参照)、動力伝達の下流側となる第1,第2仲介回転部材55,56と変速従動軸51との間にカム式トルクダンパ60が設けられることで、前輪2,2および後輪3,3からの過大な逆トルクに対して、カム式トルクダンパ60と上流側のダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bとが協働して防振効果を発揮するため、ダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bを小型化することができる。
高速従動歯車53および低速駆動歯車54と第1,第2仲介回転部材55,56との間に介装されるダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bは、周方向に複数分散配置され、必要なバネ弾性力を維持しながら各ダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bを小さくして周方向にコンパクトに配設して防振構造を小型化することができる。
複数のダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bは、バネ特性の異なるダンパスプリング57a, 58aとダンパスプリング57b, 58bが混在するので、幅広い振動数域のねじり振動を吸収することができ、防振特性を向上させることができる。
ダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bは、変速従動軸51の周囲の高速従動歯車53および低速駆動歯車54のスポーク部53b,54bに配設されて第1,第2仲介回転部材55,56との間に介装されるので、高速従動歯車53および低速駆動歯車54の歯部と変速従動軸51との間のスポーク部53b,54bの空間を利用してダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが配設され、防振構造をコンパクトに組み込んで副変速機Tsを小型化し、部品点数を削減することができる。
変速段の異なる高速従動歯車53と低速駆動歯車54が、第1,第2仲介回転部材55,56との間にそれぞれダンパスプリング57a, 57b、ダンパスプリング58a, 58bを介装して設けられるので、変速段の異なる高速従動歯車53と低速駆動歯車54を第1,第2仲介回転部材55,56とカム式トルクダンパ60を共用してコンパクトに設けることができ、部品点数を削減した簡単な構造で、変速段ごとに適正な防振特性を容易に設定することができる。
本パワーユニットPは、内燃機関Eと主変速機Tmとの間にツインクラッチ30を備え、ツインクラッチ30の入力側にクラッチダンパスプリング29sが設けられるので、クラッチダンパスプリング29sによって内燃機関Eのクランク軸21のトルク変動の影響を変速機Tm側に与えることなく、かつツインクラッチ30の切換えに伴うトルク変動を吸収して、パワーユニットPの振動を低減することができる。
パワーユニットPは、動力伝達の上流側となる主変速機Tmと下流側となる副変速機Tsとからなり、主変速機Tmの主変速機出力軸であるカウンタ軸32と副変速機Tsの副変速機入力軸である変速駆動軸41とはスプライン嵌合して一体に回転し、下流側の副変速機Tsのさらに下流側の高速従動歯車53および低速駆動歯車54と変速従動軸(出力軸)51との間にカム式トルクダンパ60、ダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが介装されるので、上流側の主変速機Tmの入力側のツインクラッチ30にクラッチダンパスプリング29sが配置され、下流側の副変速機Tsの出力側にカム式トルクダンパ60、ダンパスプリング57a, 57b、58a, 58bが配設され、主変速機Tmと副変速機Tsとの動力伝達は主変速機Tmのカウンタ軸32と副変速機Tsの変速駆動軸41がスプライン嵌合により一体に回転する構成であり、スプライン嵌合部39より上流の主変速機Tmおよびツインクラッチ30のトルク変動と、副変速機Tsのトルク変動とが、カウンタ軸32と変速駆動軸41のスプライン嵌合により相互に打ち消し合って優れた防振効果を発揮する。
P…パワーユニット、E…内燃機関、Tm…主変速機、Ts…副変速機、
1…不整地走行用車両、28…プライマリ駆動歯車、29…プライマリ従動歯車、29s…クラッチダンパスプリング、30…ツインクラッチ、31…メイン軸、32…カウンタ軸、
41…変速駆動軸、43…高速駆動歯車、44…低速駆動歯車、45…リバース用駆動歯車、
51…変速従動軸(出力軸)、53…高速従動歯車、54…低速駆動歯車、55…第1仲介回転部材、56…第2仲介回転部材、57a, 57b…ダンパスプリング、58a, 58b…ダンパスプリング、60…カム式トルクダンパ、61…雄カム部材、62…スプリング受け部材、64…コイルスプリング。

Claims (7)

  1. 内燃機関(E)に変速機(Tm,Ts)が備えられたパワーユニット(P)において、
    前記変速機(Ts)の変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間にトルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられ、
    前記変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間に互いに相対回転可能な仲介回転部材(55,56)が前記動力伝達軸(51)に軸支されて介装され、
    前記トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)は、前記動力伝達軸(51)と前記仲介回転部材(55,56)との間に設けられるカム式トルクダンパ(60)と、前記仲介回転部材(55,56)と前記変速歯車(53,54)との間に設けられるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)とからなることを特徴とするパワーユニットの防振構造。
  2. 前記変速歯車(53,54)は、噛み合う一対の変速駆動歯車(43,44)と変速従動歯車(53,54)のうち変速従動歯車(53,54)であることを特徴とする請求項1記載のパワーユニットの防振構造。
  3. 前記変速歯車(53,54)と前記仲介回転部材(55,56)との間に設けられるダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、周方向に複数配設されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパワーユニットの防振構造。
  4. 複数の前記ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、バネ特性の異なるダンパスプリングが混在することを特徴とする請求項3記載のパワーユニットの防振構造。
  5. 前記ダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)は、前記動力伝達軸(51)の周囲の前記変速歯車(53,54)のスポーク部(53b,54b)に配設されて前記仲介回転部材(55,56)との間に介装されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のパワーユニットの防振構造。
  6. 前記変速歯車(53,54)と変速段の異なる第2の変速歯車(53,54)が、前記仲介回転部材(55,56)との間に第2のダンパスプリング(57a,57b,58a,58b)を介装して設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のパワーユニットの防振構造。
  7. 内燃機関(E)に変速機(Tm,Ts)が備えられたパワーユニット(P)において、
    前記変速機(Ts)の変速歯車(53,54)と同変速歯車(53,54)を軸支する動力伝達軸(51)との間にトルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられ、
    前記パワーユニット(P)は、前記内燃機関(E)と前記変速機(Tm)との間にクラッチ装置(30)を備え、
    前記クラッチ装置(30)の入力側にクラッチダンパ(29s)が設けられ、
    前記変速機(Tm,Ts)は、動力伝達の上流側となる主変速機(Tm)と下流側となる副変速機(Ts)とからなり、
    前記主変速機(Tm)の主変速機出力軸(32)と前記副変速機(Ts)の副変速機入力軸(41)とはスプライン嵌合し、
    前記トルクダンパ(60,57a,57b,58a,58b)が設けられる前記変速歯車(53,54)は前記副変速機(Ts)の変速歯車(53,54)であることを特徴とするパワーユニットの防振構造。
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