JP4470975B2 - 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム - Google Patents

燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム Download PDF

Info

Publication number
JP4470975B2
JP4470975B2 JP2007224508A JP2007224508A JP4470975B2 JP 4470975 B2 JP4470975 B2 JP 4470975B2 JP 2007224508 A JP2007224508 A JP 2007224508A JP 2007224508 A JP2007224508 A JP 2007224508A JP 4470975 B2 JP4470975 B2 JP 4470975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
fuel
interval time
actual
characteristic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007224508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009057866A (ja
Inventor
直幸 山田
稔 今井
康治 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007224508A priority Critical patent/JP4470975B2/ja
Priority to EP08163166.5A priority patent/EP2031229B1/en
Priority to US12/230,453 priority patent/US7706957B2/en
Priority to CN2008101756472A priority patent/CN101392692B/zh
Publication of JP2009057866A publication Critical patent/JP2009057866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4470975B2 publication Critical patent/JP4470975B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、1燃焼サイクル中に多段噴射を実施する燃料噴射弁の噴射量を制御する燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システムに関する。
コモンレール式の燃料噴射システムにおいては、燃焼音の低減または排気フィルタの再生等を目的として、主なトルクを発生するメイン噴射の前後にパイロット噴射およびポスト噴射等を実施する多段噴射が実施されている。
このように1燃焼サイクル中に燃料を複数回噴射する多段噴射式の燃料噴射弁においては、各段において燃料噴射弁を閉弁し噴射を終了するときに水撃作用により圧力脈動が発生する。圧力脈動の大きさは各段の噴射が終了してからの経過時間により変化するので、多段噴射において前段の噴射により圧力脈動が生じると、前段噴射に続いて噴射する後段の噴射量が、前段噴射終了から後段噴射開始までのインターバル時間に依存してばらつく。
そこで、出荷時等において予めインターバル時間と圧力脈動との特性を測定し、インターバル時間に対して噴射量を補正する基準補正マップを設定することが考えられる。
しかしながら、燃料噴射弁の噴射特性は燃料噴射弁毎の機差または経時変化によりばらつくので、基準補正マップにおいて設定している目標インターバル時間と実インターバル時間との間にずれが生じる。その結果、基準補正マップに基づいて目標インターバル時間における後段噴射の噴射量を補正しても、後段の噴射量が目標噴射量からずれることになる。
そこで、特許文献1では、多段噴射を実施したときの実噴射量を算出し、実噴射量と目標噴射量との差に基づいて機差または経時変化によるインターバル時間のずれを学習しようとしている。
特開2007−132334号公報
しかしながら、特許文献1においては、インターバル時間の使用範囲の一部におけるインターバル時間のずれを学習し、学習したインターバル時間のずれを使用範囲の一部に適用している。そして、インターバル時間の使用範囲全域内の他の使用範囲においては、範囲毎に新たにインターバル時間のずれを学習している。その結果、使用範囲全域のインターバル時間のずれを学習するために要する学習量が多くなるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、インターバル時間の使用範囲全域において多段噴射のインターバル時間のずれを少ない学習量で高精度に補正する燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システムを提供することを目的とする。
本発明者は、図7の(A)に示すように、指令噴射量が異なり噴射中の噴射率および燃料噴射弁(INJ)の内部圧力が異なっても、噴射終了後の燃料噴射弁の内部圧力の変化、つまり圧力脈動の特性は、噴射終了からの経過時間に対してほぼ同一であることを見いだした。
そして、本発明者は、図7の(B)に示すように、多段噴射において前段噴射の終了時に発生する圧力脈動のために変化する後段(2段目)噴射の噴射量の特性は、前段噴射の噴射量が異なっても、前段噴射の噴射終了時期および後段噴射の指令噴射量が同じであれば、前段噴射と後段噴射とのインターバル時間に対してほぼ同一であることを見いだした。図7の(B)では、前段噴射の噴射量を例えば50mm3/st、10mm3/st、2mm3/stと変化させ、後段噴射の指令噴射量を2mm3/stに設定した場合のインターバル時間に対する後段噴射の噴射量の特性を示している。つまり、機差または経時変化によるインターバル時間に対する噴射特性のばらつきは、燃料噴射弁の開閉弁遅れ時間のばらつきによるインターバル時間のばらつきのみである。よって、インターバル時間に対する噴射特性は基準となる噴射特性の位相がずれるだけである。
そこで、請求項1から5に記載の発明では、インターバル時間の使用範囲全域におけるインターバル時間に対する基準噴射特性と、インターバル時間の使用範囲の一部において実際に取得したインターバル時間に対する実噴射特性データとのインターバル時間に対する位相差を算出し、算出した位相差分ずらして補正した基準噴射特性に基づき後段噴射の噴射量を補正する。
これにより、基準噴射特性が高精度に測定されていれば、インターバル時間の使用範囲の全域ではなく一部の実噴射特性データを取得することにより、基準噴射特性を実噴射特性データとの位相差分ずらすことにより、機差または経時変化により燃料噴射弁の噴射特性がばらつきインターバル時間がずれても、インターバル時間の使用範囲全域においてインターバル時間のずれを少ない学習量で高精度に補正できる。
ここで、前段噴射の終了時に発生する圧力脈動によりインターバル時間に対して変化する基準噴射特性は減衰振動する。そして、燃料噴射弁の噴射特性が機差または経時変化によりばらついても、前述したように実噴射特性は基準噴射特性の位相がずれたものである。したがって、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性のインターバル時間上の位置は、基準噴射特性の半周期分のデータがあれば特定できる。
そこで請求項1から5に記載の発明では、実噴射特性データを取得するインターバル時間の使用範囲の一部は基準噴射特性の半周期を含む範囲とする。
これにより、極力狭いインターバル時間の使用範囲で実噴射特性データを取得し、基準噴射特性と実噴射特性データとの位相差を算出できる。半周期を含む範囲としては、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性のインターバル時間上の位置を特定するとともに、実噴射特性データのインターバル時間方向のずれを考慮し、半周期よりも僅かに大きい範囲であればよい。
請求項2に記載の発明では、半周期は基準噴射特性の極大点と極小点との間である。
同じ半周期であれば、極大点と極小点との間の基準噴射特性の変位が最も大きいので、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性のインターバル時間上の位置を容易に特定できるとともに、誤って特定することを防止できる。
請求項3に記載の発明では、半周期は、基準噴射特性の極大側または極小側のうち、実噴射特性データを取得するときに実噴射量の少ない側である。
これにより、実噴射特性データを取得するために燃料噴射弁から燃料を噴射しても、燃焼音およびエンジンのトルク変動を極力抑制できる。
請求項4に記載の発明では、半周期は、基準噴射特性においてインターバル時間の短い側である。
基準噴射特性は減衰振動するので、インターバル時間の短い側の方が基準噴射特性の変位が大きくなる。これにより、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性のインターバル時間上の位置を容易に特定できるとともに、誤って特定することを防止できる。
尚、インターバル時間の使用範囲の一部は、基準噴射特性の使用範囲全域における複数範囲でもよい。
1箇所ではなく複数範囲で実噴射特性データを取得することにより、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性のインターバル時間上の位置を誤って特定することを防止できる。
また、基準噴射特性と複数範囲の各範囲でそれぞれ取得した実噴射特性データとの位相差の平均位相差を算出し、基準噴射特性を平均位相差分ずらして補正してもよい。
これにより、1箇所の範囲で取得した実噴射特性データから算出した位相差の誤差が大きい場合にも誤差の小さい位相差と平均されることにより、誤差の大きい位相差で基準噴射特性を補正することを防止できる。
また、複数範囲の各範囲で算出された位相差分ずらして複数範囲の各範囲における基準噴射特性を補正してもよい。
これにより、取得した実噴射特性データから算出した位相差の誤差が小さい場合には、実噴射特性データを取得した使用範囲において基準噴射特性の位相を高精度に補正できる。
また、複数範囲の各範囲で算出された位相差により複数範囲以外の使用範囲の位相差を補間して補間位相差を算出し、補間位相差分ずらして複数範囲以外の使用範囲における基準噴射特性を補正してもよい。
これにより、実噴射特性データを取得する複数範囲以外の使用範囲において、実噴射特性データを取得することなく基準噴射特性の位相を補正できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム10)
本発明の一実施形態による燃料噴射システム10を図1に示す。
蓄圧式の燃料噴射システム10は、フィードポンプ14、高圧ポンプ16、コモンレール20、燃料噴射弁30、電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)40等から構成されており、4気筒のディーゼルエンジン60の各気筒に燃料を噴射する。
フィードポンプ14は燃料タンク12から燃料を吸入し燃料供給ポンプである高圧ポンプ16に供給する。高圧ポンプ16は、クランクシャフト66の回転に連動する駆動シャフトによりプランジャが往復移動し、加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。ECU40が高圧ポンプ16の調量弁18に供給する電流値を制御することにより、高圧ポンプ16が吸入行程で吸入する燃料吸入量が調量される。そして、燃料吸入量が調量されることにより、高圧ポンプ16の燃料吐出量が調量される。
コモンレール20は、高圧ポンプ16が圧送する燃料を蓄圧しエンジン運転状態に応じた所定の高圧に燃料圧力を保持する。圧力センサ22は、コモンレール20の内部の燃料圧力を検出しECU40に出力する。
燃料噴射弁30は、4気筒のディーゼルエンジン60の各気筒に設置され、コモンレール20が蓄圧している燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁30は、ディーゼルエンジンの1燃焼サイクルにおいて、主なトルクを発生するメイン噴射の前後にパイロット噴射、プレ噴射、アフター噴射、ポスト噴射等を含む多段噴射を実施する。
図2に示すように、燃料噴射弁30は、ノズルニードル32に閉弁方向に燃料圧力を加える制御室100の圧力を制御することにより燃料噴射量を制御する公知の電磁駆動式の弁である。コモンレール20から燃料噴射弁30の噴孔34周囲および制御室100に高圧燃料が供給されている。
制御弁36が制御室100と低圧側との連通を遮断している図2に示す状態では、制御室100からノズルニードル32に加わる燃料圧力により、ノズルニードル32は噴孔34を閉塞している。
制御弁36が制御室100と低圧側とを連通させると、制御室100から低圧側に流出する燃料量がコモンレール20から制御室100に流入する燃料量より多くなるので、制御室100の圧力が低下する。これにより、ノズルニードル32はリフトし噴孔34から燃料が噴射される。
図1に示すように、燃料噴射制御装置としてのECU40に搭載されているマイクロコンピュータ50は、CPU52、ROM54、RAM56、EEPROM58等の書換可能な不揮発性メモリ、各種入出力ポート等から構成されている。ECU40を実噴射特性取得手段、位相差算出手段、位相補正手段および噴射補正手段として機能させる制御プログラム、ならびにインターバル時間に対する基準噴射特性は、ROM54またはEEPROM58等の記憶手段としての記憶装置に記憶されている。
基準噴射特性は、多段噴射において前段噴射と前段噴射に続いて実施される後段噴射とのインターバル時間の使用範囲全域において設定されている。基準噴射特性は、マップとして記憶されていてもよいし、近似式等の数式として記憶されていてもよい。マップの場合には基準噴射特性を短時間で取得できる。数式の場合には、基準噴射特性を記憶する記憶容量が小さくなる。基準噴射特性は、マップの場合はコモンレール圧の所定の圧力範囲毎に設定され、数式の場合はコモンレール圧を変数として設定されている。
ECU40は、アクセルペダルの開度(ACC)を検出するアクセルセンサ、温度センサ、圧力センサ22、エンジン回転数(NE)を検出するNEセンサ等の各種センサの検出信号からディーゼルエンジン60の運転状態を取得する。ECU40は、ディーゼルエンジン60を最適な運転状態に制御するために、取得したエンジン運転状態に基づいて調量弁18および燃料噴射弁30等への通電を制御する。
ECU40は、圧力センサ22を含む各種センサから得たエンジン運転状態に応じ、多段噴射を実施する燃料噴射弁30の各段の噴射時期および噴射量を制御する。ECU40は、燃料噴射弁30の噴射時期および噴射量を制御する噴射指令信号としてパルス信号を出力する。
ディーゼルエンジン60のシリンダ62内に往復移動自在に収容されているピストン64は、燃料噴射弁30から燃焼室110に噴射された燃料が燃焼し膨張することにより往復駆動される。ピストン64はコンロッド65を介してクランクシャフト66に連結されている。ピストン64が往復移動することによりクランクシャフト66は回転する。
燃焼室110への吸気の流入は吸気弁70の開閉により制御され、燃焼室110から排出される排気は排気弁74の開閉により制御される。吸気弁70および排気弁74は、カムシャフト72、76に設けられたカムの回転により開閉駆動される。
(圧力脈動による噴射量の変化)
図3に示すように、多段噴射において燃料噴射弁30が閉弁し前段噴射が終了すると、水撃作用により燃料噴射弁30内の燃料に圧力脈動が発生する。この圧力脈動はコモンレール20内にも伝わるので、後段噴射の噴射時期が圧力脈動の大きさにより変化する。その結果、後段噴射の噴射量が圧力脈動の大きさにより変化する。
また、図4に示すように、噴射指令信号である駆動電流の立ち下がり時期に対して燃料噴射弁30の前段噴射の閉弁には閉弁遅れが発生し、駆動電流の立ち上がり時期に対して燃料噴射弁30の後段噴射の開弁には開弁遅れが発生する。そこで、駆動電流で指令される前段噴射と後段噴射との指令インターバル時間(指令INT)に対し、閉弁遅れ時間Tde1および開弁遅れ時間Tds1を考慮して目標インターバル時間(目標INT)を設定することが必要である。目標インターバル時間は次式(1)で表される。
目標INT=指令INT−Tde1+Tds1 ・・・(1)
しかしながら、燃料噴射弁30の機差または経時変化により、初期設定した閉弁遅れ時間Tde1および開弁遅れ時間Tds1は符号210、212に示すようにTde2およびTds2となりばらつくので、目標インターバル時間と実インターバル時間との間に、(ΔINT1+ΔINT2)で示される時間のずれ、つまり位相差が発生する。その結果、機差および経時変化を考慮せずに目標インターバル時間のポイント220で後段噴射の噴射量を補正すると、後段噴射の噴射量を補正すべき実インターバル時間のポイント222とは異なるポイントで補正することになる。
前述したように、前段噴射に対する指令噴射量が異なり噴射中の噴射率および燃料噴射弁30の内部圧力が異なっても、圧力脈動の特性は、前段噴射終了から後段噴射開始までの間のインターバル時間に対してほぼ同一である。
そして、圧力脈動のために変化する後段噴射の噴射量の特性は、前段噴射の噴射量が異なっても、前段噴射の噴射終了時期および後段噴射の指令噴射量が同じであればインターバル時間に対してほぼ同一である。したがって、機差または経時変化によりインターバル時間がばらついても、インターバル時間に対する実噴射特性は基準噴射特性の位相がずれたものになるだけである。それ故、基準噴射特性と実際に測定した実噴射特性データとの位相差を算出し、位相差分ずらして補正した基準噴射特性により後段噴射の噴射量を補正すればよいと考えられる。
(ECU40の各手段)
ECU40のROM54またはEEPROM58等は以下に説明する基準噴射特性を記憶する記憶手段として機能する。また、ECU40は、ROM54またはEEPROM58等の記憶手段に記憶されている制御プログラムにより以下の各手段として機能する。
(1)記憶手段
1燃焼サイクルにおいて、前段噴射と前段噴射に続いて噴射される後段噴射とのインターバル時間の使用範囲全域において、インターバル時間の使用範囲全域に対する後段噴射の噴射量の補正値が、基準噴射特性としてROM54またはEEPROM58等に記憶されている。後段噴射の噴射量の補正値は、後段噴射の噴射量を制御する駆動電流の噴射指令パルス幅の立ち下がり時期の補正値である。駆動電流の噴射指令パルス幅の立ち下がり時期が変化することにより噴射指令パルス幅の長さが変化するので、後段噴射の噴射量が変化する。基準噴射特性は、燃料噴射弁30の出荷時において初期設定されている。
(2)実噴射特性取得手段
ECU40は、アクセルオフの無噴射減速運転中であれば学習条件が成立していると判断し、インターバル時間の使用範囲の一部において、複数のインターバル時間のポイントで前段噴射と前段噴射に続いて後段噴射を実施し、前段噴射および後段噴射の2段噴射による合計噴射量である実噴射量を測定する。ECU40は、2段噴射によるエンジン回転数の変化を検出し、エンジン回転数をエンジントルクに換算し、さらに噴射量に換算して実噴射量を測定する。ECU40は、インターバル時間のポイント毎に測定した実噴射量から、後段噴射の噴射量を制御する駆動電流の噴射指令パルス幅の立ち下がり時期の補正値を測定ポイント毎に算出し、実噴射特性データとして取得する。
燃料噴射弁30から燃料を噴射し、実噴射量特性データを取得するインターバル時間の使用範囲の一部としては、図5に示すように以下の範囲が考えられる。
(2a)基準噴射特性230の半周期を含む範囲
これにより、極力狭いインターバル時間の使用範囲で実噴射特性データを取得し、基準噴射特性230と実噴射特性データとの位相差を算出できる。半周期を含む範囲としては、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性230のインターバル時間上の位置を特定するとともに、実噴射特性データのインターバル時間方向のずれを考慮し、半周期よりも僅かに大きい範囲であればよい。
・例えば、図5の(A)において、ΔINTa1、ΔINTa2、ΔINTa3で示されている基準噴射特性230の極大点と極小点との間の半周期を含む範囲である。同じ半周期であれば、極大点と極小点との間の変位が最も大きいので、取得した実噴射特性データに対応するインターバル時間の基準噴射特性230の位置を容易に特定できるとともに、誤って特定することを防止できる。
・または、基準噴射特性230の極大側と極小側とのうち、実噴射量特性データを取得するために燃料噴射弁30から噴射する噴射量が少ない側である。図5の(A)において、後段噴射量の補正噴射量が主に正であるΔINTa4、ΔINTa5で示されている。後段噴射量の補正噴射量が正であれば、実噴射量が基準噴射量よりも少ないことを示している。これにより、実噴射特性データを取得するために燃料噴射弁30から燃料を噴射しても、燃焼音およびエンジンのトルク変動を極力抑制できる。
(2b)基準噴射特性230においてインターバル時間の短い側
図5の(A)、(B)では、インターバル時間が開始から1周期までのΔINTa1、ΔINTa4、ΔINTb1、ΔINTb2で示されている。基準噴射特性230は減衰振動するので、同じ範囲であればインターバル時間の短い側の方が基準噴射特性230の変位が大きい。したがって、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性230のインターバル時間上の位置を容易に特定できるとともに、誤って特定することを防止できる。
この場合、実噴射特性データを取得する使用範囲は、ΔINTb1、ΔINTb2のように半周期を含む範囲に限るものではない。ただし、実噴射特性データに対応する基準噴射特性230のインターバル時間上の位置を誤って特定することを防止するために、半周期を含む使用範囲で実噴射特性データを取得することが望ましい。また、半周期を含みインターバル時間の短い側のΔINTa4、ΔINTa1で実噴射特性データを取得することが望ましい。
(2c)基準噴射特性230の使用範囲全域における複数範囲
例えば、図5の(B)にΔINTb1、ΔINTb2、ΔINTb3で示されている3箇所のうち、少なくとも2箇所の範囲で実噴射特性データを取得する。複数範囲の各範囲は基準噴射特性230の半周期より小さくてもよい。1箇所ではなく複数範囲で実噴射特性データを取得することにより、取得した実噴射特性データに対応する基準噴射特性230のインターバル時間上の位置を容易に特定できるとともに、誤って特定することを防止できる。
(3)位相差算出手段
ECU40は、基準噴射特性と実噴射特性データとの位相差を算出する。
実噴射特性取得手段において、一つの使用範囲ではなく複数範囲で実噴射特性データを取得する場合、基準噴射特性230を補正する位相差は以下のようにして算出することが考えられる。
(3a)基準噴射特性230と複数範囲の各範囲で取得した実噴射特性データとの位相差をそれぞれ算出し、その平均位相差を算出する。
(3b)基準噴射特性230と複数範囲の各範囲で取得した実噴射特性データとの位相差をそれぞれ算出する。したがって、取得した実噴射特性データから算出した位相差の誤差が小さい場合には、実噴射特性データを取得した使用範囲において基準噴射特性230の位相を高精度に補正できる。
そして、複数範囲の各範囲で算出された位相差を補間して複数範囲以外の範囲の補間位相差を算出する。したがって、補間位相差で基準噴射特性230を補正する使用範囲の実噴射特性データを取得する必要がない。
(4)位相補正手段
ECU40は、算出した位相差分ずらして図5に示す基準噴射特性230の位相を補正する。
(4a)位相差算出手段において平均位相差が算出される場合、基準噴射特性230を平均位相差分ずらして補正する。
(4b)位相差算出手段において基準噴射特性230と複数範囲の各範囲で取得した実噴射特性データとの位相差がそれぞれ算出される場合、複数範囲の各範囲で算出された位相差分ずらして複数範囲の各範囲における基準噴射特性230を補正する。
そして、複数範囲以外の範囲では、位相差算出手段において算出される補間位相差分ずらして基準噴射特性230を補正する。
(5)噴射補正手段
ECU40は、位相差分ずらして補正された基準噴射特性に基づいて、後段噴射の噴射量を補正する。
(インターバル時間の位相差学習)
次に、インターバル時間に対する基準噴射特性と実噴射特性との位相差学習について図6に基づいて説明する。図6において「S」はステップを表している。図6に示す学習ルーチンは、ディーゼルエンジン60の運転中において常時実行される。
S300においてECU40は、位相差の学習条件として、アクセルオフ時の無噴射減速運転中であるかを判定する。学習条件が成立していない場合、ECU40は本ルーチンを終了する。
学習条件が成立している場合、ECU40は、インターバル時間の使用範囲全域の一部の使用範囲において、ポイント毎に前段噴射に続いて後段噴射を実施し、前段および後段の合計噴射量を実噴射量として測定する。実噴射量を測定する使用範囲の一部としては、実噴射特性取得手段の機能で説明したいずれの範囲でもよい。
そして、ECU40は、インターバル時間のポイント毎に測定した実噴射量から、後段噴射の噴射量を制御する駆動電流の噴射指令パルス幅の立ち下がり時期の補正値を測定ポイント毎に算出し、実噴射特性データとして取得する。
S304においてECU40は、ROM54またはEEPROM58に記憶されている基準噴射特性と取得した実噴射特性データとの位相差を算出する。位相差としては、S302において実噴射特性データを取得する使用範囲に応じて、平均位相差、複数範囲の場合は各範囲のそれぞれ位相差、複数範囲の各範囲の位相差を補間した複数範囲以外の補間位相差を適宜算出する。
S306においてECU40は、算出した位相差分ずらして基準噴射特性の位相を補正し、本ルーチンを終了する。
ECU40は、位相差分ずらした基準噴射特性に基づき、多段噴射を実施するときの後段噴射の噴射量を補正する。
以上説明したように、本実施形態では、基準噴射特性が高精度に測定されていれば、インターバル時間の使用範囲の全域ではなく一部の実噴射特性データを取得するだけで、基準噴射特性を実噴射特性データとの位相差分ずらすことにより、機差または経時変化により燃料噴射弁30の噴射特性がばらつきインターバル時間がずれても、インターバル時間の使用範囲全域においてインターバル時間のずれを少ない学習量で補正できる。
また本実施形態では、機差または経時変化によりインターバル時間がばらついても、インターバル時間に対する基準噴射特性のずれは、オフセット方向、周期、振幅、等のずれではなく位相方向だけであることに着目した。そして、インターバル時間の使用範囲全域におけるインターバル時間に対する基準噴射特性を実噴射特性データとの位相差分だけずらして後段噴射量を補正することにより、インターバル時間の使用範囲全域において、高精度に後段噴射の噴射量を補正できる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、後段噴射に対する噴射指令信号の立ち下がり時期を補正して噴射パルス幅を補正することにより後段噴射の噴射量を補正した。これに対し後段噴射に対する噴射指令信号のパルス幅を変更せず、噴射時期だけを補正することにより後段噴射の噴射量を補正してもよい。
また、上記実施形態では、インターバル時間に対する後段噴射の噴射量の補正値を基準噴射特性および実噴射特性データとして採用した。これに対し、インターバル時間に対する前段噴射および後段噴射の合計噴射量を基準噴射特性および実噴射特性データとして採用してもよい。
また、前段噴射および前段噴射に続いて噴射される後段噴射として多段噴射の各噴射をどのように組み合わせてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本実施形態による燃料噴射システムを示すブロック図。 燃料噴射弁の構成を示す模式的断面図。 圧力脈動の発生を説明する説明図。 インターバル時間のずれを説明するタイムチャート。 実噴射特性データを取得するインターバル時間の使用範囲を示す説明図。 位相差学習ルーチンを示すフローチャート。 (A)は噴射終了後の経過時間と噴射率および燃料噴射弁内の圧力との関係を示し、(B)はインターバル時間と後段噴射の噴射量との関係を示すタイムチャート。
符号の説明
10:燃料噴射システム、16:高圧ポンプ(燃料供給ポンプ)、20:コモンレール、30:燃料噴射弁、40:ECU(燃料噴射制御装置、記憶手段、実噴射特性取得手段、位相差算出手段、位相補正手段、噴射補正手段)、54:ROM(記憶手段)、58:EEPROM(記憶手段)、60:ディーゼルエンジン(内燃機関)

Claims (5)

  1. 1燃焼サイクル中に多段噴射を実施する燃料噴射弁の噴射量を制御する燃料噴射制御装置において、
    前段噴射と前記前段噴射に続いて噴射する後段噴射とのインターバル時間の使用範囲の全域における前記インターバル時間に対する基準噴射特性を記憶している記憶手段と、
    前記インターバル時間の前記使用範囲の一部として前記基準噴射特性の半周期を含む範囲に対する実際の実噴射特性データを取得する実噴射特性取得手段と、
    前記インターバル時間に対する前記基準噴射特性と前記実噴射特性データとの位相差を算出する位相差算出手段と、
    前記基準噴射特性を前記位相差分ずらして補正する位相補正手段と、
    補正された前記基準噴射特性に基づき前記後段噴射の噴射量を補正する噴射補正手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記半周期は、前記基準噴射特性の極大点と極小点との間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記半周期は、前記基準噴射特性の極大側または極小側のうち、前記実噴射特性データを取得するときに実噴射量の少ない側であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記半周期は、前記基準噴射特性において前記インターバル時間の短い側であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 燃料を加圧し圧送する燃料供給ポンプと、
    前記燃料供給ポンプが圧送する燃料を蓄圧するコモンレールと、
    前記コモンレールが蓄圧している燃料を内燃機関の気筒に噴射する燃料噴射弁と、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射システム。
JP2007224508A 2007-08-30 2007-08-30 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム Expired - Fee Related JP4470975B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007224508A JP4470975B2 (ja) 2007-08-30 2007-08-30 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
EP08163166.5A EP2031229B1 (en) 2007-08-30 2008-08-28 Apparatus for controlling quantity of fuel to be actually sprayed from injector in multiple injection mode
US12/230,453 US7706957B2 (en) 2007-08-30 2008-08-28 Apparatus for controlling quantity of fuel to be actually sprayed from injector in multiple injection mode
CN2008101756472A CN101392692B (zh) 2007-08-30 2008-08-29 用于在多重喷射模式中控制喷射器的实际燃料喷射量的装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007224508A JP4470975B2 (ja) 2007-08-30 2007-08-30 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009057866A JP2009057866A (ja) 2009-03-19
JP4470975B2 true JP4470975B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=40493173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007224508A Expired - Fee Related JP4470975B2 (ja) 2007-08-30 2007-08-30 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4470975B2 (ja)
CN (1) CN101392692B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5165728B2 (ja) * 2010-06-18 2013-03-21 株式会社デンソー 燃圧波形取得装置
DE102016217306A1 (de) * 2016-09-12 2018-03-15 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Steuerung von Mehrfacheinspritzungen bei einem Einspritzsystem
DE102016217308A1 (de) * 2016-09-12 2018-03-15 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Steuerung von Mehrfacheinspritzungen bei einem Einspritzsystem

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5964208A (en) * 1995-03-31 1999-10-12 Denso Corporation Abnormality diagnosing system for air/fuel ratio feedback control system
DE19612212B4 (de) * 1995-03-31 2005-12-08 Denso Corp., Kariya Diagnosevorrichtung für einen Luft/Brennstoffverhältnis-Sensor
JP3680492B2 (ja) * 1997-06-03 2005-08-10 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4297082B2 (ja) * 2005-05-31 2009-07-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の空燃比制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009057866A (ja) 2009-03-19
CN101392692A (zh) 2009-03-25
CN101392692B (zh) 2012-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4479764B2 (ja) 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
US7201148B2 (en) Pressure accumulation fuel injection controller
JP4424395B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4840288B2 (ja) 燃料噴射装置及びその調整方法
JP4572843B2 (ja) コモンレール式燃料噴射システムの制御装置
JP5141723B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2008038857A (ja) 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP5293775B2 (ja) エンジン制御システム、燃料噴射装置及び噴射駆動装置
US20140100761A1 (en) Method for operating a fuel injection system
JP5212502B2 (ja) 燃料噴射装置
JP4349451B2 (ja) 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
EP1338781A2 (en) Accumulation type fuel injection system
JP5370348B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4470975B2 (ja) 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
US9664605B2 (en) Fuel density detection device
JP4470976B2 (ja) 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
JP4605182B2 (ja) ポンプ制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
JP4788700B2 (ja) 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
JP4882883B2 (ja) 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
US11193445B2 (en) Fuel injection control device and method for controlling fuel injection valve
JP2013245633A (ja) 燃料噴射制御装置
JP5229965B2 (ja) 燃料噴射制御装置
WO2018061472A1 (ja) 車両用制御装置
JP6273904B2 (ja) 圧力センサ異常検出装置
JP5994677B2 (ja) 燃料噴射制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4470975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees