JP6228485B2 - 挿入部材固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、体内へ挿入されるカテーテル等の挿入部材を固定する挿入部材固定具に関する。
近年、悪性神経膠腫(膠芽腫、退形成星性細胞腫等)に対しては、手術療法、放射線療法に加え、化学療法、免疫療法、遺伝子治療、分子標的療法等の各種治療法が試みられており、神経膠腫を含む悪性脳腫瘍の治療成績は改善している。しかし、最も悪性度の高い膠芽腫では、5年生存率が約7%と低く、いまだあらゆる癌の中で最も予後不良である。
悪性神経膠芽腫に対する治療の基本は、外科手術による腫瘍の可及的切除である。しかし、脳は部位によりさまざまな機能を果たしているため、腫瘍を十分に切除できない場合が多い。特に、悪性神経膠芽腫では、腫瘍細胞が周辺脳組織へ浸潤していることから、組織レベルでの全摘出は不可能である。そのため、悪性神経膠芽腫の治療成績改善には、術後補助療法として放射線療法や化学療法などが不可欠である。
悪性神経膠腫に対する化学療法は、その有用性が立証されているにもかかわらず、治療効果はいまだ十分とはいえない。脳腫瘍では、治療薬剤を静脈内投与するにあたり、治療薬剤を血液脳関門(Blood Brain Barrier:BBB)を介して透過させるため、透過性という固有の問題があり、適用可能な薬剤が限られている。さらに、BBBの透過性が得られたとしても、薬剤による全身への副作用に対する懸念から、薬剤投与量が制限され、腫瘍部位において有効な薬剤濃度を確保することができない。
上記のような悪性神経膠腫に対する化学療法の課題を克服するための新たな薬剤投与法として、対流増加送達(Convection−Enhanced Delivery:CED)法が考案されている。CED法とは、脳実質内に定位的に留置したカテーテルから微量注入ポンプを用いて薬剤を能動的に注入する局所化学療法である。従来の中枢神経系への局所投与技術では、腫瘍摘出腔への腔内投与であれ、脳内留置型の局所化学療法剤であれ、薬剤の分布は物質の拡散に依存していた。物質の拡散は、濃度勾配や組織性状によって規定され、拡散性の良い低分子化合物であっても、毛細血管への吸収や代謝によりその範囲は数mmに留まると考えられている。これは、悪性神経膠腫の再発の80〜90%が初発病巣から2cm以内の部位に起こることに対し不十分である。一方、CED法では、注入中の圧勾配を維持して脳質間にバルクフロー(bulk flow)を誘導し注入物質の拡散を強化する。従って、従来の局所投与法と比較して薬剤をより均質に高濃度で広い範囲に分布させることができる。また、薬剤の脳内分布は注入量と注入速度により制御可能であり、静脈からの全身投与と比較して投与量を少なくすることも可能なため、全身の副作用を問題のないレベルに抑えることが可能である。CED法により投与可能な薬剤は多岐にわたり、これまでに様々な薬剤の投与がラット脳腫瘍移植モデルにおいて試みられ、その有効性が報告されている。このような利点から、CED法は、脳腫瘍のみならず、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん等を治療する方法として期待されている。
このようなCED法を使用する場合、カテーテルを体内に挿入してその先端を目的部位に到達させた後、体内に留置されたカテーテルを固定する必要がある。
カテーテルを固定する背景技術として、特許文献1には、水頭症の患者の体内に手術により埋め込まれる脳室シャントにおける髄液排出用のカテーテルの固定用L型クリップが開示されている(段落[0001]参照)。そして、特許文献1の請求項1には、「頭蓋骨に形成されたクリップ挿入用円孔に挿入可能な本体と、同本体の上部に一体形成され上記円孔より大径のつば部を周縁に突設されたドーム部とをそなえ、上記の本体とドーム部とを貫通して脳室カテーテルをほぼ90°に弯曲可能なカテーテル配設通路が形成されるとともに、上記ドーム部に上記脳室カテーテルを弾性保持可能な挟持部をそなえたクリップ部が一体形成されている」と記載されている。
特開平8−38616号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、弾性体で構成された挟持部がカテーテルを左右両側から挟むことによってカテーテルの固定が行われるため、単純に左右から挟むだけではカテーテルの保持力が弱く、カテーテルの留置中における何らかの意図しない動きによってカテーテルが動く可能性がある。
また、頭蓋骨に形成された円孔に入る本体が前記円孔よりも小さいこと、および本体の固定が縫合糸による三点留めであることから、頭蓋骨と本体との密着力が弱く、髄液の漏出や、菌の頭蓋内部への侵入のおそれがある。
さらに、カテーテルが本体の挿入円孔に、該挿入円孔の内周面とカテーテルの外周面とが接触した状態で挿入されるため、密閉性が得られるものの、挿入円孔とカテーテルとの間に生じる摩擦力によって、カテーテルの挿入操作が困難になる。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、挿入部材の体内への挿入および固定を容易かつ確実に行うとともに、体に形成される孔を確実に密閉することができる挿入部材固定具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、体内へ挿入される挿入部材を固定する挿入部材固定具であって、前記挿入部材が挿通する挿通孔が形成され、体に形成される孔に挿入する本体部、および該本体部の径方向外側に設けられ、体に当接する鍔部を有するベースと、前記本体部の前記挿通孔内に前記本体部の軸方向に挿入する第1押圧部、および該第1押圧部の径方向外側に設けられ、前記鍔部に形成された貫通孔に前記本体部の軸方向に挿入する第2押圧部を有するキャップと、前記本体部の前記挿通孔内に配置され、前記キャップの前記ベースへの装着時に前記挿通孔に挿入される前記第1押圧部により前記本体部の軸方向に押圧されて内径が縮小するように変形することによって前記挿入部材の外面に密着する環状の第1弾性部材と、前記本体部の径方向外側に配置され、前記キャップの前記ベースへの装着時に前記貫通孔に挿入される前記第2押圧部により前記本体部の軸方向に押圧されて外径が拡大するように変形することによって前記孔の内面に密着する環状の第2弾性部材と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、キャップをベースに装着することによって、第1弾性部材および第2弾性部材の2つの弾性部材が押圧され、第1弾性部材が挿入部材の外面に密着することによる挿入部材の固定と、第2弾性部材が体に形成される孔の内面に密着することによる前記孔の密閉とを、1回の操作で容易に行うことができる。
ここで、環状の第1弾性部材が挿入部材の外面全体に密着するため、挿入部材は確実に固定され、体内に留置中に動くことはない。
また、環状の第2弾性部材が体に形成される孔の内面全体に密着するため、前記孔は確実に密閉され、体内液の漏出および菌による汚染のおそれを回避できる。
さらに、キャップがベースに完全には装着されていない状態では、第1弾性部材が押圧力を受けず挿入部材の外面に密着することがないため、挿入部材をベースの本体部の挿通孔を通って殆ど抵抗無く体内に挿入でき、挿入部材の挿入操作が容易となる。
すなわち、挿入部材の体内への挿入および固定を容易かつ確実に行うとともに、体に形成される孔を確実に密閉することができる挿入部材固定具を提供できる。
また、本発明は、前記キャップを前記ベースに装着した状態を保持するロック機構を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、何らかの原因によってキャップがベースから外れることを防止でき、挿入部材の固定と、体に形成される孔の密閉とをより確実にすることができる。
また、本発明は、前記キャップを前記ベースに装着した状態の保持を解除するアンロック機構を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、キャップをベースから取り外すとともに、第1弾性部材および第2弾性部材が押圧される前の形状に復元することによって、挿入部材を挿入部材固定具から容易に抜き去ることができる。このため、ベースをそのまま体に設置した状態で、挿入部材を取り替えることも可能となる。
また、本発明は、前記キャップに、該キャップの径方向における外側と中心軸に沿って形成される中央孔の内部との間を前記挿入部材が相対移動可能なスリットが形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、キャップの中心軸と同軸に挿入部材を容易に位置させることができる。具体的には、挿入部材に対してキャップを横方向(挿入部材の径方向)から接近させることによって容易に取り付けることができる。このため、ベースの本体部の挿通孔に挿入部材を挿通させた状態で、挿入部材に対してキャップを取り付けることも可能となる。
また、本発明は、前記キャップが、該キャップの中心軸を含む平面で2分割された一対の部品が分離可能に組み合わされて構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、キャップの中心軸と同軸に挿入部材を容易に位置させることができる。具体的には、挿入部材を中心に位置させて2分割された一対の部品を横方向両側から挟み込むように組み合わせることによって、挿入部材に対してキャップを容易に取り付けることができる。したがって、ベースの本体部の挿通孔に挿入部材を挿通させた状態で、挿入部材に対してキャップを取り付けることも可能となる。
また、本発明は、前記環状の第1弾性部材の内周面に、径方向内方に突出する環状の凸部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1弾性部材は凸部が圧縮された状態で挿入部材の外面に十分に密着するため、挿入部材をより確実に固定することができる。
また、本発明は、前記環状の第2弾性部材の外周面に、径方向外方に突出する環状の凸部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、第2弾性部材は凸部が圧縮された状態で体に形成される孔の内面に十分に密着するため、前記孔をより確実に密閉することができる。
また、本発明は、前記挿入部材が、カテーテルであることを特徴とする。
このような構成によれば、カテーテルを通じて、薬剤等の物質を体内の目的部位に的確に注入したり、体内液を排出させたりすることが可能となる。
また、本発明は、脳内へ挿入される前記挿入部材を固定することを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、挿入部材を通じた、脳への物質の対流増加送達や、脳内の髄液の排出等を適切に行うことが可能となる。
本発明によれば、挿入部材の体内への挿入および固定を容易かつ確実に行うとともに、体に形成される孔を確実に密閉することができる挿入部材固定具を提供できる。
本発明の一実施形態に係る挿入部材固定具が適用された薬剤投与システムの構成を示す図である。 図2(a)は、カテーテルの脳内への挿入時の様子を挿入部材固定具とともに示す縦断面図、図2(b)は、挿入部材固定具によるカテーテルの固定時の様子を示す縦断面図である。 挿入部材固定具の分解斜視図である。 図4(a)は、本実施形態に係る第1弾性部材の断面図、図4(b)は、本実施形態の変形例に係る第1弾性部材の断面図、図4(c)は、本実施形態の他の変形例に係る第1弾性部材の断面図である。 図5(a)は、本実施形態に係る第2弾性部材の断面図、図5(b)は、本実施形態の変形例に係る第2弾性部材の断面図、図5(c)は、本実施形態の他の変形例に係る第2弾性部材の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る挿入部材固定具の分解斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る挿入部材固定具の分解正面図である。 図8(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る挿入部材固定具におけるキャップがベースに対してロックされた状態を示す縦断面図、図8(b)は、図8(a)に示す挿入部材固定具におけるキャップがベースに対してアンロックされた状態を示す縦断面図である。 図9(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係るキャップの平面図、図9(b)は、図9(a)に示すキャップのA−A線に沿う断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るキャップの斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るキャップの正面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また、部材のサイズおよび形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る挿入部材固定具20が適用された薬剤投与システム100の構成を示す図である。本実施形態では、薬剤投与システム100が、生体組織内への物質の持続的な送達、特に脳実質内への治療用物質の対流増加送達に用いられる場合について説明する。
図1に示すように、薬剤投与システム100は、脳実質等の生体組織内である体内に導入される挿入部11を先端側に有する管状体であるカテーテル(挿入部材)10と、体内へ挿入されるカテーテル10を固定する挿入部材固定具20と、カテーテル10内へ向けて物質を供給する物質供給装置70とを備えている。なお、以下において、「先端」は体内に挿入される側の端部、「基端」は「先端」の反対側、すなわち物質供給装置70側の端部を指すものとする。体内に投与するための供給用の物質は、ここでは治療用物質であり、薬物を含有する液体(液体の薬剤)等の液体が使用される。
物質供給装置70は、供給用の物質を内部に収容するとともに該物質が送出される送出口を有するシリンジ71と、シリンジ71内の物質を前記送出口から圧送する微量注入ポンプ72とを備えている。物質供給装置70のシリンジ71の前記送出口には、液送チューブ65の基端が接続されている。そして、液送チューブ65の先端は、カテーテル10の基端に装着されたハブ66に接続される。
図2(a)は、カテーテル10の脳内への挿入時の様子を挿入部材固定具20とともに示す縦断面図である。図2(b)は、挿入部材固定具20によるカテーテル10の固定時の様子を示す縦断面図である。図3は、挿入部材固定具20の分解斜視図である。なお、図3において、第1弾性部材51および第2弾性部材52(図2参照)の図示を省略している(図6,7でも同様)。
図2に示すように、挿入部材固定具20は、患者の体としての頭蓋骨90に形成される孔(穿頭孔)であるバーホール91に挿入する本体部31、および体に当接して固定する鍔部32を有するベース30と、ベース30に装着可能なキャップ40とを備えている。
ベース30の本体部31は、略円筒形状を呈しており、その中心軸CLに沿って、カテーテル10が挿通する挿通孔33が形成されている。ここで、中心軸CLは、ベース30とキャップ40とに共通のものである。ベース30の鍔部32は、例えば円盤形状を呈しており、本体部31の基端側から径方向外側に広がるように設けられている。ここでは、本体部31と鍔部32とは、一体に形成されている。
挿通孔33内には、中心軸CLに垂直で基端側に向いた環状の平面を呈する段差面333が形成されている。挿通孔33は、第1内周面331と、第1内周面331よりも基端側に位置し、かつ内径が大きい第2内周面332とを有しており、段差面333は、第1内周面331と第2内周面332との境界に形成されている。
本体部31の外周面34には、中心軸CLに垂直で基端側に向いた環状の平面を呈する段差面343が形成されている。外周面34は、第1外周面341と、第1外周面341よりも基端側に位置し、かつ外径が小さい第2外周面342とを有しており、段差面343は、第1外周面341と第2外周面342との境界に形成されている。
図3に示すように、鍔部32の本体部31側には、貫通孔36が形成されている。貫通孔36は、円弧形状の溝孔であり、ここでは一対設けられている。換言すれば、本体部31と鍔部32とは、一対の貫通孔36の間に形成される一対のブリッジ37によって結合されている。
鍔部32の外周縁近傍には、ベース30を頭蓋骨90に固定するためのねじ部材(図示せず)が挿通する固定用孔35が、円周方向に沿って等間隔に複数(図3では4個)形成されている。ベース30の固定用のねじ部材の材質として、例えばセラミックや樹脂が使用される。
キャップ40は、ベース30の本体部31の挿通孔33内に本体部31の軸方向に挿入する第1押圧部41と、該第1押圧部41の径方向外側に設けられ、ベース30の鍔部32に形成された貫通孔36に本体部31の軸方向に挿入する第2押圧部42とを有している。
第1押圧部41は、円筒形状を呈しており、その中心軸CL(図2参照)に沿って、カテーテル10(図2参照)が挿通する中央孔43が形成されている。第2押圧部42は、円弧形状の脚部であり、貫通孔36に対応して一対設けられている。なお、貫通孔36および第2押圧部42の設置数は適宜設定可能であるが、第2押圧部42が後記する第2弾性部材52を均一に押圧して圧縮するためには、2つ(一対)以上が好ましく、第2押圧部42が確実に第2弾性部材52を圧縮するためには、2〜4つがより好ましい。
第1押圧部41と第2押圧部42とは、基端側同士が中心軸CLに垂直な例えば円盤形状の端板44によって結合されている。ここでは、第1押圧部41、第2押圧部42、および端板44は、一体に形成されている。
図2に示すように、挿入部材固定具20は、ベース30の本体部31の挿通孔33内に配置される環状の第1弾性部材51を備えている。この第1弾性部材51は、本体部31の第2内周面332と段差面333とに接触して配置されている。そして、第1弾性部材51は、キャップ40のベース30への装着時に挿通孔33に挿入される第1押圧部41により本体部31の軸方向に押圧されて内径が縮小するように変形することによって、カテーテル10の外面に密着する機能を有している。第1弾性部材51の材質としては、例えばゴムやエラストマーが使用される。
図4(a)は、本実施形態に係る第1弾性部材51の断面図である。図4(b)は、本実施形態の変形例に係る第1弾性部材51aの断面図である。図4(c)は、本実施形態の他の変形例に係る第1弾性部材51bの断面図である。
図4(a)に示すように、環状の第1弾性部材51の内周面に、径方向内方に突出する環状の凸部511が設けられていることが好ましい。ここでは、凸部511は、第1弾性部材51の内周面の軸方向の一部(図4(a)では中央)に形成されている。このような構成によれば、第1弾性部材51は凸部511が圧縮された状態でカテーテル10の外面に十分に密着するため、カテーテル10をより確実に固定することができる。図4(b)に示すように、断面形状が円形を呈する環状の第1弾性部材51aが使用されてもよく、この場合、第1弾性部材51aの内周面に、径方向内方に突出する断面半円形状の凸部511aが形成されることになる。なお、第1弾性部材の内周面に設けられる環状の凸部は、少なくとも一つ以上であればよく、例えば、図4(c)に示すように、環状の第1弾性部材51bの内周面に、径方向内方に突出する2つの環状の凸部511bが軸方向に並んで設けられていてもよい。このようにすれば、第1弾性部材51bはカテーテル10の外面に、より十分に密着する。
また、図2に示すように、挿入部材固定具20は、ベース30の本体部31の径方向外側に配置される環状の第2弾性部材52を備えている。この第2弾性部材52は、本体部31の第2外周面342と段差面343とに接触して配置されている。そして、第2弾性部材52は、キャップ40のベース30への装着時に貫通孔36に挿入される第2押圧部42により本体部31の軸方向に押圧されて外径が拡大するように変形することによって、バーホール91の内面に密着する機能を有している。第2弾性部材52の材質としては、例えばゴムやエラストマーが使用される。
図5(a)は、本実施形態に係る第2弾性部材52の断面図である。図5(b)は、本実施形態の変形例に係る第2弾性部材52aの断面図である。図5(c)は、本実施形態の他の変形例に係る第2弾性部材52bの断面図である。
図5(a)に示すように、環状の第2弾性部材52の外周面に、径方向外方に突出する環状の凸部521が設けられていることが好ましい。ここでは、第2弾性部材52は、断面形状が円形を呈しており、この場合、第2弾性部材52の外周面に、径方向外方に突出する断面半円形状の凸部521が形成されることになる。このような構成によれば、第2弾性部材52は凸部521が圧縮された状態でバーホール91の内面に十分に密着するため、バーホール91をより確実に密閉することができる。図5(b)に示すように、環状の凸部521aが、第2弾性部材52aの外周面の軸方向の一部(図5(b)では中央)に形成されていてもよい。なお、第2弾性部材の外周面に設けられる環状の凸部は、少なくとも一つ以上であればよく、例えば、図5(c)に示すように、環状の第2弾性部材52bの外周面に、径方向外方に突出する2つの環状の凸部521bが軸方向に並んで設けられていてもよい。このようにすれば、第2弾性部材52bはバーホール91の内面に、より十分に密着する。
図2および図3に示すように、キャップ40の第2押圧部42の先端には、該先端以外の部分よりも内径を小さく、かつ外径を大きくした接触部421が設けられている。このようにすれば、第2押圧部42の第2弾性部材52との接触面積を大きくすることができるとともに、接触部421の剛性が高まるため、第2押圧部42は第2弾性部材52を十分に押圧して変形させることができる。
また、挿入部材固定具20は、キャップ40をベース30に装着した状態を保持するロック機構としての係止爪55を備えている。係止爪55は、キャップ40の第2押圧部42の外周面に径方向外方に突出して設けられており、第2押圧部42の外周面から中心軸CLに垂直に径方向外方に延びた平面である係止面551と、係止面551の径方向外方端から第2押圧部42の外周面まで先端方向に向かって細くなるように傾斜して延びたテーパ面552とを有している。このような構成によれば、キャップ40がベース30に押し込まれて完全に装着された状態では(図2(b)参照)、係止爪55の係止面551が鍔部32の貫通孔36の周辺における下面(先端側の面)に当接することによって、キャップ40がベース30から外れることを防止できる。なお、係止爪55は、必ずしも第2押圧部42の外周面に沿って全周にわたって設ける必要はない。係止爪55は、キャップ40の脱落防止に十分な強度が得られれば外周面の一部に設けられていてもよく、例えば本実施形態では、一対の第2押圧部42の各々に対して1つずつ、合計2つ設けられている。
挿入部材固定具20を構成する各部品のうち材質について特に前記しなかった部品の材質としては、例えば樹脂やセラミックが使用される。ただし、本実施形態では、MRIにより得られる画像にアーチファクトを発生させない材質であれば適宜使用可能である。
次に、前記のように構成された挿入部材固定具20の使用方法について、その作用とともに説明する。
まず、医師等の操作者は、MRIにより得られる画像において、カテーテル10の挿入部11(図1参照)の先端を位置させるべき脳実質内における例えば脳腫瘍の中心付近である目的部位を確認する。この確認に基づき、頭蓋骨90におけるカテーテル10の挿入口となる位置にバーホール91を形成するとともに、カテーテル10を脳内に挿入する長さを決定する。
そして、操作者は、ベース30を、該ベース30の本体部31が頭蓋骨90に開けられたバーホール91内に挿入するようにして頭蓋骨90上に設置し、例えば、ねじ部材(図示せず)を固定用孔35に通し、頭蓋骨90にねじ込んで固定する。なお、固定用孔35に糸を通して頭皮に縫い付けることによって、ベース30を固定してもよい。なお、この状態においては、キャップ40は、ベース30に軽く挿入されていて最後まで押し込まれておらず、完全には装着されていない(図2(a)参照)。
続いて、操作者は、投与する薬剤を含む液体でプライミングされたカテーテル10を、キャップ40の中央孔43とベース30の挿通孔33とに挿通させて、脳実質内の目的部位に予め決定された長さ分だけ挿入する。なお、ハブ66(図1参照)が三方活栓や逆止弁を有している場合には、プライミングされたカテーテル10の挿入部11を体内に留置した後に、液送チューブ65(図1参照)をハブ66に接続してもよい。
カテーテル10の挿入部11の先端が目的部位に届いていることがMRIにより得られる画像において確認されると、操作者は、キャップ40をベース30に押し込んで完全に装着する(図2(b)参照)。
このキャップ40のベース30への装着時に、キャップ40の第1押圧部41が第1弾性部材51を軸方向に押圧して圧縮し、第1弾性部材51が径方向内側に向かって膨張することによって、カテーテル10の外面を圧迫して密着する。これにより、ベース30に対してカテーテル10が固定される。また、これと同時にキャップ40の第2押圧部42が第2弾性部材52を軸方向に押圧して圧縮し、第2弾性部材52が径方向外側に向かって膨張することによって、バーホール91の内面に密着する。これにより、バーホール91が密閉される。なお、第2弾性部材52が径方向外側に膨張してバーホール91の内面に強固に密着して固定される場合には、固定用孔35を用いた固定は省略可能である。
キャップ40をベース30に押し込み始めると、キャップ40の第2押圧部42の外周面に設けられた係止爪55は、テーパ面552がベース30の鍔部32の貫通孔36の周縁に当接して、貫通孔36を僅かに押し広げながら、あるいは第2押圧部42が径方向内側に向かって僅かにたわみながら通過する。そして、キャップ40がベース30に十分に押し込まれて完全に装着されると、係止爪55の係止面551が、ベース30の鍔部32の下にまわり込んで、鍔部32の貫通孔36周辺の下面(先端側の面)に対向する。これにより、キャップ40は軸方向の移動が規制、すなわちロックされるため、キャップ40がベース30から外れることを防止できる。
そして、微量注入ポンプ72の作動により、シリンジ71から液送チューブ65へ物質が供給される。液送チューブ65に送出された物質は、ハブ66を経てカテーテル10内を通り、該カテーテル10の挿入部11の先端から、目的部位に放出される。したがって、カテーテル10を通じて、薬剤等の物質を体内の目的部位に的確に注入することができる。すなわち、カテーテル10を通じた、脳への物質の対流増加送達を適切に行うことが可能となる。
前記したように、本実施形態に係る挿入部材固定具20は、本体部31および鍔部32を有するベース30と、本体部31の挿通孔33内に軸方向に挿入する第1押圧部41、および鍔部32の貫通孔36に軸方向に挿入する第2押圧部42を有するキャップ40と、本体部31の挿通孔33内に配置され、キャップ40のベース30への装着時に第1押圧部41により軸方向に押圧されて内径が縮小するように変形することによってカテーテル10の外面に密着する環状の第1弾性部材51と、本体部31の径方向外側に配置され、キャップ40のベース30への装着時に第2押圧部42により軸方向に押圧されて外径が拡大するように変形することによってバーホール91の内面に密着する環状の第2弾性部材52とを備えている。
したがって本実施形態によれば、キャップ40をベース30に装着することによって、第1弾性部材51および第2弾性部材52の2つの弾性部材が押圧され、第1弾性部材51がカテーテル10の外面に密着することによるカテーテル10の固定と、第2弾性部材52がバーホール91の内面に密着することによるバーホール91の密閉とを、1回の操作で容易に行うことができる。
ここで、環状の第1弾性部材51がカテーテル10の外面全体に密着するため、カテーテル10は確実に固定され、脳内に留置中に動くことはない。
また、環状の第2弾性部材52がバーホール91の内面全体に密着するため、バーホール91は確実に密閉され、髄液の漏出および菌による汚染のおそれを回避できる。
さらに、キャップ40がベース30に完全には装着されていない状態では、第1弾性部材51が押圧力を受けずカテーテル10の外面に密着することがないため、カテーテル10をベース30の本体部31の挿通孔33を通って殆ど抵抗無く脳内に挿入でき、カテーテル10の挿入操作が容易となる。
すなわち、カテーテル10の脳内への挿入および固定を容易かつ確実に行うとともに、バーホール91を確実に密閉することができる挿入部材固定具20を提供できる。
また、本実施形態は、キャップ40をベース30に装着した状態を保持するロック機構としての係止爪55を備えている。このような構成によれば、何らかの原因によってキャップ40がベース30から外れることを防止でき、カテーテル10の固定と、バーホール91の密閉とをより確実にすることができる。
次に、図6〜図11を参照して、本発明の他の実施形態について、前記した図1〜図5に示す実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点についての説明を省略する。
図6は、本発明の他の実施形態に係る挿入部材固定具20aの分解斜視図である。
図6に示すように、挿入部材固定具20aは、図2および図3に示す係止爪55に代えて、キャップ40aの第2押圧部42の外周面に径方向外方に突出して設けられる突出部561と、ベース30aの鍔部32における貫通孔36の外側周縁に形成され、突出部561が軸方向に通過し得る切欠き部562とを有する係止機構56を備えている点で、図1〜図5に示す実施形態と相違している。
このような構成では、切欠き部562の真上に突出部561を位置させ、キャップ40aを下方に移動させてベース30aに押し込み、第1弾性部材51および第2弾性部材52(図2参照、以下同様)が圧縮された状態で、図6中の矢印方向(ここでは上から見て時計まわり方向)に僅かに回転させる。すると、突出部561がベース30aの鍔部32の下にまわり込んで、突出部561の上面が鍔部32の貫通孔36周辺の下面に対向する。これにより、キャップ40aは軸方向の移動が規制、すなわちロックされるため、キャップ40aがベース30aから外れることを防止できる。したがって、係止機構56は、キャップ40aをベース30aに装着した状態を保持するロック機構としての機能を有している。なお、端板44側における一対の第2押圧部42の間に形成される周方向の隙間は、ブリッジ37の周方向の幅よりも、少なくともロック時におけるキャップ40aの回転に必要な寸法だけ、大きく設定される。
また、キャップ40aがベース30aに装着された状態において、ロック時と反対方向(ここでは上から見て反時計まわり方向)に僅かに回転させることで、周方向における突出部561の位置を切欠き部562の位置に合致させて、キャップ40aを軸方向上方に移動させてベース30aから取り外すことができる。このように、係止機構56は、ロック機構としての機能に加え、キャップ40aをベース30aに装着した状態の保持を解除するアンロック機構としての機能をも兼ね備えている。
このような構成によれば、前記した図1〜図5に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、キャップ40aをベース30aから取り外すとともに、第1弾性部材51および第2弾性部材52が押圧される前の形状に復元することによって、カテーテル10(図2参照、以下同様)を挿入部材固定具20aから容易に抜き去ることができる。このため、ベース30aをそのまま体に設置した状態で、カテーテル10を取り替えることも可能となる。
なお、図6では、切欠き部562が貫通孔36の外側周縁のブリッジ37に隣接する位置に形成されるとともに、突出部561が切欠き部562に対応する位置、すなわち第2押圧部42の周方向端に形成されているが、これに限定されるものではない。切欠き部562が貫通孔36の外側周縁の任意の位置に形成されるとともに、突出部561が切欠き部562に対応する位置に形成されてもよい。
また、ロック時におけるキャップ40aの回転方向は、図6中の矢印方向と反対方向(上から見て反時計まわり方向)であってもよい。この場合、突出部561がベース30aの鍔部32のブリッジ37の下にまわり込んで、突出部561の上面が鍔部32のブリッジ37の下面に対向することによってロックされ、アンロック時には、キャップ40aはロック時と反対方向(ここでは上から見て時計まわり方向)に回転させられる。
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る挿入部材固定具20bの分解正面図である。図7に示すように、挿入部材固定具20bは、図2および図3に示す係止爪55に代えて、キャップ40bの第2押圧部42における端板44側(上側)、かつ周方向端に形成され、ブリッジ37が周方向に相対的に移動して挿入し得る係止用切欠き部57を備えている点で、図1〜図5に示す実施形態と相違している。
このような構成では、キャップ40bを下方に移動させてベース30に押し込み、第1弾性部材51および第2弾性部材52が圧縮された状態で、図7中の矢印方向(ここでは上から見て時計まわり方向)に僅かに回転させる。すると、ベース30のブリッジ37が係止用切欠き部57内に入り込む。これにより、キャップ40bは軸方向の移動が規制、すなわちロックされるため、キャップ40bがベース30から外れることを防止できる。したがって、係止用切欠き部57は、キャップ40bをベース30に装着した状態を保持するロック機構としての機能を有している。
また、キャップ40bがベース30に装着された状態において、ロック時と反対方向(ここでは上から見て反時計まわり方向)に僅かに回転させることで、ブリッジ37が係止用切欠き部57内から抜け出るため、キャップ40bを軸方向上方に移動させてベース30から取り外すことができる。このように、係止用切欠き部57は、ロック機構としての機能に加え、キャップ40bをベース30に装着した状態の保持を解除するアンロック機構としての機能をも兼ね備えている。
このような構成によれば、前記した図1〜図5に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、キャップ40bをベース30から取り外すとともに、カテーテル10を容易に抜き去ることができる。このため、ベース30をそのまま体に設置した状態で、カテーテル10を取り替えることも可能となる。しかも、簡易な構成によって、キャップ40bのベース30に対するロックおよびアンロックの操作を容易に行うことができる。
図8(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る挿入部材固定具20cにおけるキャップ40cがベース30に対してロックされた状態を示す縦断面図である。図8(b)は、図8(a)に示す挿入部材固定具20cにおけるキャップ40cがベース30に対してアンロックされた状態を示す縦断面図である。
図8に示すように、挿入部材固定具20cは、係止爪55の真上に位置してキャップ40cの端板44に形成される差込み孔59と、取外し具58とを有する取外し機構60を備えている点で、図1〜図5に示す実施形態と相違している。
差込み孔59は、ここでは、係止爪55に対応して一対形成されている。取外し具58は、例えば円盤形状の基板581と、基板581の表面から鉛直方向下方に突出して設けられ、差込み孔59に差し込む取外し爪582とを有している。基板581の中央にはカテーテル10が挿通する逃げ孔583が形成されている。なお、基板581には、その外周面から逃げ孔583内に達する逃げ溝(図示せず)が形成されており、カテーテル10に対して取外し具58を横方向(カテーテル10の径方向)から接近させて前記逃げ溝に通すことによって容易に取り付けることが可能となっている。取外し爪582の先端部には、該取外し爪582の面から先端に行くほど内側の面に近付いて細くなるように傾斜したテーパ面584が形成されている。
このような構成では、キャップ40cがベース30に押し込まれて完全に装着されてロックされた状態(図8(a)参照)において、取外し具58の取外し爪582をキャップ40cの差込み孔59に差し込んで取外し具58をベース30側に押圧すると、取外し爪582が第2押圧部42を径方向内方に撓ませる。より具体的には、取外し爪582が、キャップ40cの差込み孔59を通過して、ベース30の貫通孔36の外側周縁と第2押圧部42との間に入り込むと、取外し爪582のテーパ面584が貫通孔36の外側周縁に当接して径方向内方に反力を受けることによって、取外し爪582を介して第2押圧部42が径方向内方に押されて撓む。また、取外し爪582のテーパ面584が貫通孔36の外側周縁に当接して径方向内方に反力を受けると、取外し爪582は、その先端が内側に曲がり、同時に第2押圧部42を内側に押し曲げる結果、第2押圧部42が径方向内方に撓む。
これにより、係止爪55が、ベース30の鍔部32の貫通孔36の周辺における下面から外れるため(図8(b)参照)、キャップ40cを軸方向上方に移動させてベース30から取り外すことができる。このように、取外し機構60は、キャップ40cをベース30に装着した状態の保持を解除するアンロック機構としての機能を有している。
このような構成によれば、前記した図1〜図5に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、キャップ40cをベース30から取り外すとともに、カテーテル10を容易に抜き去ることができる。このため、ベース30をそのまま体に設置した状態で、カテーテル10を取り替えることも可能となる。
また、取外し機構60をキャップ40cと分離して別体として構成したため、カテーテル10を脳内に留置中の誤操作によって、キャップ40cがベース30から外れてしまうことが確実に防止される。
図9(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係るキャップ40dの平面図である。図9(b)は、図9(a)に示すキャップ40dのA−A線に沿う断面図である。
図9に示すように、キャップ40dの端板44に、係止爪55と中央孔43との間に位置させて、撓み吸収用孔61が形成されている点で、図1〜図5に示す実施形態と相違している。撓み吸収用孔61は、円弧形状の溝孔であり、ここでは一対設けられている。換言すれば、キャップ40dの第1押圧部41と第2押圧部42とは、一対の撓み吸収用孔61の間に形成される一対のブリッジ441によって結合されている。
このような構成では、キャップ40dがベース30(図2参照、以下同様)に押し込まれて完全に装着されてロックされた状態(図2(b)参照)において、キャップ40dをベース30側に押さえるようにして、端板44の一対の係止爪55にそれぞれ近い外周面の2点を操作者がつまんで内側に向けて力を加えることによって、第2押圧部42が径方向内方、すなわち撓み吸収用孔61側へ撓む。これにより、係止爪55が、ベース30の鍔部32の貫通孔36(図2参照)の周辺における下面から外れるため、キャップ40dを軸方向上方に移動させてベース30から取り外すことができる。このように、撓み吸収用孔61は、キャップ40dをベース30に装着した状態の保持を解除するアンロック機構としての機能を有している。なお、キャップ40dのベース30に対するアンロック操作をより容易にする観点から、キャップ40dの材料は、柔軟な材料、例えばベース30よりも弾性係数(ヤング率)が小さい材料であることが好ましい。
このような構成によれば、前記した図1〜図5に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、キャップ40dをベース30から取り外すとともに、カテーテル10を容易に抜き去ることができる。このため、ベース30をそのまま体に設置した状態で、カテーテル10を取り替えることも可能となる。
図10は、本発明のさらに他の実施形態に係るキャップ40eの斜視図である。
図10に示すように、キャップ40eに、該キャップ40eの径方向における外側と中心軸CLに沿って形成される中央孔43の内部との間をカテーテル10が相対移動可能なスリット45が形成されている点で、図1〜図5に示す実施形態と相違している。
このような構成によれば、前記した図1〜図5に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、キャップ40eの中心軸CLと同軸にカテーテル10を容易に位置させることができる。具体的には、カテーテル10に対してキャップ40eを横方向(カテーテル10の径方向)から接近させることによって容易に取り付けることができる。このため、ベース30の本体部31の挿通孔33(図2参照、以下同様)にカテーテル10を挿通させた状態で、カテーテル10に対してキャップ40eを取り付けることも可能となる。
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るキャップ40fの正面図である。
図11に示すように、キャップ40fは、該キャップ40fの中心軸CL(図2参照、以下同様)を含む平面で2分割された一対の部品が分離可能に組み合わされて構成されている点で、図1〜図5に示す実施形態と相違している。
具体的には、第1押圧部41aは、一対の半割れ円筒部411が組み合わされて構成されており、端板44aは、一対の半円板部442が組み合わされて構成されている。また、一対の半割れ円筒部411における一方の接合面に、凸部413が設けられ、他方の接合面に、凸部413が嵌合する凹部414が形成されている。したがって、キャップ40fの一対の部品は、相互に組み合わされたときに凸部413が凹部414に嵌合して、小さな外力では分離せず軽く接合されるため、組み合わせたときのズレを防止できるとともに、取扱いが容易となる。なお、凸部413および凹部414の設置位置は、適宜変更可能である。
このような構成によれば、前記した図1〜図5に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、キャップ40fの中心軸CLと同軸にカテーテル10を容易に位置させることができる。具体的には、カテーテル10を中心に位置させて2分割された一対の部品を横方向両側から挟み込むように組み合わせることによって、カテーテル10に対してキャップ40fを容易に取り付けることができる。したがって、ベース30の本体部31の挿通孔33にカテーテル10を挿通させた状態で、カテーテル10に対してキャップ40fを取り付けることも可能となる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記した実施形態では、脳への物質の対流増加送達に用いられるカテーテルを固定する挿入部材固定具について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、脳内の髄液の排出に用いられるカテーテルを固定する挿入部材固定具や、脳以外の体内へ挿入されるカテーテルを固定する挿入部材固定具にも適用可能である。さらに、本発明は、カテーテルのほか、例えば刺激リード等の医療用器具などの、他の挿入部材を固定する挿入部材固定具にも適用可能である。
10 カテーテル(挿入部材)
20,20a〜20c 挿入部材固定具
30,30a ベース
31 本体部
32 鍔部
33 挿通孔
36 貫通孔
40,40a〜40f キャップ
41,41a 第1押圧部
42 第2押圧部
43 挿通孔
45 スリット
51,51a,51b 第1弾性部材
52,52a,52b 第2弾性部材
55 係止爪(ロック機構)
56 係止機構(ロック機構、アンロック機構)
57 係止用切欠き部(ロック機構、アンロック機構)
60 取外し機構(アンロック機構)
61 撓み吸収用孔(アンロック機構)
90 頭蓋骨(体)
91 バーホール(孔)
511,511a,511b 凸部
521,521a,521b 凸部
CL 中心軸

Claims (9)

  1. 体内へ挿入される挿入部材を固定する挿入部材固定具であって、
    前記挿入部材が挿通する挿通孔が形成され、体に形成される孔に挿入する本体部、および該本体部の径方向外側に設けられ、体に当接する鍔部を有するベースと、
    前記本体部の前記挿通孔内に前記本体部の軸方向に挿入する第1押圧部、および該第1押圧部の径方向外側に設けられ、前記鍔部に形成された貫通孔に前記本体部の軸方向に挿入する第2押圧部を有するキャップと、
    前記本体部の前記挿通孔内に配置され、前記キャップの前記ベースへの装着時に前記挿通孔に挿入される前記第1押圧部により前記本体部の軸方向に押圧されて内径が縮小するように変形することによって前記挿入部材の外面に密着する環状の第1弾性部材と、
    前記本体部の径方向外側に配置され、前記キャップの前記ベースへの装着時に前記貫通孔に挿入される前記第2押圧部により前記本体部の軸方向に押圧されて外径が拡大するように変形することによって前記孔の内面に密着する環状の第2弾性部材と、
    を備えることを特徴とする挿入部材固定具。
  2. 前記キャップを前記ベースに装着した状態を保持するロック機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の挿入部材固定具。
  3. 前記キャップを前記ベースに装着した状態の保持を解除するアンロック機構を備えることを特徴とする請求項2に記載の挿入部材固定具。
  4. 前記キャップに、該キャップの径方向における外側と中心軸に沿って形成される中央孔の内部との間を前記挿入部材が相対移動可能なスリットが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の挿入部材固定具。
  5. 前記キャップは、該キャップの中心軸を含む平面で2分割された一対の部品が分離可能に組み合わされて構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の挿入部材固定具。
  6. 前記環状の第1弾性部材の内周面に、径方向内方に突出する環状の凸部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の挿入部材固定具。
  7. 前記環状の第2弾性部材の外周面に、径方向外方に突出する環状の凸部が少なくとも一つ以上設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の挿入部材固定具。
  8. 前記挿入部材は、カテーテルであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の挿入部材固定具。
  9. 脳内へ挿入される前記挿入部材を固定することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の挿入部材固定具
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