JP6218490B2 - 蓋材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、容器の開口部を密封するための蓋材に関し、特にポリプロピレン容器の開口部を密封するための蓋材及びその製造方法に関する。
従来、食品、化粧品、医薬品などの物を保管するか、又は移動させるための容器が使用されている。
一般に、容器は、開口部を有し、かつ開口部に物を入れることができるように成形されている。また、容器の開口部は、蓋材により密封されることができる。
蓋材で容器の開口部を密封するために、例えば、容器の開口部の周縁と蓋材の少なくとも一部分とを結合することができる。この結合手段としては、例えば、ヒートシール法が挙げられる。
また、容器と蓋材を容易に結合させるために、容器の開口部の周縁にフランジ部を設けることがある。
容器の材料は、容器の内容物に応じて、任意に選択されることができる。例えば、容器の材料は、内容物に対する不透過性、内容物に対する耐性、低臭性、成形後の非溶解性、断熱性、バリア性などの性質を有するように決定されることができる。
近年、樹脂を主成分とする容器、又は紙カップなどの繊維製成形品の少なくとも最内層が、樹脂によりコーティングされている。
容器を形成するか、又はコーティングするための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。特に、包装材料分野では、臭気、酸素及び水蒸気に対する遮蔽性、断熱性、耐熱性などの性質を容器に与えるために、ポリプロピレンを容器に適用することが注目されている。
ポリプロピレンを含む容器(以下、「ポリプロピレン容器」という)としては、例えば、ポリプロピレンから成る容器、ポリプロピレンを主成分とするフィルムでコーティングされた容器などが知られている。
一方で、容器に含まれるか、又はコーティングされる樹脂の種類に応じて、蓋材の材料も選択されることができる。
一般に、蓋材は、基材層、金属箔層、シーラント層などの複数の層が積層されている積層体である。特に、積層体の最内層としては、容器の開口部の周縁をシールするために、シーラント層が配置される。
従来のシーラント層としては、直鎖状(リニヤー)低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムが挙げられる。LLDPEフィルムは、サンドラミネート法によって、基材に積層させることができる。
しかしながら、LLDPEフィルムなどのフィルムシーラントをサンドラミネートにより積層した蓋材は、カールが発生してしまうので、蓋材の枚葉納めが困難になるという欠点があった。
したがって、蓋材の層構成を決定するためには、容器に使用される樹脂と蓋材のシーラント層との接着性、及び蓋材におけるシーラント層とその他の層との接着性を考慮するべきである。
例えば、特許文献1では、ポリプロピレン容器のための易開封性シーラントフィルムであって、被着材にヒートシールされる面に形成された樹脂層(A)と、樹脂層(A)に隣接して積層された樹脂層(B)とから成り、樹脂層(A)は、ポリプロピレンとポリブテン−1との混合樹脂100質量部に対して高圧法低密度ポリエチレン(高圧法LDPE)又はエチレン系コポリマーを20〜90質量部の割合で混合した混合樹脂で形成されており、かつ樹脂層(B)は、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィンコポリマー、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンで形成されているシーラントフィルムが、提案されている。
特許文献1に記載されたシーラントフィルムを用いて包装材料を形成するには、樹脂層(A)と樹脂層(B)を共押出しインフレーション成形法(押出し温度:230℃)によって製膜して易開封性シーラントフィルムを得て、次いで、基材には外側からPETフィルム/高圧法LDPE層/アルミニウム箔/接着剤層/PETフィルムの順に積層した積層フィルムを用いて、その内側のPETフィルム面(コロナ放電処理あり)にアンカーコートを施した後、そのアンカーコート面と前記易開封性シーラントフィルムの樹脂層(B)とを対向させ、両者の間に接着層として高圧法LDPEを用いて押し出しラミネート法(サンドラミネート法)で貼り合わせて、下記層構成の積層体を作製するという具体例の記載がある。
「PETフィルム/高圧法LDPE層/アルミニウム箔/接着剤層/PETフィルム/高圧法LDPE層/樹脂層(B)/樹脂層(A)」
特許文献2では、基材及びシーラント層を有する積層体で形成される易開封性包装材料であって、シーラント層は、低密度ポリエチレン(LDPE)100重量部に対してポリブテン−1が33〜82重量部の割合で混合されて成る第一の樹脂層と、エチレン・不飽和カルボン酸コポリマーから成る第二の樹脂層とを共押出しラミネートすることにより形成され、シーラント層の第二の樹脂層は、基材と対向するように積層され、かつ第一の樹脂層の横方向(TD)断面におけるポリブテン−1のフィルムの厚み方向の平均分散径が1〜10μmである包装材料が、提案されている。
具体的には、特許文献2に記載された包装材料は、「紙/LDPE層/アルミ箔層/第二の樹脂層/第一の樹脂層」という層構成を有する。また、第二の樹脂層は、第一の樹脂層の凝集破壊を第一の樹脂層と第二の樹脂層の界面近傍に集中させ、ピール強度を安定化し、糸引きの発生を防止することができる。さらに、基材と第一の樹脂層の間に第二の樹脂層があることによって、基材に第一の樹脂層を積層したときに発生するカールを抑制することができる。
特許文献3では、紙カップ用蓋材であって、「印刷基材層/第一の接着補助層/バリア層/第二の接着補助層/クッション層/シーラント層」という層構成を有し、かつクッション層を構成する樹脂はメルトフローレイト(MFR)が40以下のLDPEである蓋材が、提案されている。
具体的には、特許文献3に記載された蓋材において、第二の接着補助層としてLDPEが使用され、クッション層としてLDPEが使用され、そして第二の接着補助層とクッション層は共押出しラミネートされる。
また、特許文献3に記載された蓋材は、ポリエチレンをコーティングされた紙カップと溶着される。
特開2005−263277号公報 特開2002−128128号公報 特開2003−182759号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、共押出しインフレーション法により製膜されたシーラントフィルムをシーラント層とし、そのシーラント層と基材層とをサンドラミネート法で貼り合わせた積層体は、シーラント層がフィルムであるため、カールする。したがって、特許文献1に記載されている積層体は、カールの発生を抑制するという観点では未だに検討の余地がある。
さらに、特許文献1に記載されているシーラントフィルムは、ポリプロピレン容器との溶着を可能にするために、最内層にポリプロピレンを含む。結果として、特許文献1に記載されている積層体とポリプロピレン容器とのシールに際しては、シール温度が高くなり、かつシール時間が長くなる。それ故に、蓋付きポリプロピレン容器の製造において、経済性、安全性及びハンドリング性が犠牲になる。
また、特許文献2に記載されている蓋材の製造方法としては、第一の樹脂層及び第二の樹脂層を含むシーラント層と基材とを共押出しラミネート法により積層するか、又は予め第一の樹脂層及び第二の樹脂層を共押出しラミネートして、シーラント層を形成してから、シーラント層と基材をドライラミネート若しくは押出ラミネートするという方法しか記載されていない。
いずれの場合でも、第一の樹脂層及び第二の樹脂層は、互いに接着性に乏しいので、共押出し法を使用しなければ、十分な層間ラミネート強度を得られない。
さらに、第一の樹脂層及び第二の樹脂層を含むシーラント層と基材との共押出しラミネートは、専用機によって達成されるものであり、一般的なフィルムの製造において広く流通しているシングルラミネート機では達成されない。また、シーラント層の共押出しラミネートにも専用機が必要である。
また、特許文献3に記載されている蓋材は、ポリエチレンをコーティングされた紙カップのための蓋材であって、ポリプロピレン容器には適していない。
さらに、特許文献3に記載されている蓋材の製造方法としては、第二の接着補助層とクッション層の共押出しラミネートが記載されているにすぎないので、シングルラミネート法による蓋材の製造については未だに検討の余地がある。
なお、特許文献3の比較例1には、「基材/アルミ箔/EMAA層/シーラント層」という層構成を有する蓋材と、それを用いた蓋付き容器が記述されている。しかしながら、この層構成を有する蓋材の付いた容器は、容器の表面がポリエチレンでコーティングされているからこそ達成できるものである。ポリプロピレン容器は、特許文献3に記載のシーラント層との接着性に優れていないので、比較例1に記載された蓋材は、ポリプロピレン容器に接着できないことを理解されたい。
したがって、本発明は、下記(1)〜(3)の蓋材と、それらを用いた蓋付き容器とを提供することを目的とする:
(1)シングルラミネート法で製造可能な蓋材;
(2)カールを低減し、かつ枚葉納めに適応できる蓋材;及び
(3)従来の蓋材よりも低温(例えば、約140℃)でポリプロピレン容器へのシールが可能であり、かつ広範な温度領域(例えば、約140℃〜約180℃)に亘って良好なシール適性を有しながら、良好な開封性を示す蓋材。
本発明者らは、蓋材において、金属箔と中間層の間のラミネート強度及び中間層とシーラント層の間のラミネート強度を、ポリプロピレン容器と蓋材のシーラント層との開封強度よりも高くすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記の通りである:
[1] 容器の開口部を密封するための蓋材であって、
順に積層されている基材、金属箔、中間層及びシーラント層を含み、
前記中間層は、第一のポリエチレン、及びエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーを含み、かつ
前記シーラント層は、第二のポリエチレン、及びα−オレフィン系コポリマーを含む、
容器の開口部を密封するための蓋材。
[2] 前記エチレン・メタクリル酸コポリマー又は前記エチレン・アクリル酸コポリマー中の酸成分の含有率が、4重量%以下である、[1]に記載の蓋材。
[3] 前記第一のポリエチレンと前記エチレン・メタクリル酸コポリマー又は前記エチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物が、JIS K 7112に準じて測定されたときに、895kg/m以上かつ904kg/m以下の密度を有する、[1]又は[2]に記載の蓋材。
[4] 前記第二のポリエチレンと前記α−オレフィン系コポリマーの混合物に対する前記α−オレフィン系コポリマーの重量比が、0.01以上かつ0.7未満である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の蓋材。
[5] 前記α−オレフィン系コポリマーは、エチレンと炭素数3又は4のアルケンとのコポリマーである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の蓋材。
[6] 前記第一のポリエチレン及び前記第二のポリエチレンは、リニヤー低密度ポリエチレンである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の蓋材。
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の蓋材と前記容器とを有し、かつ前記蓋材の前記シーラント層側と前記容器のフランジ部とがヒートシールされている、蓋付容器。
[8] 前記容器は、ポリプロピレンから成るか、ポリプロピレンを含むか、又はポリプロピレンでコーティングされている、[7]に記載の蓋付容器。
[9] 前記蓋材の前記シーラント層側と前記容器の前記フランジ部とを140℃以上かつ180℃以下の温度でヒートシールすることにより得られる、[7]又は[8]に記載の蓋付容器。
[10] 基材に金属箔を積層して、第一の積層体を得る第一の積層工程;
前記第一の積層体の前記金属箔側に、ポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物を適用し、前記金属箔上に中間層を形成して、第二の積層体を得る第二の積層工程;及び
前記第二の積層体の前記中間層側に、ポリエチレンとα−オレフィン系コポリマーの混合物を適用し、前記中間層上にシーラント層を形成して、第三の積層体を得る第三の積層工程
を含む、容器の開口部を密封するための蓋材の製造方法。
[11] 前記第二の積層工程及び前記第三の積層工程は、それぞれシングルラミネート法により行われる、[10]に記載の方法。
本発明によれば、中間層に含まれる樹脂は金属箔との接着性に優れ、かつ中間層に含まれる樹脂とシーラント層に含まれる樹脂は相溶性を有するので、蓋材をシングルラミネート法により製造できる。
また、本発明によれば、シーラント層がフィルムではなく、押出し樹脂層でよいため、フィルムを基材層とサンドラミネートする工程が発生せず、サンドラミネートする場合に生じるカールがなく、積層体としてのカールが低減され、かつ枚葉納めに適した蓋材を製造することができる。
さらに、本発明によれば、ポリエチレン及びα−オレフィン系コポリマーを含むシーラント層は、LLDPEのみを含むシーラント層と比べて、ポリプロピレンとの接着性が向上しており、さらに、LLDPEは従来のポリプロピレンシーラントよりも融点が低いので、蓋材とポリプロピレン容器のシール温度を、従来のシール温度よりも低くするとともに、良好なシール適性が得られるシール温度範囲を、従来の温度範囲よりも広げることができる。
本発明の実施形態に係る蓋材の模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施されることができる。
<蓋材>
蓋材は、容器の開口部を密封するための要素である。
蓋材と容器のフランジ部とをヒートシールして、蓋付容器を得ることができる。
図1に示されるように、蓋材(1)は、順に積層されている基材(2)、金属箔(3)、中間層(4)及びシーラント層(5)を含む。
<蓋材の構成要素>
以下、蓋材の構成要素である「基材」、「金属箔」、「中間層」及び「シーラント層」について、それぞれ説明する。
<基材>
基材は、蓋材に所定の強度又は剛性を付与する要素である。
一般に、蓋材は、シート、ロールなどの形態の積層体を打ち抜いて成形されるので、基材は、積層体を所定の形態に保つために十分な強度又は剛性を有することができる。
また、基材は、蓋材に所定のデッドホールド性又は硬度を付与することが好ましい。
基材の材料としては、例えば、紙、金属、樹脂、天然又は合成繊維などが挙げられる。
基材を形成するための樹脂は、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。ポリエステルを主成分とする樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。
なお、基材を形成するための紙としては、例えば、上質紙、コート紙、アート紙などが挙げられる。所望により、紙の表面にニスを塗布することにより、紙を硬質化させることができる。
<金属箔>
金属箔は、金属を箔の形態になるまで延伸することにより形成される。
金属箔としては、例えば、アルミニウム箔などが挙げられる。
金属箔が蓋材に含まれることによって、蓋材の硬度、ガスバリア性又はデッドホールド性が、確保されることができる。
<中間層>
中間層は、金属箔とシーラント層の間に位置する層である。図1に示されるように、中間層(4)は、金属箔(3)とシーラント層(5)の間に位置している。
中間層は、第一のポリエチレン、及びエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーを含む。
中間層は、上記のように特定の樹脂同士の組み合わせを含むことによって、金属箔に接着することができる。また、後述されるように、シーラント層にもポリエチレンが含まれるので、中間層は、シーラント層との相溶性を有し、かつシーラント層に接着することができる。
したがって、金属箔とシーラント層は、中間層を介して接着されることができる。
例えば、金属箔と中間層のラミネート強度は、高いほど好ましいが、押出シングルラミネーターにて100m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300〜305℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下において、ラミネート強度を向上させるために中間層(第一のポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマー)におけるエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーの割合を高くすると、サージングが起きたり、樹脂の追従性が悪化したりする傾向がある。そのため、本発明者らは、中間層の混合樹脂の配合割合を調整し、サージングが起きず、樹脂の追従性も良く、かつ蓋としての機能を発揮する程度のラミネート強度を有する中間層の配合比を見出した。その配合比におけるラミネート強度は、2.5N/15mm〜3.1N/15mmの範囲であった。
一般に、「サージング」とは、押出し樹脂が大きく左右方向に揺れ、巾方向が安定しない現象をいう。「サージング」が発生することで厚みムラが生じてしまう。
一般に、「樹脂の追従性が悪い」とは、樹脂を押出したときに、樹脂が滑らかに流れず、樹脂の流れが分断される現象をいう。
また、中間層とシーラント層のラミネート強度は、高いほど好ましいが、ラミネート強度を向上させるために中間層(第一のポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマー)におけるエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーの割合を高くすると、サージングが起きたり、樹脂の追随性が悪化したりする傾向がある。そのため、本発明者らは、中間層の混合樹脂の配合割合を調整し、サージングが起きず、樹脂の追従性も良く、かつ蓋としての機能を発揮する程度のラミネート強度を有する中間層の配合比を見出した。その配合比におけるラミネート強度は、3.0N/15mm〜3.7N/15mmの範囲であった。
なお、第一のポリエチレンについては後述する。
また、エチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマー中の酸成分の含有率を4重量%以下に調整するほど、エチレンの含有率が増加するので、第一のポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの相溶性が向上する。
したがって、エチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマー中の酸成分の含有率は、4重量%以下であると、押出し法により中間層を形成するときに、サージングを防ぎ、かつ樹脂の追従性を確保できるので好ましい。
なお、本明細書では、「酸成分」とは、エチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーにおけるメタクリル酸又はアクリル酸に由来する構造単位をいう。
また、中間層は第一のポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物からなり、押出しラミネート時にサージングが生じず、かつ樹脂の追従性を確保できるように混合物の配合比を調整した際の密度が、JIS K 7112に準じて測定されたときに、895kg/m以上かつ904kg/m以下であることが好ましい。
さらに、同じ目的のために、第一のポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物のメルト・フロー・レイト(MFR)が、第一のポリエチレンのMFRに近いほど好ましい。
具体的には、第一のポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物のMFRは、約12(g/10分)(190℃)であることが好ましい。
<シーラント層>
シーラント層は、蓋材によって封止すべき容器へ蓋材をヒートシールするための層である。
シーラント層は、第二のポリエチレン、及びα−オレフィン系コポリマーを含む。ポリエチレンとα−オレフィン系コポリマーは、互いに相溶性を有するので、シーラント層を形成するために好ましい。
また、上述の通り、中間層にもポリエチレンが含まれるので、シーラント層は、中間層との相溶性を有し、かつ中間層に接着することができる。
また、シーラント層は、α−オレフィン系コポリマーを含むことによって、ポリプロピレンとの接着性が向上しているので、蓋材のシーラント層側は、ポリプロピレン容器にヒートシールされることができる。
なお、第二のポリエチレンについては後述する。
α−オレフィン系コポリマーは、共重合成分としてα−オレフィンを含むコポリマーである。
α−オレフィンは、炭素−炭素二重結合がα位にあるアルケン、つまり炭素−炭素二重結合が末端にあるアルケンでよいが、炭素数3又は4のアルケンであることが好ましい。
また、蓋材とポリプロピレン容器のシール温度の範囲を制御するために、α−オレフィン系コポリマーは、エチレンと炭素数3又は4のアルケンとのコポリマーであることが好ましく、エチレンとプロピレン又はブテンとのコポリマーであることがより好ましい。
また、本発明の蓋材を有する蓋付容器において、蓋の開封性及びピール性を確保するために、第二のポリエチレンとα−オレフィン系コポリマーの混合物に対するα−オレフィン系コポリマーの重量比が、約0.01以上であることが好ましい。一方で、この重量比は、シーラント層を形成するための樹脂のベタつきを抑制して、樹脂を加工し易くするために、約0.7未満であることが好ましい。さらに、蓋材とポリプロピレン容器のシール温度の範囲を制御するために、この重量比は、約0.3であることがより好ましい。
<ポリエチレン>
本明細書では、中間層に含まれるポリエチレンを「第一のポリエチレン」といい、そしてシーラント層に含まれるポリエチレンを「第二のポリエチレン」という。
第一のポリエチレン又は第二のポリエチレンとしては、例えば、LDPE、LLDPE、高密度ポリエチレン(HDPE)などが挙げられる。
中間層に含まれる樹脂とシーラント層に含まれる樹脂との相溶性を確保して、中間層とシーラント層のラミネート強度を向上させるために、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの両方が、LLDPEであることが好ましい。
<蓋材の製造方法>
容器の開口部を密封するための蓋材は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
基材に金属箔を積層して、第一の積層体を得る第一の積層工程;
前記第一の積層体の前記金属箔側に、ポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物を適用し、前記金属箔上に中間層を形成して、第二の積層体を得る第二の積層工程;及び
前記第二の積層体の前記中間層側に、ポリエチレンとα−オレフィン系コポリマーの混合物を適用し、前記中間層上にシーラント層を形成して、第三の積層体を得る第三の積層工程。
第一の積層工程は、例えば、サンドラミネート、ドライラミネートなどにより行なわれることができる。
ドライラミネートにより第一の積層工程を行うときには、ドライラミネート接着剤は、2液型ウレタン接着剤であることが好ましく、ポリエステルポリオールと芳香族イソシアネートの組み合わせであることがより好ましい。
第二の積層工程は、第一の積層体の金属箔側に、ポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物をシングルラミネートすることにより行なわれることができる。
なお、一般に、「シングルラミネート」は、ある基材に対して1種類の樹脂組成物を押出し積層することをいう。
第三の積層工程は、第二の積層体の中間層側に、ポリエチレンとα−オレフィン系コポリマーの混合物をシングルラミネートすることにより行なわれることができる。
第二の積層工程及び第三の積層工程は、それぞれシングルラミネート法により行われることが好ましい。その場合、第二の積層工程において、流れ方向(MD方向)のライン速度は100m/分であり、スクリュー回転数は80rpmであり、かつダイ下の押出温度は300〜305℃であることが好ましい。また、第三の積層工程において、ライン速度(MD方向)は110m/分であり、スクリュー回転数は80rpmであり、かつダイ下の押出温度は320〜325℃であることが好ましい。
所望により、蓋材の製造方法は、第三の積層工程後に、得られた第三の積層体を所定の形状に打ち抜いて、蓋材を得る打ち抜き工程を含んでよい。
打ち抜き工程は、例えば、ロータリーカッターで第三の積層体をシートの形態に切断し、裁断機で複数の枚葉にしてから、打ち抜き装置で枚葉を個別に蓋材の形状に打ち抜くことにより行なわれることができる。
<容器>
容器は、開口部を有し、かつ開口部に物を入れることができる器である。また、容器の開口部は、蓋材により密封されることができる。
臭気、酸素及び水蒸気に対する遮蔽性、断熱性、耐熱性などの性質を考慮すると、容器は、ポリプロピレンから成るか、ポリプロピレンを含むか、又はポリプロピレンでコーティングされていることが好ましい。
容器は、例えば、容器の開口部の周縁に、蓋材を結合させるために使用されるフランジ部を有していてもよい。
容器には、固体、液体、気体、ゲルなどの内容物を収納することができる。例えば、飲料、ポットヌードル、やきそば、パスタ、みつ豆、くずきり、ところてん、杏仁豆腐などの食料品;化学薬品、化粧品、洗剤、芳香剤、医薬品などの物品;空気、酸素などのガス状物質を容器に収納することができる。
<蓋付容器>
蓋付容器は、蓋材の周縁と容器とをヒートシールすることにより得られる。
具体的には、蓋材のシーラント層側と容器のフランジ部とがヒートシールされていることが好ましい。
また、フェザーリングを防止するために、蓋材のシーラント層側と容器のフランジ部とを140℃以上かつ230℃以下の温度でヒートシールして、蓋付容器を形成することが好ましい。
なお、一般に、「フェザーリング」は、蓋付容器から蓋を剥離したときに、蓋材に由来する樹脂が剥離面に繊維状に残る現象を意味し、「糸引き」とも呼ばれる。
さらに、ブリスター(気泡)の発生を防ぐために、蓋材のシーラント層側と容器のフランジ部とのシール温度の範囲は、140℃以上かつ230℃以下であることが好ましく、140℃以上かつ180℃以下であることがより好ましい。
本発明の実施形態では、蓋付容器がカップの形態であるときに、蓋にとって好ましい開封強度の範囲は、約0.9kg/カップ〜約2.0kg/カップであることが好ましい。
また、本発明の実施形態では、蓋付容器がカップの形態であるときに、蓋にとって好ましいピール強度の範囲は、約0.15kg/カップ〜約0.5kg/カップであることが好ましい。
また、本発明の実施形態では、カールを低減し、蓋材を枚葉納めに適応させることができる。
さらに、本発明の実施形態では、金属箔と中間層の間のラミネート強度及び中間層とシーラント層の間のラミネート強度が、ポリプロピレン容器とシーラント層との開封強度より強いので、蓋付容器から蓋を剥離するときに、蓋材を構成している複数の層の間での剥離を抑制することができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
中間層の押出し適性の確認試験
下記表1に示されるように、リニヤー低密度ポリエチレン(LLDPE)の種類、エチレン・メタクリル酸コポリマー(EMAA)の種類、及びLLDPEとEMAAの質量を基準とした配合比を決定して、LLDPE及び/又はEMAAから参考例1〜19の中間層用樹脂組成物を調製した。
メルトフローレート測定装置(立山科学工業株式会社製、型番:メルトインデクサ L248)を用いて、参考例1〜19の中間層用樹脂組成物のMFRを測定した。
また、密度測定装置(アルファーミラージュ株式会社製、型番:電子比重計 MD−300S)を用いて、JIS K 7112に従って参考例1〜19の中間層用樹脂組成物の密度を測定した。
参考例1〜19の中間層用樹脂組成物のMFR及び密度を下記表1に示す。
押出しシングルラミネーターを用いて、100m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300〜305℃以上のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、参考例1〜19の中間層用樹脂組成物を押し出して、目視で観察した。
具体的には、サージングの有無、樹脂の追従性の有無などを観察した。観察結果を下記表1に示す。
Figure 0006218490
(表1中の型番の説明)
SP00108C:12(g/10分)のMFR及び904(kg/m)の密度を有するLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)
SP1071C:10(g/10分)のMFR及び911(kg/m)の密度を有するLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリュー[SP1071C]」)
AN4228C:4重量%の酸成分を含むEMAA(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製「ニュクレル[AN4228C]」)
N0908C:9重量%の酸成分を含むEMAA(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製「ニュクレル[N0908C]」)
N1108C:11重量%の酸成分を含むEMAA(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製「ニュクレル[N1108C]」)
表1から、LLDPE:EMAA=7:3の配合比で、サージングがなく、良好な押出しを達成した樹脂組成物は、LLDPE(SP00108C)とEMAA(AN4228C)の組み合わせであることが分かる。
また、SP00108CとAN4228CのMFRの値が近似しているので、両者の混合物は、サージングを起こし難いと考えられる。
さらに、表1から、酸成分が少ない(4重量%)EMAAは、多量のエチレン成分を含むので、LLDPEと混合した際に相溶し易くなると考えられる。それ故に、酸成分が多い(9重量%又は11重量%)EMAAを用いるとサージング現象が起きるが、酸成分の少ない(4重量%)EMAAは用いるとサージング現象が起きなかったと考えられる。
金属箔と中間層の間のラミネート強度の測定
下記表2に示されるように、LLDPEとEMAAの質量を基準とした配合比を決定して、LLDPE及び/又はEMAAから参考例20〜28の中間層用樹脂組成物を調製した。
押出しシングルラミネーターを用いて、100m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300〜305℃以上のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、参考例20〜28の中間層用樹脂組成物を、基材にアルミ箔を積層した第一の積層体のアルミ箔(東洋アルミ千葉株式会社製 型番:1N30)側に押出しラミネートして、幅788mmの積層体を作製した。
また、押出しラミネート時に、押出し樹脂を目視で観察して、サージングの有無、樹脂の追従性の有無などを確認した。観察結果を下記表2に示す。
70質量%のLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)と30質量%のα−オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製「タフマー[A−1070S]」)を混合して、シーラント層用樹脂組成物Aを得た。
押出しシングルラミネーターを用いて、110m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300℃以上のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、シーラント層用樹脂組成物Aを中間層に押し出して、シーラント層Bを得た。
得られた積層体を15mm幅に切り取り、引張試験機(株式会社東洋精機製作所製、型番:ストログラフ VES1D)を用いて、JIS K6854−3に従って、切片のアルミ箔と中間層の間のラミネート強度を測定した。測定結果を下記表2に示す。
Figure 0006218490
(表2中の型番の説明)
SP00108C:12(g/10分)のMFR及び904(kg/m)の密度を有するLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)
AN4228C:4重量%の酸成分を含むEMAA(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製「ニュクレル[AN4228C]」)
中間層とシーラント層の間のラミネート強度の測定
<同一のシーラント層を使用して、中間層の組成を変化させる場合>
下記表3に示されるように、LLDPEとEMAAの質量比を決定して、LLDPE及び/又はEMAAから参考例29〜37の中間層用樹脂組成物を調製した。
押出しシングルラミネーターを用いて、100m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300〜305℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、参考例29〜37の中間層用樹脂組成物を、基材にアルミ箔を積層した第一の積層体のアルミ箔(東洋アルミ千葉株式会社製 型番:1N30)側に押出しラミネートして、幅788mmの積層体を作製した。
70質量%のLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)と30質量%のα−オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製「タフマー[A−1070S]」)を混合して、シーラント層用樹脂組成物Aを得た。
押出しシングルラミネーターを用いて、110m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び320〜325℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、シーラント層用樹脂組成物Aを中間層に押し出して、シーラント層Bを得た。
得られた積層体を15mm幅に切り取り、引張試験機(株式会社東洋精機製作所製、型番:ストログラフ VES1D)を用いて、JIS K6854−3に従って、切片の中間層とシーラント層の間のラミネート強度を測定した。測定結果を下記表3に示す。
Figure 0006218490
(表3中の型番の説明)
SP00108C:12(g/10分)のMFR及び904(kg/m)の密度を有するLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)
AN4228C:4重量%の酸成分を含むEMAA(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製「ニュクレル[AN4228C]」)
なお、表3中の「剥離できず」は、良好な観察結果を示すことを理解されたい。
<同一の中間層を使用して、シーラント層の組成を変化させる場合>
70質量%のLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)と30質量%のEMAA(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製「ニュクレル[AN4228C]」を混合して、中間層用樹脂組成物Cを得た。
押出しシングルラミネーターを用いて、100m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300〜305℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、中間層用樹脂組成物Cを、基材にアルミ箔を積層した第一の積層体のアルミ箔層側に押し出して、中間層Dを得た。
下記表4に示されるように、α−オレフィンコポリマーの種類、及びLLDPEとα−オレフィンコポリマーの質量比を決定して、LLDPE及び/又はα−オレフィンコポリマーから参考例38〜46のシーラント層用樹脂組成物を調製した。
押出しシングルラミネーターを用いて、110m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び320〜325℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、参考例38〜46のシーラント層用樹脂組成物をそれぞれ中間層Dに押出しラミネートして、幅788mmの積層体を作製した。
得られた積層体を15mm幅に切り取り、引張試験機(株式会社東洋精機製作所製、型番:ストログラフ VES1D)を用いて、JIS K6854−3に従って、切片の中間層とシーラント層の間のラミネート強度を測定した。ラミネート強度の測定結果、及び押出時のシーラント層用樹脂組成物の状況を下記表4に示す。
Figure 0006218490
(表4中の型番の説明)
SP00108C:12(g/10分)のMFR及び904(kg/m)の密度を有するLLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)
A−1070S:α−オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製「タフマー[A−1070S]」)
P−0480:α−オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製「タフマー[P−0480]」)
なお、表2〜4について、蓋材が「良品」として認められるためには、アルミ箔と中間層の間のラミネート強度、及び中間層とシーラント層の間のラミネート強度が、どちらも2.5(N/15mm)以上であることが求められる点を理解されたい。
また、表4から、シーラント層用樹脂組成物中のα−オレフィンコポリマーの含有率が約70質量%を下回ると、シーラント層用樹脂組成物のベタつきが抑制されるので、シーラント層用樹脂組成物を加工し易くなることも分かる。
蓋材及び蓋付容器の作製、並びに蓋材の剥離試験
[実施例1]
表1〜4に示される結果を考慮して、以下に示される材料を用意した:
紙:坪量80g/m 大王製紙株式会社製(型番:竜王コート80g/m
PETフィルム:株式会社KOLON製 ASTROLL POLYESTER FILM
PE:東ソー株式会社製(型番:ペトロセン205)
アルミ箔:東洋アルミ千葉株式会社製(型番:1N30)
接着剤:DIC株式会社製(型番:主剤LX−500/硬化剤KW−75)
中間層用樹脂組成物:LLDPE(70質量%)とEMAA(30質量%)の混合物
シーラント層用樹脂組成物:LLDPE(70質量%)とα−オレフィンコポリマー(30質量%)の混合物
LLDPE:株式会社プライムポリマー製(型番:エボリューP[SP00108C])
EMAA:三井・デュポン ポリケミカル株式会社製(型番:ニュクレル[AN4228C])
α−オレフィンコポリマー:三井化学株式会社製(型番:タフマー[A−1070S])
容器:内面にポリプロピレンシートが積層された紙製カップ
<蓋材の作製>
ラミネーターを用いて、PETフィルムに接着剤を塗布し、アルミ箔をドライラミネートして、積層体aを作製した。
ラミネーターを用いて、紙と積層体aのPETフィルム側との間にPEを押出しラミネートして、積層体bを作製した。
押出しシングルラミネーターを用いて、100m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び300〜305℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、積層体bのアルミ箔側に、中間層用樹脂組成物を押出しラミネート(バックラミネート)して、積層体cを作製した。
押出しシングルラミネーターを用いて、110m/分のライン速度(MD方向)、80rpmのスクリュー回転数、及び320〜325℃のダイ下で測定された押出温度という加工条件下で、積層体cの中間層側に、シーラント層用樹脂組成物を押出しラミネート(バックラミネート)して、積層体dを作製した。
得られた積層体dをロータリーカッターでシート状にカットし、裁断機で枚葉にした。その後、個別打ち抜き装置で枚葉を蓋材形状に打ち抜いて、蓋材を得た。
得られた蓋材は、「紙(80)/PE(18)/PET(8)//アルミ箔(6.5)/中間層(25)/シーラント層(25)」という層構成を有していた。
なお、上記層構成中の「/」は、押出しラミネートを表し、「//」は、ドライラミネートを表し、そして括弧内の数値は、厚み(μm)を表す。
<蓋付容器の作製>
ヒートシール試験機を用いて、下記表5に示されるように、約140℃〜約230℃のシールバー温度で、得られた蓋材のシーラント層側と容器のフランジ部とをヒートシールして、蓋付容器を得た。
<ブリスターの確認>
得られた蓋付容器のヒートシール部分を目視で観察して、ブリスターの有無を以下の基準に従って評価した。ブリスターの評価を下記表5に示す。
(ブリスターの評価基準)
○:ブリスターの発生が目視で確認されない。
△:ブリスターの発生が目視で確認される。
<剥離試験>
計測スタンド、引張冶具及び引張試験機を用いて、下記表5に示されるシールバー温度で得られた蓋付容器のそれぞれについて剥離試験を行なって、開封強度(kg/カップ)及びピール強度(kg/カップ)を測定するとともに、蓋付容器の剥離部を目視で観察し、フェザーリングの有無を以下の基準に従って評価した。剥離試験の結果を下記表5に示す。
(フェザーリング評価基準)
○:フェザーリングの発生が目視で確認されない。
×:フェザーリングの発生が目視で確認される。
Figure 0006218490
なお、表5中の開封強度(kg/カップ)及びピール強度(kg/カップ)は、5回の測定の平均値を表す。
[実施例2〜8]
<蓋材の作製>
表6中の実施例2〜8の欄に示されるように、LLDPEとα−オレフィンコポリマーの配合比を変え、かつ/又はα−オレフィンコポリマーとして三井化学株式会社製「タフマー[P−0480]」を使用すること以外は、実施例1と同様に蓋材を得た。
<蓋付容器の作製>
ヒートシール試験機を用いて、約160℃のシールバー温度で、得られた蓋材のシーラント層側と容器のフランジ部とをヒートシールして、蓋付容器を得た。
実施例1と同様に、蓋付容器のブリスター評価、剥離試験及びフェザーリング評価を行った。結果を下記表6に示す。
[比較例1]
<蓋材の作製>
表6中の比較例1の欄に示されるように、LLDPE(株式会社プライムポリマー製「エボリューP[SP00108C]」)のみを使用してシーラント層を得たこと以外は、実施例1と同様に蓋材を得た。
<蓋付容器の作製>
ヒートシール試験機を用いて、約160℃のシールバー温度で、得られた蓋材のシーラント層側と容器のフランジ部とをヒートシールして、蓋付容器を得た。
実施例1と同様に、蓋付容器のブリスター評価、剥離試験及びフェザーリング評価を行った。結果を下記表6に示す。
Figure 0006218490
本発明は、開口部を有する容器を密封するための蓋の製造に利用されることができる。
1 蓋材
2 基材
3 金属箔
4 中間層
5 シーラント層

Claims (11)

  1. 容器の開口部を密封するための蓋材であって、
    順に積層されている基材、金属箔、中間層及びシーラント層を含み、
    前記中間層は、リニヤー低密度ポリエチレン、及びエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーを含み、かつ
    前記シーラント層は、リニヤー低密度ポリエチレン、及びエチレン・プロピレンコポリマー又はエチレン・1−ブテンコポリマーを含む、
    容器の開口部を密封するための蓋材。
  2. 前記エチレン・メタクリル酸コポリマー又は前記エチレン・アクリル酸コポリマー中の酸成分の含有率が、4重量%以下である、請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記リニヤー低密度ポリエチレンと前記エチレン・メタクリル酸コポリマー又は前記エチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物が、JIS K 7112に準じて測定されたときに、895kg/m以上かつ904kg/m以下の密度を有する、請求項1又は2に記載の蓋材。
  4. 前記リニヤー低密度ポリエチレンと前記エチレン・プロピレンコポリマー又は前記エチレン・1−ブテンコポリマーとの混合物に対する前記エチレン・プロピレンコポリマー又は前記エチレン・1−ブテンコポリマーの重量比が、0.01以上かつ0.7未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の蓋材と前記容器とを有し、かつ前記蓋材の前記シーラント層側と前記容器のフランジ部とがヒートシールされている、蓋付容器。
  6. 前記容器は、ポリプロピレンから成るか、ポリプロピレンを含むか、又はポリプロピレンでコーティングされている、請求項に記載の蓋付容器。
  7. 前記蓋材の前記シーラント層側と前記容器の前記フランジ部とを140℃以上かつ180℃以下の温度でヒートシールすることにより得られる、請求項5又は6に記載の蓋付容器。
  8. 基材に金属箔を積層して、第一の積層体を得る第一の積層工程;
    前記第一の積層体の前記金属箔側に、リニヤー低密度ポリエチレンとエチレン・メタクリル酸コポリマー又はエチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物を適用し、前記金属箔上に中間層を形成して、第二の積層体を得る第二の積層工程;及び
    前記第二の積層体の前記中間層側に、リニヤー低密度ポリエチレンとエチレン・プロピレンコポリマー又はエチレン・1−ブテンコポリマーとの混合物を適用し、前記中間層上にシーラント層を形成して、第三の積層体を得る第三の積層工程
    を含む、容器の開口部を密封するための蓋材の製造方法。
  9. 前記第二の積層工程及び前記第三の積層工程は、それぞれシングルラミネート法により行われる、請求項に記載の方法。
  10. 前記エチレン・メタクリル酸コポリマー又は前記エチレン・アクリル酸コポリマー中の酸成分の含有率が、4重量%以下である、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記リニヤー低密度ポリエチレンと前記エチレン・メタクリル酸コポリマー又は前記エチレン・アクリル酸コポリマーとの混合物が、JIS K 7112に準じて測定されたときに、895kg/m 以上かつ904kg/m 以下の密度を有する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
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