JP2018171840A - 熱転写受像シート、熱転写シート、受容層用塗工液、熱転写受像シートの形成方法、及び印画物の形成方法 - Google Patents

熱転写受像シート、熱転写シート、受容層用塗工液、熱転写受像シートの形成方法、及び印画物の形成方法 Download PDF

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Hiroyuki Hasegawa
裕之 長谷川
吉田 和哉
Kazuya Yoshida
和哉 吉田
泰史 米山
Yasushi Yoneyama
泰史 米山
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Abstract

【課題】熱転写シートの色材層との離型性が良好な受容層を有する熱転写受像シートを提供すること。
【解決手段】支持体51の一方の面上に受容層2が設けられた熱転写受像シート200であって、受容層2は、アクリル系樹脂を含有しており、当該アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下である。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱転写受像シート、熱転写シート、受容層用塗工液、熱転写受像シートの形成方法、及び印画物の形成方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、基材上に昇華性染料を含有する色材層が設けられた熱転写シートと、支持体上に受容層が設けられた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせ、熱転写受像シートの受容層に熱転写シートの色材層が含有する昇華性染料を移行して熱転写画像を形成する昇華型熱転写方式が知られている。昇華型熱転写方式は昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りの画像を熱転写受像シート上に鮮明に表現することができ、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
ところで、昇華型熱転写方式を用いた熱転写画像形成時において、熱転写シートの色材層と熱転写受像シートの受容層との離型性が低い場合には、熱転写シートの色材層が熱転写受像シートの受容層に貼りつき、熱転写画像形成後に色材層を受容層から剥離する際に、剥離音、走行不良、剥離痕が発生し、熱転写受像シートの受容層に形成される熱転写画像の品質が低下してしまうといった問題が生じ得る。これ以外にも、受容層に色材層が貼りついて色材層が層として転写されてしまう異常転写や、色材層に受容層が貼りついて受容層が色材層にとられてしまう異常転写等の問題が生じうる。したがって、熱転写シートの色材層と熱転写受像シートの受容層との間には良好な離型性が要求されている。
色材層と受容層との離型性を向上させるためには、熱転写受像シートの受容層に離型剤を含有させることが好ましいとされており、現在までに、各種の離型剤が提案されている。この離型剤は、大きく液体滑剤、固体滑剤に大別され、離型性に優れる液体滑剤としては、例えば、シリコーンオイル(特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、シリコーンオイル等の液体滑剤は、熱転写画像形成時の外部環境等による離型性の変動幅が大きく、離型性を安定して発現させることが難しいといった課題が内在している。一方で、カルナウバワックス、パラフィンワックス、カルボキシル基含有パラフィンワックス、およびカルボキシル基含有ポリエチレンワックス等のワックス類や、フッ素化合物等の公知の固体滑剤(特許文献2参照)は、熱転写画像形成時における外部環境等による離型性の変動幅は小さいものの、固体滑剤としての離型剤は、上記シリコーンオイル等の液体滑剤と比較して離型性が低く、高い離型性が求められる分野においては改善の余地が残されている。
特開2007−90650号公報 特開2010−269583号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、色材層との離型性が良好な受容層を有する熱転写受像シートや、この熱転写受像シートの形成方法を提供すること、熱転写画像形成時における熱転写シートの色材層との離型性が良好な受容層を形成することができる受容層用塗工液を提供すること、色材層との離型性が良好な受容層を有する熱転写受像シートを形成することができる熱転写シートを提供すること、及び品質の高い熱転写画像を有する印画物を形成することができる印画物の形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、支持体の一方の面上に受容層が設けられた熱転写受像シートであって、前記受容層は、アクリル系樹脂を含有しており、前記アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下であることを特徴とする。
また、上記の熱転写受像シートにおいて、前記受容層が、前記酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を、前記受容層の総質量に対し5質量%以上含有していてもよい。
また、上記の熱転写受像シートにおいて、前記受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、受容層を有する熱転写受像シートを形成するための熱転写シートであって、支持体の一方の面上に転写層が設けられ、前記転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈し、前記転写層が積層構成を呈する場合、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記支持体から最も近くに位置しており、前記受容層は、アクリル系樹脂を含有しており、前記アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下であることを特徴とする。
また、上記の熱転写シートにおいて、前記受容層が、前記酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を、前記受容層の総質量に対し5質量%以上含有していてもよい。
また、上記の熱転写シートにおいて、前記受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、受容層を形成するための受容層用塗工液であって、前記受容層用塗工液は、アクリル系樹脂を含有しており、前記アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、熱転写受像シートの形成方法であって、転写層を有する熱転写シートと、被転写体とを組み合わせ、前記被転写体上に前記熱転写シートの前記転写層を転写する工程を含み、前記熱転写シートが、上記の熱転写シートであることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、印画物の形成方法であって、上記の熱転写受像シートと、色材層を有する熱転写シートとを組み合わせ、前記熱転写受像シートの前記受容層に熱転写画像を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、印画物の形成方法であって、上記の熱転写受像シートの形成方法により形成された熱転写受像シートと、色材層を有する熱転写シートとを組み合わせ、前記熱転写受像シートの前記受容層に熱転写画像を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の熱転写受像シートによれば、熱転写画像形成時における熱転写シートの色材層との離型性を良好なものとすることができる。また、本発明の熱転写受像シートの形成方法や、本発明の熱転写シートによれば、熱転写画像形成時における熱転写シートの色材層との離型性が良好な受容層を有する熱転写受像シートを形成することができる。また、本発明の受容層用塗工液によれば、熱転写画像形成時における熱転写シートの色材層との離型性が良好な受容層を形成することができる。また、本発明の印画物の形成方法によれば、品質の高い熱転写画像を有する印画物を形成することができる。
一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートを用いて形成される熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。 色材層を有する熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 他の実施の形態に係る熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各層の厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<<熱転写シート>>
本発明の実施の形態に係る熱転写シート(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)は、図1(a)、(b)に示すように、支持体1の一方の面上に、転写層10が設けられた構成をとり、転写層10は、受容層2のみからなる単層構成(図1(a)参照)、又は受容層2を含む積層構成(図1(b)参照)を呈している。また、一実施形態の熱転写シート100が、図1(b)に示すように、転写層10が受容層2を含む積層構成を呈する場合には、受容層2は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置している。図1(a)、(b)は、一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
一実施形態の熱転写シート100は、図2に示すように、任意の被転写体301(以下、被転写体と言う)上に、受容層2を含む転写層10を転写し、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を形成するための熱転写シート100である。図2は、一実施形態の熱転写シート100(図1(b)参照)を用いて形成される熱転写受像シート300の一例を示す概略断面図である。
受容層を備える熱転写シートの1つとして、図3に示すように、最表面に位置する受容層2Aを含む転写層10Aが、支持体401から転写可能に(剥離可能に)設けられた中間転写媒体400が知られている。受容層2Aが最表面に位置している中間転写媒体400によれば、受容層2Aを被転写体上に転写する前の段階で、当該受容層2Aに熱転写画像を形成することができる。つまり、中間転写媒体は、熱転写受像シートとしての役割を兼ねる。また、受容層2Aに熱転写画像を形成した後に、この熱転写画像が形成された受容層2Aを被転写体上に転写することで、被転写体上に熱転写画像が形成された受容層2Aが設けられた印画物(図示しない)を得る。なお、図3に示す形態の中間転写媒体400は、支持体401上に、転写層10Aが設けられ、転写層10Aは、支持体401側から、剥離層410(保護層と称される場合もある)、受容層2Aがこの順で設けられた積層構成を呈している。
図1に示すように、一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに受容層2が位置しており、被転写体上に転写層10を転写することで、最表面に受容層2を位置させることができる。つまり、被転写体301上に、転写層10を転写することで、図2に示すように、最表面に受容層2が位置する熱転写受像シート300を形成することができる。そして、形成された熱転写受像シート300と、例えば、図4に示す色材層510を有する熱転写シート500とを組合せ、熱転写受像シート300の受容層2に、熱転写シート500の色材層510が含有している色材を移行させることで、受容層2に熱転写画像の形成を行うことができる。
つまり、受容層を転写することが可能であるといった観点では、一実施形態の熱転写シート100(図1参照)と中間転写媒体400(図3参照)は共通するものの、転写層10の転写界面に受容層2が位置していることを必須の条件としているか否か、つまりは、転写層10を構成する層のうち、支持体から最も近くに受容層2が位置していることを必須の条件としているか否かの点で、一実施形態の熱転写シート100と中間転写媒体400は相違する。なお、中間転写媒体の分野においても、受容層を含み、支持体から転写可能となっている複数の層を総称して「転写層」と言う場合もあるが、上記の通り、一実施形態の熱転写シートで言う「転写層」と、中間転写媒体の分野で言う「転写層」とは、転写層10の転写界面に受容層2が位置していることを必須の条件としているか否かの点で明確に相違する。以下、一実施形態の熱転写シート100の各構成について具体的に説明する。
(熱転写シートの支持体)
支持体1(基材や、シートと称される場合もある)は一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、支持体1の一方の面上に設けられる転写層10、或いは、支持体1と転写層10との間に設けられる任意の層(例えば、後述する任意の離型層)等を保持するために設けられる。支持体1の材料については特に限定されないが、転写層10を、被転写体上に転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような支持体1として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、支持体1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5μm以上100μm以下の範囲が一般的である。
(転写層)
図1(a)、(b)に示すように、支持体1上には、転写層10が設けられている。転写層10は、支持体1から剥離可能に設けられており、熱転写により、被転写体301上に移行する(転写される)層である(図2参照)。転写層10は、受容層2のみからなる単層構成を呈しているか、又は、受容層2を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈している。そして、一実施形態の熱転写シート100が、受容層2を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈する場合においては、転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置する層が受容層2であることを必須の条件としている。これは、被転写体301上に、受容層2を含む転写層10を転写することで形成される熱転写受像シート300(図2参照)の最表面に受容層2を位置させるためである。
(受容層)
一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成し、当該転写層10を構成する層のうち支持体1から最も近くに位置する受容層2がアクリル系樹脂を含有しており、当該アクリル系樹脂の酸価が、2mgKOH/g以下であることを特徴としている。以下、酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂のことを、「特定のアクリル系樹脂」と言う場合がある。
本願明細書で言う「酸価」とは、ポリマー1g中に含まれる酸成分(例えば、カルボキシル基)を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味し、JIS−K−2501(2003)に準拠した方法により測定することができる。
また、本願明細書で言う「アクリル系樹脂」とは、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体を含むものである。
一実施形態の熱転写シート100の受容層2が含有しているアクリル系樹脂としては、これらのアクリル系樹脂の中から、酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を適宜選択すればよい。
アクリル酸エステルや、メタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート等を挙げることができる。具体的には、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)、エチルアクリレート(アクリル酸エチル)、エチルメタクリレート(メタクリル酸エチル)、ブチルアクリレート(アクリル酸ブチル)、ブチルメタクリレート(メタクリル酸ブチル)、ラウリルアクリレート(アクリル酸ラウリル)、ラウリルメタクリレート(メタクリル酸ラウリル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
これ以外の他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。また、これ以外のモノマーであってもよい。
また、アクリル系樹脂として、アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上と、必要に応じてスチレン等のその他の重合性モノマー1種又は2種以上を共重合させて得られるアクリル系ポリオール樹脂等を用いることもできる。
「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2によれば、当該「特定のアクリル系樹脂」の作用により、受容層2に十分な離型性を付与することができる。したがって、一実施形態の熱転写シート100を用いて形成される熱転写受像シート300(図2参照)と、支持体501上に色材層510が設けられた熱転写シート500(図4参照)とを組合せ、熱転写受像シート300の受容層2に熱転写画像を形成するときに、熱転写受像シート300の受容層2と、色材層を有する熱転写シート500の色材層510との離型性を良好なものとすることができる。これにより、例えば、熱転写画像が形成された受容層から色材層を剥離するときの剥離音、走行不良、剥離痕の発生や、熱転写画像形成時に受容層に色材層が貼りついて色材層が層として転写されてしまう異常転写や、熱転写画像形成時に色材層に受容層が貼りついて受容層の一部、或いは全部が色材層にとられてしまう異常転写の発生等を抑制することができ、品質の高い熱転写画像を形成することができる。
また、転写層10を構成する層のうち、転写界面に位置する層を「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2とした一実施形態の熱転写シート100によれば、被転写体301上に転写層10を転写するときの転写性を十分に満足させることができる。つまり、一実施形態の熱転写シート100は、バインダー樹脂としての「特定のアクリル系樹脂」によって、転写層10を構成する受容層2に、色材層510との良好な離型性、及び被転写体301上に転写層10を転写するときの良好な転写性の双方の性能を付与している点を特徴としている。
なお、本願明細書で言う転写性とは、転写層を被転写体側に転写するときに、転写層が支持体側に残存することなく、或いは、被転写体と熱転写シートとが一体化してしまうことなく、転写層を被転写体側に正確に転写する(移行する)ことができるか否かを示す指標であり、転写性が高いとは、熱転写シートにエネルギーを印加して、被転写体上に転写層を転写するときに、エネルギーが印加された領域に対応する転写層が支持体側に残存することや、被転写体と熱転写シートとが一体化することなく、転写層を被転写体上に正確に移行可能であることを意味している。一方で、転写性が低いとは、熱転写シートにエネルギーを印加して、被転写体側に転写層を転写するときに、エネルギーが印加された領域に対応する転写層の一部、或いは全部の領域において、支持体、或いは支持体上に任意に設けられる層(例えば、後述する任意の離型層)と、転写層とが熱融着を起こし、換言すれば、支持体、或いは支持体上に任意に設けられる層と、転写層に含まれる受容層とが熱融着を起こし、支持体から転写層を剥離することができずに、被転写体と熱転写シートとが一体化してしまう、又は支持体、或いは支持体上に任意に設けられる層と、転写層に含まれる受容層とが熱融着を起こし、本来であれば、支持体、或いは支持体上に設けられる任意の層との界面において剥離されるべき転写層が、転写層を構成する層間で剥離してしまい、被転写体上に転写されるべき受容層の全部、或いは一部が支持体側に残存してしまうことを意味している。
上記「特定のアクリル系樹脂」、つまりは、酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を受容層2に含有せしめることで、受容層2に、良好な離型性や、良好な転写性が付与されるメカニズムは現在のところ必ずしも明らかとはなっていないが、「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2によれば、「特定のアクリル系樹脂」を含有しない受容層、例えば、酸価が2mgKOH/gを超えるアクリル系樹脂のみを含有する受容層や、アクリル系樹脂以外の樹脂のみを含有する受容層、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のみを含有する受容層と比較して、離型性や、転写性を良好なものとすることができる。このことは、後述する実施例、及び比較例の結果からも明らかとなっている。つまり、一実施形態の熱転写シート100は、その含有量にかかわらず、「特定のアクリル系樹脂」を受容層に含有せしめることで、当該「特定のアクリル系樹脂」を含有しない受容層と比較して、離型性や、転写性の向上が図られている。
受容層2は、「特定のアクリル系樹脂」として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、「特定のアクリル系樹脂」のガラス転移温度(Tg)は、35℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることがさらに好ましく、65℃以上であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が上記好ましい範囲の「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2によれば、当該受容層2を含む転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、JIS−K−7121(2012)に準拠し、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味する。
また、「特定のアクリル系樹脂」の重量平均分子量(Mw)は、30000以上600000以下であることが好ましく、50000以上600000以下であることがより好ましく、60000以上200000以下であることがさらに好ましく、60000以上150000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が上記好ましい範囲の「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2によれば、当該受容層2を含む転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。また、色材層を有する熱転写シート500を用いて、当該受容層2に熱転写画像を形成するときの、色材層510の離型性のさらなる向上を図ることができる。なお、本願明細書で言う重量平均分子量(Mw)とは、JIS−K−7252−1(2008)に準拠し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算による平均分子量を意味する。
また、受容層2は、「特定のアクリル系樹脂」とともに、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、「特定のアクリル系樹脂」以外のバインダー樹脂、従来公知の各種の離型剤等を挙げることができる。
受容層2が、他の成分を含有する場合における「特定のアクリル系樹脂」の含有量について特に限定はないが、受容層2の総質量に対する「特定のアクリル系樹脂」の質量は、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましい。受容層2の総質量に対する「特定のアクリル系樹脂」の含有量を上記好ましい範囲とすることで、離型性、転写性のさらなる向上を図ることができる。上限値について特に限定はなく100質量%である。
「特定のアクリル系樹脂」以外のバインダー樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート、酸価が2mgKOH/gより大きいアクリル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ゼラチンなどを挙げることができる。受容層2は、「特定のアクリル系樹脂」とともに、これらバインダー樹脂のうち1種を含有していてもよく、「特定のアクリル系樹脂」とともに、これらバインダー樹脂のうち2種以上を含有していてもよい。
好ましい形態の受容層2は、「特定のアクリル系樹脂」と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有している。好ましい形態の受容層2を有する一実施形態の熱転写シート100によれば、受容層2に、濃度の高い熱転写画像を形成することができる熱転写受像シートを得ることができる。
より好ましい形態の受容層2は、「特定のアクリル系樹脂」と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有し、受容層2の総質量に対し、「特定のアクリル系樹脂」を5質量%以上50質量%以下の範囲、より好ましくは5質量%以上30質量%以下、特に好ましくは5質量%以上10質量%以下の範囲で含有しており、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を50質量%以上95質量%以下の範囲で含有している。より好ましい形態の受容層2を有する一実施形態の熱転写シート100によれば、転写層10を被転写体上に転写するときの転写性のさらなる向上を図ることができる。また、一実施形態の熱転写シート100により形成される熱転写受像シートにおいては、受容層2に熱転写画像を形成するときの離型性のさらなる向上を図ることができ、また、より濃度の高い熱転写画像の形成が可能となる。
従来公知の離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などを挙げることができる。
「特定のアクリル系樹脂」と、離型剤を含有する受容層2によれば、「特定のアクリル系樹脂」と離型剤との相乗効果により、受容層2の離型性のさらなる向上を図ることができる。
これ以外の他の任意の成分としては、例えば、ウレタンフィラーや、シリコーンフィラー等の各種フィラー、各種帯電防止剤、各種の離型剤等を挙げることができる。
離型剤の含有量について特に限定はないが、受容層2の総質量に対し、5質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましい。
受容層2の形成方法についても特に限定はなく、「特定のアクリル系樹脂」、必要に応じて添加されるバインダー樹脂や、離型剤等を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した受容層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上、或いは支持体1上に設けられ、転写層10を構成しない任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。塗工手段としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー、スクリーン印刷機等を挙げることができる。また、これ以外の塗工手段を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。受容層2の厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
(機能層)
転写層10が、受容層2を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈する場合、図1(b)に示すように、受容層2上には、転写層10を構成する機能層4が設けられている。機能層4について特に限定はなく、転写層10、或いは、一実施形態の熱転写シート100を用いて形成される熱転写受像シート300に求められる機能に応じて適宜決定すればよい。なお、機能層4は単層構成を呈していてもよく、2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。
一例としての機能層4は、被転写体301上に転写層10を転写したときに、被転写体と転写層10との密着性を向上させるための接着層(ヒートシール層と称される場合もある)としての役割を果たす。また、他の一例としての機能層4は、被転写体の表面の一部、或いは全部を隠蔽するための隠蔽層としての役割を果たす。
機能層4の一例としての接着層は、接着性を有する材料を含有している。接着性を有する材料としては、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、シアノアクリレート系樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂を硬化剤によって硬化させたものを用いることもできる。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。
機能層4の一例である接着層の形成方法について特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、必要に応じて添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、無機あるいは有機のフィラー成分、界面活性剤、離型剤等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を、受容層2上に、塗布・乾燥して形成することができる。接着層の厚みは、0.5μm以上10μm以下の範囲が好ましく、0.8μm以上2.0μm以下の範囲がより好ましい。
なお、転写層10を受容層2のみからなる単層構成の転写層10とする場合において、被転写体側において、転写層10との密着性を向上させるための対策が取られていない場合には、被転写体と転写層10との密着性を向上させるべく、受容層2は、「特定のアクリル系樹脂」と、上記で例示した接着性を有する材料を含有していることが好ましい。
機能層4の一例としての隠蔽層は、バインダー樹脂と、着色剤とを含有している。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体等を挙げることができる。着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、パール顔料等を挙げることができる。隠蔽層は、これらのバインダー樹脂の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。着色剤についても同様である。
機能層4の一例である隠蔽層の形成方法について特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、着色剤、必要に応じて添加される添加材を適当な溶媒に分散、或いは溶解した隠蔽層用塗工液を調製し、この塗工液を、受容層2上に、塗布・乾燥して形成することができる。隠蔽層の厚みは、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましい。
上記では、機能層4の一例として、接着層、隠蔽層を挙げて説明を行ったが、これ以外の層を機能層とすることもできる。また、支持体1側から、受容層2、隠蔽層、接着層をこの順で積層してなる転写層10としてもよい。
(離型層)
また、支持体1と転写層10との間に離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層は、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成であり、転写層10を構成しない層である。つまりは、被転写体301上に転写層10を転写するときに、支持体1側に残存する層である。支持体1と転写層10との間に離型層を設けることで、「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2の良好な転写性と相まって、転写層10の転写性のさらなる向上を図ることができる。
離型層に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。離型層の厚みは0.2μm以上5μm以下の範囲が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶媒に分散、或いは溶解した離型層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上に、塗布・乾燥して形成することができる。
(背面層)
また、支持体1の転写層10が設けられている面とは反対側の面に背面層(図示しない)を設けることもできる。なお、背面層は、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成である。
背面層の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。
また、背面層は、固形あるいは液状の滑剤を含有していてもよい。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。背面層の総質量に対する滑剤の質量は、5質量%以上50質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲である。
背面層の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した背面層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上に塗布・乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
(他の実施形態の熱転写シート)
他の実施の形態に係る熱転写シート(以下、他の実施形態の熱転写シートと言う)は、図5に示すように、支持体1の一方の面上に、上記で説明した転写層10と、色材層5が面順次に設けられている。つまり、他の実施形態の熱転写シート100Aは、上記で説明した一実施形態の熱転写シート100において、さらに、支持体1の一方の面上に、色材層5が設けられている構成をとる。また、図5に示す他の実施形態の熱転写シート100Aにおいて、支持体1の一方の面上に、転写層10、色材層5、保護層(図示しない)を面順次に設けることもできる。また、保護層にかえて、或いはこれとともに顔料を含有する色材層(図示しない)や、ホログラム層で構成される任意の特色パネル(図示せず)等を面順次に設けることもできる。これらの層の順序について特に限定はない。なお、図5に示す形態では、転写層10が、受容層2を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈しているが、転写層10を、受容層2のみからなる単層構成とすることもできる。
他の実施形態の熱転写シート100Aによれば、例えば、図2に示すような熱転写受像シート300の形成と、当該形成された熱転写受像シート300の受容層2上への熱転写画像の形成の双方を1つの熱転写シートを用いて行うことができる。具体的には、他の実施形態の熱転写シート100Aを用い、被転写体上に、転写層10を転写することで、被転写体301上に転写層10が設けられた熱転写受像シート300を形成することができる。また、他の実施形態の熱転写シート100Aの色材層5に含まれる色材を、熱転写受像シート300の最表面に位置する受容層2上に移行させることで、熱転写画像を形成することができる。
以下、他の実施形態の熱転写シート100Aの各構成について、一実施形態の熱転写シート100との相違点を中心に説明する。なお、特に断りがある場合を除いて、上記一実施形態の熱転写シート100で説明したものをそのまま用いることができる。
(色材層)
一例としての色材層5は、色材としての昇華性染料、バインダー樹脂を含有している。色材層5は、所望の画像がモノカラーである場合には、適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、イエローの昇華性染料、マゼンタの昇華性染料、シアンの昇華性染料等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層を、支持体501の同一面に面順次に、繰り返し形成してもよい。なお、色材層5は、以下で説明するものに限定されるものではなく、熱転写シートの分野で従来公知の色材層をそのまま適用することができる。
「昇華性染料」
昇華性染料について特に限定はないが、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、CeresRed 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱化学(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱化学(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル社)等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を挙げることができる。
昇華性染料の含有量は、後述するバインダー樹脂の固形分総量に対し、50質量%以上400質量%の範囲内であることが好ましく、80質量%以上300質量%の範囲内であることがより好ましい。昇華性染料の含有量を、上記範囲とすることで、当該色材層により形成される画像の濃度や、熱転写シートの保存性のさらなる向上を図ることができる。
「バインダー樹脂」
色材層に含まれ、上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂についても特に限定はなく、ある程度の耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。
バインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、色材層5の固形分総量に対し、20質量%以上含有されていることが好ましい。バインダー樹脂の含有量の上限値について特に限定はなく、昇華性染料や、任意の添加材の含有量に応じて適宜設定することができる。バインダー樹脂の含有量を色材層5の固形分総質量に対し20質量%以上とすることで、色材層5中において昇華性染料を十分に保持することができ、保存性のさらなる向上を図ることができる。
また、色材層5は、無機粒子、有機微粒子等の添加材を含有していてもよい。無機粒子としては、タルク、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等が挙げられる。色材層5は、離型剤を含有していてもよい。さらに離型剤としては、変性或いは未変性のシリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、リン酸エステル、脂肪酸エステル等を挙げることができる。
色材層5の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、昇華性染料、必要に応じて添加される添加材や、離型剤を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した色材層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1、或いは後述する染料プライマー層上に塗布・乾燥して形成することができる。色材層の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下の範囲が一般的である。
(色材プライマー層)
支持体1と色材層5との間に、支持体1と色材層5との密着性の向上を目的とする色材プライマー層(図示しない)を設けてもよい。
色材プライマー層について特に限定はなく、熱転写シートの分野で従来公知の色材プライマー層を適宜選択して用いることができる。一例としての色材プライマー層は、樹脂材料から構成されている。色材プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等の樹脂等を挙げることができる。また、色材プライマー層は、これら樹脂成分とともに、有機粒子や、無機粒子等の各種の添加材を含有していてもよい。
色材プライマー層の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示した樹脂成分、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した色材プライマー層用塗工液を調製し、この塗工液を、支持体1上に塗布・乾燥して形成することができる。色材プライマー層の厚みについて特に限定はないが、通常は、0.02μm以上1μm以下の範囲である。
<<熱転写受像シート>>
次に、本発明の実施の形態に係る熱転写受像シート(以下、一実施形態の熱転写受像シートと言う)について説明する。図6、図7に示すように、一実施形態の熱転写受像シート200は、支持体51の一方の面上に、受容層2が設けられた構成をとる。なお、受容層2は、一実施形態の熱転写受像シート200の最表面に位置する層である。以下、一実施形態の熱転写受像シート200の各構成について説明する。
(熱転写受像シートの支持体)
熱転写受像シートの支持体51は、受容層2を支持することができるものであればよく特に限定はない。例えば、支持体51は、図6に示すように、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよく、図7に示すようにフィルム63、接着層62、基材61、接着層62、フィルム63がこの順で積層された積層構造をとるものであってもよい。また、単層構造をとるものであってもよい。単層構造の支持体51としては、例えば、基材61からなる支持体51や、フィルム63からなる支持体51などを挙げることができる。
「基材」
基材61としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。基材61の厚みについて特に限定はなく、通常10μm以上300μm以下の範囲である。特に好ましくは、110μm以上140μm以下の範囲である。また、本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(STF−150 三菱製紙(株))、コート紙(オーロラコート 日本製紙(株))等を好適に使用可能である。
「フィルム」
フィルム63としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、内部にミクロボイドを有するフィルム等を挙げることができる。
支持体51が、図6、図7に示す構成をとる場合には、受容層2側に積層されるフィルム63は、ボイドを有するフィルムであることが好ましい。ボイドを有するフィルムとしては、以下に示す二つの方法により、ボイド(微細空孔)を生じさせることができる。一つは、ポリマー中に無機微粒子を混練し、そのコンパウンドを延伸するときに無機微粒子を核としてミクロボイドを生じさせる方法である。もう一つは、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマー(一種類でも複数でも良い)をブレンドしたコンパウンドを作成する。このコンパウンドは微視的にみるとポリマー同士が微細な海島構造を形成している。このコンパウンドを延伸すると海島界面の剥離または、島を形成するポリマーの大きな変形によってミクロボイドが発生するものである。上記のミクロボイドを有するフィルムの厚さは、通常10μm以上100μm以下の範囲であり、好ましくは20μm以上50μm以下の範囲である。
「接着層」
基材61とフィルム63との間には、接着層62が設けられていることが好ましい。基材61とフィルム63とを貼り合わせて接着するための接着層62は、接着剤を含んでおり接着機能を有する。接着剤成分としては、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等を挙げることができる。中でもアクリル系樹脂の反応型のものや、変性したもの等を好ましく使用することができる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。
接着層62の厚みは、通常、乾燥状態で2μm以上10μm以下の範囲である。接着層の形成は、上記で例示した接着剤や、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材61上に塗布・乾燥して形成することができる。
(受容層)
熱転写受像シートの支持体51上には、受容層2が設けられている。受容層2は、アクリル系樹脂を含有しており、一実施形態の熱転写受像シート200は、受容層2が含有しているアクリル系樹脂が、酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂であることを特徴としている。つまりは、熱転写受像シート200の受容層2が、上記一実施形態の熱転写シート100で説明した「特定のアクリル系樹脂」を含有していることを特徴としている。
したがって、一実施形態の熱転写受像シート200の受容層2としては、上記一実施形態の熱転写シート100の受容層2をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
上記「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2を有する一実施形態の熱転写受像シート200によれば、当該熱転写受像シート200と、色材層510を有する熱転写シート500(図4参照)とを組み合わせ、受容層2に熱転写画像を形成するときの、受容層2と色材層510との離型性を良好なものとすることができる。
(プライマー層)
図6、図7に示すように、支持体51と受容層2との間にプライマー層66を設けてもよい。プライマー層66を設けることで、支持体51と受容層2との接着性を向上させることができる。プライマー層66に含まれるバインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、プライマー層66は、水分散系のプライマー層であってもよく、溶剤分散系のプライマー層であってもよい。プライマー層66の厚みは、0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましい
(裏面層)
図6、図7に示すように、基材61の受容層2が設けられている側と反対側の面に裏面層68を設けてもよい。裏面層68は、一実施形態の熱転写受像シート200における任意の構成である。
裏面層68は、一実施形態の熱転写受像シート200の用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。中でも、熱転写受像シート200の搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層68を用いることが好ましい。このような機能をもつ裏面層68としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加材として、ナイロンフィラー、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス、アミノ酸系粉体等の有機系フィラー、二酸化珪素や金属酸化物等の無機フィラーを加えたものが使用できる。また裏面層として、これらの樹脂をイソシアネート化合物やキレート化合物等の硬化剤により硬化したものを使用することもできる。裏面層68の厚みは、通常、0.1μm以上20μm以下の範囲、好ましくは、0.5μm以上10μm以下の範囲である。
以上、本発明の熱転写受像シートについて具体的に説明を行ったが、本発明は上記で説明した実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を妨げない範囲内で種々の変形態様をとることができる。例えば、熱転写受像シート200は、各種の機能層、例えば、耐溶剤性を付与するためのバリア層(図示しない)等を有していてもよい。また、裏面層68を有していなくともよい。また、支持体51と裏面層68との間に、裏面プライマー層(図示しない)を設けてもよい。
<<受容層用塗工液>>
次に、本発明の実施の形態に係る受容層用塗工液(以下、一実施形態の受容層用塗工液)について説明する。一実施形態の受容層用塗工液は、アクリル系樹脂を含有しており、当該アクリル系樹脂が、酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂であることを特徴としている。つまりは、一実施形態の受容層用塗工液は、「特定のアクリル系樹脂」を含有していることを特徴としている。
この特徴を有する一実施形態の受容層用塗工液によれば、上記で説明した一実施形態の熱転写シート100の受容層2や、一実施形態の熱転写受像シート200の受容層2を形成することができる。換言すれば、熱転写シートの色材層との離型性、及び転写性が良好な受容層2を形成することができる。
一実施形態の受容層用塗工液は、上記「特定のアクリル系樹脂」を含有しているとの条件を満たせばよく、これ以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、上記一実施形態の熱転写シート100の受容層2で説明した各種の成分を挙げることができる。
一実施形態の受容層用塗工液は、上記「特定のアクリル系樹脂」を適当な溶媒に分散、或いは溶解することで調製することができる。溶媒としては、例えば、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶媒、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶媒、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒、プロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール系溶媒、又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
<<熱転写受像シートの形成方法>>
次に、本発明の実施の形態に係る熱転写受像シートの形成方法(以下、一実施形態の熱転写受像シートの形成方法)について説明する。一実施形態の熱転写受像シートの形成方法は、転写層10を有する熱転写シート100(図1(a)、(b)参照)と、被転写体301とを組合せ、被転写体301上に転写層10を転写する工程を含む。そして、一実施形態の熱転写受像シートの形成方法は、転写層10を有する熱転写シート100が、上記一実施形態の熱転写シート100であることを特徴としている。
上記特徴を有する一実施形態の熱転写受像シートの形成方法によれば、熱転写画像形成時において、熱転写シートの色材層510との離型性が良好な受容層2を有する熱転写受像シート300(図2参照)を形成することができる。また、被転写体301上に転写層10を転写するときの転写性も良好であり、品質の高い熱転写画像を形成可能な、熱転写受像シート300を形成することができる。
被転写体301としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を挙げることができる。また、被転写体301として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体301として、上記一実施形態の熱転写受像シート200で説明した支持体51を用いることもできる。
被転写体301上への転写層10の転写は、例えば、サーマルヘッド等による加熱デバイスを用いる方法の他、例えば、ホットスタンプ方式や、ヒートロール方式等を用いることができる。また、これ以外の方式を用いることもできる。
また、上記一実施形態の熱転写シート100を用いることにかえて、上記一実施形態の熱転写受像シート200を用い、当該熱転写受像シート200の受容層2を、被転写体301上に転写することもできる。
<<印画物の形成方法>>
次に、本発明の実施の形態に係る印画物の形成方法(以下、一実施形態の印画物の形成方法と言う)について説明する。一実施形態の印画物の形成方法は、受容層2を有する熱転写受像シート200、300と、色材層510を有する熱転写シート500とを組合せ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用い、受容層2に熱転写画像を形成する工程を含む。そして、一実施形態の印画物の形成方法は、受容層2を有する熱転写受像シート200、300として、上記一実施形態の熱転写受像シート200、或いは、上記一実施形態の熱転写受像シートの形成方法により形成された熱転写受像シート300が用いられることを特徴としている。つまりは、上記「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2を有する熱転写受像シート200、300が用いられることを特徴としている。
この特徴を有する一実施形態の印画物の形成方法によれば、受容層2が含有している「特定のアクリル系樹脂」の働きにより、熱転写画像形成時における熱転写シート500の色材層(図4参照)と、受容層2との離型性を良好なものとすることができ、品質の高い熱転写画像を有する印画物を形成することができる。
色材層510を有する熱転写シート500としては、従来公知の熱転写シートを適宜選択して用いることができる。また、熱転写画像を形成するための熱転写シートとして、上記他の実施形態の熱転写シート100Aで説明した、支持体1の一方の面上に、「特定のアクリル系樹脂」を含有する受容層2、色材層5が面順次に設けられた熱転写シート100Aを用いることもできる。
また、一実施形態の印画物の形成方法は、受容層2に熱転写画像を形成した後に、例えば、受容層2上に保護層を形成する工程等を含んでいてもよい。また、これ以外の工程を含んでいてもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
支持体として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して背面層を形成した。次いで、前記支持体の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成の受容層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して受容層を形成した。次いで、受容層上に、下記組成の隠蔽層用塗工液を、乾燥時の厚みが2μmとなるように塗布・乾燥して隠蔽層を形成し、支持体の一方の面上に、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる転写層が設けられ、支持体の他方の面に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 5.5部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.35部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 18.5部
・メチルエチルケトン 18.5部
<受容層用塗工液1>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Mw:120000、Tg:105℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR100 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<隠蔽層用塗工液>
・アクリル系樹脂 15部
・酸化チタン 30部
・イソプロピルアルコール 15部
・水 40部
(実施例2)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液2>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Mw:160000、Tg:50℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR101 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(実施例3)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液3に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液3>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Mw:55000、Tg:50℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR105 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(実施例4)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液4に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液4>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:1mgKOH/g、Mw:480000、Tg:105℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR88 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(実施例5)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液5に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液5>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:2mgKOH/g、Mw:40000、Tg:105℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR73 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(実施例6)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液6に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液6>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 21.05部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Mw:120000、Tg:105℃)
0.75部
(ダイヤナール(登録商標)BR100 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(実施例7)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液7に変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液7>
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Mw:120000、Tg:105℃)
21.8部
(ダイヤナール(登録商標)BR100 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(比較例1)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液A>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16.8部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(比較例2)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Bに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液B>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂 2.2部
(酸価:10.5mgKOH/g、Mw:25000、Tg:105℃)
(ダイヤナール(登録商標)BR87 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(比較例3)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Cに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液C>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂 2.2部
(酸価:6.5mgKOH/g、Mw:120000、Tg:105℃) (ダイヤナール(登録商標)BR84 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(比較例4)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Dに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液D>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:3.5mgKOH/g、Mw:30000、Tg:75℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR113 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(比較例5)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液Eに変更して受容層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例5の熱転写シートを得た。
<受容層用塗工液E>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.6部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル系樹脂(酸価:3mgKOH/g、Mw:85000、Tg:100℃)
2.2部
(ダイヤナール(登録商標)BR83 三菱レイヨン(株))
・エポキシアラルキル変性シリコーンオイル 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチレン変性シリコーンオイル 1.2部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.8部
(KF−352A 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(色材層を有する熱転写シートの作成)
支持体として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.8μmとなるように塗布・乾燥して耐熱滑性層を形成した。次いで、基材の他方の面に、下記組成の染料プライマー層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.15μmとなるように塗布・乾燥して染料プライマー層を形成した。この染料プライマー層上に、イエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液、シアン色材層用塗工液をそれぞれ、乾燥時の厚みが0.6μmとなるように面順次に塗布・乾燥して色材層を形成し、色材層を有する熱転写シートを得た。
(耐熱滑性層用塗工液)
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレック(登録商標)KS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
(染料プライマー層用塗工液)
・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・酢酸ビニルビニルピロリドン共重合体 1.5部
(PVP/VA E−335 アイエスピー・ジャパン社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 50部
(イエロー色材層用塗工液)
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(マゼンタ色材層用塗工液)
・Disperse Red 60 1.5部
・Disperse Violet 26 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(シアン色材層用塗工液)
・Solvent Blue 63 2部
・Disperse Blue 354 2部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
(被転写体の作成)
支持体として、RC紙(STF−150 三菱製紙(株)、厚み190μm)を用い、この支持体上に、下記組成の接着層用塗工液をグラビアコート法により、乾燥時の厚みが3μmとなるように塗布・乾燥して接着層を形成した。次いで、接着層上に、厚みが25μmの基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)をラミネートすることで、支持体、接着層、基材がこの順で積層されてなる積層体を得た。
<接着層用塗工液>
・多官能ポリオール 30部
(タケラック(登録商標)A−969−V 三井化学(株))
・イソシアネート 10部
(タケラック(登録商標)A−5 三井化学(株))
・酢酸エチル 60部
次いで、上記で得た積層体の基材上に、下記組成の中間層用塗工液をグラビアコート法により、乾燥時の厚みが1.2μmとなるように塗布・乾燥して中間層を形成し、中間層上に、下記組成の受容層用塗工液をグラビアコート法により、乾燥時の厚みが4μmとなるように塗布・乾燥して受容層を形成することで、支持体、接着層、基材、中間層、受容層がこの順で積層されてなる被転写体を得た。
<中間層用塗工液>
・水分散型ポリエステル樹脂(固形分25%、Tg20℃) 10部
(バイロナール(登録商標)MD−1480 東洋紡(株))
・導電性合成層状珪酸塩(平均一次粒子径25nm) 10部
(ラポナイトJS ウィルバー・エリス社)
・水 80部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・シリコーン 0.75部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・シリコーン 0.1部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 33部
・トルエン 33部
(転写層の転写(熱転写受像シートの作成))
上記で作成した被転写体と、各実施例、及び比較例の熱転写シートを組合せ、下記プリンタを用い、175/255階調(エネルギー階調)の条件で、被転写体上に転写層の転写を行い、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートを得た。
(転写性評価)
下記プリンタを用いて、上記各実施例、及び比較例の熱転写受像シートを得るにあたり、被転写体上に転写層を転写しながら、被転写体上に転写された転写層を熱転写シートから剥離するときの熱転写シートの引張強度を、下記プリンタ内において、熱転写シートの巻取りロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(大倉インダストリー(株) ASK−1000型番)を用いて測定した。なお、ここで測定される熱転写シートの引張強度は、被転写体上に転写された転写層を、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離するときの剥離力の実質的な値を示している。つまりは、転写層の剥離力の実質的な値を示している。比較例1の剥離力を基準剥離力とし、下記評価基準により転写性評価を行った。評価結果を表1に示す。
(プリンタ)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:27(V)
ライン周期:1(msec./line)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
印画開始温度:29.0(℃)〜36.0(℃)
発熱ポイントから剥離板までの距離:4.5(mm)
搬送速度:84.6(mm/sec.)
印圧:3.5(kgf)〜4.0(kgf)
「評価基準」
比較例1の剥離力を基準剥離力としたときに、
A:剥離力が、基準剥離力の0.8倍未満である。
B:剥離力が、基準剥離力の0.8倍以上0.9倍未満である。
C:剥離力が、基準剥離力の0.9倍以上1.05倍未満である。
D:剥離力が、基準剥離力の1.05倍以上である。
(印画物の形成)
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、上記で得た各実施例、及び比較例の熱転写受像シートとを組合せ、上記プリンタにより、各実施例、及び比較例の熱転写シートに2cm幅で縦ストライプ画像(イエロー画像(RGB(255,255,0)))を印画しながら、上記プリンタの剥離板により、各実施例、及び比較例の熱転写シートから、色材層を有する熱転写シートを剥離することで、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
(離型性評価)
上記プリンタを用いて、上記各実施例、及び比較例の印画物を得るにあたり、各実施例、及び比較例の熱転写受像シート上に、色材層の色材を移行させながら、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートから、色材層を有する熱転写シートを剥離するときの、色材層を有する熱転写シートの引張強度を、上記プリンタ内において、熱転写シートの巻取りロールと、加熱手段(サーマルヘッド)との間に設けられたテンションメータ(大倉インダストリー(株) ASK−1000型番)により測定した。なお、ここで測定される色材層を有する熱転写シートの引張強度は、色材層を有する熱転写シートを、各実施例、及び比較例の熱転写シートから剥離(離型)するときの実質的な剥離力を示している。つまりは、各実施例、及び比較例の熱転写受像シートの転写層の実質的な剥離力(離型性)を示している。比較例1における剥離力を基準剥離力とし、下記評価基準により離型性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、離型性の評価において、「NG」の評価となっているものについては、熱転写受像シートから色材層を有する熱転写シートを正常に剥離することができず、熱転写受像シートと色材層を有する熱転写シートとが一部で融着するなどの印画不良が生じている。
「評価基準」
比較例1の剥離力を基準剥離力としたときに、
A:剥離力が、基準剥離力の0.8倍未満である。
B:剥離力が、基準剥離力の0.8倍以上0.9倍未満である。
C:剥離力が、基準剥離力の0.9倍以上1.05倍未満である。
NG:剥離力が、基準剥離力の1.05倍以上である。
(濃度評価)
上記で作成した色材層を有する熱転写シートと、上記で得られた各実施例、及び比較例の熱転写受像シートとを組み合わせ、上記プリンタを用い、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の順に印画を行い、ブラック画像(RGB(0,0,0))を形成した。形成したブラック画像の反射濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて濃度評価を行った。反射濃度の測定は、分光測定器(i1 X−Rite社)により行い、比較例1の反射濃度を基準反射濃度とし、以下の評価基準に基づいて濃度評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
比較例1の反射濃度を基準反射濃度としたときに、
A:反射濃度が、基準反射濃度の0.95倍以上である。
B:反射濃度が、基準反射濃度の0.95倍未満である。
Figure 2018171840
100…熱転写シート
1…熱転写シートの支持体
2…受容層
4…機能層
200、300…熱転写受像シート
51…熱転写受像シートの支持体
66プライマー層
68…裏面層
61…基材
62…接着層
63…フィルム
400…中間転写媒体
401…中間転写媒体の支持体
410…剥離層
500…色材層を有する熱転写シート
501…色材層を有する熱転写シートの支持体
5、510…色材層

Claims (10)

  1. 支持体の一方の面上に受容層が設けられた熱転写受像シートであって、
    前記受容層は、アクリル系樹脂を含有しており、
    前記アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記受容層が、前記酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を、前記受容層の総質量に対し5質量%以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
  4. 受容層を有する熱転写受像シートを形成するための熱転写シートであって、
    支持体の一方の面上に転写層が設けられ、
    前記転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈し、前記転写層が積層構成を呈する場合、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記支持体から最も近くに位置しており、
    前記受容層は、アクリル系樹脂を含有しており、
    前記アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下であることを特徴とする熱転写シート。
  5. 前記受容層が、前記酸価が2mgKOH/g以下のアクリル系樹脂を、前記受容層の総質量に対し5質量%以上含有していることを特徴とする請求項4に記載の熱転写シート。
  6. 前記受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の熱転写シート。
  7. 受容層を形成するための受容層用塗工液であって、
    前記受容層用塗工液は、アクリル系樹脂を含有しており、
    前記アクリル系樹脂の酸価が2mgKOH/g以下であることを特徴とする受容層用塗工液。
  8. 熱転写受像シートの形成方法であって、
    転写層を有する熱転写シートと、被転写体とを組み合わせ、前記被転写体上に前記熱転写シートの前記転写層を転写する工程を含み、
    前記熱転写シートが、請求項4乃至6の何れか1項に記載の熱転写シートであることを特徴とする熱転写受像シートの形成方法。
  9. 印画物の形成方法であって、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写受像シートと、色材層を有する熱転写シートとを組み合わせ、前記熱転写受像シートの前記受容層に熱転写画像を形成する工程を含むことを特徴とする印画物の形成方法。
  10. 印画物の形成方法であって、
    請求項8に記載の熱転写受像シートの形成方法により形成された熱転写受像シートと、色材層を有する熱転写シートとを組み合わせ、前記熱転写受像シートの前記受容層に熱転写画像を形成する工程を含むことを特徴とする印画物の形成方法。
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