JP6215535B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、液体電解質をゲートとして使用し、カーボンナノチューブの束群をチャネルに用いた電界効果トランジスタに関する。
電気自動車の制御には高出力かつ低消費電力のトランジスタが必要とされる。とくに近年、アンペアレベルの大電流を制御することができるトランジスタに対するニーズが高い。
ここで、トランジスタで高出力、即ち、大電流を制御するためには、チャネルの長さを短くすることにより、チャネルの抵抗値を小さくすることが有効である。加えて、チャネルの断面積を大きくすることにより、チャネルに流れるキャリアの数を増やす事も有効である。また、電解液やイオン液体からなる液体電解質をゲートに採用した場合、液体電解質とチャネルの表面との接触面積が大きくなり、複数本のチャネルの表面に対して、瞬時かつ一括にゲート絶縁層として機能する電気二重層を生じさせることができ、スイッチング素子としての応答性が向上するので、ゲートとして液体電解質を採用することが有効である。
特許文献1には、互いに対向するソース電極とドレイン電極の間に複数の短い柱状の半導体を配置してチャネルの長さを短く、チャネルの断面積を大きく確保しつつ、その半導体の周囲にイオン液体を充填したゲートを備えたトランジスタが開示されている。
一方で、近年、半導体材料として広く利用されているシリコンに比べて、高い電子(正孔)移動度を有するカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と呼ぶ)を用いた電界効果トランジスタ(以下、「FET」と呼ぶ)の研究が行われている。
CNTは、原子1個分の厚みで炭素原子が6角形のハニカム構造を形成するグラフェンシートと呼ばれるシート状の物質が円筒状に巻かれた形状を有する。炭素原子の最外殻電子4個のうち、3個の電子は隣接する炭素原子との共有結合のために使われているが、未結合の4番目の電子は、グラフェンシートの平面の上下に垂直に伸びた軌道に存在する。この軌道はグラフェンシート全体にわたって広がっている。このシートの上下に広がる電子が、障害となるものに衝突することなくバリスティック伝導(無散乱で電子が走行する)に近い移動を行い得ることから、CNTは高い電子(正孔)移動度を有し、電気抵抗が小さいという性質を有する。実際、シリコンの電子移動度が約1.5×10cm/V・sであるのに比べて、CNTの電子移動度は約1.0×10cm/V・sであり、10倍程度大きい。
ところで、CNTの合成方法として広く知られているレーザーアブレーション法、アークプラズマ法、化学気相成長法(CVD法)等を用いて得られるCNTの長さは、数μm程度である。このCNTを特許文献1における柱状の半導体チャネルとして使用し、しかもソース電極とドレイン電極の間を連続する1本のCNTで接続しようとすると、ソース電極とドレイン電極との間の距離を数μm以下にする必要がある。しかしながら、ソース電極とドレイン電極との間の距離が短すぎると、トンネル効果によるリーク電流が増大し、FETの主たる目的である電流のスイッチング素子としての用途を果たさない。
このため、CNTを用いた従来のFETでは、ソース電極とドレイン電極との間の距離よりも短い複数本の短尺CNTをソース電極とドレイン電極との間に分散させたチャネルによって、ソース電極とドレイン電極とを接続する方法が採られてきた(例えば、特許文献2及び特許文献3)。
このような特許文献2及び特許文献3に記載されたトランジスタは、ソース電極とドレイン電極との間の距離よりも短い複数の短尺CNTをソース電極とドレイン電極との間に分散させたチャネル構造を有することから、ソース電極とドレイン電極との間を連続する1本の金属性CNTが存在しない。
そして、特許文献2及び特許文献3のチャネルは、短い複数の短尺CNTを分散液により分散させてチャネルを形成するものであるので、1)チャネルに電子(正孔)輸送の障害となる分散液が残留する、2)構造上CNT同士の接点が多いために接触抵抗が増大する、3)分散液中にCNTを高分散させるためCNTの密度に制限がある上にランダムな方向に分散しているので電極との接触面積が小さい等のため、チャネル及びチャネル−電極界面の抵抗が増大してしまうおそれがあった。すなわち、これら1)〜3)の性質は、ソース電極とドレイン電極との間の電気抵抗を増大させる方向に作用するため、ソース電極とドレイン電極との間の電流はせいぜい120μA/mm(ドレイン電極とソース電極との間の電圧:VDS=5.0V、ゲート電極とソース電極との間の電圧:VGS=7.0V)程度であって、数アンペアレベルの大電流の制御が要求される電気自動車用パワーデバイスには用いることができなかった。
このように、CNTを用いたFETとして、高出力と低消費電力を同時に実現するトランジスタを作成することは困難であった。
国際公開第2009/133891号 特許第4666270号公報 国際公開第2012/029234号
本発明は、配向性を有するCNTの束群のみからなるチャネルを用いてソース電極とドレイン電極との間に数アンペアレベルの大電流を制御することができ、かつこれを制御可能な電界効果トランジスタを提供することを目的とする。
(1)本発明は、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲートと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられたCNTの束群からなるチャネルと、を具備する電界効果トランジスタ(例えば、後述の実施形態の電界効果トランジスタFET1)であって、前記CNTの束群は、同一方向に配向した複数本のCNTからなるCNT束の集合体であり、CNTの束群自体としても配向性を有しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極とを結ぶ最短距離の直線に対して平行に配向し、かつ、前記CNTの束群を構成するCNTの平均長さがゲート長(Lgate)以上である、ことを特徴とする、電界効果トランジスタを提供する。
(1)の発明によれば、優れた配向性を有する長尺なCNTの束群が、ソース電極とドレイン電極との間を架橋しているため、電極とチャネルがその界面において良好な接触状態を実現しているため、チャネル−電極間の電気抵抗が小さく、電界効果トランジスタとして制御可能な電流値を向上させることができる。
(2)本発明は、前記ゲートは、液体電解質からなることを特徴とする、ことを特徴とする。
(2)の発明によれば、チャネルの表面に液体電解質が密着性よく含浸し、ゲート参照電極に電圧を印加した際に、液体電解質と個々のチャネルの表面に瞬時かつ一括にゲート絶縁層として機能する電気二重層が生じるため、スイッチング素子としての応答性が向上する。
(3)本発明は、前記CNTの束群を形成するCNTの密度は、1.0×10〜1.0×1012本/cmである、ことを特徴とする。
(3)の発明によれば、チャネルの本数及び断面積が従来のものに比べて飛躍的に増大する点に加え、同一方向に配向した複数本のCNTからなるCNT束の集合体であり、CNTの束群自体としても配向性を有しているため、CNT同士の接触する接点が多くなり、導電経路の選択肢が増える。更に後述する電子(正孔)輸送経路の最適化等が起こる。また、電極とチャネルがその界面において良好な接触状態を実現しているため、チャネル−電極間の電気抵抗が小さい。これらによって、電界効果トランジスタとして制御可能な電流値を飛躍的に向上させることができる。
(4)本発明は、前記CNTの束群は、先端放電型ラジカルCVD法によって合成された、ことを特徴とする。
(4)の発明によれば、ソース電極とドレイン電極とを連続して接続できる長さ以上の長尺なCNTの束群を合成できるため、分散液を用いずにCNTのみから構成される電界効果トランジスタのチャネルを製造することができる。
(5)本発明は、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲートと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられたCNTの束群からなるチャネルと、を具備する電界効果トランジスタ(例えば、後述の実施形態の電界効果トランジスタFET1)の製造方法であって、先端放電型ラジカルCVD法によって前記CNTの束群を合成し、基板上に、ソース電極と、ドレイン電極と、CNTの束群からなるチャネルと、液体電解質からなるゲートと、を形成し、前記CNTの束群は、同一方向に配向した複数本のCNTからなるCNT束の集合体であり、CNTの束群自体としても配向性を有しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極とを結ぶ最短距離の直線に対して平行方向に配向し、かつ、前記CNTの束群を形成する個々のCNTの平均長さがゲート長(Lgate)以上である、ことを特徴とする。
(5)の発明によれば、CNTの束群が、ソース電極とドレイン電極との間を連続して接続しているため、チャネルの電気抵抗値が小さく、更には電極とチャネルがその界面において良好な接触状態を実現しているため、チャネル−電極間の電気抵抗が小さく、アンペアレベルの大電流を制御する電界効果トランジスタを製造することができる。
本発明によれば、CNT束群のみからなるチャネルを用いてソース電極とドレイン電極との間に数アンペアレベルの大電流を制御することができ、かつこれを制御可能なFETを提供することができる。
金属性CNTと半導体性CNTの構造上の違いについての模式図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタの構成を示す模式図である。 本発明に係る一実施形態のチャネルに用いるCNTの幾何的条件を説明する模式図である。 従来技術と本発明のチャネル構造の違いを説明する概念図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのチャネルに用いるCNTを合成するプラズマCVD装置の概略図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのチャネルに用いるCNTのSEM像を示す図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのチャネルに用いるCNTのTEM像を示す図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタの製造手順を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタの製造方法を示す概略図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタの性能評価を示す図である。 本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのCNTの束構造による電子(正孔)輸送経路の最適化を示す概念図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電界効果トランジスタ1(以下、必要に応じ「FET1」と呼ぶ)について図面を適宜参照しつつ説明する。
[構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る電界効果トランジスタ1の構成の模式図である。
本発明の一実施形態に係るFET1は、基板2、ソース電極3、ドレイン電極4、導電性樹脂5、絶縁性樹脂6、チャネル7、ゲート8、ゲート参照電極9、及び配線10から構成される。
基板2は、ガラスで構成されるが、例えば、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルムやプラスチックであってもよい。
基板2上の一部の領域には、直方体の形状からなるソース電極3及びドレイン電極4がそれぞれ互いに対面するように配置されている。ソース電極3及びドレイン電極4は、各々、チタン及びそのチタンの周囲を金が被覆したもので構成されている。
導電性樹脂5は、導電性エポキシ樹脂又は銀ペーストで構成され、ソース電極3及びドレイン電極4の周囲を覆うように配置されている。
絶縁性樹脂6は、絶縁性エポキシ樹脂で構成され、導電性樹脂5の外周を覆うように配置されている。
チャネル7は、同一方向に配向した複数本のCNTからなるCNT束の集合体(以下、必要に応じ「CNTの束群」と呼ぶ)として構成され、ソース電極3とドレイン電極4とを接続するように配置されている。
ここで、本発明のチャネル7を構成するCNTの束群は、その長さが少なくともソース電極3とドレイン電極4との間の距離よりも長くなっており、個々のCNTがソース電極3とドレイン電極4との間を連続して接続するようになっている。また、本発明のチャネル7を構成するCNTは、その単位面積当たりの本数が1.0×10〜1.0×1012本/cmという高密度で形成されている。
このように、ソース電極3及びドレイン電極4間の距離よりも長く、従来のCNTを、用いたFETデバイスのチャネル数の比にならないほど高密度化されたCNTをチャネル7に用いることで、本発明のFET1では、従来例のような分散処理(短い複数の短尺CNTを分散液により分散させてチャネル7を形成する処理)を行わずに、FETとしての役割を付与することができる。加えて、電子(正孔)輸送を担うキャリアの本数及び断面積の増大によって、チャネルに流れる電流値が飛躍的に増大する。
そして、本発明のFET1では、チャネル7内に電子(正孔)輸送の障害となる分散液が残留することもなく、また、チャネル7がゲート8に効率よく含浸されてチャネル7及びゲート8間の接触面積が大きくなるので、ゲート参照電極9に電圧を印加した際に、ゲート8と個々のチャネル7の表面に瞬時かつ一括にゲート絶縁層として機能する電気二重層が生じるため、更にはソース電極3及びドレイン電極4とチャネル7がその界面において良好な接触状態を実現しているため、チャネル−電極間の電気抵抗が小さく、アンペアレベルの大電流を制御することができる。
なお、チャネル7を形成する複数のCNTの束構造は、例えば、図1の模式図で示すようになっている。すなわち、CNTの束構造は、半導体性CNT11と金属性CNT12とから構成され、その比率はおおよそ2:1で構成されている。これは、CNTがグラフェンシートを巻いたような形状を有するものであり、CNTの構造上の違いにより半導体的性質と金属的性質とを有するCNTがおおよそ2:1の比率で存在することに起因している。
図1において、白丸が黒丸に重なるように巻かれたCNTは、アームチェア型CNTと呼ばれ、金属的性質を示す。一方、白丸がそれ以外の丸と重なる様に巻かれた場合であるカイラル型CNT及びジグザグ型CNTは、半導体的性質を示す。つまり、図1のCNTは、1/3程度がアームチェア型CNT、2/3程度がカイラル型CNT又はジグザグ型CNTから構成されることから、半導体的性質を有するCNTと、金属的性質を有するCNTがおおよそ2:1の比率となる。
図2は、本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのチャネルに用いるCNTの模式図である。チャネル7は、複数のCNTが束ねられた束構造として構成され、ソース電極3とドレイン電極4とを架橋するように配置されている。
ここで、図3に示すように、ソース電極3とドレイン電極4との最短距離となる直線の長さLgateを「ゲート長」と呼ぶ。また、基板2の平面に並行であって、ソース電極3とドレイン電極4との最短距離となる直線に直角な方向を「ゲート幅方向」と呼び、チャネル7のゲート幅方向の長さWgateを「ゲート幅」と呼ぶ。そして、チャネル7として用いられるCNTの束群を構成するCNTの長さの平均(以下、「カーボンナノチューブの束群の平均長さ」と呼ぶ)、即ち、平均長さLcntを「チャネル長」と呼ぶ。さらに、基板2の平面に垂直な方向を「ゲート高さ方向」と呼び、チャネル7のゲート高さ方向の寸法を「ゲートの厚み」と呼ぶ。
なお、本実施形態においては、例えばゲート長Lgate及びゲート幅Wgateはいずれも1mmであり、ゲートの厚み(基板2の平面に垂直な方向の厚み)は300μmである。あるいは、ゲート長Lgateは、1インチ(2.54mm)程度であってもよい。
そして、本発明のチャネル7としては、そのCNTの配向がソース電極3とドレイン電極4との間の電子(正孔)の輸送方向に平行となるように形成されることが望ましいともいえる。すなわち、CNTの配向が、ソース電極3とドレイン電極4との最短距離となる直線に対して平行であることが望ましい。
CNTの配向がソース電極3とドレイン電極4との間の電子(正孔)の輸送方向に平行になるほど、ソース電極3及びドレイン電極4間に輸送される電子(正孔)が同じ1本の(あるいはその近傍の)CNT上を移動しやすくなり、隣り合うCNT間の移動が少なくなる分だけチャネル7の抵抗が下がるからである。したがって、高出力のFET1を得るためには、CNTの配向がソース電極3とドレイン電極4との間の電子(正孔)の輸送方向に平行であることが望ましい。
また、本発明のチャネル7の構造を別の視点から見ると、束構造を構成するCNTのうち、CNTがソース電極3とドレイン電極4との間を連続して接続するものを含むよう構成されることが望ましいともいえる。
ソース電極3とドレイン電極4の間が1本の連続したCNTで接続されていた方が、従来例のように、短いCNT同士を複数繋いだ場合よりも、各CNT間の接触抵抗がない分だけ、チャネル7の抵抗が小さくなるからである。つまり、高出力のFET1を得るという観点からは、CNTの束群は、ソース電極3とドレイン電極4との間を連続して接続するCNTを含むよう構成されていることも大切である。
再び、図2に戻って、本発明の第一実施形態に係る電界効果トランジスタ1の構成を説明する。ゲート8は食塩水であって、基板2、絶縁性樹脂6及びチャネル7に触れる様に液層内に満たされている。特に、チャネル7に対しては、本発明のチャネル7は従来例のような分散処理を行っていないため、ゲート8が、チャネル7の厚み方向(基板2の平面に垂直な方向)へ効率よく含浸している。なお、ゲート8は、食塩水に代えて、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、又はこれらに塩化水素・水酸化ナトリウム等を加えたもの)、水酸化カリウム、シュウ酸塩、フタル酸塩、中性リン酸塩、ホウ酸塩の溶液等の電解液やイオン液体でもよい。
ゲート参照電極9は、銀の周囲を塩化銀で覆うように構成された銀−塩化銀電極であり、ゲート8の液体電解質の溶液内に浸漬されている。
なお、ゲート参照電極9に電圧が加えられると、CNTの外周を覆うように電気二重層によるゲート絶縁層13が形成されることになる。
次に、図4を参照しつつ、本発明のチャネル7の構造を説明する。
図4は、従来技術と本発明のチャネル7構造の違いを説明する概念図である。
図4(a)は、従来技術(例えば、特許文献1)に記載されたチャネルの概念図である。図4(b)は、本発明の一実施形態としてのチャネル7の概念図である。
図4(a)に示されるチャネルは、半導体性CNT11と、金属性CNT12と、それら以外にも断片化処理及び分散処理に由来する分散溶媒14、界面活性剤15、金属微粒子16等の不純物を含む。さらに、断片化処理では、CNTの側壁に亀裂等が生じやすいため、図4(a)に示されるチャネルは、欠陥のあるCNT17を含む。これら不純物や欠陥のあるCNTは、導電特性の低下及びスイッチング特性の低下の原因となる。さらに、従来技術のチャネルは、分散液中にCNTを高分散させるためCNTの密度に制限があるうえに、CNTがランダムな方向に分散しているので、電極との接触面積が小さくなり、大電流を制御することができない。
一方、図4(b)に示す、本発明の一実施形態としてのチャネル7は、半導体性CNT11と金属性CNT12のみから構成されるため、上述のような、CNT以外の不純物を含まない。さらには断片化処理等も不要のため、欠陥のあるCNTの本数が減少する。これらの作用によって優れた導電特性を示す。このため、ゲート8として液体電解質を用いた場合には、ゲート8がチャネル7の厚み方向へ効率よく含浸し、チャネル7とゲート8の接触面積を大きくすることができる。更には、チャネル7が配向していることからソース電極及びドレイン電極とチャネル7がその界面において良好な接触状態を実現しているため、チャネル−電極間の電気抵抗が小さい。上述のように、本発明のFET1では、チャネル−ゲート間、チャネル−電極間の接触面積が大きいことに加え、チャネルに高い電子移動度を誇るCNTが、単位面積当たりの本数が1.0×10〜1.0×1012本/cmという高密度で形成されたものをもちいることから、アンペアレベルの大電流を制御することが可能である。
[製造方法]
次に、FET1の製造方法について図5〜図9を参照しつつ説明する。
図5は、本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのCNTを合成するプラズマCVD装置の概略図である。
本実施形態におけるチャネル7は、先端放電型ラジカルCVD法(以下、「プラズマCVD法」と呼ぶ)によって合成されるCNTから構成される。本実施形態におけるプラズマCVD法によるCNTの合成装置が、プラズマCVD装置30である。プラズマCVD装置30は、図5に示すように、チャンバー31と、基板加熱部32、基板33、基板ホルダ34、マイクロ波導波管35と、マイクロ波導波管35から伸びるアンテナ36と、から構成される。そして、チャンバー31は、内部に原料ガス37を導入するための入口である原料ガス導入部38と、外部に原料ガス37を排出するための原料ガス排出部39と、を備えている。
ここで、プラズマCVD装置30を用いたCNTの製造方法を説明する。
原料ガス37は、炭化水素ガスであり、メタンやアセチレン等が好適である。
まず、基板33上には鉄粒子等の触媒40が高密度に配置される。触媒40は、コバルトと鉄の合金、ニッケルと鉄の合金が用いられてもよい。次に、基板33から離れたアンテナ36の先端部41でプラズマを発生させ、プラズマがプラズマ発生領域42内の原料ガス37を分解することにより、基板33の上にCNTが合成される。
本プラズマCVD装置は、マイクロ波の定在波の腹がちょうどアンテナ36の先端部41に位置するよう設計されているため、60Wという低電力で放電可能である。また、基板33とアンテナ36の先端部41との距離dは、上下に可動な基板ホルダ34によって自由に調整することができるので、プラズマを触媒40から離れた場所で発生させることができる。このため、触媒40がプラズマによって損傷を受けにくく、触媒40の活性時間が伸びることになるので、数mmという長尺かつ垂直に配向し、かつ単位面積当たりの本数が1.0×10〜1.0×1012本/cmという高密度のCNTを合成することができる。
上述のプラズマCVD法におるCNTの合成を、690℃、20Torr、60W、の条件下で行うことにより、長尺なCNTを合成することができる。
図6は、本発明に係る一実施形態としてプラズマCVD法を用いて合成したCNTのSEM(Scanning Electron Microscopy)像を示す図である。なお、図6の右上の写真はこのSEM像の部分拡大図である。
基板に垂直な方向に成長した自立するCNT(フォレストと呼ばれる)が合成されているのがわかる。従来の方法では、CNTの長さはせいぜい数μmであったのに対し、プラズマCVD法によれば、図6に示すように、1mm程度の厚さに成長していることがわかる。そして、図6の右上のCNTの部分拡大図から、個々のCNTは、基板に垂直な方向に配向して伸びている。
図7は、本発明に係る一実施形態としてプラズマCVD法を用いて合成したCNTのTEM(Transmission Electron Microscopy)像を示す図である。図7から、複数のCNTが、束になった束構造を形成している。
上記のプラズマCVD法により合成した長尺のCNTの組成比率は、単層CNTが82%、2層CNTが18%を占める。そして、単層CNTの平均直径は2.2nm、2層CNTの平均直径は3.7nmであった。
次に、本発明の一実施形態に係るFET1の製造方法について図8及び図9を参照しつつ説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係るFET1の製造手順を示すフローチャートである。図9は、本発明の一実施形態に係るFET1の製造方法の概略図を示している。図9の(a)〜(d)はFET1を上方向から俯瞰した図であり、図9の(a’)〜(e’)はFET1の側面方向から見た図である。図9(a)〜(d)は、それぞれ図9(a’)〜(e’)に対応している。さらに、図8のステップS12は、図9(a)及び(a’)に、図8のステップS13は、図9(b)及び(b’)に、図8のステップS14は、図9(c)及び(c’)に、図8のステップS15及びS16は、図9(d)及び(d’)に、図8のステップS17は、図9(e’)に対応している。
本発明の第一実施形態に係るFET1の作成は、次のような手順により実行される。
ステップS11において、プラズマCVD装置30により、ゲート長Lgateの3〜5倍程度の長さのCNTを合成する。
ステップS12において、ステップ1において合成したCNTをゲート長Lgateの2倍程度の長さになるようにCNTを基板から剥がし取り、ガラスからなる基板2の上に絶縁性樹脂(図示しない)を用いて固定する。この固定されたCNTがチャネル7である(図9(a)及び(a’)参照)。
ステップS13において、チタンの周囲を金が被覆して構成されるソース電極3及びドレイン電極4を、ソース電極3とドレイン電極4との間の距離(すなわちゲート長)が1mmになるように蒸着する(図9(b)及び(b’)参照)。
ステップS14において、別のガラス基板2上に、ステップS13において作成したCNTのチャネル7と、ソース電極3及びドレイン電極4を移し替える(図9(c)及び(c’)参照)。
ステップS15において、ソース電極3及びドレイン電極4にそれぞれ配線10を導電性樹脂5(伝導性エポキシ樹脂又は銀ペースト)で電気的に接合する(図9(d)及び(d’)参照)。
ステップS16において、絶縁性樹脂6(絶縁性エポキシ樹脂)によりソース電極3と、ドレイン電極4及び配線10を覆い、液体電解質からなるゲート8に直接暴露することを防止する(図9(d)及び(d’)参照)。
ステップS17において、絶縁性樹脂6による壁20を設け、液体電解質を貯留できる液槽とし、液体電解質からなるゲート8に、ゲート参照電極9を浸漬させる(図9(e’)参照)。
[動作]
次に、上述のように、プラズマCVD法により合成したCNTを用いて作成したFET1の動作について説明する。
ゲート参照電極9に、電圧がゼロの状態から電圧を印加すると、チャネル7の個々のCNTとゲート8の液体電解質との界面に電気二重層によるゲート絶縁層13が形成される。ゲート8は、液体電解質であるため、CNTとの密着性がよく、容易かつ均一に電界をチャネル7に作用させることができるため、高速にゲート絶縁層13を形成することができる。
そして、当該ゲート絶縁層13を介してCNTチャネル7に電界が作用するので、このときにソース電極3とドレイン電極4との間に電圧を印加しておくと、ソース電極3とドレイン電極4との間に電流が流れる。
図10は、本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタの性能評価を示す図である。
ゲート参照電極9とソース電極3の間の電圧(以下、「ゲート参照電極−ソース電極間電圧」と呼ぶ)VGSを0V、0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vに設定し、ドレイン電極4とソース電極3の間の電圧(以下、「ドレイン−ソース電極間電圧」と呼ぶ)VDSを印加した際のドレイン電極4−ソース電極3間に流れる電流(以下、「ドレイン−ソース電極間電流」と呼ぶ)IDSが図10に示されている。
ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGS=0Vの場合とゲート参照電極−ソース電極間電圧VGS=0.5Vの場合とで、ドレイン−ソース電極間電流IDSに大差がない。これは、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGSが0.0V〜0.5Vの範囲では、チャネル7に十分に電気二重層が形成されていないためと考えられる。
その後、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGSが1.0V以上になると、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGSが大きくなるほどドレイン−ソース電極間電流IDSがよく流れることを図10は示している。つまり、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGS=0.5V以上では、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGSが0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vの順に大きくなるほど、ソース電極3とドレイン電極4の間の抵抗(VDS/IDS)は、3.1Ω、1.8Ω、1.2Ω、1.0Ωの順に小さくなり、本発明のFET1がトランジスタとして機能していることが分かる。
なお、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGSが0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vの場合のFET1のオン抵抗値を、測定に用いたFET1の実際のゲート幅Wgate、厚み及びゲート長Lgateを考慮して体積抵抗率に換算すると、1.2×10−3Ω・cm、7.0×10−4Ω・cm、4.7×10−4Ω・cm、4.0×10−4Ω・cmとなる。
以上のように、本発明のFET1では、ドレイン−ソース電極間電圧VDS=2.0V、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGS=2.0Vにおいて、ドレイン−ソース電極間電流IDS=2.0A/mmの電流、すなわちアンペアレベルの大電流を制御することができる。
ところで、本発明では、ゲート参照電極9に電圧を印加していない場合であっても、ソース電極3とドレイン電極4との間に電圧を印加すると、チャネル7に電流(いわゆるリーク電流)が流れる。これは、本発明のFET1において、少なくとも1本の連続した金属性CNTがソース電極3とドレイン電極4とを接続していることに伴うものである。
例えば、本発明では、ドレイン−ソース電極間電圧VDS=2.0V、ゲート参照電極−ソース電極間電圧VGS=0.0Vにおいて、ドレイン−ソース電極間電流IDS=0.6A/mmの電流が流れている(前述の体積低効率に勘案すると、1.3×10−3Ω・cm(2.0V/0.65A×10μm×3μm/10μm)である)。
しかしながら、本発明のFET1の用途として、リーク電流の存在を気にしない用途を考慮すれば、本発明のFET1で生じるリーク電流は実使用上問題になることはない。むしろ、本発明のFET1は、その高出力用のFET1としての有用性が高いことは、既に述べたとおりである。
以上のように、プラズマCVD法によって合成されたCNTをチャネル7に用いた本発明のFET1は、以下の特徴を有する。
(1)単位面積当たりのCNTの本数が1.0×10〜1.0×1012本/cmという高密度であるので、FET1全体、ソース及びゲート単位面積あたりにおけるチャネル数が飛躍的に増大し、電流値及び電流密度の大幅な向上が可能となる。
(2)個々のCNTが数mmという長尺であるために、連続するCNTによってドレイン−ソース電極間を接続することが可能となる。このため、短いCNT同士を複数繋いだ場合よりも、その接触抵抗が無い分だけ、チャネル抵抗の大幅な軽減が可能となる。
(3)チャネル7は複数のCNTが束ねられた複数本の束(バンドル)構造を形成しており、個々の束において、電子(正孔)輸送経路の最適化が見込まれる。
(4)チャネル7に分散処理を行わず、かつ、ゲート8に液体電解質を用いることで、ゲート8がチャネル7の厚み方向へ効率よく含浸し、CNTとゲート8の接触面積を大きくすることができる。このため、チャネル7を構成する各CNTの表面に電気二重層が形成され、ドレイン−ソース電極間にアンペアレベルの大電流を制御することができ、かつこれを制御可能なFETを提供することができる。
図11は、本発明に係る一実施形態としての電界効果トランジスタのCNTの束構造による電子(正孔)輸送経路の最適化を示す概念図である。
CNTの束構造の周囲に、電気二重層によるゲートが形成されることで以下の効果が表れる。
1.送距離ショートカット経路
本発明のCNTは、その単位面積当たりのCNTの本数が1.0×10〜1.0×1012本/cmという高密度を有している。このような高密度なCNTの束構造内には、半導体性CNT同士が接触する接点が多く存在する。電子(正孔)は、接点による分岐の度に、ソース電極からドレイン電極までの輸送距離が最も短くなる経路を選択することになるので、結果としてショートカット経路が形成される。
2.高伝導チャネルシフト経路
上記のような高密度なCNTの束構造内には、半導体性CNTと金属性CNTが接触する接点も多く存在することになる。チャネル7に形成された電気二重層によって半導体性CNTから輸送される電子(正孔)が、ある接点による分岐において、より伝導度の高い金属性チャネルにシフトする経路が形成される。
3.欠陥チャネル迂回経路
上記のような高密度なCNTの束構造を採用することで、本来ならば電子(正孔)の輸送が行えない、破断点等を持つ欠陥CNTが存在する場合であっても、CNT同士の接触する接点による分岐において、欠陥が無いCNTに迂回する経路が形成される。
本発明のFET1では、上述の送距離ショートカット経路、高伝導チャネルシフト経路、欠陥チャネル迂回経路は、チャネル全体の電流の抵抗値を小さくするよう寄与するため、これらの効果によってドレイン−ソース間電流が飛躍的に増大するといえる。
以上より、プラズマCVD法によって合成したCNTをチャネル7に用いることで、ドレイン−ソース電極間にアンペアレベルの大電流を制御することができ、これを制御可能なFETの作成が可能となる。
以上説明したように、本発明では、電界効果トランジスタ1は、ソース電極3及びドレイン電極4と、ソース電極3とドレイン電極4との間に設けられた複数の長尺CNTからなるチャネル7と、液体電解質からなるゲート8を具備しており、CNTの束群は、ソース電極3とドレイン電極4を連続して接続しているCNTを含む。
たとえば、本発明の電界効果トランジスタ1のチャネル7は、ゲートとドレイン電極との間の電圧がゼロの場合、体積抵抗率が1.3×10−3Ω・cm以下である。また、本発明のチャネル7を構成するCNTの配向は、前記ソース電極と前記ドレイン電極とを結ぶ最短距離の直線に対して平行に配向し、かつ、前記CNTの束群を構成するCNTの平均長さ(Lcnt)がゲート長(Lgate)以上である。
そして、かかる構成を有しているため、電界効果トランジスタ1がオンした場合であっても、体積抵抗率が小さく、アンペアレベルの大電流を制御することができる。また、ゲートが液体電解質であるため、低い電圧であっても液体電解質とチャネル7の表面に容易に電気二重層が生じ、低消費電力でアンペアレベルの大電流を制御することができる。さらに、ゲートが液体電解質であるため、CNTからなるチャネル7の表面と、液体電解質との間の密着性がよく、高い電子(正孔)移動度がもたらされ、応答性の高いトランジスタを実現することができる。
要するに、本発明では、電界効果トランジスタが、液体電解質からなるゲート8と、ソース電極3とドレイン電極4を連続して接続しているCNTを含む長尺でかつ高密度なCNTの束群からなるチャネル7とを備えているため、高出力、低消費電力、高速応答が実現される。
なお、上述した本発明の一実施形態に係るFET1の製造手順におけるステップS15とステップS16との間で、ソース電極3とドレイン電極4との間に比較的大きな電圧を印加してCNTからなるチャネル7に比較的大きな電流を制御することで、金属性CNTを選択除去し、チャネル7における金属製CNTの比率を下げるイニシャライズ処理を行うことは、適宜、行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・電界効果トランジスタ
2・・・基板
3・・・ソース電極
4・・・ドレイン電極
5・・・導電性樹脂
6・・・絶縁性樹脂
7・・・チャネル
8・・・ゲート
9・・・ゲート参照電極
10・・・配線
11・・・半導体性CNT
12・・・金属性CNT
13・・・ゲート絶縁層
14・・・分散溶媒
15・・・界面活性剤
16・・・金属微粒子
17・・・欠陥のあるCNT
20・・・壁
30・・・プラズマCVD装置
31・・・チャンバー
32・・・基板加熱部
33・・・基板
34・・・基板ホルダ
35・・・マイクロ波導波管
36・・・アンテナ
37・・・原料ガス
38・・・原料ガス導入部
39・・・原料ガス排出部
40・・・触媒
41・・・先端部
42・・・プラズマ発生領域

Claims (4)

  1. ソース電極と、ドレイン電極と、ゲートと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられた同一方向に配向した複数本のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブ束の集合体であり、集合体自体としても配向性を有しているカーボンナノチューブの束群からなるチャネルと、を具備する電界効果トランジスタであって、
    前記カーボンナノチューブの束構造は、カイラル型カーボンナノチューブと、ジグザグ型カーボンナノチューブと、アームチェア型カーボンナノチューブと、を含み、
    前記カーボンナノチューブの束の構造の2/3を前記カイラル型カーボンナノチューブ又は前記ジグザグ型カーボンナノチューブが占めており、
    前記カーボンナノチューブの束群は、前記ソース電極と前記ドレイン電極とを結ぶ最短距離の直線に対して平行に配向し、かつ、前記カーボンナノチューブの束群を構成するカーボンナノチューブの平均長さ(Lcnt)がゲート長(Lgate)以上である、
    ことを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 前記ゲートは、液体電解質からなることを特徴とする、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記カーボンナノチューブの密度は、1.0×10〜1.0×1012本/cmである、ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  4. ソース電極と、ドレイン電極と、ゲートと、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられたカーボンナノチューブの束群からなるチャネルと、を具備する電界効果トランジスタの製造方法であって、
    先端放電型ラジカルCVD法によって前記カーボンナノチューブを合成し、
    基板上に、ソース電極と、ドレイン電極と、カーボンナノチューブの束群と、液体電解質からなるゲートと、を形成し、
    前記カーボンナノチューブの束構造は、カイラル型カーボンナノチューブと、ジグザグ型カーボンナノチューブと、アームチェア型カーボンナノチューブと、を含み、
    前記カーボンナノチューブの束の構造の2/3を前記カイラル型カーボンナノチューブ又は前記ジグザグ型カーボンナノチューブが占めており、
    前記カーボンナノチューブの束群は、同一方向に配向した複数本のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブ束の集合体であり、集合体自体としても配向性を有しており、前記ソース電極と前記ドレイン電極とを結ぶ最短距離の直線に対して平行に配向し、かつ、前記カーボンナノチューブの束群を構成するカーボンナノチューブの平均長さがゲート長(Lgate)以上である、
    ことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
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