JP6238804B2 - ユニット式建物の柱梁連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ユニット式建物の柱梁連結構造に関する。
従来より、建物の一種として、複数の建物ユニットが互いに連結されることにより構成されるユニット式建物が知られている(例えば特許文献1参照)。ユニット式建物では、建物ユニットが、複数の柱と、柱の上端部及び下端部に連結された複数の上梁及び下梁(大梁)とを有して構成されている。柱は例えば角形鋼管により形成され、上梁及び下梁は例えば形鋼により形成される。隣り合う建物ユニット同士は連結プレート等の連結部材を介して互いに連結されている。連結部材としては、例えば隣り合う建物ユニットの隣接する柱同士を連結するものが用いられる。
ユニット式建物では、建物内にインナガレージやアルコーブ等の土間空間が設けられる場合がある。その場合、建物ユニットとして、土間空間を形成するための専用の建物ユニットが設けられる場合がある。かかる建物ユニットでは、土間空間を形成すべく下梁の一部が取り除かれることがあり、その場合、下梁において残された(取り除かれなかった)部分が部分梁となる。かかる部分梁は、一端又は両端が柱に固定されていないため、位置ずれ等の不都合が生じる懸念がある。
そこで、かかる部分梁を、それと対向して設けられる隣りの建物ユニットの下梁にブラケットを介して連結することが考えられる。そうすれば、部分梁を下梁に拘束することができるため、上述の不都合を抑制することが可能となる。かかるブラケットとしては、互いに対向する一対の対向板部を有する断面コ字状のものが考えられる。その場合、ブラケットを下梁と部分梁との間に配設し、各対向板部のうちの一方を下梁に固定し、他方を部分梁に固定することが考えられる。この際、各対向板部の固定は、ボルト及びナットを用いて行うことが考えられる。
特開2010−174440号公報
ここで、ユニット式建物を構成する各建物ユニットの並びによっては、上記の部分梁が隣りの建物ユニットの柱に対向して配置される場合も考えられる。その場合、その柱に対して部分梁をブラケットを介して連結することが考えられる。そうすれば、上記の場合と同様に、部分梁が位置ずれする等の不都合を抑制することが可能となる。
しかしながら、柱は四角柱状をなしているため、柱に対してブラケットをボルト及びナットにより固定することは不可能であると考えられる。すなわち、ブラケットを柱に対してボルトにより固定する場合、ナットを柱の内側に配設する必要が生じるが、そのようなことは実際上不可能であると考えられる。また、ナットを予め柱の内側面に溶接しておけば、ブラケットを柱にボルト固定することが可能とはなるが、ナットを柱の内側面に溶接するのは著しく困難な作業を伴うと考えられる。
なお、上記の部分梁に代えて、両端がそれぞれ柱に固定された通常の下梁を隣りの建物ユニットの柱にブラケットにより連結することも考えられる。また、下梁に代えて、上梁を隣りの建物ユニットの柱に連結することも考えられる。しかしながら、それらの場合にもやはり、上述の問題が同様に生じうることになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大梁の一部よりなる部分梁又は大梁を隣りの建物ユニットの柱に好適に連結することが可能なユニット式建物の柱梁連結構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、角形鋼管からなる複数の柱と、隣り合う前記柱にそれぞれ連結され形鋼からなる複数の大梁とを有して構成される建物ユニットを備え、その建物ユニットが複数組み合わされることで構築されるユニット式の建物に適用され、前記建物ユニットとして、横並びで隣り合う第1ユニット及び第2ユニットを備え、前記第1ユニットは、前記大梁の一部が取り除かれることにより形成された部分梁又は前記大梁のいずれかであり、前記第2ユニットの前記柱に対向して設けられた対向梁を有しており、前記第2ユニットにおいて前記対向梁と対向する前記柱は対向柱であり、前記対向梁を前記対向柱に対して連結する連結ブラケットを備え、前記連結ブラケットは、前記対向梁における前記対向柱との対向面に第1固定具により固定された梁固定板部と、前記対向柱における前記対向梁との対向面と直交する側面に第2固定具により固定された柱固定板部とを有し、前記柱固定板部は、前記第2固定具が当該柱固定板部を介して前記対向柱にねじ込まれることで当該対向柱に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、横並びで隣り合う第1ユニット及び第2ユニットにおいて、第1ユニットの有する部分梁又は大梁(対向梁)が第2ユニットの柱(対向柱)に対向して配置されており、その配置状態において第1ユニットの対向梁が第2ユニットの対向柱に連結ブラケットを介して連結されている。連結ブラケットは、その梁固定板部が対向梁に第1固定具により固定されている一方、その柱固定板部が対向柱に第2固定具により固定されている。この場合、柱固定板部については第2固定具が当該柱固定板部を介して対向柱にねじ込まれることにより(片面)固定されているため、柱固定板部の固定に際し対向柱の内側にナット等の固定具を配設しなくても済む。そのため、柱固定板部を四角筒状の対向柱に容易に固定することが可能となる。なお、第2固定具としては、例えばタッピングネジが挙げられる。
また、柱固定板部は対向柱の対向面と直交する側面に固定されているため、柱固定板部を対向柱の対向面に固定する場合とは異なり、柱固定板部を第2固定具により対向柱に固定するに際し、対向梁がその作業の邪魔となることがない。そのため、かかる固定作業を好適に行うことができる。よって、この場合、大梁の一部からなる部分梁又は大梁(対向梁)を隣りの建物ユニットの柱(対向柱)に好適に連結することが可能となる。
なお、上述した対向梁を対向柱に連結する作業は、対向柱における対向面と直交する側面(換言すると柱固定板部の固定面)の側の空間(以下、作業空間という)から行うことが考えられる。
第2の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、第1の発明において、前記連結ブラケットは、前記柱固定板部に接続され前記対向柱の前記対向面に対向して設けられた対向板部と、前記対向板部と前記梁固定板部とを繋ぐ繋ぎ板部とを有しており、前記繋ぎ板部は、前記対向板部における前記柱固定板部側とは反対側の端部に接続されており、前記梁固定板部は、前記繋ぎ板部から前記対向板部と同じ側に向けて延びていることを特徴とする。
本発明によれば、連結ブラケットに、対向柱の対向面に対向する対向板部と、対向板部と梁固定板部とを繋ぐ繋ぎ板部とが設けられている。そして、梁固定板部が繋ぎ板部から対向板部と同じ側に延びており、換言すると梁固定板部が繋ぎ板部から上記作業空間側に向けて延びている。この場合、上記作業空間側から梁固定板部を第1固定具により対向梁に固定する際、繋ぎ板部が邪魔となることがないため、かかる固定作業をし易くすることができる。これにより、対向梁を対向柱に連結する作業をより好適に行うことが可能となる。
第3の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、第2の発明において、前記対向板部は、前記対向柱の前記対向面に当接した状態で配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、連結ブラケットにおいて柱固定板部が対向柱における対向面と直交する側面に当接して(固定されて)いることに加え、対向板部が対向柱の対向面(側面)に当接している。この場合、連結ブラケットが対向柱の互いに直交する2つの側面にそれぞれ当接した状態で配置されるため、連結ブラケットを対向柱に安定した状態で固定することができる。これにより、連結ブラケットを介した対向柱に対する対向梁の連結状態を安定なものとすることができる。
第4の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記対向梁は、両端がいずれも前記柱に固定されていない前記部分梁であることを特徴とする。
大梁の一部が取り除かれることにより形成される部分梁としては、その両端がいずれも柱に固定されていないものがある。かかる部分梁は、位置ずれが生じ易いことが考えられる。その点本発明では、かかる部分梁(対向梁)を対向柱に連結ブラケットを介して連結しているため、かかる部分梁を好適に拘束することができ、その位置ずれを抑制することが可能となる。
第5の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、第4の発明において、前記部分梁は、前記大梁としての下梁の一部が取り除かれることにより形成され、前記第1ユニットの内部には、当該下梁の長手方向に並んで複数の土間空間が形成されており、当該下梁において前記各土間空間に対応する部位がそれぞれ取り除かれることにより前記部分梁が形成されていることを特徴とする。
第1ユニットの内部に、下梁の長手方向に並んで複数の土間空間が形成される場合、その下梁においてそれら各土間空間に対応する部位がそれぞれ取り除かれる場合が考えられる。その場合、下梁の上記各部位が取り除かれることで、両端がいずれも柱に固定されていない部分梁が形成される。このような下梁の一部からなる部分梁には、土間空間同士を仕切る仕切壁部等、各種部材が固定されることが考えられる。そのため、その位置ずれを抑制することが特に求められる。その点本発明では、かかる部分梁を対向柱に連結ブラケットを介して連結しているため、その位置ずれを好適に抑制することができる。
第6の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、第5の発明において、前記第1ユニットには、前記各土間空間を仕切る仕切壁部が設けられており、前記第1ユニットの床部には、前記部分梁とその部分梁と対向して設けられる下梁との間に、前記仕切壁部に沿って延びかつ当該仕切壁部を支持する支持梁が架け渡されて設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、第1ユニットに複数の土間空間を仕切る仕切壁部が設けられ、その仕切壁部を支持する支持梁が部分梁とその部分梁と対向する下梁との間に架け渡されている。この場合、部分梁には支持梁を介して仕切壁部の荷重が作用することになるため、部分梁を安定した状態で配設することが強く求められる。この点本発明では、かかる構成にあって、部分梁が連結ブラケットを介して対向柱に連結されているため、部分梁の拘束力を高めることができ、その結果仕切壁部を安定した状態で支持することが可能となる。
第7の発明のユニット式建物の柱梁連結構造は、第6の発明において、前記仕切壁部は、横並びに設けられた複数の壁パネルを備え、前記壁パネルは、壁面材と、その壁面材の裏面側に設けられた壁下地材とを有し、前記複数の壁パネルのうち、前記第2ユニット側の端部に配置された壁パネルはその壁下地材が前記部分梁に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、仕切壁部を構成する複数の壁パネルのうち第2ユニット側の端部に配置された壁パネルについては、その壁下地材が部分梁に固定されている。この場合、部分梁が支持梁を架け渡すために用いられるだけでなく、壁パネルを固定する下地材としても利用される。そのため、部分梁の有効利用が図られる。
(a)が建物を構成する建物ユニットの並びを示す平面図であり、(b)が建物の間取りを示す平面図である。 建物ユニットの構成を示す斜視図。 建物ユニットの床部の構成を示す斜視図であり、(a)が床大梁の一部が取り外される前の状態を示しており、(b)が床大梁の一部が取り外された状態を示している。 仕切壁部周辺の構成を示す縦断面図。 (a)が部分梁と柱との連結構造を示す横断面図であり、(b)が同構造を示す縦断面図である。 部分梁を建物ユニットの柱に対して連結する際の作業手順を説明するための図。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の建物は複数の建物ユニットが互いに組み合わされてなるユニット式建物となっている。図1(a)は建物を構成する建物ユニットの並びを示す平面図であり、(b)は建物の間取りを示す平面図である。
図1(a)に示すように、建物10は、横並びに設けられた複数の建物ユニット20を備える。これら各建物ユニット20はそれぞれ(平面視の)長手方向を同じ方向に向けて配設されている。各建物ユニット20のうち一部の建物ユニット20は長手方向の長さ(長辺部の長さ)が他の建物ユニット20(以下、長尺状の建物ユニット20ともいう。)よりも短くされた短尺状の建物ユニット20(以下、その符号にAを付す。)となっている。この建物ユニット20Aは、長手方向の長さが他の建物ユニット20の半分程度となっている。
建物ユニット20Aは、長尺状の建物ユニット20(以下、その符号にBを付す。)に隣り合って設けられている。建物ユニット20Aは、その桁面(長辺側の側面)を建物ユニット20Bの桁面と向き合わせ、かつ、その一方の妻面(短辺側の側面)を建物ユニット20Bの一方の妻面と同一平面上に位置合わせした状態で配置されている。この場合、建物ユニット20Bは、その一部が建物ユニット20Aよりも長手方向に延出しており、その延出した部分が延出部28となっている。また、建物ユニット20Bにおいて延出部28以外の部分、すなわち建物ユニット20Aと隣接する部分は隣接部29となっている。
なお、隣り合う各建物ユニット20A,20Bのうち、建物ユニット20Aが第2ユニットに相当し、建物ユニット20Bが第1ユニットに相当する。
続いて、建物ユニット20の構成について図2を用いながら説明する。図2は、建物ユニット20の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼(角形鋼管)よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その溝部を水平方向の内側に向けて設置されている。なお、天井大梁22が上梁に相当し、床大梁23が下梁に相当する。また、天井大梁22及び床大梁23がそれぞれ大梁に相当する。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。
次に、建物10の間取りについて図1(b)に基づいて説明する。図1(b)に示すように、建物10には、屋内空間として玄関11と廊下12と居室13,14とが設けられているとともに、車両Cの駐車が可能なガレージ15(インナガレージ)が設けられている。
玄関11は、タイル貼りの土間床(たたき)を有して形成されている。玄関11は、建物ユニット20Aの内部空間と建物ユニット20B(詳しくは隣接部29)の内部空間とに跨がって形成されている。各建物ユニット20A.20Bの境界部には、それら各建物ユニット20A,20Bの内部空間を連通する連通部16が形成されている。この連通部16を通じて玄関11が各建物ユニット20A,20Bに跨がって形成されている。また、玄関11は外壁部24によって屋外と仕切られている。
廊下12は玄関11と連続して設けられている。廊下12は、その一部が建物ユニット20Bの隣接部29の内部空間により形成されている。この場合、隣接部29では、玄関11と廊下12とが建物ユニット20Bの短手方向(ユニット短手方向)に並んで配置されている。
ガレージ15は、建物10に一体的に設けられた所謂インナガレージ(付属車庫)となっている。ガレージ15は、建物ユニット20Bの延出部28の内部空間により形成されている。この場合、建物ユニット20Bでは、ガレージ15と玄関11(及び廊下12)とが建物ユニット20Bの長手方向(ユニット長手方向)に並んで配置されている。なお、玄関11及びガレージ15がそれぞれ土間空間に相当する。
ガレージ15は、その三方が仕切壁部17〜19により囲まれている。ガレージ15は、仕切壁部17により玄関11及び廊下12と仕切られており、仕切壁部18により居室13と仕切られており、仕切壁部19により居室14と仕切られている。仕切壁部17は、建物ユニット20Bの延出部28及び隣接部29の境界部に沿って設けられ、外壁部24と横並びで連続している。
ガレージ15の一側面には、ガレージ開口部27が形成されている。このガレージ開口部27を通じてガレージ15への車両や人の出入りが可能となっている。ガレージ開口部27は、建物ユニット20Bにおいて建物ユニット20Aと対向する側の側面部36(桁面部)に形成されている。詳しくは、ガレージ開口部27は、延出部28における当該側面部36に形成されている。また、隣接部29における当該側面部36には上記連通部16が形成されている。したがって、建物ユニット20Bの側面部36には2つの開口部16,27が形成されている。
ここで、建物ユニット20Bは、その側面部36に連通部16とガレージ開口部27とが形成されている関係で、当該側面部36に配置された床大梁23の一部、すなわち連通部16とガレージ開口部27とに対応する部位が取り除かれている。そのため、建物ユニット20Bは、床部の構成が通常の建物ユニット20と相違している。
具体的には、建物ユニット20Bは、製造工場において、床部の四辺にそれぞれ床大梁23が組み付けられ、その組み付け状態で施工現場へと搬送される。そして、施工現場において、上記の床大梁23から連通部16とガレージ開口部27とに対応する部位がそれぞれ取り除かれる。したがって、建物ユニット20Bは、製造工場で製造された製造状態(床大梁23の一部が取り除かれる前の状態)と、施工現場での設置状態(床大梁23の一部が取り除かれた後の状態)とで、床部の構成が相違している。そこで以下では、それら各状態における建物ユニット20Bの床部の構成について図3に基づいて説明する。なお、図3は建物ユニット20Bの床部の構成を示す斜視図であり、(a)が床大梁23の一部が取り除かれる前の状態を示しており、(b)が床大梁23の一部が取り除かれた状態を示している。
まず、図3(a)に基づいて、床大梁23の一部が取り除かれる前の状態(製造工場での製造状態)における建物ユニット20Bの床部の構成について説明する。
図3(a)に示すように、建物ユニット20Bの床部に配された4本の床大梁23のうち、建物ユニット20Bの側面部36に配された長辺側の床大梁23(以下、その符号にXを付す。)は、長手方向に分割された複数の分割梁31〜35を備える。床大梁23Xは、それら各分割梁31〜35が互いに連結されることにより構成されている。床大梁23Xは、分割梁31〜35として、隣り合う各柱21(なお、一方の柱21の図示は省略している)にそれぞれ固定された一対の固定梁31,32と、連通部16に対応する部位に配された仮梁33と、ガレージ開口部27に対応する部位に配された仮梁34と、それら各仮梁33,34の間に配された部分梁35とを有する。これら各分割梁31〜35はいずれも、同じ断面形状を有する溝形鋼からなる。すなわち、各分割梁31〜35はそれぞれ上下に延びるウェブと、そのウェブを挟んで上下両側に設けられた上フランジ及び下フランジとを有している。
各分割梁31〜35は連結プレート37を介して互いに連結されている。連結プレート37は平板状の鋼板よりなる。連結プレート37は、隣り合う分割梁31〜35の境界部ごとに設けられ、それら隣り合う分割梁31〜35同士を互いに連結している。連結プレート37は、隣り合う分割梁31〜35のウェブの外側面に跨がって設けられ、それら各分割梁31〜35のウェブ同士を互いに連結している。
連結プレート37は、各分割梁31〜35のうち各仮梁33,34の両端部にそれぞれ溶接により固定されている。連結プレート37は、各仮梁33,34のウェブの外側面にその一部が仮梁33,34の端部から長手方向(側方)にはみ出した状態で固定されている。以下、連結プレート37において仮梁33,34からはみ出した部分をはみ出し部37aという。
仮梁33の両端部に固定された各連結プレート37のはみ出し部37aはそれぞれ固定梁31のウェブの外側面及び部分梁35のウェブの外側面にボルト38により固定されている。また、仮梁34の両端部に固定された各連結プレート37のはみ出し部37aはそれぞれ固定梁32のウェブの外側面及び部分梁35のウェブの外側面にボルト38により固定されている。これにより、各仮梁33,34はそれぞれ、ボルト38を取り外すことにより床大梁23Xから取り外し可能とされている。
連結プレート37のボルト38固定に関する構成について詳しくは、連結プレート37のはみ出し部37aにはボルト38を挿通するための挿通孔41が形成されており、固定梁31,32及び部分梁35のウェブにもそれぞれボルト38の挿通孔42が形成されている(図5参照)。そして、ボルト38がこれら各挿通孔41,42に挿通された状態でナット39(図5参照)と締結されることにより、連結プレート37がウェブに固定されている。なお、連結プレート37は上下複数(具体的には2つ)のボルト38によりウェブに固定されている。
上記のように構成された床大梁23Xは、その各固定梁31,32がそれぞれ隣り合う柱21の側面に溶接により固定されることで、それら柱21間に架け渡されている。
床大梁23Xの部分梁35とそれと対向する長辺側の床大梁23(図示略)との間には床小梁26(以下、この符号にaを付す)が架け渡されて固定されている。この床小梁26aは、後述するように、仕切壁部17を支持する支持梁として機能するものであり、仕切壁部17に沿って設けられている(図4参照)。また、床大梁23Xの固定梁31とそれと対向する床大梁23との間にも床小梁26が架け渡されている。この床小梁26は廊下12の床面を形成する床材を下方から支持するものである。
続いて、床大梁23Xの一部が取り外された状態(施工現場での設置状態)における建物ユニット20Bの床部の構成について図3(b)に基づいて説明する。
図3(b)に示すように、施工現場では、床大梁23Xから各仮梁33,34がそれぞれ取り外される。これら各仮梁33,34の取り外しは各ボルト38が取り外されることにより行われる。各仮梁33,34がそれぞれ取り外されると、それら仮梁33,34が取り外された部位に梁の存在しない梁欠損部44,45が形成される。具体的には、仮梁33が取り外されることで固定梁31と部分梁35との間に梁欠損部44が形成され、仮梁34が取り外されることで固定梁32と部分梁35との間に梁欠損部45が形成される。そして、梁欠損部44を利用して連通部16が形成され、梁欠損部45を利用してガレージ開口部27が形成されるようになっている。また、部分梁35は、各梁欠損部44,45の間に配置され、その両端部がそれぞれ柱21に固定されていない非固定端となっている。
次に、仕切壁部17周辺の構成について図4に基づいて説明する。図4は、仕切壁部17周辺の構成を示す縦断面図であり、図1(b)のA−A線断面図に相当する。
図4に示すように、玄関11とガレージ15との間の境界部には、同境界部に沿って基礎49が設けられている。基礎49上には、当該基礎49に沿って仕切壁部17が設けられている。仕切壁部17は、ガレージ15側に設けられた壁パネル51と、玄関11側に設けられた壁パネル52とを備える。これら各壁パネル51,52はそれぞれ横並びに複数設けられており、それら複数の壁パネル51,52により仕切壁部17が構成されている。
壁パネル51は、ガレージ15に面して設けられた壁面材54と、その壁面材54の裏面側に固定された壁フレーム55とを有する。壁面材54は、窯業系サイディングにより構成されている。壁フレーム55は、断面コ字状の鋼材よりなる縦フレーム材55a及び横フレーム材55bを有し、それら各フレーム材55a、55bが矩形枠状に連結されることにより構成されている。
壁フレーム55は、その下端部に配された横フレーム材55bがブラケット57を介して床小梁26aに固定されている。ブラケット57は、床小梁26aのガレージ15側の面に固定され、そのブラケット57のガレージ15側の面に横フレーム材55bがボルト58で固定されている。これにより、壁フレーム55ひいては壁パネル51が床小梁26aに固定されている。
壁パネル52は、玄関11(及び廊下12)に面して設けられた壁面材61と、その壁面材61の裏面側に固定された壁フレーム62とを有する。壁面材61は、石膏ボードにより構成されている。壁フレーム62は、木製角材よりなる縦フレーム材62a及び横フレーム材62bを有し、それら各フレーム材62a,62bが矩形枠状に連結されることにより構成されている。
壁パネル52は、床小梁26a上に設けられた下地材64の上に載置された状態で設けられている。壁パネル52は、その壁フレーム62が図示しない下地ブロックを介して壁パネル51の壁フレーム55に取り付けられている。これにより、壁パネル52が壁パネル51に固定されている。この場合、壁パネル52は壁パネル51とともに床小梁26aに支持されており、ひいては仕切壁部17が床小梁26aに支持されている。
玄関11の床部には、複数のタイル66が枡目状に敷き詰められている。これらのタイル66により玄関11の土間床(たたき)が形成されている。タイル66(以下、この符号にaを付す)は、玄関11の床部と壁パネル52の下端部との間にも設けられている。このタイル66aは、床小梁26aの玄関11側の側面にタイル下地板67を介して取り付けられている。このタイル66aと壁面材61との境界部には巾木68が設けられており、この巾木68により当該境界部が玄関11側から覆い隠された状態となっている。
ところで、本実施形態では、床大梁23Xの仮梁33,34がそれぞれ取り外されることにより、それら仮梁33,34の欠損部(梁欠損部44,45)の間に部分梁35が形成されている。かかる部分梁35は、両端がいずれも柱21に固定されていないため、位置ずれが生じ易いと考えられる。そこで、本実施形態では、その点に鑑みて、部分梁35を隣接する建物ユニット20Aの柱21に対して連結し、それにより部分梁35の位置ずれ抑制を図っている。以下、かかる部分梁35と柱21との連結構造(図1(a)の領域B内)について図5に基づいて説明する。図5において(a)が部分梁35と柱21との連結構造を示す横断面図であり、(b)が同構造を示す縦断面図である。なお、図5(b)では便宜上、各壁パネル51,52,85,86の図示を省略している。
まず、部分梁35と柱21との連結構造を説明するのに先立ち、建物ユニット20A側の構成について説明する。
図5(a)及び(b)に示すように、建物ユニット20Aには、仕切壁部17と横並びで外壁部24が設けられている。外壁部24は、仕切壁部17と同様の構成からなり、屋外側(ガレージ15側)に設けられた壁パネル85と、玄関11側に設けられた壁パネル86とを備える。外壁部24は、これら各壁パネル85,86が横並びに設けられることにより構成されている。
壁パネル85は、仕切壁部17の壁パネル51と概ね同様の構成を有しており、壁パネル86は、仕切壁部17の壁パネル52と概ね同様の構成を有している。壁パネル85は、屋外に面して設けられた壁面材88と、その壁面材88の裏面側に固定された壁フレーム(図示略)とを有している。壁面材88は、壁パネル51の壁面材54と同じ窯業系サイディングよりなり、意匠性の統一が図られている。また、これら各壁面材54,88は互いの外壁面が面一とされている。
壁パネル86は、玄関11に面して設けられた壁面材89と、その壁面材89の裏面側に設けられた壁フレーム(図示略)とを有している。壁面材89は、壁パネル52の壁面材61と同じ石膏ボードよりなる。これら各壁面材61,89は、互いの内壁面が面一とされている。
建物ユニット20Aの床部には、建物ユニット20Bとの境界部に連通部16が形成される関係で、当該境界部側に床大梁23が設けられていない。この点に関して説明すると、製造工場での建物ユニット20Aの製造時には、当該境界側に床大梁23(以下、その符号にaを付す。図5(b)中の一点鎖線を参照。)が仮固定され、その仮固定状態で建物ユニット20Aが施工現場へ搬送される。そして、施工現場において、この床大梁23aが建物ユニット20Aから取り外されるものとなっている。この床大梁23aが取り外されることで、その床大梁23aが取り外された部位が梁欠損部となり、その梁欠損部を利用して連通部16が形成されている。
なお、上記の床大梁23aは、柱21に対してブラケット91を介して仮固定されるようになっている。このブラケット91は、矩形平板状の鋼板よりなる。ブラケット91は、床大梁23aを挟んだ両側の各柱21の側面に溶接により固定され、それら各ブラケット91に床大梁23aが架け渡された状態で仮固定される。なお、かかる仮固定は、例えばボルトにより行われる。
続いて、建物ユニット20Aの柱21に対する部分梁35の連結構造について説明する。
建物ユニット20Bの部分梁35は、仕切壁部17の壁内部、詳しくは各壁パネル51,52の壁面材54,61の間に設けられている。部分梁35は、各壁パネル51,52の壁面材54,61の間に跨がるように設けられ、その梁長さ(仕切壁部17の厚み方向における長さ)が各壁面材54,61同士の間隔よりも若干小さい長さに設定されている。部分梁35は、基礎49上に図示しないスペーサを介して設けられ、その溝部を建物ユニット20Bの水平方向内側に向けて配置されている。
部分梁35は、建物ユニット20Aの柱21(以下、その符号にXを付す)に対向して設けられている。この柱21Xは、外壁部24の壁内部、詳しくは各壁パネル85,86の壁面材88,89の間に配設されている。部分梁35は、そのウェブ35aの外側面を柱21Xの側面21aに対向させて配置されている。この場合、部分梁35と柱21Xとが壁部(外壁部24及び仕切壁部17)の内部において、各建物ユニット20A,20Bの並ぶユニット並び方向に対向して配置されている。
なお、この場合、建物ユニット20Aの柱21Xが「対向柱」に相当し、部分梁35が「対向梁」に相当する。また、柱21Xの側面21aが「対向柱の対向面」に相当し、部分梁35のウェブ35aの外側面が「部分梁の対向面」に相当する。
部分梁35と柱21Xとが対向する対向部分には、部分梁35を柱21Xに対して連結する連結ブラケット70が設けられている。連結ブラケット70は、帯板状の鋼板が折り曲げられる(屈曲される)ことにより形成されている。連結ブラケット70は、部分梁35のウェブ35aの外側面に固定された梁固定板部71と、柱21Xにおける玄関11側の側面21b(対向柱の対向面と直交する側面に相当)に固定された柱固定板部72と、それら梁固定板部71及び柱固定板部72を連結する連結板部73とを備える。
梁固定板部71は、ボルト38及びナット39の締結により部分梁35のウェブ35aに固定されている。ボルト38(第1固定具に相当)は、梁固定板部71に形成された孔部71aとウェブ35aの挿通孔42とにそれぞれ挿通されており、その挿通状態でウェブ35aの内側面に溶接固定されたナット39と締結されている。具体的には、ウェブ35aには、部分梁35の梁長さ方向(仕切壁部17の厚み方向と同方向)に沿って複数の挿通孔42が形成されている。より具体的には、ウェブ35aには、各仮梁33,34をボルト38により固定(仮固定)する際に利用していた複数の挿通孔42が上記梁長さ方向に並んで配置されている。そして、梁固定板部71は、それら複数の挿通孔42のうち玄関11側(連通部16側)の挿通孔42を利用してボルト38によりウェブ35aに固定されている。なお、ボルト38は、例えば仮梁33,34の取り外しの際に取り外されたボルト38が流用される。
柱固定板部72は、柱21Xの側面21bに上下複数(具体的には3つ)のタッピングネジ78(第2固定具に相当)により固定されている。柱固定板部72は、柱21Xの側面21bにおいてブラケット91よりも建物ユニット20B(部分梁35)寄りの位置に固定されている。柱21Xにおいて側面21bを形成する側壁部にはタッピングネジ78を挿通する(止め付ける)ための挿通孔79(換言すると止め付け孔79)が形成されている。また、柱固定板部72にも、タッピングネジ78を挿通するための挿通孔81が形成されている。タッピングネジ78は、柱固定板部72の挿通孔81を介して柱21Xの挿通孔79にねじ込まれている。これにより、柱固定板部72が柱21Xの側面21bに対して固定されている。
連結板部73は、柱21Xの側面21aに対向して設けられた対向板部74と、その対向板部74と梁固定板部71とを繋ぐ繋ぎ板部75とを有する。対向板部74は、柱固定板部72における建物ユニット20B(部分梁35)側の端部に接続されており、柱21Xの側面21aに当接した状態で配置されている。
繋ぎ板部75は、仕切壁部17(外壁部24)の壁厚み方向における対向板部74の屋外側(換言すると玄関11側とは反対側)の端部と、上記壁厚み方向における梁固定板部71のガレージ15側(換言すると玄関11側とは反対側)の端部とを繋いでいる。換言すると、繋ぎ板部75は、対向板部74における柱固定板部72側とは反対側の端部に接続され、その繋ぎ板部75から梁固定板部71が対向板部74と同じ側すなわち玄関11側に向けて延びている。この場合、対向板部74と繋ぎ板部75と梁固定板部71とが平面視においてコ字状をなすように配置されている。また、繋ぎ板部75は、柱21Xと部分梁35との対向部分において、上記壁厚み方向における略中央部又はそれよりも玄関11寄りに配置されている。
なお、上記壁厚み方向は、各建物ユニット20A,20Bの並ぶユニット並び方向と直交する水平方向と同じ方向である。
対向板部74と繋ぎ板部75と梁固定板部71とにより囲まれた内側には玄関11側に向けて開放された溝部76が形成されている。本実施形態では、この溝部76に仕切壁部17(外壁部24)の内部を上下に延びる配線Kが配設されており、溝部76が配線Kの配設スペースとして利用されている。但し、溝部76を、グラスウール等の断熱材を配設する配設スペースとして利用する等その他の用途で利用してもよい。
また、連結ブラケット70は、その上端部が部分梁35の上端部よりも上方に突出しない高さ位置に配置されている。詳しくは、連結ブラケット70は、その上端部が部分梁35の上端部と同じ高さ位置に設定されている。これにより、例えば連結ブラケット70の上方に床面材や壁材等の部材が事後的に配置されても、それらの部材が連結ブラケット70に干渉するのを回避することが可能となっている。
部分梁35には、仕切壁部17を構成する各壁パネル51のうち、外壁部24に隣接配置された(換言すると建物ユニット20A側の端部に配置された)壁パネル51が固定されている。この壁パネル51は、壁面材54の裏面側に上下方向に延びる縦フレーム材83を有している。縦フレーム材83は、断面L字状をなす鋼材により形成されており、壁面材54の裏面側にて外壁部24(建物ユニット20A)寄りに配置されている。なお、この縦フレーム材83が壁下地材に相当する。
縦フレーム材83は、壁面材54の裏面側に固定された壁固定板部83aと、部分梁35のウェブ35aの外側面に固定された梁固定板部83bとを有している。梁固定板部83bは、ボルト38及びナット39の締結によりウェブ35aに固定されている。梁固定板部83bは、ウェブ35aにおいて連結ブラケット70の梁固定板部71よりもガレージ15側の位置で固定されている。この場合、連結ブラケット70の梁固定板部71と縦フレーム材83の梁固定板部83bとがウェブ35aにおいて仕切壁部17の壁厚み方向に並んで配置されている。また、ボルト38は、梁固定板部83bに形成された孔部84とウェブ35aの挿通孔42とにそれぞれ挿通され、その挿通状態でウェブ35aの内側面に溶接固定されたナット39と締結されている。具体的には、梁固定板部83bは、ウェブ35aに設けられた複数の挿通孔42のうちガレージ15側(屋外側)の挿通孔42を利用してボルト38固定されている。なお、ボルト38は、梁固定板部71の固定の場合と同様、仮梁33,34の固定ボルト38が流用される。
次に、建物ユニット20Bの部分梁35を建物ユニット20Aの柱21Xに連結する際の作業手順について図6に基づいて説明する。図6は、かかる作業手順を説明するための図である。
まず製造工場では、建物10を構成する各建物ユニット20を製造する。この際、建物ユニット20Aについては、その床部に床大梁23aを仮固定しておく。また、建物ユニット20Aの外壁部24を構成する各壁パネル86のうち、少なくとも仕切壁部17との隣接部に配置される壁パネル86については建物ユニット20Aに組み付けないでおく。
建物ユニット20Bについては、その床部に床大梁23X(各仮梁33,34を含む床大梁23X)を組み付けておく。また、建物ユニット20Bの仕切壁部17を構成する各壁パネル51,52のうち、少なくとも外壁部24との隣接部に配置される壁パネル51,52については建物ユニット20Bに組み付けないでおく。
各建物ユニット20を製造した後、それら各建物ユニット20をトラック等で施工現場へ搬送する。
施工現場では、まず製造工場から搬送されてきた各建物ユニット20をそれぞれ所定の位置に設置する。各建物ユニット20を設置した後、建物ユニット20Aから床大梁23aを取り外すとともに、建物ユニット20Bの床大梁23Xから各仮梁33,34を取り外す。これにより、図6(a)に示すように、建物ユニット20Bの床部に部分梁35が形成され、その部分梁35と建物ユニット20Aの柱21Xとが互いに対向配置される。また、この際、仕切壁部17と外壁部24との境界部に位置する玄関11側の各壁パネル52,86がそれぞれ配設されていないため、部分梁35と柱21Xとがそれぞれ玄関11側に露出している。
続いて、部分梁35を建物ユニット20Aの柱21Xに連結ブラケット70を用いて連結する作業を行う。本実施形態では、この連結作業を玄関11(作業空間に相当)側から行うことを想定している。かかる連結作業に際しては、まず図6(b)に示すように、連結ブラケット70を部分梁35と柱21Xとの対向部分に配置し、その梁固定板部71をボルト38及びナット39により部分梁35のウェブ35aに固定する。詳しくは、玄関11側から連結ブラケット70の溝部76に手を挿し入れて、かかるボルト38による固定作業を行う。
続いて、図6(c)に示すように、連結ブラケット70の柱固定板部72をタッピングネジ78により柱21の側面21bに固定する。これにより、部分梁35が柱21Xに連結ブラケット70を介して連結される。
その後、図6(d)に示すように、建物ユニット20Aに残りの壁パネル86(仕切壁部17との隣接部に配置される壁パネル86)を組み付けるとともに、建物ユニット20Bに残りの壁パネル51,52(外壁部24との隣接部に配置される壁パネル51,52)を組み付ける。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
建物ユニット20Bの部分梁35を建物ユニット20Aの柱21Xに対向させて配置し、その配置状態で部分梁35を柱21Xに対し連結ブラケット70を介して連結した。連結ブラケット70には、部分梁35に対してボルト38(第1固定具に相当)により固定される梁固定板部71と、柱21Xに対してタッピングネジ78(第2固定具に相当)により固定される柱固定板部72とを設けた。タッピングネジ78による固定は、ボルトによる固定の場合とは異なりナットを用いなくても済むため、この場合、柱固定板部72を四角筒状の柱21Xに容易に固定することが可能となる。
また、柱固定板部72を柱21Xにおける玄関11側の側面21b、換言すると柱21Xにおける部分梁35との対向面(側面21a)と直交する側面21bに固定したため、柱固定板部72を柱21Xの側面21aに固定する場合とは異なり、柱固定板部72をタッピングネジ78により柱21Xに固定する際、部分梁35がその作業の邪魔となることがない。そのため、かかる固定作業を好適に行うことができる。よって、この場合、(玄関11側から)部分梁35を隣りの建物ユニット20Aの柱21Xに好適に連結することが可能となる。
連結ブラケット70に、柱21Xの側面21a(対向面に相当)に対向して設けられる対向板部74と、その対向板部74と梁固定板部71とを繋ぐ繋ぎ板部75とを設け、梁固定板部71を繋ぎ板部75から対向板部74と同じ側すなわち玄関11(作業空間に相当)側に向けて延びるように形成した。この場合、玄関11側から梁固定板部71をボルト38により部分梁35に固定する際、繋ぎ板部75が邪魔となることがないため、かかる固定作業をし易くすることができる。これにより、部分梁35を柱21Xに連結する作業をより好適に行うことが可能となる。
連結ブラケット70において柱固定板部72を柱21Xの側面21bに当接させる(固定する)ことに加え、対向板部74を柱21Xの側面21aに当接させた。この場合、連結ブラケット70が柱21Xにおいて互いに直交する2つの側面21a,21bにそれぞれ当接した状態で配置されるため、連結ブラケット70を柱21Xに対して安定した状態で固定することができる。これにより、連結ブラケット70を介した柱21Xに対する部分梁35の連結状態を安定なものとすることができる。
両端がいずれも柱21に固定されていない部分梁35は位置ずれし易いことが考えられる。その点、かかる部分梁35を柱21Xに連結ブラケット70を介して連結したため、かかる部分梁35を好適に拘束することができ、その位置ずれを抑制することが可能となる。
建物ユニット20Bの内部に床大梁23Xの長手方向(換言するとユニット並び方向)に並んで玄関11及びガレージ15を形成した構成にあって、その床大梁23Xの一部、すなわち玄関11とガレージ15とに対応する部位(具体的には仮梁33,34)をそれぞれ取り除くことで部分梁35を形成した。このような床大梁23Xの一部から部分梁35には、玄関11とガレージ15とを仕切る仕切壁部17等の各種部材が固定されることが考えられるため、その位置ずれを抑制することが特に求められる。その点、かかる部分梁35を連結ブラケット70を介して柱21Xに連結したため、その位置ずれを好適に抑制することが可能となる。
部分梁35とそれと対向する床大梁23との間に、仕切壁部17に沿って延び当該仕切壁部17を支持する床小梁26aを架け渡して設けた。この場合、部分梁35には、床小梁26aを介して仕切壁部17の荷重が作用するため、部分梁35を安定した状態で配設することが強く求められる。この点、かかる部分梁35を連結ブラケット70を介して柱21Xに連結したため、部分梁35の拘束力を高めることができ、その結果仕切壁部17を安定した状態で支持することが可能となる。
仕切壁部17を構成する複数の壁パネル51のうち建物ユニット20A側の端部に配置された壁パネル51の縦フレーム材83を部分梁35に固定した。この場合、部分梁35が床小梁26aを架け渡すために用いられるだけでなく、壁パネル51を固定する下地材としても利用されるため、部分梁35の有効利用が図られる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)連結ブラケット70の形状は必ずしも上記実施形態のものに限定されない。例えば、連結ブラケットを互いに直交する2つの板部を有するL字状に形成してもよい。その場合、2つの板部のうち一方の板部(梁固定板部に相当)を部分梁35のウェブ35aに固定し、他方の板部(柱固定板部に相当)を柱21Xの側面21bに固定すればよい。その場合でも、部分梁35を柱21Xに対して好適に連結することが可能となる。
(2)上記実施形態では、連結ブラケット70の対向板部74を柱21Xの側面21aに当接させたが、対向板部74を側面21aに当接させないでもよい。つまり、対向板部74と側面21aとの間に所定の隙間を設けてもよい。
(3)上記実施形態では、柱21Xにおいて側面21a(部分梁35との対向面)と直交する2つの側面のうち玄関11側の側面21bに連結ブラケット70の柱固定板部72を固定したが、これに代えて、屋外側の側面(側面21bと対向する側面)に柱固定板部72を固定してもよい。その場合、屋外側(ガレージ15側)から部分梁35を柱21Xに連結する作業を行えばよい。但しこの場合、製造工場にて、建物ユニット20Aの各壁パネル85のうち仕切壁部17と隣接配置される屋外側(ガレージ15側)の一部の壁パネル85については建物ユニット20Aに組み付けないでおく必要がある。
(4)上記実施形態では、建物ユニット20Bの内部に、ユニット長手方向(床大梁23Xの長手方向)に並ぶ複数の土間空間として玄関11及びガレージ15を設けたが、これら複数の土間空間は必ずしも玄関11及びガレージ15の組み合わせでなくてもよい。例えば、ガレージ15に代えてアルコーブにしたり、玄関11に代えて土間にしたりすることが考えられる。また、複数の土間空間をいずれもガレージにしてもよい。
また、上記実施形態では、玄関11を各建物ユニット20A,20Bに跨がって形成したが、これに代えて、玄関11を建物ユニット20B(隣接部29)にのみ形成するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、両端がそれぞれ柱21に固定されていない部分梁35を連結ブラケット70により建物ユニット20Aの柱21Xに連結したが、一端のみが柱21に固定されていない(換言すると一端のみ柱21に固定されている)片持ち状の部分梁を連結ブラケット70により柱21Xに連結してもよい。その場合でも、かかる片持ち状の部分梁を柱21Xに拘束することができるため、かかる部分梁の位置ずれを好適に抑制することができる。
また、部分梁だけでなく、両端がそれぞれ柱21に固定されている床大梁23を柱21Xに対して連結ブラケット70により連結してもよい。その場合、床大梁23の拘束力を高めることができる。
(6)上記実施形態では、床大梁23X(下梁)の一部(仮梁33,34)を取り除くことにより形成した部分梁35を柱21Xに対して連結ブラケット70により連結したが、例えば天井大梁22(上梁)の一部を取り除くことにより形成した天井側の部分梁を柱21Xに対して連結するようにしてもよい。天井大梁22についても、建物内に上下階に跨がる吹き抜け空間を形成する場合等にその一部が取り除かれることが考えられ、その場合やはり部分梁が形成されることになる。そのため、そのような場合に、かかる天井側の部分梁に本発明の連結構造を適用してもよい。
(7)上記実施形態では、床大梁23が溝形鋼により形成されている場合について説明したが、床大梁23がH形鋼や角形鋼等、他の形鋼により形成されている場合にも同様に本発明を適用することができる。
(8)上記実施形態では、第1固定具としてボルト38を用いたが、第1固定具としてタッピングネジやビス等その他の固定具を用いてもよい。また、上記実施形態では、第2固定具としてタッピングネジ78を用いたが、ワンサイドボルトやセルフタッピングネジ等その他の固定具を用いてもよい。なお、第2固定具としてセルフタッピングネジを用いる場合には、柱21Xに予め挿通孔79を設けておく必要がなく、セルフタッピングネジをねじ込みながら柱21Xに挿通孔を形成すればよい。
10…建物、17…仕切壁部、20…建物ユニット、20A…第2ユニットとしての建物ユニット、20B…第1ユニットとしての建物ユニット、21…柱、21a…対向面としての側面、21b…側面、21X…対向柱としての柱、22…大梁及び上梁としての天井大梁、23…大梁及び下梁としての床大梁、26a…支持梁としての床小梁、35…対向梁としての部分梁、38…第1固定具としてのボルト、51…壁パネル、52…壁面材、70…連結ブラケット、71…梁固定板部、72…柱固定板部、74…対向板部、75…繋ぎ板部、78…第2固定具としてのタッピングネジ、83…壁下地材としての縦フレーム材。

Claims (7)

  1. 角形鋼管からなる複数の柱と、隣り合う前記柱にそれぞれ連結され形鋼からなる複数の大梁とを有して構成される建物ユニットを備え、その建物ユニットが複数組み合わされることで構築されるユニット式の建物に適用され、
    前記建物ユニットとして、横並びで隣り合う第1ユニット及び第2ユニットを備え、
    前記第1ユニットは、前記大梁の一部が取り除かれることにより形成された部分梁又は前記大梁のいずれかであり、前記第2ユニットの前記柱に対向して設けられた対向梁を有しており、
    前記第2ユニットにおいて前記対向梁と対向する前記柱は対向柱であり、
    前記対向梁を前記対向柱に対して連結する連結ブラケットを備え、
    前記連結ブラケットは、
    前記対向梁における前記対向柱との対向面に第1固定具により固定された梁固定板部と、
    前記対向柱における前記対向梁との対向面と直交する側面に第2固定具により固定された柱固定板部とを有し、
    前記柱固定板部は、前記第2固定具が当該柱固定板部を介して前記対向柱にねじ込まれることで当該対向柱に固定されていることを特徴とするユニット式建物の柱梁連結構造。
  2. 前記連結ブラケットは、
    前記柱固定板部に接続され前記対向柱の前記対向面に対向して設けられた対向板部と、
    前記対向板部と前記梁固定板部とを繋ぐ繋ぎ板部とを有しており、
    前記繋ぎ板部は、前記対向板部における前記柱固定板部側とは反対側の端部に接続されており、
    前記梁固定板部は、前記繋ぎ板部から前記対向板部と同じ側に向けて延びていることを特徴とする請求項1に記載のユニット式建物の柱梁連結構造。
  3. 前記対向板部は、前記対向柱の前記対向面に当接した状態で配置されていることを特徴とする請求項2に記載のユニット式建物の柱梁連結構造。
  4. 前記対向梁は、両端がいずれも前記柱に固定されていない前記部分梁であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のユニット式建物の柱梁連結構造。
  5. 前記部分梁は、前記大梁としての下梁の一部が取り除かれることにより形成され、
    前記第1ユニットの内部には、当該下梁の長手方向に並んで複数の土間空間が形成されており、
    当該下梁において前記各土間空間に対応する部位がそれぞれ取り除かれることにより前記部分梁が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のユニット式建物の柱梁連結構造。
  6. 前記第1ユニットには、前記各土間空間を仕切る仕切壁部が設けられており、
    前記第1ユニットの床部には、前記部分梁とその部分梁と対向して設けられる下梁との間に、前記仕切壁部に沿って延びかつ当該仕切壁部を支持する支持梁が架け渡されて設けられていることを特徴とする請求項5に記載のユニット式建物の柱梁連結構造。
  7. 前記仕切壁部は、横並びに設けられた複数の壁パネルを備え、
    前記壁パネルは、壁面材と、その壁面材の裏面側に設けられた壁下地材とを有し、
    前記複数の壁パネルのうち、前記第2ユニット側の端部に配置された壁パネルはその壁下地材が前記部分梁に固定されていることを特徴とする請求項6に記載のユニット式建物の柱梁連結構造。
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