JP6217870B2 - 構造体、配線基板および配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、配線基板の製造に用いられる構造体、配線基板および配線基板の製造方法に関する。
半導体素子の最外層におけるパッド部の開口形成プロセスとして、以下の文献に記載されたプロセスが知られている。
特許文献1には、以下のようなプロセスが記載されている。
まず、熱硬化性樹脂組成物を用いてソルダーレジスト層を形成する。次いで、ソルダーレジスト層を、基板上に形成された導電パッドの表面を覆うように積層させて構造体(積層体)を得る。次に、上記導電パッドが露出するように、たとえば、炭酸ガスレーザーをソルダーレジスト層に対して照射して開口部を形成する。この後、デスミア処理とプラズマ処理をこの順で行うことにより、露出した導電パッド表面に付着している樹脂残留物(スミア)を除去して配線基板を得る。つづいて、露出した導電パッド上にハンダバンプやボンディングワイヤを接続させる。
まず、熱硬化性樹脂組成物を用いてソルダーレジスト層を形成する。次いで、ソルダーレジスト層を、基板上に形成された導電パッドの表面を覆うように積層させて構造体(積層体)を得る。次に、上記導電パッドが露出するように、たとえば、炭酸ガスレーザーをソルダーレジスト層に対して照射して開口部を形成する。この後、デスミア処理とプラズマ処理をこの順で行うことにより、露出した導電パッド表面に付着している樹脂残留物(スミア)を除去して配線基板を得る。つづいて、露出した導電パッド上にハンダバンプやボンディングワイヤを接続させる。
しかしながら、特許文献1等に記載されている従来のプロセスは、以下の技術的課題を有していた。配線基板の製造現場においては、実際、当該配線基板として、複数の回路と複数の導電パッドとを備えたものを作製する場合がほとんどである。そのため、従来のプロセスにおいても、作業性や生産性の観点から、複数の開口部を一回のエッチング処理により同時に形成する必要があった。そして、複数の開口部を同時に形成する場合、各開口部間でエッチング処理度合いにバラつきが生じることがあった。
こうした事情を踏まえると、従来のプロセスでは、形成する全ての開口部において導電パッドを確実に露出させるため、先に導電パッドが露出した開口部についてもエッチング処理を継続する必要が有った。その結果、いくつかの開口部においては導電パッドやコア基板の表面に対してエッチングダメージが加わる可能性があった。さらに、エッチングダメージのある、導電パッドやコア基板を備えた配線基板を用いて作製された半導体パッケージは、コア基板の耐久性や、導電パッドと当該導電パッド上に形成される、ハンダバンプやボンディングワイヤとの接続信頼性という点について、改善の余地を有していた。言い換えれば、従来のプロセスは、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージの歩留りが十分に向上しないという問題があった。
そこで、本発明は、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留りよく作製することが可能な配線基板の製造に用いられる構造体、係る構造体を用いた配線基板、および、係る配線基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、コア基板と、
前記コア基板の少なくとも一方の面上に設けられた導電パターンと、
前記導電パターンおよび前記コア基板の前記一方の面を覆うようにし、かつ、これらに直接接触して設けられたソルダーレジスト層とを有し、
前記コア基板の前記一方の面は、前記導電パターンが接触する第1の領域と、前記第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも前記第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性が、前記ソルダーレジスト層の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴とする構造体が提供される。
前記コア基板の少なくとも一方の面上に設けられた導電パターンと、
前記導電パターンおよび前記コア基板の前記一方の面を覆うようにし、かつ、これらに直接接触して設けられたソルダーレジスト層とを有し、
前記コア基板の前記一方の面は、前記導電パターンが接触する第1の領域と、前記第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも前記第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性が、前記ソルダーレジスト層の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴とする構造体が提供される。
さらに、本発明によれば、コア基板と、前記コア基板の少なくとも一方の面上に設けられた導電パターンと、前記導電パターンおよび前記コア基板の前記一方の面を覆うようにし、かつ、これらに直接接触して設けられたソルダーレジスト層とを有する構造体であって、かつ前記ソルダーレジスト層が前記構造体の最外層に積層されてなる前記構造体を準備する工程と、
前記ソルダーレジスト層に対してブラスト処理を実施することにより、前記ソルダーレジスト層を貫通して、前記コア基板の前記一方の面の一部と前記導電パターンの一部とが露出する少なくとも1つの開口部を形成する工程と、
をこの順に有し、
前記開口部を形成する工程は、前記ソルダーレジスト層のうち、前記開口部を形成する領域にブラスト処理を行うことによって開口を形成する工程を含み、
前記コア基板の前記一方の面は、前記導電パターンが接触する第1の領域と、前記第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも前記第2の領域の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性が、前記ソルダーレジスト層の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
前記ソルダーレジスト層に対してブラスト処理を実施することにより、前記ソルダーレジスト層を貫通して、前記コア基板の前記一方の面の一部と前記導電パターンの一部とが露出する少なくとも1つの開口部を形成する工程と、
をこの順に有し、
前記開口部を形成する工程は、前記ソルダーレジスト層のうち、前記開口部を形成する領域にブラスト処理を行うことによって開口を形成する工程を含み、
前記コア基板の前記一方の面は、前記導電パターンが接触する第1の領域と、前記第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも前記第2の領域の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性が、前記ソルダーレジスト層の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留りよく作製することが可能な配線基板の製造に用いられる構造体、係る構造体を用いた配線基板、および係る配線基板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、本実施形態に係る構造体および配線基板について説明する。
まず、本実施形態に係る構造体および配線基板について説明する。
<構造体および配線基板>
図1(a)は、本実施形態に係る構造体の一例を模式的に示す断面図であり、図1(b)は、本実施形態に係る配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る構造体1000は、本実施形態の配線基板20の製造に用いられる。構造体1000は、図1(a)に示すように、コア基板22と、コア基板22の少なくとも一方の面上(本実施形態では、コア基板22の各表面上)に設けられた導電パターン24と、導電パターン24を覆うように、コア基板22の各表面上に設けられたソルダーレジスト層10と、を有する。この構造体1000のソルダーレジスト層10の所定領域にブラスト処理を実施することにより、構造体1000(ソルダーレジスト層10)に開口部28が形成された配線基板20を得ることができる(図1(b)参照)。すなわち、配線基板20は、上記構造体1000のソルダーレジスト層10を貫通して設けられ、コア基板22の各表面の一部と導電パターン24の一部とが露出する複数の開口部28を有している。
図1(a)は、本実施形態に係る構造体の一例を模式的に示す断面図であり、図1(b)は、本実施形態に係る配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る構造体1000は、本実施形態の配線基板20の製造に用いられる。構造体1000は、図1(a)に示すように、コア基板22と、コア基板22の少なくとも一方の面上(本実施形態では、コア基板22の各表面上)に設けられた導電パターン24と、導電パターン24を覆うように、コア基板22の各表面上に設けられたソルダーレジスト層10と、を有する。この構造体1000のソルダーレジスト層10の所定領域にブラスト処理を実施することにより、構造体1000(ソルダーレジスト層10)に開口部28が形成された配線基板20を得ることができる(図1(b)参照)。すなわち、配線基板20は、上記構造体1000のソルダーレジスト層10を貫通して設けられ、コア基板22の各表面の一部と導電パターン24の一部とが露出する複数の開口部28を有している。
そして、本実施形態に係る構造体1000においては、コア基板22の両面は、導電パターン24が接触する第1の領域と、第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性が、ソルダーレジスト層10のブラスト処理に対するエッチング耐性より高い。このような構造体1000を用いることにより、開口部28に露出した導電パッド24やコア基板22の表面に対するエッチングダメージが抑えられた配線基板20を得ることができる。したがって、かかる配線基板20を用いることにより、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留りよく作製することができる。なお、本実施形態の構造体1000では、後述するように、コア基板22の最外層(最上層)をエッチング阻止膜で構成することができる。かかる構造体1000では、上記第1の領域および上記第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性を、ソルダーレジスト層10のブラスト処理に対するエッチング耐性よりも高くすることができる。かかる構成とすることで、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを、より容易に、かつ、より高い歩留りで作成することができる配線基板20を得ることができる。
本発明者は、従来の構造体に対して開口部を形成することにより得られた配線基板について、複数ある開口部の内いくつかの開口部においては導電パッドやコア基板の表面に対してエッチングダメージが加わる可能性があることを見出した。さらに、本発明者は、上記従来の構造体を用いて作製された半導体パッケージは、コア基板の耐久性や、導電パッドと、当該導電パッド上に形成されるハンダバンプやボンディングワイヤとの接続信頼性について、改善の余地を有していることも見出した。
本発明者は、上述した不都合が生じることのない半導体パッケージを実現するための設計指針について鋭意検討した結果、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留りよく作製することが可能な構造体を実現するためには、ブラスト処理に対するコア基板22の最外層と、ソルダーレジスト層10とのエッチング耐性度合のバランスを制御することが有効であることを見出した。したがって、本実施形態では、上記構造体1000を用いて製造される配線基板20が、ブラスト処理を実施することにより得られた複数の開口部28を有することを前提としている。
また、コア基板22の最外層のうち、導電パターン24が接触しない上記第2の領域のエッチング耐性が、ソルダーレジスト層10のエッチング耐性よりも高ければ、露出した導電パッド24やコア基板22の表面に対するエッチングダメージを抑えることができる。したがって、かかる構成でも、コア基板22の最外層全体のエッチング耐性を、ソルダーレジスト層10のエッチング耐性よりも高くした場合と同様の効果を得ることができる。
また、コア基板22の最外層のうち、導電パターン24が接触しない上記第2の領域のエッチング耐性が、ソルダーレジスト層10のエッチング耐性よりも高ければ、露出した導電パッド24やコア基板22の表面に対するエッチングダメージを抑えることができる。したがって、かかる構成でも、コア基板22の最外層全体のエッチング耐性を、ソルダーレジスト層10のエッチング耐性よりも高くした場合と同様の効果を得ることができる。
ここで、構造体1000に開口部28を形成して配線基板20を得る際に実施するブラスト処理とは、平均粒子径(D50)が1μm以上70μm以下の粒子を吹き付けて該当箇所を研磨加工する手法であるサンドブラスト処理やウェットブラスト処理等が挙げられる。本実施形態では、ブラスト処理として、上記ブラスト処理の中でもたとえば、平均粒子径(D50)が1μm以上25μm以下の微細粒子を吹き付けて該当箇所を研磨加工するマイクロブラスト処理を用いることが好ましい。マイクロブラスト処理では、平均粒子径(D50)が30μm以上の粒子を吹き付けるサンドブラスト処理よりも研磨する力(研磨力)が抑えられるため、露出した導電パッド24やコア基板22の表面に対するエッチングダメージをより確実に抑えることができる。また、研磨される開口部28の深さや、開口部28を規定する側壁部分の形状を、高い精度で制御することができる。すなわち、高い研磨精度(加工精度)で開口部28を形成することができる。
次に、上述したエッチング耐性とは、エッチング処理として本実施形態に係るブラスト処理を採用した場合における、各種部材が当該処理により選択的に除去される効率、例えば、表面加工量、表面加工速度等で示される。
本実施形態に係る構造体1000は、上述したようにコア基板22の最外層のブラスト処理に対するエッチング耐性が、ソルダーレジスト層10のブラスト処理に対するエッチング耐性より高くなるよう制御した構成を採用するものである。こうすることで、従来の半導体パッケージにおいて生じていた不都合を抑制することができる。そのため、本実施形態に係る構造体1000を用いた場合、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留まり良く作製することが可能な配線基板20を得ることができる。
そして、本実施形態に係る構造体1000において、上述したエッチング耐性を表面加工量で示す場合、コア基板22の最外層のブラスト処理に対する表面加工量は、ソルダーレジスト層10のブラスト処理に対する表面加工量の10倍以上であることが好ましい。こうすることで、配線基板20を構成する全ての開口部28において導電パッド22を確実に露出させるため、配線基板20の製造時にオーバーエッチングした場合であっても、全ての開口部28において、導電パターン24やコア基板22の表面に対するエッチングダメージをより確実に抑制することができる。それ故、かかる構成を採用した構造体1000を用いた場合、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留りよく作製することが可能な配線基板20を得ることができる。
本実施形態に係る構造体1000は、上述したように、コア基板22の最外層およびソルダーレジスト層10のそれぞれのブラスト処理に対するエッチング耐性度合を制御した構成を採用している。そのため、かかるコア基板22の最外層は、ブラスト処理に対応したエッチング阻止膜により形成されていることが好ましい。
このエッチング阻止膜は、少なくとも1つの絶縁層を含む公知のコア基板を作製する工程において後述する所定の樹脂材料(熱硬化性樹脂組成物(X))で形成した最外層自体であってもよいし、少なくとも1つの絶縁層を含む公知のコア基板の最外層に対して積層した、後述する所定の樹脂材料(熱硬化性樹脂組成物(X))で形成した樹脂膜であってもよい。なお、コア基板22が備える絶縁層は、たとえば繊維基材に樹脂組成物を含浸してなる樹脂基材を指す。また、本実施形態に係るコア基板22は、熱硬化性樹脂で形成することができる。かかるコア基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。また、コア基板22における最外層の厚さは、たとえば、3μm以上20μm以下とすることができる。
このエッチング阻止膜は、少なくとも1つの絶縁層を含む公知のコア基板を作製する工程において後述する所定の樹脂材料(熱硬化性樹脂組成物(X))で形成した最外層自体であってもよいし、少なくとも1つの絶縁層を含む公知のコア基板の最外層に対して積層した、後述する所定の樹脂材料(熱硬化性樹脂組成物(X))で形成した樹脂膜であってもよい。なお、コア基板22が備える絶縁層は、たとえば繊維基材に樹脂組成物を含浸してなる樹脂基材を指す。また、本実施形態に係るコア基板22は、熱硬化性樹脂で形成することができる。かかるコア基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。また、コア基板22における最外層の厚さは、たとえば、3μm以上20μm以下とすることができる。
また、コア基板22は、1つの絶縁層のみを有し、その片面のみに導電パターン24が形成された片面板でも良いし、1つの絶縁層のみを有し、その表裏面の両方に導電パターン24が設けられた両面板でも良いし、2層以上の絶縁層を有する多層板でもよい。コア基板22が多層板である場合、コア基板22内には2つの絶縁層に挟まれた配線層が一層以上形成される。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の一方の面(最外面)上に設けられた導電パターン24は、コア基板22の他方の面(最外面)上に設けられた導電パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホールを介して互いに電気的に接続されている。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の一方の面(最外面)上に設けられた導電パターン24は、コア基板22の他方の面(最外面)上に設けられた導電パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホールを介して互いに電気的に接続されている。
コア基板22の表面と裏面の少なくとも一方の面(最外面)には、導電パターン24が設けられている。導電パターン24はたとえばコア基板22に積層された銅膜を選択エッチングして形成されたパターンである。導電パターン24は、導電部として少なくともランド244とライン242とを含む。ランド244は主に、配線基板20に実装される素子や部品と導電パターン24とを電気的に接続する接続部であり、たとえば導電パターン24の他の部分もしくはコア基板22内の配線層に接続された円形や四角形の部分である。なお、ランド244の中心には電子部品の端子等を挿入するホールが設けられていても良い。そして、ライン242は主に、ランド244同士を互いに電気的に接続する線状の部分である。
導電パターン24上には、後述する熱硬化性樹脂組成物(P)により形成されたソルダーレジスト層10が積層されている。ソルダーレジスト層10には、主にランド244が設けられた領域に開口部28が設けられており、ランド244はソルダーレジスト層10に被覆されていない。すなわち、ランド244の上にはソルダーレジスト層10が設けられておらず、ランド244が開口部28に露出している。なお、ランド244の上には、たとえばニッケルおよび金のめっき膜や半田のめっき膜などの導電膜が積層されていてもよい。本実施形態に係る配線基板20では、開口部28に位置するランド244の上にめっき膜246がさらに設けられている。ソルダーレジスト層10にはさらにランド244以外の部分に開口部が設けられていても良いし、ライン242の一部を露出させるような開口部があってもよい。また、ランド244の全てが開口部に位置する必要は無く、ソルダーレジスト層10に覆われたランド244があってもよい。
構造体1000のソルダーレジスト層10は、その表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上であることが好ましく、0.25μm以上であることがより好ましい。また、Raは0.50μm以下とすることが好ましく、0.40μm以下とすることがより好ましい。算術平均粗さRaはJIS−B0601に準拠して測定することができる。Raが上記下限以上、上限以下であることによって、温度変化によるソルダーレジスト層10と封止樹脂との密着性の変動が小さく、安定した耐久性が得られる。また、Raが上記上限以下であれば、ソルダーレジスト層10上に液状封止樹脂の転写を行う場合に、高いパターニング精度が得られる。よって、トランスファー成形などに限らず、プロセスの選択自由度に優れる。たとえばパターニング精度が十分得られない場合、樹脂封止する際にソルダーレジスト層10上の不要な部分に封止樹脂が形成されてしまい、パッケージが不良となるため、塗布法や転写法での封止樹脂の成形ができない。従って、Raが上記上限値以下であり、かつ上記下限値以上であることにより、パターニング精度との耐久性の性能バランスの良い配線基板20を実現できる。
ソルダーレジスト層10のガラス転移温度(Tg)は、たとえば150℃以上であることが好ましい。これにより、ソルダーレジスト層10の耐熱性および耐リフロー性の向上等を図ることが可能となる。一方で、上記Tgの上限値は、とくに限定されないが、たとえば280℃とすることができる。
ソルダーレジスト層10の25℃における貯蔵弾性率は1GPa以上であることが好ましく、5GPa以上であることがより好ましい。また、20GPa以下であることが好ましい。上記上限値以下であり、かつ上記下限値以上であれば、耐久性に優れるパッケージをより歩留りよく製造可能な配線基板20を得ることができる。
本実施形態において、上記貯蔵弾性率および上記Tgは、たとえば、ソルダーレジスト層10を構成する熱硬化性樹脂組成物(P)の樹脂膜に対して、動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行うことにより得られる測定結果から、算出することができる。動的粘弾性測定装置としては、とくに限定されないが、たとえばTAインスツルメント社製、DMA983を用いることができる。
ソルダーレジスト層10の線膨張率は、Tg以下において、10ppm/℃以上であることが好ましい。また、50ppm/℃以下であることが好ましい。上記上限値以下であり、かつ上記下限値以上であれば、耐久性に優れるパッケージをより歩留りよく製造可能な配線基板20を得ることができる。 本実施形態においては、熱硬化性樹脂組成物(P)の樹脂膜に対して、たとえば熱機械測定装置を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することにより得られる線膨張係数の、25〜50℃における平均を算出して、これをTg以下における上記線膨張率とすることができる。
なお、本実施形態では、たとえば後述する熱硬化性樹脂組成物(P)中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物(P)の調製方法等を適切に選択することにより、上記貯蔵弾性率、上記Tg、および上記線膨張率を制御することが可能である。
また、構造体1000を用いて製造される配線基板20は、たとえばインターポーザもしくはマザーボードとして用いることができる。
パッケージや電子装置の製造のためには、構造体1000から配線基板20を製造した後、配線基板20上に封止樹脂を形成する。かかる配線基板20を用いたパッケージ等の完成品においては、ソルダーレジスト層10と封止樹脂との間の高い密着性を、歩留まり良く確保できる。よって、耐久性、耐湿性に優れ、信頼性の高いパッケージや電子装置を安定して製造することができる。なお、パッケージとは、配線基板20上に種々のパーツが搭載され、たとえば封止樹脂で一括封止されたものをいう。半導体パッケージはパッケージの一例であり、パッケージには、一括封止されたECU(Electric Control Unit)等も含む。
<半導体パッケージ>
図2は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る半導体パッケージ102は、上述した構造体1000を用いて製造した配線基板20と、配線基板20上に配設された半導体素子60と、配線基板20における半導体素子60を設けた面および半導体素子60を覆う封止樹脂40とを備える。なお、配線基板20におけるソルダーレジスト層10の吸水率は、0.7%以下であることが好ましい。こうすることで、長期絶縁信頼性に優れた半導体パッケージ102を実現することができる。
図2は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る半導体パッケージ102は、上述した構造体1000を用いて製造した配線基板20と、配線基板20上に配設された半導体素子60と、配線基板20における半導体素子60を設けた面および半導体素子60を覆う封止樹脂40とを備える。なお、配線基板20におけるソルダーレジスト層10の吸水率は、0.7%以下であることが好ましい。こうすることで、長期絶縁信頼性に優れた半導体パッケージ102を実現することができる。
本実施形態に係る半導体パッケージ102では、上述した配線基板20の一方の面(以下では「上面」と呼ぶ)のソルダーレジスト層10の上に、少なくとも1つの半導体素子60が配設されている。半導体パッケージ102において、配線基板20はたとえばインターポーザであり、半導体素子60は、たとえば半導体ウエハから切り出されたLSIチップである。また、配線基板20の上面には半導体素子60に加えて、たとえば抵抗や容量として機能する電子部品などがさらに配設されていてもよい。半導体素子60はダイアタッチ材62を介してソルダーレジスト層10の上に固定されている。
半導体素子60にはその表面に電気的な接続パッド(不図示)が設けられており、接続パッドはたとえば半導体素子60の内部に作り込まれた回路に接続されている。配線基板20に設けられた導電体パターン24の一部分であるランド244は、ソルダーレジスト層10の開口部28に設けられている。そして、ランド244と、半導体素子60上の接続パッドとは、ボンディングワイヤ50によって接続されている。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102では、ランド244の上にめっき膜246がさらに設けられており、ランド244はめっき膜246を介してボンディングワイヤ50に接続されているが、これに限定されない。また、ボンディングワイヤ50で接続される代わりにリード線や半田により接続されていても良い。
封止樹脂40は、配線基板20の上面に露出するソルダーレジスト層10と、コア基板22と、めっき膜246(めっき膜246を設けない場合はランド244)と、半導体素子60のうちダイアタッチ材62で配線基板20と接合された面以外の面と、ボンディングワイヤ50とを覆っている。なお、封止樹脂40は配線基板20の半導体素子60が設けられた面の全面を覆っていても良いし、当該面の一部を露出させて覆っていても良い。
半導体パッケージ102の配線基板20には、上面とは反対側の面(以下では「下面」と呼ぶ)にさらに複数の開口部28と、開口部28の内部のランド244が設けられている。そして、それぞれのランド244はめっき膜246に覆われ、さらにめっき膜246を覆うハンダバンプ(半田ボール)30が設けられている。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてワイヤボンディングされたパッケージの例について説明したが、これに限定されず、フリップチップ接続やTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてワイヤボンディングされたパッケージの例について説明したが、これに限定されず、フリップチップ接続やTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
半導体パッケージ102において、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40との間の、25℃におけるせん断強度をS1としたとき、S1は15N/mm2以上であることが好ましく、29N/mm2以上であることがより好ましい。当該せん断強度が、上記下限以上であれば、密着性に優れ、半導体パッケージ102の耐久性がより確実に向上する。
半導体パッケージ102において、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40との間の、260℃におけるせん断強度をS2としたとき、S2は8N/mm2以上であることが好ましい。上記下限以上であれば、半導体パッケージ102の耐久性がより確実に向上する。高温環境下での使用や、回路動作における発熱で半導体パッケージ102の温度が上がっても高い密着性が保たれるからである。
さらに、半導体パッケージ102において、S2/S1は0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。また、S2/S1は0.9以下とすることができる。S2/S1が上記下限以上であれば、半導体パッケージ102の耐久性がより確実に向上する。高温下での密着性の低下が効果的に抑制されるからである。
各温度におけるソルダーレジスト層10と封止樹脂40との間のせん断強度はたとえばせん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて測定することができる。
各温度におけるソルダーレジスト層10と封止樹脂40との間のせん断強度はたとえばせん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて測定することができる。
<電子装置>
図3は、本実施形態に係る電子装置の構造の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る電子装置70は、上述した半導体パッケージ102を備える。
図3は、本実施形態に係る電子装置の構造の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る電子装置70は、上述した半導体パッケージ102を備える。
電子装置70では、配線基板であるマザーボード710上に少なくとも1つの半導体パッケージ102が配設されている。マザーボード710は、上述した配線基板20であっても良いし、異なる配線基板であっても良い。半導体パッケージ102は、上述した配線基板20を含む半導体パッケージ102である。マザーボード710上には、半導体パッケージ102に加えてコネクタ、抵抗、容量などの必要な電子部品720が1つ以上配設されていても良い。
マザーボード710上に配設された半導体パッケージ102や、その他の電子部品720などは、ハンダバンプ30によって、マザーボード710の導電体パターン712のうち露出した導電部714に接続されている。半導体パッケージ102や電子部品720はマザーボード710に設けられた導電パターン712(配線)により互いに接続され、電子回路を構成する。
<配線基板の製造方法>
本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、少なくとも一方の面上に導電パターン24が設けられたコア基板22を準備し、上記導電パターン24を覆うようにコア基板22の最外層に対してソルダーレジスト層10を設けた構造体1000を準備する工程と、ソルダーレジスト層10を貫通して、コア基板22の上記一方の面の一部と、導電パターン24の一部とが露出する開口部28を形成する工程と、をこの順に含む。また、上記開口部28を形成する工程は、ソルダーレジスト層10のうち、開口部28を形成する領域にブラスト処理を行うことによって開口を形成する工程を含む。さらに、前述したように、コア基板22の少なくとも第2の領域(本実施形態では、コア基板22の最外層)のブラスト処理に対するエッチング耐性が、ソルダーレジスト層10のブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴としている。
本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、少なくとも一方の面上に導電パターン24が設けられたコア基板22を準備し、上記導電パターン24を覆うようにコア基板22の最外層に対してソルダーレジスト層10を設けた構造体1000を準備する工程と、ソルダーレジスト層10を貫通して、コア基板22の上記一方の面の一部と、導電パターン24の一部とが露出する開口部28を形成する工程と、をこの順に含む。また、上記開口部28を形成する工程は、ソルダーレジスト層10のうち、開口部28を形成する領域にブラスト処理を行うことによって開口を形成する工程を含む。さらに、前述したように、コア基板22の少なくとも第2の領域(本実施形態では、コア基板22の最外層)のブラスト処理に対するエッチング耐性が、ソルダーレジスト層10のブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴としている。
また、上述したエッチング耐性をソルダーレジスト層10とコア基板22の最外層に対して同一条件でブラスト処理を実施した場合におけるエッチング速度で示す場合、ソルダーレジスト層10に対するエッチング速度が、コア基板22の最外層に対するエッチング速度より速い。こうすることで、配線基板20を構成する全ての開口部28においてコア基板22を確実に露出させるため、開口部形成時にオーバーエッチングした場合であっても、全ての開口部28において導電パターン24やコア基板22の表面に対するエッチングダメージをより確実に抑制することができる。それ故、かかる構成を採用した配線基板20を用いた場合、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを歩留りよく作製することが可能である。
同様に、上述したエッチング耐性をソルダーレジスト層10とコア基板22の最外層に対して同一条件でマイクロブラスト処理を実施した場合における表面加工量で示す場合、ソルダーレジスト層10の表面加工量をX1とし、コア基板の最外層の表面加工量をX2としたとき、X1>X2となる。
図4は、本実施形態に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。図5および6は、本実施形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す模式図である。
図4に示すように、本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、上述した本実施形態の構造体1000を準備する工程(S102)と、ソルダーレジスト層10に開口部28を形成する工程(S104)とをこの順に含む。
図4に示すように、本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、上述した本実施形態の構造体1000を準備する工程(S102)と、ソルダーレジスト層10に開口部28を形成する工程(S104)とをこの順に含む。
構造体1000を準備する工程(S102)では、少なくとも一方の面上に導電パターン24が設けられたコア基板22と、上記導電パターン24を覆うようにコア基板22の上記一方の面上に設けられたソルダーレジスト層10とを有する構造体1000を準備する。なお、かかる構造体1000は、ソルダーレジスト層10が構造体1000の最外層に積層されている(図5(b)参照)。
ソルダーレジスト層10に開口部28を形成する工程(S104)では、導電パターン24の一部を露出させる開口部28を形成する。また、ソルダーレジスト層10の所定の領域に開口部28を形成する工程(S104)は、ソルダーレジスト層10のうち、開口部28とする所定の領域に開口を形成する工程を含む。また、ソルダーレジスト層10の所定の領域に開口部28を形成する工程(S104)において、ソルダーレジスト層は、硬化状態であることが好ましいが、半硬化状態であってもよい。上記工程(S104)においてソルダーレジスト層が半硬化状態である場合、開口部28を形成した後工程において、当該半硬化状態にあるソルダーレジスト層を完全硬化させるためのポストキュア工程を有する。
さらに、本実施形態に係る製造方法によれば、図6(a)に示すように複数の開口部28を形成する。本実施形態に係る製造方法によれば、開口形状や開口の深さにバラつきなく複数の開口部28を形成することができる。
ここで、本実施形態に係る配線基板20の製造方法において、開口部28の形成方法として、ブラスト法を用いる。そのため、開口部28の深さを高度に制御することが可能である。このようにして開口部28の深さを高度に制御した場合には、ソルダーレジスト層10の導電パターン24の側方に存在する部分を除去することなく残すことができる。言い換えれば、開口部28の深さを高度に制御することによって、導電パターン24の側面に接するようにソルダーレジスト層10を残存させることができる。これにより、微細回路を露出させることなく開口部28を形成することができる。そのため、配線基板20や半導体パッケージ102を製造する際に衝撃が加わった場合においても、微細回路が基板22から剥離することのない高い密着性を実現することができる。
以下、図4〜図6を参照して、本実施形態に係る配線基板20の製造方法について詳細に説明する。
まず、構造体1000を準備する工程(S102)では、表裏の少なくとも一方の面(最外面)上に導電パターン24が設けられたコア基板22を準備する。図5(a)に示すように、本実施形態では、コア基板22の両面に導電パターン24が形成された両面板を使用している。
次に、図5(b)のように、コア基板22の導電パターン24を覆うように、導電パターン24上にソルダーレジスト層10を形成(積層)する。具体的には、コア基板22の導電パターン24が設けられた最も外側に位置する面上に、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)(ソルダーレジスト)を塗布する。その後、塗布したソルダーレジストを乾燥させて、ソルダーレジスト層10を形成する。以上のようにして、本実施形態に係る製造方法においては、構造体1000を作製する。ソルダーレジスト層10の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上300μm以下とすることができる。
次いで、図6(a)に示すように、ソルダーレジスト層10の所定の領域に導電パターン24の一部を露出させる開口部28を形成する(S104)。具体的には、ソルダーレジスト層10の所定の領域に導電パターン24のランド244を露出させるように開口部28を形成する。本実施形態に係る製造方法によれば、この開口部28を形成する際に、ソルダーレジスト層10における開口部28を形成すべき所定の領域に対してブラスト処理(サンドブラスト処理、ウェットブラスト処理等)を行う。これにより、アンダーエッチングが発生することなく、均一にソルダーレジスト層10を短時間で効率よく除去することができる。また、ブラスト法を用いて開口部28を形成することにより、後工程において導電パターン24上にハンダバンプ30やボンディングワイヤ50を接続させる際に、導電パターン24とハンダバンプ30やボンディングワイヤ50との接続関係を強固にすることができる。この場合、配線基板20や半導体パッケージ102を製造する際に衝撃が加わった場合においても、微細回路が基板22から剥離することのない高い密着性を実現することができる。
次いで、デスミア処理する工程(S106)では、開口部28の形成などで生じたスミアを除去する。具体的には、ソルダーレジスト層10の開口部28を規定する側壁部分と導電パターン24の上面部分(開口部28に露出する部分)に付着したスミアを除去する。
デスミア処理の方法は特に限定されないが、たとえば、以下のように行うことができる。まず、導電体パターン24やソルダーレジスト層10を積層したコア基板22を有機溶剤を含む膨潤液に浸漬する。次いで、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液に浸漬して処理する。
デスミア処理の方法は特に限定されないが、たとえば、以下のように行うことができる。まず、導電体パターン24やソルダーレジスト層10を積層したコア基板22を有機溶剤を含む膨潤液に浸漬する。次いで、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液に浸漬して処理する。
過マンガン酸塩としてはたとえば過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等を用いることができる。過マンガン酸塩として過マンガン酸カリウムを用いる場合、浸漬させる過マンガン酸カリウム水溶液の温度は、50℃以上であることが好ましく、100℃以下であることが好ましい。上記上限値以下であり、且つ上記下限値以上であれば、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40との密着性をより確実に向上させることができる。また、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液への浸漬時間は1分間以上であることが好ましく、30分間以下であることが好ましい。上記上限値以下であり、かつ上記下限値以上であれば、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40との密着性をより確実に向上させることができる。また、耐久性と液状封止樹脂のパターニング精度との性能バランスの良い配線基板20を得られる。
デスミア処理する工程では、上記の湿式のデスミア処理のみを行うことができるが、上記の湿式の処理に代えて、もしくは加えて、デスミア処理としてプラズマ照射を行っても良い。このとき、処理ガスとしてはたとえばアルゴンガス、O2ガス、O3ガス、COガス、CO2ガス、NOガス、NO2ガス、またはフッ素系ガスを用いることができる。プラズマ処理時間は30秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましい。一方、当該時間は10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましい。プラズマ処理時間が上記下限値以上であり、かつ上記上限値以下であれば、スミアを効率的に除去できる。また、上記処理条件を採用することにより、半導体パッケージの封止材との密着性も向上させることができる。
次いで、図6(b)に示すように露出した導電パターン24の表面にめっき膜246を形成する。具体的には、開口部28に露出した導電パターン24の導電部を覆うようにめっき膜246を形成する。
めっき膜246は、たとえば半田めっき膜、錫めっき膜、またはニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜、さらには無電解めっきにより形成したアンダーバンプメタル(UBM)膜とすることができる。
また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、配線基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
めっき膜246は、たとえば半田めっき膜、錫めっき膜、またはニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜、さらには無電解めっきにより形成したアンダーバンプメタル(UBM)膜とすることができる。
また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、配線基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
めっき処理の方法は、特に限定されないが、たとえば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。無電解めっき法を用いる場合、次のようにめっき膜246を形成することが出来る。なお、ここではニッケルめっき膜と金めっき膜の2層からなるめっき膜246を形成する例について説明するが、これに限定されない。
まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液に開口部28を設けた構造体1000を浸漬する。このことで、開口部28に露出した導電パターン24の導電部の上に、ニッケルめっき膜を形成できる。
このようなめっき液としては、ニッケル鉛、および還元剤としてたとえば次亜リン酸塩を含んだめっき液を用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液に開口部28を設けた構造体1000を浸漬する。このことで、開口部28に露出した導電パターン24の導電部の上に、ニッケルめっき膜を形成できる。
このようなめっき液としては、ニッケル鉛、および還元剤としてたとえば次亜リン酸塩を含んだめっき液を用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
次いで、ソルダーレジスト層10およびめっき膜246の表面をプラズマ処理する。プラズマ処理では、たとえば処理ガスとして、アルゴンガス、酸化性ガス、またはフッ素系ガスを用いることができる。酸化性ガスとしてはO2ガス、O3ガス、COガス、CO2ガス、NOガス、NO2ガスなどを用いることができる。本実施形態におけるプラズマ処理の条件は特に限定されないが、アッシング処理のほか、不活性ガス由来のプラズマに接触させる処理であってもよい。なお、ソルダーレジスト層10のエッチングを伴うプラズマ処理でないことが好ましい。ここで、エッチングを伴うプラズマ処理とは、処理対象にバイアス電圧を印加し、かつエッチングガスを処理ガスとして用いるプラズマ処理をいう。つまり、本実施形態に係るプラズマ処理は、処理対象にバイアス電圧を印加せずに行うプラズマ処理、または非反応性ガスを用いて行うプラズマ処理であることが好ましい。
なお、処理対象にバイアス電圧を印加しない構成とは、本実施形態において、基板22の導電パターン24およびめっき膜246のいずれにもバイアス電圧を印加しない構成である。また、プラズマ処理中に基板22を固定するプラズマ処理装置の試料台等にもバイアス電圧を印加しない。なお、ソルダーレジスト層10に含まれる無機充填材120(図7参照)の露出度を上げることのない程度に、プラズマ処理によってわずかにソルダーレジスト層10の表面が削られても良い。プラズマ処理時間は30秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましい。一方、当該時間は10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましい。プラズマ処理時間が、上記下限値以上であり、かつ上記上限値以下であれば、パッケージの耐久性をより確実に向上させることができる。
本実施形態に係る製造方法においては、以上のようにして配線基板20を作製する。
また、本実施形態に係る配線基板20のソルダーレジスト層10の表面では、図7に示すように、少なくともひとつの無機充填材120の、一部分がソルダーレジスト層10に埋設され、他部分がソルダーレジスト層10の表面(図7中、上面)から突出していることが好ましい。
また、製造した配線基板20のソルダーレジスト層10の表面には、無機充填材120が離脱して形成されたクレーター状の凹部110が形成されていることが好ましい。
また、製造した配線基板20のソルダーレジスト層10の表面には、上記の無機充填材120の一部がソルダーレジスト層10の表面から突出することにより形成された突出部と、凹部110とのいずれか一方のみが存在しても良いが、上記突出部と、凹部110がいずれも存在することがより好ましい。このようなソルダーレジスト層10の表面形態とすることで、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより確実に実現できる。
また、製造した配線基板20のソルダーレジスト層10の表面には、無機充填材120が離脱して形成されたクレーター状の凹部110が形成されていることが好ましい。
また、製造した配線基板20のソルダーレジスト層10の表面には、上記の無機充填材120の一部がソルダーレジスト層10の表面から突出することにより形成された突出部と、凹部110とのいずれか一方のみが存在しても良いが、上記突出部と、凹部110がいずれも存在することがより好ましい。このようなソルダーレジスト層10の表面形態とすることで、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより確実に実現できる。
上述の無機充填材120の含有条件、デスミア処理の条件、めっき処理の条件、プラズマ処理の条件などを複合的に適宜調整することにより、ソルダーレジスト層10の表面を上記のような形態にすることができる。なお、無機充填材120の詳細については、後述する。
<半導体パッケージの製造方法>
以下、本実施形態に係る半導体パッケージ102の製造方法について、詳細に説明する。本実施形態に係る製造方法においては、まず、上述した配線基板20の製造方法と同様にして、配線基板20を準備する。
以下、本実施形態に係る半導体パッケージ102の製造方法について、詳細に説明する。本実施形態に係る製造方法においては、まず、上述した配線基板20の製造方法と同様にして、配線基板20を準備する。
次いで、準備した配線基板20のソルダーレジスト層10の上に、半導体素子60を配設する。このとき、たとえばダイアタッチ材62を介して半導体素子60を配線基板20上に搭載する。半導体素子60と配線基板20を接続するボンディングワイヤ50は、たとえば配線基板20の上面の開口部28に露出した導電パターン24へボンディングする。次いで、封止する工程では、配線基板20の上面、半導体素子60、およびボンディングワイヤ50を封止樹脂40によって封止する。封止樹脂40としては、たとえばエポキシ樹脂組成物を用いることができる。封止樹脂40で配線基板20等をモールド(封止)する方法としては、トランスファー成形法、射出成形法、転写法、塗布法などを用いることができる。封止樹脂40の硬化は、たとえば150℃以上200℃以下で加熱することにより行われる。
また、配線基板20に外部接続端子であるハンダバンプ30が設けられる例においては、たとえば、配線基板20の下面側の開口部28に露出した導電パターン24上に、ハンダバンプ30を形成する。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてワイヤボンディングされたパッケージの例について説明したが、半導体パッケージ102はこれに限定されず、フリップチップ接続やTAB接続されるパッケージでもよい。
<電子装置の製造方法>
図3に例示した電子装置70は上述のように得られた半導体パッケージ102をマザーボード710上にその他の電子部品720と共に実装することで得られる。
半導体パッケージ102および電子部品720は接続部716やハンダバンプ30などの接続端子をそれぞれ1つ以上有し、接続端子において、マザーボード710の導電パターン712のうち露出した導電部714に電気的に接続される。接続端子と導電部714との接続は、たとえば次の様に行うことができる。
まず、マザーボード710の露出した導電部714の必要箇所に、半田ペーストを印刷する。ここで、半導体パッケージ102がハンダバンプ30を有する場合は、ハンダバンプ30を接続する導電部714には半田ペーストの印刷は不要である。
次いで、マザーボード710上の所定の位置に電子部品720および半導体パッケージ102を配置する。
その後、半導体パッケージ102や電子部品720を載せたマザーボード710をリフロー炉に導入し、リフロー処理(加熱処理)する。リフロー処理により印刷された半田ペーストやハンダバンプ30が溶かされ、その後冷却することで、半導体パッケージ102および電子部品720がそれぞれマザーボード710に半田づけされる。
図3に例示した電子装置70は上述のように得られた半導体パッケージ102をマザーボード710上にその他の電子部品720と共に実装することで得られる。
半導体パッケージ102および電子部品720は接続部716やハンダバンプ30などの接続端子をそれぞれ1つ以上有し、接続端子において、マザーボード710の導電パターン712のうち露出した導電部714に電気的に接続される。接続端子と導電部714との接続は、たとえば次の様に行うことができる。
まず、マザーボード710の露出した導電部714の必要箇所に、半田ペーストを印刷する。ここで、半導体パッケージ102がハンダバンプ30を有する場合は、ハンダバンプ30を接続する導電部714には半田ペーストの印刷は不要である。
次いで、マザーボード710上の所定の位置に電子部品720および半導体パッケージ102を配置する。
その後、半導体パッケージ102や電子部品720を載せたマザーボード710をリフロー炉に導入し、リフロー処理(加熱処理)する。リフロー処理により印刷された半田ペーストやハンダバンプ30が溶かされ、その後冷却することで、半導体パッケージ102および電子部品720がそれぞれマザーボード710に半田づけされる。
本実施形態に係る電子装置70の製造方法は、加熱処理工程を含む。加熱処理はたとえばリフロー処理である。たとえば、半導体パッケージ102がワイヤボンディングでマザーボード710に接続されるパッケージである場合にも、電子部品720を表面実装するために加熱処理を行うことができる。よって、加熱処理を経た後においても、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40の間の接合強度が十分高ければ、より確実にパッケージの耐久性を向上させることができる。
また、電子装置70は高湿度下で使用されることがある。その様な場合にも、ソルダーレジスト層10と封止樹脂40の間の接合強度が十分高ければ、より確実にパッケージの耐久性を向上させることができる。
そして、電子装置70に含まれる半導体パッケージ102が優れた耐久性および優れた耐湿性を有することにより、信頼性の高い電子装置70を得ることができる。なお、電子装置70はさらに封止樹脂で一括封止してもよい。マザーボード710が、上述した配線基板20であって、電子装置70が一括封止されている場合、電子装置70をパッケージとして製造することもできる。
本実施形態に係る製造方法によれば、アンダーエッチングが発生することなく、ソルダーレジスト層10を、短時間で、効率よく、均一に除去することができる。そのため、本実施形態に係る製造方法によれば、特許文献1に記載の従来の製造プロセスと比べて、接続信頼性に優れた半導体パッケージ102を歩留まり良く得ることができる。
以下、本実施形態に係る配線基板20のコア基板22の最外層を形成する樹脂材料と、ソルダーレジスト層10を形成する樹脂材料について説明する。
<コア基板22の最外層を形成する樹脂材料>
本実施形態に係るコア基板22の最外層を形成する樹脂材料としては、たとえば、以下のような熱硬化性樹脂組成物(X)を用いることができる。
本実施形態に係るコア基板22の最外層を形成する樹脂材料としては、たとえば、以下のような熱硬化性樹脂組成物(X)を用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物(X)は、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含んでいることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物(X)は、上述した通り、必須成分としてエポキシ樹脂を含んでいることが好ましい。かかるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂、2官能ナフタレン型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;線状脂肪族エポキシ樹脂;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;リン含有エポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂;トリメチロール型エポキシ樹脂;ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、半導体パッケージの耐久性および接続信頼性をより一層向上させる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、およびビフェニル型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「エピコート828EL」および「YL980」等を用いることができる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「jER806H」および「YL983U」、DIC社製の「EPICLON 830S」等を用いることができる。2官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」および「HP4032SS」等を用いることができる。4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4700」および「HP4710」等を用いることができる。ナフトール型エポキシ樹脂としては、新日鐵化学社製の「ESN−475V」、日本化薬社製の「NC7000L」等を用いることができる。ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業社製の「PB−3600」等を用いることができる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、日本化薬社製の「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」および「NC3100」、三菱化学社製の「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」および「YL6121」等を用いることができる。アントラセン型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX8800」等を用いることができる。ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」および「EXA7311−G3」等を用いることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上記エポキシ樹脂の含有量が上記下限値以上であると、コア基板22形成時のハンドリング性が向上し、コア基板22を形成するのが容易となる。
また、上記エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分を100質量%としたとき、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。上記エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であると、コア基板22の機械的強度、難燃性および低熱膨張性を向上させることができる。
また、上記エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分を100質量%としたとき、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。上記エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であると、コア基板22の機械的強度、難燃性および低熱膨張性を向上させることができる。
熱硬化性樹脂組成物(X)は、上述した通り、必須成分としてナフトール樹脂を含んでいることが好ましい。かかるナフトール樹脂はナフトール性水酸基を有し、かつ、上記エポキシ樹脂に対して硬化作用を有するエポキシ樹脂硬化剤である。上記ナフトール樹脂としては、例えば、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂などが挙げられ、これらの1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。ナフトール樹脂は、半導体パッケージの反りをより一層低減できる観点から、ナフトールアラルキル型樹脂が好ましく、下記式(1)であらわされるナフトールアラルキル型樹脂がより好ましい。
ナフトールアラルキル型樹脂として、例えば、新日鐵化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」および「SN395」、日本化薬社製の「NHN」および「CBN」等を用いることができる。
ナフトールアラルキル型樹脂として、例えば、新日鐵化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」および「SN395」、日本化薬社製の「NHN」および「CBN」等を用いることができる。
(上記一般式(1)式において、nは1以上15以下の整数であり、mはそれぞれ独立に1または2であり、lはそれぞれ独立に0または1であり、Rはそれぞれ独立にアルキル基、好ましくはメチル基である。)
コア基板22の最外層が上記ナフトール樹脂を含む樹脂材料により形成されている場合、硬化収縮が小さく、さらに線張係数が小さいコア基板22とすることができる。
上記ナフトール樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上記ナフトール樹脂の含有量が上記下限値以上であると、コア基板22成形時のハンドリング性が向上し、コア基板22を形成するのが容易となる。
上記ナフトール樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分を100質量%としたとき、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。上記ナフトール樹脂の含有量が上記上限値以下であると、コア基板22の機械的強度、難燃性および低熱膨張性を向上させることができる。
上記ナフトール樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分を100質量%としたとき、55質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。上記ナフトール樹脂の含有量が上記上限値以下であると、コア基板22の機械的強度、難燃性および低熱膨張性を向上させることができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(X)は、必須成分として無機充填材を含んでいることが好ましい。これにより、コア基板22の機械強度および剛性を向上させることができる。さらに、得られるコア基板22の線膨張係数を小さくすることができる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩;などを挙げることができる。
上記無機充填材として、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、とくにシリカが好ましい。シリカの形状には破砕状および球状がある。熱硬化性樹脂組成物(X)の溶融粘度を下げて、無機充填材の熱硬化性樹脂組成物(X)への高充填化を確保するために球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用方法を採用することができる。
無機充填材の平均粒子径d50は、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。無機充填材の平均粒子径d50が上記下限値以上であると、ワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、コア基板22作製時の作業性を向上させることができる。また、無機充填材の平均粒子径は、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。無機充填材の平均粒子径d50が上記上限値以下であると、ワニス中で無機充填材の沈降などの現象を抑制でき、より均一なコア基板22の最外層を得ることができる。
上記無機充填材の平均粒子径d50は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
上記無機充填材の平均粒子径d50は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
また、上記無機充填材は、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の無機充填材を1種類または2種類以上で併用してもよい。
無機充填材は、平均粒子径5.0μm以下のシリカ粒子が好ましく、平均粒子径0.01μm以上2.0μm以下のシリカ粒子がより好ましく、0.05μm以上1.0μm以下のシリカ粒子が特に好ましい。これにより、無機充填材の熱硬化性樹脂組成物(X)への充填性をさらに向上させることができる。
無機充填材の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、20質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(X)は、熱可塑性樹脂をさらに含むことが好ましい。これにより、コア基板22とソルダーレジスト層10との密着性をより一層向上できると共に、コア基板22の最外層の応力緩和能をより一層向上できる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。これらの中でも、絶縁層101と金属層103との密着性をより一層向上できる観点から、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、およびポリアミドイミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が特に好ましい。
熱可塑性樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
熱可塑性樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
上記アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートのような各種アクリル系モノマーから選択される共重合体等が挙げられる。これらのうち、アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸メチル又はポリアクリル酸エチルが、コア基板22作製時の作業性を向上させる点で、好ましい。
上記メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような各種メタクリル系モノマーから選択される共重合体等が挙げられる。これらのうち、メタクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル又はポリメタクリル酸エチルが、コア基板22作製時の作業性を向上させる点で、好ましい。
上記フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、およびトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される一種または二種以上の骨格を有するものが挙げられる。フェノキシ樹脂の末端はフェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「1256」、「4250」(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、東都化成社製の「FX280」、「FX293」、ジャパンエポキシレジン社製の「YL7553BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」等が挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「1256」、「4250」(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、東都化成社製の「FX280」、「FX293」、ジャパンエポキシレジン社製の「YL7553BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。市販のポリビニルアセタール樹脂としては、電気化学工業社製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
上記ポリアミドイミド樹脂としては、主鎖中にアミド基とイミド基を有する重合体であれば特に限定されず、例えば、ジカルボン酸誘導体とジイソシアネートから合成することができる。上記ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績社製のHR−11NN、HR−16NN等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
このほか、必要に応じて、熱硬化性樹脂組成物(X)にはカップリング剤、ゴム粒子、上記ナフトール樹脂以外の硬化剤などの添加剤を適宜配合することができる。本実施形態で用いられる熱硬化性樹脂組成物(X)は、上記成分を有機溶媒などにより溶解および/または分散させた液状形態で好適に用いることができる。
このほか、必要に応じて、熱硬化性樹脂組成物(X)にはカップリング剤、ゴム粒子、上記ナフトール樹脂以外の硬化剤などの添加剤を適宜配合することができる。本実施形態で用いられる熱硬化性樹脂組成物(X)は、上記成分を有機溶媒などにより溶解および/または分散させた液状形態で好適に用いることができる。
(カップリング剤)
カップリング剤の使用により、無機充填材と各樹脂成分との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、コア基板22の最外層の耐熱性を改良することができる。
カップリング剤の使用により、無機充填材と各樹脂成分との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、コア基板22の最外層の耐熱性を改良することができる。
カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
これにより、無機充填材と各樹脂成分との界面の濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることができる。
これにより、無機充填材と各樹脂成分との界面の濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることができる。
カップリング剤の添加量は、無機充填材の比表面積に依存するのでとくに限定されないが、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、コア基板22の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、コア基板22の曲げ強度などの低下を抑制することができる。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、コア基板22の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、コア基板22の曲げ強度などの低下を抑制することができる。
(ゴム粒子)
ゴム粒子の使用により、コア基板22の応力緩和能をより一層向上できる。その結果として、得られる配線基板20の絶縁信頼性をより一層向上できる。
ゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。
ゴム粒子の使用により、コア基板22の応力緩和能をより一層向上できる。その結果として、得られる配線基板20の絶縁信頼性をより一層向上できる。
ゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成社製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン社製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR社製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン社製)などが挙げられる。
シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であればとくに限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、および二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子などが挙げられる。シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学社製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング社製)などの市販品を用いることができる。
ゴム粒子の添加量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
(その他の硬化剤)
上記ナフトール樹脂以外の硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などの触媒型の硬化剤が挙げられる。
上記ナフトール樹脂以外の硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などの触媒型の硬化剤が挙げられる。
また、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマーなどのポリフェノール化合物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などの重付加型の硬化剤も用いることができる。
さらに、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂系硬化剤;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などの縮合型の硬化剤も用いてもよい。フェノール樹脂系硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、硬化性の点から水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下のものが好ましい。
上記ナフトール樹脂以外の硬化剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1質量%以下がより好ましい。硬化剤の含有量が上記数値範囲内であると、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂成分の硬化を促進する効果が十分に発揮することができる。
さらに、熱硬化性樹脂組成物(X)には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤などの上記成分以外の添加物を添加してもよい。
以上の熱硬化性樹脂組成物(X)において、各成分の割合はたとえば、以下のようである。
熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは、上記エポキシ樹脂の割合が10質量%以上55質量%以下であり、上記ナフトール樹脂の割合が10質量%以上55質量%以下であり、上記無機充填材の割合が20質量%以上70質量%以下である。より好ましくは、上記エポキシ樹脂の割合が20質量%以上40質量%以下であり、上記ナフトール樹脂の割合が20質量%以上40質量%以下であり、上記無機充填材の割合が30質量%以上50質量%以下である。
熱硬化性樹脂組成物(X)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは、上記エポキシ樹脂の割合が10質量%以上55質量%以下であり、上記ナフトール樹脂の割合が10質量%以上55質量%以下であり、上記無機充填材の割合が20質量%以上70質量%以下である。より好ましくは、上記エポキシ樹脂の割合が20質量%以上40質量%以下であり、上記ナフトール樹脂の割合が20質量%以上40質量%以下であり、上記無機充填材の割合が30質量%以上50質量%以下である。
<ソルダーレジスト層10を形成する樹脂材料>
本実施形態に係るソルダーレジスト層10は、たとえば以下のような熱硬化性樹脂組成物(P)から形成することができる。
本実施形態に係るソルダーレジスト層10は、たとえば以下のような熱硬化性樹脂組成物(P)から形成することができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、配線基板20の絶縁材料として使用できる樹脂組成物であれば、特に限定されない。熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の熱硬化性樹脂に少なくともその硬化剤を配合した組成物とすることができる。中でも、エポキシ樹脂(A)、シアネート樹脂および無機充填材とを必須成分として含有する組成物が好ましい。
(エポキシ樹脂(A))
熱硬化性樹脂組成物(P)は主にエポキシ樹脂(A)を含むことができる。エポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N',N'−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N',N'−テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類や、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は主にエポキシ樹脂(A)を含むことができる。エポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N',N'−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N',N'−テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類や、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
これらの中でも、ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、ソルダーレジスト層10の線膨張率を低下させることができるとともに、その弾性率を向上させることもできる。また、配線基板20の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージ102における耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態においては、エポキシ樹脂(A)として、以下の式(a)に示すエポキシ樹脂を含むことが、好ましい態様の一例として挙げられる。
(式(a)中、nは0〜10の整数であり、R1およびR2は互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基である)
エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成されるソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性の向上に寄与することができる。一方で、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成されるソルダーレジスト層10の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物(P)中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
(無機充填材(B))
無機充填材(B)の具体例としては、球状シリカ、および破砕シリカ等が挙げられる。ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、無機充填材(B)は、たとえば溶融シリカである。無機充填材(B)は、図7に示す通り、無機充填材120としてソルダーレジスト層10に含まれる。
無機充填材(B)の具体例としては、球状シリカ、および破砕シリカ等が挙げられる。ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、無機充填材(B)は、たとえば溶融シリカである。無機充填材(B)は、図7に示す通り、無機充填材120としてソルダーレジスト層10に含まれる。
無機充填材(B)として、平均粒子径が2nm以上100nm以下である微粒子シリカを熱硬化性樹脂組成物(P)中に含むことがより好ましい。これにより、ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性を向上させることができる。平均粒子径が2nm以上100nm以下である微粒子シリカと、平均粒子径が100nm超過のシリカをともに熱硬化性樹脂組成物(P)中に含むことが、ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性を向上させるうえで好ましい態様の一例として挙げられる。
なお、無機充填材(B)の平均粒子径は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
なお、無機充填材(B)の平均粒子径は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
無機充填材(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。無機充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られるソルダーレジスト層10の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、無機充填剤(B)の含有量が上記下限値以上であれば、ソルダーレジスト層10の線膨張率を低下させることができるとともに、その弾性率を向上させることができる。これにより、得られる半導体パッケージ102の反り低減に寄与することも可能である。一方で、無機充填材(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して94質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。無機充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性を向上させることが可能となる。
(シアネート樹脂(C))
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえばシアネート樹脂(C)を含むことができる。これにより、ソルダーレジスト層10の線膨張率を低下させることができるとともに、その弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂(C)は、たとえばノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジスト層10の線膨張率を低下させるとともに、弾性率および剛性を向上させる観点からは、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえばシアネート樹脂(C)を含むことができる。これにより、ソルダーレジスト層10の線膨張率を低下させることができるとともに、その弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂(C)は、たとえばノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジスト層10の線膨張率を低下させるとともに、弾性率および剛性を向上させる観点からは、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成されるソルダーレジスト層10の線膨張率を効果的に低下させることができるとともに、その弾性率を向上させることができる。また、ソルダーレジスト層10と、コア基板22、導電パターン24、および封止樹脂40との密着性や、導電パターン24のソルダーレジスト層10への埋め込み性の向上に寄与することができる。一方で、シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成されるソルダーレジスト層10の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
(硬化促進剤(D))
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば硬化促進剤(D)を含むことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させる化合物を用いることができ、その種類はとくに限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤(D)として、たとえばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば硬化促進剤(D)を含むことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させる化合物を用いることができ、その種類はとくに限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤(D)として、たとえばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
硬化促進剤(D)として用いられるオニウム塩化合物は、とくに限定されないが、たとえば下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
(式(2)中、Pはリン原子、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。A−は分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す)
硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の保存性を向上させることができる。
(着色剤(E))
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば着色剤(E)を含むことができる。着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含んでもよい。これらの中でも、開口部28の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことがより好ましく、緑色染料を含むことがとくに好ましい。緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば着色剤(E)を含むことができる。着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含んでもよい。これらの中でも、開口部28の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことがより好ましく、緑色染料を含むことがとくに好ましい。緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られるソルダーレジスト層10の開口部28の視認性や隠蔽性をより効果的に向上させることができる。
一方、着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性等をより効果的に向上させることが可能となる。
一方、着色剤(E)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物(P)の全固形分に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性等をより効果的に向上させることが可能となる。
(その他の成分)
熱硬化性樹脂組成物(P)には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。
レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。
硬化剤としては、たとえばフェノール樹脂等のフェノール系硬化剤、ナフトール型ノボラック樹脂等のナフトール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化した化合物、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。中でもフェノール系硬化剤やナフトール系硬化剤が好ましい。感光剤としては、たとえば感光性ジアゾキノン化合物が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂組成物(P)は、ほかに、コア基板22とソルダーレジスト層10との密着性向上、および封止樹脂40とソルダーレジスト層10との密着性向上の観点から、ポリビニルアセタール樹脂を含んでも良い。ポリビニルアセタール樹脂としてはたとえば、ポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物(P)には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。
レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。
硬化剤としては、たとえばフェノール樹脂等のフェノール系硬化剤、ナフトール型ノボラック樹脂等のナフトール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化した化合物、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。中でもフェノール系硬化剤やナフトール系硬化剤が好ましい。感光剤としては、たとえば感光性ジアゾキノン化合物が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂組成物(P)は、ほかに、コア基板22とソルダーレジスト層10との密着性向上、および封止樹脂40とソルダーレジスト層10との密着性向上の観点から、ポリビニルアセタール樹脂を含んでも良い。ポリビニルアセタール樹脂としてはたとえば、ポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂などが挙げられる。
(溶剤)
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば溶剤を含むことができる。溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、テトラメチルベンゼン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば溶剤を含むことができる。溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、テトラメチルベンゼン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)がワニス状である場合において、ワニス中の熱硬化性樹脂組成物(P)の固形分含有量は、たとえば30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物(P)が得られる。なお、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(P)は、ほかに、たとえばガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含んでもよい。これにより、ソルダーレジスト層10の剛性を向上させることができ、配線基板20の反りが抑えられる。
熱硬化性樹脂組成物(P)がフィルム状である場合には、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られる樹脂膜として、このフィルム状熱硬化性樹脂組成物(P)をそのまま用いることができる。一方で、熱硬化性樹脂組成物(P)がワニス状である場合には、このワニス状熱硬化性樹脂組成物(P)を成膜して得られた熱硬化性樹脂膜に対し、溶剤除去処理を行った樹脂膜を、熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて得られる樹脂膜として使用することができる。この溶剤除去処理は、熱硬化性樹脂膜の溶剤含有率が熱硬化性樹脂膜全体に対して5質量%以下となる条件で行われる。また、処理後の熱硬化性樹脂膜は、170℃、2分の熱処理前後における重量変化率が5質量%以下となる。本実施形態においては、たとえば100〜160℃、5分〜60分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。
以上、図面を参照して本発明の好適な実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、上述した実施形態では、配線基板として、複数の開口部28が設けられた配線基板について説明したが、1つの開口部が設けられた配線基板であってもよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されない。
(実施例1)
[1]ソルダーレジスト層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(P1)の調製
撹拌容器に、エポキシ樹脂としてナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)9.5質量%、無機充填剤(フィラー)として溶融シリカ粒子(B1)(株式会社アドマテックス製、アドマナノ、平均粒径0.05μm)12.4質量%、無機充填剤として溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)65.7質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)10.6質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.3質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.2質量%を投入し、その後、撹拌容器内に硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)1.0質量%を添加して、混合液を得た。次に、撹拌容器内の混合液を、高速撹拌装置を用いて30分間撹拌し、不揮発分が65質量%となるように調整して、下記表1に示す配合のワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P1)を得た。
[1]ソルダーレジスト層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(P1)の調製
撹拌容器に、エポキシ樹脂としてナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)9.5質量%、無機充填剤(フィラー)として溶融シリカ粒子(B1)(株式会社アドマテックス製、アドマナノ、平均粒径0.05μm)12.4質量%、無機充填剤として溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)65.7質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)10.6質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.3質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.2質量%を投入し、その後、撹拌容器内に硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)1.0質量%を添加して、混合液を得た。次に、撹拌容器内の混合液を、高速撹拌装置を用いて30分間撹拌し、不揮発分が65質量%となるように調整して、下記表1に示す配合のワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P1)を得た。
[2]コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X1)の調製
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710、下記一般式(b))18.0質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485、下記一般式(c))30.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化触媒としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒に添加して混合液を得た。その後、この混合液を30分攪拌して溶解させた。
さらに、混合液にカップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加した。その後、高速攪拌装置を用いて混合液を10分攪拌し、下記表1に示す配合の固形分30%の樹脂ワニスを熱硬化性樹脂組成物(X1)として調製した。
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830S)7.0質量部、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4710、下記一般式(b))18.0質量部、硬化剤としてナフトールアラルキル型樹脂(新日鐵化学社製、SN−485、下記一般式(c))30.0質量部、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂(日立化成社製、KH−CT−865)5.0質量部、硬化触媒としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.1質量部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒に添加して混合液を得た。その後、この混合液を30分攪拌して溶解させた。
さらに、混合液にカップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、A187)0.2質量部、無機充填材としてシリカ粒子(アドマテックス社製、SO25R、平均粒子径0.5μm)38.0質量部、ゴム粒子(ガンツ化成社製、スタフィロイドAC3816N)1.7質量部を添加した。その後、高速攪拌装置を用いて混合液を10分攪拌し、下記表1に示す配合の固形分30%の樹脂ワニスを熱硬化性樹脂組成物(X1)として調製した。
上記一般式(c)において、nは1〜10の整数である。
[3]コア基板の作製
[2]で上述した方法で調整した樹脂ワニスを、12μm電解銅箔の粗化面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後(半硬化後)の層厚が5μmとなるように塗工し、140℃の乾燥装置で2分間乾燥して、エッチング阻止膜付き銅箔を得た。次に、銅張積層板の両面の銅箔をすべてエッチングした銅なし基板の両面に、上記で作成したエッチング阻止膜付き銅箔の上記エッチング阻止膜側を銅なし基板に対向させ、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた後、180℃の乾燥装置で60分間乾燥した。その後、両面の銅箔を回路パターニングし、銅箔を粗化処理して、回路付きのエッチング阻止膜を最外層に有するコア基板を得た。なお、基板として、銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)を用意した。
[2]で上述した方法で調整した樹脂ワニスを、12μm電解銅箔の粗化面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後(半硬化後)の層厚が5μmとなるように塗工し、140℃の乾燥装置で2分間乾燥して、エッチング阻止膜付き銅箔を得た。次に、銅張積層板の両面の銅箔をすべてエッチングした銅なし基板の両面に、上記で作成したエッチング阻止膜付き銅箔の上記エッチング阻止膜側を銅なし基板に対向させ、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた後、180℃の乾燥装置で60分間乾燥した。その後、両面の銅箔を回路パターニングし、銅箔を粗化処理して、回路付きのエッチング阻止膜を最外層に有するコア基板を得た。なお、基板として、銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)を用意した。
[4]ソルダーレジスト膜の作製
次に、ソルダーレジスト膜を作製した。PETフィルム(ユニチカ株式会社製、TR1T、厚さ38μm)をキャリア基材とし、コンマコーターを用いて乾燥後のソルダーレジスト膜が20μmとなるようにワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を塗工し、140℃の乾燥装置で2分間乾燥して、キャリア付のソルダーレジスト膜を作製した。
次に、ソルダーレジスト膜を作製した。PETフィルム(ユニチカ株式会社製、TR1T、厚さ38μm)をキャリア基材とし、コンマコーターを用いて乾燥後のソルダーレジスト膜が20μmとなるようにワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P)を塗工し、140℃の乾燥装置で2分間乾燥して、キャリア付のソルダーレジスト膜を作製した。
[5]ラミネート
上記[3]で得られたコア基板上に、上記[4]で得られたキャリア付のソルダーレジスト膜を、エッチング阻止膜とソルダーレジスト膜とが対向するようにして重ね合わせた。この積層体を、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。キャリア付のソルダーレジスト膜のキャリア基材であるPETフィルムを剥離した後、コア基板を熱風乾燥装置にて160℃で60分間加熱し、さらに200℃で60分間加熱して硬化させた。以上の工程により構造体が得られた。
上記[3]で得られたコア基板上に、上記[4]で得られたキャリア付のソルダーレジスト膜を、エッチング阻止膜とソルダーレジスト膜とが対向するようにして重ね合わせた。この積層体を、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。キャリア付のソルダーレジスト膜のキャリア基材であるPETフィルムを剥離した後、コア基板を熱風乾燥装置にて160℃で60分間加熱し、さらに200℃で60分間加熱して硬化させた。以上の工程により構造体が得られた。
[6]開口の形成
次に、構造体の銅箔の一部とコア基板の最外層の一部とが露出するように、平均粒子径(D50)が10μmの微細粒子を用いてブラスト法によりコア基板上のソルダーレジスト膜に複数の開口を形成した。なお、ブラスト処理の加工速度は、1.4mm/secとした。このとき、全ての開口において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
次に、構造体の銅箔の一部とコア基板の最外層の一部とが露出するように、平均粒子径(D50)が10μmの微細粒子を用いてブラスト法によりコア基板上のソルダーレジスト膜に複数の開口を形成した。なお、ブラスト処理の加工速度は、1.4mm/secとした。このとき、全ての開口において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
[7]デスミア処理
次に、開口が形成された構造体を60℃の膨潤液(アトテック社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテック社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和し、さらにO2ガスによるプラズマ照射を5分間行うことで、デスミア処理を行った。このとき、構造体にバイアス電圧は印加しなかった。
次に、開口が形成された構造体を60℃の膨潤液(アトテック社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテック社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和し、さらにO2ガスによるプラズマ照射を5分間行うことで、デスミア処理を行った。このとき、構造体にバイアス電圧は印加しなかった。
[8]めっき処理
次に、銅箔の露出部にめっき層を形成した。具体的には、無電解ニッケルめっき層3μmを形成し、さらにその上に無電解金めっき層0.1μmを形成した。
次に、銅箔の露出部にめっき層を形成した。具体的には、無電解ニッケルめっき層3μmを形成し、さらにその上に無電解金めっき層0.1μmを形成した。
[9]プラズマ処理
次に、ソルダーレジスト膜およびめっき層の形成された構造体の上面をプラズマ処理して、積層基板(配線基板)を得た。プラズマ処理の条件は以下の通りとした。このとき積層基板にバイアス電圧は印加しなかった。
真空度:20Pa
処理ガス:アルゴンガス
ガス流量:200sccm
電力:200W
時間:2min
次に、ソルダーレジスト膜およびめっき層の形成された構造体の上面をプラズマ処理して、積層基板(配線基板)を得た。プラズマ処理の条件は以下の通りとした。このとき積層基板にバイアス電圧は印加しなかった。
真空度:20Pa
処理ガス:アルゴンガス
ガス流量:200sccm
電力:200W
時間:2min
[10]表面粗さの測定
上記[9]で得た積層基板におけるソルダーレジスト膜の表面粗さを、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定した。その結果、算術平均粗さRaは0.15μm、十点平均粗さRzは1.73μm、二乗平均粗さRMSは0.180μmであった。
上記[9]で得た積層基板におけるソルダーレジスト膜の表面粗さを、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定した。その結果、算術平均粗さRaは0.15μm、十点平均粗さRzは1.73μm、二乗平均粗さRMSは0.180μmであった。
[11]半導体パッケージの作製
上記[9]で得た積層基板を用いて、図3に示す半導体パッケージを作製した。
上記[9]で得た積層基板を用いて、図3に示す半導体パッケージを作製した。
(実施例2)
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X2)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X2)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
(実施例3)
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X3)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X3)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
(実施例4)
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X4)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X4)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
(実施例5)
コア基板として、銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)を準備した。
次に、ソルダーレジスト層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(P2)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を準備し、上記[4]と同様にしてキャリア付きソルダーレジスト膜を作製した。
その後、上記[5]と同様にして、コア基板上に、銅箔とソルダーレジスト膜とが対向するようにして、キャリア付きソルダーレジスト膜をラミネートし、構造体を得た。その後、上記[6]〜[11]の工程を経て、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
コア基板として、銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)を準備した。
次に、ソルダーレジスト層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(P2)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を準備し、上記[4]と同様にしてキャリア付きソルダーレジスト膜を作製した。
その後、上記[5]と同様にして、コア基板上に、銅箔とソルダーレジスト膜とが対向するようにして、キャリア付きソルダーレジスト膜をラミネートし、構造体を得た。その後、上記[6]〜[11]の工程を経て、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
(実施例6)
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物として、上述した熱硬化性樹脂組成物(X3)を用いるとともに、ソルダーレジスト層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物として、上述した熱硬化性樹脂組成物(P2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物として、上述した熱硬化性樹脂組成物(X3)を用いるとともに、ソルダーレジスト層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物として、上述した熱硬化性樹脂組成物(P2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。なお、本実施例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面は、エッチングダメージのない状態であった。
(比較例)
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X5)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。
なお、本比較例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面には、不規則なエッチングダメージが加わっていることが確認された。
コア基板の最外層を形成するために用いる熱硬化性樹脂組成物(X5)として、下記表1に示す配合組成の熱硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法でコア基板、構造体、積層基板および半導体パッケージを作製した。
なお、本比較例で得られた積層基板において、露出したコア基板の最外層表面には、不規則なエッチングダメージが加わっていることが確認された。
実施例および比較例について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(ブラスト法による加工深さの測定)
各実施例および比較例について、上記[2]で述べた方法で作製した樹脂ワニスを用い、PETフィルム(ユニチカ株式会社製、TR1T、厚さ38μm)上に、上記[3]で述べた方法を用いて厚さ20μmの樹脂膜を作製した。この樹脂膜と、上記[4]で述べた方法で作製したキャリア付のソルダーレジスト膜とに対して、それぞれ上記[6]で述べた方法と同様の手法でブラスト処理を実施し、樹脂膜およびソルダーレジスト膜の加工深さを測定した。測定したデータについては、処理対象の厚みが一定ではないことを考慮して、ソルダーレジスト膜の加工深さX1を10としたときの、上記樹脂膜の加工深さX2を算出した。なお、マイクロブラスト処理による表面加工深さは、処理対象への表面加工速度に比例した。
各実施例および比較例について、上記[2]で述べた方法で作製した樹脂ワニスを用い、PETフィルム(ユニチカ株式会社製、TR1T、厚さ38μm)上に、上記[3]で述べた方法を用いて厚さ20μmの樹脂膜を作製した。この樹脂膜と、上記[4]で述べた方法で作製したキャリア付のソルダーレジスト膜とに対して、それぞれ上記[6]で述べた方法と同様の手法でブラスト処理を実施し、樹脂膜およびソルダーレジスト膜の加工深さを測定した。測定したデータについては、処理対象の厚みが一定ではないことを考慮して、ソルダーレジスト膜の加工深さX1を10としたときの、上記樹脂膜の加工深さX2を算出した。なお、マイクロブラスト処理による表面加工深さは、処理対象への表面加工速度に比例した。
(半導体パッケージの耐久性)
各実施例および比較例について、上記[11]で述べた方法で得られた半導体パッケージ4個を60℃、湿度60%の条件下で40時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、大気中で、−55℃(15分)、125℃(15分)で500サイクル処理した。つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、半導体素子、半田バンプに異常がないか観察し、以下の基準にしたがって評価した。
A:半導体素子、半田バンプともに異常なし、または一部にクラックが見られるが実用上問題なし。
B:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られ実用上問題あり。
C:半導体素子、半田バンプともにクラックが見られ使用できない。
各実施例および比較例について、上記[11]で述べた方法で得られた半導体パッケージ4個を60℃、湿度60%の条件下で40時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、大気中で、−55℃(15分)、125℃(15分)で500サイクル処理した。つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、半導体素子、半田バンプに異常がないか観察し、以下の基準にしたがって評価した。
A:半導体素子、半田バンプともに異常なし、または一部にクラックが見られるが実用上問題なし。
B:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られ実用上問題あり。
C:半導体素子、半田バンプともにクラックが見られ使用できない。
(半導体パッケージの接続信頼性)
各実施例および比較例について、上記[11]で述べた方法で得られた半導体パッケージ3個をフライングチェッカー(1116X−YC ハイテスタ:日置電機社製)を用い、半田バンプを介して半導体素子と回路基板間を通る回路端子の導通の測定をおこない、初期値とした。つぎに、60℃、湿度60%の吸湿条件下で40時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、同様に導通を測定して初期値より抵抗値が5%以上上昇したサンプルを実装時の断線と判定して、以下の基準にしたがって評価した。ここで、初期値で断線が生じていた場合は、回路作製上の不具合と判断しカウントしていない。なお、半導体パッケージ1個につき測定箇所は61箇所、計183箇所を測定した。
A:断線箇所が無かった、または断線箇所が1〜10%であった。
B:断線箇所が11〜50%であった。
C:断線箇所が51%以上であった。
各実施例および比較例について、上記[11]で述べた方法で得られた半導体パッケージ3個をフライングチェッカー(1116X−YC ハイテスタ:日置電機社製)を用い、半田バンプを介して半導体素子と回路基板間を通る回路端子の導通の測定をおこない、初期値とした。つぎに、60℃、湿度60%の吸湿条件下で40時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、同様に導通を測定して初期値より抵抗値が5%以上上昇したサンプルを実装時の断線と判定して、以下の基準にしたがって評価した。ここで、初期値で断線が生じていた場合は、回路作製上の不具合と判断しカウントしていない。なお、半導体パッケージ1個につき測定箇所は61箇所、計183箇所を測定した。
A:断線箇所が無かった、または断線箇所が1〜10%であった。
B:断線箇所が11〜50%であった。
C:断線箇所が51%以上であった。
実施例の半導体パッケージは、いずれも、耐久性および接続信頼性に優れたものであったのに対し、比較例の半導体パッケージは、特に、接続信頼性という観点において、要求水準を満たすものではなかった。
本発明によれば、コア基板と、コア基板の少なくとも一方の面上に設けられた導電パターンと、導電パターンを覆うように、コア基板の上記一方の面上に設けられたソルダーレジスト層とを有する構造体を提供する。かかる構造体は、コア基板の上記一方の面が、導電パターンが接触する第1の領域と、第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性が、ソルダーレジスト層のブラスト処理に対するエッチング耐性より高い。かかる構造体を用いた配線基板では、開口部に露出した導電パッドやコア基板の表面に対するエッチングダメージを抑えることができる。したがって、かかる構造体(配線基板)を用いることにより、耐久性および接続信頼性に優れた半導体パッケージを、より容易に、かつ、より高い歩留りで作成することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。
Claims (13)
- コア基板と、
前記コア基板の少なくとも一方の面上に設けられた導電パターンと、
前記導電パターンおよび前記コア基板の前記一方の面を覆うようにし、かつ、これらに直接接触して設けられたソルダーレジスト層とを有し、
前記コア基板の前記一方の面は、前記導電パターンが接触する第1の領域と、前記第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも前記第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性が、前記ソルダーレジスト層の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴とする構造体。 - 前記コア基板は、コア基板本体と、前記コア基板本体上に設けられ、少なくとも前記第2の領域を形成するエッチング阻止膜とを備える請求項1に記載の構造体。
- 前記エッチング阻止膜は、エポキシ樹脂と、ナフトール樹脂と、無機充填材と、を含む樹脂材料で構成されている請求項2に記載の構造体。
- 前記樹脂材料の全固形分量に対する前記無機充填材の含有量が、20質量%以上70質量%以下である請求項3に記載の構造体。
- 前記無機充填材の平均粒子径d50が0.01μm以上5μm以下である請求項3または4に記載の構造体。
- 前記ソルダーレジスト層は、エポキシ樹脂と、シアネート樹脂と、無機充填材と、を含む熱硬化性樹脂組成物で構成されている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の構造体。
- 前記ソルダーレジスト層のガラス転移温度(Tg)が、150℃以上280℃以下である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の構造体。
- 前記ソルダーレジスト層および前記コア基板の前記第2の領域に対して、前記ソルダーレジスト層が1.4mm/secの速度で加工される条件で前記ブラスト処理を実施した場合における、前記ソルダーレジスト層の表面加工量をX1[mm]とし、第2の領域の表面加工量をX2[mm]としたとき、4≦X1/X2≦20の関係を満足する請求項1ないし7のいずれか一項に記載の構造体。
- 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の前記構造体を準備する工程と、
前記ソルダーレジスト層に対して前記ブラスト処理を実施することにより、前記ソルダーレジスト層を貫通して、前記コア基板の前記一方の面の一部と前記導電パターンの一部とが露出する少なくとも1つの開口部を形成する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記ソルダーレジスト層および前記コア基板の前記第2の領域に対して同一条件で前記ブラスト処理を実施した場合、前記ソルダーレジスト層に対するエッチング速度が、前記コア基板の前記第2の領域に対するエッチング速度より速い請求項9に記載の配線基板の製造方法。
- 前記ソルダーレジスト層および前記コア基板の前記第2の領域に対して、前記ソルダーレジスト層が1.4mm/secの速度で加工される条件で前記ブラスト処理を実施した場合における、前記ソルダーレジスト層の表面加工量をX1[mm]とし、第2の領域の表面加工量をX2[mm]としたとき、前記表面加工量X1が、前記表面加工量X2の10倍以上である請求項9または10に記載の配線基板の製造方法。
- 前記ブラスト処理において使用する粒子の平均粒子径(D50)が、1μm以上25μm以下である、請求項9ないし11のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
- コア基板と、
前記コア基板の少なくとも一方の面上に設けられた導電パターンと、
前記導電パターンおよび前記コア基板の前記一方の面を覆うようにし、かつ、これらに直接接触して設けられたソルダーレジスト層と、
前記ソルダーレジスト層を貫通して設けられ、前記コア基板の前記一方の面の一部と前記導電パターンの一部とが露出する少なくとも1つの開口部とを有し、
前記コア基板の前記一方の面は、前記導電パターンが接触する第1の領域と、前記第1の領域と隣接する第2の領域とを備え、少なくとも前記第2の領域のブラスト処理に対するエッチング耐性が、前記ソルダーレジスト層の前記ブラスト処理に対するエッチング耐性より高いことを特徴とする配線基板。
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