JP6220646B2 - チップ抵抗器とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁基板上に設けられた抵抗体にトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器と、そのようなチップ抵抗器の製造方法に関するものである。
図6は一般的なチップ抵抗器を示す平面図であり、このチップ抵抗器100は、セラミックス等からなる直方体形状の絶縁基板101と、絶縁基板101の長手方向両端部に設けられた一対の表面電極102と、両表面電極102に跨がって設けられた長方形状の抵抗体103等によって主に構成されており、抵抗体103には抵抗値を調整するためのトリミング溝104が形成されている。トリミング溝104はレーザの照射によって形成されるスリットであり、そのスリット形状として図6に示すようなLカットが広く採用されている。
このようなトリミング溝104を形成する場合、まず、抵抗体103の一側端(図の下辺)から鉛直方向に第1スリット104aを入れて、測定抵抗値が目標抵抗値よりも僅かに下回るまで抵抗体103の抵抗値を増大させる(抵抗値の粗調整)。しかる後、第1スリット104aの終端部から抵抗体103の長手方向(図の右方向)に第2スリット104bを入れ、第1スリット104aと第2スリット104bをL字状に連続させることにより、目標抵抗値に対して測定抵抗値を一致させるようにしている(抵抗値の微調整)。
ここで、Lカット形のトリミング溝104は、粗調整用の第1スリット104aを形成した後に、その先端を直交方向へ延長して微調整用の第2スリット104bを形成するというトリミング方法であるが、粗調整用の第1スリット104aが形成された時点における抵抗体103内の領域についてみると、図7に示すように、トリミング溝を形成することで抵抗値が大きく変化する(電流が多く流れる)領域S1と、抵抗値が小さく変化する(電流が少なく流れる)領域S2と、抵抗値がほとんど変化しない(電流がほとんど流れない)領域S3とに区分することができる。そして、第2スリット104bは、抵抗値が大きく変化する領域S1と抵抗値が小さく変化する領域S2との境に沿ってスリットを形成することで、切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合を小さくして抵抗値の微調整を行うというものである。その際、抵抗値が小さく変化する領域S2についての電流密度を考慮すると、領域S1に近い方に多くの電流が流れ、領域S3に近付くにつれて流れる電流が少なくなるため、領域S1に近いところを切り込む第2スリット104bは、第2スリット104bの切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が比較的大きくなってしまい、抵抗値設定の精度を向上させることが困難となる。
そこで従来より、図8に示すように、トリミング溝のパターンをレ字状にしたチップ抵抗器が提案されている(特許文献1参照)。このトリミング溝105は、抵抗体103の一側端から鉛直方向に延びる第1スリット105aと、第1スリット105aの終端部から抵抗体103の一側端に向かって斜めに延びる第2スリット105bとを有しており、これら第1スリット105aと第2スリット105bは鋭角に交差している。第1スリット105aは、測定抵抗値が目標抵抗値よりも僅かに下回る位置まで形成される粗調整用のスリットであり、第2スリット105bは、目標抵抗値に対して測定抵抗値が一致するように形成される微調整用のスリットである。
この場合において、第1スリット105aが形成された時点における抵抗体103内の電流密度を考えると、前述した図7と同様に、トリミング溝を形成することで抵抗値が大きく変化する領域S1と抵抗値が小さく変化する領域S2と抵抗値がほとんど変化しない領域S3とに区分され、さらに領域S2については、領域S1に近いほど抵抗値変化が大きく、領域S1から遠ざかって領域S3に近付くほど抵抗値変化が小さくなる。そして、トリミング溝105のパターンをレ字状にしたチップ抵抗器は、抵抗値変化が大きく変化する領域S1から遠い方向へ第2スリット105bが切り込まれるため、第2スリット105bの切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなって、目標抵抗値に対する誤差を小さくすることが可能となる。
また、他の従来例として、トリミング溝のパターンを2本にしたダブルカットのチップ抵抗器も提案されている。このトリミング溝は、抵抗体の一側端から鉛直方向に延びる粗調整用の第1スリットと、同じく抵抗体の一側端から鉛直方向に延びる微調整用の第2スリットとを有しており、第1スリットと第2スリットは電極間方向へずれた位置で平行に形成されている。第2スリットは抵抗値変化が大きく変化する領域S1まで切り込まないようにしなければならず、したがって、第2スリットの長さは第1スリットよりも短くする必要がある。このようにトリミング溝のパターンをダブルカットにしたチップ抵抗器では、抵抗値変化が大きく変化する領域S1から遠い領域で第2スリットが切り込まれるため、第2スリットの切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合がさらに小さくなって、目標抵抗値に対する誤差を小さくすることが可能となる。
特開平1−152706号公報
特許文献1に開示された従来のチップ抵抗器では、トリミング溝のパターンをレ字状にすることによって、微調整用の第2スリットの切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなるため、抵抗値調整を高精度に行うことができる。しかしながら、トリミング前の抵抗体(初期抵抗値)が目標抵抗値に近い状態で形成されている場合は、粗調整用の第1スリットの長さが短いものになってしまい、その後に第2スリットを形成しようとしても、第1スリットの終端部から抵抗体の一側端に向かって斜め方向へ僅かしか延ばすことができなくなるため、第2スリットによる微調整の範囲が極端に狭められてしまい、実質的に抵抗値の微調整を行うことができなくなる。同様に、トリミング溝のパターンをダブルカットにしたチップ抵抗器でも、初期抵抗値が目標抵抗値に近い状態で形成されている場合は、粗調整用の第1スリットの長さが短いものになってしまい、抵抗値変化が大きく変化する領域S1までの長さが短くなるため、第2スリットによる微調整の範囲が極端に狭められてしまい、実質的に抵抗値の微調整を行うことができなくなる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも抵抗値の微調整を容易に行うことができるチップ抵抗器を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のチップ抵抗器は、絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けられた一対の表面電極と、これら一対の表面電極に接続する長方形状の抵抗体とを備え、前記抵抗体にトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器において、前記抵抗体を介して対向する一対の前記表面電極の端部がいずれも前記抵抗体の長手方向に沿う直線に対して同方向へ傾斜する傾斜辺となっていると共に、前記トリミング溝が、前記抵抗体の一方の側辺から短手方向へ直線的に延びる粗調整用の第1スリットと、この第1スリットの終端部を通って一対の前記傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線と前記抵抗体の一方の側辺とで挟まれた領域に存する微調整用の第2スリットとを有しており、前記第1スリットから見て前記抵抗体の一方の側辺と前記仮想線との間隔が広がる部分の前記領域内に前記第2スリットが形成されている構成にした。
このように構成されたチップ抵抗器では、粗調整用の第1スリットを形成した時点における抵抗体内の電流密度を考えると、第1スリットの終端部を通って両表面電極の傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線を境にして、この仮想線と第1スリットが形成されていない方の抵抗体の側辺とで挟まれた領域に電流が分布し、仮想線と第1スリットが形成された方の抵抗体の側辺とで挟まれた領域は電流が少なく流れる部分となる。そして、当該領域内であって且つ仮想線と抵抗体の側辺との間隔が広がる部分に微調整用の第2スリットが形成されているため、第2スリットの切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなり、抵抗値調整を高精度に行いつつ、抵抗体の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、微調整用の第2スリットを形成できる領域が広くなり、第2スリットの長さを十分に確保することができるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
上記の構成において、トリミング溝のパターンとしてはLカットやダブルカット等を採用することが可能であり、例えばLカットの場合、第2スリットは第1スリットの終端部に連続して形成されており、この第2スリットが前述した領域内で仮想線から遠ざかる方向へ延ばされることで、抵抗値調整を高精度に行いつつ、抵抗体の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、第2スリットを長く形成することができるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
あるいはダブルカットの場合、第2スリットは仮想線から離れた抵抗体の一方の側辺を始端部として第1スリットと平行に延びており、この第2スリットの終端部が仮想線を越えずに前述した領域内に位置していることで、抵抗値調整を高精度に行いつつ、抵抗体の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、第2スリットを第1スリットより長く形成することも可能となるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明によるチップ抵抗器の製造方法では、絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けられた一対の表面電極と、これら一対の表面電極に接続する長方形状の抵抗体とを備え、前記抵抗体を介して対向する一対の前記表面電極の端部はいずれも前記抵抗体の長手方向に沿う直線に対して同方向へ傾斜する傾斜辺となっており、この抵抗体の一方の側辺から短手方向へ直線的に延びるように抵抗値粗調整用の第1スリットを形成した後、この第1スリットの終端部を通って一対の前記傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線と前記抵抗体の一方の側辺とで挟まれた領域のうち、前記第1スリットから見て前記抵抗体の一方の側辺と前記仮想線との間隔が広がる部分に抵抗値微調整用の第2スリットを形成するようにした。
このようなチップ抵抗器の製造方法において、粗調整用の第1スリットを形成した時点における抵抗体内の電流密度を考えると、第1スリットの終端部を通って両表面電極の傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線を境にして、この仮想線と第1スリットが形成されていない方の抵抗体の側辺とで挟まれた領域に電流が分布し、仮想線と第1スリットが形成された方の抵抗体の側辺とで挟まれた領域は電流が少なく流れる部分となる。そして、第1スリットの形成後に当該領域内であって且つ仮想線と抵抗体の側辺との間隔が広がる部分に微調整用の第2スリットを形成するようにしたので、第2スリットの切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなり、抵抗値調整を高精度に行いつつ、抵抗体の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、微調整用の第2スリットを形成できる領域が広くなり、第2スリットの長さを十分に確保することができるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
本発明のチップ抵抗器は、抵抗体の一方の側辺から短手方向へ延びる第1スリットを形成して抵抗値の粗調整を行った後に、第1スリットの終端部を通って両表面電極の傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線と抵抗体の一方の側辺とで挟まれた領域のうち、第1スリットから見て抵抗体の一方の側辺と仮想線との間隔が広がる部分の、電流が多く流れる領域より離れて切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなっている領域に、第2スリットを形成して抵抗値の微調整を行うようにしたので、高精度の抵抗値調整を行いつつ、初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、第2スリットの長さを十分に確保することができるので、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 該チップ抵抗器におけるトリミング方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 本発明の第3実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 本発明の第4実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 一般的なチップ抵抗器を示す平面図である。 該チップ抵抗器における抵抗体の電流分布を示す説明図である。 従来例に係るチップ抵抗器の平面図である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るチップ抵抗器1は、セラミックス等からなる直方体形状の絶縁基板2と、絶縁基板2の表面の長手方向両端部に設けられた一対の表面電極3,4と、これら一対の表面電極3,4に接続する長方形状の抵抗体5と、この抵抗体5を覆う図示せぬ保護層等によって主に構成されており、抵抗体5には抵抗値を調整するためのトリミング溝6が形成されている。なお、図示省略されているが、絶縁基板2の裏面には表面電極3,4に対応するように一対の裏面電極が設けられており、絶縁基板2の長手方向の両端面には対応する表面電極と裏面電極を橋絡する端面電極が設けられている。
一対の表面電極3,4はAgペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、抵抗体5は酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものである。両表面電極3,4の抵抗体5と重なる側の端部は、抵抗体5の長手方向に沿う直線に対して同じ角度で傾斜する傾斜辺3a,4aとなっており、これら傾斜辺3a,4aは抵抗体5を介して平行に対向している。トリミング溝6は、抵抗体5の一方の側辺(図1では下辺5a)から鉛直方向(抵抗体5の短手方向)へ延びる粗調整用の第1スリット7と、第1スリット7の終端部から抵抗体5の長手方向へ延びる微調整用の第2スリット8とを有しており、これら第1スリット7と第2スリット8は直角に連続してLカット形状のスリットパターンとなっている。ここで、第1スリット7の終端部(図1では上端)を通って一対の傾斜辺3a,4aを最短距離で結ぶ直線を仮想線Pとすると、第2スリット8は仮想線Pによって2分された抵抗体5の下部側の領域Q1内に形成されており、かつ、この領域Q1内で第1スリット7から見て抵抗体5の下辺5aと仮想線Pとの間隔が広がる部分で仮想線Pから離れた位置に延びている。
図2は粗調整用の第1スリット7を形成した時点の抵抗体5を示しており、この場合における抵抗体5内の電流密度を考えると、第1スリット7の終端部を通って両傾斜辺3a,4aを最短距離で結ぶ仮想線Pを境にして、この仮想線Pと第1スリット7が形成されていない方の抵抗体5の上辺5bとで挟まれた領域Q2に電流が分布し、仮想線Pと第1スリット7が形成された方の抵抗体5の下辺5aとで挟まれた領域Q1は電流が少なく流れる部分となる。
そして、抵抗体5の短手方向に延びる第1スリット7を形成した後、図1に示すように、第1スリット7の終端部から表面電極4に向かって水平方向(右方向)へ延びる第2スリット8を形成し、これら第1および第2スリット7,8からなるトリミング溝6によって抵抗体5の抵抗値を目標抵抗値に対して一致させるようにしている。ここで、第1スリット7を形成した時点における抵抗体5内の電流密度を考えると、前述したように仮想線Pと抵抗体5の下辺5aとで挟まれた領域Q1は電流が少なく流れる部分であり、当該領域Q1内であって仮想線Pと抵抗体5の下辺5aとの間隔が広がる部分で仮想線Pから離れた位置に第2スリット8が形成されるため、第2スリット8の切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなり、抵抗値調整を高精度に行いつつ、抵抗体5の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、微調整用の第2スリット8を形成できる領域が広くなり、第2スリット8の長さを十分に確保することができるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
以上説明したように、第1実施形態例に係るチップ抵抗器1では、抵抗体5の一方の側辺(下辺5a)から短手方向へ延びる第1スリット7を形成して抵抗値の粗調整を行った後に、第1スリット7の終端部を通って両表面電極3,4の傾斜辺3a,4aを最短距離で結ぶ仮想線Pと抵抗体5の下辺5aとで挟まれた領域Q1のうち、第1スリット7から見て抵抗体5の下辺5aと仮想線Pとの間隔が広がる部分に第2スリット8を形成して抵抗値の微調整を行うようにしたので、第2スリット8の切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなり、抵抗値調整を高精度に行うことができる。また、抵抗体5の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、微調整用の第2スリット8を形成できる領域が広くなり、第2スリット8の長さを十分に確保することができるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
図3は本発明の第2実施形態例に係るチップ抵抗器10の平面図であり、このチップ抵抗器10は、トリミング溝6のパターン形状が第1実施形態例と相違しており、それ以外の構成は基本的に同じである。
図3に示すように、第2実施形態例に係るチップ抵抗器10のトリミング溝6は、抵抗体5の一方の側辺(図3では下辺5a)から鉛直方向(抵抗体5の短手方向)へ延びる粗調整用の第1スリット7と、同じく抵抗体5の一方の側辺から鉛直方向へ延びる微調整用の第2スリット8とを有しており、これら第1スリット7と第2スリット8は平行に延びてダブルカットと呼ばれるパターン形状になっている。この場合も、第1スリット7の終端部(図3では上端)を通って一対の傾斜辺3a,4aを最短距離で結ぶ直線を仮想線Pとすると、第2スリット8は仮想線Pによって2分された抵抗体5の下部側の領域Q1内に形成されており、かつ、この領域Q1内で第1スリット7から見て抵抗体5の下辺5aと仮想線Pとの間隔が広がる部分に延びている。
このように構成された第2実施形態例においては、第1実施形態例と同様に、第1スリット7から見て抵抗体5の下辺5aと仮想線Pとの間隔が広がる部分に第2スリット8を形成して抵抗値の微調整を行うようにしたので、第2スリット8の切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さくなり、抵抗値調整を高精度に行うことができる。また、第2スリット8は仮想線Pを越えずに領域Q1内に位置していれば良いため、第2スリット8を第1スリット7よりも短く形成するだけでなく、図3のように第2スリット8を第1スリット7よりも長く形成することも可能となる。
図4は本発明の第3実施形態例に係るチップ抵抗器20の平面図であり、このチップ抵抗器20が第1実施形態例と相違する点は、粗調整用の第1スリット7と微調整用の第2スリット8が緩やかなアール部分を介して連続していることにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。このように第1スリット7と第2スリット8のターニングポイントが直角でなくアールになっていると、抵抗体5を流れる電流が第1スリット7と第2スリット8のターニングポイントに集中しなくなるため、過負荷に強いチップ抵抗器20を実現することができる。
図5は本発明の第4実施形態例に係るチップ抵抗器30の平面図であり、このチップ抵抗器30が第1実施形態例と相違する点は、一対の表面電極3,4の傾斜辺3a,4aが抵抗体5の長手方向に沿う直線に対して異なる角度で傾斜していることにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。
図5に示すように、第4実施形態例に係るチップ抵抗器30では、抵抗体5を介して対向する表面電極3,4の傾斜辺3a,4aは平行になっておらず、各傾斜辺3a,4aの延長線が点Oで収束するようになっている。この場合、第1スリット7の終端部(図5では上端)を通って一対の傾斜辺3a,4aを最短距離で結ぶ直線(仮想線P)は、点Oを頂点とする二等辺三角形の底辺に相当する部分(点d,eを結ぶ線分)となり、この仮想線Pと抵抗体5の下辺5aとで挟まれた領域Q1のうち、第1スリット7から見て抵抗体5の下辺5aと仮想線Pとの間隔が広がる部分で仮想線Pから離れた位置に第2スリット8が形成されている。したがって、本実施形態例に係るチップ抵抗器30においても、第1実施形態例と同様に、抵抗値調整を高精度に行いつつ、抵抗体5の初期抵抗値が目標抵抗値に近い場合でも、微調整用の第2スリット8を形成できる領域が広くなり、第2スリット8の長さを十分に確保することができるため、抵抗値の微調整を容易に行うことができる。
なお、第4実施形態例において、トリミング溝6のパターンはLカットに限定されず、図3に示した第2実施形態例と同様に、領域Q1内に粗調整用の第1スリット7と微調整用の第2スリット8を平行に形成したダブルカットとすることも可能である。
また、第4実施形態例では、粗調整用の第1スリット7を電極間距離が狭い抵抗体5の下辺5aから形成した場合について説明したが、電極間距離が広い方の抵抗体5の抵抗体5の上辺5bから第1スリット7を形成するようにしても良く、その場合も同様の効果を奏することができる。
1,10,20,30 チップ抵抗器
2 絶縁基板
3,4 表面電極
3a,4a 傾斜辺
5 抵抗体
6 トリミング溝
7 第1スリット
8 第2スリット
P 仮想線
Q1 領域

Claims (4)

  1. 絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けられた一対の表面電極と、これら一対の表面電極に接続する長方形状の抵抗体とを備え、前記抵抗体にトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器において、
    前記抵抗体を介して対向する一対の前記表面電極の端部がいずれも前記抵抗体の長手方向に沿う直線に対して同方向へ傾斜する傾斜辺となっていると共に、
    前記トリミング溝が、前記抵抗体の一方の側辺から短手方向へ直線的に延びる粗調整用の第1スリットと、この第1スリットの終端部を通って一対の前記傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線と前記抵抗体の一方の側辺とで挟まれた領域に存する微調整用の第2スリットとを有しており、前記第1スリットから見て前記抵抗体の一方の側辺と前記仮想線との間隔が広がる部分の前記領域内に前記第2スリットが形成されていることを特徴とするチップ抵抗器。
  2. 請求項1の記載において、前記第2スリットは前記第1スリットの終端部に連続して形成されており、この第2スリットが前記領域内で前記仮想線から遠ざかる方向へ延びていることを特徴とするチップ抵抗器。
  3. 請求項1の記載において、前記第2スリットは前記抵抗体の一方の側辺を始端部として前記第1スリットと平行に延びており、この第2スリットの終端部が前記仮想線を越えずに前記領域内に位置していることを特徴とするチップ抵抗器。
  4. 絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けられた一対の表面電極と、これら一対の表面電極に接続する長方形状の抵抗体とを備え、
    前記抵抗体を介して対向する一対の前記表面電極の端部はいずれも前記抵抗体の長手方向に沿う直線に対して同方向へ傾斜する傾斜辺となっており、この抵抗体の一方の側辺から短手方向へ直線的に延びるように抵抗値粗調整用の第1スリットを形成した後、この第1スリットの終端部を通って一対の前記傾斜辺を最短距離で結ぶ仮想線と前記抵抗体の一方の側辺とで挟まれた領域のうち、前記第1スリットから見て前記抵抗体の一方の側辺と前記仮想線との間隔が広がる部分で該仮想線から遠ざかる方向に抵抗値微調整用の第2スリットを形成することを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
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