JP6229606B2 - 車両のフロントガラス固定構造 - Google Patents
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Description
請求項4に係る発明によると、ボディの突起部に押し付けられる突条片は、柔らかい第1の素材と、第1の素材よりも硬い第2の素材との二層構造であり、その他の突条片は前記第2の素材により構成されている。
以下、図1から図13に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のフロントガラス固定構造について説明する。なお、図中の前後左右及び上下は、車両の前後左右及び上下に対応している。
車両のフロントガラス固定構造について説明する前に、先ず、車両のフロントガラス回りの構造概要について説明する。車両のボディ10には、車室の前端位置に、図1に示すように、フロントガラス30によって塞がれる窓開口部12が形成されている。窓開口部12は、左右の前端支柱であるフロントピラー14と、ルーフパネル16の前端縁と、図2、図3に示すように、フロントピラー14の下端位置から車幅方向延びるカウルトップパネル18とにより略角形に構成されている。
フロントガラス30は、図5に示すように、ボディ10の窓開口部12の形状に合わせて略角形に形成されている。そして、フロントガラス30の周縁がボディ10の窓開口部12の周縁、即ち、フロントピラー14のフランジ部144とルーフパネル16のフランジ部とカウルトップパネル18のガラス支持面18zとに固定されるようになっている。フロントガラス30の周縁裏側には、図5に示すように、フロントガラス30の左右の縦辺部と上辺部とに弾性変形可能な突条部材32が固定されている。
フロントガラス30をボディ10の窓開口部12の周縁に固定する際には、先ず、上記したように、フロントガラス30の周縁裏側にゴム系接着剤であるウレタン35が塗布される。この状態で、フロントガラス30の周縁を窓開口部12の周縁、即ち、ルーフパネル16のフランジ部とフロントピラー14のフランジ部144とカウルトップパネル18のガラス支持面18zとに位置合わせして、フロントガラス30をボディ10側に押圧する。これにより、フロントガラス30の上辺部と左右の縦辺部では、図10に示すように、中央突条片32c、左右の逆L字形突条片32eがルーフパネル16のフランジ部、フロントピラー14のフランジ部144にそれぞれ押し付けられる。そして、中央突条片32c、左右の逆L字形突条片32eの高さ寸法に合わせてウレタン35が潰されて広がり、フロントガラス30がウレタン35によりルーフパネル16のフランジ部、フロントピラー14のフランジ部144に固定される。
次に、上記したフロントガラス30の固定構造の働きについて説明する。例えば、フロントガラス30の周縁に設けられたウレタン35と突条部材32との間に雨水等が入り込むと、その水は、図11に示すように、フロントガラス30の左右の縦辺部に設けられたウレタン35の壁と逆L字形突条片32eとの間を流下する。そして、その水はカウルトップパネル18の凸ビード18bの位置で互いに接合された下端突条片32dのシール層32zとウレタン35とにより遮られる。これにより、前記水は逆L字形突条片32eと下端突条片32dとの空間Sを通って車幅方向外側に排出される。この結果、流下する水がフロントガラス30の下辺部に設けられたウレタン35の壁を伝ってボディ10の車幅方向内側に流れるようなことがなくなる。これにより、カウルインナパネル19の外気導入ダクト19dに水が入り込むことがない。
本実施形態に係るフロントガラス30の固定構造によると、フロントガラス30の縦辺部の下部に対応する窓開口部12の周縁の下部には、フロントガラス30の下端突条片32d(突条部材)とウレタン35(接着剤)とを横切る位置にボディ10(カウルトップパネル18)の凸ビード18b(突起部)が形成されている。このため、フロントガラス30の周縁がボディ10の窓開口部12の周縁にセットされる際、フロントガラス30の縦辺部の下部に位置する下端突条片32d(突条部材)とウレタン35(接着剤)とが窓開口部12の周縁の下部に形成された凸ビード18b(突起部)に押し付けられる。これにより、下端突条片32d(突条部材)とウレタン35(接着剤)とが凸ビード18b(突起部)に沿う方向に広がるように変形し、下端突条片32d(突条部材)とウレタン35(接着剤)とが互いに接合される。このため、フロントガラス30の縦辺部におけるウレタン35(接着剤)の壁と逆L字形突条片32e(突条部材)との間を流下する雨水等がボディ10の凸ビード18b(突起部)の位置で下端突条片32d(突条部材)とウレタン35(接着剤)との接合部分により遮られる。これにより、流下する雨水等がフロントガラス30の下辺部に設けられたウレタン35(接着剤)の壁を伝ってボディの車幅方向内側に流れるようなことがなくなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、突条部材32の下端突条片32dをゴム材の固定層32xとスポンジ材のシール層32zとの二層構造にする例を示した。しかし、突条部材32の下端突条片32dをスポンジ材のシール層32zのみから構成することも可能である。また、本実施形態では、フロントガラス30の下端突条片32d(突条部材)とウレタン35(接着剤)とをボディ10(カウルトップパネル18)の凸ビード18b(突起部)の位置で潰して接合させて流下する水を遮る例を示した。しかし、図12に示すように、フロントガラス30の左右の縦辺部と上辺部とに門形に第1のウレタン35aを塗布し、フロントガラス30の下辺部と左右の縦辺部の下部とに略U字形の第2のウレタン35bを塗布するようにしても良い。これにより、図13に示すように、フロントガラス30の左右の縦辺部に設けられた第1のウレタン35aの壁と逆L字形突条片32eとの間を流下する水が第1のウレタン35aの壁に沿って下方に流れ、第2のウレタン35bの方に回り込まなくなる。
14・・・・フロントピラー(窓開口部の周縁)
144・・・フランジ部(窓開口部の周縁)
16・・・・ルーフパネル(窓開口部の周縁)
18・・・・カウルトップパネル(窓開口部の周縁)
18z・・・ガラス支持面(窓開口部の周縁)
18b・・・凸ビード(突起部)
30・・・・フロントガラス
32・・・・突条部材
32c・・・中央突条片
32e・・・逆L字形突条片
32d・・・下端突条片
32z・・・シール層
32x・・・固定層
35・・・・ウレタン(接着剤)
S・・・・・空間
Claims (6)
- 車両のボディの窓開口部を塞ぐフロントガラスの周縁を前記窓開口部の周縁に固定する車両のフロントガラス固定構造であって、
前記フロントガラスの周縁裏側の上辺部と左右の縦辺部とに固定されており、前記フロントガラスを窓開口部の周縁に対して位置決めする弾性変形可能な突条部材と、
前記突条部材よりも内周側の位置で、前記フロントガラスの周縁裏側の上辺部と左右の縦辺部と下辺部との全周に亘って塗布されている接着剤と、
前記フロントガラスの縦辺部の下部に対応する前記窓開口部の周縁の下部において、前記フロントガラスの前記突条部材と前記接着剤とを横切る位置に形成された突起部とを有し、
前記フロントガラスの左右の縦辺部に固定された前記突条部材の下部が、前記フロントガラスの下辺部に塗布されている前記接着剤よりも下方に突出しており、
前記フロントガラスの周縁が前記ボディの窓開口部の周縁にセットされる際、前記突条部材と接着剤とが前記突起部に押し付けられることで、前記突条部材と接着剤とが前記突起部に沿う方向に広がるように変形して互いに接合され、
前記突条部材と接着剤との接合部により、前記フロントガラスの縦辺部に設けられた前記接着剤の壁に沿って流下する雨水が止められるように構成されている車両のフロントガラス固定構造。 - 車両のボディの窓開口部を塞ぐフロントガラスの周縁を前記窓開口部の周縁に固定する車両のフロントガラス固定構造であって、
前記フロントガラスの周縁裏側の上辺部と左右の縦辺部とに固定されており、前記フロントガラスを窓開口部の周縁に対して位置決めする弾性変形可能な突条部材と、
前記突条部材よりも内周側の位置で、前記フロントガラスの周縁裏側の上辺部と左右の縦辺部と下辺部との全周に亘って塗布されている接着剤と、
前記フロントガラスの縦辺部の下部に対応する前記窓開口部の周縁の下部において、前記フロントガラスの前記突条部材と前記接着剤とを横切る位置に形成された突起部とを有しており、
前記フロントガラスの周縁が前記ボディの窓開口部の周縁にセットされる際、前記突条部材と接着剤とが前記突起部に押し付けられることで、前記突条部材と接着剤とが前記突起部に沿う方向に広がるように変形し、互いに接合された接合部を備え、
前記フロントガラスの前記縦辺部に設けられた接着剤の壁に沿って流下する雨水がそのフロントガラスの下辺部を伝ってボディの車幅方向内側に流れないようにするために、前記接合部にて雨水を止めて水抜き通路から当該雨水を車幅方向外側に排出できるようにした車両のフロントガラス固定構造。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のフロントガラス固定構造であって、
前記突条部材は、前記フロントガラスの周縁に沿って延びる複数本の突条片から構成されており、
前記ボディの突起部に押し付けられる突条片は、その他の突条片よりも柔らかい素材で形成されている車両のフロントガラス固定構造。 - 請求項3に記載された車両のフロントガラス固定構造であって、
前記ボディの突起部に押し付けられる突条片は、柔らかい第1の素材と、前記第1の素材よりも硬い第2の素材との二層構造であり、
前記その他の突条片は前記第2の素材により構成されている車両のフロントガラス固定構造。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された車両のフロントガラス固定構造であって、
前記突条部材には、その突条部材と接着剤とが前記ボディの突起部に押し付けられて互いに接合する位置より高い位置に、前記接着剤の壁と前記突条部材との間を流下する水を逃がす開口が設けられている車両のフロントガラス固定構造。 - 請求項5に記載された車両のフロントガラス固定構造であって、
前記開口は、前記ボディの突起部に押し付けられる突条片と、その他の突条片との間の空間である車両のフロントガラス固定構造。
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