以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における画像形成システムの全体概要の一例を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、ヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD」という)200と、サーバー300と、を含む。
HMD200は、メガネの形状をしており、ユーザーにより装着されて使用される。HMD200は、MFP100を遠隔操作する遠隔操作装置として機能し、被写体を撮像する撮像機能、メガネのレンズ部分に画像を表示する表示機能、無線LANを用いた通信機能を少なくとも備えている。HMD200を装着するユーザーは、レンズを通して被写体を視認すると同時に、レンズに表示された画像を視認することができる。
MFP100は、原稿を読み取るための原稿読取機能、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成機能およびファクシミリデータを送受信するファクシミリ送受信機能を備えている。サーバー300は、一般的なコンピューターである。
無線局3、MFP100、およびサーバー300それぞれは、ネットワーク2に接続される。ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク2は、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。
ネットワーク2は、さらに、インターネットに接続されてもよい。この場合、無線局3、MFP100、およびサーバー300それぞれは、ネットワーク2を介してインターネットに接続されたコンピューターと互いに通信可能である。無線局3は、ネットワーク2の中継装置であり、無線LANを用いた通信機能を備えたHMD200と通信して、HMD200をネットワーク2に接続する。このため、HMD200それぞれは、MFP100およびサーバー300と互いに通信可能である。
なお、HMD200に代えて、写体を撮像する撮像機能、画像を表示する表示機能、無線LANを用いた通信機能を備えていれば、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンなど、ユーザーに携帯して使用される携帯情報装置を用いるようにしてもよい。
図2は、本実施の形態におけるHMDのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、本実施の形態におけるHMD200は、HMD200の全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、情報を表示する表示部204と、無線LANI/F205と、操作部206と、近距離通信部207と、を含む。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。カメラ202は、動画像の画像データを出力する。なお、HMD200に代えて、動画像を撮像可能であれば、ビデオカメラを用いてもよい。
表示部204は、透明な部材からなる液晶表示装置(LCD)であり、HMD200のレンズの表面に埋め込まれている。表示部204の表示面は、ユーザーがHMD200を装着した場合における視界と同じになるように配置される。このため、ユーザーの視界内の任意の位置に画像を表示することができる。カメラ202の光軸および撮像範囲は、表示部204の表示面を基準に定まる位置に配置される。具体的には、カメラ202の光軸および撮像範囲は、ユーザーがHMD200を装着した場合における視界と同じになるように設定される。このため、カメラ202で撮像して得られる画像は、ユーザーが実際に見る視界内の画像とほぼ同じになる。
無線LANI/F205は、無線局3と通信し、HMD200をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。HMD200に、MFP100、サーバー300それぞれのIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、無線LANI/F205は、MFP100、サーバー300と通信することができ、データの送受信が可能となる。
近距離通信部207は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、MFP100,サーバー300と無線により通信を行う。近距離通信部207は、MFP100またはサーバー300との間の距離が通信可能な距離以下となると、HMD200と通信する。近距離通信部207が通信可能な距離は、数mである。また、近距離通信部207は、NFCの近距離無線通信方式で通信するようにしてもよい。この場合において、近距離通信部207が通信可能な距離は、数十cmである。
なお、近距離通信部207は、MFP100またはサーバー300と通信可能になると、MFP100またはサーバー300との間の通信を無線LANI/F205にハンドオーバーしてもよい。この場合、無線LANI/F205は、MFP100またはサーバー300との間で通信経路を確立するためのネゴシエーションをする必要がないので、通信経路の確立が容易になる。本実施の形態においては、HMD200は、近距離通信部207および無線LANI/F205の何れを用いて通信してもよい。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。この場合、ネットワーク2またはインターネットに接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、HMD200が、ネットワーク2またはインターネットに接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをフラッシュメモリ203に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
操作部206は、マイクロホンを含み、ユーザーが発声する音声をマイクロホンで集音し、収音された音声を認識することにより、ユーザーによる指示を受け付ける。例えば、複数の操作それぞれに対応するコマンドの名称を定めておき、音声を認識して得られる文字情報と同じコマンドの名称が存在すれば、そのコマンドの名称に対応するコマンドの実行を指示する操作を受け付ける。また、音声認識により得られる文字情報を、入力された値、例えば、文字列、数列として受け付ける。また、操作部206は、ユーザーの視線を検出する視線検知センサーを含み、視線検知センサーによって検出された視線と表示部204に表示された画像とから、表示された画像中でユーザーが視認している部分を特定することにより、処理対象部分を特定する操作を受け付ける。例えば、表示部204に許可を受け付けるためのボタンの画像を表示し、視線検知センサーにより検出された視線がボタンの画像中の位置ならば、ユーザーが許可を受け付けるためのボタンを指示する操作を受け付ける。
図3は、第1の実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図3を参照して、MFP100は、画像形成装置の一例であり、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150とを含む。MFP100は、前面扉140Aを備えており、前面扉140Aが開かれた状態で、画像形成部140が外部に露出し、前面扉140Aが閉じた状態で、画像形成部140が外部に露出しない。また、給紙部150は、用紙の収納するための3つの給紙トレイ150A,150B,150Cを含む。
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、複数の給紙トレイを有する。複数の給紙トレイそれぞれは、予め定められたサイズの用紙を収納する。給紙部150は、複数の給紙トレイのうち画像形成に用いるサイズの用紙を収納する給紙トレイから用紙を1枚ずつ取り出し、取り出した用紙を画像形成部140に搬送する。
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。
図4は、第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。図4を参照して、MFP100は、上述した、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140および給紙部150に加えて、メイン基板110と、通信インターフェース(I/F)部160と、ファクシミリ部170と、近距離通信部180と、外部記憶装置190と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)113と、を含む。
メイン基板110は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140および給紙部150、通信I/F部160、ファクシミリ部170、近距離通信部180、外部記憶装置190、およびHDD113と接続される。
通信I/F部160は、ネットワーク2にMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部160は、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワーク2に接続されたサーバー300または無線局3と通信する。なお、通信のためのプロトコルは、特に限定されることはなく、任意のプロトコルを用いることができる。このため、MFP100は、無線局3を介して、HMD200と通信可能である。
近距離通信部180は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP等に基づき、HMD200と無線により通信を行う。近距離通信部180は、HMD200との間の距離が通信可能な距離以下となると、HMD200と通信する。近距離通信部180が通信可能な距離は、数mである。また、近距離通信部180は、NFCの近距離無線通信方式で通信するようにしてもよい。この場合において、近距離通信部180が通信可能な距離は、数十cmである。
ファクシミリ部170は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。外部記憶装置190は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)190A、または半導体メモリーが装着される。外部記憶装置190は、CD−ROM118または半導体メモリーに記憶されたデータを読み出す。外部記憶装置190は、CD−ROM118または半導体メモリーにデータを記憶する。
外部記憶装置190は、CD−ROM(Compact Disk ROM)190Aが装着される。メイン基板110が備える中央演算装置(CPU)は、外部記憶装置190を介してCD−ROM190Aにアクセス可能である。メイン基板110が備えるCPUは、外部記憶装置190に装着されたCD−ROM190Aに記録されたプログラムをメイン基板110が備えるRAMにロードして実行する。なお、メイン基板110が備えるCPUが実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM190Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリーであってもよい。
また、メイン基板110が備えるCPUが実行するプログラムは、CD−ROM190Aに記録されたプログラムに限られず、HDD113に記憶されたプログラムをメイン基板110が備えるRAMにロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD113に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD113に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、メイン基板110が備えるCPUが直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図5は、本実施の形態におけるサーバーのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5を参照して、サーバー300は、サーバー300の全体を制御するためのCPU301と、CPU301が実行するためのプログラムを記憶するROM302と、CPU301の作業領域として使用されるRAM303と、データを不揮発的に記憶するHDD304と、CPU301をネットワーク2に接続する通信部305と、情報を表示する表示部306と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部307と、外部記憶装置308と、を含む。
CPU301は、ROM302またはHDD304に記憶されたプログラムをRAM302にロードして実行する。外部記憶装置308は、プログラムを記憶したCD−ROM309が装着可能である。CPU301は、外部記憶装置308を介してCD−ROM309にアクセス可能である。CPU301は、CD−ROM309に記録されたプログラムをRAM302にロードして実行することが可能である。
なお、CPU301が実行するプログラムとして、ROM302、HDD304またはCD−ROM309に記録されたプログラムについて説明したが、ネットワーク2に接続された他のコンピューターが、HDD304に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、サーバー300が、ネットワーク2に接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU301が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU301が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM309に限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリーであってもよい。
図6は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図6を参照して、MFP100が備えるメイン基板110は、MFP100の全体を制御するCPU11と、CPU11が実行するプログラムおよびプログラムを実行する際に必要なデータ等を記憶するROM12と、CPU11の作業領域として使用されるRAM13と、を含む。
CPU11は、遠隔制御プログラムを実行することにより、スリープ移行部51と、遠隔制御部53と、復帰部55と、設定部57と、処理実行部59と、を形成する。なお、ここでは、メイン基板110が、CPU11と、ROM12と、RAM13とを含む例を説明するが、CPU11が遠隔制御プログラムを実行することにより形成されるスリープ移行部51と、遠隔制御部53と、復帰部55と、設定部57と、処理実行部59と、同様の機能を実現する回路で構成するようにしてもよい。この場合の回路は、例えば、リレー回路を用いることができる。
遠隔制御部53は、近距離通信部180および/または通信I/F部160を制御して、遠隔操作装置との間で通信経路を確立する。ここでは、遠隔操作装置をHMD200としている。遠隔制御部53は、例えば、近距離通信部180または通信I/F部160がHMD200と通信可能になると、近距離通信部180または通信I/F部160を介してHMD200との間で通信経路を確立する。また、遠隔制御部53は、近距離通信部180がHMD200と通信可能になるとHMD200とネゴシエーションすることによって、通信I/F部160を介してHMD200と通信するための設定をし、通信I/F部160を制御して、HMD200との間の通信経路を確立する。
スリープ移行部51は、通信I/F部160が遠隔操作装置であるHMD200との間で確立された通信経路が切断されると、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える。省電力モードは、駆動モードよりも消費電力が小さい。ここでは、省電力モードにおいて、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。通信I/F部160、ファクシミリ部170および近距離通信部180は、動作モードが省電力モードであっても電力が供給されて駆動する。外部から送信されるデータを受信するためである。
遠隔制御部53は、遠隔操作受信部61と、遠隔操作画面送信部63と、を含む。遠隔操作画面送信部63は、HMD200との間で通信経路が確立されると、初期画面としてデフォルトで定められた遠隔操作画面をHDD113から読出し、読出した遠隔操作画面を、通信I/F部160を制御してHMD200に送信するとともに、遠隔操作画面を遠隔操作受信部61に出力する。
遠隔制御部53は、動作モードが駆動モードまたは省電力モードのいずれに切り換えられている場合であってもHMD200との間の通信経路を確立する。遠隔操作受信部61は、通信I/F部160を制御し、HMD200から送信される遠隔操作コマンドを受信する。遠隔操作受信部61は、遠隔操作装置から遠隔操作コマンドを受信することに応じて、その遠隔操作コマンドを、遠隔操作画面送信部63、復帰部55、設定部57および処理実行部59に出力する。
遠隔操作画面送信部63は、遠隔操作受信部61から遠隔操作コマンドが入力されると、遠隔操作コマンドに対応する遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面を、通信I/F部160を制御してHMD200に送信する。
遠隔操作装置であるHMD200が、MFP100に送信する遠隔操作コマンドは、設定情報を設定する設定操作に対応する設定指示コマンドと、遠隔操作画面を別の遠隔操作画面に切り換えを指示する画面遷移操作に対応する画面遷移コマンドと、処理の実行を指示する実行指示操作に対応する実行指示コマンドと、を含む。設定指示コマンドは、設定項目と設定情報とを定める。画面遷移コマンドは、遠隔操作画面を識別するための画面識別情報を含む。実行指示コマンドは、処理を識別するための処理識別情報を含む。
遠隔操作装置であるHMD200が、MFP100に送信する遠隔操作コマンドは、遠隔操作画面中の位置を示す位置情報を含む場合がある。遠隔操作受信部61は、遠隔操作画面が送信された後に受信する遠隔操作コマンドが位置情報を含む場合、その位置情報と、遠隔操作画面送信部63によって遠隔操作装置に送信された遠隔操作画面とに基づいて、設定指示コマンド、画面遷移コマンドおよび実行指示コマンドのいずれかを生成し、生成した設定指示コマンド、画面遷移コマンドまたは実行指示コマンドを、遠隔操作画面送信部63、復帰部55、設定部57および処理実行部59に出力する。具体的には、位置情報によって、遠隔操作画面中で特定される位置が、遠隔操作画面に含まれる遷移ボタン内ならば画面遷移操作を特定し、特定した画面遷移操作に対応する画面遷移コマンドを生成する。位置情報によって遠隔操作画面中で特定される位置が、設定値を設定するコマンドが割り当てられた領域内ならば設定指示操作を特定し、特定した設定指示操作に対応する設定コマンドを生成する。位置情報によって遠隔操作画面中で特定される位置が、実行コマンドが割り当てられたボタンの領域内ならば実行指示操作を特定し、特定した実行指示操作に対応する実行指示コマンドを生成する。
設定部57は、遠隔操作受信部61から設定指示コマンドが入力される場合、設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。設定部57は、設定指示コマンドにより定まる設定項目に設定指示コマンドにより定まる設定情報を設定する。具体的には、RAM13に記憶されている設定情報のうち、設定コマンドにより定まる設定項目の設定情報を、設定コマンドにより定まる設定情報で更新する。
遠隔操作画面送信部63は、遠隔操作受信部61から画面遷移コマンドが入力されることに応じて、画面遷移コマンドにより定まる遠隔操作画面を生成し、生成された遠隔操作画面を、通信I/F部160を制御してHMD200に送信する。
復帰部55は、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。具体的には、復帰部55Bは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。
なお、第1の実施の形態におけるMFP100は、給紙トレイ150の給紙トレイが開かれたことを示すセンサー、自動原稿搬送装置120に原稿が載置されたことを検出するセンサー、原稿のサイズを検出するセンサー、用紙反転ユニットを検出するセンサー、画像形成装置140の内部を露出させるための前面扉140Aの開閉を検出するセンサーを備えているようにしてもよい。この場合において、復帰部55は、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合、上記センサーによって、給紙トレイ150の給紙トレイが開かれたことが検出される場合、自動原稿搬送装置120に原稿が載置されたことが検出される場合、用紙反転ユニットが検出される場合、前面扉140Aの開が検出される場合であっても、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力されるまで、省電力モードを維持する。
処理実行部59は、動作モードが駆動モードに切り換えられている状態で、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力されることに応じて、実行指示コマンドにより定まる処理を、設定部57により設定された設定情報に従って、実行する。具体的には、処理実行部59は、RAM13に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、処理を実行する。処理実行部59が実行する処理は、自動原稿搬送装置120および原稿読取部130を制御して、原稿を読み取るスキャン処理、画像形成部140および給紙部150を制御して用紙に画像を形成する画像形成処理、HDD113を制御して、データをHDD113に書き込む処理およびHDD113に記憶されたデータを読み出す処理を含むデータ管理処理、通信I/F部160を制御してデータを送信するデータ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。スリープ移行部51によって動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力される場合、復帰部55によって動作モードが駆動モードに切り換えられるので、処理実行部59は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113を制御する処理を実行することができる。
図7は、HMDが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。図7に示す機能は、HMD200が備えるCPU201が、フラッシュメモリ203に記憶された遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。図7を参照して、CPU201は、MFP100を遠隔操作する遠隔操作部251と、表示制御部253と、操作検出部255と、カメラ202を制御する撮像制御部257と、操作決定部259と、を含む。
遠隔操作部251は、近距離通信部207を制御して、近距離通信部207がMFP100と通信可能になるとMFP100とネゴシエーションすることによって、無線LANI/F205を介してMFP100と通信するための設定をし、無線LANI/F205を制御して、MFP100との間の通信経路を確立する。遠隔操作部251は、近距離通信部207または無線LANI/F205を制御して、MFP100との間で通信経路を確立するようにしてもよい。
遠隔操作部251は、遠隔操作画面受信部261と、遠隔操作送信部263と、を含む。遠隔操作画面受信部261は、無線LANI/F205を制御し、MFP100から遠隔操作画面を受信する。遠隔操作画面受信部261は、受信された遠隔操作画面を、表示制御部253に出力するとともに、遠隔操作画面を操作検出部255に出力する。表示制御部253は、遠隔操作画面が入力されることに応じて、表示部204を制御し、遠隔操作画面の画像を表示部204に表示する。
操作検出部255は、操作部206を制御し、ユーザーが操作部206に入力する遠隔操作を検出し、検出された遠隔操作に対応する遠隔操作コマンドを生成し、生成した遠隔操作コマンドを遠隔操作送信部263に出力する。操作検出部255は、遠隔操作として設定操作を検出する場合、設定項目に対応する値を定めた設定情報を設定することを指示する設定指示コマンドを生成し、遠隔操作として画面遷移操作を検出する場合は、画面識別情報を含む画面遷移コマンドを生成し、遠隔操作として実行指示操作を検出する場合、処理識別情報を含む実行指示コマンドを生成し、遠隔操作画面中を指示する遠隔操作を検出する場合、遠隔操作画面中で指示された位置を示す位置情報を含む遠隔操作コマンドを生成する。
操作検出部255は、視線検知センサーによって、表示部204に表示された遠隔操作画面中の位置が検出される場合、遠隔操作画面中を指示する遠隔操作を検出する。また、操作検出部255は、表示部204に表示された遠隔操作画面と、操作部206が有する視線検知センサーにより特定される位置とから遠隔操作を検出する。例えば、操作検出部255は、遠隔操作画面に含まれる遷移ボタン内の位置が視線検知センサーによって検出される場合、画面遷移操作を検出する。また、操作検出部255は、表示部204に表示された遠隔操作画面中で、遠隔操作画面に含まれる設定情報を設定するコマンドが割り当てられた領域内の位置が視線検知センサーによって検出される場合、設定操作を検出する。操作検出部255は、表示部204に表示された遠隔操作画面中で、遠隔操作画面に含まれる実行コマンドが割り当てられたボタンの領域内の位置が検出される場合、実行指示操作を検出する。
また、操作検出部255は、操作部206が有するマイクロホンでユーザーが発声する音声を集音し、集音された音声を認識することにより、ユーザーによる操作を検出する。例えば、複数の操作それぞれに対応する名称を定めておき、音声を認識して得られる文字情報に、複数の操作のいずれかに対応する名称が存在すれば、その名称に対応する遠隔操作を検出する。また、操作検出部255は、音声認識により得られる文字情報を、設定情報として検出する。例えば、コピー枚数を設定する設定操作に対して名称「コピー枚数」が定められている場合、音声認識によって「コピー枚数を5枚に設定」の文字列が認識される場合、コピー枚数を設定する設定項目に設定情報「5」を対応付けた設定情報を設定することを指示する設定操作を検出する。
撮像制御部257は、カメラ202を制御し、カメラ202が被写体を撮像して出力する画像データを取得する。撮像制御部257は、カメラ202が出力する画像データを操作決定部259に出力する。
操作決定部259は、撮像制御部257から入力される画像データに基づいて、ユーザーによる操作を決定する。より具体的には、操作決定部259は、MFP100の形状の変化に基づいて、ユーザーによる操作を検出する。操作決定部259は、決定した操作に対応する遠隔操作コマンドを生成し、生成した遠隔操作コマンドを、遠隔操作送信部263に出力する。
操作決定部259が決定する操作は、構成変更操作と、処理実行条件設定操作と、を含む。構成変更操作は、MFP100を構成するハードウェア資源を定める設定情報を設定する操作である。MFP100を構成するハードウェア資源を定める設定情報は、例えば、給紙部150が備える給紙トレイに収納される用紙のサイズを定める設定情報、オプション装置が装着されているか否かを定める設定情報を含む。
処理実行条件設定操作は、構成変更操作以外の操作であり、MFP100が実行可能な処理を定める設定情報を設定する操作である。処理実行条件設定操作は、構成変更操作によって設定される設定情報のうちから1つを選択する操作と、MFP100が実行する処理を定める設定情報を設定する操作と、を含む。構成変更操作によって設定される設定情報のうちから1つを選択する操作は、例えば、MFP100が読取可能な複数の原稿サイズのうちから1つの原稿サイズを選択する操作、給紙部150に収納された複数サイズの用紙のうちから1つを選択する操作を含む。また、MFP100が実行する処理を定める設定情報を設定する操作は、画像を形成する部数を定める設定情報を含む。
操作決定部259が決定する操作は、操作検出部255によって検出される操作と同じである。換言すれば、操作決定部259が決定する操作は、ユーザーが遠隔操作画面に従って操作部206に入力する操作によって設定される設定情報と、同じ設定情報を設定する操作である。
例えば、MFP100の給紙部150が備える給紙トレイを開かれると、MFP100の形状が変化する。操作決定部259は、給紙トレイが開かれた状態のMFP100の形状を検出することにより、給紙トレイに収納される用紙のサイズを定める構成変更操作を決定する。より具体的には、操作決定部259は、画像データを解析して、MFP100の形状の変化から給紙部150が備える給紙トレイを特定し、さらに、給紙部150の内部の形状の変化から給紙トレイに収納される用紙のサイズを検出する。操作決定部259は、給紙部150が複数の給紙トレイを備える場合、複数の給紙トレイのうちユーザーにより開かれた状態に変化した給紙トレイを特定する。また、操作決定部259は、給紙トレイの内部の形状の変化に基づいて、収納される用紙のサイズが変更されたことを検出する。さらに、操作決定部259は、給紙トレイの内部の形状が変化した後の画像データを解析して、給紙トレイのサイズを基準にして、用紙のサイズを特定する。操作決定部259は、給紙トレイに収納される用紙のサイズを定める構成変更操作を決定する場合、特定された給紙トレイに収納される用紙のサイズを定める設定項目に特定された用紙のサイズを対応付けた設定情報を設定することを指示する設定指示コマンドを生成し、遠隔操作送信部263に出力する。
また、MFP100にオプション装置が増設されると、MFP100の形状が変化する。操作決定部259は、オプション装置が増設された状態のMFP100の形状を検出することにより、オプション装置が増設されたことを定める構成変更操作を決定する。オプション装置は、MFP100に着脱可能な装置であり、例えば、画像形成部140に用紙の両面に画像を形成するために給紙部150から供給される用紙の表裏を反転させる用紙反転ユニットである。具体的には、操作決定部259は、画像データを解析して、MFP100の形状が、用紙反転ユニットが装着される位置に用紙反転ユニットが装着された形状に変化する場合、オプション装置が増設されたことを定める構成変更操作を決定する。操作決定部259は、オプション装置が増設されたことを定める構成変更操作を決定する場合、用紙反転ユニットが存在することを示す設定項目に、用紙反転ユニットが存在することを示す値を対応付けた設定情報を設定することを指示する設定指示コマンドを生成し、遠隔操作送信部263に出力する。
また、MFP100は、ユーザーにより自動原稿搬送装置120に原稿が載置されると、MFP100の形状が変化する。操作決定部259は、自動原稿搬送装置120に原稿が載置された状態のMFP100の形状を検出することにより、自動原稿搬送装置120に原稿のサイズおよび方向を定める処理実行条件設定操作を決定する。操作決定部259は、自動原稿搬送装置120のサイズを基準にして、原稿のサイズを特定し、特定したサイズから原稿の方向を特定する。操作決定部259は、自動原稿搬送装置120に原稿のサイズおよび方向を定める処理実行条件設定操作を決定する場合、原稿のサイズおよび方向を示す設定項目に画像データから特定された原稿のサイズおよび方向を対応付けた設定情報を設定することを指示する設定指示コマンドを生成し、遠隔操作送信部263に出力する。
遠隔操作送信部263は、操作検出部255から遠隔操作コマンドが入力されることに応じて、無線LANI/F205を制御し、遠隔操作コマンドをMFP100に送信する。また、遠隔操作送信部263は、操作決定部259から遠隔操作コマンドが入力されることに応じて、無線LANI/F205を制御し、遠隔操作コマンドをMFP100に送信する。
図8は、給紙トレイが開いた状態のMFPの概観の一例を示す図である。図8を参照して、MFP100が備える給紙部150は、3つの給紙トレイ150A〜150Cを有し、最上段の給紙トレイ150Aが前方に引き出されている状態を示している。このため、MFP100の外観を撮像した画像から給紙トレイ150Aが前方に引き出されている状態を検出することができ、前方に引き出された給紙トレイ150Aを特定することができる。
図9は、給紙トレイの内部を撮像した画像の一例を模式的に示す図である。図9を参照して、給紙トレイ150Aに用紙600が収納されている。用紙600のサイズは、給紙トレイ150Aの横方向のサイズを基準にして求めることが可能である。MFP100の外観を撮像した画像から給紙トレイ150Aに収納された用紙のサイズを特定することができる。
図10は、用紙反転ユニットが装着された状態のMFPの概観の一例を示す図である。図10を参照して、MFP100の側面に、用紙反転ユニット700が装着されている。用紙反転ユニット700が装着される位置は、画像形成部140の近傍に装着され、予め定められている。MFP100の外観を撮像した画像から用紙反転ユニット700の装着の有無を判断することができる。
図11は、自動原稿搬送装置に原稿が載置された状態を模式的に示す図である。図11を参照して、自動原稿搬送装置120の原稿トレイ120Aに、原稿710が載置されている。MFP100の外観を撮像した画像から自動原稿搬送装置120に原稿710が載置されたことを判断することができる。また、自動原稿搬送装置120のサイズを基準にした原稿710のサイズを検出することができ、検出されたサイズから原稿710の方向を検出することができる。
図12は、第1の実施の形態における遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の実施の形態における遠隔制御処理は、第1の実施の形態におけるMFP100が備えるCPU11が、ROM12、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第1の実施の形態における遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。図12を参照して、CPU11は、起動すると、動作モードを省電力モードに切り換える(ステップS01)。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。そして、接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS02)。接続要求を受信するまで待機状態となり(ステップS02でNO)、接続要求を受信すると(ステップS02でYES)、処理をステップS03に進める。近距離通信部180がHMD200と通信可能になると、近距離通信部180がHMD200から接続要求を受信する。ステップS03においては、通信I/F部160を制御して、HMD200との間の通信経路を確立し、処理をステップS04に進める。
ステップS04においては、HMD200に送信するための遠隔操作画面に、初期画面を決定する。次のステップS05においては、通信I/F部160を制御して、遠隔操作画面を、ステップS03において確立した通信経路を介して送信する。
次のステップS06においては、HMD200から遠隔操作コマンドを受信したか否かを判断する。通信I/F部160が、ステップS03において確立した通信経路を介して遠隔操作コマンドを受信したならば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に進める。ステップS14においては、ステップS03において確立した通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS02に戻すが、そうでなければ処理をステップS06に戻す。
ステップS07においては、受信された遠隔操作コマンドの種類によって処理を分岐する。遠隔操作コマンドが、画面遷移コマンドならば処理をステップS08に進め、設定指示コマンドならば処理をステップS09に進め、実行指示コマンドならば処理をステップS10に進める。ステップS08においては、画面遷移コマンドで定められる遠隔操作画面を決定し、処理をステップS05に戻す。ステップS05においては、処理がステップS08から進む場合、ステップS08において決定された遠隔操作画面をHMD200に送信する。
ステップS09においては、設定指示コマンドに従って設定情報を設定し、処理をステップS05に戻す。具体的には、RAM13に記憶された設定情報を、設定指示コマンドにより定まる設定情報で更新する。ステップS05においては、処理がステップS09から進む場合、先に送信した遠隔操作画面と同じであって設定情報が設定された後の遠隔操作画面をHMD200に送信する。
ステップS10においては、動作モードを駆動モードに切り換え、処理をステップS11に進める。自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。そして、実行指示コマンドにより定まる処理を、RAM13に記憶された設定情報に従って実行し(ステップS11)、処理をステップS12に進める。
ステップS12においては、ステップS01と同様に、動作モードを省電力モードに切換、処理をステップS13に進める。ステップS13においては、遠隔操作画面を決定し、処理をステップS05に戻す。例えば、処理を実行した結果を含む遠隔操作画面を決定する。ステップS05においては、処理がステップS13から進む場合、ステップS13において決定された遠隔操作画面をHMD200に送信する。
図13は、第1の実施の形態における遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の実施の形態における遠隔操作処理は、HMD200が備えるCPU201が、フラッシュメモリ203に記憶された第1の実施の形態における遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図13を参照して、CPU201は、遠隔制御装置を検出したか否かを判断する(ステップS101)。ここでは、遠隔制御装置としてMFP100を検出する場合を例に説明する。近距離通信部207がMFP100と通信可能になると、MFP100を検出する。MFP100を検出するまで待機状態となり、MFP100を検出したならば処理をステップS102に進める。
ステップS102においては、カメラ202を起動し、撮像を開始する。そして、近距離通信部207を制御して、接続要求をMFP100に送信する(ステップS103)。次のステップS104においては、無線LANI/F205を制御して、MFP100との間の通信経路を確立する。
次のステップS105においては、MFP100から遠隔操作画面を受信したか否かを判断する。無線LANI/F205が、ステップS104において確立された通信経路を介して遠隔操作画面を受信したか否かを判断する。遠隔操作画面を受信したならば処理をステップS106に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に進める。ステップS111においては、ステップS104において確立された通信経路が切断したか否かを判断する。通信経路が切断したならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS105に戻す。HMD200のユーザーによる指示で通信経路を切断する場合、MFP100によって通信経路が切断される場合、通信ノイズによって通信経路が切断される場合がある。
ステップS106においては、ステップS105において受信された遠隔操作画面を表示部204に表示し、処理をステップS107に進める。ステップS107においては、操作を検出したか否かを判断する。ここでの操作は、ユーザーが操作部206に入力する操作である。例えば、操作部206が有する視線検知センサーによって、ステップS106において表示部204に表示された遠隔操作画面中の位置が検出される場合、遠隔操作画面と検出された位置とに基づいて操作を検出する。また、操作部206が有するマイクロホンでユーザーが発声する音声を集音し、集音された音声を認識することにより、操作を検出する。操作を検出したならば処理をステップS108に進めるが、そうでなければ処理をステップS109に進める。
ステップS109においては、カメラ202が出力する画像データに基づいてユーザーの動作を検出する。次のステップS110においては、検出された動作からユーザーによる操作を決定する。ユーザーによる操作を決定する場合は、処理をステップS108に進めるが、そうでなければ処理をステップS108に戻す。例えば、給紙部150が備える給紙トレイを開閉するユーザーによる動作を検出する場合、給紙トレイに収納される用紙のサイズを定める設定項目に用紙のサイズを示す設定情報を設定する設定操作を決定する。画像データを解析して、給紙トレイおよび用紙のサイズを特定する場合、特定された給紙トレイに収納される用紙のサイズを定める設定項目に、特定された用紙のサイズを設定する設定操作を決定する。オプション装置を増設する動作を検出する場合、オプション装置が存在することを示す設定項目にオプション装置が存在することを示す設定情報を設定する設定操作を決定する。オプション装置は、例えば、用紙反転ユニットである。また、ユーザーが自動原稿搬送装置120に原稿を載置する動作を検出する場合、原稿が載置されたことを示す設定項目に原稿が載置されたことを示す設定情報を設定する設定操作を決定する。
ステップS108においては、遠隔操作コマンドをMFP100に送信し、処理をステップS105に戻す。処理がステップS107から進む場合には、ステップS107において検出された操作に対応する遠隔操作コマンドを生成し、生成した遠隔操作コマンドを、無線LANI/F205を制御して、ステップS104において確立された通信経路を介して送信する。処理がステップS110から進む場合には、ステップS110において決定された操作に対応する遠隔操作コマンドを生成し、生成した遠隔操作コマンドを、無線LANI/F205を制御して、ステップS104において確立された通信経路を介して送信する。
<メイン基板の第1の変形例>
図14は、第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図14を参照して、第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、MFP100の全体を制御するメインCPU21と、メインCPU21が実行するプログラムおよびプログラムを実行する際に必要なデータ等を記憶するメインROM23と、メインCPU21の作業領域として使用されるメインRAM25と、サブCPU31と、サブCPU31が実行するプログラムおよびプログラムを実行する際に必要なデータ等を記憶するサブROM33と、サブCPU31の作業領域として使用されるサブRAM35と、を含む。
サブCPU31は、メインCPU21よりも消費電力が小さい。サブRAM35は、メインRAM25よりも消費電力が小さい。メインCPU21およびメインRAM25は、動作モードが駆動モードで駆動し、動作モードが省電力モードで駆動しない。サブCPU31およびサブRAM35は、動作モードが省電力モードで駆動し、動作モードが駆動モードで駆動しない。
メインCPU21は、スリープ移行部51Aと、処理実行部59Aと、更新部71と、を含む。サブCPU31は、遠隔制御部53と、復帰部55Aと、設定部57Aと、転送部73と、を含む。
メインCPU21は、遠隔制御プログラムのうちメイン部分を実行することにより、スリープ移行部51Aと、処理実行部59Aと、更新部71と、を形成する。サブCPU31は、遠隔制御プログラムのうちサブ部分を実行することにより、遠隔制御部53と、復帰部55Aと、設定部57Aと、転送部73と、を形成する。
メインCPU21が備えるスリープ移行部51Aは、通信I/F部160が遠隔操作装置であるHMD200との間で確立された通信経路が切断されると、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える。通信I/F部160が遠隔操作装置であるHMD200との間で通信経路を確立していない間は、動作モードは省電力モードである。具体的には、スリープ移行部51Aは、通信I/F部160が遠隔操作装置であるHMD200との間で確立された通信経路が切断されると、サブCPU31を起動した後に停止する。具体的には、スリープ移行部51Aは、メインCPU21に供給される電力を遮断させる。
サブCPU31は、メインCPU21により起動されると、サブROM33に記憶された遠隔制御プログラムのサブ部分をサブRAM35にロードし、実行する。サブCPU31が備える転送部73は、サブCPU31が起動すると、メインRAM25に記憶された設定情報を読出し、サブRAM35に記憶する。
サブCPU31が備える遠隔制御部53は、図6に示した遠隔制御部53と同じである。従って、ここでは説明を繰り返さない。設定部57Aは、遠隔操作受信部61から設定指示コマンドが入力される場合、サブRAM35に記憶されている設定情報のうち、設定指示コマンドにより定まる設定項目に対応する設定情報を、設定コマンドにより定まる設定情報で更新する。
復帰部55Aは、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。具体的には、復帰部55Aは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、メインCPU21を起動する。復帰部55Aは、メインCPU21が起動した後に、実行指示コマンドをメインCPU21に出力した後に、サブCPU31に供給される電力を遮断させる。
メインCPU21は、サブCPU31により起動されると、メインROM23に記憶された遠隔制御プログラムのメイン部分をメインRAM25にロードし、実行する。メインCPU21が備える更新部71は、メインCPU21が起動すると、サブRAM35に記憶された設定情報を読出し、メインRAM25に記憶する。
メインCPU21が備える処理実行部59Aは、サブCPU31から実行指示コマンドが入力されることに応じて、実行指示コマンドにより定まる処理を、メインRAM25に記憶された設定情報に従って、実行する。
図15は、第1の実施の形態の変形例におけるメイン遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の実施の形態の変形例におけるメイン遠隔制御処理は、第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aが備えるメインCPU21が、メインROM25、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第1の実施の形態の変形例における遠隔制御プログラムのうちメイン部分を実行することにより、メインCPU21により実行される処理である。
図15を参照して、メインCPU21は、起動すると設定情報を更新する(ステップS61)。具体的には、サブRAM35に記憶されている設定情報を読出し、メインRAM25に記憶する。その後、サブRAM35に供給する電力を遮断する。
次のステップS62においては、サブCPU31から実行コマンドが入力されたか否かを判断する。実行コマンドが入力されたならば処理をステップS63に進めるが、そうでなければ処理をステップS64に進める。ステップS63においては、実行コマンドで特定される処理を、メインRAM25に記憶された設定情報に従って実行し、処理をステップS64に進める。
ステップS64においては、サブCPU31を起動し、処理をステップS65に進める。具体的には、サブCPU31およびサブRAM35に電力を供給し、サブCPU31をリセットする。ステップS65においては、停止し、処理を終了する。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給される電力を遮断するとともに、メインCPU21に供給される電力を遮断する。
図16は、第1の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理は、第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aが備えるサブCPU31が、サブROM35、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第1の実施の形態の変形例における遠隔制御プログラムのうちサブ部分を実行することにより、サブCPU31により実行される処理である。
図16を参照して、図12に示した遠隔制御処理と異なる点は、ステップS01がステップS01Aに変更された点、ステップS10〜ステップS13がステップS10A〜ステップS12Aに変更された点である。その他の処理は、図12に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。サブCPU31は、起動すると、設定情報を転送する(ステップS01A)。具体的には、メインRAM25に記憶されている設定情報を読出し、サブRAM35に記憶する。その後、メインRAM25に供給する電力を遮断する。
処理がステップS10Aに進む場合は、ステップS07において、HMD200から実行指示コマンドの遠隔操作コマンドが受信される場合である。ステップS10Aにおいては、メインCPU21を起動し、処理をステップS11Aに進める。具体的には、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、メインCPU31をリセットする。次のステップS11Aにおいては、メインCPU21に実行指示コマンドを出力し、処理をステップS12Aに進める。ステップS12Aにおいては、停止し、処理を終了する。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、サブCPU31に供給される電力を遮断する。
なお、ここでは、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える場合に、転送部73がメインRAM25に記憶されている設定情報をサブRAM35に記憶し、動作モードを省電力モードから駆動力モードに切り換える場合に、更新部71がサブRAM35に記憶されている設定情報をメインRAM25に記憶するようにした。これとは逆に、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える場合に、更新部71がメインRAM25に記憶されている設定情報をサブRAM35に記憶した後にメインCPU21の電源を遮断し、動作モードを省電力モードから駆動力モードに切り換える場合に、転送部73がサブRAM35に記憶されている設定情報をメインRAM25に記憶した後に、サブCPU31の電源を遮断するようにしてもよい。
以上説明したように第1の実施の形態におけるMFP100は、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換え、遠隔操作装置であるHMD200から実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信されるまで、省電力モードの動作モードを維持し、実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信される場合のみ、動作モードを駆動モードに切り換える。また、MFP100は、省電力モードの間、HMD200から設定指示操作に対応する遠隔操作コマンドである設定指示コマンドを受信すると、設定指示コマンドに従って設定情報を設定し、HMD200から実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドを受信する場合、設定された設定情報に従って処理を実行する。このため、実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信されるまで、省電力モードの動作モードを維持するので、省電力モードのまま、遠隔操作装置から受信された遠隔操作コマンドに従って設定情報を設定することができる。その結果、MFP100をできるだけ省電力モードにして、消費電力を低減することができる。
遠隔操作装置として機能するHMD200は、カメラ202が被写体を撮像して得られる画像に基づいて、ユーザーによる操作を決定し、決定された操作に対応する遠隔操作コマンドを画像形成装置に送信する。このため、また、MFP100を被写体として撮像した画像から操作を検出するので、MFP100の外部からMFP100に対する操作を検出することができ、MFP100を省電力モードに維持することができる。
また、HMD200は、MFP100の形状の変化に基づいて、操作を検出するので、MFP100に対する操作を容易に検出することができる。
また、第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25が駆動し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35が駆動する。このため、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35に電力を供給すればよい。このため、省電力モードにおける消費電力を小さくすることができる。
なお、第1の実施の形態において、画像形成装置の一例としてMFP100を例に説明したが、プリンターであってもよい。この場合、処理実行部59が実行する処理は、画像形成処理であり、実行指示操作は、プリンターに画像形成処理の実行を指示する操作である。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における画像形成システム1は、第1の実施の形態におけるMFP100の機能の一部を、サーバー300が有するようにしたものである。第2の実施の形態におけるHMD200のハードウェア構成は、図2に示したハードウェア構成と同じである。第1の実施の形態におけるMFPの外観およびハードウェア構成は、図3および図4に示した第1の実施の形態におけるMFPの外観およびハードウェア構成と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
図17は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図17を参照して、第1の実施の形態におけるMFP100が備えるメイン基板110の構成と異なる点は、CPU11が有する機能が異なる。CPU11は、スリープ移行部51B、遠隔制御部53B、復帰部55B、設定部57Bおよび処理実行部59Bを含む。
スリープ移行部51Bは、処理実行部59Bが実行する処理を終了すると、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換えるとともに、遠隔制御部53Bに依頼指示を出力する。スリープ移行部51Bは、動作モードを省電力モードに切り換える場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。スリープ移行部51Bは、通信I/F部160、ファクシミリ部170および近距離通信部180は、動作モードが省電力モードであっても電力の供給を継続する。
遠隔制御部53Bは、操作依頼部81と、設定情報送信部83と、実行指示受信部85と、を含む。操作依頼部81は、スリープ移行部51Bから依頼指示が入力されることに応じて、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で通信経路を確立し、サーバー300に代理依頼を送信するとともに、設定情報送信部83に送信指示を出力する。
設定情報送信部83は、送信指示が入力されることに応じて、通信I/F部160を制御して、RAM13に記憶されている設定情報をサーバー300に送信する。
実行指示受信部85は、操作依頼部81がサーバー300に代理依頼を送信した後に、通信I/F部160を制御して、サーバー300からサーバー実行指示を受信する。サーバー実行指示は、設定情報と、実行指示コマンドとを含む。実行指示受信部85は、サーバー実行指示を受信することに応じて、復帰部55Bにサーバー復帰指示を出力し、設定部57Bにサーバー設定指示を出力し、処理実行部59Bに処理実行指示を出力する。サーバー設定指示は、サーバー実行指示に含まれる設定情報を含み、処理実行指示は、サーバー実行指示に含まれる実行指示コマンドで特定される処理の処理識別情報を含む。
設定部57Bは、実行指示受信部85からサーバー設定指示が入力される場合、サーバー設定指示に含まれる設定情報を設定する。具体的には、設定部57Bは、RAM13に記憶されている設定情報のうち、サーバー設定指示に含まれる設定情報に対応する設定項目の設定情報を、サーバー設定指示に含まれる設定情報で更新する。
復帰部55Bは、実行指示受信部85からサーバー復帰指示が入力されることに応じて、動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換える。具体的には、復帰部55Bは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。
処理実行部59Bは、動作モードが駆動モードに切り換えられている状態で、実行指示受信部85から処理実行指示が入力されることに応じて、処理実行指示に含まれる処理識別情報で特定される処理を、設定部57Bにより設定された設定情報に従って、実行する。具体的には、処理実行部59Bは、RAM13に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、処理を実行する。処理実行部59Bが実行する処理は、スキャン処理、画像形成処理、データ管理処理、データ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。スリープ移行部51Bによって動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、実行指示受信部85からサーバー実行指示が入力される場合、復帰部55Bによって動作モードが駆動モードに切り換えられるので、処理実行部59Bは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113を制御する処理を実行することができる。
図18は、第2の実施の形態におけるサーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図18に示す機能は、第2の実施の形態におけるサーバー300が備えるCPU301が、ROM302、HDD304またはCD−ROM309に記憶された代理プログラムを実行することにより、CPU301に形成される。図18を参照して、第2の実施の形態におけるサーバー300が備えるCPU301は、依頼受信部351と、設定情報受信部353と、設定部355と、接続部357と、遠隔操作画面送信部361と、遠隔操作受信部363と、実行指示部365と、を含む。
依頼受信部351は、通信部305を制御して、MFP100から代理依頼を受信する。依頼受信部351は、MFP100から代理依頼を受信すると、設定情報受信部353に受信指示を出力する。
設定情報受信部353は、依頼受信部351から受信指示が入力されると、通信部305を制御して、MFP100が送信してくる設定情報を受信する。設定情報受信部353は、設定情報を設定部355に出力する。設定部355は、設定情報受信部353から入力される設定情報を、HDD304に記憶する。
接続部357は、通信部305を制御して、HMD200から接続要求を受信すると、HMD200との間で通信経路を確立する。HMD200から受信する接続要求は、MFP100を遠隔操作する接続要求であり、MFP100を識別するための装置識別情報を含む。接続部357は、HMD200との間で通信経路を確立すると、送信指示を遠隔操作画面送信部361に出力する。送信指示は、HMD200との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報を含む。
遠隔操作画面送信部361は、接続部357から送信指示が入力されることに応じて、通信部305を制御して、初期画面としてデフォルトで定められた遠隔操作画面を、HMD200に送信するとともに、経路識別情報と遠隔操作画面とを遠隔操作受信部363に出力する。
遠隔操作受信部363は、通信部305を制御して、HMD200から送信される遠隔操作コマンドを受信する。遠隔操作受信部363は、HMD200から遠隔操作コマンドを受信することに応じて、その遠隔操作コマンドと経路識別情報とを、遠隔操作画面送信部361、設定部355および実行指示部365に出力する。
遠隔操作装置であるHMD200が、MFP100を遠隔操作するためにサーバー300に送信する遠隔操作コマンドは、設定指示コマンドと、画面遷移コマンドと、実行指示コマンドと、を含む。また、遠隔操作コマンドは、遠隔操作画面中の位置を示す位置情報を含む場合がある。遠隔操作受信部363は、遠隔操作画面が送信された後に受信する遠隔操作コマンドが位置情報を含む場合、その位置情報と、遠隔操作画面送信部361によってHMD200に送信された遠隔操作画面とに基づいて、設定指示コマンド、画面遷移コマンドおよび実行指示コマンドのいずれかを生成し、生成した設定指示コマンド、画面遷移コマンドまたは実行指示コマンドを、遠隔操作画面送信部361、設定部355および実行指示部365に出力する。遠隔操作受信部363は、実行指示コマンドを出力する場合、経路識別情報を実行指示部365に出力する。
遠隔操作画面送信部361は、遠隔操作受信部363から遠隔操作コマンドが入力されると、遠隔操作コマンドに対応する遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面を、通信部305を制御してHMD200に送信する。
設定部355は、遠隔操作受信部363から設定指示コマンドが入力される場合、設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。設定部355は、設定指示コマンドにより定まる設定項目に設定指示コマンドにより定まる設定情報を設定する。具体的には、HDD304に記憶されている設定情報のうち、設定コマンドにより定まる設定項目の設定情報を、設定コマンドにより定まる設定情報で更新する。
遠隔操作画面送信部361は、遠隔操作受信部363から画面遷移コマンドが入力されることに応じて、画面遷移コマンドにより定まる遠隔操作画面を生成し、生成された遠隔操作画面を、通信部305を制御してHMD200に送信する。
実行指示部365は、遠隔操作受信部363から経路識別情報と実行指示コマンドが入力されることに応じて、通信部305を制御して、経路識別情報で特定される通信経路を介して、サーバー実行指示をHMD200に送信する。サーバー実行指示は、実行指示コマンドと、HDD304に記憶された設定情報とを含む。
図19は、第2の実施の形態におけるHMDが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図19を参照して、図7に示した機能と異なる点は、遠隔操作部251が遠隔操作部251Aに変更された点である。その他の機能は、図7に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。図19を参照して、遠隔操作部251Aは、操作部206が遠隔操作指示を受け付けると、無線LANI/F205を介してサーバー300に接続要求を送信し、サーバー300との間で通信経路を確立する。例えば、表示部306に、遠隔操作の対象となり得る装置のリストを表示し、ユーザーが操作部307を用いてリストから1つの装置を指定すれば、遠隔操作指示を受け付ける。ここではMFP100が遠隔操作の対象となる装置として指定される場合を例に説明する。接続要求は、遠隔操作の対象となる装置、ここでは、MFP100の装置識別情報を含む。
遠隔操作部251Aは、遠隔操作画面受信部261Aと、遠隔操作送信部263Aと、を含む。遠隔操作画面受信部261Aは、無線LANI/F205を制御し、サーバー300から遠隔操作画面を受信する。遠隔操作画面受信部261Aは、受信された遠隔操作画面を、表示制御部253に出力するとともに、遠隔操作画面を操作検出部255に出力する。
遠隔操作送信部263Aは、操作検出部255から遠隔操作コマンドが入力されることに応じて、無線LANI/F205を制御し、遠隔操作コマンドをサーバー300に送信する。また、遠隔操作送信部263Aは、操作決定部259から遠隔操作コマンドが入力されることに応じて、無線LANI/F205を制御し、遠隔操作コマンドをサーバー300に送信する。
図20は、第2の実施の形態における遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における遠隔制御処理は、第2の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU11が、ROM12、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第2の実施の形態における遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。図20を参照して、CPU11は、起動すると、動作モードを省電力モードに切り換える(ステップS21)。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300に代理依頼を送信する(ステップS22)。そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で、通信経路を確立する(ステップS23)。次のステップS24においては、RAM15に記憶されている設定情報をサーバー300に送信し、処理をステップS25に進める。具体的には、通信I/F部160を制御して、ステップS23において確立された通信経路を介して、設定情報をサーバー300に送信する。
次のステップS25においては、サーバー300からサーバー実行指示を受信したか否かを判断する。通信I/F部160が、ステップS23において確立された通信経路を介してサーバー実行指示を受信するまで待機状態となり、サーバー実行指示を受信すると、処理をステップS26に進める。ステップS26においては、動作モードを駆動モードに切り換える。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。
ステップS27においては、設定情報を更新する。具体的には、RAM15に記憶されている設定情報を、ステップS25において受信されたサーバー実行指示に含まれる設定情報で書き換える。次のステップS28においては、ステップS25において受信されたサーバー実行指示に含まれる実行指示コマンドで特定される処理を、RAM15に記憶された設定情報に従って実行し、処理をステップS21に戻す。
図21は、第2の実施の形態における代理処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における代理処理は、第2の実施の形態におけるサーバー300が備えるCPU301が、ROM302、HDD304またはCD−ROM309に記憶された第2の実施の形態における代理プログラムを実行することにより、CPU301により実行される処理である。図21を参照して、CPU301は、MFP100から代理依頼を受信したか否かを判断する(ステップS201)。通信部305がMFP100から代理依頼を受信するまで待機状態となり(ステップS201でNO)、代理依頼を受信したならば(ステップS201でYES)、処理をステップS202に進める。
次のステップS202においては、代理依頼を送信してきたMFP100との間で通信経路を確立し、処理をステップS203に進める。そして、通信部305を制御して、ステップS202において確立された通信経路を介してMFP100から設定情報を受信する(ステップS203)。そして、受信された設定要求をHDD304に記憶し、処理をステップS205に進める。
ステップS205においては、HMD200から接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS205)。通信部305が、HMD200から接続要求を受信するまで待機状態となり(ステップS205)、接続要求を受信したならば(ステップS205でYES)、処理をステップS206に進める。接続要求は、HMD200が遠隔操作の対象とする装置の装置識別情報を含む。ここでは、MFP100の装置識別情報を含む接続要求を受信する場合を例に説明する。ステップS206においては、通信部305を制御して、HMD200との間で通信経路を確立し、処理をステップS207に進める。
ステップS207においては、HMD200に送信するための遠隔操作画面に、初期画面を決定する。具体的には、ステップS205において受信された接続要求に含まれる装置識別情報で特定されるMFP100を遠隔操作するための遠隔操作画面を決定する。次のステップS208においては、通信部305を制御して、遠隔操作画面を、ステップS206において確立した通信経路を介して送信する。次のステップS209においては、HMD200から遠隔操作コマンドを受信したか否かを判断する。通信部305が、ステップS206において確立した通信経路を介して遠隔操作コマンドをHMD200から受信したならば処理をステップS210に進めるが、そうでなければ処理をステップS215に進める。ステップS215においては、ステップS206においてHMD200との間で確立した通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS205に戻すが、そうでなければ処理をステップS209に戻す。
ステップS210においては、受信された遠隔操作コマンドの種類によって処理を分岐する。遠隔操作コマンドが、画面遷移コマンドならば処理をステップS211に進め、設定指示コマンドならば処理をステップS212に進め、実行指示コマンドならば処理をステップS213に進める。ステップS211においては、画面遷移コマンドで定められる遠隔操作画面を決定し、処理をステップS208に戻す。ステップS208においては、処理がステップS211から進む場合、ステップS211において決定された遠隔操作画面をHMD200に送信する。
ステップS212においては、設定指示コマンドに従って設定情報を設定し、処理をステップS208に戻す。具体的には、HDD304に記憶された設定情報を、設定指示コマンドにより定まる設定情報で更新する。ステップS208においては、処理がステップS212から進む場合、先に送信した遠隔操作画面と同じであって設定情報が設定された後の遠隔操作画面をHMD200に送信する。
ステップS213においては、サーバー実行指示をMFP100に送信する。通信部305を制御して、ステップS202においてMFP100との間で確立された通信経路を介して、サーバー実行指示を送信する。サーバー実行指示は、HDD304に記憶された設定情報と、実行指示コマンドと、を含む。
次のステップS214においては、HMD200およびMFP100との通信経路を切断し、処理を終了する。具体的には、ステップS202においてMFP100との間で確立された通信経路と、ステップS206においてHMD200との間で確立された通信経路とを、切断する。
図22は、第2の実施の形態における遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における遠隔操作処理は、HMD200が備えるCPU201が、フラッシュメモリ203に記憶された第2の実施の形態における遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図22を参照して、図13に示した第1の実施の形態における遠隔操作処理と異なる点は、ステップS101に代えて、ステップS101AおよびステップS101Bが実行される点、ステップS103およびステップS108がステップS103AおよびステップS108Aに変更された点である。その他の処理は、図13に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
第2の実施の形態におけるHMD200が備えるCOU201は、ステップS101Aにおいて、遠隔操作指示を受け付けたか否かを判断する。操作部206が遠隔操作指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS101AでNO)、遠隔操作指示を受け付けたならば処理をステップS101Bに進める。例えば、予め定められた音声を認識することにより、遠隔操作指示を受け付ける。
次のステップS101Bにおいては、遠隔操作の対象となる装置を特定し、処理をステップS102に進める。例えば、表示部204に遠隔操作の対象となり得る装置のリストを表示し、ユーザーが操作部307を用いてリストから1つの装置を指定すれば、指定された装置を特定する。ここではMFP100が遠隔操作の対象となる装置として指定される場合を例に説明する。
ステップS102において、カメラ202による撮像が開始された後、ステップS103Aにおいては、接続要求をサーバー300に送信する。具体的には、無線LANI/F205を制御し、接続要求をサーバー300に送信する。接続要求は、ステップS101Bにおいて特定された装置、ここでは、MFP100を識別するための装置識別情報を含む。
ステップS108Aにおいては、遠隔操作コマンドをサーバー300に送信し、処理をステップS105に戻す。処理がステップS107から進む場合には、ステップS107において検出された操作に対応する遠隔操作コマンドを生成し、生成した遠隔操作コマンドを、無線LANI/F205を制御して、ステップS104において確立された通信経路を介してサーバー300に送信する。処理がステップS110から進む場合には、ステップS110において決定された操作に対応する遠隔操作コマンドを生成し、生成した遠隔操作コマンドを、無線LANI/F205を制御して、ステップS104において確立された通信経路を介してサーバー300に送信する。
<メイン基板の第2の変形例>
図23は、第2の実施の形態の変形例におけるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図23を参照して、第2の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aが、図18に示した第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aと異なる点は、サブCPU31において、遠隔制御部53が削除された点、操作依頼部81D、設定情報送信部83Dおよび実行指示受信部85Dが追加された点、復帰部55Aおよび設定部57Aが復帰部55Dおよび設定部57Dに変更された点である。転送部73は、図18に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
操作依頼部81Dは、サブCPU31が起動すると、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で通信経路を確立し、サーバー300に代理依頼を送信するとともに、設定情報送信部83に送信指示を出力する。設定情報送信部83Dは、送信指示が入力されることに応じて、通信I/F部160を制御して、サブRAM35に記憶されている設定情報をサーバー300に送信する。
実行指示受信部85Dは、図17に示した実行指示受信部85と同様に、通信I/F部160を制御して、サーバー300からサーバー実行指示を受信する。サーバー実行指示は、設定情報と、実行指示コマンドとを含む。実行指示受信部85は、サーバー実行指示を受信することに応じて、復帰部55Dにサーバー復帰指示および処理実行指示を出力し、設定部57Dにサーバー設定指示を出力する。サーバー設定指示は、サーバー実行指示に含まれる設定情報を含み、処理実行指示は、サーバー実行指示に含まれる実行指示コマンドで特定される処理の処理識別情報を含む。
設定部57Dは、実行指示受信部85からサーバー設定指示が入力される場合、サーバー設定指示に含まれる設定情報で、サブRAM35に記憶されている設定情報を更新する。
復帰部55Dは、実行指示受信部85からサーバー復帰指示が入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。具体的には、復帰部55Dは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、メインCPU21を起動する。復帰部55Dは、メインCPU21が起動した後に、実行指示コマンドをメインCPU21に出力した後に、停止する。具体的には、復帰部55Dは、サブCPU31に供給される電力を遮断させる。実行指示コマンドは、処理実行指示に含まれる処理識別情報で特定される処理の実行を指示するコマンドである。
メインCPU21が備える処理実行部59Aは、復帰部55Dから実行指示コマンドが入力されることに応じて、メインRAM23に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、実行指示コマンドで特定される処理を実行する。処理実行部59Aが実行する処理は、スキャン処理、画像形成処理、データ管理処理、データ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。
このように、第2の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25が駆動し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35が駆動する。このため、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35に電力を供給すればよい。このため、省電力モードにおける消費電力を小さくすることができる。
なお、第1の実施の形態の変形例と同様に、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える場合に、更新部71がメインRAM25に記憶されている設定情報をサブRAM35に記憶した後にメインCPU21の電源を遮断し、動作モードを省電力モードから駆動力モードに切り換える場合に、転送部73がサブRAM35に記憶されている設定情報をメインRAM25に記憶した後に、サブCPU31の電源を遮断するようにしてもよい。
第2の実施の形態の変形例において、メインCPU21は、図15に示したメイン遠隔制御処理を実行する。
図24は、第2の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。サブ遠隔制御処理は、第2の実施の形態の変形例におけるメイン基板110が備えるサブCPU31が、サブROM35、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第2の実施の形態の変形例における遠隔制御プログラムのうちサブ部分を実行することにより、サブCPU31により実行される処理である。図24を参照して、サブCPU31は、起動すると、設定情報を転送する(ステップS21A)。具体的には、メインRAM25に記憶されている設定情報を読出し、サブRAM35に記憶する。その後、メインRAM25に供給する電力を遮断する。
そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300に代理依頼を送信する(ステップS22)。そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で、通信経路を確立する(ステップS23)。次のステップS24においては、RAM15に記憶されている設定情報をサーバー300に送信し、処理をステップS25に進める。具体的には、通信I/F部160を制御して、ステップS23において確立された通信経路を介して、設定情報をサーバー300に送信する。
次のステップS25においては、サーバー300からサーバー実行指示を受信したか否かを判断する。通信I/F部160が、ステップS23において確立された通信経路を介してサーバー実行指示を受信するまで待機状態となり、サーバー実行指示を受信すると、処理をステップS26Aに進める。ステップS26Aにおいては、メインCPU21を起動し、処理をステップS27Aに進める。具体的には、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、メインCPU31をリセットする。次のステップS27Aにおいては、メインCPU21に実行指示コマンドを出力し、処理をステップS28Aに進める。ステップS28Aにおいては、停止し、処理を終了する。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、サブCPU31に供給される電力を遮断する。
第2の実施の形態におけるMFP100は、HMD200と通信しなくなると、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換え、設定情報をサーバー300に送信し、代理依頼する。
以上説明したように、第2の実施の形態におけるMFP100は、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換え、サーバー300に代理依頼を送信する。サーバー300は、MFP100から代理依頼を受信した後は、MFP100に代わって、HMD200から送信される遠隔操作コマンドを受信し、HMD200から受信される設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。サーバー300は、HMD200から実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドである実行指示コマンドが受信されるまで、HMD200から受信される設定指示コマンドに従って設定情報を設定し、実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信される場合に、MFP100に、変更された後の設定情報と遠隔操作コマンドとを含むサーバー実行指示を送信する。MFP100は、動作モードを省電力モードに切り換えた後は、サーバー300からサーバー実行指示を受信するまで省電力モードを維持し、サーバー実行指示を受信すると、動作モードを駆動モードに切り換え、サーバー実行指示に含まれる実行指示コマンドを、サーバー実行指示に含まれる設定情報に従って実行する。このため、MFP100がサーバー300に遠隔操作コマンドの受信を依頼した後は、サーバー実行指示を受信するまで動作モードを駆動モードに切り換えないので、MFP100の消費電力を低減することができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態における画像形成システム1は、第1の実施の形態におけるMFP100を、MFP100Aに変更したものである。
図25は、第3の実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図26は、第3の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。図25および図26を参照して、第3の実施の形態におけるMFP100Aが図3および図4に示した第1の実施の形態におけるMFP100と異なる点は、操作パネル115およびセンサー部117を備える点である。その他の構成は第1の実施の形態におけるMFP100と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
操作パネル115は、表示部118と、操作部119と、を含む。表示部118は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部119は、複数のハードキーと、タッチパネルと、を含む。タッチパネルは、表示部118の上面または下面に表示部に重畳して設けられたマルチタッチ対応のタッチパネルであり、表示部118の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
センサー部117は、MFP100が備える複数のセンサーを含み、複数のセンサーの出力を検出し、検出されたセンサー出力をメイン基板110に出力する。センサー部117は、給紙部150が有する複数の給紙トレイそれぞれの開閉を検出するセンサー、用紙の残量を検出する残量検出センサー、用紙の搬送経路を外部に露出するための前面扉の開閉を検出するセンサー、用紙の搬送経路中に設けられた用紙の詰まりを検出するジャムセンサー、用紙反転ユニット等の増設ユニットの接続を検出するセンサーを、自動原稿搬送装置120に原稿が存在することを検出するセンサー、前面扉140Aの開閉を検出するセンサー、を含む。
図27は、第3の実施の形態におけるMFPが備えるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図27を参照して、図6に示した第1の実施の形態におけるMFP100が備えるメイン基板110の構成と異なる点は、CPU11が有する機能において、操作検出部75が追加された点、スリープ移行部51、復帰部55、設定部57および処理実行部59がスリープ移行部51E、復帰部55E、設定部57Eおよび処理実行部59Eにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、図6に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
操作検出部75は、ユーザーによる操作を検出する。ユーザーによる操作は、操作パネル115に入力する操作の他、給紙部150を開閉して用紙の設定を変更する操作、用紙反転ユニット等の増設ユニットを取り付ける操作、自動原稿搬送装置120に原稿を載置する操作、前面扉を開閉する操作を含む。操作検出部75が検出する操作は、構成変更操作と、処理実行条件設定操作と、を含む。構成変更操作は、MFP100を構成するハードウェア資源を定める設定情報を設定する操作である。処理実行条件設定操作は、構成変更操作以外の操作であり、MFP100が実行可能な処理を定める設定情報を設定する操作である。
操作検出部75は、操作パネル115が備える操作部119にユーザーが入力する操作を検出する。具体的には、操作検出部75は、操作部119の複数のハードキーを押下する操作、またはタッチパネルにタッチする操作を検出する。また、操作検出部75は、センサー部117が備えるセンサーによる検出に基づいて、ユーザーによる操作を検出する。例えば、センサー部117が備えるセンサーが、給紙部150が備える複数の給紙トレイが開となったことを検出すると、ユーザーが給紙トレイを開く操作を検出する。また、センサー部117が備えるセンサーが、自動原稿搬送装置120の原稿トレイに原稿を検出すると、ユーザーが原稿トレイに原稿を載置する操作を検出する。操作検出部75は、ユーザーによる操作を検出すると、操作検出信号を、復帰部55Eに出力する。
操作検出部75は、設定情報を設定する設定操作と、表示部118に表示された操作画面を別の操作画面に切り換えを指示する画面遷移操作と、機能の実行を指示する実行指示操作と、を検出する。操作検出部75は、表示部118に操作画面が表示された状態で、操作画面中の位置がユーザーにより指示されると、操作画面中で指示された位置に基づいて、操作を検出する。具体的には、操作検出部75は、操作画面中で指示される位置が、操作画面に含まれる遷移ボタン内ならば画面遷移操作を検出する。操作画面中で指示された位置が、設定値を設定するコマンドが割り当てられた領域内ならば設定操作を検出する。操作画面中で指示された位置が、実行コマンドが割り当てられたボタンの領域内ならば実行指示操作を検出する。また、操作部119が備える複数のハードキーのうちスタートキーが押下されると、実行指示操作を検出する。
操作検出部75は、設定操作を検出する場合、設定指示を設定部57Eに出力する。設定指示は、設定操作により特定される設定項目と設定情報とを含む。操作検出部75は、実行指示操作を検出する場合、実行指示を処理実行部59Eに出力する。実行指示は、実行指示操作で特定される処理を識別するための処理識別情報を含む。操作検出部75は、画面遷移操作を検出する場合、画面遷移操作で特定される操作画面を表示部118に表示する。
設定部57Eは、遠隔操作受信部61から設定指示コマンドが入力される場合、設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。設定部57Eは、設定指示コマンドにより定まる設定項目に設定指示コマンドにより定まる設定情報を設定する。具体的には、RAM13に記憶されている設定情報のうち、設定コマンドにより定まる設定項目の設定情報を、設定コマンドにより定まる設定情報で更新する。
設定部57Eは、操作検出部75から設定指示が入力される場合、設定指示に従って設定情報を設定する。設定部57Eは、設定指示に含まれる設定項目に設定指示に含まれる設定情報を設定する。具体的には、RAM13に記憶されている設定情報のうち、設定指示により定まる設定項目の設定情報を、設定指示により定まる設定情報で更新する。
処理実行部59Eは、動作モードが駆動モードに切り換えられている状態で、操作検出部75から実行指示が入力されることに応じて、実行指示に含まれる処理識別情報で特定される処理を、設定部57Eにより設定された設定情報に従って、実行する。具体的には、処理実行部59Eは、RAM13に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、処理を実行する。処理実行部59Bが実行する処理は、自動原稿搬送装置120および原稿読取部130を制御して、原稿を読み取るスキャン処理、画像形成部140および給紙部150を制御して用紙に画像を形成する画像形成処理、HDD113を制御して、データをHDD113に書き込む処理およびHDD113に記憶されたデータを読み出す処理を含むデータ管理処理、通信I/F部160を制御してデータを送信するデータ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。
スリープ移行部51Eは、スリープ移行条件が成立すると、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える。スリープ移行条件は、例えば、操作検出部75が所定時間継続して操作を受け付けない場合である。スリープ移行部51Bは、動作モードを省電力モードに切り換える場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。スリープ移行部51Bは、通信I/F部160、ファクシミリ部170および近距離通信部180は、動作モードが省電力モードであっても電力の供給を継続する。
復帰部55Eは、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合、操作検出部75から操作検出信号が入力されることに応じて、遠隔制御部53がHMD200との間で通信経路を確立していないことを条件に、動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換える。具体的には、復帰部55Eは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。復帰部55Bは、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合であって、遠隔制御部53がHMD200との間で通信経路を確立している場合は、操作検出部75から操作検出信号が入力されても動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換えない。
復帰部55Eは、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合であって、遠隔制御部53がHMD200との間で通信経路を確立している場合は、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力される場合がある。復帰部55Eは、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。
処理実行部59Eは、動作モードが駆動モードに切り換えられている状態で、操作検出部75から実行指示が入力されることに応じて、実行指示により定まる処理を、設定部57Eにより設定された設定情報に従って、実行する。具体的には、処理実行部59Eは、RAM13に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、処理を実行する。処理実行部59Eが実行する処理は、スキャン処理、画像形成処理、データ管理処理、データ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。スリープ移行部51Eによって動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、操作検出部75から実行指示が入力される場合、復帰部55Eによって動作モードが駆動モードに切り換えられないので、処理実行部59Eは、処理を実行しない。
また、スリープ移行部51Eによって動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、遠隔操作受信部61から実行指示が入力される場合、復帰部55Eによって動作モードが駆動モードに切り換えられるので、処理実行部59Eは、実行指示により定まる処理を実行する。動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、遠隔操作受信部61から実行指示が入力される場合、復帰部55Eによって動作モードが駆動モードに切り換えられるので、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113を制御する処理を実行することができる。
第3の実施の形態におけるHMD200のハードウェア構成は、図2に示したハードウェア構成と基本的に同じである。第3の実施の形態におけるHMD200の機能は、図7に示した機能と基本的に同じであるが、遠隔操作部251が、MFP100から受信される遠隔操作画面を、MFP100の表示部118の表示面と重なる位置で、表示部204に表示する点で異なる。遠隔操作部251が、MFP100から遠隔操作画面を、MFP100の表示部118の表示面と重なる位置で、表示部204に表示することにより、MFP100の表示部118には何も表示されていないにも拘らず、ユーザーには、MFP100の表示部118に遠隔操作画面が表示されているように見える。ユーザーは、MFP100の表示部118に表示されているように見える遠隔操作画面に従って、MFP100の表示部118に遠隔操作画面が表示されている場合と同様の操作をすることができる。この場合、操作検出部255は、カメラ202で撮像して得られる画像からユーザーの指の画像を抽出し、遠隔操作画面の何れの位置をユーザーが指示したかを検出することにより、ユーザーによる操作を検出する。また、カメラ202で撮像して得られる画像は、操作部119の画像を含むので、操作検出部255は、操作部119が有する複数のキーのうちいずれのキーをユーザーが指示したかを、カメラ202で撮像して得られる画像から検出する。
なお、第3の実施の形態におけるHMD200が備えるCPU201が実行する遠隔操作処理は、図13に示した遠隔操作処理と同じである。従って、ここでは説明を繰り返さない。
図28および図29は、第3の実施の形態における遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3の実施の形態における遠隔制御処理は、第3の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU11が、ROM12、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第3の実施の形態における遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。図28および図29を参照して、図12に示した第1の実施の形態における遠隔制御処理と異なる点は、ステップS01より前にステップS31〜ステップS34が追加された点、ステップS02がステップS02Aに変更さえた点、ステップS35およびステップS36がステップS02Aの後に追加された点、ステップS14の後にステップS37が追加された点である。その他の処理は、図12に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
第3の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU11は、初期画面を表示部118に表示する(ステップS31)。次のステップS32においては、操作部119またはセンサー部117が、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に進める。ステップS33においては、受け付けられた操作に従って処理を実行し、処理をステップS32に戻す。
ステップS34においては、スリープ条件が成立したか否かを判断する。ここでは、ステップS32において、ユーザーによる操作が所定時間受け付けられていない場合に、スリープ条件が成立したと判断する。スリープ条件が成立したならば処理をステップS01に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に戻す。
ステップS01において、動作モードを省電力モードに切り換えた後、ステップS02Aにおいて、接続要求を受信したか否かを判断する。接続要求を受信したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS35に進める。
ステップS35においては、ステップS32と同様に、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS36に進めるが、そうでなければ処理をステップS02Aに戻す。ステップS36においては、動作モードを駆動モードに切り換え、処理をステップS32に戻す。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。
ステップS14においては、ステップS03において確立した通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS02Aに戻すが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS37においては、ステップS32と同様に、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS06に戻し、そうでなくても処理をステップS06に戻す。
<メイン基板の第3の変形例>
図30は、第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図30を参照して、第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、図14に示した第1の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aと異なる点は、メインCPU21が、メイン復帰部55F、メイン操作検出部75Fおよびメイン設定部57Fを備える点、スリープ移行部51Aおよび処理実行部59Aがスリープ移行部51Fおよび処理実行部59Fにそれぞれ変更された点、サブCPU31において、サブ操作検出部77が追加された点、復帰部55Aおよび設定部57Aがサブ復帰部55Gおよびサブ設定部57Gにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、図14に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
メイン操作検出部75Fは、図27に示した操作検出部75と同様に、操作パネル115が備える操作部119に入力する操作を検出する。また、メイン操作検出部75Fは、センサー部117が備えるセンサーによる検出に基づいて、ユーザーによる操作を検出する。また、メイン操作検出部75Fは、設定操作を検出する場合、設定指示をメイン設定部57Fに出力し、実行指示操作を検出する場合、実行指示を処理実行部59Fに出力し、画面遷移操作を検出する場合、画面遷移操作で特定される操作画面を表示部118に表示する。
メイン設定部57Fは、メイン操作検出部75Fから設定指示が入力される場合、設定指示に従って設定情報を設定する。メイン設定部57Fは、設定指示に含まれる設定項目に設定指示に含まれる設定情報を設定する。具体的には、メインRAM25に記憶されている設定情報のうち、設定指示により定まる設定項目の設定情報を、設定指示により定まる設定情報で更新する。
処理実行部59Fは、メイン操作検出部75Fから実行指示が入力されることに応じて、実行指示に含まれる処理識別情報で特定される処理を、メインRAM25に記憶された設定情報に従って、実行する。具体的には、処理実行部59Fは、メインRAM25に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、処理を実行する。処理実行部59Fが実行する処理は、スキャン処理、画像形成処理、データ管理処理、データ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。
サブ操作検出部77は、図27に示した操作検出部75と同様に、操作パネル115が備える操作部119に入力する操作を検出する。また、サブ操作検出部77は、センサー部117が備えるセンサーによる検出に基づいて、ユーザーによる操作を検出する。また、サブ操作検出部77は、操作を検出する場合、サブ復帰部55Iに操作検出信号を出力する。
サブ設定部57Gは、遠隔操作受信部61から設定指示コマンドが入力される場合、設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。サブ設定部57Gは、設定指示コマンドにより定まる設定項目に設定指示コマンドにより定まる設定情報を設定する。具体的には、サブ設定部57Gは、サブRAM35に記憶されている設定情報のうち、設定コマンドにより定まる設定項目の設定情報を、設定コマンドにより定まる設定情報で更新する。
サブ復帰部55Gは、遠隔制御部53がHMD200との間で通信経路を確立している間に、遠隔操作受信部61から実行指示コマンドが入力される場合がある。サブ復帰部55Gは、遠隔操作受信部61から実行指示が入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。また、サブ復帰部55Gは、サブ操作検出部77から操作検出信号が入力される場合、遠隔制御部53がHMD200との間で通信経路を確立していないことを条件に、動作モードを駆動モードに切り換える。サブ復帰部55Gは、サブ操作検出部77から操作検出信号が入力される場合、遠隔制御部53がHMD200との間で通信経路を確立している場合は、動作モードを駆動モードに切り換えない。
サブ復帰部55Gは、動作モードを駆動モードに切り換える場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、メインCPU21を起動する。サブ復帰部55Gは、メインCPU21が起動した後、実行指示コマンドをメインCPU21に出力した後に、停止する。具体的には、サブ復帰部55Gは、サブCPU53に供給される電力を遮断させる。
このように、第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25が駆動し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35が駆動する。このため、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35に電力を供給すればよい。このため、省電力モードにおける消費電力を小さくすることができる。
図31は、第3の実施の形態の変形例におけるメイン遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3の実施の形態の変形例におけるメイン遠隔制御処理は、第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aが備えるメインCPU21が、メインROM25、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第3の実施の形態の変形例における遠隔制御プログラムのうちメイン部分を実行することにより、メインCPU21により実行される処理である。
図31を参照して、メインCPU21は、起動すると設定情報を更新し(ステップS61)、処理をステップS31に進める。具体的には、サブRAM35に記憶されている設定情報を読出し、メインRAM25に記憶する。その後、サブRAM35に供給する電力を遮断する。
ステップS31〜ステップS34の処理は、図29に示したステップS31〜ステップS34の処理と同様である。ステップS34において、スリープ条件が成立したと判断する場合、ステップS64において、サブCPU31を起動し、処理をステップS65に進める。具体的には、サブCPU31およびサブRAM35に電力を供給し、サブCPU31をリセットする。ステップS65においては、停止し、処理を終了する。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給される電力を遮断するとともに、メインCPU21に供給される電力を遮断する。
図32は、第3の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理は、第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aが備えるサブCPU31が、サブROM35、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第3の実施の形態の変形例における遠隔制御プログラムのうちサブ部分を実行することにより、サブCPU31により実行される処理である。
図32を参照して、図16に示した第3の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理と異なる点は、ステップS02が、ステップS02A、ステップS35、ステップS36AおよびステップS36Bに変更された点、ステップS14の後にステップS37が追加された点である。その他の処理は、図16に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。サブCPU31は、起動すると、設定情報を転送し(ステップS01A)、処理をステップS02Aに進める。ステップS02Aにおいては、接続要求を受信したか否かを判断する。接続要求を受信したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS35に進める。
ステップS35においては、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS36Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS02Aに戻す。ステップS36Aにおいては、メインCPUを駆動し、処理をステップS36Bに進める。具体的には、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、メインCPU31をリセットする。ステップS36Bにおいては、停止し、処理を終了する。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、サブCPU31に供給される電力を遮断する。
ステップS14においては、ステップS03において確立した通信経路が切断されたか否かを判断する。通信経路が切断されたならば処理をステップS02Aに戻すが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS37においては、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS06に戻し、そうでなくても処理をステップS06に戻す。
する設定情報送信手段と、動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、操作検出手段により操作が検出される場合、動作モードを駆動モードに切り換える復帰手段と、を備え、遠隔操作装置は、被写体を撮像した画像を出力する撮像手段と、出力される画像に基づいて、ユーザーによる操作を決定する操作決定手段と、操作決定手段により決定された操作に対応する遠隔操作コマンドをサーバーに送信する操作送信手段と、を備え、サーバーは、画像形成装置から設定情報を受信した後、画像形成装置に代わって遠隔操作装置が送信する遠隔操作コマンドを代理して受信し、遠隔操作装置から受信される遠隔操作コマンドに従って、画像形成装置から受信された設定情報を変更する代替設定手段と、遠隔操作装置から受信される遠隔操作コマンドが処理の実行を指示する実装指示操作に対応する場合、変更された後の設定情報と実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドとを、画像形成装置に送信する実行指示手段と、を備え、画像形成装置は、さらに、サーバーから設定情報と実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドとを受信することに応じて、受信された設定情報に従って処理を実行する処理実行手段を、備え、復帰手段は、サーバーが代理している間は、操作検出手段により操作が検出される場合であっても動作モードを駆動モードに切り換えない。
以上説明したように第3の実施の形態におけるMFP100Aは、スリープ条件の成立により動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換え、操作部119が操作を受け付ける場合、または、センサー部117が備える複数のセンサーが給紙トレイの開閉を検出する場合等してユーザーによる操作を検出する場合、HMD200によって遠隔操作されている場合は、動作モードを駆動モードに切り換えず、HMD200から受信される設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。MFP100Aは、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換えている場合は、HMD200から実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドである実行指示コマンドが受信されるまで、省電力モードの動作モードを維持し、実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信される場合に、動作モードを駆動モードに切り換える。このため、MFP100AがHMD200によって遠隔操作されている間は、操作部119が操作を受け付ける場合、または、センサー部117が備える複数のセンサーが給紙トレイの開閉を検出する場合等してユーザーによる操作を検出する場合であっても動作モードを駆動モードに切り換えることなく、HMD200により遠隔操作されて設定情報を設定することができる。その結果、MFP100Aの消費電力を低減することができる。
また、MFP100Aは、操作部119が受け付け可能な操作の1つである処理実行条件設定操作が検出されることに応じて、処理を実行するために用いられる設定情報を設定し、HMD200は、カメラ202が出力する画像データを解析して、処理実行条件設定操作を決定する。このため、HMD200が、MFP100Aを撮像した画像に基づいて、処理実行条件設定操作を決定するので、MFP100Aが動作モードを省電力モードに切り換えている間に、駆動モードに動作モードが切り換えられている間に設定される設定情報と同じ設定情報を設定することができる。
また、MFP100Aは、操作部119が受け付け可能な操作の1つである構成変更操作が検出されることに応じて、ハードウェア資源の構成を定める設定情報を設定し、HMD200は、カメラ202が出力する画像データを解析して、構成変更操作を決定する。このため、HMD200が、MFP100Aを撮像した画像に基づいて、構成変更操作を決定するので、MFP100Aが動作モードを省電力モードに切り換えている間に、駆動モードに動作モードが切り換えられている間に設定される設定情報と同じ設定情報を設定することができる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態における画像形成システム1は、第3の実施の形態におけるMFP100Aの機能の一部を、サーバー300が有するようにしたものである。第4の実施の形態におけるHMD200のハードウェア構成および機能は、図2に示したハードウェア構成および図19に示した機能と同じである。さらに、第4の実施の形態におけるHMD200が実行する遠隔操作処理は、図22に示した第2の実施の形態における遠隔操作処理と同じである。また、第4の実施の形態におけるMFPの外観およびハードウェア構成は、図25および図26に示した第3の実施の形態におけるMFPの概観およびハードウェア構成と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
図33は、第4の実施の形態におけるMFPが備えるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図33を参照して、図27に示した第3の実施の形態におけるMFP100Aが備えるメイン基板110の構成と異なる点は、CPU11が有する機能において、遠隔制御部53、スリープ移行部51E、復帰部55E、設定部57Eおよび処理実行部59Eが、遠隔制御部53H、スリープ移行部51H、復帰部55H、設定部57Hおよび処理実行部59Hにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、図27に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
図33を参照して、スリープ移行部51Hは、スリープ移行条件が成立すると、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換えるとともに、遠隔制御部53Hに依頼指示を出力する。スリープ移行部51Hは、動作モードを省電力モードに切り換える場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。スリープ移行部51Hは、通信I/F部160、ファクシミリ部170および近距離通信部180は、動作モードが省電力モードであっても電力の供給を継続する。
遠隔制御部53Hは、操作依頼部81Hと、設定情報送信部83と、実行指示受信部85と、を含む。操作依頼部81Hは、スリープ移行部51Hから依頼指示が入力されることに応じて、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で通信経路を確立し、サーバー300に代理依頼を送信するとともに、設定情報送信部83に送信指示を出力する。
操作依頼部81Hは、サーバー300との間で通信経路を確立すると、サーバー300から接続通知を受信する場合がある。サーバー300の機能の詳細は後述するが、サーバー300は、MFP100に代わって、HMD200による遠隔操作を受け付ける。サーバー300は、MFP100に代わって、HMD200による遠隔操作を受け付けている間、MFP100に接続通知を送信する。サーバー300は、MFP100に代わって、HMD200による遠隔操作を受け付けていない間は、MFP100に接続通知を送信しない。操作依頼部81Hは、サーバー300から接続通知を受信している間は、復帰部55Hに禁止信号を出力する。
設定情報送信部83は、送信指示が入力されることに応じて、通信I/F部160を制御して、RAM13に記憶されている設定情報をサーバー300に送信する。
実行指示受信部85は、操作依頼部81Hがサーバー300に代理依頼を送信した後に、通信I/F部160を制御して、サーバー300からサーバー実行指示を受信する。サーバー実行指示は、設定情報と、実行指示コマンドとを含む。実行指示受信部85は、サーバー実行指示を受信することに応じて、復帰部55Hにサーバー復帰指示を出力し、設定部57Hにサーバー設定指示を出力し、処理実行部59Hに処理実行指示を出力する。サーバー設定指示は、サーバー実行指示に含まれる設定情報を含み、処理実行指示は、実行指示コマンドで特定される処理の処理識別情報を含む。
設定部57Hは、実行指示受信部85からサーバー設定指示が入力される場合、サーバー設定指示に含まれる設定情報を設定する。具体的には、設定部57Hは、RAM13に記憶されている設定情報のうち、サーバー設定指示に含まれる設定情報に対応する設定項目の設定情報を、サーバー設定指示に含まれる設定情報で更新する。
設定部57Hは、操作検出部75から設定指示が入力される場合、設定指示に従って設定情報を設定する。設定部57Hは、RAM13に記憶されている設定情報のうち、設定指示により定まる設定項目の設定情報を、設定指示により定まる設定情報で更新する。
処理実行部59Hは、操作検出部75から処理実行指示が入力されることに応じて、処理実行指示に含まれる処理識別情報で特定される処理を、RAM13に記憶された設定情報に従って、実行する。処理実行部59Hが実行する処理は、スキャン処理、画像形成処理、データ管理処理、データ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。
復帰部55Hは、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合、操作検出部75から操作検出信号が入力されることに応じて、操作依頼部81Hから禁止信号が入力されていないことを条件に、動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換える。具体的には、復帰部55Hは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。復帰部55Hは、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合であって、操作依頼部81Hから禁止信号が入力されている場合は、操作検出部75から操作検出信号が入力されても動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換えない。操作依頼部81Hから禁止信号が入力されている期間は、サーバー300が、HMD200によるMFP100の遠隔操作を代理している期間である。
復帰部55Hは、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合であって、操作依頼部81Hから禁止信号が入力されている場合は、実行指示受信部85からサーバー復帰指示が入力される場合がある。復帰部55Hは、実行指示受信部85からサーバー復帰指示が入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。
処理実行部59Hは、動作モードが駆動モードに切り換えられている状態で、操作検出部75から実行指示が入力されることに応じて、実行指示により定まる処理を、設定部57Hにより設定された設定情報に従って、実行する。具体的には、処理実行部59Hは、RAM13に記憶された設定情報を読出し、読み出した設定情報に従って、処理を実行する。処理実行部59Hが実行する処理は、スキャン処理、画像形成処理、データ管理処理、データ送信処理、または、これらの処理の2以上を組み合わせた処理を含む。スリープ移行部51Hによって動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、操作検出部75から実行指示が入力される場合、復帰部55Eによって動作モードが駆動モードに切り換えられないので、処理実行部59Hは、処理を実行しない。
また、スリープ移行部51Hによって動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、遠隔操作受信部61から実行指示が入力される場合、復帰部55Hによって動作モードが駆動モードに切り換えられるので、処理実行部59Hは、実行指示により定まる処理を実行する。動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、遠隔操作受信部61から実行指示が入力される場合、復帰部55Hによって動作モードが駆動モードに切り換えられるので、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113を制御する処理を実行することができる。
図34は、第4の実施の形態におけるサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図34を参照して、第4の実施の形態におけるサーバー300が備えるCPU301の機能は、図18に示した第2の実施の形態におけるサーバー300が備えるCPU301の機能と異なる点は、接続通知部359が追加された点である。その他の機能は、図18に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
接続通知部359は、接続部357によってHMD200との間の通信経路が確立されている間、MFP100に接続通知を送信する。接続通知部359は、接続部357によってHMD200との間で確立された通信経路が切断されると、MFP100にそれまで送信していた接続通知の送信を終了する。
第4の実施の形態におけるHMD200が備えるCPU201の機能は、図18に示した第2の実施の形態におけるHMD200が備えるCPU201の機能と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
図35は、第4の実施の形態における遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第4の実施の形態における遠隔制御処理は、第4の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU11が、ROM12、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第4の実施の形態における遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU11により実行される処理である。図35を参照して、CPU11は、初期画面を表示部118に表示する(ステップS41)。次のステップS42においては、操作部119またはセンサー部117が、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS43に進めるが、そうでなければ処理をステップS44に進める。ステップS43においては、受け付けられた操作に従って処理を実行し、処理をステップS42に戻す。
ステップS44においては、スリープ条件が成立したか否かを判断する。ここでは、ステップS42において、ユーザーによる操作が所定時間受け付けられていない場合に、スリープ条件が成立したと判断する。スリープ条件が成立したならば処理をステップS45に進めるが、そうでなければ処理をステップS42に戻す。
ステップS45においては、動作モードを省電力モードに切り換える。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300に代理依頼を送信する(ステップS46)。そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で、通信経路を確立する(ステップS47)。次のステップS48においては、RAM15に記憶されている設定情報をサーバー300に送信し、処理をステップS49に進める。具体的には、通信I/F部160を制御して、ステップS47において確立された通信経路を介して、設定情報をサーバー300に送信する。
次のステップS49においては、サーバー300からサーバー実行指示を受信したか否かを判断する。通信I/F部160が、ステップS47において確立された通信経路を介してサーバー実行指示を受信すると、処理をステップS50に進めるが、そうでなければ処理をステップS53に進める。ステップS50においては、動作モードを駆動モードに切り換える。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。
次のステップS51においては、設定情報を更新する。具体的には、RAM15に記憶されている設定情報を、ステップS49において受信されたサーバー実行指示に含まれる設定情報で書き換える。次のステップS52においては、ステップS49において受信されたサーバー実行指示に含まれる実行指示コマンドで特定される処理を、RAM15に記憶された設定情報に従って実行し、処理をステップS41に戻す。
一方、ステップS53においては、ステップS42と同様に、操作を検出したか否かを判断する。操作を検出したならば処理をステップS54に進めるが、そうでなければ処理をステップS49に戻す。ステップS54においては、通信I/F部160が、ステップS47において確立された通信経路を介してサーバー300から禁止信号を受信中か否かを判断する。禁止信号を受信中ならば処理をステップS49に戻すが、そうでなければ処理をステップS55に進める。ステップS55においては、動作モードを駆動モードに切り換え、処理をステップS41に戻す。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給する。
図36は、第4の実施の形態における代理処理の流れの一例を示すフローチャートである。第4の実施の形態における代理処理は、第4の実施の形態におけるサーバー300が備えるCPU301が、ROM302、HDD304またはCD−ROM309に記憶された第4の実施の形態における代理プログラムを実行することにより、CPU301により実行される処理である。図36を参照して、図21に示した第2の実施の形態における代理処理と異なる点は、ステップS206AおよびステップS215Aが追加された点である。その他の処理は、図21に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
CPU301は、ステップS206において、HMD200との間で通信回線を確立すると、MFP100に禁止信号の送信を開始する。具体的には、通信部305を制御して、ステップS202にいてMFP100との間で確立された通信経路を介して、禁止信号を送信する。禁止信号は、所定時間間隔で送信する。
CPU301は、ステップS215において、HMD200との間で確立された通信回線が切断されると、MFP100に送信していた禁止信号の送信を終了し、処理をステップS205に戻す。
<メイン基板の第4の変形例>
図37は、第4の実施の形態の変形例におけるメイン基板の構成の一例を示すブロック図である。図37を参照して、第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、図30に示した第3の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aと異なる点は、サブCPU31において、遠隔制御部53、サブ復帰部55Gおよびサブ設定部57Gが、遠隔制御部53I、サブ復帰部55Iおよびサブ設定部57Iにそれぞれ変更された点である。その他の機能は、図30に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
遠隔制御部53Iは、操作依頼部81Iと、設定情報送信部83Iと、実行指示受信部85Iと、を含む。操作依頼部81Iは、サブCPU31が起動すると、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で通信経路を確立し、サーバー300に代理依頼を送信するとともに、設定情報送信部83Iに送信指示を出力する。
操作依頼部81Iは、サーバー300との間で通信経路を確立すると、サーバー300から接続通知を受信する場合がある。操作依頼部81Hは、サーバー300から接続通知を受信している間は、サブ復帰部55Iに禁止信号を出力する。
設定情報送信部83Iは、送信指示が入力されることに応じて、通信I/F部160を制御して、サブRAM35に記憶されている設定情報をサーバー300に送信する。
実行指示受信部85Iは、操作依頼部81Iがサーバー300に代理依頼を送信した後に、通信I/F部160を制御して、サーバー300からサーバー実行指示を受信する。サーバー実行指示は、設定情報と、実行指示コマンドとを含む。実行指示受信部85Iは、サーバー実行指示を受信することに応じて、サブ復帰部55Iに処理実行指示を出力し、サブ設定部57Iにサーバー設定指示を出力する。サーバー設定指示は、サーバー実行指示に含まれる設定情報を含み、処理実行指示は、遠隔制御コマンドで特定される処理の処理識別情報を含む。
サブ設定部57Iは、実行指示受信部85Iからサーバー設定指示が入力される場合、サーバー設定指示に含まれる設定情報を設定する。具体的には、サブ設定部57Iは、サブRAM35に記憶されている設定情報のうち、サーバー設定指示に含まれる設定情報に対応する設定項目の設定情報を、サーバー設定指示に含まれる設定情報で更新する。
サブ復帰部55Iは、実行指示受信部85Iから処理実行指示が入力されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。また、サブ復帰部55Gは、サブ操作検出部77から操作検出信号が入力される場合、操作依頼部81Iから禁止信号が入力されていないことを条件に、動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換える。サブ復帰部55Iは、サブ操作検出部77から操作検出信号が入力される場合、操作依頼部81Iから禁止信号が入力されている場合は、動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換える。操作依頼部81Iから禁止信号が入力されている期間は、サーバー300が、HMD200によるMFP100の遠隔操作を代理している期間である。
サブ復帰部55Iは、動作モードを駆動モードに切り換える場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、メインCPU21を起動する。サブ復帰部55Iは、メインCPU21が起動した後、処理実行指示に対応する実行指示コマンドをメインCPU21に出力した後に、停止する。具体的には、サブ復帰部55Gは、サブCPU53に供給される電力を遮断させる。
このように、第4の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aは、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25が駆動し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35が駆動する。このため、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、動作モードが省電力モードの場合に、サブCPU31およびサブRAM35に電力を供給すればよい。このため、省電力モードにおける消費電力を小さくすることができる。
第3の実施の形態の変形例におけるメイン遠隔制御処理は、図31に示した第3の実施の形態の変形例におけるメイン制御処理と同じである。
図38は、第4の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第4の実施の形態の変形例におけるサブ遠隔制御処理は、第4の実施の形態の変形例におけるメイン基板110Aが備えるサブCPU31が、サブROM35、HDD113またはCD−ROM190Aに記憶された第4の実施の形態の変形例における遠隔制御プログラムのうちサブ部分を実行することにより、サブCPU31により実行される処理である。
図38を参照して、サブCPU31は、起動すると、設定情報を転送し(ステップS71)、処理をステップS72に進める。具体的には、メインRAM25に記憶されている設定情報を読出し、サブRAM35に記憶する。その後、メインRAM25に供給する電力を遮断する。
次のステップS72においては、通信I/F部160を制御して、サーバー300に代理依頼を送信する。そして、通信I/F部160を制御して、サーバー300との間で、通信経路を確立する(ステップS73)。次のステップS74においては、サブRAM35に記憶されている設定情報をサーバー300に送信し、処理をステップS75進める。具体的には、通信I/F部160を制御して、ステップS73において確立された通信経路を介して、設定情報をサーバー300に送信する。
次のステップS75においては、サーバー300からサーバー実行指示を受信したか否かを判断する。通信I/F部160が、ステップS73において確立された通信経路を介してサーバー実行指示を受信すると、処理をステップS76に進めるが、そうでなければ処理をステップS79に進める。ステップS76においては、メインCPU21を起動し、処理をステップS77に進める。具体的には、メインCPU21およびメインRAM25に電力を供給し、メインCPU31をリセットする。次のステップS77においては、メインCPU21に実行指示コマンドを出力し、処理をステップS78に進める。ステップS78においては、停止し、処理を終了する。具体的には、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に電力を供給するとともに、サブCPU31に供給される電力を遮断する。
一方、ステップS79においては、操作部119またはセンサー部117が、ユーザーによる操作を受け付けたか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS80に進めるが、そうでなければ処理をステップS75に戻す。ステップS80においては、通信I/F部160が、ステップS73において確立された通信経路を介してサーバー300から禁止信号を受信中か否かを判断する。禁止信号を受信中ならば処理をステップS75に戻すが、そうでなければ処理をステップS81に進める。ステップS81においては、ステップS76と同様に、メインCPU21を起動し、処理をステップS78に進める。
以上説明したように、第4の実施の形態におけるMFP100Aは、スリープ条件の成立により動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換え、サーバー300に代理依頼を送信して、HMD200から遠隔操作コマンドの受信を依頼し、サーバー300がMFP100Aを代理してHMD200から遠隔操作コマンドの受信している間は禁止信号をサーバー300から受信し、禁止信号を受信している間は、操作部119が操作を受け付ける場合、または、センサー部117が備える複数のセンサーが給紙トレイの開閉を検出する場合等してユーザーによる操作を検出する場合、動作モードを駆動モードに切り換えない。
サーバー300は、MFP100Aから代理依頼を受信した後は、MFP100Aに代わって、HMD200から送信される遠隔操作コマンドを受信し、HMD200から受信される設定指示コマンドに従って設定情報を設定する。サーバー300は、HMD200から実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドである実行指示コマンドが受信されるまで、HMD200から受信される設定指示コマンドに従って設定情報を設定し、実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドである実行指示コマンドが受信される場合に、MFP100Aに、変更された後の設定情報と遠隔操作コマンドとを含むサーバー実行指示を送信する。
MFP100Aは、動作モードを省電力モードに切り換えた後は、サーバー300から禁止信号を受信している間は、サーバー300からサーバー実行指示を受信するまで省電力モードを維持し、サーバー実行指示を受信すると、動作モードを駆動モードに切り換え、サーバー実行指示に含まれる実行指示コマンドを、サーバー実行指示に含まれる設定情報に従って実行する。
このため、MFP100Aがサーバー300に遠隔操作コマンドの受信を依頼し、かつ、サーバー300がMFP100Aを代理してHMD200から遠隔操作コマンドの受信している間は、操作部119が操作を受け付ける場合、または、センサー部117が備える複数のセンサーが給紙トレイの開閉を検出する場合等してユーザーによる操作を検出する場合であっても動作モードを駆動モードに切り換えない。その結果、MFP100Aの消費電力を低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記画像形成装置は、前記遠隔操作装置によって遠隔操作されている場合、前記遠隔操作装置に設定画面を送信する設定画面送信手段と、
前記遠隔操作装置から遠隔操作を受信する遠隔操作受信手段と、を備え、
前記遠隔操作装置は、前記受信された設定画面を、前記撮像手段により出力される画像中に含まれる前記操作受付手段の画像を基準に定まる位置に表示する表示制御手段を、さらに備え、
前記操作決定手段は、前記表示された設定画面と前記撮像手段により出力される画像中のユーザーの指の位置とに基づいて、前記遠隔操作を決定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成システム。
(2) 遠隔操作装置と、前記遠隔操作装置によって遠隔操作される画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
動作モードが駆動モードおよび駆動モードよりも消費電力の少ない省電力モードのいずれの場合であっても前記遠隔操作装置と通信可能な通信手段と、
駆動モードで駆動状態となり、省電力モードで駆動状態よりも消費電力の少ないスリープ状態となるメイン制御手段と、
前記メイン制御手段の作業領域として用いられるメイン記憶手段と、
動作モードが省電力モードで駆動し、前記メイン制御手段よりも消費電力の少ないサブ制御手段と、
前記サブ制御手段の作業領域として用いられ、前記メイン記憶手段よりも消費電力の少ないサブ記憶手段と、を含み、
前記メイン制御手段は、
動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換えるスリープ移行手段と、
前記遠隔操作装置から受信される遠隔操作コマンドが実行指示操作に対応する場合、前記メイン記憶手段に記憶された設定情報に従って処理を実行する処理実行手段と、を含み、
前記遠隔操作装置は、
被写体を撮像した画像を出力する撮像手段と、
前記出力される画像に基づいて、ユーザーによる操作を決定する操作決定手段と、
前記操作決定手段により決定された操作に対応する遠隔操作コマンドを送信する遠隔操作手段と、を備え、
前記サブ制御手段は、前記遠隔操作装置によって遠隔操作されている状態で、前記遠隔操作装置から受信される遠隔操作コマンドに従って前記サブ記憶手段に記憶された設定情報を変更する設定手段と、
前記実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信されるまで、省電力モードの動作モードを維持し、前記実行指示操作に対応する遠隔操作コマンドが受信されることに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える復帰手段と、を含み、
前記サブ制御手段およびメイン制御手段のいずれか一方は、
動作モードが駆動モードから省電力モードに切り換えられる場合、前記メイン制御手段に記憶されている設定情報を前記サブ記憶手段に記憶する転送手段と、
動作モードが省電力モードから駆動モードに切り換えられる場合、前記サブ記憶手段により記憶された変更後の設定情報で、前記メイン記憶手段に記憶されている前記設定情報を更新する更新手段と、を含む、画像形成装置。
(3) 遠隔操作装置と、前記遠隔操作装置によって遠隔操作される画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
動作モードが駆動モードおよび駆動モードよりも消費電力の少ない省電力モードのいずれの場合であっても前記遠隔操作装置と通信可能な通信手段と、
ユーザーによる操作を検出する操作検出手段と、
駆動モードで駆動状態となり、省電力モードで駆動状態よりも消費電力の少ないスリープ状態となるメイン制御手段と、
前記メイン制御手段の作業領域として用いられるメイン記憶手段と、
動作モードが省電力モードで駆動し、前記メイン制御手段よりも消費電力の少ないサブ制御手段と、
前記サブ制御手段の作業領域として用いられ、前記メイン記憶手段よりも消費電力の少ないサブ記憶手段と、を備え、
前記遠隔操作装置は、
被写体を撮像した画像を出力する撮像手段と、
前記出力される画像に基づいて、ユーザーによる操作を決定する操作決定手段と、
前記操作決定手段により決定された操作に対応する遠隔操作コマンドを送信する操作送信手段と、を備え、
前記メイン制御手段は、所定のスリープ条件の成立により動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換えるスリープ移行手段と、
前記検出される操作に従って前記メイン記憶手段に記憶された設定情報を設定するメイン設定手段と、を含み、
前記サブ制御手段は、
前記遠隔操作装置から受信された遠隔操作コマンドに従って前記サブ記憶手段に記憶された設定情報を変更するサブ設定手段と、
動作モードが省電力モードに切り換えられている状態で、前記操作検出手段により操作が検出される場合、動作モードを駆動モードに切り換える復帰手段と、を備え、
前記サブ制御手段およびメイン制御手段のいずれか一方は、
動作モードが駆動モードから省電力モードに切り換えられる場合、前記メイン制御手段に記憶されている設定情報を前記サブ記憶手段に記憶する転送手段と、
動作モードが省電力モードから駆動モードに切り換えられる場合、前記サブ記憶手段により記憶された変更後の設定情報で、前記メイン記憶手段に記憶されている前記設定情報を更新する更新手段を、含み、
前記復帰手段は、前記遠隔操作装置によって遠隔操作されている間は、前記操作検出手段により操作が検出される場合であっても動作モードを駆動モードに切り換えない、画像形成システム。