JP7350425B2 - 高耐久性グラウト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐久性グラウト組成物に関する。詳しくは、混練したグラウト材が、作業性、ポンプ圧送性、充填性、付着性、強度発現性、乾燥収縮性に優れ、且つ中性化抵抗性及び遮塩性に優れる高耐久性グラウト組成物に関する。より詳しくは、混練したグラウト材が、JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」6.2「フロー試験」に準拠して測定したフロー値が210~270mm、脈動やポンプ詰まりを起こさずにポンプ圧送でき、鉄筋が存在する状態で充填を行っても有害な空隙が生じ難く、下地との付着強度が1.0N/mm以上あり、材齢28日で40N/mm以上の圧縮強度があり、材齢3ヶ月(91日)で乾燥収縮性が5×10-4(500μ)以下であり、且つ材齢3ヶ月(91日)における中性化深さ及び塩化物イオン浸透深さが、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」11.5「モルタルの配合」で示される配合のモルタル(以下、「JISモルタル」という。)の測定結果の60%以下である高耐久性グラウト組成物に関する。
鉄筋コンクリート造の土木構造物や建築構造物の構築又は補修、或いは機械の設置等において、流動性の高いモルタルからなるセメント系グラウト材が用いられている。鉄筋コンクリート造構造物を補修する場合、劣化した部分のコンクリートを除去した後に、露出した鉄筋の防錆処理などを行い、除去したコンクリートの代わりに断面修復用モルタルで修復(断面修復)することが行われている。断面修復用モルタルは、乾燥収縮が小さくひび割れが発生し難いこと、付着性,強度特性,中性化抵抗性,遮塩性及び作業性に優れること、つまり、高耐久性に等が求められる。一方、セメント系グラウト材は、流動性を高くすることから水セメント比が大きく、乾燥収縮を小さくし難い。
セメント系グラウト材のひび割れ抑制技術としては、収縮低減剤や膨張材を使用することが一般的である(例えば特許文献1参照。)。また、石灰石骨材を使用することで、乾燥収縮を小さくすることも提案されている(例えば特許文献2参照。)。
しかし、断面修復用モルタルに使用するには、より乾燥収縮が小さくひび割れが発生し難く、付着性,強度特性,中性化抵抗性及び遮塩性に優れる、つまり、より耐久性に優れることが求められ、そのようなグラウト組成物(高耐久性グラウト組成物)が求められている。
特開2002-285153号公報 特開2008-230890号公報
本発明は前記問題の解決、即ち、本発明は、乾燥収縮が小さくひび割れが発生し難く、付着性,強度特性,中性化抵抗性及び遮塩性に優れ、断面修復用グラウト材として優れる高耐久性グラウト組成物を提供することを目的とする。より詳しくは、下地との付着強度が1.0N/mm以上あり、材齢28日で40N/mm以上の圧縮強度があり、乾燥収縮率が材齢3ヶ月(材齢91日)で5×10-4(500μ)以下であり、材齢3ヶ月(91日)における中性化深さ及び塩化物イオン浸透深さがJISモルタルの測定結果の60%以下であり、フロー値が210~270mmで、材齢3ヶ月(91日)で乾燥収縮性が5×10-4(500μ)以下であり、脈動やポンプ詰まりを起こさずにポンプ圧送でき、鉄筋が存在する状態で充填を行っても有害な空隙が生じ難くい、高耐久性グラウト組成物を提供することを目的とする。
特定の粒度の骨材を特定割合含み、更に、セメント、減水剤、増粘剤及び骨材を含み、骨材セメントの質量比率及び粉体と液体の質量比率が特定割合とすることで解決する。ポリマーディスパージョンを粉体質量の特定割合含有すると好適である。また、粉体中にフライアッシュを特定割合含有すると好適である。また、特定の混和材料を含有すると好適である。本発明は、以下の(1)~(3)で表す高耐久性グラウト組成物である。
(1)含有する粉体の合計質量に対し、粒径1.2~3.0mmの骨材を25~35質量%、粒径0.6~1.2mmの骨材を10~14質量%、粒径0.6mm以下の骨材を20~30質量%含有し、更に、セメント、減水剤、増粘剤、尿素及びポリマーディスパージョンを含有し、骨材セメント比が1:2.6~3.4であり、液体の質量が粉体質量の10~12質量%であ、且つポリマーディスパージョンの含有割合が105℃における不揮発性分換算で粉体質量の0.2~0.8質量%である高耐久性グラウト組成物。
(2)粉体中にフライアッシュを5~11質量%含有する上記(1)の高耐久性グラウト組成物。
(3)更に、膨張材、石膏、アルカリ金属硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する上記(1)又は(2)の高耐久性グラウト組成物。
本発明によれば、乾燥収縮が小さくひび割れが発生し難く、付着性,強度特性,中性化抵抗性及び遮塩性に優れ、断面修復用グラウト材として優れる高耐久性グラウト組成物が得られる。また、本発明によれば、下地との付着強度が1.0N/mm以上あり、材齢28日で40N/mm以上の圧縮強度があり、乾燥収縮率が材齢3ヶ月(材齢91日)で5×10-4(500μ)以下であり、材齢3ヶ月(91日)における中性化深さ及び塩化物イオン浸透深さがJISモルタルの測定結果の60%以下であり、フロー値が210~270mmで、材齢3ヶ月(91日)で乾燥収縮性が5×10-4(500μ)以下であり、脈動やポンプ詰まりを起こさずにポンプ圧送でき、鉄筋が存在する状態で充填を行っても有害な空隙が生じ難くい、高耐久性グラウト組成物が得られる。本発明によれば、鉄筋コンクリートの断面修復工事に、乾燥収縮が小さくひび割れが発生し難く、付着性,強度特性,中性化抵抗性及び遮塩性に優れ、断面修復用グラウト材として優れる高耐久性グラウト組成物を、断面修復用グラウト材として使用することができるので、修復した鉄筋コンクリートは高耐久性が得られる。
本発明の高耐久性グラウト組成物は、粒径1.2~3.0mmの骨材を25~35質量%、粒径0.6~1.2mmの骨材を10~14質量%、粒径0.6mm以下の骨材を20~30質量%含有し、更に、セメント、減水剤、増粘剤及びポリマーディスパージョンを含有し、骨材セメント比が2.6~3.2であり、液体の質量が粉体質量の10~12%であることを特徴とする。
本発明の高耐久性グラウト組成物に用いるセメントは、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、アルミナセメント、並びにこれらの水硬性セメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。本発明に用いるセメントとしては、左官施工し易いことから、珪酸カルシウムを主成分とするセメント又はアルミナセメントを主体としたセメントが好ましい。ここで珪酸カルシウムを主成分とするとは、含まれるセメントクリンカ粉砕物中において珪酸カルシウム鉱物(C3S、C2S)を50質量%以上含むことをいい、好ましくは60質量%以上含むことをいい、より好ましくは70質量%以上含むことをいう。また、材齢1日において高い強度を得易いことから、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、エコセメント及びアルミナセメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが更に好ましい。
本発明の高耐久性グラウト組成物に用いる骨材の種類は限定されず、モルタルやコンクリートで使用可能なものであればよく、例えば珪砂、石灰石砕砂等の砕砂、川砂、陸砂、海砂、人工軽量細骨材、パーライトやシラスバルーン等の無機質発泡粒、ポリスチレン粒やチレン酢酸エビニル粒等の有機質軽量骨材、高炉スラグ細骨材や電気炉酸化スラグ細骨材等のスラグ細骨材等の他、セメントクリンカ粒(セメントとして市販されているセメントクリンカ粉末よりも粗い粒状のもの)が使用可能で、これらの2種以上を併用してもよい。本発明に用いる。骨材としては、下地に対する付着力が高いことから、無機質発泡粒及び有機質軽量骨材以外のものが好ましく、更に人工軽量細骨材を除いたものから選ばれる1種又は2種以上のものがより好ましい。
本発明において、粒径1.2~3.0mmの骨材とは、公称呼び寸法3.0mm(公称目開き(以下「目開き」と云う。)mm)の篩を通過し、公称呼び寸法1.2mm(目開き1.18mm)の篩に留まる骨材をいう。(粒径1.2~2.5mmの骨材とは、公称呼び寸法2.5mm(公称目開き(以下「目開き」と云う。)2.36mm)の篩を通過し、公称呼び寸法1.2mm(目開き1.18mm)の篩に留まる骨材をいう。)、また、本発明において、粒径0.6~1.2mmの骨材とは、公称呼び寸法1.2mm(目開き1.18mm)の篩を通過し、称呼び寸法0.6mm(目開き600μm)の篩に留まる骨材をいう。また、粒径0.6以下の骨材とは、公称呼び寸法0.6mm(目開き600μm)の篩を通過する骨材をいう。
粒径1.2~3.0mmの骨材、粒径0.6~1.2mmの骨材又は粒径0.6mm以下の骨材が上記範囲から外れると、脈動又はポンプ詰まりが生じ易く、或いは鉄筋が存在する状態で充填を行う場合に有害な空隙が生じる虞がある。
本発明において、セメントの質量(C)に対する骨材の質量(S)の比率(骨材セメント比(S/C))を、2.6~3.4とする。このときの骨材セメント比(S/C)は、小数点第2位の数値を四捨五入した値とする。骨材セメント比(S/C)が、2.6~3.4のときは、強度特性およびモルタル作業性の点で優れる。骨材セメント比(S/C)が、2.6未満の時は、コンシステンシーが小さくモルタル作業性が不充分であり、3.4を超えるときは、強度特性が充分ではない。
本発明に用いる減水剤の種類は限定されず、例えば、ポリカルボン酸塩系減水剤、ポリエーテル系減水剤、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤、メラミンスルホン酸塩系減水剤及びリグニンスルホン酸塩系減水剤等の各種減水剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。減水剤として高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いると、モルタルの強度を高くし易いことから好ましい。本発明における減水剤とは、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤及び流動化剤等のセメント分散剤のことである。本発明における減水剤は、液状のものでも、粉末状のもでも、また、粉末状のものと液状のものを併用してもよい。本発明において、減水剤の含有量は、粉体質量の0.01~2質量%であることが好ましい。これらの範囲では、乾燥収縮が小さく且つ強度特性に優れる。より好ましくは、粉体質量の0.05~0.5質量%とする。
本発明に用いる増粘剤は、その種類は限定されないが、例えばヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース (HEEC)等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)やヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、β-1,3グルカン、プルラン、ウェランガム等の多糖類;アクリル樹脂やポリビニルアルコール等のポリビニル化合物;メチルスターチ、エチルスターチ、プロピルスターチ、メチルプロピルスターチ等のアルキルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ又はヒドロキシプロピルスターチ等のヒドロキシアルキルスターチ、或いは、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等のヒドロキシアルキルアルキルスターチ等スターチエーテル等が好ましい例として挙げられ、これらの一種又は二種 以上の使用が可能である。未硬化のモルタルがドライアウト、剥離、剥落、垂れ及び変形が起こり難 いことから、水溶性セルロース及び/又はスターチエーテルが好ましい。本発明における増粘剤の配 合割合は、粉体の質量に対し100質量部に対し0.001~0・05質量%とすることが好ましい 。この範囲では、ドライアウトが起き難く高い付着力が得られ易く、寸法安定性にもより優れる。
本発明に用いるポリマーディスパージョンとしては、ポリマーセメントモルタルやポリマーセメントコンクリートの結合材として用いられるものであればよく、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体,クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム、天然ゴム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル・アクリル共重合体,酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体,変性酢酸ビニル,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体,酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体,アクリル・酢酸ビニル・ベオバ(t-デカン酸ビニルの商品名)共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及びエポキシ樹脂等の合成樹脂、アスファルト,ゴムアスファルト及びパラフィン等の瀝青質等が好ましい例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。下地との接着が良いという理由から、本発明に使用するポリマーディスパージョンとしては、ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル・アクリル共重合体,酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体,変性酢酸ビニル,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体,酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体,アクリル・酢酸ビニル・ベオバ(t-デカン酸ビニルの商品名)共重合体等の酢酸ビニル系樹脂;ポリアクリル酸エステル,ポリメタクリル酸エステル,アクリル酸エステル・スチレン共重合体,スチレン・アクリル共重合体,オールアクリル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;スチレン・ブタジエン共重合体,クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴムから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。ポリマーディスパージョンは、上記樹脂を水に乳化して安定化された液体状のもの(ポリマーエマルション)、又は水により再乳化するものであれば粉末状(再乳化型粉末樹脂)でもよく、何れか1種又は2種以上を併用してもよい。ポリマーディスパージョンの含有量は、下地への付着力が高く且つモルタルの作業性に優れることから、105℃における不揮発性分(以下「固形分」という。)換算で、粉体質量の0.2~0.8質量%が好ましい。
本発明の高耐久性グラウト組成物には、粉体中にフライアッシュを5~11質量%含有することが、モルタルの作業性に優れることから好ましい。本発明に用いるフライアッシュとしては、特に限定されないが、規格(JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」)に適合するものであれば、鏝伸び性、鏝切れ性、表面平滑性等の鏝作業性に安定して優れ、更にポンプ圧送性にも安定して優れることから好ましい。
本発明の高耐久性グラウト組成物には、本発明の効果を喪失させない限り、上記成分以外の成分を含有するものであってもよい。上記以外の混和材料又は骨材から選ばれる一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。このような成分としては、例えば、防水材、防錆剤、収縮低減剤、膨張材、石膏、アルカリ金属硫酸塩等の凝結促進剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、凝結遅延剤、消泡剤、発泡剤、消石灰、シリカフュームや火山灰等のフライアッシュ以外のポゾラン、空気連行剤、表面硬化剤、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材等が挙げられる。本発明の高耐久性グラウト組成物には、尿素、膨張材、石膏、アルカリ金属硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。尚、本発明で使用される混和材料は、粉末状でも水溶液状でも使用可能である。
本発明の高耐久性グラウト組成物に尿素を含有させると、中性化抵抗性が増すことから好ましい。本発明において尿素を用いる場合、中性化抵抗性が高いことから粉体質量の0.3~2質量%が好ましく、より好ましく0.5~1質量%、更には0.6~0.9質量とする。
本発明に用いる膨張材としては、水和反応により、エトリンガイトや水酸化カルシウムを生成するものであればよく、カルシウムサルフォアルミネート系(エトリンガイト系)膨張材、カルシウムアル ミノフェライト系膨張材、(生)石灰系膨張材、エトリンガイト-石灰複合系膨張材及び石膏系膨張材等が挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能であり好ましい。膨張材を含有することにより、硬化後のポリマーセメントモルタルの収縮が抑制されてひび割れが発生し難くなることに加え、高い寸法安定性が得られるため、下地となるコンクリートや鉄筋との一体性が保たれる。本発明において膨張材を用いる場合、高い寸法安定性が得られることから粉体質量の0.05~0.5質量%が好ましく、より好ましく0.08~0.3質量%、更には0.1~0.2質量とする。
本発明の高耐久性グラウト組成物に用いる石膏としては、無水石膏、二水石膏又は半水石膏を主成分とする粉末であれば特に限定されないが、強度増進作用の観点からII型無水石膏を主成分とするものが好ましい。石膏は、セメント中のアルミネート相等と反応しエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を生成させ、これによりグラウト硬化体の収縮を抑制することができるとともに、強度を高めることができる。使用する石膏の粉末度はブレーン法による比表面積で3000cm/g以上のものが、反応活性が得られるので好ましい。より好ましくは粉末度が5000cm/g以上の石膏が良い。粉末度の上限は特に制限されないが、粉末度を高めるコストが嵩む割にはその効果が鈍化することから概ね15000cm/g程度が適当である。本発明において石膏を用いる場合、粉体質量の0.05~0.35質量%が好ましい、より好ましくは0.1~0.3質量% とする。。
本発明の高耐久性グラウト組成物に用いるアルカリ金属硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、焼きミョウバンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。本発明においてアルカリ金属硫酸塩を用いると、凝結時間が短縮し、減水剤,ポリマーディスパージョン,増粘剤等の混和により遅延する凝結時間を短くすることができ、材料分離の抑制や適正な流動性を得るために硬化がある。本発明においてアルカリ金属硫酸塩を用いる場合、適正な流動性を得易く作業時間を長いことから、粉体質量の0.01~0.1質量%が好ましい。
本発明の高耐久性グラウト組成物は、液体の質量が粉体質量の10~12%、つまり、粉体質量に対する液体質量の割合が10~12%とする。ここで、液体の質量には、添加する水以外に、ポリマーディスパージョンやその他の液状混和材料に含まれる溶媒や分散媒としての水も考慮する。本発明の高耐久性グラウト組成物は、液体の質量が粉体質量の10~12%であるので、乾燥収縮率が小さく、作業性に優れる。10%未満では作業性(流動性)が不足し、12%を超えると乾燥収縮が大きい。
また、本発明の高耐久性グラウト組成物は、上記のセメント、骨材、混和材料を混合することにより製造する。混合に用いる器具又は装置は特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く混練できるので好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えば強制二軸式コンクリートミキサ、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ 、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
[実施例1]
以下に示す使用材料を用い、表1~表4に示す配合割合で各水準6kgのグラウト組成物を作製した。グラウト組成物の作製方法は、予め粉体(固形物のセメント、骨材、混和材料を乾式混合しておき、ミキサにより水及び水にポリマーが分散しているポリマーディスパージョンとともに混合することでグラウト組成物(グラウト材)を作製した。作製したグラウト材の品質試験として、以下に示す通り、ポンプ圧送試験、充填性試験、乾燥収縮試験、付着試験、強度試験、モルタル作業性試験、中性化抵抗性試験、及び遮塩性試験を行い、その結果を配合とともに表1~表4に示した。
<使用材料>
・セメント: 普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、記号:OPC
・フライアッシュ: 常磐火力産業社製フライアッシュ(JIS II種相当)、記号:FA
・減水剤: ポリカルボン酸系高性能減水剤「NF-200」(製品名)(粉末、太平洋マテリアル社製)、記号:SP
・膨張材: 石灰系膨張材「太平洋N-EX」(製品名)(太平洋マテリアル社製)、記号:EX
・骨材:
(1)骨材1: 珪砂(粒径1.2~3.0mm、岐阜県土岐産、絶乾状態)、記号:S1
(2)骨材2: 珪砂(粒径0.6~1.2mm、岐阜県土岐産、絶乾状態)、記号:S2
(3)骨材3: 珪砂(粒径0.15~0.6mm、愛知県三河産、絶乾状態)、記号:S3
・増粘剤
(1)増粘剤1:水溶性セルロース「マーポローズ90MP-30000」(製品名)(松本油脂社製)、記号:MC
(2)増粘剤2:スターチエーテル「Starvis SE25F」(製品名)(BASF社製)、記号:SE
・アルカリ金属硫酸塩: 硫酸ナトリウム(NaSO)、1級試薬、記号:Na2SO4
・石膏: II型無水石膏(CaSO4)、ブレーン比表面積7000cm/g、記号:CaSO4
・尿素: 尿素(CO(NH)、1級試薬、記号:CO(NH2)2
・ポリマーディスパージョン: スチレン・ブタジエン共重合体合成ゴム(SBR)系ポリマーエマルション、固形分含有率50質量%
作製したポリマーセメントモルタルの品質試験として、以下に示す通り、施工性試験、耐アルカリ性試験、付着強さ試験及び防せい性試験を行った。これらの結果及び評価を表2に示した。
<品質試験方法>
・ポンプ圧送試験
スクイズポンプにより内径50mm・長さ80mホースを用いてグラウト材を15分間圧送し、脈動及び詰まりが何れも発生しなかったものを「良好」(記号:○)、それ以外を「問題あり」(記号:×)とした。

・充填性試験
NEXCO試験方法「試験法432-2006」に規定されている「鉄筋背面への充填性試験」により、目視にて空隙を確認した。評価は、鉄筋付近に空隙が見られなかったものを「良好」(記号:○)とし、鉄筋付近に空隙が見られたものを「不良」(記号:×)とした。

・乾燥収縮試験
温度20℃、湿度80%の恒温恒湿槽でモルタルを内径4×4×16cmの型枠に充填し、24時間養生した後脱型・基長し、その後材齢91日まで20℃相対湿度60%で養生し、JIS A112 9-3「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準じて測定し、長さ変化率を算出し、収縮率を求めた。評価は、収縮率が500μ以下であるものを「良好」(記号:○)、500μを超えるものを「不良」(記号:×)とした。

・付着試験
JIS A 1171に規定される「接着強さ試験」に準拠して材齢28日における付着強さを測定した。評価は、材齢28日における付着強さが、1.0N/mm以上のものを「良好」(記号:○)とし、それ以外を「不足」(記号:×)とした。

・強度試験
JIS A 1171に規定される「圧縮強さ試験」準拠して材齢28日における圧縮強さを測定した。評価は、材齢28日における圧縮強さが、40N/mm以上のものを「良好」(記号:○)とし、それ以外を「不足」(記号:×)とした。

・モルタル作業性試験
JIS A 1171に規定される「フロー試験」に準拠してフロー値を測定した。評価は、フロー値が210~270mmのものを「良好」(記号:○)とし、それ以外を「不良」(記号:×)とした。フロー値が210mm以下の場合は流動性(コンシステンシー)が不足しており充填作業が行い難く、270mmを超える場合は流動性が過剰で材料分離が生じ易くポンプ詰まりも生じ易いという問題がある。

・中性化抵抗性試験
JIS R 5201に準じて作製したモルタル(JISモルタル)との比較するように、JIS A 1153に規定される促進中性化試験を実施した。評価は、材齢91日における中性化深さがJISモルタルの80%以下のものを「良好」(記号:○)、60%以下のものを「優良」(記号:◎)とし、JISモルタルよりも少ないがJISモルタルの80%を超えているものを「不足」(記号:△)、JISモルタルと同じ又は大きき場合を「不良」(記号:×)とした。

・遮塩性試験
JIS R 5201に準じて作製したモルタル(JISモルタル)との比較するように、10%塩化ナトリウム水溶液による浸漬試験を実施し、材齢91日における塩化物イオン浸透深さをJIS A 1171に規定される「塩化物イオン浸透深さ試験」 により測定し、JISモルタルの60%以下のものを「良好」(記号:○)とし、それ以外を「不足」(記号:×)とした。
Figure 0007350425000001
Figure 0007350425000002
Figure 0007350425000003
Figure 0007350425000004
本発明の実施例に当たるグラウト組成物は、混練したグラウト材が、作業性、ポンプ圧送性、充填性、付着性、強度発現性、乾燥収縮性に優れ、且つ中性化抵抗性及び遮塩性に優れる高耐久性グラウト組成物に関する。より詳しくは、混練したグラウト材が、JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」6.2「フロー試験」に準拠して測定したフロー値が210~270mm、脈動やポンプ詰まりを起こさずにポンプ圧送でき、鉄筋が存在する状態で充填を行っても有害な空隙が生じ難く、下地との付着強度が1.0N/mm以上あり、材齢28日で40N/mm以上の圧縮強度があり、材齢3ヶ月(91日)で乾燥収縮性が5×10-4(500μ)以下であり、且つ材齢3ヶ月(91日)における中性化深さ及び塩化物イオン浸透深さが、JISモルタルの測定結果の60%以下である高耐久性グラウト組成物であった。
本発明は、鉄筋コンクリート造構造物を補修する場合に、断面修復用グラウト材として好適に使用するこ とができる。

Claims (3)

  1. 含有する粉体の合計質量に対し、粒径1.2~3.0mmの骨材を25~35質量%、粒径0.6~1.2mmの骨材を10~14質量%、粒径0.6mm以下の骨材を20~30質量%含有し、更に、セメント、減水剤、増粘剤、尿素及びポリマーディスパージョンを含有し、骨材セメント比が2.6~3.4であり、液体の質量が粉体質量の10~12%であり、且つポリマーディスパージョンの含有割合が105℃における不揮発性分換算で粉体質量の0.2~0.8質量%である高耐久性グラウト組成物。
  2. 粉体中にフライアッシュを5~11質量%含有する請求項1に記載する高耐久性グラウト組成物。
  3. 更に、膨張材、石膏、アルカリ金属硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1又は2の何れかに記載する高耐久性グラウト組成物。
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