JP6233127B2 - ジャイロセンサのオフセット補正装置、車両用ナビゲーション装置及びジャイロセンサのオフセット補正方法 - Google Patents
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Description
要するに、閾値時間以上車速パルスが出ていない場合に停車判定し、その間のジャイロ出力の平均値を用いてジャイロオフセット補正を実行するもので、車輪の回転の検知漏れ(低速移動中に車速パルスが検知されない)が起きた状況等において、誤ったオフセット学習処理を行ってしまう場合がある。
以下、本発明を車両用ナビゲーション装置に適用した参考形態について図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、車両用ナビゲーション装置1は、GPS(Global Positioning System)測位部2、推測航法部3(方位変化推測手段、補正手段に相当)、マップマッチング部4、地図データ格納部5、演算表示部6などの各機能部を備えている。これらの機能部は、図示しないCPUが不揮発性メモリに記憶されたプログラムを実行することで実現されるものである。尚、図1では本発明に関連した機能部のみを示した。
ジャイロセンサ8は、車両の進行方向に対する角速度(方位変化)を検出する。このジャイロセンサ8は、例えば振動体を所定の駆動軸方向に振動させた状態で、当該駆動軸方向に直交する検知軸方向にコリオリの力により生じる振動体の変位を検知してジャイロ出力を出力する。ジャイロセンサ8は、静止時においてはジャイロ出力として基準電圧を出力する。つまり、ジャイロ出力として、静止時においては基準電圧が出力され、車両の旋回時においては基準電圧と角速度に対する電圧との差を増幅したものが出力される。従って、ジャイロ出力として基準電圧が出力されている場合には、車両は直進していると判定することができる。
ステアリングセンサ10は、ステアリングのセンター値からの操舵角の大きさを示すステアリングセンサ値を出力する。
推測航法部3は、GPS測位部2からの現在位置、ジャイロセンサ8からのジャイロ出力、車速パルス出力部9からの車速パルスを入力し、これらに基づいて車両の速度、車両の方位及び車両の走行軌跡等の情報を作成して記憶する。
演算表示部6は、地図データ格納部5の地図データと、マップマッチング部4で特定された地図の道路上における車両の現在位置情報と、推測航法部3からの車両の速度及び車両の方位情報とに基づいて、地図データから車両の現在位置の周辺の道路情報を作成して表示装置11に表示する。
具体的には、図2に示すように、推測航法部3は、閾値時間(例えば3秒)以上車速パルスを非検知かを判定する(S101)。例えば信号停止により車両が停止した状態では車速パルスが出力されなくなるので、閾値時間以上車速パルスを非検知となり(S101:YES)、停車判定することができる。
このような事情から、本参考形態では、車速パルスに基づいて停車判定し、且つジャイロ出力に基づいて車両が方位変化していないと判定した場合は(S101:YES、S102:YES)、ステアリングセンサから出力されるステアリングセンサ値に基づいてジャイロオフセット補正の実行を制御するようになっている。
以後、推測航法部3は、ジャイロオフセット補正されたジャイロ出力に基づいて車両の方位変化を正確に求めることができる。
尚、推測航法部3は、図2に示す処理を100ms周期で繰返して実行している。
車速パルスに基づいて停車判定し、且つジャイロ出力に基づいて車両が方位変化していないと判定した場合であっても、ステアリングセンサ値が閾値を上回っている期間(補正除外期間に相当)は、車両が極めて低速で方位変化している可能性があるとしてジャイロオフセット補正を実行しないようにしたので、車両が極めて低速度で方位変化している場合に停車判定を誤った場合であっても、ジャイロオフセット補正を誤って実行してしまうことを防止できる。
次に、本発明の一実施形態について図3を参照して説明する。本実施形態は、車両が発進する際のステアリングの操舵角に基づいて停車判定時のジャイロオフセット補正の実行の有無を制御することを特徴とする。
上記参考形態では、車両が極めて低速度で方位変化している場合に停車判定を誤ってしまう場合を想定したが、ステアリングが操舵された状態で車両が停止した場合は、再び車両が動き出す際にステアリングが操舵された状態が継続されている可能性が高い。このような状態で車両が極めて低速度で発進すると、車速パルスが検出される前に車両が方位変化することにより停車判定を誤ってしまい、停車判定時のジャイロオフセット補正を誤って実行してしまうことが想定される。
具体的には、推測航法部3は、車速パルスに基づいて判定した車速が閾値(この場合は、厳密に停車直前の必要はなく、例えば5km/h)以下になったかを判定している。車速が閾値以下となった場合は(S201:YES)、閾値時間以上車速パルスを非検知か(S202)、つまり停車判定したかを判定し、停車判定していない場合は(S202:NO)、ステアリングセンサ値が閾値(例えば5度)以上かどうか(ステアリングが操舵されているかどうか)を判定し(S207)、閾値を上回る場合は(S207:YES)、そのまま停車することを考慮し、停車判定時のジャイロオフセット補正を実行しないようジャイロオフセット非補正フラグをONする(S208)。
尚、ジャイロオフセット非補正フラグはイグニッションスイッチがオフされても記憶されている。従って、ユーザがイグニッションスイッチをスタート操作することにより図3に示すプログラムが動作した場合は、ステアリングが操舵された状態で車両が極めて低速度で発進した場合であっても、ジャイロオフセット非補正フラグがONしているので(S203:NO)、車両の発進時にジャイロオフセット補正が行われることはない。
ステアリングが操舵された状態で停車判定してから車速が所定の閾値を上回るまでの期間(補正除外期間に相当)は、車両が極めて低速度で方位変化している可能性があるとしてジャイロオフセット補正を実行しないようにしたので、車両が極めて低速度で方位変化しながら発進した場合であっても、ジャイロオフセット補正を誤まって実行してしまうことを防止することができる。
本発明は、上記参考形態や実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記参考形態や実施形態と組合せたり、各変形例を組合せるようにしてもよい。
参考形態において、ジャイロオフセット補正を実行しない条件として、ジャイロ出力値が閾値以下で安定かを判定するステップS102を実行しないようにしてもよい。つまり、停車判定時に、ステアリングが操舵されていることのみを条件としてジャイロオフセット補正を実行しないようにしてもよい。
図2に示すオフセット補正動作と図3に示すオフセット補正動作を同時に実行するようにしてもよい。この場合、停車判定した場合であっても、車両が極めて低速度で方位変化している状態と、車両が方位変化しながら極めて低速度で発進する状態の何れの場合に停車判定を誤った場合であっても、ジャイロオフセット補正を誤って実行してしまうことを防止できる。
Claims (3)
- ジャイロセンサ(8)からのジャイロ出力に基づいて車両の方位変化を推測する方位変化推測手段(3)と、
車速パルス出力部(9)からの車速パルスに基づいて車両が停止したと判定した場合は、前記ジャイロセンサのオフセット補正を実行する補正手段(3)と、を備えたジャイロセンサのオフセット補正装置において、
前記補正手段は、前記車速パルスに基づいて車速が所定値以下となってから前記車速パルスに基づいて車両が停止したと判定するまでの間に、前記ステアリングセンサ値が所定の閾値以上であると判定した場合において、前記車速パルスに基づいて車両が停止したと判定してから車速が所定値まで上昇したと判定するまでの補正除外期間は前記オフセット補正を実行しないことを特徴とするジャイロセンサのオフセット補正装置。 - 請求項1に記載のジャイロセンサのオフセット補正装置を備えたことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
- 車速パルス出力部からの車速パルスに基づいて車両が停止したと判定した場合はジャイロセンサのオフセット補正を実行するジャイロセンサのオフセット補正方法において、
前記車速パルスに基づいて車速が所定値以下となってから前記車速パルスに基づいて車両が停止したと判定するまでの間に、前記ステアリングセンサ値が所定の閾値以上であると判定した場合において、前記車速パルスに基づいて車両が停止したと判定してから車速が所定値まで上昇したと判定するまでの補正除外期間はオフセット補正を実行しないことを特徴とするジャイロセンサのオフセット補正方法。
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