JP6241342B2 - 燃料ポンプの学習装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁からエンジンに噴射させるための高圧燃料を蓄積するコモンレールを備えたコモンレールシステムにおいて、コモンレールに燃料を供給する燃料ポンプに設けられた吐出量制御弁の応答特性を学習するのに好適な、燃料ポンプの学習装置に関する。
従来、車両のエンジンに燃料を噴射するためのシステムとして、燃料ポンプからコモンレールに高圧の燃料を供給することで、コモンレール内に高圧の燃料を蓄積し、その蓄積した高圧の燃料をエンジン各気筒に設けられた燃料噴射弁に供給する、コモンレールシステムが知られている。
また、コモンレールシステムとしては、燃料ポンプに設けられた吐出量制御弁を介して、燃料ポンプからの燃料の圧送期間を制御することで、燃料ポンプからコモンレールへの燃料吐出量(ひいてはコモンレール内の燃料圧力(コモンレール圧))を制御するものが知られている。
この種のコモンレールシステムでは、燃料ポンプ取付け状態や吐出量制御弁の応答特性が、個体差、経年変化等によって基準特性からずれると、燃料ポンプからの燃料吐出量を適正に制御することができなくなり、コモンレール圧が目標圧力からずれてしまう。
そこで、従来、吐出量制御弁を備えた燃料ポンプにおいては、コモンレール圧を目標圧力にフィードバック制御するために算出される制御量(フィードバック量)の積分項から、吐出量制御弁の応答時間のずれとポンプ取付け誤差(角度誤差)を算出することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案の装置では、コモンレール圧をフィードバック制御するために算出される制御量の積分項を、エンジンの回転速度NEを変数とする一次式(積分項=a・NE+b)で表す。
そして、その一次式において、「a・NE」を、吐出量制御弁の応答時間のずれ(時間誤差)を表すパラメータ、「b」を、エンジンのクランク軸と燃料ポンプを駆動するカムとの回転位相差のずれ(角度誤差)を表すパラメータとして、これら各パラメータを学習する。
特開2013−113135号公報
ところで、上記提案の装置では、燃料ポンプの角度誤差は、燃料ポンプの組み付け時に生じるものであるので、吐出量制御弁の応答時間のずれを学習する際には、燃料ポンプの角度誤差は、一定であるものとする。
そして、エンジンの回転速度が異なる2点でコモンレール圧をフィードバック制御したときの制御量の積分項を取得し、その積分項の差を回転速度の差で除算することで、吐出量制御弁の応答時間のずれを表すパラメータ「a」を算出する。
このため、上記提案の装置では、吐出量制御弁の応答時間のずれを学習するには、少なくともエンジン回転速度が異なる2点でコモンレール圧をフィードバック制御する必要があり、学習には複数の学習点が必要な為、時間がかかるという問題があった。
また、エンジンの加速時等には、コモンレール圧の目標圧力が変動し、コモンレール圧を目標圧力に制御するための制御量(換言すれば積分項)も変動するので、応答時間のずれを正確に学習することができない。
そこで、上記提案の装置では、積分項及び回転速度が所定の変動範囲内であること(換言すれば、エンジンが定常運転されていること)を条件として、応答時間のずれを学習する。
従って、上記提案の装置では、吐出量制御弁の応答時間のずれの学習に時間がかかるだけでなく、その学習の頻度が少なくなり、ひいては必要な学習値を取得するのに要する時間が長くなるという問題がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、コモンレールに燃料を供給するのに使用される燃料ポンプにおいて、加速時等、エンジンの運転状態が変動している場合であっても、吐出量制御弁の応答時間のずれを正確に学習できるようにすることを目的とする。
本発明の燃料ポンプの学習装置は、コモンレールと燃料ポンプと吐出量制御弁と制御手段とを備えたコモンレールシステムにおいて、制御手段が吐出量制御弁に駆動指令を出力してから吐出量制御弁が実際に動作するまでの応答時間を学習(補正)するためのものである。
そして、本発明の学習装置においては、オーバーシュート量検出手段が、制御手段が吐出量制御弁を介して燃料圧力(コモンレール圧)を目標圧力に制御した際に生じる、燃料圧力の目標圧力に対するオーバーシュート量(Pov)を検出する。
また、オーバーシュート量検出手段にてオーバーシュート量(Pov)が検出されると、学習値算出手段が、予め設定されたオーバーシュート量−応答誤差特性とに基づき、吐出量制御弁の応答時間の基準応答時間に対する誤差(ΔTpcv)を、学習値として算出する。
このように、本発明の学習装置においては、制御手段がコモンレール圧を目標圧力に制御するために算出する制御量の積分項を用いるのではなく、制御手段がコモンレール圧を制御した結果生じるコモンレール圧のオーバーシュート量を用いる。
これは、制御手段は、コモンレール圧を目標圧力に制御するためのものであるため、制御手段から、吐出量制御弁の応答時間に対応した適正な駆動タイミングで駆動指令が出力されていれば、コモンレール圧は目標圧力に速やかに収束するためである。
つまり、この場合、オーバーシュート量(Pov)は最も小さくなるが、駆動タイミングが適正なタイミングからずれると、オーバーシュート量(Pov)が正方向若しくは負方向に大きくずれる。
そこで、本発明では、このオーバーシュート量(Pov)を検出して、制御手段による吐出量制御弁の駆動タイミングの適正タイミングからのずれ量を、吐出量制御弁の応答時間の基準応答時間に対する誤差(ΔTpcv)として算出するのである。
従って、本発明の学習装置によれば、従来装置のように、エンジンの回転速度が異なる2点でコモンレール圧を制御する必要がなく、制御手段がコモンレール圧を制御する通常運転時に、吐出量制御弁の応答時間のずれを学習することができる。
また、本発明の学習装置によれば、コモンレール圧の目標圧力が変化して、制御手段がコモンレール圧を目標圧力に制御する際に生じるオーバーシュート量(Pov)に基づき、吐出量制御弁の応答時間のずれを学習するので、エンジンの加速時にも学習を実施できる。
よって、本発明の学習装置によれば、従来装置に比べて、学習の頻度を高め、その学習により得られる学習値により、制御手段が駆動指令を出力する駆動タイミングを最適に補正することができる。
なお、オーバーシュート量検出手段によるオーバーシュート量(Pov)の検出は、例えば、実際のコモンレール内の圧力と目標圧力を常時モニターし、オーバーシュート量(Pov)を検出するか、又は推定手段にて、制御手段が燃料圧力を目標圧力に制御するのに要する理想制御時間(Tov)を推定し、圧力差算出手段にて、理想制御時間が経過した時点でコモンレール内の燃料圧力を検出し、その検出した燃料圧力と目標圧力との圧力差をオーバーシュート量(Pov)として算出するようにしてもよい。
また、推定手段による理想制御時間(Tov)の推定は、例えば、エンジンの回転速度、コモンレール内の燃料圧力、及び、燃料ポンプの燃料吐出量に基づき、理想制御時間(Tov)を算出するようにしてもよい。
実施形態のコモンレールシステム全体の構成を表す概略構成図である。 吐出量制御弁(PCV)の燃料圧送部の構成及び動作を説明する説明図である。 ECUによる燃料ポンプの駆動制御を表す説明図である。 ECUにて実行される応答時間学習処理を表すフローチャートである。 図4に示した学習処理におけるオーバーシュート量の検出動作を説明する説明図である。 オーバーシュート量−応答誤差特性を表す説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
なお、本発明は、下記の実施形態によって何ら限定して解釈されない。また、下記の実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。また、下記の実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、これは本発明の理解を容易にする目的で使用しており、本発明の技術的範囲を限定する意図ではない。
図1に示すように、本実施形態のコモンレールシステム2は、例えば、自動車用のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)4に燃料を供給するためのものであり、高圧燃料を蓄えるコモンレール10を備える。
コモンレール10には、燃料タンク12から汲み上げられた燃料が、燃料ポンプ20を介して高圧状態で供給され、コモンレール10に蓄積された高圧燃料は、エンジン4の各気筒に設けられた燃料噴射弁30を介して、各気筒の燃焼室内に噴射供給される。
燃料ポンプ20は、燃料タンク12から燃料を汲み上げるフィードポンプ(図示せず)と、フィードポンプにて汲み上げられた燃料を高圧にしてコモンレール10に吐出する燃料圧送部22(図2参照)とを備える。
図2に示すように、燃料圧送部22は、エンジン4により回転駆動されるカムの回転に応じて加圧室23内を往復移動するプランジャ24を備え、プランジャ24が図2(b)に示す矢印方向に移動する際に、加圧室23内の燃料を加圧し、デリバリバルブ28を介して燃料を圧送するものである。
また、フィードポンプから加圧室23に至る燃料通路には、弁体27を介して燃料通路を閉じることで、プランジャ24による燃料の加圧開始タイミング(ひいては燃料ポンプ20からの燃料吐出量)を制御する吐出量制御弁(以下、PCV(Pre stroke Control Valve)という。)26が設けられている。
つまり、燃料圧送部22においては、図3に示すように、エンジン4の回転に同期して変化するプランジャ24のリフト量に応じて、吸入行程と圧送行程とが交互に現れる。
吸入行程では、プランジャ24が図2(a)に示す矢印方向に移動することにより加圧室23内に燃料を吸入可能であり、圧送行程では、プランジャ24が図2(b)に示す矢印方向に移動することにより、加圧室23内の燃料を加圧可能である。
そして、PCV26は、吸入行程時には、プランジャ24の移動によりフィードポンプからの燃料を加圧室23内に吸入できるよう、開弁状態に制御され、圧送行程時には、通電パルスによって、所定の圧送開始タイミングで閉弁状態に切り替えられ、所定の圧送期間の間、閉弁状態に保持される。
この結果、PCV26の閉弁後、圧送期間が終了する迄、プランジャ24の移動により加圧室23内の燃料が加圧され、デリバリバルブ28を介して、高圧燃料がコモンレール10に圧送されることになる。
次に、コモンレール10には、内部の燃料圧力(コモンレール圧)を検出する圧力センサ14、及び、内部の燃料を燃料タンク12側へ溢流させることで内部の燃料圧力を減圧する減圧弁16が設けられている。
また、エンジン4には、回転速度NEを検出する回転速度センサ32、運転者によるアクセル操作量(アクセル開度ACC)を検出するアクセルセンサ34、冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ36、吸入空気の温度(吸気温TA)を検出する吸気温センサ38、等が設けられている。
そして、これら各センサからの検出信号は、CPU,ROM,RAM等を中心とするマイクロコンピュータにて構成された電子制御装置(以下、ECUという。)40に入力される。
ECU40は、コモンレール10に設けられた圧力センサ14や、エンジン4に設けられた各種センサ32,34,36,38…から検出信号を取り込み、コモンレール圧や燃料噴射弁30からの燃料噴射を制御する、制御処理を実行する。
なお、コモンレール圧制御処理は、エンジン4の運転状態に基づきコモンレール10の目標圧力を算出し、圧力センサ14にて検出されたコモンレール圧が目標圧力となるよう、PCV26を介して燃料ポンプ20からの燃料吐出量と減圧弁16からの燃料溢流量を制御するための処理である。
また、燃料噴射制御処理は、エンジン4の運転状態に基づき燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出し、その算出結果に応じて各気筒の燃料噴射弁30に所定タイミングで所定の通電期間だけ通電することで、燃料噴射弁30を通電期間に対応した所定期間開弁させて、各気筒に燃料を噴射供給させるための処理である。
一方、ECU40は、こうした燃料噴射制御のための制御処理とは別に、燃料ポンプ20からの燃料吐出特性を学習して、コモンレール圧制御のための通電パルスの出力タイミングを補正する学習値を算出する学習処理を実行する。
すなわち、図3に示すように、PCV26は、ECU40から出力される通電パルスにより通電されて、閉弁する。そして、その閉弁により燃料ポンプ20からコモンレール10に向けて燃料が圧送される圧送開始タイミングは、通電パルスの立上がりからPCV26の応答時間だけ遅れることになる。
このため、コモンレールシステム2の設計時には、PCV26の応答時間を考慮して、燃料ポンプ20からの燃料吐出量を制御するための制御則が設定されるが、PCV26の応答時間は、PCV26の特性のばらつきによって、PCV26毎に異なり、しかも、PCV26の経年変化によっても変化する。
そこで、ECU40は、PCV26の応答時間の基準時間からのずれを学習し、そのずれに従い、通電パルスの出力タイミングを補正する学習値を設定する、応答時間学習処理を実行するのである。
なお、燃料ポンプ20からの圧送開始タイミングは、PCV26の応答時間だけでなく、プランジャ24を往復動させるカムとエンジン4のクランク軸との回転角度のずれによっても変化する。
つまり、図3に示すように、カムとクランク軸との回転角度のずれによってプランジャ24の往復動がエンジン4の進角側にずれると、燃料ポンプ20からコモンレール10への燃料吐出量が減少し、プランジャ24の往復動がエンジン4の遅角側にずれると、燃料ポンプ20からコモンレール10への燃料吐出量が増加する。
このため、ECU40は、この回転角度のずれによって生じる燃料吐出量の制御誤差を補正するため、回転角度のずれを学習する搭載角度学習処理も実行するが、この学習処理は、本発明の主要な処理ではなく、また、特許文献1に記載の通り、従来より知られているので、ここでは説明は省略する。
応答時間学習処理は、上述したコモンレール圧制御処理及び燃料噴射制御処理と共に、ECU40において、繰り返し実行される処理である。
図4に示すように、応答時間学習処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)にて、上述した搭載角度学習処理は完了しているか否かを判断する。
そして、S110にて、搭載角度学習処理は完了していないと判断されると、応答時間学習処理を一旦終了することで、搭載角度学習処理が完了するのを待ち、搭載角度学習処理が完了していれば、S120に移行する。
なお、搭載角度学習処理は、燃料ポンプ20をエンジン4に搭載した際の組み付け誤差によって生じるカムとクランク軸との回転角度のずれを学習する処理であり、コモンレールシステムの出荷時等にそのずれを補正するための学習値を設定しておけば、その後頻繁に実施する必要はない。
このため、S110では、搭載角度学習処理が既に実施されているか否かを判断すればよく、搭載角度学習処理による学習値が最新のものか否かを判断する必要はない。
次に、S120では、回転速度センサ32を介してエンジンの回転速度NEを検出し、回転速度NEが所定速度以上か否かを判断する。そして、回転速度NEが所定速度以上でなければ、当該学習処理を一旦終了し、回転速度NEが所定速度以上であれば、S130に移行する。
また、S130では、コモンレール圧制御処理において設定されるコモンレール圧の目標圧力の変化幅が、予め設定された所定圧力以上であるか否かを判断する。そして、目標圧力の変化幅が所定圧力以上でなければ、当該学習処理を一旦終了し、目標圧力の変化幅が所定圧力以上であれば、S140に移行する。
また、S140では、燃料噴射量制御処理において設定される燃料噴射弁30からの燃料噴射量の変化幅が、予め設定された所定値以上であるか否かを判断する。そして、燃料噴射量の変化幅が所定値以上でなければ、当該学習処理を一旦終了し、燃料噴射量の変化幅が所定値以上であれば、S150に移行する。
ここで、S120〜S140の判定処理は、エンジン4が所定回転速度以上で運転されていて、エンジン負荷が上昇している、という学習条件が成立しているか否かを判断している。
これは、応答時間学習処理では、コモンレール圧制御処理によってコモンレール圧が現在のコモンレール圧よりも高い目標圧力に制御されるときに生じる、コモンレール圧の目標圧力に対するオーバーシュート量を検出する必要があるためである。
つまり、エンジン4がアイドル運転等の低回転低負荷状態で運転されているときには、コモンレール圧制御処理によってコモンレール圧のオーバーシュートが生じることがないので、このような条件下では、当該学習処理の実行条件は成立していないと判断して、当該処理を一旦終了するのである。
なお、S120〜S140では、エンジン4の回転速度、目標圧力の変化幅、燃料噴射量の変化幅から、エンジン負荷の上昇を判定しているが、ここではエンジン負荷の上昇を判定できればよいため、アクセルセンサ34により検出されるアクセル開度ACCの踏込量を判定用のパラメータとして利用するようにしてもよい。また、単にコモンレール圧の目標圧力の変化幅だけで、判定するようにしてもよい。
次に、S150では、エンジン4が通常運転モードで運転されており、異常発生時のフェールセーフモードや他の学習処理を実行する学習処理モードで運転されていないか否かを判断する。そして、エンジン4が通常運転モードで運転されていれば、S160に移行し、エンジン4が通常運転モードで運転されていなければ、当該学習処理を一旦終了する。
S160では、回転速度センサ32及び圧力センサ14を介してエンジン4の回転速度NE、及び、コモンレール圧Pcを取り込むと共に、燃料ポンプ20のプランジャ24の1ストローク当たりに吐出可能な燃料吐出量ΔQを取得する。
そして、続くS170では、S160にて取得した回転速度NE、コモンレール圧Pc、及び燃料吐出量ΔQに基づき、現時点からコモンレール圧を目標圧力Ptに制御するのに要する理想制御時間Tovを算出する。
つまり、燃料ポンプ20のプランジャ24の1ストローク当たりに吐出される燃料吐出量ΔQにて上昇するコモンレール圧Pcの変化量ΔPcは、コモンレール10の容量をVcrとすると、次式(1)のように記述できる。
ΔPc=ΔQ・E/Vcr … (1)
なお、上記(1)式において、Eは比例係数であり、ΔQは、燃料ポンプ20のプランジャ容積から求めることができる。
一方、コモンレール圧制御によって、コモンレール圧Pcを目標圧力にフィードバック制御する際には、図5に示すように、燃料ポンプ20の圧送行程でPCV26を閉弁させることで、コモンレール圧Pcを、燃料ポンプ20の燃料吐出量ΔQにて上昇させる。
そして、コモンレール圧Pcが目標圧力Ptに近づくと、その圧力差に応じてPCV26の閉弁タイミングを制御し、コモンレール圧Pcを目標圧力Ptに収束させる。
従って、PCV26が設計時の基準特性を有し、その応答時間が設計時の基準応答時間であれば、コモンレール圧の制御によってコモンレール圧Pcが目標圧力Ptに収束するのに要する理想制御時間Tovを理論的に求めることができる。
すなわち、理想制御時間Tovは、(1)式により得られるコモンレール圧Pcの変化量ΔPcと、エンジン4により燃料ポンプ20のプランジャが往復動する回数(換言すればエンジン4の回転速度NE)とにより、次式(2)のように記述できる。
Tov=∫k・ΔPc(NE) … (2)
なお、上記(2)式は、燃料ポンプ20から単位時間当たりに変化するコモンレール圧Pcの変化量は、エンジン4の回転速度の関数ΔPc(NE)となるため、その変化量ΔPc(NE)に係数kを乗じた値を積分することにより、コモンレール圧Pcを目標圧力まで上昇させるのに必要な時間を算出できることを表している。
そこで、S170では、上記(1)、(2)式に基づき設定される計算式若しくはマップを用いて、回転速度NE、コモンレール圧Pc、及び燃料吐出量ΔQに基づき、コモンレール圧を目標圧力Ptに制御するのに要する理想制御時間Tovを算出するのである。
次に、S180では、図5に示すように、S170にて理想制御時間Tovを算出してから、実際に理想制御時間Tovが経過した時点で、コモンレール圧Pcを検出し、その検出したコモンレール圧Pcの目標圧力Ptに対するオーバーシュート量Povを算出する。
そして、続くS190では、S180にて求めたオーバーシュート量Povから、PCV26閉弁時の応答時間の基準応答時間からのずれ量を誤差ΔTpcvとして算出する。
この算出には、オーバーシュート量Povと誤差ΔTpcvとの関係を表すオーバーシュート量−応答誤差特性(図6参照)に基づき設定された、オーバーシュート量Povとエンジン4の回転速度NEとをパラメータとするマップ(換言すれば換算用データ)、若しくは、下記の計算式(3)が用いられる。
ΔTpcv=Δt+kp・Pov+kn・NE
+kt・Tov+kq・ΔQinj … (3)
つまり、図6に示すように、オーバーシュート量Povは、PCV26閉弁時の応答時間の誤差ΔTpcvが大きいほど多く、また、エンジン4の回転速度が高いほど多くなる。
そこで、本実施形態では、この関係を表すオーバーシュート量−応答誤差特性を、実験若しくはシミュレーションにより生成し、この特性に基づき、応答時間の誤差ΔTpcv算出用のマップ若しくは計算式を設定し、S190にて、誤差ΔTpcvを算出するようにしているのである。
なお、上記計算式(3)において、kp、kn、kt、kqは、オーバーシュート量Pov、回転速度NE、理想制御時間Tov、燃料噴射量Qinjに対する係数である。
そして、上記計算式(3)は、図6に示したオーバーシュート量−応答誤差特性に従い誤差ΔTpcvを算出するだけでなく、その誤差ΔTpcvの補正項として、「kt・Tov・kq・ΔQinj」を加えることで、オーバーシュート量Povの計測時に生じる誤差を補正できるようにしている。
このように、S190にて、PCV26の応答時間の基準応答時間に対するずれ量(誤差ΔTpcv)が算出されると、S200にて、そのずれ量を補正するための学習値Tgが既に設定されているか否かを判断する。
そして、学習値Tgが既に設定されていれば、S210に移行して、その設定されている学習値Tgに、今回算出したずれ量(誤差ΔTpcv)に係数kgを乗じた補正項「kg・ΔTpcv)を加えることで、学習値Tgを更新し、S230に移行する。
また、学習値Tgがまだ設定されていなければ、S220に移行して、今回算出したずれ量(誤差ΔTpcv)を学習値Tgとして設定し、S230に移行する。
S230では、S210又はS220にて更新又は設定された学習値Tgをメモリ(不揮発性メモリ等)に記憶し、当該応答時間学習処理を終了する。
なお、学習値Tgは、コモンレール圧制御処理において、コモンレール圧を制御するためにPCV26を閉弁して燃料ポンプ20から燃料を吐出させる際の、PCV26の閉弁駆動タイミングを補正するのに用いられる。
以上説明したように、本実施形態のコモンレールシステム2においては、コモンレール圧制御処理によってコモンレール圧が現在の圧力よりも高い目標圧力に制御される際に、コモンレール圧が目標圧力に収束するのに要する理想制御時間Tovを算出し、その理想制御時間Tovが経過した時点で、コモンレール圧を検出する。
そして、その検出したコモンレール圧と目標圧力との圧力差を、コモンレール圧制御によって生じるコモンレール圧のオーバーシュート量(Pov)として求め、このオーバーシュート量から、PCV26の応答時間の基準応答時間に対する誤差(ΔTpcv)を算出する。
従って、PCV26の応答時間を学習するために、従来のように、エンジン4の運転状態が異なる2点で、コモンレール圧制御処理によって算出される制御量の積分項を取得する必要がなく、エンジン4の一つの運転条件下でPCV26の応答時間を学習することができる。
また、その学習は、エンジン4の運転状態が安定しているときに実行する必要はなく、コモンレール圧の目標圧力が変化する通常運転時に実施できることから、従来装置に比べて、学習の頻度を高めることができる。
本実施形態において、コモンレール圧のオーバーシュート量Povは、コモンレール圧を目標圧力に制御するのに要する理想制御時間Tovが経過したときのコモンレール圧と目標圧力との差から検出されるので、コモンレール圧制御の実行時に、コモンレール圧の変化を監視し、その監視結果からオーバーシュート量を求める必要がない。
このため、オーバーシュート量Povの検出も極めて簡単に行うことができ、ECU40の処理動作に負担をかけることなく、PCV26の応答時間を学習することができる。
また、本実施形態では、エンジン4の回転速度NE、コモンレール内の燃料圧力Pc、及び、燃料ポンプ1ストローク当たりの燃料吐出量(詳しくは燃料ポンプ20のプランジャ24の1ストローク当たりの燃料吐出量)ΔQを用いて、理想制御時間Tovを算出するので、その算出のために特別なセンサを設ける必要がない。従って、本実施形態の学習装置は、既存のコモンレールシステム2に簡単に適用できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、コモンレール圧のオーバーシュート量Povは、コモンレール圧制御による目標圧力が変化した際に、コモンレール圧の変化を監視し、コモンレール圧が目標圧力から上昇(若しくは低下)した量を、オーバーシュート量として検出するようにしてもよい。
2…コモンレールシステム、4…エンジン、10…コモンレール、12…燃料タンク、14…圧力センサ、16…減圧弁、20…燃料ポンプ、22…燃料圧送部、23…加圧室、24…プランジャ、26…PCV(吐出量制御弁)、27…弁体、28…デリバリバルブ、30…燃料噴射弁、32…回転速度センサ、34…アクセルセンサ、36…水温センサ、38…吸気温センサ、40…ECU(電子制御装置)。

Claims (4)

  1. エンジン(4)の燃料噴射弁(30)に供給する高圧燃料を蓄積するコモンレール(10)と、
    前記エンジンにより駆動されて、前記コモンレールに燃料を圧送する燃料ポンプ(20)と、
    前記燃料ポンプに設けられ、前記燃料ポンプの圧送行程内で燃料を圧送させる圧送期間を調整することにより、前記燃料ポンプから前記コモンレールへの燃料吐出量を制御する吐出量制御弁(26)と、
    前記コモンレール内の燃料圧力が目標圧力となるよう前記吐出量制御弁を駆動制御する制御手段(40)と、
    を備えたコモンレールシステムにおいて、前記制御手段が前記吐出量制御弁に駆動指令を出力してから前記吐出量制御弁が実際に動作するまでの応答時間を学習する燃料ポンプの学習装置であって、
    前記制御手段が前記吐出量制御弁を介して前記燃料圧力を前記目標圧力に制御した際に生じる、前記燃料圧力の前記目標圧力に対するオーバーシュート量(Pov)を検出するオーバーシュート量検出手段(40、S110〜S180)と、
    前記オーバーシュート量検出手段にて算出された前記燃料圧力のオーバーシュート量(Pov)と、予め設定されたオーバーシュート量−応答誤差特性とに基づき、前記吐出量制御弁の前記応答時間の基準応答時間に対する誤差(ΔTpcv)を、学習値として算出する学習値算出手段(40、S190〜S220)と、
    を備えたことを特徴とする燃料ポンプの学習装置。
  2. 前記オーバーシュート量検出手段は、
    前記エンジンの運転中に、前記制御手段が前記燃料圧力を前記目標圧力に制御するのに要する理想制御時間(Tov)を推定する推定手段(40、S120〜S170)と、
    前記推定手段にて推定された前記理想制御時間が経過した時点で、前記コモンレール内の燃料圧力を検出し、該検出した燃料圧力と前記目標圧力との圧力差を前記オーバーシュート量(Pov)として算出する圧力差算出手段(40、S180)と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプの学習装置。
  3. 前記推定手段は、前記エンジンの回転速度、前記コモンレール内の燃料圧力、及び、前記燃料ポンプ1ストローク当たりの燃料吐出量に基づき、前記理想制御時間(Tov)を算出することを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプの学習装置。
  4. 前記学習値算出手段は、前記オーバーシュート量−応答誤差特性に基づき予め設定された換算用データ若しくは計算式を用いて、前記オーバーシュート量(Pov)から前記誤差(ΔTpcv)を算出することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の燃料ポンプの学習装置。
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