JP6223813B2 - モルタル組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、モルタル組成物に関する。詳しくは、施工性、耐久性及び下地との一体性に優れるモルタル組成物に関する。また、本発明は、モルタルに関する。詳しくは、施工性、耐久性及び下地との一体性に優れるモルタルに関する。また、本発明は、モルタル被覆方法に関する。詳しくは、施工性、耐久性及び下地との一体性に優れるモルタル被覆方法に関する。
道路、鉄道、タンク、建物、ダム、上水道施設、下水道施設、水路、護岸等にコンクリートは広く使われている。コンクリートを保護する目的、劣化したコンクリートを補修する目的、美観を向上する目的等の種々の目的により、コンクリート構造物表面をモルタルで被覆することも広く行われている。広い面積(大面積)の壁や天井等をモルタルで被覆するには、吹付け工法によりコンクリート表面にモルタルを吹付けることが効率的である(例えば、特許文献1参照。)。吹付け工法に用いるためには、モルタルはポンプ圧送できる程度に軟らかい必要がある。しかし、軟らか過ぎると、壁や天井に被覆する場合に、垂れ落ちてしまう虞や硬化後の収縮が大きくそのためにひび割れが発生する虞がある。また、垂れ落ちが発生することを防ぐには、モルタルの粘性を増加させることが考えられるが、モルタルの粘性を増すと作業性、特に鏝作業性が悪くなる。また、モルタルの粘性を増すとポンプ圧送性が悪くなる。
特開2005−194158号公報
本発明は前記問題の解決、即ち、本発明は、ポンプ圧送性、寸法安定性、下地コンクリートとの一体性、左官作業性(鏝作業性)に優れるモルタル組成物及びモルタルを提供することを目的とする。また、本発明は、施工性、耐久性及び下地との一体性に優れるモルタル被覆方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、セメントと、複数の特定の混和材料と、細骨材とを各々特定割合で含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。また、更に特定割合の水を添加することにより、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)又は(2)で表すモルタル組成物、(3)で表すモルタル、並びに、(4)で表すモルタル被覆方法である。
(1)(A)セメント100質量部に対して、(B)粘土鉱物由来の非晶質アルミノ珪酸塩粉末を1〜20質量部、(C)アクリル系樹脂のポリマーディスパージョン及び/又は再乳化形粉末樹脂を5〜20質量部、(D)フライアッシュを20〜100質量部、(E)膨張材を3〜20質量部、(F)硫酸塩を0.5〜5質量部、(G)減水剤を0.05〜2質量部、(H)増粘剤を0.05〜0.4質量部、(I)消泡剤を0.05〜0.5質量部、(J)有機繊維を0.2〜2質量部、(K)収縮低減剤を1〜3質量部、(L)細骨材を200〜400質量部を含有するモルタル組成物。
(2)上記成分(B)が、メタカオリン粉末である上記(1)のモルタル組成物。
(3)上記(1)又は(2)のモルタル組成物と、該モルタル組成物に含有するセメント100質量部に対して50〜100質量部の水とを含有するモルタル。
(4)(ア)コンクリート構造物表面を吸水調整する工程と、(イ)前記工程(ア)により吸水調整したコンクリート構造物表面に、上記(3)のモルタルを塗布する工程とを具備するモルタル被覆方法。
(1)セメントと、セメント100質量部に対し、上記(1)又は(2)の粉塵低減剤1〜3質量部、膨張性物質4〜15質量部、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末6〜20質量部、石膏類1.6〜20質量部を含有することを特徴とする初期膨張性セメント組成物。
(3)上記非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末が、カオリン鉱物を加熱し非晶質化した非晶質アルミノ珪酸鉱物である上記(1)の初期膨張性セメント組成物。
(4)。
本発明によれば、ポンプ圧送性、寸法安定性、下地コンクリートとの一体性、左官作業性(鏝作業性)に優れるモルタル組成物及びモルタルが得られる。また、本発明によれば、施工性、耐久性及び下地との一体性に優れるモルタル被覆方法が得られる。
本発明のモルタル組成物に用いるセメント(成分(A))は、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「ジェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント、超微粒子セメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。ワーカビリティを損ない難く可使時間が長く確保し易いことから、各種ポルトランドセメント、エコセメント及び各種混合セメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。また、材齢1日の強度を高くし易いことから、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、アルミナセメント及びエコセメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが更に好ましい。また、本発明で用いるセメントとしては、上記セメントに石膏を添加したものでもよい。
本発明のモルタル組成物に用いる粘土鉱物由来の非晶質アルミノ珪酸塩粉末(成分(B))は、粘土鉱物に由来し、非晶質部分を含むアルミノ珪酸塩微粉末であれば特に限定されず、いずれも使用可能である。原料である粘土鉱物の例としては、(1)カオリン鉱物、(2)雲母粘土鉱物、(3)スメクタイト型鉱物、及びこれらが混合生成した混合層鉱物が挙げられる。本発明で用いる非晶質アルミノ珪酸塩粉末(成分(B))は、これらの結晶性アルミノ珪酸塩粘土鉱物を、例えば焼成・脱水して非晶質化することにより得られる。これらのうち、反応性及び経済性の観点から、カオリナイト、ハロサイト、ディッカイト等のカオリン鉱物由来のものが好ましく、特にカオリナイトを焼成して得られるメタカオリンが最も好適である。ここでいう非晶質とは、粉末X線回折装置による測定で、ピークが見られなくなることをいい、本発明に用いる非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末は非晶質の割合が70質量%以上であればよく、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100%即ち粉末X線回折装置による測定でピークが全く見られないものが最も好ましい。非晶質の割合が低いアルミノ珪酸鉱物粉末、即ち結晶質の割合が高いアルミノ珪酸鉱物粉末は、非晶質の割合が高いアルミノ珪酸鉱物粉末に比べて、同じ混和量における強度発現性が悪く、同じ強度を得るためにはより多くのアルミノ珪酸鉱物粉末(成分(B))を必要とする。また、本発明で用いる粘土鉱物由来の非晶質アルミノ珪酸塩粉末(成分(B))の大きさは、反応性及び分離抑制性がより高く垂れが生じ難く寸法安定性に優れることから、平均粒子径10μm以下、特に5μm以下が好ましい。ここで云う平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法により求めたもの、即ち50%通過径とする。
本発明のモルタル組成物における非晶質アルミノ珪酸塩粉末(成分(B))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し1〜20質量部とする。1質量部未満では寸法安定性が悪く、圧縮強度も悪い。また、20質量部を超えると、混練し難くなるため混練に用いる水量が増え、これにより乾燥収縮が悪くなる。即ち、寸法安定性が悪い。更に、本発明のモルタル組成物は、硫酸塩を含有するため、低温施工時に硬化後のモルタルの膨張量が大きくなり過ぎにより寸法安定性が悪い。本発明のモルタル組成物における非晶質アルミノ珪酸塩粉末(成分(B))の配合割合は、寸法安定性が良好で圧縮強度が高いことから、セメント(成分(A))100質量部に対し好ましくは3〜15質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いるアクリル系樹脂(成分(C))は、ポリマーディスパージョンでもよく、再乳化形粉末樹脂でもよく、又ポリマーディスパージョンと再乳化形粉末樹脂を併用してもよい。本発明で用いるアクリル系樹脂(成分(C))としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ヒドロキシエチルアクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N'−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド等のアミド系アクリレート等の(メタ)アクリル酸又はその誘導体より選択されるモノマー(アクリル酸系モノマー)を構成要素とする重合体、共重合体が挙げられる。また、アクリル系樹脂(成分(C))として、例えばスチレン、酢酸ビニル、ベオバ(t−デカン酸ビニルの商品名)等のアクリル酸系モノマー以外の構成要素を用いた共重合体などの重合体でもよい。また、本発明で用いるアクリル系樹脂(成分(C))は、複数種類のアクリル系樹脂からなる混合物でもよい。作業性の観点から、ポリマーの水中への安定化が、樹脂粒子表面に分布する界面活性剤、或いは、樹脂本体のアニオン性官能基又はノニオン性官能基により成されるものが好ましい。
本発明のモルタル組成物におけるアクリル系樹脂(成分(C))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し不揮発成分換算で5〜20質量部とする。5質量部未満では付着強度が悪く、成分(C)を含有させた効果が見られない。また、20質量部を超えると、粘性が高くなり過ぎるため、左官作業時に鏝作業性が悪く、吹付け施工時にポンプ圧送性が悪い。付着強度が高く、左官作業時に鏝作業性が良く、また吹付け施工時にポンプ圧送性がよいことから、アクリル系樹脂(成分(C))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し不揮発成分換算で8〜15質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いるフライアッシュ(成分(D))は、特に限定されないが、規格(JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」)に適合するものであれば、鏝伸び性、鏝切れ性、表面平滑性等の鏝作業性に安定して優れ、且つポンプ圧送性に安定して優れることから好ましい。本発明のモルタル組成物におけるフライアッシュ(成分(D))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し20〜100質量部とする。20質量部未満では左官施工時の鏝作業性及び吹付け施工時のポンプ圧送性が悪く、成分(D)を含有させた効果が見られない。また、100質量部を超えると、コンシステンシーを得るための混練水量が増すために、乾燥収縮が大きくなり寸法安定性に問題が生じ易くなる。粘性が高くなり過ぎるため、左官施工時の鏝作業性がよく、吹付け施工時のポンプ圧送性がよいことから、本発明のモルタル組成物におけるフライアッシュ(成分(D))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し40〜70質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いる膨張材(成分(E))は、水和生成物の結晶により膨張する膨張性物質を主成分とする材料を云い、例えば、エトリンガイトの結晶生成により膨張するエトリンガイト系コンクリート用膨張材,カルシウムサルホアルミネート粉末、並びに水酸化カルシウムの結晶生成により膨張する石灰系コンクリート用膨張材,硬焼生石灰等が挙げられる。本発明に用いる膨張性物質の粉末度は、JIS R 5201−1997に規定される比表面積試験による測定したブレーン比表面積の値が、2000〜5000cm/gの範囲のものが好ましい。2000cm/g未満では、脱型後に強度増進する割合が低くなる虞があり、5000cm/g以上では膨張性を得るためにより多い量の膨張性物質が必要となる。
本発明のモルタル組成物における膨張材(成分(E))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し3〜20質量部とする。3質量部未満では収縮低減効果が得られ難く寸法安定性が悪く、成分(E)を含有させた効果が見られない。また、20質量部を超えると、異常膨張を起こす虞があり、強度が低く膨張ひび割れを起こす虞がある。
本発明のモルタル組成物に用いる硫酸塩(成分(F))は、水中に硫酸イオン(硫酸根)を放出する塩であれば特に限定されないが、強度が高いことから、無水石膏、二水石膏又は半水石膏を主成分とする石膏、硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等の硫酸アルカリ金属塩が好ましい。この硫酸塩(成分(F))は、非晶質アルミノ珪酸塩粉末(成分(B))と反応してカルシウムサルホアルミネート水和物等の結晶を生成し、硬化体の収縮を低減することで、寸法安定性に寄与する。本発明のモルタル組成物における硫酸塩(成分(F))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し0.5〜5質量部とする。0.5質量部未満では寸法安定性が悪く、成分(F)を含有させた効果が見られない。また、5質量部を超えると、低温環境下で硬化初期を過ごすと異常膨張を起こすことがある。異常膨張が起こると、強度低下や膨張ひび割れが起こるため好ましくはない。寸法安定性に優れ、且つ異常膨張が起こり難いことから、本発明のモルタル組成物における硫酸塩(成分(F))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し1〜3質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いる減水剤(成分(G))は、種類は限定されず、例えば、ポリカルボン酸塩系減水剤、ポリエーテル系減水剤、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤、メラミンスルホン酸塩系減水剤及びリグニンスルホン酸塩系減水剤等の各種減水剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。減水剤として高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いると、モルタルの強度を高くし易いことから好ましい。本発明における減水剤とは、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤及び流動化剤等のセメント分散剤のことである。本発明のモルタル組成物における減水剤(成分(G))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し0.05〜2質量部とする。0.05質量部未満では必要なコンシステンシーを得るために水量が多くなるため乾燥収縮が大きく寸法安定性が悪く、成分(G)を含有させた効果が見られない。また、2質量部を超えると流動性が得られ過ぎて壁や天井に塗り付けると垂れが生じ易い。減水剤としてポリカルボン酸塩系減水剤を用いる場合は、寸法安定性が優れ且つ垂れが生じ難いことから、セメント(成分(A))100質量部に対し0.05〜1質量部とすることが好ましく、0.07〜0.5質量部とすることが更に好ましい。また、減水剤としてポリカルボン酸塩系減水剤以外の減水剤、即ち、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤、メラミンスルホン酸塩系減水剤及びリグニンスルホン酸塩系減水剤等を用いる場合は、同様に寸法安定性が優れ且つ垂れが生じ難いことから、セメント(成分(A))100質量部に対し0.1〜2質量部とすることが好ましく、0.3〜1質量部とすることが更に好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いる増粘剤(成分(H))は、種類は限定されないが、例えばヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)やヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、β−1,3グルカン、プルラン、ウェランガム等の多糖類;アクリル樹脂やポリビニルアルコール等のポリビニル化合物;メチルスターチ、エチルスターチ、プロピルスターチ、メチルプロピルスターチ等のアルキルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ又はヒドロキシプロピルスターチ等のヒドロキシアルキルスターチ、或いは、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等のヒドロキシアルキルアルキルスターチ等スターチエーテル等が好ましい例として挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能である。未硬化のモルタルがドライアウト、剥離、剥落、垂れ及び変形が起こり難いことから、水溶性セルロース及び/又はスターチエーテルが好ましい。本発明のモルタル組成物における増粘剤(成分(H))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し0.05〜0.4質量部とする。0.05質量部未満ではドライアウトを起こし付着力が得られないことがある。また、0.4質量部を超えるとモルタルの粘性が高くなり、施工に必要なコンシステンシーを得るために水量が多く必要になるため、寸法安定性が悪い。高い付着力が得られ且つ寸法安定に優れることから、セメント(成分(A))100質量部に対し0.1〜0.2質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いる消泡剤(成分(I))は、種類は限定されず、例えば、市販のセメント用消泡剤、市販のセメントモルタル用消泡剤又は市販のコンクリート用消泡剤の他、他用途の鉱物油系、エーテル系、シリコーン系等の消泡剤、トリブチルフォスフェート、ポリジメチルシロキサン又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤が好適な例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明に用いる消泡剤としては、液体のものでも粉末状のものでもよい。粉末状の消泡剤としては、液体消泡剤を、シリカ粉末等の無機質粉末に担持させて粉末状にしたものも用いることができる。本発明のモルタル組成物における消泡剤(成分(I))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し0.05〜0.5質量部とする。0.05質量部未満では消泡効果がほとんど得られず単位容積質量が軽くなり強度低下を起こす虞があり、成分(I)を含有させた効果が見られない。また、0.5質量部を超えると硬化不良や強度低下を起こす場合があり、または、モルタル表面に浮き出てモルタルを塗り重ねる場合の付着不良を起こす場合がある。消泡効果が充分得られ強度が得られ、且つ硬化不良、強度低下及び付着不良が生じ難いことから、セメント(成分(A))100質量部に対し0.1〜0.3質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いる有機繊維(成分(J))は、種類は限定されず、例えば、ビニロン繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維などが好適な例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。本発明のモルタル組成物における有機繊維(成分(J))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し0.2〜2質量部とする。0.2質量部未満ではひび割れが起こり易く、鏝作業性が悪い虞があり、成分(J)を含有させた効果が不充分である。また、2質量部を超えるとモルタルのコンシステンシーが低下し、下地への付着性が低下する。これは、モルタル中のペースト分を繊維が抱え込み、下地表面の微細な空隙(溝状の空間含む。)に充分にペーストが充填されない、つまり、下地への馴染みが悪くなり、下地への付着力が低下するものと考えられる。また、鏝によりモルタル表面を平滑にする際に、繊維が毛羽立ち、平滑な面が得られ難い。ひび割れが起こり難く、鏝作業性がよく、平滑なモルタル表面を得易いことから、セメント(成分(A))100質量部に対し0.5〜1質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物に用いる収縮低減剤(成分(K))は、モルタルの硬化体中の水分が蒸発する際に発生する応力を低下させる機能を有する物質であれば良く、種類は限定されず、例えば、ポリオキシアルキレン化合物、ポリエーテル系化合物あるいはアルキレンオキシド化合物等を用いることができる。具体的には、ポリオキシエチレン・アルキルアリルエーテル、ポリプロピレングリコール、低級アルコールアルキレンオキシド付加物、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体、ポリエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、エチレンオキシドメタノール付加物、エチレンオキシド・プロピレンオキシド重合体、フェニル・エチレンオキシド重合体、シクロアルキレン・エチレンオキシド重合体あるいはジメチルアミン・エチレンオキシド重合体等が好適なものとして例示される。これらは一種または二種以上を併用することができる。市販のセメント用、モルタル用、石膏用又はコンクリート用の収縮低減剤を好適なものとして用いることができる。本発明のモルタル組成物における収縮低減剤(成分(K))の配合割合は、セメント(成分(A))100質量部に対し1〜3質量部とする。1質量部未満ではひび割れが起こり易く、成分(K)を含有させた効果が不充分である。また、3質量部を超えるとモルタルの強度が低下する虞がある。ひび割れが起こり難く、強度が高いことから、セメント(成分(A))100質量部に対し1.5〜2質量部とすることが好ましい。
本発明のモルタル組成物には、上記の構成要素(成分(A)〜成分(K))の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有させることができる。そのような成分として、例えば、セメント用ポリマー、防水材、防錆剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、保水剤、撥水剤、防錆剤、防凍剤、顔料、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、発泡剤、空気連行剤、表面硬化剤、砕石や陸砂利等の粗骨材等が挙げられる。但し、高炉スラグ粉末等の各種スラグ粉末やシリカフューム等のポゾラン物質を2質量以上含むことは、モルタル硬化体の収縮量が大きくなり、寸法安定性の点で好ましくない。また、本発明で使用される混和材料は、粉末状でも水溶液状でも使用可能である。
本発明のモルタルは、上記モルタル組成物と、該モルタル組成物に含有するセメント100質量部に対して50〜100質量部の水とを含有してなる。50質量部未満では混練し難く、混練できても左官作業やモルタル吹付け作業は行い難い。また、100質量部を超えると、寸法安定性が悪くなり、ひび割れの発生の虞が高まる。更に、モルタルをコンクリート壁面に塗付けた場合に、初期に垂れ又は変形が起こり易い。混練し易く、左官作業及びモルタル吹付け作業が行い易く、壁面に塗付けても垂れ及び変形が起こり難いことから、モルタル組成物に含有するセメント100質量部に対して50〜90質量部の水とを含有することが好ましい。尚、本発明において使用する水の量は、水溶液やエマルション等の液状の混和材料に含まれる水量も考慮したものとする。
本発明のモルタルは、モルタルミキサやコンクリートミキサ等のミキサで混練し製造することが好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
本発明のモルタル被覆方法は、
(ア)コンクリート構造物表面を吸水調整する工程と、
(イ)前記工程(ア)により吸水調整したコンクリート構造物表面に、上記のモルタルを塗布する工程
とを具備する。
上記工程(ア)(吸水調整工程)は、コンクリート構造物表面に水又は吸水調整材を塗布することで、モルタルを塗布したときに、モルタル中の水分がコンクリートに吸われることを防ぎ又は低減し、モルタルの寸法安定性、下地コンクリートとの一体性を向上させる。ここで用いる吸水調整材としては、塗布したコンクリート表面に被膜又は吸水調整材層を形成するもの、或いは、塗布したコンクリート表面に含浸し、コンクリート表面付近におけるコンクリート中の微細な空隙を埋めることの出来るものであればよく、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン・ブタジエン系ゴム、フッ素樹脂等のポリマーディスパージョン、珪酸リチウム水溶液等の珪酸アルカリ水溶液、アルキルアルコキシシランやポリオルガノシロキサン等のシラン系化合物、溶剤系塗料、ポリマーセメントペースト、ポリマーセメントモルタル、パラフィンエマルション等の防水材、エポキシ系接着剤等の接着剤、コロイダルシリカ等が好適なものとして挙げられ、これらの2種以上を併用してもよい。
工程(ア)(吸水調整工程)において、コンクリート構造物表面に水又は吸水調整材を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、刷毛、鏝、ローラー、スポンジ等を用い塗り付ける方法、噴霧器による噴霧、ジョウロ等を用い掛け流す方法、並びに、水又は吸水調整材を浸した布等をコンクリート表面に貼り付ける方法等が好適な方法として挙げられる。
工程(イ)(モルタル塗布工程)において、吸水調整工程(工程(ア))により吸水調整したコンクリート構造物表面に、上記のモルタルを塗布する方法は、特に限定されず、常法により行うことができる。例えば、鏝による塗り付け等の左官工法、モルタル吹付け等の吹付け工法、並びに、左官工法と吹付け工法を併用した方法等が好適な例として挙げられる。
本発明のモルタル被覆方法には、上記工程(ア)(吸水調整工程)及び工程(イ)(モルタル塗布工程)の他に、
(ウ)コンクリート構造物表面における、劣化した又は余分なコンクリートを除去し健全なコンクリートを露出させる工程、
(エ)コンクリート構造物表面又は/及び上記モルタル表面に、劣化因子浸透防止材を塗布する工程、
(オ)コンクリート構造物表面、上記モルタル表面又は/及びコンクリート構造物表面に露出している鋼材に、防錆剤を塗布する工程、
から選ばれる1乃至3の工程を具備することが好ましい。工程(ウ)を具備するときは、他の工程よりも先に行うことが好ましい。また、工程(エ)又は工程(オ)を具備し且つコンクリート構造物表面に劣化因子浸透防止材又は防錆剤を塗布するときは、工程(ア)の前にこれらの工程を行うことが好ましい。但し、モルタル表面又は/及びコンクリート構造物表面に露出している鋼材に劣化因子浸透防止材又は防錆剤を塗布するときは、工程(ア)の後でもよい。また、工程(エ)及び工程(オ)は、1回の工程でなくともよく、複数回の工程に分けてもよい。
工程(ウ)(コンクリート除去工程)において、劣化したコンクリートを除去する方法は、特に限定されない。好適な除去方法としては、ダイヤモンドカッターやワイヤーソーにより切断する方法、コンクリートハンマー等のコンクリートブレーカにより斫り取る方法、劣化したコンクリート面に設けた穴や溝に静的破砕剤等の破砕剤を充填し発生する圧力により破砕する方法、劣化したコンクリート面に設けた穴や溝にクサビ等を打ち込み破砕する方法、路面切削機や舗装路面切削整正機等により削り取る方法、サンドブラストのようにブラスト材を劣化したコンクリート面に衝突させ削り取る方法、ウォータージェットを用いて切断又は削り取る方法、或いはこれらの2種以上を併用する方法が挙げられる。
露出したコンクリートが健全であるか確認する方法としては、例えば目視で確認する方法、ハンドハンマーやコンクリートブレーカ等による打音により確認する方法、シュミットハンマー等の試験機を用いる方法、フェノールフタレイン溶液等の試薬を塗布し露出したコンクリート中のイオン濃度を確認する方法、露出したコンクリートを一部取り化学的又は物理的に含まれるイオンの濃度を測定する方法等が挙げられ、これらの2種以上を併用して確認してもよい。
工程(エ)(劣化因子浸透防止材塗布工程)に用いる劣化因子浸透防止材とは、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン・ブタジエン系ゴム、フッ素樹脂等のポリマーディスパージョン、珪酸リチウム水溶液等の珪酸アルカリ水溶液、アルキルアルコキシシランやポリオルガノシロキサン等のシラン系化合物、溶剤系塗料、ポリマーセメントペースト、ポリマーセメントモルタル、パラフィンエマルション等の防水材、エポキシ系接着剤等の接着剤、コロイダルシリカ等が好適なものとして挙げられ、これらの2種以上を併用してもよい。工程(エ)に用いる劣化因子浸透防止材には、第3級アミン等のアミン類、亜硝酸カルシウムや亜硝酸リチウム等の亜硝酸塩、リン酸塩、クロム酸塩、有機リン酸エステル、エステル塩、有機酸類、スルホン酸類、アルキルフェノール類、メルカプタン類、ニトロ化合物等の防錆剤が含有していてもよい。また、劣化因子浸透防止材をコンクリート構造物表面等に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、刷毛、鏝、ローラー、スポンジ等を用いる方法、噴霧器による噴霧、ジョウロ等を用い掛け流す方法、及び上記劣化因子浸透防止材を含有したセメントペースト、モルタルを塗布する方法等が好適な方法として挙げられる。尚、劣化因子とは、含浸又は付着すると、化学反応又は電気化学的反応により、コンクリート、モルタル又は鋼材が劣化する類のものを云い、例えば、炭酸ガスや亜硫酸ガス等の酸性ガス、塩化物イオン、硫酸イオン、ナトリウムイオン等が挙げられる。劣化因子浸透防止材をモルタル表面に塗布するときは、モルタルが硬化後に塗布することが好ましく、モルタル硬化後1ヶ月以内がより好ましい。
工程(オ)(防錆剤塗布工程)に用いる防錆剤としては、例えば、第3級アミン等のアミン類、亜硝酸カルシウムや亜硝酸リチウム等の亜硝酸塩、リン酸塩、クロム酸塩、有機リン酸エステル、エステル塩、有機酸類、スルホン酸類、アルキルフェノール類、メルカプタン類、ニトロ化合物等が好適なものとして挙げられ、これらの2種以上を併用してもよい。また、コンクリート構造物表面、上記モルタル表面又は/及びコンクリート構造物表面に露出している鋼材(「コンクリート表面等」ということがある。)に、防錆剤を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、刷毛、鏝、ローラー、スポンジ等を用いる方法、噴霧器による噴霧、ジョウロ等を用い掛け流す方法、及び上記防錆剤を含有したセメントペースト、モルタルを塗布する方法、防錆剤を浸した布等をコンクリート表面等に貼り付ける方法等が好適な方法として挙げられる。防錆剤をモルタル表面に塗布するときは、モルタルが硬化後に塗布することが好ましい。
[実施例1]
[モルタル組成物の製造]
表1〜表4に示す配合割合でミキサで乾式混合しプレミックスモルタル(モルタル組成物)(実施品1〜18及び比較品1〜24)を製造した。使用材料を以下に示した。
<使用材料>
(A) セメント:
A1:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
A2:早強ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)

(B) 非晶質アルミノ珪酸塩:
B1:MetaMax HRM(商品名、メタカオリン,平均粒子径2μm,Engelhard社製)
ここで、平均粒子径とは、

(C) アクリル酸系モノマーを構成要素として有するポリマーディスパージョン又は再乳化形粉末樹脂:
C1:ポリトロンA−1500(商品名、アクリル・スチレン共重合体系エマルション(不揮発成分45質量%),旭化成ケミカルズ社製)
C2:EROTEX WR8600(商品名、オールアクリル重合体系粉末,Akzonobel社製)
C3:Mowinyl-Powder LDM 7000P(商品名、オールアクリル重合体系粉末,ニチゴー・モビニール社製)

(D) フライアッシュ
D1:常盤火力産業社製

(E) 膨張材:

E1:太平洋エクスパン(商品名、太平洋マテリアル社製)
E2:太平洋ジプカル(商品名、太平洋マテリアル社製)

(F) 硫酸塩:
F1:硫酸ナトリウム(関東化学社製、試薬)

(G) 減水剤:
G1:マイティ100(商品名、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮重合体を有効成分とする分散剤,花王株式会社)

G2:コアフローNF−200(商品名、ポリカルボン酸系高性能減水剤,太平洋マテリアル社製)
G3:メルメントF10M(商品名、メラミン樹脂スルホン酸ホルマリン縮合物, SKW社製)

(H) 増粘剤:
H1:メトローズ90SH?4000(商品名、,信越化学工業株式会社製)
H2:Starvis SE25(商品名、変性スターチエーテル,BASFジャパン社製)

(I) 消泡剤:
I1:アデカネートB317F(商品名、非イオン界面活性剤,ADEKA社製)

(J) 有機繊維:
J1:RMS 182*6(商品名、ビニロン繊維,長さ6mm,クラレ社製)
J2:タフバインダー(商品名、ナイロン繊維,長さ5mm,東レ社製)
J3:アボセルPWC500(商品名、セルロース短繊維:レッテンマイヤー社製)

(K) 収縮低減剤:
K1:テトラガードPW(商品名、太平洋マテリアル社製)

(L) 細骨材:
L1:三河産珪砂(F.M.2.2に粒度調整)

(M) 水硬性組成物
M1:SF−CD(商品名、シリカフューム,巴工業社製)
M2:ファインセラメント10A(商品名、スラグ微粉末、ブレーン法による比表面積8000cm/g,ディ・シィ社製)
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[モルタルの製造]
プレミックスモルタル(モルタル組成物)(実施品1〜18及び比較品1〜24)に、表1〜表4に示す配合割合で水(佐倉市上水)加え、ホバート社製ミキサ(型番:N−10)を用いて、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて、3分間混練することでモルタルを製造した。作製したモルタルの品質試験として、以下に示す通り、膨張性試験、圧縮強度試験及びを行った。これらの結果を表5〜表8に示した。
<品質試験方法>
・単位容積質量試験
JIS A1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」の単位容積質量試験に準じて測定した。

・フロー試験
JIS R5201「セメントの物理試験方法」のフロー試験に準じて測定した。

・圧縮強度試験
JIS A 1171の圧縮強さ試験に準じて実施した。材齢28日の圧縮強度45N/mm以上を実用的な範囲(○)とし、45N/mm未満を圧縮強度不足(×)として評価した。

・付着強度試験
コンクリート歩道板(300×300×60mm)に厚さ10 mmでモルタルを塗り付け、20℃相対湿度60%で養生した。材齢28日で40×40mmの方形に、コンクリート歩道板表面に達するまでダイヤモンドカッターにて切込みを入れ、同サイズの鋼製アタッチメントをエポキシ接着剤にて貼り付け、硬化後、建研式接着力試験器にて施工面に対し垂直に引張り、付着強度を測定した。付着強度1.8N/mm以上を良好な範囲(○)とし、1.8N/mm未満を付着強度不足(×)として評価した。

・形状寸法安定性試験(その1)
温度20℃、湿度80%の恒温恒湿槽でモルタルを内径4×4×16cmの型枠に充填し、24時間養生した後脱型・基長し、その後材齢28日まで20℃相対湿度60%で養生し、JIS A1129−3「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準じて測定し、長さ変化率を算出した。長さ変化率が−0.06%以上であったもの(収縮率0.06%以下であったもの)を寸法安定性「良好(○)」と判断し、長さ変化率が−0.06%を下回った(収縮率が0.06%を超えた)ものを寸法安定性「不良(×)」と判断した。

・形状寸法安定性試験(その2)
温度5℃、湿度70%の恒温恒湿槽でモルタルを内径4×4×16cmの型枠に充填し、24時間養生した後脱型・基長し、その後材齢28日まで5℃で水中養生し、JIS A1129−3「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準じて測定し、長さ変化率を算出した。長さ変化率が+0.08%以下であったもの(膨張率が0.08%以下であったもの)を寸法安定性「良好(○)」と判断し、長さ変化率が+0.08%を超えたもの(膨張率が0.08%を超えたもの)を寸法安定性「不良(×)」と判断した。
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本発明の実施例に当たる実施品1〜18は、何れも、付着強度試験結果は1.8N/mm以上の良好な付着力があり、乾燥収縮を評価する形状寸法安定性試験(その1)の試験結果は長さ変化率が−0.06%以上であり(即ち、収縮が小さく)、低温時の膨張の評価する形状寸法安定性試験(その2)の試験結果は、長さ変化率が+0.08%以下で、低温時の膨張爆裂が起きないことが確認された。よって、本発明の実施例に当たる実施品1〜18のモルタル組成物は、何れも、安定した付着力と優れた寸法安定性を兼ね備えるモルタルが得られるモルタル組成物である。
[実施例2]
プレミックスモルタル(モルタル組成物)(実施品1〜18及び比較品1〜24)100kgに、表1〜表4に示す配合割合で水(佐倉市上水)加え、岡三機工社製ミキサ(商品名「ダマカットミキサーSTD−3.5」)を用いて3分間混練し、モルタルを製造した。作製したモルタルの品質試験として、以下に示す通り、ポンプ圧送性評価試験、垂れ抵抗性評価試験、左官施工性評価試験及びひび割れ抵抗性評価試験を行った。これらの結果を表5〜表8に、実施例1の結果と合わして示した。

・ポンプ圧送性評価試験
最大吐出圧力3.5MPaのモルタルポンプを用い、該ポンプの送気口に連結した長さ30m、内径1.5インチの耐圧ホース内をモルタルで満たした後、30分間静置し、モルタルポンプを起動した時に、ホースが内容物詰まりによって閉塞することなく、5分間以上連続圧送可能であったものをポンプ圧送性良好(○)と評価し、それ以外の状況(閉塞など)となったものをポンプ圧送性不良(×)と評価した。。

・垂れ抵抗性評価試験
コンクリート製擁壁の垂直平面に、リングガン(最大吐出圧力3.5MPaモルタルポンプ:スクイズ式 、エアーコンプレッサー:200V 3相 0.75kW、圧送ホース: 内径1.5インチの耐圧ホース長10mを使用)を用いて約1.0cmの厚さのモルタル施工物が得られるよう吹付け、10分経過後までに目視でモルタル施工物に垂れが観察されなかったものを垂れ発生無し(○)と評価し、それ以外の状況になったものを垂れ無発生ではない(×)と評価した。

・左官施工性評価試験
コンクリート製擁壁の垂直平面に金鏝でモルタルを約1m塗り付け、(1)鏝伸び性、(2)鏝切れ性及び(3)施工物の表面平滑性の3項目について次の方法で調べ、その結果を総合して左官施工性が良好であるか否かを評価した。(1)鏝伸び性;金鏝で塗り付けて、そのまま塗り斑なくモルタルを20cm以上広く伸ばすことができたものを鏝伸び性「良好(○)」と判定し、それ以外の状況となったものを鏝伸び性「不良(×)」と判定した。(2)鏝切れ性;塗付け後の金鏝に付着残存するモルタルが実質見られなかったものを鏝切れ性「良好(○)」と判定し、モルタルが付着残存していたものを鏝切れ性「不良(×)」と判定した。(3)施工物の表面平滑性;金鏝でモルタルを塗り付け、塗り付けたモルタルに数回金鏝を当てて整えることによって、概ね平滑な面が得られたものを、施工物の表面平滑性「良好(○)」と判定した。塗り付けたモルタルに数回金鏝を当てて整えようとしても概ね平滑な面が得られなかったものや金鏝での塗り付け自体が困難であったものは、施工物の表面平滑性「不良(×)」と判定した。尚、モルタルを塗り付ける前に、コンクリート製擁壁のモルタルを塗布する面に水湿し、即ち水を塗布し湿らした上で、モルタルを塗り付けた。

・ひび割れ抵抗性評価試験
コンクリート製擁壁の垂直平面に金鏝で約1m塗り付け、これを屋外で28日間暴露した。暴露後のモルタル施工物にひび割れが発生しているか否かを目視で観察し、ひび割れ抵抗性の有無を判断した。ひび割れが見られなかったものをひび割れ抵抗性「有(○)」とし、それ以外の状況であったものは全てひび割れ抵抗性「無(×)」とした。尚、モルタルを塗り付ける前に、コンクリート製擁壁のモルタルを塗布する面に吸水調整材を塗布し、吸水調整材を塗布した面が乾いた後にモルタルを塗り付けた。
本発明の実施例に当たる実施品1〜18は、何れも、ポンプ圧送性評価試験では、耐圧ホース内をモルタルで満たした後、30分間静置し、次にモルタルポンプを起動した時に、ホースが内容物詰まりによって閉塞することなく、5分間以上連続圧送可能であり、垂れ抵抗性評価試験では、約1.0cmの厚さのモルタル施工物が得られるよう吹付け、10分経過後までに目視でモルタル施工物に垂れが観察されなかったものを垂れ発生しないことが確認され、ポンプを用いた吹付け施工が良好に行えることが確認できた。さらに左官施工性評価試験では、本発明の実施例に当たる実施品1〜18は、何れも、良好な鏝伸び性・鏝切れ性及び施工物の表面平滑性が確認され、優れた左官施工性が確認された。また施工後の不具合確認のひび割れ抵抗性評価試験では、モルタルを約1m2塗り付けた結果、ひび割れの発生は確認されず良好な結果が得られた。よって、本発明の実施例に当たる実施品1〜18は、何れも、吹付け施工、左官施工どちらも行え、ひび割れ抵抗性を有する優れたモルタルが得られるモルタル組成物である。
本発明によれば、ポンプ圧送性、寸法安定性、下地コンクリートとの一体性、左官作業性(鏝作業性)に優れるモルタル組成物及びモルタルが得られることから、本発明は、コンクリートの補修工事、コンクリートの仕上げ工事等に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A) セメント100質量部に対して、
    (B) 粘土鉱物由来の非晶質アルミノ珪酸塩粉末を1〜20質量部、
    (C) アクリル系樹脂のポリマーディスパージョン及び/又は再乳化形粉末樹脂を5〜20質量部、
    (D) フライアッシュを20〜100質量部、
    (E) 膨張材を3〜20質量部、

    (F) 硫酸塩を0.5〜5質量部、
    (G) 減水剤を0.05〜2質量部、
    (H) 増粘剤を0.05〜0.4質量部、
    (I) 消泡剤を0.05〜0.5質量部、
    (J) 有機繊維を0.2〜2質量部、
    (K) 収縮低減剤を1〜3質量部、
    (L) 細骨材を200〜400質量部、
    を含有するモルタル組成物。
  2. 上記成分(B)が、メタカオリン粉末である請求項1記載のモルタル組成物。
  3. 請求項1又は2記載のモルタル組成物と、該モルタル組成物に含有するセメント100質量部に対して50〜100質量部の水とを含有するモルタル。
  4. (ア)コンクリート構造物表面を吸水調整する工程と、
    (イ)前記工程(ア)により吸水調整したコンクリート構造物表面に、請求項3記載のモルタルを塗布する工程
    とを具備するモルタル被覆方法。
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