JP6252667B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は車両の駆動装置、特に二つのバッテリを用いたトルクアシスト車両に関する
アイドルストップを行う車両においては、エンジンを再始動させるたびにスタータが使
用されるため、アイドルストップを行わない車両に比べてバッテリの電力消費量が増大す
る。この対策として、第1バッテリと第2バッテリの複数のバッテリを備えるものがある
(特許文献1参照)。
特開2008−082275号公報
ところで、上記特許文献1の技術では、アイドルストップ制御についてしか考慮してい
ない。モータジェネレータの使用範囲を車両走行中のトルクアシストに拡大した場合の電
気負荷の2つのバッテリへの分配に関しては一切記載がないのである。
そこで本発明は、モータジェネレータの使用範囲を車両走行中のトルクアシストに拡大して運転性を良くするとともに、分極に伴う誤った初回電圧判定を更正し得る装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る装置は、エンジンと、変速機と、エンジンの出力軸に機械的に接続され、エンジンの出力軸に駆動力を印加するモータと、エンジンと変速機との間に配置され、エンジンの出力軸と変速機の入力軸とを結合可能なロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、エンジンから駆動輪への駆動力にモータの駆動力を付加してエンジンをトルクアシストするように、モータに所定のアシストトルクを発生させるモータ制御手段と、を備え、モータ制御手段により、ロックアップクラッチが締結しているときに、トルクアシストを許可し、ロックアップクラッチが開放しているときに、トルクアシストを禁止する。本形態では、トルクアシスト時にモータの電源として用いる第1バッテリと、トルクアシスト時にモータ以外の電気負荷の電源として用いる第2バッテリと、第1バッテリと第2バッテリとを断接する断接手段と、トルクアシスト時に断接手段を切断した上でトルクアシストを実行するトルクアシスト実行手段と、所定のアイドルストップ許可条件が成立した場合に、断接手段を切断した上でエンジンの自動停止を実行するエンジン自動停止実行手段と、エンジンの自動停止中に所定のアイドルストップ解除条件が成立した場合に、エンジンを自動的に再始動させるエンジン自動再始動手段と、エンジンの自動停止中に第1および第2バッテリのいずれかに所定範囲を超える電圧低下があると判定するかまたは第1および第2バッテリのいずれかの放電電流が判定閾値を超えると判定した場合に、エンジンの再始動後のトルクアシストを禁止するトルクアシスト禁止手段と、をさらに備えるのが好ましい。
本発明によれば、ロックアップクラッチが締結しているときに、トルクアシストを許可する一方、ロックアップクラッチが開放しているときに、トルクアシストを禁止することで、トルク伝達の効率が低下するのを回避することができる。さらに、本発明によれば、第2バッテリの初回電圧判定時に分極により電圧を高めに判定しトルクアシストを許可してしまった場合において、エンジンの自動停止中に第2バッテリから放電されることで、分極の影響が解消される。よって、エンジン自動停止中における電圧低下は分極の影響が解消されたものとなる。これによって分極が生じているか否かの診断を新たに行わなくても、初回電圧判定時の分極による誤判定を更正することができる。
本発明の第1実施形態の車両の駆動装置の概略構成図である。 ガソリンエンジンの制御システム図である。 エンジン再始動からのタイミングチャートである。 トルクアシストを説明するためのフローチャートである。 二つのバッテリを用いたトルクアシスト車両に用いる電源装置の概略構成図である。 イグニッションスイッチをOFFよりONに切換えて車両の運転を行う場合に、サブバッテリ電圧、サブバッテリ電流などの変化を示すモデル図である。 サブバッテリについてアイドルストップ許可の初回電圧判定を説明するためのフローチャートである。 アイドルストップ用初回判定閾値1の特性図である。 メインバッテリについてアイドルストップ許可の初回電圧判定を説明するためのフローチャートである。 アイドルストップ用初回判定閾値2の特性図である。 サブバッテリについてトルクアシスト許可の初回電圧判定を説明するためのフローチャートである。 トルクアシスト用初回判定閾値1の特性図である。 メインバッテリについてトルクアシスト許可の初回電圧判定を説明するためのフローチャートである。 トルクアシスト用初回判定閾値2の特性図である。 アイドストップ許可フラグの設定を説明するためのフローチャートである。 トルクアシスト時のトルクアシスト許可フラグ、トルクアシスト実行フラグ、アシストトルク、トルクアシスト緊急停止フラグ、メインバッテリ電圧の変化を示すモデル図である。 トルクアシストの緊急停止を説明するためのフローチャートである。 トルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定を説明するためのフローチャートである。 アイドルストップ中判定閾値1の特性図である。 アイドルストップ中判定閾値2の特性図である。 イグニッションスイッチ、スタータスイッチ、エンジン回転速度、リレー43温、サブバッテリ電圧、冷機判定フラグ、アイドルストップ許可フラグの変化を示すモデル図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の車両1の駆動装置の概略構成図である。図1において車
両1には、エンジン2、モータジェネレータ21、エアコン用コンプレッサ31を有して
いる。すなわち、エンジン2の出力軸3、モータジェネレータ21の回転軸22、エアコ
ン用コンプレッサ31の回転軸32が平行に配置され、出力軸3の一端にクランクプーリ
3が、回転軸22、32に各プーリ23、33が取り付けられている。これら3つの各プ
ーリ3、23、33にはベルト5が掛け回され、エンジン2の出力軸3、回転軸23、3
3の間はベルト5によって動力が伝達(伝導)される。
エンジン2にはエンジンの始動に用いるスタータ6も備えている。エンジン2の出力軸
3の他端にはトルクコンバータ8、ベルト式の自動変速機9が接続されている。トルクコ
ンバータ8は図示しないポンプインペラ、タービンランナを有する。ベルト式の自動変速
機9は図示しないプライマリプーリ、セカンダリプーリ、これらプーリに掛け回されるス
チールベルトを有する。エンジン2の回転駆動力はこれらトルクコンバータ8、自動変速
機9を介して最終的に車両駆動輪(図示しない)に伝達される。
車両1の電源として、メインバッテリ41とサブバッテリ42を備える。いずれも14
Vバッテリである。2つのバッテリ41、42の間は並列された2つのリレー43によっ
て接続されている。
上記のスタータ6、モータジェネレータ21は、メインバッテリ41とリレー43の間
に接続され、電力はメインバッテリ41から供給される。なお、モータジェネレータ21
は交流機から構成されているため、メインバッテリ41からの直流を交流に変換するイン
バータ24を付属している。
エンジン2、スタータ6及びモータジェネレータ21を制御するため、エンジンコント
ロールモジュール51を備える。
ここで、ガソリンエンジンの構成を図2を参照して概説すると、図2はガソリンエンジ
ンの制御システム図である。各吸気ポート(図示しない)には燃料噴射弁7が設けられて
いる。燃料噴射弁7は、燃料をエンジン2に間欠的に供給するものである。
吸気通路11には電子制御のスロットル弁12を備え、スロットルモータ13によって
スロットル弁12の開度(以下、「スロットル開度」という。)が制御される。実際のス
ロットル開度はスロットルセンサ14により検出され、エンジンコントロールモジュール
51に入力されている。
エンジンコントロールモジュール51には、アクセルセンサ53からのアクセル開度(
アクセルペダル52の踏込量)の信号、クランク角センサ54からのクランク角の信号、
エアフローメータ55からの吸入空気量の信号が入力されている。クランク角センサ54
の信号からはエンジン2の回転速度が算出される。エンジンコントロールモジュール51
では、これらの信号に基づいて目標吸入空気量及び目標燃料噴射量を算出し、目標吸入空
気量及び目標燃料噴射量が得られるようにスロットルモータ13及び各燃料噴射弁7に指
令を出す。
ここで、吸入空気量の制御について概説する(特開平9−287513号公報参照)。
アクセル開度APOとエンジン回転速度Neとから所定のマップを検索することにより目
標基本吸入空気量及び目標当量比tDMLをそれぞれ算出する。目標基本吸入空気量を目
標当量比tDMLで除算した値を目標吸入空気量とする。そして、この目標吸入空気量と
エンジン回転速度から所定のマップを検索することにより目標スロットル弁開度を求める
。目標スロットル弁開度を指令値に変換してスロットルモータ13に出力する。
次に、燃料噴射(燃料噴射量及び燃料噴射時期)の制御について概説する。エアフロー
メータ55の出力をA/D変換し、リニアライズして吸入空気量Qaを算出する。この吸
入空気量Qaとエンジン回転速度Neから、ほぼ理論空燃比(当量比=1.0)の混合気
が得られる基本噴射パルス幅Tp0[ms]を、Tp0=K×Qa/Ne(ただし、Kは
定数)として求める。次に、
Tp=Tp0×Fload+Tp-1×(1−Fload)
ただし、Fload:加重平均係数、
Tp-1:前回のTp、
の式によりシリンダ空気量相当パルス幅Tp[ms]を求める。これは、シリンダ(燃焼
室)に流入する空気量(つまりシリンダ空気量)がエアフロメータ部での吸入空気量に対
して応答遅れを有するので、この応答遅れを一次遅れで近似したものである。一次遅れの
係数である加重平均係数Fload[無名数]は、回転速度Ne及びシリンダ容積Vの積
Ne・Vと吸気管の総流路面積Aaから所定のマップを検索することにより求める。この
ようにして求めたシリンダ空気量相当パルス幅Tpに基づいて、燃料噴射弁7に与える燃
料噴射パルス幅Ti[ms]を、
Ti=Tp×tDML×(α+αm−1)×2+Ts
ただし、tDML:目標当量比[無名数]、
α:空燃比フィードバック補正係数[無名数]、
αm:空燃比学習値[無名数]、
Ts:無効噴射パルス幅[無名数]、
の式により算出する。そして、所定の燃料噴射時期になったときにこの燃料噴射パルス幅
Tiの期間、燃料噴射弁7を開く。
なお、ガソリンエンジン2では、燃焼室(シリンダ)に臨んで点火プラグを備えている
。エンジンコントロールモジュール51では、圧縮上死点前の所定の時期に点火コイルの
一次側電流を遮断することにより点火プラグに火花を発生させ、これによって燃焼室内の
混合気に点火する。
また、エンジンコントロールモジュール51ではスタータスイッチ56からの信号に基
づいて初回の始動要求があると判断したときにはスタータ6を駆動しエンジン2を始動さ
せる。
また、エンジンコントロールモジュール51では、燃費向上を目的としてアイドルスト
ップ制御を行う。すなわち、アクセルペダル52が踏み込まれておらず(APO=0)、
ブレーキペダル57が踏み込まれ(ブレーキスイッチ58がON)、かつ車両1が停止状
態にある(車速VSP=0)のときにアイドルストップ許可条件が成立する。このときに
は、燃料噴射弁7から吸気ポートへの燃料噴射を遮断してエンジン2を停止する。これに
よって無駄な燃料消費を低減する。
その後、アイドルストップ状態でアクセルペダル52が踏み込まれたり、ブレーキペダ
ル57が戻される(ブレーキスイッチ58がOFF)などすると、アイドルストップ許可
条件が不成立となる。このときにはモータジェネレータ21をスタータとして用いてエン
ジン2をクランキングし、燃料噴射弁7からの燃料噴射と点火プラグによる火花点火とを
再開しエンジン2を再始動する。
このように、モータジェネレータ21をアイドルストップからのエンジン再始動用とし
て専ら用いることで、スタータ6の使用頻度を減らしてスタータ6を保護する。なお、ス
タータ6やモータジェネレータ21を駆動するときには、エンジンコントロールモジュー
ル51により2つのリレー43をともに遮断して、メインバッテリ41とサブバッテリ4
2を電気的に切り離す。これによって、エンジン2の始動操作に伴いサブバッテリ42の
電圧が変動することを防止する。
図1に戻り、車両1には自動変速機用コントロールユニット61を備える。自動変速機
用コントロールユニット61では、車速とスロットル開度とから定まる車両の走行条件に
応じて、自動変速機9の変速比を無段階に制御する。また、ポンプインペラ、タービンラ
ンナを有するトルクコンバータ8には、ポンプインペラとタービンランナとを締結・開放
する機械式のロックアップクラッチを備えている。ロックアップクラッチを締結する車両
の走行域はロックアップ領域(車速とスロットル開度とをパラメータとしている)として
予め定めている。自動変速機用コントロールユニット61では車両の走行条件がロックア
ップ領域となったとき、ロックアップクラッチを締結してエンジン2と変速機9とを直結
状態とし、車両の走行条件がロックアップ領域とないときにはロックアップクラッチを開
放する。エンジン2と変速機9とを直結状態としたときにはトルクコンバータ8でのトル
クの吸収がなくなり、その分燃費が良くなる。
車両1にはまた、ビークルダイナミックコントロール(Vehicle Dynamics Contro
l)ユニット62、車速感応式の電動パワーステアリング(Electric Power Steerin
g)用コントロールユニット63、エアコン用オートアンプ64、コンビネーションメー
タ66を備える。ビークルダイナミックコントロールユニット62は、車両の横滑りや尻
振りを起こしそうになると、横滑り状態をセンサが検知し、ブレーキ制御とエンジン出力
制御により走行時の車両安定性を向上させるものである。車速感応式電動パワーステアリ
ング用コントロールユニット63では、トルクセンサからの操舵トルク及び車速から最適
なアシストトルク信号をEPSモータに出力する。
上記の自動変速機用コントロールユニット61、ビークルダイナミックコントロールユ
ニット62、車速感応式パワーステアリング用コントロールユニット63、コンビネーシ
ョンメータ66は電圧降下を許容できない電気負荷である。従って、これらはサブバッテ
リ42から電力の供給を受ける。
エンジンコントロールモジュール51と3つの各コントロールユニット61〜63、エ
アコン用オートアンプ64、コンビネーションメータ66の間はCAN(Controller
Area Network)で接続している。
さて、モータジェネレータ21を使用する範囲をエンジンの始動用のみにとどめるので
はなく車両走行中のトルクアシスト用にまで拡大することができれば、運転性がよくなる
と本発明者が思い至った。
ここで、エンジンの出力軸にベルト及びプーリを介してモータジェネレータを機械的に
結合し、このモータジェネレータでエンジンの始動を行う従来装置がある。しかしながら
、従来装置では、モータジェネレータをエンジンの始動用に用いる場合しか考慮していな
い。車両走行中のトルクアシストに拡大した場合のモータジェネレータの設計・制御方法
については一切記載がない。
そこで本発明の第1実施形態では、アイドルストップからの再始動用に用いているモー
タジェネレータ21の使用範囲を車両走行中のトルクアシストにまで拡大する。すなわち
、アイドルストップからのエンジン2の再始動後かつ車両1の走行開始後にエンジン回転
速度が予め定めた所定の回転速度域にある場合に限ってモータジェネレータ21を用いた
トルクアシストを許可する。トルクアシストの許可中にエンジン回転速度が所定の回転速
度域を外れたときにはトルクアシストを禁止する。
そして、トルクアシストを許可するときには、エンジン2をトルクアシストするよう、
メインバッテリ41を電源として用いてモータジェネレータ21に所定のアシストトルク
を発生させ、トルクアシストを禁止するときにはアシストトルクを発生させない。これに
よって、エンジン2の再始動後かつ車両1の走行開始後に良好な加速応答性(運転性)が
得られるようにする。
メインバッテリ41の電圧はモニターし、エンジンコントロールモジュール51に入力
させておく。エンジンコントロールモジュール51ではメインバッテリ41の電流に基づ
いてメインバッテリ41のSOC(State Of Charge)を算出し、このSOCに基づ
いてメインバッテリ41の充放電の収支を管理する。
インバータ24とエンジンコントロールモジュール51とは、LIN(Local Inter
connect Network)で接続している。このLINを介してエンジンコントロールモジュ
ール51がインバータ24に対して、モータジェネレータ21を駆動するのか、それとも
モータジェネレータ21で発電させるのか、モータとして駆動するためにどのくらいの電
流を流すのか等を指令する。
エンジン2の回転はクランクプーリ4、プーリ23およびベルト5を介し増速されてモ
ータジェネレータ21に伝達される。第1実施形態では、2つのプーリ4、23およびベ
ルト5を介しての増速比は2.6であり、エンジン2の回転速度が5000rpmのとき
モータジェネレータの回転速度は13000rpmとなる。なお、増速比は2.6の場合
に限られるものでない。
エンジン2およびモータジェレータ21には回転振動の共振点が存在する。この回転振
動の共振点はエンジン2の回転速度で1000rpmより低い回転速度域に存在する。ベ
ルト5の張力が低い状態でトルクアシストを実行すると、エンジン2およびモータジェネ
レータ21の回転振動の共振により(共振回転速度域で)ベルト滑りが発生し、ベルト5
に鳴きが発生してしまう恐れがある。
一方、この共振によるベルト滑りを防止するためにベルト5の張力を高くすると、クラ
ンクプーリ4とベルト5との間でのフリクションが増大してしまい燃費悪化を招くことに
なる。クランクプーリ4とベルト5との間でのフリクション増大による燃費悪化は避けな
ければならず、ベルト張力を高めに設定することはできない。
したがって、共振によるベルト滑り防止を考え、エンジン2の回転速度が1000rp
m(第1閾値)より高い回転速度域(モータジェネレータ回転速度が2600rpmより
高い中・高回転速度域)でトルクアシストを許可し、エンジンの回転速度が1000rp
m(第1閾値)以下の回転速度域(モータジェネレータ回転速度が2600rpm以下の
低回転速度域)ではトルクアシストを禁止することとしている。
エンジン2の再始動後かつ車両1の走行開始後にエンジン回転速度が第1閾値を超えて
いるときにモータジェネレータ21を用いて行うトルクアシストについて図3を参照して
さらに説明する。図3はエンジン再始動の開始からエンジン回転速度、車両トルク、車速
、アクセル開度がどのように変化するのかをモデルで示したタイミングチャートである。
ここで、「車両トルク」とは車両の駆動に用いられるトルクのことで、通常はエンジント
ルクが車両トルクとなる。一方、モータジェネレータ21によるトルクアシストがあると
きには、このアシストトルクとエンジントルクの合計が車両トルクとなる。図3の下方に
示した2つのフラグについては後述する。
t1のタイミングでアイドルストップ許可条件が不成立となり、モータジェネレータ2
1を用いてエンジン2のクランキングを行うと共に、燃料噴射弁7からの燃料噴射及び点
火プラグによる火花点火を再開する。これによってエンジン2が燃焼を開始すればエンジ
ン回転速度が急上昇するが、所定の完爆回転速度を横切るt2のタイミングでエンジン2
が再始動したと判定される。
一方、t2の付近でドライバ(運転者)がアクセルペダル52を少し踏み込んだため、
燃料噴射弁7からの燃料噴射量(Tp)と空入空気量Qaとが増加する。これによって、
エンジン回転速度が上昇し車両トルク(=エンジントルク)が増加するので、車両1がt
3のタイミングより走行を開始し、車速がゆっくりと上昇している。車両1を発進させた
後もアクセル開度は一定であるので、エンジン回転速度と車両トルクとはt3のタイミン
グを過ぎた当たりで一定値へと落ち着く。
次に、t5のタイミングでドライバがアクセルペダル52を踏み込んだとすると、アク
セル開度の増加に応じてエンジン回転速度が上昇する。エンジン回転速度RPMが第1閾
値Aを超えるt6のタイミングでモータジェネレータ21の低回転速度域を外れたと判断
し、メインバッテリ41からインバータ24に電流を流してモータジェネレータ21をモ
ータとして駆動する。これによって、モータジェネレータ21の低回転速度域を外れたモ
ータジェネレータ21の中・高回転速度域ではエンジントルクにモータトルクが加わり(
トルクアシスト)、ドライバの望む加速が直ぐに得られることとなる。この場合、モータ
ジェネレータ21が発生するトルクはゼロから漸増して最大トルクとなるようにする(図
3の第2段目参照)。
一方、モータジェネレータ21によるトルクアシスト分をエンジン2の発生するトルク
で賄おうとすると、燃料噴射弁7からの燃料供給を増量補正しなければならず、それだけ
燃料消費が多くなり、燃費が悪くなる。これに対して、車両1の減速時にモータジェネレ
ータ21により運動エネルギーを電気エネルギーとして回収しその回収した電気エネルギ
ーをメインバッテリ41に蓄えておく。そして、エンジン回転速度RPMが第1閾値Aを
超えたときにこの電気エネルギーを蓄えたメインバッテリ41を電源として用いてモータ
ジェネレータ21にアシストトルクを発生させるのであれば、燃料を消費することがない
ので、燃費を悪くすることがない。また、モータジェネレータ21はエンジン2よりも応
答良くトルクを発生することができる。応答が良ければ、ドライバがアクセルペダルを踏
み込み過ぎることを避けることができる。
エンジンコントロールモジュール51で行われるこのモータジェネレータ21を用いて
のトルクアシストを、図4のフローチャートを参照して詳述する。図4のフローは一定時
間毎に実行する。
ステップ1でエンジン2の初回始動後であるか否かをみる。エンジン2の初回始動はス
タータ6を用いるものである。エンジン2の初回始動後でないときにはそのまま今回の処
理を終了する。
エンジン2の初回始動後であるときにエンジン2の再始動後であるか否かをみる。エン
ジン2の再始動とは、アイドルストップからのエンジン始動のことである。アイドルスト
ップからのエンジン始動はモータジェネレータ21によって行われるので、車両停止中に
モータジェネレータ21が作動したときにアイドルストップからのエンジン始動が行われ
たと判断すればよい。アイドルストップからのエンジン始動が行われていなければそのま
ま今回の処理を終了する。
アイドルストップからのエンジン始動が行われた後であればステップ3に進み、車両1
の走行中であるか否かをみる。車速がゼロまたはゼロに近い値以下であるときには車両の
停止中(走行中でない)と判断してそのまま今回の処理を終了する。
車速がゼロでないときまたはゼロに近い値を超えているときには車両の走行中であると
判断してステップ4に進み、トルクアシスト許可条件が成立しているか否かをみる。すな
わち、次の〈1〉、〈2〉の全ての条件が成立してないときにトルクアシスト許可条件が
成立したと判断する。言い換えると、次の〈1〉、〈2〉のいずれかの条件でも成立する
ときにはトルクアシスト許可条件が成立しないと判断しトルクアシストを禁止する。
〈1〉ロックアップクラッチを開放しているとき、
〈2〉メインバッテリ41のSOCがトルクアシスト許可値未満であるとき、
上記〈1〉のときにトルクアシストを禁止するのは、ロックアップクラッチを開放して
いるときにエンジン2にアシストトルクを加えても、アシストトルクの一部がトルクコン
バータ8で吸収されてしまい、トルク伝達の効率が悪いためである。一方、ロックアップ
クラッチを締結しエンジン2と変速機9とを直結状態としているときにエンジン2に対し
てアシストトルクを加えるのであれば、アシストトルクの分が車両トルクの増加となるの
で、トルク伝達の効率が悪くなることがない。
上記〈2〉のときにトルクアシストを禁止する、言い換えるとメインバッテリ41のS
OCがトルクアシスト許可値以上であるときにトルクアシストを許可することとしている
このように本実施形態では、車両挙動制御装置との干渉を主に防止する観点からトルク
アシストを許可する条件を限定している。
上記〈1〉と〈2〉の両方とも成立していないときにはトルクアシスト許可条件が成立
したと判断してステップ5に進み、トルクアシスト許可フラグ=1とする。これを図3で
示すと、t4のタイミングでトルクアシスト許可フラグがゼロから1へと切換わっている
一方、上記〈1〉と〈2〉のいずれか一方でも成立するときにはトルクアシスト許可条
件が成立しないと判断しステップ6に進み、トルクアシスト許可フラグ=0とする。
ステップ7では改めてトルクアシスト許可フラグをみる。トルクアシスト許可フラグ=
1であるときにはステップ8に進みエンジン回転速度RPM[rpm]と第1閾値A[r
pm]を比較する。第1閾値Aはモータジェネレータ21の低回転速度域の上限を定める
値で、予め定めておく。エンジン回転速度RPMが第1閾値を超えているときには、モー
タジェネレータ21の低回転速度域を外れたと判断する。このときにはトルクアシストを
実行するためステップ8からステップ9に進みトルクアシスト実行フラグ=1とする。
このトルクアシスト実行フラグ=1によりエンジンコントロールモジュール51がイン
バータ24に電流を流しモータジェネレータ21をモータとして駆動する。これを図3で
示すと、t6のタイミングでトルクアシスト実行フラグがゼロから1へと切換わり、t6
のタイミングで応答良くモータトルクがエンジントルクに加わっている。
ここで、モータジェネレータ21をモータとして駆動するに際しては、モータジェネレ
ータ21が最大トルクを発生するようにインバータ24に最大の電流を流すことが考えら
れる。しかしながら、運転ショックを感じやすいエンジン2の低回転速度域でモータジェ
ネレータ21がステップ的に最大トルクを発生するのでは運転ショックが生じてしまう。
そこで、モータジェネレータ21が発生するトルクがゼロから漸増して最大トルクとなる
ように、インバータ24に流す電流値を制御する。また、モータトルクを解除するに際し
ても、最大トルクから漸減してゼロとなるように、インバータ24に流す電流値を制御す
る。
トルクアシストを行わせる期間(つまりインバータ24に電流を流す期間)は一定時間
とする。トルクアシストを行わせる期間を長くすればそれだけメインバッテリ41の電力
消費を早めるので、メインバッテリ41の電力消費に大きな影響を与えることがないよう
にこの時間を適合により定める。
一方、ステップ8でエンジン回転速度RPMが第1閾値A以下であるときには、モータ
ジェネレータ21の低回転速度域にあると判断しステップ10に進みトルクアシスト実行
フラグ=0とする。このトルクアシスト実行フラグ=0によりエンジンコントロールモジ
ュール51がインバータ24への電流供給を遮断してモータジェネレータ21を非駆動状
態とする。つまり、車両走行中での加速によってドライバが望みの加速が得られたとして
アクセルペダル52を戻すことによりエンジン回転速度RPMが第1閾値A以下となれば
、トルクアシスト実行フラグ=0となり、モータジェネレータ21によるトルクアシスト
が禁止される。車両の走行開始後にモータジェネレータ21の低回転速度域を外れたとき
にはトルクアシストを実行し、トルクアシスト中にモータジェネレータ21の低回転速度
域に戻ったときにはトルクアシストを禁止するのである。これにより、モータジェネレー
タ21の低回転速度域におけるベルト5の鳴きを防止し、各プーリ4、23、33の回転
軸3、22、32の強度を確保しつつ、燃費向上と良好な加速応答性(運転性)を両立で
きる。ステップ7でトルクアシスト許可条件が成立しない場合にもステップ10に進みト
ルクアシスト実行フラグ=0とする。
本実施形態はモータジェネレータ21に最大トルクまで発生させる場合であるが、これ
にかぎられるものでない。例えば最大トルク未満の一定トルクを発生させるようにしても
かまわない。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態では、エンジン2の出力軸3にベルト及びプーリ5を介して機械的に結合さ
れたモータジェネレータ21と、エンジン2をトルクアシストするよう、モータジェネレ
ータ21に所定のアシストトルクを発生させるモータジェネレータ制御手段(51)と、
車両1の走行開始後にエンジン回転速度が低回転速度域の上限を定める第1閾値を超えて
いるときに制御手段(51)によるトルクアシストを許可し、トルクアシストの許可中に
エンジン回転速度が前記第1閾値以下となったときには制御手段(51)によるトルクア
シストを禁止するトルクアシスト許可・禁止手段(51)とを備えている。本実施形態に
よれば、車両1の走行開始後にモータジェネレータ21の中・高回転速度域ではドライバ
の加速意思(加速要求)を尊重してモータジェネレータ21によるトルクアシストを許可
し、トルクアシスト中にモータジェネレータ21の低回転速度域となったときには当該ト
ルクアシストを禁止するので(図4のステップ8〜10参照)、車両走行開始後のモータ
ジェネレータ21の中・高回転速度域でアクセルペダル52を踏み込んで加速を行ったと
きには加速応答性が良くなる。また、モータジェネレータ21の低回転速度域ではトルク
アシストを禁止するので、モータジェネレータ21の低回転速度域におけるベルト5の鳴
きを防止し、各プーリ4、23、33の回転軸3、22、32の強度を確保できる。この
ように、モータジェネレータ21の低回転速度域におけるベルト5の鳴きを防止し、各プ
ーリ4、23、33の回転軸3、22、32の強度を確保しつつ、車両走行開始後のモー
タジェネレータ21の中・高回転速度域で加速応答性を良くすることができる。
本実施形態によれば、バッテリ41を備え、モータジェネレータ21により車両減速時
の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、このモータジェネレータ21の回収し
た電気エネルギーバッテリ41に蓄えると共に、モータジェネレータ21に所定のアシス
トトルクを発生させるときにはバッテリ41を電源として用いるので、燃料消費がなく、
従って燃費が向上する。
本実施形態によれば、エンジン2の出力軸3にベルト5及びプーリ23を介して機械的
に結合されたモータジェネレータ21と、エンジン2をトルクアシストするよう、モータ
ジェネレータ21に所定のアシストトルクを発生させるモータジェネレータ制御手段(5
1)と、アイドルストップ許可条件が成立したときエンジン2を停止し、エンジン停止中
にアイドルストップ許可条件が非成立となったときモータジェネレータ21を用いてエン
ジン2の再始動を行わせるアイドルストップ・再始動手段(51)と、モータジェネレー
タ21によるエンジン2の再始動後かつ車両1の走行開始後にエンジン回転速度がモータ
ジェネレータ21の低回転速度域の上限を定める第1閾値を超えているときに制御手段(
51)によるトルクアシストを許可し、トルクアシストの許可中にエンジン回転速度が前
記第1閾値以下となったときには制御手段(51)によるトルクアシストを禁止するトル
クアシスト許可・禁止手段(51)とを備えるので、モータジェネレータ21の低回転速
度域におけるベルト5の鳴きを防止し、各プーリ4、23、33の回転軸3、22、32
の強度を確保しつつ、車両走行開始後のモータジェネレータ21の中・高回転速度域での
加速応答性(運転性)がよくなるほか、モータジェネレータ21及びアイドルストップ・
再始動手段(51)を既に備えている車両であれば、モータジェネレータ21の仕様変更
と簡単なソフトウエアの変更のみで対処できるので、大幅なコストアップを招くことを避
けることができる。
本実施形態によれば、車両の挙動を制御する車両挙動制御装置(62、63)を備え、
これらの装置(62、63)が作動しているときにはトルクアシストを許可しないので、
車両挙動制御装置(62、63)による制御性が悪化することを避けることができる。
本実施形態によれば、エンジン2の出力軸3とベルト式の自動変速機9の間に介装され
、ポンプインペラとタービンランナとを有するトルクコンバータ8と、ポンプインペラと
タービンランナとを断接する機械式のロックアップクラッチと、一定の車両走行条件が成
立したときロックアップクラッチを接続するロックアップクラッチ制御手段(61)とを
備え、ロックアップクラッチ制御手段(61)がロックアップクラッチを締結していない
ときにはトルクアシストを許可しないので、トルク伝達の効率が低下することを避けるこ
とができる。これでトルクアシストの説明を終了する。
さて、本実施形態の車両1では、アイドルストップ状態からエンジン2を再始動させる
たびにモータジェネレータ21が使用されるため、アイドルストップを行わない車両に比
べてバッテリの電力消費量が増大する。この対策として、図5に示したようにメインバッ
テリ41(第1バッテリ)とサブバッテリ42(第2バッテリ)の複数のバッテリを備え
ている。ここで、図5は二つのバッテリ41、42を用いたアシストトルク車両に用いる
電源装置の概略構成図で、図1と同一部分には同一の符号を付している。
図5に示したように第1電気負荷44にはヘッドランプ71やワイパー72といった電
装部品があり、これらはメインバッテリ41を電源としている。一方、サブバッテリ42
を電源とする第2電気負荷45は、供給電圧の影響でちらつき易い電装部品81と、電圧
の瞬間的な低下に弱いコントローラ類91とに分けることできる。電装部品81としては
、電動パワーステアリング(EPS)82、ビークルダイナミックコントロール(VDC
)83、ナビゲーションシステム(NAVI)84、コンビネーションメータ66などが
ある。コントローラ類91としては、自動変速機用コントロールユニット61、ビークル
ダイナミックコントロールユニット62、車速感応式パワーステアリング用コントロール
ユニット63、エアコン用オートアンプ64、エアコン用インバータ92がある。
次に図6は、t0のタイミングでイグニッションスイッチ71(図5参照)をOFFよ
りONに切換えて車両1の運転を行う場合に、サブバッテリ電圧Vsb、サブバッテリ電
流Isbなどがどのように変化するのかを示したモデル図である。
なお、図6には、サブバッテリ電圧、サブバッテリ電流の各変化を示し、メインバッテ
リ電圧、メインバッテリ電流の各変化を示していない。メインバッテリ電圧、メインバッ
テリ電流の各変化は、特に初回始動中においてサブバッテリ電圧、サブバッテリ電流の各
変化と相違する。これは、初回始動時にリレー43を切断した上でメインバッテリ41を
用いて初回始動を行うためである。初回始動時を除く残りの部分ではメインバッテリ電圧
、メインバッテリ電流はサブバッテリ電圧、サブバッテリ電流と同様の変化をすることと
なる。
図6には2回のエンジン自動停止(以下「アイドルストップ」という。)と1回のトル
クアシストが行われる場合を例に挙げている。すなわち、t2からt3の期間で運転者が
スタータ6を用いてエンジンの初回の始動を行っている。t4のタイミングよりリレー4
3を切断した上で初回のアイドルストップ(図では「IS」で略記)を開始し、t6のタ
イミングでアイドルストップ解除条件が成立したため初回のアイドルストップを解除して
いる。t7のタイミングでリレー43を切断した上でトルクアシスト(図では「TA」で
略記)を開始し、t7より一定時間が経過するt8のタイミングでトルクアシストを終了
している。t9のタイミングよりリレー43を切断した上で2回目のアイドルストップを
開始し、t11のタイミングでアイドルストップ解除条件が成立したため2回目のアイド
ルストップを解除している。
本実施形態では、次のようにトルクアシストを行うか否かの電圧判定をイグニッション
スイッチ71のON直後に行うほかアイドルストップ中にも行う。一方、アイドルストッ
プを許可するか否かの電圧判定はイグニッションスイッチ71のON直後にのみ行う。以
下、この順に説明する。
〔1〕サブバッテリについてのトルクアシスト許可の初回電圧判定
図6においてイグニッションスイッチ71をOFFよりONに切換えるt0のタイミン
グより所定時間X[ms]が経過するt1のタイミングで、トルクアシストを許可するか
否かの初回の電圧判定を行う。ここではトルクアシスト許可の初回電圧判定がOKとなっ
たとしている。このため、t4〜t6での初回のアイドルストップが行われなくても、t
7のタイミングでバッテリ電圧以外の残りのトルクアシスト許可条件が成立すればトルク
アシストが行われる。
トルクアシスト許可の初回電圧判定は、t1でのサブバッテリ電圧Vsbとトルクアシ
スト用初回判定閾値1との比較により行う。ここで、t0でのサブバッテリ電圧(「初期
バッテリ電圧」とする。)を基準に考えれば、t1でのサブバッテリ電圧Vsbは、一定
時間X(t0〜t1)における初期バッテリ電圧からの差電圧を表す。言い換えると、t
1でのサブバッテリ電圧Vsbは、電圧低下割合(電圧低下程度)を表している。従って
、t1でのサブバッテリ電圧Vsbが低いほど電圧低下割合が大きいこととなる。
この電圧低下割合が大きいか否かを定めるための判定値がトルクアシスト用初回判定閾
値1である。このため、t1でのサブバッテリ電圧Vsbがトルクアシスト用初回判定閾
値1未満である場合にサブバッテリの電圧低下割合が大きい(以下、サブバッテリの電圧
低下割合が大きいことを「サブバッテリに電圧低下がある」という。)と判定する。t1
でのサブバッテリ電圧Vsbがトルクアシスト用初回判定閾値1以上である場合にはサブ
バッテリの電圧低下割合が大きくない、つまりサブバッテリ42に電圧低下はないと判定
する。
上記の一定時間Xの終期は、t0より低下するバッテリ電圧Vsbがある程度落ち着く
タイミングとする。具体的には適合により定める。
上記のトルクアシスト用初回判定閾値1は、t1でのサブバッテリ電流Isbより算出
する。トルクアシスト用初回判定閾値1をt1でのサブバッテリ電流に依存させているの
は、t1でのサブバッテリ電流Isbによってサブバッテリ42の電圧低下割合が相違す
るためである。サブバッテリ電流Isbは電流センサ48(図5参照)により検出する。
図6最上段に示したように、トルクアシスト用初回判定閾値1(図では「TA用初回判
定閾値1」と略記)は、後述するアイドルストップ用初回判定閾値(図では「IS用初回
判定閾値1」と略記)1よりも高くしている。
〔2〕メインバッテリについてのトルクアシスト許可の初回電圧判定
メインバッテリ41については、初回始動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧
Vmnとトルクアシスト用初回判定閾値2との比較により行う。すなわち、初回始動中の
判定タイミングでのメインバッテリ電圧Vmnがトルクアシスト用初回判定閾値2未満で
ある場合にメインバッテリ41に電圧低下があると判定する。初回始動中の判定タイミン
グでのメインバッテリ電圧Vmnがトルクアシスト用初回判定閾値2以上である場合には
メインバッテリ41に電圧低下はないと判定する。上記初回始動中の判定タイミングは予
め定めておく。
上記のトルクアシスト用初回判定閾値2は初回始動中の判定タイミングでのメインバッ
テリ電流Imnより算出する。トルクアシスト用初回判定閾値2を初回始動中の判定タイ
ミングでのメインバッテリ電流Imnに依存させているのは、初回始動中の判定タイミン
グでのメインバッテリ電流Imnによってメインバッテリ41の電圧低下割合が相違する
ためである。メインバッテリ電流Imnは電流センサ47(図5参照)により検出する。
メインバッテリ42についてもトルクアシスト用初回判定閾値2を、後述するアイドルス
トップ用初回判定閾値2よりも高くしている。
〔3〕トルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定
トルクアシスト許可の初回電圧判定についてはサブバッテリ42とメインバッテリ41
とで判定タイミングが相違したので、上記のように〔1〕と〔2〕とに分けた。一方、ト
ルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定についてはサブバッテリ42とメインバ
ッテリ41とで判定タイミングが同じであるので、分けて述べることはしない。
図6において初回のアイドルストップを開始するt4のタイミングから所定時間Y[m
s]が経過するt5のタイミングでトルクアシストを許可するか否かの電圧判定を行う。
ここではトルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定がOKとなったとしている。
このため、初回のアイドルストップを終了した後のt7のタイミングでバッテリ電圧以外
の残りのトルクアシスト許可条件が成立すればトルクアシストが行われる。同様に、2回
目のアイドルストップを開始するt9のタイミングから所定時間Y[ms]が経過するt
10のタイミングでトルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定を行う。
トルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定は、t5、t10のタイミングでの
サブバッテリ電圧Vsbとアイドルストップ中判定閾値1との比較により行う。ここで、
t5、t10でのサブバッテリ電圧(「アイドルストップ開始バッテリ電圧」とする。)
を基準と考えれば、t5、t10でのサブバッテリ電圧Vsbは、一定時間Y(t0〜t
1)におけるアイドルストップ開始バッテリ電圧からの差電圧を表す。言い換えると、t
5、t10でのサブバッテリ電圧Vsbは、電圧低下割合(電圧低下程度)を表している
。従って、t5、t10でのサブバッテリ電圧Vsbが低いほど電圧低下割合が大きいこ
ととなる。
この電圧低下割合が大きいか否かを定めるための判定値がアイドルストップ中判定閾値
1である。このため、t5、t10でのサブバッテリ電圧Vsbがアイドルストップ中判
定閾値1未満である場合に、サブバッテリ42の電圧低下割合が大きい、つまりサブバッ
テリ42に電圧低下があると判定する。t5、t10でのサブバッテリ電圧Vsbがアイ
ドルストップ中定閾値1以上である場合にはサブバッテリ42の電圧低下割合が大きくな
い、つまりサブバッテリ42に電圧低下はないと判定する。
メインバッテリ41についても同様に、t5、t10でのメインバッテリ電圧Vmnと
、アイドルストップ中判定閾値2との比較により行う。すなわち、t5、t10でのメイ
ンバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ中判定閾値2未満である場合に、メインバッテ
リ41の電圧低下割合が大きい、つまりメインバッテリ41に電圧低下があると判定する
。t5、t10でのメインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ中判定閾値2以上であ
る場合にはメインバッテリ41の電圧低下割合が大きくない、つまりメインバッテリ41
に電圧低下はないと判定する。
上記のアイドルストップ中判定閾値1はt5、t10でのサブバッテリ電流Isbより
算出する。同様に上記のアイドルストップ中判定閾値2はt5、t10でのメインバッテ
リ電流Imnより算出する。各アイドルストップ中判定閾値1、2を各バッテリ電流Is
b、Imnに依存させているのは、各バッテリ電流Isb、Imnによって各バッテリ4
1、42の電圧低下割合が相違するためである。
図6に示したように、アイドルストップ中判定閾値1は、トルクアシスト用初回判定閾
値1より高くしている。同様に、メインバッテリ42についてもアイドルストップ中判定
閾値2をトルクアシスト用初回判定閾値2より高くしている。
上記の一定時間Yの終期は、t4、t9より低下する各バッテリ電圧がある程度落ち着
くタイミングとする。具体的には適合により定める。
〔4〕サブバッテリについてのアイドルストップ許可の初回電圧判定
図6においてイグニッションスイッチ71をOFFよりONに切換えるt0のタイミン
グより所定時間X[ms]が経過するt1のタイミングで、アイドルストップを許可する
か否かの初回の電圧判定を行う。ここではアイドルストップ許可の初回電圧判定がOKと
なったとしている。このため、t4のタイミングでバッテリ電圧以外の残りのアイドルス
トップ許可条件が成立すれば1回目のアイドルストップが行われる。同様にt9のタイミ
ングでバッテリ電圧以外の残りのアイドルストップ許可条件が成立すれば2回目のアイド
ルストップが行われる。
アイドルストップ許可の初回電圧判定は、トルクアシスト許可の初回電圧判定と同様で
ある。すなわち、t1のタイミングでのサブバッテリ電圧Vsbとアイドルストップ用初
回判定閾値1との比較により行う。t1でのサブバッテリ電圧Vsbがアイドストップ用
初回判定閾値1未満である場合に、サブバッテリ42の電圧低下割合が大きい、つまりサ
ブバッテリ42に電圧低下があると判定する。t1でのサブバッテリ電圧Vsbがアイド
ルストップ用初回判定閾値1以上である場合にはサブバッテリ42の電圧低下割合が大き
くない、つまりサブバッテリ42に電圧低下はないと判定する。
上記のアイドルストップ用初回判定閾値1はt1でのサブバッテリ電流Isbより算出
する。
〔5〕メインバッテリについてのアイドルストップ許可の初回電圧判定
メインバッテリ41については、初回始動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧
Vmnとアイドルストップ用初回判定閾値2との比較により行う。初回始動中の判定タイ
ミングでのメインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ用初回判定閾値2未満である場
合に、メインバッテリ41の電圧低下割合が大きい、つまりメインバッテリ41に電圧低
下があると判定する。初回始動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧Vmnがアイ
ドルストップ用初回判定閾値2以上である場合にはメインバッテリ41の電圧低下割合が
大きくない、つまりメインバッテリ41に電圧低下はないと判定する。〔5〕の場合の初
回始動中の判定タイミングは、上記〔2〕の判定タイミングと同じでよい。
上記のアイドルストップ用初回判定閾値2は初回始動中の判定タイミングでのメインバ
ッテリ電流Imnより算出する。
上記〔4〕、〔5〕のアイドルストップ許可の初回電圧判定、上記〔1〕、〔2〕のト
ルクアシスト許可の初回電圧判定、上記〔3〕のトルクアシスト許可のアイドルストップ
中電圧判定をこの順にさらに以下のフローチャートに基づいて説明する。
図7のフローはサブバッテリ42についてアイドルストップ許可の初回電圧判定を行う
ためのものである。このフローはイグニッションスイッチ71のOFFよりONへの切換
タイミングより一定時間X[ms]が経過したタイミングで一度だけ実行する。
図7においてステップ1では、冷機始動時であるか否かをみる。これは、水温センサ7
2(図5参照)により検出される実際の冷却水温と冷機判定閾値(図21参照)とを比較
し、実際の冷却水温が冷機判定閾値未満であれば冷機状態にあると、実際の冷却水温が冷
機判定閾値以上であるときには冷機状態にないと判断すればよい。また始動時であるか否
かはスタータスイッチ56(図5参照)に基づいて判定すればよい。
冷機始動時であるときにはステップ2に進み、初回電圧がOK判定であるか否かをみる
。これは、イグニッションスイッチ71のOFFよりONへの切換タイミングより一定時
間X[ms]が経過したタイミング(図6におけるt1)でのサブバッテリ電圧Vsb[
V]と、アイドルストップ用初回判定閾値1[V]との比較により行う。イグニッション
スイッチONよりX経過後のサブバッテリ電圧Vsbがアイドルストップ用初回判定閾値
1以上であるときに初回電圧がOKであると判定し、ステップ3に進んでアイドルストッ
プ初回OK判定フラグ=1とする。アイドルストップ初回OK判定フラグ=1は、サブバ
ッテリ42に電圧低下がないことを意味する。
一方、イグニッションスイッチONよりX経過後のサブバッテリ電圧Vsbがアイドル
ストップ用初回判定閾値1未満であるときに初回電圧がNGであると判定し、ステップ4
に進んでアイドルストップ初回OK判定フラグ=0とする。アイドルストップ初回OK判
定フラグ=0は、サブバッテリ42に電圧低下があることを意味する。
上記のアイドルストップ用初回判定閾値1は、イグニッションスイッチONより一定時
間X[ms]が経過したタイミング(図6におけるt1)でのサブバッテリ電流Isb[
A]から図8を内容とするテーブルを検索することにより求める。
図7においてステップ1で冷機始動時でないときにはステップ5に進み、前回の運転開
始時にサブバッテリについてアイドルストップ初回OK判定フラグ=1であった(サブバ
ッテリ42に電圧低下がなかった)か否かをみる。前回の運転開始時にサブバッテリにつ
いてアイドルストップ初回OK判定フラグ=1であった(サブバッテリ42に電圧低下が
なかった)ときにもステップ2以降に進む。
一方、ステップ5で前回の運転開始時にサブバッテリについてアイドルストップ初回O
K判定フラグ=0であった(サブバッテリ42に電圧低下があった)ときにはステップ6
に進みアイドルストップ許可フラグ=0とする(アイドルストップを禁止する)。
図9のフローはメインバッテリ41についてアイドルストップ許可の初回電圧判定を行
うためのものである。このフローは初回始動中の判定タイミングで一度だけ実行する。判
定タイミングが相違するだけで処理の内容そのものは図7に示したサブバッテリ42につ
いての場合と同様であるので、違う部分を主に説明する。
ステップ11では、冷機始動時であるか否かをみる。冷機始動時であるときにはステッ
プ12に進み、初回電圧がOK判定であるか否かをみる。これは、初回始動中の判定タイ
ミングでのメインバッテリ電圧Vmn[V]と、アイドルストップ用初回判定閾値2[V
]との比較により行う。初回始動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧Vmnがア
イドルストップ用初回判定閾値2以上であるときに初回電圧がOKであると判定し、ステ
ップ13に進んでアイドルストップ初回OK判定フラグ=1とする。アイドルストップ初
回OK判定フラグ=1は、メインバッテリ41に電圧低下がないことを意味する。
一方、初回始動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ
用初回判定閾値2未満であるときに初回電圧がNGであると判定し、ステップ14に進ん
でアイドルストップ初回OK判定フラグ=0とする。アイドルストップ初回OK判定フラ
グ=0は、メインバッテリ41に電圧低下があることを意味する。
上記のアイドルストップ用初回判定閾値2は、初回始動中の判定タイミングでのメイン
バッテリ電流Imn[A]から図10を内容とするテーブルを検索することにより求める
図9においてステップ11で冷機始動時でないときにはステップ15に進み、前回の運
転開始時にメインバッテリについてアイドルストップ初回OK判定フラグ=1であった(
メインバッテリ41に電圧低下がなかった)か否かをみる。前回の運転開始時にメインバ
ッテリについてアイドルストップ初回OK判定フラグ=1であった(メインバッテリ41
に電圧低下がなかった)ときにもステップ12以降に進む。
一方、ステップ15で前回の運転開始時にメインバッテリについてアイドルストップ初
回OK判定フラグ=0であった(メインバッテリ41に電圧低下があった)ときにはステ
ップ16に進みアイドルストップ許可フラグ=0とする(アイドルストップを禁止する)
次に図11のフローはサブバッテリ42についてトルクアシスト許可の初回電圧判定を
行うためのものである。このフローはイグニッションスイッチ71のOFFよりONへの
切換タイミングより一定時間X[ms]が経過したタイミングで一度だけ実行する。処理
の内容は図7に示した場合と同様であるので、違う部分を主に説明する。
図11においてステップ21では、冷機始動時であるか否かをみる。冷機始動時である
ときにはステップ22に進み、初回電圧判定がOKであるか否かをみる。これは、イグニ
ッションスイッチのOFFよりONへの切換タイミングより一定時間X[ms]が経過し
たタイミング(図6におけるt1)でのサブバッテリ電圧Vsb[V]と、トルクアシス
ト用初回判定閾値1[V]との比較により行う。イグニッションスイッチONよりX経過
後のサブバッテリ電圧Vsbがトルクアシスト用初回判定閾値1以上であるときに初回電
圧がOKであると判定し、ステップ23に進んでトルクアシスト初回OK判定フラグ=1
とする。トルクアシスト初回OK判定フラグ=1は、サブバッテリ42に電圧低下がない
ことを意味する。
一方、イグニッションスイッチONよりX経過後のサブバッテリ電圧Vsbがトルクア
シスト用初回判定閾値1未満であるときに初回電圧がNGであると判定し、ステップ24
に進んでトルクアシスト初回OK判定フラグ=0とする。トルクアシスト初回OK判定フ
ラグ=0は、サブバッテリ42に電圧低下があることを意味する。
上記のトルクアシスト用初回判定閾値1は、イグニッションスイッチONより一定時間
X[ms]が経過したタイミング(図6におけるt1)でのサブバッテリ電流Isb[A
]から図12を内容とするテーブルを検索することにより求める。
図11においてステップ21で冷機始動時でないときにはステップ25に進み、前回の
運転開始時にサブバッテリについてトルクアシスト初回OK判定フラグ=1であった(サ
ブバッテリ42に電圧低下がなかった)か否かをみる。前回の運転開始時にサブバッテリ
についてトルクアシスト初回OK判定フラグ=1であった(サブバッテリ42に電圧低下
がなかった)ときにもステップ22以降に進む。
一方、ステップ25で前回の運転開始時にサブバッテリについてトルクアシスト初回O
K判定フラグ=0であった(サブバッテリ42に電圧低下があった)ときにはステップ2
6に進みトルクアシスト許可フラグ=0とする(トルクアシストを禁止する)。
図13のフローはメインバッテリ41についてトルクアシスト許可の初回電圧判定を行
うためのものである。このフローは初回始動中の判定タイミングで一度だけ実行する。処
理の内容そのものは図11に示した場合と同様であるので、違う部分を主に説明する。
図13においてステップ31では、冷機始動時であるか否かをみる。冷機始動時である
ときにはステップ32に進み、初回電圧判定がOKであるか否かをみる。これは、初回始
動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧Vmn[V]と、トルクアシスト用初回判
定閾値2[V]との比較により行う。すなわち、初回始動中の判定タイミングでのメイン
バッテリ電圧Vmnがトルクアシスト用初回判定閾値2以上であるときに初回電圧がOK
であると判定し、ステップ33に進んでトルクアシスト初回OK判定フラグ=1とする。
トルクアシスト初回OK判定フラグ=1は、メインバッテリ41に電圧低下がないことを
意味する。
一方、初回始動中の判定タイミングでのメインバッテリ電圧Vmnがトルクアシスト用
初回判定閾値2未満であるときに初回電圧がNGであると判定し、ステップ34に進んで
トルクアシスト初回OK判定フラグ=0とする。トルクアシスト初回OK判定フラグ=0
は、メインバッテリ41に電圧低下があることを意味する。
上記のトルクアシスト用初回判定閾値2は、初回始動中の判定タイミングでのメインバ
ッテリ電流Imn[A]から図14を内容とするテーブルを検索することにより求める。
図13においてステップ31で冷機始動時でないときにはステップ35に進み、前回の
運転開始時にメインバッテリについてトルクアシスト初回OK判定フラグ=1であった(
メインバッテリ41に電圧低下がなかった)か否かをみる。前回の運転開始時にメインバ
ッテリについてトルクアシスト初回OK判定フラグ=1であった(メインバッテリ41に
電圧低下がなかった)ときにもステップ32以降に進む。
一方、ステップ35で前回の運転開始時にメインバッテリについてトルクアシスト初回
OK判定フラグ=0であった(メインバッテリ41に電圧低下があった)ときにはステッ
プ36に進みトルクアシスト許可フラグ=0とする(トルクアシストを禁止する)。
上記の図8、図10、図12、図14に示した各特性は電流に対する傾向を示すだけの
もので、実際には適合により各特性を定めることになる。
図15のフローはアイドストップ許可フラグを設定するためのもので、一定時間毎に実
行する。
ステップ41〜46で次の各条件が全て成立する場合に、ステップ47に進んでアイド
ルストップ許可フラグ=1とし、ステップ41〜46で次の各条件のいずれか一つでも成
立しない場合に、ステップ48に進んでアイドルストップ許可フラグ=0とする。
〈1〉ステップ41:アクセルセンサ53(図5参照)により検出されるアクセル開度
APOがゼロである(アクセルペダルが踏み込まれていない)こと、
〈2〉ステップ42:車速センサ75(図5参照)により検出される車速VSPがほぼ
ゼロであること(車両が停止していること)、
〈3〉ステップ43:サブバッテリ42についてアイドルストップ初回OK判定フラグ
=1であること(サブバッテリ42に電圧低下がないこと)、
〈4〉ステップ44:メインバッテリについてアイドルストップ初回OK判定フラグ=
1であること(メインバッテリ41に電圧低下がないこと)、
〈5〉ステップ45:サブバッテリ42のSOC(SOCsb)がサブバッテリ42の
アイドルストップ許可判定SOC以上であること、
〈6〉ステップ46:メインバッテリ41のSOC(SOCmn)がメインバッテリの
41アイドルストップ許可判定SOC以上であること、
ここで、サブバッテリ42のSOC(State Of Charge)は電流センサ48(図5
参照)により検出される電流値に基づいてエンジンコントロールモジュール51が算出し
ている。メインバッテリ41のSOC(State Of Charge)は電流センサ47(図5
参照)により検出される電流値に基づいてエンジンコントロールモジュール51が算出し
ている。サブバッテリ42のアイドルストップ許可判定SOCやメインバッテリ41のア
イドルストップ許可判定SOCは予め定めておく。
次に、図16のタイミングチャートを参照してトルクアシスト緊急停止について説明す
る。図16はトルクアシスト時にトルクアシスト許可フラグ、トルクアシスト実行フラグ
、アシストトルク、トルクアシスト緊急停止フラグ、メインバッテリ電圧がどのように変
化するのかを示すモデル図である。
図16においてt21でトルクアシスト許可フラグがゼロから1へ、t22のタイミン
グでトルクアシスト実行フラグがゼロから1へと切換わったとき、t22よりアシストト
ルクが漸増し、t23のタイミングで一定値(100%)に落ち着く。一方、t25のタ
イミングでトルクアシスト許可フラグが1からゼロへと戻されたとき、アシストトルクは
t25より漸減しt27のタイミングでゼロ(0%)に戻る。トルクアシスト実行フラグ
はt27でゼロに戻る。
このようにトルクアシスト実行フラグの指令によってトルクアシストが行われるのは、
メインバッテリ電圧が図16最下段に短破線で示したように変化する場合(通常時)であ
る。すなわち、通常時には、モータジェネレータ21の電源であるメインバッテリ41の
電圧はモータジェネレータ21の駆動によってt22のタイミングより低下するものの保
証電圧限界まで低下することはない。
ここで、ヘッドランプ71やワイパー72といった各デバイスに印加するメインバッテ
リ電圧を低下させていったときに、ある電圧でその各デバイスの作動が保証される限界に
到達する。言い換えると、この限界を超えてメインバッテリ電圧を低下させたとき、その
各デバイスの作動が保証されないこととなる。この限界の電圧が上記の「保証電圧限界」
である。
メインバッテリ41が劣化してくると、トルクアシストに伴うメインバッテリ電圧の低
下が大きくなり、例えば図16最下段に実線で示したようにt24からt26までの期間
において保証電圧限界を超えて低下することがある。トルクアシストに伴うメインバッテ
リ電圧の低下により保証電圧限界を超えて低下する場合にまでトルクアシストを行わせた
のでは、t24からt26までの期間において上記ヘッドランプ71やワイパー72とい
った各デバイスの作動を保証し得ないこととなる。
これに対処するのがトルクアシストの緊急停止である。すなわち、図16第3段目の破
線で示したように、トルクアシスト中のメインバッテリ電圧が保証電圧限界未満となるt
24のタイミングでアシストトルクをステップ的にゼロ(0%)に戻すことによって、ト
ルクアシストの緊急停止を行うのである。このトルクアシストの緊急停止によりメインバ
ッテリ電圧は、図16最下段の長破線で示したように、t24のタイミングより保証電圧
限界を離れて上昇する。これによってメインバッテリ41に劣化が生じていても上記各デ
バイスの作動が保証されることとなる。
図17のフローはトルクアシストの緊急停止を行うためのもので、一定時間毎に実行す
る。
ステップ51ではトルクアシスト実行フラグをみる。トルクアシスト実行フラグは、例
えば前述の図4のフローにより設定されている。トルクアシスト実行フラグ=1であると
きにはトルクアシストが行われていると判断し、ステップ52に進んでトルクアシスト中
のメインバッテリ電圧Vmn[V]と保証電圧限界[V]を比較する。保証電圧限界はメ
インバッテリ41を電源とする第1電気負荷44を構成するデバイスにより知り得るので
、予め設定しておく。トルクアシスト中のメインバッテリ電圧Vmnが保証電圧限界以上
であるときには第1電気負荷44を構成する各デバイスの作動が保証されると判断しその
まま今回の処理を終了する。
一方、トルクアシスト中のメインバッテリ電圧Vmnが保証電圧限界未満となったとき
には第1電気負荷44を構成する各デバイスの作動を保証できないと判断する。このとき
にはステップ53に進んでトルクアシスト許可フラグ=0とし、ステップ54でトルクア
シスト緊急停止フラグ=1とする。図示しないフローでは、トルクアシスト緊急停止フラ
グ=1を受けてモータジェネレータ21への電流供給を遮断する。
これを図16でみると、トルクアシスト中にメインバッテリ電圧が保証電圧限界未満と
なるt24のタイミングでトルクアシスト緊急停止フラグがゼロから1へと切換わる(図
16第4段目の長破線参照)。これを受けて、モータジェネレータ21への電流供給を遮
断するためアシストトルクはt24のタイミングでステップ的にゼロ(0%)に戻される
(図16第3段目の長破線参照)。これによってモータジェネレータ21がメインバッテ
リ41の電力を消費しなくなるため、メインバッテリ電圧はt24のタイミングより保証
電圧限界を離れて回復する(図16最下段の長破線参照)。
図18のフローはトルクアシスト許可のアイドルストップ中電圧判定を行うためのもの
である。このフローはアイドルストップ開始タイミングより一定時間Y[ms]が経過し
たタイミングで一度だけ実行する。
図18においてステップ61では、アイドルストップ開始タイミングより一定時間Y[
ms]が経過したタイミング(図6におけるt5、t10)でのサブバッテリ電圧Vsb
[V]とアイドルストップ中判定閾値1[V]を比較する。前述したようにアイドルスト
ップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧Vsbは、電圧低下割合(電圧低下程度)を表
し、アイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧Vsbが低いほど電圧低下割
合が大きいこととなる。そこで、アイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧
Vsbがアイドルストップ中判定閾値1未満である場合にサブバッテリ42の電圧低下割
合が大きい、つまりアイドルストップ中電圧がNGであると判定し、ステップ62、63
に進む。
ステップ62ではアイドルストップ許可フラグ=0(アイドルストップ解除)とし、ス
テップ63でトルクアシスト許可フラグ=0(トルクアシスト禁止)とする。トルクアシ
スト許可フラグ=0によって、トルクアシスト許可の初回電圧判定でトルクアシスト初回
OK判定フラグ=1としていても、今回のアイドルストップを解除し以後のトルクアシス
トを禁止するのである。
アイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧Vsbがアイドルストップ中判
定閾値1未満であるときに今回のアイドルストップを解除し以後のトルクアシストを禁止
するのは、次の理由からである。すなわち、エンジンの暖機完了前にエンジンを一旦停止
し、その直後に再度エンジンを運転するため冷機始動した場合に、サブバッテリ42に分
極が生じることを本発明者が新たに見いだしている。ここで、サブバッテリ42の「分極
」とは、サブバッテリ42の電極電位が静止電位から高い側にずれる現象のことをいう。
サブバッテリ42に生じるこの分極の影響によりトルクアシスト許可の初回電圧判定時に
トルクアシスト許可の初回電圧がOKであると誤判定してしまうことがある。例えば、サ
ブバッテリ42に分極が生じていなければ、トルクアシスト許可の初回電圧判定時にサブ
バッテリ電圧はトルクアシスト用初回判定閾値1よりも低く、トルクアシスト許可の初回
電圧はNGであると判定されるとする。この場合に、分極の影響によりサブバッテリ電圧
Vsbが実際よりも見かけ上高く検出されると、トルクアシスト用初回判定閾値1よりも
高くなってトルクアシスト許可の初回電圧がOKであると誤判定されてしまうのである。
サブバッテリ42に生じる上記の分極の影響について図21をさらに参照して説明する
。図21はイグニッションスイッチ71、スタータスイッチ56、エンジン回転速度NE
、リレー43、冷却水温、サブバッテリ電圧、冷機判定フラグ、アイドルストップ許可フ
ラグの各変化を示すモデル図である。
図21においてt31のタイミングで冷機始動を行い、t33のタイミングで直ぐにエ
ンジンを停止し、その直後のt34のタイミングで冷機始動している。このときには、t
35のタイミングでサブバッテリ42についてアイドルストップ許可の初回電圧判定及び
トルクアシスト許可の初回電圧判定を行うこととなる。このとき、サブバッテリ42に分
極が生じていなければサブバッテリ電圧はアイドルストップ用初回判定閾値1未満であり
、図21第8段目に実線で示したようにアイドルストップ許可フラグ=0であるとする。
しかしながら、サブバッテリ42に分極が生じているときには分極の影響によりサブバッ
テリ電圧がアイドルストップ用初回判定閾値1以上となることがある。これによって、図
21第8段目に破線で示したように、アイドルストップ許可フラグ=1となってしまう(
アイドストップ許可と誤判定する)。この場合に、アイドルストップ許可の初回電圧判定
と同じタイミングでトルクアシスト許可の初回電圧判定を行っている。このため、サブバ
ッテリ42についてのトルクアシスト許可の初回電圧判定においても、サブバッテリ42
に生じている分極の影響でトルクアシスト許可フラグ=1となってしまうのである(トル
クアシスト許可と誤判定する)。
上記の以後のトルクアシストを禁止する方法としては、直後のトルクアシストのみを禁
止する方法、以後にエンジンを停止するまで全てのトルクアシストを禁止する方法の2つ
が考えられる。ここで、「以後」を判断する基準のタイミングはアイドルストップの開始
からY経過後のタイミングである。「直後のトルクアシスト」とは、例えば図6において
t5のタイミングで以後のトルクアシストを禁止するとした場合に、t7からt8までの
トルクアシストのことである。
一方、アイドルストップ開始直前にサブバッテリ42を電源とする第2電気負荷45を
構成するデバイスが多く作動していれば、アイドルストップ開始タイミングよりサブバッ
テリ42は第2電気負荷45を構成するデバイスへの放電を開始する。このようにアイド
ルストップ開始よりサブバッテリ42から放電が行われる場合に、その放電開始より一定
時間Yが経過したとき、サブバッテリ42の分極による電圧の急激な低下が解消されるこ
とを本発明者が確認している。サブバッテリ42に分極が生じていない場合のアイドルス
トップ開始からのY経過後の電圧低下分をΔVsb1、サブバッテリ42に分極が生じて
いた場合のアイドルストップ開始からのY経過後の電圧低下分をΔVsb2とする。この
とき、サブバッテリ42に分極が生じていた場合のΔvVsb2のほうが分極が生じてい
ない場合のΔVsb1より大きいのであるが、分極がなくなった後には同じ電圧となる。
つまり、放電開始からの電圧低下によって分極が生じていた場合と分極が生じていない場
合の両サブバッテリ電圧が一致するまでの時間をYとして求めておけば、Y経過後にはサ
ブバッテリ42の分極の影響は解消されているわけである。
そこで、サブバッテリ42の分極による電圧の急激な低下が解消されるタイミングで(
つまりアイドルストップ開始よりY経過後)、改めてサブバッテリ電圧Vsbとアイドル
ストップ中判定閾値1を比較することにより、分極の影響をなくした電圧判定を行わせる
のである。このとき、アイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧がアイドル
ストップ中判定閾値1未満であれば、サブバッテリ42の電圧低下割合が大きい、つまり
サブバッテリ42に電圧低下があると判定する。上記のようにトルクアシスト許可の初回
電圧判定時には分極の影響による誤判定が生じアイドルストップを許可していても、アイ
ドルストップ中に再度のアイドルストップ許可の電圧判定を行い、NGであるときには即
座にアイドルストップを解除するのである。また、以後のアイドルストップを解除するぐ
らいであるから、アイドルストップよりもバッテリへの負担が大きいトルクアシストをも
禁止するのである。
上記のアイドルストップ中判定閾値1は、アイドルストップ開始タイミングより所定時
間Y[ms]が経過したタイミング(図6におけるt5、t10)でのサブバッテリ電流
Isbから図19を内容とするテーブルを検索することにより求める。図19に示したよ
うにアイドルストップ中判定閾値1はアイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ
電流が多くなるほど低下する値である。これは、アイドルストップ開始よりY経過後のサ
ブバッテリ電流が多くなるほどサブバッテリ電圧が低下するバッテリ特性に合わせたもの
である。
図18において、ステップ61でアイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ電
圧Vsbがアイドルストップ中判定閾値1以上であるときにはステップ64に進む。ステ
ップ64では、アイドルストップ開始よりY経過後のメインバッテリ電圧Vmn[V]と
アイドルストップ中判定閾値2[V]を比較する。アイドルストップ開始よりY経過後の
メインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ中判定閾値2未満であるときには、メイン
バッテリ41の電圧低下割合が大きい、つまりメインバッテリ41に電圧低下があると判
定する。このときにはステップ62、63に進んでアイドルストップを解除し以後のトル
クアシストを禁止する。
アイドルストップ開始よりY経過後のメインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ中
判定閾値2未満であるときに、以後のトルクアシストを禁止する理由は、次に述べるよう
にサブバッテリ42と同じでない。
初回エンジン始動後にアイドルストップ開始からの放電開始によってメインバッテリ4
1の電圧が低下する。メインバッテリ41の電圧低下は運転者がメインバッテリ41を電
源とする第1電気負荷44の負荷が大きいほど、つまり第1電気負荷44を構成するデバ
イスによるメインバッテリ41の電力消費が大きいほど大きくなる。第1電気負荷44を
構成する各デバイスの作動を保証することを考慮することなく、トルクアシストを行わせ
たのでは、第1電気負荷44を構成する各デバイスの作動を保証できなくなる。従って、
第1電気負荷44によるメインバッテリ41の電力消費がある程度の範囲(所定値以内)
に収まるならば、同時にトルクアシストを行い得る(トルクアシストの緊急停止を行わな
くて済む)ような電圧をアイドルストップ中判定閾値2として設定する。言い換えると、
メインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ中判定閾値2未満であるときにもトルクア
シストを許可するとすれば、第1電気負荷44を構成する各デバイスの作動を保証するこ
とができずトルクアシストの緊急停止が行われてしまうこととなる。
そこで、アイドルストップ開始よりY経過後のメインバッテリ電圧Vmnがアイドルス
トップ中判定閾値2未満であるときに、以後のトルクアシストを禁止することによって、
トルクアシストの緊急停止が行われることがないようにする。トルクアシストの緊急停止
では、アシストトルクを一定値(100%)からゼロ(0%)へとステップ的に戻すので
(図16第3段目の長破線参照)、トルクショックが生じ得る。一方、アイドルストップ
中に再度、トルクアシスト許可の電圧判定を行い、メインバッテリ41に電圧低下がある
ときに以後のトルクアシストを禁止することで、トルクアシストの緊急停止に伴うトルク
ショックを回避することができるのである。
上記のアイドルストップ中判定閾値2は、アイドルストップ開始タイミングより所定時
間Y[ms]が経過したタイミング(図6におけるt5、t10)でのメインバッテリ電
流Imn[A]から図20を内容とするテーブルを検索することにより求める。図20に
示したようにアイドルストップ中判定閾値2はアイドルストップ開始よりY経過後のメイ
ンバッテリ電流が多くなるほど低下する値である。これは、アイドルストップ開始よりY
経過後のメインバッテリ電流が多くなるほどメインバッテリ電圧が低下するバッテリ特性
に合わせたものである。
このように、メインバッテリ41については第1電気負荷44を構成する各デバイスの
作動が保証されるようにすると共に、トルクアシストの緊急停止が行われることがないよ
うにして、トルクアシストの緊急停止に伴うトルクショックを回避するものである。
次に、アイドルストップ開始よりY経過後のメインバッテリ電圧Vmnがアイドルスト
ップ中判定閾値2未満であるときにアイドルストップを解除する理由は、次の通りである
。すなわち、アイドルストップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧Vsbがアイドルス
トップ中判定閾値1未満であるときにアイドルストップを解除しているので、メインバッ
テリ41についてもサブバッテリ42と同列に扱うものである。
サブバッテリ42と相違してメインバッテリ41にはアイドルストップ中に分極の影響
を排除した状態で再度電圧判定を行わせるという意味合いはない。メインバッテリ41に
ついては分極の影響を考慮することは必要ない。これについて述べると、基本的にはメイ
ンバッテリ41にも分極が生じ得る。しかしながら、メインバッテリ41についてはアイ
ドルストップ許可の初回電圧判定及びトルクアシスト許可の初回電圧判定を初回始動中の
判定タイミングで行っている。初回始動中にはメインバッテリ41からスタータ6に向け
て大きな電流が流れる。つまり、初回始動中にはメインバッテリ41より大きな放電が行
われ、この放電によってメインバッテリ41に分極が生じていても分極が解消されるため
である。
このように構成した場合の本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態によれば、トルクアシスト時にトルクアシストの電源として用いるメインバ
ッテリ41(第1バッテリ)と、トルクアシスト時にトルクアシスト以外の電気負荷の電
源として用いるサブバッテリ42(第2バッテリ)と、メインバッテリ41とサブバッテ
リ42を断接するリレー43(断接手段)と、トルクアシストを行わないときにはリレー
43を接続し、トルクアシストを開始するときにリレー43を切断した上でトルクアシス
トを実行するトルクアシスト実行手段(51)とを備える車両の駆動装置において、アイ
ドルストップ許可条件が成立したときにリレー43(断接手段)を切断した上でアイドル
ストップ(エンジン自動的停止)を実行するエンジン自動停止実行手段(51)と、アイ
ドルストップ中にアイドルストップ解除条件が成立したときアイドルストップを解除する
(エンジンを自動的に再始動させる)エンジン自動再始動手段(51)と、アイドルスト
ップ中にいずれかのバッテリ41、42に電圧低下があると判定したときトルクアシスト
を禁止するトルクアシスト禁止手段(51)とを備えている。アイドルストップ中にサブ
バッテリ42から放電されていれば、分極の影響が解消される。このため、本実施形態に
よれば、サブバッテリ42の初回電圧判定時に分極により電圧を高めに判定しトルクアシ
ストを許可してしまった場合において、アイドルストップ中における電圧低下は分極の影
響が解消されたものとなる。これによって分極が生じているか否かの診断を新たに行わな
くても、初回電圧判定時の分極による誤判定を更正することができる。また、本実施形態
によれば、トルクアシスト中の電圧低下によりトルクアシストを即座に停止するトルクア
シスト緊急停止手段を備える場合において、トルクアシスト緊急停止によるトルクショッ
クを防止できる。
アイドルストップの開始からサブバッテリ42が放電を開始する場合に、アイドストッ
プの開始タイミングより所定時間Yが経過するタイミングで(所定時間の経過後に)分極
の影響が解消される。本実施形態によれば、アイドルストップ(エンジン自動停止)の開
始タイミングより所定時間Yが経過するタイミングでの(所定時間経過後の)サブバッテ
リ電圧Vsb(第2バッテリの電圧)とアイドルストップ中判定閾値1(判定閾値)を比
較し、サブバッテリ電圧Vsbがアイドルストップ中判定閾値1未満である場合に電圧低
下があると判定しトルクアシストを禁止するので(図18のステップ61、63参照)、
アイドルストップ中に分極の影響をなくした電圧判定を行わせることができる。アイドル
ストップの開始タイミングより所定時間Yが経過したタイミングでのメインバッテリ電圧
Vmnがアイドルストップ中判定閾値2未満である場合にまで、トルクアシストを行わせ
たのでは、第1電気負荷44(第1バッテリを電源とする電気負荷)の作動を保証するこ
とができない。一方、本実施形態によれば、アイドルストップ(エンジン自動停止)の開
始タイミングより所定時間Yが経過したタイミングでの(所定時間経過後の)メインバッ
テリ電圧Vmn(第1バッテリの電圧)とアイドルストップ中判定閾値2(判定閾値)を
比較し、メインバッテリ電圧Vmnがアイドルストップ中判定閾値2未満である場合に電
圧低下があると判定しトルクアシストを禁止するので(図18のステップ61、64、6
3参照)、第1電気負荷44(第1バッテリを電源とする電気負荷)の作動を保証するこ
とができる。
本実施形態によれば、イグニッションスイッチ71のOFFからONへの切換タイミン
グより所定時間Xが経過したタイミングで(所定時間経過後に)サブバッテリ42(第2
バッテリ)に電圧低下があると判定したときトルクアシストを禁止し、サブバッテリ42
(第2バッテリ)に電圧低下がないと判定したときトルクアシストを許可するトルクアシ
スト初回電圧許可・禁止手段を備えるので(図11、図13のフロー参照)、トルクアシ
ストを禁止するか許可するかの初回電圧判定を早期に行わせることができる。
本実施形態によれば、トルクアシスト中にメインバッテリ41(第1バッテリ)に保証
電圧限界を超える電圧低下が生じたときトルクアシストを即座に停止するトルクアシスト
緊急停止手段(図17のフロー参照)を備えるので、メインバッテリ41を電源とする第
1電気負荷44を構成するデバイスの作動を保証できる。
アイドルストップ中にサブバッテリ42から放電されていれば、分極の影響が解消され
る。このため、サブバッテリ42の初回電圧判定時に分極により電圧を高めに判定しアイ
ドルストップを許可してしまった場合において、アイドルストップ中における電圧低下は
分極の影響が解消されたものとなる。本実施形態によれば、アイドルストップ中(エンジ
ン自動停止中)にサブバッテリ42(第2バッテリ)に電圧低下があると判定したとき、
アイドルストップ(エンジン自動停止)を解除するので(図18のステップ61、62参
照)、サブバッテリ42に分極が生じているか否かの診断を行わなくても、初回電圧判定
時のサブバッテリ42の分極による誤判定を解消できる。
本実施形態によれば、イグニッションスイッチ71のOFFからONへの切換タイミン
グより所定時間Xが経過したタイミングで(所定時間経過後に)いずれかのバッテリ41
、42に電圧低下があると判定したときアイドルストップ(エンジン自動停止)を禁止し
、いずれかのバッテリ41、42に電圧低下がないと判定したときアイドルストップ(エ
ンジン自動停止)を許可するエンジン自動停止初回電圧禁止・許可手段を備えるので(図
7、図9のフロー参照)、アイドルストップを禁止するか許可するかの判定を早期に行わ
せることができる。
上記の図19、図20に示した各特性は電流に対する傾向を示すだけのもので、実際に
は適合により各特性を定めることになる。
実施形態では、アイドルストップ中にいずれかのバッテリに電圧低下があると判定した
ときトルクアシストを禁止する場合で説明したが、アイドルストップ中にいずれかのバッ
テリからの放電電流が過多であると判定したときトルクアシストを禁止するようにしても
かまわない。例えば、図6においてt5、t10でのサブバッテリ電圧Vsbがトルクア
シスト用初回判定閾値1未満である場合に、サブバッテリ放電電流がトルクアシスト用初
回判定電流閾値1を超えることとなる(図示しない)。従って、図6においてt5、t1
0でのサブバッテリ放電電流がトルクアシスト用初回判定電流閾値1を超えるとき、サブ
バッテリ放電電流が過多であると判定させる。一方、t5、t10でのサブバッテリ放電
電流がトルクアシスト用初回判定電流閾値1以下であるとき、サブバッテリ放電電流は過
多でないと判定する。同様に、t5、t10でのメインバッテリ放電電流がトルクアシス
ト用初回判定電流閾値2を超えるとき、メインバッテリ放電電流が過多であると判定させ
る。一方、t5、t10でのメインバッテリ放電電流がトルクアシスト用初回判定電流閾
値2以下であるとき、メインバッテリ放電電流は過多でないと判定する。ここで、トルク
アシスト用初回判定電流閾値1、2としては一定値とすることが考えられる。この一定値
は適合により予め定めておく。
なお、参考として図21最下段にサブバッテリ放電電流の変化を示している。図21最
下段においては、充放電しない状態を基準にとり放電より増えていく電流値を縦軸に採っ
ている。従って、電流値が増えていることはサブバッテリ放電電流が大きいことを示して
いる。図21最下段に示したように放電電流閾値を採ったとき、サブバッテリ放電電流が
放電電流閾値を超えるときサブバッテリ放電電流が過多であると、サブバッテリ放電電流
が放電電流閾値以下であるときサブバッテリ放電電流が過多でないと判定することとなる
第1実施形態の図18のフローでは、アイドルストップ中判定閾値1、2をアイドルス
トップ開始よりY経過後のサブバッテリ電圧Vsbに依存させて定める場合で説明したが
、アイドルストップ中判定閾値1、2は簡単には一定値でもかまわない。
1 車両
2 エンジン
21 モータジェネレータ
41 メインバッテリ(第1バッテリ)
42 サブバッテリ(第2バッテリ)
43 リレー(断接手段)
51 エンジンコントロールモジュール(トルクアシスト実行手段、エンジン自動停止
実行手段、エンジン自動再始動手段、トルクアシスト禁止手段)

Claims (8)

  1. エンジンと、
    変速機と、
    エンジンの出力軸に機械的に接続され、前記エンジンの出力軸に駆動力を印加するモータと、
    前記エンジンと前記変速機との間に配置され、前記エンジンの出力軸と前記変速機の入力軸とを結合可能なロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、
    前記エンジンから駆動輪への駆動力に前記モータの駆動力を付加して前記エンジンをトルクアシストするように、前記モータに所定のアシストトルクを発生させるモータ制御手段と、を備え、
    前記モータ制御手段は、前記ロックアップクラッチが締結しているときに、前記トルクアシストを許可し、前記ロックアップクラッチが開放しているときに、前記トルクアシストを禁止する、車両の制御装置。
  2. トルクアシスト時に前記モータの電源として用いる第1バッテリと、
    前記トルクアシスト時に前記モータ以外の電気負荷の電源として用いる第2バッテリと、
    前記第1バッテリと前記第2バッテリとを断接する断接手段と、
    前記トルクアシスト時に前記断接手段を切断した上で前記トルクアシストを実行するトルクアシスト実行手段と、
    所定のアイドルストップ許可条件が成立した場合に、前記断接手段を切断した上で前記エンジンの自動停止を実行するエンジン自動停止実行手段と、
    前記エンジンの自動停止中に所定のアイドルストップ解除条件が成立した場合に、前記エンジンを自動的に再始動させるエンジン自動再始動手段と、
    前記エンジンの自動停止中に前記第1および第2バッテリのいずれかに所定範囲を超える電圧低下があると判定するかまたは前記第1および第2バッテリのいずれかの放電電流が判定閾値を超えると判定した場合に、前記エンジンの再始動後のトルクアシストを禁止するトルクアシスト禁止手段と、
    をさらに備える、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記トルクアシストの実行中に前記第1バッテリに保証電圧限界を超える電圧低下が生じた場合に、前記トルクアシストを即座に停止するトルクアシスト緊急停止手段をさらに備える、請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記エンジンの自動停止中に前記第2バッテリに所定範囲を超える電圧低下があると判定するかまたは前記第2バッテリの放電電流が判定閾値を超えると判定した場合に、前記エンジンの自動停止を解除するエンジン自動停止解除手段をさらに備える、請求項2または3に記載の車両の制御装置。
  5. エンジンと変速機との間を、前記エンジンの出力軸と前記変速機の入力軸とを結合可能な、トルクコンバータのロックアップクラッチを介して締結しまたは開放する制御と、
    前記エンジンから駆動輪への駆動力にモータの駆動力を付加して前記エンジンをトルクアシストするように、前記エンジンの出力軸に機械的に接続された前記モータにより前記エンジンの出力軸駆動力を印加して、所定のアシストトルクを発生させる制御と、
    を行う車両の制御方法であって、
    前記ロックアップクラッチの締結中は、前記トルクアシストを許可し、
    前記ロックアップクラッチの開放中は、前記トルクアシストを禁止する、車両の制御方法。
  6. トルクアシスト時に前記モータの電源として用いる第1バッテリと、
    前記トルクアシスト時に前記モータ以外の電気負荷の電源として用いる第2バッテリと、を備える車両を制御する、請求項5に記載の車両の制御方法であって、
    前記トルクアシスト時に前記第1バッテリと前記第2バッテリとの接続を遮断した上で前記トルクアシストを実行し、
    所定のアイドルストップ許可条件が成立した場合に、前記第1バッテリと前記第2バッテリとの接続を遮断した上で前記エンジンの自動停止を実行し、
    前記エンジンの自動停止中に所定のアイドルストップ解除条件が成立した場合に、前記エンジンを自動的に再始動させ、
    前記エンジンの自動停止中に前記第1および第2バッテリのいずれかに所定範囲を超える電圧低下があると判定するかまたは前記第1および第2バッテリのいずれかの放電電流が判定閾値を超えると判定した場合に、前記エンジンの再始動後のトルクアシストを禁止する、車両の制御方法。
  7. 前記トルクアシストの実行中に前記第1バッテリに保証電圧限界を超える電圧低下が生じた場合に、前記トルクアシストを即座に停止する、請求項6に記載の車両の制御方法。
  8. 前記エンジンの自動停止中に前記第2バッテリに所定範囲を超える電圧低下があると判定するかまたは前記第2バッテリの放電電流が判定閾値を超えると判定した場合に、前記エンジンの自動停止を解除する、請求項6または7に記載の車両の制御方法。
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