以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における連携システムの全体概要の一例を示す図である。図1を参照して、連携システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、スマートフォン200A,200B,200Cと、を含む。ここでは、3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが、それぞれスマートフォン200A,200B,200Cを携帯し、MFP100を同時に操作する場合を例にしている。
なお、ここでは、3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが、MFP100を同時に操作する場合を例に説明するが、ユーザーの数を限定するものではなく、一人以上がMFP100を操作してもよい。
MFP100は、情報処理装置の一例であり、表示部161と、タッチパネル165と、原稿を読み取る原稿読取部130と、データに基づいて用紙等に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置である。表示部161は、MFP100本体の上面に設けられる。タッチパネル165は、表示部161に上面または下面に重畳して設けられ、表示部161の表示面中で物体が接触した位置を検出する。タッチパネル165は、マルチタッチ対応のタッチパネルである。このため、表示部161の表示面の複数個所で一度に物体が接触する場合、タッチパネル165は、物体が接触した複数の位置を検出可能である。ここでの物体は、ユーザーの指の他、スマートフォン200A,200B,200Cを含む。
なお、タッチパネル165は、1つであってもよいし、複数を組み合わせてもよい。タッチパネル165が、複数のタッチパネルの組み合わせとする場合、例えば、表示部161の表示面を複数の領域に分割し、複数のタッチパネルを複数の領域それぞれに対応付けるようにすればよい。タッチパネル165は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
3人のユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれが、MFP100の周辺に位置する。MFP100は、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCが参加する会議に用いることができる。ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれはMFP100の周辺に位置するので、表示部161の表示面の全体を視認可能な状態である。このため、会議のために準備されたデータを、MFP100に予め記憶しておくなどしておけば、そのデータを表示部161に表示させることにより、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCに同じデータを同時に見せることができる。また、MFP100のタッチパネル165は、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCがMFP100を操作するための入力装置として用いられる。例えば、MFP100に文書を編集するアプリケーションプログラムがインストールされている場合には、タッチパネル165をキーボードとして用いて、MFP100に文書を作成させるようにしてもよい。
スマートフォン200A,200B,200Cは、携帯装置の一例であり、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCによりそれぞれ携帯されて使用される。ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCは、スマートフォン200A,200B,200Cを表示部161の表示面上に置いている。このため、スマートフォン200A,200B,200Cは、表示部161の表示面で、ユーザーA,ユーザーBおよびユーザーCそれぞれが位置する方向の辺の近傍に配置されている。この場合、タッチパネル165がスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれを検出するので、MFP100は、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの位置を検出することができる。
MFP100およびスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、近距離無線通信機能を有し、相手の装置が所定の範囲内となる場合に互いに1対1で通信可能である。また、MFP100およびスマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、無線LAN機能を有し、ネットワークに接続された無線基地局と通信可能である。無線基地局は、ネットワークの中継装置であり、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cと通信して、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれをネットワークに接続する。このため、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、無線基地局と通信することにより、ネットワークを介して互いに通信可能である。ネットワークは、さらに、インターネットに接続されてもよい。この場合、MFP100、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、インターネットに接続されたコンピューターと通信可能である。ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワークは、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。
本実施の形態における連携システム1において、スマートフォン200A,200B,200Cのいずれかと、MFP100とは連携して連携処理を実行可能である。例えば、スマートフォン200AとMFP100とは、近距離通信機能または無線LAN機能を用いて通信し、互いに連携して連携処理を実行する。連携処理は、一連の複数の処理を定める。連携処理により定められる一連の複数の処理は、MFP100で実行される装置側処理と、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理とを含む。例えば、携帯側処理を、データを選択する処理とし、装置側処理を、画像を形成する処理とする連携処理が、MFP100とスマートフォン200Aとで実行される場合、スマートフォン200Aを操作するユーザーAにより選択されたスマートフォン200Aに記憶されたデータの画像を、MFP100を操作するユーザーAにより設定された画像形成条件に従ってMFP100が用紙に形成する処理である。また、装置側処理を、データを選択する処理とし、携帯側処理を、データを送信する処理とする場合、MFP100とスマートフォン200Aとで実行される連携処理は、MFP100を操作するユーザーAにより選択されたMFP100に記憶されたデータを、スマートフォン200Aを操作するユーザーAにより設定された送信条件に従ってスマートフォン200Aが送信する処理である。送信条件は、例えば、スマートフォン200Aに記憶されたアドレス帳により宛先および送信方法がユーザーにより選択されることにより決定される。
なお、ユーザーが携帯する携帯装置の一例として、スマートフォン200A,200B,200Cを例に説明するが、ユーザーが携帯可能な装置であれば、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
図2は、第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、表示部161と、タッチパネル165と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM118が装着される外部記憶装置117と、近距離通信部119と、を含む。CPU111は、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、表示部161およびタッチパネル165と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、無線基地局およびネットワークを介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
近距離通信部119は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、スマートフォン200A,200B,200Cと無線により通信する。近距離通信部119は、例えば、スマートフォン200Aとの間の距離が通信可能な距離以下となると、スマートフォン200Aと通信する。近距離通信部119が通信可能な距離は、数mである。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの基本的なハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは、スマートフォン200Aを例に説明する。
図3は、第1の実施の形態におけるスマートフォンのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、本実施の形態におけるスマートフォン200Aは、スマートフォン200Aの全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、通話部205と接続された無線通信部204と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作を受け付ける操作部207と、無線LANI/F208と、近距離通信部209と、GPS受信部210と、外部記憶装置211と、を含む。
表示部206は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、メインキー207Aと、タッチパネル207Bとを備える。また、ユーザーが、表示部206の表示面を指示する場合、操作部207は、タッチパネル207Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル207Bによる検出された位置に基づいて、表示部206に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部206に表示されている画面と、タッチパネル207Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部206にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル207Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。
無線通信部204は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部204は、スマートフォン200Aを電話通信網に接続し、通話部205を用いた通話を可能とする。無線通信部204は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部205に出力する。また、無線通信部204は、通話部205から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部205は、マイクおよびスピーカーを備え、無線通信部204から入力される音声をスピーカーから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部204に出力する。さらに、無線通信部204は、CPU201により制御され、スマートフォン200Aを電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
無線LANI/F208は、ネットワークに接続された無線局と通信し、スマートフォン200Aをネットワークに接続するためのインターフェースである。スマートフォン200Aに、MFP100のIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、スマートフォン200Aは、MFP100と通信することができ、データの送受信が可能となる。
近距離通信部209は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP等に基づき、他の装置、例えば、MFP100と無線により通信を行う。近距離通信部209は、例えば、MFP100との間の距離が通信可能な距離以下となると、MFP100と通信する。近距離通信部209が通信可能な距離は、数mである。
GPS受信部210は、GPS(Global Positioning System)衛星から発信される信号を受信し、受信された信号に基づいて現在位置を検出する。現在位置は、例えば緯度および経度である。GPS受信部210は、検出された現在位置をCPU201に出力する。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。
外部記憶装置211は、スマートフォン200Aに着脱自在であり、遠隔操作プログラムを記憶したCD−ROM211Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置211を介してCD−ROM211Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置211に装着されたCD−ROM211Aに記録された遠隔操作プログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行することが可能である。
なお、CPU201が実行するプログラムとして、フラッシュメモリ203またはCD−ROM210Aに記録されたプログラムについて説明したが、ネットワークに接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、スマートフォン200Aが、ネットワークに接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM211Aに限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
図4は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図4を参照して、MFP100が備えるCPU111は、装置側設定部31と、装置側実行部33と、連携モード切換部35と、操作領域決定部37と、ユーザー管理部39と、装置検出部41と、経路確立部43と、解除通知部45と、維持通知部46と、維持部47と、復帰部49と、継続状態検出部51と、を含む。
連携モード切換部35は、動作モードを、単独モードと連携モードとのいずれかに切り換える。第1の実施の形態においては、複数のユーザーが同時にMFP100を操作するので、連携モード切換部35は、動作モードを、スマートフォン200A,200B,200Cごとに切り換える。例えば、連携モード切換部35は、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aに対して、動作モードを、スマートフォン200Aと連携して動作する連携モードと、スマートフォン200Aと連携することなく単独で動作する単独モードとのいずれかに切り換える。以下、連携モード切換部35が連携モードに切り換える対象となる装置を連携装置という。
連携モード切換部35は、連携開始条件が成立すると連携装置を登録する連携設定部53と、連携終了条件が成立すると連携装置の登録を取り消す解除部54と、相対位置検出部55と、連携再開条件が成立すると連携装置を再登録する再開部56と、を含む。連携モード切換部35は、連携設定部53により連携装置が登録される場合、連携装置の動作モードを連携モードに切り換え、連携装置の連携装置情報と連携モードを示す動作モード情報とを、装置側実行部33、操作領域決定部37、および継続状態検出部51に出力する。連携モード切換部35は、解除部54により連携装置の登録が取り消される場合、連携装置の動作モードを単独モードに切り換え、連携装置の連携装置情報と単独モードを示す動作モード情報とを、装置側実行部33、操作領域決定部37に出力する。連携モード切換部35は、再開部56により連携装置が再登録される場合、連携装置の動作モードを連携モードに切り換え、連携装置の連携装置情報と連携モードを示す動作モード情報とを、装置側実行部33、操作領域決定部37、および継続状態検出部51に出力する。
連携設定部71は、連携開始条件が成立すると連携装置を登録する。連携開始条件は、スマートフォン200A,200B,200Cのいずれかが表示部161の表示面上に載置され、その載置された装置との間で通信経路を確立する場合に成立する。以下、ユーザーAがスマートフォン200Aを表示部161の表示面上に載置する場合を例に説明する。
装置検出部41は、タッチパネル165を制御して、表示部161の表示面にスマートフォン200A,200B,200Cのいずれかの装置が置かれたことを検出する。表示部161の表示面にスマートフォン200A,200B,200Cのいずれかの装置、例えば、スマートフォン200Aが置かれる場合、タッチパネル165は、表示部161の表示面中で、スマートフォン200Aが置かれた位置を検出する。スマートフォン200Aが表示部161の表示面と接触する面積は、ユーザーの指の面積より大きいので、ユーザーの指の面積の上限をしきい値として予め定めておき、タッチパネル165が物体の接触を検出する領域の面積がしきい値以上の場合に、スマートフォン200Aが置かれたと判断する。装置検出部41は、タッチパネル165が物体の接触を検出する面積がしきい値以上の場合に、連携モード切換部35に装置検出信号を出力する。装置検出信号は、タッチパネル165が検出した物体が接触した位置を示す位置情報を含む。
装置検出部41は、装置検出信号を出力した後に、タッチパネル165が物体の接触を検出しなくなる場合、連携モード切換部35に離脱信号を出力する。離脱信号は、タッチパネル165が検出していた物体が接触した位置を示す位置情報を含む。
連携設定部53は、装置検出部41から装置検出信号が入力されることに応じて、近距離通信部119を制御して、周辺に存在する装置を探索するための探索コマンドを送信させる。スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれは、探索コマンドを受信する場合、自装置を識別するための装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。装置識別情報は、ネットワークにおいて割り当てられたネットワークアドレスを用いることができる。ネットワークアドレスは、例えば、IPアドレス(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスである。スマートフォン200Aは、表示部161の表示面に置かれる場合、探索コマンドを受信するので、応答コマンドを返信することになる。ここでは、スマートフォン200Aが表示部161の表示面に載置されるので、スマートフォン200Aが応答コマンドを返信する。装置検出部41は、スマートフォン200Aが返信する応答コマンドを受信することにより、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであることを検出する。連携設定部53は、スマートフォン200Aを検出する場合、スマートフォン200Aを接触装置として登録する。具体的には、連携設定部53は、スマートフォン200Aの装置識別情報と、そのスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置情報との組からなる接触装置情報を、RAM114に記憶するとともに、経路確立部43に経路確立指示を出力する。経路確立指示は、表示部161の表示面に載置された装置、ここでは、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む。
ここで、連携設定部53は、装置検出部41から装置検出信号が入力されることに応じて、近距離通信部119を制御して探索コマンドを送信させる場合、スマートフォン200Aから受信する応答コマンドとは別に、スマートフォン200B,200Cから応答コマンドを受信する場合がある。この場合、連携設定部53は、複数の応答コマンドのうちから、後述する除外装置情報に含まれる装置識別情報で特定される装置から受信される応答コマンドを処理対象から除外する。さらに、連携設定部53は、処理対象となる応答コマンドのうち、それを送信してきた装置の装置識別情報がRAM114に記憶された接触装置情報のいずれにも含まれない応答コマンドを処理対象に決定する。連携設定部53は、処理対象に決定した応答コマンドが1つの場合、その応答コマンドを送信してきた装置がタッチパネル165により検出される位置に置かれたと判断する。
連携設定部53が処理対象に決定する応答コマンドが複数の場合がある。例えば、別のユーザーBが、スマートフォン200Bを表示部161の表示面に置くことなく、携帯したままMFP100の近くにいる場合である。この場合、連携設定部53は、表示部161を制御して、タッチパネル165により検出された位置の近傍に、複数の応答コマンドにそれぞれを送信してきた複数の装置それぞれの装置識別情報を選択可能な問い合わせ画面を表示する。スマートフォン200Aを携帯するユーザーが、問い合わせ画面に従って、スマートフォン200Aの装置識別情報を選択すれば、連携設定部53は、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであると判断し、スマートフォン200Aの装置識別情報と、そのスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置情報との組からなる接触装置情報を、RAM114に記憶するとともに、選択されなかった装置識別情報を、除外装置情報としてRAM114に記憶する。
なお、連携設定部53は、接触装置情報をRAM114に記憶する前に、ユーザーを認証するようにしてもよい。例えば、MFP100を使用することが認められたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーに割り当てられた装置の装置識別情報とを関連付けた認証情報を予めHDD115に記憶しておき、処理対象に決定した応答コマンドを送信してきた装置の装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されている場合、処理対象に決定した応答コマンドを送信してきた装置に対応する接触装置情報をRAM114に記憶する。また、装置検出部41は、処理対象に決定した応答コマンドを送信してきた装置の装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されていない場合、接触装置情報をRAM114に記憶することなく、処理対象に決定した応答コマンドを送信してきた装置の装置識別情報を、除外装置情報としてRAM114に記憶する。これにより、MFP100に予め登録されたユーザーのみがMFP100を使用可能にすることができる。
経路確立部43は、連携設定部53から経路確立指示が入力されることに応じて、通信I/F部112を制御して、経路確立指示に含まれる装置識別情報で特定される装置とネゴシエーションし、通信経路を確立する。例えば、スマートフォン200Aが表示部161の表示面にユーザーAにより置かれる場合、連携設定部53から入力される経路確立指示はスマートフォン200Aの装置識別情報を含むので、経路確立部43は、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立する。経路確立部43は、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立すると、スマートフォン200Aの装置識別情報と、通信経路を識別するための経路識別情報とを含む経路情報をRAM114に記憶するとともに、経路情報を連携モード切換部35および解除通知部45に出力する。経路確立部43は、確立した通信経路が切断される場合、切断された経路識別情報を含む経路情報をRAM114から消去するとともに、その経路識別情報を含む切断信号を連携モード切換部35に出力する。通信経路が切断される場合は、例えば、スマートフォン200Aが通信経路を切断する場合を含む。
連携設定部53は、経路確立部43に経路確立指示を出力した後に、経路確立部43から経路確立指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報と経路識別情報とが入力される場合、経路確立指示に含まれる装置識別情報で特定される装置を連携装置に登録する。連携設定部53は、連携装置を登録する場合、連携装置の装置識別情報および連携装置の表示部161の表示面中の位置を示す位置情報と、連携装置との間で確立された通信経路の経路識別情報とを含む連携装置情報をRAM114に記憶する。ここでは、連携設定部53が、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む経路確立指示を出力した後に、経路確立部43において通信経路が確立される場合、連携設定部53は、スマートフォン200Aに対する連携開始条件が成立したと判断し、スマートフォン200Aを連携装置に登録する。
なお、近距離通信部119がNFCの通信方式で通信する場合、ユーザーAがスマートフォン200Aを、近距離通信部119のアンテナに近づけた後に、表示部161の表示面上に置くようにしてもよい。この場合、連携設定部53は、通信I/F部112、近距離通信部119およびタッチパネル165を制御して、近距離通信部119がスマートフォン200Aを検出し、通信I/F部112が通信経路を確立した後、所定時間以内にタッチパネル165でスマートフォン200Aが置かれた位置を検出する。
解除部54は、連携終了条件が成立すると連携装置の登録を消去する。連携終了条件は、表示部161の表示面から連携装置が離れる場合に成立する条件を含む。解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合、連携終了条件が成立したと判断し、離脱信号に含まれる装置識別情報で特定される装置を連携装置の登録を取り消す。解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力されることに応じて、RAM114に記憶された連携装置情報のうち離脱信号に含まれる装置識別情報を含む連携装置情報を消去する。
連携終了条件は、ユーザーにより入力される所定の操作を受け付ける場合に成立する条件を含む。解除部54は、後述する装置側設定部31から連携終了指示が入力される場合がある。連携終了指示の詳細は後述するが、例えば、ユーザーAが連携処理の終了を指示する場合に装置側設定部31から出力され、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部54は、装置側設定部31から連携終了指示が入力される場合、RAM114に記憶された連携装置情報のうち連携終了指示に含まれる装置識別情報を含む連携装置情報を消去する。
解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合に、継続状態検出部51から継続状態であることを示す継続信号が入力されていなければ、解除通知部45に連携解除指示を出力する。連携解除指示は、離脱信号に含まれる装置識別情報を含む。解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合に、継続状態検出部51から継続状態であることを示す継続信号が入力されていれば、維持指示を維持部47および再開部56に出力する。継続指示は、スマートフォン200A,200B,200Cいずれかの装置識別情報を含む。具体的には、解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される時点で、離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が継続状態検出部51から入力されていれば、維持指示を維持部47、再開部56および維持通知部46に出力する。
解除通知部45は、連携解除指示が入力されることに応じて、経路確立部43から入力される装置識別情報と経路識別情報との組を参照して、連携解除指示に含まれる装置識別情報と組になる経路識別情報を特定し、特定された経路識別情報を介して、連携処理の終了を、スマートフォン200Aに通知する。これにより、ユーザーAは、MFP100と、スマートフォン200Aとの連携を終了させることができ、連携が終了したことをスマートフォン200Aで確認することができる。
維持通知部46は、維持指示が入力されることに応じて、経路確立部43から入力される装置識別情報と経路識別情報との組を参照して、維持指示に含まれる装置識別情報と組になる経路識別情報を特定し、特定された経路識別情報を介して、連携処理が維持されたことを、スマートフォン200Aに通知する。これにより、ユーザーAは、MFP100と、スマートフォン200Aとの連携が終了したが連携が維持したことをスマートフォン200Aで確認することができる。
再開部56は、解除部54から維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報に対して連携再開条件が成立する場合、復帰部49に復帰指示を出力する。復帰指示は、維持指示に含まれる装置識別情報を含む。再開部56は、復帰部49に復帰指示を出力した後に、復帰部49から復帰完了信号が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報で特定される装置を連携装置に登録する。具体的には、再開部56は、連携装置の装置識別情報と、連携装置との間で確立された通信経路の経路識別情報とを含む連携装置情報をRAM114に記憶する。なお、連携装置情報は、連携装置が表示部161の表示面に置かれていない場合には、位置情報を含まない。
連携再開条件は、連携開始条件と異なる条件である。連携再開条件は、維持指示に含まれる装置識別情報で特定される装置と自装置であるMFP100とが第1の相対位置から第2の相対位置に変化する条件を含む。再開部56は、解除部54から維持指示が入力されることに応じて、維持指示に含まれる装置識別情報を相対位置検出部55に出力する。相対位置検出部55は、再開部56から入力される装置識別情報で特定される装置と自装置との相対位置を検出し、検出された相対位置を再開部56に出力する。再開部56は、相対位置検出部55により第1の相対位置が検出された後に相対位置検出部55により第2の相対位置が検出される場合に、連携再開条件が成立したと判断する。ここでは、解除部54から再開部56に入力される維持指示に含まれる装置識別情報がスマートフォン200Aの装置識別情報の場合を例に説明する。
<相対位置検出部の第1の具体例>
スマートフォン200Aは、GPS受信部210がGPS衛星からの受信する電波に基づいて現在位置を検出する。相対位置検出部68は、スマートフォン200Aの現在位置をスマートフォン200Aから取得し、再開部56に出力する。相対位置検出部55は、スマートフォン200Aの現在位置と、MFP100Aが配置される位置とからスマートフォン200AとMFP100Aとの間の距離を、相対位置として決定し、決定された相対位置を再開部56に出力する。
再開部56は、スマートフォン200Aとの間の距離が所定のしきい値Tより大きい第1の相対位置からしきい値T以下の第2の相対位置に変化すると連携再開条件が成立したと判断する。再開部56は、スマートフォン200Aとの第1の相対位置を検出してから経路確立部43から切断信号が入力された後に、スマートフォン200Aとの第2の相対位置を検出する場合、連携再開条件が成立したと判断する。
なお、再開部56は、第1の相対位置から第1の相対位置におけるスマートフォン200Aまでの距離より短い距離の第2の相対位置に変化する場合に連携再開条件が成立すると判断するようにしてもよい。
<相対位置検出部の第2の具体例>
MFP100が、通信I/F部112とは別に人体を媒体として通信する人体通信部を有する場合、経路確立部43は人体通信部を制御して、スマートフォン200Aと通信するようにしてもよい。人体通信部は、ユーザーが人体通信部のアンテナと接触するとスマートフォン200Aと通信可能になる。ユーザーAが人体通信部のアンテナと接触しなくなると、人体通信部はスマートフォン200Aと通信できなくなる。相対位置検出部55は、人体通信部が、解除部54から入力される維持指示に含まれる装置識別情報で特定されるスマートフォン200Aと通信不可能な場合は、スマートフォン200Aは人体通信部のアンテナが敷設された範囲に存在せず、人体通信部がスマートフォン200Aと通信可能な場合は、スマートフォン200Aは人体通信部のアンテナが敷設された範囲に存在する。相対位置検出部55は、人体通信部がスマートフォン200Aと通信不可能な場合にスマートフォン200Aとの第1の相対位置を検出し、人体通信部がスマートフォン200Aと通信可能な場合にスマートフォン200Aとの第2の相対位置を検出する。
<相対位置検出部の第3の具体例>
ユーザーの入退室を管理する入退室管理システムにおいて管理されるユーザーAの位置を用いてスマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。この場合、MFP100Aは、入退室管理システムにより管理される作業室に設置され、複数のユーザーそれぞれは、固有のICタグを携帯している。
入退室管理システムは、ICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報が記憶されたメモリと、ICタグを読み取るためのタグ読取部とを有する。ユーザーは、作業室への入室時に、入退室管理システムのタグ読取部に自己のICタグを近接または接触させる。タグ読取部は、近接または接触されたICタグを読み取ることにより、ユーザーの入室を検出するとともに、ICタグの所有者を識別するためのユーザー識別情報を特定する。また、ユーザーは、作業室からの退室時に、入退室管理システムのタグ読取部に自己のICタグを近接または接触させる。タグ読取部は、近接または接触されたICタグを読み取ることにより、ユーザーの退室を検出する。
相対位置検出部55は、入退室管理システムから作業室の位置と、その作業室に入室したユーザーのユーザー識別情報とを取得する。相対位置検出部55は、入退室管理システムから作業室の位置と、その作業室から退出したユーザーのユーザー識別情報とを取得する。相対位置検出部55は、入退室管理システムから取得される作業室の位置とユーザー識別情報との組に基づいて、MFP100が配置される作業室に存在するユーザーを特定し、特定されたユーザーが携帯するスマートフォンを検出する。
相対位置検出部55は、例えば、MFP100Aが作業室Aに配置されている場合、入退室管理システムから作業室Aの位置とその作業室に入室したユーザーとしてユーザーAのユーザー識別情報とが取得されることに応じて、MFP100とユーザーAが携帯するスマートフォン200Aとの第2の相対位置を検出する。相対位置検出部55は、入退室管理システムから作業室Aの位置とその作業室から退出したユーザーとしてユーザーAのユーザー識別情報とが取得されることに応じて、MFP100とユーザーAが携帯するスマートフォン200Aとの第1の相対位置を検出する。換言すれば、相対位置検出部68は、MFP100が設置された作業室Aにスマートフォン200Aが存在しない第1の相対位置と、作業室Aにスマートフォン200Aが存在する第2の相対位置とを検出する。
<相対位置検出部の第4の具体例>
MFP100が、MFP100の周囲に存在するユーザーAを画像認証する機能を設けるようにして、認証結果を用いてスマートフォン200Aを検出するようにしてもよい。MFP100がMFP100の周辺を画角に含むカメラを備え、ユーザーAがカメラの画角に進入した時点で、カメラがユーザーAを被写体として撮像して出力する画像に基づいて、ユーザーAを認証する。
相対位置検出部55は、スマートフォン200Aを携帯するユーザーAの認証をしない場合、MFP100が備えるカメラの撮像範囲にスマートフォン200Aが存在しない第1の相対位置を検出し、ユーザーAの認証に成功する場合、MFP100が備えるカメラの撮像範囲にスマートフォン200Aが存在する第2の相対位置を検出する。
<相対位置検出部の第5の具体例>
近距離通信部119は、通信可能な距離が予め定められている。相対位置検出部55は、近距離通信部119がスマートフォン200Aと通信不可能な場合に、MFP100から近距離通信部119が通信可能な範囲外にスマートフォン200Aが存在する第1の相対位置を検出する。相対位置検出部55は、近距離通信部119がスマートフォン200Aと通信可能な場合に、MFP100から近距離通信部119が通信可能な範囲内にスマートフォン200Aが存在する第2の相対位置を検出する。
また、連携再開条件は、ユーザーにより入力される所定の操作を受け付ける場合に成立する条件を含む。再開部56は、解除部54から維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報、例えば、スマートフォン200Aが、スマートフォン200Aを操作するユーザーAによる再開を指示する操作を受け付ける場合に、連携再開条件が成立すると判断するようにしてもよい。スマートフォン200Aが備える表示部206に再開を指示する操作が割り当てられたボタンを表示し、操作部207がそのボタンを指示する操作を受け付ける場合に、連携再開条件が成立したと判断する。この場合には、スマートフォン200Aから再開を指示する操作を受け付けたことをMFP100に通知するようにし、再開部56は、スマートフォン200Aからその通知がされることにより連携再開条件が成立したと判断する。なお、ユーザーAがスマートフォン200Aに入力する操作は、再開を指示する操作が割り当てられたボタンの押下に限られず、スマートフォン200Aで検出することができる操作であれば、例えば、スマートフォン200Aを手に持って振る操作であってもよいし、表示部206の表示面をタップする操作であってもよい。
操作領域決定部37は、連携モード切換部35から連携装置の連携装置情報と連携モードを示す動作モード情報が入力されることに応じて、表示部161の表示面中で操作領域を決定する。具体的には、操作領域決定部37は、連携装置情報に含まれる位置情報で特定される位置から所定の範囲内の領域を、連携装置情報に含まれる装置識別情報に対応する操作領域に決定する。ここでは、表示部161の表示面が矩形なので、表示面を対角線で4等分した4つの領域のうちで、連携装置情報に含まれる位置情報で特定される位置を含む領域を操作領域に決定する。操作領域決定部37は、操作領域を決定する場合、連携装置の装置識別情報と操作領域を識別するための領域識別情報とを含む操作領域情報をRAM114に記憶する。また、操作領域決定部37は、操作領域情報をRAM114に記憶する場合、操作領域情報を維持部47に出力するとともに、操作領域情報を含む登録指示をユーザー管理部39に出力する。
操作領域決定部37は、連携モード切換部35から連携装置の連携装置情報と単独モードを示す動作モード情報とが入力される場合、連携装置情報に含まれる装置識別情報で特定される連携装置に関連付けられた操作領域を開放する。具体的には、操作領域決定部37は、連携モード切換部35から連携装置情報と単独モードの動作モード情報とが入力されることに応じて、RAM114に記憶された操作領域情報のうち連携装置情報に含まれる装置識別情報を含む操作領域情報を消去するとともに、その操作領域情報を含む削除指示をユーザー管理部39に出力する。
ユーザー管理部39は、MFP100を使用するユーザーを管理する。ユーザー管理部39は、操作領域決定部37から登録指示が入力されることに応じて、登録指示に含まれる装置識別情報に基づいて、装置識別情報で特定される連携装置を使用するユーザーを特定する。ユーザーと、そのユーザーに割り当てられた装置とを予め関連付けたテーブルを準備しておけばよい。ユーザー管理部39は、特定したユーザーと操作領域とを関連付ける。具体的には、特定したユーザーのユーザー識別情報と、操作領域決定部37から入力される領域識別情報とを含むユーザー情報をRAM114に記憶するとともに、装置側設定部31に出力する。
ユーザー管理部39は、操作領域決定部37から削除指示が入力されることに応じて、削除指示に含まれる装置識別情報に基づいて、ユーザーを特定し、特定したユーザーに関連付けられた操作領域を開放する。具体的には、ユーザー管理部39は、特定したユーザーのユーザー識別情報を含むユーザー情報をRAM114から消去する。
表示部161の表示面の4つの領域のうち、ユーザー管理部39によって、いずれのユーザーにも割り当てられていない未使用の領域が存在する場合がある。ユーザー管理部39は、未使用の領域中を指示する操作がタッチパネル165により検出される場合、ログイン画面を表示部161のみ設定領域に表示し、ユーザーがタッチパネル165に入力する認証情報が真正であれば、ユーザーを特定し、認証する。ユーザー管理部39は、ユーザーを認証する場合、認証したユーザーと操作領域とを関連付ける。具体的には、特定したユーザーのユーザー識別情報と、ユーザーが指示した未使用の領域を識別するための領域識別情報とを含むユーザー情報を、RAM114に記憶するとともに、装置側設定部31に出力する。
また、ユーザー管理部39は、認証したユーザーにより入力されるログアウト操作を検出する場合、認証したユーザーに関連付けられた操作領域を開放する。具体的には、ユーザー管理部39は、認証したユーザーのユーザー識別情報を含むユーザー情報および操作領域情報をRAM114から消去する。
装置側実行部33は、複数種類の処理を実行可能である。装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理は、原稿読取処理、画像形成処理、データ送受信処理、ファクシミリ送受信処理およびデータ管理処理を含む。装置側実行部33が実行可能な処理は、原稿読取処理、画像形成処理、データ送受信処理、ファクシミリ送受信処理およびデータ管理処理の少なくとも2つを組み合わせた処理を含む。なお、装置側実行部33が実行可能な処理は、これらに限定されることなく、より少なくてもよいし、より多くの種類の処理を含んでもよい。
原稿読取処理は、原稿読取部130で原稿を読み取って得られる画像データをRAM114に記憶する処理である。原稿読取処理を実行するために用いられる設定値は、原稿の読み取り面、原稿がカラーまたはモノクロの別、読取解像度、画質、濃度、スタンプまたはページ印字の有無、読み取った画像の周辺を削除する枠消し、先鋭化などの画像処理の有無、RAM114に記憶する画像データのファイル形式および名称、原稿のサイズ、原稿の枚数、原稿の種類を含む。原稿の種類は、サイズの異なる原稿の有無、複数ページが形成されていることを示すブック原稿を含む。
画像形成処理は、データの画像を画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に画像形成させる処理である。画像形成処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、カラーおよびモノクロの別、用紙サイズ、用紙の種類、印刷部数、給紙トレイの指定、後処理の有無、画像を形成する面(片面または両面)、原稿の向き等を含む。後処理の有無は、ソート、ステープル、パンチの有無等を含む。
データ送受信処理は、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターからデータを受信する処理、または、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータを通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピューターに送信する処理である。データ送受信処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、データの解像度、カラーおよびモノクロの別、ファイル形式を含む。
ファクシミリ送受信処理は、ファクシミリデータの画像をファクシミリ部116に送信させる処理、または、ファクシミリデータの画像を外部から受信する処理である。ファクシミリ送受信処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、ファクミリ回線の設定、送信する時刻を指定する設定値、パスワード、Fコードを含む。
データ管理処理は、HDD115または外部記憶装置117にデータ、を記憶する処理、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータを変更または削除する処理、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータのうちから1以上を処理対象に選択する処理である。データを変更する処理は、データを編集する処理、フォーマットを変更する処理を含む。データ管理処理を実行するために用いられる設定値は、例えば、HDD115にフォルダを作成する際のフォルダ名、フォルダに設定されているパスワード、データを検索するための検索文字列、フォルダのタイプ、文書削除時間等である。
装置側設定部31は、ユーザーがタッチパネル165に入力する操作に基づいて、装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理のうち1以上と、1以上の処理を実行するために用いる設定値と、を設定する。装置側設定部31は、ユーザー管理部39からユーザー情報が入力される。ユーザー情報は、ユーザーと操作領域とを関連付ける情報であり、ユーザー識別情報と領域識別情報とを含む。
装置側設定部31は、タッチパネル165がユーザーによる指示を受け付ける場合、ユーザー情報を参照して、受け付けられた操作の主体を決定する。具体的には、装置側設定部31は、タッチパネル165により検出された位置を含む操作領域を特定し、ユーザー情報を参照して、特定された操作領域に関連付けられたユーザーを特定する。装置側設定部31は、タッチパネル165により受け付けられた操作を、特定されたユーザーによる装置として受け付ける。また、装置側設定部31は、ユーザーによる操作に基づいて操作画面を表示する場合、ユーザー情報を参照して、そのユーザーに割り当てられた操作領域に、操作画面を表示する。操作画面は、装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理のいずれかを選択するための画面と、選択された処理を実行するために用いられる設定値を設定するための画面と、を含む。ここでは、ユーザーAがタッチパネル165に操作を入力する場合を例に説明する。
装置側設定部31は、ユーザーがタッチパネル165に入力する操作に従って、装置側実行部33が実行する処理と、装置側実行部33が処理を実行するための設定値を設定し、設定された処理を識別するための処理識別情報と設定値と、操作領域の領域識別情報と、を装置側実行部33、維持部47および継続状態検出部51に出力する。
装置側実行部33は、連携モード切換部35から装置識別情報と動作モード信号とが入力される。動作モード信号は、連動モードと単独モードとのいずれかを示す。装置側実行部33は、単独モードで処理を実行する装置単独実行部65と、連携モードで処理を実行する装置側連携処理実行部67と、を含む。装置単独実行部65および装置側連携処理実行部67は、装置側実行部33が実行可能な複数種類の処理を実行可能である。以下、装置単独実行部65が実行する処理を、装置単独処理といい、装置側連携処理実行部67が実行する処理を装置側処理という。
装置側実行部33は、装置側設定部31から処理識別情報と設定値と領域識別情報とが入力され、連携モード切換部35から連携装置情報と動作モード信号とが入力される。装置側実行部33は、装置側設定部31から入力される領域識別情報と、連携モード切換部35から入力される連携装置情報とから、動作モードを決定する。連携モード切換部35から入力される連携装置情報のうちから装置側設定部31から入力される領域識別情報を含む連携装置情報を決定し、決定した連携装置情報とともに連携モード切換部35から入力される動作モード信号を決定する。装置側実行部33は、決定した動作モード信号が連携モードを示す場合、装置側連携処理実行部67を有効に設定し、装置単独実行部65を無効に設定する。装置側実行部33は、決定した動作モード信号が単独モードを示す場合、または、連携モード切換部35から入力される連携装置情報のうちに装置側設定部31から入力される領域識別情報を含む連携装置情報が存在しない場合、装置単独実行部65を有効に設定し、装置側連携処理実行部67を無効に設定する。
装置側連携処理実行部67は、装置側実行部33により有効に設定される場合、決定された連携装置情報に含まれる装置識別情報で特定される連携装置を特定し、装置側設定部31から入力される処理識別情報と設定値とに基づいて、特定された連携装置と連携して、処理識別情報で特定される装置側処理を設定値に従って実行する。例えば、連携装置としてスマートフォン200Aが特定される場合、スマートフォン200Aと連携して、装置側設定部31により設定された装置側処理を、装置側設定値に従って実行する。具体的には、装置側連携処理実行部67は、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理と同期して装置側処理を実行する。例えば、装置側連携処理実行部67は、スマートフォン200Aで実行される携帯側処理の実行状態をスマートフォン200Aから取得し、装置側処理を実行する。装置側処理が、携帯側処理より前に実行される場合には、スマートフォン200Aで携帯側処理を実行可能な状態であることが確認できた後に、装置側処理を実行する。装置側処理が、携帯側処理より後に実行される場合には、スマートフォン200Aで携帯側処理が終了したことを確認できた後に、装置側処理を実行する。
装置側設定部31は、装置側連携処理実行部67により装置側処理が実行されると、装置側設定値を消去するとともに、解除部54に連携終了指示を出力する。また、装置側設定部31は、例えばユーザーAによる連携処理の設定の終了を指示する操作を検出すると、解除部54に連携終了指示を出力する。連携終了指示は、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。
装置単独実行部65は、装置側設定部31から入力される処理識別情報と設定値とに基づいて処理識別情報で特定される装置単独処理を設定値に従って実行する。
図5は、操作画面の一例を示す図である。図5を参照して、操作画面300は、表示部161の表示面中で、スマートフォン200Aが置かれた位置を含む一部の領域に表示される。操作画面300は、単独モードで有効な単独領域301と、設定値を設定するための設定画面が表示される設定値領域303と、連携モードで有効な連携領域305と、を含む。なお、図中の点線は、単独領域301、設定値領域303および連携領域305を区別するために付したもので、実際には存在しない。単独領域301、設定値領域303および連携領域305を区別するために、境界線を操作画面300に付すようにしてもよいし、単独領域301、設定値領域303および連携領域305の背景の色を異なるようにしてもよい。
単独領域301は、動作モードが単独モードの場合にユーザーによる操作を受け付け可能となる。単独領域301は、装置単独処理を選択するための複数のボタンを含む。複数のボタンは、ここでは、「コピー」の文字が表された原稿読取処理および画像形成処理を選択するためのボタンと、「スキャン」の文字が表された原稿読取処理を選択するためのボタンと、「印刷」の文字が表されたデータ管理処理および画像形成処理を選択するためのボタンと、「送信」の文字が表されたデータ送受信処理を選択するためのボタンと、「ボックス」の文字が表されたデータ管理処理を選択するためのボタンと、を含む。
連携領域305は、動作モードが連携モードの場合にユーザーによる操作を受け付け可能となる。連携領域305は、スマートフォン200Aが置かれた位置を含み、スマートフォン200Aが置かれた領域の周辺に、携帯側処理を選択するための複数のボタンを含む。ここでは、複数のボタンは、「送信」の文字が表されたデータ送受信処理を選択するためのボタンと、「印刷」の文字が表された画像形成処理を選択するためのボタンと、「ボックス」、「プレビュー」、「OCR」および「編集」の文字がそれぞれ表されたデータ管理処理を選択するための4つのボタンと、を含む。
設定値領域303は、単独モードの場合は、単独領域301において選択された装置単独処理を実行するために用いられる装置単独設定値を設定するための設定画面が表示され、連携モードの場合は、連携領域305において選択された装置側処理を実行するために用いられる装置側設定値を設定するための設定画面が表示される。
単独モードにおいては、ユーザーは、単独領域301および設定値領域303に対して操作を入力することにより、装置単独処理の選択と、装置単独設定値の設定とが可能となる。また、連携モードにおいては、ユーザーは、連携領域305および設定値領域303に対して操作を入力することにより、装置側処理の選択と、装置側設定値の設定とが可能となるともに、スマートフォン200Aを操作して、携帯側処理の選択と、携帯側設定値の設定とが可能となる。
図4に戻って、維持部47は、装置側設定部31から処理識別情報と、設定値と、領域識別情報との組が入力され、操作領域決定部37から操作領域情報が入力される。維持部47は、解除部54から維持指示が入力されることに応じて、維持指示に含まれる装置識別情報に対応する操作領域に入力された処理識別情報と設定値とを維持する。具体的には、維持部47は、解除部54から維持指示が入力されることに応じて、操作領域決定部37から入力される操作領域情報のうちから維持指示に含まれる装置識別情報を含む操作領域情報を決定し、決定された操作領域情報に含まれる領域識別情報で特定される操作領域を決定する。維持部47は、装置側設定部31から入力される処理識別情報と、設定値と、領域識別情報との組のうちから決定された操作領域の領域識別情報を含む組を決定し、決定された操作領域の領域識別情報、決定された組に含まれる処理識別情報および側設定値を維持指示に含まれる装置識別情報と関連付けた維持情報をRAM114に記憶する。
復帰部49は、再開部56から復帰指示が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報に対応する操作領域を確保するとともに、連携モードが解除される前に設定されていた設定を復帰させる。復帰部49は、連携モードが解除される前に設定されていた設定に復帰すると、復帰完了信号を再開部56に出力する。復帰部49は、再開時領域決定部59と、再開通知部61と、を含む。再開時領域決定部59は、再開部56から復帰指示が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報に対応する操作領域を決定する。具体的には、再開時領域決定部59は、RAM114に記憶されている維持情報のうちから復帰指示に含まれる装置識別情報を含む維持情報を特定する。再開時領域決定部59は、RAM114に記憶されている操作領域情報を参照して、表示部161の表示面の4つの領域のうち、特定された維持情報に含まれる領域識別情報で特定される領域が未使用の場合、その領域を操作領域に決定する。再開時領域決定部59は、特定された維持情報に含まれる領域識別情報で特定される領域が使用中の場合、ユーザー管理部39によって、いずれのユーザーにも割り当てられていない未使用の領域のうちから任意の1つを操作領域に決定する。再開時領域決定部59は、復帰指示に含まれる装置識別情報と操作領域を識別するための領域識別情報とを含む操作領域情報をRAM114に記憶するとともに、操作領域情報を再開通知部61に出力する。また、再開時領域決定部59は、操作領域情報をRAM114に記憶する場合、操作領域情報を含む登録指示をユーザー管理部39に出力する。
ユーザー管理部39は、再開時領域決定部59から登録指示が入力されることに応じて、登録指示に含まれる装置識別情報に基づいて、装置識別情報で特定される連携装置を使用するユーザーを特定し、特定したユーザーと操作領域とを関連付ける。これにより、特定したユーザーのユーザー識別情報と、再開時領域決定部59から入力される領域識別情報とを含むユーザー情報がRAM114に記憶されるとともに、装置側設定部31に出力される。
復帰部49は、さらに、復帰指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報と関連付けられた処理識別情報および設定値の組をRAM114から読出し、再開時領域決定部59により決定された操作領域の領域識別情報、処理識別情報および設定値の組を装置側設定部31に出力し、装置側設定部31に処理識別情報と設定値とを設定させる。装置側設定部31は、復帰部49から領域識別情報、処理識別情報および設定値の組が入力される場合、連携処理の設定を継続するために、処理識別情報および設定値を、領域識別情報で特定される操作領域に入力された処理識別情報および設定値として設定する。また、装置側設定部31は、復帰部49から領域識別情報、処理識別情報および設定値の組が入力されることに応じて、処理識別情報および装置側設定値の変更を受け付けるための操作画面を表示する。そして、装置側設定部31は、復帰部49から領域情報が入力された後に、領域情報に含まれる領域識別情報で特定される操作領域に入力される操作を、領域識別情報に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーによる操作として受け付ける。これにより、ユーザーは、設定値を、連携装置がMFP100から離れる前に設定した状態から継続して設定することができる。
再開通知部61は、再開時領域決定部59から領域情報が入力されることに応じて、領域情報に含まれる領域識別情報で特定される操作領域に、再開部56から入力される復帰指示に含まれる装置識別情報で特定される連携装置に対応する対応情報を表示するとともに、連携装置に識別情報を表示させる。具体的には、通信I/F部112を制御して、復帰指示に含まれる装置識別情報で特定される連携装置に識別情報を表示させるコマンドを送信し、連携装置に識別情報を表示させる。識別情報は、対応情報を識別可能な情報である。具体的には、連携装置に対応する対応情報を、第1の形状で所定の色が定められた画像とする場合、識別情報は、第2の形状で対応情報の色と同じ色が定められた画像である。第1の形状と第2の形状とは同じであってもよいし、異なってもよい。また、対応情報を所定の文字列の画像とする場合、識別情報は、対応情報と同じ文字列の画像である。連携装置をスマートフォン200Aとする場合、表示部161の操作領域に対応情報が表示され、スマートフォン200Aに識別情報が表示される。ユーザーAは、スマートフォン200Aに表示された識別情報で識別される対応情報を、表示部161の表示面中で視認することにより、対応情報が配置される位置から、表示部161の表示面中で操作領域を認識することができる。
再開通知部61は、連携装置に対応する対応情報を表示部161に表示した後、タッチパネル165が操作領域内の任意の位置を指示する操作を検出する場合、連携装置に対応する対応情報の表示を終了するとともに、連携装置に識別情報の表示を終了させる。具体的には、連携装置に終了コマンドを送信する。また、連携装置が連携装置に連携装置に対応する情報の表示した後に、ユーザーが連携装置に対応する情報の表示を終了させる操作を入力する場合、再開通知部61は、連携装置に対応する対応情報の表示を終了する。例えば、連携装置から終了コマンドを受信することに応じて対応情報の表示を終了する。
再開通知部61は、再開時領域決定部59により決定された操作領域が、維持部47によって復帰指示に含まれる装置識別情報に関連付けてRAM114に記憶されている領域識別情報と異なる場合、換言すれば、今回の連携モードにおける操作領域が前回の連携モードにおける操作領域と異なる場合に、連携装置に対応する対応情報を表示するとともに、連携装置に識別情報を表示させるようにしてもよい。今回の連携モードにおける操作領域が前回の連携モードにおける操作領域と同じ場合は、ユーザーは、前回の操作領域を認識しているからである。
また、再開通知部61は、再開時領域決定部59により決定された操作領域とは別の1以上の領域が使用中の場合、具体的には、ユーザー管理部39によって再開時領域決定部59により決定された操作領域とは別の領域が、別のユーザーに割り当てられている場合に、連携装置に対応する対応情報を表示するとともに、連携装置に識別情報を表示させるようにしてもよい。ユーザーが一人であれば、ユーザーは、操作画面が表示されている領域を視認することができるからである。
また、表示部161の表示面を、表示面の法線を中心にして回転させる機構を有する場合、維持部47が、表示部161の表示面の方向を装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶するようにし、再開通知部61は、再開時領域決定部59から領域情報が入力される時点の表示部161の表示面の方向が、維持部47によりRAM114に記憶された方向と異なる場合に、連携装置に対応する対応情報を表示するとともに、連携装置に識別情報を表示させるようにしてもよい。表示部161の表示面が回転していない場合には、操作領域のMFP100に対する相対位置は変化しないからである。
継続状態検出部51は、連携モード切換部35から装置識別情報と動作モード信号とが入力される。動作モード信号は、連動モードと単独モードとのいずれかを示す。継続状態検出部51は、装置状態検出部73と、携帯状態検出部77と、ユーザー設定部75と、を含む。装置状態検出部73は、連携モード切換部35から入力される動作モード信号のうちに連携モードを示す動作モード信号が含まれていれば、MFP100の状態に基づいて継続状態を検出する。装置状態検出部73は、MFP100の状態が継続状態の場合、MFP100の装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。
装置状態検出部73は、装置操作検出部81と、エラー検出部83と、を含む。装置操作検出部81は、装置側設定部31により装置設定値が設定されるごとに、装置側設定部31からスマートフォン200A,200B,200Cいずれかの装置識別情報と、処理識別情報と、装置側設定値との組が入力される。装置操作検出部81は、連携モード切換部35から入力される装置識別情報と動作モード信号との組に基づいて、連携モードを示す動作モード信号と組になる装置識別情報を特定する。装置操作検出部81は、特定した装置識別情報と組になる処理識別情報と装置設定値が最後に入力されてからの経過時間が所定の時間内である間、特定した装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。換言すれば、装置操作検出部81は、例えば、スマートフォン200AとMFP100とを操作するユーザーAが、連携処理の設定をしている間で、MFP100に装置側設定値を設定する操作をしている間、継続信号を出力する。
エラー検出部83は、MFP100が備えるハードウェア資源でエラーが発生している間、連携モード切換部35にMFP100の装置識別情報を含む継続信号を出力する。ハードウェア資源は、画像形成部140、給紙部150を含む。例えば、スマートフォン200AとMFP100とを操作するユーザーAが、連携処理の設定をしている間で、画像形成部140および給紙部150でエラーが発生し、ユーザーAがエラーの回復作業をしている間、エラー検出部83は、連携モード切換部35にスマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を出力する。画像形成部140および給紙部150は、消耗品を有し、消耗品を交換または補充すればエラーから回復する。消耗品は、画像形成部140において、トナー、感光体ドラム、現像ローラー、定着ローラーを含む。給紙部150における消耗品は、用紙を含む。また、用紙の搬送経路で用紙が詰まるエラーが発生する場合、詰まった用紙を取り除くまで、エラー検出部83は、連携モード切換部35にMFP100の装置識別情報を含む継続信号を出力することができる。なお、ユーザーA、ユーザーBおよびユーザーBがMFP100を操作している場合には、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの装置識別情報を含む継続信号を出力する。
ユーザー設定部75は、常に継続状態とすることが設定されている場合には、連携モード切換部35にMFP100の装置識別情報を含む継続信号を出力する。これにより、例えば、スマートフォン200AとMFP100とが連携している間に、スマートフォン200AがMFP100の表示部161の表示面から離れても連携モードを継続することができる。なお、ユーザーA、ユーザーBおよびユーザーBがMFP100を操作している場合には、スマートフォン200A,200B,200Cそれぞれの装置識別情報を含む継続信号を出力する。
携帯状態検出部77は、動作モード信号が連携モードを示す装置識別情報を特定する。ここでは、スマートフォン200Aの装置識別情報を特定する場合を例に説明する。携帯状態検出部77は、特定した装置識別情報で特定されるスマートフォン200Aの状態に基づいて継続状態を検出する。携帯状態検出部77は、スマートフォン200Aの状態が継続状態の場合、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。
携帯状態検出部77は、アプリ検出部85と、携帯操作検出部87と、を含む。アプリ検出部85は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aにカレント状態で実行しているアプリケーションプログラムを問い合わせる。カレント状態とは、ユーザーに対するデータの出力が可能な状態またはユーザーによる入力を受け付けることが可能な状態である。例えば、スマートフォン200AとMFP100とを操作するユーザーAが、連携処理の設定をしている間に、スマートフォン200Aが、MFP100と連携するためのアプリケーションプログラムとは別の予め定められたアプリケーションプログラムをカント状態で実行する場合がある。予め定められたアプリケーションプログラムは、限定するものではないが、例えば、通話のためのアプリケーションプログラム、電子メールを受信するアプリケーションプログラムを含む。スマートフォン200Aが、電話を着信する場合にユーザーAが通話を優先する場合があり、また、スマートフォン200Aが電子メールを受信する場合にユーザーAが電子メールの閲覧を優先する場合があるからである。携帯状態検出部77は、スマートフォン200Aが予め定められたアプリケーションプログラムをカレント状態で実行している間、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。これにより、ユーザーAがスマートフォン200Aを手に取って、MFP100の表示部161の表示面から離す場合に、連携モードを継続させることができる。
携帯操作検出部87は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aに操作状態を問い合わせる。スマートフォン200Aにおいて、MFP100と連携するためのアプリケーションプログラムが実行されており、ユーザーAが携帯側設定値を入力してから所定時間が経過するまで、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。例えば、ユーザーAが携帯側設定値を決定するために、データを調べるなどのためにスマートフォン200Aを手に取って、MFP100の表示部161の表示面から離す場合がある。そのような場合でも、連携モードを継続させることができる。
なお、継続条件を、ユーザーが設定するようにしてもよい。継続条件を設定するための継続条件設定画面を、表示部161に表示し、ユーザーが継続条件設定画面に従って入力する操作に従って、継続条件を設定する。継続条件は、装置操作検出部81、エラー検出部83、アプリ検出部85、携帯操作検出部87およびユーザー設定部75の少なくとも1つを有効にする条件である。
図6は、継続条件設定画面の一例を示す図である。図6を参照して、継続条件設定画面310は、継続条件を設定するか否かを設定する領域311と、継続条件を設定する領域312〜315と、を含む。領域311に左側に、「連携モードの自動継続」の文字を含む項目が配置されており、領域311に「継続する」または「継続しない」のいずれかが設定される。領域311に「継続する」が設定される場合、継続条件を設定することが設定され、領域312〜315の設定が可能となる。
領域312は、継続条件として、連携装置、ここではスマートフォン200Aで予め定められたアプリケーションプログラムが実行中であることを設定するための領域である。領域312がユーザーにより指示されて印が付される場合、領域312Aにおいてアプリケーションプログラムの指定が可能となる。領域312Aにおいては、1以上のアプリケーションプログラムの指定が可能である。スマートフォン200Aにおいて、領域312Aで指定されたアプリケーションプログラムがカレント状態で実行されている間、継続条件が成立する。
領域313は、継続条件として、装置側設定値または携帯側設定値を設定中であることを設定するための領域である。領域313がユーザーにより指示されて印が付される場合、MFP100において装置側設定値を設定してから所定の時間内で継続条件が成立し、また、スマートフォン200Aにおいて携帯側設定値を設定してから所定の時間内で継続条件が成立する。
領域314は、継続条件として、連携装置のバッテリー残量がしきい値T以下であることを設定するための領域である。領域314がユーザーにより指示されて印が付される場合、スマートフォン200Aのバッテリー残量がしきい値T以下で、継続条件が成立する。
領域314は、継続条件として、ユーザーによる指示に従うことが設定される。領域314がユーザーにより指示されて印が付される場合、MFP100は、継続するか否かを問い合わせる問い合わせ画面を表示部161に表示し、ユーザーが継続することを指示する場合に、継続条件が成立する。
ユーザーは、領域312〜314の1つ以上を指示して印を付すことが可能である。換言すれば、1以上の継続条件が設定される場合、1以上の継続条件の少なくとも1つが成立すれば、継続条件が成立する。
<再開通知部の第1の変形例>
再開通知部61は、連携装置に対応する対応情報を表示部161の操作領域に表示するとともに、対応情報を識別するための識別情報を、連携装置に送信し、連携装置に表示させる。この場合、連携装置のユーザーは、表示部161の表示面中で、連携装置に表示された識別情報で色部宇される対応情報が表示された操作領域を認識することができる。
連携装置に対応する対応情報は、連携装置を識別することができない情報としてもよい。例えば、連携装置に対応する対応情報を色のみとすることができる。この場合、操作領域の全体を対応情報で定まる色で表示するとともに、連携装置に同じ色を表示すれば、連携装置のユーザーは、連携装置に表示された色と同じ色の操作領域を認識することができる。
<再開通知部の第2の変形例>
識別情報を、対応情報が表示された表示部161の表示面全体の画像としてもよい。再開通知部61は、連携装置に対応する対応情報を表示部161の操作領域に表示するとともに、表示部161の表示面の全面に表示された画像を、連携装置に送信し、連携装置に表示させる。この場合、連携装置のユーザーは、表示部206に表示された画像中で、連携装置に対応する対応情報が表示された操作領域を認識することができる。連携装置に対応する対応情報は、連携装置を識別可能な情報であってもよいし、第1の変形例と同様に連携装置を識別できない情報であってもよい。
図7は、第1の実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図7に示す機能は、スマートフォン200Aが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、CD−ROM211Aに記憶された携帯側連携プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。携帯側連携プログラムは、連携プログラムの一部である。以下、CPU201が、携帯側連携プログラムを実行するタスクを、連携タスクという。
図7を参照して、CPU201は、通信制御部250と、携帯側設定部251と、携帯側実行部253と、継続判断部255と、設定値送信部257と、携帯側再開通知部259と、を含む。
CPU201は、複数種類のアプリケーションプログラムを実行する。ここでは、スマートフォン200Aに、携帯側連携プログラムと、電話の通話を可能にするアプリケーションプログラムと、電子メールを送受信するアプリケーションプログラムと、インターネットに配置されたWebページを閲覧するためのブラウジングプログラムが少なくともインストールされている場合を例に説明する。なお、スマートフォン200Aにインストールされるアプリケーションプログラムは、これらに限定されるものではない。以下、CPU201が携帯側連携プログラムを実行するタスクを、連携タスクといい、CPU201が携帯側連携プログラム以外のアプリケーションプログラムを実行するタスクを、アプリタスクという。携帯側連携プログラム以外のアプリケーションプログラムは、ここでは、電話の通話を可能にするアプリケーションプログラム、電子メールを送受信するアプリケーションプログラムおよびブラウジングプログラムである。
携帯側実行部253は、複数種類の処理を実行可能である。携帯側実行部253が実行可能な複数種類の処理は、スマートフォン200Aにインストールされるアプリケーションプログラムにより決定される。携帯側実行部253は、携帯単独実行部265と、携帯側連携処理実行部267と、を含む。
携帯側設定部251は、ユーザーが操作部207に入力する操作に基づいて、携帯側実行部253が実行可能な複数種類の処理のうち1以上と、1以上の処理を実行するために用いる設定値と、を設定する。携帯側設定部251は、携帯単独設定値設定部261と、携帯側設定値設定部263と、を含む。携帯単独設定値設定部261および携帯単独実行部265は、アプリタスクである。携帯側設定値設定部263、携帯側連携処理実行部267、継続判断部255、設定値送信部257、携帯側再開通知部259および通信制御部250は、連携タスクである。
通信制御部250は、近距離通信部209を制御して、MFP100から探索コマンドを受信することに応じて、自装置の装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。さらに通信制御部250は、無線LANI/F208を制御して、MFP100から接続要求を受信することに応じて、MFP100とネゴシエーションして、通信経路を確立する。本実施の形態においては、ユーザーAがスマートフォン200AをMFP100の表示部161の表示面に置くと、MFP100が通信経路を確立するために接続要求を送信してくるので、通信制御部250は、ユーザーAがスマートフォン200AをMFP100の表示部161の表示面に置くと通信経路を確立することになる。
携帯単独設定値設定部261は、アプリタスクがカレント状態で、携帯単独実行部265が実行する携帯単独処理と、携帯単独処理を携帯単独実行部265が実行するための携帯単独設定値を設定する。カレント状態は、操作部207に入力されるユーザーによる操作を受付可能な状態であり、非カレント状態は、操作部207に入力されるユーザーによる操作を受付不可能な状態である。携帯単独設定値設定部261は、設定された携帯単独処理を識別するための処理識別情報と、携帯単独設定値と、を携帯単独実行部265に出力する。携帯単独実行部265は、アプリタスクがカレント状態で、操作部207が携帯単独処理の実行を指示する操作を検出すると、携帯単独設定値設定部261により設定された携帯単独処理を、携帯単独設定値に従って実行する。
携帯側設定値設定部263は、連携タスクがカレント状態で、携帯側連携処理実行部267が実行する携帯側処理と、携帯側処理を携帯側連携処理実行部267が実行するための携帯側設定値と、を設定する。携帯側設定値設定部263は、設定された携帯側処理を識別するための処理識別情報と、携帯側設定値との組を、携帯側連携処理実行部267に出力する。携帯側連携処理実行部267は、MFP100から連携処理の実行が指示されると、MFP100と連携して、携帯側設定値設定部263により設定された携帯側処理を、携帯側設定値に従って実行する。具体的には、携帯側連携処理実行部267は、MFP100と同期して携帯側処理を実行する。例えば、携帯側連携処理実行部267は、MFP100で実行される装置側処理の実行状態をMFP100から取得し、携帯側処理を実行する。携帯側処理が、装置側処理より前に実行される場合にはMFP100で装置側処理を実行可能な状態であることが確認できた後に、携帯側処理を実行する。携帯側処理が、装置側処理より後に実行される場合には、MFP100で装置側処理が終了したことを確認できた後に、携帯側処理を実行する。
携帯側設定値設定部263は、携帯側連携処理実行部267により携帯側処理が実行される場合、または、ユーザーAによる連携処理の設定の終了を指示する操作を検出する場合、携帯側設定値を消去する。
携帯側再開通知部259は、無線LANI/F208がMFP100から識別情報を表示させるコマンドを受信することに応じて、表示部206に識別情報を表示する。また、携帯側再開通知部259は、識別情報を表示した後、識別情報の表示を終了させる操作を検出する場合、識別情報の表示を終了するとともに、MFP100に対応情報の表示を終了させる。識別情報の表示を終了させる操作は、限定するものではないが、タッチパネル207Bの任意の位置を指示する操作である。具体的には、無線LANI/F208を制御して、MFP100に対応情報の表示を終了させるコマンドを送信する。また、携帯側再開通知部259は、識別情報を表示した後、無線LANI/F208がMFP100から識別情報の表示を終了させるコマンドを受信することに応じて、識別情報の表示を終了する。
図8は、第1の実施の形態における連携システムにおけるデータの流れの一例を示す図である。図8においては、上から下に時間の流れを示し、MFP100とスマートフォン200Aとが連携する場合を例に示している。図8を参照して、MFP100において、タッチパネル165および近距離通信部119がスマートフォン200Aを検出すると、連携開始条件が成立したことを検出する。MFP100は、この時点で、スマートフォン200Aに連携操作開始要求を送信する。これにより、スマートフォン200Aにおいては、携帯側連携プログラムを実行することにより、MFP100との間で連携する連携タスクを起動する。この場合、連携タスクは、連携操作開始応答をMFP100に返信し、携帯側設定値を受け付けるための操作画面を表示する。この段階で、スマートフォン200Aは、ユーザーAが入力する携帯側設定値を受け付け、設定可能になる。
MFP100においては、連携操作開始応答をスマートフォン200Aから受信すると、図5に示した操作画面を表示する。この段階で、MFP100は、装置側処理を実行するための設定値を受け付け、設定可能になる。
次に、MFP100が連携終了を検出する場合、維持状態が検出されている場合は、MFP100はスマートフォン200Aに連携維持を通知する。そして、それまでに設定された設定値を含む操作側情報。スマートフォン200Aに割り当てられた操作領域の領域識別除法およびスマートフォン200Aの装置識別情報を記憶するとともに、操作画面の表示を終了する。スマートフォン200Aにおいては、連携維持が通知されると、MFP100の装置識別情報を、関連付けて記憶する。
さらに、MFP100が連携再開条件を検出する場合、スマートフォン200Aに再開通知を送信する。スマートフォン200Aは、再開通知を受信することに応じて、連携タスクをカレント状態に切り換え、再開応答を返信する。MFP100は、スマートフォン200Aから再開応答を受信すると、操作画面を表示する。この場合、スマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けて記憶された領域識別情報で特定される領域が使用中の場合、別の領域に操作画面を表示するとともに、対応情報を表示する。そして、対応情報を識別するための識別情報をスマートフォン200に送信する。
スマートフォン200Aは、MFP100から識別情報を受信すると、識別情報を表示する。
次に、第1表示終了パターンとして、MFP100が終了操作、例えば、タッチパネル165の任意の位置を指示する操作を受け付けると、対応情報の表示を終了するとともに、終了コマンドをスマートフォン200Aに送信する。スマートフォン200Aは、MFP100から終了コマンドを受信すると、識別情報の表示を終了する。これにより、MFP100において対応情報が表示されなくなるとともに、スマートフォン200Aにおいて識別情報が表示されなくなる。
次に、第2表示終了パターンとして、スマートフォン200Aが終了操作、例えば、タッチパネル207Bの任意の位置を指示する操作を受け付けると、識別情報の表示を終了するとともに、終了コマンドをMFP100に送信する。MFP100は、スマートフォン200Aから終了コマンドを受信すると、対応情報の表示を終了する。これにより、MFP100において対応情報が表示されなくなるとともに、スマートフォン200Aにおいて識別情報が表示されなくなる。
図9は、第1の実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、連携開始条件検出処理を実行する(ステップS01)。
図10は、連携開始条件検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10を参照して、CPU111は、表示部161の表示面中が指示されたか否かを判断する(ステップS31)。具体的には、タッチパネル165を制御して、タッチパネル165が物体が接触した位置を検出すると、表示部161の表示面が指示されたことを検出する。表示部161の表示面が指示されたならば処理をステップS32に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
ステップS32においては、表示部161の表示面が指示された領域の面積が、所定のサイズ以上か否かを判断する。所定のサイズは、ユーザーの指の面積の上限とするのが好ましい。人の指による指示と、スマートフォン200Aが載置されることによる指示とを区別するためである。表示部161の表示面が指示された領域の面積が、所定のサイズ以上ならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS45に進める。ステップS45においては、操作領域を特定し、処理をステップS46に進める。表示部161の表示面が有する4つの領域のうちタッチパネル165により検出された位置を含む領域を操作領域に特定する。ステップS46においては、特定された操作領域にユーザーが割り当てられているか否かを判断する。ユーザーが割り当てられて入りならば処理をステップS47に進めるが、そうでなければ処理をステップS48に進める。ステップS47においては、タッチパネル165により検出された位置に基づいて操作を検出し、処理を復帰処理に戻す。ステップS48においては、ユーザーの認証に成功したか否かを判断する。操作領域にログイン画面を表示し、操作領域に真正な認証情報が入力されるならば認証に成功したと判断する。認証に成功したならば処理をステップS49に進めるが、そうでなければ処理をステップS50に進める。ステップS49においては、操作領域に認証されたユーザーを割り当て、処理を連携処理に戻す。ステップS50においては、エラーを設定し、処理を連携処理に戻す。
ステップS33においては、近距離通信部119を制御して、探索コマンドを送信する。スマートフォン200A,200B,200Cのうち近距離通信部119と通信可能な範囲に存在する1以上それぞれが、探索コマンドを受信することに応じて、自装置の装置識別情報を含む応答コマンドを返信する。スマートフォン200A,200B,200Cであって、表示部161の表示面に置かれた装置であって連携装置登録されていない装置の他に、表示部161の表示面に置かれていない装置、表示部161の表示面に置かれているが既に連携装置に登録されている装置が応答コマンドを返信する場合がある。以下、応答コマンドを返信する装置を候補装置という。このため、次のステップS34においては、候補装置のうちから連携装置と除外装置とを除外する。除外装置は、後述するステップS39において除外装置として登録される装置である。連携装置は、後述するステップS43において連携装置として登録される装置である。次のステップS35においては、候補装置が存在するか否かを判断する。候補装置が存在すれば処理をステップS36に進めるが、そうでなければ処理をステップS44に進める。ステップS44においては、エラーを設定し、処理を連携処理に戻す。
次のステップS36においては、候補装置が複数存在するか否かを判断する。候補装置が複数ならば処理をステップS37に進めるが、そうでなければ処理をステップS40に進める。ステップS40においては、処理がステップS36から進む場合に1つの候補装置を特定し、処理をステップS41に進める。
処理がステップS37に進む場合は、候補装置が複数の場合である。ステップS37においては、複数の候補装置のうちから1つを選択するための候補選択画面を表示部161に表示し、処理をステップS38に進める。候補選択画面を表示する位置は、ステップS31においてタッチパネル165により検出された位置の近傍である。ステップS38においては、複数の候補装置のうち1つが選択されるまで待機状態となり(ステップS38でNO)、1つが選択されたならば(ステップS38でYES)、処理をステップS39に進める。ステップS39においては、複数の候補装置のうち選択されなかった1以上の候補装置のすべてを除外装置に登録し、処理をステップS40に進める。
ステップS40においては、処理がステップS39から進む場合、ステップS38において選択された候補装置を特定し、処理をステップS41に進める。ステップS41においては、通信I/F部112を制御して、ステップS40において特定された候補装置との間で通信経路を確立し、処理をステップS42に進める。
ステップS42においては、ステップS40において特定された候補装置に、表示部161の表示面に含まれる4つの領域のうちステップS31においてタッチパネル165により検出された位置を含む領域を操作領域に決定し、処理をステップS43に進める。ステップS43においては、候補装置を連携装置に決定し、処理を連携処理に戻す。具体的には、候補装置の装置識別情報と、ステップS42において決定された操作領域を識別するための領域識別情報とを含む操作領域情報をRAM114に記憶する。
図9に戻って、ステップS02においては、ステップS01において連携開始条件検出処理を実行した結果、連携開始条件が成立したか否かを判断する。連携開始条件が成立したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。連携開始条件検出処理を実行することにより、連携開始条件が成立する場合は、連携装置が決定される。したがって、新たな連携装置が決定されていれば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。ここでは、ユーザーAがスマートフォン200Aを表示部161の表示面に置く場合を例に説明する。この場合、スマートフォン200Aが連携装置に登録され、スマートフォン200Aの装置識別情報と、表示部161の表示面中でスマートフォン200Aが置かれた位置を示す位置識別情報とが、RAM114に一時記憶される。
ステップS03においては、連携装置を登録し、処理をステップS04に進める。具体的には、表示部161の表示面が有する4つの領域のうち、連携装置が置かれた位置を含む操作領域を、連携装置を操作するユーザーに割り当てる。具体的には、連携装置を操作するユーザーとして登録されたユーザーのユーザー識別情報と、表示部161の表示面が有する4つの領域のうち、連携装置の装置識別情報と関連付けられた位置情報で特定される位置を含む操作領域の領域識別情報との組をRAM114に記憶する。ステップS04においては、動作モードを連携モードに切り換え、処理をステップS09に進める。
ステップS05においては、ステップS01において連携開始条件検出処理を実行した結果、操作が特定されたか否かを判断する。タッチパネル165により検出された位置が検出される場合、ユーザーにより入力された操作が特定されたと判断する。操作が特定されたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS08に進める。
ステップS06においては、受付制御処理を実行し、処理をステップS08に進める。受付制御処理の詳細は後述するが、ステップS01において検出された位置に基づいて、ユーザーAによる操作を決定し、決定された操作で定まる処理を実行する処理である。
ステップS07においては、ステップS01において連携開始条件検出処理を実行した結果、エラーと判断されたか否かを判断する。エラーと判断される場合は処理をステップS01に戻すが、そうでなければ処理をステップS08に進める。
ステップS08においては、連携終了条件検出処理を実行し、処理をステップS09に進める。連携終了条件検出処理は、連携終了条件が成立したか否かを判断する処理である。ここでは、連携終了条件を、連携装置、例えば、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れる場合としている。このため、連携装置が表示部161の表示面から離れた場合にスマートフォン200Aに対する連携終了条件が成立したと判断する。スマートフォン200Aが連携装置に登録される場合、スマートフォン200Aの装置識別情報が、表示部161の表示面中の位置を示す位置情報と関連付けられている。タッチパネル165が、スマートフォン200Aと関連付けられた位置情報で特定される位置において、指示を検出しなくなる場合、スマートフォン200Aが表示部161の表示面から離れたと判断する。次のステップS09においては、連携終了条件検出処理の結果、連携終了条件が成立したか否かを判断する。連携終了条件が終了したならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。
ステップS10においては、連携終了条件が検出された連携装置、ここではスマートフォン200Aに対応する動作モードを単独モードに切り換え、処理をステップS11に進める。ステップS11においては、継続状態検出処理を実行し、処理をステップS12に進める。継続状態検出処理の詳細は後述するが、継続状態を検出する処理である。ステップS12においては、継続状態が検出されたか否かを判断する。継続状態が検出されたならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。ステップS13においては、連携装置の装置識別情報と関連付けて、連携装置に対応する装置側情報をRAM114に記憶し、処理をステップS14に進める。
ステップS14においては、連携終了条件が検出された連携装置を、連携装置から削除し、処理をステップS15に進める。ステップS15においては、連携再開条件検出処理を実行し、処理をステップS16に進める。連携再開条件検出処理の詳細は後述するが、RAM114に、装置側情報および携帯側情報と関連付けて装置識別情報が記憶されている装置に対して、連携再開条件が成立したか否かを判断する処理である。ステップS16においては、連携再開条件検出処理を実行した結果、連携再開条件が成立したか否かを判断する。連携再開条件が成立したならば処理をステップS17に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
ステップS17においては、連携再開条件が成立した装置に対応する動作モードを連携モードに切り換え、処理をステップS18に進める。ステップS18においては、連携再開条件が成立した装置を連携装置に登録し、処理をステップS19に進める。ステップS19においては、連携装置に再開を通知し、処理をステップS20に進める。ステップS20においては、復帰処理を実行し、処理をステップS01に戻す。復帰処理の詳細は後述する。
図11は、連携再開条件検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携再開条件検出処理は、図9のステップS16において実行される処理である。図11を参照して、CPU111は、処理対象となる対象装置を特定する(ステップS71)。RAM114に装置側情報と関連付けて装置識別情報が記憶されている装置を対象装置に特定する。RAM114には、図9のステップS15において、連携装置の装置識別情報と装置側情報との組がRAM114に記憶される。RAM114に記憶されている1以上の組のうちから1つを選択し、選択された組に含まれる装置識別情報で特定される装置を対象装置に特定する。ここでは、スマートフォン200Aを対象装置に特定する場合を例に説明する。
ステップS72においては、フラグを「0」に設定し、処理をステップS73に進める。フラグは、第1の相対位置が検出の有無を示し、「1」に設定されている場合に第1の相対位置が検出されたことを示し、「0」に設定されている場合に第1の相対位置が検出されていないことを示す。第1の相対位置および第2の相対位置は、上述した相対位置検出部の第1の具体例〜第5の具体例によって異なる。ここでは、第1の具体例の場合を例に説明する。第1の具体例の場合、第1の相対位置は、MFP100と対象装置であるスマートフォン200Aとの間の距離がしきい値T以上の場合であり、第2の相対位置は、MFP100と対象装置であるスマートフォン200Aとの間の距離がしきい値Tより短い場合である。
ステップS73においては、対象装置との相対位置を検出する。そして、ステップS73において検出された相対位置が第1の相対位置か否かを判断する(ステップS74)。第1の相対位置ならば処理をステップS75に進めるが、そうでなければ処理をステップS76に進める。ここでは、スマートフォン200Aとの間の距離がしきい値T以上ならば処理をステップS74に進める。ステップS75においては、フラグに「1」を設定し、処理を連携処理に戻す。
ステップS76においては、ステップS73において検出された相対位置が第2の相対位置か否かを判断する。第2の相対位置ならば処理をステップS77に進めるが、そうでなければ処理をステップS78に進める。ここでは、スマートフォン200Aとの間の距離がしきい値より短ければ処理をステップS78に進める。ステップS77においては、フラグに「1」が設定されているか否かを判断する。フラグに「1」が設定されているならば処理をステップS79に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。フラグが「1」に設定されている場合、第1の相対位置が検出されているので、MFP100とスマートフォン200Aとの相対位置が、第1の相対位置から第2の相対位置に変化したことを検出する場合に、処理をステップS80に進める。
ステップS79においては、処理がステップS77から進む場合、対象装置であるスマートフォン200に対する連携再開条件を検出し、処理を連携処理に戻す。
ステップS78においては、対象装置であるスマートフォン200Aから再開操作を受信したか否かを判断する。スマートフォン200Aに再開操作が割り当てられたボタンを表示し、スマートフォン200Aがそのボタンを指示する操作を検出する場合に、スマートフォン200Aが再開指示操作をMFP100に送信するようにする。通信I/F部112が、対象装置であるスマートフォン200Aから再開指示操作を受信するならば処理をステップS79に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
ステップS79においては、処理がステップS77またはステップS78から進む場合、対象装置であるスマートフォン200に対する連携再開条件を検出し、処理を連携処理に戻す。
図12は、復帰処理の流れの一例を示すフローチャートである。復帰処理は、図9のステップS20において実行される処理である。復帰処理が実行される前のステップS18において、連携装置に登録された装置が特定されている。ここでは、スマートフォン200Aが連携装置に登録される場合を例に説明する。図12を参照して、CPU111は、RAM114に、スマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けられた装置側情報をRAM114から読み出す(ステップS51)。図9のステップS13が実行される場合に、連携装置であるスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けて装置側情報がRAM114に記憶されている。ステップS52においては、連携装置であるスマートフォン200Aの装置識別情報と関連付けられた装置側情報に含まれる装置側設定値を設定し、処理をステップS53に進める。
ステップS53においては、連携装置であるスマートフォン200Aの装置識別情報に対応する操作領域を決定する。具体的には、RAM114に記憶されている維持情報を参照して、表示部161の表示面の4つの領域のうち、連携装置であるスマートフォン200Aの装置識別情報を含む維持情報を決定する。次に、RAM114に記憶されているユーザー情報を参照して、決定された維持情報に含まれる領域識別情報で特定される領域が未使用か否かを判断する。未使用であれば維持情報に含まれる領域識別情報で特定される領域を操作領域に決定する。再開時領域決定部59は、決定された維持情報に含まれる領域識別情報で特定される領域が未使用でなく使用中の場合、ユーザー管理部39によって、いずれのユーザーにも割り当てられていない未使用の領域のうちから任意の1つを操作領域に決定する。具体的には、ユーザー情報を参照して、未使用の領域を特定する。
次のステップS54においては、決定された操作領域が前回の操作領域と同じか否かを判断する。維持情報に含まれる領域識別情報と、ステップS53において決定された操作領域の領域識別情報が同じならば、前回の操作領域と同じ操作領域が決定されたと判断する。操作領域が前記あの操作領域と同じならば処理をステップS55に進めるが、そうでなければ処理をステップS56に進める。ステップS55においては、ステップS53において決定された操作領域に操作画面を表示し、処理を連携処理に戻す。
ステップS56においては、ステップS53において決定された操作領域に対応情報を表示する。そして、連携装置であるスマートフォン200Aに、対応情報を識別するための識別情報を送信する(ステップS57)。次のステップS58においては、終了操作を受け付けたか否かを判断する。タッチパネル165が、操作領域中の任意の位置が指示されたことを検出する場合、終了操作を受け付ける。終了操作を受け付けたならば処理をステップS60に進めるが、そうでなければ処理をステップS59に進める。
ステップS59においては、連携装置に終了コマンドを送信し、処理をステップS60Aに進める。ステップS60においては、連携装置であるスマートフォン200Aから終了コマンドを受信したか否かを判断する。終了コマンドを受信したならば処理をステップS60Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS58に戻す。ステップS60Aにおいては、ステップS56において表示された対応情報の表示を終了し、ステップS53において決定された操作領域に操作画面を表示し、処理を連携処理に戻す。
図13は、受付制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。受付制御処理は、図9のステップS06において実行される処理である。受付制御処理が実行される前の段階で、タッチパネル165によってユーザーAにより指示された位置が検出されている。図13を参照して、CPU111は、タッチパネル165により検出された位置に基づいて操作を決定する(ステップS61)。操作画面が表示部161に表示されている状態でタッチパネル165により検出される位置に基づいて、操作画面中の位置を特定し、操作を決定する。操作画面に操作が割り当てられたボタンを含み、そのボタン中の位置が特定される場合は、ボタンに割り当てられた操作を決定する。例えば、操作画面が、キーボードの場合、キー中の位置が特定される場合は、そのキーに割り当てられた英数文字を入力する操作を決定する。また、操作画面が、処理の実行を指示する実行指示操作が割り当てられた実行キーを含み、実行キー中の位置が特定される場合は、実行指示操作を決定する。
次のステップS62においては、動作モードによって処理を分岐する。動作モードが連携モードの場合は処理をステップS63に進め、動作モードが単独モードの場合は、処理をステップS68に進める。
ステップS63においては、ステップS61において決定された操作が実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS64に進めるが、そうでなければ処理をステップS67に進める。ステップS67においては、決定された操作に従って設定値を設定し、処理を連携処理に戻す。ステップS64においては、設定値に従って装置側処理を、連携装置であるスマートフォン200Aと連携して実行し、処理をステップS65に進める。ステップS65においては、設定値を消去し、処理を連携処理に戻す。
ステップS68においては、ステップS61において決定された操作が実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS69に進めるが、そうでなければ処理をステップS70に進める。ステップS70においては、決定された操作に従って設定値を設定し、処理を連携処理に戻す。ステップS69においては、設定値に従って装置単独処理を実行し、処理を連携処理に戻す。
図14は、継続状態検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。継続状態検出処理は、図9のステップS12において実行される処理である。図14を参照して、CPU111は、ユーザーにより継続状態に設定されているか否かを判断する(ステップS81)。ユーザーにより継続状態に設定されているならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS82に進める。ステップS82においては、装置側設定値が設定されてから所定時間以内か否かを判断する。装置側設定値が設定されてから所定時間以内ならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS83に進める。なお、連携プログラムを実行するタスクに対する操作が入力されてから所定時間以内か否かを判断するようにしてもよい。連携プログラムを実行するタスクに対する操作は、装置側設定値を設定する操作とは別に、例えば、画面をスクロールする操作、画面を遷移させる操作を含む。
ステップS83においては、ハードウェア資源においてエラーが発生しているか否かを判断する。ハードウェア資源にエラーが発生しているならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS85に進める。ステップS84においては、MFP100側における継続状態を検出し、処理をステップS85に進める。
ステップS85においては、連携装置であるスマートフォン200Aからスマートフォン200Aの状態を示す携帯状態を取得する。そして、携帯状態に基づいて、連携装置であるスマートフォン200Aが所定のアプリケーションプログラムを実行中か否かを判断する(ステップS86)。所定のアプリケーションプログラムを実行中ならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理をステップS87に進める。所定のアプリケーションプログラムは、スマートフォン200Aが、MFP100と連携するための携帯側連携プログラムとは別の予め定められたアプリケーションプログラムであり、例えば、通話のためのアプリケーションプログラム、電子メールを受信するアプリケーションプログラムを含む。MFP100Aと連携処理の設定をしている最中に、スマートフォン200Aが、電話を着信する場合にユーザーAが通話を優先する場合があり、また、スマートフォン200Aが電子メールを受信する場合にユーザーAが電子メールの閲覧を優先する場合があるからである。
ステップS87においては、携帯側設定値が設定されてから所定時間以内か否かを判断する。携帯側設定値が設定されてから所定時間以内ならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。なお、携帯側連携プログラムを実行するタスクに対する操作が入力されてから所定時間以内か否かを判断するようにしてもよい。携帯側連携プログラムを実行するタスクに対する操作は、携帯側設定値を設定する操作とは別に、例えば、画面をスクロールする操作、画面を遷移させる操作を含む。ステップS88においては、連携装置側における継続状態を検出し、処理を連携処理に戻す。
図15は、第1の実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。携帯側連携処理は、スマートフォン200Aが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、CD−ROM211Aに記憶された携帯側連携プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図15を参照して、近距離通信部209が探索コマンドを受信したか否かを判断する。探索コマンドを受信したならば処理をステップS202に進めるが、そうでなければ処理をステップS205に進める。ここでは、MFP100が送信する探索コマンドを受信する場合を例に説明する。
ステップS202においては、近距離通信部209を制御して、応答コマンドを返信する。そして、近距離通信部119が、ステップS201において受信された探索コマンドを送信してきたMFP100から接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS203)。接続要求を受信したならば処理をステップS204に進めるが、そうでなければ処理をステップS205に進める。ステップS204においては、接続要求を送信してきたMFP100との間で通信経路を確立し、処理をステップS205に進める。
ステップS205においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作画面が表示部206に表示されている状態でタッチパネル207Bにより検出される位置に基づいて、操作画面中の位置を特定し、操作を決定する。操作を決定する場合に操作を受け付けたと判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS206に進めるが、そうでなければ処理をステップS215に進める。操作画面に操作が割り当てられたボタンを含み、そのボタン中の位置が特定される場合は、ボタンに割り当てられた操作を決定する。例えば、操作画面が、キーボードの場合、キー中の位置が特定される場合は、そのキーに割り当てられた英数文字を入力する操作を決定する。また、操作画面が、処理の実行を指示する実行指示操作が割り当てられた実行キーを含み、実行キー中の位置が特定される場合は、実行指示操作を決定する。また、操作画面が、タスクを切り換える切換キーを含み、切換キー中の位置が特定される場合は、タスク切換操作を決定する。
ステップS206においては、ステップS205において受け付けられた操作がタスク切換操作ならば処理をステップS207に進めるが、そうでなければ処理をステップS208に進める。ステップS207においては、タスクを切り換え、処理をステップS201に戻す。
ステップS208においては、連携タスクがカレント状態か否かを判断する。連携タスクがカレント状態ならば処理をステップS209に進めるが、そうでなければ処理をステップS212に進める。ステップS209において、再開操作を受け付けたか否かを判断する。再開操作は、再開ボタンを指示する操作である。再開操作を受け付けたならば処理をステップS210に進めるが、そうでなければ処理をステップS211に進める。ステップS210においては、MFP100に再開通知を送信し、処理をステップS201に戻す。ステップS211においては、ステップS207において受け付けられた操作に従って携帯側設定値を設定し、処理をステップS201に戻す。
ステップS212においては、ステップS205において受け付けられた操作が実行指示操作か否かを判断する。実行指示操作ならば処理をステップS213に進めるが、そうでなければ処理をステップS214に進める。ステップS213においては、実行指示操作により特定される携帯単独処理を、携帯単独設定値に従って実行し、処理をステップS201に戻す。ステップS214においては、ステップS205において受け付けられた操作に従って、携帯単独設定値を設定し、処理をステップS201に戻す。
ステップS215においては、MFP100から実行指示を受信したか否かを判断する。実行指示を受信したならば処理をステップS216に進めるが、そうでなければ処理をステップS217に進める。ステップS216においては、実行指示により特定される携帯側処理を、携帯側設定値に従って実行し、処理をステップS201に戻す。
ステップS217においては、再開通知を受けたか否かを判断する。MFP100から再開通知を受けたならば処理をステップS218に進めるが、そうでなれば処理をステップS201に戻す。例えば、無線LANI/F208が、MFP100から再開通知であることを示す信号を受信したならば再開通知を受けたと判断する。ステップS218においては、連携タスクをカレント状態に切り換え、処理をステップS219に進める。
ステップS219においては、表示部206にMFP100から受信される識別情報を表示し、処理をステップS220に進める。ステップS220においては、終了操作を受け付けたか否かを判断する。タッチパネル207Bが、表示部206の表示面の任意の位置が指示されたことを検出する場合、終了操作を受け付ける。終了操作を受け付けたならば処理をステップS221に進めるが、そうでなければ処理をステップS222に進める。ステップS222においては、MFP100から終了コマンドを受信したか否かを判断する。終了コマンドを受信したならば処理をステップS223に進めるが、そうでなければ処理をステップS220に戻す。ステップS223においては、ステップS219において表示された識別情報の表示を終了し、処理をステップS201に戻す。
<第1の変形例>
第1の実施の形態においては、装置検出部41は、タッチパネル165がスマートフォン200Aの置かれた位置を検出することに応じて、近距離通信部119を制御して、周辺に存在する装置を探索するための探索コマンドを送信し、スマートフォン200A,200B,200Cのうち、例えば、スマートフォン200Aが返信する応答コマンドを受信することにより、先にタッチパネル165により検出された位置に置かれた装置が、スマートフォン200Aであることを検出する。そして、経路確立部43は、通信I/F部112を制御して、装置検出部41により検出されたスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立する。
第1の変形例においては、経路確立部43が、近距離通信部119を制御して、装置検出部41により検出されたスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立するようにしたものである。近距離通信部119は、通信可能な範囲が制限される。このため、第1の変形例における連携終了条件は、第1の実施の形態における連携終了条件と異なる。第1の変形例における連携終了条件は、継続状態検出部51によって継続状態が検出されていない状態で、装置検出部41がスマ―トフォン200Aを検出しなくなる第1の条件、および、継続状態検出部51によって継続状態が検出されている状態で経路確立部43によってスマートフォン200Aとの間で確立された通信経路が切断される第2の条件と、を含む。
第1の変形例における解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合、その離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が継続状態検出部51から入力されていなければ、離脱信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47および再開部56に維持指示を出力する。第1の変形例における解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される場合、その離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が継続状態検出部51から入力されていれば、離脱信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えることなく、連携モードを維持する。
第1の変形例における解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力される段階で連携モードを維持する場合、近距離通信部119がスマートフォン200Aと通信できなくなると、動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47および再開部56に維持指示を出力する。具体的には、第1の変形例における解除部54は、装置検出部41から離脱信号が入力されて連動モードを維持した後に離脱信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む切断信号が経路確立部43から入力される場合、切断信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47および再開部56に維持指示を出力する。維持指示は、切断信号に含まれる装置識別情報を含む。
再開部56は、解除部54から維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報に対して連携再開条件が成立する場合、維持指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換えるとともに、復帰指示を復帰部49に出力する。
第1の変形例においては、例えば、ユーザーAがスマートフォン200Aを表示部161の表示面から離した状態で、連携モードが維持される場合があるので、その場合には、ユーザーAは、スマートフォン200Aを表示部161の表示面から離した状態を連携処理のための設定を継続することができる。
第1の変形例において、連携再開条件は、維持指示に含まれる装置識別情報で特定される装置と近距離通信部119が通信可能になる条件を、さらに含む。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における連携システム1について、第1の実施の形態における連携システム1と異なる点を主に説明する。
図16は、第2の実施の形態における連携システムの全体概要の一例を示す図である。図16を参照して、第2の実施の形態における連携システム1Aは、MFP100Aと、スマートフォン200Aを含む。第1の実施の形態におけるMFP100は、複数人がMFP100を同時に使用可能であったが、第2の実施の形態におけるMFP100Aは、複数人が同時に使用することができず、一人がMFP100を使用可能としている。ここでは、スマートフォン200Aを携帯するユーザーAがMFP100Aを操作する場合を例に説明する。第2の実施の形態における連携システム1Aにおいて、スマートフォン200Aと、MFP100Aとは連携して連携処理を実行可能である。スマートフォン200AとMFP100Aとは、近距離通信機能または無線LAN機能を用いて通信し、互いに連携して連携処理を実行する。第2の実施の形態におけるMFP100Aは、予め定められた連携開始条件が成立ことをトリガーとして、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aとの間で連携して動作する連携モードに、動作モードを切り換える。
図17は、第2の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図16および図17を参照して、第2の実施の形態におけるMFP100Aが、第1の実施の形態におけるMFP100と異なる点は、自動原稿搬送装置120およびNFC通信部119Aが追加された点、操作パネル160が追加された点である。MFP100Aのその他の構成は、第1の実施の形態におけるMFP100と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイにユーザーにより載置された1以上の原稿をさばいて、1枚ずつ原稿読取部130に搬送する。また、原稿の両面に画像が形成されている場合、原稿の表裏を反転させる機能を有し、原稿の表面を原稿読取部130が読取可能な方向で原稿を搬送し、その後、原稿を反転させて原稿の裏面を原稿読取部130が読取可能な方向で原稿を搬送する。
操作パネル160は、表示部161Aおよび操作部163を含む。表示部161Aは、LCD、有機ELD等の表示装置であり、第1の実施の形態における表示部161よりもサイズが小さい。操作部163は、複数のキーからなるハードキー部167を備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。タッチパネル165は、表示部161Aに上面または下面に重畳して設けられ、表示部161Aの表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
NFC通信部119Aは、NFC(Near Field Communication)の近距離無線通信方式で通信する。NFC通信部119Aが通信可能な距離は、数cmである。第2の実施の形態においては、スマートフォン200AがNFCタグを装着しており、NFC通信部119Aは、スマートフォン200Aとの間の距離が数cm以下になると、NFCタグと通信し、スマートフォン200Aを検出する。
近距離通信部119は、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、スマートフォン200A,200B,200Cと無線により通信する。近距離通信部119は、例えば、スマートフォン200Aとの間の距離が通信可能な距離以下となると、スマートフォン200Aと通信する。近距離通信部119が通信可能な距離は、数mである。
図18は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図18に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図18を参照して、図4に示した機能と異なる点は、操作領域決定部37、ユーザー管理部39、解除通知部45および維持通知部46が削除された点、連携モード切換部35、装置検出部41、経路確立部43、維持部47、復帰部49、継続状態検出部51が、連携モード切換部35A、装置検出部41A、経路確立部43A、維持部47A、復帰部49A、継続状態検出部51Aにそれぞれ変更された点である。継続状態検出部51Aは、図4に示した継続状態検出部51と異なる点は、携帯状態検出部77がバッテリー残量検出部89を含む点である。その他の機能は、図4に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
装置検出部41Aは、NFC通信部119Aを制御して、スマートフォン200Aを検出する。装置検出部41Aは、ユーザーAがスマートフォン200Aを、NFC通信部119Aのアンテナに近づける場合、NFC通信部119Aがスマートフォン200Aに装着されたNFCタグと通信し、スマートフォン200Aを検出する。装置検出部41Aは、スマートフォン200Aを検出すると、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む確立指示を経路確立部43Aに出力する。
経路確立部43Aは、装置検出部41Aから確立指示が入力されることに応じて、確立指示に含まれる装置識別情報に基づいて、接続対象の装置を特定し、近距離通信部119を制御して、特定された装置との間で通信経路を確立し、連携モード切換部35Aに連携指示を出力する。ここでは、確立指示にスマートフォン200Aの装置識別情報を含むので、経路確立部43Aは、スマートフォン200Aとの間で通信経路を確立し、連携モード切換部35に連携指示を出力する。連携指示は、通信経路を確立した装置、ここでは、スマートフォン200Aの装置識別情報と、通信経路を識別するための経路識別情報を含む。
経路確立部43Aは、確立した通信経路が切断される場合、切断された通信経路の経路識別情報を含む切断信号を連携モード切換部35Aに出力する。通信経路が切断される場合は、例えば、スマートフォン200Aが通信I/F部112の通信可能な範囲の外に出た場合、スマートフォン200Aが通信経路を切断する場合を含む。
なお、装置検出部41Aは、近距離通信部119を制御して、探索コマンドを所定時間間隔で送信するようにして、近距離通信部119が通信可能となった装置を検出するようにしてもよい。この場合には、経路確立部43Aは不要である。
なお、装置検出部41Aは、経路確立部43Aに確立指示を出力する前に、ユーザー認証するようにしてもよい。例えば、MFP100Aを使用することが認められたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーに割り当てられた装置の装置識別情報とを関連付けた認証情報を予めHDD115に記憶しておき、検出された装置の装置識別情報を含む認証情報がHDD115に記憶されている場合に、経路確立部43Aに確立指示を出力するが、そのような認証情報がHDD115に記憶されていなければ、経路確立部43Aに確立指示を出力しない。MFP100に予め登録されたユーザーのみがMFP100を使用可能にすることができる。
連携モード切換部35Aは、動作モードを、単独モードと連携モードとのいずれかに切り換える。連携モード切換部35Aは、単独モードおよび連携モードのいずれかの動作モードを示す動作モード信号を、装置側実行部33、操作領域決定部および継続状態検出部51Aに出力する。
連携モード切換部35Aは、連携設定部53Aと、解除部54Aと、相対位置検出部55と、再開部56Aと、を含む。連携設定部53Aは、連携開始条件が成立することに応じて動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。ここでは、連携開始条件を、近距離通信部119がスマートフォン200Aと通信可能になった後に、通信I/F部112が通信経路を確立することとしている。連携設定部53Aは、経路確立部43Aから連携指示が入力されることに応じて、連携指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。
解除部54Aは、連携終了条件が成立する場合、動作モードを連携モードから単独モードに切り換える。連携終了条件は、ユーザーにより連携を終了させる操作が入力されること、または通信経路が切断されることとしている。また、解除部54Aは、連携終了条件が成立する段階で、継続状態検出部51Aから継続状態であることを示す継続信号が入力されていれば、維持信号を維持部47Aに出力する。継続信号は、連携装置、ここではスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部54Aは、経路確立部43Aから切断信号が入力される場合、その切断信号に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む継続信号が入力されている場合、切断信号に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、維持部47Aおよび再開部56Aに維持指示を出力する。維持指示は、切断信号に含まれる装置識別情報を含む。
解除部54Aは、装置側設定部31から連携終了指示が入力される場合がある。連携終了指示の詳細は後述するが、ユーザーAが連携処理の終了を指示する場合に装置側設定部31から出力され、ユーザーAが携帯するスマートフォン200Aの装置識別情報を含む。解除部54Aは、装置側設定部31から連携終了指示が入力される場合、連携終了条件が成立したと判断し、連携終了指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを連携モードから単独モードに切り換えるとともに、解除通知部45に終了通知指示を出力する。終了通知指示は、連携終了指示に含まれる装置識別情報を含む。
再開部56Aは、解除部54から維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報に対して連携再開条件が成立する場合、復帰部49Aに復帰指示を出力する。復帰指示は、維持指示に含まれる装置識別情報を含む。再開部56Aは、復帰部49Aに復帰指示を出力した後に、復帰部49Aから復帰完了信号が入力されることに応じて、復帰指示に含まれる装置識別情報に対応する動作モードを単独モードから連携モードに切り換える。
連携再開条件は、連携開始条件と異なる条件である。連携再開条件は、維持指示に含まれる装置識別情報で特定される装置と近距離通信部119が通信可能になる条件を少なくとも含み、維持指示に含まれる装置識別情報で特定される装置と自装置とが第1の相対位置から第2の相対位置に変化する条件を含む。再開部56Aは、解除部54Aから維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報を含む接続指示を経路確立部43Aに出力する。経路確立部43Aは、再開部56Aから接続指示が入力される場合、近距離通信部119を制御して、接続指示に含まれる装置識別情報に対する接続要求を所定時間間隔で送信させる。ここでは、近距離通信部119に接続要求をスマートフォン200Aに所定時間間隔で送信させる。スマートフォン200Aは、接続要求を受信する場合に応答を返信するので、近距離通信部119がスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立する。経路確立部43Aは、近距離通信部119がスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立すると、連携指示を再開部56Aに出力する。
再開部56Aは、連携指示が経路確立部43Aから入力された後に、相対位置検出部55により第1の相対位置が検出された後に相対位置検出部55により第2の相対位置が検出される場合、連携再開条件が成立したと判断する。
また、連携再開条件を、維持指示に含まれる装置識別情報で特定される装置と近距離通信部119が通信可能になる条件を少なくとも含み、ユーザーにより入力される所定の操作を受け付ける場合に成立する条件を含むようにしてもよい。再開部56Aは、解除部54から維持指示が入力された後に、維持指示に含まれる装置識別情報、例えば、スマートフォン200Aと近距離通信部119が通信可能になり、かつ、スマートフォン200Aが、スマートフォン200Aを操作するユーザーAによる再開を指示する操作を受け付ける場合に、連携再開条件が成立すると判断するようにしてもよい。この場合には、スマートフォン200Aから再開を指示する操作を受け付けたことをMFP100に通知するようにし、再開部56Aは、スマートフォン200Aからその通知がされることにより連携再開条件が成立したと判断する。
維持部47Aは、装置側設定部31から処理識別情報と、設定値との組が入力され、解除部54Aから維持指示が入力されることに応じて、処理識別情報と設定値とを維持する。具体的には、維持部47Aは、解除部54Aから維持指示が入力されることに応じて、装置側設定部31から入力される処理識別情報および側設定値を維持指示に含まれる装置識別情報と関連付けてRAM114に記憶する。
復帰部49Aは、再開部56Aから復帰指示が入力されることに応じて、連携モードが解除される前に設定されていた設定を復帰させる。復帰部49Aは、連携モードが解除される前に設定されていた設定に復帰すると、復帰完了信号を再開部56Aに出力する。復帰部49Aは、復帰指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報と関連付けられた処理識別情報および設定値の組をRAM114から読出し、それらを装置側設定部31に出力し、装置側設定部31に処理識別情報と設定値とを設定させる。装置側設定部31は、復帰部49Aから処理識別情報および設定値の組が入力される場合、連携処理の設定を継続するために、処理識別情報および設定値を、設定する。また、装置側設定部31は、処理識別情報および装置側設定値の変更を受け付けるための操作画面を表示する。これにより、ユーザーは、設定値を、連携装置がMFP100から離れる前に設定した状態から継続して設定することができる。
バッテリー残量検出部89は、スマートフォン200Aの装置識別情報と組になる経路識別情報で特定される通信経路を介して、スマートフォン200Aにバッテリー残量を問い合わせる。バッテリー残量検出部89は、スマートフォン200Aのバッテリー残量が予め定められたしきい値T以下の場合、スマートフォン200Aの装置識別情報を含む継続信号を連携モード切換部35に出力する。スマートフォン200Aのバッテリー残量がしきい値T以下の場合、その後に、スマートフォン200Aが駆動可能な時間が制限される。このため、スマートフォン200Aのバッテリー残量が低下してスマートフォン200AがMFP100Aと通信不可能になる場合、通信経路が切断されるが、MFP100Aにおいては、スマートフォン200Aのバッテリー残量がしきい値T以下の場合に継続状態を検出するので、装置側設定部31により設定された装置側設定値および、スマートフォン200Aにおいて設定された携帯側設定値を記憶する。その後、スマートフォン200Aのバッテリーを充電して、再度、スマートフォン200AとMFP100Aとを連携させる場合に、先に設定した装置側設定値および携帯側設定値を再現して、連携処理を実行させるための設定を継続することができる。
図19は、第2の実施の形態におけるスマートフォンが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図19を参照して、図7に示した機能と異なる点は、携帯側再開通知部259が削除された点、通信制御部250が通信制御部250Aに変更された点である。その他の機能は、図7に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
通信制御部250Aは、近距離通信部209を制御して、MFP100Aとの間で通信経路を確立する。ユーザーAがスマートフォン200Aを、MFP100Aが備えるNFC通信部119Aのアンテナに近づける場合、近距離通信部209がMFP100Aから接続要求を受信するので、近距離通信部209を制御して、MFP100Aとの間で通信経路を確立する。
図20は、第2の実施の形態における連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図20を参照して、図9に示した第1の実施の形態における連携処理と異なる点は、ステップS01、ステップS05、ステップS08、ステップS11、ステップS15およびステップS20が、ステップS01A、ステップS05A、ステップS08A、ステップS11A、ステップS15AおよびステップS20Aに変更された点である。その他の処理は、図9に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
図21は、第2の実施の形態における連携開始条件検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携開始条件検出処理は、図20のステップS01Aにおいて実行される処理である。図21を参照して、CPU111は、NFC規格で通信する近距離通信部119が装置を検出したか否かを判断する(ステップS31A)。装置を検出したならば、処理をステップS32Aに進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。次のステップS32Aにおいては、近距離通信部119が検出した装置を特定し、処理をステップS33Aに進める。装置から装置識別情報を受信することにより特定する。ここでは、スマートフォン200Aを検出する場合を例に説明する。
ステップS33Aにおいては、近距離通信部119を制御して、ステップS32Aにおいて特定された装置、ここではスマートフォン200Aとの間で通信経路を確立し、処理を連携処理に戻す。
図20に戻って、ステップS02においては、ステップS01Aにおいて実行された連携開始条件検出処理の結果、連携開始条件が成立したか否かを判断する。連携開始条件検出処理において、新たに通信経路が確立された装置が存在すれば、連携開始条件が成立したと判断する。連携開始条件が成立したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS05Aに進める。
ステップS05Aにおいては、操作を受け付けたか否かを判断する。タッチパネル165がユーザーにより指示された位置を検出する場合、操作を検出する。操作を検出したならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS07に進める。ステップS06においては、図13に示した受付制御処理を実行し、処理をステップS08に進める。
ステップS08Aにおいては、第2の実施の形態における連携終了条件検出処理を実行し、処理をステップS09に進める。連携終了条件は、ユーザーにより連携を終了させる操作が入力されること、または連携装置との間で確立された通信経路が切断されることとしている。ステップS09においては、連携終了条件検出処理の結果、連携終了条件が成立したか否かを判断する。連携終了条件が終了したならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ここでは、スマートフォン200Aが連携装置に登録され、スマートフォン200Aとの間の通信経路が切断された場合を例に説明する。
ステップS10においては、連携終了条件が検出された連携装置、ここではスマートフォン200Aに対応する動作モードを単独モードに切り換え、処理をステップS11Aに進める。ステップS11Aにおいては、第2の実施の形態における継続状態検出処理を実行し、処理をステップS16に進める。
ステップS15Aにおいては、第2の実施の形態における連携再開条件検出処理を実行し、処理をステップS16に進める。近距離通信部119が連携装置であったスマートフォン200Aと通信可能になると、連携再開条件が成立したことを検出する。ステップS16においては、連携再開条件検出処理を実行した結果、連携再開条件が成立したか否かを判断する。連携再開条件が成立したならば処理をステップS17に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
ステップS20Aにおいては、第2の実施の形態における復帰処理を実行し、処理をステップS01に戻す。具体的には、ステップS13において、連携装置の装置識別情報と関連付けて記憶された装置側情報を読出し、処理識別情報および設定値を設定し、処理識別情報および装置側設定値の変更を受け付けるための操作画面を表示する。これにより、ユーザーは、設定値を、連携装置がMFP100から離れる前に設定した状態から継続して設定することができる。
図22は、第2の実施の形態における継続状態検出処理の流れの一例を示す図である。図22を参照して、図14に示した第1の実施の形態における継続状態検出処理と異なる点は、ステップS87Aが追加された点である。その他の処理は、図14に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
ステップS87において、携帯側設定値が設定されてから所定時間以内でないと判断される場合、処理をステップS87Aに進める。ステップS87Aにおいては、連携装置であるスマートフォン200Aに内蔵されたバッテリーの残量がしきい値T以下か否かを判断する。連携装置であるスマートフォン200Aに内蔵されたバッテリーの残量がしきい値T以下ならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理を連携処理に戻す。
図23は、第2の実施の形態における携帯側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15に示した第1の実施の形態における携帯側連携処理と異なる点は、ステップS201〜ステップS204が、ステップS201A〜ステップS204Aに変更された点、ステップS219〜ステップS222が削除された点である。その他の処理は、図15に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
図23を参照して、CPU201は、ステップS201Aにおいて、NFCタグが装置を検出したか否かを判断する。装置を検出したならば、処理をステップS202Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS209に進める。ここでは、MFP100Aを検出する場合を例に説明する。
ステップS202Aにおいては、近距離通信部209を制御して、MFP100Aに応答コマンドを送信する。そして、次のステップS203Bにおいては、近距離通信部209を制御して、MFP100Aから接続要求を受信したか否かを判断する。接続要求を受信したならば処理をステップS204Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS205に進める。ステップS204Aにおいては、近距離通信部209を制御して、MFP100Aとの間で通信経路を確立し、処理をステップS205に進める。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記継続状態検出手段は、前記携帯装置が予め定められたアプリケーションプログラムを実行中の場合に、前記継続状態を検出する、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理装置。
(2) 前記予め定められたアプリケーションプログラムは、前記情報処理装置と連携して処理を実行するためのアプリケーションプログラムとは別のアプリケーションプログラムである、(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記継続状態検出手段は、前記携帯装置において操作が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に前記継続状態を検出する、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理装置。
(4) 前記継続状態検出手段は、前記情報処理装置において操作が受け付けられてから所定の時間が経過していない場合に前記継続状態を検出する、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理装置。
(5) 前記継続状態検出手段は、ハードウェア資源の不具合が発生する場合に、前記継続状態を検出する、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記継続状態検出手段は、前記携帯装置を駆動するための電力を蓄積するバッテリーの残量が所定値以下の場合に前記継続状態を検出する、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理装置。