JP6240864B2 - プレス加工装置 - Google Patents
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Description
これらの部品では、加工寸法が小さいところで1mm未満が通常であり、0.1mmを切る製品も一般化されようとしている。また利用する板材も、0.1mm以下が通常となり、0.01mmという薄膜の利用も増加している。
ところが現在使用されている金型の加工については、その精度は1マイクロメートルについては保証できるが、それ以下については、未だ十分となっておらず、再現性の低い状況にある。
特許文献1では、フィルム状のプレス対象物を上下の金型でプレス加工するプレス装置が提案されている。
このプレス装置では、移動装置に上下の金型が支持されており、プレス対象物の位置合わせマークを撮像装置で観察して位置合わせすることで、プレス対象物と上下の金型との位置合わせが行われる。そして上流側と下流側とに設けられた吸着保持装置により、プレス対象物の下側の面を真空吸着して固定し、上下の金型によりプレス加工が施される。
ここでは薄板状ワークをワークスタンドの大きな窓を覆うように配置し、取付治具を孔に嵌合することで薄板状ワークを固定し、ダイの穴とポンチの先端面とが同芯となるように微動装置で位置調整し、ワークスタンドを水平2軸方向に移動させながら多数の微***を加工している。
しかしながら、この機構は多数の穴を開ける際にポンチとダイの位置が合わないと穿孔できないため、その位置調整を行うだけであり、相対位置の調整精度も±0.003mmと大きい。
さらにこの特許文献2では、薄板状ワークの孔に取付治具を嵌合して固定するため薄板状ワークに歪みが生じ易い。
精密部品の精度向上は金型の精度向上が求められる。各部品の工作精度、組み立て精度については、それぞれの加工時の精度向上が求められるが、この場合全ての部品の精度を相当に向上させる必要があり、現状では解決の方策がない。そこで、組み立て時までは公差内での精度が得られているものとした上で、精度が不足する組み合わせ位置精度について精度の向上を行った。
その結果、プレス製品の加工精度を向上し、微細な製品の実現を図ることができ、さらに製品の品質を向上することができたことにより、本発明をなすに至った。
その場合、検出部は、第1加工具及び第2加工具のうちの少なくとも一方の変位を検出するセンサを備え、制御部は変位を用いてフィードバック制御を行うのがよい。
またこれらのプレス加工装置では、巻回された帯状のワークを第1加圧部と第2加圧部との間に順次送り出すワーク供給部と、加工後のワークを順次巻き取るワーク回収部と、を備え、第1及び第2加圧部並びに第1及び第2加工具を所定温度範囲に保たれる収容容器内に配置し、ワーク供給部及びワーク回収部を外部に配置したものとするのが好適である。
よって精密な位置調整を容易に行うことができ、耐久性のあるプレス加工装置を提供することが可能である。
[第1実施形態]
この実施形態では、帯状のワークWにパンチ及びダイを用いて微細な孔開け加工を行うプレス加工装置の例を用いて説明する。
[全体構成]
図1に示すように、プレス加工装置10は、巻回された帯状のワークWを供給するワーク供給部11と、供給されたワークWを加工する加工部12と、加工後のワークWを順次巻き取るワーク回収部13と、を備えている。
ワーク供給部11及びワーク回収部13は、帯状のワークWをそれぞれリールに巻回する構成であるが、詳細な図示は省略している。ここでは帯状のワークWを間欠的に所定長さづつ引き出し及び巻き取るように構成されている。
またワーク供給部11とワーク回収部13との一方又は双方により、加工部12に配置されるワークWに所定のテンションを負荷できるようになっている。
加工部12は、加圧方向に相対移動する第1加圧部14及び第2加圧部15と、各加圧部14,15に装着された第1加工具16及び第2加工具17と、を備え、収容容器18内に配置されている。第1及び第2加圧部14,15には、加工時にワークWを挟持するように互いに対向配置された第1及び第2支持部21,22が設けられており、第1加工具16と第2加工具17との間でワークWを加工可能となっている。
図2及び図3に示すように、第1加圧部14は、図示しない架台に固定された第1基部としてのダイセット24と、ダイセット24に固設されて加工時に第2加圧部15からの荷重を支持する中空の第1支持部21と、第1支持部21の中空部25に配置されてダイセット24に装着された位置調整部26と、を備える。
ダイプレート28は厚肉に形成されて周囲が第1バッキングプレート27に強固に固定されることで、加工時に変位及び変形が生じないようになっている。
図2及び図3に示すように、第1加圧部14の位置調整部26は、第1支持部21の中空部25に配置され、ダイセット24に、第1支持部21とは分離した状態で装着されている。この位置調整部26は、互いに異なる方向に位置調整可能な第1調整部材26a及び第2調整部材26bを有している。第2調整部材26bがダイセット24に装着され、この第2調整部材26bに第1調整部材26aが支持され、さらに第1調整部材26aに第1加工具16が支持されている。
図2及び図3に示すように、第1加工具16は、位置調整部26の第1調整部材26aに固定されて支持されたダイ支持治具31と、ダイ支持治具31に加圧方向に貫通して設けられたダイ貫通孔28bに収容されて加圧方向に変位可能なダイ32と、ダイ貫通孔28bに収容されてダイ32と位置調整部26との間に配置された高さ調整材33と、を備えている。
さらに高さ調整材33の高さを精密に調整することで、ダイ32のワーク側端部となる加工端が、第1ワーク当接面28aの近傍、好ましくは略同等の高さ位置に配置されている。
図2及び図3に示すように、第2加圧部15は、図示しない架台に固定されたサーボモータ等からなる加圧駆動部23と、加圧駆動部23にフリーシャンク構造で連結された第2基部としての第2バッキングプレート35と、第2バッキングプレート35に連結されてワークWを第1支持部21との間で挟持するための第2支持部22と、を備えている。
さらにカラー44の周囲に設けた圧縮バネの付勢力により、ストリッパプレート36がパンチプレート38から離間する側に加圧されている。
図4に示すように、第2加工具17は、パンチプレート38に係止されたパンチ支持治具41と、パンチ支持治具41に支持されたパンチ39と、を備えている。パンチ支持治具41には、加圧方向に貫通してワークW側が縮径するようにパンチ支持孔が設けられており、加工端側が縮径して形成されたパンチ39がこのパンチ支持孔に加圧方向に変位可能に収容されて支持されている。
このプレス加工装置10には、第1加工部12のダイ32と第2加工部12のパンチとの相対位置を1μm以下の精度で位置合わせするための位置制御系が構築されている。この位置制御系では、図2に示すように、第1位置調整部26を作動させる調整駆動部51と、調整駆動部51を制御する制御部52と、第1加工具16の変位を検出する位置センサ53や荷重センサ47等の位置検出部と、を備えている。
収容容器18は、第1及び第2加圧部14,15並びに第1及び第2加工具16,17を収容するカバーであり、図示しない温度調整装置が設けられており、収容容器18内が所定温度範囲に保たれている。この実施形態では、第2加圧部15の加圧駆動部23は収容容器18の外部に配置され、ワーク供給部11及びワーク回収部13も収容容器18の外部に配置されており、容積を出来るだけ小さく抑えている。
次に、このプレス加工装置10の動作について説明する。
まず図2及び図3に示すように、ワークW及びプレス加工の態様に応じて第1加圧部14及び位置調整部26に第1加工具16を装着するとともに、第2加圧部15に第2加工具17を装着する。このとき第1加工具16と第2加工具17とが公差範囲内の相対位置となる。
例えば相対位置のずれを判定した後、図5に示すように、制御部52の記憶部に予め設定されているテーブルに基づいて制御位置指令を調整駆動部51に入力し、調整駆動部51から第1調整部材26a及び第2調整部材26bに駆動電圧が印加される。
制御部52では、制御位置指令と第1加工具16の変位計指示値とでフィードバック制御を行うことで、第1調整部材26aに装着された第1加工具16の位置を第2加工具17とナノオーダーで精度よく位置合わせする。
このプレス加工では、図6(a)に示すように、第1加圧部14と第2加圧部15とを離間させて型開きし、ダイプレート28の第1ワーク当接面28aにワークWを載置する。図6(b)に示すように、第2加圧部15を下降させると、圧縮バネ54で加圧されているストリッパプレート36の第2ワーク当接面36aがワークWに当接して、ワークWを挟持する。
このとき、パンチ39の加工端が加工端支持部45のテーパー孔を通して第2ワーク当接面36aから突出する。ダイ32とパンチ39とがナノオーダーで精密に位置合わせされているため、パンチ39がダイ32の中心に挿入されて、精密な孔加工が施される。
そしてワークWの加工後の領域をワーク回収部13に巻き取り、次の領域を第1加圧部14と第2加圧部15との間に配置し、再びプレス加工を行う。
以上のようなプレス加工装置10によれば、加圧方向に相対移動する第1加圧部14に位置調整部26を有し、この位置調整部26に第1加工具16が支持されているので、第1加圧部14と第2加圧部15とが誤差を有して構成されていても、位置調整部26により第1加工具16と第2加工具17との相対位置を精密に調整することができる。そのためプレス加工装置10の多数の部位を精密に構成する必要がなく、構成を簡素化できる。
よってワークWの変形や歪みがなく、1μm以下の変位量で位置を調整して加工するようなナノオーダーの位置精度の加工が可能である。
この実施形態では、ダイ32とパンチ39との間のクリアランスを1μm以下にすることは必須ではないものの、クリアランスを1μm以下に設定した場合には、ダイ32の加工端の形状とパンチ39の加工端の形状とを精密に近似できることで、ワークWをより精密な形状に加工することが可能となる。
ところが、位置調整部26により第1加工具16を1μm以下の変位量で位置調整可能であるため、第1加圧部14と第2加圧部15との間に1μmより大きな位置ズレを生じていても、加工時にダイ32とパンチ39とが互いに衝突しないように位置ズレを修正できる。従って、ダイ32とパンチ39との間のクリアランスを1μm以下に設定してワークWをより精密な形状に加工することが可能となる。
しかもワーク供給部11及びワーク回収部13を外部に配置した状態で、第1及び第2加圧部14,15及び第1及び第2加工具16,17を収容容器18内に収容したので、収容容器18の容積を小さくでき、その結果、温度調整が顕著に容易である。
このプレス加工装置10では、巻回された帯状のワークWを第1加圧部14と第2加圧部15との間に順次送り出すワーク供給部11と、加工後のワークWを順次巻き取るワーク回収部13と、を備えているので、ワークWの長手方向の異なる位置に、順次、ナノオーダーの加工をすることができる。その際、ワークWが帯状であるため、第1加圧部14と第2加圧部15との間の外側に配置された部位を利用して位置合わせを行うことができ、ナノオーダーの加工位置を特定することができる。
図7及び図8は第2実施形態のプレス加工装置の図面である。
第1実施形態では、第1加工具16と第2加工具17と精密な位置合わせを行う際、位置センサ53を使用していたが、この第2実施形態では、図2に示すように、パンチプレート38のパンチ凹部38aに配置された圧力検出部としての荷重センサ47を用いて精密な位置合わせを行う他は、第1実施形態と同様である。
そこでこの実施形態では、荷重センサ47で検出される圧力の検出値に基づいて、パンチ39とダイ32との相対位置のズレを判定する。
制御部52では制御荷重指令と荷重測定値とでフィードバック制御を行い、精度よく第1調整部材26aに装着された第1加工具16の位置を第2加工具17とナノオーダーで位置合わせする。
図9は第3実施形態のプレス加工装置の位置調整部を示している。
このプレス加工装置10では、位置調整部26をストリッパプレート36に設け、第2加工具17のパンチの位置をナノオーダーで精密に調整する。ここではストリッパプレート36にパンチ貫通孔38bよりも大径のブッシュ貫通孔55が設けられ、このブッシュ貫通孔55にストリッパガイドブッシュ56が収容されている。ブッシュ貫通孔55の内径とストリッパガイドブッシュ56の外径との間には、間隙が設けられている。ストリッパガイドブッシュ56には、パンチ貫通孔38bが設けられており、実施形態1と同様にパンチ39、パンチ支持治具41及び加工端支持部45が配置されている。
そして位置調整部26を構成する棒状の第1調整部材26a及び図示しない第2調整部材26bが、各溝部57に配設されている。第1調整部材26a及び第2調整部材26bは、ピエゾ素子等の精密駆動機構により形成されており、ブッシュ貫通孔55に収容されたストリッパガイドブッシュ56に当接して設けられている。
その他は、第1実施形態と同様である。
このような構成のプレス加工装置10であっても第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
例えば、この実施形態は、本発明において利用が期待される、微細孔開け、曲げ、絞り加工のうち、最も効果が高く期待できる微細孔開け加工を行うプレス加工装置の例である。この装置では、帯状のワークWを挟むようにパンチ及びダイを設置し、鍛圧機械を用いて負荷することにより微細な孔開け加工を行ったが、曲げ、絞りにおいても基本的な形態は同一にして実現することができる。
また上記では、ワークWとして帯状の長尺材を用いてワーク供給部11及びワーク回収部13を配設したが、加工部12を備えた装置であればよく、ワーク供給部11及びワーク回収部13等を配設しなくてもよい。
10 プレス加工装置
11 ワーク供給部
12 加工部
13 ワーク回収部
14 第1加圧部
15 第2加圧部
16 第1加工具
17 第2加工具
18 収容容器
21 第1支持部
22 第2支持部
23 加圧駆動部
24 ダイセット
25 中空部
26 位置調整部
26a 第1調整部材
26b 第2調整部材
27 第1バッキングプレート
28 ダイプレート
28a 第1ワーク当接面
28b ダイ貫通孔
28c ダイ凹部
28d 開口部
29 リニアガイド
31 ダイ支持治具
32 ダイ
33 高さ調整材
35 第2バッキングプレート
36 ストリッパプレート
36a 第2ワーク当接面
36b パンチ貫通孔
36c ガイドロッド配置部
37 ガイドロッド
38 パンチプレート
38a パンチ凹部
38b パンチ貫通孔
39 パンチ
41 パンチ支持治具
42 リニアガイド
43 連結部
44 カラー
45 加工端支持部
46 押圧部
47 荷重センサ
51 調整駆動部
52 制御部
53 位置センサ
54 圧縮バネ
55 ブッシュ貫通孔
56 ストリッパガイドブッシュ
57 溝部
Claims (10)
- 加圧方向に相対移動する第1加圧部及び第2加圧部と、前記各加圧部に装着された第1加工具及び第2加工具と、を備え、前記第1加工具と前記第2加工具との間でワークを加工するプレス加工装置であって、
前記各加圧部は、加工時に前記ワークを挟持するように互いに対向配置され開口部を有する支持部を備え、
少なくとも一方の前記加圧部は、前記加圧方向と交差する方向に1μm以下の位置調整が可能な位置調整部を有し、
該位置調整部は、互いに異なる方向に位置調整可能な精密駆動機構からなる第1調整部材及び第2調整部材を有し、
前記第1調整部材が前記第2調整部材に支持され、前記加工具が該第1調整部材に支持されて前記支持部の開口部に配置され、該加工具と前記開口部との間の間隙の範囲で位置調整可能である、プレス加工装置。 - 少なくとも一方の前記加圧部は、基部と、該基部に固設されて加工時に他方の前記加圧部からの荷重を支持する中空の前記支持部と、該支持部の中空部に配置されて前記基部に装着された前記位置調整部と、を備えている、請求項1に記載のプレス加工装置。
- 前記支持部は、一方の前記加圧部の基部に前記加圧方向に移動可能に装着されたストリッパを備え、該ストリッパの前記加圧方向に設けられた貫通孔に前記加工具が配置されている、請求項1又は2に記載のプレス加工装置。
- 前記貫通孔における他方の前記加圧部側に、前記加工具の加工端側を進退可能に支持する加工端支持部を有する、請求項3に記載のプレス加工装置。
- 前記位置調整部を作動させる駆動部と、駆動部を制御する制御部と、前記加工具の変位を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、予め設定された前記駆動部への入力値と前記検出部の検出値とを用いてフィードバッグ制御を行う、請求項1乃至4の何れかに記載のプレス加工装置。 - 前記検出部は、前記第1加工具及び前記第2加工具のうちの少なくとも一方の変位を検出するセンサを備え、前記制御部は前記変位を用いてフィードバック制御を行う、請求項5に記載のプレス加工装置。
- 前記第1加圧部及び前記第2加圧部のうちの少なくとも一方の支持部には、前記加圧方向に貫通孔が設けられ、前記加工具が該貫通孔内で前記加圧方向に位置調整されて支持されている、請求項1乃至6の何れかに記載のプレス加工装置。
- 前記第1加工具及び前記第2加工具のうちの少なくとも一方に、前記加圧方向の圧力を検出する検出部を備え、該検出部の検出値に基づいて前記第1加工具と前記第2加工具との相対位置のズレを判定する、請求項1乃至7の何れかに記載のプレス加工装置。
- 前記第1及び第2加圧部並びに前記第1及び第2加工具を収容する収容容器と、
該収容容器内を所定温度範囲に保つ温度調整装置と、を備えている、請求項1乃至8の何れかに記載のプレス加工装置。 - 巻回された帯状の前記ワークを前記第1加圧部と第2加圧部との間に順次送り出すワーク供給部と、加工後の前記ワークを順次巻取るワーク回収部と、を備え、
前記第1及び第2加圧部並びに前記第1及び第2加工具を所定温度範囲に保たれる収容容器内に配置し、前記ワーク供給部及び前記ワーク回収部を外部に配置した、請求項1乃至8の何れかに記載のプレス加工装置。
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