JP6216663B2 - 固定構造及び固定方法 - Google Patents
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また、各係止爪の先端には、相互の係止爪に向けて突出する鉤部が形成されており、鉤部と本体部との間に計器本体を挟み込んで固定することができる。
一方、第二部材を第一部材に強固に固定するように、爪部の弾性率を高く設定すると、第二部材を一対の爪部の間に通し難くなり、第二部材を第一部材に取り付け難くなってしまう。
また、本発明によれば、第二部材の固定時に一方の爪部を従来のように必要以上に撓み変形させる必要が無いため、一方の爪部の弾性率を高く設定しても、第二部材を第一部材に簡単に取り付けることができる。したがって、本発明の固定構造を備える製品の製造効率向上、及び、製造コスト削減を図ることができる。
図1〜3に示すように、この実施形態に係る電子機器1は、収容ケース2と、発熱部3と、を備える。発熱部3は、基板7と、電子部品8と、ピン端子9と、を備える。
基板7には、その厚さ方向に貫通する複数の位置決め孔10Cが形成されている。位置決め孔10Cは、後述する収容ケース2のケース本体5に対して基板7を位置決めする役割を果たす。本実施形態の基板7は、平面視矩形の板状に形成されている。位置決め孔10Cは、基板7のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。
電子部品8及びピン端子9は、基板7の第一主面10aに複数設けられている。電子部品8及びピン端子9は、基板7に形成された配線パターン(不図示)に適宜電気接続され、基板7と共に電子機器1の回路(電子回路)を構成している。
以上のように構成される発熱部3では、通電によって主に電子部品8や基板7の配線パターンにおいて発熱する。本実施形態の電子機器1は、上記した発熱部3を二つ備えている。
本実施形態のベース板部13は、平面視矩形の板状に形成されている。後述するヒートシンク6は、このベース板部13の主面13a,13bに対向して配される。本実施形態では、二つのヒートシンク6がベース板部13の両主面13a,13bに対向して配される。ベース板部13には、その厚さ方向(X軸方向)に貫通する通風孔21が形成されている。通風孔21は、二つの収容空間Sを相互に連通させる。
複数の突起101は、立設壁部14の主面14aを実装基板の搭載面(不図示)に対向させた状態で、電子機器1を実装基板に実装(例えばスルーホール実装)する際に、実装基板の搭載面に当接することで、収容ケース2を実装基板の搭載面上に間隔をあけて配置するスペーサの役割を果たす。図3に示す突起101は、半球体状に形成されているが、任意の形状に形成されてよい。
本実施形態において、各爪部12は、ベース板部13の主面13a,13bの周縁(側部)からベース板部13の厚さ方向に延びている。また、各爪部12は、ベース板部13に対して弾性的に撓み変形可能とされている。これにより、一対の爪部12は、ヒートシンク6を側方から挟み込むことができる。さらに、本実施形態の各爪部12は、平面視矩形の板状に形成され、後述のヒートシンク6と共に収容ケース2の壁部を構成している。平面視矩形状に形成された各爪部12は、その一対の辺がベース板部13の短辺に平行するように、ベース板部13に設けられている。
さらに、本実施形態の各爪部12は、一対の爪部12の間隔が爪部12の延出方向先端に向かうにしたがって小さくなるように設けられている。図示例(特に図2)では、各爪部12が、その延出方向先端に向かうにしたがって、ベース板部13の各主面13a,13bの内側に向かうように傾斜しているが、例えば、湾曲していてもよい。すなわち、ベース板部13の厚さ方向両側に延びる各爪部12は、図示例のようにベース板部13との接続部分において屈曲してもよいし、例えば円弧状に湾曲して形成されてもよい。
また、図1,2に示すように、各爪部12には、その厚さ方向に貫通する通気孔24が複数形成されている。通気孔24は、収容ケース2内部に配された発熱部3の熱を収容ケース2の外部に逃がす役割を果たす。
本実施形態の係止部51は、ベース板部13の側面に対向する第一爪部12Aの基端部に設けられ、ベース板部13をその厚さ方向から挟み込む一対の係止爪部52を備える。各係止爪部52は、第二爪部12Bに向けてX軸方向に延びている。一対の係止爪部52は、ベース板部13の厚さ方向に間隔をあけて配列されている。そして、各係止爪部52は、第一爪部12Aに対してベース板部13の厚さ方向に弾性的に撓み変形可能とされている。各係止爪部52の先端には、相対する係止爪部52に向けて突出する鉤状部53が形成されている。図1では、一対の係止爪部52が、ベース板部13の短辺方向(Z軸方向)に間隔をあけて二組配列されているが、例えば一組でもよいし、三組以上であってもよい。
これにより、第一爪部12A及びベース板部13を一対の爪部12の配列方向に互いに近づけて、ベース板部13の側部を一対の係止爪部52の間に挿入すると、一対の係止爪の鉤状部53が傾斜案内面57によって互いに離間するため、一対の係止爪部52がそれぞれ弾性的に撓み変形する。これにより、各係止爪部52の鉤状部53を容易にベース板部13の係止凹部56まで案内することができる。
本実施形態の移動規制部60は、ベース板部13の側面から第一爪部12Aに向けて突出する規制凸部61と、第一爪部12Aのうちベース板部13の側面に対向する面から窪んで形成され、規制凸部61を挿入する規制凹部62と、を備える。
規制凹部62は、前述した一対の係止爪部52の間に形成されている。また、規制凹部62の形状及び寸法は、前述した規制凸部61に対応するように設定されている。
これにより、規制凸部61が規制凹部62に挿入された状態では、第一爪部12Aがベース板部13に対してその厚さ方向(X軸方向)に移動することが規制される。また、この挿入状態では、規制凸部61の段差部分が規制凹部62の段差部分に引っ掛るため、第一爪部12Aがベース板部13に対してベース板部13の短辺方向(Z軸方向)に移動することも規制される。
キー溝部58は、ベース板部13の側面に対向する第二爪部12Bの延出方向の基端部に形成されている。キー溝部58は、ベース板部13の短辺方向(Z軸方向)に延びている。
キー溝部58の長手方向の第一端は、第二爪部12Bの側面に開口している。一方、キー溝部58の長手方向の第二端は、例えば第一端と同様に第二爪部12Bの側面に開口してもよいが、例えば開口していなくてもよい。
鉤状突起部59の長手方向に直交する鉤状突起部59の断面は、上記したキー溝部58の断面に対応する形状に形成されている。すなわち、長手方向に直交する鉤状突起部59の断面において、鉤状突起部59の突出方向の基端部における幅寸法は、鉤状突起部59の先端部における幅寸法よりも小さく設定されている。本実施形態において、長手方向に直交する鉤状突起部59の断面は、鉤状突起部59の突出方向の基端部から先端部に向かうにしたがって鉤状突起部59の幅寸法が大きくなるように形成されている。図示例では、鉤状突起部59の断面が台形形状に形成されているが、これに限ることはない。
以上のように形成される鉤状突起部59は、キー溝部58に挿入されて係合する。鉤状突起部59は、キー溝部58の長手方向の端部(例えば第一端)の開口部分からキー溝部58に挿入することができる。鉤状突起部59がキー溝部58に係合した状態では、鉤状突起部59がキー溝部58から鉤状突起部59の突出方向に抜け出ることはない。これにより、第二爪部12Bがベース板部13に連結される。
本実施形態において、レール部25,26は、ベース板部13の長辺方向(Y軸方向)に延びて形成されている。また、レール部25,26は、本体部11のうちベース板部13の短辺方向(Z軸方向)の両端部にそれぞれ形成されている。具体的に説明すれば、第一レール部25は、ベース板部13の一方の長辺(第一長辺)に設けられた立設壁部14の各延出方向の先端に形成されている。本実施形態では、立設壁部14の各延出方向先端に複数の挿通孔22が開口しているため、第一レール部25は、その延在方向に複数に分割して形成されている。第二レール部26は、ベース板部13の各主面13a,13bのうちベース板部13の他方の長辺(第二長辺)の近傍において、この第二長辺に沿って延びている。
付勢部27は、ベース板部13の各主面13a,13b周縁において、各主面13a,13bの周方向に間隔をあけて複数配列されている。本実施形態では、付勢部27が、平面視矩形とされたベース板部13の各主面13a,13bの各辺の中間部分に一つずつ配されている。
また、本実施形態の付勢部27は、ベース板部13の各主面13a,13bに対向するヒートシンク6の第一主面31aに基板7を押し付ける役割を果たす。このため、各付勢部27の延在方向先端部には、ヒートシンク6の第一主面31aと同じ方向に向く基板7の第一主面10aに面接触する押付面27aが形成されている。さらに、各付勢部27の押付面27aには、位置調整突起28が突出して形成されている。位置調整突起28は、基板7が押付面27aに配された状態で、基板7の側部に対向して配される。本実施形態では、基板7が押付面27aに配された状態で、複数の付勢部27の位置調整突起28が基板7を囲むため、複数の位置調整突起28は、ケース本体5に対する基板7の位置を調整する役割を果たす。
以上のように構成されるケース本体5は、樹脂材料によって構成される。
ヒートシンク本体31は、ヒートシンク6をケース本体5に固定した状態において、ベース板部13の主面13a,13bに対向して配されるものである。ベース板部13に対向するヒートシンク本体31の第一主面31aは、発熱部3を配置する配置面となっている。本実施形態では、基板7の第二主面10bがヒートシンク6の第一主面31aに対向するように、発熱部3がヒートシンク6の第一主面31a上に配される。また、ヒートシンク本体31には、その第二主面31bから突出する複数のフィン33が形成されている。
さらに、本実施形態のヒートシンク本体31は、ベース板部13や基板7の形状に倣って平面視矩形の板状に形成されている。各フィン33は、ヒートシンク本体31の長辺方向(Y軸方向)に延びている。複数のフィン33は、ヒートシンク本体31の短辺方向(Z軸方向)に互いに平行するように間隔をあけて配列されている。
本実施形態において、溝部34,35は、ヒートシンク本体31の長辺方向に延びて形成されている。また、溝部34,35は、ヒートシンク6に二つ形成されている。具体的に説明すれば、第一溝部34は、ヒートシンク本体31の一方の長辺(第一長辺)に設けられたヒートシンク壁部32の突出方向の先端に形成されている。第二溝部35は、ヒートシンク本体31の第一主面31aのうち、他方の長辺(第二長辺)の近傍において、第二長辺に沿って延びるように形成されている。
電子機器1を製造する際には、はじめに、図1に示すように、立設壁部14をベース板部13に一体に固定してケース本体5の本体部11を構成しておく。また、第二爪部12Bを本体部11のベース板部13に一体に固定しておく。次いで、図5に示すように、ヒートシンク6が第二爪部12Bと一対の爪部12の配列方向(Y軸方向)に隣り合うように、ヒートシンク6をベース板部13の各主面13a,13b上に配置する。
この状態では、本体部11の各レール部25,26が各ヒートシンク6の各溝部34,35に挿入されて、係合する(図3参照)。
さらに、この状態では、基板7とヒートシンク6との間に介在する放熱シート4が、その厚さ方向に押し潰されるように弾性変形する。これにより、ヒートシンク6の第一主面31aと基板7との間の隙間(空間)が放熱シート4によって埋められる。
また、ヒートシンク6の固定時に各爪部12を従来のように必要以上に撓み変形させる必要が無いため、各爪部12の弾性率を高く設定しても、ヒートシンク6をケース本体5に簡単に取り付けることができる。したがって、電子機器1(製品)の製造効率向上、及び、製造コスト削減を図ることができる。
また、係止部51が第一爪部12Aに設けられる場合には、係止部51とベース板部13との係止部分が収容ケース2の内部(収容空間S)に配されるため、第一爪部12Aをベース板部13に固定した状態では、当該係止部分を外部から視認しにくくなる。これにより、第三者が第一爪部12Aをベース板部13から取り外すことを防止でき、収容ケース2内に配される各種部品の秘匿性をさらに高めることができる。
特に、本実施形態では、基板7が一対の爪部12によってヒートシンク6とベース板部13との間に挟み込んで固定されるため、また、基板7が付勢部27の弾性力によってヒートシンク6の第一主面31aに向けて押し付けられるため、基板7とヒートシンク6との間に隙間(空間)が生じることを抑制できる。さらに、基板7とヒートシンク6との間に弾性変形可能な放熱シート4が介在しているため、基板7とヒートシンク6との間の隙間(空間)を埋めることができる。したがって、発熱部3の熱をさらに効率よくヒートシンク6に逃がすことが可能となる。
例えば、上記実施形態では、ベース板部13に係止爪部52の鉤状部53を収容する係止凹部56が形成されているが、これに限ることはなく、例えば形成されなくてもよい。少なくとも一対の係止爪部52がベース板部13をその厚さ方向にから挟み込むことで、第一爪部12Aがベース板部13に係止して固定されればよい。
さらに、上記実施形態の移動規制部60では、規制凸部61がベース板部13に形成され、規制凹部62が第一爪部12Aに形成されているが、例えば規制凸部61が第一爪部12Aに形成され、規制凹部62がベース板部13に形成されてもよい。
さらに、第二連結部50Bは、上記実施形態のように構成されることに限らず、例えば第一連結部50Aと同様に構成されてもよい。この場合には、第一爪部12A及び第二爪部12Bを同一形状に形成することができるため、電子機器1(製品)の製造コスト削減をさらに図ることができる。
さらに、上記実施形態では一対の爪部12の両方が弾性的に撓み変形可能とされているが、例えば第一爪部12A、第二爪部12Bのいずれか一方のみが弾性的に撓み変形可能であり、第一爪部12A、第二爪部12Bの他方が弾性変形しないように形成されてもよい。
2 収容ケース
5 ケース本体(第一部材)
6 ヒートシンク(第二部材)
7 基板
8 電子部品
11 本体部
12 爪部
12A 第一爪部
12B 第二爪部
13 ベース板部
51 係止部
52 係止爪部
60 移動規制部
S 収容空間
Claims (4)
- 第一部材と、該第一部材よりも剛性が高い第二部材とを固定する固定構造であって、
前記第一部材が、本体部と、該本体部から同一方向に延びて形成されると共に互いに間隔をあけて配され、前記第二部材を側方から挟み込むと共に前記本体部との間に前記第二部材を挟み込む一対の爪部と、を備え、
少なくとも一方の爪部は、前記本体部に対して弾性的に撓み変形可能とされ、
前記一対の爪部のうち第一爪部及び前記本体部の一方が、前記第一爪部及び前記本体部を前記一対の爪部の配列方向に互いに近づけることで、前記第一爪部及び前記本体部を互いに係止して固定する係止部を備え、
前記第一部材及び前記第二部材が、内部に収容空間を有する収容ケースを構成することを特徴とする固定構造。 - 前記本体部が、板状に形成され、前記係止部によって前記第一爪部に係止して固定されるベース板部を備え、
前記係止部が、前記第一爪部に設けられ、前記ベース板部をその厚さ方向から挟み込む一対の係止爪部を備えることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。 - 前記第一爪部及び前記本体部が前記係止部によって互いに係止して固定された状態で、前記配列方向に直交する方向への前記第一爪部及び前記本体部の相対移動を規制する移動規制部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定構造。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固定構造において前記第二部材を前記第一部材に固定する固定方法であって、
前記第二部材が第二爪部と前記配列方向に隣り合うように、前記第二部材を前記本体部上に配置した後に、
前記第一爪部を、前記配列方向から前記本体部に近づけ、前記係止部により前記本体部に係止して固定することを特徴とする固定方法。
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